以下、図面に基づき本発明を代表する各種実施の形態を説明する。
図1〜図23は、本発明の実施の形態に係る遊技機を示している。
本実施の形態に係る遊技機1は、遊技盤2に形成された遊技領域3に遊技球を発射して遊技を実行するものであり、以下、遊技機1としてパチンコ機を採用した場合を例に説明する。
先ず、遊技機1全体の概要を説明する。
図1は、遊技機1の全体を示す正面図であり、図2は、遊技機1のガラス枠5を開放した状態を示す斜視図である。遊技機1は、発射された遊技球が移動し遊技を進行させるための複数の役物が配された遊技領域3を形成する遊技盤2と、遊技領域3の前面側を覆うガラス板4を固定し、その周囲に装飾ランプ・LEDやスピーカー等を取り付けたガラス枠5を有している。
ガラス枠5には、遊技盤2の遊技領域3を視認できる略円形の開口部が設けられ、該開口部を覆うガラス板4には、遊技領域3内の前側で表示が可能な表示領域1010を備え、その表示領域1010で画像表示を行っている際にその画像を表示していない部分では遊技領域3内を透視できる表示装置1000が設けられている。また、ガラス枠5の下方には、遊技球を貯留するための上受け皿6と、該上受け皿6から溢れた球を受け入れる下受け皿7、遊技者が遊技球の発射操作を行うためのハンドル8等が設けられている。
図3は、遊技盤2に形成された遊技領域3を拡大して示す正面図である。遊技領域3は遊技盤2の前面側に略円形に形成され、前記ハンドル8の操作により発射された遊技球を誘導するガイドレール9に囲まれ、さらに前面側は前記ガラス板4によって覆われている。遊技領域3には、複数の役物や装飾装置であるランプ・LED等が配されている。ここで複数の役物には、本遊技機1において実行できる遊技内容の異なる複数種類の遊技の中心的役割を果たす所要の役物の他、全ての遊技に共通する役物がある。
本遊技機1で実行できる複数の遊技としては、所要の役物である第1始動入賞口21、特別図柄表示装置29、第1大入賞口23等を用いて実行される遊技(以下「第1遊技」という。)と、所要の役物である第2始動入賞口22、第2大入賞口24、特別入賞部26等を用いて行われる遊技(以下「第2遊技」という。)と、2種類用意されている。なお、遊技内容の異なる遊技の種類は、もちろんこのような2種類に限定されるものではなく、他に例えば、いわゆる権利物のタイプに分類できる遊技を適宜加えて組み合わせても良い。
複数の役物は複数の役物群に分けられており、役物群ごとに所要の役物を含む役物群として構成され、構成された各役物群は、遊技内容の異なる遊技にそれぞれ関連付けられている。具体的には、第1遊技については、第1始動入賞口21、特別図柄表示装置29、第1大入賞口23等を含む役物群が関連付けられており、言い換えれば、これらの所要の役物を含む役物群によって第1遊技は実行される。第1遊技に関連付けられた役物群(以下「第1役物群」という。)は、第1遊技における遊技状態に応じて、それぞれ第2遊技に関連付けられた役物群とは区別して制御される。
一方、第2遊技については、第2始動入賞口22、第2大入賞口24、特別入賞部26等を含む役物群が関連付けられており、言い換えれば、これらの所要の役物を含む役物群によって第2遊技は実行される。第2遊技に関連付けられた役物群(以下「第2役物群」という。)は、第2遊技における遊技状態に応じて、それぞれ第1遊技に関連付けられた役物群とは区別して制御される。また、第2役物群には、普通図柄表示装置30と、遊技領域3の左右両側に配された一対の普通図柄作動ゲート31a,31bも含まれている。
全ての遊技に共通する役物(以下「共通役物」という。)としては、遊技領域3内に発射された遊技球の落下方向に変化を与える風車10や数多の遊技釘(図示せず)、それに遊技領域3の左右両側に配された一対の袖入賞口32a,32b、同じく一対の落とし入賞口33a,33bがある。これらの共通役物は、言い換えれば、何れの遊技に関連付けても良く、あるいは、特に各遊技に関連する所要の役物と密接な関係にあるような場合(例えば、第1始動入賞口21への遊技球の入賞に影響が大きい第1始動入賞口21真上に設けた遊技釘等。)には、密接な関係にある遊技に適宜関連付けて分類してもかまわない。
前記各種の入賞口に遊技球が入賞すると、各入賞口に付設されたスイッチにより入賞球が検出され、入賞球が検出される度に各入賞口に割り当てられた所定数の賞球が払い出される。ただし、前記普通図柄作動ゲート31a,31bは通過ゲートであり、遊技球が通過しても賞球の払い出しは行われない。なお、遊技領域3の最下部には、何れの役物にも入らず落下した遊技球を外部に排出するアウト口34が設けられている。
前記各入賞口に付設されたスイッチとして、図5に示すように、第1始動入賞口スイッチ121、第2始動入賞口スイッチ122、右袖入賞口スイッチ132a、左袖入賞口スイッチ132b、右落とし入賞口スイッチ133a、左落とし入賞口スイッチ133b等が各入賞口内部に設置されている。第1大入賞口23の内部には第1カウントスイッチ123が設置され、第2大入賞口24の内部には第2カウントスイッチ124が設置されている。右普通図柄作動ゲート31aの内部には右ゲートスイッチ131aが設置され、左普通図柄作動ゲート31bの内部には左ゲートスイッチ131bが設置されている。
前記各入賞口に遊技球が入賞すると、前記各入賞口スイッチによって検知され、該検知される度に、各入賞口ごとに割り当てられた次の所定数の賞球の払い出しが行われる。本実施の形態では、第1始動入賞口21、第2始動入賞口22には、それぞれ5個、右袖入賞口32a、左袖入賞口32b、右落とし入賞口33a、左落とし入賞口33bには、それぞれ8個、第1大入賞口23、第2大入賞口24には、それぞれ15個と賞球数が割り当てられている。
次に、遊技領域3内における主な役物の構成について詳細に説明する。
第1始動入賞口21は、一般に始動チャッカーと称される入賞口である。第1始動入賞口21に遊技球が入賞することが、後述する特別図柄表示装置29で特別図柄の変動が実行されるための「第1始動条件」として設定されている。第1始動入賞口21の内部にある第1始動入賞口スイッチ121によって遊技球の入賞が検出されると、特別図柄の変動を実行する権利が獲得され、該権利に基づき特別図柄の変動が実行され所定時間が経過すると確定停止する。
第2始動入賞口22も、一般に始動チャッカーと称される可変入賞口であり、該第2始動入賞口22の左右両端には、一対の可動片22a,22aが揺動可能に設けられている。各可動片22aは、普通電動役物ソレノイド134(図5参照)によって拡縮動作する。第2始動入賞口22は各可動片22aの拡縮動作により、遊技球が入賞し難い縮状態と入賞し易い拡状態とに作動する普通電動役物として構成されている。なお、各可動片22aが縮状態であっても、第2始動入賞口22は遊技球が入賞し難い程度に開いている。
第2始動入賞口22の各可動片22aは、普通図柄表示装置30における普通図柄表示の表示結果に基づき作動する。普通図柄表示装置30は、上下に設けた2つのLEDの点灯によって普通図柄表示を行い、上下2つのLEDのうち、上側の「○」型が「当たり」、下側の「−」型が「ハズレ」と割り当てられている。普通図柄表示の結果が「当たり」に相当すると、第2始動入賞口22の各可動片22aが、通常の縮状態から拡状態に所定時間の経過または所定個数の遊技球の入賞まで作動する。なお、LEDの点灯以外にも普通図柄表示としては、7セグメント表示器を使用したり、表示装置1000の表示領域1010の一部に表示しても良い。
普通図柄表示装置30では、左右何れかのゲートスイッチ131a,131bにより遊技球の通過が検出されると、普通図柄表示の権利が獲得され、該権利に基づいて普通図柄表示が行われる。普通図柄表示装置30の上下のLEDの交互点滅によって普通図柄表示は開始され、所定時間が経過して停止すると上下何れか一方の点灯表示となり、遊技者は表示結果を目視により確認することができる。
普通図柄表示装置30における普通図柄表示中に、左右のゲートスイッチ131a,131bによって遊技球の通過が検出された場合は、普通図柄表示装置30における普通図柄表示の権利を獲得するが保留とされ、現在進行中の普通図柄表示が終了した後、保留されていた権利が順次消化される。普通図柄表示の保留数は、例えば上限値4個であり、普通図柄表示装置30の傍らにある普通図柄保留LED30aの点灯によって報知される。
第2始動入賞口22に遊技球が入賞することが、後述する第2大入賞口24が開閉動作を開始するための「第2始動条件」として設定されている。第2始動入賞口22の内部にある第2始動入賞口スイッチ122によって遊技球の入賞が検出されると、次述する第2大入賞口24の各可動片24aが数秒ほど開いた状態に作動するように設定されている。
第2大入賞口24は第2遊技のメイン役物であり、遊技球を受け入れる遊技者に有利な第1状態と、遊技球を受け入れない遊技者に不利な第2状態とに開閉作動する一対の可動片24aを有している。第2大入賞口24のケース体内部には、回転駆動する回転盤25が配されており、この回転盤25上には、第2大入賞口24のケース体内部に入賞した遊技球のうちの何れか1個が入賞することで、特別な入賞として認識するための特別入賞部26が設けられている。また、第2大入賞口24の上部にはデジタル表示部27が一体に設けられている。
第2遊技においては、第2始動入賞口22への遊技球の入賞に基づき、第2大入賞口24の各可動片24aを短時間(例えば0.3秒)だけ1回開放する。このとき、第2大入賞口24のケース体内部に入った遊技球が特別入賞部26に入賞した場合、これを条件としてデジタル表示部27で各種数字の可変表示を実行し、その表示結果として確定した数字のラウンド回数分だけ、第2大入賞口24の各可動片24aを繰り返し開閉させるように設定されている。
このような第2大入賞口24の各可動片24aの一連の作動が、第2遊技における「第2特別遊技状態」である。第2特別遊技状態の各ラウンドごとにおける各可動片24aの動作は、例えば、所定時間が経過するまで、または所定個数の遊技球が入賞するまで、継続して第1状態に維持するように設定しても良く、あるいは第1状態ないし第2状態に開閉するように設定しても良い。
また、ラウンド回数の計算は、第2始動入賞口22への入賞に基づき、第2大入賞口24の各可動片24aが短時間だけ1回開放したことも、最初の第1ラウンドとして計数しても良く、あるいは最初の1回開放は別にして、デジタル表示部27の可変表示の終了後から始まる各可動片24aの開閉からラウンド数として計数しても良い。また、各ラウンドごとに特別入賞部26に遊技球が入賞することが、次ラウンドに移行する継続条件として設定されている。
次に、ガラス板4に設けた表示装置1000について詳細に説明する。
表示装置1000は、本実施の形態では有機EL(エレクトロルミネッセンス)により構成されており、遊技領域3内の前側で表示が可能な表示領域1010を備え、その表示領域1010で画像表示を行っている際にその画像を表示していない部分では前記遊技領域3内を透視できる。ここで有機ELは、自発光、高輝度、透明、薄型等の特徴を有するディスプレイである。
図4は、ガラス枠5に、ガラス板4と、保護ガラス4aと、表示装置1000を取り付けた構造を示す断面図であり、図4(a)は、ガラス枠4の全体的な断面図であり、図4(b)は、前記図4(a)中にて二点破線で丸く囲った部分を拡大して示す断面図である。表示装置1000は、遊技盤2上を移動する遊技球が直接当たらず、かつ遊技者が直接触れないように、ガラス板4と保護ガラス4aとの間に設けられ、発光側を遊技者側に向け配置される。
表示装置1000は、ガラス板4と保護ガラス4aの間に配置され、表示装置1000の裏面側に配置するガラス板4は、遊技球の流下に伴う表示装置1000の損傷や汚れを防止できるものとなる。また、表示装置1000の前面側に配置する保護ガラス4aは、遊技機1の前面側からの衝撃や汚れを防止するものである。なお、ガラス板4、保護ガラス4a、有機ELディスプレイは、1つのユニットとして構成すると良い。
表示装置1000として使用する有機ELディスプレイには、大別して2つの方式があり、画素(ピクセル)ごとに制御して表示する「アクティブマトリクス型」と、行および列方向を制御して交差する点を発光制御する「パッシブマトリクス型」とがある。何れの型も同じマトリクス制御方式を使い、水平、垂直方向の制御が交差した画素を光らせる構成であるが、パッシブマトリクス型は、制御が交差した時のみ発光し、アクティブマトリクス型は、制御が交差した時が発光制御の契機となるものである。
有機ELディスプレイにおけるカラー表示は、マトリクス状に並ぶ陽極電極と陰極電極との交差する部位に、RGBの赤(R)、緑(G)、青(B)の各色を発光する各有機蛍光体薄膜が並列配置形成され、これら対向する両電極間に、電圧を印加することで、赤(R)、緑(G)、青(B)の光の3原色が発光され、該光の3原色の加法混色によりフルカラー表示が可能となる。フルカラー表示を行うには、各交差する電極間に印加される電流値を印加パルスの幅を適宜に制御することで変化させることにより、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色の各色の発光強度を変化させて諧調表示を行うようになっている。
このような表示装置1000では、前記各役物群のうち1つの役物群が他の役物群に比べて遊技制御の段階が進んでいる場合に、該1つの役物群に対して遊技制御が進んでいる旨の画像表示を行うように表示制御される。また、表示装置1000で行う遊技制御が進んでいる旨の画像表示は、遊技制御が進んでいる1つの役物群を構成する各役物のうち所要の役物に対して行うように設定されている。
表示装置1000による具体的な画像表示の詳細については後述するが、次に、第1役物群に関する画像表示として、可変表示領域1100と該可変表示領域1100内で変動表示する複数種類の識別情報について説明する。可変表示領域1100は、従来の「可変表示装置」を画像表示として形成したものであり、本実施の形態では図6に一例を示すように、識別情報をそれぞれ表示する3つの表示枠画像1110の他、該表示枠画像1110を囲む装飾画像1120や、後述する特別図柄保留画像1130を含むものである。
第1遊技においては、第1始動入賞口21への遊技球の入賞に基づき前記特別図柄表示装置29で特別図柄の変動が開始される。特別図柄の変動に伴って表示装置1000上で表示遊技が開始され、可変表示領域1100内の表示枠画像1110には、左側の第1図柄、右側の第2図柄、中央の第3図柄と3つの識別情報である各種図柄が並ぶように表示され、各列ごとに識別情報は例えばスクロール変動する。変動開始から所定時間が経過すると、各列ごとに1つずつ任意の識別情報が確定停止する。なお、表示遊技中には、前記識別情報の変動表示に合わせて、各種画像としてキャラクタや背景等も表示装置1000の表示領域1010の適所に表示しても良い。
前記表示遊技の結果として、表示枠画像1110に確定停止した識別情報が、予め定められた特定の組み合わせ(例えば「333」等と全て同一種類に揃った状態)となった場合が「特定表示態様(大当たり)」と定められている。また、特定表示態様が確定する前に、特定表示態様となる識別情報の組み合わせのうち、1つの識別情報を除く他の識別情報が前記特定表示態様となる組み合わせとなり、前記1つの識別情報が未確定である状態が「リーチ態様」に相当する。
前記表示遊技の結果が最終的に特定表示態様に確定すると、次述する第1大入賞口23が所定時間に亘り繰り返し開閉するように設定されている。このような第1大入賞口23の一連の作動を、第1遊技における「第1特別遊技状態」とする。詳しくは後述する。一方、表示遊技の結果が、最終的に前記特定表示態様に確定しなかった場合は、「外れ表示態様(ハズレ)」に該当し、第1特別遊技状態は発生しないで遊技は終了となる。なお、表示遊技に用いる識別情報は、0〜9の数字や記号等の単純な図柄に限定されるものではなく、例えば特定のキャラクタを模したものを用いても良い。
また、前記表示遊技の結果が、識別情報のうち確変図柄(例えば奇数図柄「1」、「3」、「5」、「7」、「9」)の何れかで全て同一種類に揃う特定表示態様(確率変動大当たり)に確定した場合には、高確率状態を伴う第1特別遊技状態が発生することになる。すなわち、確変図柄で揃った特定表示態様(確率変動大当たり)が確定すると、これに基づき発生した第1特別遊技状態が終了した後、第1特別遊技状態が発生する確率が高確率に変化する。
このように、通常の遊技状態(低確率状態)に比べて、特定表示態様に確定する大当たり確率が高まった遊技状態が、高確率状態(または「確変状態」、「確変モード」ともいう。)である。また、高確率状態中には、表示装置1000における表示遊技の変動時間が短縮される時間短縮状態(または「時短状態」、「時短モード」ともいう。)も併せて発生するように設定しても良い。さらに、本実施の形態における時間短縮状態では、前記普通図柄表示装置30における普通図柄表示の変動時間も短縮されるように設定しても良い。
一方、表示遊技の結果が、識別情報のうち非確変図柄(例えば偶数図柄「0」、「2」、「4」、「6」、「8」)の何れかで全て同一種類に揃う特定表示態様(非確率変動大当たり)に確定した場合には、高確率状態を伴わない第1特別遊技状態が発生することになる。ここで、非確変図柄で揃った特定表示態様(非確率変動大当たり)が確定すると、これに基づき発生した第1特別遊技状態が終了した後、所定回数(例えば100回)を限度に、次回以降の表示遊技および普通図柄表示における変動時間が短縮されるように設定しても良い。
表示遊技の実行中あるいは第1特別遊技状態の発生中に、前記第1始動入賞口21に遊技球が入賞した場合には、前記特別図柄の変動を実行する権利が保留として獲得され、現在進行中の特別図柄の変動等が終了した後、保留されていた権利が順次消化されるようになっている。特別図柄の変動実行権利の保留数は、例えば最大で4個と設定されており、実際の保留数は、遊技者が目視で確認できるように特別図柄保留画像1130によって報知される。もちろん、権利を保留しないで放棄するように設定することもできる。
図3に示すように、遊技領域3には、前述した前記表示装置1000における表示遊技の元となる特別図柄を表示するための特別図柄表示装置29が設けられている。特別図柄表示装置29は、表示装置1000で実行される表示遊技の表示結果の元となる大当たり判定結果、および確率変動大当たりまたは非確率変動大当たりの区別が可能な特別図柄を変動させて確定停止表示するためのものであり、例えば、7セグメントLED等を利用して構成されている。
さらに、前記第1大入賞口23は、一般にはアタッカーと称されるものであり、第1大入賞口ソレノイド135の作動により、遊技球が入賞する開状態(第1状態)と、遊技球が入賞できない閉状態(第2状態)とに変化するように構成されている。なお、第1大入賞口23の入賞口を開閉する扉は、その下端を揺動中心として前方に傾倒することで開くようになっている。
特別図柄表示装置29で大当たり判定結果を表示した後、第1大入賞口ソレノイド135は、第1大入賞口23の扉の開閉動作を行うために作動する。すなわち、第1大入賞口23は、前記表示遊技の結果が特定表示態様となった場合に、「第1特別遊技状態」を形成するように開閉制御される。ここで第1特別遊技状態は、第1大入賞口23の扉が開いて遊技球が入賞し易い開状態となり、所定時間(例えば30秒)の経過または遊技球の所定個数(例えば10個)の入賞により扉が閉鎖されて入賞し難い閉状態となる動作を、所定回数(例えば15回)を上限に繰り返す状態である。
次に、遊技機1の制御に用いられる各種制御基板について説明する。
遊技盤2の背面側には、各機能別の制御基板が配設されている。図5に示すように制御基板には、遊技全体の動作を管理し制御する主制御基板100と、該主制御基板100からの指示情報をパラレル通信により受信して賞球や貸球の払い出し動作の制御を行う払出制御基板200と、表示制御や音声制御を行う演出制御基板300が設けられている。
前記制御基板は、さらに、発射モータ401による遊技球の発射を制御する発射制御基板400と、各制御基板に所定の電力を供給する電源基板500と、前記主制御基板100からの賞球払出信号を外部出力するための枠用外部端子板600と、CRカードユニットbと接続するための遊技機等貸出装置接続端子板700と、外部機器と接続して盤用外部情報(大当たり1、大当たり2、時短中、図柄確定、始動入賞口入賞、ガラス開放の各信号)を出力するための盤用外部端子板800が設けられている。
各制御基板のうち主制御基板100は、遊技内容の異なる遊技の実行を制御する。ここで複数種類の遊技の実行に関しては、何れか1つの遊技が択一的に選択されて実行される制御と、複数種類の遊技がそれぞれ始動条件の成立に基づき並行して実行される制御とが考えられる。また、演出制御基板300は、主制御基板100からの演出制御信号に基づいて、前記表示装置1000における画像表示の内容を制御するように設定されている。
以下に、遊技機1の作用について説明する。
先ず、第1役物群を構成する第1始動入賞口21、特別図柄表示装置29、第1大入賞口23、および表示装置1000の画像表示により実行される第1遊技の内容について、図5および図6を参照しながら説明する。詳しくは後述するが、各役物群のうち第1役物群が第2役物群に比べて遊技制御の段階が進んでいる場合、表示装置1000では、第1役物群に対して遊技制御が進んでいる旨の画像表示が行われ、また、可変表示領域1100が表示されて第2大入賞口24が隠蔽される。
遊技中に第1始動入賞口21に遊技球が入賞すると、第1始動入賞口スイッチ121によって検出されて主制御基板100に検出信号が出力される。この検出信号に基づき主制御基板100は、表示遊技の結果や停止図柄を定める抽選を実行し、該抽選結果に従い演出制御基板300は、表示装置1000における表示遊技の内容を制御する。図6において表示遊技が開始されると、第2大入賞口24の前方に表示された可変表示領域1100の表示枠画像1110に、左側の第1図柄、右側の第2図柄、中央の第3図柄と3つの識別情報が並ぶように表示され、各識別情報はスクロール変動を開始する。
変動開始から所定時間が経過すると、第1図柄、第2図柄、第3図柄の順で変動が停止する。第3図柄が未だ変動中に、第1図柄と第2図柄とが同一の種類に停止した場合、リーチ態様に相当する。全ての識別情報が停止した後、表示遊技の結果が特定表示態様に確定すると、主制御基板100は第1大入賞口ソレノイド135を駆動する制御データを出力する。この制御データに基づき、第1大入賞口ソレノイド135は駆動し、第1大入賞口23が所定回数を限度に繰り返し開閉する第1特別遊技状態が発生する。
第1特別遊技状態の発生中は、第1大入賞口23内に配置された第1カウントスイッチ123により、入賞した遊技球が計数される。第1カウントスイッチ123で計数されたデータの合計数が所定個数に到達するか、所定時間が経過すると、主制御基板100からの出力データが変更され、第1大入賞口ソレノイド135の駆動が停止し、1回のラウンドが終了する。その後、未だ所定回数に到達していない場合には、さらに第1大入賞口ソレノイド135の駆動が繰り返されることになる。
次に、第2役物群を構成する第2始動入賞口22、デジタル表示部27、普通図柄作動ゲート31a,31b等を用いて実行される第2遊技の内容について、図3および図5を参照しながら説明する。詳しくは後述するが、各役物群のうち第2役物群が第1役物群に比べて遊技制御の段階が進んでいる場合、表示装置1000では、第2役物群に対して遊技制御が進んでいる旨の画像表示が行われ、また、可変表示領域1100は表示されない。
第2遊技においては、左右何れかの普通図柄作動ゲート31a,31bを遊技球が通過して、ゲートスイッチ131a,131bにより検出されると、主制御基板100は、普通図柄表示装置30の普通図柄表示を実行するための表示制御データを生成し、普通図柄表示装置30において普通図柄表示を一定時間行う。普通図柄表示の表示結果が当たりの場合には、第2始動入賞口22の各可動片22aを拡開動作させる普通電動役物ソレノイド134の制御データが主制御基板100から一定時間出力される。これにより、第2始動入賞口22は拡状態に所定時間の経過または所定個数の遊技球の入賞まで作動し、遊技球が入賞し易い状態となる。
遊技中に第2始動入賞口22に遊技球が入賞すると、第2始動入賞口スイッチ122によって検出されて主制御基板100に検出信号が出力される。この検出信号に基づき主制御基板100は、第2大入賞口ソレノイド136を駆動する制御データを出力する。この制御データに基づき、第2大入賞口ソレノイド136は駆動し、第2大入賞口24にある一対の可動片24aが短時間だけ1回開放する。
各可動片24aの開放動作中に、第2大入賞口24のケース本体内に取り込まれた遊技球が、回転盤25上を転動した後に特別入賞部26に入賞すると、該特別入賞部26に設けられたスイッチ(図5では図示せず)によって検出されて主制御基板100に検出信号が出力される。この検出信号に基づき主制御基板100は、デジタル表示部27にてラウンド回数を定める抽選を実行し、該抽選結果に従いデジタル表示部27で各種数字の可変表示を実行し、表示結果として前記抽選結果に対応するラウンド回数を示す数字を停止表示する。
デジタル表示部27における可変表示が終了すると、主制御基板100は、前記抽選結果に応じて第2大入賞口ソレノイド136を駆動する制御データを出力する。この制御データに基づき、第2大入賞口ソレノイド136が駆動し、第2大入賞口24の各可動片24aが所定回数を限度に繰り返し開閉する第2特別遊技状態が発生する。第2特別遊技状態の発生中は、第2大入賞口24内に配置された第2カウントスイッチ124により、入賞した遊技球が計数される。
第2カウントスイッチ124で計数されたデータの合計数が所定個数に到達するか、所定時間が経過すると、主制御基板100からの出力データが変更され、第2大入賞口ソレノイド136の駆動が停止し、1回のラウンドが終了する。その後、未だ前記ラウンド回数に到達していない場合には、さらに第2大入賞口ソレノイド136の駆動が繰り返されることになる。なお、各ラウンドごとに少なくとも1個の遊技球が特別入賞部26に入賞することが、次ラウンドに継続するための条件となるが、該条件を省いてラウンド継続が途中で終了してしまう事態(いわゆるパンク)を設定しなくても良い。
以上のように本遊技機1では、第1遊技と第2遊技の2種類の遊技を実行することができ、その実行形態としては、何れか1つの遊技が択一的に選択されて実行される制御と、複数種類の遊技がそれぞれの始動条件の成立に基づき並行して実行される制御とが考えられる。また、何れか1つの遊技が択一的に選択されて実行される場合には、遊技者が任意に選択できる態様と、主制御基板100が自動的に選択する態様の2通りの制御が考えられる。
図7は、第1遊技および第2遊技の何れか1つが択一的に選択されて実行される制御を示している。先ず、主制御基板100により、遊技の選択が行われたか否かが判断される(S101)。ここで遊技の選択とは、遊技者が自らの意思に基づいて選択する場合と、遊技機1側の制御により自動的に選択する場合の両方が含まれる。このような遊技の選択は、基本的には何時でも行うことができるが、遊技の選択に基づく実際の遊技の設定変更は、何れかの遊技に係る遊技状態ではない時に主制御基板100により実行される。
遊技の選択が行われた場合(S101;Y)、続いて主制御基板100により、第1遊技または第2遊技が実行中であるか否かが判断される(S102)。ここで第1遊技の実行中とは、表示装置1000における表示遊技の実行中ないし第1特別遊技状態の発生中が相当し、また、表示遊技を実行する権利が保留されている場合も含まれる。一方、第2遊技の実行中とは、デジタル表示部27における可変表示中あるいは第2特別遊技状態の発生中、および普通図柄表示装置30における普通図柄表示中ないし第2始動入賞口22の可動片22aの拡縮動作中が相当し、また、普通図柄表示を実行する権利が保留されている場合も含まれる。
何れの遊技も実行中でなければ(S102;N)、主制御基板100により、前記選択された遊技へ設定変更される(S103)。ここで第1遊技が選択された場合、第1遊技のみが実行可能な状態となるように、例えば、第2始動入賞口22へ遊技球が入賞できないように入賞口内部を一時的に塞いだり、あるいは第2始動入賞口22へ遊技球が入賞しても、第2大入賞口24の各可動片24aが作動しないように制御すると良い。また、第2遊技が選択された場合、第2遊技のみが実行可能な状態となるように、例えば、第1始動入賞口21へ遊技球が入賞できないように入賞口内部を一時的に塞いだり、あるいは第1始動入賞口21へ遊技球が入賞しても、表示装置1000で表示遊技を実行する権利を獲得しないように制御すると良い。
一方、何れかの遊技が実行中であれば(S102;Y)、該遊技が終了するまで前記選択された遊技への設定変更は保留される。ところで前述したように、表示装置1000における表示遊技を実行する権利が保留されている場合や、普通図柄表示を実行する権利が保留されている場合も、遊技が実行中であると判断されて遊技の設定変更は行われないが、普通図柄表示に関しては、その開始から終了までに相当の時間(例えば30秒等。)がかかるので、全ての普通図柄表示を消化するまで待つ場合には、相当長い時間の経過を待たなければならない。
そこで、例えば、遊技の選択が行われた時点で、現在保留中の権利に基づく普通図柄表示等の実行を通常よりも極めて短時間で実行するようにしたり、または、遊技の選択が行われた時点で、現在保留中の権利を全て放棄するように設定しても良い。さらに、遊技の選択が行われた時点で、現在実行中の遊技も全てリセットして、即時に遊技が設定変更されるようにしても良い。なお、現在の遊技状態と同じ遊技が選択された場合には、当該遊技がそのまま継続することになる。
前述したように、何れかの遊技に設定変更されると(S103)、主制御基板100および演出制御基板300により、新たに設定変更された遊技に対応した表示制御が表示装置1000において実行される(S104)。第1遊技に設定変更された場合には、第1遊技のみが実行可能な状態となり第2遊技は実行できないため、第1始動入賞口21に遊技球が入賞することに起因して、第1役物群が第2役物群に比べて常に遊技制御の段階が進むような状況が発生することになる。
このように第1役物群の遊技制御の段階が進んでいる場合、表示装置1000では、第1役物群に対して遊技制御が進んでいる旨の画像表示が行われ、また、可変表示領域1100が表示されて第2大入賞口24が隠蔽される。図9に示す例では、第1役物群の所要の役物である第1始動入賞口21(図6参照)の前方に、該第1始動入賞口21の輪郭を縁取るような枠状の第1始動入賞口強調画像1200が表示される。また、第1役物群である特別図柄表示装置29(図6参照)の前方には、該特別図柄表示装置29の輪郭を縁取るような枠状の特別図柄表示装置強調画像1300が表示される。
また、第1役物群の所要の役物である第1大入賞口23(図6参照)の前方には、該第1大入賞口23の輪郭を縁取るような枠状の第1大入賞口強調画像1400が表示される。さらに、第2役物群の第2大入賞口24のうちデジタル表示部27(図6参照)以外の主要部を隠蔽するように、第1役物群に関係する可変表示領域1100が画像表示される。なお、遊技が設定変更される前には、当該変更前の時点で実行されていた遊技に応じて、表示装置1000における表示制御が当然行われていることになる。
各強調画像1200,1300,1400に関しては、図示したように役物の輪郭を縁取るような枠状に限られるものではない。基本的には、それぞれ対応する役物の遊技制御の段階が進んでいることを遊技者が理解できる画像表示であれば、各強調画像1200,1300,1400の色および形状、それに形状変化や点灯点滅、拡大縮小等の変動に関しては、どのような表示態様であってもかまわない。また、各強調画像1200,1300,1400を全て同時に表示することなく、遊技制御の段階に応じて経時的に順次表示するように設定しても良い。
また、第1遊技の遊技制御の段階が進んでいる場合であっても、図19に示す例のように、可変表示領域1100は必ずしも当初から画像表示する必要はなく、第1遊技の初期の段階では、遊技盤2全体を視認することができるように、当初は各強調画像1200,1300,1400だけを同時にまたは順に画像表示するようにして、第1始動入賞口21に遊技球が入賞したことに起因して、可変表示領域1100を後から画像表示するように設定しても良い。
さらにまた、図20〜図22に示すように、第1役物群の遊技制御の段階が進んでいる場合、表示装置1000において、第1役物群である各役物の他、各遊技の共通役物のうちの全部または一部を、一続きの面積を有する形状によって同時に取り囲むようにして、視認できる状態に画像表示しても良い。このような画像表示の場合も、遊技盤2全体を視認することができる。なお、一続きの面積を有する形状は、半透明の色等により表示することで、表示が行われていない表示領域1010とは明確に区別でき、かつ遊技盤2全体の視認性を損なわない画像表示とする。
図20に示す例では、図中に薄墨色で示した部分が画像表示に相当しており、該画像表示の範囲内にある全ての共通役物は第1役物群に関連付けられており、該共通役物と、第1役物群である第1始動入賞口21、第1大入賞口23、特別図柄表示装置29をまとめて取り囲むようにして視認できる状態とする。なお、画像表示で覆われていない図中で白抜きの部分には、第2役物群である第2始動入賞口22、第2大入賞口24、普通図柄表示装置30、それに一対の普通図柄作動ゲート31a,31bが存在している。
図21に示す例では、図中に薄墨色で示した部分が画像表示に相当しており、該画像表示の範囲内にある共通役物である遊技釘は第1役物群に関連付けられており、該遊技釘と、第1役物群である第1始動入賞口21、第1大入賞口23、特別図柄表示装置29を取り囲むようにして視認できる状態とする。なお、画像表示で覆われていない図中で白抜きの部分には、第2役物群である第2始動入賞口22が存在しており、画像表示の外側の範囲には、第2大入賞口24、普通図柄表示装置30、それに一対の普通図柄作動ゲート31a,31b等が存在している。ここで画像表示の外側の範囲に存在する共通役物は、第2役物群に関連付けても良い。
図22に示す例では、図中に薄墨色で示した部分が画像表示に相当しており、該画像表示の範囲内にある共通役物である遊技釘や風車、左側の落とし入賞口33bは第1役物群に関連付けられており、これらの共通役物と、第1役物群である第1始動入賞口21、第1大入賞口23、特別図柄表示装置29を取り囲むようにして視認できる状態とする。本例における画像表示の範囲は、遊技領域3上にて遊技球が流下しやすい範囲を示している。なお、画像表示で覆われていない図中で白抜きの部分には、第2役物群である第2始動入賞口22が存在しており、画像表示の外側の範囲には、第2大入賞口24、普通図柄表示装置30、それに一対の普通図柄作動ゲート31a,31b等が存在している。ここで画像表示の外側の範囲に存在する共通役物は、第2役物群に関連付けても良い。
なお、後述する第2役物群に対して遊技制御が進んでいる旨の画像表示のように、役物の輪郭を縁取る枠状の強調画像を点滅させたり、色を変化させたり、あるいは役物の中心から輪郭へ向かって波紋が広がるように画像表示したり、逆に周囲から役物の輪郭に向かって波紋が集約するように画像表示しても良い。さらに、文字情報や矢印等の図形により役物を指標したり、役物から吹き出し線が延びるよう画像表示し、その先の方に遊技者の注意を喚起する文字情報等を併せて画像表示しても良い。
このように、遊技制御の段階が相対的に進んでいる(正確には実行可能な状態)の第1役物群に対して、前述したような画像表示を行うことにより、遊技者は遊技制御の段階の進んでいる役物群を容易に確認することができる。また、遊技制御が進んでいる旨の画像表示を、遊技制御が進んでいる1つの役物群を構成する各役物のうち所要の役物に対して行うようにすれば、特に遊技の中心的役割を果たす所要の役物を遊技者が容易に確認できることになり、いっそう容易に遊技内容を遊技者に理解させることができる。
もちろん、前記画像表示は固定的なものではなく、役物群のうち何れかの役物の作動に応じて表示形態が変化するように表示制御すると良い。これにより、役物の物理的な動作変化と画像表示による表示形態の変化とが組み合わされることになり、視覚的な演出効果も相俟って遊技上の興趣を高めることができる。
例えば、第1始動入賞口21に遊技球が入賞した際に、第1始動入賞口強調画像1200を拡大させたり、色を目立つものに変化させたり点滅させたりすると良い。また、可変表示領域1100において特定表示態様が停止確定した際に、可変表示領域1100を拡大させたり、色を目立つものに変化させたり点滅させたりすると良い。また、第1大入賞口23の開閉に併せて、第1大入賞口強調画像1400を拡大縮小させたり、色を目立つものに変化させたり点滅させたりすると良い。
さらに、本実施の形態では、第2遊技におけるメイン役物となる第2大入賞口24を隠蔽するにあたり、第1遊技における表示遊技を実行する可変表示領域1100を画像表示する。これにより、遊技領域3内における役物の配置スペースを大きく確保することができると共に、従来の可変表示装置の物理的な構造に制約されることなく、表示装置1000による画像表示として、斬新で自由な識別情報とその変動表示を多彩に演出することが可能となる。
一方、第2遊技に設定変更された場合には、第2遊技のみが実行可能な状態となり第1遊技は実行できないため、第2始動入賞口22に遊技球が入賞することに起因して、第2役物群が第1役物群に比べて常に遊技制御の段階が進むような状況が発生することになる。このように第2役物群の遊技制御の段階が進んでいる場合、表示装置1000では、第2役物群に対して遊技制御が進んでいる旨の画像表示が行われ、また、可変表示領域1100は画像表示されることなく、表示装置1000を通して第2大入賞口24を透視することができる。
図10に示す例では、第2役物群の所要の役物である第2大入賞口24のうちデジタル表示部27(図6参照)以外の主要部の前方に、該主要部の輪郭を縁取るような枠状の第2大入賞口強調画像2100が表示される。また、第2役物群の所要の役物である第2始動入賞口22(図6参照)の前方には、該第2始動入賞口22の輪郭を縁取るような枠状の第2始動入賞口強調画像2200が表示される。ここで第2始動入賞口強調画像2200のうち各可動片22aに対応する部分は、各可動片22aの開閉動作に合わせて変動表示すると良い。
また、第2役物群である一対の普通図柄作動ゲート31a,31b(図6参照)の前方には、各普通図柄作動ゲート31a,31bの輪郭を縁取るような枠状の普通図柄作動ゲート強調画像2300が表示される。さらに、第2役物群である普通図柄表示装置30(図6参照)の前方には、該普通図柄表示装置30の輪郭を縁取るような枠状の普通図柄表示装置強調画像2400が表示される。
各強調画像2100,2200,2300,2400に関しては、図示したように役物の輪郭を縁取るような枠状に限られるものではない。基本的には、それぞれ対応する役物の遊技制御の段階が進んでいることを遊技者が理解できる画像表示であれば、各強調画像2100,2200,2300,2400の色および形状、それに形状変化や点灯点滅、拡大縮小等の変動に関しては、どのような表示態様であってもかまわない。
具体的には例えば、図11に示すように、第2大入賞口24を遊技者に容易に認識させる第2大入賞口強調画像2110として、第2大入賞口24の中心から輪郭へ向かって波紋が広がるように画像表示しても良い。また、図12に示すように、別の第2大入賞口強調画像2120として、逆に第2大入賞口24の周囲から輪郭に向かって波紋が集約するように画像表示しても良い。ここで波紋は、輪郭と相似形の複数の枠線を表示させたり、1本の枠線を拡大または縮小しながら移動させたり、併せて点滅させたりしても良い。
また、図13に示すように、別の第2大入賞口強調画像2130として、第2大入賞口24全体を四方から囲むように指標する矢印を画像表示しても良い。図14は、第2大入賞口24全体ではなく、特に一対の可動片22a,22aにより開閉する可変入賞口部分を指標する矢印からなる第2大入賞口強調画像2140を示している。このように、役物の構成全体を指標するように画像表示する他、役物の特に一部を指標するように画像表示しても良い。
さらに、役物から吹き出し線が延びるよう画像表示し、その先の方に遊技者の注意を喚起する文字情報等を併せて画像表示しても良い。例えば、図15に示すように、第2大入賞口24の可変入賞口部分に、時系列で延び出る吹き出し線を表示して、該吹き出し線上に「GOGO」のように遊技球を入れる旨を示唆する文字情報の表示・非表示を繰り返すような第2大入賞口強調画像2150を画像表示しても良い。
また、図16に示すように、第2始動入賞口22の前方に、時系列に変化する文字情報として「OPENするよ」という文字を1文字ずつ順次追加しながら画像表示し、最後に表示・非表示を繰り返すような第2始動入賞口強調画像2210を画像表示しても良い。もちろん、図11〜図16に示す各種強調画像2110,2120,2130,2140,2150,2210を適宜組み合わせて画像表示しても良いことは言うまでもない。
さらにまた、図23に示すように、第2役物群の遊技制御の段階が進んでいる場合、表示装置1000において、第2役物群である各役物の他、各遊技の共通役物のうちの全部または一部を、一続きの面積を有する形状によって同時に取り囲むようにして、視認できる状態に画像表示しても良い。このような画像表示も、前述した図20〜図22の例と同様に、遊技盤2全体を視認することができるものであり、一続きの面積を有する形状は半透明の色等により表示すると良い。
図23に示す例では、図中に薄墨色で示した部分が画像表示に相当しており、該画像表示の範囲内にある全ての共通役物が第2役物群に関連付けられており、該共通役物と、第2役物群である第2始動入賞口22、第2大入賞口24、普通図柄表示装置30、それに一対の普通図柄作動ゲート31a,31bをまとめて取り囲むようにして視認できる状態とする。なお、画像表示で覆われていない図中で白抜きの部分には、第1役物群である第1始動入賞口21、第1大入賞口23、それに特別図柄表示装置29が存在している。
また、図7では遊技の選択に関して、遊技者が自らの意思に基づき選択する場合と、遊技機1側の制御により自動的に選択する場合の両方が含まれているが、これらの具体的な選択方法についても説明する。遊技者が自らの意思に基づき選択する場合には、遊技者の選択を入力するための外部入力手段として、遊技機1の正面側の適所(例えば、上受け皿6の正面中央部等)に、押ボタン式の外部入力スイッチを設けたり、表示装置1000の表示領域1010上やガラス板4上の適所にタッチパネルを設けると良い。このような外部入力手段からの操作信号に基づき、主制御基板100により、何れかの遊技の選択が行われたか否かを判断(S101)するように設定する。
遊技機1側の制御により自動的に遊技の選択を行う場合には、第1遊技または第2遊技の何れか一方を電源投入時における初期設定として定めておき、予め定めた所定条件が成立する度に、他方の遊技が自動的に交互に選択されるように、主制御基板100によって制御すると良い。ここで所定条件とは、具体的には例えば、一定時間の経過、各遊技における特別遊技状態の発生後等と適宜定めれば良い設計的事項である。
図8は、第1遊技が初期設定とされ、この第1遊技において第1特別遊技状態が発生するための特定表示態様が所定条件を満たした場合に、第2遊技が自動的に選択される例を示している。なお、図8中では省略したが、第2遊技において第1遊技が選択されるための条件は、例えば、第2遊技において第2特別遊技状態が発生した後としたり、あるいは第2特別遊技状態が発生した場合のうち、特に所定ラウンド以上が実行された場合に限る等、様々な条件を適宜定めれば良い。
図8においては、先ず、主制御基板100により、第1特別遊技状態が終了したか否かが判断される(S201)。ここで第1特別遊技状態が発生するまでの経緯については、前述したので省略するが、可変表示領域1100における表示遊技の結果が、特定表示態様のうち例えば識別情報「7」で揃う等、予め定めた遊技内容変更図柄となった場合に(S202;Y)、主制御基板100により、第2遊技への選択が行われて第2遊技へ設定変更される(S203)。なお、表示遊技の結果が特定表示態様であっても、遊技内容変更図柄ではない場合は(S202;N)、第2遊技への選択が行われることなく、そのまま第1遊技が維持されることになる。
次に、第1遊技および第2遊技がそれぞれ始動条件の成立に基づき並行して実行される制御について説明する。このような場合、遊技機1の電源投入時や、遊技が行われていない時では、第1遊技および第2遊技ともに遊技制御の段階の進み具合が把握できないが、遊技が行われると第1始動入賞口21と第2始動入賞口22にそれぞれ遊技球が入賞し得る状況となり、何れか先に始動条件が成立した方の遊技が遊技制御の段階が進むことになる。
遊技中において、第1遊技および第2遊技のそれぞれの遊技制御の最終段階である特別遊技状態となる確率は予め想定できるものであり、第1特別遊技状態となる確率(以下「第1当たり期待確率」という。)、および第2特別遊技状態となる確率(以下「第2当たり期待確率」という。)は、それぞれ次の式で示される。
第1当たり期待確率値=(第1始動入賞口21に入賞する期待確率)×(第1始動入賞口21に入賞したことで特別遊技状態が発生する確率)
第2当たり期待確率値=(第2始動入賞口22に入賞する期待確率)×(第2大入賞口24が開放した時に入賞する期待確率)×(第2大入賞口24に入賞した遊技球が特別入賞部26に入賞する期待確率)
このような式で計算される第1当たり期待確率値、および第2当たり期待確率値は、それぞれ所定の値に調整することができ、例えば同じような確率値に設定すれば、遊技者は第1特別遊技状態と第2特別遊技状態とに対して、同じような期待感を持って遊技を楽しむことができる。以下に、一般的な期待確率値について説明する。
各始動条件が成立するための期待確率に関しては、図3に示すように、遊技領域3内において第1始動入賞口21の真下に第2始動入賞口22を配置することにより、第1始動入賞口21よりも第2始動入賞口22へ遊技球が入賞することの方が困難に設定されており、これらの上方に配置する遊技釘の調整も相俟って、第1始動入賞口21に入賞する期待確率は1/10とし、第2始動入賞口22に入賞する期待確率は1/90とする。なお、第2始動入賞口22では、その一対の可動片22a,22aが拡状態にある時のみ、遊技球が入賞可能に設定されている。
また、第1遊技に関して、第1始動入賞口21に遊技球が入賞したことに起因して第1特別遊技状態が発生する期待確率は、表示遊技の結果が特定表示態様となる抽選確率として1/360とする。また、第2遊技に関して、第2始動入賞口22に遊技球が入賞したことに起因して可動片24aが開いた時に、第2大入賞口24に遊技球が入賞する期待確率は、第2大入賞口24の開放時間や開放角度等の調整により1/4とする。さらに、第2大入賞口24に入賞した遊技球が特別入賞部26に入賞する期待確率は、回転盤25の動作や特別入賞部26の構造により1/10とする。
これらの具体的な期待確率を、前記各当たり期待確率値を計算する式に代入すると、
第1当たり期待確率値=(1/10)×(1/360)=1/3600、
第2当たり期待確率値=(1/90)×(1/4)×(1/10)=1/3600、となる。ただし、第1当たり期待確率値と第2当たり期待確率値とは、必ずしも同じ値に調整する必要はなく、どちらか一方が高くなるように適宜調整しても良い。
このように、複数種類の遊技がそれぞれ始動条件の成立に基づき並行して実行される場合には、第1始動入賞口21と第2始動入賞口22のどちらに先に遊技球が入賞するかによって、第1役物群および第2役物群のうち何れか1つの役物群が他の役物群に比べて遊技制御の段階が進む遊技状態となる。本実施の形態では、前述した第1始動入賞口21と第2始動入賞口22との位置関係により、実際には第1始動入賞口21に遊技球が入賞する期待確率の方が断然高く、第1遊技が主に遊技制御の段階が進むことが多くなる。
このように基本的には、第1遊技の遊技制御の段階が進んでいる状態となっており、表示装置1000では、前述したように第1役物群に対して遊技制御が進んでいる旨の画像表示が行われ、また、可変表示領域1100が表示されて第2大入賞口24が隠蔽される。ただし、遊技制御の段階の進み具合の少ない第2役物群のうち何れかの役物が作動するに際しては、該作動する役物および/または該作動する役物に関連付けられた役物についても、一時的に作動する旨の画像表示を行う。これにより、遊技制御の段階の進み具合の少ない方の役物群のうち何れかの役物が一時的に作動するような場合、この役物が一時的に作動する旨も遊技者に容易に確認させることができる。
具体的には例えば、第1遊技の遊技制御の段階が進んでいる状態に応じて、図9に示す画像表示が行われている際でも、第2役物群である一対の普通図柄作動ゲート31a,31bを遊技球が通過した際には、図10に示す普通図柄作動ゲート強調画像2300を一時的に画像表示すると共に、図10に示す第2始動入賞口強調画像2200、または図16に示す第2始動入賞口強調画像2210を一時的に画像表示するように表示制御すると良い。
また、第2役物群の所要の役物である第2始動入賞口22に遊技球が入賞した際には、図17に示すように、第2大入賞口24の前方に画像表示していた可変表示領域1100を縦方向の長さを下側へと縮小して、第2大入賞口24の各可動片24aの開閉動作を透視できるようにし、さらに可変表示領域1100内に透明な開口部1140を形成して、該開口部1140から第2大入賞口24の回転盤25と特別入賞部26を透視できる画像表示を行うと良い。別の表示態様の例として、図18に示すように、第2大入賞口24の前方に画像表示していた可変表示領域1100を全体的に縮小すると共に、第1大入賞口23の前方に移動させることにより、第2大入賞口24全体を透視できる画像表示を行うようにしても良い。
これに加えて、図10〜図15に示す第2大入賞口強調画像2100,2110,2120,2130,2140,2150の何れかを画像表示して、第2大入賞口24に遊技球を入れるべき状態にあることを遊技者に示唆する。このように、第1遊技の遊技制御の段階が進んでいる状態であっても、第2役物群のうち何れかの役物が一時的に作動するような場合には、該作動する役物および/または該作動する役物に関連付けられた役物についても一時的に作動する旨を画像表示する。なお、作動する役物に関連付けられた役物とは、該作動する役物と同じ役物群内のものであれば、時系列で後に作動する役物の他、何れの役物を適宜選択しても良い。
また、第2役物群の第2大入賞口24が一時的に作動し、さらに特別入賞部26に遊技球が入賞して第2特別遊技状態が発生するような場合には、第2遊技の遊技制御の段階がさらに進んだことになり、この時点で第1遊技の第1特別遊技状態が発生していない場合には、今度は第2遊技の遊技制御の段階の方が進んだ状態となる。これに伴って、可変表示領域1100を消失させると共に、図10〜図15に示す第2大入賞口強調画像2100,2110,2120,2130,2140,2150の何れかを画像表示すると良い。
ところで、第1特別遊技状態の発生と第2特別遊技状態の発生とは、それぞれ同時期に重複して成立する条件が満たされることがあり得る。この場合の遊技制御処理としては、それぞれ重複させて発生させることも考えられる。また、第1特別遊技状態の発生が決定された際、すなわち、表示遊技の結果が特定表示態様に確定した時点で、主制御基板100により、第2特別遊技状態の発生中であるか否かを判断して、第2特別遊技状態の発生中でなければ、そのまま第1特別遊技状態を発生させる。
一方、第2特別遊技状態の発生中であった場合、主制御基板100により、現在発生中であった第2特別遊技状態の実行を中断して、該中断時以降の第2特別遊技状態を一旦保留する。そして、主制御基板100により、第1特別遊技状態を発生させる。その後、第1特別遊技状態が全て終了すると、一旦保留していた第2特別遊技状態をその中断時の途中より再開させても良い。
また、第2特別遊技状態の発生が決定された際、すなわち、第2大入賞口24の特別入賞部26に遊技球が入賞した時点で、主制御基板100により、第1特別遊技状態の発生中であるか否かを判断して、第1特別遊技状態の発生中でなければ、そのまま第2特別遊技状態を発生させる。
一方、第1特別遊技状態が発生中であった場合には、主制御基板100により、現在発生中であった第1特別遊技状態の実行を中断して、該中断時以降の第1特別遊技状態を一旦保留する。そして、主制御基板100により、第2特別遊技状態を発生させる。その後、第2特別遊技状態が全て終了すると、一旦保留していた第1特別遊技状態をその中断時の途中より再開させても良い。
あるいは、第1特別遊技状態の発生が決定された際、第2特別遊技状態の発生中であった場合には、該第2特別遊技状態を途中で終了させて第1特別遊技状態を発生させたり、または第1特別遊技状態の新たな発生を取り消す制御も考えられる。逆に、第2特別遊技状態の発生が決定された際、第1特別遊技状態の発生中であった場合には、該第1特別遊技状態の発生を途中で終了させて第2特別遊技状態を発生させたり、または第2特別遊技状態の新たな発生を取り消す制御も考えられる。
また、前記第1遊技においては、遊技制御の段階を次のように区分けしても良い。すなわち、先ず第1始動入賞口21に遊技球が入賞した時から特別図柄表示装置29で判定結果が表示されるまでを、第1遊技の「第1段階」と定める。次に、特別図柄表示装置29で判定結果が第1特別遊技状態となる表示となった時から第1特別遊技状態が終了するまでを、第1遊技の「第2段階」と定める。
また、前記第2遊技においては、遊技制御の段階を次のように区分けしても良い。すなわち、先ず第2始動入賞口22に遊技球が入賞した時から特別入賞部26の通過の判定に要するまでを、第2遊技の「第1段階」と定める。次に、特別入賞部26に遊技球が通過したと判定された時から第2特別遊技状態が終了するまでを、第2遊技の「第2段階」と定める。
このように、各遊技における遊技制御の段階を第1段階、第2段階とに区分けして、これらの段階を基準として遊技制御の進み具合を比較し、遊技制御の段階が相対的に進んでいる方の役物群に対して、前述したような遊技制御が進んでいる旨の画像表示を行うように設定しても良い。ここで、各遊技における遊技制御の段階が同一段階となる場合には、各遊技に優先順位を設けると良い。例えば、早く遊技制御の段階が進んだ方を優先させると良い。この他に、各始動入賞口21,22に入賞した時点から各遊技における遊技制御の段階の進み具合を時系列により比較して判断しても良い。
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
また、前記実施の形態では、有機ELディスプレイから構成された表示装置1000は、ガラス板4と保護ガラス4aの間に設ける構成を説明したが、他に例えば、ガラス板4または保護ガラス4aの何れかが表示装置1000そのものの構成や、表示装置1000がガラス板4と保護ガラス4aを兼ね備えた構成としても良く、表示装置1000の具体的な配置は、表示装置1000の表示領域1010が遊技盤2の遊技領域3の前面側を覆う配置となり、遊技領域3の前方の範囲内であれば如何なる位置にでも画像表示を行うことができるものであれば足りる。
さらにまた、前記実施の形態では、ガラス板4に設けた表示装置1000を、有機EL(エレクトロルミネッセンス)により構成した例を説明したが、表示装置1000は有機ELに限られるものではなく、基本的には表示領域1010が透視可能なものであれば良く、他に無機ELや液晶等を用いて構成することも考えられる。