JP2007090504A - クーラント穴付きドリル - Google Patents

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Yoshihiro Kondo
芳弘 近藤
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Abstract

【課題】逃げ面開口部からクーラントを特定方向へ導き・制御し、先端切れ刃の外周側へより供給し、ドリル寿命を改善したドリルを提供する。
【解決手段】クーラントホールが先端切れ刃の逃げ面に開口したクーラント穴付きドリルにおいて、該クーラントホールの開口部から流路を、該逃げ面上に、ランド部外周側に向け、該流路の終端をランド部外周側に開通させたことを特徴とするクーラント穴付きドリルであり、該流路を溝状に設け、その断面積をクーラント穴の開口部側から開通部側に向かって漸次大きくしたことを特徴とするクーラント穴付きドリルである。
【選択図】なし

Description

本願発明は、流体供給用のクーラント穴付きドリルに関する。
潤滑及び冷却を目的として、不水溶性切削油、水溶性切削油、エァ−等の湿式・乾式切削では、先端切れ刃近傍へ、ドリル内部に設けたクーラントホールを、逃げ面上に開口部を設け、開口部の形状に関して様々な工夫が成されている。特許文献1は、クーラント穴の開口部の形状を略3角形にしたドリルが記載され、特許文献2は、逃げ面のクーラント穴の開口部に連通する窪んだ表面を有するドリルが記載されている。
しかし、特許文献1記載のドリルは、クーラントの方向を定めるものではなく、先端切れ刃全体に供給するものであり、特許文献2記載のドリルは、クーラントを溜めるのみであり、クーラントを特定方向へ制御することは開示されていない。
特開2005−52940号公報 特表2002−520178号公報
本願発明は、逃げ面開口部からクーラントを特定方向へ導き・制御し、先端切れ刃の外周側へより供給し、ドリル寿命を改善したドリルを提供する。
本願発明は、クーラントホールが先端切れ刃の逃げ面に開口したクーラント穴付きドリルにおいて、該クーラントホールの開口部から流路を、該逃げ面上に、ランド部外周側に向け、該流路の終端をランド部外周側に開通させたことを特徴とするクーラント穴付きドリルである。本発明を適用することにより、開口部から噴出するクーラントは、被削材に衝突した後、流路により導かれて、先端切れ刃の外周側付近により多く供給することができ、切れ刃の潤滑・冷却等に有効に作用する。
本願発明により、逃げ面開口部から先端切れ刃の外周付近により多く供給でき、ドリル寿命を改善することができた。
本願発明は、クーラントの流出する方向を制御することにより、先端切れ刃によりクーラント供給を優先的に行うものである。先ず、クーラントホールから流路を設けることにより、流路内に沿って、クーラントを導くことができる。導く方向は、クーラントホールの逃げ面開口部から、該逃げ面上に、ランド部外周側に向けて流路を設けることにより、クーラントを先端切れ刃全体にではなく、特定の方向へ、十分な量のクーラントが供給され、冷却及び潤滑の効果を充分に発揮させることができる。流路は、溝状に設けても良く、その断面における流路の幅は、クーラント穴の直径の75%〜125%の範囲内が望ましく、その深さは、クーラント穴の直径の50%〜100%の範囲内が望ましい。更に、幅に対する深さの比率は50%〜100%が望ましい。
次に、該流路の断面積をクーラント穴の開口部側からランド側に向かって漸次大きくすることにより、クーラントが優先的に流路を通り、十分な量のクーラントをより供給することができる。漸次大きくする方法としては、溝状流路の幅又は深さの増加等があり後工程で溝状流路が設けることができ、再研削・再使用に対しても容易に対応できる。
更に、該溝状流路の断面における最深部が溝状流路の幅の中心より先端切れ刃側に設けることにより、溝状流路の断面形状を左右非対称とし、より多量のクーラントを先端切れ刃側に供給でき、一層のドリル寿命が向上する。以下、本願発明を実施例に基づき詳細に説明する。
(実施例1)
本発明例1は、ドリル径6.0mm、溝長45mmで、逃げ面に開口する直径1mmのスパイラルクーラントホールを設けた超微粒子超硬合金製のツイストドリルを用いて、クーラントホールの開口部から、V字状の流路を、幅1mm、深さ0.75mm、漸次拡大し、溝状流路の終端では、幅1.2mm、深さ0.9mmに拡げて設け、ランド部外周側に開通させている。
比較のため、比較例2として、本発明例1に流路を設けないもの、従来例3として、特許文献1記載のクーラント穴の開口部が略3角形のドリルを、従来例4として、特許文献2記載の逃げ面のクーラント穴の開口部に連通する窪んだ表面を有するドリルを本発明例1と同様の仕様で製作した。尚、本発明例1〜従来例4は、TiAlNを被覆した。
試験は、各試料を3本づつ用意し、被削材は、SCM440(HRC30)を、縦型マシニングセンターを用い、クーラントには不水溶性切削油を使用しクーラント圧を2MPaで供給した。切削条件は、切削速度80m/min、送り量、0.15mm/rev、穴あけ深さ30mmの通り穴を100穴、1000穴加工し、穴加工後の先端切れ刃の損傷状態を観察した。
先ず、100穴では、本発明例1は、3本共、問題なく加工でき、先端切れ刃の損傷状態は、溶着もなく、正常摩耗であった。比較例2は、3本共、問題なく加工できたが、先端切れ刃の損傷状態は、溶着がやや認められた。従来例3、4は、3本共、問題なく加工できたが、先端切れ刃の損傷状態は、溶着が比較例2よりも更に多く認められた。
更に、試験を継続し、1000穴迄加工を行った結果、本発明例1は、3本共、問題なく加工でき、先端切れ刃の損傷状態は、溶着はやや認められるものの正常摩耗であった。比較例2は、3本共、1000穴まで加工できたが、先端切れ刃の損傷状態は、2本に溶着から生じたチッピングが認められた。従来例3、4は、3本共、1000穴まで加工できたが、3本共、溶着から生じたチッピングが認められた。

Claims (3)

  1. クーラントホールが先端切れ刃の逃げ面に開口したクーラント穴付きドリルにおいて、該クーラントホールの開口部から流路を、該逃げ面上に、ランド部外周側に向け、該流路の終端をランド部外周側に開通させたことを特徴とするクーラント穴付きドリル。
  2. 請求項1記載のクーラント穴付きドリルにおいて、該流路を溝状に設け、その断面積をクーラント穴の開口部側から開通部側に向かって漸次大きくしたことを特徴とするクーラント穴付きドリル。
  3. 請求項1又は2記載のクーラント穴付きドリルにおいて、該流路の断面における最深部が、該流路の幅の中心より先端切れ刃側にあることを特徴とするクーラント穴付きドリル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH03107113U (ja) * 1990-02-21 1991-11-05

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03107113U (ja) * 1990-02-21 1991-11-05

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