JP2007075383A - 無侵襲超音波膀胱内圧測定器 - Google Patents
無侵襲超音波膀胱内圧測定器 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 膀胱の内圧を測定するに際して尿道からカテーテル等を挿入することによって患者に負担を与えることなく、容易に且つ正確に、膀胱内圧を検出することができる無侵襲超音波膀胱内圧測定器を提供する。
【解決手段】 無侵襲超音波膀胱内圧測定器は、患者の膀胱に向けて超音波を発信し反射エコーを受信する超音波プローブ5を下腹部2に固定し、受信した反射エコーの信号を制御・データ処理部18で解析し、膀胱内圧の変化による所定の反射エコーの変化を検出する。反射エコーの変化の検出に際しては、膀胱後壁領域の内部側と外部側の反射エコーの強度の比の関数を演算し、内部側からの反射エコーの強度が、外部側からの反射エコーの強度より所定以上大きくなる変化を検出する。このときの膀胱の蓄尿状態が尿意を感じるべき時であり、その旨を外部に出力する。
【選択図】図1
【解決手段】 無侵襲超音波膀胱内圧測定器は、患者の膀胱に向けて超音波を発信し反射エコーを受信する超音波プローブ5を下腹部2に固定し、受信した反射エコーの信号を制御・データ処理部18で解析し、膀胱内圧の変化による所定の反射エコーの変化を検出する。反射エコーの変化の検出に際しては、膀胱後壁領域の内部側と外部側の反射エコーの強度の比の関数を演算し、内部側からの反射エコーの強度が、外部側からの反射エコーの強度より所定以上大きくなる変化を検出する。このときの膀胱の蓄尿状態が尿意を感じるべき時であり、その旨を外部に出力する。
【選択図】図1
Description
本発明は、無侵襲的な膀胱機能診断を行うため、腹部体表面の恥骨直上部に設定したプローブから送受信される超音波を用いて測定される膀胱後壁エコーのピーク構造を分析することにより、膀胱内圧情報を取得することができるようにした無侵襲超音波膀胱内圧測定器に関するものである。
人体にとって水分は極めて重要な役割を持っており、過剰な水分は主として腎臓が血液中から不要な代謝物と共に抽出し、尿管を経由して膀胱内に蓄尿し、所定量以上になると尿意を感じ、尿として尿道から体外へ排出させる。膀胱から尿道への出口には自律神経に支配される膀胱三角筋があり、膀胱周囲の排尿筋の弛緩との相互作用によって尿を外部に出さないよう自律的な引き締めによって膀胱内に尿を蓄え、尿意を感じたときは自分の意志即ち随意神経の作用で尿道を取り巻く尿道括約筋を緩め、自律的な膀胱三角筋の弛緩及び排尿筋の引き締め等によって排尿する事ができるようになっている。
このような膀胱における蓄尿と排尿、及び排尿のきっかけとなる尿意等の膀胱に関連する各種作用は、交感神経と副交感神経のバランスからなる自律神経及び随意神経が重要な役割を果たしており、例えば交通事故や膀胱及び膀胱周囲の各種器官の手術を行ったとき等には、これらの神経や筋組織等を損傷する事があり、そのようなときには排尿機能障害を生じ、膀胱内に多量に蓄尿した尿を排出できなくなる事がある。このような排尿障害が生じていると思われるときには、膀胱内に所定量以上蓄尿したにも関わらず尿意を感じない、という状態を実際に検査する必要がある。
また、このような排尿障害はリハビリ訓練によって機能を回復あるいは補償することも可能であるため、リハビリ効果を確認するためにも所定量以上蓄尿したときに、膀胱括約筋の弛緩あるいは自己カテーテル等により適切に排尿する事ができるようになったかを、継続的に検査する必要もある。更に、尿意は各種神経と関連する複雑な感覚であり、膀胱内に所定量以上の蓄尿が生じたときにはその尿意によって排尿しなければならないのに対して、その感覚が働かないときには自分の知らないうちに膀胱内に多量の蓄尿が生じ、膀胱変形を生じることもあり、膀胱内の過剰蓄尿状態を随時監視する必要もある。
更に膀胱の作用に関連する前記のような神経に障害があるときには膀胱や尿道の筋肉が適切に働かないことがあり、僅かの蓄尿でも無意識に排尿してしまう尿失禁を生じる。この尿失禁における例えば尿道括約筋の強化訓練等の各種治療においても、膀胱内に所定以上の蓄尿があっても尿失禁を生じなくなったか否か検査する必要がある。
このような膀胱に関連する各種の問題は、前記のような各種事故でも発生するが、特に我が国における高齢化によって、各種神経や筋機能が低下した人が多くなることにより著しく多くなっている。このような人にとって日常の機能回復訓練、更には或る程度の障害を持ったまま社会生活に復帰せざるを得ないとき、膀胱内の蓄尿の状態を監視する必要がある。
膀胱内の蓄尿の状態を監視するには、膀胱の容量を測定することが主として行われている。膀胱内の蓄尿量の増大によって膀胱の周囲及び上方から各種臓器で押されていた膀胱が、周囲の臓器を押し返し、また上方の臓器を押し上げて拡張する。このように増大した膀胱の大きさが膀胱容量である。
所定の膀胱内の容量に対して尿意を感じるか、或いは排尿できるかを検査する手法として、例えば膀胱内に所定量の生理食塩水を注入し、そのときの感覚、或いは蓄尿排尿機能を検査する事も行われる。膀胱内に生理食塩水を注入するには尿道からカテーテルを膀胱に入れる必要がある。この方法は被検患者にとっては、一般に強い肉体的精神的苦痛を発生させるものであり、その改善が求められている。
その対策として、上記のように膀胱にカテーテルを挿入するのではなく、膀胱に自然に蓄尿されることによって膀胱が所定の容量になった事を検出する事が考えられ、このような膀胱内の蓄尿状態を監視する手法として、超音波診断装置によって膀胱の拡張状態を検出する事も、病院において行われる事もある。しかしながら、この超音波診断装置は病院内機器として作られているため高価でかつ大型であり、常時膀胱の状態を監視するには適しておらず、特に定常生活を行っている患者が定常的に蓄尿状態を監視することはできない。
それに対して、膀胱の拡張状態を検出し、蓄尿状態を監視する装置を小型化し、特に患者が定常的に蓄尿状態を監視することができるようにするため、本発明者等は特開平7−171149号公報に記載されているような超音波プローブを用いて、膀胱の拡張状態を検出する技術を提案している。
特開平7−171149号公報
前記のように従来の膀胱の蓄尿状態を監視する手法は、膀胱に蓄尿されるに従って膀胱の容積が増大する点に着眼し、膀胱に所定量の生体食塩水を尿道を通したカテーテルにより注入して尿意を観察し、或いは超音波診断装置によって膀胱の拡張状態を検出し、更には腹部に当てた超音波プローブにより膀胱の拡張状態を検出していた。
しかしながら、尿意は単に膀胱の所定量の拡張によって生じるものではなく、膀胱に蓄尿された量によって尿意を感じるには各人の体格の相違などとも関連して膀胱の大きさが異なり、また通常膀胱に蓄尿できる量に対して尿意を感じる時の蓄尿量も各人の個性によって異なる。特に膀胱周辺の筋肉は自律神経により緊張或いは弛緩し、それにより尿意も変化するが、自律神経は体調や精神状態によって異なり、したがって前記のように単に膨張の拡張状態を検出するのみでは、本来の尿意を感じるべき状態であるか否かの判断を行うと、多くの誤差を生じることとなる。
一方、上記のような膀胱内の蓄尿によって膀胱容量が増大していくとき、正常膀胱においては、尿排出時における膀胱内圧の大きな上昇に至るまでは、例えば図3に示すように、ごく僅かの穏やかな上昇を示すのみである。
もしも、蓄尿初期時に大きな内圧上昇が生じるケース、或いは尿排出時に至っても大きな内圧上昇が生じないケースが発生するならば、前記のような尿意を感じるか否かにかかわらず、それ自体が何らかの膀胱機能の異常を示す現象として、臨床診断上、注目すべきものとされている。このようなときにおける従来の検査においても、前記のように体外から膀胱内に挿入されたカテーテルを用いて、生理食塩水等を注入すると共にカテーテルに組み込まれた圧力センサを用いて膀胱内圧が測定される。
尿意の発生は膀胱内圧の上昇経過と対応している。排尿直前の尿意が急激に高まる様相は膀胱内圧の急激な高まりを反映するものである。通常の蓄尿時には下部尿路中枢の働きで膀胱壁は弛緩し続けており、膀胱内圧はごく僅かしか上昇しない。このとき尿意の元になる膀胱壁の緊張もごく僅かに高まるのみであると考えられる。
この考えを支持する実験データが得られたことが本発明の発想の基本となっている。即ち、膀胱に次第に蓄尿し、本来尿意を感じるべき状態までに蓄尿したときとは、膀胱内の圧力が所定以上上昇したとき、ということができる。このことは膀胱内の圧力が所定以上上昇すると生体はこれを外部に排尿する必要があるため、尿意を感じなければならず、ここには前記のような膀胱の容量と尿意との関係においてみられる各人の個体差はほとんど無くなる。
このように、膀胱内の蓄尿による尿意を感じる状態は、従来のような膀胱の容量を検出するものよりも、膀胱内の圧力を検出する方が、個体差にあまり影響されない正確な尿意に関連するデータということができる。この膀胱内の圧力を検出するに際し、そのためにも前記のような生理食塩水の注入と同様の圧力測定手法を用いると、尿道から少なくとも圧力センサを挿入する必要があり、挿入する適切な圧力センサがないときには従来と同様にカテーテルを挿入して圧力を検出しなければならず、患者にとって苦痛であることは前記の通りである。
本発明は上記のような尿意を膀胱の拡張状態によって検出する従来技術の問題点を解決し、本来尿意を感じるべき状態であることを膀胱内圧によって検出することが適切であることに着目し、且つ、膀胱の内圧を測定するに際して尿道からカテーテル等を挿入することによって患者に負担を与えることなく、容易に且つ正確に、膀胱内圧を検出することができる無侵襲超音波膀胱内圧測定器を提供することを主たる目的とし、また前記のような尿意に関連しない場合でも膀胱内圧力を容易に且つ正確に測定してそのデータを各種診断等に用いることができるようにすることを目的とする。
本発明者等は上記課題を解決するため、各種実験を試み多くの思考を重ねた結果、前記図3に示すような膀胱内圧の特性に着目し、また、膀胱内圧の上昇に伴う膀胱壁の緊張が生じ、膀胱内壁の緊張によって超音波の反射特性が大きく変化することに更に着目することによって本発明に至ったものである。
即ち、膀胱に蓄尿していくに従って膀胱は周囲の臓器を押しながら拡張して内圧は上昇していくものの、収縮している膀胱自体は比較的伸張しやすい構造となっているため内圧は僅かの穏やかな上昇を示すのみである。しかしながら、膀胱がもつ本来の大きさ迄拡張すると、膀胱を形成する筋層が伸ばされ、所定以上伸びると膀胱の拡張に対して大きな抵抗となり、図3中最大尿意として示している容積迄増大すると、この膀胱壁の緊張によって大きな尿意を感じることとなる。
また、このように膀胱壁が緊張すると、前記のように本発明者等が提案している超音波により膀胱の拡張状態を検出する技術において、膀胱壁を透過する超音波のエネルギーは減少し、背後の臓器からのエコーが小さくなることが各種の実験により見出された。その実験結果を図4に示す。同図から明らかなように、前記従来技術と同様に人体1の下腹部2における恥骨3の上部に超音波4の発信と受信を行うプローブ5を配置し、膀胱側に向けて超音波4を発信して反射エコーを受信すると、同図(a)(ii)に示すように膀胱の蓄尿が少なく、プローブ5から見ると実質的に恥骨3の背部に存在する状態の時は、プローブ5からの超音波4は膀胱にほとんど当たることが無く、膀胱6が存在する部分の背後に位置する直腸等の背後臓器7に達する前に超音波が散乱吸収され、同図(a)(i)に示すように反射エコーは、プローブ5に近接した部分の腹筋等の他の生体組織によって反射されるプローブ近接部分のエコー以外はほとんど存在しない。
その後図4(b)(ii)に示すように膀胱の蓄尿が進行し、プローブ5からの超音波4が膀胱6を透過するようになると、同図(b)(i)に示されるように、膀胱後壁領域において弱い反射エコーが分散して観察される。この時の反射エコーは膀胱後壁領域の内部側と外部側で反射エコーが多く生じ、図から明らかなように外部側の反射エコーが内部側よりも大きいことがわかる。この状態では多くの場合、尿意を感じないか弱い尿意を感じるのが通常である。更に膀胱の蓄尿が進行すると同図(c)(ii)に示されるように膀胱が拡張し、膀胱はほぼ所定の大きさとなるとき、前記図3に示すように次第に膀胱内圧が上昇していくこととなる。この時の反射エコーは同図(c)(i)に示されるように膀胱後壁領域における内部側で大きな反射エコーを生じ、後部側よりも大きなものとなる。これは膀胱後壁領域が緊張することにより膀胱内部側が緊張し、超音波を反射するためと考えられる。
更に膀胱に蓄尿されると、図4(d)(ii)に示されるように膀胱は更に膀胱を形成する筋を強く伸ばして更に緊張させ、内部の膀胱圧力は上昇する。この時の反射エコーは同図(d)(i)に示されるように膀胱後壁領域の内部側でほとんどが反射され、後方に透過する超音波が少なくなり、且つ後部側からの反射エコーも遮られるためと考えられる。本発明は、このような現象を突き止めることによりなされた発明である。
本発明は上記のような現象を突き止め、以下のような構成とすることにより前記課題を解決する事ができるものである。即ち、本発明に係る無侵襲超音波膀胱内圧測定器は、前記課題を解決するため、患者の膀胱に向けて超音波を発信し、反射エコーを受信する超音波プローブと、受信した前記反射エコーの信号を解析し、膀胱内圧の変化による所定の反射エコーの変化を検出する波形解析手段と、前記波形解析手段で前記所定の反射エコーの変化を検出したとき、膀胱内圧が所定値以上になった信号を出力する検出結果出力手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る他の無侵襲超音波膀胱内圧測定器は、前記無侵襲超音波膀胱内圧測定器において、前記超音波プローブを腹部に固定し、前記波形解析手段は、膀胱後壁領域の内部側と外部側の反射エコーの変化によって所定の膀胱内圧を検出することを特徴とする。
また、本発明に係る他の無侵襲超音波膀胱内圧測定器は、前記無侵襲超音波膀胱内圧測定器において、前記膀胱後壁領域の内部側と外部側の反射エコーの変化は、内部側からの反射エコーの強度が、外部側からの反射エコーの強度より大きくなる変化であることを特徴とする。
また、本発明に係る他の無侵襲超音波膀胱内圧測定器は、前記無侵襲超音波膀胱内圧測定器において、前記膀胱後壁領域の内部側と外部側の反射エコーの強度の比の関数を演算する手段を備え、前記膀胱後壁領域の内部側と外部側の反射エコーの変化は、前記関数が所定値を超える変化であることを特徴とする。
本発明によると、膀胱内にカテーテルを挿入することなく、腹部体表面恥骨直上部に設置してプローブから送受信される超音波を用いて測定される膀胱後壁エコーのピーク構造を分析することにより、膀胱内圧情報を容易に且つ正確に取得することが可能となるため、従来方式の課題となっている、カテーテル挿入に伴う被検患者の苦痛が解消され、患者に優しい検査法が実現される。泌尿器科診断において主要な検査手法となっている膀胱内圧測定が無侵襲化されることは、他の臓器機能検査においても無侵襲法の導入の弾みとなるものであり、医療診断において問題となっている被検患者に強い負担を強いる検査法の改善への突破口となることが期待されるものである。
本発明は、膀胱の内圧を測定するに際して尿道からカテーテル等を挿入することによって患者に負担を与えることなく、容易に且つ正確に、膀胱内圧を検出することができる無侵襲超音波膀胱内圧測定器を提供するという目的を、患者の膀胱に向けて超音波を発信し、反射エコーを受信する超音波プローブと、受信した前記反射エコーの信号を解析し、膀胱内圧の変化による所定の反射エコーの変化を検出する波形解析手段と、前記波形解析手段で前記所定の反射エコーの変化を検出したとき、膀胱内圧が所定値以上になった信号を出力する検出結果出力手段とを備えた無侵襲超音波膀胱内圧測定器とする事により解決した。
上述のような膀胱内圧情報を取得する新規原理に基づく無侵襲超音波膀胱内圧測定器は、例えば図1に示すようなブロック図からなる装置によって実施することができる。同図において、人体1の下腹部2の体表面から膀胱形状に最適な位置に装着した、複数の超音波振動子を内蔵している超音波プローブ5で、超音波を恥骨3で遮られず、かつできる限り膀胱の縮小時から最大拡張時の膀胱上端を含む適当な方向に発信し、臓器等で反射した超音波エコーを検出する。超音波プローブ5から発射される超音波は、超音波振動子を励振させるパルス発生回路を含む超音波励振回路12によって制御され、この超音波励振回路12は、複数の超音波の送受信を時分割管理し、波形収録回路等との同期を行うタイミング発生回路13によって制御されている。
超音波プローブ5から送信される超音波振動子からの信号は人体に有害性の無い非常に小さいものなのでその反射エコーの信号も小さく、そのため大きな増幅が必要とされるため、低雑音増幅器14を用いて増幅した後、後段の可変増幅器15に送り、低雑音増幅器14からの後壁エコー振幅が飽和せず、評価に適切な値となるように、制御データ処理部18によって自動増幅率制御19がなされる。可変増幅器15からの増幅信号は、AD変換回路16でアナログ信号である超音波エコーをデジタル信号に変換し、AD変換された超音波波形を格納する高速メモリである波形メモリ17にこれを記録する。
制御・データ処理部18では、前記自動増幅率制御部19の他、マイクロプロセッサーを中心とした収録波形解析20等のデジタル信号処理を行い、また、膀胱内圧推定計測22のためのシーケンス処理を司ると共に、尿意検出21を行う。データのサンプリングは1回の指標算出に対してバースト状に複数行い、平均化処理し、逐次変化する膀胱後壁エコー及びその後方に発生する臓器エコー情報の信頼性を高める。また、上記情報を求めるのに必要なパラメータ、測定結果は本体に内蔵されたリムーバブルメモリに記録され、これをパーソナルコンピュータで読み出し、再処理できる。
特にこの制御・データ処理部18では内圧推定部22において、膀胱後壁領域の外部側エコー強度Eiと外部側エコー強度Eoとの比であるR=Ei/Eoについての関数としての膀胱内圧推定値P=f(R)を計算する。この膀胱内圧推定値によって本来あるべき尿意を検出することもできる。
表示部23は測定に際しての各種設定入力のための表示を行い、また超音波エコーを受信した後の膀胱内圧の測定結果等を表示する。また記録部24においては、前記表示部23で表示したデータと同様のものを、リムーバブルメモリ等に記録し、使用者の測定データを保管する。保管されたデータはパーソナルコンピュータ等で読み取り解析して、必要に応じてプリントし、また各種診断等に使用する。操作部25においては、各種設定のためのパラメータのキー入力等、利用者によるこの装置への種々の入力を行う。
上記のような装置からなる本発明による無侵襲超音波膀胱内圧測定器は、例えば図2に示されるような装置構成とすることができる。即ち、超音波を発信し反射エコーを受信するプローブ26をコード27により接続した本体28に、表示部29、操作スイッチ30等を配置して、図1に示す機能部が全てが収納、及び配置され、極めてコンパクトな装置となり、患者自身が自由に持ち運び可能とすることができる。評価部31として示される本体28は種々の形状とすることができ、衣服のポケット等の収納部に収納し、利用者が本来尿意を感じるべき状態になったこと、等を例えば携帯電話呼び出し音のような音を出力し、利用者がいつでも知ることができるようにもなる。
図5は本発明の作動を確認するため、従来方式の膀胱内圧検査を施行中に、本発明による装置を組み込んで試作したセンサによって測定を行った結果を示している。この測定結果は図6の本発明の原理を示す図に表されているように、膀胱内圧が大きく上昇する前後において、膀胱後壁領域の超音波エコーのピーク構造に特徴的な変化が認められる。即ち、内圧上昇前においては膀胱内部側の壁面エコーのより小さなピークと外部側のより大きなピークが出現するのと対称的に、内圧上昇後においては膀胱内部側の壁面エコーのより大きなピークと外部側のより小さなピークが出現するというピーク構造の変化が明瞭に認められる。なおこのような測定結果のデータは、図3(a)〜(d)の(i)にも詳細に示されている。
実験結果を示す図5のデータのように、膀胱後壁領域で生じる超音波エコーのピーク構造が膀胱内圧に依存して変化する、という特性は、膀胱後壁エコーのピーク構造を詳細に分析することにより、膀胱内圧情報を取得することが可能であることを示すものである。即ち膀胱内圧は膀胱後壁領域の内部側エコーと外部側エコーの比率の関数として表すことができるものである。
本発明は膀胱内の蓄尿による尿意を感じる膀胱状態を膀胱内圧によって検出する以外に、尿意とは関係なく膀胱の内圧を測定して各種の診断データとして用いることもでき、また、小型の装置を患者が日常生活中で持ち運び、排尿時期を常時監視する等の、各種の分野で使用することができる。
1 人体
2 下腹部
3 恥骨
4 超音波
5 超音波プローブ
6 膀胱
12 超音波振動子励振回路
13 タイミング発生回路
14 低雑音増幅器
15 可変増幅器
16 AD変換回路
17 波形メモリ
18 制御・データ処理部
19 自動増幅率制御
20 収録波形解析
21 尿意検出
22 内圧計測
23 表示部
24 記録部
25 操作部
2 下腹部
3 恥骨
4 超音波
5 超音波プローブ
6 膀胱
12 超音波振動子励振回路
13 タイミング発生回路
14 低雑音増幅器
15 可変増幅器
16 AD変換回路
17 波形メモリ
18 制御・データ処理部
19 自動増幅率制御
20 収録波形解析
21 尿意検出
22 内圧計測
23 表示部
24 記録部
25 操作部
Claims (4)
- 患者の膀胱に向けて超音波を発信し、反射エコーを受信する超音波プローブと、
受信した前記反射エコーの信号を解析し、膀胱内圧の変化による所定の反射エコーの変化を検出する波形解析手段と、
前記波形解析手段で前記所定の反射エコーの変化を検出したとき、その旨の膀胱内圧が所定値以上になった信号を出力する検出結果出力手段とを備えたことを特徴とする無侵襲超音波膀胱内圧測定器。 - 前記超音波プローブを腹部に固定し、
前記波形解析手段は、膀胱後壁領域の内部側と外部側の反射エコーの変化によって所定の膀胱内圧を検出することを特徴とする請求項1記載の無侵襲超音波膀胱内圧測定器。 - 前記膀胱後壁領域の内部側と外部側の反射エコーの変化は、内部側からの反射エコーの強度が、外部側からの反射エコーの強度より大きくなる変化であることを特徴とする請求項2記載の無侵襲超音波膀胱内圧測定器。
- 前記膀胱後壁領域の内部側と外部側の反射エコーの強度の比の関数を演算する手段を備え、前記膀胱後壁領域の内部側と外部側の反射エコーの変化は、前記関数が所定値を超える変化であることを特徴とする請求項2記載の無侵襲超音波膀胱内圧測定器。
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2005
- 2005-09-15 JP JP2005267723A patent/JP2007075383A/ja active Pending
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