JP2007099807A - 粘着シートの製造方法 - Google Patents

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裕介 橋本
Toshio Yoshihara
俊夫 吉原
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Abstract

【課題】乾燥部内で急激に乾燥しても、基材シートとの間の剥離強度の上昇を抑制し所望の剥離強度で剥離可能な粘着シートの製造方法を提供すること。
【解決手段】粘着剤組成物に希釈溶剤を添加して粘着剤塗液を調製し、その粘着剤塗液を一方の離型シートに塗布して粘着剤塗膜を形成し、その粘着剤塗膜を乾燥させて粘着剤層となし、次いで他方の離型シートを粘着剤層に積層する粘着シートの製造方法である。希釈溶剤に、1気圧における沸点が120℃以下の1種以上の低沸点溶剤と、その低沸点溶剤の沸点よりも高沸点である高沸点溶剤とを用い、その高沸点溶剤の希釈溶剤中の含有量を5重量%〜20重量%とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、粘着シートの製造方法に関し、さらに詳しくはPDP等のディスプレイの前面に貼り合わせて使用される光学フィルムに用いる粘着シートの製造方法に関する。
プラズマディスプレイパネル(PDP)は、薄型・軽量であることから、近年、種々の表示装置に使用されている。PDPは、発光にプラズマ放電を利用しているので、周波数帯域が30MHz〜130MHzの不要な電磁波を外部に漏洩するため、人体や他の機器(例えば情報処理装置等)へ悪影響を与えるおそれがあり、電磁波を抑制することが要求されている。また、ディスプレイパネルにおいては、画像のコントラストの低下を防止するため、外光の反射防止が必要である。特に、PDPを用いた映像装置は、表示面が平面であるため、外光が差し込んだ際に広い範囲で反射した光が同時に目に入り画面が見にくくなる場合があり、外光の反射防止が必要である。また、近赤外線の波長はリモートコントロール装置あるいは光通信機器等で使用される赤外線の波長領域に近いため、これらの機器や装置をPDPの近傍で動作させた場合、正常な動作が阻害されるおそれがある。また、PDPの発光を所定の透過率で透過させ、良好な画面表示をする必要もある。
これに対し、電磁波シールド性や光透過性に優れることから、近年、透明なガラスやプラスチック基材上に金属薄膜からなるメッシュや透明導電膜を形成した光学フィルムを用い、この光学フィルムを粘着剤層を介してPDPパネルに直接貼り合わせるディスプレイ用光学フィルムが提案されている(例えば、特許文献1,2)。
この光学フィルムは、基材、反射防止、電磁波カット、そして赤外線カット等の機能を有するフィルムが粘着剤層を介して複数積層された構造を有している。光学フィルムを作製する場合、例えば粘着剤層を一対の離型シートで挟持した粘着シートを用い、一方の離型シートを粘着剤層から剥して被着体の一のフィルムを粘着剤層に積層し、次いで他方の離型シートを粘着剤層から剥した後、被着体の別のフィルムを粘着剤層に積層し、一対のフィルムを粘着剤層を介して加熱圧着して一体化している。
ここで、光学フィルムの作製に用いる粘着シートは、例えば、以下の方法により製造されている。すなわち、支持体となる一方の離型シートが巻き取られている供給ロールから繰り出された離型シートは、塗工部で溶剤を含む粘着剤塗液を塗布され、次いで乾燥部を通過させ熱風乾燥等により所定温度で加熱し粘着剤塗膜中の溶剤を除去して粘着剤層を形成し、次いで他方の離型シートを粘着剤層に積層させて巻き取ることにより粘着シートが製造されている。
特開2000−32389号公報 特開2005−22365号公報
しかしながら、乾燥部内で急激に加熱されると、粘着剤塗膜の表面のみが乾燥し、塗膜表面のみが固化・析出し、支持体となる離型シート(以下、基材シートという)と粘着剤層との間の剥離強度が増加し、基材シートを粘着剤層から剥離することが困難になるという問題があった。急激な加熱を防ぐ方法としては、例えば乾燥部内に温度勾配を設け、すなわち乾燥部の入口から徐々に乾燥温度を上昇させ、より温和な条件で乾燥する方法が考えられる。しかし、その方法は乾燥時間を長くする必要があり、製造コストの上昇をもたらすという問題がある。
そこで、本発明は、上記課題を解決し、乾燥部内で急激に乾燥しても、基材シートとの間の剥離強度の上昇を抑制し所望の剥離強度で剥離可能な粘着シートの製造方法を提供することを目的とした。
上記課題を解決するため、本発明の粘着シートの製造方法は、粘着剤組成物に希釈溶剤を添加して粘着剤塗液を調製し、該粘着剤塗液を一方の離型シートに塗布して粘着剤塗膜を形成し、該粘着剤塗膜を乾燥させて粘着剤層となし、次いで他方の離型シートを該粘着剤層に積層する粘着シートの製造方法であって、上記希釈溶剤に、1気圧における沸点が120℃以下の1種以上の低沸点溶剤と、該低沸点溶剤の沸点よりも高沸点の高沸点溶剤とを用い、該高沸点溶剤の希釈溶剤中の含有量が5重量%〜20重量%であることを特徴とする。
塗膜の乾燥工程は、一般に、材料予熱期間と、恒率期間と、減率期間とからなる。材料予熱期間では、粘着剤塗膜の表面温度が上昇し、一定温度に保たれる。この間は、熱風からの熱は塗膜の温度上昇に用いられ、塗膜の乾燥には用いられない。恒率期間では、塗膜の表面温度が概ね一定に保たれた状態で、最大蒸発速度で溶剤の蒸発が続く。塗膜表面からの溶剤の蒸発に伴って、塗膜内部から溶剤が表面に移動する。減率期間では、塗膜の温度が上昇する一方、溶剤の蒸発速度が低下し、塗膜内の溶剤の含有率が平衡溶剤含有率に達して乾燥が終了する。しかし、急激に塗膜を加熱した場合、溶剤の急激な蒸発により恒率期間を短くできるが、塗膜の表面の固化が進行し溶剤の蒸発を阻害するため、減率期間においても溶剤が残留し易くなる。残留溶剤が所望以上に存在すると、塗膜内の粘着剤の粘度が低下することで、塗膜内の低分子粘着剤が塗膜表面へ移行しやすくなり、塗膜表面の粘性が向上する。その結果、基材シートと粘着剤層との間の剥離強度が増大することとなる。詳細は明らかではないが、本発明では、粘着剤塗液の希釈剤に高沸点の溶剤を添加することにより、塗膜表面の固化を抑制して、他の溶剤の蒸発を促進する。これにより、塗膜内の粘着剤の粘度が増加することで低分子領域の粘着剤の移行が抑えられる結果、基材シートと粘着剤層との間の剥離強度が所望の範囲に抑えられると考えられる。
また、本発明においては、粘着剤組成物が溶剤を含む場合、その溶剤の沸点が希釈溶剤中の最も高沸点の溶剤の沸点よりも低いことが好ましい。
また、本発明においては、高沸点溶剤には、希釈溶剤中の低沸点溶剤中の最も高沸点の溶剤よりも少なくとも40℃以上沸点が高い溶剤を用いることが好ましい。
また、本発明においては、乾燥後の粘着剤層中の残留溶剤量が、7.0 mg/m以下であることが好ましい。
また、本発明においては、希釈溶剤に含まれる低沸点溶剤が、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチルから選択された1種以上の溶剤であることが好ましい。これに対し、高沸点溶剤は、メチルブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルから選択された1種の溶剤であることが好ましい。
本発明によれば、1気圧における沸点が120℃以下の1種以上の低沸点溶剤と該低沸点溶剤よりも高沸点の高沸点溶剤とを用い、高沸点溶剤の希釈溶剤中の含有量を(5重量%〜20重量%)としたので、乾燥部内で急激に粘着剤塗膜を加熱しても、塗膜の表面のみが固化することがないので、基材シートを所望範囲内の剥離強度で剥離することができる。また、希釈溶剤の組成を変更するだけでよいので、乾燥時間を長くする必要がなく、製造コストを大きく増加させることもない。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明においては、粘着シートは、少なくとも、基材シートに粘着剤塗液を塗布する塗工工程と、塗布した塗膜を乾燥させる乾燥工程と、形成した粘着剤層に離型シートを積層するラミネート工程を含む製造方法により製造することができる。すなわち、支持体となる一方の離型シートが巻き取られている供給ロールから繰り出された離型シートは、塗工部で溶剤を含む粘着剤塗液を塗布される。ここで、粘着剤塗液は、良好な塗膜を形成すべく、予め粘着剤を希釈溶剤により希釈して所望粘度に調製する。次いで、粘着剤塗液を塗布された離型シートは乾燥部を通過して熱風乾燥等により粘着剤塗膜中の溶剤が除去され、粘着剤層が形成される。次いで他方の離型シートを粘着剤層に積層させて巻き取りロールに巻き取ることにより粘着シートを製造する。
図1は、本発明の製造方法を用いて作製した粘着シートの構造の一例を示す模式断面図である。粘着シートAは、第1の離型シート1と第2の離型シート2が粘着剤層3を介して積層された構造を有する。第1の離型シート1は、基材シート11と、その表面に積層され粘着剤層4に接する離型層12とを有している。また第2の離型シート2も、基材シート21と、その表面に積層され粘着剤層4に接する離型層22とを有している。第1の離型シート1と粘着剤層3との間の剥離強度(以下、一次剥離強度という)は、第2の離型シート2と粘着剤層3との間の剥離強度(以下、二次剥離強度という)に比べ低強度であり、第1の離型シートを剥がす時、第1の離型シートのみが容易に剥がせるように設定されている。例えば、JIS Z0237に準じる剥離強度試験において、一次剥離強度とニ次剥離強度の差が10mN/25mm以上であり、かつ二次剥離強度が250mN/25mm以下であることが好ましい。
本発明においては、粘着剤層を形成する粘着剤としては、従来公知の粘着テープやシール類に使用されているゴム系樹脂やアクリル系樹脂を用いることができるが、高分子量重合体が得られるアクリル系樹脂が好ましい。アクリル系樹脂には、アルキル基を有するビニルモノマーを主成分とし、官能基を有する種々のビニルモノマーを共重合したものを用いることができる。アルキル基を有するビニルモノマーには、炭素数1から18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。また、官能基を有するビニルモノマーには、ヒドロキシル基を有するビニルモノマー、カルボキシル基を有するビニルモノマー、アミド基を有するビニルモノマー、アミノ基を有するビニルモノマー、アルコキシ基を有するビニルモノマー、エチレンオキサイド基を有するビニルモノマー等を挙げることができる。
ここで、ヒドロキシル基を有するビニルモノマーには、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。また、カルボキシル基を有するビニルモノマーには、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸等を挙げることができる。また、アミド基を有するビニルモノマーには、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N‘−メチレンビス(メタ)アクリルアミド等を挙げることができる。また、アミノ基を有するビニルモノマーには、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。また、アルコキシ基を有するビニルモノマーには、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。また、エチレンオキサイド基を有するビニルモノマーには、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
さらに、必要に応じて、スチレン、クロロスチレン、α―メチルスチレン、ビニルトルエン、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリロニトリル等のモノマーを共重合することもできる。
これらのアクリル系樹脂には、適当な粘着付与剤、例えば、ロジン、ダンマル、重合ロジン、部分水添ロジン、エステルロジン、ポリテルペン系樹脂、テルペン変性体、石油系樹脂、シクロペンタジエン系樹脂、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂、キシレン系樹脂、クマロンインデン系樹脂等を適当量添加することができる。さらに必要に応じて、軟化剤、充填剤も添加することができる。
また、ヒドロキシル基やカルボキシル基を含むアクリル系樹脂を用いる場合、架橋剤としてポリエポキサイド化合物やポリイソシアネート化合物を用いることが好ましい。ポリエポキサイド化合物としては、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグロセロールポリグリシジルエーテル、トリグリシジル−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、レゾルシングリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジクリシジルエーテル、ビスフェノール−S−ジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル等を挙げることができる。また、ポリイソシアネート化合物としては、トルイレンジイソシアネート、2,4−トルイレンジイソシアネートダイマー、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス−(p−イソシアネートフェニル)チオホスファイト、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができる。
本発明に用いる離型シートは、通常粘着シートの支持体として使用できるものであればいずれでもよく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン、エチレン−4フッ化エチレン共重合体等のポリフッ化エチレン系樹脂、ナイロン6、ナイロン6.6等のポリアミド、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロン等のビニル共重合体、三酢酸セルロース、セロファン等のセルロース系樹脂、ポリメタアクリル酸メチル、ポリメタアクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリイミド等の合成樹脂フィルム又はシートの単層体又は複数の積層体等が挙げられる。
離型シートの厚みは特に限定されないが、12〜200μmが好ましい。また離型シートと粘着剤層との接着性を向上させるため、必要に応じて基材表面にコロナ放電処理、プラズマ処理、プライマーコート、脱脂処理、表面粗面化処理等の易接着性処理を行うこともできる。
離型シートの離型層は離型処理により形成することができる。例えば、フッ素系樹脂、パラフィンワックス、モンタンワックス、合成ワックス等のワックス類や、シリコーン等の離型剤を、アクリル樹脂、セルロース系樹脂又はビニル系樹脂に添加して塗液を調製し、その塗液を離型シート用基材に塗布して乾燥して離型層を形成することにより行うことができる。また、フッ素系樹脂、シリコーン、ポリシロキサン、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、多官能アクリレート、ポリエステル、エポキシ、チタンキレート、ポリイミン等の樹脂を離型シート用基材に塗布して塗膜を形成するか、上記の樹脂をエクストルージョンコート等により離型シート用基材にラミネートして離型層を形成することにより行うこともできる。
粘着剤塗液の調製に用いる希釈溶剤には、沸点が120℃以下の1種以上の低沸点溶剤と、その低沸点溶剤よりも高沸点の高沸点溶剤との混合溶剤を用いることができる。ここで、120℃以下としたのは、基材シートの耐熱性を考慮した乾燥温度130℃以下で、できるだけ速やかに蒸発する必要があるからである。さらに、高沸点溶剤は、好ましくは、低沸点溶剤の中で最も高沸点の溶剤よりも少なくとも40℃以上、より好ましくは40℃以上80℃以下高い沸点を有するものを用いることが好ましい。高沸点溶剤は、塗膜表面の固化を防止して他の低沸点の蒸発を促進する働きをするものである。また、塗工時の塗液の粘度上昇を抑制して塗工性を向上させる働きも有する。低沸点溶剤の具体例を挙げれば、炭化水素系溶剤としては、トルエン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ノルマルヘプタン等を挙げることができ、ケトン系溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)等を挙げることができ、エステル系溶剤としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル等を挙げることができ、エーテル系溶剤としては、1,4−ジオキサン等を挙げることができる。好ましくは、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチルから選択された1種以上の溶剤である。これに対し、高沸点溶剤には、メチルブチルケトン、ダイアセトンアルコール、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等を挙げることができる。好ましくは、メチルブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルから選択された1種の溶剤である。また、高沸点溶剤の希釈溶剤中の含有量は、5〜20重量%、より好ましくは7〜15重量%である。5重量%より少ないと、低沸点溶剤の蒸発促進に十分な効果がなく、また20重量%を超えると、高沸点溶剤自体が塗膜内から完全に除去されず、塗膜内に残留する可能性があるからである。
粘着剤塗液中の固形分濃度は、塗工性及び乾燥時間短縮のため、15〜40重量%とすることが好ましい。固形分濃度がその濃度範囲となるように、樹脂成分を希釈溶剤で希釈して塗液を調整する。
粘着剤塗液を基材シートに塗布するには、コンマコーター、リバースコーター、ナイフコーター、バーコーター、スロットダイコーター、グラビアコーター等を用いることができる。塗布量は、乾燥重量で15から35g/mが好ましい。
乾燥部には、塗工部から供給された基材シートに直接熱風を吹き付ける構造を有するものであれば特に限定されないが、基材シートの上下から熱風を吹き付ける方法が好ましい。例えば、基材両面にノズルを交互に配置したエアーフローティング型や、乾燥用熱風系と基材搬送系が独立しているロールサポート型の乾燥方法を用いることができる。なお、乾燥温度は、100から130℃である。100℃より低いと乾燥時間が長くなり、130℃よりも高いと基材シートが熱により軟化し塗布が困難となるからである。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
実施例1.
(粘着シートの作製)
離型シートには、PET基材に離型層を設けた帝人デュポン製のピューレックスA31とA43(厚さ38μm)を用いた。
粘着剤塗液は、アクリル系樹脂の粘着剤(SKダイン2094:綜研化学製、固形分25.0%、溶剤は酢酸エチルとメチルエチルケトン)と架橋剤(E−5XM、L−45:綜研化学製)を、希釈溶剤(トルエン/メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=27.69g/27.69g/4.61g)で、粘着剤/E−5XM/L−45/希釈溶剤=200g/0.5g/0.66g/60gの割合となるように希釈して調製した。一方の離型シートの粘着剤塗布面に、粘着剤塗液を乾燥重量で27.5g/mとなるようにバーコーターで塗布し、乾燥後、他方の離型シートを粘着剤層に貼り合せて粘着シートを作製した。
乾燥は、粘着剤を塗布した離型シートに直接熱風をあてるエアフローティング可能なノズルを備えた乾燥オーブンを用いて行った。
粘着剤塗液の組成及び乾燥条件を表1に示す。
なお、本実施例では、希釈溶剤中の低沸点溶剤はトルエンとメチルエチルケトンであり、高沸点溶剤はシクロヘキサノンである。また、粘着剤中の溶剤である酢酸エチルは低沸点溶剤に含まれる。そして、酢酸エチル、トルエン、メチルエチルケトン、そしてシクロヘキサノンの沸点は、それぞれ、77℃、110℃、79℃、156℃である。高沸点溶剤であるシクロヘキサノンの沸点は、低沸点溶剤の中で最も高沸点であるトルエンよりも46℃高い沸点を有している。
Figure 2007099807
(二次剥離強度の評価)
二次剥離強度は、幅25mm、長さ150mmの粘着シートを用い、JIS Z0237に準じ、オリエンテック製のテンシロン引張試験機により300mm/min、180度で剥がした時の剥離強度を測定した。結果を表2に示す。
(対ガラス剥離強度の評価)
被着体に青板ガラスを用い、上記の二次剥離強度の評価の場合と同様の方法により粘着シートの剥離強度を測定した。結果を表2に示す。
(残留溶剤量の評価)
残留溶剤は、縦10mm、横10mmにサンプルカットした粘着シートにおいて、第1の離型シートを剥がし、塗膜内の残留溶剤が蒸発しないようバイアル瓶内に封入した。次いで、50℃〜200℃で昇温し、揮発成分をヘッドスペース方により測定した。結果を表2に示す。
Figure 2007099807
(結果)
表2に示すように、実施例1によれば、高沸点溶剤としてシクロヘキサノンを添加することにより比較例1と2に比べ二次剥離強度を低下させ、かつ必要とされる範囲内の値とすることができた。また、対ガラス剥離強度は比較例と同等であり、被着体に対しては十分な剥離強度を得ることができた。また、残留溶剤量を大幅に減らすことができた。なお、実施例1において、シクロヘキサノンの残留量はトルエンと同程度であった。
本発明の製造方法を用いて作製した粘着シートの構造の一例を示す模式断面図である。
符号の説明
1 第1の離型シート
11 基材シート
12 離型層
2 第2の離型シート
21 基材シート
22 離型層
3 粘着剤層
A 粘着シート

Claims (4)

  1. 粘着剤組成物に希釈溶剤を添加して粘着剤塗液を調製し、該粘着剤塗液を一方の離型シートに塗布して粘着剤塗膜を形成し、該粘着剤塗膜を乾燥させて粘着剤層となし、次いで他方の離型シートを該粘着剤層に積層する粘着シートの製造方法であって、
    上記希釈溶剤に、1気圧における沸点が120℃以下の1種以上の低沸点溶剤と、該低沸点溶剤の沸点よりも高沸点である高沸点溶剤とを用い、該高沸点溶剤の希釈溶剤中の含有量が5重量%〜20重量%である粘着シートの製造方法。
  2. 上記粘着剤組成物が溶剤を含んでおり、該溶剤の沸点が上記希釈溶剤中の高沸点の溶剤の沸点よりも低い請求項1記載の製造方法。
  3. 上記高沸点溶剤が、上記低沸点溶剤中で最も高い沸点を有する溶剤よりも少なくとも40℃以上沸点が高い請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 乾燥後の上記粘着剤層中の残留溶剤量が、7.0mg/m以下である請求項1から3のいずれか一つに記載の製造方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011122013A (ja) * 2009-12-09 2011-06-23 Saiden Chemical Industry Co Ltd 光学用粘着剤組成物
KR102154449B1 (ko) * 2019-12-03 2020-09-09 주식회사 위테이프 스포츠테이프 및 이의 제조방법

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