JP2007121008A - 光ファイバによる地震・津波計、地震・津波観測システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】グレーティング部の配列間隔を張力及び圧縮力によって変化させ、グレーティング部の配列間隔を変化させることにより反射光の波長乃至は周波数が変化する歪みセンサ用光ファイバを用いて加速度センサを構成し、この加速度センサを3個用いて地震計を構成し、更に歪みセンサ用光ファイバを防水ケースの内壁面に接着し、防水ケースの歪み量を計測する手段を構成し、この歪み計測手段により津波計を構成し、地震計及び津波計から反射して戻って来る反射光の周波数或いは波長の変化から地震の強度及び津波の強度を求める。
【選択図】図1
Description
図10に非特許文献1に開示された海底地震観測システムの概要を示す。海岸1に建てられた中継局2から引き出された海底ケーブル3は海底に敷設される。海底ケーブル3には複数の(この例では3個の場合を示す)海底地震計4A、4B、4Cが接続され、これらの海底地震計4A、4B、4Cが海底の所要位置に設置される。
図11に従来の海底地震観測システムの信号系の概要を示す。中継局2には光パルス源2Aと、地震データ受信装置2Bと、給電装置2Cとが設けられる。光パルス源2Aからは所定の周期で光パルスが出射され、この光パルスが海底ケーブル3に設けられた光ファイバケーブル3Aを通じて各海底地震計4A、4B、4Cに送給される。
給電装置2Cは直流安定化電源装置で構成され、給電ケーブル3Eを通じて各海底地震計4A〜4Cで必要とする直流電力を給電する。
海底地震計4A〜4Cはそれぞれ、光−電気変換器4−1と、多軸加速度センサ4−2と、多重化装置4−3と、電気−光変換器4−4とを備えて構成される。
光−電気変換器4−1は光パルス源2Aから送られて来る光パルスを電気パルス信号に変換し、この電気パルス信号を多重化装置4−3に印加し、多重化のためのクロック信号として利用する。多軸加速度センサ4−2は例えば重りと力−電気変換器との組み合わせで構成される3個の加速度センサをそれぞれ加速度感知軸を水平面内において互いに直交するX、Y軸と上下方向をZ軸とする姿勢に配置して構成する。力−電気変換器としては例えば抵抗細線で構成されるストレンゲージ或いは半導体ストレンゲージのような歪みセンサを用いることができ、これらの歪みセンサは何れも電動型であり、電圧の印加を必要とし、加速度検出信号は電気信号で出力される。
NEC技報第50巻第9号(通巻343号)1997年9月30〜37頁
また、光−電気変換器4−1、電気−光変換器4−4を必要とし、更に多重化4−3でもA/D変換器等を必要とし、部品点数が多いことからその構築には多大な費用負担が発生する。また、使用部品点数が多いことから故障発生率も高まり、信頼を維持することはむずかしい。更に、従来の地震観測システムでは地震の観測は可能であるものの、地震の発生に起因して発生する津波の観測は全く不能である。津波の発生を観波できれば更に災害規模抑制に大きく貢献することができる。
本発明による地震・津波計は更に、上記した地震・津波計において、地震計と津波計を別の防水ケースに収納した構造としたことを特徴とする。
本発明による地震・津波観測システムは中継局に設けられた光パルス源と、この光パルス源から出射される光パルスを被観測点に設置された請求項1記載の地震・津波計に伝達する通信用光ファイバケーブルと、この通信用光ファイバケーブルを通じて中継局に送られて来る反射光の周波数を計測し、地震計に与えられる地震の強度と津波の規模を測定する測定器とを備えた構成としたことを特徴とする。
本発明による地震・津波観測システムは上記記載の地震・津波観測システムにおいて、地震計を構成する歪みセンサ用光ファイバと津波計を構成する歪みセンサ用光ファイバは別々の通信用ファイバによって継続接続されていることを特徴とする。
本発明による地震・津波観測システムは上記記載の地震・津波観測システムにおいて、地震計を構成する歪みセンサ用光ファイバと津波計を構成する歪みセンサ用光ファイバとは単一の通信用光ファイバによって、継続接続されていることを特徴とする。
本発明による地震・津波観測システムは上記記載の地震・津波観測システムにおいて、地震・津波センサの設置時に地震センサを構成する各加速度センサの重りの初期荷重を地震計の各歪みセンサ用光ファイバからの反射光の周波数変移量により計測し、地震計の傾きに伴って発生する誤差値を測定し、この誤差値を用いて地震波の測定値を補正することを特徴とする。
更に、本発明による地震・津波観測システムによれば、地震及び津波検知手段として歪みセンサ用光ファイバを用いることにより、地震・津波計では電力消費は全くなく、単に歪みセンサ用光ファイバと、重り及び重りの揺動エネルギを歪みセンサ用光ファイバの光伝搬方向の張力変化に変換する力変換手段と、歪みセンサ用光ファイバを所定の張力を維持して支持する支持手段とが存在するのみであり、更に津波センサにあっては防水ケースの内壁に歪みセンサ用光ファイバを接着するのみであるため、その構造は簡素であり、システム構築には膨大な費用の発生を抑えることができる。また構造が簡素で使用部品点数も少ないため故障発生率を低減することができ、信頼性の高い地震・津波観測システムを提供することができる。
地震・津波計に加速度(地震による振動)及び津波による水圧の変動が印加されない状態では地震・津波計から発生する反射光の周波数は初期値を維持するが、地震による加速度が印加された場合、又は津波による水圧の変動が与えられると、地震計及び津波計を構成する歪みセンサ用光ファイバから発生する反射光の周波数は初期周波数から変移する。この反射光の周波数変移量を測定器により測定することにより地震計及び津波計に印加された地震の規模及び津波の規模を求める形態が最も望ましい実施形態である。
ここで歪みセンサ用光ファイバ10の構造とその動作を説明する。図2に歪みセンサ用光ファイバ10の拡大断面を示す。歪みセンサ用光ファイバ10は通信用光ファイバ11と同様にクラッド部10Aとコア部10Bとを有し、コア部10Bの一部区間に屈折率が異なるグレーティング部10Cを軸線方向に所定の間隔A1で配列して構成される。
10−1は防水ケース200の軸線方向に接着した歪みセンサ用光ファイバを示し、10−2は円筒状の防水ケース200の周方向に接着した歪みセンサ用光ファイバを示す。これら歪みセンサ用光ファイバ10−1と10−2によって防水ケース200に発生する歪みを検出させる。つまり、円筒状の防水ケース200を海中に投入し、海底に達した状態では水深に応じた水圧が防水ケース200の周面に均等に印加される。この水圧により防水ケース200は径方向及び軸方向に均等に圧縮変形する。この圧縮変形した状態で津波が発生し、海面の水位が変動すると、防水ケース200の圧縮変形量が変動する。
このように2つの地震・津波計群310−1と310−2を縦続接続することにより、平常時は一方の通信用光ファイバケーブル400−1を通じて光パルスを第1地震・津波計群310−1と第2地震・津波計群310−2へ送給し、その反射光を同じく通信用光ファイバケーブル400−1を通じて受信することができる。
つまり、地震・津波計310は通信用光ファイバケーブル400に接続された状態で海中に投入される。各地震・津波計310に例えば局部的に浮等を装着することにより、浮によって海底に到着するまでの間所望の姿勢を維持させることができる。しかしながら海底への到着時には海底の状況によって予定した姿勢に設置されるとは限らない。
図9に示す例では、例えばY軸を検出する加速度センサ100Yが予定した設置位置からθ度傾むいて設置された場合を示す。この場合には予定した姿勢に対して誤差ΔYが発生する。この誤差ΔYは海中への投入前の正規の姿勢におけるY軸検出用加速度センサ100Yの測定値WY1と設置後の測定値WY2とを比較することのより求めることができる。誤差値を各軸X、Y、Zについて予め求め、記録しておくことにより、地震発生時に測定される地震波の測定値を補正することができる。
2A 光パルス源 15 力変換手段
2D 測定器 15A レバー
2E 光分岐器 15B 延長レバー
2F 光スイッチ 15C 軸受
10、10−1、10−2 歪みセンサ用光ファイバ 100 加速度センサ
10A クラッド部 200 防水ケース
10B コア部 300 地震計
10C グレーティング部 310 地震・津波計
11、11’ 通信用光ファイバ 310−1 第1地震・津波計
12 支持手段 310−2 第2地震・津波計
13 重り 320 津波計
400 通信用光ファイバケーブル
500 渡り線
Claims (9)
- コア部の一部に光パルスの入射に対し、特定の波長の光を反射させ、光の伝搬方向に対する外力の印加量に応じて反射光の周波数を変移させるグレーティング部が設けられた歪みセンサ用光ファイバと、この歪みセンサ用光ファイバに所定の張力を与えた状態で歪みセンサ用光ファイバを架張支持する支持手段と、この支持手段に特定の軸線方向のみに揺動自在に支持した重りと、この重りの揺動エネルギを上記歪みセンサ用光ファイバに光の伝搬方向と一致する向の張力変化に変換して印加するための力変換手段とを備えた加速度センサが各加速度センサの重りの揺動方向が互に直交する向の姿勢で配置され、各加速度センサを構成する歪みセンサ用光ファイバの反射光の初期周波数が互いに異なる3個の加速度センサが共通の防水ケースに収納されて構成された地震計と、
防水ケースの内壁面に上記歪みセンサ用光ファイバと同等の構造を持つ歪みセンサ用光ファイバを接着し、この接着した歪みセンサ用光ファイバにより上記防水ケースに掛かる水圧によって発生する防水ケースの歪みを検出して津波の発生を検知する構成の津波計と、を備えることを特徴とする光ファイバによる地震・津波計。 - 請求項1記載の地震・津波計において、上記地震計と津波計を共通の防水ケースに収納した構造としたことを特徴とする光ファイバによる地震・津波計。
- 請求項1記載の地震・津波計において、上記地震計と津波計を別の防水ケースに収納した構造としたことを特徴とする光ファイバによる地震・津波計。
- 中継局に設けられた光パルス源と、
この光パルス源から出射される光パルスを被観測点に設置された請求項1乃至3の何れかに記載の地震・津波計に伝達する通信用光ファイバケーブルと、
この通信用光ファイバケーブルを通じて上記中継局に送られて来る反射光の周波数を計測し、上記地震計に与えられる地震の強度と津波の規模を測定する測定器と、
を備えた構成としたことを特徴とする地震・津波観測システム。 - 請求項4記載の地震・津波観測システムにおいて、上記通信用光ファイバケーブルには上記歪みセンサ用光ファイバの反射光の初期周波数が異なる地震計及び津波計が複数縦続接続されていることを特徴とする地震・津波観測システム。
- 請求項4又は5の何れかに記載の地震・津波観測システムにおいて、地震計を構成する歪みセンサ用光ファイバと津波計を構成する歪みセンサ用光ファイバは別々の通信用ファイバによって継続接続されていることを特徴とする光ファイバによる地震・津波観測システム。
- 請求項4又は5の何れかに記載の地震・津波観測システムにおいて、地震計を構成する歪みセンサ用光ファイバと津波計を構成する歪みセンサ用光ファイバとは単一の通信用光ファイバによって、継続接続されていることを特徴とする光ファイバによる地震・津波観測システム。
- 請求項4乃至7記載の地震・津波観測システムにおいて、上記通信用光ファイバケーブルによって縦続接続された第1地震・津波計群と、第2地震・津波計群とを有し、これら第1地震・津波計群と第2地震・津波計群とを縦続接続し、平常時は一方の通信用光ファイバを通じて上記第1地震・津波鶏群と第2地震・津波計群に光パルスを供給し、異常時は他方の通信用光ファイバを通じて上記第2地震・津波計群と第1地震・津波計群に光パルスを供給することを特徴とする地震・津波観測システム。
- 請求項4乃至8の何れかに記載の地震・津波観測システムにおいて、上記地震・津波センサの設置時に地震センサを構成する各加速度センサの重りの初期荷重を上記地震計の各歪みセンサ用光ファイバからの反射光の周波数変移量により計測し、上記地震計の傾きに伴って発生する誤差値を測定し、この誤差値を用いて地震波の測定値を補正することを特徴とする地震・津波観測システム。
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