JP2007094300A - 透過型スクリーンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
0.3mm以下のファインピッチレンズにおいても遮光部を簡素かつ高精度に形成する方法を提供すること。
【解決手段】
レンズシートのレンズ部側から照明光を照射し、レンズシートの裏面側の一定位置で、レンズ部により集光された前記照明光を受光することにより、前記遮光部を形成するための版を製造する版製造工程を行うとともに、製造工程により製造された版に基づいて、該版の製造位置に位置合わせした前記レンズシートの裏面側に、遮光性を有する遮光部形成材を印刷する遮光部形成工程とを行うことにより、前記レンズシートの遮光部を前記レンズシートの搬送方向にわたって連続的に形成することを特徴とする透過型スクリーンの製造方法を提供する。
【選択図】図1
0.3mm以下のファインピッチレンズにおいても遮光部を簡素かつ高精度に形成する方法を提供すること。
【解決手段】
レンズシートのレンズ部側から照明光を照射し、レンズシートの裏面側の一定位置で、レンズ部により集光された前記照明光を受光することにより、前記遮光部を形成するための版を製造する版製造工程を行うとともに、製造工程により製造された版に基づいて、該版の製造位置に位置合わせした前記レンズシートの裏面側に、遮光性を有する遮光部形成材を印刷する遮光部形成工程とを行うことにより、前記レンズシートの遮光部を前記レンズシートの搬送方向にわたって連続的に形成することを特徴とする透過型スクリーンの製造方法を提供する。
【選択図】図1
Description
本発明は、透過型スクリーンの製造方法に関する。例えば、プロジェクタ、背面投射型テレビなどに用いる透過型スクリーンの製造方法に関する。
従来、例えば、プロジェクタ、背面投射型テレビなどに用いる透過型スクリーンは、投射光を略平行光にするフレネルレンズシートと、フレネルレンズシートから出射された略平行光に視野角を持たせるために垂直および水平方向に光を拡散させるレンチキュラーシートとを組み合わせた構成のものが知られている。
レンチキュラーシートには、一般に、シリンドリカルレンズを複数配置して投射光を線状に結像し、結像位置近傍で拡散させることにより視野角を付与するようになっている。その際、結像位置近傍の投射光の光路以外の部分を遮光するブラックストライプと呼ばれる遮光部を形成し、画像のコントラストを向上することが行われる。
例えば、特許文献1には、そのような構成の透過型スクリーンにおいて、版を用いた印刷によらない、いわゆるセルフアライメント法によりブラックストライプを形成する透過型スクリーンの製造方法が記載されている。
セルフアライメント法は、レンズ自身の集光特性を利用して、レンズによる集光部/非集光部に、遮光層を非形成/形成する手法である。例えば、特許文献1では、レンチキュラーレンズシートの非レンズ部側に粘着性感光樹脂層を設け、レンズ部から入射させた照明光を集光して粘着性感光樹脂層を感光させる。感光した粘着性感光樹脂層は粘着性が消失するので、粘着性が残存する領域に、黒色粉末トナーまたは黒色着色層を付着させることにより、遮光部を形成している。そのため、照明光の感光幅を適宜の幅に設定することにより、ブラックストライプを形成することができるものである。
特開2003−107584号公報(第2−5頁、図1、2)
しかしながら、上記のような従来の透過型スクリーンの製造方法には、以下のような問題があった。
特許文献1に記載の技術では、レンズシートの集光位置を、レンズシートの裏面側に設けた光記録媒体である粘着感光樹脂層により記録し、その集光位置を正確に避けてブラックストライプ(遮光部)を形成することができるものの、高価な粘着感光樹脂層をレンズシートの裏面に塗布する工程を設ける必要があるため、製造コストが高価につくという問題があった。
また、ブラックストライプの間には、粘着感光樹脂層が硬化した状態で残存するので、硬化した粘着感光樹脂層の表面性や透過率などによっては、光量損失が発生し、透過型スクリーンの透過率が悪くなるという問題がある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、0.3mm以下のファインピッチレンズにおいても、レンズシート上に粘着感光樹脂層などの光記録媒体を設けることなく、ノイズ光を遮光し正規の投射光を透過させる遮光部を簡素かつ高精度に形成する
ことができる透過型スクリーンの製造方法を提供することを目的とする。
ことができる透過型スクリーンの製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、複数の集光レンズを表面に並列したレンズ部と、該レンズ部の裏面側に前記レンズ部の透過光の透過範囲を規制する遮光部とを有するレンズシートを備える透過型スクリーンの製造方法であって、
前記レンズシートの前記レンズ部側から照明光を照射し、前記レンズシートの裏面側の一定位置で、前記レンズ部により集光された前記照明光を受光することにより、前記遮光部を形成するための版を製造する版製造工程を行うとともに、
該版製造工程により製造された版に基づいて、該版の製造位置に位置合わせした前記レンズシートの裏面側に、遮光性を有する遮光部形成材を印刷する遮光部形成工程とを行うことにより、
前記レンズシートの遮光部を前記レンズシートの搬送方向にわたって連続的に形成することを特徴とする透過型スクリーンの製造方法とする。
前記レンズシートの前記レンズ部側から照明光を照射し、前記レンズシートの裏面側の一定位置で、前記レンズ部により集光された前記照明光を受光することにより、前記遮光部を形成するための版を製造する版製造工程を行うとともに、
該版製造工程により製造された版に基づいて、該版の製造位置に位置合わせした前記レンズシートの裏面側に、遮光性を有する遮光部形成材を印刷する遮光部形成工程とを行うことにより、
前記レンズシートの遮光部を前記レンズシートの搬送方向にわたって連続的に形成することを特徴とする透過型スクリーンの製造方法とする。
この発明によれば、レンズシートを一定方向に搬送しつつ、版製造工程によりレンズシートのレンズ部を透過した照明光を受光して、遮光部を形成するための版を製造し、遮光部形成工程により版製造工程で製造した版に基づいて、版の製造位置に対応したレンズシートの裏面側に遮光部形成材を印刷することにより、レンズシート上に遮光部が連続的に形成される。
そのため、遮光部形成材が、レンズシート上に粘着感光樹脂層などの光記録媒体を設けることなく、レンズ部を透過する光路に正確に対応してレンズシート上に配置されるので、簡素かつ高精度に遮光部が形成される。
ここで、連続的に形成するとは、必ずしも形成される遮光部が連続することを意味するものではなく、搬送を停止または中断することなく、遮光部を搬送方向に沿って必要なだけ連続形成できることを意味する。
例えば、遮光部の必要な配置パターンが、搬送方向に隙間を設ける横縞状のものであれば、遮光部が幅方向に連続し搬送方向に不連続に形成されるのは当然である。
また例えば、異なる透過型スクリーン用の遮光部を搬送方向に沿って、順次形成するために、遮光部の配置パターンを搬送途中で、搬送を中断することなく連続的または不連続的に切り換えてもよい。
また、レンズシートは、連続シートであってもよいし、カットされたシートであってもよい。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の透過型スクリーンの製造方法において、前記照明光が、前記一定位置における受光面上で、前記遮光部の開口の形成位置および形成寸法に対応する範囲に集光される方法とする。
この発明によれば、照明光が、一定位置における受光面上の受光位置で、遮光部の開口の形成位置および形成寸法となるように集光されるので、受光される光束の位置および大きさを検出することにより、遮光部を形成するための版が直接的に製造される。
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の透過型スクリーンの製造方法において、前記情報取得工程で取得された前記遮光部を形成するための版が、位置合わせマークを有するものであり、前記遮光部形成工程では、前記位置合わせマークに基づいて、
前記遮光部形成材の配置を行う方法とする。
前記遮光部形成材の配置を行う方法とする。
この発明によれば、遮光部とは関係なく設けれればよいので、ボケのない状態で受光することができ、ノイズなどの影響を受けにくくなる。また、受光像のボケなどが、遮光部の形状に影響することがない。これらの結果、高精度な遮光部を形成することができる。
請求項4に記載の発明では、請求項1〜3のいずれかに記載の透過型スクリーンの製造方法において、前記遮光部形成工程により、前記レンズシート上に前記遮光部形成材が印刷された後に前記遮光部形成材の前記レンズシート上の位置を固定する定着工程を備える方法とする。
この発明によれば、定着工程により、レンズシート上に転写された遮光部形成材をその位置で固定するので、例えば遮光部形成材上に拡散層を形成するなどといった後工程を行う場合に、遮光部形成材のパターン配置が乱さないようにすることができる。
なお、固定手段は、遮光部形成材の種類に応じて適宜の手段を採用することができる。例えば、遮光部形成材が、トナーの様なインキである場合には、電子写真プロセスにおける定着工程に用いる手段と同様の手段を採用することができる。すなわち、熱ローラ定着などを採用することができる。
固定の程度は、後工程の支障にならない程度であればよく、例えば遮光部形成材の表面が軟化して相互間およびレンズシート表面に対して固着する程度でもよい。
本発明の透過型スクリーンの製造方法によれば、版製造工程によりレンズ部を透過した照明光を受光して遮光部を形成する版を製造し、遮光部形成工程において、版に基づいてレンズシート上に遮光部形成材を印刷することにより、遮光部が連続的に形成されるので、粘着感光樹脂層などの光記録媒体をレンズシート上に設けることなく、簡素かつ0.3mm以下のファインピッチレンズに遮光部を形成することができるという効果を奏する。
加えて、感光性樹脂に比べて安価なインクを用いることができる。また、感光性樹脂に比べて遮光性能の高いインクを用いて製造できるため収率も向上できる。さらに、遮光性能が向上できるため、外光反射が少ないコントラストの高いスクリーンが製造できる。また、同じ遮光性能なら薄い遮光層で効果が表れるため、材料費を抑えることができるとともに、遮光部の厚さによる光学的影響を一層低くすることができる。
以下では、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
本発明の実施形態に係る透過型スクリーンの製造方法について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る透過型スクリーンの製造方法で製造される透過型スクリーンの概略構成について説明するため模式的な断面説明図である。図2は、本発明の実施形態に係る透過型スクリーンの製造方法に用いる版の製造方法について説明するための断面工程説明図である。図3は、本発明の実施形態に係る透過型スクリーンの製造方法について説明するための概略部分断面図である。図4は、本発明の実施形態に係る遮光部を形成するための版と遮光部と透過型スクリーンとの関係について説明するための平面図である。
なお、いずれの図も模式図であり、寸法比および形状は適宜誇張されており、実際の寸
法を反映しているわけではない。
法を反映しているわけではない。
本実施形態の透過型スクリーンの製造方法により製造される透過型スクリーンの一例である透過型スクリーン1について説明する。
透過型スクリーン1は、図1に示すように、映像を投影するための投射光50が入射される側(図示左側)から、それぞれ板状の、フレネルレンズ部2、レンチキュラー部3が近接して配置されたものである。
フレネルレンズ部2は、投射光50を略平行光とするためのもので、例えばフレネルレンズ金型を用いて紫外線硬化樹脂などにより成形されたフレネルレンズシート2bと、適宜の剛性と光透過性とを備えフレネルレンズシート2bを自立可能に保持するための支持基板2aとからなる。フレネルレンズシート2bは、支持基板2aに対して粘着剤または接着剤により固定されている。
レンチキュラー部3は、フレネルレンズ部2に対向する側から、レンチキュラーレンズシート4(レンズシート)、ブラックストライプ(以下、BS)5a(遮光部)、拡散部材6、および表面フィルム7が積層されてなる。
レンチキュラーレンズシート4は、フレネルレンズ部2から出射される略平行光を一方向、例えば図示上下方向に集光するパワーを有する図示奥行き方向に延されたシリンドリカルレンズ4a(集光レンズ)が複数並列して配置されてレンズ部が形成され、レンズ部が基体シート4bの片面側に固定されたシート状部材である。
本実施形態では、シリンドリカルレンズ4aは、例えば100μmピッチで並列されている。
シリンドリカルレンズ4aの焦点距離は、シリンドリカルレンズ4aを透過した略平行光が、シリンドリカルレンズ4aが固定された基体シート4bの他方の片面である裏面の近傍に結像するように設定されている。
シリンドリカルレンズ4aのレンズ断面形状は球面に限定されるものではない。例えば、楕円面、放物面や高次項を含むいわゆる非球面形状のものなどを用いてもよい。非球面形状のレンズを用いると、結像時の収差を小さくすることが出来、入射する光線を精細化することが可能なため、高S/Nの実現が容易となり、視野角特性も向上する。
シリンドリカルレンズ4aの材質としては、例えば、紫外線硬化型樹脂を採用することができる。例えば、2官能性ウレタンアクリレートオリゴマー、単官能性アクリレートモノマー、2官能性アクリレートモノマー、光重合開始剤の成分を含む組成物が好適である。
前記2官能性ウレタンアクリレートオリゴマーは、各種イソシアネート類とポリオール類とを反応させて得ることができるが、ポリオール成分としてネオペンチルグリコールとアジピン酸とからなるポリエステルジールを含むものを使用する。前記成分は、芳香環を含まない構造なので耐光性が向上し、黄変が少ないので好適である。
前記単官能性アクリレートモノマーとしては種々使用可能であるが、例えば、ジシクロペンタニルオキシ基含有ポリ(n=1〜3)エトキシアクリレートを採用することができる。前記成分は、硬化物に柔軟性を付与することができ、さらにジシクロペンタニルオキシ基は脂環構造を含んでいるため、高屈折率にすることができる点で好適である。
前記2官能性アクリレートモノマーについても種々使用可能であるが、例えば、少なくともビスフェノールAポリ(n=2〜10)エトキシジアクリレートまたは1,6−ヘキサンジオールジアクリレートまたはノナンジオールジアクリレートのいずれかを使用するか、もしくは組み合わせて使用すると、耐光性良好にすることができるので好適である。特に、ビスフェノールAポリ(n=2〜10)エトキシジアクリレートは屈折率が高く、剛直な構造を有しているため硬化物に強靭性をもたせ、耐光性を付与しやすい点で好適である。
基体シート4bは、光透過性のシート状部材であれば、特に限定されないが、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂または上記の樹脂のブレンド物もしくは共重合体からなるシート、フィルム等が使用可能である。
特に、生産性の点から0.1〜0.2mm厚の薄いポリエステル及びポリカーボネートフィルムを採用することが望ましい。このような薄いフィルムを使用した場合には、スクリーンとしての剛性に乏しいことから、さらに厚さ0.7mm以上の透光性樹脂基板上に粘着材を介して積層した構成として基体シート4bを形成し、強度を維持することが好ましい。
BS5aは、基体シート4bの裏面の図示上下方向に、適宜の隙間を隔ててシリンドリカルレンズ4aが延びる方向に延して複数設けられた遮光部である。本実施形態では、黒色インキを帯状に印刷して形成されている。
BS5a間の隙間は、光が透過するスリット状の透過層5bを形成している。透過層5bは、本実施形態の場合、幅30μmとされ、シリンドリカルレンズ4aの光軸から±15μmの範囲に形成されている。
BS5aは、投射光50を略100%透過し、投射光50の光路外から入射するノイズ光をできるかぎり遮光して、コントラストを向上するために設けられている。そのため、透過層5bの幅は、投射光50の光透過範囲と略同じかわずかに広い幅に設定される。
透過層5bは、後述する拡散部材6を板状部材として形成し、光透過性の粘着剤、接着剤などにより固定する場合には、その粘着剤、接着剤により充填される。
粘着剤としては、アクリル系、エチレンビニルアセテート系などの粘着剤が使用されるが、その材質や構成等に特に限定されるものではなく汎用の粘着剤が使用可能である。また、粘着剤の代わりに紫外線硬化型接着剤を使用することも可能である。
また、後述する拡散部材6が、BS5a上に樹脂コーティングを行って硬化させることにより形成される場合には、透過層5bは、コーティング樹脂が充填され、結果として拡散部材6の一部をなしていてもよい。この場合、透過層5bも光拡散性を備えるものとなる。
拡散部材6は、透過層5bの範囲を通過する投射光50を2軸方向、例えば垂直(図示上下)および水平(紙面前後方向)に拡散して、適宜の視野角特性を持つようにするための光拡散性を有するシート状部材であり、基体シート4bに対向して設けられている。
拡散部材6は、適宜の光透過性の樹脂母材中に母材よりも高屈折率の光拡散剤を分散することにより形成することができる。例えば、樹脂母材を溶融して、光拡散剤を混練する
ことにより製作することができる。
ことにより製作することができる。
樹脂母材としては、基体シート4bと同様の樹脂材料を好適に採用することができる。
光拡散剤としては、珪素、アルミニウム、カルシウムあるいはこれらの酸化物を含む無機質粉末やガラスビーズあるいは、樹脂を架橋させたポリマービーズ等を採用することができる。
拡散部材6は、あらかじめ適宜の厚さを備えたシート状または板状に形成されたものを、BS5a上に粘着剤や接着剤などで固定してもよいし、樹脂母材中に光拡散剤を混練した樹脂をBS5aおよびBS5a間に露出する基体シート4b上にコーティングして硬化させて形成してもよい。
また、拡散部材6を透光性樹脂基材と光拡散層との2層構造により形成してもよい。このような2層構造は、BS5a上に透光性樹脂基材を固定し、光拡散剤を含む光拡散層をコーティングしたり、光拡散シートを粘着剤などにより固定したりすることで形成することができる。
表面フィルム7は、透過型スクリーン1を観察する側の最外面において、種々の機能を付与するために拡散部材6上に貼り付けたフィルム部材である。種々の機能としては、例えば反射防止機能、帯電防止機能などを挙げることができる。
次に本発明の透過型スクリーンの製造方法について、遮光部の形成方法を中心に説明する。フレネルレンズ部2の製造方法や、レンチキュラー部3において拡散部材6、表面フィルム7を設けるための製造方法などは、周知技術を適宜用いることができるので詳しい説明は省略する。
本実施形態では、レンチキュラーレンズシート4をシート状に形成した後、一定方向に搬送しつつ、基体シート4b上に連続的にBS5aを形成する。レンチキュラーレンズシート4は、BS5aを固定した後、拡散部材6、表面フィルム7を設ける工程が実施され、それらの工程が終了した後、適宜の大きさに切断され、レンチキュラー部3が完成する。
本実施形態におけるBS5aの形成方法は、以下に説明する版製造工程、遮光部形成工程、定着工程からなり、例えば、図2に示す遮光部形成装置10を用いて行われる。
遮光部形成装置10は、レンチキュラーレンズシート4を一定方向に搬送し、その搬送過程で、各工程を順次にかつ同時並行的に行うものである。
レンチキュラーレンズシート4は、シリンドリカルレンズ4aが図示下方、基体シート4bが図示上方を向いた状態で搬送される。各シリンドリカルレンズ4aが延びる方向は、適宜方向とすることができるが、長尺の場合はバッチ処理ではなく、搬送方向に沿って延されている場合の例で説明する。
そして、レンチキュラーレンズシート4上で、搬送方向に直交する方向を、以下、レンチキュラーレンズシート4の幅方向と称する。幅方向の寸法は、例えば背面投射型テレビ用であれば、約1m〜1.3m程度となる。
図3に示すように、まず、照明ユニット8によりシリンドリカルレンズ4aに向けて照明光8aを照射する。
このとき、シリンドリカルレンズ4aのレンズ領域以外の部分に予め位置合わせマークを形成しておく。
照明光8aは、各シリンドリカルレンズ4aに入射すると、そのパワーにより収斂光として進み、基体シート4bの裏面側で幅Wの範囲に出射される。そして、さらに収斂を続けて、結像位置Fで結像され、その後、発散しながら版材9に入射する。
本実施形態では、受光面上で光束が幅Wとなる位置に、予め版材9の感光面9aの位置を調整しておく。例えば照明光8aが出射される面から距離dの位置に設定されている。
版材9は、レンチキュラーレンズシート4が搬送方向画素の大きさに対応する所定画素サイズだけ搬送される時間内に、感光して、レンチキュラーレンズシート4が搬送されるにつれて、照明光8aが搬送方向の後方側に走査され、版全体が順次、露光する。なお、このとき露光するのはこれ以外に位置合わせマークも同様にシリンドリカルレンズから版材に露光される。その後、現像することにより版材から印刷版を得ることとなり、BS5aが設けられた印刷版が得られる。
このうち、版の露光工程について図3を用いてさらに詳しく説明する。
まず現物のレンチキュラーレンズシート4に予め位置合わせマークを形成しておく。
版製造工程は、レンチキュラーレンズシート4を挟んでそれぞれ対向して設けられた、シリンドリカルレンズ4a側の照明ユニット8と、基体シート4b側に固定した版材9とからなる。
照明ユニット8は、レンチキュラーレンズシート4の幅方向(図示の紙面奥行き方向)に延びるライン状あるいは帯状の照明光8aを照射するためのものである。例えば、1つの光源からの光を光ファイバで導光して、出射光を直線上に密接配置して、光束の拡がり角を整えるためのシリンドリカルレンズ(不図示)を設けた構成や、複数のLEDを直線上に配置し、それぞれの出射光を集光レンズで集光する構成などを採用することができる。
照明光8aの拡がり角は、投射光50の拡がり角に合わせる。本実施形態では、略0°、すなわち略平行光となるように設定されている。
照明光8aの波長は、特に限定されず、例えば適宜の可視光を好適に採用することができるが、投射光50と同様の波長特性を有する光であればBS5aをより高精度に形成することができて好ましい。
この上で、版材9にレンチキュラーレンズシート4を透過した照明光8aを露光して製造する。
照明ユニット8は、レンチキュラーレンズ部および位置合わせマークがある部分を照射するためのものである。例えば、1つの光源からの光を光ファイバで導光して、出射光を直線上に密接配置して、光束の拡がり角を整えるためのシリンドリカルレンズ(不図示)を設けた構成や、複数のLEDを直線上に配置し、それぞれの出射光を集光レンズで集光する構成などを採用することができる。
この様な版材は、メッシュと、露光部分が硬化し現像により未露光部分が除去される感
光性材料からなる版材である。
光性材料からなる版材である。
この結果製造された版は、図4の様なスクリーン印刷用版23であり、後述の印刷に用いられる。
次に、図5で示す様に遮光部形成部は、本実施形態では、上述の版23を用いてスクリーン印刷方式によりインキ15のパターンを形成し、レンチキュラーレンズシート4に版を介して転写する機構が採用されている。
インキ15は、遮光性を有していれば、特に色は限定されないが、反射光が迷光とならないように、光吸収性を有する黒色を採用することが好ましい。本実施形態では、適宜のガラス転移温度または融点を有する着色された熱可塑性樹脂の粉体から構成される。例えば、スクリーン印刷に用いる黒色インキである。
次に、本実施形態に係る透過型スクリーンの製造方法について、遮光部形成工程を動作ともに説明する。
遮光部形成工程は、図5に示すように、全面に設けたインキ15供給ドラム11上に一様に均一に形成し、版製造工程で製造された版23を介して回転することにより印刷する工程である。
定着工程では、このようにして基体シート4b上に形成されたインキ15の転写像を定着ユニット21により、熱定着する。
定着ローラ21aは、ローラ表面温度が所定温度に制御された状態で線速Vで回転され、対向する加圧ローラ21bとの間でレンチキュラーレンズシート4を挟持して搬送する。
このとき、定着ローラ21a、加圧ローラ21bで挟持されたニップ幅内で、インキ15に熱量が供給され、溶剤蒸発温度に達するとインキ15が固化してインキ15が基体シート4bに対して固着する状態が形成される。そして、ニップから出ると放熱して変形状態が固定され、インキ15が基体シート4bに定着される。
このようにして、インキ15によりBS5aが形成される。
本実施形態では、図4に示す様に位置合わせマーク24により、版23を介してレンチキュラーレンズシート4を透過する透過光路に正確に対応して、遮光部を形成することができる。
また、BS5aを形成するために、インキ15を基体シート4b上に、直接的に印刷するので、基体シート4bに粘着感光樹脂層などの光記録媒体を塗布、貼り付けなどにより設けなくてよくBS5aを簡素に形成することができる。
また、レンチキュラーレンズシート4を一定方向に搬送してその搬送路上で、定着工程を順次かつ同時並行的に行うことにより、BS5aを連続的に形成するので、レンチキュラーレンズシート4を効率的に製造することができる。
また、この搬送路上に、さらに拡散部材6、表面フィルム7を形成する工程を設ければ、レンチキュラーレンズシート4を1ラインで製造することができるという利点がある。
次に、本実施形態の変形例について説明する。
本変形例は、上記実施形態が、版材9を、BS5aの形成位置、形成幅に対応した透過光を受光できるように、基体シート4bから距離dの位置に配置したものであるのに対し、版材9を基体シート4b側に近づけて結像位置Fの近傍に配置して、版製造工程を行う。
この場合、照明光8aの透過光は、版材9上の略結像し、版材9では狭い範囲に高輝度の光が受光され、シャープな版を得る。
本変形例によれば、版材9が結像位置近傍の光で露光するため、シャープな版を得ることができ、それにより、感光状態の変動などによりBS5aの幅が変化することがなく、遮光部を高精度に形成することができるという利点がある。
また、上記の説明では、レンチキュラーレンズシート4が、基体シート4b上にシリンドリカルレンズ4aが接着された例で説明したが、図5に示すように、上記実施形態のシリンドリカルレンズ4aと基体シート4bとが一体に形成されたレンチキュラーレンズシート40も好適に採用することができる。
また、上記の説明では、遮光部形成工程をスクリーンで形成する例で説明したが、レンズシートで製造された版に基づいて遮光部を形成することができれば、他の印刷手段を用いてもよい。
例えば、オフセット方式やグラビア方式を採用してもよい。定着工程としては、例えばインクの乾燥を促進する乾燥器を採用することができる。
また、上記の説明では、レンズ部がシリンドリカルレンズの場合について説明したが、レンズ部は2次元的に配置された集光レンズ群であってもよい。この場合、上記実施形態によれば、自動的に遮光部が格子状あるいは水玉状に形成されるものである。上記実施形態の変形例では、遮光部の隙間のデータを、遮光部のエリアの形状と大きさのデータに代えればよい。
また、上記の説明では、遮光部形成材を定着工程で定着する場合の例で説明したが、遮光部形成材をレンズシートに定着するまでもなくその位置を固定した状態で、拡散部材6が形成できる場合には、定着工程を省略してもよい。
また、上記実施形態の説明では、版材9を基体シート4bから距離dに配置して、受光幅が、照明光8aが基体シート4bから出射される幅Wと同一になるように設定したが、コントラストまたは照明光8aのケラレが許容される範囲で、幅Wと異なる幅の光を受光するように位置を調整してもよい。例えば、転写時や定着時にBS5aのエッジ部の形状精度にバラツキが発生しやすい場合には、幅Wよりわずかに広くして、多少BS5aの形状がばらついても投射光50がBS5aのエッジ部にかからないようにすることなどが考えられる。
また、上記の説明では、レンチキュラーレンズシート4に入射する照明光8aが投射光50と同一の拡がり角を有する例で説明したが、例えば、BS5a間の隙間を幅Wと異なる値に設定する場合など、照明光8aの拡がり角を可変することにより、版材9上の露光幅を可変してもよい。
1 透過型スクリーン
2 フレネルレンズ部
3 レンチキュラー部
4 レンチキュラーレンズシート(レンズシート)
4a シリンドリカルレンズ(レンズ部)
4b 基体シート
5a ブラックストライプ(遮光部、BS)
6 拡散部材
7 表面フィルム
8 照明ユニット
8a 照明光
9 版材
9a 露光部
10 遮光部形成装置
10B 遮光部形成部
10C 定着部
11 ドラム
13a レーザ光
14 現像器
15 インキ(遮光部形成材)
20a、20b 搬送ローラ
21 定着ユニット
23 版
23a 開口部
23b 遮口部
24 位置合わせマーク
26 遮光部形成後のレンズシート
50 投射光
63 印刷後のスクリーン
2 フレネルレンズ部
3 レンチキュラー部
4 レンチキュラーレンズシート(レンズシート)
4a シリンドリカルレンズ(レンズ部)
4b 基体シート
5a ブラックストライプ(遮光部、BS)
6 拡散部材
7 表面フィルム
8 照明ユニット
8a 照明光
9 版材
9a 露光部
10 遮光部形成装置
10B 遮光部形成部
10C 定着部
11 ドラム
13a レーザ光
14 現像器
15 インキ(遮光部形成材)
20a、20b 搬送ローラ
21 定着ユニット
23 版
23a 開口部
23b 遮口部
24 位置合わせマーク
26 遮光部形成後のレンズシート
50 投射光
63 印刷後のスクリーン
Claims (4)
- 複数の集光レンズを表面に並列したレンズ部と、該レンズ部の裏面側に前記レンズ部の透過光の透過範囲を規制する遮光部とを有するレンズシートを備える透過型スクリーンの製造方法であって、
前記レンズシートの前記レンズ部側から照明光を照射し、前記レンズシートの裏面側の一定位置で、前記レンズ部により集光された前記照明光を受光することにより、前記遮光部を形成するための版を製造する版製造工程を行うとともに、
該版製造工程により製造された版に基づいて、該版の製造位置に位置合わせした前記レンズシートの裏面側に、遮光性を有する遮光部形成材を印刷する遮光部形成工程とを行うことにより、
前記レンズシートの遮光部を前記レンズシートの搬送方向にわたって連続的に形成することを特徴とする透過型スクリーンの製造方法。 - 前記照明光が、前記一定位置における受光面上で、前記遮光部の開口の形成位置および形成寸法に対応する範囲に集光されることを特徴とする請求項1記載の透過型スクリーンの製造方法。
- 前記版製造工程で取得された前記遮光部を形成するための版が、位置合わせマークを有するものであり、
前記遮光部形成工程では、前記位置合わせマークに基づいて、前記遮光部形成材の印刷を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の透過型スクリーンの製造方法。 - 前記遮光部形成工程により、前記レンズシート上に前記遮光部形成材が配置された後に前記遮光部形成材の前記レンズシート上の位置を固定する定着工程を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の透過型スクリーンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005286683A JP2007094300A (ja) | 2005-09-30 | 2005-09-30 | 透過型スクリーンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005286683A JP2007094300A (ja) | 2005-09-30 | 2005-09-30 | 透過型スクリーンの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007094300A true JP2007094300A (ja) | 2007-04-12 |
Family
ID=37980050
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005286683A Pending JP2007094300A (ja) | 2005-09-30 | 2005-09-30 | 透過型スクリーンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007094300A (ja) |
-
2005
- 2005-09-30 JP JP2005286683A patent/JP2007094300A/ja active Pending
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