JP2007124614A - 符号化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】動きベクトル情報に起因する符号量を削減する。
【解決手段】動き補償部60は、後方参照フレーム内の各マクロブロックについて前方参照フレームを基準とする参照動きベクトルを計算し、動きベクトル保持部62に格納する。ブロックマッチング部61は、後方参照フレーム内のマクロブロックとのブロックマッチングによって、符号化対象フレーム内で動き補償予測の対象となるブロックを特定する。動きベクトル計算部63は、特定された各ブロックに対して、前方参照フレームを基準とした符号化対象動きベクトルを求める。比率計算部64は、符号化対象動きベクトルの成分と参照動きベクトルの成分との比率を求める。運動モード選択部66は、前記比率を解析して複数の符号化対象フレーム間における各ブロックの運動状態を推定する運動モードを選択する。運動モードは、可変長符号化部90に出力されて符号化される。
【選択図】図3

Description

本発明は、動画像を符号化する符号化方法に関する。
ブロードバンドネットワークが急速に発展しており、高品質な動画像を利用したサービスに期待が集まっている。また、DVDなど大容量の記録媒体が利用されており、高画質の画像を楽しむユーザ層が広がっている。動画像を通信回線で伝送したり、記録媒体に蓄積するために不可欠な技術として圧縮符号化がある。動画像圧縮符号化技術の国際標準として、MPEG4の規格やH.264/AVC規格がある。また、ひとつのストリームにおいて高画質のストリームと低画質のストリームを併せもつSVC(Scalable Video Coding)のような次世代画像圧縮技術がある。
高解像度の動画像をストリーム配信したり、記録媒体に蓄積する場合、通信帯域を圧迫しないように、あるいは、記憶容量が大きくならないように、動画ストリームの圧縮率を高める必要がある。動画像の圧縮効果を高めるために、動き補償フレーム間予測符号化が行われる。動き補償フレーム間予測符号化では、符号化対象フレームをブロックに分割し、既に符号化された参照フレームからの動きをブロック毎に予測して動きベクトルを検出し、差分画像とともに動きベクトル情報を符号化する。
特許文献1には、残差動きベクトルと残りフレーム数より予想される予測動きベクトルがフレーム間の動きベクトルの近傍に存在する場合、フレーム間の動きベクトルの近傍にある予測動きベクトルを動きベクトルとし、予測動きベクトルがフレーム間の動きベクトルの近傍に存在しないときは、フレーム間の動きベクトルを動きベクトルとする、動き補償予測符号化方式が記載されている。
特開平2−219391号公報
H.264/AVC規格では、動き補償において、よりきめ細かな予測を行うために、動き補償のブロックサイズを可変にしたり、動き補償の画素精度を1/4画素精度まで細かくすることができるようになっており、動きベクトルに関する符号量が多くなる。また、次世代画像圧縮技術であるSVCでは、時間的スケーラビリティを高めるために、MCTF(Motion Compensated Temporal Filtering、動き補償時間方向フィルタ)技術が検討されている。これは、時間軸方向のサブバンド分割に動き補償を組み合わせたものであり、階層的な動き補償を行うため、動きベクトルの情報が非常に多くなる。このように最近の動画圧縮符号化技術では、動きベクトルに関する情報量が増えることにより動画ストリーム全体のデータ量が増大する傾向にあり、動きベクトル情報に起因する符号量を削減する技術が一層求められている。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたもので、その目的は、符号化効率が高い動画像の符号化技術を提供することにある。
本発明のある態様は、動画像のピクチャを符号化する方法である。この方法は、複数の符号化対象ピクチャ間における各ブロックの運動状態を推定し、推定した運動状態を表す運動モードの情報を動画像の符号化データに含めることを特徴とする。
「ピクチャ」は符号化の単位であり、その概念にはフレーム、フィールド、VOP(Video Object Plane)などを含む。また、符号化対象ピクチャ内の「ブロック」は、マクロブロックやオブジェクトなど一定の範囲に含まれる複数の画素からなり、動き補償予測時のマッチング対象となりうるものをいう。
この態様によると、符号化対象ピクチャ内のブロックの運動状態を推定した運動モードを符号化データに含めるので、運動モードを利用した符号化または復号を実現することができる。
第1の参照ピクチャを基準とした第2の参照ピクチャ内のブロックの動きベクトルである参照動きベクトルが求められている場合に、符号化対象ピクチャ内のブロックに対して、第1の参照ピクチャを基準とした動きベクトルである符号化対象動きベクトルを求め、複数の符号化対象ピクチャについて、符号化対象動きベクトルの成分と参照動きベクトルの成分との比率を求め、この比率を参照して各ブロックの運動状態を推定してもよい。これによると、第2の参照ピクチャの動きベクトルを利用して、符号化対象ピクチャの動きベクトルを表現するとともにブロックの運動状態を推定するようにした。したがって、符号化対象動きベクトルそのものを符号化する必要がなくなるため、動きベクトルデータ全体の符号量が削減でき、動画像の符号化効率を向上させることができる。
なお、「第1の参照ピクチャ」は、一例では実施の形態における「前方参照フレーム」であり、「第2の参照ピクチャ」は、一例では実施の形態における「後方参照フレーム」であるが、第1の参照ピクチャが後方参照フレーム、第2の参照ピクチャが前方参照フレームであってもよい。また、「符号化対象ピクチャ」は一例では実施の形態におけるBフレームである。
第2の参照ピクチャ内のブロックとのマッチングによって、複数の符号化対象ピクチャ内で動き補償予測の対象となるブロックをそれぞれ特定し、特定されたブロックについて符号化対象動きベクトルを求めるようにしてもよい。
隣接する符号化対象ピクチャで求められた比率の差分を取ることによって、ブロックの運動状態を推定してもよい。これによって、簡単な手法でブロックの運動状態を推定することができる。
運動モードにしたがって参照動きベクトルから符号化対象動きベクトルを求めるための係数を求め、該係数の情報を動画像の符号化データに含めてもよい。
運動モードには、符号化対象ピクチャ間でブロックが等速度運動すると推定される等速度運動モードが含まれ、係数は、第1の参照ピクチャと符号化対象ピクチャ間の時間間隔に基づいて決定されてもよい。これによって、係数を符号化する必要がなくなるため、動きベクトルデータ全体の符号量が削減でき、動画像の符号化効率を向上させることができる。
運動モードには、符号化対象ピクチャ間でブロックが等加速度運動すると推定される等加速度運動モードが含まれ、係数は、第1の参照ピクチャと符号化対象ピクチャ間の時間間隔に基づいて決定されてもよい。この場合も、係数を符号化する必要がなくなり、動きベクトルデータ全体の符号量が削減でき、動画像の符号化効率を向上させることができる。
係数を符号化する際、予め可変長符号が割り当てられている複数の定数のうち係数に最も近い定数を選択し、選択された定数に割り当てられている符号を動画像の符号化データに含めてもよい。これによって、係数そのものを符号化する必要がなく、予め割り当てられている符号のみを動画像の符号化データに含めればよいので、符号化データの符号量を抑えることができる。
符号化対象動きベクトルと、参照動きベクトルに係数を乗じて得られるベクトルとの誤差を表す調整ベクトルを求め、該調整ベクトルの情報を動画像の符号化データに含めてもよい。これによって、上述の定数で係数を近似した場合であっても、調整ベクトルを各マクロブロックについて計算しておけば、誤差は調整ベクトルで吸収されるため、動き補償予測の精度が低下しなくなる。調整ベクトルを符号化する際、その出現頻度に応じた可変長符号を付与してもよい。
また、運動モードの情報は複数のピクチャに対してひとつ符号化され、係数と調整ベクトルの情報は符号化対象動きベクトル毎に符号化されてもよい。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、動きベクトルデータの符号量を削減することができる。
図1は、実施の形態に係る符号化装置100の構成図である。これらの構成は、ハードウェア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウェア的にはメモリにロードされた画像符号化機能のあるプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組み合わせによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
本実施の形態の符号化装置100は、国際標準化機関であるISO(International Organization for Standardization)/IEC(International Electrotechnical Commission)によって標準化されたMPEG(Moving Picture Experts Group)シリーズの規格(MPEG−1、MPEG−2およびMPEG−4)、電気通信に関する国際標準機関であるITU−T(International Telecommunication Union-Telecommunication Standardization Sector)によって標準化されたH.26xシリーズの規格(H.261、H.262およびH.263)、もしくは両方の標準化機関によって合同で標準化された最新の動画像圧縮符号化標準規格であるH.264/AVC(両機関における正式勧告名はそれぞれMPEG-4 Part 10: Advanced Video CodingとH.264)に準拠して動画像の符号化を行う。
MPEGシリーズの規格では、フレーム内符号化を行う画像フレームをI(Intra)フレーム、過去のフレームを参照画像として順方向のフレーム間予測符号化を行う画像フレームをP(Predictive)フレーム、過去と未来のフレームを参照画像として双方向のフレーム間予測符号化を行う画像フレームをBフレームという。
一方、H.264/AVCでは、参照画像として利用できるフレームは、時間の先後を問わず、過去の二枚のフレームを参照画像としてもよく、未来の二枚のフレームを参照画像としてもよい。また、参照画像として利用できるフレームの枚数も問わず、3枚以上のフレームを参照画像として用いることもできる。したがって、MPEG−1/2/4では、Bフレームは双方向予測(Bi-directional prediction)フレームのことを指していたが、H.264/AVCでは、Bフレームは、参照画像の時間の先後は問わないため、双予測(Bi-predictive prediction)フレームのことを指すことに留意する。
なお、本願明細書では、フレームとピクチャを同じ意味で用いており、Iフレーム、Pフレーム、Bフレームは、それぞれIピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャとも呼ばれている。
また、本願明細書では、符号化の単位としてフレームを例に挙げて説明するが、符号化の単位はフィールドであってもよい。また、符号化の単位はMPEG−4におけるVOPであってもよい。
符号化装置100は、フレーム単位で動画像の入力を受け取り、動画像を符号化し、符号化ストリームを出力する。
ブロック生成部10は、入力された画像フレームをマクロブロックに分割する。画像フレームの左上から右下方向の順にマクロブロックが形成される。ブロック生成部10は生成したマクロブロックを差分器12と動き補償部60に供給する。
差分器12は、ブロック生成部10から供給される画像フレームがIフレームであれば、そのままDCT部20に出力するが、PフレームまたはBフレームであれば、動き補償部60から供給される予測画像との差分を計算してDCT部20に供給する。
動き補償部60は、フレームメモリ80に格納されている過去または未来の画像フレームを参照画像として利用し、ブロック生成部10から入力されたPフレームまたはBフレームの各マクロブロックについて、誤差の最も小さい予測領域を参照画像から探索し、マクロブロックから予測領域へのずれを示す動きベクトルを求める。動き補償部60は、動きベクトルを用いてマクロブロック毎に動き補償を行い、予測画像を生成する。動き補償部60は、生成した動きベクトルを可変長符号化部90に供給し、予測画像を差分器12と加算器14に供給する。
動き補償部60では、双方向予測と片方向予測のいずれも適用可能である。動き補償部60は、片方向予測では、前方参照フレームに対する動きを示す順方向動きベクトルを生成する。双方向予測では、順方向動きベクトルに加えて、後方参照フレームに対する動きを示す逆方向動きベクトルの2つの動きベクトルを生成する。
差分器12は、ブロック生成部10から出力される現在の画像(つまり、符号化対象の画像)と、動き補償部60から出力される予測画像との差分を求め、DCT部20に出力する。DCT部20は、差分器12から与えられた差分画像を離散コサイン変換(DCT)し、DCT係数を量子化部30に与える。
量子化部30は、DCT係数を量子化し、可変長符号化部90に与える。可変長符号化部90は、動き補償部60から与えられた動きベクトルとともに差分画像の量子化されたDCT係数を可変長符号化し、符号化ストリームを生成する。可変長符号化部90は、符号化ストリームを生成する際、符号化されたフレームを時間順序に並べ替える処理を行う。
量子化部30は、画像フレームの量子化されたDCT係数を逆量子化部40に供給する。逆量子化部40は、与えられた量子化データを逆量子化し、逆DCT部50に与え、逆DCT部50は、与えられた逆量子化データを逆離散コサイン変換する。これにより、符号化された画像フレームが復元される。復元された画像フレームは加算器14に入力される。
加算器14は、逆DCT部50から供給される画像フレームがIフレームであれば、そのままフレームメモリ80に格納する。加算器14は、逆DCT部50から供給される画像フレームがPフレームまたはBフレームであれば、それは差分画像であるため、逆DCT部50から供給された差分画像と動き補償部60から供給される予測画像とを加算することにより、元の画像フレームを再構成し、フレームメモリ80に格納する。
PフレームもしくはBフレームの符号化処理の場合は、上述のように動き補償部60が動作するが、Iフレームの符号化処理の場合は、動き補償部60は動作せず、ここでは図示しないが、Iフレームはフレーム内予測が行われた後、DCT部20に供給される。
次に、従来の動きベクトルの計算方法について説明し、その後、本発明の一実施形態による動きベクトルの計算方法について説明する。
図2は、従来の動きベクトルの計算を説明する図である。同図は、左から右を時間の流れとして5枚のフレームを表示時間順に示しており、Iフレーム201、Bフレーム202、Bフレーム203、Bフレーム204、Pフレーム205の順に表示がなされる。符号化の順序はこの表示順序とは異なり、まず同図のIフレーム201が符号化され、次に5番目のPフレーム205がIフレーム201を参照画像として動き補償が行われて符号化される。その後、Bフレーム203が符号化され、Bフレーム202、Bフレーム204の順に動き補償が行われて符号化される。
Pフレームを符号化する際の参照フレームは、時間的に前のIフレームまたはPフレームを用いる。また、Bフレームを符号化する際の参照フレームは、前のIフレーム、または時間的に前後のPフレームを用いる。Pフレームの動き補償予測の場合、予測単位は例えば16×16のマクロブロックでありひとつの動きベクトルを利用する。また、Bフレームは、順方向、逆方向、双方向の予測のうち最適なものを選択して動き補償が行われる。なお、Iフレーム201はPフレームであってもよい。また、Pフレーム205はIフレームであってもよい。
現時点で、Iフレーム201、Pフレーム205の符号化が完了し、B〜Bフレーム202〜204を符号化する段階であるとする。このB〜Bフレーム202〜204を「符号化対象フレーム」と呼び、符号化対象フレームより前に表示されるIフレーム201を「前方参照フレーム」と、符号化対象フレームより後に表示されるPフレーム205を「後方参照フレーム」と呼ぶことにする。また、Pフレーム205の動きベクトルを「MV」、B〜Bフレームの動きベクトルを「MVB1〜MVB3」と表記する。
なお、図2では、二次元画像を一次元的に示しているが、実際の動きベクトルは画像の水平方向と垂直方向の二次元成分を持つことに注意する。
図2に示すように、Pフレーム205内のマクロブロック215について、前方参照フレーム201のマクロブロック211を指し示す動きベクトルMV225を求める。次に、符号化対象フレーム203内のマクロブロック213について、前方参照フレーム201または後方参照フレーム205のいずれかのマクロブロックを指し示す動きベクトルMVB2222を求める。図2では、前方参照フレーム201を指した場合を示す。続いて、符号化対象フレーム202内のマクロブロック212について、前方参照フレーム201または後方参照フレーム205のいずれかのマクロブロックを指し示す動きベクトルMVB1221を求める。
本実施の形態では、上記のようにして求められた符号化対象フレーム内の各マクロブロックの動きベクトル(以下、「符号化対象動きベクトル」という)をそのまま符号化する代わりに、後方参照フレームまたは前方参照フレームの動きベクトル(以下、「参照動きベクトル」という)に係数を乗じて符号化対象動きベクトルを表現し、参照動きベクトルと係数を符号化するようにした。これによって、動きベクトルデータの符号量を削減することができる。
以下では、既に動きベクトルが検出されている後方参照フレーム205の動きベクトルMVを利用した場合について説明するが、前方参照フレーム201の動きベクトルや他の動きベクトルを使用してもよい。
図3は、本実施の形態に係る動き補償部60の構成を説明する図である。
動き補償部60は、後方参照フレーム205の動き補償を行ったときに、後方参照フレーム205の各マクロブロックの動きベクトルMVを検出しており、既に検出した後方参照フレーム205の動きベクトル情報を動きベクトル保持部62に保持する。
ブロックマッチング部61は、後方参照フレーム205内のマクロブロックとのブロックマッチングによって、符号化対象フレーム202〜204内で動き補償予測の対象となるマクロブロックを特定する。
符号化対象フレーム内で動き補償予測の対象となるマクロブロックを特定するには、以下の手順で行う。まず、通常のブロックマッチングなどの手法により、符号化対象フレームのマクロブロックの動きベクトル(以下、この項において「通常動きベクトル」という)を求める。続いて、符号化対象フレーム上でこの通常動きベクトルが指している位置を含む一定の範囲を定める。そして、定めた範囲内を通過する、後方参照フレームの動きベクトルを抽出する。複数の動きベクトルが抽出された場合には、先に求めた通常動きベクトルが指している位置に最も近い位置を通過する動きベクトルを選択する。このようにして抽出または選択された動きベクトルが、符号化対象フレームのマクロブロックが参照すべき参照動きベクトルMVと考えることができる。
動きベクトル計算部63は、符号化対象フレーム202〜204内の各マクロブロックについて、前方参照フレーム201のマクロブロックを指し示す動きベクトルMVB1〜MVB3を求める。
比率計算部64は、参照動きベクトルの情報を動きベクトル保持部62から参照して、符号化対象フレーム202〜204について、参照動きベクトルMVの各成分と符号化対象動きベクトルMVB1〜MVB3の各成分との比を求める。Bフレーム202、Bフレーム203、Bフレーム204についての比率をc、c、cと表すと、次式のようになる。
=[MVB1]/[MV]
=[MVB2]/[MV]
=[MVB3]/[MV]
ここで、[MVB1]〜[MVB3]、[MV]は、それぞれの動きベクトルの水平方向成分、または垂直方向の成分を表す。ここでは、簡単のためにひとつの方向の成分について述べているが、実際には全ての成分について計算する。
運動解析部65は、各マクロブロックについて比率計算部64で計算された比率c〜cを参照して、当該マクロブロックの運動状態を推定する。具体的には、まず、隣接する符号化対象フレーム間の各マクロブロックについて、比率の差分を取る。符号化対象フレームが3フレームであれば、(c−c)、(c−c)を計算する。そして、これら差分値の関係を検討する。
差分値が0の場合は、動きベクトルが符号化対象フレーム内で変化していないことを表すから、このマクロブロックは停止していると推定される。差分値が0でなく略等しい値であれば、マクロブロックは等速度運動していると推定される。差分値が一律に増加または減少していく関係にあれば、マクロブロックは等加速度運動していると判断される。差分値が上記いずれの関係でもない場合は、マクロブロックは不規則な運動をしていると推定される。
運動モード選択部66は、上記推定に応じて運動モードを選択する。運動モードには、符号化対象フレーム間でマクロブロックが等速度運動すると推定する等速度運動モードと、符号化対象フレーム間でマクロブロックが等加速度運動すると推定する等加速度運動モードを含むことが好ましい。さらに、運動モード選択部66は、選択した運動モードにしたがって、参照動きベクトルMVから符号化対象動きベクトルMVB1〜MVB3を求めるための係数α〜αを計算する。この係数α〜αは、前方参照フレームと符号化対象フレームとの間の時間間隔に基づいて決定される。これについては、図4ないし図6を参照して後述する。
誤差計算部67は、参照動きベクトルMVに運動モード選択部66で計算された係数を乗じて求めた動きベクトルα・MV〜α・MVと、符号化対象動きベクトルMVB1〜MVB3との誤差を表す調整ベクトルβ〜βを計算する。調整ベクトルβの計算方法については後述する。
動き補償予測部68は、係数αと調整ベクトルβにより表される各マクロブロックの動きベクトル(α・MV+β)を使用して動き補償を行い、予測画像を生成し、差分器12、加算器14に出力する。
可変長符号化部90は、運動モード選択部66で選択された運動モードを表す情報、および各マクロブロックの係数α、調整ベクトルβを符号化して、符号化ストリームに含める。
次に、図4ないし図6を参照して、運動モード選択部66により係数αを求める方法について説明する。なお、図4ないし図6は、従来の動きベクトルについて説明した図2と同じ符号を用いており、図2と共通する説明は省略する。
図4(a)、(b)は、マクロブロックが等速度運動している場合を示す。運動モード選択部66により等速度運動と推定されたとき、後方参照フレーム205の参照動きベクトルMVを、フレーム間の時間間隔に比例して配分することによって、符号化対象フレーム202〜204の係数α〜αを求めることができる。後方参照フレーム205の参照マクロブロック215の動きベクトルMVは、後方参照フレーム205と前方参照フレーム201との時間差tの間に、参照マクロブロック215が動く量と方向を示すものであるから、マクロブロックが等速度運動していると推定された場合、符号化対象フレーム202〜204において、各符号化対象フレームと前方参照フレーム201の時間差trの間に、MV×(tr/t)の動きを示すことが予測される。したがって、図4(a)に示すように、符号化対象フレームが3枚の場合には、Bフレーム202ではα=0.25、Bフレーム203ではα=0.5、Bフレーム204ではα=0.75と計算される。
このように、等速度運動モードにおいては係数α〜αを計算で求めることができるので、動きベクトルMVB1〜MVB3を符号化する代わりに、等速度運動モードについての情報と参照動きベクトルMVとを符号化すればよい。
図5(a)、(b)は、マクロブロックが等加速度運動している場合を示す。運動モード選択部66により等加速度運動と推定されたとき、後方参照フレーム205の参照動きベクトルMVを、フレーム間の時間間隔に基づいて配分することによって、符号化対象フレーム202〜204の係数α〜αを求めることができる。マクロブロックが等加速度運動していると推定された場合、符号化対象フレーム202〜204において、各符号化対象フレームと前方参照フレーム201の時間差trの間に、MV×(tr/t)の動きを示すことが予測される。言い換えると、係数αはフレーム間の時間間隔の二乗に比例した値となる。したがって、図5(a)に示すように、符号化対象フレームが3枚の場合には、Bフレーム202ではα=0.0625、Bフレーム203ではα=0.25、Bフレーム204ではα=0.5625と計算される。
このように、等加速運動モードにおいても係数α〜αを計算で求めることができるので、動きベクトルMVB1〜MVB3を符号化する代わりに、等加速度運動モードについての情報と参照動きベクトルMVとを符号化すればよい。
図6(a)、(b)は、マクロブロックが不規則運動している場合を示す。この場合は、係数α〜αを計算から求めることができないので、上述した比率c〜cを各符号化対象フレーム202〜204についての係数とみなす。すなわち、α=c、α=c、α=cである。不規則運動モードの場合には、動きベクトルMVB1〜MVB3を符号化する代わりに、係数α〜αと参照動きベクトルMVを符号化する。
図7は、調整ベクトルβの計算方法を説明する図である。Bフレーム203を例とすると、調整ベクトルβは、通常の手法で求められる動きベクトルMVB2 222と、参照動きベクトルMVに係数αを乗じて得られるα・MV 223との誤差に相当する。すなわち、実際にはマクロブロックの動きの速度が複数フレーム間で一定であるとは限らないので、マクロブロックの予測された移動位置と実際の移動位置との差分を表すために、調整ベクトルβを求める。
図8は、本実施の形態にしたがった動きベクトルの符号化方法を示すフローチャートである。まず、動き補償部60は、後方参照フレーム205内の各マクロブロックについて、前方参照フレーム201を基準とする参照動きベクトルMVを計算し、これらを動きベクトル保持部62に格納する(S10)。ブロックマッチング部61は、後方参照フレーム205内のマクロブロックとのブロックマッチングによって、符号化対象フレーム202〜204内で動き補償予測の対象となるブロックをそれぞれ特定する(S11)。動きベクトル計算部63は、特定された各ブロックに対して、前方参照フレーム201を基準とした符号化対象動きベクトルMVB1〜MVB3を求める(S12)。比率計算部64は、複数の符号化対象フレームのそれぞれについて、符号化対象動きベクトルMVB1〜MVB3の成分と参照動きベクトルMVの成分との比率c〜cを求める(S14)。運動解析部65は、比率c〜cを解析して、複数の符号化対象フレーム間における各ブロックの運動状態を推定し、運動モード選択部66は、推定された運動状態を表す運動モードを選択する(S16)。運動モード選択部66は、選択された運動モードにしたがって、参照動きベクトルMVから符号化対象動きベクトルMVB1〜MVB3を求めるための係数α〜αを求める(S18)。さらに、誤差計算部67は、符号化対象動きベクトルMVB1〜MVB3と、参照動きベクトルMVに係数α〜αを乗じて得られるベクトルとの誤差を表す調整ベクトルβ〜βを求める(S20)。運動モード、係数α、調整ベクトルβは、可変長符号化部90に出力されて、上述した手順にしたがって符号化され、それらの符号化情報は符号化ストリームに含められる(S22)。
なお、上述したように、符号化対象動きベクトルの成分と参照動きベクトルの成分との比較は、水平方向と垂直方向の両方で行う。物体の運動が直線的な場合には、水平方向と垂直方向の比率はほぼ等しくなるので、運動モード、係数α、調整ベクトルβを同一のものとすることによって、さらに符号量を減らすことができる。物体の運動が直線的でない場合には、水平成分と垂直成分のそれぞれについて、運動モード、係数α、調整ベクトルβを符号化する。
図9は、運動モードと符号の対応関係の一例を示す。この例では、可変長符号化部90は、各運動モードに対して2ビットの符号を与える。ここで、図中「通常」と表した運動モードは、従来の方法で検出される動きベクトルMVをそのまま使用するモードである。
可変長符号化部90は、等速度運動モードおよび等加速度運動モードが選択されている場合には、係数αを符号化する必要はない。不規則運動モードの場合には、各符号化対象フレームについての係数αの全てを符号化する必要がある。
係数αは、そのまま符号化してもよいが、通常、係数αの値は小数となるため、符号化するとかえって符号量が増大してしまうおそれがある。そこで、係数αを符号化する際、可変長符号化部90は、予め可変長符号が割り当てられている複数の定数のうち係数αに最も近い定数を選択し、選択された定数に割り当てられている符号を動画像の符号化データに含めるようにしてもよい。図10は、その一例を示す。図示するように、係数αに近似させるための対数として、予め、「1」「1/2」「1/3」「1/4」「1/5」といった定数を準備しておき、それぞれに可変長符号を割り当てておく。そして、可変長符号化部90は、動き補償部60から受け取った係数αに最も近い定数を選択する。そして、その定数に割り当てられている可変長符号を符号化データに含めるようにする。これによって、係数αの符号量を削減することができる。
この場合、動きベクトルの精度は低下することになるが、調整ベクトルβを各マクロブロックについて計算しておけば、誤差は調整ベクトルβで吸収されるため、動き補償予測の精度が低下することはない。
可変長符号化部90は、調整ベクトルβを符号化する際には、その出現頻度に応じた可変長符号を付与するようにしてもよいし、固定長符号化を用いてもよい。
可変長符号化部90は、運動モードの情報は複数のフレームに対してひとつだけ符号化すればよい。つまり、ひとつのGOP内のフレームについて、ある参照フレームに基づいて動きベクトルを求めているので、運動モードについては、GOP単位でひとつ定めれば十分である。係数αや調整ベクトルβについては、マクロブロック毎に符号化する必要がある。但し、マクロブロックの運動モードが等速度運動モードまたは等加速度運動モードの場合には、係数αを符号化する必要はない。
運動モードをまとめるのは、GOP単位には限られない。例えば、不規則運動モードと判定されたときに、GOP内で物体の運動状態が一定となる複数のフレームを選び出し、その複数フレーム内においてひとつの運動モードを定めるようにしてもよい。
図11は、実施の形態に係る復号装置300の構成図である。これらの機能ブロックもハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組み合わせによっていろいろな形で実現することができる。
復号装置300は、符号化ストリームの入力を受け取り、符号化ストリームを復号して出力画像を生成する。
可変長復号部310は、入力された符号化ストリームを可変長復号し、復号された画像データを逆量子化部320に供給し、動きベクトル情報を動き補償部360に供給する。
逆量子化部320は、可変長復号部310により復号された画像データを逆量子化し、逆DCT部330に供給する。逆量子化部320により逆量子化された画像データはDCT係数である。逆DCT部330は、逆量子化部320により逆量子化されたDCT係数を逆離散コサイン変換(IDCT)することにより、元の画像データを復元する。逆DCT部330により復元された画像データは、加算器312に供給される。
加算器312は、逆DCT部330から供給された画像データがIフレームである場合、そのIフレームの画像データをそのまま出力するとともに、PフレームやBフレームの予測画像を生成するための参照画像として、フレームメモリ380に格納する。
加算器312は、逆DCT部330から供給された画像データがPフレームである場合、その画像データは差分画像であるから、逆DCT部330から供給された差分画像と動き補償部360から供給される予測画像を加算することにより、元の画像データを復元し出力する。
動き補償部360は、可変長復号部310から供給される動きベクトル情報と、フレームメモリ380に格納された参照画像を用いて、PフレームまたはBフレームの予測画像を生成し、加算器312に供給する。
図12は、動き補償部360の構成図である。以下、本実施の形態で符号化されたBフレームを復号するための動き補償部360の動作を説明する。動き補償部360は、後方参照フレームの動き補償を行ったときに、後方参照フレームの各マクロブロックの動きベクトルを検出しており、既に検出した後方参照フレームの動きベクトル情報やマクロブロックの情報を動きベクトル保持部364に保持しておく。
動きベクトル取得部361は、可変長復号部310から動きベクトル情報を取得する。この動きベクトル情報には、上述した運動モード、比例係数αおよび調整ベクトルβが含まれる。動きベクトル取得部361は、動きベクトル情報を動きベクトル計算部362に与える。運動モードを符号化ストリームに含めることによって、ひとつの符号化対象フレーム内に複数の運動モードが含まれていても、動き補償部360において、比例係数αおよび調整ベクトルβから元の動きベクトルを復元することができる。
動きベクトル計算部362は、動きベクトル保持部364から後方参照Pフレームのマクロブロックの動きベクトルを取得し、符号化対象フレームの動きベクトルを計算する。計算された動きベクトルは、動き補償予測部366に与えられるとともに、他のフレームの動きベクトルの計算に使用するために、動きベクトル保持部364に保持される。
動き補償予測部366は、受け取った動きベクトルを用いて符号化対象フレームの予測画像を生成して加算器312に出力する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、後方参照フレーム(Pフレーム)の動きベクトルを利用して、符号化対象フレーム(Bフレーム)の動きベクトルを表現するようにした。したがって、Bフレームについては、動きベクトルそのものを符号化する必要がなく、係数αと調整ベクトルβ、および運動モードだけを符号化すればよい。しかも、等速度運動モードまたは等加速度運動モードの場合には、係数αの値はフレーム間隔の比率で求められることから、係数αについても符号化する必要がなく、調整ベクトルβと運動モードのみ符号化すれば十分である。
最近の高画質の圧縮符号化では、1/4画素精度での動きベクトルの探索が行われることが多く、動きベクトル情報の符号量が一層増大する。本実施の形態によって、符号化に要する計算処理量は増加するものの、動きベクトルデータの符号量が削減されるので、符号化ストリームのデータ量が削減され、動画像の符号化効率が向上する。
従来のダイレクトモードでは、等速度運動しか対応していないが、本実施の形態によれば、加速度運動または複雑な運動をしている場合にも対応でき、動きベクトルデータの符号量を削減することができる。
なお、以上の説明では、Bフレームの順方向予測の場合について述べたが、逆方向予測についても、同様の手順で本実施形態を適用することができる。また、片方向の動き予測のみならず、双方向予測の場合にも、前方参照フレーム、後方参照フレームのそれぞれに対する動きを示す2つの独立した動きベクトルの符号化について、本実施形態を適用することができる。すなわち、順方向予測、逆方向予測のそれぞれについて、実施の形態と同様にして複数の動きベクトルを用意してやればよい。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
上記の説明では、符号化装置100および復号装置300は、MPEGシリーズの規格(MPEG−1、MPEG−2およびMPEG−4)、H.26xシリーズの規格(H.261、H.262およびH.263)、もしくはH.264/AVCに準拠して動画像の符号化および復号を行ったが、本発明は、時間的スケーラビリティをもつ階層的な動画像の符号化および復号を行う場合にも適用することができる。特にMCTF技術を用いた場合の動きベクトルの符号化において、動きベクトルの符号量を削減するために本発明は有効である。
上述の実施形態では、比率cを解析することによって運動モードを推定することを説明した。しかしながら、複数の運動モードにしたがった複数の動きベクトルを利用して符号化対象フレームの動き補償を実行し予測画像を求め、予測画像と原画像との差分である差分画像の符号量が最小となる動きベクトルが得られた運動モードを選択するように構成してもよい。以下、この方法について説明する。
図示しない符号量推定部は、等速度運動モードまたは等加速度運動モードにおいて、予測画像と原画像との差分である差分画像を符号化したときの符号量を推定する。推定した符号量は、運動モードに対応づけて図示しない符号量保持部に保持される。
図示しない動きベクトル選択部は、符号量保持部に保持された差分画像の符号量を比較し、符号量が最小となる方の運動モードを選択する。これによって、動画像の符号化データの符号量を削減し、符号化効率を向上させることができる。
別の方法として、通常の手順で求められる動きベクトルMVよりも差分画像の符号量が減少する場合にのみ、上述した運動モードにしたがった動きベクトルの符号化を実行するようにしてもよい。
具体的には、まず、動き補償予測部68は、通常の動きベクトルMVを計算し、図示しない符号量推定部は、動きベクトルMVを利用して予測画像を生成したときの差分画像の符号量を算出する。続いて、動き補償予測部68は、等速度運動モードまたは等加速度運動モードにしたがって動きベクトルα・MVを計算し、符号量推定部は、動きベクトルα・MVを利用して予測画像を生成したときの差分画像の符号量を算出する。そして、2つの差分画像の符号量を比較して、等速度運動モードまたは等加速度運動モードの動きベクトルα・MVの方が符号量が小さいときにのみ、等速度運動モードまたは等加速度運動モードのいずれかを選択する。
上述の実施形態では、マクロブロック単位で動きベクトルを検出する場合について説明したが、ブロック(8×8画素または4×4画素)単位で動きベクトルを検出する場合、およびオブジェクト単位で動きベクトルを検出する場合についても本発明を適用できる。
上記の説明では、後方参照フレームの動きベクトルを利用して、符号化対象フレーム内の各マクロブロックについて動きベクトルを表現することを述べた。しかしながら、マクロブロック単位でなくそれ以外のフレーム内の領域、例えば、符号化単位としてのスライスや、図示しないROI領域設定部が動画像上に設定する注目領域(Region of Interest:ROI)について、同様の手法により動きベクトルを求めてもよい。
具体的には、動き補償部60は、後方参照フレーム205内の各スライスまたは注目領域について、前方参照フレーム201を基準とする参照動きベクトルMVを計算し、これらを動きベクトル保持部62に格納する。ブロックマッチング部61は、後方参照フレーム205内のスライスまたは注目領域とのマッチングによって、符号化対象フレーム202〜204内で動き補償予測の対象となるスライスまたは注目領域をそれぞれ特定する。動きベクトル計算部63は、特定された各スライスまたは注目領域に対して、前方参照フレーム201を基準とした符号化対象動きベクトルMVB1〜MVB3を求める。比率計算部64は、複数の符号化対象フレームのそれぞれについて、符号化対象動きベクトルMVB1〜MVB3の成分と参照動きベクトルMVの成分との比率c〜cを求める。運動解析部65は、比率c〜cを解析して、複数の符号化対象フレーム間における各スライスまたは注目領域の運動状態を推定し、運動モード選択部66は、推定された運動状態を表す運動モードを選択する。運動モード選択部66は、選択された運動モードにしたがって、参照動きベクトルMVから符号化対象動きベクトルMVB1〜MVB3を求めるための係数α〜αを求める。さらに、誤差計算部67は、符号化対象動きベクトルMVB1〜MVB3と、参照動きベクトルMVに係数α〜αを乗じて得られるベクトルとの誤差を表す調整ベクトルβ〜βを求める。運動モード、係数α、調整ベクトルβは、可変長符号化部90に出力されて、上述した手順にしたがって符号化され、それらの符号化情報は、スライスまたは注目領域毎に符号化ストリームに含められる。
さらに、符号化対象フレーム内のマクロブロック毎に運動モードを決定する代わりに、フレーム単位またはGOP単位で運動モードを決定してもよい。この場合、以下の2つの手順がある。
手順1.動き補償部60は、候補となる運動モード毎に、フレーム単位またはGOP単位で符号化を実行する。つまり、ひとつの運動モードを全てのマクロブロックまたはフレーム内領域について適用して符号化を実行する。この段階では符号化データを出力せず、符号化データの符号量のみを符号量保持部(図示せず)に保持しておく。全ての運動モードについて符号化データの符号量を計算した後、運動モード選択部66は、符号量が最小となる運動モードを選択する。そして、動き補償予測部68は、選択された運動モードにしたがって改めて符号化を実行し、この段階で符号化データが出力される。
手順2.動き補償部60は、候補となる運動モード毎に、フレーム単位またはGOP単位で符号化を実行する。つまり、ひとつの運動モードを全てのマクロブロックまたはフレーム内領域について適用して符号化を実行する。この段階では符号化データを出力しないが、符号化データそのものと符号化データの符号量とを符号量保持部に保持しておく。全ての運動モードについて符号化データの符号量を計算した後、運動モード選択部66は、符号量が最小となる運動モードを選択する。そして、選択された運動モードに対応する符号化データが符号量保持部から出力される。
手順1、2のうち、運動モードの選択後に改めて符号化をし直す分だけ、手順1の方が手順2よりも符号化に要する計算量が多くなる。しかし、手順2の方は、運動モード毎に符号化データ自体と符号量とを保持しておく必要があるため、手順1より多くの記憶領域が必要となる。このように、手順1と手順2とはトレードオフの関係にあるので、状況に応じて適切な方を選択すればよい。
さらに、上述のMCTF技術にしたがった符号化において、MCTFにより生成される符号化階層に含まれる複数のフレーム間の動きベクトルについて本発明の方法を適用することができる。
これについて、図13を参照して説明する。図13は、4つのフレーム101〜104をMCTF技術にしたがって符号化する様子を表しており、各階層で出力される画像と動きベクトルとを示している。
図示しないMCTF処理部は、連続する二枚のフレーム101、102を順次取得して、高域フレーム111と低域フレーム112とを生成する。また、二枚のフレーム103、104を順次取得して高域フレーム113と低域フレーム114とを生成する。これらを階層1と称する。また、MCTF処理部は、二枚のフレーム101、102から動きベクトルMV1aを検出し、フレーム103、104から動きベクトルMV1bを検出する。
また、MCTF処理部は、階層1の低域フレーム112、114からさらに高域フレーム121と低域フレーム122とを生成する。これらを階層2と称する。MCTF処理部は、二枚の低域フレーム112、114から動きベクトルMVを検出する。
なお、図13では、説明を簡単にするためにフレーム単位で動きベクトルを検出しているが、マクロブロック単位で動きベクトルを検出してもよいし、ブロック(8×8画素または4×4画素)単位で動きベクトルを検出してもよい。
図13に示すようなMCTFの階層があるとき、階層1の動きベクトルMV1aとMV1bの符号化に上記方法を適用する。階層1の動きベクトルMV1aとMV1bとは、時間上の距離が階層0の動きベクトルMVの半分であるので、動きも半分と推定される。そこで、動きベクトルMV1aとMV1bとを以下の計算式で算出する。
MV1a=(1/2)・MV+β
MV1b=(1/2)・MV+β
ここで、β、βは予測値とのずれを表す調整ベクトルである。したがって、階層1の動きベクトルMV1aとMV1bを符号化する代わりに、階層0の動きベクトルMVと調整ベクトルβ、βを符号化すればよい。
なお、上記計算式から分かるように、階層0の動きベクトルMVが求められるまで階層1を符号化することはできない。そこで、階層0の動きベクトルMVを求めるまでの間、階層1の動きベクトル情報と差分情報とを保持しておく必要がある。
MCTFの階層が3段以上ある場合でも、階層0以外の階層における動きベクトルに対して本発明の方法を適用できる。
実施の形態に係る符号化装置の構成図である。 従来の動きベクトルの計算順序を説明する図である。 図1の動き補償部の構成を説明する図である。 (a)、(b)は、等速度運動モードの係数αを説明する図である。 (a)、(b)は、等加速度運動モードの係数αを説明する図である。 (a)、(b)は、不規則運動モードの係数αを説明する図である。 調整ベクトルβの算出方法を説明する図である。 実施の形態に係る動きベクトルの符号化方法をフローチャートである。 動きベクトルの運動モードとその符号の一例を示すテーブルである。 係数αを近似するための定数と、定数に割り当てられる符号の一例を示すテーブルである。 実施の形態に係る復号装置の構成を示す図である。 図11の動き補償部の構成図である。 4つのフレームをMCTF技術にしたがって符号化する様子を示す図である。
符号の説明
10 ブロック生成部、 12 差分器、 14 加算器、 20 DCT部、 30 量子化部、 40 逆量子化部、 50 逆DCT部、 60 動き補償部、 61 ブロックマッチング部、 62 動きベクトル保持部、 63 動きベクトル計算部、 64 比率計算部、 65 運動解析部、 66 運動モード選択部、 67 誤差計算部、 68 動き補償予測部、 80 フレームメモリ、 90 可変長符号化部、 100 符号化装置、 201 Iフレーム(前方参照フレーム)、 203 Bフレーム(符号化対象フレーム)、 205 Pフレーム(後方参照フレーム)、 300 復号装置、 310 可変長復号部、 312 加算器、 320 逆量子化部、 330 逆DCT部、 360 動き補償部、 361 動きベクトル取得部、 362 動きベクトル計算部、 364 動きベクトル保持部、 366 動き補償予測部、 380 フレームメモリ。

Claims (12)

  1. 動画像のピクチャを符号化する方法であって、
    複数の符号化対象ピクチャ間における各ブロックの運動状態を推定し、
    推定した運動状態を表す運動モードの情報を動画像の符号化データに含めることを特徴とする符号化方法。
  2. 第1の参照ピクチャを基準とした第2の参照ピクチャ内のブロックの動きベクトルである参照動きベクトルが求められている場合に、
    符号化対象ピクチャ内のブロックに対して、第1の参照ピクチャを基準とした動きベクトルである符号化対象動きベクトルを求め、
    複数の符号化対象ピクチャのそれぞれについて、前記符号化対象動きベクトルの成分と前記参照動きベクトルの成分との比率を求め、
    前記比率を参照して、各ブロックの運動状態を推定することを特徴とする請求項1に記載の符号化方法。
  3. 前記第2の参照ピクチャ内のブロックとのマッチングによって、複数の符号化対象ピクチャ内で動き補償予測の対象となるブロックをそれぞれ特定し、
    特定されたブロックについて、前記符号化対象動きベクトルを求めることを特徴とする請求項2に記載の符号化方法。
  4. 隣接する符号化対象ピクチャで求められた比率の差分を取ることによって、ブロックの運動状態を推定することを特徴とする請求項2または3に記載の符号化方法。
  5. 前記運動モードにしたがって前記参照動きベクトルから前記符号化対象動きベクトルを求めるための係数を求め、該係数の情報を動画像の符号化データに含めることを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の符号化方法。
  6. 前記運動モードには、符号化対象ピクチャ間でブロックが等速度運動すると推定される等速度運動モードが含まれ、
    前記係数は、前記第1の参照ピクチャと前記符号化対象ピクチャ間の時間間隔に基づいて決定されることを特徴とする請求項5に記載の符号化方法。
  7. 前記運動モードには、符号化対象ピクチャ間でブロックが等加速度運動すると推定される等加速度運動モードが含まれ、
    前記係数は、前記第1の参照ピクチャと前記符号化対象ピクチャ間の時間間隔に基づいて決定されることを特徴とする請求項5に記載の符号化方法。
  8. 前記係数を符号化する際、予め可変長符号が割り当てられている複数の定数のうち前記係数に最も近い定数を選択し、選択された定数に割り当てられている符号を動画像の符号化データに含めることを特徴とする請求項5に記載の符号化方法。
  9. 前記符号化対象動きベクトルと、前記参照動きベクトルに前記係数を乗じて得られるベクトルとの誤差を表す調整ベクトルを求め、該調整ベクトルの情報を動画像の符号化データに含めることを特徴とする請求項5ないし8のいずれかに記載の符号化方法。
  10. 前記運動モードの情報は複数のピクチャに対してひとつ符号化され、前記係数と前記調整ベクトルの情報は前記符号化対象動きベクトル毎に符号化されることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の符号化方法。
  11. 動画像のピクチャを符号化する方法であって、
    複数の符号化対象ピクチャ間においてピクチャ単位でまたは複数のピクチャ単位で運動状態を推定し、
    推定した運動状態を表す運動モードの情報を動画像の符号化データに含めることを特徴とする符号化方法。
  12. 動画像のピクチャに再帰的に動き補償時間フィルタリングを実施してフレームレートの異なる複数の階層を求める符号化方法において、
    階層内に含まれる複数の符号化対象画像間の運動状態を推定し、
    推定した運動状態を表す運動モードの情報を動画像の符号化データに含めることを特徴とする符号化方法。
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