JP2007086487A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 フェノール樹脂を含む組成物を硬化させてなるフェノール樹脂硬化膜を備える場合において、長期間使用時に、フェノール樹脂硬化膜と、それと隣接する層との間で剥離が発生することを十分に抑制することが可能な電子写真感光体を提供すること。
【解決手段】 導電性支持体3及び該導電性支持体3上に配置された感光層6を備える電子写真感光体であって、前記感光層6は、フェノール樹脂を含有する第1の樹脂組成物を熱硬化させてなる第1の層と、該第1の層に隣接して配置された、アルコール可溶性の熱可塑性樹脂を含有する第2の樹脂組成物からなる第2の層と、を有することを特徴とする電子写真感光体。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成に用いられる電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
電子写真感光体は、高速、かつ高印字品質が得られることから、複写機及びレーザープリンター等の電子写真装置に使用されている。現在、電子写真感光体(以下、場合により「感光体」と言う)としては、有機の光導電性材料を用いた有機感光体が主流となっており、特に、感光層を電荷発生層と電荷輸送層とに分離することにより、感度、帯電性、それらの繰返し安定性等の点で優れた特性を得ることができる機能分離型の感光体が注目されている。このような機能分離型感光体として種々の構造のものが提案され、実用化されているが、導電性支持体上に下引層、電荷発生層及び電荷輸送層を順次積層した構造のものが一般的である。
この電子写真感光体については、近年、長寿命化の要求が高まりつつあり、感光体、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段及び定着手段等を有する、いわゆるゼログラフィー方式の画像形成装置においては、各部材及びシステムの技術進展により、一層の高速化、長寿命化が図られている。これに伴い、各サブシステムの高速対応性、高信頼性に対する要求が従来に増して高くなっている。特に、画像書き込みに使用される電子写真感光体や、電子写真感光体をクリーニングするクリーナーは、それら相互の摺動によるストレスを多く受け、傷、磨耗、欠けなどによる画像欠陥を生じやすく、高速対応性、高信頼性に対する要求が一層強い。このため、感光体としては、導電性支持体上に下引層、電荷発生層及び電荷輸送層を順次積層した後、更に電荷輸送層上に高耐久性の表面保護層を積層した構成のものが提案されている。
感光体の長寿命化を実現するためには、その表面保護層の機械強度を高めて磨耗を減少させることが極めて重要である。そこで、感光体表面の傷や磨耗の発生を抑制し、感光体の長寿命化を図るために、保護層としてフェノール樹脂硬化膜を設ける試みがなされている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開2002−82469号公報 特開2003−186234号公報 特開2002−6527号公報
しかしながら、フェノール樹脂硬化膜と隣接する層がプラスチック材料を含む層である場合、フェノール樹脂硬化膜とプラスチック材料との接着性が低いため、長期使用時にフェノール樹脂硬化膜が剥離してしまうという問題がある。特に、フェノール樹脂硬化膜を電子写真感光体の保護層に適用すると、電子写真感光体がクリーニングブレード等との摺擦によりストレスを受けるため、フェノール樹脂硬化膜の剥離が一層起こりやすくなる。なお、かかる問題は、フェノール樹脂硬化膜を保護層以外の層に適用した場合であっても生じるものであり、例えば、フェノール樹脂硬化膜を下引層に使用した場合には、この下引層とその上層(例えば、電荷発生層等)との間で剥離が発生することとなる。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、電子写真感光体を構成する層として、フェノール樹脂を含む組成物を硬化させてなるフェノール樹脂硬化膜を備える場合において、長期間使用時に、フェノール樹脂硬化膜と、それと隣接する層との間で剥離が発生することを十分に抑制することが可能な電子写真感光体を提供することを目的とする。また、本発明は、上記電子写真感光体を用いており、長期間使用時に層間の剥離が生じにくい長寿命な画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、導電性支持体及び該導電性支持体上に配置された感光層を備える電子写真感光体であって、上記感光層は、フェノール樹脂を含有する第1の樹脂組成物を熱硬化させてなる第1の層と、該第1の層に隣接して配置された、アルコール可溶性の熱可塑性樹脂を含有する第2の樹脂組成物からなる第2の層と、を有することを特徴とする電子写真感光体を提供する。
本発明の電子写真感光体によれば、アルコール可溶性の熱可塑性樹脂を含有する第2の樹脂組成物を用いて第2の層を構成することで、当該第2の層と、フェノール樹脂を含有する第1の樹脂組成物を熱硬化させてなる第1の層との接着性を十分に高めることができる。ここで、第1の層と第2の層との十分な接着性が得られる理由は必ずしも明らかではないが、アルコール可溶性の熱可塑性樹脂を用いた塗膜は成膜性が良好であるとともに熱収縮に強く、第1の層を形成する際のフェノール樹脂の熱硬化時にも収縮が起こりにくいため、第1の層との接着性が向上するものと本発明者らは推察する。したがって、上記構成を有する本発明の電子写真感光体によれば、長期間使用時に、フェノール樹脂硬化膜としての上記第1の層と、これと隣接する上記第2の層との間で剥離が発生することを十分に抑制することが可能となる。また、本発明の画像形成装置によれば、アルコール可溶性の熱可塑性樹脂を第2の層に用いることにより、当該第2の層とフェノール樹脂を用いた第1の層との間の電荷移動障壁を低減することができ、長期間画像形成を行った場合のゴーストの発生を十分に抑制することが可能となる。
また、アルコール可溶性の熱可塑性樹脂を用いた第2の層は、上記第1の層以外のプラスチック材料を用いた層に対しても十分な接着性を示すことができ、上記第2の層が上記第1の層とは反対側の面でプラスチック材料を含む層と接している場合において、上記第2の層と上記プラスチック材料を含む層との接着性を十分に高めることができる。そのため、例えば、上記第1の層が、電子写真感光体における導電性支持体から最も遠い側に配置される保護層である場合、当該保護層とプラスチック材料を含む電荷輸送層との間に上記第2の層を接着層として配置することで、保護層と接着層との間、及び、電荷輸送層と接着層との間の双方の接着性を十分に高めることができ、長期間使用時に層間の剥離が生じることを十分に抑制することができる。
なお、本発明において、アルコール可溶性の熱可塑性樹脂とは、25℃のn−ブタノール100質量部に対して5質量部以上溶解する熱可塑性樹脂を意味する。また、本発明において、上記アルコール可溶性の熱可塑性樹脂は、25℃のn−ブタノール100質量部に対して7質量部以上溶解するものであることが好ましく、10質量部以上溶解するものであることがより好ましい。
本発明の電子写真感光体において、上記熱可塑性樹脂は、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルフェノール樹脂及びノボラック樹脂からなる群より選択される少なくとも一種の樹脂を含むことが好ましい。
第2の層の構成材料として上記の熱可塑性樹脂を用いることにより、第2の層の成膜性をより向上させることができ、第1の層と第2の層との接着性をより向上させることができる。
また、本発明の電子写真感光体において、上記第1の樹脂組成物及び上記第2の樹脂組成物のうちの少なくとも上記第1の樹脂組成物が、上記フェノール樹脂と反応可能な官能基を有する電荷輸送性化合物を更に含有することが好ましい。
フェノール樹脂は絶縁性樹脂であり、表面に埃などが付着しやすく、また電気的ストレスが加えられると分解を起こすことがあるが、フェノール樹脂と反応可能な官能基を有する電荷輸送性化合物を第1の樹脂組成物に含有せしめることで、特に第1の層が保護層である場合に、得られる保護層の帯電防止性が十分に高められるので、埃などの付着を防止することができ、また、電気的ストレスに対する耐性を向上させることができる。さらに、当該電荷輸送性化合物はフェノール樹脂と反応可能な官能基を有するものであり、第1の樹脂組成物の熱硬化時には化学結合を形成し得るものであるため、その使用により、第1の層の可とう性及び成膜性を向上させることができる。
また、第1の樹脂組成物及び第2の樹脂組成物の両方に上記フェノール樹脂と反応可能な官能基を有する電荷輸送性化合物を含有させることも好ましい。特に第2の層が接着層である場合、接着層は、電子写真感光体における電気特性等の電子写真特性を阻害しないことが望まれるが、上記の電荷輸送性化合物を第2の樹脂組成物にも含有せしめることで、第2の層が電荷移動の障壁とならず、第1の層との接着性を高水準で達成しつつ、良好な電気特性を得ることができる。さらに、上記の電荷輸送性化合物の使用により、第2の層と第1の層との良好な接着性を維持しつつ、第2の層の可とう性及び成膜性を向上させることができる。
ここで、成膜性、機械強度及び安定性に優れることから、上記第1の樹脂組成物及び/又は上記第2の樹脂組成物に含有される上記電荷輸送性化合物は、下記一般式(I)、(II)、(III)、(IV)又は(V)で示される化合物の1種以上を含むものであることが好ましい。
F[−D−Si(R(3-a) (I)
[式(I)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基を示し、Dは可とう性を有する2価の基を示し、Rは水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基又は置換若しくは未置換のアリール基を示し、Qは加水分解性基を示し、aは1〜3の整数を示し、bは1〜4の整数を示す。]
F[−(Xn1−ZH]m1 (II)
[式(II)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基を示し、Rはアルキレン基を示し、Zは酸素原子、硫黄原子、NH又はCOOを示し、Xは酸素原子又は硫黄原子を示し、m1は1〜4の整数を示し、n1は0又は1を示す。]
F[−(Xn2−(Rn3−(Zn4G]n5 (III)
[式(III)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基を示し、Xは酸素原子又は硫黄原子を示し、Rはアルキレン基を示し、Zは酸素原子、硫黄原子、NH又はCOOを示し、Gはエポキシ基を示し、n2、n3及びn4はそれぞれ独立に0又は1を示し、n5は1〜4の整数を示す。]
Figure 2007086487


[式(IV)中、Fは正孔輸送性を有する化合物から誘導される有機基を示し、Tは2価の基を示し、Yは酸素原子又は硫黄原子を示し、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は1価の有機基を示し、Rは1価の有機基を示し、m2は0又は1を示し、n6は1〜4の整数を示す。但し、RとRは互いに結合してYをヘテロ原子とする複素環を形成してもよい。]
Figure 2007086487


[式(V)中、Fは正孔輸送性を有する化合物から誘導される有機基を示し、Tは2価の基を示し、Rは1価の有機基を示し、m3は0又は1を示し、n7は1〜4の整数を示す。]
また、本発明の電子写真感光体において、上記第1の層は、上記導電性支持体から最も遠い側に配置される保護層であることが好ましい。上記第1の層が保護層であることにより、長期間使用時における当該保護層の剥離を十分に抑制しつつ、電子写真感光体表面の機械強度を十分に高めて磨耗を減少させることができ、感光体の長寿命化を実現することができる。
また、上記第1の層が保護層である場合、電子写真感光体表面の機械強度をより十分に高める観点から、上記フェノール樹脂はレゾール型フェノール樹脂であることが好ましい。
また、本発明の電子写真感光体において、上記第2の層は接着層であることが好ましく、その膜厚は0.03〜2μmであることが好ましく、0.08〜1.2μmであることがより好ましく、0.3〜0.6μmであることが特に好ましい。接着層の膜厚を上記範囲内とすることにより、上記第1の層に対してより十分な接着性が得られるとともに、接着層が電荷移動の障壁となることをより十分に抑制し、良好な電気特性を得ることができる。
本発明はまた、上記本発明の電子写真感光体と、上記電子写真感光体を帯電させるための帯電手段、上記電子写真感光体に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成するための現像手段、及び、上記電子写真感光体の表面に残存したトナーを除去するためのクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも一種と、を備えることを特徴とするプロセスカートリッジを提供する。
本発明は更に、上記本発明の電子写真感光体と、上記電子写真感光体を帯電させるための帯電手段と、帯電した上記電子写真感光体に静電潜像を形成するための露光手段と、上記静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成するための現像手段と、上記トナー像を上記電子写真感光体から被転写体に転写するための転写手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置を提供する。
本発明のプロセスカートリッジ及び画像形成装置によれば、上述のように優れた特性を有する本発明の電子写真感光体を用いているため、長期間使用した場合であっても層間の剥離の発生を十分に抑制することができ、良好な画像品質を長期間にわたって安定して得ることができる。
本発明によれば、電子写真感光体を構成する層として、フェノール樹脂を含む組成物を硬化させてなるフェノール樹脂硬化膜を備える場合において、長期間使用時に、フェノール樹脂硬化膜と、それと隣接する層との間で剥離が発生することを十分に抑制することが可能な電子写真感光体を提供することができる。また、本発明によれば、長期間使用時に層間の剥離が生じにくい長寿命な画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
(電子写真感光体)
図1は、本発明の電子写真感光体の好適な一実施形態を示す模式断面図である。図1に示す電子写真感光体100は、電荷発生層1と電荷輸送層2とが別個に設けられた機能分離型感光体であり、感光層7は導電性支持体3に近い側から順に下引層4、電荷発生層1、電荷輸送層2、接着層6及び保護層5が積層された構造を有している。図1に示す電子写真感光体100におけるフェノール樹脂硬化膜としての第1の層は保護層5であり、この保護層5はフェノール樹脂を含有する第1の樹脂組成物の熱硬化物で構成されている。また、保護層5に隣接して配置された第2の層は接着層6であり、この接着層6は、アルコール可溶性の熱可塑性樹脂を含有する第2の樹脂組成物を用いて構成されている。また、接着層6に隣接して配置された電荷輸送層2は、プラスチック材料を含有する層である。
以下、図1に示す電子写真感光体100の各要素について説明する。
導電性支持体3としては、例えば、アルミニウム、銅、亜鉛、ステンレス、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等の金属又は合金を用いて構成される金属板、金属ドラム、金属ベルト等が挙げられる。また、導電性支持体3としては、導電性ポリマー、酸化インジウム等の導電性化合物やアルミニウム、パラジウム、金等の金属又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、プラスチックフィルム、ベルト等が挙げられる。
なお、感光体100がレーザープリンターに使用される場合には、レーザーの発振波長としては350nm〜850nmのものが好ましく、短波長のものほど解像度に優れるため好ましい。導電性支持体3表面は、レーザー光を照射する際に生じる干渉縞を防止するために、中心線平均粗さRaで0.04μm〜0.5μmに粗面化することが好ましい。Raが0.04μm未満であると、鏡面に近くなるので干渉防止効果が得られなくなる傾向があり、他方、Raが0.5μmを越えると、被膜を形成しても画質が粗くなる傾向がある。また、非干渉光を光源に用いる場合には、干渉縞防止の粗面化は特に必要なく、導電性支持体3表面の凹凸による欠陥の発生が防げるため、より長寿命化に適する。
粗面化の方法としては、研磨剤を水に懸濁させて支持体に吹き付けることによって行う湿式ホーニング処理、回転する砥石に支持体を圧接し、連続的に研削加工を行うセンタレス研削処理、陽極酸化処理、又は有機若しくは無機の半導電性微粒子を含有する層を形成する方法等が挙げられる。
陽極酸化処理は、アルミニウムを陽極とし電解質溶液中で陽極酸化することによりアルミニウム表面に酸化膜を形成するものである。電解質溶液としては、硫酸溶液、シュウ酸溶液等が挙げられる。しかし、処理後そのままの多孔質陽極酸化膜は化学的に活性であり、汚染され易く、環境による抵抗変動も大きい。そこで、陽極酸化膜は、加圧水蒸気又は沸騰水(ニッケル等の金属塩を加えてもよい)による処理を行い、微細孔水和反応による体積膨張でふさぎ、より安定な水和酸化物に変える封孔処理を行うことが好ましい。
陽極酸化膜の膜厚は、0.3〜15μmが好ましい。膜厚が0.3μm未満であると、注入に対するバリア性が乏しく効果が不十分となる傾向がある。また、15μmを超えると、繰り返し使用による残留電位の上昇を招く傾向がある。
また、導電性支持体3には、酸性処理液による処理、又はベーマイト処理を施してもよい。酸性処理液による処理は、リン酸、クロム酸及びフッ酸からなる酸性処理液を用いて以下の様に実施される。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、リン酸が10〜11質量%の範囲、クロム酸が3〜5質量%の範囲、フッ酸が0.5〜2質量%の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5〜18質量%の範囲が好ましい。処理温度は、42〜48℃であるが、処理温度を高く保つことにより、一層速く、かつ厚い被膜を形成することができる。被膜の膜厚は、0.3〜15μmが好ましい。膜厚が0.3μm未満であると、注入に対するバリア性が乏しく効果が不十分となる傾向がある。また、15μmを超えると、繰り返し使用による残留電位の上昇を招く傾向がある。
ベーマイト処理は、90〜100℃の純水中に導電性支持体3を5〜60分間浸漬するか、90〜120℃の加熱水蒸気に5〜60分間接触させることにより行うことができる。被膜の膜厚は、0.1〜5μmが好ましい。これをさらにアジピン酸、硼酸、硼酸塩、燐酸塩、フタル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の被膜溶解性の低い電解質溶液を用いて陽極酸化処理してもよい。
下引層4は、有機金属化合物及び結着樹脂を含有して構成される。有機金属化合物としては、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物、ジルコニウムカップリング剤等の有機ジルコニウム化合物、チタンキレート化合物、チタンアルコキシド化合物、チタネートカップリング剤等の有機チタン化合物、アルミニウムキレート化合物、アルミニウムカップリング剤等の有機アルミニウム化合物のほか、アンチモンアルコキシド化合物、ゲルマニウムアルコキシド化合物、インジウムアルコキシド化合物、インジウムキレート化合物、マンガンアルコキシド化合物、マンガンキレート化合物、スズアルコキシド化合物、スズキレート化合物、アルミニウムシリコンアルコキシド化合物、アルミニウムチタンアルコキシド化合物、アルミニウムジルコニウムアルコキシド化合物等が挙げられる。有機金属化合物としては、特に、有機ジルコニウム化合物、有機チタニル化合物、有機アルミニウム化合物は残留電位が低く良好な電子写真特性を示すため、好ましく使用される。
結着樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレノキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリアミド、ポリイミド、カゼイン、ゼラチン、ポリエチレン、ポリエステル、フェノール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エポキシ樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリウレタン、ポリグルタミン酸、ポリアクリル酸等の公知の結着樹脂を用いることができる。これらの混合割合は、必要に応じて適宜設定することができる。
また、下引層4には、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス−2−メトキシエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−2−アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプロプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、β−3,4−エポキシシクロヘキシルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤を含有させることもできる。
また、下引層4中には、電子輸送性顔料を混合/分散することもできる。電子輸送性顔料としては、特開昭47−30330号公報に記載のペリレン顔料、ビスベンズイミダゾールペリレン顔料、多環キノン顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料等の有機顔料、また、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、ハロゲン原子等の電子吸引性の置換基を有するビスアゾ顔料やフタロシアニン顔料等の有機顔料、酸化亜鉛、酸化チタン等の無機顔料が上げられる。これらの顔料の中ではペリレン顔料、ビスベンズイミダゾールペリレン顔料と多環キノン顔料、酸化亜鉛、酸化チタンが、電子移動性が高いので好ましく使用される。
また、これらの顔料の表面は、分散性、電荷輸送性を制御する目的で上記カップリング剤や、結着樹脂等で表面処理しても良い。電子輸送性顔料は多すぎると下引層の強度を低下させ、塗膜欠陥を生じる原因となるため、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下で使用される。
また、下引層4には、電気特性の向上や光散乱性の向上等の目的により、各種の有機化合物の微粉末若しくは無機化合物の微粉末を添加することが好ましい。特に、酸化チタン、酸化亜鉛、亜鉛華、硫化亜鉛、鉛白、リトポン等の白色顔料やアルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の体質顔料としての無機顔料やポリテトラフルオロエチレン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子、スチレン樹脂粒子等が有効である。
添加微粉末の粒径は、0.01〜2μmのものが好ましい。微粉末は必要に応じて添加されるが、その添加量は下引層4の固形分全量を基準として、10〜90質量%であることが好ましく、30〜80質量%であることがより好ましい。
下引層4は、上記各構成材料を含有する下引層形成用塗布液を用いて構成される。
下引層形成用塗布液の混合/分散方法は、ボールミル、ロールミル、サンドミル、アトライター、超音波等を用いる常法が適用される。混合/分散は有機溶剤中で行われるが、有機溶剤としては、有期金属化合物や結着樹脂を溶解し、また、電子輸送性顔料を混合/分散したときにゲル化や凝集を起こさないものであればよい。
有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
また、下引層4を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
塗布後、塗膜を乾燥させて下引層を得るが、通常、乾燥は溶剤を蒸発させ、製膜可能な温度で行われる。特に、酸性溶液処理、ベーマイト処理を行った導電性支持体3は、その欠陥隠蔽力が不十分となり易いため、下引層4を形成することが好ましい。
下引層4の膜厚は、好ましくは0.1〜30μm、より好ましくは0.2〜25μmが適当である。
電荷発生層1は、電荷発生材料を含有して、又は電荷発生材料及び結着樹脂を含有して構成される。
電荷発生材料は、ビスアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料、ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料、ペリレン顔料、ピロロピロール顔料、フタロシアニン顔料等の有機顔料や、三方晶セレン、酸化亜鉛等の無機顔料等既知のもの全て使用することができる。電荷発生材料としては、380nm〜500nmの露光波長の光源を用いる場合には無機顔料が好ましく、700nm〜800nmの露光波長の光源を用いる場合には、金属及び無金属フタロシアニン顔料が好ましい。その中でも、特開平5−263007号公報及び特開平5−279591号公報に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン、特開平5−98181号公報に開示されたクロロガリウムフタロシアニン、特開平5−140472号公報及び特開平5−140473号公報に開示されたジクロロスズフタロシアニン、又は特開平4−189873号公報及び特開平5−43813号公報に開示されたチタニルフタロシアニンが特に好ましい。
また、電荷発生材料としては、CuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、及び28.3°に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン、CuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の27.2°に強い回折ピークを持つチタニルフタロシアニン、CuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.4°、16.6°、25.5°及び28.3°に強い回折ピークを持つクロロガリウムフタロシアニンも好ましい。
結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択することができる。また、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシラン等の有機光導電性ポリマーから選択することもできる。好ましい結着樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(例えば、ビスフェノールAとフタル酸の重縮合体などのビスフェノール類と芳香族2価カルボン酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等の絶縁性樹脂を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらの結着樹脂は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
電荷発生層1は、上記電荷発生材料を用いて蒸着により、又は上記電荷発生材料及び結着樹脂を含有する電荷発生層形成用塗布液を用いて形成される。
電荷発生層形成用塗布液は、電荷発生材料と結着樹脂の配合比(質量比)が、10:1〜1:10であることが好ましい。また、これらを分散させる方法としては、ボールミル分散法、アトライター分散法、サンドミル分散法等の通常の方法を用いることができる。これらの分散方法によれば、分散による電荷発生材料の結晶型の変化を防止することができる。
さらに、この分散の際、粒子を好ましくは0.5μm以下、より好ましくは0.3μm以下、さらに好ましくは0.15μm以下の粒子サイズにすることが有効である。
また、これらの分散に用いる溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
また、電荷発生層1を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
電荷発生層1の膜厚は、好ましくは0.1〜5μm、より好ましくは0.2〜2.0μmである。
電荷輸送層2は、電荷輸送材料及び結着樹脂を含有して、又は高分子電荷輸送材を含有して構成される。
電荷輸送材料としては、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物等の電子輸送性化合物、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の正孔輸送性化合物が挙げられる。これらの電荷輸送材料は1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができるが、これらに限定されるものではない。
また、電荷輸送材料としては、モビリティーの観点から、下記一般式(a−1)、(a−2)又は(a−3)で示される化合物が好ましい。
Figure 2007086487

上記式(a−1)中、R34は水素原子又はメチル基を、k10は1又は2を示す。また、Ar及びArは置換もしくは未置換のアリール基、−C−C(R38)=C(R39)(R40)、又は、−C−CH=CH−CH=C(Ar)を示し、置換基としてはハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、又は炭素数1〜3のアルキル基で置換された置換アミノ基が挙げられる。また、R38、R39、R40は水素原子、置換又は未置換のアルキル基、置換又は未置換のアリール基を、Arは置換又は未置換のアリール基を示す。
Figure 2007086487

上記式(a−2)中、R35及びR35’はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のアルコキシ基を、R36、R36’、R37及びR37’はそれぞれ独立にハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜2のアルキル基で置換されたアミノ基、置換若しくは未置換のアリール基、−C(R38)=C(R39)(R40)、又は、−CH=CH−CH=C(Ar)を、R38、R39及びR40はそれぞれ独立に水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、又は置換若しくは未置換のアリール基を、Arは置換又は未置換のアリール基を示す。また、m4及びm5はそれぞれ独立に0〜2の整数を示す。
Figure 2007086487

上記式(a−3)中、R41は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、置換若しくは未置換のアリール基、又は、−CH=CH−CH=C(Ar)を示す。Arは、置換又は未置換のアリール基を示す。R42、R42’、R43、及びR43’はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜2のアルキル基で置換されたアミノ基、又は置換若しくは未置換のアリール基を示す。
また、図1に示す電子写真感光体100のように、電荷輸送層2と接着層6とが隣接している場合、電荷輸送層2には、フェノール樹脂と反応可能な官能基を有する電荷輸送性化合物を更に含有させることが好ましく、電荷輸送層2及び接着層6の双方に同一の上記電荷輸送性化合物を含有させることがより好ましい。これにより、電荷輸送層2と接着層6との接着性をより向上させることができるとともに、感光体表面の残留電位をより十分に低減することができる。なお、フェノール樹脂と反応可能な官能基を有する電荷輸送性化合物については、接着層6の説明において後述する。
フェノール樹脂と反応可能な官能基を有する電荷輸送性化合物は、上述した電荷輸送性材料とは別に電荷輸送層2に含有されることが好ましく、その含有量は、電荷輸送層2における固形分全量を基準として1〜20質量%であることが好ましく、5〜10質量%であることがより好ましい。
結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂や、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン、特開平8−176293号公報や特開平8−208820号公報に示されているポリエステル系高分子電荷輸送材等高分子電荷輸送材を用いることもできる。これらの結着樹脂は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。電荷輸送材料と結着樹脂との配合比(質量比)は10:1〜1:5が好ましい。
また、高分子電荷輸送材を単独で用いることもできる。高分子電荷輸送材としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等の電荷輸送性を有する公知のものを用いることができる。特に、特開平8−176293号公報や特開平8−208820号公報に示されているポリエステル系高分子電荷輸送材は、高い電荷輸送性を有しており、とくに好ましいものである。高分子電荷輸送材はそれだけでも電荷輸送層として使用可能であるが、上記結着樹脂と混合して成膜してもよい。
電荷輸送層2は、上記構成材料を含有する電荷輸送層形成用塗布液を用いて構成される。電荷輸送層形成用塗布液に用いる溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロンゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状若しくは直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。また、上記各構成材料の分散方法としては、公知の方法を使用できる。
電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層1上に塗布する際の塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
電荷輸送層2の膜厚は、好ましくは5〜50μm、より好ましくは10〜30μmである。
電荷発生層1及び/又は電荷輸送層2には、画像形成装置中で発生するオゾンや酸化性ガス、又は光、熱による感光体の劣化を防止する目的で、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤等の添加剤を含有させることができる。
酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノン及びそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物等が挙げられる。光安定剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、ジチオカルバメート、テトラメチルピペリジン等の誘導体が挙げられる。
また、電荷発生層1及び/又は電荷輸送層2には、感度の向上、残留電位の低減、繰り返し使用時の疲労低減等を目的として、少なくとも1種の電子受容性物質を含有させることができる。
電子受容物質としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、クロラニル、ジニトロアントラキノン、トリニトロフルオレノン、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フタル酸等を挙げることができる。これらのうち、フルオレノン系、キノン系や、Cl、CN、NO等の電子吸引性置換基を有するベンゼン誘導体が特に好ましい。
保護層5は、フェノール樹脂を含有する第1の樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を熱硬化させてなる第1の層である。
ここで、フェノール樹脂は、メチロール基を有するフェノール誘導体であることが好ましい。メチロール基を有するフェノール誘導体としては、モノメチロールフェノール類、ジメチロールフェノール類若しくはトリメチロールフェノール類のモノマー、それらの混合物、それらがオリゴマー化されたもの、又はそれらモノマーとオリゴマーの混合物が挙げられる。このようなメチロール基を有するフェノール誘導体は、レゾルシン、ビスフェノール等、フェノール、クレゾール、キシレノール、パラアルキルフェノール、パラフェニルフェノール等の水酸基を1個含む置換フェノール類、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン等の水酸基を2個含む置換フェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールZ等のビスフェノール類、ビフェノール類等、フェノール構造を有する化合物と、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド等とを、酸触媒又はアルカリ触媒下で反応させることで得られるもので、一般にフェノール樹脂として市販されているものも使用できる。なお、本明細書では、分子の構造単位の繰り返しが2〜20程度の比較的大きな分子をオリゴマーといい、それ以下のものをモノマーという。
上記酸触媒としては、硫酸、パラトルエンスルホン酸、リン酸等が用いられる。また、アルカリ触媒としては、NaOH、KOH、Ca(OH)等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物やアミン系触媒が用いられる。
アミン系触媒としては、アンモニア、ヘキサメチレンテトラミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。塩基性触媒を使用した場合には、残留する触媒によりキャリアが著しくトラップされ、電子写真特性を悪化させる傾向がある。そのため、酸で中和するか、シリカゲル等の吸着剤や、イオン交換樹脂等と接触させることにより不活性化又は除去することが好ましい。
これらのフェノール樹脂を含有することにより、保護層5は優れた機械強度を得ることができ、電子写真感光体100表面の磨耗を十分に低減することが可能となる。
ここで、保護層5を形成するための第1の樹脂組成物におけるフェノール樹脂の含有量は、第1の樹脂組成物中の固形分全量を基準として30〜70質量%であることが好ましく、40〜60質量%であることがより好ましい。フェノール樹脂の含有量が上記下限値未満であると、保護層5の機械強度が不十分となる傾向にあり、また、上記上限値を超えると保護層5の可とう性が不十分となり、クラックが発生しやすくなる傾向にある。
保護層5は、電荷輸送性化合物を更に含有することが好ましい。電荷輸送性化合物としては、公知の材料を用いることができ、例えば、アントラセン、ピレン、フェナントレン、コロネン等の多環芳香族化合物又はそれらの誘導体、インドール、カルバゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、オキサジアゾール、ピラゾリン、ヒアジアゾール、トリアゾール等の含チッ素複環式化合物又はそれらの誘導体、ヒドラゾン化合物等の正孔輸送物質等を用いることができる。
また、電荷輸送性化合物は、上記フェノール樹脂と反応可能な官能基を有するものであることが好ましく、水酸基、カルボキシル基、アルコキシシリル基、エポキシ基、チオール基、アミノ基から選択される少なくとも1種の官能基を有するものであることがより好ましい。
水酸基、カルボキシル基、アルコキシシリル基、エポキシ基、チオール基及びアミノ基から選択される少なくとも1種の官能基を有する電荷輸送化合物としては、下記一般式(I)、(II)、(III)、(IV)又は(V)で示される化合物が好ましい。
F[−D−Si(R(3-a) (I)
[式(I)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基を示し、Dは可とう性を有する2価の基を示し、Rは水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基又は置換若しくは未置換のアリール基を示し、Qは加水分解性基を示し、aは1〜3の整数を示し、bは1〜4の整数を示す。]
F[−(Xn1−ZH]m1 (II)
[式(II)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基を示し、Rはアルキレン基を示し、Zは酸素原子、硫黄原子、NH又はCOOを示し、Xは酸素原子又は硫黄原子を示し、m1は1〜4の整数を示し、n1は0又は1を示す。]
F[−(Xn2−(Rn3−(Zn4G]n5 (III)
[式(III)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基を示し、Xは酸素原子又は硫黄原子を示し、Rはアルキレン基を示し、Zは酸素原子、硫黄原子、NH又はCOOを示し、Gはエポキシ基を示し、n2、n3及びn4はそれぞれ独立に0又は1を示し、n5は1〜4の整数を示す。]
Figure 2007086487


[式(IV)中、Fは正孔輸送性を有する化合物から誘導される有機基を示し、Tは2価の基を示し、Yは酸素原子又は硫黄原子を示し、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は1価の有機基を示し、Rは1価の有機基を示し、m2は0又は1を示し、n6は1〜4の整数を示す。但し、RとRは互いに結合してYをヘテロ原子とする複素環を形成してもよい。]
Figure 2007086487


[式(V)中、Fは正孔輸送性を有する化合物から誘導される有機基を示し、Tは2価の基を示し、Rは1価の有機基を示し、m3は0又は1を示し、n7は1〜4の整数を示す。]
また、上記一般式(I)〜(V)で表わされる化合物における上記Fは、下記一般式(VI)で表される基であることが好ましい。
Figure 2007086487


[式(VI)中、Ar、Ar、Ar及びArはそれぞれ独立に置換又は未置換のアリール基を示し、Arは置換若しくは未置換のアリール基又はアリーレン基を示し、且つAr〜Arのうち1〜4個は、上記一般式(I)で表わされる化合物における下記一般式(VII)で示される部位、上記一般式(II)で表わされる化合物における下記一般式(VIII)で示される部位、上記一般式(III)で表わされる化合物における下記一般式(IX)で示される部位、上記一般式(IV)で表わされる化合物における下記一般式(X)で示される部位、又は、上記一般式(V)で表わされる化合物における下記一般式(XI)で示される部位と結合するための結合手を有する。]
−D−Si(R(3-a) (VII)
−(Xn1−ZH (VIII)
−(Xn2−(Rn3−(Zn4G (IX)
Figure 2007086487

Figure 2007086487

また、上記一般式(VI)中のAr〜Arで示される置換又は未置換のアリール基としては、具体的には、下記一般式(1)〜(7)に示されるアリール基が好ましい。
Figure 2007086487

上記式(1)〜(7)中、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、それらで置換されたフェニル基若しくは未置換のフェニル基、又は炭素数7〜10のアラルキル基を示し、R10〜R12はそれぞれ水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルコキシ基、それらで置換されたフェニル基若しくは未置換のフェニル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はハロゲン原子を示し、Arは置換又は未置換のアリーレン基を示し、Xは上記一般式(VII)〜(XI)で表される構造のいずれかを示し、c及びsはそれぞれ0又は1を示し、tは1〜3の整数を示す。
また、上記式(7)で示されるアリール基におけるArとしては、下記式(8)又は(9)で示されるアリーレン基が好ましい。
Figure 2007086487

上記式(8)、(9)中、R13及びR14はそれぞれ水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基、または未置換のフェニル基、炭素数7〜10のアラルキル基、又は、ハロゲン原子を示し、tは1〜3の整数を示す。
また、上記式(7)で示されるアリール基におけるZ’としては、下記式(10)〜(17)で示される2価の基が好ましい。
Figure 2007086487

式(10)〜(17)中、R15及びR16はそれぞれ水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基、または未置換のフェニル基、炭素数7〜10のアラルキル基、又は、ハロゲン原子を示し、Wは2価の基を示し、q及びrはそれぞれ1〜10の整数を示し、tはそれぞれ1〜3の整数を示す。
また、上記式(16)〜(17)中、Wは下記式(18)〜(26)で示される2価の基を示す。なお、式(25)中、uは0〜3の整数を示す。
Figure 2007086487

また、上記一般式(VI)におけるArの具体的構造としては、k=0の時は上記Ar〜Arの具体的構造におけるc=1の構造が、k=1の時は上記Ar〜Arの具体的構造におけるc=0の構造が挙げられる。
また、上記一般式(I)で示される化合物として、より具体的には、下記化合物(I−1)〜(I−61)が挙げられる。なお、下記化合物(I−1)〜(I−61)は、一般式(VI)で示される化合物のAr〜Ar及びkを下記の表に示されるように組み合わせ、且つ、アルコキシシリル基(s)を下記の表に示される特定のものとしたものである。
Figure 2007086487


Figure 2007086487


Figure 2007086487


Figure 2007086487


Figure 2007086487


Figure 2007086487


また、上記一般式(II)で示される化合物としては、より具体的には、下記化合物(II−1)〜(II−37)が挙げられる。なお、下記表中、結合手は記載されているが置換基が記載されていないものはメチル基を示す。
Figure 2007086487

Figure 2007086487

Figure 2007086487

Figure 2007086487

Figure 2007086487

Figure 2007086487

Figure 2007086487

Figure 2007086487

Figure 2007086487

また、上記一般式(III)で示される化合物としては、より具体的には、下記化合物(III−1)〜(III−47)が挙げられる。なお、下記表中、Me又は結合手は記載されているが置換基が記載されていないものはメチル基を、Etはエチル基を示す。
Figure 2007086487

Figure 2007086487

Figure 2007086487

Figure 2007086487

Figure 2007086487

Figure 2007086487

Figure 2007086487

Figure 2007086487

Figure 2007086487

Figure 2007086487

Figure 2007086487

Figure 2007086487

Figure 2007086487

Figure 2007086487

また、上記一般式(IV)で表される化合物としては、より具体的には、下記化合物(IV−1)〜(IV−40)が挙げられる。なお、下記表中、Me又は結合手は記載されているが置換基が記載されていないものはメチル基を、Etはエチル基を示す。
Figure 2007086487

Figure 2007086487

Figure 2007086487

Figure 2007086487

Figure 2007086487

Figure 2007086487

Figure 2007086487

Figure 2007086487

Figure 2007086487

Figure 2007086487

また、上記一般式(V)で表される化合物としては、より具体的には、下記化合物(V−1)〜(V−55)が挙げられる。なお、下記表中、Me又は結合手は記載されているが置換基が記載されていないものはメチル基を示す。
Figure 2007086487

Figure 2007086487

Figure 2007086487

Figure 2007086487

Figure 2007086487

Figure 2007086487

Figure 2007086487

Figure 2007086487

Figure 2007086487

Figure 2007086487

保護層5を形成するための第1の樹脂組成物における電荷輸送性化合物の含有量は、第1の樹脂組成物中の固形分全量を基準として30〜70質量%であることが好ましく、40〜60質量%であることがより好ましい。電荷輸送性化合物の含有量が上記下限値未満であると、保護層5の電荷輸送性能が不十分となる傾向にあり、また、上記上限値を超えると、保護層5の機械強度が不十分となり、耐磨耗性が不十分となる傾向にある。
また、保護層5を形成するための第1の樹脂組成物には、保護層5の強度、膜抵抗等の種々の物性をコントロールするために、下記一般式(XII)で示される化合物を添加することもできる。
Si(R50(4−c) (XII)
[上記式(XII)中、R50は水素原子、アルキル基又は置換若しくは未置換のアリール基を、Qは加水分解性基を、cは1〜4の整数を示す。]
上記一般式(XII)で示される化合物の具体例としては以下のようなシランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等の四官能性アルコキシシラン(c=4);メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、3−(ヘプタフルオロイソプロポキシ)プロピルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロアルキルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリエトシキシラン等の三官能性アルコキシシラン(c=3);ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン等の二官能性アルコキシシラン(c=2);トリメチルメトキシシラン等の1官能アルコキシシラン(c=1)等を挙げることができる。膜の強度を向上させるためには3及び4官能のアルコキシシランが好ましく、可とう性、成膜性を向上させるためには1及び2官能のアルコキシシランが好ましい。
また、主にこれらのカップリング剤より作製されるシリコン系ハードコート剤も用いることができる。市販のハードコート剤としては、KP−85、X−40−9740、X−40−2239(以上、信越シリコーン社製)、及びAY42−440、AY42−441、AY49−208(以上、東レダウコーニング社製)等を用いることができる。
また、保護層5を形成するための第1の樹脂組成物には、保護層5の強度を高めるために、下記一般式(XIII)に示すような2つ以上のケイ素原子を有する化合物を用いることも好ましい。
B−(Si(R51(3−d) (XIII)
[上記式(XIII)中、Bは2価の有機基を、R51は水素原子、アルキル基又は置換若しくは未置換のアリール基を、Qは加水分解性基を、dは1〜3の整数を示す。]
上記一般式(XIII)で示される化合物としては、より具体的には、下記化合物(XIII−1)〜(XIII−16)が好ましいものとして挙げることができる。
Figure 2007086487

また、ポットライフの延長、膜特性のコントロールのため、下記一般式(XIV)で示される繰り返し構造単位を持つ環状化合物、若しくはその化合物からの誘導体を含有させることが好ましい。
Figure 2007086487


[上記式(XIV)中、A及びAは、それぞれ独立に一価の有機基を示す。]
一般式(XIV)で示される繰り返し構造単位を持つ環状化合物としては、市販の環状シロキサンを挙げることができる。具体的には、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状ジメチルシクロシロキサン類、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリフェニルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチル−1,3,5,7,9−ペンタフェニルシクロペンタシロキサン等の環状メチルフェニルシクロシロキサン類、ヘキサフェニルシクロトリシロキサン等の環状フェニルシクロシロキサン類、3−(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルシクロトリシロキサン等のフッ素原子含有シクロシロキサン類、メチルヒドロシロキサン混合物、ペンタメチルシクロペンタシロキサン、フェニルヒドロシクロシロキサン等のヒドロシリル基含有シクロシロキサン類、ペンタビニルペンタメチルシクロペンタシロキサン等のビニル基含有シクロシロキサン類等の環状のシロキサン等を挙げることができる。これらの環状シロキサン化合物は1種を単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。
更に、電子写真感光体表面の耐汚染物付着性、潤滑性、硬度等を制御するために、保護層5を形成するための第1の樹脂組成物には、各種微粒子を添加することもできる。
微粒子の一例として、ケイ素原子含有微粒子を挙げることができる。ケイ素原子含有微粒子とは、構成元素にケイ素を含む微粒子であり、具体的には、コロイダルシリカ及びシリコーン微粒子等が挙げられる。ケイ素原子含有微粒子として用いられるコロイダルシリカは、体積平均粒子径が好ましくは1〜100nm、より好ましくは10〜30nmであり、酸性若しくはアルカリ性の水分散液、或いはアルコール、ケトン、エステル等の有機溶媒中に分散させたものから選ばれ、一般に市販されているものを使用することができる。第1の樹脂組成物中のコロイダルシリカの固形分含有量は、特に限定されるものではないが、成膜性、電気特性、強度の面から第1の樹脂組成物中の固形分全量を基準として好ましくは0.1〜50質量%の範囲、より好ましくは0.1〜30質量%の範囲で用いられる。
ケイ素原子含有微粒子として用いられるシリコーン微粒子は、球状で、体積平均粒子径が好ましくは1〜500nm、より好ましくは10〜100nmであり、シリコーン樹脂粒子、シリコーンゴム粒子及びシリコーン表面処理シリカ粒子から選ばれ、一般に市販されているものを使用することができる。
シリコーン微粒子は、化学的に不活性で、樹脂への分散性に優れる小径粒子であり、さらに十分な特性を得るために必要とされる含有量が低いため、架橋反応を阻害することなく、電子写真感光体の表面性状を改善することができる。即ち、強固な架橋構造中に均一に取り込まれた状態で、電子写真感光体表面の潤滑性、撥水性を向上させ、長期間にわたって良好な耐磨耗性、耐汚染物付着性を維持することができる。第1の樹脂組成物中のシリコーン微粒子の含有量は、第1の樹脂組成物中の固形分全量を基準として好ましくは0.1〜30質量%の範囲であり、より好ましくは0.5〜10質量%の範囲である。
また、その他の微粒子としては、4弗化エチレン、3弗化エチレン、6弗化プロピレン、弗化ビニル、弗化ビニリデン等のフッ素系微粒子や”第8回ポリマー材料フォーラム講演予稿集 p89”に示されるような、フッ素樹脂と水酸基を有するモノマーを共重合させた樹脂からなる微粒子、ZnO−Al、SnO−Sb、In−SnO、ZnO−TiO、ZnO−TiO、MgO−Al、FeO−TiO、TiO、SnO、In、ZnO、MgO等の半導電性金属酸化物を挙げることができる。
また、電子写真感光体表面の耐汚染物付着性、潤滑性、硬度等を制御するために、シリコーンオイル等のオイルを添加することもできる。シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、フェニルメチルシロキサン等のシリコーンオイル、アミノ変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、カルボキシル変性ポリシロキサン、カルビノール変性ポリシロキサン、メタクリル変性ポリシロキサン、メルカプト変性ポリシロキサン、フェノール変性ポリシロキサン等の反応性シリコーンオイル等を挙げることができる。これらは、保護層5を形成するための第1の樹脂組成物中に予め添加してもよいし、感光体を作製後、減圧、或いは加圧下等で含浸処理してもよい。
また、保護層5を形成するための第1の樹脂組成物は、可塑剤、表面改質剤、酸化防止剤、光劣化防止剤等の添加剤を含有することもできる。可塑剤としては、例えば、ビフェニル、塩化ビフェニル、ターフェニル、ジブチルフタレート、ジエチレングリコールフタレート、ジオクチルフタレート、トリフェニル燐酸、メチルナフタレン、ベンゾフェノン、塩素化パラフィン、ポリプロピレン、ポリスチレン、各種フルオロ炭化水素等が挙げられる。
保護層5を形成するための第1の樹脂組成物には、ヒンダートフェノール、ヒンダートアミン、チオエーテル又はホスファイト部分構造を持つ酸化防止剤を添加することができ、環境変動時の電位安定性・画質の向上に効果的である。
酸化防止剤としては以下のような化合物が挙げられる。例えば、ヒンダートフェノール系としては、「Sumilizer BHT−R」、「Sumilizer MDP−S」、「Sumilizer BBM−S」、「Sumilizer WX−R」、「Sumilizer NW」、「Sumilizer BP−76」、「Sumilizer BP−101」、「Sumilizer GA−80」、「Sumilizer GM」、「Sumilizer GS」以上住友化学社製、「IRGANOX1010」、「IRGANOX1035」、「IRGANOX1076」、「IRGANOX1098」、「IRGANOX1135」、「IRGANOX1141」、「IRGANOX1222」、「IRGANOX1330」、「IRGANOX1425WL」、「IRGANOX1520L」、「IRGANOX245」、「IRGANOX259」、「IRGANOX3114」、「IRGANOX3790」、「IRGANOX5057」、「IRGANOX565」以上チバスペシャリティーケミカルズ社製、「アデカスタブAO−20」、「アデカスタブAO−30」、「アデカスタブAO−40」、「アデカスタブAO−50」、「アデカスタブAO−60」、「アデカスタブAO−70」、「アデカスタブAO−80」、「アデカスタブAO−330」以上旭電化製。ヒンダートアミン系としては、「サノールLS2626」、「サノールLS765」、「サノールLS770」、「サノールLS744」以上三共ライフテック社製、「チヌビン144」、「チヌビン622LD」以上チバスペシャリティーケミカルズ社製、「マークLA57」、「マークLA67」、「マークLA62」、「マークLA68」、「マークLA63」以上旭電化製、「スミライザーTPS」以上住友化学社製、チオエーテル系としては、「スミライザーTP−D」以上住友化学社製、ホスファイト系としては、「マーク2112」、「マークPEP・8」、「マークPEP・24G」、「マークPEP・36」、「マーク329K」、「マークHP・10」以上旭電化製が挙げられ、特にヒンダートフェノール、ヒンダートアミン系酸化防止剤が好ましい。さらに、これらは架橋膜を形成する材料と架橋反応可能な例えばアルコキシシリル基等の置換基で変性してもよい。
更に、架橋させたフェノール樹脂から、合成時の触媒を除去するために、該樹脂をメタノール、エタノール、トルエン、酢酸エチルなどの適当な溶剤に溶解させ、水洗、貧溶剤を用いた再沈殿などの処理を行うか、イオン交換樹脂、又は無機固体を用いて処理を行うことが好ましい。イオン交換樹脂及び無機固体としては、例えば、アンバーライト15、アンバーライト200C、アンバーリスト15E(以上、ローム・アンド・ハース社製);ダウエックスMWC−1−H、ダウエックス88、ダウエックスHCR−W2(以上、ダウ・ケミカル社製);レバチットSPC−108、レバチットSPC−118(以上、バイエル社製);ダイヤイオンRCP−150H(三菱化成社製);スミカイオンKC−470、デュオライトC26−C、デュオライトC−433、デュオライト−464(以上、住友化学工業社製);ナフィオン−H(デュポン社製)などの陽イオン交換樹脂;アンバーライトIRA−400、アンバーライトIRA−45(以上、ローム・アンド・ハース社製)などの陰イオン交換樹脂;Zr(OPCHCHSOH)、Th(OPCHCHCOOH)等のプロトン酸基を含有する基が表面に結合されている無機固体;スルホン酸基を有するポリオルガノシロキサン等のプロトン酸基を含有するポリオルガノシロキサン;コバルトタングステン酸、リンモリブデン酸等のヘテロポリ酸;ニオブ酸、タンタル酸、モリブデン酸等のイソポリ酸;シリカゲル、アルミナ、クロミア、ジルコニア、CaO、MgO等の単元系金属酸化物;シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、シリカ−ジルコニア、ゼオライト類等複合系金属酸化物;酸性白土、活性白土、モンモリロナイト、カオリナイト等の粘土鉱物;LiSO、MgSO等の金属硫酸塩;リン酸ジルコニア、リン酸ランタン等の金属リン酸塩;LiNO、Mn(NO等の金属硝酸塩;シリカゲル上にアミノプロピルトリエトキシシランを反応させて得られた固体等のアミノ基を含有する基が表面に結合されている無機固体;アミノ変性シリコーン樹脂等のアミノ基を含有するポリオルガノシロキサン等が挙げられる。
また、硬度、接着性、可とう性などの膜特性の調整のために、第1の樹脂組成物にさらに、ポリグリシジルメタクリレート、グリシジルビスフェノール類、フェノールエポキシ樹脂などのエポキシ含有化合物、テレフタル酸、マレイン酸、ピロメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸など、あるいは、それらの無水物を添加してもよい。添加量としては、電荷輸送性化合物1質量部に対し、0.05〜1質量部が好ましく、0.1〜0.7質量部がより好ましい。
第1の樹脂組成物を架橋する際に、硬化温度は100〜170℃、好ましくは100〜160℃が適用される。また、硬化時間は、30分〜2時間、好ましくは30分〜1時間が適用され、加熱温度を他段階に変化させてもよい。
さらに、第1の樹脂組成物には、硬化触媒を含有させてもよい。硬化触媒としては、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタンのようなビススルホニルジアゾメタン類、メチルスルホニルp−トルエンスルホニルメタンのようなビススルホニルメタン類、シクロヘキシルスルホニルシクロヘキシルカルボニルジアゾメタンのようなスルホニルカルボニルジアゾメタン類、2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルホニル)プロピオフェノンのようなスルホニルカルボニルアルカン類、2−ニトロベンジルp−トルエンスルホネートのようなニトロベンジルスルホネート類、ピロガロールトリスメタンスルホネートのようなアルキルおよびアリールスルホネート類(g)ベンゾイントシレートのようなベンゾインスルホネート類、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミドのようなN−スルホニルオキシイミド類、(4−フルオロベンゼンスルホニルオキシ)−3,4,6−トリメチル−2−ピリドンのようなピリドン類、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチル−1−(3−ビニルフェニル)−エチル4−クロロベンゼンスルホネートのようなスルホン酸エステル類、トリフェニルスルホニウムメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネートのようなオニウム塩類などの光酸発生剤や、プロトン酸あるいはルイス酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイス酸とトリアルキルホスフェートの混合物、スルホン酸エステル類、リン酸エステル類、オニウム化合物、及び、無水カルボン酸化合物などが好ましく挙げられる。
プロトン酸あるいはルイス酸をルイス塩基で中和した化合物としては、ハロゲノカルボン酸類、スルホン酸類、硫酸モノエステル類、リン酸モノ及びジエステル類、ポリリン酸エステル類、ホウ酸モノ及びジエステル類等を、アンモニア、モノエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピペリジン、アニリン、モルホリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種アミン若しくはトリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン、トリアルキルホスファイト、トリアリールホスファイトで中和した化合物、さらには酸−塩基ブロック化触媒として市販されているネイキュア2500X、4167、X−47−110、3525、5225(商品名、キングインダストリー社製)等が挙げられる。また、ルイス酸をルイス塩基で中和した化合物としては、例えばBF、FeCl、SnCl、AlCl、ZnCl等のルイス酸を前記のルイス塩基で中和した化合物が挙げられる。
オニウム化合物としては、トリフェニルスルホニウムメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネートなどが挙げられる。
無水カルボン酸化合物としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソ酪酸、無水ラウリン酸、無水オレイン酸、無水ステアリン酸、無水n−カプロン酸、無水n−カプリル酸、無水n−カプリン酸、無水パルミチン酸、無水ミリスチン酸、無水トリクロロ酢酸、無水ジクロロ酢酸、無水モノクロロ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水ヘプタフルオロ酪酸等が挙げられる。
ルイス酸の適当な具体例としては、例えば三フッ化ホウ素、三塩化アルミニウム、塩化第一チタン、塩化第二チタン、塩化第一鉄、塩化第二鉄、塩化亜鉛、臭化亜鉛、塩化第一スズ、塩化第二スズ、臭化第一スズ、臭化第二スズ等の金属ハロゲン化物、トリアルキルホウ素、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルハロゲン化アルミニウム、モノアルキルハロゲン化アルミニウム、テトラアルキルスズ等の有機金属化合物、ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム、ジイソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタニウム、テトラキス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトナト)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジブチル・ビス(アセチルアセトナト)スズ、トリス(アセチルアセトナト)鉄、トリス(アセチルアセトナト)ロジウム、ビス(アセチルアセトナト)亜鉛、トリス(アセチルアセトナト)コバルト等の金属キレート化合物、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズエステルマレート、ナフテン酸マグネシウム、ナフテン酸カルシウム、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸鉄、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸銅、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸ジルコニウム、ナフテン酸鉛、オクチル酸カルシウム、オクチル酸マンガン、オクチル酸鉄、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オクチル酸ジルコニウム、オクチル酸スズ、オクチル酸鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸鉛等の金属石鹸が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの触媒の使用量は特に制限されないが、保護層5を形成する第1の樹脂組成物中に含まれる固形分の合計100質量部に対して0.1〜20質量部が好ましく、0.3〜10質量部が特に好ましい。架橋反応を行う雰囲気としては、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの、いわゆる酸化に対して不活性なガス雰囲気化で行うことにより、電気特性の悪化を防止することができる。不活性ガス雰囲気下で架橋反応を行う場合には、空気雰囲気下よりも硬化温度を高く設定することができ、硬化温度は100〜180℃、好ましくは110〜160℃が適用される。また、硬化時間は、30分〜2時間、好ましくは30分〜1時間が適用される。
第1の樹脂組成物には、必要に応じてメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン;ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;等の他、種々の溶媒が使用できるが、電子写真感光体の生産に一般的に使用されるディップコーティング法を適用するためには、アルコール系又はケトン系溶剤、あるいは、それらの混合系溶剤が好ましく、また、沸点は50〜150℃のものが好ましく、任意に混合して使用することができる。溶媒量は任意に設定できるが、少なすぎると析出しやすくなるため、第1の樹脂組成物中に含まれる固形分の合計1質量部に対し0.5〜30質量部、好ましくは、1〜20質量部とするのが好ましい。
さらに、保護層5中に、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノールAとフタル酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等の絶縁性樹脂を所望の割合で混合することもでき、これにより、接着層6との接着性、熱収縮やハジキによる塗布膜欠陥などを抑制することもできる。
また、第1の樹脂組成物の塗布方法は特に制限されず、含漬塗布や、ダイコーティング、スプレーコーティングなど公知の方法を用いることができる。また、保護層5の厚みは、目的とする積層体の種類及び用途に応じて適宜選定される。
接着層6は、第1の層としての保護層5に隣接して配置される第2の層である。電子写真感光体100において、接着層6は、保護層5と電荷輸送層2との間に配置されており、保護層5が電子写真感光体100から剥離することを防止する役割を果たしている。
この接着層6は、アルコール可溶性の熱可塑性樹脂を含有する第2の樹脂組成物からなる層である。ここで、アルコール可溶性の熱可塑性樹脂としては、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、及び、熱可塑性フェノール樹脂であるノボラック樹脂等が好適に用いられる。より具体的には、ポリビニルアルコール樹脂としては、ポリビニルホルマールやポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂等が挙げられる。また、ポリビニルフェノール樹脂としては、ポリビニルフェノールの他に、ビニルフェノールとメタクリル酸メチル誘導体やスチレン誘導体などとの共重合体も好適に用いられる。更に、アルコール可溶性の熱可塑性樹脂としては、上記の他にも、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、ポリウレタン等の公知の樹脂も使用することができる。これらの中でも、接着性及び成膜性などの点で、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、及び、ノボラック樹脂が特に好適に用いられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらのアルコール可溶性の熱可塑性樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
接着層6が上記アルコール可溶性の熱可塑性樹脂を含有することにより、保護層5との接着性を十分に高めることができるとともに、プラスチック材料を含有する電荷輸送層2との接着性をも十分に高めることができる。そのため、電子写真感光体100を長期間使用した場合において、保護層5が剥離することを十分に抑制することができる。
ここで、接着層6を形成するための第2の樹脂組成物におけるアルコール可溶性の熱可塑性樹脂の含有量は、第2の樹脂組成物中の固形分全量を基準として40質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることが特に好ましい。アルコール可溶性の熱可塑性樹脂の含有量が上記下限値未満であると、保護層5に対する接着強度が低下する傾向がある。
また、接着層6には、保護層5と電荷輸送層2との間の接着強度を増大させることのみならず、電気特性などの電子写真特性を阻害しないことが望まれる。すなわち、接着層6は、接着層6と保護層5及び電荷輸送層2との両界面において、電荷移動の障壁とならない構成となっていることが好ましい。このように円滑な電荷の移動を可能にするために、接着層6の電気抵抗や膜厚等を調節して電荷輸送能を制御することが好ましい。
ここで、接着層6の電気抵抗を調節するために、接着層6には、電荷輸送性化合物を更に含有させることが好ましい。
電荷輸送性化合物としては、公知の材料を用いることができ、例えば、アントラセン、ピレン、フェナントレン、コロネン等の多環芳香族化合物又はそれらの誘導体、インドール、カルバゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、オキサジアゾール、ピラゾリン、ヒアジアゾール、トリアゾール等の含チッ素複環式化合物又はそれらの誘導体、ヒドラゾン化合物等の正孔輸送物質等を用いることができる。
また、接着層6と保護層5及び電荷輸送層2との接着性、並びに、接着層6の電荷輸送能を高水準で両立する観点から、電荷輸送性化合物は、保護層5に用いられる上記フェノール樹脂と反応可能な官能基を有するものであることが好ましく、水酸基、カルボキシル基、アルコキシシリル基、エポキシ基、チオール基、アミノ基から選択される少なくとも1種の官能基を有するものであることがより好ましい。かかる電荷輸送化合物の中でも好ましいものとしては、上記一般式(I)〜(V)で表わされる化合物等、保護層5に用いる電荷輸送化合物として先に説明したものと同様のものが挙げられる。
接着層6に電荷輸送性化合物を含有させる場合、その含有量は接着層6の接着性を損なうことの範囲であれば特に制限されないが、接着層6中の上記アルコール可溶性の熱可塑性樹脂100質量部に対して60質量部以下であることが好ましく、40質量部以下であることがより好ましく、20質量部以下であることが更に好ましい。電荷輸送性化合物の含有量が上記上限値を超えると、接着層6の塗膜の均一性が低減し、保護層5に対する接着強度が低下する傾向にある。
また、接着層6には、その電気抵抗を制御するために、導電性微粒子を含有させてもよい。導電性微粒子としては、例えば、金属、金属酸化物及びカーボンブラック等が挙げられる。金属としては、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、銀及びステンレス等、又はこれらの金属をプラスチックの粒子の表面に蒸着したもの等が挙げられる。金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズ及びアンチモンをドープした酸化ジルコニウム等が挙げられる。これらは単独で用いることも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。2種以上を組み合わせて用いる場合は、単に混合しても、固溶体や融着の形にしてもよい。
また、接着層6に硬化性樹脂を含有させることで、接着層6上に保護層5を形成するための第1の樹脂組成物を塗布する際に、接着層6が溶出することを防止することができる。このときに用いる硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、シロキサン樹脂等が挙げられる。
接着層6に硬化性樹脂を含有させる場合、その含有量は、接着層6中の上記アルコール可溶性の熱可塑性樹脂100質量部に対して80質量部以下であることが好ましく、60質量部以下であることがより好ましく、40質量部以下であることが更に好ましい。硬化性樹脂の含有量が上記上限値を超えると、接着層6の硬化反応の進行が大きくなり、保護層5に対する接着強度が低下する傾向にある。
また、接着層6には、硬化触媒、酸化防止剤等を含有させることもできる。
接着層6は、少なくとも上記アルコール可溶性の熱可塑性樹脂を含有し、必要に応じて電荷輸送性化合物等の上記各成分が添加された第2の樹脂組成物を用いて形成される。第2の樹脂組成物の調製は、無溶媒で行うか、必要に応じて公知の溶剤を用いて行うことができる。ここで、第2の樹脂組成物に用いられる溶剤としては、特に限定されないが、アルコール、ケトン、エステル類が好ましく、下地(例えば、電荷輸送層2)を侵しにくいという点で、アルコールが好ましい。アルコールとして具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノ−ル、2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、ブタノール、2−ペンタノ−ル、3−ペンタノ−ル、エチレングリコール、ジエチレングリコール等の各種アルコールが挙げられる。これらの溶剤は、1種を単独で又は2種以上混合して用いられる。これらの中でも、溶解性、成膜性の点で、エタノール、ブタノール、2−プロパノールが好適に用いられるが、特にこれらに限定されるものではない。
また、第2の樹脂組成物の塗布方法は特に制限されず、含漬塗布や、ダイコーティング、スプレーコーティングなど公知の方法を用いることができる。
接着層6の厚みは、0.03〜2μmであることが好ましく、0.08〜1.2μmであることがより好ましく、0.3〜0.6μmであることが特に好ましい。接着層6の厚みが0.03μm未満であると、均一な塗膜を形成することが難しく、保護層5に対する接着強度が低下する傾向にあり、2μmを超えると、接着層6の電気抵抗が大きくなり、長期連続使用時にゴーストなどの画像欠陥が発生しやすくなる傾向にある。
なお、本発明の電子写真感光体は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明の電子写真感光体において、下引層4は必ずしも設けられなくともよい。
また、図1に示した電子写真感光体は上記第1の樹脂組成物の熱硬化物からなる保護層5を備えるものであるが、上記第1の樹脂組成物が電荷輸送性化合物を含有するものである場合、得られる熱硬化物は優れた機械強度を有する上に光電特性も十分であるため、これをそのまま積層型感光体の電荷輸送層として用いることもできる。このような電子写真感光体の一例を図2に示す。図2に示す電子写真感光体100は導電性支持体3上に下引層4、電荷発生層1、接着層6及び電荷輸送層2が順次積層された構造を有するもので、電荷輸送層2が上記第1の樹脂組成物を熱硬化させてなる第1の層であり、電荷輸送層2と電荷発生層1との間に第2の層としての接着層6が配置されている。そして、接着層6は電荷輸送層2及び電荷発生層1の双方と十分な接着性を示し、電荷輸送層2が剥離することを十分に抑制することができる。なお、導電性支持体3、下引層4、電荷発生層1は図1に示した電子写真感光体の場合と同様である(以下、同様である)。
また、図1に示した電子写真感光体において、電荷発生層1と電荷輸送層2との積層の順序は逆であってもよい。このような電子写真感光体の一例を図3に示す。図3に示した電子写真感光体は、導電性支持体3上に下引層4、電荷輸送層2、電荷発生層1、接着層6及び保護層5が順次積層された構造を有するもので、保護層5が上記第1の樹脂組成物を熱硬化させてなる第1の層であり、保護層5と電荷発生層1との間に第2の層としての接着層6が配置されている。そして、接着層6は保護層5及び電荷発生層1の双方と十分な接着性を示し、保護層5が剥離することを十分に抑制することができる。
また、本発明の電子写真感光体は、電荷発生材料及び電荷輸送材料の双方を含む層(電荷発生/電荷輸送層)を備える単層型感光体であってもよい。単層型感光体の例を図4に示す。
図4に示す電子写真感光体100は、導電性支持体3上に下引層4、電荷発生/電荷輸送層8、接着層6及び保護層5が順次積層された構造を有するもので、保護層5が上記第1の樹脂組成物を熱硬化させてなる第1の層であり、保護層5と電荷発生/電荷輸送層8との間に第2の層としての接着層6が配置されている。そして、接着層6は保護層5及び電荷発生/電荷輸送層8の双方と十分な接着性を示し、保護層5が剥離することを十分に抑制することができる。なお、電荷発生/電荷輸送層8は、電荷発生材料、結着樹脂、電荷輸送材料、及び、他の添加剤等を配合した塗布液を用いて形成することができる。電荷発生材料としては機能分離型感光層における電荷発生層に使用されるものと同様のものを、電荷輸送材料としては機能分離型感光層における電荷輸送層に使用されるものと同様のものを、結着樹脂としてはポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ブチラールの一部がホルマールやアセトアセタール等で変性された部分アセタール化ポリビニルアセタール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂(例えば、積水化学社製のエスレックB、K等)、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂などを用いることができる。電荷発生/電荷輸送層8中の電荷発生材料の含有量は、電荷発生/電荷輸送層8における固形分全量を基準として好ましくは10〜85質量%、より好ましくは20〜50質量%である。電荷発生/電荷輸送層8中の電荷輸送材料の含有量は、電荷発生/電荷輸送層8における固形分全量を基準として5〜50質量%とすることが好ましい。また、塗布に用いる溶剤や塗布方法は、上記各層と同様のものを用いることができる。電荷発生/電荷輸送層8の膜厚は、5〜50μm程度が好ましく、10〜40μmとすることがさらに好ましい。
また、本発明の電子写真感光体は、下引層4が上記第1の樹脂組成物を熱硬化させてなる第1の層であってもよい。下引層4が上記第1の層であることにより、異常放電によるリークの発生を抑制し、画質欠陥を防止することができる。かかる構成の感光体の例を図5に示す。
図5に示す電子写真感光体100は、導電性支持体3上に下引層4、接着層6、電荷発生層1、電荷輸送層2及び保護層5が順次積層された構造を有するもので、下引層4が上記第1の樹脂組成物を熱硬化させてなる第1の層であり、下引層4と電荷発生層1との間に第2の層としての接着層6が配置されている。そして、接着層6は下引層4及び電荷発生層1の双方と十分な接着性を示し、電荷発生層1、電荷輸送層2及び保護層5が剥離することを十分に抑制することができる。なお、導電性支持体3の材質に金属を用いることにより、下引層4と導電性支持体3との間の接着性を十分なものとすることができる。また、下引層4と導電性支持体3との間に更に接着層6を配置することで、これらの接着性をより高めてもよい。また、図5に示す電子写真感光体100において、保護層5は必ずしも設けられなくともよい。また、図5に示す電子写真感光体100において、保護層5も上記第1の樹脂組成物を熱硬化させてなる第1の層とし、保護層5と電荷輸送層2との間に第2の層としての接着層6を更に配置してもよい。
また、図1〜5に示した電子写真感光体においては、上記第2の樹脂組成物からなる第2の層を接着層として配置する構成について説明したが、本発明の電子写真感光体は、接着層を設けずに、上記第1の層に隣接する層を上記第2の層の構成としたものであってもよい。すなわち、図1に示した電子写真感光体において、接着層6を設けず、電荷輸送層2を上記第2の層としてもよい。同様に、図2、3及び5に示した電子写真感光体においては電荷発生層1を、図4に示した電子写真感光体においては電荷発生/電荷輸送層8を、それぞれ上記第2の層としてもよい。
(画像形成装置及びプロセスカートリッジ)
次に、本発明の電子写真感光体を搭載した画像形成装置及びプロセスカートリッジについて説明する。
図6は、本発明の画像形成装置の好適な一実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。図6に示す画像形成装置200は、電子写真感光体100と、電子写感光体100を帯電させる非接触帯電方式の帯電手段18と、帯電手段18に接続された電源19と、帯電手段18により帯電した電子写真感光体100を露光して静電潜像を形成させる露光手段20と、形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成させる現像手段21と、トナー像を電子写真感光体100から被転写媒体30に転写する転写手段22と、クリーニング手段23と、除電器24と、定着手段25とを備える。
また、図7は、本発明の画像形成装置の別の実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。図7に示す画像形成装置210は、電子写真感光体100を接触帯電方式により帯電させる帯電手段18を備えていること以外は、図6に示した画像形成装置200と同様の構成を有する。このとき、帯電手段18としては、直流電圧に交流電圧を重畳した接触式の帯電手段が、優れた耐磨耗性を有するため好ましく使用できる。なお、この場合には、除電器24が設けられていないものもある。
本発明で用いられる非接触帯電方式の帯電手段18としては、コロナ放電を利用したコロトロン、スコロトロンなどが挙げられる。また、接触帯電方式の帯電手段18としては、帯電ローラーや帯電ブラシなどの接触帯電用部材を用いた帯電器が挙げられる。
接触帯電部材としては、アルミニウム、鉄、銅などの金属、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性高分子材料、ポリウレタンゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、エチレンプロピレンゴム、アクリルゴム、フッソゴム、スチレンーブタジエンゴム、ブタジエンゴム等のエラストマー材料に、カーボンブラック、沃化銅、沃化銀、硫化亜鉛、炭化けい素、金属酸化物などの金属酸化物粒子を分散したものなどを用いることができる。この金属酸化物の例としては、ZnO、SnO、TiO、In、MoO等、あるいはこれらの複合酸化物が挙げられる。また、接触帯電用部材にはエラストマー材料中に過塩素酸塩を含有させて導電性を付与したものを使用しても良い。
更に、接触帯電用部材の表面に被覆層を設けてもよい。被覆層を形成する材料としては、N−アルコキシメチル化ナイロン、セルロース樹脂、ビニルピリジン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、ポリビニルブチラール、メラミン等が単独、あるいは併用して用いられる。また、エマルジョン樹脂系材料、例えば、アクリル樹脂エマルジョン、ポリエステル樹脂エマルジョン、ポリウレタン、特にソープフリーのエマルジョン重合により合成されたエマルジョン樹脂を用いることもできる。これらの樹脂にはさらに抵抗率を調整するために、導電剤粒子を分散してもよいし、劣化を防止するために酸化防止剤を含有させることもできる。また、被覆層を形成する時の成膜性を向上させるために、エマルジョン樹脂にレベリング剤または界面活性剤を含有させることもできる。また、この接触帯電用部材の形状としては、ローラー型、ブレード型、ベルト型、ブラシ型、などが挙げられる。
接触帯電用部材の電気抵抗は、体積抵抗率で1×10〜1×1014Ωcmであることが好ましく、1×10〜1×1012Ωcmであることがより好ましい。また、この接触帯電用部材への印加電圧は、直流、交流いずれも用いることができる。また、直流+交流(直流電圧と交流電圧とを重畳したもの)の形で印加することもできる。
露光手段10としては、電子写真感光体100の表面に、半導体レーザー、LED(light emitting diode)、液晶シャッター等の光源を所望の像様に露光できる光学系装置等を用いることができる。これらの中でも、非干渉光を露光可能な露光装置を用いると、電子写真感光体100の導電性支持体と感光層との間での干渉縞を防止することができる。
また、露光光源としてレーザー光を用いる場合、その発振波長としては350〜850nmが好ましく、短波長のものほど解像度に優れるため好ましい。
現像手段21としては、従来公知の現像装置等を用いることができる。また、使用される現像剤の種類及びその製造方法は特に制限されず、例えば結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等を混練、粉砕、分級する混練粉砕法、混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力または熱エネルギーにて形状を変化させる方法、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法、結着樹脂を得るための重合性単量体と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法、結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等が使用できる。また、上記方法で得られたトナーをコアにして、さらに凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法など、公知の方法を使用することができるが、形状制御、粒度分布制御の観点から水系溶媒にて製造する懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法が好ましく、乳化重合凝集法が特に好ましい。
トナーは結着樹脂と着色剤、離型剤とからなり、必要であれば、シリカや帯電制御剤を用いてもよい。トナーの体積平均粒径は、3〜9μmであることが好ましい。また、トナーの平均形状指数(ML/A)は、高い現像、転写性、及び高画質の画像が得られることから、100〜140であることが好ましく、115〜140であることがより好ましい。
トナーに使用される結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類等の単独重合体および共重合体を例示することができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることができる。更に、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等を挙げることができる。
また、トナーの着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして例示することができる。
離型剤としては低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロピィシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等を代表的なものとして例示することができる。
また、トナーには必要に応じて帯電制御剤を添加してもよい。帯電制御剤としては、公知のものを使用することができ、例えば、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤等を用いることができる。
トナーを湿式製法で製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染の低減の点で、水に溶解しにくい素材を使用することが好ましい。トナーは、磁性材料を内包する磁性トナーおよび磁性材料を含有しない非磁性トナーのいずれであってもよい。
外添剤を添加する場合、トナー及び外添剤をヘンシェルミキサーあるいはVブレンダー等で混合することによって製造することができる。また、トナーを湿式にて製造する場合は、湿式にて外添することも可能である。
本発明で用いられるトナーに添加される滑性粒子としては、グラファイト、二硫化モリブデン、滑石、脂肪酸、脂肪酸金属塩等の固体潤滑剤や、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を有するシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪族アミド類やカルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス、ミツロウのような動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物、石油系ワックス、及びそれらの変性物が使用でき、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。滑性粒子の体積平均粒径は0.1〜10μmが好ましく、必要に応じて粉砕して粒径をそろえてもよい。トナーへの添加量はトナー100質量部に対して0.05〜2.0質量部であることが好ましく、0.1〜1.5質量部であることがより好ましい。
本発明で用いられるトナーには、電子写真感光体100表面の付着物、劣化物除去の目的等で、無機微粒子、有機微粒子、該有機微粒子に無機微粒子を付着させた複合微粒子などを加えることができるが、研磨性に優れる無機微粒子が特に好ましい。無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、チタン酸バリウム、チタン酸アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化セリウム、酸化アンチモン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化テルル、酸化マンガン、酸化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等の各種無機酸化物、窒化物、ホウ化物等が好適に使用される。また、上記無機微粒子にテトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルフォニルチタネート、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテートチタネートなどのチタンカップリング剤、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトエリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、o−メチルフェニルトリメトキシシラン、p−メチルフェニルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤などで処理を行っても良い。また、シリコーンオイル、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩によって疎水化処理することも好ましい。
有機微粒子としては、スチレン樹脂粒子、スチレンアクリル樹脂粒子、ポリエステル樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子等を挙げることができる。
無機又は有機微粒子の粒子径としては、小さすぎると研磨能力に欠け、また、大きすぎると電子写真感光体100表面に傷を発生しやすくなるため、平均粒子径で5〜1000nmであることが好ましく、5〜800nmであることがより好ましく、5〜700nmであることが特に好ましい。また、無機及び有機微粒子のトナーへの添加量は、トナー100質量部に対し滑性粒子の添加量との和として0.6質量部以上であることが好ましい。
トナーに添加されるその他の無機酸化物としては、粉体流動性、帯電制御等の為、平均一次粒径が40nm以下の小径無機酸化物を用い、更に付着力低減や帯電制御の為、それより大径の無機酸化物を添加することが好ましい。これらの無機酸化物微粒子は公知のものを使用できるが、精密な帯電制御を行う為にはシリカと酸化チタンとを併用することが好ましい。また、小径無機微粒子については表面処理することにより、分散性が高くなり、粉体流動性を上げる効果が大きくなる。
また、電子写真用カラートナーはキャリアと混合して使用されるが、キャリアとしては、鉄粉、ガラスビーズ、フェライト粉、ニッケル粉またはそれらの表面に樹脂コーティングを施したものが使用される。また、キャリアとの混合割合は、適宜設定することができる。
転写手段22としては、ローラー状の接触帯電部材の他、ベルト、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、あるいはコロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等が挙げられる。
転写後の電子写真感光体100の表面には未転写のトナーが残存し得るが、かかる残存トナーはクリーニング手段23により除去することができる。クリーニング手段23としては、ブレード、磁気ブラシ、導電性ファイバーブラシなどのクリーニング部材を備えるものが好ましく使用される。以下、クリーニング手段23の一例としてブレード部材を備えるクリーニング装置について詳述する。
ブレードの材料は特に限定されないが、例えばポリエチレンアジペート、ポリカプロラクトンなどのポリエステルポリオールなどのポリオールとジフェニルメタンジイソシアネートなどのイソシアネートとからなるウレタンプレポリマー、並びに1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコールやこれらの混合物などの架橋剤を原料とするものが、得られるブレード部材が耐磨耗性に優れ、機械的強度が大きいという点から好ましい。また、ブレード部材の構成材料であるウレタンプレポリマーとしては、例えばNCO基の含有量が4〜10質量%程度、70℃での粘度が1000〜3000cP程度のものが好ましく用いられる。
ブレード部材の厚さは、感光体の表面の残存トナーを除去するために十分な強度を有するような程度であればよく、特に限定されないが、通常1〜3mm程度であることが好ましい。また、例えば紫外線などを照射することによって反応硬化する接着剤などを用いて、ブレード部材と後述する取付金具とを接着せしめてクリーニングブレードを得ようとする場合、ブレード部材は、透明で、紫外線などを透過し得る厚さを有することが好ましい。また、ブレード部材のゴム硬度は、電子写真感光体100の表面の残存トナーを除去するために十分な強度を有するような程度であればよく、特に限定されないが、通常65〜80(JIS K6253 Aタイプ硬度計による測定値)程度であることが好ましい。
ブレード部材の製造の際には、例えば以下のような方法を採用することができる。まず、所望の配合量となるように調整したブレード材料の原料を、例えばアジターなどの混合撹拌装置を用いて1〜3分間程度撹拌、混合して混合液とし、これを120〜160℃程度で100〜300rpm程度で回転している、例えば遠心成形機の成形ドラム型内へ注入した後、成形ドラム型の回転数を600〜1200rpm程度に上げ、注入された混合液が成形ドラム型の内面に均一に拡がって注入時に巻き込まれた気泡がその表面に浮かび上がった状態のブレード材料とする。なお、ここで成形ドラム型内に注入する混合液の量は、例えば上述したような所望の厚さのブレード部材が得られるように調整すればよい。次に、成形ドラム型の回転数を600〜1200rpm程度、温度を120〜160℃程度に維持しながら、上記ブレード材料が架橋硬化する前に、例えばスプレーガンなどを用いて研磨材微粒子が均一に分散された懸濁液をブレード材料に噴霧したのち、成形ドラム型を回転させながら該ブレード材料を硬化させて研磨材微粒子を少なくともクリーニング面に存在させる。上記研磨材微粒子が均一に分散された懸濁液を得るための媒体は、研磨材微粒子およびブレード材料との相互作用を呈さないものであればよく、特に限定されないが、例えばブレード材料を得る際に通常用いられている、消泡を促進する作用を呈するジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、トリフルオロプロピルメチルポリシロキサンなどのシリコーンオイルなどを用いた場合には、研磨材微粒子を均一にブレード材料表面へ移行させることができるので好ましい。上記研磨材には研磨材微粒子が均一に分散されていればよいが、該懸濁液における研磨材微粒子の配合量によってクリーニング面に存在させる研磨材微粒子の量を調整することができるので、該研磨材微粒子は、媒体100質量部に対して1〜20質量部程度配合されていることが好ましい。また、ブレード材料の原料中に所望量の研磨材微粒子を直接混合、分散した後、成形することもできる。
懸濁液をブレード材料に噴霧するにはスプレーガンなどが用いられる。かかる噴霧の際のエアー圧や噴霧量は、クリーニング面に存在させようとする研磨材微粒子の量などに応じて調整すればよいが、通常エアー圧は1〜10kg/cm程度、噴霧量は0.5〜5mg/cm程度であることが好ましい。懸濁液をブレード材料に噴霧する時期は、ブレード材料が成形ドラム型内で均一に拡がった後、ブレード材料の表面に気泡が浮かび上がった状態で、該ブレード材料が硬化する前であればよく、例えば研磨材微粒子をブレード部材の内部へ含浸させる場合の目的とする深さ等によって異なるので一概には決定することができないが、成形ドラム型内へブレード材料を入れた後、通常2〜10分間程度経過時とすることが好ましい。このようにして得られるブレード部材は、研磨材微粒子が少なくともクリーニング面に強固に付着したり、内部に浸漬しているため、引張強度、引裂強度などの物性や取付金具との接着性は低下せずに優れた耐久性を有するものである。また、遠心力によって研磨材微粒子を少なくともクリーニング面に存在せしめるので、該研磨材微粒子の懸濁液の噴霧量や噴霧する時期、成形ドラム型の回転数などを調整することによって研磨性能の程度や研磨性能の持続性をコントロールすることができる。
ブレード部材は、例えばホットメルト接着剤、両面テープなどを用いるなどして取付金具と一体化させてクリーニングブレードとし、例えばPPC用、PPP用、PPF用などの画像形成装置に装着して用いることができる。なお、取付金具には特に限定がなく、例えば通常クリーニングブレードに用いられている剛体の金属や弾性を有する金属、プラスチック、セラミックなどからなる取付金具を用いることができるが、これらの中では、無処理の鋼板、リン酸亜鉛処理やクロメート処理などの表面処理を施した鋼板、そのほかメッキ処理を施した鋼板などからなる取付金具が、特に腐蝕などの経時変化を起こさないという点から好ましい。また、ブレード部材は単層でも良いし、複数の材質を貼り合わせた積層でも良い。
図8は本発明の画像形成装置の他の実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。図8に示す画像形成装置220はタンデム方式によりカラー画像を形成する画像形成装置であり、ハウジング400内において4つの電子写真感光体100a〜100d(例えば、電子写真感光体100aがイエロー、電子写真感光体100bがマジェンタ、電子写真感光体100cがシアン、電子写真感光体100dがブラックの色からなる画像をそれぞれ形成可能である)が中間転写ベルト409に沿って相互に並列に配置されている。
ここで、画像形成装置220に搭載されている電子写真感光体100a〜100dは、それぞれ本発明の電子写真感光体である。
電子写真感光体100a〜100dのそれぞれは所定の方向(紙面上は反時計回り)に回転可能であり、その回転方向に沿って帯電ロール402a〜402d、現像装置404a〜404d、1次転写ロール410a〜410d、クリーニングブレード415a〜415dが配置されている。現像装置404a〜404dのそれぞれにはトナーカートリッジ405a〜405dに収容されたブラック、イエロー、マジェンタ、シアンの4色のトナーが供給可能であり、また、1次転写ロール410a〜410dはそれぞれ中間転写ベルト409を介して電子写真感光体100a〜100dに当接している。
更に、ハウジング400内の所定の位置にはレーザー光源(露光手段)403が配置されており、レーザー光源403から出射されたレーザー光を帯電後の電子写真感光体100a〜100dの表面に照射することが可能となっている。これにより、電子写真感光体100a〜100dの回転工程において帯電、露光、現像、1次転写、クリーニングの各工程が順次行われ、各色のトナー像が中間転写ベルト409上に重ねて転写される。
中間転写ベルト409は駆動ロール406、バックアップロール408及びテンションロール407により所定の張力をもって支持されており、これらのロールの回転によりたわみを生じることなく回転可能となっている。また、2次転写ロール413は、中間転写ベルト409を介してバックアップロール408と当接するように配置されている。バックアップロール408と2次転写ロール413との間を通った中間転写ベルト409は、例えば駆動ロール406の近傍に配置されたクリーニングブレード416により清浄面化された後、次の画像形成プロセスに繰り返し供される。
また、ハウジング400内の所定の位置にはトレイ(被転写媒体トレイ)411が設けられており、トレイ411内の紙などの被転写媒体500が移送ロール412により中間転写ベルト409と2次転写ロール413との間、さらには相互に当接する2個の定着ロール414の間に順次移送された後、ハウジング400の外部に排紙される。
なお、上述の説明においては中間転写体として中間転写ベルト409を使用する場合について説明したが、中間転写体は、上記中間転写ベルト409のようにベルト状であってもよく、ドラム状であってもよい。ベルト状とする場合、中間転写体の基材として用いる樹脂材料としては、従来公知の樹脂を用いることができる。例えば、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアルキレンテレフタレート(PAT)、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)/PC、ETFE/PAT、PC/PATのブレンド材料、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド等の樹脂材料及びこれらを主原料としてなる樹脂材料が挙げられる。更に、樹脂材料と弾性材料とをブレンドして用いることができる。
弾性材料としては、ポリウレタン、塩素化ポリイソプレン、NBR、クロロピレンゴム、EPDM、水素添加ポリブタジエン、ブチルゴム、シリコーンゴム等を1種類、又は2種類以上をブレンドしてなる材料を用いることができる。これらの基材に用いる樹脂材料及び弾性材料に、必要に応じて、電子伝導性を付与する導電剤やイオン伝導性を有する導電剤を1種類又は2種類以上を組み合わせて添加する。この中でも、機械的強度に優れる点で、導電剤を分散させたポリイミド樹脂を用いることが好ましい。上記の導電剤としては、カーボンブラック、金属酸化物、ポリアニリン等の導電性ポリマーを用いることができる。中間転写体として中間転写ベルト409のようなベルトの形状の構成を採用する場合、一般にベルトの厚さは50〜500μmであることが好ましく、60〜150μmであることがより好ましいが、材料の硬度に応じて適宜選択することができる。
例えば、導電剤を分散させたポリイミド樹脂からなるベルトは、特開昭63−311263号公報に記載されているように、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸の溶液中に、導電剤として5〜20質量%のカーボンブラックを分散させ、分散液を金属ドラム上に流延して乾燥した後、ドラムから剥離したフィルムを高温下に延伸してポリイミドフィルムを形成し、更に適当な大きさに切り出してエンドレスベルトとすることにより製造することができる。
上記フィルム成形は、一般には、導電剤を分散したポリアミド酸溶液の成膜用原液を円筒金型に注入して、例えば、100〜200℃に加熱しつつ500〜2000rpmの回転数で円筒金型を回転させながら、遠心成形法によりフィルム状に成膜し、次いで、得られたフィルムを半硬化させた状態で脱型して鉄芯に被せ、300℃以上の高温でポリイミド化反応(ポリアミド酸の閉環反応)を進行させて本硬化させることにより行うことができる。また、成膜原液を金属シート上に均一な厚みに流延して、上記と同様に100〜200℃に加熱して溶媒の大半を除去し、その後300℃以上の高温に段階的に昇温してポリイミドフィルムを形成する方法もある。また、中間転写体は表面層を有していてもよい。
また、中間転写体としてドラム形状を有する構成を採用する場合、基材としては、アルミニウム、ステンレス鋼(SUS)、銅等で形成された円筒状基材を用いることが好ましい。この円筒状基材上に、必要に応じて弾性層を被覆し、該弾性層上に最表面層を形成することができる。
なお、本発明にかかる被転写媒体とは、電子写真感光体上に形成されたトナー像を転写する媒体であれば特に制限はない。例えば、電子写真感光体から直接、紙等の被転写媒体に転写する場合は、紙等が被転写媒体である。また、中間転写体を用いる場合には、中間転写体が被転写媒体である。
更に、図9は、本発明のプロセスカートリッジの好適な一実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。プロセスカートリッジ300は、電子写真感光体100とともに、帯電手段18、現像手段21、クリーニング手段23、露光のための開口部28、及び除電器24を取り付けレール26を用いて組み合せて一体化したものである。そして、このプロセスカートリッジ300は、転写手段22と、定着手段25と、図示しない他の構成部分とからなる画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体とともに画像形成装置を構成するものである。このようなプロセスカートリッジ300は、例えば図6〜8に示した画像形成装置のいずれにも適用することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
円筒状のアルミニウム基材をセンタレス研磨装置により研磨し、表面粗さをRz=0.6μmとした。このセンタレス研磨処理が施されたアルミニウム基材を洗浄するために、脱脂処理、2質量%水酸化ナトリウム溶液で1分間エッチング処理、中和処理、及び純水洗浄をこの順に行った。次に、アルミニウム基材に対して、10質量%硫酸溶液により基材表面に陽極酸化膜(電流密度1.0A/dm)を形成した。水洗後、80℃の1質量%酢酸ニッケル溶液に25分間浸漬して封孔処理を行った。更に、純水洗浄、乾燥処理を行った。このようにして、表面に8μmの陽極酸化膜が形成されたアルミニウム基材を得た。
次に、X線回折スペクトルにおけるブラッグ角(2θ±0.2°)が、7.4°、16.6°、25.5°、28.3°に強い回折ピークを持つクロロガリウムフタロシアニン1質量部を、ポリビニルブチラール(エスレックBM−S、積水化学社製)1質量部、及び、酢酸n−ブチル100質量部と混合し、ガラスビーズとともにペイントシェーカーで1時間処理して分散させ、電荷発生層形成用塗布液を得た。得られた塗布液を、上記アルミニウム基材上に浸漬コートし、100℃で10分間加熱乾燥して膜厚約0.15μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記一般式(XV)で表わされるベンジジン化合物2質量部、及び、下記一般式(XVI)で表わされる構造単位を有する高分子化合物(粘度平均分子量39,000)2.5質量部をクロロベンゼン25質量部に溶解させ、電荷輸送層形成用塗布液を得た。
Figure 2007086487

Figure 2007086487

得られた塗布液を、上記電荷発生層上に浸漬コーティング法で塗布し、110℃で40分間の加熱を行なって、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
次に、ポリビニルアセタール樹脂(BX−L、積水化学社製)1質量部、熱硬化性フェノール樹脂(レジトップPL−2211、群栄化学社製)0.1質量部、及び、ブタノール30質量部を混合し、第2の樹脂組成物の溶液を得た。得られた溶液を上記電荷輸送層上に浸漬コートし、130℃で20分間乾燥して膜厚0.4μmの接着層(第2の層)を形成した。
次に、上記化合物(I−1)3質量部、熱硬化性フェノール樹脂(レジトップPL−2211、群栄化学社製)3質量部、及び、コロイダルシリカ(スノーテックス 30、日産化学社製、粒子径10〜20nm、30質量%メタノール分散液)の固形分0.3質量部に、イソプロピルアルコール5質量部、及び、メチルイソブチルケトン5質量部を加え、第1の樹脂組成物の溶液を得た。この溶液を上記接着層上に浸漬コートし、室温で10分間風乾した後、150℃で85分間加熱処理して硬化させ、膜厚約2μmの保護層(第1の層)を形成した。これにより、電子写真感光体を得た。
また、肉厚0.8mmの鋼板を用意し、上記と同様の膜厚及び成膜条件で接着層と保護層とを鋼板上に順次形成し、接着性評価用の試験片を作製した。
[実施例2]
まず、実施例1と同様にして電荷輸送層までを形成した。次に、ノボラック樹脂(CMK−2400、昭和高分子社製)1質量部、熱硬化性フェノール樹脂(レジトップPL−2211、群栄化学社製)0.1質量部、及び、ブタノール30質量部を混合し、第2の樹脂組成物の溶液を得た。得られた溶液を上記電荷輸送層上に浸漬コートし、130℃で20分間乾燥して膜厚0.4μmの接着層(第2の層)を形成した。
次に、上記化合物(IV−1)3質量部、熱硬化性フェノール樹脂(レジトップPL−2211、群栄化学社製)3質量部、及び、コロイダルシリカ(スノーテックス 30、日産化学社製、粒子径10〜20nm、30質量%メタノール分散液)の固形分0.3質量部に、イソプロピルアルコール5質量部、及び、メチルイソブチルケトン5質量部を加え、第1の樹脂組成物の溶液を得た。この溶液を上記接着層上にリング型浸漬塗布法により塗布し、室温で10分間風乾した後、150℃で85分間加熱処理して硬化させ、膜厚約2μmの保護層(第1の層)を形成した。これにより、電子写真感光体を得た。
また、肉厚0.8mmの鋼板を用意し、上記と同様の膜厚及び成膜条件で接着層を鋼板上に形成し、その上に、リング型浸漬塗布法に代えてバーコーター塗布法を用いた以外は上記と同様の膜厚及び成膜条件で保護層を形成し、接着性評価用の試験片を作製した。
[実施例3]
先ず、ホーニング処理を施した円筒状のアルミニウム基材上に、有機ジルコニウム化合物(トリブトキシアセチルアセトナトジルコニウム[(C)Zr(OC、オルガチックスZC540、松本製薬社製])100質量部、シラン化合物(A1100、日本ユニカー社製)10質量部、ポリビニルブチラール(エスレックBM−S、積水化学社製)3質量部、イソプロパノール400質量部、及び、ブタノール200質量部を混合して得られた下引層形成用塗布液を浸漬塗布法により塗布し、150℃で10分間加熱乾燥させることにより、膜厚0.15μmの下引層を形成した。
次に、X線回折スペクトルにおけるブラッグ角(2θ±0.2°)が、27.2°に強い回折ピークを持つチタニルフタロシアニン1質量部を、ポリビニルブチラール(エスレックBM−S、積水化学社製)1質量部、及び、酢酸n−ブチル100質量部と混合し、ガラスビーズとともにペイントシェーカーで1時間処理して分散させ、電荷発生層形成用塗布液を得た。得られた塗布液を、上記下引層上に浸漬コートし、100℃で10分間加熱乾燥して膜厚約0.15μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記一般式(XVII)で表わされる電荷輸送性化合物2質量部、及び、下記一般式(XVIII)で表わされる構造単位を有する高分子化合物(粘度平均分子量58,000)3質量部をクロロベンゼン30質量部に溶解させ、電荷輸送層形成用塗布液を得た。
Figure 2007086487

Figure 2007086487

得られた塗布液を、上記電荷発生層上に浸漬コーティング法で塗布し、110℃で40分間の加熱を行なって、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
次に、ノボラック樹脂(CMK−2400、昭和高分子社製)1質量部、熱硬化性フェノール樹脂(レジトップPL−2211、群栄化学社製)0.1質量部、及び、ブタノール30質量部を混合し、第2の樹脂組成物の溶液を得た。得られた溶液を上記電荷輸送層上に浸漬コートし、130℃で20分間乾燥して膜厚0.4μmの接着層(第2の層)を形成した。
次に、上記化合物(II−3)3質量部、熱硬化性フェノール樹脂(レジトップPL−2211、群栄化学社製)3質量部、及び、コロイダルシリカ(スノーテックス 30、日産化学社製、粒子径10〜20nm、30質量%メタノール分散液)の固形分0.3質量部に、イソプロピルアルコール5質量部、及び、メチルイソブチルケトン5質量部を加え、第1の樹脂組成物の溶液を得た。この溶液を上記接着層上に浸漬コートし、室温で10分間風乾した後、150℃で85分間加熱処理して硬化させ、膜厚約2μmの保護層(第1の層)を形成した。これにより、電子写真感光体を得た。
また、肉厚0.8mmの鋼板を用意し、上記と同様の膜厚及び成膜条件で接着層と保護層とを鋼板上に順次形成し、接着性評価用の試験片を作製した。
[実施例4]
まず、実施例3と同様にして電荷輸送層までを形成した。次に、ポリビニルフェノール樹脂(マルカリンカーM、丸善石油社製)1質量部、熱硬化性フェノール樹脂(レジトップPL−2211、群栄化学社製)0.1質量部、及び、ブタノール30質量部を混合し、第2の樹脂組成物の溶液を得た。得られた溶液を上記電荷輸送層上に浸漬コートし、130℃で20分間乾燥して膜厚0.4μmの接着層(第2の層)を形成した。
次に、上記化合物(III−3)3質量部、熱硬化性フェノール樹脂(レジトップPL−2211、群栄化学社製)3質量部、及び、コロイダルシリカ(スノーテックス 30、日産化学社製、粒子径10〜20nm、30質量%メタノール分散液)の固形分0.3質量部に、イソプロピルアルコール5質量部、及び、メチルイソブチルケトン5質量部を加え、第1の樹脂組成物の溶液を得た。この溶液を上記接着層上にリング型浸漬塗布法により塗布し、室温で10分間風乾した後、150℃で85分間加熱処理して硬化させ、膜厚約2μmの保護層(第1の層)を形成した。これにより、電子写真感光体を得た。
また、肉厚0.8mmの鋼板を用意し、上記と同様の膜厚及び成膜条件で接着層を鋼板上に形成し、その上に、リング型浸漬塗布法に代えてバーコーター塗布法を用いた以外は上記と同様の膜厚及び成膜条件で保護層を形成し、接着性評価用の試験片を作製した。
[実施例5]
まず、実施例3と同様にして電荷輸送層までを形成した。次に、ポリビニルアセタール樹脂(BM−1、積水化学社製)1質量部、熱硬化性フェノール樹脂(レジトップPL−2211、群栄化学社製)0.1質量部、及び、ブタノール30質量部を混合し、第2の樹脂組成物の溶液を得た。得られた溶液を上記電荷輸送層上に浸漬コートし、130℃で20分間乾燥して膜厚0.4μmの接着層(第2の層)を形成した。
次に、上記化合物(IV−4)3質量部、熱硬化性フェノール樹脂(レジトップPL−2211、群栄化学社製)3質量部、及び、コロイダルシリカ(スノーテックス 30、日産化学社製、粒子径10〜20nm、30質量%メタノール分散液)の固形分0.3質量部に、イソプロピルアルコール5質量部、及び、メチルイソブチルケトン5質量部を加え、第1の樹脂組成物の溶液を得た。この溶液を上記接着層上にリング型浸漬塗布法により塗布し、室温で10分間風乾した後、150℃で85分間加熱処理して硬化させ、膜厚約2μmの保護層(第1の層)を形成した。これにより、電子写真感光体を得た。
また、肉厚0.8mmの鋼板を用意し、上記と同様の膜厚及び成膜条件で接着層を鋼板上に形成し、その上に、リング型浸漬塗布法に代えてバーコーター塗布法を用いた以外は上記と同様の膜厚及び成膜条件で保護層を形成し、接着性評価用の試験片を作製した。
[実施例6]
先ず、酸化亜鉛(SMZ−017N、テイカ社製)100質量部をトルエン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(A1100、日本ユニカー社製)2質量部を添加し、5時間攪拌した。その後、トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で2時間焼き付けを行った。得られた表面処理酸化亜鉛を蛍光X線により分析した結果、Si元素強度は亜鉛元素強度の1.8×10−4であった。
表面処理を施した酸化亜鉛35質量部と、硬化剤としてのブロック化イソシアネート(スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)15質量部と、ブチラール樹脂(BM−1、積水化学社製)6質量部と、メチルエチルケトン44質量部とを混合し、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間の分散を行い分散液を得た。得られた分散液に触媒としてジオクチルスズジラウレート0.005質量部、及び、トスパール130(GE東芝シリコン社製)17質量部を添加し、下引層形成用塗布液を得た。この塗布液を、浸漬塗布法にてアルミニウム基材上に塗布し、160℃で100分の乾燥硬化を行い、膜厚20μmの下引層を形成した。表面粗さは、東京精密社製表面粗さ形状測定器サーフコム570Aを使用し、測定距離2.5mm、走査速度0.3mm/secで測定し、Rz値0.24であった。
次に、X線回折スペクトルにおけるブラッグ角(2θ±0.2°)が、7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°及び28.3°に強い回折ピークを持つヒドロキシガリウムフタロシアニン1質量部を、ポリビニルブチラール(エスレックBM−L、積水化学社製)1質量部、及び、酢酸n−ブチル100質量部と混合し、ガラスビーズとともにペイントシェーカーで1時間処理して分散し、電荷発生層形成用塗布液を得た。この塗布液を上記下引層上に浸漬塗布し100℃で10分間加熱乾燥し、膜厚約0.15μmの電荷発生層を形成した。
次に、上記一般式(XV)で表わされるベンジジン化合物2質量部、及び、上記一般式(XVI)で表わされる構造単位を有する高分子化合物(粘度平均分子量39,000)2.5質量部をクロロベンゼン35質量部に溶解させ、電荷輸送層形成用塗布液を得た。得られた塗布液を、上記電荷発生層上に浸漬コーティング法で塗布し、110℃で40分間の加熱を行なって、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
次に、ポリビニルアセタール樹脂(BX−L、積水化学社製)1質量部、熱硬化性フェノール樹脂(レジトップPL−2211、群栄化学社製)0.1質量部、及び、ブタノール30質量部を混合し、第2の樹脂組成物の溶液を得た。得られた溶液を上記電荷輸送層上に浸漬コートし、130℃で20分間乾燥して膜厚0.4μmの接着層(第2の層)を形成した。
次に、上記化合物(I−5)3質量部、熱硬化性フェノール樹脂(レジトップPL−2211、群栄化学社製)3質量部、及び、コロイダルシリカ(スノーテックス 30、日産化学社製、粒子径10〜20nm、30質量%メタノール分散液)の固形分0.3質量部に、イソプロピルアルコール5質量部、及び、メチルイソブチルケトン5質量部を加え、第1の樹脂組成物の溶液を得た。この溶液を上記接着層上に浸漬コートし、室温で10分間風乾した後、150℃で85分間加熱処理して硬化させ、膜厚約2μmの保護層(第1の層)を形成した。これにより、電子写真感光体を得た。
また、肉厚0.8mmの鋼板を用意し、上記と同様の膜厚及び成膜条件で接着層と保護層とを鋼板上に順次形成し、接着性評価用の試験片を作製した。
[実施例7]
まず、実施例6と同様にして電荷発生層までを形成した。次に、上記一般式(XV)で表わされるベンジジン化合物2質量部、及び、上記一般式(XVI)で表わされる構造単位を有する高分子化合物(粘度平均分子量59,000)2.5質量部をクロロベンゼン35質量部に溶解させ、電荷輸送層形成用塗布液を得た。得られた塗布液を、上記電荷発生層上に浸漬コーティング法で塗布し、110℃で40分間の加熱を行なって、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
次に、ポリビニルフェノール樹脂(マルカリンカーCMM、丸善石油社製)1質量部、熱硬化性フェノール樹脂(レジトップPL−2211、群栄化学社製)0.1質量部、及び、ブタノール30質量部を混合し、第2の樹脂組成物の溶液を得た。得られた溶液を上記電荷輸送層上に浸漬コートし、130℃で20分間乾燥して膜厚0.4μmの接着層(第2の層)を形成した。
次に、上記化合物(V−6)3質量部、熱硬化性フェノール樹脂(レジトップPL−2211、群栄化学社製)3質量部、及び、コロイダルシリカ(スノーテックス 30、日産化学社製、粒子径10〜20nm、30質量%メタノール分散液)の固形分0.3質量部に、イソプロピルアルコール5質量部、及び、メチルイソブチルケトン5質量部を加え、第1の樹脂組成物の溶液を得た。この溶液を上記接着層上にリング型浸漬塗布法により塗布し、室温で10分間風乾した後、150℃で85分間加熱処理して硬化させ、膜厚約2μmの保護層(第1の層)を形成した。これにより、電子写真感光体を得た。
また、肉厚0.8mmの鋼板を用意し、上記と同様の膜厚及び成膜条件で接着層を鋼板上に形成し、その上に、リング型浸漬塗布法に代えてバーコーター塗布法を用いた以外は上記と同様の膜厚及び成膜条件で保護層を形成し、接着性評価用の試験片を作製した。
[実施例8]
まず、実施例7と同様にして接着層までを形成した。次に、ポリアミド樹脂(プラタボンドMX1602、エルフアトケムジャパン社製)6質量部をn−ブチルアルコール50質量部に溶解した液に、導電性微粒子としてのSbドープSnO粒子(T−1、三菱マテリアル社製)8質量部を加え、サンドミルにて4時間分散した。次いで、得られた分散液に、熱硬化性フェノール樹脂(レジトップPL−2211、群栄化学製)7質量部を加え、第1の樹脂組成物の溶液を得た。この溶液を上記接着層上にリング型浸漬塗布法により塗布し、160℃で60分間加熱処理して硬化させ、膜厚約2μmの保護層(第1の層)を形成した。これにより、電子写真感光体を得た。
また、肉厚0.8mmの鋼板を用意し、上記と同様の膜厚及び成膜条件で接着層を鋼板上に形成し、その上に、リング型浸漬塗布法に代えてバーコーター塗布法を用いた以外は上記と同様の膜厚及び成膜条件で保護層を形成し、接着性評価用の試験片を作製した。
[実施例9]
まず、実施例7と同様にして電荷輸送層までを形成した。次に、ポリビニルフェノール樹脂(マルカリンカーM、丸善石油社製)1質量部、熱硬化性フェノール樹脂(レジトップPL−2211、群栄化学社製)0.1質量部、及び、ブタノール15質量部を混合し、第2の樹脂組成物の溶液を得た。得られた溶液を上記電荷輸送層上に浸漬コートし、130℃で20分間乾燥して膜厚1.4μmの接着層(第2の層)を形成した。
次に、上記化合物(V−47)3質量部、熱硬化性フェノール樹脂(レジトップPL−2211、群栄化学社製)3質量部、及び、コロイダルシリカ(スノーテックス 30、日産化学社製、粒子径10〜20nm、30質量%メタノール分散液)の固形分0.3質量部に、イソプロピルアルコール5質量部、及び、メチルイソブチルケトン5質量部を加え、第1の樹脂組成物の溶液を得た。この溶液を上記接着層上にリング型浸漬塗布法により塗布し、室温で10分間風乾した後、150℃で85分間加熱処理して硬化させ、膜厚約2μmの保護層(第1の層)を形成した。これにより、電子写真感光体を得た。
また、肉厚0.8mmの鋼板を用意し、上記と同様の膜厚及び成膜条件で接着層を鋼板上に形成し、その上に、リング型浸漬塗布法に代えてバーコーター塗布法を用いた以外は上記と同様の膜厚及び成膜条件で保護層を形成し、接着性評価用の試験片を作製した。
[実施例10]
まず、実施例7と同様にして電荷輸送層までを形成した。次に、ポリビニルアセタール樹脂(BM−1、積水化学社製)1質量部、熱硬化性フェノール樹脂(レジトップPL−2211、群栄化学社製)0.1質量部、上記化合物(IV−4)0.5質量部、及び、ブタノール30質量部を混合し、第2の樹脂組成物の溶液を得た。得られた溶液を上記電荷輸送層上に浸漬コートし、130℃で20分間乾燥して膜厚0.4μmの接着層(第2の層)を形成した。
次に、上記化合物(IV−4)3質量部、熱硬化性フェノール樹脂(レジトップPL−2211、群栄化学社製)3質量部、及び、コロイダルシリカ(スノーテックス 30、日産化学社製、粒子径10〜20nm、30質量%メタノール分散液)の固形分0.3質量部に、イソプロピルアルコール5質量部、及び、メチルイソブチルケトン5質量部を加え、第1の樹脂組成物の溶液を得た。この溶液を上記接着層上にリング型浸漬塗布法により塗布し、室温で10分間風乾した後、150℃で85分間加熱処理して硬化させ、膜厚約2μmの保護層(第1の層)を形成した。これにより、電子写真感光体を得た。
また、肉厚0.8mmの鋼板を用意し、上記と同様の膜厚及び成膜条件で接着層を鋼板上に形成し、その上に、リング型浸漬塗布法に代えてバーコーター塗布法を用いた以外は上記と同様の膜厚及び成膜条件で保護層を形成し、接着性評価用の試験片を作製した。
[実施例11]
まず、実施例6と同様にして電荷発生層までを形成した。次に、上記一般式(XV)で表わされるベンジジン化合物2質量部、上記一般式(XVI)で表わされる構造単位を有する高分子化合物(粘度平均分子量59,000)2.5質量部、及び、ポリビニルアセタール樹脂(BM−1、積水化学社製)5質量部をクロロベンゼン35質量部に溶解させ、電荷輸送層形成用塗布液を得た。得られた塗布液を、上記電荷発生層上に浸漬コーティング法で塗布し、110℃で40分間の加熱を行なって、膜厚20μmの電荷輸送層(第2の層)を形成した。
次に、上記化合物(V−6)3質量部、熱硬化性フェノール樹脂(レジトップPL−2211、群栄化学社製)3質量部、及び、コロイダルシリカ(スノーテックス 30、日産化学社製、粒子径10〜20nm、30質量%メタノール分散液)の固形分0.3質量部に、イソプロピルアルコール5質量部、及び、メチルイソブチルケトン5質量部を加え、第1の樹脂組成物の溶液を得た。この溶液を上記接着層上にリング型浸漬塗布法により塗布し、室温で10分間風乾した後、150℃で85分間加熱処理して硬化させ、膜厚約2μmの保護層(第1の層)を形成した。これにより、電子写真感光体を得た。
また、肉厚0.8mmの鋼板を用意し、上記と同様の膜厚及び成膜条件で電荷輸送層を鋼板上に形成し、その上に、リング型浸漬塗布法に代えてバーコーター塗布法を用いた以外は上記と同様の膜厚及び成膜条件で保護層を形成し、接着性評価用の試験片を作製した。
[比較例1]
接着層を設けないこと以外は、実施例4と同様にして電子写真感光体を得た。
また、肉厚0.8mmの鋼板を用意し、実施例4と同様の膜厚及び成膜条件で電荷輸送層を鋼板上に形成し、その上に、リング型浸漬塗布法に代えてバーコーター塗布法を用いた以外は実施例4と同様の膜厚及び成膜条件で保護層を形成し、接着性評価用の試験片を作製した。
[比較例2]
まず、実施例7と同様にして接着層までを形成した。次に、トリアルコキシシランとテトラアルコキシシランとの加水分解縮合物を主成分とするシリコンハードコート剤(トスガード510、東芝シリコーン社製)50質量部、及び、イソプロピルアルコール50質量部を混合し、保護層形成用塗布液を得た。この塗布液を上記接着層上にリング型浸漬塗布法により塗布し、120℃で60分間加熱処理して硬化させ、膜厚約2μmの保護層を形成した。これにより、電子写真感光体を得た。
また、肉厚0.8mmの鋼板を用意し、実施例7と同様の膜厚及び成膜条件で接着層を鋼板上に形成し、その上に、リング型浸漬塗布法に代えてバーコーター塗布法を用いた以外は上記(本比較例2)と同様の膜厚及び成膜条件で保護層を形成し、接着性評価用の試験片を作製した。
[比較例3]
まず、実施例7と同様にして電荷輸送層までを形成した。次に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(ソリューションビニルVMCH、ユニオン・カーバイト社製)1質量部、熱硬化性フェノール樹脂(レジトップPL−2211、群栄化学社製)0.1質量部、及び、酢酸ブチル30質量部を混合し、接着層形成用塗布液を得た。得られた塗布液を上記電荷輸送層上に浸漬コートし、130℃で20分間乾燥して膜厚0.4μmの接着層を形成した。
次に、上記化合物(V−47)3質量部、熱硬化性フェノール樹脂(レジトップPL−2211、群栄化学社製)3質量部、及び、コロイダルシリカ(スノーテックス 30、日産化学社製、粒子径10〜20nm、30質量%メタノール分散液)の固形分0.3質量部に、イソプロピルアルコール5質量部、及び、メチルイソブチルケトン5質量部を加え、第1の樹脂組成物の溶液を得た。この溶液を上記接着層上にリング型浸漬塗布法により塗布し、室温で10分間風乾した後、150℃で85分間加熱処理して硬化させ、膜厚約2μmの保護層(第1の層)を形成した。これにより、電子写真感光体を得た。
また、肉厚0.8mmの鋼板を用意し、上記と同様の膜厚及び成膜条件で接着層を鋼板上に形成し、その上に、リング型浸漬塗布法に代えてバーコーター塗布法を用いた以外は上記と同様の膜厚及び成膜条件で保護層を形成し、接着性評価用の試験片を作製した。
(アルコール溶解性の評価)
上述した実施例及び比較例において接着層又は電荷輸送層の形成に用いた熱可塑性樹脂1質量部を、n−ブタノール20質量部に加えて25℃で溶解を試み、これらの熱可塑性樹脂のアルコールに対する溶解性を評価した。その結果を表55に示す。
Figure 2007086487

(接着性の評価)
実施例1〜11及び比較例1〜3で作製した接着性評価用の試験片を用いて、JIS K5400 碁盤目テープ法に基づき、鋼板に達する切り傷を碁盤目状に碁盤目(2mm四方)の数が30個となるように付けた。この上に、JIS Z1522に規定する粘着テープを貼り付けて、当該粘着テープを剥離した後、剥離後の塗膜の付着状態を目視により観察し、以下の評価基準に従って接着性を評価した。その結果を表56に示す。
A:欠損部の面積が碁盤目の全面積の10%以内。
B:欠損部の面積が碁盤目の全面積の10%を超え40%以内。
C:欠損部の面積が碁盤目の全面積の40%を超える。
<画像形成装置の作製>
実施例1〜11及び比較例1〜3の各電子写真感光体を、富士ゼロックス社製フルカラープリンターDocuCentreColor400CPにおいて、転写手段における転写電流を18μA(通常は14μA)に改造した改造機(接触帯電方式、タンデム方式)に装着し、画像形成装置を作製した。
(剥がれの評価)
実施例1〜11及び比較例1〜3の各電子写真感光体を用いて得られた上記の画像形成装置について、30℃、80%RHの環境下で10,000枚まで走行試験を実施した。このときの1,000枚目及び10,000枚目走行後における感光体表面をそれぞれ目視により観察し、塗膜剥がれ(保護層の剥がれ)の有無を確認して、以下の評価基準に従って剥がれを評価した。その結果を表56に示す。
A:目視では塗膜剥がれが確認されない(問題なし)。
B:目視で微小な剥がれが確認されるが、画像出力に問題ない程度(実用上問題なし)。
C:塗膜剥がれが広範囲で確認され、画像出力の性能が著しく低下する(実用上問題が生じる)。
(ゴーストの評価)
上記剥がれの評価において、走行時に感光体1周分の「G」文字パターンの後に、1ドット1スペースの全面ハーフトーン画像が感光体2周分印字されるテストチャートを10,000枚出力した。1,000枚目及び10,000枚目の画像を目視で観察し、以下の評価基準に従ってゴーストを評価した。その結果を表56に示す。
A:ゴーストは確認されない(問題なし)。
B:「G」文字の輪郭がぼやけて見える程度で、ゴーストの濃度も薄い(実用上問題なし)。
C:「G」文字の輪郭が明瞭に見え、かつ濃度の濃い強いゴーストが確認される(実用上問題が生じる)。
Figure 2007086487

表56に示した結果から明らかなように、実施例1〜11の電子写真感光体によれば、比較例1〜3の電子写真感光体と比較して、フェノール樹脂を含有する第1の層としての保護層とその下層との良好な接着性を得ることができ、長期間使用時における上記保護層の塗膜剥がれの発生を十分に抑制できるとともに、ゴーストの発生を抑制できることが確認された。
本発明の電子写真感光体の好適な一実施形態を示す模式断面図である。 本発明の電子写真感光体の他の実施形態を示す模式断面図である。 本発明の電子写真感光体の他の実施形態を示す模式断面図である。 本発明の電子写真感光体の他の実施形態を示す模式断面図である。 本発明の電子写真感光体の他の実施形態を示す模式断面図である。 本発明の画像形成装置の好適な一実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。 本発明の画像形成装置の他の好適な一実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。 本発明の画像形成装置の他の好適な一実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。 本発明のプロセスカートリッジの好適な一実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。
符号の説明
1…電荷発生層、2…電荷輸送層、3…導電性支持体、4…下引層、5…保護層、6…接着層、7…感光層、8…電荷発生/電荷輸送層、18…帯電手段、19…電源、20…露光手段、21…現像手段、22…転写手段、23…クリーニング手段、24…除電器、25…定着手段、26…取り付けレール、28…露光のための開口部、30…被転写体、100,100a〜100d…電子写真感光体、200,210,220…画像形成装置、300…プロセスカートリッジ、500…被転写媒体。

Claims (6)

  1. 導電性支持体及び該導電性支持体上に配置された感光層を備える電子写真感光体であって、
    前記感光層は、フェノール樹脂を含有する第1の樹脂組成物を熱硬化させてなる第1の層と、
    該第1の層に隣接して配置された、アルコール可溶性の熱可塑性樹脂を含有する第2の樹脂組成物からなる第2の層と、
    を有することを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記熱可塑性樹脂が、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルフェノール樹脂及びノボラック樹脂からなる群より選択される少なくとも一種の樹脂を含むことを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 前記第1の樹脂組成物及び前記第2の樹脂組成物のうちの少なくとも前記第1の樹脂組成物が、前記フェノール樹脂と反応可能な官能基を有する電荷輸送性化合物を更に含有することを特徴とする請求項1又は2記載の電子写真感光体。
  4. 前記電荷輸送性化合物が、下記一般式(I)、(II)、(III)、(IV)又は(V)で示される化合物の1種以上を含むものであることを特徴とする請求項3記載の電子写真感光体。
    F[−D−Si(R(3-a) (I)
    [式(I)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基を示し、Dは可とう性を有する2価の基を示し、Rは水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基又は置換若しくは未置換のアリール基を示し、Qは加水分解性基を示し、aは1〜3の整数を示し、bは1〜4の整数を示す。]
    F[−(Xn1−ZH]m1 (II)
    [式(II)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基を示し、Rはアルキレン基を示し、Zは酸素原子、硫黄原子、NH又はCOOを示し、Xは酸素原子又は硫黄原子を示し、m1は1〜4の整数を示し、n1は0又は1を示す。]
    F[−(Xn2−(Rn3−(Zn4G]n5 (III)
    [式(III)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基を示し、Xは酸素原子又は硫黄原子を示し、Rはアルキレン基を示し、Zは酸素原子、硫黄原子、NH又はCOOを示し、Gはエポキシ基を示し、n2、n3及びn4はそれぞれ独立に0又は1を示し、n5は1〜4の整数を示す。]
    Figure 2007086487


    [式(IV)中、Fは正孔輸送性を有する化合物から誘導される有機基を示し、Tは2価の基を示し、Yは酸素原子又は硫黄原子を示し、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は1価の有機基を示し、Rは1価の有機基を示し、m2は0又は1を示し、n6は1〜4の整数を示す。但し、RとRは互いに結合してYをヘテロ原子とする複素環を形成してもよい。]
    Figure 2007086487


    [式(V)中、Fは正孔輸送性を有する化合物から誘導される有機基を示し、Tは2価の基を示し、Rは1価の有機基を示し、m3は0又は1を示し、n7は1〜4の整数を示す。]
  5. 請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体を帯電させるための帯電手段、前記電子写真感光体に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成するための現像手段、及び、前記電子写真感光体の表面に残存したトナーを除去するためのクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも一種と、
    を備えることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  6. 請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体を帯電させるための帯電手段と、
    帯電した前記電子写真感光体に静電潜像を形成するための露光手段と、
    前記静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成するための現像手段と、
    前記トナー像を前記電子写真感光体から被転写体に転写するための転写手段と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012155282A (ja) * 2011-01-28 2012-08-16 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体、画像形成装置およびプロセスカートリッジ
JP5407869B2 (ja) * 2007-11-19 2014-02-05 コニカミノルタ株式会社 撥水または防汚性物品、それを用いて構成された建築用窓ガラス、車両用窓ガラス、ディスプレイ部材、光学部品

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