JP2007097087A - 音量調整装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の操作感を保ちながら周囲騒音レベルの変化に対応して音量調整を行う音量調整装置を提供する。
【解決手段】周囲騒音量取得部(マイク27、制御部7)により再生開始時に第1周囲騒音量及びその後更新するように第2周囲騒音量が取得され、音源を増幅するための第1ゲインと、第1ゲイン設定時の第1周囲騒音量と現在の第2周囲騒音量の差に従って第2ゲインを設定し、再生部が第1ゲインと第2ゲインに基づき音源を増幅して再生し、周囲騒音量の変化に対応した第2ゲインを加味して再生音量の調整を行うことで、周囲の騒音の大きさに応じて再生音量が調整される音量調整装置である。
【選択図】図1
【解決手段】周囲騒音量取得部(マイク27、制御部7)により再生開始時に第1周囲騒音量及びその後更新するように第2周囲騒音量が取得され、音源を増幅するための第1ゲインと、第1ゲイン設定時の第1周囲騒音量と現在の第2周囲騒音量の差に従って第2ゲインを設定し、再生部が第1ゲインと第2ゲインに基づき音源を増幅して再生し、周囲騒音量の変化に対応した第2ゲインを加味して再生音量の調整を行うことで、周囲の騒音の大きさに応じて再生音量が調整される音量調整装置である。
【選択図】図1
Description
本発明は、音響機器に搭載され、周囲騒音量の変化に応じて適正な再生音量に調整する音量調節装置に関する。
一般に、屋外で携帯電話機や公衆電話から通話していた際に、周囲の騒音の音量によっては、相手の音声が聞き取りにくくなったり、相手に話が伝わらなかったりする場合がある。この問題を解決するため、公衆電話においては、受話器に受信音声の音量を上げるためのボタンスイッチを取り付けるなどの対策が取られている。
また別の手段として例えば、特許文献1において、外部の騒音量に基づいて、受信音声出力の増幅率を算出して、騒音量が大きいときには増幅率を大きくし、騒音量が小さいときには増幅率を小さくする電話機が提案されている。この電話機は、騒音に応じて音量調節を自動的に行うため、受信音声を聞き取り易くし、使い勝手を向上させている。
さらに特許文献2においては、コンピュータが出力する警告音や効果音の初期値として、周囲騒音レベルが小さい場合の騒音レベルと音量レベル、及び周囲騒音レベルが大きい場合の騒音レベルと音量レベルを設定する技術が開示されている。その後、周囲騒音レベルを測定し、警告音や効果音を出力する時には、初期値とその時点での周囲騒音レベルから警告音や効果音の音量レベルを設定する。周囲騒音レベルに合わせて警告音や効果音の音量レベルを設定するため、スピーカから出力される警告音や効果音が極端に大きな音に感じたり小さすぎると感じたりすることがなくなり、ユーザが警告音や効果音不快感をもったり、ミスの指摘を聞き逃すということが回避できる。
また、携帯型音声再生機としては例えば、コンパクトディスク(CD)等の記憶媒体を装填して音楽等を再生する音楽プレーヤがある。近年、記録媒体として大容量の記憶容量を持つハードディスクドライブ(HDD)を搭載するハードディスク型携帯音楽プレーヤや半導体メモリ(メモリカードを含む)を搭載する内蔵メモリ型携帯音楽プレーヤが普及している。これも同様に、周囲の騒音によって聴き取りにくくなる場合がある。音楽プレーヤには、音楽ファイル毎の音量レベルの違いや周囲騒音の影響を調整するためのボリューム調整が付属している。
特開平10−70600号公報
特開平10−75496号公報
前述したように周囲の騒音レベルに応じて受信音声の音量や再生音量を制御する場合には、基準となる音量が設定され、正しく測定された周囲の騒音レベルが必要となる。しかし、特許文献1に開示される技術には、受信音声を増幅にするに当たり音量調整の基準となるものが無く、周囲の騒音レベルとも関連していない。従って、受話器から出力される元の受信音声が元々小さい又は元々大きい場合でも同様な処置が行われるため、元の受信音声が大きくても周囲騒音が大きければ、受信音声は増幅され、受話器から出力される受信音声が大きくなりすぎて、聞き取りにくくなる可能性がある。
また、特許文献2では、ユーザが初期値として騒音レベルが小さい場合と、大きい場合との2つの音量レベルを与えなくてはならないので使い勝手が悪い。そのために、時間的にずれて周囲騒音レベルが小さい場所と大きい場所の2箇所で設定する必要があり、煩雑な作業を伴っている。
また音楽プレーヤにおいては、再生音量レベルを調整するボリュームが設けられているが、このボリューム調整は、設定された固定ゲインで増幅するため、周囲騒音の変化に追従して変化することができない。しかし屋外では周囲騒音が大きく変化するため、従来のボリューム調整方法では対応できない問題がある。例えば、音楽プレーヤを再生しつつ歩行していた時に横を車両等が通り過ぎた場合など、比較的短期間に周囲騒音レベルが変動すると、その時だけ音楽が聞きにくくなってしまう。また、周囲騒音レベルが違う環境へ時間的に余裕を持って移動した時などの比較的長期間の周囲騒音レベルの変動に対してはボリューム調整を再度行う必要があるなど、外部環境に十分に対応しているものではない。
そこで本発明は、従来の操作感を保ちながら周囲騒音レベルの変化に対応して音量調整を行う音量調整装置を提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために、周囲騒音量を取得する周囲騒音量取得部と、前記周囲騒音量取得部で取得した周囲騒音量を格納する周囲騒音量記憶部と、ユーザの操作に応じて第1ゲインを設定する音量設定部と、前記第1ゲイン設定時の周囲騒音量である第1周囲騒音量と現在の周囲騒音量である第2周囲騒音量との差に基づいて第2ゲインを設定する音量調整部と、前記第1ゲインおよび前記第2ゲインに基づいて音源信号を増幅して再生する再生部と、前記音量設定部において前記第1ゲインを設定処理中のときは、前記第2ゲインを無視して音源信号を増幅して再生するように制御する制御手段とを備える音量調整装置を提供する。
本発明によれば、ユーザは従来と同様のボリューム操作で、周囲騒音量の変化に対応した音量を得ることができる音量調整装置を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の音量自動調整装置を音響機器例えば、携帯型音楽プレーヤに搭載した一実施形態の構成例を示す。
この携帯型音楽プレーヤは、携帯型音楽プレーヤ本体1と、ユーザによる操作を指示するリモコン2と、再生した楽曲(又は音声)の1つの音声出力部位となるイヤホン3とで構成される。
図1は、本発明の音量自動調整装置を音響機器例えば、携帯型音楽プレーヤに搭載した一実施形態の構成例を示す。
この携帯型音楽プレーヤは、携帯型音楽プレーヤ本体1と、ユーザによる操作を指示するリモコン2と、再生した楽曲(又は音声)の1つの音声出力部位となるイヤホン3とで構成される。
携帯型音楽プレーヤ本体1は、楽曲ファイルや楽曲情報を記憶するためのHDDやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリからなるコンテンツ記憶部4と、周辺騒音量やゲイン情報等を記憶する情報記憶部5、音楽再生に関する動作のためのプログラムを予め格納するプログラム記憶部6と、プレーヤ全体を制御する制御部7と、リモコン2からの指示に従い楽曲を再生する再生部8と、イヤホン3の不使用時に再生した楽曲(又は音声)の1つの音声出力部位となるスピーカ9と、音楽再生に関する情報(曲名や再生時間等)や動作状態を表示し液晶表示画面上に設けられたタッチパネルにより入力指示が可能な表示部兼入力部10と、装置本体の電源のオン・オフを行う電源SW11と、外部のパーソナルコンピュータ(PC)13と接続するためのインターフェース機能を有する外部入出力端子12と、リモコン2と着脱自在に接続するための操作信号用端子14及び再生音声用端子15と、で構成される。
リモコン2には各種スイッチが付いており、音量の増減調整を行うボリュームSW21,22と、制御部7の指示による各種情報を表示する表示部23と、現在の楽曲よりも前の楽曲(前の曲番)に戻る指示を行う前SW24と、楽曲の再生開始及び停止の指示を行う再生停止SW25と、現在の楽曲よりも先の楽曲に進む指示を行う次SW26と、リモコン2周辺の周囲騒音を拾い上げるマイクロフォン27と、モードを選択するためのモードSW28と、イヤホン端子29とが備えられている。
次に、携帯型音楽プレーヤにおける各構成部位の動作について説明する。
この携帯型音楽プレーヤは、外部のパーソナルコンピュータ(PC)13が外部入力端子12を介して制御部7と接続され、コンテンツ記憶部4に楽曲ファイルとタイトル情報を含む楽曲情報が送付される。この楽曲情報は、携帯型音楽プレーヤ上でユーザが行う楽曲の検索や楽曲情報(タイトル、曲名、アーティスト名及び再生時間等)の確認に使用する。制御部7は、プログラム記憶部6に記憶されたプログラムに従ってコンテンツ記憶部4に保存された楽曲情報の一部を表示部兼入力部10に表示し、表示部兼入力部10からのユーザの選択指示に従って、コンテンツ記憶部4に保存された楽曲ファイルを再生部8に送付して再生を行う。
この携帯型音楽プレーヤは、外部のパーソナルコンピュータ(PC)13が外部入力端子12を介して制御部7と接続され、コンテンツ記憶部4に楽曲ファイルとタイトル情報を含む楽曲情報が送付される。この楽曲情報は、携帯型音楽プレーヤ上でユーザが行う楽曲の検索や楽曲情報(タイトル、曲名、アーティスト名及び再生時間等)の確認に使用する。制御部7は、プログラム記憶部6に記憶されたプログラムに従ってコンテンツ記憶部4に保存された楽曲情報の一部を表示部兼入力部10に表示し、表示部兼入力部10からのユーザの選択指示に従って、コンテンツ記憶部4に保存された楽曲ファイルを再生部8に送付して再生を行う。
また表示部兼入力部10やリモコン2から入力された各種情報を情報記憶部5に保存する。音楽を再生する場合は、制御部7はコンテンツ記憶部4から楽曲ファイルを再生部8に送付し、また情報記憶部5のゲイン情報を再生部8に送付する。再生部8は受信した楽曲ファイルを受信したゲインで増幅して、スピーカ9またはイヤホン3に出力する。イヤホン3が接続されている場合は、イヤホン3に、接続されていない場合はスピーカ9に出力する。
リモコン2は携帯型音楽プレーヤ本体1に接続され、再生部8からの出力をそのままイヤホン3に出力する。リモコン2に設けられた各種SWをユーザが操作すると、制御部7はどのSWが押されているかを検出して、指示された動作が行われる。また、マイク27は、周囲騒音を拾い上げて、制御部7に送出する。
図2は、周囲騒音量が変動した場合に、再生部8からの出力される音量をどの程度変動させるかのゲインレベル(第2ゲイン定数)を設定する画面の一例である。表示部兼入力部10に表示されるメニューから設定のタイトルを選択指定することにより表示される。図2の画面において、数字は、音量の変化を5段階のレベルを示している。ここで、ゲインレベル0は周囲騒音量が変動しても出力音量を変化させず、ゲインレベル12,3,4,5は出力音量を段階的に増加させるように変動させる。勿論、ここにおける段階的とは、音量出力値を全く同じ差分(段差)ずつ変動させる必要はなく、ユーザの耳が音量変化を感じるような変動であれば特に限定されない。
設定例としては、例えば周囲の音が聞こえるタイプのイヤホン3であれば、周囲騒音がユーザの耳に入りやすいため、ゲインレベル5を選択する。また密閉タイプのヘッドフォンであれば周囲騒音がユーザの耳に入りにくいため、騒音量が急減に増加したとしてもユーザが実際に感じる変化は小さいため、出力音量をその騒音量の変化に併せる必要はなく、ゲインレベル1を選択する。ユーザは選択する行(数字及び文字)をタッチすることで何れかの項目が設定される。このような設定において、ゲインレベル0に設定した場合には、後述する第2ゲインの定数を「0」に固定する。図2における出力音量の変化は、5段階のゲインレベル0〜5としていずれかを選択するように構成しているが、これらは任意のレベル値であり、実際の音量変化を行わせる演算において第2ゲインの定数は、0〜1の範囲内の値である。
本実施形態では、周囲騒音量の若干の変化に対しては出力音量を変化させないようにしている。以下、出力音量を変化させない周囲騒音量の変化範囲即ち、許容範囲(レベル幅)を不感幅と称する。この不感幅の設定は、ユーザが気にならない程度の周囲騒音量の若干の変動に対しても出力音量(ゲイン)を変化させてしまうと、返ってユーザに不快感を与えてしまう可能性があるからである。つまり、ヘッドフォンのようにユーザの耳を完全に覆い外部の騒音が入り込みにくい状態にある時には、変動を無視する幅を大きくするように「C:大」を設定する。一方、イヤホンのように耳の穴に音源を入れ、耳から周囲の騒音が感じられる状態にある時には、例えば周囲がヘッドフォン着用時と同じ状況であったならば、変動を無視する幅を「A:小」に設定する。この設定により、イヤホン着用時には、周囲騒音の変化に合わせて自動音量調整が速く作用する。
図3は、図2において説明した出力される不感幅をどの程度にするかを説明するための設定例を示す図である。
ここで「A」は、周囲騒音量の比較的小さな変化に対しても出力音量を変化させる設定であり、「C」は、周囲騒音量の比較的大きな変化に対しても出力音量を変化させない設定である。「B」は、「A」と「C」との中間である。前述したイヤホン3のように周囲騒音がユーザの耳に入りやすい場合は「A」を選択し、前述したヘッドフォンのように周囲騒音がユーザの耳に入りにくい場合は「C」を選択する。ユーザは該当する行(数字及び文字)をタッチすることでA〜Cの何れかのレベルに設定する。
ここで「A」は、周囲騒音量の比較的小さな変化に対しても出力音量を変化させる設定であり、「C」は、周囲騒音量の比較的大きな変化に対しても出力音量を変化させない設定である。「B」は、「A」と「C」との中間である。前述したイヤホン3のように周囲騒音がユーザの耳に入りやすい場合は「A」を選択し、前述したヘッドフォンのように周囲騒音がユーザの耳に入りにくい場合は「C」を選択する。ユーザは該当する行(数字及び文字)をタッチすることでA〜Cの何れかのレベルに設定する。
図4に示すメインフローチャートを参照して、本実施形態の携帯型音楽プレーヤの周囲騒音に対応する出力音量の変化について説明する。ここで、第1ゲインは、楽曲ファイル等の音源の信号を所望する音量に増幅するためのユーザが設定するボリューム数値とし、第2ゲインは、周囲騒音量の増減に対応して、プレーヤが自動的に出力音量を増減させるための数値とする。
まず、ユーザが電源SW11をオンさせて起動させる(ステップS1)。この起動の後、制御部7は、前回電源をオンしていた時にユーザがリモコン2のボリュームSW21,22を操作して設定した第1ゲインと、この時に収録した周囲騒音量(第1の周囲騒音量)、図2で設定した第2ゲイン定数、及び図3で設定した不感幅を情報記憶部5から読み出す(ステップS2)。尚、情報記憶部5に揮発性のメモリを使用している場合には、コンテンツ記憶部4又はプログラム記憶部6に記憶させて用いることも可能である。また、これらのデータは、後述するステップS16における電源SW11の操作による電源オフを検出した時に、後述するステップS17で保存した最後に動作していた時の値である。
次に、制御部7によりマイク27で収録された周囲騒音量に基づいて算出された第2ゲインをクリア「0」して、第2ゲインの算出を禁止する(ステップS3)。その後、表示部兼入力部10で表示したメニュー画面から曲検索が選択されたか否かを判断する(ステップS4)。ここで、選択されたと判断された場合には(YES)、曲検索を実行する(ステップS5)。
この曲検索を実行した後、表示部兼入力部10に表示しているメニュー画面から音量自動調整に関わる設定を実施する「設定」が選択されたか否かを判断する(ステップS6)。また、ステップS5で曲検索が選択されなければ(NO)、ステップS6に移行する。このステップS6で「設定」が選択されたと判断されたならば(YES)、表示部兼入力部10のメニュー画面から「第2ゲイン定数設定」が選択されたか否かを判断する(ステップS7)。一方、「設定」が選択されなかったと判断されたならば(NO)、後述するステップS10に移行する。前記ステップS7において、メニュー画面から「第2ゲイン定数設定」が選択されたと判断されたならば(YES)、図2に示したゲイン設定画面を表示して、後述するサブルーチンによる第2ゲイン定数を設定する(ステップS8)。一方、第2ゲイン定数設定が選択されなければ(NO)、図3に示した不感幅設定画面を表示して不感幅を設定する(ステップS9)。この第2ゲイン定数及び不感幅は、プログラム記憶部に保存された選択項目−第2ゲイン定数/不感幅対応表から演算に必要な値に変換して情報記憶部5に保存する。
次に、ボリューム設定を行うか否かを判断する(ステップS10)。この判断は、表示部兼入力部10に表示したメニュー画面の「ボリューム設定」を選択する又は、リモコンのボリュームSW21,22が操作された場合に、ボリューム設定を行うと判断する。この判断で、「ボリューム設定」が選択されたならば(YES)、後述するサブルーチンにおけるボリュームSW21,22の操作によるボリューム設定を実行する(ステップS11)。一方、「ボリューム設定」を選択しなかった場合には(NO)、次のステップS12に移行する。尚、ボリューム設定は、ボリュームSW21,22操作による設定以外にも、表示部兼入力部10の画面に表示された項目をタッチパネル入力することによる設定も可能である。
次に、「モード設定」を行うか否かを判断する(ステップS12)。この判断は、表示部兼入力部10に表示されるメニュー画面から「モード設定」を選択する又は、リモコンのモードSW28が操作された場合に、モード設定を行うと判断する。この判断で「モード設定」が選択された場合には(YES)、後述するサブルーチンにおけるリモコンのモードSW28によるモード設定を実施する(ステップS13)。一方、「モード設定」を選択しなかった場合には(NO)、次のステップS14に移行する。尚、モード設定は、モードSW28操作による設定以外にも、表示部兼入力部10の画面に表示された項目をタッチパネル入力することによる設定も可能である。
次に、「再生」を行うか否かを判断する(ステップS14)。この判断は、表示部兼入力部10に表示されるメニュー画面から「再生」を選択する又は、リモコンの再生停止SW25が操作された場合に、再生を行うと判断する。この判断でリモコンの再生停止SW25が操作されて「再生」を行う場合には(YES)、後述するサブルーチンにおける再生を実施する(ステップS15)。この再生により、読み出された楽曲が再生されてイヤホン3に所望する音量により出力される。特に屋外で再生した場合には、前述した第1ゲイン及び第2ゲインの設定に基づく周囲騒音量の変化に対応した出力音量で心地よくユーザに楽曲を提供することができる。
次に、楽曲の再生を停止するか否か、即ち、電源スイッチ11をオフにするか否かを判断する(ステップS16)。この判断で電源スイッチ11がオフでなければ(NO)、ステップS4に戻り、再生を継続する又は次の楽曲の再生に移行する。一方、電源SW11がオフされたならば(YES)、次回の動作開始時に必要なデータを情報記憶部5に保存した後(ステップS17)、携帯型音楽プレーヤ本体1の電源をオフして(ステップS18)、一連のシーケンスを終了する。ステップS17における保存は、次にプレーヤを起動させた際に、前回の停止直前の各データ(第1ゲイン、第1周囲騒音量、第2ゲイン定数、不感幅等)を読み出して、仮に設定するために行う。また、音楽再生中止時の自動音量調整は、無駄な動作となるため実行を禁止する。
次に図5に示すサブルーチンを参照して、図4に示したステップS15における再生について説明する。
まず、再生が開始される際に、第2ゲイン定数が「0」より大きい値が設定されているか否かを判断する(ステップS21)。この判断で「0」より大きい値が設定されていたならば(YES)、第2ゲイン設定を許可する(ステップS22)。ここで、第2ゲイン設定が許可された場合には、再生部8は図2及び図3で選択された設定値に基づき周囲騒音量変動に対応するように増幅して出力する。一方、ゲインレベル0又は第2ゲイン定数が「0」の場合には(NO)、第2ゲイン設定を禁止し且つ第2ゲインを「0」として設定する(ステップS23)。ここで、第2ゲインが禁止された場合は、周囲騒音量変動に対応する再生部出力の増幅を行わない。つまり、周囲騒音に関係なく、ボリューム設定した音量で再生した楽曲を出力する。さらに、制御部7はコンテンツ記憶部4から指定された楽曲ファイルを読み出して再生部に送付する(ステップS24)。再生部8は受信した楽曲ファイルの再生を開始する。
次に、制御部7は、ある1曲の再生終了又は次曲再生の指示があったか否かを判断する(ステップS25)。つまり、再生部8によるある1曲の再生が終了したか又は、リモコン2の次SW26が押されたかを判断して、再生終了または次SW26がオンしたと判断されたならば(YES)、次の曲番の楽曲を再生する楽曲として設定し(ステップS26)、ステップS24に戻り、次の楽曲の再生を開始する。尚、本実施形態は、ある1曲の再生終了が判断された後、ユーザから何も指示(操作)されなかった場合には、自動的に次の楽曲を再生する楽曲として設定して、再生を継続する連続再生モードの場合である。連続再生モードでない場合には、ステップS29で(YES)となり、再生を停止する。一方、楽曲の再生が未終了又は次曲再生の指示がなかったと判断された場合には(NO)、リモコン2の前SW24が押されたかを判断して(ステップS27)、押されたと判断した場合には、前の楽曲を次に再生する楽曲として設定し(ステップS28)、ステップS24に戻り、前の楽曲の再生を開始する。
一方、ステップS27で前曲再生の指示がなかったと判断された場合には(NO)、再生を停止するか否かを判断する(ステップS30)。この判断で再生停止SW25による停止の指示がなければ(NO)、ステップS25に戻り、再生を継続させる。一方、再生停止SW25が操作されて停止指示があったならば(YES)、制御部7は、再生部8に再生停止を指示し(ステップS31)、音楽再生停止中は自動音量調整を実行しないように2ゲイン設定を禁止して(ステップS32)、図4のフローチャートにリターンしてステップS16に移行する。
次に図6に示すサブルーチンを参照して、第2ゲイン設定=周囲騒音量の変化に対するプレーヤによる音量自動調整について説明する。第2ゲインは、制御部7により設定され、図2で第2ゲイン定数が「0」(=第2ゲイン設定を禁止)以外に設定され、第2ゲイン設定が許可の場合のみ定期的に実行される。
まず、リモコン2の何れかのSWが操作されている即ち、リモコンが操作中であるかを判断する(ステップS41)。この判断でリモコンが操作中であったならば(YES)、そのまま終了する。これは、リモコン操作の際に発生する音がマイク27で拾われることで周囲騒音量が変動したと誤検出を発生させて、その結果、再生出力即ち、再生音を変動させてしまうということを防止するためである。ステップS41の判断でリモコンが操作中でなければ(NO)、現在の周囲騒音量(第2の周囲騒音量)をマイク27で収録し(ステップS42)、装置起動時(図4のステップS2)に設定し又は、ボリューム設定(ステップS11)時にマイク27で収録した(図7のステップS58)第1の周囲騒音量との差を算出する(ステップS43)。
次に、算出した周囲騒音量の差(絶対値|差|)が不感幅より大きいか否かを判断し(ステップS44)、|差|が不感幅以下であれば(NO)、即ち、周囲騒音の変化量が小さく、無視できる変化量であると判断して、第2ゲインを「0」に設定する(ステップS45)。一方、|差|が不感幅より大きければ(YES)、即ち、周囲騒音の変化量が大きく、音量自動調整を行うことが必要であると判断して、「0」より大きいか(即ち、ボリューム設定時より周囲騒音量が大きくなったか)否かを判断する(ステップS46)。この判断で差が「0」より大きければ(YES)、差から不感幅を引き、第2ゲイン定数をかけて算出した第2ゲインを求め(ステップS47)、リターンする。一方、この判断で差が「0」以下であれば(YES)、差に不感幅を足し、第2ゲイン定数をかけて算出した第2ゲインを求め(ステップS48)、リターンする。つまり、これらの第2ゲインは、不感幅から外れた分に第2ゲイン定数をかけて算出される。
以上説明したように、本実施形態の再生部8では、この第2ゲインを第1ゲインに加算して増幅を行うため、周囲騒音量の変化量が不感幅より小さい場合(前記ステップS45)は、周囲騒音量の変化に対する再生出力の補正が行われず、周囲騒音量が不感幅より大きく変動した場合(前記ステップS47)は、+値の第2ゲインが足されて再生出力の補正が行われるので再生音が大きくなり、周囲騒音量が不感幅より小さく変動した場合(前記ステップS48)は、−値の第2ゲインが足されて再生出力の補正が行われるので再生音が小さくなる。第1ゲイン+第2ゲインの値が上下限を超えないように、ステップS47,S48において、第2ゲイン値を制限しても良い。
次に図7に示すサブルーチンを参照して、図4に示したステップS11におけるユーザが行うボリューム設定(第1ゲインの設定)について説明する。このボリューム設定は、周囲騒音に対する補正(第2ゲイン)を無効にして、第1ゲインのみで音量の調整を行うものである。
まず、現時点における第2ゲイン設定許可/禁止状態と第2ゲインの値を保存する(ステップS51)。その後、第2ゲイン設定を禁止し、第2ゲインを「0」に設定する(ステップS52)。この設定は、ユーザがボリュームの調整中に音量自動調整が行われないように調整を禁止するために行う。
次に、ボリューム調整を行う。リモコン2の+SW21が操作されたか否かを判断する(ステップS53)。この判断で+SW21が操作されたならば(YES)、第1ゲインを+1に設定する(ステップS54)。一方、+SW21が操作されていなければ(NO)、−SW22が操作されたか否かを判断する(ステップS55)。この判断で−SW22が操作されたならば(YES)、第1ゲインを−1に設定する(ステップS56)。但し、これら第1ゲインに対する+1,−1の増減設定において、上限又は下限になった場合には、オーバーフローしないように設定する。
次に、第1ゲインを+1,−1に設定した後又は、ステップS55において−SW22が操作されていなければ(NO)、設定が終了したか否かを判断する(ステップS57)。この終了判断は、例えば、予め設定した待機時間の間に+SW21,−SW22による操作の有無により判断する。+SW21,−SW22による操作が待機時間内に行われたならば(NO)、操作が継続されているものと判断して、ステップS53に戻る。一方、+SW21,−SW22による操作が待機時間を越えても無かった場合には(YES)、ボリューム設定が終了したものと判断して、現時点における周囲騒音量をボリューム設定時の第1周囲騒音量として取得する(ステップS58)。この取得は、ユーザによりボリューム調整が終了した時の周囲騒音量の値を比較基準として保存して、以降はこの周囲騒音量との差に応じて出力音量が自動調整される。その後、前記ステップS51において、保存していた第2ゲイン設定許可/禁止状態と第2ゲイン値を復帰し(ステップS59)、リターンする。つまり、ユーザのボリューム調整前の設定状態に戻した後にリターンしている。
これにより従来と同様なボリューム調整操作で、基本となる従来のボリューム(=第1ゲイン)を設定し、本発明の特徴である周囲騒音に対するボリューム(第2ゲイン)調整が、この時の周囲騒音量(第1周囲騒音量)との差で動作を開始する。尚、ボリューム設定後に、第2ゲインの設定が再開されるため、ステップS51,S52において第2ゲインを保存/復帰しなくてもよい。
次に図8に示すサブルーチンを参照して、図4に示したステップS13におけるモード設定について説明する。このモード設定は、ユーザがリモコン2を用いて行う第2ゲイン定数と不感幅の設定である。ユーザによりリモコン2のモードSW28を操作(押下)すると、モード設定のシーケンスに入り、放すと通常のモードに戻る。
まず、リモコン操作音がマイク27により収音され、第2ゲイン即ち、再生音量が変動することを防ぐために、現時点における第2ゲイン設定許可/禁止を保存する(ステップS61)。その後、第2ゲイン設定を禁止する(ステップS62)。
さらに、ユーザが設定状況を認識できるようにするために、リモコン2の表示部23に第2ゲイン定数と不感幅を交互に表示する(ステップS63)。例えば、第2ゲイン定数=3、不感幅=Bの場合は、3→B→3→Bのように表示する。但し、表示可能文字数が1文字であれば、「3」と「B」の交互表示でよいし、表示画面の大きさにもよるが2文字以上の表示であれば、「3 B」と同時に表示しても良いし、第2ゲイン定数=3、不感幅=Bのようにより分かりやすく表示しても良い。
次に、+SW21が操作されたが否かを判断する(ステップS64)。この判断において、+SW21が操作されたならば(YES)、第2ゲイン定数に+1を設定する(ステップS65)。ステップS65で第2ゲインが「5」以上になった場合には「5」に仮定する。一方、この判断で+SW21が操作されなければ(NO)、−SW22が操作されたか否かを判断する(ステップS66)。この判断で−SW22が操作されたならば(YES)、第2ゲインを−1に設定する(ステップS67)。尚、ステップS67の設定において、第2ゲイン定数が「0」以下になった場合は、第2ゲインを「0」に設定する。これによりユーザの好みやイヤホンの特性に合わせて、周囲騒音量の変化に対する音量の変化量や周囲騒音の変化を無視する幅を設定することができる。
また、ステップS66の判断で、−SW22が操作されなければ(NO)、次SW26が操作されたか否かを判断する(ステップS68)。この判断で、次SW26が操作されたならば(YES)、不感幅を+1に設定する(ステップS69)。一方、この判断でSW26が操作されなければ(NO)、前SW24が操作されたか否かを判断する(ステップS70)。この判断で前SW24が操作されたならば(YES)、不感幅を−1に設定する(ステップS71)。尚、ステップS65,S67,S69,S71における第2ゲイン及び不感幅の設定値が上限又は下限になった場合は、オーバーフローしないように設定する。例えば、不感幅の設定において、不感幅が既にCであった場合には、そのままCとする。これらの第2ゲイン又は不感幅が設定された後、この設定が終了したか否かを判断する(ステップS72)。この終了判断は、例えば、モードSW28が操作(押下)されたままか否かを判断して、押下されていたならば(NO)、設定が継続されているものと判断して、ステップS63に戻る。一方、モードSW28が押下されていなければ(YES)、設定終了と判断して、表示部23の表示を消して(ステップS73)、第2ゲイン設定の許可/禁止を復帰して(ステップS74)、リターンする。
次に図9に示すサブルーチンを参照して、図4に示したステップS15における再生について説明する。
まず、制御部7から新規に楽曲ファイルを受信したか否かを判断する(ステップS81)。受信したならば(YES)、その楽曲の再生を開始する(ステップS82)。
まず、制御部7から新規に楽曲ファイルを受信したか否かを判断する(ステップS81)。受信したならば(YES)、その楽曲の再生を開始する(ステップS82)。
その後、現在、楽曲が再生中か否かを判断して(ステップS83)、再生中であれば(YES)、制御部7で第1ゲインと第2ゲインとが更新されると、それらのゲインの和を求め(ステップS84)、再生部8において求めたゲインで信号を増幅して、スピーカ9又は外部出力に出力する(ステップS85)。尚、第1ゲインと第2ゲインは、制御部7が情報記憶部5に保存した時に再生部8に送信する。但し、第1ゲインは、ボリューム設定で設定した固定値、第2ゲインは第2ゲイン設定で算出した値である。第1ゲイン設定時の周囲音量と現在の周囲騒音量の差が不感幅以内の場合は、第2ゲイン=0であるため、ユーザが設定したボリューム値(=第1ゲイン)のみで増幅する。周囲騒音量の差が不感幅以上に大きい場合には、第2ゲイン>0となるため、ユーザが設定したボリューム値よりも大きいゲインで増幅する。また、周囲騒音量の差が不感幅以上に小さい場合には、第2ゲイン<0となるため、ユーザが設定したボリューム値よりも小さいゲインで増幅する。
次に、楽曲ファイルの再生が終了したか否か、または制御部7から再生の停止指示を受信したか否かを判断する(ステップS86)。この判断で、ファイル終了または停止指示受信し場合には(YES)、再生を終了する(ステップS87)。この再生の終了後または、ステップS86で楽曲ファイルが未終了又は停止指示がない場合には(NO)、電源がオフにされたか否かを判断する(ステップS88)。この判断で電源SW11が操作されて電源がオフにされたならば(YES)、終了してリターンする。一方、電源SW11が操作されなければ(NO)、再生を継続するものとして、ステップS81に戻る。
このような再生動作は、周囲騒音量に対応した第2ゲインを加算して再生音量を調整するため、周囲の騒音が大きくなれば再生音量も大きくされて聴きやすくなり、周囲の騒音が静かになれば、それに従い再生音量も小さくなり、ユーザ及びその周囲の者が大音量による不快な体験をしないですむようになる。
次に図10に示すフローチャートを参照して、図8において前述したモード設定の変形例となるモード設定について説明する。このモード設定は、第2ゲイン定数の設定に従い、それに対応した不感幅を設定するものである。
まず、リモコン操作音による誤動作を防止するために、現時点における第2ゲイン設定許可/禁止を保存し(ステップS91)、第2ゲイン設定を禁止する(ステップS92)。次に、表示部23には、第2ゲイン定数を表示する(ステップS93)。その後、+SW21が操作されたが否かを判断する(ステップS94)。この判断において、+SW21が操作されたならば(YES)、第2ゲイン定数に+1を設定する(ステップS95)。一方、この判断で+SW21が操作されなければ(NO)、−SW22が操作されたか否かを判断する(ステップS96)。この判断で−SW22が操作されたならば(YES)、第2ゲインを−1に設定する(ステップS97)。そして、第2ゲインの+1又は−1による設定が終了した後、設定された第2ゲインに対応する不感幅を設定する(ステップS98)。尚、ステップS95,S97における第2ゲインの設定値が上限又は下限になった場合は、オーバーフローしないように設定する。
この第2ゲインが設定された後、モードSW28の操作状態に基づき、設定が終了したか否かを判断する(ステップS99)。モードSW28が押下されていたならば(NO)、設定が継続されているものと判断して、ステップS93に戻る。一方、モードSW28が押下されていなければ(YES)、設定終了と判断し表示部23における第2ゲイン定数の表示を消して(ステップS100)、第2ゲイン設定の許可/禁止を復帰して(ステップS101)、リターンする。尚、ステップS95において「5」以上に設定された場合は「5」に設定する。ステップS97の設定において、第2ゲイン定数が「0」以下に設定された場合は、第2ゲインを「0」に設定する。これによりユーザの好みやイヤホンの特性に合わせて、周囲騒音量に対する音量の変化量や周囲騒音の変化を無視する幅を設定することができる。
このモード設定の変形例と前述した図8に示すモード設定との違いは、表示部23には、第2ゲイン定数のみ表示すれば良いため、ステップS93では第2ゲイン定数のみ表示して、ステップS100では第2ゲイン定数の表示を消している。またステップS98においては、第2ゲイン定数に対応した不感幅を設定する。例えば、第2ゲイン定数が「0」(禁止),「1」(小)の場合(ヘッドフォン等で周囲騒音がユーザの耳に入りにくい場合)には、不感幅をC(大)、第2ゲイン定数が2から4(中)の場合は不感幅をB(中)、第2ゲイン定数が5(大)の場合(ヘッドフォン等で周囲騒音がユーザの耳に入り易い場合)は不感幅をA(小)とする。この様に第2ゲイン定数に対応する不感幅を自動設定する場合は、図2で第2ゲイン定数を設定した場合にも同様に不感幅を自動設定し、図3における不感幅設定は無効になる。これにより、より簡単な操作で必要な2つの値を設定することができる。
次に、イヤホン3やスピーカ9から出力された音をマイク9で拾って周囲騒音かの如く誤検出してしまうことを防止する音漏れ調整を行う構成及び調整動作について説明する。
図11は、周囲騒収音のキャンセル部のブロック構成例を示し、図12のフローチャートを参照して、制御部7における音漏れ調整動作について説明する。
このキャンセル部30には、再生部8からの出力とマイク27からの信号が入力する。再生部8から出力される信号は、制御部7からの第1ゲインと第2ゲインに基づくゲインで増幅されてマイク27からの信号と差を取って制御部7に入力する。制御部7は、再生部8からの出力が無い場合と、有る場合のキャンセル部30からの入力が等しくなるようにゲインを調整する。このキャンセル部30は、例えば、制御部7からの減衰指示を受けて、再生部8の出力を減衰させる図示しない減衰部と、マイク27から取り込んだイヤホン3からの音漏れによる検出信号とを比較する図示しない比較部とを備えている。
まず、第2ゲイン設定の許可/禁止を保存し(ステップS111)、第2ゲイン設定を禁止し、再生部8からの出力音がマイク27に入力することで再生部出力が変動することを防止する。これと共に、第2ゲインを「0」に設定し、音漏れ調整ゲインを初期値に設定する(ステップS112)。
次に、再生部8から出力されていない時の無音時周囲騒音量を取得する(ステップS113)。その後、情報記憶部5から予め記憶されている音漏れ調整用のサンプルファイルを読み出して、再生部8に送付して音漏れを発生させる(ステップS114)。この時の周囲騒音量を現時点での有音時周囲騒音量として取得する(ステップS115)。
次に、ステップS113における無音時周囲騒音量とステップS115における有音時周囲騒音量の差が予め設定した範囲内か否かを判断する(ステップS116)。この判断において、差が範囲以内であれば(YES)、再生を停止して(ステップS118)、第2ゲイン設定の許可/禁止を復帰して終了する(ステップS119)。一方、この判断で差が範囲以外であれば(NO)、音漏れゲインを変更して(ステップS117)、ステップS115に戻り、同様な動作を繰り返し行う。
このような音漏れ調整において、ステップS112における音漏れ調整ゲインが再生部8からの信号をほとんど減衰させない値であれば、ステップS117において、減衰するように変更するように制御される。一方、音漏れ調整ゲインが再生部8からの信号がほとんど「0」になるように減衰させている値であれば、増幅するように変更していくことになる。これにより、再生部8からの出力がマイク27に入ることによる影響をキャンセルすることができる。従って、使用環境や使用しているイヤホン3の特性に合わせてより正確な周囲騒音の変化に対するボリューム調整を行うことができる。
本実施形態によれば、ユーザが静かな場所における設定値と、騒音が大きい場所における設定値とが異なる設定を行う必要が無く、どのような騒音環境であっても、従来通りのボリューム調整と同様に調整ができ、常に最適な再生音量を得ることができる。
また、本実施形態によれば、第2ゲインと不感幅をユーザが設定できるように構成しているため、ユーザ自身の好みや使用しているイヤホン又はヘッドフォンに合わせてボリュームを自動調整することができる。尚、周囲騒音量の取得は、所定時間の平均値を取るようにしても良い。本実施形態では、第2ゲイン定数と不感幅の選択数が異なっているが、等しくても良いし、選択数はもっと増減してもよい。本実施形態では、周囲騒音量の変動に対してリニアに、第2ゲインを変更する例であったが、段階的に第2ゲインを変更するようにしても良い。
さらに、携帯型音楽プレーヤ本体1又はリモコン2に第2ゲイン設定禁止SWを設けて、第2ゲイン設定禁止SWが押されている間は第2ゲイン設定を禁止するようにしても良い。ユーザは音楽を聴きながら会話をする必要が発生した場合等に、この第2ゲイン設定禁止SWを押せば、自身の声がマイク27に入ることで再生音量が大きくなることを防ぐことができる。
本実施形態では、再生部8からイヤホン3に出力し、リモコン2のマイク27で周囲騒音を取得する例について説明したが、これに限定されず、再生部8からスピーカ9に出力し、携帯型音楽プレーヤ本体1に内蔵させたマイクで周囲騒音を取得する構成であってもよい。また携帯型音楽プレーヤ本体1とヘッドフォンとを無線通信で接続して、そのヘッドフォンにマイクを取り付けて、マイク入力を無線で携帯型音楽プレーヤ本体1に送信するようにしても良い。
また、イヤホンやヘッドフォンに第2ゲインと不感幅の推奨値を予め保存しておき、起動時に制御部8がその値を読み込んで自動設定を行い動作するように構成してもよい。瞬間的・短期的な周囲騒音の変化には、応答しないように周囲騒音が不感幅を所定時間以上超えた場合のみ、第2ゲインを変化させるようにしてもよい。本実施形態では、携帯型音楽プレーヤの例で説明したが、据え置き型の音楽プレーヤ、または据え置き型の電話機や携帯電話、またはテレビ等のユーザが周囲騒音の影響を受けるところで音を聴くことになる全ての機器で同様に適用することができ、本実施形態で列挙した作用効果を同様に得ることもできる。
また、本実施形態における音量調整装置を病院や図書館等の静穏性が求められる公共性が高い施設や電車の駅構内や空港構内など騒音が大きく公共性がある施設など、出力される音量等に厳しい環境にある音響装置に搭載することにより、その周囲騒音に対して適正な音量で使用することができ、案内や指示が小音量で聞き取れなかったり、反対に大音量で聞き取りにくいことなどを防止することができる。
1…携帯型音楽プレーヤ本体、2…リモコン、3…イヤホン、4…コンテンツ記憶部、5…情報記憶部、6…プログラム記憶部、7…制御部、8…再生部、9…スピーカ9、10…表示部兼入力部、11…電源SW、12…外部入出力端子、13…パーソナルコンピュータ(PC)、14…操作信号用端子、15…再生音声用端子、21,22…ボリュームSW、23…表示部、24…前SW、25…再生停止SW、26…次SW、27…マイクロフォン、28…モードSW、29…イヤホン端子。
Claims (4)
- 周囲騒音量を取得する周囲騒音量取得部と、
前記周囲騒音量取得部で取得した周囲騒音量を格納する周囲騒音量記憶部と、
ユーザの操作に応じて第1ゲインを設定する音量設定部と、
前記第1ゲイン設定時の周囲騒音量である第1周囲騒音量と現在の周囲騒音量である第2周囲騒音量との差に基づいて第2ゲインを設定する音量調整部と、
前記第1ゲインおよび前記第2ゲインに基づいて音源信号を増幅して再生する再生部と、
前記音量設定部において前記第1ゲインを設定処理中のときは、前記第2ゲインを無視して音源信号を増幅して再生するように制御する制御手段と、
を具備することを特徴とする音量調整装置。 - 前記制御部は、前記第1周囲騒音量と前記第2周囲騒音量との差が、不感幅以下のときには、前記再生部が、前記第2ゲインを無視して音源信号を増幅して再生するように制御することを特徴とする請求項1の音量調整装置。
- さらに、前記第1周囲騒音量と前記第2周囲騒音量との差と、前記第2ゲインと、の関係を設定する第2ゲイン設定部を具備することを特徴とする請求項1乃至2の音量調整装置。
- さらに、前記第2ゲイン設定部の設定に応じて、前記不感幅を変更する変更手段を具備することを特徴とする請求項3に記載の音量調整装置。
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-
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