JP2007123671A - 可変インダクタンス装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電力回路における力率改善用に用いられている可変インダクタとして直交磁束型と平行磁束型とがある。前者の直交磁束型は複雑な立体形状である為コスト高となり、また、使用材料に制限がある。後者の平行磁束型は飽和磁束密度以下となるような構造とする必要があり、コア断面積が大きく、大型化、高コスト化する。また前記2者共、高周波特性に対し、適用しかねるものであるという課題を解決する為、構造簡単、低コストおよび高周波特性の良好な可変インダクタンス装置を提供する。
【解決手段】作用コアを挟んで制御コアを設け、制御コアに設けた制御コイルの作る磁路が作用コアに設けた作用コイルの作る磁路を直交して、制御コア、作用コアを環流し、制御コイル用制御電源が所定電流パターンで通電して作用コイルのインダクタンスを可変とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、電力回路に用いられる可変インダクタンス装置に関するものであり、特に粒子加速器の高周波加速空胴用高周波電源回路に用いられる可変インダクタンスに係るものである。
電力回路においては、負荷が誘導性負荷や容量性負荷である場合、電圧と電流との相互の位相がずれて電力の伝達効率(力率)が低下し、無効電流が送電系に流れる結果、発熱損失や電圧低下などの問題が生じる。これに対して、誘導性負荷の電力回路において力率を改善するため、負荷に並列に力率改善用コンデンサを挿入して電流・電圧の相互の位相を一致させる手法が取られている。また、容量性負荷に対する電力回路においては、負荷に並列にインダクタンスを挿入し電流電圧の位相をそろえる手法がとられている。
さらに負荷変動がある場合には、上記手法を使用しても力率の変動、低下は避けられない。この問題に対しては、誘導負荷の場合、力率を常に最大化するために、力率改善用コンデンサに並列に可変インダクタンスを挿入して、力率変動に応じてインダクタンスを制御することで力率を最大化する手法がとられている。容量性負荷の場合には力率改善用インダクタンスを可変インダクタンスに代えることで力率を最大化する手法がとられている。
このように、可変インダクタンスは電力回路において、負荷変動にかかわらず力率を最大化するための回路素子として利用されている。
従来型可変インダクタとして立体形状のコアを使用して、作用磁場を形成し所定のインダクタンスを発生させる作用コイルと、この作用磁場に垂直に透磁率制御用の制御磁場を発生させる制御コイルとにより構成し、コアの透磁率を変化させることでインダクタンスの可変を実現しているものが示されている(直交磁束型)(たとえば特許文献1)。
また他の可変インダクタとして、二つのトロイダル形状コアを並べて使用し、二つのコア内部の磁場の方向が逆方向(180度)となるように直列に巻きつけられた作用コイルと、二つのコア内部の磁場の方向が同一方向となるように並列に巻きつけられた制御コイルとにより構成し、コアの透磁率を変化させることで、インダクタンスの可変を実現している(平行磁束型)(たとえば、特許文献2)。
特開2001−006942号公報 特開2004−207729号公報
しかしながら前記特許文献1に示された可変インダクタは、コア内部に互いに垂直な二磁場(90度)を発生する直交磁束型で、複雑な立体形状のコアを構成できる材料に限定されてしまう。たとえば、高周波電力回路で使用されるインダクタでは高周波特性の良好な薄膜状のアモルファス材やナノクリスタル材等を巻き取った薄膜多層巻構造のコアを形成し使用することがあるが、このような材料では、複雑な立体形状は形成できないので、高周波電源回路の可変インダクタを構成することができないという問題点があった。
一方、特許文献2に示された二磁場の方向が逆方向(180度)である平行磁束型では、高周波特性の良好な薄膜多層巻構造のコアを使用することができるが、作用磁場と制御磁場の方向が同一で二磁場で飽和磁束密度以下となるように可変インダクタとしなければならないので、コアの断面積が大きくなり、したがって可変インダクタが大型化、高コスト化するという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、低コストおよび高周波特性の良好な可変インダクタンス装置を提供することを目的としている。
この発明に係る可変インダクタンス装置は、作用コアと、共に作用コアと同形状をなすとともに磁路に空隙を有し、作用コアの上、下部に配置された制御コアを備え、作用コアには、電力回路に接続され作用コア内で閉じた磁路を形成するとともに、制御コアの空隙に近接して設けられ、電力回路において可変インダクタンスを構成する作用コイルが設けられており、制御コアには作用コイルが形成する磁路と直交して、上部制御コア、作用コア、下部制御コアを環流する磁路を形成する制御コイルが設けられており、この制御コイルに接続された制御電源から所定の電流パターンで通電されることにより、作用コイルのインダクタンスを可変とするものである。
この発明の可変インダクタンス装置は、作用コアと、この作用コアと同形状で磁路に空隙を有し、作用コアをはさむよう上、下部に配置された制御コアを備え、電力回路に接続され作用コア内で閉じた磁路を形成するとともに空隙に近接して設けられて電力回路において可変インダクタンスを構成する作用コイルが設けられ、制御コアには作用コイルが形成する磁路と直交し、上部制御コア、作用コア、下部制御コアを環流する磁路を形成する制御コイルが設けられており、制御コイル電源から所定の電流パターンで通電されることにより、作用コイルのインダクタンスを可変とするので、簡単で小型化された構造となり低価格な、かつ高周波特性の良好な装置となるという効果がある。
実施の形態1.
実施の形態1を図に基づいて説明する。
本実施の形態1における、例えば荷電粒子加速器の高周波加速空胴用高周波電源回路に用いられる可変インダクタンス装置100は、図1に示すように、作用コア1と作用コイル2、制御コア3と制御コイル4、制御電源5からなっている。さらに可変インダクタンス装置100は誘導性負荷に対しては図2、容量性負荷に対しては図3に示す電力回路における可変インダクタンス装置100として設置され、電力回路は他に交流電源11と負荷17からなっている。また、図1に示すように作用コア1を挟むように上部および下部に制御コア3が配置され、作用コア1には作用コイル2、制御コア3には制御コイル4が設けられている。
作用コア1は図4に示すように、例えば300μm以下の薄膜状の鉄系アモルファス材をロール状に多層巻にして1体のコアを形成している。作用コア1のサイズは、例えば外径200mm、内径50mm、厚み10mmとしている。ここでは1つのコアを使用しているが、コアの断面積を大きくしたい場合などは複数のコアを並べて使用してもよい。作用コイル2は図1に示すように前記作用コア1に巻き付けて電気回路に接続することで可変インダクタンスとして働く。ここでは1つの作用コア1に1回巻としているが、必要なインダクタンスに応じて複数巻としてもよい。また、作用コア材として、ファインメット等のナノクリスタル材料であってもよい。
制御コア3は、例えばフェライト等の磁性材料で製作している。図1に示すとおり作用コイル2による磁束(作用磁路6)が制御コア3に回り込むことを防ぐため制御コア3のうち作用コイル2に近接した部分をカットしている。つまり、空隙9を設けている。そして作用コア1を挟むように上、下の制御コアを設置して作用コア1に対して垂直に制御磁場(制御磁路7)を印加するようにしている。
制御電源5は制御コイル4に対して励磁電流を流し、制御コア3内および作用コア1に垂直に磁場を発生させる。励磁電流を変化させることで作用コア1内の垂直磁場強度を変化させる。作用コア1内の垂直磁場強度が変化すると作用コア1内の円周方向磁場の透磁率が変化するので作用コイル2のインダクタンスを変化させることができる。
図2、図3の電力回路の交流電源11はピーク電圧100Vで2MHzから5MHzの高周波を発生する高周波電源であり、負荷17は容量成分または誘導成分と抵抗成分からなっており、使用時は周波数を変化させる仕様となっている。
次に動作について説明する。作用コイル2は図2または図3に示す可変インダクタンス装置100の可変インダクタンスとして電力回路に接続され、交流電源11より、例えば2MHz〜4MHzの高周波電圧が印加される。制御コイル4には1kHz程度の励磁電流が通電され、作用コイル2のインダクタンスを変化させる。
図3の電力回路の場合、本実施の形態1の可変インダクタンス装置100と容量性負荷を組み合わせた共振回路となっており、高周波の交流電源11から見た場合に力率最大となる条件は共振条件に一致する。この場合、可変インダクタンス装置100のインダクタンスをLv、負荷の容量をC、交流電源の周波数をfとすると、力率を最大化するための可変インダクタンスの値Lvは、
Lv=1/(4π×C×f)
と計算される。
負荷側の容量Cが一定であっても周波数fを変化させる仕様であることから、力率最大とするためには可変インダクタンスの値Lvを上式にしたがって周波数fの値に応じて可変にする必要がある。周波数fの可変幅を2MHz〜4MHz、容量性負荷の値がC=1000pF、とすると、インダクタンスの可変幅は
Lv=6μH〜1.6μH
と計算される。したがって、作用コア1材料の比透磁率が4倍程度変化するように制御コア3および制御コイル4、制御電源5を設計し、周波数変化に対して力率を最大化している。
作用コイル2による磁界をHp、磁束密度Bp、制御コイル4による制御磁界Hn、磁束密度Bnとしたとき、磁界と磁束の関係式は一般に
|B|=f(H)、ここで、B=(Bp,Bn),H=(Hp,Hn)なるベクトル
となる。
磁界Hの増加に対してBが飽和しない理想的な条件ではBは単純にHに比例しB=μH、となり、制御コイル4による磁界Hnを変化させても作用コア1の透磁率を制御することはできないことになるが、実際は、磁界Hの増加に対してBが飽和し、例えば、近似的に次式のように記述でき、グラフ形状は図5のように表される。
|B|=(1−exp(−|H|/H0))Bmax
したがって、透磁率μは、
μ=μ(Hp,Hn)=(1−exp(−|H|/H0))×Bmax/|H|
となり、制御コイル4による磁界Hnによって変化させることが可能である。
作用コア1を励磁する磁界Hpは小さい領域で使用するので、上式は近似的に
μ=μ(Hn)=(1−exp(−Hn/H0))×Bmax/Hn
で与えられ、グラフ形状は図6のようにあらわされ、作用コア1内の透磁率を変化させることが可能である。作用コア1と作用コイル2からなるインダクタンスLは次式で計算されるので、制御コイル4による磁界の制御により作用コア1の透磁率を制御できる結果、作用コア1と作用コイル2からなるインダクタンスを制御することが可能となる。
L=N×μ×μ(Hn)×S/R
ここで、Nは作用コイル2の巻数、μは真空の透磁率、Sは作用コア1の断面積、Rは作用コア1の実効磁路長である。
本実施の形態1では作用コア1に対して周波数2MHzから4MHzの交流電源11の電圧が印加されている。作用コア1の材料としては薄膜の鉄系アモルファス材料を使用しているが、この材料の複素透磁率に関する周波数特性は図7、図8に示すとおりであり、本実施の形態1におけるサイズの場合、作用コイル2の巻数N=1の場合のインピーダンスを求めると、図9の通りとなり、20[Ω]から40[Ω]の値となっている。ピーク電圧100Vから計算すると、作用コア1における消費電力は250[W]から500[W]となる。これと同じ作用コア1をフェライトで構成したとすると、複素透磁率に関する周波数特性図である図10、図11から計算されるインピーダンスが図12に示す通りであり、5.2[Ω]から13[Ω]なので、作用コア1における消費電力は770[W]から2[kW]と計算される。
このように、固体からなるフェライトコアに代えて、本実施の形態1における薄膜からなる鉄系アモルファス材を使用することによって、高周波時のコアにおける消費電力を低減することができる。
一方、制御コア3の励磁電流は1kHzと高周波ではないので、制御コア3における電力損失または発熱は無視できる程度である。
なお、鉄系アモルファス材の代わりにファインメット等のナノクリスタル材を用いても良く、同様の効果が得られる。
一般に磁性材料のコアとコイルにより形成されるインダクタンス装置を所定の電源電圧で使用するには所定のコア断面積Sが必要で、次式を満たす必要がある。
S=V/(πfΔB)
ここで、Vは電源電圧の振幅、fは電源周波数、ΔBはコア磁束密度の振幅である。
上式より明らかなように、磁束密度の振幅ΔBを大きくとれるほどコア断面積Sは小さくできる。すなわちコアを小型化できる。
コアの磁束密度Bは図13に示す飽和特性があるので、変化範囲は±Bmax内に限られる。したがって、磁束密度の振幅ΔBは2Bmaxが最大となる。
平行磁束型の場合には、図14に示すように、透磁率制御用の磁束Bnがあるので、Bnを大きくして透磁率を小さく制御しようとすると磁束密度の最大振幅が、
ΔB=Bmax−Bn
で規定され制御磁場Bnの分だけ小さくなってしまう。
例えば、制御磁場をBn=Bmax/2程度で使用するとすると、作用磁場の振幅は、
ΔB=Bmax/2
となり、作用磁場がない場合に比べてコア断面積を4倍にしなければならないことになり、コアコストが高くなり、コアサイズが増大するという問題がある。
これに対して、本実施の形態1における直交磁束型の場合には図15に示すように制御磁場による磁束が作用磁場に対して垂直方向であるため、磁束密度Bpを±Bmax変化させることができるので、平行磁束型の様にコア断面積を増大させる必要がないので、コアのサイズを増大させること無く可変インダクタンス装置100を構成できるという効果がある。
以上のように、本実施の形態1によれば高周波回路で使用したときにコア損失の小さい薄膜多層巻構造のコアを使用した可変インダクタンス装置100において直交磁場形による可変インダクタンス装置を実現できたので、低コスト電源、低消費電力の可変インダクタンス装置100を実現できるという効果がある。
なお、この実施の形態1ではループ状の制御コイル4を上、下2個設ける例を示したが、垂直方向に制御磁場を形成するものならば1個でもよい。また、作用コイル2を1個設ける例を示したが、複数個を複数個所の作用コア空隙近辺に設けてもよい。
実施の形態2.
実施の形態2における可変インダクタンス装置100の基本構成は実施の形態1と同様で、作用コア1と作用コイル2、制御コア3と制御コイル4、制御電源5からなっているが、図16に示すように、制御コイル4を複数設置していることが実施の形態1と異なる特徴である。また、実施の形態1と同様に、可変インダクタンス装置100は図2または図3に示す電力回路における可変インダクタンス装置100として設置され、電力回路は他に交流電源11と負荷17からなっている。
さらに、本実施の形態における制御コア3の材質は作用コア1に使用しているものと同様の鉄系アモルファス材とすることで、制御電流を高周波とした場合の制御コア3のコア損失を低減している。また、複数設置した制御コイル4は、図1にある実施の形態1の場合と比較して各制御コイル4のインダクタンスを小さくできる構成となっている。
制御コア3を薄膜多層巻としたので、実施の形態1で説明したように、高周波動作における渦電流損失を低減することができ、高周波動作で低損失な制御コア3が実現できるという効果がある。また、制御コイル4を複数の部分に分割しているので、実施の形態1のように一つのコイルとした場合に比較すると、制御コイル4に対する励磁電圧は低くすることができる。この状況の説明図を図17と図18に示す。図17における実施の形態1の制御コイル4の構成では、制御コイル4のインダクタンスは、制御コア3の断面積から計算されるある値Lとなる。これに対して、この実施の形態2では、図18に示すように制御コイル4を複数設置し、制御電源5に対して並列接続するようにしている。この場合、各制御コイル4のインダクタンスは図18のように6分割の場合、LC2=L/6と計算される。制御磁界Hnは次式で計算され、
Hn∝I=V/L
制御電源5の電圧に比例し、インダクタンスに反比例するので、本実施の形態2のように、6分割した場合には、同じ磁界Hnを発生させるに必要な励磁電圧Vは実施の形態1の場合の1/6でよい。特に、制御電源を高周波数にする場合に必要な制御電源電圧Vnが、
Vn=2πfLIn
で計算されるように周波数に比例して高くしなければならないので、本実施の形態2のように制御電源5の電圧を低くできれば、安価な制御電源5を使用できるという効果がある。
実施の形態3.
本実施の形態3における可変インダクタンス装置100の基本構成は実施の形態2と同様で、作用コア1と作用コイル2、制御コア3と制御コイル4、制御電源5からなっており、図16に示すように、制御コイル4を複数設置している。制御コイル4と制御電源5の接続は図19の構成であり、各制御コイル4は直列接続され、各制御コイル4の両端にはスイッチング素子を設け、制御電源5は直流定電流電源51を使用している。可変インダクタンス装置100は図2または図3に示す電力回路における可変インダクタンスとして設置され、電力回路が他に交流電源11と負荷17からなっていることは実施の形態1や2と同様である。
各制御コイル4に並列に設けたスイッチング素子41としてはトランジスタや電界効果形トランジスタ、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などを使用し、必要に応じてサージ電圧を吸収するためのスナバ回路を設ける。本実施の形態3では6台の制御コイル4があるので、6個のスイッチング素子41があり、全スイッチ開のとき制御電源5の電圧が最大となり、全スイッチ閉のとき制御電源5の電圧が最小となるように、直流定電流電源51の電圧可変範囲を設計してある。
図19の構成による制御回路において、可変インダクタンス装置100のインダクタンスを最大にしたい場合には透磁率を最大にするために制御磁界を発生しないように制御する、すなわち、全てのスイッチング素子41を閉として直流定電流電源51からの電流をバイパスし制御コイル4に電流を流さないようにすればよい。逆に可変インダクタンス装置100のインダクタンスを最小にしたい場合には、透磁率を最小にするために制御磁界を最大限印加すればよく、全てのスイッチング素子41を開として直流定電流電源51からの電流を制御コイル4に流すようにする。インダクタンス値を中間的な値に設定したい場合には、スイッチング素子41を開にする個数を変化させれば中間的なインダクタンス値が得られる。
このように、本実施の形態3においては、制御電源5は直流定電流電源51でよく、電流や電圧によってインダクタンスを制御する必要がないので、制御コイル4に並列に設置されたスイッチング素子41の開の個数を変化させることで簡単で再現性良くインダクタンスを変化させることができる。したがって、高精度な可変インダクタンス装置100を安価に得られるという効果がある。
実施の形態4.
図1または図16の構成の可変インダクタンス装置100において、図20、図21に示すように作用コア1と制御コア3の間に導電性の磁気シールド板8を設置している。
磁気シールド板8を垂直に通り抜けようとする磁場に対しては、これを打ち消す方向に渦電流が流れるため磁場の漏れを解消する働きをする。この渦電流によるシールド効果は磁束の時間変化に伴う誘導電場によるので、周波数が低いほどシールド効果は小さくなる。
磁気シールドのメカニズムは、制御コイル4の励磁電流In=In×sin(ωt)による制御コア3内磁束Bnの発生に始まり、Bnの時間変化による誘導電場(電位差V)発生、Bnを打ち消す渦電流Ieddy発生、の順に生起する。この関係は、
Ieddy∝V/R=S×dBn/dt×(1/R)∝ω×δ∝f×δ
ここで、Rは磁気シールド板8の抵抗率に起因する係数であり磁気シールド板8の厚みδに逆比例する。Sは磁気シールド板8の面積、fは周波数、である。
磁気シールド板8の厚みδについては、高周波の場合には表皮効果によって以下の式のように実際のシールド板厚みにかかわらず減少することが知られている。
δ=√(2ρ/ωμ)
ρは体積抵抗率、μは誘電率であるから、δ∝1/√fとなり、上式は
Ieddy∝√f
と計算され、高周波数ほど磁気シールド効果が大きく、低周波数では磁気シールド効果は小さくなる傾向であることが判明する。
正確な磁気シールド効果の見積もりは、磁気シールド板8の内部に発生する渦電流を有限要素法等で計算し面内積分した合計の渦電流Ieddyを求め、励磁電流値との比Ieddy/Inをシールド効果の指標として評価する。実施の形態1から3の直径200mm程度の制御コア3サイズで銅製の磁気シールド板8を使用する場合の計算例では、シールド厚みを10μmにすれば、1kHzにおけるシールド効果が5%、100kHzにおけるシールド効果が92%となる磁気シールドが実現できる。
本実施の形態4では、上記のような磁気シールド板8を設けているので、高周波、この場合100kHz以上、の作用コイルの2電流に対しては磁気シールド板8の効果により図22のような漏れ磁場6aが発生せず図20のように作用磁場6が作用コア1内だけを通過するので、可変インダクタンス装置100としての制御性が向上する。同時に、低周波数、この場合1kHz以下の制御コイル4の電流による制御磁場7は磁気シールド板8を通過し作用コア1の透磁率を変化させることができるので可変インダクタ10のインダクタンス可変には支障を生じない。
このように、本実施の形態4では制御磁束による作用コア1内透磁率の制御性を損なうことなく作用コア1から制御コア3への漏洩磁束を抑制できたので、作用コア1のインダクタンス制御性を向上できるという効果がある。
なお、前記実施の形態1〜4では荷電粒子加速器の高周波空胴用高周波電源を例として示したが、本発明による構造は高周波電源回路に限らず、従来のフェライトコアを適用可能とする低周波数用電源回路に適用してよいことは言うまでもない。
この発明の実施の形態1〜4は、低周波数から高周波周波数の電力回路における可変インダクタンス装置に適用可能である。
この発明の実施の形態1による可変インダクタンス装置を示す図である。 この発明の実施の形態1による誘導負荷電力回路を示す図である。 この発明の実施の形態1による容量負荷電力回路を示す図である。 この発明の実施の形態1による薄膜多層巻作用コアの磁束と制御磁束を説明する図である。 コアの磁気飽和の説明図である。 この発明の実施の形態1による制御磁場によるコア透磁率変化の説明図である。 鉄系アモルファスコアの複素透磁率実部の周波数依存性を示す図である。 鉄系アモルファスコアの複素透磁率虚部の周波数依存性を示す図である。 鉄系アモルファスコアのインピーダンスの周波数依存性を示す図である。 フェライトコアの複素透磁率実部の周波数依存性を示す図である。 フェライトコアの複素透磁率虚部の周波数依存性を示す図である。 フェライトコアのインピーダンスの周波数依存性を示す図である。 磁性材料の飽和特性の説明図である。 平行磁束型の作用コア内磁束の説明図である。 直交磁束型の作用コア内磁束の説明図である。 この発明の実施の形態2による可変インダクタンス装置を示す図である。 制御電源と制御コアの説明図である。 この発明の実施の形態2による分割制御コイルと制御電源の説明図である。 この発明の実施の形態3による制御電源回路の説明図である。 この発明の実施の形態4による漏れ磁束シールドの効果の説明図である。 この発明の実施の形態4による低周波数の制御磁場がシールドを通過する状況の説明図である。 作用コアから制御コアへの漏れ磁束の説明図である。
符号の説明
1 作用コア、2 作用コイル、3 制御コア、4 制御コイル、5 制御電源、
6 作用磁場、7 制御磁路、8 磁気シールド板、9 空隙、
41 スイッチング素子、51 直流定電流電源、100 可変インダクタンス装置。

Claims (9)

  1. 作用コアと、共に前記作用コアと同形状をなすとともに磁路に空隙を有し、前記作用コアの上、下部に配置された制御コアを備え、前記作用コアには、電力回路に接続され前記作用コア内で閉じた磁路を形成するとともに、前記制御コアの空隙に近接して設けられ、前記電力回路において可変インダクタンスを構成する作用コイルが設けられており、前記制御コアには前記作用コイルが形成する磁路と直交して、前記上部制御コア、作用コア、下部制御コアを環流する磁路を形成する制御コイルが設けられており、該制御コイルに接続された制御電源から所定の電流パターンで通電されることにより、前記作用コイルのインダクタンスを可変とすることを特徴とする可変インダクタンス装置。
  2. 作用コアと、共に前記作用コアと同形状をなすとともに磁路に空隙を有し、前記作用コアの上、下部に配置された制御コアを備え、前記作用コアには電力回路に接続され、前記作用コア内で閉じた磁路を形成するとともに、前記制御コアの空隙に近接して設けられ、前記電力回路において可変インダクタンスを構成する作用コイルが設けられており、前記制御コアには前記作用コイルが形成する磁路と直交して、前記上部制御コア、作用コア、下部制御コアを環流する磁路を形成する制御コイルが複数個設けられており、該制御コイルに直流定電流電源が接続されているとともに、前記各制御コイルと並列にスイッチ素子が設けられており、前記直流定電流電源の出力電流を所定値に設定し、前記各スイッチ素子のON/OFFパターンを変化させることにより、前記作用コイルのインダクタンスを可変とすることを特徴とする可変インダクタンス装置。
  3. 前記制御コイルは、複数個のコイルであることを特徴とする請求項1に記載の可変インダクタンス装置。
  4. 前記作用コア、制御コアが中空円盤状であることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の可変インダクタンス装置。
  5. 前記作用コアは薄膜状のコア材を多層巻きつけた構成であることを特徴とする請求項4に記載の可変インダクタンス装置。
  6. 前記制御コアは薄膜状のコア材を多層巻きつけた構成であることを特徴とする請求項4に記載の可変インダクタンス装置。
  7. 前記作用コアの薄膜状のコア材は、アモルファス材またはナノクリスタル材であることを特徴とする請求項5に記載の可変インダクタンス装置。
  8. 前記複数個の制御コイルは、並列接続されていることを特徴とする請求項3に記載の可変インダクタンス装置。
  9. 前記作用コアと制御コアとの間に導電性のシールド板が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の可変インダクタンス装置。
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