JP2007115655A - 植物スイッチ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 人体が植物10に接近又は接触したときに、その人体の近傍あるいは植物の近傍に生じた静電容量の変化を検出して制御信号を出力する検出手段70aと、その制御信号を受けると電源電圧を負荷90に印加する負荷制御手段80とを備えた。
【選択図】 図1
Description
このような精神的、身体的効果を期待して、各家庭やオフィス、店舗などでは、近年、植物を積極的に取り入れる動きが見られる。
この技術は、植物が外部から刺激を受けるとその内部で生体電位が変化することに着目し、その生体電位の変化を検出し、これをトリガとしてLEDやブザーなどの負荷を動作させるものである。
具体的には、次の手順で行った。まず、鉢植えの植物を用意し、その茎の下部と中程に電極を取り付け、それら電極間に生じる電位の測定を試みた。高増幅率の差動増幅器を用い、商用交流電力100Vラインからの誘導を軽減し、その信号をオシロスコープで観察した。そして、この観察が行われている間、人が植物に接近したり遠のいたり、あるいは手を触れたり離したりすることを繰り返し行った。
その結果、オシロスコープで観察された波形は、商用交流電源からの誘導現象による50Hzの波形のみで、生体電位らしき信号は観察されなかった。
交流電源からの誘導は、植物全体の葉に起こっており、誘導電流iは、茎を伝わって流れ、鉢と地面との分布容量Ceを介して地面に落ちるが、その茎には電気抵抗rがあるので、両電極間にはe=irの誘導電圧が発生する。これにより、差動増幅器を用いた効果がなくなってしまう。
ここで、直接検出する場合とは、例えば上述の例でいえば静電誘導電流の変化を検出する場合をいう。これは、静電誘導電流の変化が、人体の内部又は近傍において生じる電気的な変化だからである。
一方、間接的に検出する場合とは、例えば第二電極を介して地面から高周波電源へ流れ込む戻り電流を検出する場合をいう。これは、戻り電流が、人体又は植物の近傍で静電容量という電気的な量が変化したことにともない変化する電気的な量だからである。
なお、本発明における第二電極は、交流電源の接地側端子を直接接地するものと、検出手段などを介在して接地する場合とを含む。
まず、本発明の植物スイッチ装置の第一実施形態について、図1を参照して説明する。
同図は、本実施形態の植物スイッチ装置の構成を示すブロック図である。
植物10は、従来公知の任意好適な植物を用いることができ、特定の種類に限定されるものではない。
用土20とは、植物10を植えるための土をいう。この用土20には、例えば、培養土や改良用土など、栽培する植物10に合わせて土壌や肥料が調合された土を含む。さらに、用土20には、培養土等に配合される赤玉土、鹿沼土、腐葉土、パーライトなどが含まれる。この用土20についても、特定の種類に限定されるものではない。
この容器30の形状は、特に限定されるものではない。
また、材質についても、炭,素焼き,プラスチック,陶器,ガラス,紙,石,木など任意の材質で形成することができる。
なお、容器30は、図1に示すように、テーブル上に乗せるとともに、プラスチック製の皿などを敷き床面に対して充分な電気的絶縁を保ち、床面から離した位置に設置するのが望ましい。
高周波電源(交流電源)50は、第一電極40に高周波電圧を印加する。この高周波電源50は、例えば周波数50kHz、電圧10Vの高周波を出力することができる。ここで、周波数50kHzとしたのは、商用電源の50Hzからの干渉をなくすために、それよりも充分に高い周波数としたためである。
アース板61は、わざわざ床面に設置しなくても電流検出手段70a、負荷制御手段80および負荷90の電源装置の内部静電容量を介して地面に接地されることを応用してもよい。
具体的には、アース板61と地面の間の静電容量Cgを介して地面から高周波電源50へ向かって流れ込む戻り電流を検出する。
同図に示すように、検出手段70aは、電流検出用抵抗器R1と、検出用ダイオードD1と、小容量コンデンサC1と、ゲイン調整用可変抵抗器R2と、増幅器A1と、電圧比較器A2とを有している。
この検出により電流検出用抵抗器R1の両端に発生する電圧VR1は、図3に示すようになる。すなわち、人体が植物10に接近又は接触していないときは、小さい振幅の波形となり(同図(a))、一方、人体が植物10に接近又は接触すると、大きい振幅の波形となる(同図(b))。
この電流検出用抵抗器R1の抵抗値は、例えば、10kΩとすることができる。
なお、本実施形態においては、図3及び図4に示したように、検出用ダイオードD1にて電圧VR1を整流する構成としてあるが、その整流は半波整流に限るものではない。すなわち、ここでは、検出した交流信号を直流に変換することが目的であるため、整流の手段は、例えば全波整流、倍電圧整流、ブリッジ整流などであってもよい。
増幅器A1は、ゲイン調整用可変抵抗器R2で調整されたゲインにしたがって、電圧VD1を増幅し、増幅電圧VA1として出力する。
なお、基準電圧Vsは、人体が植物10に接近又は接触していないときの増幅電圧VA1を記憶保持したものを利用してもよい。
比較の結果、増幅電圧VA1が基準電圧Vsよりも高いとき、すなわち増幅電圧VA1が(b/2)’のときは、電圧比較器A2から制御信号VA2が出力される。
一方、増幅電圧VA1が基準電圧Vsよりも低いとき、すなわち増幅電圧VA1が(a/2)’のときは、電圧比較器A2から制御信号VA2は出力されない。
リレードライバ81は、電圧比較器A2からの制御信号VA2にもとづいてリレー72の動作時間を調整する。
このリレードライバ81の動作を図6に示す。同図に示すように、リレードライバ81は、制御信号VA2を受けると動作制御信号の出力を開始し(同図(s))、所定時間(T)が経過するまで、その動作制御信号を出力し続ける。そして、所定時間Tの経過後(同図(e))、動作制御信号の出力を停止する。
リレー82は、リレードライバ81から動作制御信号が送られてくる間、電源からの電圧を負荷90へ印加する。
この負荷90は、例えば、可聴出力や可視出力などの人間の五感で感知可能な出力を行うものを使用できる。
ここで、可聴出力の具体例としては、例えば、植物10からのメッセージを模した音声、人間や動物の声,風の音,水の音等を記録した記憶媒体によるもの、電子技術による合成音声によるもの、楽器の音や音楽によるもの、ブザーやチャイムによるもの、電子オルゴールによるもの、SLの音や船の汽笛等の擬音によるものなどが挙げられる。
さらに、これら負荷90は、植物と一体的に設置することが望ましい。例えば、図7に示すように、LEDなどの発光体がほぼ等間隔に配置された電飾コードを植物10のほぼ全体に行き渡るように枝や葉などに取り付けてこれを点滅させたり、植物10の幹などにスピーカを取り付けて音声を出力させたりすることができる。
なお、同図に示すように、植物10(葉)と人体(手)との間の静電容量をChl、容器30と人体(胴体)との間の静電容量をCsb、容器30とアース板61との間の静電容量をCsg、人体と地面(GND)との間の静電容量をCbg、地面とアース板61との間の静電容量をCgとする。
人体が植物10に接近又は接触していない状態では、検出手段70aにて、ベース電圧(図3の電圧a)が検出される。
そして、アース板61と地面との間の静電容量Cgを介して地面から高周波電源50へ戻り電流が流れ込む。
そのVR1は、検出用ダイオードD1で整流され、小容量コンデンサC1で平滑される(図4参照)。整流された後の電圧VD1は、ゲイン調整用可変抵抗器R2で調整されたゲインにもとづき、増幅器A1で増幅され、増幅電圧VA1として出力される。
リレー82では、リレードライバ81から動作制御信号が送られてくる間(図6のT)、電源の電圧が負荷90に印加される。これにより、負荷90が所定の動作を行う。
ここで、戻り電流が変化するのは、人体が植物に接近又は接触している場合としていない場合とで、静電誘導電流(戻り電流)が流れるための回路構成が相違するからである。
一方、人体が植物に接近又は接触している場合の回路構成は、上述の回路構成に、さらに、第一電極40−植物10−静電容量Chl−人体−静電容量Cbg−静電容量Cg−アース板61という経路が加わった回路構成となる。なお、この場合は、静電容量Csbも影響する。
次に、本発明の植物スイッチ装置の第二実施形態について、図8を参照して説明する。
同図は、本実施形態の植物スイッチ装置の構成を示す回路図である。
本実施形態は、第一実施形態と比較して、検出手段の構成が相違する。すなわち、第一実施形態では、検出用抵抗器により戻り電流を検出し、検出用ダイオードにより検出電圧を整流し、増幅器により増幅し、電圧比較器により戻り電流が変化したことを検出して、リレー等により負荷を動作させる構成としたのに対し、本実施形態では、ブリッジ回路により戻り電流の変化を検出する構成とする。他の構成要素は第一実施形態と同様である。
したがって、図8において、図1等と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
ここで、検出手段70bは、ブリッジ回路72(CR交流ブリッジ回路)を有している。
このブリッジ回路72の平衡条件は、Cb1・Rb2=Cs・Rb1となる。
なお、植物の個数や大きさによる変化があるため、抵抗Rb1又はRb2のいずれかを可変抵抗器で構成して平衡させ、ベース電流を抑制することができる。
さらに、点a12と点a34との間には、交流電源Sが接続されている。
そして、点a12は、第一電極40に接続され、点a23は、負荷制御手段80に接続され、点41は、接地されている。
この負荷制御手段80の構成は、第一実施形態における負荷制御手段80の構成と同様とすることができる。すなわち、第一実施形態における制御信号VA2が電圧eに相当し、その電圧eが変動(発生)してこの電圧eが入力されるとリレードライバ81が動作制御信号をリレー82へ送る。
リレー82では、リレードライバ81から動作制御信号が送られてくる間(図6のT)、電源の電圧が負荷90に印加される。これにより、負荷90が所定の動作を行う。
人体が植物10に接近又は接触していないときは、ブリッジ回路72は平衡状態となり、点a23では電圧eは0となる。このため、負荷制御手段80は動作せず、負荷90も動作しない。
特に、本実施形態の植物スイッチ装置は、検出手段をブリッジ回路で構成したため、ベース電流を含まない変化分すなわち手の接近接触だけによる電圧を抽出可能となり、電源電圧や周囲温度の変化によるスイッチング動作点の僅かな変化は無視し得るようになる。
例えば、上述した実施形態では、植物、第一電極、第二電極、高周波電源、検出手段、負荷制御手段、負荷等をそれぞれ一つずつ備えた構成としてあるが、それらは一つずつに限るものではなく、それぞれ複数備えることもできる。
10 植物
20 用土
30 容器
40 第一電極
50 高周波電源
60 第二電極
70a、70b 検出手段
72 ブリッジ回路
80 負荷制御手段
81 リレードライバ
82 リレー
90 負荷
R1 電流検出用抵抗器
D1 検出用ダイオード
A1 増幅器
A2 電圧比較器
Claims (4)
- 電源電圧を負荷に印加する負荷制御手段を備えた植物スイッチ装置であって、
人体が植物に接近又は接触したときに、前記人体の近傍、又は、前記植物の近傍に生じた静電容量の変化を検出して制御信号を出力する検出手段を備え、
前記負荷制御手段は、前記制御信号を受けると、前記電源電圧を前記負荷に印加する
ことを特徴とする植物スイッチ装置。 - 植物,用土,容器のうちの一又は二以上に取り付けられた第一電極と、
この第一電極に交流電圧を与える交流電源と、
この交流電源の接地側端子を接地する第二電極とを備え、
前記検出手段は、前記交流電源と前記第二電極との間に接続されるとともに、人体が前記植物に接近又は接触したときに、前記人体の近傍、又は、前記植物の近傍に生じた静電容量の変化にもとづく前記交流電源と前記第二電極間の電流変化を検出する
ことを特徴とする請求項1記載の植物スイッチ装置。 - 前記検出手段が、
前記交流電源と前記第二電極との間に流れる電流を検出する検出用抵抗器と、
前記電流の検出により前記検出用抵抗器で生じた電圧を整流するダイオードと、
このダイオードで整流された電圧を増幅し、増幅電圧として出力する増幅器と、
この増幅器からの前記増幅電圧と所定の電圧値を示す閾値電圧とを比較して、前記増幅電圧が前記閾値電圧よりも高いときに前記制御信号を出力する電圧比較器とを有した
ことを特徴とする請求項2記載の植物スイッチ装置。 - 前記検出手段が、ブリッジ回路を有し、
このブリッジ回路が、
第一辺と、この第一辺に隣接する第二辺と、この第二辺に隣接する第三辺と、この第三辺に隣接する第四辺とを有し、
前記交流電源が、
前記ブリッジ回路の第一辺と第二辺との接続点と、第三辺と第四辺との接続点との間に接続され、
前記第一辺が、前記容器の対地静電容量を含んでおり、
前記負荷制御手段が、
前記ブリッジ回路の前記第二辺と前記第三辺との接続点に生じる電圧の変動を前記制御信号として入力すると、前記電源電圧を前記負荷に印加する
ことを特徴とする請求項1記載の植物スイッチ装置。
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