JP2007102974A - 電磁変換特性評価方法及び電磁変換特性評価装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造工程中における磁気テープの電磁変換特性を確実に評価すること。
【解決手段】磁気テープから評価試料として磁気シートを切り出す工程と、磁気シートに垂直な線と平行な回転軸芯を有する環状の回転体の環状表面に磁気シートの外周部を吸着させる工程と、磁気シートの表面に再生用磁気ヘッドと記録用磁気ヘッドとを接触させる工程と、記録用磁気ヘッドに電気的に信号発生器を接続させる工程と、再生用磁気ヘッドに電磁変換特性測定手段を電気的に接続させる工程とからなる。
【選択図】図2
【解決手段】磁気テープから評価試料として磁気シートを切り出す工程と、磁気シートに垂直な線と平行な回転軸芯を有する環状の回転体の環状表面に磁気シートの外周部を吸着させる工程と、磁気シートの表面に再生用磁気ヘッドと記録用磁気ヘッドとを接触させる工程と、記録用磁気ヘッドに電気的に信号発生器を接続させる工程と、再生用磁気ヘッドに電磁変換特性測定手段を電気的に接続させる工程とからなる。
【選択図】図2
Description
本発明は、磁気テープの電磁変換特性の測定に適用される電磁変換特性評価方法及びこれに用いる電磁変換特性評価装置に関する。更に詳しくは、幅の広い磁気テープ(通称ジャンボロールと呼ばれる)から磁気シートを切り出して、磁気変換特性測定する方法及び装置に関する。
一般に、ビデオテープレコーダ等で使用される磁気記録媒体である磁気テープの電磁変換特性の評価は、実際のシステムで行うのでなく、磁気テープを巻き付けた回転ドラムと固定磁気ヘッドで構成されるドラムテスタと呼ばれている電磁変換測定機を使用して、広く行われている。
このドラムテスタは、磁気テープをループ状にして高速回転させながら、電磁変換特性を測定する方法である。この方法による電磁変換特性測定装置は、回転ドラム式電磁変換特性測定装置と呼ばれ(通称ドラムテスタと呼ばれる)、短尺の状態で磁気テープを評価できるため、企業や大学の研究室などでよく用いられている。
図31に、従来例のドラムテスタのブロック図を示す。ループ状とした磁気テープ32は回転ドラム31に巻き付ける。磁気ヘッド10(録再ヘッド)は磁気テープ32に接触させるためのX軸ステージ6と磁気ヘッド10の高さ方向を調節するためのZ軸ステージ7に取り付けてある。回転ドラム31はスピンドル4に連結されたモータ5によって高速回転する。そして、X軸ステージ6とZ軸ステージ7を微調することによって再生出力が最大になるように磁気テープ32と磁気ヘッド10の間の接触状態を調整することができる。
磁気テープ32に記録する信号は信号発生器8によって発生させる。信号発生器8は、出力信号の周波数と電流を任意に変化することができる。この信号を、記録アンプ9(記録アンプ部と再生アンプ部とから成る)によって磁気テープ32に記録するのに適した電流に増幅し、磁気ヘッド10に入力する。磁気テープ32に記録された信号は、磁気ヘッド10により再生され、再生アンプ9(記録アンプ部と再生アンプ部とから成り、この場合は再生アンプ部)で増幅し、スペクトルアナライザ11及びストレージオシロスコープ12に入力される。
スペクトルアナライザ11は入力信号の周波数成分を解析しその各周波数成分の大きさを分析するものである。ストレージオシロスコープ12は、再生出力のエンベローブ波形を分析するものである。
制御、データ処理用PC15は、コントローラ14を介して回転ドラム31の回転数及びX軸ステージ6とZ軸ステージ7の位置制御を行なう。また、信号発生器8に対して記録周波数や電流を制御する。更に、スペクトルアナライザ11及びストレージオシロスコープ12で得られた電磁変換特性をデータ処理するものである。
ドラムテスタは、以上の構成から分かるように、実際の長尺状の磁気テープを使用して電磁変換特性を測定する装置(ビデオデッキやオーディオデッキなど)に見られるテープ走行系が存在せず、磁気テープの物理的特性(剛性・表面性・摩擦係数等)に起因する走行性の違いによって生じる、磁気テープと磁気ヘッドの間の接触状態の違いによる電磁変換特性への影響を少なくできるため、磁気テープの磁性層自体の電磁変換特性をより確実に評価することができる。
特開昭57−147137号公報には、「真空蒸着法等によってプラスチックフィルム表面上に磁性薄膜を連続的に形成する磁気記録媒体の製造方法において、上記磁性薄膜の形成がなされたプラスチックフィルムの表面側から上記磁性薄膜の磁気特性を測定し、その測定結果に基づき上記磁性薄膜の形成条件を制御することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法」が開示されている。図では巻き出しローラ、巻き取りローラ、ガイドローラ、テープ基体を巻き付けられる回転円筒などのテープ走行系が示される。そして巻き取りローラの近くにテープの裏面に接して、記録ヘッド及び再生ヘッドが配設されている。しかし、これでは上述したように磁気テープの物理的特性(剛性、表面性、摩擦係数等)に起因する走行性の違いが生ずる可能性がある。これでは磁気テープと磁気ヘッド間の接触状態の違いにより、電磁変換特性が正確に測定できない場合がある。
しかしながら、従来のドラムテスタには、大きく3つの問題があった。
1つ目は、回転ドラムに磁気テープを巻き付けると、溝の部分に磁気テープが食い込み、くぼみが生じることである
1つ目は、回転ドラムに磁気テープを巻き付けると、溝の部分に磁気テープが食い込み、くぼみが生じることである
従来のドラムテスタの回転ドラム部は、図32に示すように溝33がある。この溝33は、磁気ヘッド10が磁気テープ32と接触した際に、良好な接触を得るためのクッション的な役目をもつが、回転ドラム31に磁気テープ32を巻き付ける際、磁気テープ32に適度なテンションを与える必要があるため、回転ドラム31に磁気テープ32を巻き付けると、溝33の部分に磁気テープ32が食い込み、くぼみ34が生じる。
このくぼみ34が原因で、磁気ヘッド10と磁気テープ32の良好な接触を保つことが難しく、結果として磁気テープ32の磁性層自体の電磁変換特性を正確に評価できない問題があった。
この問題を克服する方法として、特開平7−57256では、図33に示すように溝部にサポータ35を巻き付けて磁気ヘッド10と磁気テープ32の良好な接触を得る工夫がなされている。また、特開2001−6135では、図34に示すようにくぼみ量36をレーザにより測定することにより、回転ドラム31に磁気テープ32を巻き付ける際のテンションをコントロールし、磁気ヘッド10と磁気テープ32の良好な接触を得る工夫がなされている。特開2001−176002では、図35に示すように回転ドラム31に空気吹き出し孔37を設け、この空気吹き出し孔37から微小な空気38を吹き出すように圧力調整弁39をコントロールし、磁気テープ32のくぼみをコントロールし、磁気ヘッド10と磁気テープ32の良好な接触を得る工夫がなされている。
このように、磁気ヘッドと磁気テープの良好な接触を得るための工夫がなされているが、何れの場合も、磁気ヘッドと磁気テープの接触状態が本当に最適か確認する方法が無く、磁気テープの磁性層自体の電磁変換特性を正確に評価できていない可能性が大きい。
2つ目は、ドラムテスタは、回転ドラムに巻き付けた磁気テープの溝部分の一部分を直線的に評価するだけで、磁気テープの断片を評価しているにすぎないことである。
3つ目は、ドラムテスタの場合、短尺状の磁気テープを回転ドラムに巻き付ける必要があるため、幅の広い磁気テープ(通称ジャンボロールと呼ばれる)状態から長尺状にスリットした後に、磁気テープを短尺状にして評価している。従って、磁気テープ製造プロセスの途中工程(例えば、磁性層を塗布または蒸着した直後)での電磁変換特性を評価することが困難であるといった問題点があった。
本発明は上述のような従来の問題点を除去する電磁変換特性評価測定方法及びその装置を提供することを課題とする。
以上の課題は、磁気テープから評価試料として磁気シートを切り出す工程と、前記磁気シートに垂直な線と平行な回転軸芯を有する環状の回転体の環状表面に前記磁気シートの外周部を吸着させる工程と、前記磁気シートの表面に再生用磁気ヘッドと記録用磁気ヘッドとを接触させる工程と、前記記録用磁気ヘッドに電気的に信号発生器を接続させる工程と、前記再生用磁気ヘッドに電磁変換特性測定手段を電気的に接続させる工程と、からなることを特徴とする電磁変換特性評価方法。によって解決される。
また、以上の課題は、環状回転体と、前記環状回転体を回転駆動する回転駆動手段と、前記環状回転体の環状表面に形成した環状の小穴群に連通して設けられた真空排気手段と、記録用磁気ヘッド及び再生用磁気ヘッドと、前記記録用磁気ヘッド及び前記再生用磁気ヘッドの位置を調整する位置調整手段と、前記記録用磁気ヘッドに電気的に接続される信号発生器と、前記再生用磁気ヘッドに電気的に接続される評価特性測定手段と、を具備し、磁気テープから評価試料として切り出した磁気シートを前記環状回転体の環状表面に載置し,前記真空排気手段を作動させて、前記磁気シートの外周部を吸着し、前記記録磁気ヘッド及び前記再生用磁気ヘッドを前記位置調整手段により前記磁気シートに対する位置を調整して接触させ、前記記録用磁気ヘッドは前記記録信号発生器から周波数が変化する信号及び/又は電流の強さが変化する電気信号を受け、前記再生用磁気ヘッドは前記記録用磁気ヘッドにより前記磁気シートに記録された信号を再生して、この再生信号を前記評価測定手段に供給するようにしたことを特徴とする電磁変換特性評価装置によって解決される。
製造工程中における磁気テープの電磁変換特性を2次元的な広がりをもって、確実に評価することができる。磁気テープの耐久性も評価することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1に示すように、幅の広い磁気テープ1(通称ジャンボロールと呼ばれる)から、磁気テープの一部である磁気シート2を切り出し、回転ドラム3に吸着固定させる。これが本発明の基本原理である。
図1に示すように、幅の広い磁気テープ1(通称ジャンボロールと呼ばれる)から、磁気テープの一部である磁気シート2を切り出し、回転ドラム3に吸着固定させる。これが本発明の基本原理である。
本発明の実施の形態の装置は図2に示すが、これに適用される回転ドラム3の断面を図3に示す。回転ドラム3の外周近傍に小さな孔17を円環状に設け、この小さな孔17を吸引(18)可能とする構造とする。その内周部には円環状の溝部19を設け、この底壁部には複数の小孔19aが形成されている。この溝部19を吸引(20)可能とする構造とする。環状治具の材質は、ジュラルミン、ステンレス等の金属が望ましい。また、小さな孔17を吸引(18)する吸引力(V1)と溝部19を吸引(20)する吸引力(V2)との関係は、磁気シートをしっかり固定するためにV1>V2の関係であることが望ましい。更に、溝部19を吸引(20)する吸引力(V2)は、真空レギュレータ21を調節することにより吸引力(V2)を制御可能な機構を有する。なお、真空レギュレータ21は、溝部19を吸引(20)する吸引力(V2)を制御するためのものであり、他の方法を用いて吸引力(V2)を制御可能であればよく、機器を特に限定するものではない。
図4は、回転ドラム3によって磁気シート2が延伸された状態を示す。磁気シート2を回転ドラム3上に載せ、回転ドラム3の外周近傍の小さな孔17を吸引し、磁気シート2をしっかり固定する。その後、内周部には設けた円環状の溝部19を吸引(20)し、磁気シート2に張力22を加え放射状に均一に延伸する。この張力は真空レギュレータ21により調整される。
次に、図2に、本発明の電磁変換特性評価装置のブロック図を示す。前記したように磁気シート2は回転ドラム3に均一に延伸固定される。磁気ヘッド10は磁気シート3に接触させるためのZ軸ステージ7に取り付けてある。回転ドラム3はスピンドル4に連結されたモータ5によって高速回転する。そして、Z軸ステージ7を所定の高さにすることによって再生出力が最大になる。
この際、磁気シート2と磁気ヘッド10の接触状態が最適になるように、事前に図6に示すように透明フィルム44(通称ベースフィルムと呼ばれる)を回転ドラム3に吸着固定し、更に磁気ヘッド10の高さに調整し、光の干渉によって生じる干渉縞47を、顕微鏡45とモニタ46を用いて接触状態を観察しながら高さを決定する。この時、図5に示すように、透明フィルム44に対する磁気ヘッド10の姿勢を、左右バランス調整機構41とあおり調整機構42(これらの詳細は後述する)を用いて磁気ヘッド10のGap中心48と干渉縞47の中心が一致するように調整することにより、磁気ヘッド10と透明フィルム44の接触状態が最適に調整される。この作業を事前に行うことにより、図2に示す磁気ヘッド10と磁気シート2の接触状態を、最適に調整することが可能である。
なお、図5に示す荷重43は、磁気シート2に対する接触圧力を調節するものである。このように、事前に磁気ヘッド10と磁気シート2の接触状態は、最適に調整することができるため、図2に示すZ軸ステージ7は、所定の高さにするだけでよい。
引き続き本発明の実施の形態による電磁変換特性評価装置のブロック図(図2)について説明する。磁気シート2に記録する信号は信号発生器8によって発生させる。信号発生器8は、出力信号の周波数と電流を任意に変化することができる。この信号を、記録アンプ9(再生アンプも兼ねる)によって磁気シート2に記録するのに適した電流に増幅し、磁気ヘッド10に入力する。磁気シート2に記録された信号は、磁気ヘッド10により再生され、再生アンプ9で増幅し、スペクトルアナライザ11及びストレージオシロスコープ12、ドロップアウトカウンタ13に入力する。
スペクトルアナライザ11は入力信号の周波数成分を解析しその各周波数成分の大きさを分析するものである。ストレージオシロスコープ12は、再生出力のエンベローブ波形を分析するものである。ドロップアウトカウンタ13は、信号の欠落状態を分析するものである。
制御、データ処理用PC15は、コントローラ14を介して回転ドラム3の回転数及びX軸ステージ6とZ軸ステージ7の位置制御を行う。また、信号発生器8に対して記録周波数や電流を制御する。更に、スペクトルアナライザ11及びストレージオシロスコープ12、ドロップアウトカウンタ13で得られた電磁変換特性のデータ処理を行う。この構成のもと、記録、再生しながらX軸ステージ6を移動させると図7に示すように面積をもった記録トラック49ができ、ある程度の面積での電磁変換特性を評価することができる。
なお、図7に示すような記録トラック49では各トラックがある距離離れているが、このようなトラック49はX軸ステージ6を環状回転体の軸心に向かう方向か、これと逆方向に移動させながら形成される。Z軸ステージ7を所定位置から下方へ所定ピッチ下降させてからX軸ステージ6を所定ピッチ移動させることにより形成される。これに代えてZ軸ステージ7は所定位置に固定したままで環状回転体3を回転させながら所定の速度でX軸ステージ6を径内方または径外方に移動させることによりスパイラル状にトラックを形成させるようにしてもよい。これにより更に密度の高い磁気シートの電磁変換特性を評価することができる。
図8は、実際にストレージオシロスコープで取り込んだエンベローブ波形50である。一般にビデオテープ等の磁気テープは、電磁変換特性を向上させるため磁気の向きを一定に揃えている(通称配向と呼ばれる)。このため、幅の広い磁気テープ(通称ジャンボロールと呼ばれる)から、磁気テープの一部である磁気シート2を切り出し、円環状に記録再生すると、図8に示すように1回転に2つのピークを持ったエンベローブ波形50が観測される。このエンベローブ波形50を図9に示すようにデータ処理用PC15に取り込み、波形を分析することで、磁気の傾き状態や電磁変換特性が評価可能である。
図26は磁気テープにおける磁気微粒子がランダムに配向されている場合を示す。この時には切り出しシートが0°、90°、180°、270°と回転するとともに磁気ヘッドからの再生信号は上述したように、ほぼ正弦波形で変化することなく、ほとんどある幅での雑然たる変化のみである。これに対し図27に示すように、磁気微粒子の配向を一定の向きに揃えさせると、0°、90°、180°、270°回転するとともに、磁気ヘッドからは磁気微粒子からの磁束の変化により出力が出るが、この時には図28に示すように、出力は0°、180°、360°、の間で2つのピークが出てサイン状に変化する。このようにして、全くランダムな配向の場合と整然と配向した場合について、エンベロープ波形により明らかに配向が全くなされていないか、理想的になされているかを判断できるのであるが、通常はこの間の特性のエンベロープが観測される。これにより、磁気の傾き状態や電磁変換特性が評価できる。
また、図10に示すように、再生されたエンベローブ波形の一部の信号が欠落51している場合がある(通称ドロップアウトを呼ばれる)。これは、磁気ヘッドと磁気シートの接触状態を除いた何らかの原因により信号が欠落した部分である。本発明では、図11に示すように、ドロップアウト51の大きさや深さの分布を制御、データ処理用PC15に表示し、ドロップアウト51の原因解明が容易にできるようにしてある。
図11は制御、データ処理用PC15上に表示したドロップアウト解析グラフを示すものである。円形で示すDO1、三角形で示すD02、菱形で示すDO3、正方形で示すDO4はそれぞれ出力のダウン程度を示しており、DO1から順に5〜10%出力ダウン、10〜15%出力ダウン、15〜20%出力ダウン、20%以上のダウンを示している。また、それぞれの形状の大きさは出力信号レベルダウンの時間的長さを示している。これらを分析することによりドロップアウトの原因解明が容易に可能となることは明らかである
磁気シート2の同じトラックを繰り返して再生することにより、ドロップアウト51がどのように変化するか評価して、この磁気テープの耐久性を評価することができる。
また、図29に示すように、回転ドラム3の上側に磁気ヘッド10を配置する構造や、図30に示すように、MRヘッドやGMRヘッド対応として記録ヘッド10aと再生ヘッド10bを分離し配置する構造が考えられる。
次に上述の磁気ヘッド10のあおり機構、すなわちY軸の周りの回動調整機構及び左右バランス調整機構、すなわちX軸の周りの回動調整機構について説明する。
図12〜図14において、Aはヘッドあおり機構を示すが、図においてブロック51には支軸52が嵌着されている。この両端部にはブロック51と共に支軸52を回動可能に支持する軸受け部材53a、53bが取り付けられている。また、支軸52の端部にはレバー54が固定されており、これはブロック51の一部であるブロック部にねじ込まれた調整ねじ55の図において左端部と当接している。また、この調整ねじ55のブロック部からの突出部にはロックナット56が螺着している。
以上の構成において、調整ねじ55を図12において矢印a方向に移動するように回動させると、レバー54は図示しない付勢機構により、この右方への移動とともに支軸52の軸の周りに回動する。すなわち、ブロック51及びこれと一体的なゴニオステージ57の支軸52の周りの図12において反時計方向bに回動する。すなわち、磁気ヘッド10もこの方向に回動する。
次に、図12Bで示すように調整ねじ55を矢印cの方向に移動すべく回動すると、レバー54を押動させてこれを支軸52の周りに時計方向dに回動させる。すなわち、ブロック51と一体的なゴニオステージ57を介して磁気ヘッド10はdの方向に回動する。すなわちb、dの回動が磁気ヘッドのあおり回動である。なお、60a、60bは錘であって支軸52の周りにこれらのねじ回動調節により磁気ヘッド10の微小あおり調整を行うことができる。
次に、図15も参照して磁気ヘッド10の左右バランス調整機構B(X軸の周りの回動調整機構)について説明する。これはゴニオステージ57から成っており、この本体に螺合している調整ねじ62の時計回り或いは反時計回りの回動調節により図15において磁気ヘッド10のヘッド本体eを回転中心としてゴニオステージ本体をその周りに回動させる。よって図15に示すように矢印Pの方向に回動させる。すなわち磁気ヘッドの左右バランス調整を行う。
次に、図16〜図18を参照して磁気ヘッドの上昇制限機構Qについて説明する。固定プレート72はその下端部がZ軸駆動部に固定されている。また、その上端部にはストッパーピン73が固定されている。これは図15に示すように可動プレート70に形成したほぼ方形の開口74に臨んでいる。
スライドプレート70は矢印で示すように上下に移動可能であるがこのほぼ中間部にコイルばね74の下端部が固定されており、上端部は固定プレート72に固定されている。
可動プレート70はスライドガイド71によりガイドされて正確に上下動することができる。図18にはスライドプレートの駆動機構80が図示されているが、これは可動プレート70の下方部に設けられている。押しピン81はその左端部近くにテーパー部81aを備えており、図18Aにおいて左方へのピン81の移動により、ピン81の大径部がこのカム74に摺接して下方へ押圧する。これにより矢印fで示すようにスライドプレート70と可動プレート72の間に調節されているコイルばね74を引っ張る。ストッパーピン73はこれにより図15で示す位置をとる。図15の位置からほぼ方形の開口74の上辺に当接した位置をとる。
よって、磁気ヘッド10は磁気シートに当接することを確実に防止される。この状態で上述の磁気ヘッド10の左右バランス調整及びあおり調整が行われる。
次に、図18Bで示すように矢印nの方向にピン81を後退させると、ピン81のテーパー部81aからカム84が離脱し、スライドプレート70は、ばね84の復元力により上方に移動するが、この移動位置を制限する。
上述の左右バランス調整及びあおり調整は、この移動位置の制限により環状回転体3に張設されている切り出しシート2に当接することなく行われる。この後、Z軸方向の高さ調節により磁気ヘッド10を切り出しシート2に対して適切な接触圧力を取るようすることができる。
本発明は製造工程中における磁気テープの電磁変換特性を測定することを特長としているが、図19は1つの製造工程を示すものである。この磁気テープ製造工程では透明なベースフィルム(幅24インチ又は48インチ、長さ10,000m前後)を、巻き出しロール40から巻き出して磁性層を単層または2層で塗布する。これを乾燥して反対側の面にバック層を塗布し、乾燥し、巻き取りロール42、92で巻き取る。
本発明によれば、この製造工程中において磁性層を塗布した後に乾燥し、バック層を塗布する前に磁気シートを切り出して電磁変換特性を測定してもよいし、バック層を塗布し乾燥した後、磁気シートを切り出して電磁変換特性を測定してもよい。いずれにしても磁性層、バック層を形成してその特性の良否を判断して磁性層の塗布条件やバック層の塗布条件を変更することができる。
図20は、もう1つの磁気テープの製造工程を示すもので巻き出しロール100からベースフィルムを巻き出し、冷却ドラム101に約180°の範囲で巻装させ、この走行範囲内で坩堝106からの蒸発する磁性材料を蒸着させる。103は電子銃、104は電子ビーム、105はスキャナを表す。このようにしてベースフィルムに蒸着させて形成された磁性層は巻き取りロール102により巻き取られるのであるが、この磁性層を蒸着により形成した直後に磁気シートを切り出して電磁変換特性を測定するようにしてもよい。
図21は更に同磁気テープにCVDにより保護膜を形成する場合を示している。いわゆるDLC蒸着と称するが、回転ドラム110の周りに巻き出しロール111から供給される磁気テープをCVD装置により保護膜を形成して巻き取りロール112に巻き取られる。この保護膜を形成した後に磁気テープを切り出して電磁変換を測定してもよい。
図22は更にバック層を形成する場合の製造工程を示すが、巻き出しロール110から巻き出された磁気テープにバック層形成用としての潤滑材を磁気テープに塗布し、乾燥し、次いで表面処理剤116から表面処理剤を供給して表面処理を行い、これを乾燥して巻き取りロール112に巻き取るようにしている。このバック層を形成した後に、または、表面処理した後に磁気テープから磁気シートを切り出して電磁変換特性を測定するようにしてもよい。
図23は上述のどちらかの方法により形成されたジャンボロール1から円形のシート2を切り出す前工程を示す正方形のフレーム110をジャンボロール1の巻き出した一部に当接した上で、このフレームに沿ってシート2'を切り出す。なお、フレーム110の形状を明示する為にフレーム110の枠は白く図示する。
図24はこのようにして切り出されたシート2'を上述の環状回転体3にセットする状況を示す。セットした後に環状回転体3の外周面に沿って円形に切り取られる。
以上本発明の実施例について説明したが、勿論、本発明はこれらに限定されることなく、本発明の技術的思想に基いて種々の変形が可能である。
例えば以上の実施の形態においては磁気テープから方形のフレームをあて方形状に磁気シートを切り出し、この後、環状回転体3の円周に沿って円形に切り出すようににしたが、この切り出し形状はこれに限定されることなく他の形状であってもよい。例えば、第1段階で方形のフレームを使って方形の磁気シートを切り出したが、このまま環状回転体3に張設して張力調節用の真空排気手段により吸引力を与えて上述の電磁変換特性を評価するようにしてもよい。
また、以上の実施の形態では特に図3及び図4に明示されるように、環状回転体3の外周部において、3列の小孔群を形成し、この径内方には溝19及びこの底壁部に連通する環状の小孔群19aを形成するようにしたが、これら小孔群19aを省略して溝19の底面に1個の連通孔を形成し、これに真空排気手段を接続するようにしてもよい。また、溝19の代わりに径外方の小孔群17と同様に環状に複数の径内方に小孔群を形成するようにしてもよい。
1・・・磁気テープ、2・・・磁気シート、3・・・回転ドラム、4・・・スピンドル、5・・・モータ、6・・・X軸ステージ、7・・・Z軸ステージ、8・・・信号発生器、9・・・記録アンプ、再生アンプ、10・・・磁気ヘッド、11・・・スペクトルアナライザ、12・・・ストレージオシロスコープ、13・・・ドロップアウトカウンタ、17・・・小さな孔、41・・・左右バランス調整機構、42・・・あおり調整機構、44・・・透明フィルム、47・・・干渉縞、A・・・ヘッドあおり機構、B・・・左右バランス調整機構、Q・・・磁気ヘッドの上昇制限機構
Claims (17)
- 磁気テープから評価試料として磁気シートを切り出す工程と、
前記磁気シートに垂直な線と平行な回転軸芯を有する環状の回転体の環状表面に前記磁気シートの外周部を吸着させる工程と、
前記磁気シートの表面に再生用磁気ヘッドと記録用磁気ヘッドとを接触させる工程と、
前記記録用磁気ヘッドに電気的に信号発生器を接続させる工程と、
前記再生用磁気ヘッドに電磁変換特性測定手段を電気的に接続させる工程と、
からなることを特徴とする電磁変換特性評価方法。 - 前記吸着は前記回転体の環状表面に形成した環状の小孔群に接続する排気手段により行われることを特徴とする請求項1に記載の電磁変換特性評価方法。
- 前記小孔群は径外方小孔群と径内方小孔群または溝とから成り、前記径内方小孔群または溝の真空吸引力(V2)は真空レギュレータにより調節可能であり、前記径外方小孔群の真空吸引力(V1)より小とされることを特徴とする請求項2に記載の電磁変換特性評価方法。
- 前記記録用磁気ヘッド及び前記再生用磁気ヘッドは前記磁気シートの外周部から前記回転体の軸芯に向かう方向に、又は前記方向とは逆方向にステップ的に又は連続的に移動可能としたことを特徴とする請求項1に記載の電磁変換特性評価方法。
- 前記信号発生器は出力周波数及び電流の出力レベルを変化させることを特徴とする請求項1に記載の電磁変換特性評価方法。
- 前記電磁変換特性測定手段はスペクトルアナライザ、ストレージオシロスコープ及びドロップアウトカウンタであることを特徴とする請求項1に記載の電磁変換特性評価方法。
- 電磁変換特性評価測定前に前記磁気テープの透明ベースフィルムを評価試料として切り出し、前記記録用磁気ヘッド及び前記再生用磁気ヘッドの位置調整が光干渉縞を用いて行われることを特徴とする請求項1に記載の電磁変換特性評価方法。
- 前記記録用ヘッドと前記再生用磁気ヘッドとは一体化されて録再ヘッドされており、この録再ヘッドの前記位置調整は、Y軸の周りの回動調整と、X軸の周りの回動調整と、Z軸方向の移動調整とから成り、前記録再ヘッドのギャップ中心が前記光干渉縞の中心となるようにして行われることを特徴とする請求項7に記載の電磁変換特性評価方法。
- 前記磁気シートは円形であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電磁変換特性評価方法。
- 環状回転体と、
前記環状回転体を回転駆動する回転駆動手段と、
前記環状回転体の環状表面に形成した環状の小穴群に連通して設けられた真空排気手段と、
記録用磁気ヘッド及び再生用磁気ヘッドと、
前記記録用磁気ヘッド及び前記再生用磁気ヘッドの位置を調整する位置調整手段と、
前記記録用磁気ヘッドに電気的に接続される信号発生器と、
前記再生用磁気ヘッドに電気的に接続される評価特性測定手段と、
を具備し、磁気テープから評価試料として切り出した磁気シートを前記環状回転体の環状表面に載置し,前記真空排気手段を作動させて、前記磁気シートの外周部を吸着し、前記記録磁気ヘッド及び前記再生用磁気ヘッドを前記位置調整手段により前記磁気シートに対する位置を調整して接触させ、前記記録用磁気ヘッドは前記記録信号発生器から周波数が変化する信号及び/又は電流の強さが変化する電気信号を受け、前記再生用磁気ヘッドは前記記録用磁気ヘッドにより前記磁気シートに記録された信号を再生して、この再生信号を前記評価測定手段に供給するようにしたことを特徴とする電磁変換特性評価装置。 - 前記小孔群は径外方小孔群と径内方小孔群または溝とから成り、前記径内方小孔群または溝の真空吸引力(V2)は真空レギュレータにより調節可能であり、前記径外方小孔群の真空吸引力(V1)より小とされることを特徴とする請求項10に記載の電磁変換特性評価装置。
- 前記記録用磁気ヘッド及び前記再生用磁気ヘッドは、前記切り出しシートの外周部から前記回転体の軸芯に向かう方向に又は前記方向とは逆方向にステップ的に又は連続的に移動可能としたことを特徴とする請求項10に記載の電磁変換特性評価装置。
- 前記信号発生器は出力周波数及び/又は電流の出力レベルを変化させることを特徴とする請求項10に記載の電磁変換特性評価装置。
- 前記電磁変換特性測定手段はスペクトルアナライザ、ストレージオシロスコープ及びドロップアウトカウンタであることを特徴とする請求項10に記載の電磁変換特性評価装置。
- 電磁変換特性評価測定前に前記磁気テープの透明ベースフィルムを評価試料として切り出し、前記記録用磁気ヘッド及び前記再生用磁気ヘッドの前記位置調整手段による位置調整に光干渉縞を用いて行われることを特徴とする請求項10に記載の電磁変換特性評価装置。
- 前記記録用ヘッドと前記再生用磁気ヘッドとは一体化されて録再ヘッドされており、この録再ヘッドの前記位置調整は、Y軸の周りの回動調整手段と、X軸の周りの回動調整手段と、Z軸方向の移動調節手段とから成り、前記録再ヘッドのギャップ中心が前記光干渉縞の中心となるように調整されることを特徴とする請求項15に記載の電磁変換特性評価装置。
- 前記磁気シートは円形であることを特徴とする請求項10〜14のいずれかに記載の電磁変換特性評価装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2005294649A JP2007102974A (ja) | 2005-10-07 | 2005-10-07 | 電磁変換特性評価方法及び電磁変換特性評価装置 |
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---|---|---|---|---|
JP2012073240A (ja) * | 2010-09-28 | 2012-04-12 | Tektronix Inc | 試験測定機器及びその動作方法 |
JP2013065379A (ja) * | 2011-09-16 | 2013-04-11 | Hitachi Maxell Ltd | 塗布面観察のための塗布シートの保持方法 |
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2005
- 2005-10-07 JP JP2005294649A patent/JP2007102974A/ja not_active Abandoned
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