JP2007085952A - 時間反転操作を用いた衝撃応答装置及び衝撃応答方法 - Google Patents

時間反転操作を用いた衝撃応答装置及び衝撃応答方法 Download PDF

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Abstract

【課題】時間反転操作を用いた衝撃応答装置及び衝撃応答方法において、構造体に衝撃力が作用して発生する弾性波の測定結果に基づいて構造体に作用した衝撃力を容易に同定可能とし、衝撃に的確に応答可能とする。
【解決手段】衝撃応答装置1は、構造体2を伝播する弾性波を時間依存の弾性波信号として測定する弾性波測定手段3と、弾性波信号を時間反転した弾性波信号を生成する時間反転手段4と、構造体2に関する構造情報に基づいて構造体2をモデル化した構造体モデルに時間反転した弾性波信号を入力して構造体上2に最初に衝撃力が作用した状態を再現してその演算結果を出力する構造解析手段6と、前記出力された結果に基づいて構造体2上の衝撃力の作用位置に集中するエネルギを応答Rとして出力し、及び/又は、構造体2に作用した衝撃力を同定する情報を外部に出力する衝撃応答手段7と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、弾性波に対する時間反転操作を用いて、構造体に作用した衝撃力を同定すると共にその衝撃に応答する衝撃応答装置及び衝撃応答方法に関する。
従来から、弾性波、特に超音波を応用する技術に、構造体そのものの情報や、その構造体に作用する外力などに関する情報を、構造体中を伝播する弾性波によって取得する技術がある。また、関連技術に圧電素子がある。圧電素子は、圧電効果と逆圧電効果とによってアクチュエータとセンサの機能を同一の素子で実現できる。そこで、構造体に圧電素子を取り付けて、構造体中に弾性波を伝播させたり、構造体中を伝播する弾性波を検出したりできる。
上述の弾性波を用いる技術に、例えば、航空宇宙分野において1990年代から注目されている機械構造体に対する新しい制振技術であるスマート構造がある。スマート構造は、「その中に人間の筋肉、神経、頭脳に相当するアクチュエータ、センサ、コントローラを備えている構造」と定義される。スマート構造は、機械構造体の健全性評価の技術として、航空機、プラント、土木構造体などで用いられる。健全性評価では、構造体に損傷を引き起こす衝撃の検出、構造体の損傷や欠陥の検出、損傷や欠陥を有する構造体の余寿命の評価が行われ、その後、必要に応じて損傷部位や欠陥部位の補修を行った後、再び上記の健全性評価が繰り返される。
スマート構造の健全性評価において、例えば、アクチュエータが弾性波を発生し、センサが弾性波を検出する。構造体に作用する衝撃の検出は、衝撃にともなって生じる機械的な振動(弾性波振動)を上述の圧電素子センサによって計測して行われる。例えば、最適化手法を適用して、複合材料の平板に加わる衝撃によって生じるひずみの時系列データから衝撃の作用位置を同定する例が知られている(例えば、非特許文献1,2参照)。
また、構造体の損傷や欠陥を検出する新しい技術に、時間反転操作を用いるものがある。この技術では、構造体に取り付けた超音波受発信素子の一つから構造体中に、弾性波(探傷波)が入射され、その探傷波が構造体中の損傷や欠陥によって散乱されて生成された散乱波が複数の超音波受発信素子によって電圧信号として検出される。各素子で検出された電圧信号は、時間反転操作により、時間軸が反転した電圧信号とされる。時間反転された各電圧信号は、各信号を検出した元の素子を介して構造体中に入射される。これらの入射波は、構造体中の散乱部位(損傷部位や欠陥部位)に収束する。時間反転操作は、弾性波伝播の時間に対する可逆性に基づいている(例えば、非特許文献3参照)。
上述の時間反転波が散乱部位に収束する現象を用いて損傷や欠陥の検出が行われる。例えば、時間反転波が構造体中で収束する位置が、レーザ変位計などを用いた実測により検出される。また、時間反転波が構造体中の散乱部位で収束する過程を、計算機上で有限差分法(FDM)を用いたシミュレーションにより再現し、実測することなく、構造体中における弾性波の収束部位を同定する提案が成されている(例えば、非特許文献4参照)。
また、時間反転した超音波信号を用いて、高強度集中型の超音波を人体の組織内に供給して医療処理を行う技術や、反射性ターゲットを音響的に突き止める技術が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
また、超音波を応用する他の技術に、コンピュータへの入力装置であるポインティングデバイスや、電子黒板、デジタイザなどの入力位置検出装置の例がある。これらは、構造体に作用する衝撃力に関する情報、特に、その作用位置を取得するものであり、構造体を伝播する弾性波を用いている(例えば、特許文献3,4参照)。
トレイシ(M.Tracy)、チャン(F.K.Chang)著 「アイデンティファイイング・インパクツ・イン・コンポジット・プレイティズ・ウィズ・ピエゾセラミック・ストレイン・センサーズ、パート1、セオリ(Identifying Impacts in Composite Plates with Piezoceramic Strain Sensors, Part 1, Theory)」、ジャーナル・オブ・インテリジェント・マテリアル・システムズ・アンド・ストラクチャーズ(Journal of intelligent Material Systems and Structures),9,(1998),pp920−928 トレイシ(M.Tracy)、チャン(F.K.Chang)著 「アイデンティファイイング・インパクツ・イン・コンポジット・プレイティズ・ウィズ・ピエゾセラミック・ストレイン・センサーズ、パート2、イクスペリメント(Identifying Impacts in Composite Plates with Piezoceramic Strain Sensors, Part 2, Experiment)」、ジャーナル・オブ・インテリジェント・マテリアル・システムズ・アンド・ストラクチャーズ(Journal of intelligent Material Systems and Structures),9,(1998),pp929−937 フィンク(M.Fink)著 「逆回しの音響学」日経サイエンス、2000年3月号、pp52−59 ロイテネッガ(T.Leutenegger)、デュアル(J.Dual)著 「ディテクション・オブ・ディフェクト・イン・シリンドリカル・ストラクチャーズ・ユージング・ア・タイム・リバース・メソッド・アンド・ア・ファイナイト−ディファレンシャル・アプローチ(Detection of Defects in Cylindrical Structures using a Time Reverse Method and a Finite−Differential Approach)」、ウルトラソニックス(Ultrasonics),40,(2002),pp721−725 特開2004−249106号公報 特開平6−341978号公報 特開平10−198498号公報 特開平2003−122495号公報
しかしながら、上述した非特許文献1〜4や特許文献1〜4に示されるような技術は、これを、構造体に作用した衝撃力を同定すると共に、その衝撃に応答する衝撃応答装置や衝撃応答方法に適用する場合、次のような問題がある。ここで、衝撃力の同定とは、例えば、衝撃力の作用位置、作用時刻、又は、衝撃力の大きさを決定することである。
非特許文献1,2に示されるような技術は、衝撃に対するひずみの測定データとモデルデータとを比較し、誤差が最小になるように、モデルの変更と比較を繰り返して衝撃の作用位置を同定するものであり、モデルの形成や比較の方法に任意性が入り込む余地があり、また、位置同定までの手順が煩雑であるという問題がある。
また、非特許文献3や特許文献1,2に示されるような技術は、上述の比較を繰り返す方法と異なり、弾性波信号に時間反転操作を施すことにより、構造体中の散乱部位に収束する弾性波を生成することができる。この技術は、例えば、時間反転した超音波を増幅した上で再度人体中に送出すると共に人体中の散乱部位に収束させ、その部位に収束した超音波によって医療処理を行う、などということに応用できる。しかし、このように、時間反転して収束する超音波そのもの医療処理などに用いる場合はともかく、収束位置の情報を他の用途に用いたい場合、その収束位置を求めるために、実際に弾性波を時間反転させて収束位置を実測するのは、二度手間である。
この点、非特許文献4に示されるような技術は、計算機上で弾性波の収束を再現することにより、実測することなく、弾性波の収束部位(損傷部位や欠陥部位)を同定できるものである。しかしながら、非特許文献4には、構造体中に存在する損傷部位や欠陥部位を検出するために弾性波と時間反転技術、及びシミュレーション技術を用いることが示されているのみであり、構造体に作用した衝撃力を同定すると共に、その同定の結果に基づいて、衝撃に対応した応答を行うことについては何ら開示されていない。
また、特許文献3,4に示されるような技術は、いわゆる三角測量により衝撃力の作用位置を検出している。この技術では、衝撃力が作用したことにより発生し伝播する弾性波の最初の波を、互いに異なる位置に配置した複数のセンサで検出し、検出の時間差、センサ相互の距離、及び、弾性波の伝播速度に基づいて衝撃力の作用位置を推定する。この方法では、伝播してきた最初の波を必ず検出しなければならず、ランダムな衝撃力の作用位置を同定できるように精度良く最初の波を検出するのは容易ではない。
本発明は、上記課題を解消するものであって、構造体に衝撃力が作用して発生する弾性波の測定結果に基づいて構造体に作用した衝撃力を容易に同定でき、衝撃に的確に応答できる時間反転操作を用いた衝撃応答装置及び衝撃応答方法を提供することを目的とする。
上記課題を達成するために、請求項1の発明は、構造体に衝撃力が作用したとき当該構造体に発生する弾性波を測定し、その弾性波に基づいて当該構造体への衝撃力の作用位置を同定すると共にその衝撃力によって発生した衝撃に応答する衝撃応答装置であって、構造体を伝播する弾性波を時間依存の弾性波信号として測定する弾性波測定手段と、前記弾性波測定手段によって測定した弾性波信号を時間反転して時間反転された弾性波信号を生成する時間反転手段と、前記構造体に関する物性情報を含む構造情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶した構造情報に基づいて当該構造体をモデル化した構造体モデルを構築すると共に、その構造体モデルに作用する外力とその外力によって構造体モデルの各構成点に発生する構成点の変位との関係を求める演算を行い、その演算結果を時間の関数として出力する構造解析手段と、前記構造体に発生した衝撃に応答する衝撃応答手段と、を備え、前記構造解析手段は、前記弾性波測定手段によって測定され前記時間反転手段によって時間反転された弾性波信号が前記構造体モデルに作用する外力として当該構造体モデルの構成点であって前記弾性波信号を測定した位置に対応する構成点に入力されることにより、その弾性波信号に基づいて前記演算を行い、前記構造体上に最初に衝撃力が作用した状態を前記構造体モデル上に再現してその結果を出力し、前記衝撃応答手段は、前記構造解析手段によって前記構造体モデル上に再現され出力された結果に基づいて当該構造体への衝撃力の作用位置を同定すると共に、前記構造体上の衝撃力の作用位置に集中するエネルギを出力し、及び/又は、構造体に作用した衝撃力を同定する情報を外部に出力するものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の衝撃応答装置において、前記弾性波測定手段は、1つ又は複数の圧電素子を含み、前記圧電素子は構造体の表面に固定され、当該構造体を伝播する弾性波によって前記圧電素子が固定された構造体の表面に発生する歪みを検知すると共にその検知結果を電気信号として出力するものである。
請求項3の発明は、請求項1に記載の衝撃応答装置において、前記時間反転手段は、前記弾性波測定手段によって測定された弾性波信号を、所定時間長の範囲内で時間反転して時間反転された弾性波信号を生成するものである。
請求項4の発明は、請求項1に記載の衝撃応答装置において、前記構造解析手段に入力される弾性波信号は、複数の弾性波測定手段によって測定されると共に、互いに同期された所定時間長内の複数の弾性波信号を時間反転したものである。
請求項5の発明は、請求項1に記載の衝撃応答装置において、前記衝撃応答手段が衝撃力を同定して出力する情報は、衝撃力の作用位置、衝撃力の作用時刻、又は、衝撃力の大きさである。
請求項6の発明は、請求項1に記載の衝撃応答装置において、前記構造体の特定位置への指向性をもって当該構造体を伝播する弾性波を生成する指向性弾性波生成手段を備え、前記衝撃応答手段は、前記衝撃力を同定する情報として衝撃力の作用位置の情報を出力し、前記指向性弾性波生成手段は、前記衝撃応答手段が出力した前記衝撃力の作用位置の情報に基づいて、当該作用位置に対して予め定められた位置関係を有する前記構造体の特定位置への指向性を有する弾性波を生成するものである。
請求項7の発明は、請求項6に記載の衝撃応答装置において、前記指向性弾性波生成手段は、前記特定位置の構造体の表面から構造体外に可聴範囲の音波を放射する周波数帯域の弾性波を、前記指向性を有する弾性波として生成するものである。
請求項8の発明は、請求項1に記載の衝撃応答装置において、前記衝撃応答手段は、前記同定した作用位置に集中するエネルギとして、弾性波エネルギ、熱エネルギ、及び/又は、光エネルギを出力するものである。
請求項9の発明は、請求項1に記載の衝撃応答装置において、前記構造解析手段は、前記構造体モデルを有限要素法に基づいて構築するものである。
請求項10の発明は、構造体に作用した衝撃力に応答する衝撃応答方法であって、衝撃同定対象の構造体を伝播する弾性波を時間依存の弾性波信号として測定する弾性波測定工程と、前記弾性波測定工程によって測定した弾性波信号を時間反転する時間反転工程と、前記構造体を数値モデル化し、そのモデルに作用する外力とその外力によって当該モデルの各構成点に発生する構成点の変位との関係を求めるための構造体モデルを構築する構造体モデル化工程と、前記構造体モデル化工程によってモデル化された構造体モデルに、前記弾性波測定工程と前記時間反転工程とを経て得られた時間反転後の弾性波信号を、前記構造体モデルの構成点であって前記弾性波信号を測定した位置に対応する構成点に当該構造体モデルに作用する外力として入力し、その弾性波信号に基づいて前記構造体上に最初に衝撃力が作用した状態を前記構造体モデル上に再現してその結果を出力する衝撃再現工程と、前記衝撃再現工程によって再現され出力された結果に基づいて当該構造体への衝撃力の作用位置を同定すると共に、前記構造体上の衝撃力の作用位置に集中するエネルギを出力し、及び/又は、構造体に作用した衝撃力を同定する情報を外部に出力する衝撃応答工程と、を備えたものである。
請求項1の発明によれば、対象とする構造体が複雑な3次元構造体であっても、構造体情報に基づく構造体モデルを形成する構造解析手段と、構造体に発生する弾性波を測定する弾性波測定手段とを備えるので、弾性波信号の時間反転操作により構造体に作用した衝撃力の作用位置を容易に同定でき、また、衝撃応答手段を用いて、衝撃力の作用位置に集中するエネルギを出力し、及び/又は、構造体に作用した衝撃力を同定する情報を外部に出力して衝撃に的確に応答できる。このような衝撃応答手段を備えた衝撃応答装置を用いると、例えば、センサ機能と自己修復機能とを有する外殻を、構造体における外界との境界部に備えた、いわゆるスマート構造を容易に実現できる。例えば、航空機や飛行体、宇宙船などに異物が付着した場合に、付着の衝撃で発生する弾性波によって付着位置を同定でき、衝撃応答手段によって、その付着位置に集中する弾性波エネルギや熱エネルギを効率的に注入し、その付着物を除去できる。
請求項2の発明によれば、構造体を伝播する弾性波の測定と、構造体への弾性波の送出との両方の動作を共通の圧電素子によって行える。また、時間反転操作後の弾性波を測定に用いた同一の圧電素子を用いて、もとの弾性波の測定位置から送出できるので、例えば、構造体モデルの検証などのために、計算機上ではなく実世界で弾性波を収束させるときに、弾性波送出操作を簡便に精度良く行うことができる。
請求項3の発明によれば、弾性波測定手段は、時間反転手段によって時間反転される所定時間長の範囲内で弾性波信号を測定すればよく、測定が容易である。これは、時間反転した弾性波が、もとの弾性波の発生点に収束するには、部分的な弾性波で十分であるという事実による。このことは、弾性波の伝播時間に基づく位置決めとは異なり、最初の波を捉える必要がなく、測定が容易であることを意味する。
請求項4の発明によれば、弾性波信号として、互いに同期された複数の信号を用いるので、単一の弾性波信号を用いる場合よりも弾性波の収束がより鮮明となる。
請求項5の発明によれば、衝撃応答手段が、衝撃力の作用位置、衝撃力の作用時刻、又は、衝撃力の大きさを出力するので、衝撃に対するよりきめ細かい対応ができる。
請求項6の発明によれば、衝撃力の作用位置の情報に基づいて、例えば、その作用位置の横や、その作用位置を取り囲む円環状の位置に収束する弾性波を、指向性弾性波生成手段によって生成することができる。これは、例えば、構造体が平板であり、衝撃力が平板に対する音声であれば、平板からなるマイクが構成され、また、収束する弾性波が、可聴音波を発生するものであれば、平板からなるスピーカが構成される。このような衝撃応答装置によって、平板からなる音声入出力装置を構成できる。また、例えば、指向性弾性波生成手段によって任意の位置に収束する弾性波を生成することができ、弾性波のエネルギを強力にすることにより、衝撃力の作用に対して効果的に応答し対応することができる。
請求項7の発明によれば、音声入出力装置を構成できる。
請求項8の発明によれば、構造体に付着した異物などにエネルギを注入でき、異物などの除去や改質ができる。また、衝撃力によって発生した構造体の亀裂などの部分にエネルギを供給して部分的溶融などを行い、亀裂などを修復できる。
請求項9の発明によれば、一般に流布している有限要素法(FEM)のための汎用ソフトを用いて、容易、かつ簡便に構造体モデルを構築することができる。また、同様に、汎用ソフトを用いて圧電素子などからなる弾性波の受波素子を容易に構造体モデルに組み込むことができる。
請求項10の発明によれば、対象とする構造体が複雑な3次元構造体であっても、測定した弾性波信号の時間反転操作により、構造体に作用した衝撃力の作用位置を容易に同定でき、また、衝撃力の作用位置に集中するエネルギを出力し、及び/又は、構造体に作用した衝撃力を同定する情報を外部に出力して衝撃に的確に応答し対応できる。
以下、本発明に係る時間反転操作を用いた衝撃応答装置及び衝撃応答方法について、図面を参照して説明する。図1は本発明に係る時間反転操作を用いた衝撃応答装置1のブロック構成を示し、図2は同じく時間反転操作を用いた衝撃応答方法のフローチャートを示す。衝撃応答装置1は、図1に示すように、構造体2に、例えば、物体Mが衝突して、構造体2に衝撃力が作用したとき構造体2に発生する弾性波を測定し、その弾性波に基づいて構造体への衝撃力の作用位置を同定すると共に、その衝撃力によって発生した衝撃に対応して構造体2に何らかの働きかけを行う応答Rを発する装置である。まず、図1、図2によって、衝撃応答装置1の概要を説明する。
衝撃応答装置1は、構造体2を伝播する弾性波を時間依存の弾性波信号として測定する弾性波測定手段3と、弾性波測定手段3によって測定した弾性波信号を時間反転して時間反転された弾性波信号を生成する時間反転手段4と、構造体2に関する物性情報(材料情報)を含む構造情報を記憶する記憶手段5と、記憶手段5に記憶した構造情報に基づいて構造体2をモデル化した構造体モデルを構築すると共に、その構造体モデルに作用する外力とその外力によって構造体モデルの各構成点に発生する構成点の変位との関係を求める演算を行い、その演算結果を時間の関数として出力する構造解析手段6と、構造体2に発生した衝撃に応答Rを返す衝撃応答手段7と、ユーザが操作するための操作入出力手段8とを備えている。
また、衝撃応答装置1は、上述の各手段を制御する中央制御部10を備えている。衝撃応答装置1における電子的な制御、演算、記憶、情報入出力などの処理を行う機器は、一般的な電子計算機におけるCPUやメモリや外部記憶装置や表示装置や入力装置などの電子機器を用いて構成することができる。また、演算や制御のプロセスは、電子計算機上のプログラムを用いて実行することができる。
上述の弾性波測定手段3は、センサとして、例えば、1つ又は複数の圧電素子30を含む。圧電素子30は、構造体2の表面に、例えば、貼り付けて固定され、構造体2を伝播する弾性波によって構造体2の表面に発生する歪みを検知すると共にその検知結果を電気信号、例えば電圧信号として出力する。また、弾性波測定手段3は、圧電素子30からの信号を増幅するアンプやデジタル化するA/Dコンバータなどを備えている。
構造解析手段6は、弾性波測定手段3によって測定され時間反転手段4によって時間反転された弾性波信号が構造体モデルに作用する外力として構造体モデルの構成点であって前記弾性波信号を測定した位置に対応する構成点に入力されることにより、その弾性波信号に基づいて演算を行い、構造体上2に最初に衝撃力が作用した状態を構造体モデル上に再現してその結果を出力する。
衝撃応答手段7は、構造解析手段6によって構造体モデル上に再現され出力された結果に基づいて構造体2への衝撃力の作用位置を同定すると共に、構造体2上の衝撃力の作用位置に集中するエネルギを出力するか、構造体2に作用した衝撃力を同定する情報を外部に出力するか、又は、これらの両方の出力を行うことができる。衝撃応答手段7が衝撃力を同定して出力する情報は、例えば、衝撃力の作用位置、衝撃力の作用時刻、又は、衝撃力の大きさである。衝撃応答手段7は、同定した作用位置に集中するエネルギとして、例えば、弾性波エネルギ、熱エネルギ、及び/又は、光エネルギを出力する。
衝撃応答装置1によって行われる処理の流れを説明する。衝撃応答装置1は、稼働開始とともに弾性波測定手段3による弾性波の測定が可能な状態となる。そして、構造体2に弾性波が発生すると、図2に示すように、弾性波測定手段3によって弾性波測定工程が実行され、構造体2を伝播する弾性波が時間依存の弾性波信号として測定される(S1)。
弾性波が測定されると、時間反転手段4によって時間反転工程が実行され、弾性波測定工程によって測定された弾性波信号が時間反転される(S2)。
構造解析手段6は、予め、構造体モデル化工程を実行して、構造体2を数値モデル化し、そのモデルに作用する外力とその外力によって当該モデルの各構成点に発生する構成点の変位との関係を求めるための構造体モデルを構築する(S3)。
時間反転手段4によって時間反転された弾性波信号は、別途構築された上述の構造体モデルの構成点であって弾性波信号を測定した位置に対応する構成点に構造体モデルに作用する外力として入力される。時間反転後の弾性波信号が構造体モデルに入力されると、構造解析手段6によって衝撃再現工程が実行され、弾性波信号に基づいて構造体2上に最初に衝撃力が作用した状態が構造体モデル上に再現され、その結果が出力される(S4)。
衝撃力が作用した状態が構造体モデル上に再現されると、例えば、衝撃力がある点に作用したのであれば、時間反転された弾性波がその点に収束する。そこで、衝撃応答手段7によって衝撃応答工程が実行され、構造体2への衝撃力の作用位置が同定されると共に、構造体2上の衝撃力に対する応答が成される(S5)。
(作用点同定の実施例)
次に、本発明の時間反転操作を用いた衝撃応答装置及び衝撃応答方法における衝撃力の作用点を同定する例を、図3乃至図7に示す実施例により説明する。作用点の同定として、構造体に作用した衝撃力による衝撃の発生位置、発生時刻、及び構造体に加わった衝撃力の大きさの推定を行う。図3は実施例の概念構成を示し、図4は実施例で用いた構造体2を示す。
図3に示すように、平板からなる構造体2の点Pに衝撃力が作用し、点Pにおいて弾性波Wが発生する。弾性波Wは点Pから直進したり構造体2の境界によって反射したりしながら伝播し、弾性波測定手段3の圧電素子30によって受信弾性波信号Eとして検知され、時間関数のデジタル信号として測定される。弾性波と時間との関係に着目すると、ここまでの過程は弾性波が時間と共に伝播する順過程であり、この後の過程は弾性波が時間に逆行して伝播する逆過程に属する。
弾性波が測定された後、時間反転手段4によって、所定時間間隔Tにおける受信弾性波信号Eが時間反転され、送信用の弾性波信号ERが形成される。構造解析手段6は、この送信用の弾性波信号ERを受け取って衝撃再現シミュレーションを行い、衝撃応答手段7は、そのシミュレーション結果を受けて、時間反転された弾性波が収束する位置等を同定する。
本実施例では、図4に示すように、片側表面に9個の圧電素子#1〜#9を取り付けたアルミ平板を構造体2とする。衝撃によって生じた弾性波を、圧電素子#1〜#9により、圧電素子#1〜#9位置における時系列の電圧信号として計測する。アルミ平板は、厚み0.003m、一辺L=0.99mの正方形である。圧電素子#1〜#9はPZTからなり、その形状は、厚み0.0002m、一辺の長さ0.001mの正方形である。圧電素子#1〜#9は、間隔d=0.25mで、アルミ平板の中央に3×3のアレイ状に配列されている。衝撃力の作用点Pは、圧電素子#2,#3,#5,#6で囲まれた領域の圧電素子#3寄りに設定されている。なお、本実施例では、構造体モデルを用いた計算機上の数値シミュレーションにより、順過程と逆過程の両過程の検証を行った。
(構造体モデルの構築)
図4に示したアルミ平板からなる構造体2を、有限要素法によりモデル化して構造体モデルを構築した。有限要素法の計算プログラムは、汎用市販ソフトウエアであるANSYS(ANSYS University Ver.7.0,high option)を用いた。ANSYSによるモデル化で使用した要素の諸元を表1に示し、アルミ平板と圧電素子の材料特性を表2に示す。この有限要素モデルでは、構造体2の表面に取り付けた圧電素子#1〜#9をモデル化し、さらに、構造体2の点Pに作用する衝撃力を発生する圧電素子もモデル化している。
Figure 2007085952
Figure 2007085952
(順過程:数値シミュレーション)
上述の構造体モデルの点Pに設定した圧電素子に振幅10V、振動数25kHzの半周期正弦波状のパルス電圧を印加して、構造体2に加わる衝撃のモデルとした。順過程における弾性波の伝播は、ANSYSにおいて積分ステップ1.0μsecでシミュレーションした。9個の圧電素子#1〜#9において、弾性波による電圧信号を求めた。図5(a)〜(i)は、9個の圧電素子#1〜#9において得られた電圧信号の例を示す。時刻t=0は、構造体2に衝撃が加わった時刻である。点Pから最も遠い圧電素子#7には、最も遅れて弾性波信号が到達している。
(逆過程:数値シミュレーション)
時間反転の対象時間を、T=1.5msecとした。すなわち、時間反転した弾性波信号は、図5(a)〜(i)に示した電圧信号から、T=1.5msecの時間間隔(t=0〜1.5msec)における電圧信号を選択し、その強度を1万倍するとともに時間軸を反転して形成した。図6(a)〜(i)に、逆過程の入力信号として用いられる時間反転して得られた弾性波信号を示す。
逆過程において、アルミ平板からなる構造体2の構造体モデルにおける全ての節点(ノード)の変位応答が計算される。図7(a)〜(d)は、衝撃が作用した点Pの位置における要素の表面側の4つの節点について、その変位応答(面外変形)の時間変化(時刻歴応答)を示す。図7(a)〜(d)に示した変位応答において、時刻t=1.5msec近傍で最大変位が生じていることがわかる。これは、時間t=1.5msecさかのぼった時点において、衝撃作用位置である点Pに、時間反転された弾性波が収束していることを示す。なお、図示しないが、時刻t=1.5msecにおいて、衝撃力が作用した点Pから要素の位置が離れると、節点の変位が急激に減少して略ゼロになる。
上述のように、逆過程において、順過程により記録されたT(msec)間の時系列の電圧信号について時間軸を反転(時間反転操作)し、この電圧信号を、振幅が小さい場合は増幅した後、構造体2に対する構造体モデル(有限要素モデル)への入力信号とする。入力信号は、時間反転前の時系列の電圧信号を検出した圧電素子を介して構造体モデルに加え、有限要素モデルで(時間反転された)弾性波の伝播と収束をシミュレーションする。弾性波が収束する位置が衝撃(衝撃荷重)の作用点Pとして同定される。また、作用点として同定された点Pにおける要素の機械的歪から、衝突によって構造体2に加わった力を同定することができる。
上述の実施例では、「順過程」についても「逆過程」と同様に構造体モデルを用いて計算機上で弾性波信号を取得したが、当然、実在の構造体2に実在の圧電素子30を取り付けて、何らかの衝撃力によって発生した弾性波信号を実測することができる。また、この実測した弾性波信号に時間反転操作を施して、構造体モデルへの入力信号とすることができる。
また、上述の実施例では、時間反転操作の対象となる弾性波信号は、構造体2に衝撃力が作用した時刻t=0から時間T(msec)間の信号を用いているが、衝撃力の位置を同定するためには、時刻t=0からの信号を用いる必要はない。すなわち、順過程における所定時間内の弾性波信号を時間反転して、逆過程における入力用の弾性波信号とすればよい。この場合、時間反転開始時刻と、時間反転した弾性波が収束した時刻とに基づいて、衝撃波が作用した時刻を同定することができる。なお、上述の実施例では、時間反転開始時刻からちょうど時間T(msec)前が、衝撃波の作用時刻になっている。
また、複数の圧電素子からの信号を用いる場合、時間反転した弾性波が収束する位置において、波の重ね合わせの原理によって、より少ない数の弾性波を用いる場合よりも弾性波の収束が鮮明になる。この場合、構造体モデルに入力する弾性波信号は、複数の弾性波測定手段によって測定する共に、所定時間長内の複数の弾性波信号を、互いに同期して時間反転する必要がある。
上述のように、本発明の時間反転操作を用いた衝撃応答装置1及び衝撃応答方法においては、構造体2に衝撃力が作用して発生する弾性波の測定結果と、構造体2を数値モデル化した構造体モデルを用いて、構造体2に作用した衝撃力に関する作用位置と時刻及び力の大きさを容易に同定できる。さらに、衝撃応答手段を備えることにより、例えば、センサ機能と自己修復機能とを有する外殻を、構造体における外界との境界部に備えた、いわゆるスマート構造を容易に実現できる。例えば、航空機や飛行体、宇宙船などに異物が付着した場合に、付着の衝撃で発生する弾性波によって付着位置を同定でき、衝撃応答手段によって、その付着位置に集中する弾性波エネルギや熱エネルギを効率的に注入し、その付着物を除去できる。
ここで、波動伝播の基礎方程式と時間反転操作について、補足説明をする。構造体に物体が衝突したことによって生じる音波(弾性波)の伝播を時系列で計測する。固体中を伝播する音波の時間軸に対する可逆性に基づいた時間反転操作(Time Reversal Processing)、または、時間反転鏡(Time Reversal Mirror)を応用して、音波を計測した信号の時間軸を反転した信号を生成する。対象とする構造体の機械的変形を計算するモデルに時間軸を反転した計測信号を入力し、時間軸を反転した音波の伝播シミュレーションを計算機上で実行し、構造体に物体が衝突したことによって生じる最初の機械的歪の発生位置と発生時刻を推定する。また、推定された構造体の最初の機械的歪から、衝突によって構造体に加わった力を同定する。
また、非減衰の等方均質弾性体での波動伝播は、運動方程式、
M×dx(t)/dt+K×x(t)=f ・・・(1)、
に支配される。ここで、x(t)は弾性波の伝播によって生じる弾性体中の節点変位ベクトルを示し、MとKは弾性体の質量行列と剛性行列を示し、fは力ベクトルであり、構造体に作用する衝撃を示す。MとKは、例えば、有限要素法により構成する。力ベクトルfによって弾性体中に入射した弾性波の伝播が時刻tに対してx(t)で与えられる。衝撃作用位置を波動源として構造体中に弾性波が伝播する。上述の運動方程式(1)に支配される非減衰の等方均質弾性体において弾性波の伝播が時系列でx(t)と与えられる。
時間軸を反転したx(−t)は運動方程式(1)を満足し、かつ、x(−t)はx(t)と逆向きに弾性体中を伝播する弾性波となる。従って、弾性体中のある一点を波動源とする弾性波の伝播x(t)が弾性体に取り付けられた超音波受発信素子でT秒間の電圧信号として検出された場合、検出された電圧信号の時間軸を反転した信号を同一の超音波受発信素子から弾性体中に入射させることによって、弾性体中に弾性波の伝播x(T−t)が生じる。ここで、x(T−t)はx(t)と逆向きに伝播し、x(t)を生じさせた弾性体の波動源に収束する。このことから、逆過程における入力用の弾性波信号は、順過程における所定時間の範囲内の弾性波信号を時間反転して用いればよいことがわかる。
次に、本発明の時間反転操作を用いた衝撃応答装置及び衝撃応答方法の適用分野及び適用技術を説明する。本発明は、表3に示すように、ある構造体に、質量を有する物体が衝突したときの、衝突位置や時刻、衝突によって加えられた力学的負荷、を同定する技術として用いることができる。この場合、衝突位置や時刻、力学的負荷を同定した後の応答は、それぞれ個別に対処した内容で行うことができる。
Figure 2007085952
また、本発明は、構造体に外部から加えられる物理的な入力を同定する技術を利用して、構造体に付着した物質の除去や改質、構造体に異物が衝突することによって生じた亀裂や損傷の修復などに用いることができる。この例を、表4に示す。
Figure 2007085952
なお、表4における3番目の技術分野における、構造体の任意の位置での機械的振動の発生は、次に示す指向性弾性波生成手段によって行われる。すなわち、図1に示した衝撃応答装置1に、構造体2の特定位置への指向性をもって構造体2を伝播する弾性波を生成する指向性弾性波生成手段を備える。この指向性弾性波生成手段は、予め、構造体の任意の表面位置に収束する弾性波を生成するための情報を備えている。この、情報は、例えば、構造体モデルの表面上の任意の点に衝撃を与えてティーチング用の弾性波を発生させ、その弾性波を弾性波測定手段3によって測定し、その弾性波の信号に時間反転操作を行って形成した弾性波信号の情報からなる。このティーチング用の弾性波から求めて時間反転した弾性波を規格化して、原型弾性波信号として保存する。このような原型弾性波信号を、構造体の表面上の点から満遍なく取得して保存してデータベースを形成しておく。
上述のデータベースを、予め形成しておくことにより、指向性弾性波生成手段は、構造体の任意の位置での機械的振動を発生することができる。その振動の発生に当たり、原型弾性波信号の増幅率を調整することにより、構造体上の所望の位置に収束する弾性表面波の強度を、機械振動や、加熱や、音響発生などに適した強度とすることができる。
また、本発明は、構造体に外部から加えられる物理的な入力の入力位置を、構造体表面における2次元平面又は2次元曲面上の位置として同定できるので、この技術を利用して、構造体と構造体外における音波との音響相互作用を行うことができる。そこで、本発明を用いて、表5に示すように、例えば、平面や曲面上の任意の領域をスピーカとして動作させるものや、平面状でありながら指向性を有するマイクとして動作させる、音響機器を構成することができる。
Figure 2007085952
上述のスピーカは、前述した指向性弾性波生成手段を用いて構成できる。指向性弾性波生成手段によって、衝撃応答手段7が出力した前記衝撃力の作用位置の情報に基づいて、その作用位置に対して予め定められた位置関係を有する構造体の特定位置、例えば、その作用位置の横(例えば、音声を発した人の耳の位置)や、その作用位置を取り囲む円環状の位置に収束する弾性波を、生成する。収束する弾性波は、可聴音波を発生するものとする。これにより、例えば、平板からなるスピーカが構成される。
なお、本発明は、上記構成に限られることなく種々の変形が可能である。例えば、構造体上に最初に衝撃力が作用した状態を再現するための構造体モデルを構築する方法として、有限要素法(FEM)の他に、有限差分法(FDM)やFDTD(Finite Difference Time Domain)法などを用いることができる。
本発明に係る時間反転操作を用いた衝撃応答装置のブロック構成図。 本発明に係る時間反転操作を用いた衝撃応答方法のフローチャート。 同上衝撃応答装置及び衝撃応答方法を説明する概念図。 同上衝撃応答装置の衝撃力作用位置の同定を説明する実施例における構造体の平面図。 (a)〜(i)は同上実施例で取得された弾性波信号の時間変化図。 (a)〜(i)は図5(a)〜(i)の弾性波信号を時間反転して得られた弾性波信号の時間変化図。 (a)〜(d)は図6(a)〜(i)の時間反転した弾性波信号によって再現された弾性波の収束を示す弾性波信号の時間変化図。
符号の説明
1 衝撃応答装置
2 構造体
3 弾性波測定手段
4 時間反転手段
5 記憶手段
6 構造解析手段
7 衝撃応答手段
30 圧電素子
P 衝撃力作用位置
R 応答
W 弾性波
#1〜#9 圧電素子

Claims (10)

  1. 構造体に衝撃力が作用したとき当該構造体に発生する弾性波を測定し、その弾性波に基づいて当該構造体への衝撃力の作用位置を同定すると共にその衝撃力によって発生した衝撃に応答する衝撃応答装置であって、
    構造体を伝播する弾性波を時間依存の弾性波信号として測定する弾性波測定手段と、
    前記弾性波測定手段によって測定した弾性波信号を時間反転して時間反転された弾性波信号を生成する時間反転手段と、
    前記構造体に関する物性情報を含む構造情報を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶した構造情報に基づいて当該構造体をモデル化した構造体モデルを構築すると共に、その構造体モデルに作用する外力とその外力によって構造体モデルの各構成点に発生する構成点の変位との関係を求める演算を行い、その演算結果を時間の関数として出力する構造解析手段と、
    前記構造体に発生した衝撃に応答する衝撃応答手段と、を備え、
    前記構造解析手段は、前記弾性波測定手段によって測定され前記時間反転手段によって時間反転された弾性波信号が前記構造体モデルに作用する外力として当該構造体モデルの構成点であって前記弾性波信号を測定した位置に対応する構成点に入力されることにより、その弾性波信号に基づいて前記演算を行い、前記構造体上に最初に衝撃力が作用した状態を前記構造体モデル上に再現してその結果を出力し、
    前記衝撃応答手段は、前記構造解析手段によって前記構造体モデル上に再現され出力された結果に基づいて当該構造体への衝撃力の作用位置を同定すると共に、前記構造体上の衝撃力の作用位置に集中するエネルギを出力し、及び/又は、構造体に作用した衝撃力を同定する情報を外部に出力することを特徴とする衝撃応答装置。
  2. 前記弾性波測定手段は、1つ又は複数の圧電素子を含み、前記圧電素子は構造体の表面に固定され、当該構造体を伝播する弾性波によって前記圧電素子が固定された構造体の表面に発生する歪みを検知すると共にその検知結果を電気信号として出力することを特徴とする請求項1に記載の衝撃応答装置。
  3. 前記時間反転手段は、前記弾性波測定手段によって測定された弾性波信号を、所定時間長の範囲内で時間反転して時間反転された弾性波信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の衝撃応答装置。
  4. 前記構造解析手段に入力される弾性波信号は、複数の弾性波測定手段によって測定されると共に、互いに同期された所定時間長内の複数の弾性波信号を時間反転したものであることを特徴とする請求項1に記載の衝撃応答装置。
  5. 前記衝撃応答手段が衝撃力を同定して出力する情報は、衝撃力の作用位置、衝撃力の作用時刻、又は、衝撃力の大きさであることを特徴とする請求項1に記載の衝撃応答装置。
  6. 前記構造体の特定位置への指向性をもって当該構造体を伝播する弾性波を生成する指向性弾性波生成手段を備え、
    前記衝撃応答手段は、前記衝撃力を同定する情報として衝撃力の作用位置の情報を出力し、
    前記指向性弾性波生成手段は、前記衝撃応答手段が出力した前記衝撃力の作用位置の情報に基づいて、当該作用位置に対して予め定められた位置関係を有する前記構造体の特定位置への指向性を有する弾性波を生成することを特徴とする請求項1に記載の衝撃応答装置。
  7. 前記指向性弾性波生成手段は、前記特定位置の構造体の表面から構造体外に可聴範囲の音波を放射する周波数帯域の弾性波を、前記指向性を有する弾性波として生成することを特徴とする請求項6に記載の衝撃応答装置。
  8. 前記衝撃応答手段は、前記同定した作用位置に集中するエネルギとして、弾性波エネルギ、熱エネルギ、及び/又は、光エネルギを出力することを特徴とする請求項1に記載の衝撃応答装置。
  9. 前記構造解析手段は、前記構造体モデルを有限要素法に基づいて構築することを特徴とする請求項1に記載の衝撃応答装置。
  10. 構造体に作用した衝撃力に応答する衝撃応答方法であって、
    衝撃同定対象の構造体を伝播する弾性波を時間依存の弾性波信号として測定する弾性波測定工程と、
    前記弾性波測定工程によって測定した弾性波信号を時間反転する時間反転工程と、
    前記構造体を数値モデル化し、そのモデルに作用する外力とその外力によって当該モデルの各構成点に発生する構成点の変位との関係を求めるための構造体モデルを構築する構造体モデル化工程と、
    前記構造体モデル化工程によってモデル化された構造体モデルに、前記弾性波測定工程と前記時間反転工程とを経て得られた時間反転後の弾性波信号を、前記構造体モデルの構成点であって前記弾性波信号を測定した位置に対応する構成点に当該構造体モデルに作用する外力として入力し、その弾性波信号に基づいて前記構造体上に最初に衝撃力が作用した状態を前記構造体モデル上に再現してその結果を出力する衝撃再現工程と、
    前記衝撃再現工程によって再現され出力された結果に基づいて当該構造体への衝撃力の作用位置を同定すると共に、前記構造体上の衝撃力の作用位置に集中するエネルギを出力し、及び/又は、構造体に作用した衝撃力を同定する情報を外部に出力する衝撃応答工程と、を備えたことを特徴とする衝撃応答方法。
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