JP2007089943A - 磁場調整用シムボード、磁場調整装置および磁場調整方法 - Google Patents

磁場調整用シムボード、磁場調整装置および磁場調整方法 Download PDF

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Abstract

【解決課題】MRI用磁場発生装置、強磁場ダイポールリング磁気回路等の高均一性磁場調整を行う際に、さまざまな要因によるばらつきを抑え、より精度が高く、省力化された磁場調整方法を提供する。
【解決手段】空間を隔てて対向する一対の板状継鉄と、該一対の板状継鉄のそれぞれの対向面側に設けられる永久磁石と、該永久磁石のそれぞれの対向面側に設けられ、磁場調整片および該磁場調整片を収納する穴を有する磁場調整片収納ボードとを備えた磁場発生装置における、対向する永久磁石の間の空隙に発生させる磁場を調整するための磁場調整装置であって、前記磁場調整片収納ボードに設けられた穴と同位置に該穴と同一形状の穴を有し、その穴に収納され、直流電源に接続可能なシムコイルを備える磁場調整用シムボードと、前記空隙に配置された磁場測定手段とを備えた磁場調整装置である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、磁場調整用シムボード、磁場調整装置および磁場調整方法に関する。
磁気共鳴断層撮影装置(MRI)は、磁気共鳴現象を利用した断層撮影装置であり、医療診断などに盛んに使用されている。従来、MRIの磁場発生用として、常伝導電磁石、超伝導電磁石等が使用されているが、最近の高特性希土類永久磁石の開発により、希土類永久磁石(以下単に永久磁石という)をMRIの磁場発生用として使用することが、例えば0.5T以下の低磁場の機種では主流となってきている(非特許文献1参照)。
また、環状をなし、各磁石の着磁方向が環の半周で1回転可能なように配列された複数の磁石要素を含み、環の内部空間に実質的に一方向の磁場を発生し、各磁石要素が該一方向の磁界と同じ強度の磁界を有するように構成されたダイポールリング磁気回路は、磁気共鳴断層撮影装置(MRI)や半導体素子製造工程、そして基礎研究向け均一磁界発生手段等として広く利用されている。
従来、1軸性の均一な磁界発生手段としては常伝導電磁石、超伝導電磁石等が使用されているが、最近の高特性希土類永久磁石の開発により、希土類永久磁石(以下単に永久磁石という)を均一磁場発生装置として使用することが、例えば1T以下の磁場強度を要求される磁場発生装置では励磁中の電流が不要であり省エネ効果も期待できることから注目されている。
これらの磁気回路では、非常に均一で方向性の良い磁場を発生させることが必要不可欠であり、もちろん磁気回路の初期設計においても発生磁場の最適化を行っているが、実際の磁気回路製作においては、構成する個々の磁石セグメントの寸法、磁気特性にバラツキがあるために、必然的に回路組上げ後の磁場調整を行わなければならない。
従って、ニュートン法、線形計画法、整数計画法等の最適化手法を用いて磁場調整を行っている。
しかしながら、計算上最適化されても、従来の永久磁石シムや鉄片等のシムを複数以上組み合わせて行う磁場の調整方法では、各シムの形状にばらつきがあるため、形成される磁場に累積誤差が発生する(特許文献1を参照。)。そして一般に1回の磁場調整では許容値まで調整できないため、複数回磁場調整を行うことになるが、それによりシム数が多くなった場合、累積誤差により磁場調整が収束しなくなってしまうことがあった。
そのため、従来の磁場調整では、貼付シム量を制限して磁場調整回数を増やす、または熟練技術者の勘に頼る等の方法でしか高均一磁場を達成することができなかった。
特開2002−165773号公報 Halbach,K., Design of permanent magnet multipole magnets with oriented rare earth cobalt material, Nuclear Instruments and Methods,vol.169,1980,pp.1-10
従って、本発明の目的は、MRI用磁場発生装置、強磁場ダイポールリング磁気回路等の高均一性磁場調整を行う際に、さまざまな要因によるばらつきを抑え、より精度が高く、省力化された磁場調整方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものである。
すなわち、本発明に係る磁場調整用シムボードは、空間を隔てて対向する一対の板状継鉄と、該一対の板状継鉄のそれぞれの対向面側に設けられる永久磁石と、該永久磁石のそれぞれの対向面側に設けられ、磁場調整片および該磁場調整片を収納する穴を有する磁場調整片収納ボードとを備えた磁場発生装置における、対向する永久磁石の間の空隙に発生させる磁場を調整するための磁場調整用シムボードであって、前記磁場調整片収納ボードに設けられた穴と同位置に該穴と同一形状の穴を有し、その穴に収納されたシムコイルを備えるものである。
本発明に係る磁場調整装置は、空間を隔てて対向する一対の板状継鉄と、該一対の板状継鉄のそれぞれの対向面側に設けられる永久磁石と、該永久磁石のそれぞれの対向面側に設けられ、磁場調整片および該磁場調整片を収納する穴を有する磁場調整片収納ボードとを備えた磁場発生装置における、対向する永久磁石の間の空隙に発生させる磁場を調整するための磁場調整装置であって、前記磁場調整片収納ボードに設けられた穴と同位置に該穴と同一形状の穴を有し、その穴に収納され、直流電源に接続可能なシムコイルを備える磁場調整用シムボードと、前記空隙に配置された磁場測定手段とを備えたことを特徴とするものである。
本発明に係る磁場調整方法は、空間を隔てて対向する一対の板状継鉄と、該一対の板状継鉄のそれぞれの対向面側に設けられる永久磁石と、該永久磁石のそれぞれの対向面側に設けられ、磁場調整片および該磁場調整片を収納する穴を有する磁場調整片収納ボードとを備えた磁場発生装置における、対向する永久磁石の間の空隙に発生させる磁場を調整するための磁場調整方法であって、前記磁場調整片収納ボードに換えて、該磁場調整片収納ボードに設けられた穴と同位置に該穴と同一形状の穴を有し、その穴に収納され、直流電源に接続可能なシムコイルを備える磁場調整用シムボードを配する工程と、前記シムコイルに直流電源を接続する工程と、前記空隙の所定箇所の計測値と、目標とする磁場均一度を比較して、前記シムコイルの各々に流す前記直流電源の電流量及び/又は電流の向きを決定する工程と、前記決定した電流量及び/又は電流の向きとなるように前記シムコイルに電流を加え、目標とする磁場均一度となるように該電流量及び/又は電流の向きを調整する工程と、前記磁場調整用シムボードに換えて前記磁場調整片収納ボードを配し、前記シムコイルに流した電流量により生じる磁束量に相当する磁場調整片を該磁場調整片収納ボードの穴に配する工程とを含むことを特徴とするものである。
以下に詳細に説明するように、本発明によれば、磁場を短時間で高均一磁場に累積誤差なく調整することが可能となり、さらに磁場調整結果を固定することができる。
本願の発明者は、例えばMRI用磁場発生装置等で要求される磁場の均一領域を、短時間でより高均一にするために磁場調整方法を改良した結果、磁場調整に用いる微小な磁場調整量に連続性があることが非常に重要であることを知見し、本発明に到達したものである。即ち、従来の磁場調整方法が、小さな磁石片の組み合わせで行われており磁石片は1個、2個の単位で扱うため、調整量が段階的になってしまうのに対して、本発明においては磁場調整方法として電流を用いており、電流では小数点以下のレベルまで調整することができることから、磁場調整が容易となることを見出したものである。
以下に、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら説明する。もっとも、本発明は、以下に説明する実施の形態によって、限定されるものではない。
図1を参照して本発明の実施形態を説明する。
本発明の対象となる磁場発生装置としては、磁場中処理炉の磁場印加装置等が挙げられるが、永久磁石式MRI磁場発生装置(以下、「MRI磁場発生装置」という。)を例に挙げて示す。
MRI磁場発生装置10は、図1にあるように、空間を隔てて対向する永久磁石12を板状継鉄11で支持し、磁場を発生させる装置であるが、磁石間における空隙に生じる磁場領域の磁場均一性を高くすることが要望されている。
通常、空隙側の磁石面には磁極片17、傾斜磁場コイル18、及び磁場の微調整を行う磁場調整片収納ボード13、磁場調整片収納ボードの蓋43が設けられている。
本発明では、まず、磁場発生装置10の対向する永久磁石12の間の空隙に、該空隙の所定箇所の磁場および磁場均一度を算出するための磁場測定手段を設置し、さらに磁場調整片収納ボード13に換えて磁場調整用シムボード31を配している。
磁場調整用シムボード31は、磁場調整片収納ボード13に設けられた穴41と同位置に該穴と同一形状の穴32を有している。
磁場調整用シムボード31および磁場調整片収納ボード13の穴は、通常、中心から放射状に開けられている。
それぞれの穴の位置は磁場調整のために最適な位置になるように配置されている。
磁場調整用シムボード31および磁場調整片収納ボード13の穴の数としては、目標とする磁場均一度にもよるが、好ましくは17箇所以上、より好ましくは25箇所以上である。
磁場調整用シムボード31のボードの材質は、磁場調整片収納ボード13と同じものが好ましく、例えば、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、繊維強化プラスチック[FRP]等の非磁性材が挙げられる。
磁場測定手段としては、NMR素子を使用したテスラメータやホール素子を使用したガウスメータ等が挙げられ、好ましくは、テスラメータ15に接続した磁場計測プローブ14が通常用いられる。テスラメータとしては、メトロラボ社製のPT3035などが挙げられる。
磁場計測プローブは1つでもよいが、2個以上使用した方が好ましい。2個以上使用することにより、1つで測定するよりも磁場測定を早く行うことができるためであり、シムコイル33への電流量を調整する際に、より速く近い磁場計測プローブのデータを利用することで精度を上げることができるためである。
従来、磁場調整片として、磁石以外、例えば強磁性体を用いた場合の磁場調整では、強磁性体片の数を増大させた際に磁気的効果が弱まる傾向が見られることがある。これは強磁性体の飽和磁束密度が磁場発生装置10の磁界よりも大きい場合に顕著であり、磁場調整時の累積誤差発生による調整回数増大の大きな原因であった。
また、磁場調整片として磁石シムを使用した場合は、磁石シムの数とそれにより発生される調整磁場量は比較的良好な比例関係にあるものの、磁石シムのばらつきは避けられないものであり、磁石シムの使用数の増大による累積誤差の発生が問題となっていた。
本発明では磁場調整片として強磁性体シムや磁石シムを用いる場合の磁気的効果を、直流電源16に接続可能なシムコイル33を用いて得るようにする。
シムコイルは、コイルに電流を流すことにより磁場を発生することができるものであれば特に限定されず、好ましくは、銅線をソレノイド状にした空芯コイルが用いられる。シムコイルは、磁場調整用シムボードの各穴に1個埋め込むことができる。シムコイルの数は、磁場調整用シムボードの穴の数よりも少なくてもよいが、同数であることが好ましい。シムコイルから発生される磁界の向きは、磁気回路が発生する磁界の向きと平行としておく。
シムコイルに流す電流量は、磁石のように個数単位では無く小数点以下のレベルまで連続で変化させることができるので、離散的な調整量しか取れない強磁性体を用いた場合に比べて、より高い磁場均一度を達成することが可能となる。
さらに、電流量を連続で調整することができるということは、強磁性体シムを使用した場合に問題となっていたまるめや個々のシムの形状バラツキによる誤差の発生が無いということになり、調整時間の短縮にもつながる。
シムコイルに接続する直流電源としては、極性を反転することができるのであれば、通常の直流電源を用いることも可能であるが、バイポーラ電源などの極性を反転することができる電源を使用すれば電流を逆向きに流し磁気回路が作る主磁場に対して逆向きの磁界を発生させることも可能になり、よりきめ細かい磁場調整が可能になる。
また、コンピュータから制御可能なバイポーラ電源を使用することで、シムコイルによる磁場調整を自動化することが可能となる。バイポーラ電源としては菊水電子社製のPBX−2020などが挙げられる。
シムコイルに接続する直流電源の精度は、目標とする磁場均一度にもよるが、通常±0.1A程度であることが好ましい。
本発明の磁場調整装置は、さらに前記磁場測定手段により得られた前記磁場発生装置の空隙の所定箇所の磁場の計測値と、目標とする磁場均一度とに基づいて、前記シムコイルの各々に流すべき電流量及び電流の向きを算出する手段を備えたものであることが好ましい。
前記磁場均一度は、
磁場均一度=(空隙内の最大磁場−最小磁場)/空隙内の磁場平均値
によって算出される。前記磁場均一度は、本発明の磁場調整装置を用いることにより、好ましくは、100ppm以下、より好ましくは、50ppm以下とすることができる。
前記空隙の所定箇所は、達成しようとする磁場均一度に応じて任意に選択できるが、27箇所以上であることが好ましく、63箇所以上であることがより好ましい。
前記シムコイルの各々に流すべき電流量及び電流の向きを算出する手段としては、数理計画法によりコンピュータを用いるのが一般的である。前記数理計画法としては特に限定されず、例えば、ニュートン法、線形計画法、整数計画法等の最適化手法が用いられる。
本発明の磁場調整装置は、また、コンピュータに接続しコントロール可能な機構を備えている場合、磁場測定から解析、電流量の調整による磁場調整まで全てコンピュータで自動的に行うことが可能であり、従来あった作業者の磁場調整片の置き間違いをなくし、さらに省力化も図ることができる。
つぎに本発明の磁場調整方法の工程について前記磁場発生装置10を例に挙げて本実施の形態に係る工程フローを図2を通して説明する。
本発明の磁場調整方法は、前記磁場調整片収納ボード13に換えて、該磁場調整片収納ボードに設けられた穴と同位置に該穴と同一形状の穴を有し、その穴に収納され、直流電源16に接続可能なシムコイル33を備える磁場調整用シムボード31を配する工程、シムコイルに直流電源を接続する工程、前記空隙の所定箇所の計測値と、目標とする磁場均一度とに基づいて、前記シムコイルの各々に流す前記直流電源の電流量及び電流の向きを決定する工程、前記決定した電流量及び電流の向きとなるように前記シムコイルに電流を加え、必要であれば目標とする磁場均一度となるように該電流量及び/又は電流の向きを調整する工程とを含むものである。
本発明の磁場調整方法は、磁場発生装置の空隙の所定箇所の計測値と、目標とする磁場均一度とに基づいて、シムコイルの各々に流すべき電流量及び電流の向きを決定する工程を含むものである。
シムコイルの各々に流すべき電流量及び電流の向きを決定する工程は、好ましくは、まず、シムコイルへ電流を流さない状態で、前記空隙の所定箇所の磁場を計測する(以下、「初期データ」という)計測値取得工程、および、シムコイルの各々に微小な電流を加え、または、電流の向きを変化させたときの前記空隙の所定箇所の磁場の予測値を算出し、該空隙の所定箇所の磁場の予測値に基づき磁場均一度の予測値を算出し、さらに、該磁場均一度の予測値と目標とする磁場均一度とを比較し、その差が小さくなるようにシムコイルの各々に流す電流量を微小に変化させるシミュレーション工程を含むことができる。
前記シミュレーション工程は、通常上述したコンピュータを用いた数値計算により行う。
なお、該シムコイルが複数ある場合、一部には、シミュレーションの結果、流すべき電流量が0と算出されるものも生じうるが、その場合、該シムコイルには実際に流さなくてよい。
本発明の磁場調整方法は、さらに、前記シミュレーション工程により決定した電流量及び電流の向きとなるように前記シムコイルに電流を加え、必要であれば目標とする磁場均一度となるように該電流量及び/又は電流の向きを調整する工程を含むものである。
前記シミュレーション工程により決定した電流量及び電流の向きとなるようにシムコイルに実際に電流を加えて磁場発生装置10の空隙の所定箇所の磁場計測を行った結果、目標とする磁場均一度が得られなかった場合、シムコイルの各々に流した電流量および電流の向き、空隙の所定箇所の磁場計測値ならびに目標とする磁場均一度に基づいて、再度前記シムコイルの各々に流す前記直流電源の電流量及び電流の向きを決定する前記シミュレーション工程に戻ることになる。
特に、鉄等の非線形材料を含む磁場発生装置では、シムコイルに流す電流量と発生磁界量とが後述する式(2)のように一次の比例とはならない場合があるので、実際の磁場調整時には、磁場測定プローブで測定し必要な調整磁場が発生できていることを確認しながら電流量を決めていく。さらに磁場調整によりシムコイルに電流を流した状態での磁場均一度を再度測定し、さらに電流量を微調整する手順を繰り返していく。これにより非線形性を持つ磁気回路であっても目標の磁場均一度まで磁場調整作業を収束させることができる。
なお、シムコイルに流す電流量調整によって得られた磁場均一度は、シムコイルへの電流を切れば元に戻ってしまう。そこで、本発明の磁場調整方法においては、前記磁場調整用シムボードに換えて前記磁場調整片収納ボードを配し、前記シムコイルに流した電流量により生じる磁束量に相当する磁場調整片を該磁場調整片収納ボードの穴に配する工程で、シムコイルを磁場調整片へ置き換え、調整結果の固定を行う。本発明の磁場調整方法で磁場調整結果を固定するために用いる磁場調整片としては、磁石シム、鉄片又は強磁性体シムのいずれであってもよいが、以下に述べるように発生する磁界を計算によって合わせやすい点で磁石シムが好適である。
本発明の磁場調整方法において磁場調整片として円柱状の磁石を用いる場合、該円柱状の磁石からの磁束密度Bは下記式(1)で与えられる。
Figure 2007089943
一方、シムコイルに通電することによる発生磁界Hは、シムコイルがソレノイド型であれば下記式(2)で与えられる。
Figure 2007089943
上記式(1)と(2)とにより、シムコイルによって発生した磁界と同じ強さの磁界を発生する磁石シムの寸法を求めることができる。
よって、該寸法の磁石シムを用意しておくか、該寸法よりも小さな磁石シムを2個以上組み合わせて同等の磁界を発生する磁石シムを作り、磁場調整片収納ボードに入れることで、磁場調整結果を固定することができる。
本発明の磁場調整方法において、より高水準の磁場均一度が必要とされる場合は、直流電源からの電流の精度を上げるとともに、より弱い磁石を用意することで対応可能である。
以下に、本発明の実施例を、添付図面を参照しながら説明する。もっとも、本発明は、以下に説明する実施例によって限定されるものではない。
実施例
永久磁石式MRI磁場発生装置10の磁場調整を行った例を示す。空間を隔てて対向配置された一対の板状継鉄11、該一対の板状継鉄11のそれぞれの対向面側に設けられる永久磁石12、磁場調整片42および該磁場調整片を収納する穴41が設けられた磁場調整片収納ボード13(寸法:直径700mm×厚さ15mm、材質:塩化ビニル樹脂)を備えた磁場発生装置において、前記磁場調整片収納ボード13に換えて、25箇所の穴32(寸法:直径30mm×深さ15mm)を図3に示すように開けられ、該穴に25個のシムコイル33(太さ1mmの銅線を直径20mmで高さ10mmになるように10回巻いたコイル)を備えた磁場調整用シムボード(寸法:直径700mm×厚さ15mm、材質:FRP)に収納し、前記シムコイル33の各々をコンピュータから制御可能なバイポーラ電源(菊水電子社製 PBX−2020)に接続した。
磁場調整用シムボード31の上面図及び断面図を図3に、磁場調整片収納ボード13の上面図及び断面図を図4に、それぞれ示す。
次いで、前記磁場発生装置の空隙内に磁場測定手段としてNMRプローブ(メトロラボ社製 MFC3035)を配置し最初の磁場測定を行い、目標とする磁場均一度を達成するための線形計画法を用いたシミュレーションを行い、シムコイルの各々に流す前記直流電源16の電流量及び/又は電流の向きを決定した。次いで、前記決定した電流量及び電流の向きとなるようにシムコイルの電流値及び/又は電流の向きを調整し、再度の磁場測定による調整結果の確認を行った。磁場調整用シムボード31の通常の磁場調整片収納ボード13への交換と、電流値から算出される磁束量相当の磁石シムの取り付けによる磁場調整結果の固定を経て、再度の磁場測定による磁場均一度の確認を行うという作業内容となった。
尚、該NMRプローブにより測定したMRI磁場発生装置の磁場調整前の磁場均一度は785ppmであり、目標とする磁場均一度は50ppmとし、最初の磁場測定を始めてから磁石シムにより磁場調整結果を固定するまでに要した時間及びシミング回数を調べた。
また、磁石シムとしてはNd−Fe−B系焼結磁石(信越化学社製 N42H、Br=1.28T)およびフェライト系プラマグ(小野ゴム工業社製 ポリマネットOM−14、Br=0.2T)を用いた。
この実施例での個々のコイルでは、電流量10A、1A、0.1Aから算出される磁束量に相当する磁石シムが、それぞれNd−Fe−B系焼結磁石のΦ13mm×厚さ1mm、Φ3mm×厚さ1mm、フェライト系プラマグのΦ3mm×厚さ1mmであるので、コイルによる磁場調整時に得られたそれぞれのコイルの電流値から算出される磁束量に相当する磁石を組み合わせてシムボードに取り付けた。例えば45.3Aの電流を流した場所には、Φ13mmのNd系焼結磁石を4枚、Φ3mmのNd系焼結磁石を5枚、Φ3mmのフェライト系プラマグを3枚入れた。
各磁石シムをシムボードに取り付けた後、磁場均一度を測定したところ、49ppmであった。
比較例
実施例で用いた永久磁石式MRI磁場発生装置10において、磁場調整片収納ボード13を磁場調整用シムボード31に換えることなく、磁場測定−磁場解析−永久磁石シムによる磁場調整―磁場再測定のループを繰り返し、目標の磁場均一度を達成するまでに要した時間及び調整回数を調べた。なお、9回磁場調整を終えた後、磁場均一度を測定したところ49であった。
表1に磁場調整に要した時間及び調整回数の比較を示す。
Figure 2007089943
このように、本発明の磁場調整方法によれば実質1回の磁石シム取り付けで済み、元となるデータが電流値による連続量での調整であることから、磁石シムを用いた従来の磁場調整において生じる繰り返しの誤差が無く短時間で調整を終えることができた。さらに、通常の直流電源をコイルに接続した場合は、コイルに逆向きに電流を流すには、接続を切り替える必要があるが、この実施例ではコンピュータから制御可能なバイポーラ電源を使用することで、コイルに流す電流の極性反転を自動で行うことが可能になり、シムコイルによる磁場調整を自動化することが可能となった。
一方比較例では、今回は9回磁場調整を行っている。磁場調整毎に磁場測定と解析、さらに磁石シムの出し入れを行っており、このような時間を要した。
本発明の磁場調整方法を適用した永久磁石式MRI磁場発生装置の模式的な断面図を示す。 本発明の磁場調整方法のフロー図を示す。 本発明に用いられる磁場調整用シムボードの上面図及び断面図を示す。 本発明に用いられる磁場調整片収納ボードの上面図、断面図および磁場調整片を示す。
符号の説明
10 磁場発生装置
11 板状継鉄
12 永久磁石
13、40 磁場調整片収納ボード
14 磁場計測プローブ
15 テスラメータ
16 直流電源
17 磁極片
18 傾斜磁場コイル
31 磁場調整用シムボード
32 磁場調整用シムボードの穴
33 シムコイル
41 磁場調整片収納ボードの穴
42 磁場調整片
43 磁場調整片収納ボードの蓋

Claims (6)

  1. 空間を隔てて対向する一対の板状継鉄と、該一対の板状継鉄のそれぞれの対向面側に設けられる永久磁石と、該永久磁石のそれぞれの対向面側に設けられ、磁場調整片および該磁場調整片を収納する穴を有する磁場調整片収納ボードとを備えた磁場発生装置における、対向する永久磁石の間の空隙に発生させる磁場を調整するための磁場調整用シムボードであって、
    前記磁場調整片収納ボードに設けられた穴と同位置に該穴と同一形状の穴を有し、
    その穴に収納された直流電源に接続可能なシムコイルを備える磁場調整用シムボード。
  2. 空間を隔てて対向する一対の板状継鉄と、該一対の板状継鉄のそれぞれの対向面側に設けられる永久磁石と、該永久磁石のそれぞれの対向面側に設けられ、磁場調整片および該磁場調整片を収納する穴を有する磁場調整片収納ボードとを備えた磁場発生装置における、対向する永久磁石の間の空隙に発生させる磁場を調整するための磁場調整装置であって、
    前記磁場調整片収納ボードに設けられた穴と同位置に該穴と同一形状の穴を有し、その穴に収納され、直流電源に接続可能なシムコイルを備える磁場調整用シムボードと、
    前記空隙に配置された磁場測定手段と
    を備えた磁場調整装置。
  3. さらに前記磁場測定手段により得られた前記磁場発生装置の空隙の所定箇所の磁場の計測値と、目標とする磁場均一度とに基づいて、前記シムコイルの各々に流すべき電流量及び/又は電流の向きを算出する手段を備えた請求項2に記載の磁場調整装置。
  4. 空間を隔てて対向する一対の板状継鉄と、該一対の板状継鉄のそれぞれの対向面側に設けられる永久磁石と、該永久磁石のそれぞれの対向面側に設けられ、磁場調整片および該磁場調整片を収納する穴を有する磁場調整片収納ボードとを備えた磁場発生装置における、対向する永久磁石の間の空隙に発生させる磁場を調整するための磁場調整方法であって、
    前記磁場調整片収納ボードに換えて、該磁場調整片収納ボードに設けられた穴と同位置に該穴と同一形状の穴を有し、その穴に収納され、直流電源に接続可能なシムコイルを備える磁場調整用シムボードを配する工程と、
    前記シムコイルに直流電源を接続する工程と、
    前記空隙の所定箇所の計測値と、目標とする磁場均一度とに基づいて、前記シムコイルの各々に流す前記直流電源の電流量及び/又は電流の向きを決定する工程と、
    前記決定した電流量及び電流の向きとなるように前記シムコイルに電流を加え、目標とする磁場均一度となるように該電流量及び/又は電流の向きを調整する工程と、
    前記磁場調整用シムボードに換えて前記磁場調整片収納ボードを配し、前記シムコイルに流した電流量により生じる磁束量に相当する磁場調整片を該磁場調整片収納ボードの穴に配する工程と
    を含む磁場調整方法。
  5. 前記磁場調整片が、磁石シム、鉄片又は強磁性体シムである請求項4に記載の磁場調整方法。
  6. 前記直流電源が、極性を反転することができる電源である請求項4又は請求項5に記載の磁場調整方法。
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