JP2007069284A - ナノワイヤーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便にナノワイヤーを製造する方法を提供すること。
【解決手段】共役結合を有する有機分子をアクセプター分子とする電荷移動錯体を溶解した液を調製し、この溶液から溶媒を蒸発させることによってワイヤー状析出物を析出させる。前記電荷移動錯体を構成するアクセプター分子及びドナーは、好ましくは、環状共役構造を有する有機分子である。このナノワイヤーの製造方法では、溶媒を10時間以内に蒸発させることが推奨される。
【選択図】なし
【解決手段】共役結合を有する有機分子をアクセプター分子とする電荷移動錯体を溶解した液を調製し、この溶液から溶媒を蒸発させることによってワイヤー状析出物を析出させる。前記電荷移動錯体を構成するアクセプター分子及びドナーは、好ましくは、環状共役構造を有する有機分子である。このナノワイヤーの製造方法では、溶媒を10時間以内に蒸発させることが推奨される。
【選択図】なし
Description
本発明はナノワイヤーの製造方法に関し、より詳細には対カチオン(ドナーなど)とアクセプター分子が並んだナノワイヤーの簡便な製造方法に関する。
分子性材料を用いたナノ構造体の作成法を確立することは、ナノデバイスを実現するために不可欠である。特にドナーとアクセプター分子とからなる伝導性電荷移動錯体を利用したナノ構造体は、優れた伝導性(導電性)を示すことから、伝導性ナノワイヤー、ナノスイッチ、ナノメモリなど種々のナノデバイスに応用することが期待される。
伝導性電荷移動錯体の研究当初(1960年頃)は、ドナーよりもアクセプターの研究開発が先行しており、p−ベンゾキノンを化学修飾したクロラニルやジクロロジシアノキノジメタンなどの強いアクセプターが開発された。中でも1962年にデュポン社が開発したテトラシアノキノジメタン(TCNQ)は特筆すべきアクセプターであり、このTCNQを用いた数多くの伝導性錯体が開発された。例えばTCNQとN−メチルフェナジニウム(NMP)との錯体は室温で170S/cmの高伝導性を示し、室温から220Kまで半金属的な伝導挙動を示し、特に注目された。TCNQはラジカルアニオン状態やジアニオン状態が安定な多段階レドックス系化合物である。従って対カチオンとTCNQとのモル比が1:1〜1:2になるような電荷移動錯体を形成し、絶縁性から、半導体的或いは金属的な伝導性に至るまでの多彩な伝導挙動を示す。このような電荷移動錯体の研究分野では、これまでに、三次元非線形光学材料、レーザー誘起NI転移を利用したスイッチング・メモリー材料、有機半導体コンデンサーなどの実現を目指した研究が多くなされている(例えば非特許文献1〜3など)。
一方、ナノ構造体の作成法に関しても多数の研究がなされている(非特許文献4〜6など)。例えば非特許文献4は、長鎖脂肪族アルキル基を導入した大環状ビステトラチアフルバレンとテトラフルオロTCNQとを用いてLB膜法を利用すると、雲母基材上で、自己組織的にナノワイヤーが形成されることを報告している。しかしこの方法によれば、長鎖脂肪族アルキル基で分子を修飾する必要があるため、汎用性が低く、また手間を要する。
非特許文献5は、シリコン(111)基板にAg薄膜を蒸着し、TCNQと反応させると、AgとTCNQが反応し、Ag−TCNQナノワイヤーが垂直に成長していくことを報告している。しかしこの方法も、始めにシリコン基板にAgを蒸着しておく必要があり、煩雑である。
非特許文献6では基板表面にナノワイヤーを成長させるに当たり、基板の表面粗さを制御してワイヤー形状を制御している。基板の表面粗さの制御もまた、到底、簡便であるとはいえない。
P.G.Huggard,W.Blau,D.Schweitzer,Appl.Phys.Lett.,51,2183(1987) R.S.Potember,T.O.Poehler,D.O.Cowan,Appl.Phys.Lett.,34,405(1979) S.Niwa,Synth.Metals,18,665(1987) T.Akutagawa,T.Ohta,T.Hasegawa,T.Nakamura,C.A.Christensen,J.Becher,proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A. 99,5028(2002) Z.Y.Fan,X.L.Mo,G.R.Chen,J.G.Lu,Rev.Adv.Mater.Sci.,5,72(2003) D.de Caro,J.Sakah,M.Basso−Bert,C.Faulamann,J.−P.Legros,T.Ondarcuhu,C.Joachim,L.Aries,L.Valade,P.Cassoux,Patrick,C.R.Acad.Sci.Paris,Se’rie IIc,Chimie:Chemistry 3,675(2000)
P.G.Huggard,W.Blau,D.Schweitzer,Appl.Phys.Lett.,51,2183(1987) R.S.Potember,T.O.Poehler,D.O.Cowan,Appl.Phys.Lett.,34,405(1979) S.Niwa,Synth.Metals,18,665(1987) T.Akutagawa,T.Ohta,T.Hasegawa,T.Nakamura,C.A.Christensen,J.Becher,proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A. 99,5028(2002) Z.Y.Fan,X.L.Mo,G.R.Chen,J.G.Lu,Rev.Adv.Mater.Sci.,5,72(2003) D.de Caro,J.Sakah,M.Basso−Bert,C.Faulamann,J.−P.Legros,T.Ondarcuhu,C.Joachim,L.Aries,L.Valade,P.Cassoux,Patrick,C.R.Acad.Sci.Paris,Se’rie IIc,Chimie:Chemistry 3,675(2000)
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、簡便にナノワイヤーを製造することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、共役結合を有する有機分子をアクセプター分子とする電荷移動錯体を溶解した液から溶媒を蒸発させれば、アクセプター分子と対カチオン(ドナーなど)とがワイヤー状になって析出してくることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明のナノワイヤーの製造方法は、共役結合を有する有機分子をアクセプター分子とする電荷移動錯体を溶解した液を調製し、この溶液から溶媒を蒸発させることによってワイヤー状析出物を析出させることをその要旨とするものである。好ましいアクセプター分子や対カチオン(ドナーなど)は、環状共役構造を有する有機分子である。本発明では、溶媒を10時間以内に蒸発させることが推奨される。
本発明には、共役結合を有する有機分子をアクセプター分子とする電荷移動錯体を溶解した液を調製し、この溶液から溶媒を蒸発させることによってワイヤー状析出物を析出させるに際して、溶液の初期濃度と溶媒の蒸発時間を調節することにより、ナノワイヤーの太さを制御する方法も含まれる。
本発明によれば、共役結合を有する有機分子をアクセプター分子とする電荷移動錯体を溶解した液から溶媒を蒸発させているため、アクセプター分子と対カチオン(ドナーなど)とがワイヤー状になって析出し、簡便にナノワイヤーを製造できる。
本発明の方法では、電荷移動錯体を溶解した液から溶媒を蒸発させるに際し、アクセプター分子として共役結合を有する有機分子を用いることが重要である。このようなアクセプター分子を用いれば、溶媒の蒸発に伴ってアクセプター分子が対カチオン(ドナーなど)と共に塩を形成しながら析出してくるに際して、ワイヤー状に析出してくるようになる。ワイヤー状に析出するのは、共役結合を構成するπ軌道が分子間で相互作用するためであると思われる。
アクセプター分子は、共役系鎖状炭化水素[例えばヘキサシアノブタジエンなどのブタジエン系化合物など]であってもよいが、環状共役結合(特に6員環状共役結合)を有するのが好ましい。6員環状共役結合を有するアクセプター分子としては、例えば、キノン誘導体[例えば、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノナフトキノジメタンなどのキノジメタン系分子およびこれらの水素原子がフッ素原子に置換された分子など;ジメチルジシアノキノジイミンなどのキノイミン系分子;p−クロラニルなどのキノン類など]、フルオレノン誘導体(トリニトロフルオレノンなどのフルオレノン類、前記フルオレノン類のケトン基(O=C<)がジシアノメチレン基[(CN)2=C<]に置き換わった化合物など]、ビフェニル誘導体(テトラニトロビフェニルジオールなど)などが挙げられる。特に好ましいアクセプター分子はキノン誘導体である。なお前記アクセプター分子は、通常、電子吸引性基(例えば、ニトリル基、ハロゲン原子、ニトロ基など)を有している。
対カチオンは、例えば、テトラアルキルアンモニウム(特にテトラエチルアンモニウムなど)などのアンモニウム類であってもよく、ドナーであってもよい。ドナーとは、アクセプター分子に電子を供給して電荷移動錯体を形成するものであり、この電荷移動錯体が溶媒に溶解し得る限りドナーは特に限定されず、例えば、金属原子などであってもよい。
対カチオン及びドナーは、前述したテトラアルキルアンモニウムや金属原子などのように非環状系物質であっても、アクセプター分子が分子間軌道相互作用を受けながら配列していくためか、ナノワイヤーを形成できる。
好ましいドナーは、環状共役構造を有する有機分子である。該有機分子としては、例えば、フルバレン類[テトラチアフルバレンなどのチアフルバレン類、テトラセレナフルバレンなどのセレナフルバレン類、テトラテルラフルバレンなどのテルラフルバレン類など。これらチアフルバレン類、セレナフルバレン類、テルラフルバレン類などは、フルバレン類の5員環に、ジオキサン環、ジチアン環、シクロヘプタン環、ベンゼン環などの他の環が縮環していてもよい]、フェニルアミン類[フェニレンジアミン、テトラ−N−メチルフェニレンジアミンなどのフェニレンジアミン類;ベンジジン、テトラメチルベンジジンなどのベンジジン類;オクタ−N−メチルテトラアミノピレンなどのアミノピレン類など]、環内N原子を有する化合物[フェナジン、N−メチルフェナジンなどのフェナジン類、アクリジン、キノリンなど]などが例示できる。なおドナー分子は、通常、N、S、Se、Teなどの原子を有している。
アクセプター分子と対カチオンの比率(モル比)は電荷移動錯体中のモル比に応じて決定でき、例えば、アクセプター分子:対カチオン=1:1〜2:1程度の範囲から選択できる。
溶媒としては、前記電荷移動錯体を溶解できる限り特に限定されず、例えば、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、エステル系溶剤(酢酸メチル、酢酸エチルなど)、ハロゲン系溶媒(塩化メチレン、クロロホルムなど)、エーテル系溶媒(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテルなど)、ケトン系溶媒(アセトン、メチルエチルケトンなど)、アミド系溶媒(ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなど)、ニトリル類(アセトニトリルなど)などが挙げられる。好ましい溶媒は、沸点が150℃以下(特に100℃以下)の溶媒(アセトン、アセトニトリルなど)である。沸点が低い溶媒を用いると、速やかに溶媒を蒸発させることができる。後述するように、速やかに溶媒を蒸発させると、ナノワイヤーを細くできる。
溶媒を蒸発させる前の電荷移動錯体の濃度(初期濃度)は電荷移動錯体と溶媒の組み合わせに応じて適宜設定でき、一律に規定することはできないが、初期濃度が薄いほど、ナノワイヤーを細くできる。初期濃度は、例えば、0.01〜10μmol/ml(例えば0.05〜1μmol/ml程度、特に0.05〜0.4μmol/ml程度)の範囲から選択できる。
蒸発時間は、短くするほど、ナノワイヤーを細くするのに有効である。溶媒の蒸発時間は、例えば、10時間超であってもよいが、10時間以下にするとナノワイヤーを十分に細くでき、5時間以下(例えば3時間以下、特に1時間以下)にするとナノワイヤーを著しく細くできる。
蒸発温度は特に限定されないが、本発明によれば、常温で溶媒を蒸発させてもナノワイヤーを形成できる。そのため加温、冷却などの設備を必須としなくても、簡便にナノワイヤーを製造できる。
溶媒の蒸発には公知の種々の方法が採用でき、例えば、適当な乾燥気体中で放置していてもよく、また乾燥気体を溶媒表面に送風して蒸発速度を高めてもよい(なお乾燥気体とは、溶媒蒸気の溶解量が少ない気体を意味する)。さらには常圧で溶媒を蒸発させてもよいが、減圧にして蒸発速度を高めてもよい。
このようにして得られるナノワイヤーの太さは、例えば、1nm以上(特に10nm以上)、5000nm以下(好ましくは1000nm以下、さらに好ましくは500nm以下、特に200nm以下)程度である。またナノワイヤーの長さは、例えば、3000nm以上(好ましくは5000nm以上)、300000nm以下(特に200000nm以下)程度であり、アスペクト比は、例えば、3以上(好ましくは5以上)、500以下(特に300以下)程度である。
本発明によって得られるナノワイヤーは、単結晶と同じ結晶構造を有する。しかもワイヤーの長さ方向が、格子定数の一番短い軸の方向と一致するようになる。そのため単結晶で既に得られている物理的・化学的性質を利用しながら、ナノデバイスを設計することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例1
7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)のアクリジニウム塩[Acd(TCNQ)2]をアセトン5mlに溶解(濃度:1.2μmol/ml)した溶液にガラス基板を浸漬した後、48時間かけてアセトン全量を蒸発させることによって析出物を得た。
7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)のアクリジニウム塩[Acd(TCNQ)2]をアセトン5mlに溶解(濃度:1.2μmol/ml)した溶液にガラス基板を浸漬した後、48時間かけてアセトン全量を蒸発させることによって析出物を得た。
実施例2
TCNQのN−メチルフェナジニウム塩[NMP(TCNQ)]をアセトン5mlに溶解(濃度:3.4μmol/ml)した溶液にガラス基板を浸漬した後、48時間かけてアセトン全量を蒸発させることによって析出物を得た。
TCNQのN−メチルフェナジニウム塩[NMP(TCNQ)]をアセトン5mlに溶解(濃度:3.4μmol/ml)した溶液にガラス基板を浸漬した後、48時間かけてアセトン全量を蒸発させることによって析出物を得た。
実施例1及び実施例2で得られた析出物の走査型電子顕微鏡写真を、それぞれ図1及び図2に示す。図1〜2より明らかなように、実施例1〜2によればナノワイヤーが得られる。
実施例3
TCNQのキノリニウム塩[Q(TCNQ)2]を下記表1〜2に示す濃度でアセトン5mlに溶解した溶液にガラス基板を浸漬した後、下記表1〜2に示す時間をかけてアセトン全量を蒸発させることによって析出物を得た。
TCNQのキノリニウム塩[Q(TCNQ)2]を下記表1〜2に示す濃度でアセトン5mlに溶解した溶液にガラス基板を浸漬した後、下記表1〜2に示す時間をかけてアセトン全量を蒸発させることによって析出物を得た。
実施例4
TCNQのアクリジニウム塩[Acd(TCNQ)2]を下記表3〜4に示す濃度でアセトン5mlに溶解した溶液にガラス基板を浸漬した後、下記表3〜4に示す時間をかけてアセトン全量を蒸発させることによって析出物を得た。
TCNQのアクリジニウム塩[Acd(TCNQ)2]を下記表3〜4に示す濃度でアセトン5mlに溶解した溶液にガラス基板を浸漬した後、下記表3〜4に示す時間をかけてアセトン全量を蒸発させることによって析出物を得た。
実施例5
TCNQのN−メチルフェナジニウム塩[NMP(TCNQ)]を下記表5〜6に示す濃度でアセトン5mlに溶解した溶液にガラス基板を浸漬した後、下記表5〜6に示す時間をかけてアセトン全量を蒸発させることによって析出物を得た。
TCNQのN−メチルフェナジニウム塩[NMP(TCNQ)]を下記表5〜6に示す濃度でアセトン5mlに溶解した溶液にガラス基板を浸漬した後、下記表5〜6に示す時間をかけてアセトン全量を蒸発させることによって析出物を得た。
実施例6
TCNQのテトラエチルアンモニウム塩[NEt4(TCNQ)]を下記表7〜8に示す濃度でアセトン5mlに溶解した溶液にガラス基板を浸漬した後、下記表7〜8に示す時間をかけてアセトン全量を蒸発させることによって析出物を得た。
TCNQのテトラエチルアンモニウム塩[NEt4(TCNQ)]を下記表7〜8に示す濃度でアセトン5mlに溶解した溶液にガラス基板を浸漬した後、下記表7〜8に示す時間をかけてアセトン全量を蒸発させることによって析出物を得た。
実施例3〜6で得られた析出物を走査型電子顕微鏡で観察したところ、ワイヤー状の析出物が得られていることが判った。このワイヤーの幅を3回測定し、その平均値を算出した。結果を表1〜8及び図3〜10に示す。
これら図表から明らかなように、初期の濃度を薄くするほど、分子の種類を問わず、得られるナノワイヤーの幅を細くできる(表1、3、5、7;図3、5、7、9)。また蒸発時間を短くするほど、分子の種類を問わず、得られるナノワイヤーの幅を細くできる(表2、4、6、8;図4、6、8、10)。
なお実施例3〜6で得られたナノワイヤー[Q(TCNQ)2、Acd(TCNQ)2、NMP(TCNQ)、NEt4(TCNQ)]の長さ及びアスペクト比は、下記表9に示す範囲内であった。
実施例3〜6で得られたナノワイヤー[Q(TCNQ)2、Acd(TCNQ)2、NMP(TCNQ)、NEt4(TCNQ)]のX線回折パターンを、X線結晶構造解析装置[RINT2200、(株)リガク製]を用い、線源:Cu−Kα線、測定速度:0.02°s-1、2θ=5〜50°の条件で調べた。結果を、各化合物の単結晶のX線回折パターンと共に図11〜18に示す。
得られたナノワイヤーの回折ピークに対し、CMPR(B.Toby,CMPR,A Graphical Manual Powder Indexing and Powder Diffraction Toolkit,National Institute of Standards and Technology,USA(2004))を用いて指数づけしたところ、すべてのピークは単結晶のものと一致した。なおNEt4(TCNQ)については、格子定数が決定されていないため、単結晶とナノワイヤーの双方で一致するピークに○印をつけた(図17、18)。さらに回折ピークの強度比を検討したところ、ワイヤーの長さ方向と、格子定数の一番短い軸の方向とが一致することが判った。
本発明は、伝導性ナノワイヤーなどのナノデバイスを製造するのに利用できる。
Claims (5)
- 共役結合を有する有機分子をアクセプター分子とする電荷移動錯体を溶解した液を調製し、
この溶液から溶媒を蒸発させることによってワイヤー状析出物を析出させることを特徴とするナノワイヤーの製造方法。 - 前記アクセプター分子が、環状共役構造を有する有機分子である請求項1に記載のナノワイヤーの製造方法。
- 前記電荷移動錯体を構成するドナーが、環状共役構造を有する有機分子である請求項1又は2に記載のナノワイヤーの製造方法。
- 溶媒を10時間以内に蒸発させる請求項1〜3のいずれかに記載のナノワイヤーの製造方法。
- 共役結合を有する有機分子をアクセプター分子とする電荷移動錯体を溶解した液を調製し、この溶液から溶媒を蒸発させることによってワイヤー状析出物を析出させるに際して、溶液の初期濃度と溶媒の蒸発時間を調節することを特徴とするナノワイヤーの太さの制御方法。
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