JP2007092678A - 燃料タンク用溶着部品 - Google Patents

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健一郎 金子
Yoshitaka Kobayashi
義孝 小林
Kazumichi Yamada
和通 山田
Masashi Aoki
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Abstract

【課題】燃料タンク用溶着部品10は、燃料タンクFTへの溶着によりノッチが形成されてもクラックの起点となり難く、燃料タンクに高い接合強度で接合されること。
【解決手段】燃料タンク用溶着部品10は、燃料タンクFTのタンク開口FTcの全周縁部に溶着される溶着部22aを有する筒状の脚部22と、脚部22の外径Dより小さい外径dを有するカバー部24と、管体26と、コーナー部28aを有する応力分散部28とを備えている。応力分散部28は、曲率Rの段形状に形成され、ノッチNtに加わる応力の一部を負担してノッチNtに加わる最大応力を軽減し、ノッチNtがクラックの起点となるのを回避する。
【選択図】図3

Description

本発明は、燃料タンクのタンク壁に溶着され、燃料タンク内と外部とを接続する接続通路を有する燃料タンク用溶着部品に関する。
従来、この種の燃料タンク用溶着部品として特許文献1,2の技術が知られている。すなわち、燃料タンク用溶着部品は、カバー部と、カバー部から突出した管体とを備え、カバー部で燃料タンクのタンク開口を覆い、該カバー部の外周下面およびタンク開口の周縁部とを熱溶着することにより、燃料タンクを外部通路に接続している。
しかし、燃料タンク用溶着部品は、カバー部の溶着部に、ノッチが形成される。こうしたノッチは、振動で燃料タンクにかかる衝撃および燃料膨潤などで応力が集中してクラックを生じる起点となり易いため、設計、生産上の条件設定、品質管理に膨大な工数と費用をかけていた。
特開2002−54519号公報 特開2002−332925号公報
本発明は、上記従来の技術の問題を解決するものであり、燃料タンクへの溶着によりノッチが形成されてもクラックの起点となり難く、燃料タンクに高い接合強度で接合される燃料タンク用溶着部品を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明は、
燃料タンクのタンク開口の全周縁部にシールした状態で溶着される溶着部を有する筒状の脚部と、該脚部の上部に一体形成され上記脚部の外径Dより小さい外径dを有するカバー部と、を有する燃料タンク用溶着部品であって、
上記脚部の上部とカバー部の下部の接続箇所の外周に沿って段状に形成され、該接続箇所に曲率Rを有するコーナー部を有する応力分散部を設けたこと、を特徴とする。ここで、応力分散部の形状としての段状は、階段のように平面のほかに、曲率と連続した傾斜面や湾曲した面であってもよい。
本発明にかかる燃料タンク用溶着部品は、燃料タンクのタンク開口の全周縁部にシールした状態で溶着部で溶着される。溶着部は、熱的変形することで、径方向の外方へ溶融した樹脂が張り出して固化することで接続部となる。この接続部の上部の根元には、V字形のノッチが形成されてしまう。こうしたノッチは、クラックの起点になりやすい。しかし、接続部の上方に設けた応力分散部が、ノッチに加わる最大応力を低減して、ノッチがクラックの起点となるのを回避する。
本発明の好適な態様として、上記溶着部が上記燃料タンクに溶着したときに径方向に拡張することにより形成されるノッチと上記コーナー部との距離をLとし、上記応力分散部を設けない形状にて上記ノッチを開く方向へ力を加えたときに生じるノッチに生じる最大応力をτaとし、上記応力分散部を設けた形状にて上記ノッチを開く方向へ力を加えたときに生じるノッチに生じる最大応力をτbとし、上記ノッチを開く方向へ力を加えたときに生じる上記応力分散部の最大応力をτcとしたときに、上記応力分散部は、τb<0.85τa、τc<0.80τaとなるように、上記距離Lおよび上記コーナー部の曲率を設定した構成をとることができる。
また、本発明の好適な態様として、上記カバー部のほぼ中央部から突設され燃料タンクを外部に接続する管体を備えた構成をとることができる。
さらに、本発明の好適な態様として、上記溶着部を含む外層と、外層の内側であって上記燃料タンクと外部とを接続する接続通路を形成する内層とを積層することにより形成され、上記外層は、燃料タンクの壁面に溶着性を有する第1樹脂材料から形成され、内層は、第1樹脂材料より耐燃料透過性に優れかつ剛性の高い第2樹脂材料から形成されている構成をとることができる。この構成において、内層の第2樹脂材料は、燃料に対する耐燃料透過性に優れるとともに燃料膨潤量が、外層の第1樹脂材料よりも小さい。このため、燃料タンク内の燃料により、内層は、その形状を維持しようとするが、外層は膨張し、その間に剪断応力が発生する。この剪断応力は、ノッチのほかに応力分散部にも加わる。このとき、応力分散部は、応力を負担するとともに、ノッチに加わる応力を低減してノッチへの応力集中を緩和する。したがって、ノッチに加わる最大応力の値は、クラックの起点となる応力の値より低い値になり、燃料タンク用溶着部品が脚部の部分で破損を生じない。
こうした樹脂材料として、上記燃料タンクがポリエチレンから形成し、上記第1樹脂材料が極性官能基を添加した変性オレフィン系樹脂から形成し、上記第2樹脂材料が第1樹脂材料と接着反応性を有するポリアミドから形成することができる。
(1) 燃料タンク用溶着部品10の構成
図1は本発明の一実施例にかかる自動車の燃料タンクFTの上部に取り付けられた燃料タンク用溶着部品10を示す断面図である。図1において、燃料タンクFTは、その表面がポリエチレンを含む複合樹脂材料から形成されており、ブロー成形方法により3層に形成されている。すなわち、燃料タンクFTは、タンク内層FT1と、タンク外層FT2と、タンク内層FT1とタンク外層FT2との間に介在しているバリア層FT3とを積層することにより形成されている。タンク内層FT1とタンク外層FT2は、高密度ポリエチレンから形成され、主として燃料タンクの機械的強度を確保する構造材としての機能を有している。一方、バリア層FT3は、耐燃料透過性に優れたエチレンビニルアルコール(EVOH)またはポリアミド(PA)から形成され、燃料蒸気の透過を防止する遮蔽材としての機能を有している。燃料タンク用溶着部品10は、燃料タンクFTのタンク開口FTcを塞ぐとともに、ホースHに接続するための継手であり、外部への通気路やインレットパイプなどの燃料供給路として用いられる。
図2は燃料タンク用溶着部品10を燃料タンクFTに溶着する前の状態を示す断面図である。図2において、燃料タンク用溶着部品10は、筒状の脚部22と、該脚部22の上部に一体形成され上記脚部22の外径より小さい外径を有するカバー部24と、該カバー部24のほぼ中央部から突設され燃料タンクFTを外部に接続する管体26とを備えている。
脚部22の下部は、燃料タンクFTのタンク開口FTcの全周縁部にシールした状態で溶着される溶着部22aとなっている。
カバー部24は、脚部22の上部に一体形成され、上記脚部22の外径より小さい外径に形成されている。
管体26は、燃料タンクFT内と外部とを接続する接続通路26aを有するとともに、その外周部にホースHを接続するための管接続部26bとを備えている。
上記脚部22の上部とカバー部24の下部の接続箇所の外周に沿って段部に形成された応力分散部28が形成されている。応力分散部28は、脚部22より縮径された全周にわたった段形状の凹所に形成されるとともに、その奥側のコーナー部28aが面取りされた曲面になっている。図3は燃料タンク用溶着部品10の要部を拡大した断面図である。上記脚部22の溶着部22aは、後述するように燃料タンクの開口周縁部の全周にわたって溶着されるときに、樹脂の溶融により脚部22の外径方向に拡張して、接続部22Aになっている。この接続部22Aの内側上部には、内側に切れ込んだノッチNtとなっている。
図2に示すように、燃料タンク用溶着部品10は、外層10aと、該外層10aの内側から上部にかけて形成された内層10bとを積層することにより形成されている。外層10aは、主として燃料タンクFTと溶着するとともにシールする層である。内層10bは、主として燃料蒸気の透過量を低減するための層であり、外層10aより耐燃料透過性に優れた樹脂材料から形成されている。
外層10aおよび内層10bを形成する樹脂材料は、燃料タンクFTとの溶着性、耐燃料透過性および外層10aと内層10bとの接着性などを考慮して定められている。すなわち、外層10aは、主として燃料タンクFTに対する熱溶着性を考慮して定められており、燃料タンクFTのタンク外層FT2がオレフィン系樹脂であるポリエチレンの場合に、極性官能基を添加した変性オレフィン系樹脂(第1樹脂材料)を用いている。また、内層10bは、主として耐燃料透過性を考慮して定められており、ポリアミドまたはポリアセタール(第2樹脂材料)を用いている。外層10aを形成する第1樹脂材料は、オレフィン系樹脂であるから、同系のタンク外層FT2を形成するポリエチレンに溶着することができ、また、極性官能基を添加しているから、内層10bを形成するポリアミドに反応接着する。ここで、変性オレフィン系樹脂は、極性官能基としてマレイン酸を添加したものを用いることができる。マレイン酸を添加することによる結晶化度は、64〜75%とし、耐燃料透過性を高めている。
燃料タンク用溶着部品10は、いわゆる2色成形法によって成形される。2色成形法とは、2種類の樹脂を射出することにより外層10aと内層10bとに分けて一体に成形する方法であり、例えば、成形型内に第1樹脂材料を射出しして外層10aを成形した後に、成形型を交換して第2樹脂材料を射出して内層10bを形成する工程である。
(2) 燃料タンク用溶着部品10の溶着作業
次に燃料タンク用溶着部品10を燃料タンクFTのタンク上壁FTaに溶着する作業について説明する。図2において、燃料タンク用溶着部品10の溶着部22aの下端を熱板(図示省略)により溶融するとともに、燃料タンクFTのタンク開口FTcの周囲に沿って熱板(図示省略)により溶融して溶着面FTdとする。溶着面FTdに溶着部22aを溶着面FTdに押しつける。これにより、溶着部22aと溶着面FTdとが共にオレフィン系の樹脂材料で形成されているので、冷却固化すると両者が互いに溶着する。このとき、図3に示すように溶着部22aは、熱的変形することで、径方向の外方へ溶融した樹脂が張り出して固化することで接続部22Aとなる。
(3) 燃料タンク用溶着部品10の作用・効果
燃料タンク用溶着部品10の接続部22Aの上部の根元には、V字形のノッチNtが形成されてしまう。こうしたノッチNtは、クラックの起点になりやすい。しかし、接続部22Aの上方に設けた応力分散部28が、ノッチNtに加わる最大応力を低減して、ノッチNtがクラックの起点となるのを回避する。すなわち、バリア層FT3を含む燃料タンクFTおよび内層10bは、EVOH,またはPAであるから燃料に対する膨潤量が、ポリエチレンである外層10aよりも小さい。燃料タンクFT内の燃料により、燃料タンクFTおよび内層10bは、その形状を維持し、特に内層10bは、耐燃料透過性を高めるためにマレイン酸変性による結晶化度を64〜75%に増加しているためにその形状維持する力が大きく、一方、外層10aは膨張することから、その間に剪断応力が発生する。この剪断応力は、ノッチNtのほかに応力分散部28にも加わる。このとき、応力分散部28は、応力の一部を負担するとともに、ノッチNtに加わる応力を低減してノッチNtへの応力集中を緩和する。したがって、ノッチNtに加わる最大応力の値は、クラックの起点となる応力値より低い値になり、燃料タンク用溶着部品10が脚部22の部分で破損を生じない。
(4) 燃料タンク用溶着部品10の強度試験および設計手法
次に、応力分散部28がノッチNtに加わる最大応力を低減する効果についての試験を行なった。試験は、応力分散部28の曲率Rを変更した試料を作製し、この試料に剪断応力を加えてクラックを生じるまでの時間を測定する耐久試験により行なった。図4は応力耐久試験を説明する説明図である。試料は、インレットパイプの流出口に設けるチェックバルブに相当する燃料タンク用溶着部品とした。すなわち、試料は、応力分散部28の曲率Rを異にしたものを作製し、これを燃料タンクのタンク上壁に相当する樹脂プレートTpに熱溶着した。そして、金属製の基板Bp上にスペーサSpおよび試料を載置し、ボルトBtを締結することにより、基板Bpと樹脂プレートTpとでスペーサSpを挟持することにより、樹脂プレートTpに曲げ応力を加える。ノッチNtおよび応力分散部28には、剪断応力が加わり、ノッチNtまたは応力分散部28を起点にしてクラックが生じるまでの時間を調べた。なお、試料は、その通路内に燃料を充填して燃料膨潤の雰囲気に設定した。
図5は燃料タンク用溶着部品10に相当する試料の要部の寸法を説明する説明図である。ここで、試料の脚部22の外径をD、カバー部24の外径をd、溶着部22aの幅をWa、応力分散部28の幅をWb(=(D−d)/2)、応力分散部28のコーナー部28aの曲率をR、脚部22のうちノッチNtが形成される溶着部22aの高さをHa、ノッチNtから応力分散部28の下端までの高さをHb、ノッチNtから応力分散部28のコーナー部28aまでの距離をL、応力分散部28からカバー部24の内側のコーナ部までの距離をZとする。ここで、外径Dは68mm、幅Waは5.5mm、高さHbは2.5mm、幅Wbは2.0mmで一定の値とし、応力分散部28の曲率Rを、0.5mm、1mm、2mm、4mmと変えた試料1〜4および応力分散部28のない比較例を用いた。ここで、幅Waの値を一定としたのは、所定以上の溶着強度を確保するために溶着面積を必要とするが、幅Waが大きすぎると、平坦度を確保することが難しく、かえって溶着性が低下することから上述の幅とした。また、幅Wbを2.0mmとしたのは、幅Waが5.5mmであることを考慮し、幅Wbを大きくすると距離Zが短くなり、応力分散部28でクラックを生じ易くなるからであり、一方、幅Wbを短くし過ぎると応力分散部28の応力分散効果が低減されるからである。また、高さHbを2.5mmとしたのは、高さHbはノッチNtからの距離であり、脚部22の機械的強度や応力分散部28による応力分散効果を考慮したからである。
図6は曲率Rとクラック発生時間との関係を説明するグラフである。図6から分かるように、試料1から試料3の曲率Rが0.5mm、1mm、2mmの値にて、ノッチNtでクラックを生じる前に応力分散部28でクラックを生じ、つまりノッチNtでのクラックの発生を回避するという応力分散部28の応力分散効果が認められる。また、試料3の曲率Rが2mmのときにクラック発生時間が最も長く、応力分散効果に優れ、最大応力の急激な変動がないことを考慮して、試料では表わされていないが曲率Rが3mmでもその効果が推定される。このことから曲率Rが0.5〜3.0mmの範囲にて応力分散部28による応力分散効果があると認められる。
次に、応力分散部28がノッチNtに加わる最大応力を低減する効果について、コンピュータによる応力解析を行なった。図7はコーナー部28aの曲率Rを変更したときのノッチNtおよび応力分散部28の最大応力の値を示すグラフである。ここで、応力分散部28を設けない形状にてノッチNtを開く方向へ力を加えたときに生じるノッチNtに生じる最大応力をτaとし、応力分散部28を設けた形状にてノッチNtを開く方向へ力を加えたときに生じるノッチNtに生じる最大応力をτbとし、ノッチNtを開く方向へ力を加えたときに生じる応力分散部28の最大応力をτcとする。図7の実線はノッチNtの最大応力τbの値を、1点鎖線は応力分散部28の最大応力τcの値をそれぞれ示す。
図7において、曲率Rが0の値に近づくにつれて応力分散部28が直角のノッチの形状に近づくことを意味し、一方、曲率Rが大きくなるにつれて応力分散部28がなだらかな曲線を描く形状になることを意味する。つまり、曲率Rが0の値に近づくにつれて応力分散部28がノッチと同様にクラック発生の要因になる。一方、曲率Rが5mmを越える値になると、応力分散部28が存在しないと認められる形状となる。よって、図7の応力分散部28が存在しないと認められる曲率Rが5mmを越えて収束すると認められる値から、応力分散部28がないときのノッチNtの最大応力τaは、9MPaと求められる。ここで、図6のグラフから、曲率Rが0.5〜3.0mmの範囲にて応力分散部28の応力分散効果があると認められるから、そのときのノッチNtの最大応力τbが7.6MPa以下であり、τb/τa<0.85であり、一方、応力分散部28の最大応力τcが5.5〜7.2MPaであり、τc/τaが0.61〜0.80である。
図8は応力分散部28の幅Wbを変更したときのノッチNtおよび応力分散部28の最大応力の値を示すグラフである。コンピュータによる解析は、試料の曲率Rを2mm、高さHbを2.5mmに一定とし、幅Wbを2.5mmまでの値で変えることでノッチNtおよび応力分散部28の最大応力τb,τcをそれぞれ求めた。ここで、最大応力τbが7.6MPa以下で、最大応力τcが5.5〜7.2MPaをとるときの幅Wbは、1.7〜2.3mmである。このことは、幅Wbが1.7mmを下回ると、応力分散部28の効果がなくなり、ノッチNtでクラックを生じ易くなることを意味し、一方、幅Wbが2.3mmを上回ると、図5の距離Zが短くなり、応力分散部28でクラックを生じ易くなることを意味する。
図9は脚部22の高さHbを変更したときのノッチNtおよび応力分散部28の最大応力の値を示すグラフである。コンピュータによる解析は、試料の曲率Rを2.0mm、幅Wbを2.0mmに一定とし、高さHbを3.3mmまでの値で変えることでノッチNtおよび応力分散部28の最大応力τb,τcをそれぞれ求めた。ここで、最大応力τbが7.6MPa以下で、最大応力τcが5.5〜7.2の値をとるときの高さHbは、2.0〜3.0mmである。このことは、高さHbが2.0mmを下回ると、応力分散部28でクラックが発生しやすくなり、一方、高さHbが3.0mmを上回ると、ノッチNtでクラックが発生し易くなることを意味する。
したがって、上述したコンピュータによる解析方法を用いることにより、燃料タンク用溶着部品10を設計するのに、応力分散部28がないときのノッチNtの最大応力τaを求め、τb/τa<0.85であるとともに、τc/τaが0.61〜0.80の範囲となる曲率R、幅Wbおよび高さHbを選べば、燃料タンク用溶着部品10を実際に作成することなく、クラックが生じにくい形状を特定することができるから、設計、生産上の条件設定、品質管理に膨大な工数と費用を要しない。
(5) 他の実施例
この発明は上記実施例に限られるものはなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(5)−1 燃料タンクを外部に接続したり封止したりする箇所であれば、各種の燃料タンク用溶着部品に適用することができ、例えば、満タン規制バルブやロールオーバーバルブなどの燃料遮断弁、燃料タンクの燃料を循環させる循環ライン、燃料を供給するためのインレットパイプへの継手、インレットパイプの流出口のチェックバルブのケーシングなどに適用できる。
(5)−2 上記実施例の燃料タンク用溶着部品10は、2色成形で2種類の樹脂から形成したが、これに限らず、単一の樹脂材料で形成してもよい。
本発明の一実施例にかかる自動車の燃料タンクの上部に取り付けられた燃料タンク用溶着部品を示す断面図である。 燃料タンク用溶着部品を燃料タンクに溶着する前の状態を示す断面図である。 燃料タンク用溶着部品の要部を拡大した断面図である。 応力耐久試験を説明する説明図である。 燃料タンク用溶着部品の要部の寸法を説明する説明図である。 応力分散部の曲率とクラック発生時間との関係を説明するグラフである。 コーナー部の曲率Rを変更したときのノッチおよび応力分散部の最大応力発生値を示すグラフである。 応力分散部の幅Wbを変更したときのノッチおよび応力分散部の最大応力発生値を示すグラフである。 脚部の高さHbを変更したときのノッチおよび応力分散部の最大応力発生値を示すグラフである。
符号の説明
10...燃料タンク用溶着部品
10a...外層
10b...内層
22...脚部
22A...接続部
22a...溶着部
24...カバー部
26...管体
26a...接続通路
26b...管接続部
28...応力分散部
28a...コーナー部
FT...燃料タンク
FTa...タンク上壁
FTc...タンク開口
FTd...溶着面
FT1...タンク内層
FT2...タンク外層
FT3...バリア層
H...ホース
Tp...樹脂プレート
Bp...基板
Sp...スペーサ
Bt...ボルト
Nt...ノッチ

Claims (5)

  1. 燃料タンク(FT)のタンク開口(FTc)の全周縁部にシールした状態で溶着される溶着部(22a)を有する筒状の脚部(22)と、該脚部(22)の上部に一体形成され上記脚部(22)の外径Dより小さい外径dを有するカバー部(24)と、を有する燃料タンク用溶着部品であって、
    上記脚部(22)の上部とカバー部(24)の下部の接続箇所の外周に沿って段状に形成され、該接続箇所に曲率Rを有するコーナー部(28a)を有する応力分散部(28)を設けたこと、を特徴とする燃料タンク用溶着部品。
  2. 請求項1に記載の燃料タンク用溶着部品において、
    上記溶着部(22a)が上記燃料タンク(FT)に溶着したときに径方向に拡張することにより形成されるノッチ(Nt)と上記コーナー部(28a)との距離をLとし、上記応力分散部(28)を設けない形状にて上記ノッチ(Nt)を開く方向へ力を加えたときに生じるノッチ(Nt)に生じる最大応力をτaとし、上記応力分散部(28)を設けた形状にて上記ノッチ(Nt)を開く方向へ力を加えたときに生じるノッチ(Nt)に生じる最大応力をτbとし、上記ノッチ(Nt)を開く方向へ力を加えたときに生じる上記応力分散部(28)の最大応力をτcとしたときに、
    上記応力分散部(28)は、τb<0.85τa、τc<0.80τaとなるように、上記距離Lおよび上記コーナー部(28a)の曲率Rを設定したこと、を特徴とする燃料タンク用溶着部品。
  3. 請求項1または請求項2に記載の燃料タンク用溶着部品において、
    さらに、上記カバー部(24)のほぼ中央部から突設され燃料タンク(FT)を外部に接続する管体(26)を備えた燃料タンク用溶着部品。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の燃料タンク用溶着部品において、
    上記溶着部(22a)を含む外層(10a)と、該外層(10a)の内側であって上記燃料タンク(FT)と外部とを接続する接続通路(26a)を形成する内層(10b)とを積層することにより形成され、
    上記外層(10a)は、上記燃料タンクの壁面に溶着性を有する第1樹脂材料から形成され、
    上記内層(10b)は、第1樹脂材料より耐燃料透過性に優れかつ剛性の高い第2樹脂材料から形成されている燃料タンク用溶着部品。
  5. 請求項4の燃料タンク用溶着部品において、
    上記燃料タンクは、ポリエチレンから形成され、
    上記第1樹脂材料は、極性官能基を添加した変性オレフィン系樹脂から形成され、
    上記第2樹脂材料は、第1樹脂材料と接着反応性を有するポリアミドから形成されている燃料タンク用溶着部品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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