JP2007076238A - インクジェット記録装置及び液体吐出制御方法 - Google Patents

インクジェット記録装置及び液体吐出制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 記録ヘッドの予備吐出が必要となる前記露出時間を延ばして、予備吐にいく回数を減らし印字スピードを向上させるとともに、ランニングコストを低減すること。
【解決手段】 インクジェットヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録を行う記録装置であって、予備吐からの経過時間をカウントする手段、複数の列間の吐出タイミングの制御手段、温度を検知する手段、湿度を検出する手段とを有する記録装置とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は記録装置及び液体吐出制御方法に関し、特に、インクジェット記録ヘッドを用いた記録装置及び液体吐出制御方法に関する。
インクジェット記録装置の中でも、熱等のエネルギーをインクに与えることで、インクに急峻な体積変化(気泡の発生)を伴う状態変化を生じさせ、この状態変化に基づく作用力によって吐出口からインクを吐出し、これを記録媒体上に付着させて画像形成を行う、所謂、バブルジェット(登録商標)記録装置が従来より知られている。
このインクジェット記録ヘッド(以下、記録ヘッドという)には、インクを吐出するための吐出口と、この吐出口に連通するインク流路とを備え、インク流路内に配されたインク吐出に利用される熱エネルギーを発生する電気熱変換素子として一つの吐出ヒータが配されているのが一般的である。そして、この記録ヘッドは、上記インク流路を複数個、列状に配して吐出口面を構成し、各インク流路の吐出口面とは反対側には各インク流路の後部に連通し、かつ、各インク流路の前部にインクを供給するためのインク共通液室が設けられている。
このような構成においては、吐出ヒータからの熱エネルギーを利用してインクを加熱し発泡させることによりインク滴を吐出口から吐出すると、共通液室からインク流路の前部にインクが再供給(リフィル)されるようになっている。
このような記録ヘッドを搭載した記録装置は、品位の高い画像を高速、低騒音で記録することができると共に、その記録ヘッドは吐出口を高密度に配置することができるため、記録媒体のサイズの割には小型の装置で高解像度の記録画像、白黒画像のみならず、カラー画像をも容易に得ることができるなど多くの優れた点を有している。
このため、インクジェット記録装置は近年、パーソナルコンピュータの普及により、これらの出力部としてプリンタ、複写機、ファクシミリ等の多くのオフィス機器に利用されており、大判の記録媒体を用いた出力機器、更には、捺染装置等の産業用システムにまで利用されるようになってきている。
ところがこのようなインクジェット記録装置に採用される記録ヘッドでは、吐出性能の進歩により、吐出および記録の信頼性が格段に向上してきたものの、ある一部の特殊条件においては、この信頼性が低下する場合がある。具体的には、記録開始時の吐出性能(1ドット目の吐出信頼性、以下これを発一性という)が不安定となる問題が挙げられる。
この信頼性に影響を及ぼす要素としては、記録ヘッドに用いられる様々なインクの持つ性質や、温度湿度等の環境条件、記録ヘッドの使用条件、更には記録媒体の大判化等が挙げられるが、従来のインクジェット記録装置では以下のようにしてこの影響を回避していた。
発一性に影響がある場合としては、例えば、次のような場合がある。
即ち、極めて高粘度のインクを吐出する場合には、粘度が高いために発一性が不安定となる場合がある。また、低温低湿のような極めて環境条件が悪い場合には、インクが吐出口から蒸発し、これによりインク中の水分含量が低下し、インク粘度を上昇する等のインク増粘現象やインク固着が発生するために、発一性が安定せず、記録画像の品位が低下するなどである。
これらの場合、従来、主としてインクの処方に頼り、粘度の調整あるいは色材や溶剤の調整など、発一性対策のために極めて狭いラチチュード(範囲)で開発がなされてきた。
また、記録画像の定着性(乾燥性)低下の解決を優先させて、インクに乾操性を付与する揮発成分(アルコール類など)を多量に添加して乾操性を高めたインクを用いた場合には、定着性が上がりスミアーが低減されるが、前述した発一性や固着性は悪化する。従って、定着性と発一性がある程度両立するようにインク処方は狭いラチチュードとなっていた。
また、長時間記録動作が行われずに放置された場合や高画質化のためのマルチパス記録や大判サイズの記録媒体への記録により第1吐出までの時間がかかる場合も、発一性が不安定になる。これは、インクジェット記録装置に吐出受けを備え、吐出口内のインクを記録とは別に任意のタイミングで吐出させる回復動作を行わせることで回避してきた。
以上の回避策は現在のインクジェット記録装置においてはかなり一般的であるが、その他に、例えば、特許文献1には、発一性の悪化が懸念される第1吐出には通常より大きい熱エネルギーを与えるために、吐出ヒータに与えるパルス幅を長くしたり、その吐出に関わるメインパルスの前に休止期間をおいてそれに先行する吐出には至らない幅のプレパルスを用いるなどの方法も開示している。
又、別の従来例としては、特許文献2をあげることが出来る。
特開平4−39051号公報 特開2002−240252号公報
しかしながら、インクジェット記録装置に用いる記録ヘッドの近年における高画質化、高速化を狙ったノズル設計の進歩には目覚しいものがあり、上記従来例では、そのノズル設計の成果である吐出インク液滴の小量化が原因となる発一性への悪影響が避けられない場合が出てきた。
すなわち、高画質化を狙った記録ヘッドの開口面積の縮小化が進むにつれ、吐出口からの蒸発によるインク粘度の増大が吐出口を塞ぐ速度を増すことにもつながるため、従来のインクジェット記録装置であるならば問題のなかった記録状況においても発一性が不安定になる等、従来の発一性の回避手段では対処できない場合が多く発生してきている。
本発明は上記従来例や従来例では解決できない課題に鑑みてなされたもので、従来のインクジェット記録装置と同様に、単純な構成で、吐出口の開口面積の縮小化などがなされた記録ヘッドを用いても発一性を向上させることができる記録装置及び液体吐出制御方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明者の詳細な検討から以下のことが分かった。実用上の発一性には2つの段階があり、第二段階の吐出をしないという前に、第一段階として吐出方向がずれてしまい着弾位置に影響を与える段階があることが分かった。即ち、この第一段階の影響を低減することにより、実用上の発一性を向上することができる。図2にインクジェットヘッドの吐出口面の正面図を示す、100はインクが吐出する吐出口であり、吐出口列はAとBの2列ある。記録装置でのインクジェットヘッドの走査方向が図2のX方向である時、図2に示すように1色あたり複数の吐出口列を用いる場合には、吐出口が大気に露出されていた後の1発目の吐出時にインクが増粘すると図2のX方向に吐出方向がずれてしまっていた。図2のヘッドのA,B列各々の吐出口列からのドット120の着弾位置は正常であれば図3(a)のようであるが、1発目の吐出時でインクが増粘している場合には図3(b)のように図3のX方向(図2のX方向と等しい)に着弾位置ずれが発生していた。また、図2に示すように同一の色のインクを吐出する吐出口列が複数あるのではなく1列しかない場合は図3(c)に示すように所定の着弾位置121から着弾位置ずれが発生するだけだが、図2のように同一の色のインクを吐出する吐出口列が複数ある場合は、図3(b)のように線が太くなってしまうために、印字上特に目立ってしまっていた。すなわち、同一の色のインクを吐出する吐出口列が複数ある場合には、図3(b)のように線が太くなってしまうために、1列の場合と比較して吐出口が大気にさらされている露出がより短い時間において予備吐動作が必要となってしまっていた。図4にノズル部の断面図を示す。図4の101は吐出エネルギー発生素子としての電気熱変換素子であり、インクは102の液流路より供給され、吐出口100より吐出する。このようにX方向に着弾方向がずれる原因は、図4に示すとおりインクジェットヘッドのノズル部の構造が図2のY方向には対称形であるが、X方向はインクが供給される流路があるために非対称になっているためであることが分かった。図4のように電気熱変換素子101にパルス形状に通電されることにより発泡しインクが吐出する方式の場合には、発泡した気泡の成長具合がインクの粘度によって変化してしまい、特に非対称であるX方向への吐出方向が変化することとなる。そのために、ノズル部に流路が形成されている方向が異なる場合には、X方向にずれる吐出方向が逆になるために着弾位置がずれてしまう。このようなずれを以下では“偶奇ずれ”という。偶奇ずれの量は、蒸発量によるインクの粘度によって変化する。
本発明の特徴は、インクの粘度によって変化するX方向への吐出方向を、発一性を劣化させる待機後の適当な発数まで補正することにより、発一性を向上させ、予備吐出が必要となる前記露出時間を延ばすことができ、予備吐にいく回数を低減することで印字スピードを向上させるとともに、ランニングコストを低減することを目的とする。この目的を達成するために本発明の記録装置は以下のような構成からなる。即ち、インクジェットヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録を行う記録装置であって、予備吐からの経過時間をカウントする手段、複数の列間の吐出タイミングの制御手段、温度を検知する手段、湿度を検出する手段とを有することを特徴とする記録装置である。
本発明の第一の形態による記録装置は、予備吐からの経過時間をカウントする手段、複数の列間の吐出タイミングの制御手段、とを持つことを特徴としている。
本発明の第二の形態による記録装置は、予備吐からの経過時間をカウントする手段、複数の列間および一つの列の中での端と中央での吐出タイミングの制御手段、とを持つことを特徴としている。
本発明の第三の形態による記録装置は、予備吐からの経過時間をカウントする手段、複数の列間の吐出タイミングの制御手段、とを持つことを特徴としている。
本発明によれば、1色あたり複数の吐出口列を用いるインクジェット記録装置において、吐出口が大気に露出されていた後の1発目の吐出時にインクが増粘すると、吐出口列間のインク滴の吐出方向がずれによる着弾位置ずれを大気に露出されていた時間に応じて吐出口列間の吐出タイミングを制御することで、予備吐出が必要となる前記露出時間を延ばすことができ、予備吐にいく回数を低減することで印字スピードを向上させるとともに、ランニングコストを低減することができた。
<インクジェット記録装置の説明(図1)>
図1は本発明の代表的な実施形態であるインクジェット記録装置1の構成の概要を示す外観斜視図である。
図1に示すように、インクジェット記録装置(以下、記録装置という)は、インクジェット方式に従ってインクを吐出して記録を行なう記録ヘッド3を搭載したキャリッジ2にキャリッジモータM1によって発生する駆動力を伝達機構4より伝え、キャリッジ2を矢印A方向に往復移動させるとともに、例えば、記録紙などの記録媒体Pを給紙機構5を介して給紙し、記録位置まで搬送し、その記録位置において記録ヘッド3から記録媒体Pにインクを吐出することで記録を行なう。
また、記録ヘッド3の状態を良好に維持するためにキャリッジ2を回復装置10の位置まで移動させ、間欠的に記録ヘッド3の吐出回復処理を行う。
記録装置1のキャリッジ2には記録ヘッド3を搭載するのみならず、記録ヘッド3に供給するインクを貯留するインクカートリッジ6を装着する。インクカートリッジ6はキャリッジ2に対して着脱自在になっている。
図1に示した記録装置1はカラー記録が可能であり、そのためにキャリッジ2にはマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロ(Y)、ブラック(K)のインクを夫々、収容した4つのインクカートリッジを搭載している。これら4つのインクカートリッジは夫々独立に着脱可能である。
さて、キャリッジ2と記録ヘッド3とは、両部材の接合面が適正に接触されて所要の電気的接続を達成維持できるようになっている。記録ヘッド3は、記録信号に応じてエネルギーを印加することにより、複数の吐出口からインクを選択的に吐出して記録する。特に、この実施形態の記録ヘッド3は、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット方式を採用し、熱エネルギーを発生するために電気熱変換体を備え、その電気熱変換体に印加される電気エネルギーが熱エネルギーへと変換され、その熱エネルギーをインクに与えることにより生じる膜沸騰による気泡の成長、収縮によって生じる圧力変化を利用して、吐出口よりインクを吐出させる。この電気熱変換体は各吐出口のそれぞれに対応して設けられ、記録信号に応じて対応する電気熱変換体にパルス電圧を印加することによって対応する吐出口からインクを吐出する。
図1に示されているように、キャリッジ2はキャリッジモータM1の駆動力を伝達する伝達機構4の駆動ベルト7の一部に連結されており、ガイドシャフト13に沿って矢印A方向に摺動自在に案内支持されるようになっている。従って、キャリッジ2は、キャリッジモータM1の正転及び逆転によってガイドシャフト13に沿って往復移動する。また、キャリッジ2の移動方向(矢印A方向)に沿ってキャリッジ2の絶対位置を示すためのスケール8が備えられている。この実施形態では、スケール8は透明なPETフィルムに必要なピッチで黒色のバーを印刷したものを用いており、その一方はシャーシ9に固着され、他方は板バネ(不図示)で支持されている。
また、記録装置1には、記録ヘッド3の吐出口(不図示)が形成された吐出口面に対向してプラテン(不図示)が設けられており、キャリッジモータM1の駆動力によって記録ヘッド3を搭載したキャリッジ2が往復移動されると同時に、記録ヘッド3に記録信号を与えてインクを吐出することによって、プラテン上に搬送された記録媒体Pの全幅にわたって記録が行われる。
さらに、図1において、14は記録媒体Pを搬送するために搬送モータM2によって駆動される搬送ローラ、15はバネ(不図示)により記録媒体Pを搬送ローラ14に当接するピンチローラ、16はピンチローラ15を回転自在に支持するピンチローラホルダ、17は搬送ローラ14の一端に固着された搬送ローラギアである。そして、搬送ローラギア17に中間ギア(不図示)を介して伝達された搬送モータM2の回転により、搬送ローラ14が駆動される。
またさらに、20は記録ヘッド3によって画像が形成された記録媒体Pを記録装置外ヘ排出するための排出ローラであり、搬送モータM2の回転が伝達されることで駆動されるようになっている。なお、排出ローラ20は記録媒体Pをバネ(不図示)により圧接する拍車ローラ(不図示)により当接する。22は拍車ローラを回転自在に支持する拍車ホルダである。
またさらに、記録装置1には、図1に示されているように、記録ヘッド3を搭載するキャリッジ2の記録動作のための往復運動の範囲外(記録領域外)の所望位置(例えば、ホームポジションに対応する位置)に、記録ヘッド3の吐出不良を回復するための回復装置10が配設されている。
回復装置10は、記録ヘッド3の吐出口面をキャッピングするキャッピング機構11と記録ヘッド3の吐出口面をクリーニングするワイピング機構12を備えており、キャッピング機構11による吐出口面のキャッピングに連動して回復装置内の吸引手段(吸引ポンプ等)により吐出口からインクを強制的に排出させ、それによって、記録ヘッド3のインク流路内の粘度の増したインクや気泡等を除去するなどの吐出回復処理を行う。
また、非記録動作時等には、記録ヘッド3の吐出口面をキャッピング機構11によるキャッピングすることによって、記録ヘッド3を保護するとともにインクの蒸発や乾燥を防止することができる。一方、ワイピング機構12はキャッピング機構11の近傍に配され、記録ヘッド3の吐出口面に付着したインク液滴を拭き取るようになっている。
これらキャッピング機構11及びワイピング機構12により、記録ヘッド3のインク吐出状態を正常に保つことが可能となっている。
<インクジェット記録装置の制御構成(図7)>
図7は図1に示した記録装置の制御構成を示すブロック図である。
図7に示すように、コントローラ600は、MPU601、後述する制御シーケンスに対応したプログラム、所要のテーブル、その他の固定データを格納したROM602、キャリッジモータM1の制御、搬送モータM2の制御、及び、記録ヘッド3の制御のための制御信号を生成する特殊用途集積回路(ASIC)603、画像データの展開領域やプログラム実行のための作業用領域等を設けたRAM604、MPU601、ASIC603、RAM604を相互に接続してデータの授受を行うシステムバス605、以下に説明するセンサ群からのアナログ信号を入力してA/D変換し、デジタル信号をMPU601に供給するA/D変換器606などで構成される。
また、図7において、610は画像データの供給源となるコンピュータ(或いは、画像読取り用のリーダやデジタルカメラなど)でありホスト装置と総称される。ホスト装置610と記録装置1との間ではインタフェース(I/F)611を介して画像データ、コマンド、ステータス信号等を送受信する。
さらに、620はスイッチ群であり、電源スイッチ621、プリント開始を指令するためのプリントスイッチ622、及び記録ヘッド3のインク吐出性能を良好な状態に維持するための処理(回復処理)の起動を指示するための回復スイッチ623など、操作者による指令入力を受けるためのスイッチから構成される。630はホームポジションhを検出するためのフォトカプラなどの位置センサ631、環境温度を検出するために記録装置の適宜の箇所に設けられた温度センサ632等から構成される装置状態を検出するためのセンサ群である。
さらに、640はキャリッジ2を矢印A方向に往復走査させるためのキャリッジモータM1を駆動させるキャリッジモータドライバ、642は記録媒体Pを搬送するための搬送モータM2を駆動させる搬送モータドライバである。
以上のような構成で、記録装置本体はインタフェース611を介して転送された記録データのコマンドを解析し、記録に用いる画像データをRAM602に展開する。画像データの展開領域(展開バッファ)は2次元の矩形領域であり、その横サイズをキャリッジ移動方向(主走査方向)の記録可能領域分の画素数Hpに対応させ、縦サイズを記録ヘッドの1回の記録走査で記録される記録媒体の搬送方向(副走査方向)の画素数である16×16cの4分の1(すなわち64c画素)に対応したものとして構成し、これをRAM602に確保する。
また、記録走査において記録ヘッド3に記録データを転送するために参照されるRAM602上の記憶領域(プリントバッファ)も2次元の矩形領域であり、その横サイズを主走査方向の記録可能領域分の画素数Vpに対応したもの、その縦サイズを記録ヘッドの1回の記録走査で記録される副走査方向の画素数である16×16cに対応したものとして構成し、これをRAM602の記憶領域上に確保する。
ASIC603は、記録ヘッド3による記録走査の際に、RAM602の記憶領域に直接アクセスしながら記録ヘッドに対して記録素子(吐出ヒータ)の駆動データ(DATA)を転送する。
本実施例では、予備吐からの経過時間による偶奇ずれ量が、画像の品質上の許容値を超えた場合に偶奇ずれに対して補正を掛けることを目的としている。この予備吐からの経過時間と偶奇ずれ量、また画像の品質との関係に関しては、前もって実験により求めている。本実施例の記録装置では、予備吐からの経過時間をカウントする手段を持ち、キャリッジ走査方向の記録解像度が600dpiであり、経過時間が5秒を過ぎると偶奇ずれが奇数列と偶数列の着弾位置が50μm縮まるために600dpi1画素よりも大きくなってしまう。そして、画像の品質が劣化してしまった。さらに、1回の吐出で偶奇ずれは完全には修正されず、2画素続いてしまうために、2画素は偶奇ずれを補正することとしている。
本実施例での記録ヘッドは、ヒート信号を列毎に入力できるように配線されており、列毎に駆動タイミングが設定できる構成となっている。ノズル番号が奇数側へのヒート信号はHodd、ノズル番号が偶数側へのヒート信号はHevenである。記録ヘッドの奇数列の電気熱変換素子中心と偶数列の電気熱変換素子中心との距離は212μmである。キャリッジ走査方向への記録解像度は600dpiであり、記録ヘッドの駆動周波数は15kHzであるために同じカラムに記録する時には、記録ヘッドの奇数列と偶数列との間での吐出タイミングは約333μsずれている。経過時間が5秒を過ぎると奇数列からの記録と偶数列からの偶奇ずれ量は、212−50μmの162μmになってしまう。そこで、奇数列と偶数列との吐出タイミングを通常の約333μsではなく、(162/(25400μm/600dpi))×67μs=255μsにすることにより、偶奇ずれを補正することができる。本実施例の場合は、偶奇ずれ補正は1カラムのみ行うと必要なくなるので、経過時間後の2カラム目以降は偶奇ずれ補正は行わない。こうすることにより、本発明が無い構成においては5秒で予備吐出を行っていたのを、不吐出が発生するタイミングまで延ばすことが可能となった。そして、予備吐を必要とする時間間隔を延ばすことができた。また、偶奇ずれ補正は1カラムのみではなく、ノズルの構造やインクによって1カラム以上必要な場合もあるので、1カラムには限定していない。
(第二の実施形態)
本実施例では、記録ヘッドのノズル数が多くなった時にノズル列の端部と中央部で偶奇ずれ量が異なった場合を補正することを目的としている。記録ヘッドのノズル数が多くなった時にノズル列の端部と中央部で偶奇ずれ量が異なるメカニズムに関して以下に述べる。吐出方向はインクの粘度の違いによって異なり、インクの粘度が上昇する原因は1つ1つの吐出口からの蒸発である。吐出口からの蒸発は周囲の湿度の影響を受けるので、ノズル列の中央ではある一つの吐出口の両側には別の複数の吐出口が配置されている場合は他の吐出口からの蒸発によって周囲の湿度が高くなるが、ノズル列の端の吐出口の両側では片側の吐出口の数が少ないために周囲の湿度が中央と比較して低くなってしまう。そのため、ノズル列の端の吐出口は中央の吐出口よりも蒸発しやすくなり、ノズル内のインク粘度が上昇しやすくなるために、吐出方向がノズル列の中央と端で異なる。
本実施例の記録装置では、予備吐からの経過時間をカウントする手段を持ち、温度によってインクの粘度が変化するために温度検出手段を持っている、記録ヘッドは、ヒート信号を列毎だけでなく、一つのノズル列の中央部と端部でも分けて入力できるように配線されており、ノズル列の列毎、列内の中央部と端部で異なる駆動タイミングが設定できる構成となっている。本実施例では、記録ヘッドのノズル数は256ノズル/列であり、列内の端部はノズル番号の小さい側と大きい側の各々20ノズルである。20ノズルに設定したのは、図5(記録ドットの端部を示している)に示すように、20ノズルまでは経過時間が3秒になると20〜50μmのずれが生じるためである。端の20ノズルの内でも中央部に近いノズルから吐出されて記録されたドットはズレ量が少なくなる。そして、ノズル番号が奇数側でかつ列中央部のヒート信号はHcOdd、ノズル番号が奇数側でかつ列端部のヒート信号はHeOddである。また、ノズル番号が偶数側でかつ列中央部のヒート信号はHcEven、ノズル番号が奇数側でかつ列端部のヒート信号はHeEvenである。記録ヘッドの奇数列の電気熱変換素子中心と偶数列の電気熱変換素子中心との距離は212μmである。キャリッジ走査方向への記録解像度は600dpiであり、記録ヘッドの駆動周波数は15kHzであるために同じカラムに記録する時には、記録ヘッドの奇数列と偶数列との間での吐出タイミングは約333μsずれている。15℃の環境において、経過時間が3秒を過ぎると“奇数列でかつ列端部”と“偶数列でかつ列端部”からの記録と偶数列からの偶奇ずれ量は、212−50μmの162μmになってしまう。そこで、“奇数列でかつ列端部”と“偶数列でかつ列端部”の吐出タイミングを通常の約333μsではなく、(162/(25400μm/600dpi))×67μs=255μsにすることにより、ノズル列の端部で早い経過時間から発生する偶奇ずれを補正することができる。また、経過時間が5秒を過ぎると“奇数列でかつ列端部”と“偶数列でかつ列端部”からの記録と偶数列からの偶奇ずれ量は、212−70μmの142μm、ノズル列中央の偶奇ずれ量は、212−50μmの162μmになる。そこで、“奇数列でかつ列端部”と“偶数列でかつ列端部”の吐出タイミングを通常の約333μsではなく、(142/(25400μm/600dpi))×67μs=224μsにし、さらにノズル列中央の偶数列と奇数列との吐出タイミングも通常の約333μsではなく、162/(25400μm/600dpi))×67μs=255μsにすることにより、偶奇ずれを補正することができる。こうすることにより、本発明が無い構成においては3秒で予備吐出を行っていたのを、不吐出が発生するタイミングまで延ばすことが可能となった。そして、ノズル列内で偶奇ずれ量の違いがある場合でも予備吐を必要とする時間間隔を延ばすことができた。また記録装置に湿度検出手段を設けておいて、湿度と温度と経過時間の関係からヨレ量を前もって実験により求めておいて、偶奇ずれ量を補正しても良い。
(第三の実施形態)
本実施例では、予備吐から印字終了までの制御シーケンスを図6に示す。この処理はROM602に格納された制御プログラムをMPU601が読み出して実行することにより行われる。
二つの独立したタイマーを動作させており、偶奇ずれ補正が必要となるタイミングのためにはタイマーAを、予備吐出が必要となるタイミングのためにはタイマーBを設けている。
偶奇ずれ補正が必要となる時間の閾値をTA、予備吐出が必要となる時間の閾値をTBとしている。本発明は予備吐出が必要となる閾値を偶奇ずれ補正によって延ばすことを目的としているので、TB>TAである。まず、記録装置1がホスト装置(以下、ホストという)610からの記録データ待ちの状態では、吐出口からの水分及び溶剤の蒸発を防止するために記録ヘッド3のノズルの吐出口をホームポジションにおいてキャッピング機構11によりキャップしている。このような状態で、記録データをホスト610からを受信するとステップS301では、キャッピング機構11を動作させて記録ヘッド3の吐出口面がキャップされている状態から開放し、次にステップS302では予備吐出を行う。
そして、その予備吐出の動作後に処理はステップS303においてタイマーAとタイマーBを0リセットした後、タイマーカウントをスタートしステップS304で記録動作を開始する。次にステップS305では記録ヘッド3を移動させて記録走査を行う。各記録走査の間では記録ヘッド3の移動速度を減速させ、その後、移動方向を反転させ、次の記録走査のために加速させる制御を実行する。この実施形態では1記録走査が終了し記録ヘッド3の移動速度を減速させる制御に移行する前に、ステップS306において記録終了であるかどうかを調べ、記録終了と判断されれば処理はそのまま終了するが、記録継続と判断されれば処理はさらにステップS307に進む。S307において、その時点でのタイマーAでカウントした時間が経過時間の閾値(TA)を超えていなければそのまま記録走査を継続するが、超えている場合にはS308に進む。S308では、タイマーBでカウントした時間が経過時間の閾値(TB)を超えていない場合には、偶奇ずれ補正は必要であるが予備吐出は必要で無いというケースになっているので、S309にて偶奇ずれ補正を行った上でS305で記録走査を行う。本実施例では、記録走査を行う際には、偶奇ずれ補正は1カラムのみ行うと必要なくなるので、経過時間後の2カラム目以降は偶奇ずれ補正は行わない。S308でタイマーBでカウントした時間が経過時間の閾値(TB)を超えた場合には、予備吐出が必要であるケースであるので、S310で予備吐出を行った上でS311においてタイマーA、Bを0リセット後カウントをスタートし、記録走査に戻る。こうすることにより、本発明が無い構成においてはまず予備吐出を行っていたのを、不吐出が発生するタイミングまで延ばすことが可能となった。そして、ノズル列内で偶奇ずれ量の違いがある場合でも予備吐を必要とする時間間隔を延ばすことができた。また記録装置に温度検出手段や湿度検出手段を設けておいて、湿度と温度と経過時間の関係からヨレ量を前もって実験により求めておいて、偶奇ずれ量を補正しても良い。
本発明のインクジェット記録装置の構成を示す外観斜視図である。 インクジェットヘッドの吐出口面の正面図である。 ヘッドのA,B列各々の吐出口列からのドットの着弾位置を表す図である。 ノズル部の断面図である。 記録ドットの端部を示す図である。 予備吐から印字終了までの制御シーケンスである。 記録装置の制御構成を示すブロック図である。

Claims (11)

  1. 同一の色のインク滴を吐出するための複数の吐出口列を持った記録ヘッドを記録媒体上で移動させ、前記複数の吐出口列からインク滴を吐出させて記録を行うインクジェット記録装置の吐出制御方法において、
    前記吐出口が大気にさらされている露出時間をカウントする工程と、前記同一の色のインク滴を吐出するための複数の吐出口列同士の吐出タイミングを前記露出時間に応じて調節する工程と、前記露出時間に応じて予備吐動作を行う工程とを具えたことを特徴とするインクジェット記録装置の吐出制御方法。
  2. 前記吐出タイミングを調節する工程での露出時間より、前記予備吐動作を行う工程での露出時間の方が長いことを特徴とする、請求項1に記載のインクジェット記録装置の吐出制御方法。
  3. 前記記録ヘッドは、熱エネルギー発生素子を具え、該熱エネルギー発生素子を発熱させてインク中に気泡を発生させ、該気泡の生成圧力によってインク滴を吐出することを特徴とする請求項1,又は、請求項2に記載のインクジェット記録装置の吐出制御方法。
  4. 前記吐出タイミングを前記吐出口列の端と中央で前記露出時間に応じて独立に調節する駆動制御手段を具えたことを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれかに記載のインクジェット記録装置の吐出制御方法。
  5. 前記同一の色のインク滴を吐出するための複数の吐出口列同士は、液流路によって供給される方向が、前記記録ヘッドの走査方向に異なっていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のインクジェット記録装置の吐出制御方法。
  6. 同一の色のインク滴を吐出するための複数の吐出口列を持った記録ヘッドを記録媒体上で移動させ、前記複数の吐出口列からインク滴を吐出させて記録を行うインクジェット記録装置において、
    前記吐出口が大気にさらされている露出時間をカウントする手段を持ち、同一の色のインク滴を吐出する前記複数の吐出口列同士の吐出タイミングを前記露出時間に応じて調節する駆動制御手段と、前記露出時間に応じて予備吐動作を行う駆動制御手段とを具えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  7. 前記吐出タイミングを前記吐出口列の端と中央で前記露出時間に応じて独立に調節する駆動制御手段を具えたことを特徴とする請求項6に記載にインクジェット記録装置。
  8. 前記記録媒体において所定の位置関係で吐出されるべき同色のインク滴を吐出する複数の吐出口列からのインク滴それぞれの吐出タイミングを前記露出時間だけではなく、ヘッド温度とヘッド周囲の湿度の両方もしくは片方の検出情報に応じて調節することを特徴とする請求項6、又は請求項7に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記吐出口が大気にさらされている露出時間をカウントする手段を少なくとも一つ持ち、前記露出時間が吐出タイミングの補正が必要かどうかを判断する判断手段と、前記判断手段による判断結果に従って記録媒体において所定の位置関係で吐出されるべき同一の色のインク滴を吐出する複数の吐出口列からのインク滴それぞれの吐出タイミングを調節する駆動制御手段とを具えたことを特徴とする請求項6から請求項8のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記判断手段では、前記露出時間が予め設定された偶奇補正をするかどうかの閾値を超えているかを判断する工程1と、前記露出時間が予め設定された予備吐出をするかどうかの閾値を超えているかを判断する工程2との二つの工程により判断結果を出すことを特徴とする請求項9に記載のインクジェット記録装置。
  11. 前記同一の色のインク滴を吐出するための複数の吐出口列同士は、液流路によって供給される方向が、前記記録ヘッドの走査方向に異なっていることを特徴とする請求項6から10のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
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