JP2007087339A - ブランド価値評価システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 ブランドの客観的、かつ定量的な評価を詳細に行うためのブランド評価システムを提供する。
【解決手段】
サーバ(ブランド価値評価サーバ10)は、端末100a〜100nから送信された少なくともアンケートの回答を受信し、そのアンケートの回答から質問項目Q1〜nごとにブランドに対する肯定的な評価率をブランドの価値への寄与に応じて第1の肯定的な評価率Ef1〜nと第2の肯定的な評価率Es1〜nとに選別し、第1の肯定的な評価率Ef1〜n及び第2の肯定的な評価率Es1〜nとを用いてブランドの価値を示すブランド価値Vを算出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、商品、役務又は商号に使用するブランドの価値を評価する方法に関するものである。
現在のように多量の商品などが取引されている市場では、企業は自社の商品と他社の商品との差別化を図ることが求められている。そして、その差別化の重要な手段として、商品に付される商標によるブランド化があり、そのブランドの価値により商品の売り上げが大きく左右されるという事実がある。したがって、ブランドの価値は商品開発や経営戦略を決定する重要な指標の1つとなっている。
このようなブランドの価値を評価する方法として、従来から需要者を含む取引者にアンケートを行い、そのアンケートの回答を分析してブランドの価値を評価する方法がある。
しかしながら、従来のブランド評価方法では、アンケートの回答を分析する者の主観的な評価が加わるため、客観的にブランドを評価できないという問題があった。
この問題を解決するブランド評価方法として、いくつかの方法が提案されているが(例えば、特許文献1参照)、複数のブランド間におけるブランドの相対的な評価しか得ることができず、そのブランドの定量的な評価を得ることができないという問題があった。
特開平11−328287号公報
本発明は、上述した事情に鑑み、ブランドの客観的、かつ定量的な評価を詳細に行うためのブランド評価システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、商品名、役務名又は商号として使用するブランドのイメージに関する複数の質問項目Q1〜nが含まれたアンケートを多数の取引者に対して行い、前記アンケートの回答に基づいて前記ブランドの価値を評価するサーバを有するブランド価値評価システムであって、前記サーバは、前記アンケートの回答を記憶し、記憶された前記アンケートの回答から前記質問項目Q1〜nごとに前記ブランドに対する肯定的な評価率を前記ブランドの価値への寄与に応じて第1の肯定的な評価率Ef1〜nと第2の肯定的な評価率Es1〜nとに選別し、前記第1の肯定的な評価率Ef1〜n及び第2の肯定的な評価率Es1〜nと共に前記質問項目Q1〜nごとに肯定的な評価率と前記ブランドが使用された商品、役務又は企業を取引者が選択する選択率との間の相関係数φ1〜nを式(1)に代入して、前記ブランドの価値を示すブランド価値Vを算出することを特徴とするブランド価値評価システムにある。
Figure 2007087339
(式中、Mfは第1の肯定的な評価率Efの最大値、Msは第2の肯定的な評価率Esの最大値を示し、Aは第1の肯定的な評価率Efに対する評価係数、Bは第2の肯定的な評価率Esに対する評価係数を示す。)
かかる第1の態様では、ブランドの客観的、かつ定量的な評価を詳細に行うことができる。特に、商号として使用するブランドの価値を評価することに有用である。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記質問項目Q1〜nごとに肯定的な評価率に対するウエイトw1〜nを設け、式(1)に代えて、式(2)を用いることを特徴とするブランド価値評価システムにある。
Figure 2007087339
(式中、Mfは第1の肯定的な評価率Efの最大値、Msは第2の肯定的な評価率Esの最大値を示し、Aは第1の肯定的な評価率Efに対する評価係数、Bは第2の肯定的な評価率Esに対する評価係数を示す。)
かかる第2の態様では、ブランドの客観的、かつ定量的な評価をより詳細に行うことができる。
本発明の第3の態様は、第1又は2の態様において、前記アンケートは前記ブランドが使用された商品、役務又は企業を選択するか否かの選択質問項目をさらに含み、前記相関係数φ1〜nは、前記選択質問項目において前記ブランドが使用された商品、役務又は企業を取引者が選択する選択率と、前記質問項目Q1〜nごとに前記ブランドに対する肯定的な評価率とから算出されることを特徴とするブランド価値評価システムにある。
かかる第3の態様では、より的確なブランド価値を得ることができる。
本発明の第4の態様は、第2又は3の態様において、前記アンケートは前記質問項目Q1〜nの中から重要視する質問項目を指摘する重要質問項目をさらに含み、前記ウエイトw1〜nは、前記重要質問項目を集計して得られた前記重要質問項目の順位に基づいて算出されることを特徴とするブランド価値評価システムにある。
かかる第4の態様では、より的確なブランド価値を得ることができる。
本発明の第5の態様は、第1〜4の何れかの態様において、前記質問項目Q1〜nはクラスター分析により複数のカテゴリーにグループ分けされており、前記各カテゴリーに対するブランドの評価を示すブランド価値を算出することを特徴とするブランド価値評価システムにある。
かかる第5の態様では、どのカテゴリーのブランド評価が全体的なブランド評価に強く影響を与えるのかを理解することができると共に、そのカテゴリーのブランド評価の変動傾向を検討することにより、全体のブランド評価の変動傾向を把握し易くなるという効果を奏する。
本発明の第6の態様は、第1〜5の何れかの態様において、前記ブランド評価システムは、ネットワークを介して前記サーバと接続される複数の端末をさらに有し、前記アンケートは、前記複数の端末上で行われ、前記アンケートの回答は前記ネットワークを介して前記サーバに送信されることを特徴とするブランド価値評価システムにある。
かかる第7の態様では、より容易にアンケートの回答を得ることができると共に、より容易にブランドの価値を評価することができる。
本発明に係るブランド評価システムによると、ブランドの客観的、かつ定量的な評価を詳細に行うことができる。すなわち、そのブランドの価値に影響を及ぼす要素を明確化することができるので、そのブランドの価値を向上させるための指針を得ることができるという効果を奏する。
以下、本発明のブランド評価システムを実施するための最良の形態について説明する。なお、本実施形態の説明は例示であり、本発明は以下の説明に限定されない。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るブランド価値評価システムを示す概略図である。図1に示すように、本実施形態に係るブランド価値評価システム1は、ブランド価値評価サーバ10とネットワーク200を介して接続される複数の端末100a〜100nとからなっている。そして、ブランド価値評価サーバ10は、端末100a〜100nから送信されたアンケートの回答データを格納するアンケートデータベース20と、アンケートのデータを端末100a〜100nに送信し、そのアンケートの回答データを回収するアンケート手段50と、アンケートの回答データからアンケートに含まれる質問項目Q1〜nごとにブランドに対する肯定的な評価率をブランドの価値への寄与に応じて第1の肯定的な評価率Ef1〜nと第2の肯定的な評価率Es1〜nとに選別する選別手段60と、選別手段60により得られたEf1〜n及びEs1〜nと共に、質問項目Q1〜nごとに肯定的な評価率とブランドが使用された商品、役務又は企業を取引者が選択する選択率との間の相関係数φ1〜nと、質問項目Q1〜nごとに肯定的な評価率に対するウエイトw1〜nとを下記の式(2)に代入することよりブランドの価値を示すブランド価値Vを算出するブランド価値算出手段70とを具備している。
Figure 2007087339
(式中、Mfは第1の肯定的な評価率Efの最大値、Msは第2の肯定的な評価率Esの最大値を示し、Aは第1の肯定的な評価率Efに対する評価係数、Bは第2の肯定的な評価率Esに対する評価係数を示す。)
このように構成されたブランド価値評価システム1は、端末100a〜100nから送信されるアンケートの回答データと、予めブランド価値評価サーバ10に入力される所定のデータとからブランド価値を評価することができるようになっている。以下、ブランド価値評価システム1の各構成要素について説明する。
端末100a〜100nは、ブランド価値評価サーバ10にネットワーク200を介して接続することができ、図2に示すように、ブランドに関する複数の質問項目Q1〜nが含まれたアンケートを画面に表示することができ、入力されたそのアンケートの回答データをブランド価値評価サーバ10に送信することができるものであれば特に限定されない。端末100a〜100nとしては、例えば専用端末や一般的なパーソナルコンピュータなどが挙げられる。
ネットワーク200は、端末100a〜100nとブランド価値評価サーバ10とを接続することができるものであれば特に限定されない。ネットワーク200としては、例えばインターネット、専用回線、電話回線などが挙げられる。
ブランド価値評価サーバ10は、以下に説明する構成要素を有するものであれば特に限定されない。ブランド価値評価サーバ10としては、例えば専用計算機や一般的なパーソナルコンピュータなどが挙げられる。以下に、ブランド価値評価サーバ10が有する構成要素について具体的に説明する。
アンケートデータベース20は、端末100a〜100nから送信されたアンケートの回答データを格納することができるものであれば特に限定されない。アンケートデータベースにより、アンケートの回答データをブランド価値評価サーバ10に記憶させることができる。
アンケート手段50は、アンケートのデータを端末100a〜100nに送信し、そのアンケートの回答データを回収することができるものであれば特に限定されない。アンケート手段50としては、例えば図2に示すようなアンケートのデータを含むホームページを作成しておき、端末100a〜100nからそのホームページにアクセスして、そのホームページ上からアンケートに回答することによりアンケートの回答データを回収することができるようにしたプログラムや、所定のメールアドレスにアンケートのデータを添付したメールを送信させ、そのメールに対してアンケートの回答の入力を促すと共に、入力されたアンケートの回答が添付されたメールを返信させるようにしたプログラムなどが挙げられる。
選別手段60は、端末100a〜100nから送信されたアンケートの回答データから質問項目Q1〜nごとにブランドに対する肯定的な評価率をブランドの価値への寄与に応じて第1の肯定的な評価率Ef1〜nと第2の肯定的な評価率Es1〜nとに選別することができるものであれば特に限定されない。例えば、図2に示すアンケートにおいて、各質問項目Q1〜nに対して、「そう思う」の欄が第1の肯定的な評価に該当し、「ややそう思う」の欄が第2の肯定的な評価に該当し、それらに基づいて第1の肯定的な評価率Ef1〜n及び第2の肯定的な評価率Es1〜nを算出するようになっている。すなわち、例えば質問項目Q(質問内容「イメージ(お客さまを大切にしている)」)について回答した総数に対して、「そう思う」を選択した回答数の割合に100を乗じた値が第1の肯定的な評価率Efに該当する。同様にして、質問項目Q(質問内容「イメージ(お客さまを大切にしている)」)について回答した総数に対して、「ややそう思う」を選択した総数の割合に100を乗じた値が第2の肯定的な評価率Esに該当する。このような操作を各質問項目Q1〜nに対して行うことにより、各質問項目Q1〜nに対する第1の肯定的な評価率Ef1〜n及び第2の肯定的な評価率Es1〜nを算出することができる。
ブランド価値算出手段70は、選別手段60により得られた第1の肯定的な評価率Ef1〜n及び第2の肯定的な評価率Es1〜nと共に、質問項目Q1〜nごとに肯定的な評価率とブランドが使用された商品、役務又は企業を取引者が選択する選択率との間の相関係数φ1〜nと、質問項目Q1〜nごとに肯定的な評価率に対するウエイトw1〜nとを下記の式(2)に代入することよりブランドの価値を示すブランド価値Vを算出することができるものであれば特に限定されない。
Figure 2007087339
(式中、Mfは第1の肯定的な評価率Efの最大値、Msは第2の肯定的な評価率Esの最大値を示し、Aは第1の肯定的な評価率Efに対する評価係数、Bは第2の肯定的な評価率Esに対する評価係数を示す。)
ブランド価値算出手段70としては、例えば選別手段60により得られた第1の肯定的な評価率Ef1〜n及び第2の肯定的な評価率Es1〜nと共に、質問項目Q1〜nごとに肯定的な評価率とブランドが使用された商品、役務又は企業を取引者が選択する選択率との間の相関係数φ1〜nと、質問項目Q1〜nごとに肯定的な評価率に対するウエイトw1〜nとを式(2)に代入してブランド価値Vを算出するプログラムなどが挙げられる。なお、式(2)に用いられる評価係数A1〜n、B1〜nは、各質問項目Q1〜nに対して任意の値を設定することができる。また、φ1〜nは、各質問項目Q1〜nに対して−1〜1の範囲で任意の値を設定することができる。さらに、ウエイトw1〜nは、各質問項目Q1〜nに対して任意の値を設定することができる。また、第1の肯定的な評価率Mf1〜n及び第2の肯定的な評価率Ms1〜nは、各質問項目Q1〜nに対するMf1〜nとMs1〜nとを合計して100を超えない任意の値を設定することができる。なお、実際に得られたEf1〜nがそれに対応するMf1〜nよりも大きい値となった場合には、矛盾が生じないように補正するようになっている。補正する方法としては、例えばEf1〜nがそれに対応するMf1〜nよりも大きい値となった場合には、Ef1〜n=Mf1〜nとする方法などが挙げられる。同様に、実際に得られたEs1〜nがMs1〜nよりも大きい値となった場合には、矛盾が生じないように同様の補正をするようになっている。
以上説明したように、本実施形態のブランド価値評価システム1によると、ブランドの客観的、かつ定量的な評価を詳細に行うことができる。
次に、本実施形態のブランド価値評価システム1の動作について説明する。図3は本実施形態のブランド評価システムのシーケンスを示す図である。図3に示すように、まず、端末100aとブランド価値評価サーバ10とがネットワーク200を介して接続されると、ブランド価値評価サーバ10のアンケート手段50により、端末100aにアンケートを含むホームページが表示される(S1)。そして、端末100aからそのアンケートの回答が入力されると(S2)、アンケートの回答データがブランド価値評価サーバ10に送信される(S3)。送信されたアンケートの回答データは、アンケートデータベース20に格納される(S4)。
そして、所定数のアンケートの回答データがアンケートデータベース20に格納されると、選別手段60により、所定数のアンケートの回答データの各質問項目Q1〜nに対する肯定的な評価から第1の肯定的な評価率Ef1〜n及び第2の肯定的な評価率Es1〜nを算出する(S5)。
次に、予め設定されたA1〜n、B1〜n、Mf1〜n、Ms1〜n、φ1〜n及びW1〜nと、選別手段により得られたEf1〜n及びEs1〜nとを式(2)に代入して、ブランド価値Vを算出する(S6)。このようにして、ブランド価値Vを算出することができる。
(他の実施形態)
実施形態1では、予め設定された相関係数φ1〜nを用いてブランド価値Vを算出したが、図2に示したようなアンケートに、ブランドに関連する商品や役務を選択するか否かの選択質問項目をさらに追加し、得られたアンケートの回答データに基づいて、ブランドが使用された商品、役務又は企業を取引者が選択する選択率と、各質問項目Q1〜nとに対して取引者が肯定的な評価をする評価率とから相関係数φ1〜nを求めるようにしてもよい。このようにして得られた相関係数φ1〜nを用いることにより、より的確なブランド価値Vを得ることができる。
また、実施形態1では、予め設定されたウエイトw1〜nを用いてブランド価値Vを算出したが、図2に示したようなアンケートに、質問項目Q1〜nの中から重要視する質問項目を指摘する重要質問項目をさらに追加し、得られた重要質問項目を集計して、例えば上位5番までウエイトの値を通常のウエイトの2倍とするというようにしてウエイトw1〜nを決定してもよい。このようにウエイトw1〜nを決定することにより、より的確なブランド価値Vを得ることができる。
さらに、アンケートの質問項目Q1〜nは、クラスター分析により、複数のカテゴリーにグループ化し、各カテゴリーに対してブランド評価を算出するようにしてもよい。各カテゴリーに対してブランドの評価を行うことにより、どのカテゴリーのブランド評価が全体的なブランド評価に強く影響を与えるのかを理解することができると共に、そのカテゴリーのブランド評価の変動傾向を検討することにより、全体のブランド評価の変動傾向を把握し易くなるという効果を奏する。なお、クラスター分析としては、例えば凝集法(ツリークラスタリング)、Two−way法(ブロッククラスタリング)、K−means法などが挙げられる。
また、ブランド価値評価を行う地域を分割して、各地域について同様のアンケートを行い、各地域に対してブランド価値を算出してもよい。得られた各地域に対するブランド価値を比較検討することにより、各地域に対してブランド評価を向上させるための方向性を把握することができる。
(実施例1)
以下に、実施形態1の実施例1を示す。X年度に図2に示すアンケートを行い、図4に示すアンケートの回答を得た。そして、このアンケートの回答から各質問項目Q1〜20に対する第1の肯定的な評価率Ef1〜20及び第2の肯定的な評価率Es1〜20を算出し、Ef1〜20及びEs1〜20と共に図5に示す設定データを式(2)に代入し、図6に示すX年度におけるブランド価値評価を得た。
ここで、個別ポイントとは、各質問項目Q1〜20に対して式(2)を用いて算出したブランド価値である。すなわち、例えば質問項目Qの個別ポイントとは、質問項目Q(質問内容「イメージ(お客さまを大切にしている)」)のみについて式(2)を用いて算出したブランド価値である。
また、カテゴリーポイントとは、各カテゴリーに対して式(2)を用いて算出したブランド価値である。すなわち、例えばカテゴリー「お客さま指向」におけるカテゴリーポイントとは、質問項目Q〜Qの範囲について式(2)を用いて算出したブランド価値評価である。
そして、総合ポイントとは、すべての質問項目Q1〜20について式(2)を用いて算出したブランド価値である。
(実施例2)
実施例1と同様に、X+1年度において図2に示すアンケートを行い、図7に示すアンケートの回答を得た。このアンケートの回答に基づいて、実施例1と同様にして図8に示すX+1年度におけるブランド価値評価を得た。
(実施例3)
実施例1及び2とは異なるアンケートの回答データを用いて、X年度及びX+1年度におけるアンケートの回答を得た。そのアンケートの回答の一部に基づいて、実施例1と同様にして個別ポイント及びカテゴリーポイントを得た。図9にX年度及びX+1年度のアンケートの回答の評価率と、そのアンケートの回答に基づいて算出した個別ポイント及びカテゴリーポイントと、それらを算出する際に用いたウエイト及び相関係数を示す。なお、アンケートの総回答数は実施例1及び2と同様に100である。
(実施例4)
実施例3と同様に、実施例1〜3とは異なるアンケートの回答データを用いて、X年度及びX+1年度におけるアンケートの回答を得た。そのアンケートの回答の一部に基づいて、実施例1と同様にして個別ポイント及びカテゴリーポイントを得た。図10にX年度及びX+1年度のアンケートの回答の評価率と、そのアンケートの回答に基づいて算出した個別ポイント及びカテゴリーポイントと、それらを算出する際に用いたウエイト及び相関係数を示す。なお、アンケートの総回答数は実施例1〜3と同様に100である。
(比較例1)
実施例1で得たアンケートの回答から各質問項目Q1〜20に対する第1の肯定的な評価率Ef1〜20及び第2の肯定的な評価率Es1〜20を算出し、各質問項目Q1〜20に対するEf1〜20及びEs1〜20を加算することによって図11に示すX年度におけるブランド価値評価を得た。
(比較例2)
実施例2で得たアンケートの回答を用いたこと以外は比較例1と同様にして、図12に示すX+1年度におけるブランド価値評価を得た。
<実施例1と比較例1との比較>
実施例1と比較例1とを比較すると、同じアンケートの回答に基づいてブランド価値が算出されているが、その値がまったく異なることが分かった。すなわち、比較例1では、個別ポイントは80から40まで10間隔に並んだ数値であり、カテゴリーポイントはすべて一律に60であり、総合ポイントも60であった。一方、実施例1では、個別ポイントは一定間隔に並んだ数値ではなく、ある程度のバラツキのある数値であり、カテゴリーポイントは一律の値ではなく、ある程度のバラツキのある数値であり、総合ポイントは71であった。
このことから比較例1を検討しても、どのカテゴリーポイントも同じ数値となっているため、総合ポイントの値を上昇させるためにどのようなカテゴリーを強化すべきかを判断することができない。しかしながら、実施例1を検討すると、総合ポイントの値を上昇させるために、どのカテゴリーを強化すべきかを判断することができる。そして、例えば「お客さま指向」のカテゴリーのカテゴリーポイントを上昇させることにより、総合ポイントを上昇させるべきであると判断した際には、さらに「お客さま指向」のカテゴリーポイントを上昇させるために、どの項目を強化すべきかを判断することができる。すなわち、個別ポイント、カテゴリーポイント、及び総合ポイントを総合的に検討することにより、ブランドの価値を向上させるためにどのカテゴリーを強化すべきかの判断を支援することができると共に、そのカテゴリーの中のどの項目を強化すべきかの判断することができる。なお、どの項目を強化すべきかの判断をする場合には、ウエイトや相関係数を考慮することにより、より的確な判断をすることができる。
<実施例1と実施例2との比較及び比較例1と比較例2との比較>
実施例1と実施例2とを比較すると、実施例1で用いたアンケートの回答と比較して、実施例2で用いたアンケートの回答の「そう思う」の欄が一律に5向上していることが分かった。しかしながら、実施例1の個別ポイント、カテゴリーポイント、及び総合ポイントに対して、実施例2の個別ポイント、カテゴリーポイント、及び総合ポイントは一律に向上しているのではないことが分かった。
この結果を検討すると、個別ポイントは、よりブランドの評価を向上させる効果のある質問項目のものがより大きく上昇することが分かった。また、カテゴリーポイントはよりブランドの評価を向上させる効果のあるカテゴリーのものがより大きく上昇することが分かった。そして、総合ポイントはアンケートの回答の「そう思う」の欄が一律に5向上しただけであっても、その上昇は一律に上昇するのではないことが分かった。このことより、例えば1年間の間に、どの質問項目のブランドの評価の変化又はどのカテゴリーのブランドの評価の変化により、全体的なブランドの評価がどのように変化したかを詳細に理解することができる。
なお、比較例1と比較例2とを比較すると、実施例1と実施例2との比較と同様に、比較例1で用いたアンケートの回答と比較して、比較例2で用いたアンケートの回答の「そう思う」の欄が一律に5向上している。そして、比較例1の個別ポイント、カテゴリーポイント、及び総合ポイントに対して、比較例2の個別ポイント、カテゴリーポイント、及び総合ポイントは一律に5向上していることが分かった。このことより、例えば1年間の間に、どの質問項目のブランドの評価の変化又はどのカテゴリーのブランドの評価の変化により、全体的なブランドの評価がどのように変化したかを詳細に理解することができない。
<実施例3と実施例4との比較>
実施例3と実施例4とを比較すると、実施例3では、X年度のアンケートの回答に対して、X年度のアンケートの回答の質問項目Qの「そう思う」の欄が5向上し、カテゴリーポイントが5向上している。一方、実施例4では、X年度のアンケートの回答に対して、X年度のアンケートの回答の質問項目Qの「そう思う」の欄が5向上しているが、カテゴリーポイントは1しか向上していない。このことから、アンケートの回答で「そう思う」の欄が5向上していても、質問項目が異なればブランド価値評価の寄与の度合いが異なることがわかった。すなわち、実施形態1のブランド価値評価システムによれば、ブランド価値評価に対する質問項目の寄与率を考慮したブランド価値評価を行うことができる。
実施形態1に係るブランド価値評価システムを示す概略図である。 実施形態1で用いるアンケートの一例を示す図である。 実施形態1に係るブランド価値評価システムのシーケンスを示す図である。 実施例1で用いたX年度におけるアンケートの回答データの集計を示す図である。 実施例1で用いた設定データを示す図である。 実施例1に係るブランド価値評価システムにより得られたX年度におけるブランド価値を示す図である。 実施例2で用いたX+1年度におけるアンケートの回答データの集計を示す図である。 実施例2に係るブランド価値評価システムにより得られたX+1年度におけるブランド価値を示す図である。 実施例3により得られたX年度におけるブランド価値の一部及びX+1年度におけるブランド価値の一部を示す図である。 実施例4により得られたX年度におけるブランド価値の一部及びX+1年度におけるブランド価値の一部を示す図である。 従来の評価方法により得られたX年度におけるブランド価値の一例を示す図である。 従来の評価方法により得られたX+1年度におけるブランド価値の一例を示す図である。
符号の説明
1 ブランド価値評価システム
10 ブランド価値評価サーバ
20 アンケートデータベース
50 アンケート手段
60 選別手段
70 ブランド価値算出手段
100a〜100n 端末
200 ネットワーク

Claims (6)

  1. 商品名、役務名又は商号として使用するブランドのイメージに関する複数の質問項目Q1〜nが含まれたアンケートを多数の取引者に対して行い、前記アンケートの回答に基づいて前記ブランドの価値を評価するサーバを有するブランド価値評価システムであって、
    前記サーバは、前記アンケートの回答を記憶し、
    記憶された前記アンケートの回答から前記質問項目Q1〜nごとに前記ブランドに対する肯定的な評価率を前記ブランドの価値への寄与に応じて第1の肯定的な評価率Ef1〜nと第2の肯定的な評価率Es1〜nとに選別し、
    前記第1の肯定的な評価率Ef1〜n及び第2の肯定的な評価率Es1〜nと共に前記質問項目Q1〜nごとに肯定的な評価率と前記ブランドが使用された商品、役務又は企業を取引者が選択する選択率との間の相関係数φ1〜nを式(1)に代入して、前記ブランドの価値を示すブランド価値Vを算出することを特徴とするブランド価値評価システム。
    Figure 2007087339
    (式中、Mfは第1の肯定的な評価率Efの最大値、Msは第2の肯定的な評価率Esの最大値を示し、Aは第1の肯定的な評価率Efに対する評価係数、Bは第2の肯定的な評価率Esに対する評価係数を示す。)
  2. 請求項1において、前記質問項目Q1〜nごとに肯定的な評価率に対するウエイトw1〜nを設け、式(1)に代えて、式(2)を用いることを特徴とするブランド価値評価システム。
    Figure 2007087339
    (式中、Mfは第1の肯定的な評価率Efの最大値、Msは第2の肯定的な評価率Esの最大値を示し、Aは第1の肯定的な評価率Efに対する評価係数、Bは第2の肯定的な評価率Esに対する評価係数を示す。)
  3. 請求項1又は2において、前記アンケートは前記ブランドが使用された商品、役務又は企業を選択するか否かの選択質問項目をさらに含み、
    前記相関係数φ1〜nは、前記選択質問項目において前記ブランドが使用された商品、役務又は企業を取引者が選択する選択率と、前記質問項目Q1〜nごとに前記ブランドに対する肯定的な評価率とから算出されることを特徴とするブランド価値評価システム。
  4. 請求項2又は3において、前記アンケートは前記質問項目Q1〜nの中から重要視する質問項目を指摘する重要質問項目をさらに含み、
    前記ウエイトw1〜nは、前記重要質問項目を集計して得られた前記重要質問項目の順位に基づいて算出されることを特徴とするブランド価値評価システム。
  5. 請求項1〜4の何れかにおいて、前記質問項目Q1〜nはクラスター分析により複数のカテゴリーにグループ分けされており、
    前記各カテゴリーに対するブランドの評価を示すブランド価値を算出することを特徴とするブランド価値評価システム。
  6. 請求項1〜5の何れかにおいて、前記ブランド評価システムは、ネットワークを介して前記サーバと接続される複数の端末をさらに有し、
    前記アンケートは、前記複数の端末上で行われ、前記アンケートの回答は前記ネットワークを介して前記サーバに送信されることを特徴とするブランド価値評価システム。



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