JP2007108552A - 液晶パネルおよび液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、斜め方向のコントラスト比の高い液晶パネルおよび液晶表示装置を提供することである。
【解決手段】 液晶セルと、該液晶セルの一方の側に配置された第1の偏光子と、該液晶セルと該第1の偏光子との間に配置されたポジティブCプレートと、該液晶セルと該ポジティブCプレートとの間に配置された二軸性光学素子と、該液晶セルの他方の側に配置された第2の偏光子とを少なくとも備え、該第1の偏光子の吸収軸方向が、該第2の偏光子の吸収軸方向と実質的に直交であり、該ポジティブCプレートは、屈折率楕円体がnz>nx≒nyの関係を有し、該二軸性光学素子は、屈折率楕円体がnx>nz>nyの関係を有し、その遅相軸方向が該第1の偏光子の吸収軸方向と実質的に平行である、液晶パネル:ただし、遅相軸方向の屈折率をnx、進相軸方向の屈折率をny、厚み方向の屈折率をnzとする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液晶セルと偏光子と光学素子とを有する液晶パネルに関する。また、本発明は、上記液晶パネルを用いた液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は、薄型、軽量、低消費電力などの特徴が注目され、携帯電話や時計などの携帯機器、パソコンモニターやノートパソコンなどのOA機器、ビデオカメラや液晶テレビなどの家庭用電気製品等に広く普及している。これは、画面を見る角度によって表示特性が変化したり、高温や極低温などで作動しなかったりといった欠点が、技術革新によって克服されつつあるからである。ところが、用途が多岐に亘ると、それぞれの用途で要求される特性が変わってきた。例えば、従来の液晶表示装置において、表示特性は、白/黒表示のコントラスト比が、斜め方向で10程度あれば良いとされてきた。この定義は、新聞や雑誌等の白い紙上に印刷された黒いインクのコントラスト比に由来する。しかしながら、据え置きタイプの大型カラーテレビ用途では、同時に数人が画面を見ることになるため、異なった視野角からでも、より一層よく見えるディスプレイが要求される。液晶表示装置にとって、黒表示における光漏れは、急激なコントラスト比の低下を招くため、あらゆる方向で光漏れを小さくすることが重要である。大型カラーテレビ用途では、このような技術課題が改善されないと、画面を見ている人間は、違和感や疲労感を覚えてしまう。
従来、液晶表示装置には、各種の位相差フィルムが用いられている。例えば、インプレーンスイッチング(IPS)方式の液晶セルの片側または両側に、屈折率楕円体がnx>nz>nyの関係を有する位相差フィルムを配置して、斜め方向のコントラスト比を向上させる方法が開示されている(例えば、特許文献1参考)。しかし、このような技術で得られる液晶表示装置の表示特性は、大型カラーテレビ用途に要求されるレベルを満足しなかった。
特開平11−305217号公報
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的は、高い斜め方向のコントラスト比を有する液晶表示装置を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下に示す液晶パネルにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の液晶パネルは、液晶セルと、該液晶セルの一方の側に配置された第1の偏光子と、該液晶セルと該第1の偏光子との間に配置されたポジティブCプレートと、該液晶セルと該ポジティブCプレートとの間に配置された二軸性光学素子と、該液晶セルの他方の側に配置された第2の偏光子とを少なくとも備え、
該第1の偏光子の吸収軸方向が、該第2の偏光子の吸収軸方向と実質的に直交であり、
該ポジティブCプレートは、屈折率楕円体がnz>nx≒nyの関係を有し、
該二軸性光学素子は、屈折率楕円体がnx>nz>nyの関係を有し、その遅相軸方向が該第1の偏光子の吸収軸方向と実質的に平行である:
ただし、遅相軸方向の屈折率をnx、進相軸方向の屈折率をny、厚み方向の屈折率をnzとする。
好ましい実施形態においては、上記液晶セルが、電界が存在しない状態でホモジニアス分子配列に配向させた液晶分子を含む液晶層を備える。
好ましい実施形態においては、上記液晶セルの初期配向方向が、前記第2の偏光子の吸収軸方向と実質的に平行である。
好ましい実施形態においては、上記液晶セルの初期配向方向が、前記第1の偏光子の吸収軸方向および前記二軸性光学素子の遅相軸方向と、それぞれ実質的に直交である。
好ましい実施形態においては、上記ポジティブCプレートが下記式(1)および(2)を満足する:
Re[590]<10nm …(1)
Rth[590]<−10nm …(2)
ただし、Re[590]およびRth[590]は、それぞれ、23℃における波長590nmの光で測定した面内の位相差値および厚み方向の位相差値である。
好ましい実施形態においては、上記ポジティブCプレートが、ホメオトロピック分子配列に配向させたカラミチック液晶化合物を含む液晶性組成物の固化層または硬化層を含む。
好ましい実施形態においては、上記ポジティブCプレートが、セルロース系樹脂を含有する高分子フィルムを含む。
好ましい実施形態においては、上記二軸性光学素子が、下記式(3)を満足する:
10nm<Rth[590]<Re[590] …(3)
ただし、Re[590]およびRth[590]は、それぞれ、23℃における波長590nmの光で測定した面内の位相差値および厚み方向の位相差値である。
好ましい実施形態においては、上記二軸性光学素子が下記式(4)を満足する:
0.2≦Rth[590]/Re[590]≦0.9 …(4)
ただし、Re[590]およびRth[590]は、それぞれ、23℃における波長590nmの光で測定した面内の位相差値および厚み方向の位相差値である。
好ましい実施形態においては、上記二軸性光学素子がポリカーボネート系樹脂を含有する位相差フィルムを含む。
本発明の別の局面によれば、液晶表示装置が提供される。この液晶表示装置は、上記液晶パネルを含む。
好ましい実施形態においては、上記液晶表示装置は、テレビに用いられる。
本発明の液晶パネルは、屈折率楕円体がnz>nx≒nyの関係を有するポジティブCプレートと、屈折率楕円体がnx>nz>nyの関係を有する二軸性光学素子とが、特定の位置関係で配置されてなる。このような液晶パネルを少なくとも備える液晶表示装置は、従来の液晶表示装置に比べて、格段に高い斜め方向のコントラスト比を有する。
A.液晶パネル全体の概略
図1は、本発明の好ましい実施形態による液晶パネルの概略断面図である。図2(a)は、この液晶パネルが、Oモードを採用する場合の概略斜視図であり、図2(b)は、この液晶パネルがEモードを採用する場合の概略斜視図である。なお、見やすくするために、図1ならびに図2(a)および(b)における、各構成部材の縦、横および厚みの比率は実際とは異なって記載されていることに留意されたい。
この液晶パネル100は、液晶セル10と、該液晶セル10の一方の側に配置された第1の偏光子21と、該液晶セル10と該第1の偏光子21との間に配置されたポジティブCプレート30と、該液晶セル10と該ポジティブCプレート30との間に配置された二軸性光学素子40と、該液晶セル10の他方の側に配置された第2の偏光子22とを少なくとも備える。第1の偏光子21の吸収軸方向は、該第2の偏光子22の吸収軸方向と実質的に直交である。ポジティブCプレート30は、屈折率楕円体がnz>nx≒nyの関係を有する。二軸性光学素子40は、屈折率楕円体がnx>nz>nyの関係を有し、その遅相軸方向が第1の偏光子21の吸収軸方向と実質的に平行である。ただし、遅相軸方向の屈折率をnx、進相軸方向の屈折率をny、厚み方向の屈折率をnzとする。
実用的には、第1の偏光子21および第2の偏光子22の外側(液晶セルを備える側とは反対側)または、第1の偏光子21とポジティブCプレート30との間、若しくは第2の偏光子22と液晶セル10との間には、任意の適切な保護層(図示せず)が配置され得る。上記保護層は、好ましくは、実質的に光学的に等方性を有する。このような液晶パネルを含む液晶表示装置は、従来の液晶表示装置に比べ、斜め方向のコントラスト比が格段に高いという特徴を有する。
本発明の液晶パネルは、いわゆるOモードであってもよく、いわゆるEモードであってもよい。「Oモードの液晶パネル」とは、液晶セルのバックライト側に配置された偏光子の吸収軸方向と、液晶セルの初期配向方向が互いに平行であるものをいう。「Eモードの液晶パネル」とは、液晶セルのバックライト側に配置された偏光子の吸収軸方向と、液晶セルの初期配向方向が互いに直交しているものをいう。図2(a)を参照すると、Oモードの液晶パネルの場合、好ましくは、第1の偏光子21、ポジティブCプレート30、および二軸性光学素子40は液晶セル10の視認側に配置され、第2の偏光子22は液晶セルのバックライト側に配置される。図2(b)を参照すると、Eモードの液晶パネルの場合、好ましくは、第1の偏光子21、ポジティブCプレート30、および二軸性光学素子40は液晶セル10のバックライト側に配置され、第2の偏光子22は液晶セルの視認側に配置される。
なお、本発明の液晶パネルは、上記の実施形態に限定されない。例えば、図1に示した各構成部材の間には、他の構成部材が配置され得る。以下、本発明の液晶パネルの構成する各部材および各層の詳細について説明する。
B.液晶セル
図1を参照すると、本発明に用いられる液晶セル10は、一対の基板11、11’と、基板11、11’の間に挟持された表示媒体としての液晶層12とを有する。一方の基板(アクティブマトリクス基板)11’には、液晶の電気光学特性を制御するスイッチング素子(代表的にはTFT)と、このアクティブ素子にゲート信号を与える走査線およびソース信号を与える信号線とが設けられている(いずれも図示せず)。他方の基板(カラーフィルター基板)11には、カラーフィルターが設けられる。なお、カラーフィルターは、アクティブマトリクス基板11’に設けてもよい。あるいは、例えば、フィールドシーケンシャル方式のように液晶表示装置のバックライトにRGB3色光源が用いられる場合は、上記カラーフィルターは省略され得る。基板11と基板11’との間隔(セルギャップ)は、スペーサー(図示せず)によって制御される。基板11および基板11’の液晶層12と接する側には、例えばポリイミドからなる配向膜(図示せず)が設けられている。
上記液晶セル10は、好ましくは、電界が存在しない状態でホモジニアス分子配列に配向させた液晶分子を含む液晶層を備える。このような液晶層(結果として、液晶セル)は、代表的には、屈折率楕円体がnx>ny≒nzの関係を有する(ただし、面内の屈折率をnx、nyとし、厚み方向の屈折率をnzとする)。なお、本明細書において、ny≒nzとは、nyとnzとが完全に同一である場合だけでなく、nyとnzとが実質的に同一である場合も包含する。また、「液晶セルの初期配向方向」とは、電界が存在しない状態で、液晶層に含まれる液晶分子が配向した結果生じる液晶層の面内の屈折率が最大となる方向をいう。
上記液晶セルの初期配向方向は、好ましくは、上記第2の偏光子の吸収軸方向と実質的に平行である。なお、本明細書において、「実質的に平行」とは、上記液晶セルの初期配向方向と上記第2の偏光子の吸収軸方向とのなす角度が、0°±2.0°を包含し、好ましくは0°±1.0°であり、さらに好ましくは0°±0.5°である。また、上記液晶セルの初期配向方向は、好ましくは、上記第1の偏光子の吸収軸方向および上記二軸性光学素子の遅相軸方向と、それぞれ実質的に直交する。なお、本明細書において、「実質的に直交」とは、上記液晶セルの初期配向方向と上記第1の偏光子の吸収軸方向および上記二軸性光学素子の遅相軸方向とのなす角度が、それぞれ90°±2.0°を包含し、好ましくは90°±1.0°であり、さらに好ましくは90°±0.5°である。
屈折率楕円体がnx>ny≒nzの関係を有する液晶層を用いる駆動モードの代表例としては、インプレーンスイッチング(IPS)モード、フリンジフィールドスイッチング(FFS)モードおよび強誘電性液晶(FLC)モードが挙げられる。このような駆動モードに用いられる液晶の具体例としては、ネマチック液晶、スメクチック液晶が挙げられる。例えば、IPSモードおよびFSSモードにはネマチック液晶が用いられ、FLCモードにはスメクチック液晶が用いられる。
上記IPSモードは、電圧制御複屈折(ECB:Electrically Controlled Birefringence)効果を利用し、電界が存在しない状態でホモジニアス分子配列に配向させたネマチック液晶を、例えば、金属で形成された対向電極と画素電極とで発生させた基板に平行な電界(横電界ともいう)で応答させる。より具体的には、例えば、テクノタイムズ社出版「月刊ディスプレイ7月号」p.83〜p.88(1997年版)や、日本液晶学会出版「液晶vol.2 No.4」p.303〜p.316(1998年版)に記載されているように、ノーマリーブラック方式では、液晶セルの初期配向方向と、一方の側の偏光子の吸収軸方向とを一致させて、上下の偏光板を直交配置させると、電界のない状態で透過率が小さくなり、黒表示が得られる。一方、電界がある状態では、液晶分子が基板に平行を保ちながら回転動作することによって、回転角に応じて透過率が大きくなり、白表示が得られる。なお、本明細書において、IPSモードは、V字型電極やジグザグ型電極等を採用した、スーパー・インプレーンスイッチング(S−IPS)モードや、アドバンスド・スーパー・インプレーンスイッチング(AS−IPS)モードを包含する。上記のようなIPSモードを採用した市販の液晶表示装置としては、例えば、日立製作所(株)20V型ワイド液晶テレビ 商品名「Wooo」、イーヤマ(株)19型液晶ディスプレイ 商品名「ProLite E481S−1」、(株)ナナオ製 17型TFT液晶ディスプレイ 商品名「FlexScan L565」等が挙げられる。
上記FFSモードは、電圧制御複屈折(ECB:Electrically Controlled Birefringence)効果を利用し、電界が存在しない状態でホモジニアス分子配列に配向させたネマチック液晶を、例えば、透明導電体で形成された対向電極と画素電極とで発生させた基板に平行な電界と放物線型電界で応答させる。なお、FFSモードにおける、このような電界をフリンジ電界ともいう。このフリンジ電界は、透明導電体で形成された対向電極と画素電極との間隔を、上下部基板間の間隔(セルギャップ)より狭く設定することによって発生させることができる。より具体的には、例えば、SID(Society for Information Display)2001 Digest,p.484−p.487や、特開2002−031812号公報に記載されているように、ノーマリーブラック方式では、液晶セルの配向方向と、一方の側の偏光子の吸収軸とを一致させて、上下の偏光板を直交配置させると、電界のない状態で透過率が小さくなり、黒表示が得られる。一方、電界がある状態では、液晶分子が基板に平行を保ちながら回転動作することによって、回転角に応じて透過率が大きくなり、白表示が得られる。なお、本明細書において、FFSモードは、V字型電極やジグザグ型電極等を採用した、アドバンスド・フリンジフィールドスイッチング(A−FFS)モードや、ウルトラ・フリンジフィールドスイッチング(U−FFS)モードを包含する。上記のようなFFSモードを採用した市販の液晶表示装置としては、例えば、Motion Computing社 タブレットPC 商品名「M1400」が挙げられる。
上記FLCモードは、例えば、強誘電性のカイラルスメクチック液晶を、厚さ1μm〜2μm程度の電極基板間に封入した場合に、2つの安定な分子配向状態を示すという性質を利用し、印加電圧によって、液晶分子を基板に平行回転させて応答させる。このFLCモードは、上記IPSモードや上記FFSモードと同様の原理で、黒白表示を得ることができる。さらに、上記FLCモードは、他の駆動モードと比較して、応答速度が速いという特徴を有する。なお、本明細書において、上記FLCモードは、表面安定化(SS−FLC)モード、反強誘電性(AFLC)モード、高分子安定化(PS−FLC)モード、およびV字特性(V−FLC)モードを包含する。
上記ホモジニアス分子配列に配向させた液晶分子とは、配向処理された基板と液晶分子の相互作用の結果として、上記液晶分子の配向ベクトルが、基板平面に対し、平行かつ一様に配向した状態のものをいう。なお、本明細書において、「ホモジニアス分子配列」は、上記液晶分子の配向ベクトルが基板平面に対し、わずかに傾いている場合、すなわち上記液晶分子がプレチルトをもつ場合も包含される。上記液晶分子がプレチルトを持つ場合、そのプレチルト角は、好ましくは10°以下である。プレチルト角が上記の範囲であれば、コントラスト比が高い液晶表示装置が得られ得る。
上記ネマチック液晶は、目的に応じて、任意の適切なものが採用され得る。例えば、ネマチック液晶は、誘電率異方性が正のものであっても、負のものであっても良い。誘電率異方性が正のネマチック液晶としては、例えば、メルク社製 商品名「ZLI−4535」が挙げられる。誘電率異方性が負のネマチック液晶としては、例えば、メルク社製 商品名「ZLI−2806」が挙げられる。また、上記ネマチック液晶の23℃における波長589nmの光で測定した複屈折率は、通常、0.05〜0.30である。なお、上記複屈折率は、液晶分子を一様に均一に配向させ、異常光屈折率(ne)と常光屈折率(no)とを測定し、その差(ne−no)から求めることができる。
上記スメクチック液晶は、目的に応じて、任意の適切なものが採用され得る。好ましくは、上記スメクチック液晶は、分子構造の一部分に不斉炭素原子を有し、強誘電性を示すもの(強誘電性液晶ともいう)である。強誘電性を示すスメクチック液晶としては、例えば、p−デシロキシベンジリデン−p’−アミノ−2−メチルブチルシンナメート、p−ヘキシルオキシベンジリデン−p’−アミノ−2−クロロプロピルシンナメート、4−o−(2−メチル)−ブチルレゾルシリデン−4’−オクチルアニリン等が挙げられる。あるいは、上記強誘電性液晶は、市販のものをそのまま用いることもできる。市販の強誘電性液晶としては、例えば、メルク社製 商品名ZLI−5014−000(電気容量2.88nF、自発分極−2.8C/cm2)、メルク社製 商品名ZLI−5014−100(電気容量3.19nF、自発分極−20.0C/cm2)、ヘキスト社製 商品名FELIX−008(電気容量2.26nF、自発分極−9.6C/cm2)等が挙げられる。
上記液晶セルのセルギャップ(基板間隔)は、目的に応じて、適宜、適切な値が選択され得る。上記セルギャップは、好ましくは1μm〜7μmである。液晶セルのセルギャップを上記の範囲とすることによって、応答時間の短い液晶表示装置が得られ得る。
C.偏光子
本明細書において、偏光子とは、自然光や偏光から任意の偏光に変換し得る素子をいう。本発明に用いられる偏光子は、任意の適切なものが採用され得る。好ましくは、上記偏光子は、自然光又は偏光を直線偏光に変換するものである。このような偏光子としては、通常、入射する光を直交する2つの偏光成分に分けたとき、そのうちの一方の偏光成分と通過させる機能を有し、且つ、そのうちの他方の偏光成分を、吸収、反射、および散乱させる機能から選ばれる少なくとも1つ以上の機能を有する。
上記偏光子の厚みは、目的に応じて、適宜、適切な値が選択され得る。上記偏光子の厚みは、通常、5μm〜80μmである。
C−1.偏光子の光学特性
上記偏光子の23℃で測定した波長550nmの透過率(単体透過率ともいう)は、好ましくは41%以上、さらに好ましくは43%以上である。なお、単体透過率の理論上の上限は50%であり、実現可能な上限は46%である。また、偏光度は、好ましくは99.8%以上、さらに好ましくは99.9以上である。なお、偏光度の理論上の上限は100%である。単体透過率および偏光度を上記の範囲とすることによって、正面方向のコントラスト比が高い液晶表示装置が得られ得る。
本発明に用いられる偏光子のナショナルビューローオブスタンダーズ(NBS)による色相;a値(単体a値)は、好ましくは−2.0以上であり、さらに好ましくは−1.8以上である。なお、上記a値の理想的な値は0である。また、上記偏光子のナショナルビューローオブスタンダーズ(NBS)による色相;b値(単体b値)は、好ましくは3.8以下であり、さらに好ましくは3.5以下である。なお、上記b値の理想的な値は0である。偏光子のa値およびb値は、0に近い数値とすることによって、表示画像の色彩の鮮やかな液晶表示装置が得られ得る。
上記単体透過率、偏光度および色相は、分光光度計[村上色彩技術研究所(株)製 製品名「DOT−3」]を用いて測定することができる。上記偏光度の具体的な測定方法としては、上記偏光子の平行透過率(H0)および直交透過率(H90)を測定し、式:偏光度(%)={(H0−H90)/(H0+H90)}1/2×100より求めることができる。上記平行透過率(H0)は、同じ偏光子2枚を互いの吸収軸が平行となるように重ね合わせて作製した平行型積層偏光子の透過率の値である。また、上記直交透過率(H90)は、同じ偏光子2枚を互いの吸収軸が直交するように重ね合わせて作製した直交型積層偏光子の透過率の値である。なお、これらの透過率は、JlS Z 8701−1982の2度視野(C光源)により、視感度補正を行ったY値である。
C−2.偏光子の配置手段
図2(a)および(b)を参照すると、第1の偏光子21および第2の偏光子22を配置する方法としては、目的に応じて任意の適切な方法が採用され得る。上記第1の偏光子21は、好ましくは、液晶セル10に対向する側に接着層(図示せず)を設け、ポジティブCプレート30の表面に貼着される。上記第2の偏光子22は、好ましくは、液晶セル10に対向する側に接着層(図示せず)を設け、液晶セル10の表面に貼着される。液晶セル10と第2の偏光子22との間に任意の光学素子が配置される場合は、上記第2の偏光子22は、上記任意の光学素子の表面に貼着される。なお、本発明の液晶パネルにおいて、第1の偏光子および第2の偏光子は、それぞれ同一であってもよく、それぞれ異なっていてもよい。
このように偏光子を貼着することによって、液晶表示装置に組み込んだ際に、かかる偏光子の吸収軸方向が所定の位置からずれることを防止したり、偏光子と隣接する各光学素子とが擦れて傷ついたりすることを防止することができる。さらに、偏光子と隣接する各光学素子との層間の界面で生じる反射や屈折の悪影響を少なくすることができるため、鮮明な画像が表示できる液晶表示装置が得られ得る。なお、本明細書において、「接着層」とは、隣り合う光学素子や偏光子の面と面とを接合し、実用上悪影響を生じない程度の接着力と接着時間で、一体化させるものであれば、特に制限はない。接着層の具体例としては、例えば、接着剤層やアンカーコート層が挙げられる。上記接着層は、被着体の表面にアンカーコート層が形成され、その上に接着剤層が形成されたような多層構造であってもよい。
上記第1の偏光子21は、その吸収軸方向が、対向する第2の偏光子22の吸収軸方向と実質的に直交するように配置される。本明細書において「実質的に直交」とは、上記第1の偏光子21の吸収軸方向と上記第2の偏光子22の吸収軸方向とのなす角度が90°±2.0°を包含し、好ましくは90°±1.0°であり、さらに好ましくは90°±0.5°である。
上記接着層の厚みは、目的に応じて、適宜、適切な値が選択され得る。上記接着層の厚みは、通常、0.1μm〜50μmである。接着層の厚みを上記の範囲とすることによって、接合される光学素子や偏光子に浮きや剥れが生じず、実用上悪影響のない接着力と接着時間が得られ得る。
上記接着層を形成する材料としては、被着体の種類や目的に応じて、適宜、適切な接着剤、アンカーコート剤が選択され得る。接着剤の具体例としては、形状による分類によれば、溶剤形接着剤、エマルジョン形接着剤、感圧性接着剤、再湿性接着剤、重縮合形接着剤、無溶剤形接着剤、フィルム状接着剤、ホットメルト形接着剤などが挙げられる。化学構造による分類によれば、合成樹脂接着剤、ゴム系接着剤、および天然物接着剤が挙げられる。上記接着剤は、加圧接触で感知し得る接着力を常温で示す粘弾性物質(粘着剤ともいう)を包含する。
偏光子としてポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする高分子フィルムが用いられる場合、好ましくは、上記接着層を形成する材料は水溶性接着剤である。上記水溶性接着剤としては、好ましくは、ポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする水溶性接着剤が用いられる。上記接着層は、市販の接着剤をそのまま用いることもできる。あるいは、市販の接着剤に溶剤や添加剤を混合して用いることもできる。市販のポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする接着剤としては、例えば、日本合成化学工業(株)製 商品名「ゴーセファイマーZ200」が挙げられる。
上記水溶性接着剤は、架橋剤をさらに含有し得る。架橋剤の種類としては、例えば、アミン化合物、アルデヒド化合物、メチロール化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、および多価金属塩等が挙げられる。上記架橋剤は、市販のものをそのまま用いることもできる。市販の架橋剤としては、三菱ガス化学(株)製 アミン化合物 商品名「メタシキレンジアミン」、日本合成化学工業(株)製 アルデヒド化合物 商品名「グリオキザール」、大日本インキ(株)製 メチロール化合物 商品名「ウォーターゾール」等が挙げられる。
C−3.偏光子に用いられる光学フィルム
上記偏光子に用いられる光学フィルムとしては、任意の適切な偏光フィルムが選択される。上記偏光子は、例えば、ヨウ素または二色性染料を含有するポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする高分子フィルムの延伸フィルムによって得ることができる。あるいは、
米国特許5,523,863号に開示されているような、二色性物質と液晶化合物とを含む液晶性組成物を一定方向に配向させたO型偏光子や、米国特許6,049,428号に開示されているような、リオトロピック液晶を一定方向に配向させたE型偏光子を用いることもできる。
好ましくは、上記偏光子は、ヨウ素または二色性染料を含有するポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする高分子フィルムの延伸フィルムである。このような偏光子は、偏光度が高いため、結果として、正面方向のコントラスト比が高い液晶表示装置が得られ得る。上記ポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする高分子フィルムは、例えば、特開2000−315144号公報[実施例1]に記載の方法により製造される。あるいは、市販の高分子フィルムをそのまま用いることもできる。市販の高分子フィルムとしては、例えば、(株)クラレ製 商品名「クラレビニロンフィルム」、東セロ(株)製 商品名「トーセロビニロンフィルム」、日本合成化学工業(株)製 商品名「日合ビニロンフィルム」等が挙げられる。
上記ポリビニルアルコール系樹脂としては、ビニルエステル系モノマーを重合して得られるビニルエステル系重合体をケン化し、ビニルエステル単位をビニルアルコール単位としたものを用いることができる。上記ビニルエステル系モノマーとしては、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサティック酸ビニル等が挙げられる。
上記ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、目的に応じて、適宜、適切な値が選択され得る。上記ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、通常、1200〜3600である。なお、平均重合度は、JIS K 6726−1994に準じて求めることができる。
上記ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、偏光子の耐久性の点から、通常、95.0モル%〜99.9モル%である。上記ケン化度とは、ケン化によりビニルアルコール単位に変換され得る単位の中で、実際にビニルアルコール単位にケン化されている単位の割合を示したものである。なお、ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、JIS K 6726−1994に準じて求めることができる。
本発明に用いられるポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする高分子フィルムは、好ましくは、可塑剤として多価アルコールを含有する。多価アルコールは、偏光子の染色性や延伸性をより一層向上させる目的で使用される。上記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロールプロパン等が挙げられる。これらは、単独で、または2種以上を組み合わせて使用され得る。上記多価アルコールの含有量(重量比)は、通常、ポリビニルアルコール系樹脂の全固形分100に対して、0を超え30である。
上記ポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする高分子フィルムは、界面活性剤をさらに含有し得る。界面活性剤は、偏光子の染色性や延伸性をより一層向上させる目的で使用される。上記界面活性剤としては、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、非イオン界面活性剤等が挙げられる。上記界面活性剤は、好ましくは、非イオン界面活性剤である。上記非イオン界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノアタノールアミド、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド、オレイン酸モノイソプロパノールアミド等が挙げられる。上記界面活性剤の含有量(重量比)としては、通常、ポリビニルアルコール系樹脂100に対して、0を超え5以下である。
上記二色性物質は、任意の適切なものが採用され得る。本明細書において「二色性」とは、光学軸方向とそれに直交する方向との2方向で光の吸収が異なる光学的異方性をいう。上記二色性染料としては、例えば、レッドBR、レッドLR、レッドR、ピンクLB、ルビンBL、ボルドーGS、スカイブルーLG、レモンエロー、ブルーBR、ブルー2R、ネイビーRY、グリーンLG、バイオレットLB、バイオレットB、ブラックH、ブラックB、ブラックGSP、エロー3G、エローR、オレンジLR、オレンジ3R、スカーレットGL、スカーレットKGL、コンゴーレッド、ブリリアントバイオレットBK、スプラブルーG、スプラブルーGL、スプラオレンジGL、ダイレクトスカイブルー、ダイレクトファーストオレンジS、ファーストブラック等が挙げられる。
偏光子の製造方法の一例について、図3を参照して説明する。図3は、本発明に用いられる偏光子の代表的な製造工程の概念を示す模式図である。例えば、ポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする高分子フィルム301は、繰り出し部300から繰り出され、ヨウ素水溶液浴310中に浸漬され、速比の異なるロール311及び312でフィルム長手方向に張力を付与されながら、膨潤および染色工程に供される。次に、ホウ酸とヨウ化カリウムとを含む水溶液の浴320中に浸漬され、速比の異なるロール321及び322でフィルムの長手方向に張力を付与されながら、架橋処理に供される。架橋処理されたフィルムは、ロール331および332によって、ヨウ化カリウムを含む水溶液浴330中に浸漬され、水洗処理に供される。水洗処理されたフィルムは、乾燥手段340で乾燥されることにより水分率が調節され、巻き取り部360にて巻き取られる。偏光子350は、これらの工程を経て、上記ポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする高分子フィルムを元長の5倍〜7倍に延伸することで得ることができる。
上記偏光子350の水分率は、目的に応じて、適宜、適切な値が選択され得る。上記水分率は、通常、10%〜30%である。水分率を上記の範囲とすることによって、外観均一性に優れた偏光子が得られ得る。
D.ポジティブCプレート
本明細書において、「ポジティブCプレート」とは、遅相軸方向の屈折率をnx、進相軸方向の屈折率をny、厚み方向の屈折率をnzとしたとき、屈折率楕円体がnz>nx≒nyの関係を有する正の一軸性光学素子をいう。理想的には、上記ポジティブCプレートは、法線方向に光学軸を有する。なお、本明細書において、nx≒nyとは、nxとnyが完全に同一である場合だけでなく、nxとnyとが実質的に同一である場合も包含する。ここで、「nxとnyとが実質的に同一である場合」とは、面内の位相差値(Re[590])が、10nm未満であるものを包含する。なお、上記屈折率楕円体;nz>nx≒nyの関係をRe[590]およびRth[590]で表現した場合、上記ポジティブCプレートは、下記式(1)および(2)を満足する。
Re[590]<10nm …(1)
Rth[590]<−10nm …(2)
ただし、Re[590]およびRth[590]は、それぞれ、23℃における波長590nmの光で測定した面内の位相差値および厚み方向の位相差値である。
本発明において、上記ポジティブCプレートは、二軸性光学素子と共に、液晶パネルの斜め方向の光漏れを低減するために用いられる。通常、2枚の偏光子を、互いの吸収軸が直交するように液晶セルの両側に配置した液晶パネルは、斜め方向では光漏れが生じ、該液晶パネルの長辺を0°とした場合に、斜め方向の45°方位および135°方位で光漏れ量が最大となる傾向がある。本発明の液晶パネルは、上記ポジティブCプレートと二軸性光学素子とを特定の位置関係で用いることによって、この光漏れ量を小さくすることができ、結果として、斜め方向のコントラスト比が高い液晶表示装置が得られ得る。
図2(a)および(b)を参照すると、ポジティブCプレート30は、液晶セル10と第1の偏光子21との間に配置される。上記ポジティブCプレート30は、nxとnyが完全に同一である場合は、面内に位相差値を生じないため、遅相軸は検出されない。この場合、上記ポジティブCプレート30は、第1の偏光子21の吸収軸方向、および二軸性光学素子40の遅相軸方向とは無関係に配置され得る。nxとnyとが実質的に同一であっても、nxとnyとが僅かに異なる場合は、遅相軸が検出される(面内の位相差値が僅かに生じる)場合がある。この場合、好ましくは、ポジティブCプレート30は、その遅相軸方向が、第1の偏光子21の吸収軸方向と、実質的に平行または実質的に直交するように配置される。なお、本明細書において、「実質的に平行」とは、ポジティブCプレート30の遅相軸方向と第1の偏光子21の吸収軸方向とのなす角度が、0°±2.0°である場合を包含し、好ましくは0°±1.0°であり、さらに好ましくは0°±0.5°である。また、「実質的に直交」とは、ポジティブCプレート30の遅相軸方向と第1の偏光子21の吸収軸方向とのなす角度が、90°±2.0°である場合を包含し、好ましくは90°±1.0°であり、さらに好ましくは90°±0.5°である。ポジティブCプレートが面内の位相差値を有する場合、該ポジティブCプレートの遅相軸方向と第1の偏光子の吸収軸方向との角度のズレは、小さければ小さいほど、正面および斜め方向のコントラスト比が高い液晶表示装置が得られ得る。
D−1.ポジティブCプレートの光学特性
本明細書において、Re[590]とは、23℃における波長590nmの光で測定した面内の位相差値をいう。ここで「面内の位相差値」とは、光学素子が単独の位相差フィルムで構成される場合には当該フィルム面内の位相差値を意味し、光学素子が位相差フィルムを含む積層体で構成される場合には、積層体全体の面内の位相差値を意味する。Re[590]は、波長590nmにおける光学素子の遅相軸方向、進相軸方向の屈折率を、それぞれnx、nyとし、d(nm)を光学素子の厚みとしたとき、式:Re[590]=(nx−ny)×dによって求めることができる。なお、遅相軸とは面内の屈折率の最大となる方向をいう。
上記ポジティブCプレートのRe[590]は10nm未満であり、好ましくは5nm以下であり、さらに好ましくは2nm以下である。なお、ポジティブCプレートのRe[590]の理論上の下限値は0nmである。
本明細書において、Rth[590]とは、23℃における波長590nmの光で測定した厚み方向の位相差値をいう。Rth[590]は、波長590nmにおける光学素子遅相軸方向、厚み方向の屈折率をそれぞれnx、nzとし、d(nm)を光学素子の厚みとしたとき、式:Rth[590]=(nx−nz)×dによって求めることができる。なお、遅相軸とは、面内の屈折率の最大となる方向をいう。
上記ポジティブCプレートのRth[590]は、後述する二軸性光学素子のRe[590]の値に応じて、適宜、適切な値が選択され得る。好ましくは、ポジティブCプレートのRth[590]は、該ポジティブCプレートのRth[590]の絶対値(|Rth[590]|)と上記二軸性光学素子のRe[590]との合計(RSUM)が180nm〜300nmとなるように設定される。上記RSUMとしてさらに好ましくは200nm〜280nmであり、最も好ましくは220nm〜260nmである。上記の範囲とすることにより、各光学素子の持つ機能が相乗効果的に発揮され、斜め方向のコントラスト比がより一層高い液晶表示装置が得られ得る。
上記ポジティブCプレートのRth[590]は、好ましくは−200nm〜−15nm以下であり、さらに好ましくは−150nm〜−20nmであり、特に好ましくは−120nm〜−25nmであり、最も好ましくは−100nm〜−30nmである。
Re[590]およびRth[590]は、王子計測機器(株)製 商品名「KOBRA21−ADH」〕を用いて測定することができる。23℃における波長590nmの面内の位相差値(Re)、遅相軸を傾斜軸として40度傾斜させて測定した位相差値(R40)、光学素子の厚み(d)及び光学素子の平均屈折率(n0)を用いて、以下の式(i)〜(iv)からコンピュータ数値計算によりnx、ny及びnzを求め、次いで式(iv)によりRthを計算できる。ここで、φ及びny’はそれぞれ以下の式(v)及び(vi)で示される。
Re=(nx−ny)×d …(i)
R40=(nx−ny’)×d/cos(φ) …(ii)
(nx+ny+nz)/3=n0 …(iii)
Rth=(nx−nz)×d …(iv)
φ =sin-1[sin(40°)/n0] …(v)
ny’=ny×nz[ny2×sin2(φ)+nz2×cos2(φ)]1/2 …(vi)
D−2.ポジティブCプレートの配置手段
図1を参照すると、ポジティブCプレート30を配置する方法としては、目的に応じて任意の適切な方法が採用され得る。好ましくは、上記ポジティブCプレート30と上記第1の偏光子21との間、および上記ポジティブCプレート30と上記二軸性光学素子40との間に、それぞれ接着層(図示せず)を設け、それぞれの光学素子同士が貼着される。このように、各光学素子の隙間を接着層で満たすことによって、液晶表示装置に組み込んだ際に、各光学素子の光学軸の関係がずれることを防止したり、各光学素子同士が擦れて傷ついたりすることを防止することができる。さらに、各光学素子の層間の界面で生じる反射や屈折の悪影響を少なくすることができるため、鮮明な画像が表示できる液晶表示装置が得られ得る。
上記接着層の厚みは、目的に応じて、適宜、適切な値が選択され得る。上記接着層の厚みは、通常、0.1μm〜50μmである。接着層の厚みを上記の範囲とすることによって、接合される光学素子や偏光子に浮きや剥れが生じず、実用上悪影響のない接着力と接着時間が得られ得る。
上記接着層を形成する材料としては、例えばC−2項に例示したもののなかから、適宜、適切なものが選択され得る。好ましくは、上記接着層を形成する材料は、アクリル系重合体をベースポリマーとする感圧性接着剤(アクリル系粘着剤ともいう)である。透明性、接着性、耐候性および耐熱性に優れるからである。上記接着層には、市販の光学用両面テープをそのまま用いることもできる。市販の光学用両面テープとしては、例えば、総研化学(株)製 商品名「SK−2057」が挙げられる。
D−3.ポジティブCプレートの構成
本発明に用いられるポジティブCプレートの構成(積層構造)は、上記D−1項に記載の光学特性を満足するものであれば、特に制限はない。具体的には、ポジティブCプレートは、位相差フィルム単独であってもよく、2枚以上の位相差フィルムで構成される積層体であってもよい。好ましくは、上記ポジティブCプレートは、単独の位相差フィルム、または2枚の位相差フィルムで構成される。上記ポジティブCプレートが積層体である場合には、接着層を含んでもよい。積層体が2枚以上の位相差フィルムを含む場合には、これらの位相差フィルムは同一であっても異なっていてもよい。なお、位相差フィルムの詳細については、D−4項で後述する。
ポジティブCプレートに用いられる位相差フィルムのRth[590]は、用いられる位相差フィルムの枚数によって、適宜、選択することができる。例えば、ポジティブCプレートが位相差フィルム単独で構成される場合には、位相差フィルムのRth[590]は、ポジティブCプレートのRth[590]と等しくすることが好ましい。従って、第1の偏光子や液晶セルに上記ポジティブCプレートを積層する際に用いられる接着層の位相差値は、できる限り小さいことが好ましい。また、例えば、ポジティブCプレートが2枚以上の位相差フィルムを含む積層体である場合には、それぞれの位相差フィルムのRth[590]の合計が、ポジティブCプレートのRth[590]と等しくなるように設計することが好ましい。さらに具体的には、例えば、Rth[590]が−100nmであるポジティブCプレートは、Rth[590]が−50nmである位相差フィルムを2枚積層して得ることができる。また、Rth[590]が−20nmである位相差フィルムと、Rth[590]が−80nmである位相差フィルムとを積層しても得ることもできる。このとき、2枚の位相差フィルムが面内の位相差値(Re[590])を有する場合は、好ましくは、2枚の位相差フィルムは、それぞれの遅相軸方向が互いに直交するように積層される。面内の位相差値を小さくすることができるからである。なお、簡単のため、位相差フィルムが2枚以下の場合についてのみ例示したが、3枚以上の位相差フィルムを含む積層体についても本発明が適用可能であることはいうまでもない。
上記ポジティブCプレートの全体厚みは、その構成によっても異なるが、通常、0.2μm〜200μmである。
D−4.ポジティブCプレートに用いられる位相差フィルム
ポジティブCプレートに用いられる位相差フィルムとしては、任意の適切なもの用され得る。上記位相差フィルムは、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性などに優れ、且つ、歪によって光学的なムラの生じにくいものが好ましい。
上記位相差フィルムの厚みは、積層される枚数に応じて変化し得る。代表的には、得られるポジティブCプレートの全体厚みは、好ましくは0.2μm〜200μmとなるように設定される。例えば、ポジティブCプレートが、単独の位相差フィルムで構成される場合には、当該位相差フィルムの厚みは、好ましくは0.2μm〜200μmである(すなわち、ポジティブCプレートの全体厚みに等しい)。また例えば、ポジティブCプレートが2枚の位相差フィルムの積層体である場合には、それぞれの位相差フィルムの厚みは、その合計がポジティブCプレートの好ましい全体厚みとなる限りにおいて、任意の適切な厚みが採用され得る。したがって、それぞれの位相差フィルムの厚みは、同一であっても異なっていてもよい。2枚の位相差フィルムを積層する場合の1つの実施形態においては、一方の位相差フィルムの厚みは、好ましくは0.1μm〜100μmである。
上記位相差フィルムの23℃における波長590nmの光で測定した透過率は、通常、80%以上であり、好ましくは90%以上である。なお、ポジティブCプレートも同様の光透過率を有することが好ましい。上記透過率の理論上の上限は100%であり、実現可能な上限は96%である。
好ましくは、本発明に用いられるポジティブCプレートは、位相差フィルムとして、ホメオトロピック分子配列に配向させたカラミチック液晶化合物を含む液晶性組成物の固化層または硬化層を含む。
本明細書において「ホメオトロピック分子配列」とは、液晶性組成物に含まれる液晶化合物がフィルム法線方向に対し、平行かつ一様に配向した状態をいう。「カラミチック液晶化合物」とは、分子構造中に、棒状のメソゲン基を有し、該メソゲン基の片側または両側にエーテル結合やエステル結合を介して、側差(例えば、炭素数2〜10のアルキレン基)が結合しているものをいう。上記棒状のメソゲン基としては、例えば、ビフェニル基、フェニルベンゾエート基、フェニルシクロヘキサン基、アゾキシベンゼン基、アゾメチン基、アゾベンゼン基、フェニルピリミジン基、ジフェニルアセチレン基、ジフェニルベンゾエート基、ビシクロヘキサン基、シクロヘキシルベンゼン基、ターフェニル基等が挙げられる。なお、これらのメソゲン基の末端は、例えば、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基等の置換基を有していてもよい。なかでも、上記カラミチック液晶化合物は、メソゲン基として好ましくは、ビフェニル基またはフェニルベンゾエート基である。
本明細書において「液晶性組成物」とは、液晶相を呈し液晶性を示すものをいう。上記液晶相としては、ネマチック液晶相、スメクチック液晶相、コレステリック液晶相、カラムナー液晶相などが挙げられる。「固化層」とは、軟化、溶融または溶液状態の液晶性組成物が冷却されて、固まった状態のものをいう。「硬化層」とは、上記液晶性組成物の一部または全部が、熱、触媒、光および/または放射線により架橋されて、不溶不融または難溶難融の安定した状態となったものをいう。なお、上記硬化層は、液晶性組成物の固化層を経由して、硬化層となったものも包含する。
上記液晶化合物は、温度変化によって液晶相が発現する温度転移形(サーモトロピック)液晶や、溶液状態で溶質の濃度によって液晶相が発現する濃度転移形(リオトロピック)液晶のいずれであってもよい。なお、上記温度転移形液晶は、結晶相(またはガラス状態)から液晶相への相転移が、可逆的な互変(エナンチオトロピック)相転移液晶や、降温過程にのみ液晶相が現れる単変(モノトロピック)相転移液晶を包含する。好ましくは、ポジティブCプレートに用いられるカラミチック液晶化合物は、温度転移形(サーモトロピック)液晶であって、ネマチック液晶相を示すものである。透明性が高く、フィルムを成形する際の生産性、作業性、品質などに優れるからである。
上記カラミチック液晶化合物は、メソゲン基を主鎖および/または側鎖に有する高分子物質(高分子液晶ともいう)であってもよいし、分子構造の一部分にメソゲン基を有する低分子物質(低分子液晶ともいう)であってもよい。高分子液晶は、液晶状態から冷却しただけで、分子の配向状態を固定することができる。したがって、フィルムを成形する際の生産性が高いことや、成形されたフィルムの耐熱性、機械的強度、耐薬品性に優れるという特徴を有する。低分子液晶は、配向性に優れるため、透明性の高いフィルムが得られやすいという特徴を有する。
さらに好ましくは、上記ポジティブCプレートは、ホメオトロピック分子配列に配向させたカラミチック液晶化合物を含む液晶性組成物の固化層または硬化層を含み、該カラミチック液晶化合物が、分子構造の一部分に、少なくとも1つの重合性官能基を有する。特に好ましくは、上記カラミチック液晶化合物が、分子構造の一部分に、2つの重合性官能基を有する。このような液晶化合物を用いれば、重合反応により、重合性官能基を架橋させることによって、位相差フィルムの機械的強度が増し、熱安定性、寸法安定性に優れた位相差フィルムが得られ得る。分子構造の一部分に、1つのメソゲン基と、2つの重合性官能基を有する低分子液晶としては、例えば、BASF社製 商品名「PaliocolorLC242」(Δn=0.13)や、HUNTSUMAN社製 商品名「CB483」(Δn=0.08)などが挙げられる。
上記重合性官能基は、任意の適切なものが選択され得る。上記重合性官能基としては、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、ビニルエーテル基等が挙げられる。上記重合性官能基として好ましくは、アクリロイル基またはメタクリロイル基である。このような重合性官能基は、反応性が高いため、透明性、機械的強度、熱安定性、および寸法安定性に優れた位相差フィルムが得られ得る。
ホメオトロピック分子配列に配向させたカラミチック液晶化合物を含む液晶性組成物の固化層または硬化層の厚みは、設計しようとする位相差値や液晶化合物の複屈折率によって適宜、適切な値が選択され得る。上記厚みは、好ましくは0.2μm〜10μmであり、さらに好ましくは0.2μm〜5μmである。上記の範囲とすることによって、薄型で光学均一性に優れた位相差フィルムが得られ得る。
上記ホメオトロピック分子配列に配向させたカラミチック液晶化合物を含む液晶性組成物の固化層または硬化層の、23℃における波長589nmの光で測定した複屈折率は、好ましくは0.04〜0.20であり、さらに好ましくは0.07〜0.14である。複屈折率を上記の範囲とすることによって、上記D−1項に記載の光学特性を満足し、且つ、薄型で光学均一性に優れた位相差フィルムが得られ得る。
上記ホメオトロピック分子配列に配向させたカラミチック液晶化合物を含む液晶性組成物の固化層または硬化層には、下記一般式(I)で表される高分子液晶をさらに含有し得る。上記高分子液晶は、液晶化合物の配向性を向上させる目的で使用される。
一般式(I)中、lは14〜20の整数であり、mとnとの和を100とした場合に、mは50〜70であり、nは30〜50である。
上記高分子液晶の含有量(重量比)は、ホメオトロピック分子配列に配向させたカラミチック液晶化合物を含む液晶性組成物の固化層または硬化層の全固形分100に対して、好ましくは10〜40であり、さらに好ましくは15〜30である。
ホメオトロピック分子配列に配向させたカラミチック液晶化合物を含む液晶性組成物の固化層または硬化層は、例えば、次の(工程1)〜(工程3)を経て得ることができる。具体的には、(工程1)基材(仮支持体ともいう)の表面に垂直配向処理を施す工程、(工程2)該垂直配向処理が施された基材の表面に、液晶性組成物の溶液または分散液を塗工し、該液晶性組成物中のカラミチック液晶化合物をホメオトロピック分子配列に配向させる工程、および(工程3)該液晶性組成物を乾燥させて固化させる工程、である。好ましくは、上記位相差フィルムは、上記(工程1)〜(工程3)の後に、(工程4)紫外線を照射して、該液晶性組成物を硬化させる工程、を経て作製される。なお、基材は、通常、上記液晶性組成物の固化層または硬化層が実用に供される前に剥離される。液晶表示装置に用いても実用上の悪影響を及ぼさない場合は、基材と液晶性組成物の固化層または硬化層との積層体は、そのままポジティブCプレートとして用いられ得る。
ポジティブCプレートの製造方法の一例について、図4を参照して説明する。この工程では、基材402が繰り出し部401から供給され、ガイドロール403で搬送されて、第1のコータ部404において、配向剤の溶液または分散液が塗工される。配向剤が塗工された基材は、第1の乾燥手段405に送られ、溶剤を蒸発させて、その表面に配向剤層(配向膜ともいう)が形成される。次いで、この配向膜が形成された基材406が、第2のコータ部407において、液晶性組成物の溶液または分散液を塗工される。この液晶性組成物が塗工された基材は、第2の乾燥手段408にて、溶剤を蒸発させて、その表面に、ホメオトロピック分子配列に配向させたカラミチック液晶化合物を含む液晶性組成物の固化層が形成される。次いで、この液晶性組成物の固化層が形成された基材409が、紫外線照射部410に送られ、当該液晶性組成物の固化層の表面に紫外線が照射されて、当該液晶性組成物の硬化層が形成される。なお、上記紫外線照射部410は、代表的には、紫外線ランプ412と温度制御手段411とを備える。次いで、この硬化層が形成された基材413は、巻き取り部414で巻き取られる。
なお、本発明に用いられるポジティブCプレートは、上記D−1項に記載の光学特性を満足するものであれば、高分子フィルムを用いることもできる。ポジティブCプレートに好適な高分子フィルムとしては、例えば、東ソー研究・技術報告 第48巻(2004年版)に記載されている負の固有複屈折を示す高分子フィルムの二軸延伸フィルム、特開2005−120352号公報の段落[0074]〜[0091]に記載されているRth[590]が負の値を示すセルロース系樹脂を含有する高分子フィルム等が挙げられる。
E.二軸性光学素子
本明細書において「二軸性光学素子」とは、遅相軸方向の屈折率をnx、進相軸方向の屈折率をny、厚み方向の屈折率をnzとしたとき、nx、nyおよびnzがそれぞれ異なり、屈折率楕円体がnx≠ny≠nzの関係を有する(ただし、nx≠nz)光学素子をいう。本発明に用いられる二軸性光学素子は、屈折率楕円体がnx>nz>nyの関係を有する。なお、上記屈折率楕円体;nx>nz>nyの関係をRe[590]およびRth[590]で表現した場合、上記二軸性光学素子は下記式(3)を満足する。
10nm<Rth[590]<Re[590] …(3)
ただし、Re[590]およびRth[590]は、それぞれ、23℃における波長590nmの光で測定した面内の位相差値および厚み方向の位相差値である。
本発明において、上記二軸性光学素子は、ポジティブCプレートと共に、液晶パネルの斜め方向の光漏れを低減するために用いられる。本発明の液晶パネルは、上記ポジティブCプレートと二軸性光学素子とを特定の位置関係で用いることによって、この光漏れ量を小さくすることができ、結果として、斜め方向のコントラスト比が高い液晶表示装置が得られ得る。
図2(a)および(b)を参照すると、二軸性光学素子40は、液晶セル10とポジティブCプレート30との間に配置される。上記二軸性光学素子40は、その遅相軸方向が第1の偏光子21の吸収軸方向と、実質的に平行となるように配置される。なお、本明細書において、「実質的に平行」とは、二軸性光学素子の遅相軸方向と第1の偏光子21の吸収軸方向とのなす角度が、0°±2.0°である場合を包含し、好ましくは0°±1.0°であり、さらに好ましくは0°±0.5°である。このような形態によれば、長尺の第1の偏光子と長尺のポジティブCプレートと長尺の二軸性光学素子とを、順次、連続的にロールツゥロールで貼着することができるので、製造効率を大幅に向上させることができる。二軸性光学素子の遅相軸方向と第1の偏光子の吸収軸方向との角度のズレは小さければ小さいほど、正面および斜め方向のコントラスト比が高い液晶表示装置が得られ得る。
E−1.二軸性光学素子の光学特性
上記二軸性光学素子のRe[590]は、10nmを超え、好ましくは100nm〜285nmであり、さらに好ましくは120nm〜250nmであり、特に好ましくは140nm〜230nmである。Re[590]を上記の範囲とすることによって、斜め方向のコントラスト比が高い液晶表示装置が得られ得る。
上記二軸性光学素子のRth[590]は、Re[590]よりも小さく、好ましくは60nm〜170nmであり、さらに好ましくは70nm〜150nmであり、特に好ましくは110nm〜130nmである。Rth[590]を上記の範囲とすることによって、斜め方向のコントラスト比が高い液晶表示装置が得られ得る。
上記二軸性光学素子のRth[590]とRe[590]との差(Rth[590]−Re[590])は−10nm未満であり、好ましくは−150nm〜−15nmであり、さらに好ましくは−130nm〜−20nmであり、特に好ましくは−120nm〜−30nmである。上記二軸性光学素子のRth[590]とRe[590]との差を上記の範囲とすることによって、斜め方向のコントラスト比が高い液晶表示装置が得られ得る。
上記二軸性光学素子は、好ましくは、Rth[590]/Re[590]で表されるNz係数が、下記式(4)を満足する。
0.2≦Rth[590]/Re[590]≦0.9 …(4)
上記Nz係数は、さらに好ましくは0.3〜0.9であり、特に好ましくは0.4〜0.8であり、最も好ましくは0.5〜0.8である。Nz係数を上記の範囲とすることにより、斜め方向のコントラスト比が高い液晶表示装置が得られ得る。
E−2.二軸性光学素子の配置手段
図1を参照すると、二軸性光学素子40を配置する方法としては、目的に応じて任意の適切な方法が採用され得る。好ましくは、上記二軸性光学素子40と上記ポジティブCプレート30との間、および上記二軸性光学素子40と上記液晶セル10との間に、それぞれ接着層(図示せず)を設け、それぞれの光学素子同士が貼着される。このように、各光学素子の隙間を接着層で満たすことによって、液晶表示装置に組み込んだ際に、各光学素子の光学軸の関係がずれることを防止したり、各光学素子同士が擦れて傷ついたりすることを防止することができる。さらに、各光学素子の層間の界面で生じる反射や屈折の悪影響を少なくすることができるため、鮮明な画像が表示できる液晶表示装置が得られ得る。
上記接着層の厚みは、目的に応じて、適宜、適切な値が選択され得る。上記接着層の厚みは、通常、0.1μm〜50μmである。接着層の厚みを上記の範囲とすることによって、接合される光学素子や偏光子に浮きや剥れが生じず、実用上悪影響のない接着力と接着時間が得られ得る。上記接着層を形成する材料としては、例えば、上記C−2項およびD−2項に例示したもののなかから、適宜、適切なものが選択され得る。
E−3.二軸性光学素子の構成
本発明に用いられる二軸性光学素子の構成(積層構造)は、上記E−1項に記載の光学特性を満足するものであれば、特に制限はない。具体的には、二軸性光学素子は、位相差フィルム単独であってもよく、2枚以上の位相差フィルムで構成される積層体であってもよい。好ましくは、上記二軸性光学素子は、単独の位相差フィルムで構成される。単独の位相差フィルムで構成される二軸性光学素子を用いることによって、斜め方向のコントラスト比を高い液晶表示装置が得られ得る。上記二軸性光学素子が積層体である場合には、接着層を含んでもよい。積層体が2枚以上の位相差フィルムを含む場合には、これらの位相差フィルムは同一であっても異なっていてもよい。なお、位相差フィルムの詳細については、E−4項で後述する。
上記二軸性光学素子に用いられる位相差フィルムのRe[590]およびRth[590]は、用いられる位相差フィルムの枚数によって、適宜、選択することができる。例えば、二軸性光学素子が単独の位相差フィルムで構成される場合には、位相差フィルムのRe[590]およびRth[590]は、二軸性光学素子のRe[590]およびRth[590]とそれぞれ等しくすることが好ましい。従って、例えば、二軸性光学素子を偏光子に積層する際に用いられる接着層の位相差値は、できる限り小さいことが好ましい。また、例えば、二軸性光学素子が2枚以上の位相差フィルムを含む積層体である場合には、それぞれの位相差フィルムのRe[590]およびRth[590]の合計が、二軸性光学素子のRe[590]およびRth[590]とそれぞれ等しくなるように設計することが好ましい。
具体的には、Re[590]が200nmであり、Rth[590]が120nmである二軸性光学素子は、Re[590]が100nmであり、Rth[590]が60nmである位相差フィルムを、それぞれの遅相軸方向が互いに平行となるように2枚積層して得ることができる。なお、簡単のため、位相差フィルムが2枚以下の場合についてのみ例示したが、3枚以上の位相差フィルムを含む積層体についても、本発明が適用可能であることはいうまでもない。
上記二軸性光学素子の全体厚みは、その構成によっても異なるが、通常、20μm〜200μmである。
E−4.二軸性光学素子に用いられる位相差フィルム
二軸性光学素子に用いられる位相差フィルムとしては、任意の適切なもの用され得る。上記位相差フィルムは、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性などに優れ、且つ、歪によって光学的なムラの生じにくいものが好ましい。
上記位相差フィルムの厚みは、積層される枚数に応じて変化し得る。代表的には、得られる二軸性光学素子の全体厚みは、好ましくは20μm〜200μmとなるように設定される。例えば、二軸性光学素子が、単独の位相差フィルムで構成される場合には、当該位相差フィルムの厚みは、好ましくは20μm〜200μmである(すなわち、二軸性光学素子の全体厚みに等しい)。また例えば、二軸性光学素子が2枚の位相差フィルムの積層体である場合には、それぞれの位相差フィルムの厚みは、その合計が二軸性光学素子の好ましい全体厚みとなる限りにおいて、任意の適切な厚みが採用され得る。したがって、それぞれの位相差フィルムの厚みは、同一であっても異なっていてもよい。2枚の位相差フィルムを積層する場合の1つの実施形態においては、一方の位相差フィルムの厚みは、好ましくは10μm〜100μmである。
上記位相差フィルムの23℃における波長590nmの光で測定した透過率は、通常、80%以上であり、好ましくは90%以上である。なお、二軸性光学素子も同様の光透過率を有することが好ましい。上記透過率の理論上の上限は100%であり、実現可能な上限は96%である。
上記位相差フィルムの光弾性係数の絶対値(C[590](m2/N))は、好ましくは1×10-12〜100×10-12であり、さらに好ましくは1×10-12〜80×10-12であり、特に好ましくは1×10-12〜60×10-12である。光弾性係数の絶対値が上記の範囲であるものを用いることによって、表示均一性に優れる液晶表示装置が得られ得る。
上記位相差フィルムの遅相軸の角度(配向角ともいう)のバラツキは、フィルム幅方向で等間隔に設けた5点の測定箇所における配向角のバラツキ範囲が、±2°〜±1°であるものが好ましく用いられる。さらに好ましくは、±1°〜±0.5°である。配向角を上記の範囲とすることによって、表示均一性に優れ、鮮明な画像が表示できる液晶表示装置が得られ得る。上記配向角は、後述する延伸手段、延伸方法、延伸温度および延伸倍率によって、適宜、調整することができる。
好ましくは、本発明に用いられる二軸性光学素子は、正の固有複屈折を示す熱可塑性樹脂を含有する位相差フィルムを含む。本明細書において「正の固有複屈折を示す熱可塑性樹脂」とは、当該樹脂を含有する高分子フィルムを一方向に延伸した場合に、フィルム面内の屈折率が大きくなる方向(遅相軸方向)が、延伸方向と実質的に平行となるものをいう。このような正の固有複屈折を示す熱可塑性樹脂を含有する高分子フィルムを用いれば、例えば、後述する収縮性フィルムを利用する延伸方法によって、上記E−1項に記載の光学特性を有する光学素子を、効率的に製造することができる。
上記正の固有複屈折を示す熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂等の汎用プラスチック;ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂等の汎用エンジニアリングプラスチック;ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、液晶性樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン系樹脂等のスーパーエンジニアリングプラスチック等が挙げられる。上記の熱可塑性樹脂は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。また、上記の熱可塑性樹脂は、任意の適切なポリマー変性を行ってから用いることもできる。上記ポリマー変性の例としては、共重合、架橋、分子末端、立体規則性等の変性が挙げられる。
さらに好ましくは、本発明に用いられる二軸性光学素子は、ポリカーボネート系樹脂を含有する位相差フィルムを含む。上記ポリカーボネート系樹脂は、1種類以上の2価フェノール化合物とカーボネート前駆物質との反応によって得ることができる。上記ポリカーボネート系樹脂を得る方法としては、例えば、2価フェノール化合物を苛性アルカリおよび溶剤の存在下でホスゲンを吹き込むホスゲン法や、2価フェノール化合物とビスアリールカーボネートとを触媒の存在下でエステル交換させるエステル交換法などが挙げられる。
上記2価フェノール化合物は、任意の適切なものが選択され得る。上記2価フェノール化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジプロピルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等が挙げられる。
上記カーボネート前駆物質は、任意の適切なものが選択され得る。上記カーボネート前駆物質としては、例えば、ホスゲン、ビスクロロホーメート、ジフェニルカーボネート、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−p−トリルカーボネート、ジ−p−クロロフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート等が挙げられる。
上記ポリカーボネート系樹脂は、市販のものをそのまま用いることもできる。あるいは、市販のポリカーボネート系樹脂に、任意の適切なポリマー変性を施したものを用いることができる。市販のポリカーボネート系樹脂としては、例えば、帝人化成(株)製 パンライトシリーズ、住友ダウ(株)製 カリバーシリーズ(商品名;1080DVD)等が挙げられる。
上記正の固有複屈折を示す熱可塑性樹脂は、テトラヒドロフラン溶媒によるゲル・パーミエーション・クロマトグラフ(GPC)法で測定した重量平均分子量(Mw)が好ましくは、20,000〜500,000であり、さらに好ましくは30,000〜200,000である。重量平均分子量が上記の範囲であれば、機械的強度に優れ、溶解性、成形性、流延の操作性が良いものを得ることができる。
上記正の固有複屈折を示す熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは110℃〜185℃であり、さらに好ましくは120℃〜170℃であり、特に好ましくは125℃〜150℃である。Tgが110℃以上あれば、熱安定性の良好なフィルムが得られやすくなり、185℃以下であれば、延伸によって面内及び厚み方向の位相差値を制御しやすくなる。なお、ガラス転移温度(Tg)は、JIS K 7121に準じたDSC法により求めることができる。
上記正の固有複屈折を示す熱可塑性樹脂を含有する高分子フィルムを得る方法としては、任意の適切な成形加工法が採用され得る。成形加工法としては、例えば、圧縮成形法、トランスファー成形法、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法、粉末成形法、FRP成形法、およびソルベントキャスティング法等が挙げられる。好ましくは、上記成形加工法は、ソルベントキャスティング法である。平滑性、光学均一性に優れた高分子フィルムを得ることができるからである。
上記ソルベントキャスティング法は、具体的には、主成分となる樹脂、添加剤等を含む樹脂組成物を溶剤に溶解した濃厚溶液(ドープ)を脱泡し、エンドレスステンレスベルトまたは回転ドラムの表面に、シート状に均一に流延し、溶剤を蒸発させてフィルムを成形する方法である。フィルム形成時に採用される条件は、目的に応じて、適宜、適切な条件が選択され得る。
上記正の固有複屈折を示す熱可塑性樹脂を含有する高分子フィルムは、任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。上記添加剤としては、例えば、可塑剤、熱安定剤、光安定剤、滑剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、難燃剤、着色剤、帯電防止剤、相溶化剤、架橋剤、および増粘剤等が挙げられる。上記添加剤の含有量(重量比)は、目的に応じて、適宜、適切な値が設定され得る。好ましくは、上記添加剤の含有量(重量比)は、上記正の固有複屈折を示す熱可塑性樹脂100重量部に対し、0を超え20以下である。
上記高分子フィルムの厚みは、機械的強度や設計しようとする位相差値等に応じて、適宜、適切な値が選択され得る。上記高分子フィルムの厚みは、通常、20μm〜200μmである。上記の範囲であれば、機械的強度に優れ、上記E−1項に記載した光学特性を得ることができる。
上記正の固有複屈折を示す熱可塑性樹脂を含有する高分子フィルムは、市販のフィルムをそのまま用いることができる。あるいは、市販のフィルムに延伸処理および/または収縮処理などの2次的加工を施したものを用いることができる。市販のポリカーボネート系樹脂を含有する高分子フィルムとしては、(株)カネカ製 エルメックシリーズ(商品名;Rフィルム)、帝人化成(株) ピュアエースシリーズ(商品名;WR)、日本GEプラスチックス社製 イルミネックスシリーズ等が挙げられる。
上記二軸性光学素子に用いられる位相差フィルムは、例えば、正の固有複屈折を示す熱可塑性樹脂を含有する高分子フィルムの両面に収縮性フィルムを貼り合せて、ロール延伸機にて縦一軸延伸法で加熱延伸して得ることができる。当該収縮性フィルムは、加熱延伸時に延伸方向と直交する方向の収縮力を付与し、厚み方向の屈折率(nz)を高めるために用いられる。上記高分子フィルムの両面に上記収縮性フィルムを貼り合せる方法としては、適宜、適切な方法が採用され得る。好ましくは、上記高分子フィルムと上記収縮性フィルムとの間に、アクリル系ポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤層を設けて接着する方法が、生産性、作業性および経済性に優れる点から好ましい。
上記位相差フィルムの製造方法の一例について、図5を参照して説明する。図5は、第2光学素子に用いられる位相差フィルムの代表的な製造工程の概念を示す模式図である。例えば、正の固有複屈折を示す熱可塑性樹脂を含有する高分子フィルム502は、第1の繰り出し部501から繰り出され、ラミネートロール507、508により、当該高分子フィルム502の両面に、第2の繰り出し部503から繰り出された粘着剤層を備える収縮性フィルム504と、第3の繰り出し部505から繰り出された粘着剤層を備える収縮性フィルム506とが貼り合わされる。両面に収縮性フィルムが貼着された高分子フィルムは、加熱手段509によって一定温度に保持されながら、速比の異なるロール510、511、512、および513でフィルムの長手方向の張力を付与され(同時に収縮性フィルムによって、厚み方向への張力を付与される)ながら、延伸処理に供される。延伸処理されたフィルム518は、第1の巻き取り部514および第2の巻き取り部515にて、収縮性フィルム504、506が粘着剤層と共に剥離され、第3の巻き取り部519で巻き取られる。
また、上記収縮性フィルムは、好ましくは、二軸延伸フィルムおよび一軸延伸フィルム等の延伸フィルムである。上記収縮性フィルムは、例えば、押出法によりシート状に成形された未延伸フィルムを同時二軸延伸機等で所定の倍率に縦および/または横方向に延伸して得ることができる。なお、成形および延伸条件は、用いる樹脂の組成や種類や目的に応じて、適宜選択され得る。
上記収縮性フィルムに用いられる材料としては、例えば、ポリエステル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等が挙げられる。好ましくは、上記収縮性フィルムは、ポリプロピレンを含有する二軸延伸フィルムである。このような収縮性フィルムは、収縮均一性および耐熱性に優れるため、目的とする位相差値が得ら得られると共に、光学均一性に優れた位相差フィルムが得られ得る。
1つの実施形態においては、上記収縮性フィルムの140℃におけるフィルム長手方向の収縮率:S140[MD]は、好ましくは4.6%〜6.8%であり、且つ、S140[TD]が6.1%〜9.1%である。別の実施形態においては、上記収縮性フィルムの160℃におけるフィルム長手方向の収縮率:S160[MD]は、好ましくは14.4%〜21.6%、S160[TD]が28.6%〜42.8%である。収縮性フィルムの各温度における収縮率を上記の範囲とすることによって、目的とする位相差値を有し、且つ、均一性に優れた位相差フィルムが得られ得る。
1つの実施形態においては、上記収縮性フィルムの140℃における幅方向の収縮率と長手方向の収縮率の差:ΔS140=S140[TD]−S140[MD]は、好ましくは1.5%〜2.3%である。別の実施形態においては、上記収縮性フィルムの160℃における幅方向の収縮率と長手方向の収縮率の差:ΔS160=S160[TD]−S160[MD]は、好ましくは14.2%〜21.2%である。MD方向の収縮率が大きいと、延伸張力に加え、上記収縮性フィルムの収縮力が、延伸機に加わり均一な延伸が困難となる場合がある。収縮性フィルムの収縮率を上記の範囲とすることによって、延伸機等の設備に過度の負荷をかけることなく、均一な延伸を行うことができる。
上記収縮性フィルムの140℃における幅方向の収縮応力:T140[TD]は、好ましくは0.36N/2mm〜0.54N/2mmである。上記収縮性フィルムの150℃における幅方向の収縮応力:T150[TD]は、好ましくは0.45N/2mm〜0.67N/2mmである。収縮性フィルムの収縮率を上記の範囲とすることによって、目的とする位相差値を有し、且つ、光学均一性に優れた位相差フィルムが得られ得る。
上記収縮率S[MD]およびS[TD]は、JIS Z 1712−1997の加熱収縮率A法に準じて求めることができる(ただし、加熱温度は120℃に代えて140℃(または160℃)とし、試験片に荷重3gを加えたことが異なる)。具体的には、幅20mm、長さ150mmの試験片を縦[MD]、横[TD]方向から各5枚採り、それぞれの中央部に約100mmの距離において標点をつけた試験片を作製する。該試験片は、温度140℃±3℃(または160℃±3℃)に保持された空気循環式乾燥オーブンに、荷重3gをかけた状態で垂直につるし、15分間加熱した後、取り出す。さらに、標準状態(室温)に30分間放置してから、JIS B 7507に規定するノギスを用いて、標点間距離を測定して、5個の測定値の平均値を求める。収縮率は、次式;S(%)=[[加熱前の標点間距離(mm)−加熱後の標点間距離(mm)]/加熱前の標点間距離(mm)]×100より算出することができる。
また、上記収縮性フィルムとしては、本発明の目的を満足するものであれば、一般包装用、食品包装用、パレット包装用、収縮ラベル用、キャップシール用、および電気絶縁用等の用途に使用される市販の収縮性フィルムも適宜、選択して用いることができる。これら市販の収縮性フィルムは、そのまま用いてもよく、延伸処理や収縮処理などの2次加工を施してから用いてもよい。市販の収縮性フィルムとしては、例えば、王子製紙(株)製
アルファンシリーズ(商品名;アルファンP,アルファンS,アルファンH等)、グンゼ(株)製 ファンシートップシリーズ(商品名;ファンシートップEP1, ファンシートップEP2等)、東レ(株)製 トレファンBOシリーズ(商品名;2570,2873,2500,2554,M114,M304等)、サントックス(株) サントックス−OPシリーズ(PA20,PA21,PA30等)、東セロ(株) トーセロOPシリーズ(商品名;OPU−0, OPU−1, OPU−2等)等が挙げられる。
正の固有複屈折を示す熱可塑性樹脂を含有する高分子フィルムと収縮性フィルムとの積層体を加熱延伸する際の延伸オーブン内の温度(延伸温度ともいう)は、目的とする位相差値、用いる高分子フィルムの種類や厚み等に応じて適宜選択され得る。延伸温度として好ましくは、上記高分子フィルムのガラス転移温度(Tg)に対し、Tg+1℃〜Tg+30℃である。上記の温度範囲とすることによって、位相差フィルムの位相差値が均一になり易く、かつ、フィルムが結晶化(白濁)しにくくなる。具体的には、上記延伸温度は、通常、110℃〜185℃である。なお、ガラス転移温度(Tg)は、JIS K 7121−1987に準じたDSC法により求めることができる。
さらに、正の固有複屈折を示す熱可塑性樹脂を含有する高分子フィルムと収縮性フィルムとの積層体を延伸する際の延伸する倍率(延伸倍率)は、目的とする位相差値、用いる高分子フィルムの種類や厚み等に応じて適宜選択され得る。上記延伸倍率は、通常、元長に対し、1倍を超え2倍以下である。延伸時の送り速度は、延伸装置の機械精度や安定性の点より、通常、1m/分〜20m/分である。上記の延伸条件であれば、上記E−1項に記載の光学特性を満足し得るのみならず、光学的均一性に優れた位相差フィルムが得られ得る。
F.液晶表示装置
図6は、本発明の好ましい実施形態による液晶表示装置の概略断面図である。なお、見やすくするために、図6の各構成部材の縦、横および厚みの比率は、実際とは異なっていることに留意されたい。この液晶表示装置200は、液晶パネル100と、液晶パネル100の両側に配置された保護層60、60’と、保護層60、60’のさらに外側に配置された表面処理層70、70’と、表面処理層70’の外側(バックライト側)に配置されたバックライトユニット80とを備える。上記バックライトユニット80は、バックライト81と、反射フィルム82と、拡散板83と、プリズムシート84と、輝度向上フィルム85とを備える。これらの光学部材を用いることによって、さらに表示特性に優れた液晶表示装置が得られ得る。なお、図6に例示した光学部材は、本発明の効果が得られる限りにおいて、液晶表示装置の照明方法や液晶セルの駆動モードなど、用途に応じてその一部が省略され得るか、または、他の光学部材に代替され得る。
上記保護層としては、任意の適切なものが採用され得る。上記保護層は、偏光子が収縮や膨張することを防いだり、紫外線による劣化を防いだりするために使用される。上記保護層は、好ましくは、セルロース系樹脂またはノルボルネン系樹脂を含有する高分子フィルムである。上記高分子フィルムの厚みは、通常、10μm〜200μmである。なお、上記保護層は、後述する表面処理層のベースフィルムを兼ねていてもよい。上記保護層は、市販の高分子フィルムをそのまま用いることもできる。あるいは、市販の高分子フィルムに、後述する表面処理を施して用いることもできる。市販のセルロース系樹脂を含有する高分子フィルムとしては、例えば、富士写真フィルム(株)製 フジタックシリーズ、コニカミノルタオプト(株)製 商品名「KC8UX2M」等が挙げられる。市販のノルボルネン系樹脂を含有する高分子フィルムとしては、例えば、JSR(株)製 アートンシリーズ、(株)オプテス製 ゼオノアシリーズ等が挙げられる。
上記表面処理層としては、ハードコート処理、帯電防止処理、反射防止処理(アンチリフレクション処理ともいう)、拡散処理(アンチグレア処理ともいう)などを施した処理層が用いられる。これらの表面処理層は、画面の汚れや傷つきを防止したり、室内の蛍光灯や太陽光線が画面に写り込むことによって、表示画像が見え難くなることを防止したりする目的で使用される。上記表面処理層は、一般的には、ベースフィルムの表面に上記の処理層を形成する処理剤を固着させたものが用いられる。上記ベースフィルムは、上記の保護層を兼ねていてもよい。さらに、上記表面処理層は、例えば、帯電防止処理層の上にハードコート処理層を積層したような多層構造であってもよい。上記表面処理層は、市販の表面処理層をそのまま用いることもできる。ハードコート処理および帯電防止処理が施された市販のフィルムとしては、例えば、コニカミノルタオプト(株)製 商品名「KC8UX−HA」が挙げられる。反射防止処理が施された市販の表面処理層としては、例えば、日本油脂(株)製 ReaLookシリーズが挙げられる。
本発明の液晶パネルが用いられる液晶表示装置の照明方法は、任意の適切な照明方法が採用され得る。上記照明方法の具体例としては、光源にバックライトを用い背面から光を照射して見る透過型、外光を画面に当てて見る反射型、さらにはその両方の性質を併せ持つ半透過型が挙げられる。上記照明方法として好ましくは、透過型である。上記バックライトユニットは、照射方法として直下方式が採用される場合、一般的には、バックライト、反射フィルム、拡散板、プリズムシート、および輝度向上フィルムから構成される。エッジライト方式が採用される場合、上記直下方式の構成に加え、さらに導光板、ライトリフレクターが用いられる。
上記バックライトとしては、任意の適切なバックライトが採用され得る。上記バックライトとしては、例えば、冷陰極蛍光管(CCFL)、発光ダイオード(LED)、有機EL(OLED)、電界放出型素子(FED)等が挙げられる。バックライトに冷陰極蛍光管が採用される場合、その照射方法としては、例えば、液晶の真下から照射する「直下方式」と、液晶の横端から照射する「エッジライト方式」とが挙げられる。上記直下方式は、高い輝度が得られるという利点がある。上記エッジライト方式は、直下方式よりも液晶表示装置を薄くすることができ、さらに、光源から各構成部材へ及ぼす熱の影響を小さくすることができるという利点がある。バックライトに発光ダイオードが採用される場合、その光源の色は、白色でも良いし、RGB3色でも良い。上記発光ダイオードにRGB3色光源を用いる場合、カラーフィルターを用いずにカラー表示が可能な、フィールドシーケンシャル方式の液晶表示装置が得られ得る。
上記反射フィルムは、液晶パネルの視認側とは反対側に光が抜けるのを防ぎ、さらに、バックライトの光を効率的に導光板に入射させるために用いられる。上記反射フィルムとしては、例えば、銀を蒸着させたポリエチレンテレフタレートフィルムや、ポリエステル系樹脂を多層に積層した積層フィルムが用いられる。上記反射フィルムの反射率は、好ましくは波長410nm〜800nmの全域で90%以上である。上記反射フィルムの厚みは、通常、50μm〜200μmである。上記反射フィルムは、市販の反射フィルムをそのまま用いることもできる。市販の反射フィルムとしては、例えば、(株)きもと製 レフホワイトシリーズや、住友スリーエム(株)製 ビキュイティESRシリーズ等が挙げられる。
上記導光板は、バックライトからの光を画面全体に行き渡らせるために使用される。上記導光板としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シクロオレフィン系樹脂等を、光源から離れるほど厚さが薄くなるようにテーパ形状に成形したものが用いられる。
上記拡散板は、導光板から出た光を広角に導き、画面を均一な明るさにするために使用される。上記拡散板としては、例えば、凹凸処理が施された高分子フィルムや、拡散剤を含有した高分子フィルムが用いられる。上記拡散板のヘーズは、好ましくは85%〜92%である。さらに上記拡散板の全光線透過率は、好ましくは90%以上である。上記拡散板は、市販の拡散板をそのまま用いることもできる。市販の拡散板としては、例えば、恵和(株)製 OPLUSシリーズや、(株)きもと製 ライトアップシリーズ等が挙げられる。
上記プリズムシートは、導光板により広角にされた光を特定の方向に集め、液晶表示装置の正面方向の輝度を向上させるために使用される。上記プリズムシートとしては、例えば、ポリエステル系樹脂からなるベースフィルムの表面に、アクリル系樹脂または感光性樹脂からなるプリズム層を積層したものが用いられる。上記プリズムシートは、市販のプリズムシートをそのまま用いることもできる。市販のプリズムシートとしては、例えば、三菱レイヨン(株)ダイヤアートシリーズが挙げられる。
上記輝度向上フィルムは、液晶表示装置の正面および斜め方向の輝度を向上させるために使用される。上記輝度向上フィルムは、市販のものをそのまま用いることができる。市販の輝度向上フィルムとしては、例えば、日東電工(株)製 NIPOCS PCFシリーズや住友スリーエム(株)製 ビキュイティDBEFシリーズ等が挙げられる。
本発明の液晶パネルを備える液晶表示装置は、黒画像を表示させた場合の極角60°、全方位(0°〜360°)におけるコントラスト比の平均値が、好ましくは60以上であり、さらに好ましくは80以上であり、特に好ましくは100以上である。上記斜め方向のコントラスト比を高くすればするほど、視野角の広い液晶表示装置が得られ得る。
G.本発明の液晶パネルの用途
本発明の液晶パネルを備える液晶表示装置は、任意の適切な用途に使用される。その用途は、例えば、パソコンモニター,ノートパソコン,コピー機などのOA機器、携帯電話,時計,デジタルカメラ,携帯情報端末(PDA),携帯ゲーム機などの携帯機器、ビデオカメラ,テレビ,電子レンジなどの家庭用電気機器、バックモニター,カーナビゲーションシステム用モニター,カーオーディオなどの車載用機器、商業店舗用インフォメーション用モニターなどの展示機器、監視用モニターなどの警備機器、介護用モニター,医療用モニターなどの介護・医療機器等である。
好ましくは、本発明の液晶パネルを備える液晶表示装置の用途は、テレビである。上記テレビの画面サイズは、好ましくはワイド17型(373mm×224mm)以上であり、さらに好ましくはワイド23型(499mm×300mm)以上であり、特に好ましくはワイド26型(566mm×339mm)以上であり、最も好ましくはワイド32型(687mm×412mm)以上である。
本発明について、以上の実施例および比較例を用いて更に説明する。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例で用いた各分析方法は、以下の通りである。
(1)偏光子の水分率の測定方法:
カールファシャー水分計[京都電子工業(株) 製品名「MKA−610」]を用いて、150℃±1℃の加熱炉にサイズ10mm×30mmに切り出したサンプルを入れ、窒素ガス(200ml/分)を滴定セル溶液中にバブリングさせて測定した。
(2)偏光子の単体透過率、偏光度の測定方法:
分光光度計[村上色彩技術研究所(株)製 製品名「DOT−3」]を用いて、23℃で測定した。
(3)分子量の測定方法:
ゲル・パーミエーション・クロマトグラフ(GPC)法よりポリスチレンを標準試料として算出した。具体的には、以下の装置、器具および測定条件により測定した。
・分析装置:TOSOH製「HLC−8120GPC」
・カラム:TSKgel SuperHM−H/H4000/H3000/H2000
・カラムサイズ:各6.0mmI.D.×150mm
・溶離液:テトラヒドロフラン
・流量:0.6ml/min.
・検出器:RI
・カラム温度:40℃
・注入量:20μl
(4)厚みの測定方法:
厚みが10μm未満の場合、薄膜用分光光度計[大塚電子(株)製 製品名「瞬間マルチ測光システム MCPD−2000」]を用いて測定した。厚みが10μm以上の場合、アンリツ製デジタルマイクロメーター「KC−351C型」を使用して測定した。
(5)フィルムの平均屈折率の測定方法:
アッベ屈折率計[アタゴ(株)製 製品名「DR−M4」]を用いて、23℃における波長589nmの光で測定した屈折率より求めた。
(6)位相差値(Re、Rth)の測定方法:
平行ニコル回転法を原理とする位相差計[王子計測機器(株)製 製品名「KOBRA21−ADH」]を用いて、23℃における波長590nmの光で測定した。
(7)透過率(T[590])の測定方法:
紫外可視分光光度計[日本分光(株)製 製品名「V−560」]を用いて、23℃における波長590nmの光で測定した。
(8)光弾性係数の絶対値(C[590])の測定方法:
分光エリプソメーター[日本分光(株)製 製品名「M−220」]を用いて、サンプル(サイズ2cm×10cm)の両端を挟持して応力(5〜15N)をかけながら、サンプル中央の位相差値(23℃/波長590nm)を測定し、応力と位相差値の関数の傾きから算出した。
(9)収縮性フィルムの収縮率の測定方法:
JIS Z 1712−1997の加熱収縮率A法に準じて求めた(ただし、加熱温度は120℃に代えて140℃(または160℃)とし、試験片に荷重3gを加えたことが異なる)。具体的には、幅20mm、長さ150mmの試験片を縦[MD]、横[TD]方向から各5枚採り、それぞれの中央部に約100mmの距離において標点をつけた試験片を作製する。該試験片は、温度140℃±3℃(または160℃±3℃)に保持された空気循環式乾燥オーブンに、荷重3gをかけた状態で垂直につるし、15分間加熱した後、取り出し、標準状態(室温)に30分間放置してから、JIS B 7507に規定するノギスを用いて、標点間距離を測定して、5個の測定値の平均値を求め、S(%)=[[加熱前の標点間距離(mm)−加熱後の標点間距離(mm)]/加熱前の標点間距離(mm)]×100より算出した。
(10)収縮性フィルムの収縮応力の測定方法:
以下の装置を用い、TMA法にて140℃および150℃における幅[TD]方向の収縮応力T140[TD]および収縮応力T150[TD]を測定した。
・装置:セイコーインスツルメンツ(株)製「TMA/SS 6100」
・データ処理:セイコーインスツルメンツ(株)製「EXSTAR6000」
・測定モード:等速昇温測定(10℃/分)
・測定雰囲気:大気中(23℃)
・荷重:20mN
・サンプルサイズ:15mm×2mm(長辺が幅[TD]方向)
(11)液晶表示装置のコントラスト比の測定方法:
23℃の暗室でバックライトを点灯させてから30分経過した後、ELDIM社製 製品名「EZ Contrast160D」を用いて、表示画面の方位角0°〜360°、極角60°における、白画像および黒画像を表示した場合のXYZ表示系のY値を測定した。白画像におけるY値(YW)と、黒画像におけるY値(YB)とから、斜め方向のコントラスト比「YW/YB」を算出した。なお、液晶パネルの長辺を方位角0°とし、法線方向を極角0°とした。
偏光子の作製
[参考例1]
ポリビニルアルコールを主成分とする高分子フィルム[クラレ(株)製 商品名「9P75R(厚み:75μm、平均重合度:2,400、ケン化度:99.9モル%)」]を30℃±3℃に保持したヨウ素とヨウ化カリウム配合の染色浴にて、ロール延伸機を用いて、染色しながら2.5倍に一軸延伸した。次いで、60±3℃に保持したホウ酸とヨウ化カリウム配合の水溶液中で、架橋反応を行いながら、上記高分子フィルムの元長の6倍となるように一軸延伸した。得られたフィルムを50℃±1℃の空気循環式恒温オーブン内で30分間乾燥させて、偏光子P1およびP2を得た。上記偏光子P1およびP2の光学特性は、表1の通りである。
ポジティブCプレートの作製
[参考例2]
市販のポリエチレンテレフタレートフィルム[東レ(株)製 商品名「S−27E」(厚み:75μm)]にエチルシリケート溶液[コルコート(株)製(酢酸エチル、イソプロピルアルコールの混合溶液、2wt%)]をグラビアコータで塗工し、130℃±1℃の空気循環式恒温オーブンで1分間乾燥させて、上記ポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に厚み0.1μmのガラス質高分子膜を形成した。
次いで、下記式(II)で表される高分子液晶(重量平均分子量:5,000)を5重量部、分子構造の一部分に2つの重合性官能基を有するカラミチック液晶化合物[BSAF社製、商品名「PaliocolorLC242」(ne=1.654、no=1.523)]20重量部、および光重合開始剤[チバスペシャリティケミカルズ(株)製、商品名「イルガキュア907」]1.25重量部を、シクロヘキサノン75重量部に溶解して、液晶性組成物の溶液を調製した。この溶液を、上記ポリエチレンテレフタレートフィルムのガラス質高分子膜上にロッドコータを用いて塗工し、80℃±1℃の空気循環式恒温オーブンで2分間乾燥させた後、室温(23℃)にまで徐々に冷却させて、上記ポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に、ホメオトロピック分子配列に配向させた液晶性組成物の固化層を形成した。次いで、この固化層に、400mJ/cm2の照射光量の紫外線を照射(空気雰囲気下)して、上記カラミチック液晶化合物を重合反応により硬化させた。上記ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離して、ホメオトロピック分子配列に配向させたカラミチック液晶化合物を含む液晶性組成物の硬化層が得られた。上記硬化層を位相差フィルム1−Aとし、その特性を、後述の参考例3〜5のフィルム特性を併せて表2に示す。参考例2〜5で得られた位相差フィルムは、いずれも屈折率楕円体がnz>nx≒nyの関係を満足した。
[参考例3]
液晶性組成物の溶液の塗工厚みを変化させた以外は、参考例2と同様の方法で、位相差フィルム1−Bを作製した。位相差フィルム1−Bの特性は、表2の通りである。
[参考例4]
液晶性組成物の溶液の塗工厚みを変化させた以外は、参考例2と同様の方法で、位相差フィルム1−Cを作製した。位相差フィルム1−Cの特性は、表2の通りである。
[参考例5]
液晶性組成物の溶液の塗工厚みを変化させた以外は、参考例2と同様の方法で、位相差フィルム1−Dを作製した。位相差フィルム1−Dの特性は、表2の通りである。
二軸性光学素子の作製
[参考例6]
厚み55μmのポリカーボネート系樹脂を含有する高分子フィルム[(株)カネカ製 「エルメック」(重量平均分子量=60,000、平均屈折率=1.53、Tg=136℃、Re[590]=1.0nm、Rth[590]=3.0nm)]の両側に、厚み60μmのポリプロピレンを含有する二軸延伸フィルム[東レ(株)製 商品名「トレファンBO2570A」]をアクリル系粘着剤層(厚み15μm)を介して貼り合わせた。その後、ロール延伸機でフィルム長手方向を保持して、140℃の空気循環式オーブン内で1.25倍に延伸し、延伸後、上記ポリプロピレンを含有する二軸延伸フィルムを上記アクリル系粘着剤層と共に剥離して、位相差フィルムを作製した。上記位相差フィルムを位相差フィルム2−Aとし、その特性を、後述の参考例7、8のフィルム特性を併せて表3に示す。参考例6〜8で得られた位相差フィルムは、いずれも屈折率楕円体がnx>nz>nyの関係を満足した。なお、上記ポリプロピレンを含有する二軸延伸フィルム(収縮性フィルム)の物性は、表4に示す。
[参考例7]
延伸温度を145℃とし、延伸倍率を1.23倍とした以外は、参考例6と同様の方法で、位相差フィルム2−Bを作製した。位相差フィルム2−Bの特性は、表3の通りである。
[参考例8]
延伸温度を140℃とし、延伸倍率を1.15倍とした以外は、参考例6と同様の方法で、位相差フィルム2−Cを作製した。位相差フィルム2−Cの特性は、表3の通りである。
液晶セルの作製
[参考例9]
IPSモードの液晶セルを含む液晶表示装置[(株)東芝製 32V型ワイド液晶テレビ 商品名「FACE(型番:32LC100)」、画面サイズ:697mm×392mm)]から、液晶パネルを取り出し、液晶セルの上下に配置されていた光学フィルムを全て取り除いて、上記液晶セルのガラス面(表裏)を洗浄した。このようにして作製した液晶セルを液晶セルAとした。
液晶パネルおよび液晶表示装置の作製
[実施例1]
参考例9で得られた液晶セルAの視認側の表面に、アクリル系粘着剤層(厚み23μm)を介して、二軸性光学素子として、参考例6で得られた位相差フィルム2−A(屈折率楕円体がnx>nz>nyの関係を有するもの)を、その遅相軸方向が、上記液晶セルAの長辺方向と実質的に平行(0°±0.5°)となるように貼着した。続いて、上記位相差フィルム2−Aの表面に、アクリル系粘着剤層(厚み23μm)を介して、ポジティブCプレートとして、参考例2で得られた位相差フィルム1−A(屈折率楕円体がnz>nx≒nyの関係を有するもの)を貼着した。次に、上記位相差フィルム1−Aの表面に、接着剤層(厚み1μm)を介して、第1の偏光子として、参考例1で得られた偏光子P1を、その吸収軸方向が、上記液晶セルAの長辺方向と実質的に平行(0°±0.5°)となるように貼着した。このとき、上記液晶セルAの初期配向方向と、上記位相差フィルム2−A(二軸性光学素子)の遅相軸方向および上記偏光子P1(第1の偏光子)の吸収軸方向とは、実質的に直交である。次に、上記液晶セルAのバックライト側の表面に、アクリル系粘着剤層(厚み23μm)を介して、保護層として、トリアセチルセルロースフィルム[富士写真フィルム(株)製 商品名「ZRF80S」、(平均屈折率=1.48、厚み80μm、Re[590]=1.0nm、Rth[590]=3.1nm)]を貼着した。続いて、上記保護層の表面に、接着剤層(厚み1μm)を介して、第2の偏光子として、参考例1で得られた偏光子P2を、その吸収軸方向が、上記液晶セルAの長辺方向と実質的に直交(90°±0.5°)するように貼着した。このとき、上記偏光子P1の吸収軸方向と上記偏光子P2の吸収軸方向は、実質的に直交である。また、上記液晶セルAの初期配向方向と偏光子P2(第2の偏光子)の吸収軸方向とは実質的に平行である。上記偏光子P1およびP2の外側(液晶セルとは反対の側)には、接着剤層(厚み1μm)を介して、保護層として、トリアセチルセルロースフィルム[富士写真フィルム(株)製 フジタックUZ(厚み80μm)]をそれぞれ貼着した。
このようにして作製した液晶パネルAは、図2(a)に示す構成である。この液晶パネルAをバックライトユニットと結合し、液晶表示装置Aを作製した。バックライトを点灯させた直後の液晶表示装置Aは、全面で良好な表示均一性を有するものであった。バックライトを点灯して30分経過した後、液晶表示装置Aの斜め方向のコントラスト比を測定した。得られた液晶表示装置Aの特性を、後述の実施例2〜5、および比較例1〜2の特性と併せて下記表5に示す。
[実施例2]
二軸性光学素子として、参考例7で得られた位相差フィルム2−Bを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、液晶パネルBを作製した。このようにして作製した液晶パネルBは、図2(a)に示す構成である。この液晶パネルBをバックライトユニットと結合し、液晶表示装置Bを作製した。液晶表示装置Bの特性は、表5の通りである。
[実施例3]
ポジティブCプレートとして、参考例3で得られた位相差フィルム1−Bを用い、二軸性光学素子として、参考例8で得られた位相差フィルム2−Cを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、液晶パネルCを作製した。このようにして作製した液晶パネルCは、図2(a)に示す構成である。この液晶パネルCをバックライトユニットと結合し、液晶表示装置Cを作製した。液晶表示装置Cの特性は、表5の通りである。
[実施例4]
ポジティブCプレートとして、参考例4で得られた位相差フィルム1−Cを用い、二軸性光学素子として、参考例8で得られた位相差フィルム2−Cを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、液晶パネルDを作製した。このようにして作製した液晶パネルDは、図2(a)に示す構成である。この液晶パネルDをバックライトユニットと結合し、液晶表示装置Dを作製した。液晶表示装置Dの特性は、表5の通りである。
[実施例5]
ポジティブCプレートとして、参考例5で得られた位相差フィルム1−Dを用い、二軸性光学素子として、参考例8で得られた位相差フィルム2−Cを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、液晶パネルEを作製した。このようにして作製した液晶パネルEは、図2(a)に示す構成である。この液晶パネルEをバックライトユニットと結合し、液晶表示装置Eを作製した。液晶表示装置Eの特性は、表5の通りである。
[比較例1]
二軸性光学素子を、その遅相軸方向が第1の偏光子の吸収軸方向と実質的に直交(90°±0.5°)するように配置した以外は、実施例1と同様の方法で、液晶パネルLを作製した。このようにして作製した液晶パネルLは、図7に示す構成である。この液晶パネルLをバックライトユニットと結合し、液晶表示装置Lを作製した。液晶表示装置Lの特性は、表5の通りである。
[比較例2]
二軸性光学素子を用いなかった以外は、実施例1と同様の方法で、液晶パネルMを作製した。このようにして作製した液晶パネルMは、図8に示す構成である。この液晶パネルMをバックライトユニットと結合し、液晶表示装置Mを作製した。液晶表示装置Mの特性は、表5の通りである。
[比較例3]
ポジティブCプレートを用いなかった以外は、実施例1と同様の方法で、液晶パネルNを作製した。このようにして作製した液晶パネルNは、図9に示す構成である。この液晶パネルNをバックライトユニットと結合し、液晶表示装置Nを作製した。液晶表示装置Nの特性は、表5の通りである。
[評価]
実施例1〜5に示すように、液晶セルと該液晶セルの一方の側に配置される偏光子との間に、屈折率楕円体がnz>nx≒nyの関係を有するポジティブCプレートと、屈折率楕円体がnx>nz>nyの関係を有する二軸性光学素子とを、特定の位置関係で用いた液晶パネルを備える液晶表示装置は、斜め方向のコントラスト比が高い値を示した。一方、比較例1に示すように、二軸性光学素子の遅相軸方向と第1の偏光子の吸収軸方向が、実質的に直交である液晶パネルを用いた液晶表示装置は、斜め方向のコントラスト比が低かった。また、比較例2、3に示すように、二軸性光学素子またはポジティブCプレートの一方を用いない液晶表示装置もまた、斜め方向のコントラスト比が低かった。
以上のように、本発明の液晶パネルによれば、斜め方向のコントラスト比を高くすることができるので、液晶表示装置の表示特性向上に、極めて有用であるといえる。本発明の液晶パネルを備える液晶表示装置は、液晶テレビに好適に用いられる。
本発明の好ましい実施形態による液晶パネルの概略断面図である。 (a)は図1の液晶パネルがOモードを採用する場合の概略斜視図であり、(b)は図1の液晶パネルがEモードを採用する場合の概略斜視図である。 本発明に用いられる偏光子の代表的な製造工程の概念を示す模式図である。 本発明に用いられるポジティブCプレートの代表的な製造工程の概念を示す模式図である。 本発明に用いられる二軸性光学素子の代表的な製造工程の概念を示す模式図である。 本発明の好ましい実施形態による液晶表示装置の概略断面図である。 比較例1で用いた液晶パネルの概略斜視図である。 比較例2で用いた液晶パネルの概略斜視図である。 比較例3で用いた液晶パネルの概略斜視図である。
符号の説明
10 液晶セル
11、11’ 基板
12 液晶層
21 第1の偏光子
22 第2の偏光子
30 ポジティブCプレート
40 二軸性光学素子
60、60’ 保護層
70、70’ 表面処理層
80 バックライトユニット
81 バックライト
82 反射フィルム
83 拡散板
84 プリズムシート
85 輝度向上フィルム
100、101、102 液晶パネル
200 液晶表示装置
300 繰り出し部
310 ヨウ素水溶液浴
320 ホウ酸とヨウ化カリウムとを含む水溶液の浴
330 ヨウ化カリウムを含む水溶液浴
340 乾燥手段
350 偏光子
360 巻き取り部
401、404 繰り出し部
405、408 乾燥手段
407 コータ
410 紫外線照射部
411 温度制御手段
412 紫外線ランプ
414 巻き取り部
501、503、505 繰り出し部
514、516、519 巻き取り部
504、506 収縮性フィルム
507,508 ラミネートロール
509 加熱手段

Claims (12)

  1. 液晶セルと、該液晶セルの一方の側に配置された第1の偏光子と、該液晶セルと該第1の偏光子との間に配置されたポジティブCプレートと、該液晶セルと該ポジティブCプレートとの間に配置された二軸性光学素子と、該液晶セルの他方の側に配置された第2の偏光子とを少なくとも備え、
    該第1の偏光子の吸収軸方向が、該第2の偏光子の吸収軸方向と実質的に直交であり、
    該ポジティブCプレートは、屈折率楕円体がnz>nx≒nyの関係を有し、
    該二軸性光学素子は、屈折率楕円体がnx>nz>nyの関係を有し、その遅相軸方向が該第1の偏光子の吸収軸方向と実質的に平行である、液晶パネル:
    ただし、遅相軸方向の屈折率をnx、進相軸方向の屈折率をny、厚み方向の屈折率をnzとする。
  2. 前記液晶セルが、電界が存在しない状態でホモジニアス分子配列に配向させた液晶分子を含む液晶層を備える、請求項1に記載の液晶パネル。
  3. 前記液晶セルの初期配向方向が、前記第2の偏光子の吸収軸方向と実質的に平行である、請求項1または2に記載の液晶パネル。
  4. 前記液晶セルの初期配向方向が、前記第1の偏光子の吸収軸方向および前記二軸性光学素子の遅相軸方向と、それぞれ実質的に直交である、請求項1から3のいずれかに記載の液晶パネル。
  5. 前記ポジティブCプレートが下記式(1)および(2)を満足する、請求項1から4のいずれかに記載の液晶パネル:
    Re[590]<10nm …(1)
    Rth[590]<−10nm …(2)
    ただし、Re[590]およびRth[590]は、それぞれ、23℃における波長590nmの光で測定した面内の位相差値および厚み方向の位相差値である。
  6. 前記ポジティブCプレートが、ホメオトロピック分子配列に配向させたカラミチック液晶化合物を含む液晶性組成物の固化層または硬化層を含む、請求項1から5のいずれかに記載の液晶パネル。
  7. 前記ポジティブCプレートが、セルロース系樹脂を含有する高分子フィルムを含む、請求項1から6のいずれかに記載の液晶パネル。
  8. 前記二軸性光学素子が、下記式(3)を満足する、請求項1から7のいずれかに記載の液晶パネル:
    10nm<Rth[590]<Re[590] …(3)
    ただし、Re[590]およびRth[590]は、それぞれ、23℃における波長590nmの光で測定した面内の位相差値および厚み方向の位相差値である。
  9. 前記二軸性光学素子が下記式(4)を満足する、請求項1から8のいずれかに記載の液晶パネル:
    0.2≦Rth[590]/Re[590]≦0.9 …(4)
    ただし、Re[590]およびRth[590]は、それぞれ、23℃における波長590nmの光で測定した面内の位相差値および厚み方向の位相差値である。
  10. 前記二軸性光学素子がポリカーボネート系樹脂を含有する位相差フィルムを含む、請求項1から9のいずれかに記載の液晶パネル。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載の液晶パネルを含む、液晶表示装置。
  12. テレビに用いられる請求項11に記載の液晶表示装置。

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