JP2007098233A - ジグザグ状エアフィルタ用濾材およびエアフィルタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】不織布からなる濾材の表裏両面の少なくとも両端部近傍に樹脂を塗付して樹脂層を形成し、固化した樹脂層によって折山間隔が保持されるように濾材をジグザグ状に折り畳んだジグザグ状エアフィルタ用濾材において、ジグザグ状の濾材の頂部から離れた位置から頂部にかけて前記樹脂層が徐々に幅広かつ厚くなるように形成されていることを特徴とするジグザグ状エアフィルタ用濾材。
【選択図】 図1
Description
また、特許文献3に記載されたジグザグ状エアフィルタにあっては、第1の樹脂層上に、第1の樹脂層と同一の幅と厚さで第2の樹脂層を形成するのが困難であることから、第2の樹脂層が第1の樹脂層よりも幅が狭くかつ薄く塗り重ねられがちであり、隣接する頂部を押圧するのに適した厚さの第2の樹脂層を形成できなかった。また、第1の樹脂層を塗付した後に、第2の樹脂層を塗付するためには、塗付機が2台必要となり、装置が複雑化してコストアップにつながるという問題もあった。
そこで、本発明は、空気の流通方向に対して濾材を傾斜させ、スムーズに空気を濾材に流通させるようにすることができ、圧力損失の上昇を防止したジグザグ状エアフィルタ用濾材を提供することを目的とする。
また、請求項2記載のジグザグ状エアフィルタ用濾材は、請求項1記載のジグザグ状エアフィルタ用濾材において、前記樹脂層がジグザグ状に折り畳んだ濾材の頂部から離れるに従って段差を有して薄くなるように形成されていることを特徴とする。
また、請求項3記載のジグザグ状エアフィルタ用濾材は、請求項1または2記載のジグザグ状エアフィルタ用濾材において、前記樹脂層がジグザグ状に折り畳んだ濾材の折山線を挟んで対称な形状となるように形成されていることを特徴とする。
また、請求項4記載のジグザグ状エアフィルタ用濾材は、請求項1または2記載のジグザグ状エアフィルタ用濾材において、前記樹脂層がジグザグ状に折り畳んだ濾材の折山線を挟んで非対称な形状となるように形成されていることを特徴とする。
本発明のエアフィルタは、請求項5記載の通り、請求項1乃至4のいずれかに記載されたジグザグ状エアフィルタ用濾材を用いたことを特徴とする。
濾材1の表裏両面には、濾材を挟んで対向するように塗付機のノズル5が設置されている(図1において濾材1の下面に設置されたノズルは図略)。塗付機は、図略の少量の樹脂を供給するためのギヤポンプAと多量の樹脂を供給するためのギヤポンプBを備えており、電磁バルブによって、ノズル5に連結するポンプを瞬時に切り替えることができるようにしている。
先ず、ギヤポンプAによってノズル5から少量の樹脂を長手方向に移動している濾材1の表面に塗付し、幅狭かつ薄い樹脂層2bを形成する。次に、所定の時間経過後に、電磁バルブを切り替えて、ギヤポンプBによってノズル5から多量の樹脂を濾材1の表面に続けて塗付し、樹脂層2bに続いて幅広かつ厚い樹脂層2aを形成する。そして、所定の時間経過後に、電磁バルブを再び切り替えて、ギヤポンプAによってノズル5から少量の樹脂を続けて塗付し、再び幅狭かつ薄い樹脂層2bを形成する。この工程を繰り返すことによって、濾材1の表面に、濾材1をジグザグ状に折り畳んだ際の折山頂線となる折山線1a、1bを中心線として、この折山線1a、1bを挟んで対称となるように幅広かつ厚い樹脂層2aと幅狭かつ薄い樹脂層2bが段差を有して連続した樹脂層2を形成している。濾材1の裏面にも、濾材1を挟んでノズル5に対向するように設置したノズル(図略)から樹脂を同様に供給し、折山頂線(濾材1の表面からみた谷底線)となる折山線1a´、1b´を中心線として、この折山線1a´、1b´を挟んで対称となるように幅広かつ厚い樹脂層2a´と幅狭かつ薄い樹脂層2b´が段差を有して連続した樹脂層2´を形成している。
尚、本実施の形態においては、濾材1の幅方向に3列の樹脂層を形成したが、樹脂層の列数は3列に限らない。樹脂層は少なくとも濾材1の両端部にそれぞれ1本ずつ形成することが好ましい。
尚、ジグザグ状の濾材の頂部から離れた位置から頂部にかけて樹脂層を徐々に幅広かつ厚くなるように形成するために、電磁バルブでギヤポンプを切り替えて樹脂の塗付量を変えることに加え、濾材1を長手方向の先に送るための駆動ロール(フィードロール)の速度を変えることを行ってもよい。これらを組み合わせることで、幅方向と厚さ方向についてよりなだらかな勾配を有する樹脂層を形成することができる。
(実施例1)
実施例1のジグザグ状エアフィルタ用濾材として、図2に示すようにして折山線1a、1b(1a´、1b´)を挟んで対称となるように樹脂層2(2´)を形成した。
濾材1としては、厚さ0.6mmのガラス繊維からなる不織布を用いた。樹脂層2(2´)は、ポリエステル樹脂を用い、濾材1の表裏両面に、折山線1a、1b(1a´、1b´)を中心線として、その両側に長さ25mm(全長50mm)、幅3.0mm、厚さ2.0mmの幅広かつ厚い樹脂層2a(2a´)と、長さ25mm、幅1.0mm、厚さ1.0mmの幅狭かつ薄い樹脂層2b(2b´)を連続的に形成した。樹脂層2、2´は、濾材1の幅方向に24列形成した。
実施例1のジグザグ状エアフィルタ用濾材は、濾材1を折り畳み幅125mmの間隔でジグザグ状に折り畳むことで、120山、幅610mm、高さ605mm、厚さ125mmのフィルタパックの形状とした。
このフィルタパックの両側にアルミニウム製側枠を配置し、ウレタン樹脂シール剤aで両者を接着固定した。さらに、フィルタパックの上下側にアルミニウム製上下枠を配置し、ウレタン樹脂シール剤bで両者を接着固定し、縦610mm×横610mm×奥行150mmのエアフィルタを作製した。
実施例1のジグザグ状エアフィルタ用濾材は、ジグザグ状に折り畳まれた濾材1の折山間の頂部近傍で、隣接する幅広かつ厚い樹脂層2a(2a´)の端部の段差の角部同士が接触し、隣接する頂部1a、1bを押圧する。また、折山間の谷部側で、隣接する幅狭かつ薄い樹脂層2b(2b´)の端部の段差の角部同士が接触し、隣接する折山を押圧する。従って、実施例1のジグザグ状エアフィルタ用濾材1は、樹脂層2、2´によって頂部1a、1b(1a´、1b´)が鋭角状となり、頂部と頂部の間の濾材が空気の流通方向に対して傾斜した状態で配置される。
実施例1のジグザグ状エアフィルタ用濾材を用いて作製したエアフィルタに対して、風量56m3/minの気流を通過させたところ、比色法90%時における圧力損失は100Paであった。
実施例2のジグザグ状エアフィルタ用濾材として、図5に示すようにして折山線1a、1b(1a´、1b´)を挟んで非対称となるように樹脂層4(4´)を形成した。
濾材1としては、厚さ0.6mmのガラス繊維からなる不織布を用いた。樹脂層4(4´)は、ポリエステル樹脂を用い、濾材1の表裏両面に、折山線1a、1b(1a´、1b´)を中心線として、その両側に長さ20mm(図4に示す折山線の左側)と長さ30mm(図4に示す折山線の右側)(全長50mm)、幅3.0mm、厚さ2.0mmの幅広かつ厚い樹脂層4a(4a´)と、長さ25mm、幅1.0mm、厚さ1.0mmの幅狭かつ薄い樹脂層4b(4b´)を連続的に形成した。樹脂層4、4´は、濾材1の幅方向に24列形成した。
実施例2のジグザグ状エアフィルタ用濾材は、濾材1を折り畳み幅125mmの間隔でジグザグ状に折り畳むことで、120山、幅610mm、高さ605mm、厚さ125mmのフィルタパックの形状とした。そして、このフィルタパックを用いて、実施例1と同様にして、縦610mm×横610mm×奥行150mmのエアフィルタを作製した。
実施例2のジグザグ状エアフィルタ用濾材は、ジグザグ状に折り畳まれた濾材1の折山間の頂部近傍で、隣接する樹脂層4の一方の幅広かつ厚い樹脂層4a(4a´)の端部の段差の角部が他方の幅広かつ厚い樹脂層4a(4a´)の平面部に接触する。さらに、一方の幅狭かつ薄い樹脂層4b(4b´)の端部の段差の角部が、他方の幅狭かつ薄い樹脂層4b(4b´)の平面部に接触する。これにより、この折山間隔は、折山間の谷部側から頂部側に向かって順に、1mm、2mm、3mm、4mmと広くなり、谷部側から頂部側に向かって徐々により強く隣接する頂部を押圧するため、頂部がより確実に鋭角状となり、濾材1が空気の流通方向に対して傾斜した状態で配置される。
実施例2のジグザグ状エアフィルタ用濾材を用いて作製したエアフィルタに対して、風量56m3/minの気流を通過させたところ、比色法90%時における圧力損失は90Paであり、実施例1のジグザグ状エアフィルタ用濾材を用いて作製したエアフィルタよりも圧力損失は低かった。
比較例のエアフィルタ用濾材として、図6に示すようにして蛇行状に折り曲げた濾材10の間隔を樹脂層11で保持したものを用いた。
濾材1としては、厚さ0.6mmのガラス繊維からなる不織布を用いた。樹脂層11は、ポリエステル樹脂を用い、濾材1の表裏両面に、長さ100mm、幅1.5mm、厚さ1.0mmで連続的に形成した。樹脂層11は、濾材1の幅方向に24列形成した。
比較例の蛇行状エアフィルタ用濾材は、濾材10を折り畳み幅125mmの間隔で濾材と濾材の間が5mmとなるように蛇行状に折り畳むことで、120山、幅610mm、高さ605mm、厚さ125mmのフィルタパックの形状とした。そして、このフィルタパックを用いて、実施例1と同様にして、縦610mm×横610mm×奥行150mmのエアフィルタを作製した。
比較例のジグザグ状エアフィルタ用濾材を用いて作製したエアフィルタに対して、風量56m3/minの気流を通過させたところ、比色法90%時における圧力損失は140Paであり、実施例1や2のジグザグ状エアフィルタ用濾材を用いて作製したエアフィルタよりも圧力損失は高かった。
1a、1a´ 頂部、折山線
1b、1b´ 頂部、折山線
2、2´ 樹脂層
2a、2a´ 幅広かつ厚い樹脂層
2b、2b´ 幅狭かつ薄い樹脂層
3、3´ 樹脂層
3a、3a´ 第1の樹脂層(幅広かつ厚い樹脂層)
3b、3b´ 第2の樹脂層(第1の樹脂層よりも幅狭かつ薄い樹脂層)
3c、3c´ 第3の樹脂層(第2の樹脂層よりも幅狭かつ薄い樹脂層)
4、4´ 樹脂層
4a、4a´ 幅広かつ厚い樹脂層
4b、4b´ 幅狭かつ薄い樹脂層
5 ノズル
10 濾材
10a 蛇行状の頂部(曲面)
11 樹脂層
12 濾材
12a 頂部
13 濾材
14、15 押型
16 濾材
16a、16a´ 頂部
16b、16b´ 頂部
17、17´ 第1の樹脂層
18、18´ 第2の樹脂層
Claims (5)
- 不織布からなる濾材の表裏両面の少なくとも両端部近傍に樹脂を塗付して樹脂層を形成し、固化した樹脂層によって折山間隔が保持されるように濾材をジグザグ状に折り畳んだジグザグ状エアフィルタ用濾材において、ジグザグ状の濾材の頂部から離れた位置から頂部にかけて前記樹脂層が徐々に幅広かつ厚くなるように形成されていることを特徴とするジグザグ状エアフィルタ用濾材。
- 前記樹脂層がジグザグ状に折り畳んだ濾材の頂部から離れるに従って段差を有して薄くなるように形成されていることを特徴とする請求項1記載のジグザグ状エアフィルタ用濾材。
- 前記樹脂層がジグザグ状に折り畳んだ濾材の折山線を挟んで対称な形状となるように形成されていることを特徴とする請求項1または2記載のジグザグ状エアフィルタ用濾材。
- 前記樹脂層がジグザグ状に折り畳んだ濾材の折山線を挟んで非対称な形状となるように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のジグザグ状エアフィルタ用濾材。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載されたジグザグ状エアフィルタ用濾材を用いたことを特徴とするエアフィルタ。
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