JP2007065626A - 黒白熱現像感光材料および画像形成方法 - Google Patents
黒白熱現像感光材料および画像形成方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007065626A JP2007065626A JP2006184567A JP2006184567A JP2007065626A JP 2007065626 A JP2007065626 A JP 2007065626A JP 2006184567 A JP2006184567 A JP 2006184567A JP 2006184567 A JP2006184567 A JP 2006184567A JP 2007065626 A JP2007065626 A JP 2007065626A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- black
- ring
- photothermographic material
- silver
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Abstract
Description
本発明は黒白熱現像感光材料および画像形成方法に関し、特に、低かぶりで高い画像濃度、画像色調に優れ、さらに画像保存安定性に優れた黒白熱現像感光材料および画像形成方法に関する。
近年、医療診断用フィルム分野や写真製版フィルム分野において環境保全、省スペースの観点から処理廃液の減量が強く望まれている。そこで、レーザー・イメージセッター又はレーザー・イメージャーにより効率的に露光させることができ、高解像度及び鮮鋭さを有する鮮明な黒色画像を形成することができる医療診断用フィルム及び写真製版用フィルムとしての熱現像画像記録材料に関する技術が必要とされている。これら熱現像画像記録材料によれば、溶液系の処理化学薬品を必要とせず、より簡単で環境を損なわない熱現像処理システムを顧客に対して供給することができる。
有機銀塩を利用した熱画像形成システムが、例えば、米国特許3152904号、同3457075号の各明細書及びD.クロスタボーア(Klosterboer)著「熱によって処理される銀システム(Thermally Processed Silver Systems)」(イメージング・プロセッシーズ・アンド・マテリアルズ(Imaging Processes and Materials)Neblette 第8版、J.スタージ(Sturge)、V.ウオールワース(Walworth)、A.シェップ(Shepp)編集、第9章、第279頁、1989年)に記載されている。特に、熱現像感光材料は、一般に、触媒活性量の光触媒(例えば、ハロゲン化銀)、還元剤、還元可能な銀塩(例えば、有機銀塩)、必要により銀の色調を制御する色調剤を、バインダーのマトリックス中に分散した画像形成層を有している。熱現像感光材料は、画像露光後、高温(例えば80℃以上)に加熱し、還元可能な銀塩(酸化剤として機能する)と還元剤との間の酸化還元反応により、黒色の銀画像を形成する。酸化還元反応は、露光で発生したハロゲン化銀の潜像の触媒作用により促進される。そのため、黒色の銀画像は、露光領域に形成される。
この様な有機銀塩を利用した熱現像感光材料は、画像形成に必要なすべての成分を予め膜中に含有し、加熱するだけで画像を形成し得る大きな利点を有するが、その反面、かぶりの発生のために高感度を得ることが困難な課題であった。また、保存中に感度が変化したりかぶりが増大するなどの保存安定性も課題であった。さらに、画像形成後も感光性ハロゲン化銀が残留するため、ハロゲン化銀粒子の光散乱と光吸収による膜の濁りや、プリントアウトとよばれる明所に画像保存中にかぶりが増大することも大きな問題であった。
一方、発色現像薬とカプラーを含有した熱現像感光材料も知られている(例えば、特許文献1〜4参照。)。用いられる感光性ハロゲン化銀は、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、ヨウ臭化銀、あるいはヨウ塩臭化銀であった。しかしながら、ハロゲン化銀による光散乱と吸収のために膜の濁りおよび不透明性が増加するため、実施例に記載されているようにかぶりが0.58〜1.2と極めて高くなってしまう。従って、特許文献2、3に説明されているように、得られる画像は一次原稿であって、直接観察し得る画像ではなく、これをもとにデジタル化して、さらに画像処理を施してかぶりを低減しかつ階調と色調を調整した再処理画像を得て始めて観察し得る画像となるのである。
発色現像薬としてスルホンアミドフェノール類が知られている。例えば、黒白熱現像感光材料の画像色調の改良にスルホンアミドフェノール類の酸化体とカプラーのカップリングによる発色を利用することが開示されている(例えば、特許文献5〜特許文献7参照。)。しかしながら、これらの従来知られている還元剤およびカプラーでは、画像の発色濃度あるいは色調において十分ではなく、現像銀の色調の微調整程度の発色ができても画像濃度のかなりの部分に寄与する発色を得ることは困難であった。
また、画像保存安定性においても十分ではなかった。
また、画像保存安定性においても十分ではなかった。
熱現像感光材料を撮影用感光材料に応用する試みが提案されている。ここで言う撮影用感光材料とは、レーザー光などで走査露光により画像情報を書き込むものではなく、画像をカメラ撮影によるワンショット露光により記録するものである。従来、湿式現像感光材料分野では、一般に用いられ、医療用途では直接あるいは間接X線フィルム、マンモグラフフィルムなど、印刷用各種製版フィルム、工業用記録フィルム、あるいは一般カメラによる撮影用フィルムなどが知られている。例えば、青色の蛍光増感スクリーンを利用した両面塗布型X線用熱現像感光材料、ヨウ臭化銀の平板粒子を用いた熱現像感光材料(例えば、特許文献8参照。)、あるいは(100)主平面を有する塩化銀含有率の高い平板粒子を支持体の両面に塗設した医療用感光材料も特許文献に開示されている(例えば、特許文献9参照。)。また、両面塗布熱現像感光材料は、その他の特許文献にも開示されている(例えば、特許文献10〜13参照。)。
しかしながら、X線画像記録のためには、被爆線量を低くするため、熱現像感光材料にはより一段と高い感度が要求された。上記の従来技術では、高感度化に伴うかぶりの増大や保存安定性の悪化の回避には限界があった。
特開2001−312026号公報
特開2003−215767号公報
特開2003−215764号公報
米国特許6242166号公報
特開2001−330923号公報
特開2001−330925号公報
特開2002−49123号公報
特開昭59−142539号公報
特開平10−282602号公報
特開2000−227642号公報
特開2001−22027号公報
特開2001−109101号公報
特開2002−90941号公報
しかしながら、X線画像記録のためには、被爆線量を低くするため、熱現像感光材料にはより一段と高い感度が要求された。上記の従来技術では、高感度化に伴うかぶりの増大や保存安定性の悪化の回避には限界があった。
本発明者の課題は、低かぶりで高い画像濃度、画像色調に優れ、さらに画像保存安定性に優れた黒白熱現像感光材料および画像形成方法を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決された。
<1> 支持体上に少なくとも感光性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩、下記一般式(1)で表される還元剤、該還元剤の酸化生成物と反応して色素を形成し得るカプラーおよび下記一般式(A−1)もしくは一般式(A−2)で表される現像促進剤の少なくとも1種を含有する黒白熱現像感光材料:
<1> 支持体上に少なくとも感光性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩、下記一般式(1)で表される還元剤、該還元剤の酸化生成物と反応して色素を形成し得るカプラーおよび下記一般式(A−1)もしくは一般式(A−2)で表される現像促進剤の少なくとも1種を含有する黒白熱現像感光材料:
(一般式(1)において、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子またはベンゼン環に置換し得る置換基を表し、R5はアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。);
(式中、Q1は炭素原子で−NHNH−Q2と結合する芳香族基、またはヘテロ環基を表し、Q2はカルバモイル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルホニル基、またはスルファモイル基を表す。);
(式中、R11はアルキル基、アシル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、アルコキシカルボニル基、またはカルバモイル基を表す。R12は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルオキシ基、または炭酸エステル基を表す。R13、R14はベンゼン環に置換可能な基を表す。R13とR14は互いに連結して縮合環を形成してもよい。)。
<2> 前記現像促進剤が前記一般式(A−1)において、Q1が5員〜6員の不飽和環であることを特徴とする<1>に記載の黒白熱現像感光材料。
<3> 前記現像促進剤が前記一般式(A−1)において、Q1がピリミジン環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、テトラゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,3,4−オキサジアゾール環、1,2,4−オキサジアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、イソチアゾール環、またはイソオキサゾール環、およびこれらの環がベンゼン環もしくは不飽和ヘテロ環と縮合した環より選ばれることを特徴とする<1>または<2>に記載の黒白熱現像感光材料。
<4> 前記現像促進剤が前記一般式(A−1)において、Q2がカルバモイル基であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1項に記載の黒白熱現像感光材料。
<5> 前記現像促進剤が前記一般式(A−2)において、R11がアシルアミノ基であることを特徴とする<1>に記載の黒白熱現像感光材料。
<6> 前記現像促進剤が前記一般式(A−2)において、R13とR14が縮合してナフタレン環を形成していることを特徴とする<1>または<5>に記載の黒白熱現像感光材料。
<7> 前記現像促進剤が前記一般式(A−2)において、R11がカルバモイル基であることを特徴とする<6>に記載の黒白熱現像感光材料。
<8> 前記現像促進剤が前記一般式(A−2)において、R12がアルコキシ基またはアリールオキシ基であることを特徴とする<6>または<7>に記載の黒白熱現像感光材料。
<9> 前記現像促進剤が前記一般式(A−2)において、R11がカルバモイル基であり、R12がアルコキシ基またはアリールオキシ基であることを特徴とする<6>に記載の黒白熱現像感光材料。
<10> 前記カプラーが下記一般式(C−1)〜(C−3)、(M−1)〜(M−3)、または(Y−1)〜(Y−3)よりなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とするる<1>〜<9>のいずれか1項に記載の黒白熱現像感光材料:
<2> 前記現像促進剤が前記一般式(A−1)において、Q1が5員〜6員の不飽和環であることを特徴とする<1>に記載の黒白熱現像感光材料。
<3> 前記現像促進剤が前記一般式(A−1)において、Q1がピリミジン環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、テトラゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,3,4−オキサジアゾール環、1,2,4−オキサジアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、イソチアゾール環、またはイソオキサゾール環、およびこれらの環がベンゼン環もしくは不飽和ヘテロ環と縮合した環より選ばれることを特徴とする<1>または<2>に記載の黒白熱現像感光材料。
<4> 前記現像促進剤が前記一般式(A−1)において、Q2がカルバモイル基であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1項に記載の黒白熱現像感光材料。
<5> 前記現像促進剤が前記一般式(A−2)において、R11がアシルアミノ基であることを特徴とする<1>に記載の黒白熱現像感光材料。
<6> 前記現像促進剤が前記一般式(A−2)において、R13とR14が縮合してナフタレン環を形成していることを特徴とする<1>または<5>に記載の黒白熱現像感光材料。
<7> 前記現像促進剤が前記一般式(A−2)において、R11がカルバモイル基であることを特徴とする<6>に記載の黒白熱現像感光材料。
<8> 前記現像促進剤が前記一般式(A−2)において、R12がアルコキシ基またはアリールオキシ基であることを特徴とする<6>または<7>に記載の黒白熱現像感光材料。
<9> 前記現像促進剤が前記一般式(A−2)において、R11がカルバモイル基であり、R12がアルコキシ基またはアリールオキシ基であることを特徴とする<6>に記載の黒白熱現像感光材料。
<10> 前記カプラーが下記一般式(C−1)〜(C−3)、(M−1)〜(M−3)、または(Y−1)〜(Y−3)よりなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とするる<1>〜<9>のいずれか1項に記載の黒白熱現像感光材料:
(式中、X1は水素原子または離脱基を表し、Y1およびY2は電子求引性の置換基を表し、R1はアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。);
(式中、X2は水素原子または離脱基を表し、R2はアシルアミノ基、ウレイド基またはウレタン基を表し、R3は水素原子、アルキル基またはアシルアミノ基を表し、R4は水素原子、または置換基を表す。R3とR4が互いに連結して環を形成してもよい。);
(式中、X3は水素原子または離脱基を表し、R5はカルバモイル基またはスルファモイル基を表し、R6は水素原子または置換基を表す。);
(式中、X4は水素原子または離脱基を表し、R7はアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表し、R8は置換基を表す。);
(式中、X5は水素原子または離脱基を表し、R9はアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表し、R10は置換基を表す。);
(式中、X6は水素原子または離脱基を表し、R11はアルキル基、アリール基、アシルアミノ基またはアニリノ基を表し、R12はアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。);
(式中、X7は水素原子または離脱基を表し、R13はアルキル基、アリール基、インドレニル基を表し、R14はアリール基またはヘテロ環基を表す。);
(式中、X8は水素原子または離脱基を表し、Zは5員ないし7員の環を形成するのに必要な2価の基を表し、R15はアリール基またはヘテロ環基を表す。);
(式中、X9は水素原子または離脱基を表し、R16、R17およびR18はそれぞれ置換基を表し、nは0ないし4の、mは0ないし5のいずれかの整数を表す。nまたはmが2以上のとき、複数のR16およびR17はそれぞれ同一の基であってもよいし、別々の基であってもよい。)。
<11> 前記カプラーが下記一般式(BC−1)〜(BC−2)よりなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする<1>〜<9>のいずれか1項に記載の黒白熱現像感光材料:
<11> 前記カプラーが下記一般式(BC−1)〜(BC−2)よりなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする<1>〜<9>のいずれか1項に記載の黒白熱現像感光材料:
(式中、Lは2価の連結基であり、Blstはカプラー分子を耐拡散性にするバラスト基である。Tは、水素原子またはカップリング反応時に脱離し得る置換基を表す。mは0〜3の整数である。);
(式中、L、Blstは、前記一般式(BC−1)におけると同義である。T1およびT2は水素原子、またはカップリング反応時に脱離し得る置換基を表す。)。
<12> 前記色素の吸収極大波長における前記カプラーによる光学濃度が現像銀による光学濃度より高いことを特徴とする<1>〜<11>のいずれか1項に記載の黒白熱現像感光材料。
<13> 前記感光性ハロゲン化銀の平均ヨウ化銀含有率が40モル%以上であることを特徴とする<1>〜<12>のいずれか1項に記載の黒白熱現像感光材料。
<14> 前記感光性ハロゲン化銀の平均ヨウ化銀含有率が80モル%以上であることを特徴とする<13>に記載の黒白熱現像感光材料。
<15> 前記感光性ハロゲン化銀の平均ヨウ化銀含有率が90モル%以上であることを特徴とする<14>に記載の黒白熱現像感光材料。
<16> 前記感光性ハロゲン化銀が平板状粒子であることを特徴とする<13>〜<15>のいずれか1項に記載の黒白熱現像感光材料。
<17> 前記平板状粒子の平均アスペクト比が2以上100以下であることを特徴とする<16>に記載の黒白熱現像感光材料。
<18> 前記感光性ハロゲン化銀が金増感されていることを特徴とする<13>〜<17>のいずれか1項に記載の黒白熱現像感光材料。
<19> ヨウ化銀錯形成剤を含有することを特徴とする<13>〜<18>のいずれか1項に記載の黒白熱現像感光材料。
<20> 前記画像形成層を支持体の両面に有することを特徴とする<1>〜<19>のいずれか1項に記載の黒白熱現像感光材料。
<21> 前記<1>〜<20>のいずれか1項に記載の黒白熱現像感光材料を用いた画像形成方法であって、
1)前記黒白熱現像感光材料と蛍光増感スクリーンと重ね合わせて放射線画像露光を行い、前記黒白熱現像感光材料に潜像を記録する工程、
2)熱現像により前記潜像を可視画像に変換する熱現像工程、
を有することを特徴とする画像形成方法。
<12> 前記色素の吸収極大波長における前記カプラーによる光学濃度が現像銀による光学濃度より高いことを特徴とする<1>〜<11>のいずれか1項に記載の黒白熱現像感光材料。
<13> 前記感光性ハロゲン化銀の平均ヨウ化銀含有率が40モル%以上であることを特徴とする<1>〜<12>のいずれか1項に記載の黒白熱現像感光材料。
<14> 前記感光性ハロゲン化銀の平均ヨウ化銀含有率が80モル%以上であることを特徴とする<13>に記載の黒白熱現像感光材料。
<15> 前記感光性ハロゲン化銀の平均ヨウ化銀含有率が90モル%以上であることを特徴とする<14>に記載の黒白熱現像感光材料。
<16> 前記感光性ハロゲン化銀が平板状粒子であることを特徴とする<13>〜<15>のいずれか1項に記載の黒白熱現像感光材料。
<17> 前記平板状粒子の平均アスペクト比が2以上100以下であることを特徴とする<16>に記載の黒白熱現像感光材料。
<18> 前記感光性ハロゲン化銀が金増感されていることを特徴とする<13>〜<17>のいずれか1項に記載の黒白熱現像感光材料。
<19> ヨウ化銀錯形成剤を含有することを特徴とする<13>〜<18>のいずれか1項に記載の黒白熱現像感光材料。
<20> 前記画像形成層を支持体の両面に有することを特徴とする<1>〜<19>のいずれか1項に記載の黒白熱現像感光材料。
<21> 前記<1>〜<20>のいずれか1項に記載の黒白熱現像感光材料を用いた画像形成方法であって、
1)前記黒白熱現像感光材料と蛍光増感スクリーンと重ね合わせて放射線画像露光を行い、前記黒白熱現像感光材料に潜像を記録する工程、
2)熱現像により前記潜像を可視画像に変換する熱現像工程、
を有することを特徴とする画像形成方法。
本発明により低かぶりで高い画像濃度、画像色調に優れ、さらに画像保存安定性に優れた黒白熱現像感光材料および画像形成方法を提供することができる。
本発明の黒白熱現像感光材料は、支持体上に少なくとも感光性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩、一般式(1)で表される還元剤、該還元剤の酸化生成物と反応して色素を形成し得るカプラー、および一般式(A−1)もしくは一般式(A−2)で表される現像促進剤の少なくとも1種を含有する。
好ましくは、前記一般式(A−1)において、Q1が5員〜6員の不飽和環であり、より好ましくは、Q1がピリミジン環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、テトラゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,3,4−オキサジアゾール環、1,2,4−オキサジアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、イソチアゾール環、またはイソオキサゾール環、およびこれらの環がベンゼン環もしくは不飽和ヘテロ環と縮合した環より選ばれる。
好ましくは、前記一般式(A−1)において、Q1が5員〜6員の不飽和環であり、より好ましくは、Q1がピリミジン環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、テトラゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,3,4−オキサジアゾール環、1,2,4−オキサジアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、イソチアゾール環、またはイソオキサゾール環、およびこれらの環がベンゼン環もしくは不飽和ヘテロ環と縮合した環より選ばれる。
好ましくは、前記一般式(A−1)において、Q2がカルバモイル基である。
好ましくは、前記一般式(A−2)において、R11がアシルアミノ基である。
好ましくは、前記一般式(A−2)において、R13とR14が縮合してナフタレン環を形成する。
好ましくは、前記一般式(A−2)において、R11がベンゾイル基である。
好ましくは、前記一般式(A−2)において、R12がアルコキシ基である。
より好ましくは、前記一般式(A−2)において、R11がカルバモイル基であり、R12がアルコキシ基またはアリールオキシ基である。
好ましくは、前記一般式(A−2)において、R11がアシルアミノ基である。
好ましくは、前記一般式(A−2)において、R13とR14が縮合してナフタレン環を形成する。
好ましくは、前記一般式(A−2)において、R11がベンゾイル基である。
好ましくは、前記一般式(A−2)において、R12がアルコキシ基である。
より好ましくは、前記一般式(A−2)において、R11がカルバモイル基であり、R12がアルコキシ基またはアリールオキシ基である。
好ましくは、前記カプラーが一般式(C−1)〜(C−3)、(M−1)〜(M−3)、または(Y−1)〜(Y−3)よりなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である。好ましくは、前記色素の吸収極大波長における前記カプラーによる光学濃度が現像銀による光学濃度より高い。
好ましくは、前記感光性ハロゲン化銀の平均ヨウ化銀含有率が40モル%以上であり、好ましくは、80モル%以上であり、さらに好ましくは、90モル%以上である。好ましくはヨウ化銀錯形成剤を含有する。
好ましくは、前記感光性ハロゲン化銀が平板状粒子であり、平均アスペクト比が2以上100以下である。
好ましくは、前記感光性ハロゲン化銀が金増感されている。
好ましくは、本発明の黒白熱現像感光材料は、前記画像形成層を支持体の両面に有する。
好ましくは、前記感光性ハロゲン化銀の平均ヨウ化銀含有率が40モル%以上であり、好ましくは、80モル%以上であり、さらに好ましくは、90モル%以上である。好ましくはヨウ化銀錯形成剤を含有する。
好ましくは、前記感光性ハロゲン化銀が平板状粒子であり、平均アスペクト比が2以上100以下である。
好ましくは、前記感光性ハロゲン化銀が金増感されている。
好ましくは、本発明の黒白熱現像感光材料は、前記画像形成層を支持体の両面に有する。
本発明の画像形成方法は、下記工程を有する。
1)前記黒白熱現像感光材料と蛍光増感スクリーンと重ね合わせて放射線画像露光を行い、前記黒白熱現像感光材料に潜像を記録する工程。
2)熱現像により前記潜像を可視画像に変換する熱現像工程。
1)前記黒白熱現像感光材料と蛍光増感スクリーンと重ね合わせて放射線画像露光を行い、前記黒白熱現像感光材料に潜像を記録する工程。
2)熱現像により前記潜像を可視画像に変換する熱現像工程。
以下に詳細に本発明を説明する。
(一般式(1)で表される還元剤)
一般式(1)において、R1およびR2は水素原子またはベンゼン環に置換可能な置換基を表し、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、スルホニルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、アニリノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、ウレタン基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホニル基、スルホキシド基、スルファモイル基、シアノ基、ニトロ基、又はホスホリル基である。R1およびR2としてより好ましくはハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホニル基、又はスルファモイル基であり、ハロゲン原子、アルキル基、カルバモイル基、又はスルファモイル基がさらに好ましい。R1およびR2がアルキル基である場合、少なくともその一方が2級または3級のアルキル基であることが好ましく、3級アルキル基であることがより好ましい。R1およびR2がハロゲン原子である場合、好ましくは塩素原子または臭素原子で、塩素原子であることがより好ましい。R1およびR2の炭素数はそれぞれ16以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましく、8以下であることがさらに好ましい。
一般式(1)において、R1およびR2は水素原子またはベンゼン環に置換可能な置換基を表し、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、スルホニルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、アニリノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、ウレタン基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホニル基、スルホキシド基、スルファモイル基、シアノ基、ニトロ基、又はホスホリル基である。R1およびR2としてより好ましくはハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホニル基、又はスルファモイル基であり、ハロゲン原子、アルキル基、カルバモイル基、又はスルファモイル基がさらに好ましい。R1およびR2がアルキル基である場合、少なくともその一方が2級または3級のアルキル基であることが好ましく、3級アルキル基であることがより好ましい。R1およびR2がハロゲン原子である場合、好ましくは塩素原子または臭素原子で、塩素原子であることがより好ましい。R1およびR2の炭素数はそれぞれ16以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましく、8以下であることがさらに好ましい。
R3およびR4は水素原子またはベンゼン環に置換可能な置換基を表し、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、スルホニルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、アニリノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、ウレタン基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホニル基、スルホキシド基、スルファモイル基、シアノ基、ニトロ基、又はホスホリル基である。R3およびR4としては水素原子、ハロゲン原子、アルキル基がより好ましく、水素原子またはハロゲン原子であることがさらに好ましい。
R5はアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、スルホニルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、アニリノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、ウレタン基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホニル基、スルホキシド基、スルファモイル基、シアノ基、又はニトロ基が好ましい。R5としてより好ましいのはアリール基またはヘテロ環基で、アリール基が特に好ましい。ヘテロ環基としては窒素原子および/または硫黄原子を含む5ないし6員の環が好ましく、窒素原子を含む5員ないし6員の芳香族性のヘテロ環がより好ましい。アリール基としては電子求引性の置換基もしくは立体的に嵩高い置換基で置換されたアリール基が好ましい。電子吸引基としては水素原子に対して電子求引性が高い基であればよいが、好ましくはハロゲン原子、アシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホニル基、スルホキシド基、オキシスルホニル基、スルファモイル基、シアノ基、ニトロ基、ヘテロ環基で、ハロゲン原子、アシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホニル基、スルファモイル基、又はシアノ基がより好ましい。電子求引性の基は少なくともそのひとつがオルト位またはパラ位に置換されていることが好ましい。立体的に嵩高い基としてはメチル基よりも嵩高い基であればよいが、好ましくは炭素数2以上のアルキル基で、2級または3級のアルキル基がより好ましく、3級のアルキル基がさらに好ましい。立体的に嵩高い基は少なくとも一方のオルト位に置換していることが好ましく、両方のオルト位に置換していることがより好ましい。電子求引性の基と立体的に嵩高い基の両方を合わせ持ったアリール基は特に好ましい基である。R5の炭素数は30以下であることが好ましく、より好ましくは20以下、さらに好ましくは16以下である。
一般式(1)の還元剤の好ましい分子量は300ないし700の範囲で、より好ましくは300ないし600の範囲、さらに好ましくは350ないし550の範囲である。
一般式(1)の還元剤の好ましい分子量は300ないし700の範囲で、より好ましくは300ないし600の範囲、さらに好ましくは350ないし550の範囲である。
以下に本発明の一般式(1)で表される還元剤の具体例をあげるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
上記以外でも本発明の一般式(1)で表される還元剤の具体例としては特開平11−265044明細書の一般式(7)で表される化合物D−1ないしD−28があげられる。
(現像促進剤の説明)
本発明に用いられる現像促進剤は、熱現像を促進し得るが上記還元剤の酸化体と反応して実質的に発色画像を形成することのない化合物である。
本発明に用いられる現像促進剤は、熱現像を促進し得るが上記還元剤の酸化体と反応して実質的に発色画像を形成することのない化合物である。
本発明の黒白熱現像感光材料は、現像促進剤として一般式(A−1)で合わされるヒドラジン誘導体および一般式(A−2)で表されるフェノール誘導体を含有する。
一般式(A−1)において、Q1は炭素原子で−NHNH−Q2と結合する芳香族基、またはヘテロ環基を表し、Q2はカルバモイル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルホニル基、またはスルファモイル基を表す。
一般式(A−2)においてR11はアルキル基、アシル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、アルコキシカルボニル基、またはカルバモイル基を表す。R12は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルオキシ基、または炭酸エステル基を表す。R13、R14はそれぞれ一般式(A−1)の置換基例で挙げたベンゼン環に置換可能な基を表す。R13とR14は互いに連結して縮合環を形成してもよい。
一般式(A−1)について説明する.
一般式(A−1)において、Q1で表される芳香族基またはヘテロ環基としては5員〜7員の不飽和環が好ましい。好ましい例としては、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、1,2,4−トリアジン環、1,3,5−トリアジン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、テトラゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,2,5−チアジアゾール環、1,3,4−オキサジアゾール環、1,2,4−オキサジアゾール環、1,2,5−オキサジアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、イソチアゾール環、イソオキサゾール環、またはチオフェン環などが好ましく、さらにこれらの環が互いに縮合した縮合環も好ましい。
一般式(A−1)において、Q1で表される芳香族基またはヘテロ環基としては5員〜7員の不飽和環が好ましい。好ましい例としては、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、1,2,4−トリアジン環、1,3,5−トリアジン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、テトラゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,2,5−チアジアゾール環、1,3,4−オキサジアゾール環、1,2,4−オキサジアゾール環、1,2,5−オキサジアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、イソチアゾール環、イソオキサゾール環、またはチオフェン環などが好ましく、さらにこれらの環が互いに縮合した縮合環も好ましい。
これらの環は置換基を有していてもよく、2個以上の置換基を有する場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。置換基の例としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、カルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、カルバモイル基、スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、およびアシル基を挙げることができる。これらの置換基が置換可能な基である場合、さらに置換基を有してもよく、好ましい置換基の例としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、カルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、およびアシルオキシ基を挙げることができる。
Q2で表されるカルバモイル基は、好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数6〜40のカルバモイル基であり、例えば、無置換カルバモイル、メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N−プロピルカルバモイル、N−sec−ブチルカルバモイル、N−オクチルカルバモイル、N−シクロヘキシルカルバモイル、N−tert−ブチルカルバモイル、N−ドデシルカルバモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)カルバモイル、N−オクタデシルカルバモイル、N−{3−(2,4−tert−ペンチルフェノキシ)プロピル}カルバモイル、N−(2−ヘキシルデシル)カルバモイル、N−フェニルカルバモイル、N−(4−ドデシルオキシフェニル)カルバモイル、N−(2−クロロ−5−ドデシルオキシカルボニルフェニル)カルバモイル、N−ナフチルカルバモイル、N−3−ピリジルカルバモイル、およびN−ベンジルカルバモイルが挙げられる。
Q2で表されるアシル基は、好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数6〜40のアシル基であり、例えば、ホルミル、アセチル、2−メチルプロパノイル、シクロヘキシルカルボニル、オクタノイル、2−ヘキシルデカノイル、ドデカノイル、クロロアセチル、トリフルオロアセチル、ベンゾイル、4−ドデシルオキシベンゾイル、2−ヒドロキシメチルベンゾイルが挙げられる。Q2で表されるアルコキシカルボニル基は、好ましくは炭素数2〜50、より好ましくは炭素数6〜40のアルコキシカルボニル基であり、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソブチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル、およびベンジルオキシカルボニルが挙げられる。
Q2で表されるアリールオキシカルボニル基は、好ましくは炭素数7〜50、より好ましくは炭素数7〜40のアリールオキシカルボニル基で、例えば、フェノキシカルボニル、4−オクチルオキシフェノキシカルボニル、2−ヒドロキシメチルフェノキシカルボニル、および4−ドデシルオキシフェノキシカルボニルが挙げられる。Q2で表されるスルホニル基は、好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数6〜40のスルホニル基で、例えば、メチルスルホニル、ブチルスルホニル、オクチルスルホニル、2−ヘキサデシルスルホニル、3−ドデシルオキシプロピルスルホニル、2−オクチルオキシ−5−tert−オクチルフェニルスルホニル、および4−ドデシルオキシフェニルスルホニルが挙げられる。
Q2で表されるスルファモイル基は、好ましくは炭素数0〜50、より好ましくは炭素数6〜40のスルファモイル基で、例えば、無置換スルファモイル、N−エチルスルファモイル基、N−(2−エチルヘキシル)スルファモイル、N−デシルスルファモイル、N−ヘキサデシルスルファモイル、N−{3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピル}スルファモイル、N−(2−クロロ−5−ドデシルオキシカルボニルフェニル)スルファモイル、およびN−(2−テトラデシルオキシフェニル)スルファモイルが挙げられる。Q2で表される基は、さらに、置換可能な位置に前記のQ1で表される5員〜7員の不飽和環の置換基の例として挙げた基を有していてもよく、2個以上の置換基を有する場合には、それ等の置換基は同一であっても異なっていてもよい。
次に、式(A−1)で表される化合物の好ましい範囲について述べる。Q1としては5員〜6員の不飽和環が好ましく、ベンゼン環、ピリミジン環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、テトラゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,3,4−オキサジアゾール環、1,2,4−オキサジアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、イソチアゾール環、イソオキサゾール環、およびこれらの環がベンゼン環もしくは不飽和ヘテロ環と縮合した環が更に好ましい。また、Q2はカルバモイル基が好ましく、特に窒素原子上に水素原子を有するカルバモイル基が好ましい。
次に、一般式(A−2)について説明する.
R11は好ましくは炭素数1〜20のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−オクチル基、シクロヘキシル基など)、アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、メチルウレイド基、4−シアノフェニルウレイド基など)、カルバモイル基(n−ブチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基、2−クロロフェニルカルバモイル基、2,4−ジクロロフェニルカルバモイル基など)でアシルアミノ基(ウレイド基、ウレタン基を含む)がより好ましい。R12は好ましくはハロゲン原子(より好ましくは塩素原子、臭素原子)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、ブトキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−デシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ベンジルオキシ基など)、アリールオキシ基(フェノキシ基、ナフトキシ基など)である。
R11は好ましくは炭素数1〜20のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−オクチル基、シクロヘキシル基など)、アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、メチルウレイド基、4−シアノフェニルウレイド基など)、カルバモイル基(n−ブチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基、2−クロロフェニルカルバモイル基、2,4−ジクロロフェニルカルバモイル基など)でアシルアミノ基(ウレイド基、ウレタン基を含む)がより好ましい。R12は好ましくはハロゲン原子(より好ましくは塩素原子、臭素原子)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、ブトキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−デシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ベンジルオキシ基など)、アリールオキシ基(フェノキシ基、ナフトキシ基など)である。
R13は好ましくは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基であり、ハロゲン原子がもっとも好ましい。R14は水素原子、アルキル基、アシルアミノ基が好ましく、アルキル基またはアシルアミノ基がより好ましい。これらの好ましい置換基の例はR11と同様である。R14がアシルアミノ基である場合R14はR13と連結してカルボスチリル環を形成することも好ましい。
一般式(A−2)においてR13とR14が互いに連結して縮合環を形成する場合、縮合環としてはナフタレン環が特に好ましい。ナフタレン環には一般式(A−1)で挙げた置換基例と同じ置換基が結合していてもよい。一般式(A−2)がナフトール系の化合物であるとき、R11はカルバモイル基であることが好ましい。その中でもフェニルカルバモイル基であることが特に好ましい。R12はアルコキシ基、アリールオキシ基であることが好ましく、アルコキシ基であることが特に好ましい。
以下、本発明の現像促進剤の好ましい具体例を挙げる。本発明はこれらに限定されるものではない。
(カプラー)
以下、本発明のカプラーについて詳細に説明する。
本発明のカプラーは本発明の還元剤の酸化体とカップリングして可視部に吸収を持つ色素を形成できる化合物であればいかなる構造をしていてもよい。このような化合物はカラー写真系ではよく知られた化合物であり、その代表例としてピロロトリアゾール型カプラー、フェノール型カプラー、ナフトール型カプラー、ピラゾロトリアゾール型カプラー、ピラゾロン型カプラー、アシルアセトアニリド型カプラーなどが挙げられる。カラー写真感光材料では重層構成の画像形成層中にカプラーを固定することが必要で、上記カプラー骨格に大きな油溶化基をつけた分子量の比較的大きなカプラーが使用されていた。本発明においてはカプラーの固定化はさほど重要ではなく、より低分子のカプラーの方が画像濃度をかせぐという観点で有利であるという特徴がある。特に、固体分散状態で使用する場合には大きな油溶化基がついていると反応効率が著しく阻害される。母核に置換される置換基としては水溶性を低減できる範囲で小さめの基であることが特に好ましい。
本発明において好ましいカプラーは一般式(C−1)、(C−2)、(C−3)、(M−1)、(M−2)、(M−3)、(Y−1)、(Y−2)、または(Y−3)で表される構造を有するカプラーである。
以下、本発明のカプラーについて詳細に説明する。
本発明のカプラーは本発明の還元剤の酸化体とカップリングして可視部に吸収を持つ色素を形成できる化合物であればいかなる構造をしていてもよい。このような化合物はカラー写真系ではよく知られた化合物であり、その代表例としてピロロトリアゾール型カプラー、フェノール型カプラー、ナフトール型カプラー、ピラゾロトリアゾール型カプラー、ピラゾロン型カプラー、アシルアセトアニリド型カプラーなどが挙げられる。カラー写真感光材料では重層構成の画像形成層中にカプラーを固定することが必要で、上記カプラー骨格に大きな油溶化基をつけた分子量の比較的大きなカプラーが使用されていた。本発明においてはカプラーの固定化はさほど重要ではなく、より低分子のカプラーの方が画像濃度をかせぐという観点で有利であるという特徴がある。特に、固体分散状態で使用する場合には大きな油溶化基がついていると反応効率が著しく阻害される。母核に置換される置換基としては水溶性を低減できる範囲で小さめの基であることが特に好ましい。
本発明において好ましいカプラーは一般式(C−1)、(C−2)、(C−3)、(M−1)、(M−2)、(M−3)、(Y−1)、(Y−2)、または(Y−3)で表される構造を有するカプラーである。
式中、X2は水素原子または離脱基を表し、R2はアシルアミノ基、ウレイド基またはウレタン基を表し、R3は水素原子、アルキル基またはアシルアミノ基を表し、R4は水素原子、または置換基を表す。R3とR4が互いに連結して環を形成してもよい。
式中、X3は水素原子または離脱基を表し、R5はカルバモイル基またはスルファモイル基を表し、R6は水素原子または置換基を表す。
式中、X4は水素原子または離脱基を表し、R7はアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表し、R8は置換基を表す。
式中、X5は水素原子または離脱基を表し、R9はアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表し、R10は置換基を表す。
式中、X6は水素原子または離脱基を表し、R11はアルキル基、アリール基、アシルアミノ基またはアニリノ基を表し、R12はアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。
式中、X7は水素原子または離脱基を表し、R13はアルキル基、アリール基、インドレニル基を表し、R14はアリール基またはヘテロ環基を表す。
式中、X8は水素原子または離脱基を表し、Zは5員ないし7員の環を形成するのに必要な2価の基を表し、R15はアリール基またはヘテロ環基を表す。
式中、X9は水素原子または離脱基を表し、R16、R17およびR18はそれぞれ置換基を表し、nは0ないし4の、mは0ないし5のいずれかの整数を表す。nまたはmが2以上のとき、複数のR16およびR17はそれぞれ同一の基であってもよいし、別々の基であってもよい。
一般式(C−1)において、X1は水素原子または離脱基を表し、Y1およびY2は電子求引性の置換基を表し、R1はアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
X1は水素原子または離脱基で、好ましくは水素原子である。
本発明で言う離脱基とは、還元剤の酸化体とカップリングし、色素を形成する際に母核から離脱可能な基を意味する。離脱基としてはハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、イミド基、メチロール基、およびヘテロ環基等が挙げられる。Y1およびY2は電子求引性基を表す。具体的には、シアノ基、ニトロ基、アシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホニル基、スルホキシド基、オキシスルホニル基、スルファモイル基、ヘテロ環基、トリフルオロメチル基、およびハロゲン原子が挙げられる。その中でも好ましくはシアノ基、オキシカルボニル基、スルホニル基で、より好ましくはシアノ基、オキシカルボニル基である。Y1とY2のいずれか一方がシアノ基であることがさらに好ましく、Y1がシアノ基であることが特に好ましい。Y2はオキシカルボニル基であることが好ましく、かさ高い基で置換されたオキシカルボニル基(例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルピペラジニルオキシカルボニル基)が特に好ましい。R1は好ましくはアルキル基またはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。アルキル基としては2級または3級のアルキル基が好ましく、より好ましくは3級のアルキル基である。アルキル基としては炭素数の和が3〜12の範囲であることが好ましく4〜8の範囲であることがより好ましい。アリール基としてはフェニル基が好ましく、置換基を有していてもよいが、炭素数の和が6〜16の範囲であることが好ましく、6〜12の範囲であることがより好ましい。一般式(C−1)のカプラーは分子量が700以下であることが好ましく、650以下であることがより好ましく、600以下であることがさらに好ましい。
X1は水素原子または離脱基で、好ましくは水素原子である。
本発明で言う離脱基とは、還元剤の酸化体とカップリングし、色素を形成する際に母核から離脱可能な基を意味する。離脱基としてはハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、イミド基、メチロール基、およびヘテロ環基等が挙げられる。Y1およびY2は電子求引性基を表す。具体的には、シアノ基、ニトロ基、アシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホニル基、スルホキシド基、オキシスルホニル基、スルファモイル基、ヘテロ環基、トリフルオロメチル基、およびハロゲン原子が挙げられる。その中でも好ましくはシアノ基、オキシカルボニル基、スルホニル基で、より好ましくはシアノ基、オキシカルボニル基である。Y1とY2のいずれか一方がシアノ基であることがさらに好ましく、Y1がシアノ基であることが特に好ましい。Y2はオキシカルボニル基であることが好ましく、かさ高い基で置換されたオキシカルボニル基(例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルピペラジニルオキシカルボニル基)が特に好ましい。R1は好ましくはアルキル基またはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。アルキル基としては2級または3級のアルキル基が好ましく、より好ましくは3級のアルキル基である。アルキル基としては炭素数の和が3〜12の範囲であることが好ましく4〜8の範囲であることがより好ましい。アリール基としてはフェニル基が好ましく、置換基を有していてもよいが、炭素数の和が6〜16の範囲であることが好ましく、6〜12の範囲であることがより好ましい。一般式(C−1)のカプラーは分子量が700以下であることが好ましく、650以下であることがより好ましく、600以下であることがさらに好ましい。
一般式(C−2)において、X2は水素原子または離脱基であり、R2はアシルアミノ基、ウレイド基またはウレタン基を表し、R3は水素原子、アルキル基またはアシルアミノ基を表し、R4は水素原子、または置換基を表す。R3とR4が互いに連結して環を形成してもよい。
X2は水素原子もしくはX1と同様の離脱基であり、水素原子がより好ましい。R2は好ましくはアシルアミノ基またはウレイド基である。R2としては炭素数の総和が2〜12の範囲が好ましく、より好ましくは2〜8の範囲である。R3は好ましくは炭素数1〜4のアルキル基または炭素数2〜12のアシルアミノ基であり、より好ましくは炭素数2〜4のアルキル基または炭素数2〜8のアシルアミノ基である。R4は好ましくはハロゲン原子、アルコキシ基、アシルアミノ基、アルキル基であり、より好ましくはハロゲン原子またはアシルアミノ基で、特に塩素原子が好ましい。一般式(C−2)のカプラーは分子量が500以下であることが好ましく、450以下であることがより好ましく、400以下であることがさらに好ましい。
一般式(C−3)において、X3は水素原子もしくはX1と同様の離脱基であるが、X3として好ましいのは水素原子である。R5はアシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基またはスルファモイル基が好ましく、カルバモイル基またはスルファモイル基がより好ましい。R5として炭素数の和が1〜12の基が好ましく、より好ましくは炭素数が2〜10である。R6は水素原子もしくは置換基であるが、置換基としては好ましくはアミド基、スルホンアミド基、ウレタン基またはウレイド基であり、アミド基またはウレタン基がより好ましい。置換位置としてはナフトール環の5位または8位が好ましく、5位がより好ましい。R6として炭素数の和が2〜10の基が好ましく、より好ましくは炭素数が2〜6である。一般式(C−2)のカプラーは分子量が550以下であることが好ましく、500以下であることがより好ましく、450以下であることがさらに好ましい。
X2は水素原子もしくはX1と同様の離脱基であり、水素原子がより好ましい。R2は好ましくはアシルアミノ基またはウレイド基である。R2としては炭素数の総和が2〜12の範囲が好ましく、より好ましくは2〜8の範囲である。R3は好ましくは炭素数1〜4のアルキル基または炭素数2〜12のアシルアミノ基であり、より好ましくは炭素数2〜4のアルキル基または炭素数2〜8のアシルアミノ基である。R4は好ましくはハロゲン原子、アルコキシ基、アシルアミノ基、アルキル基であり、より好ましくはハロゲン原子またはアシルアミノ基で、特に塩素原子が好ましい。一般式(C−2)のカプラーは分子量が500以下であることが好ましく、450以下であることがより好ましく、400以下であることがさらに好ましい。
一般式(C−3)において、X3は水素原子もしくはX1と同様の離脱基であるが、X3として好ましいのは水素原子である。R5はアシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基またはスルファモイル基が好ましく、カルバモイル基またはスルファモイル基がより好ましい。R5として炭素数の和が1〜12の基が好ましく、より好ましくは炭素数が2〜10である。R6は水素原子もしくは置換基であるが、置換基としては好ましくはアミド基、スルホンアミド基、ウレタン基またはウレイド基であり、アミド基またはウレタン基がより好ましい。置換位置としてはナフトール環の5位または8位が好ましく、5位がより好ましい。R6として炭素数の和が2〜10の基が好ましく、より好ましくは炭素数が2〜6である。一般式(C−2)のカプラーは分子量が550以下であることが好ましく、500以下であることがより好ましく、450以下であることがさらに好ましい。
一般式(M−1)においてX4は水素原子もしくはX1と同様の離脱基あるが、X4として好まいのは水素原子である。ヘテロ環基としてはピラゾール基、イミダゾール基、トリアゾール基、テトラゾール基、ベンゾイミダゾール基、ベンゾトリアゾール基等のアゾール基が好ましく、ピラゾール基がより好ましい。R7はアルキル基、アリール基またはヘテロ環基で、これらの基は置換基を有していてもよい。好ましくは2級もしくは3級のアルキル基またはアリール基である。アルキル基としては炭素数が2〜14の基が好ましく、より好ましくは炭素数3〜10の基である。アリール基としては好ましくは炭素数が6〜18の基で、より好ましくは6〜14の基である。R8は好ましくはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基またはヘテロ環であり、これらの基は置換基を有していてもよい。アルキル基としては2級または3級のアルキル基が好ましく、より好ましくは3級のアルキル基である。アルキル基としては炭素数の和が3〜12の範囲であることが好ましく4〜8の範囲であることがより好ましい。アリール基としてはフェニル基が好ましく、置換基を有していてもよいが、炭素数の和が6〜16の範囲であることが好ましく、6〜12の範囲であることがより好ましい。アルコキシ基としては炭素数1〜8のアルコキシ基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基である。アリールオキシ基としては炭素数6〜14のアリールオキシ基が好ましく炭素数6〜10の基がより好ましい。アルキルチオ基、アリールチオ基もそれぞれアルコキシ基、アリールオキシ基と同様の炭素数の基が好ましい。一般式(M−1)のカプラーは分子量が600以下であることが好ましく、550以下であることがより好ましく、500以下であることがさらに好ましい。R11はアルキル基、アリール基、アシルアミノ基またはアニリノ基を表し、R10はアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。
一般式(M−2)のカプラーのX5、R9およびR10で表される基はそれぞれ一般式(M−1)のカプラーのX4、R7およびR8で表される基と同様の基で、それぞれの基の好ましい範囲も一般式(M−1)のカプラーと同様である。
一般式(M−3)において、X6は水素原子もしくはX1と同様の離脱基あるが、X6として好ましいのは水素原子である。R11としてはアルキル基、アリール基、アシルアミノ基またはアニリノ基が好ましく、アシルアミノ基またはアニリノ基がより好ましい。最も好ましいのはアニリノ基である。アルキル基としては炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、アリール基としては炭素数6〜14のアリール基が好ましい。アシルアミノ基としては炭素数2〜14の基が好ましく2〜10の基がより好ましい。アニリノ基としては炭素数6〜16の基が好ましく6〜12の基がより好ましい。アニリノ基の置換基としてはハロゲン原子、アシルアミノ基が好ましい。一般式(M−3)のカプラーは分子量が700以下であることが好ましく、650以下であることがより好ましく、600以下であることがさらに好ましい。
一般式(Y−1)において、X7は水素原子もしくはX1と同様の離脱基あるが、X7として好ましいのは水素原子である。R13は好ましくは2級もしくは3級のアルキル基、アリール基またはヘテロ環基である。アルキル基はシクロアルキル基、ビシクロアルキル基であってもよく3級アルキル基がより好ましい。1−アルキルシクロプロピル基、ビシクロアルキル基、アダマンチル基は特に好ましい。R14はアリール基もしくはヘテロ環基で、アリール基がより好ましい。そのなかでも2位にハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基またはアリールチオ基が置換したフェニル基が特に好ましい。R14の炭素数の総和は6〜18の範囲が好ましく、より好ましくは7〜16の範囲、さらに好ましくは8〜14の範囲である。一般式(Y−1)のカプラーは分子量が700以下であることが好ましく、650以下であることがより好ましく、600以下であることがさらに好ましい。
一般式(M−3)において、X6は水素原子もしくはX1と同様の離脱基あるが、X6として好ましいのは水素原子である。R11としてはアルキル基、アリール基、アシルアミノ基またはアニリノ基が好ましく、アシルアミノ基またはアニリノ基がより好ましい。最も好ましいのはアニリノ基である。アルキル基としては炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、アリール基としては炭素数6〜14のアリール基が好ましい。アシルアミノ基としては炭素数2〜14の基が好ましく2〜10の基がより好ましい。アニリノ基としては炭素数6〜16の基が好ましく6〜12の基がより好ましい。アニリノ基の置換基としてはハロゲン原子、アシルアミノ基が好ましい。一般式(M−3)のカプラーは分子量が700以下であることが好ましく、650以下であることがより好ましく、600以下であることがさらに好ましい。
一般式(Y−1)において、X7は水素原子もしくはX1と同様の離脱基あるが、X7として好ましいのは水素原子である。R13は好ましくは2級もしくは3級のアルキル基、アリール基またはヘテロ環基である。アルキル基はシクロアルキル基、ビシクロアルキル基であってもよく3級アルキル基がより好ましい。1−アルキルシクロプロピル基、ビシクロアルキル基、アダマンチル基は特に好ましい。R14はアリール基もしくはヘテロ環基で、アリール基がより好ましい。そのなかでも2位にハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基またはアリールチオ基が置換したフェニル基が特に好ましい。R14の炭素数の総和は6〜18の範囲が好ましく、より好ましくは7〜16の範囲、さらに好ましくは8〜14の範囲である。一般式(Y−1)のカプラーは分子量が700以下であることが好ましく、650以下であることがより好ましく、600以下であることがさらに好ましい。
一般式(Y−2)のカプラーのX8およびR15で表される基はそれぞれ一般式(Y−1)のカプラーのX7、R14で表される基と同様の基で、それぞれの基の好ましい範囲も一般式(Y−1)のカプラーと同様である。Zは5員ないし7員の環を形成するために必要な2価の基を表し、この環には置換基があってもよいし、別の環が縮環していてもよい。
一般式(Y−2)のなかでも好ましいのは一般式(Y−3)で表されるカプラーである。一般式(Y−3)のカプラーにおいて、X9は一般式(Y−1)のX7と同義で、好ましい範囲も同じである。R16は好ましくはハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基、スルホンアミド基、シアノ基、スルホニル基、スルファモイル基、カルバモイル基またはアルキルチオ基で炭素数1〜4の置換基であることがより好ましい。nは好ましくは0〜3の整数で、より好ましくは0〜2、さらに好ましくは0〜1、最も好ましくは0である。R17は好ましくはR16と同様の基で、より好ましくはハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、アルコキシカルボニル基、スルファモイル基、スルホニル基である。特にNH基に対してオルト位にハロゲン原子、アルコキシ基またはアルキルチオ基であるR17が置換されていることがより好ましい。最も好ましいのはアルキルチオ基である。一般式(Y−3)のカプラーは分子量が750以下であることが好ましく、700以下であることがより好ましく、650以下であることがさらに好ましい。
以下に本発明のカプラーの具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
一般式(Y−2)のなかでも好ましいのは一般式(Y−3)で表されるカプラーである。一般式(Y−3)のカプラーにおいて、X9は一般式(Y−1)のX7と同義で、好ましい範囲も同じである。R16は好ましくはハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基、スルホンアミド基、シアノ基、スルホニル基、スルファモイル基、カルバモイル基またはアルキルチオ基で炭素数1〜4の置換基であることがより好ましい。nは好ましくは0〜3の整数で、より好ましくは0〜2、さらに好ましくは0〜1、最も好ましくは0である。R17は好ましくはR16と同様の基で、より好ましくはハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、アルコキシカルボニル基、スルファモイル基、スルホニル基である。特にNH基に対してオルト位にハロゲン原子、アルコキシ基またはアルキルチオ基であるR17が置換されていることがより好ましい。最も好ましいのはアルキルチオ基である。一般式(Y−3)のカプラーは分子量が750以下であることが好ましく、700以下であることがより好ましく、650以下であることがさらに好ましい。
以下に本発明のカプラーの具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
発明のカプラーはメタノールなど適当な溶媒に溶解させた溶液として、界面活性剤、補助溶媒および保護コロイドを使ってホモジナイザー等で乳化分散した乳化分散物として、もしくは固体分散物として添加することができる。その中でも固体微粒子状に分散して感光性乳剤層(画像形成層)もしくは乳剤層(画像形成層)に隣接する非感光性層に添加することが好ましい。
固体微粒子の分散物は粉体粒子を分散剤や界面活性剤を含む水溶液に撹拌化下でなじませた後、ビーズミル、ボールミル、コロイドミル、振動ボールミル、サンドミル、ジェットミル、ローラーミルあるいは超音波によって分散する方法により作製できる。分散剤としてはポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ゼラチン等の水溶性ポリマー、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、スルホコハク酸、オレオイル−N−メチルタウリンスルホン酸等のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩などのアニオン性界面活性剤、アルキルベンゼンポリエトキシレート、アルキルポリエトキシレート、プルロニック類、アルキルグルコキシレート等のノニオン性界面活性剤が用いられる。その中でも水溶性ポリマーとしてはアルキルチオ変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アニオン性界面活性剤界面活性剤としてはドデシルベンゼンスルホン酸塩、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩が好ましい。前記の水溶性ポリマーとアニオン界面活性剤を併用して用いることは特に好ましい。分散液の長期保存のためには防腐剤を添加することが好ましく、イソチアゾリノン系の防腐剤、特にベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩が好ましい。また、分散時の発泡を防止するために消泡剤を使用することが好ましく、消泡効果の点ではアセチレンアルコール類が特に好ましい。
固体微粒子の平均サイズは0.05μmないし5μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.1ないし2μmの範囲、さらに好ましくは0.2ないし1μmの範囲である。粒子サイズが大きすぎると濾過詰まり、塗布面状の悪化等の問題を引き起こし、粒子サイズが小さすぎると分散物の安定性が損なわれる。これらの問題から平均サイズを前記範囲に設定することが好ましく、粒子サイズ分布を低く抑えることが好ましい。
固体微粒子状の化合物を熱現像時に効率良く機能させるためには、本発明のカプラーはその融点が220℃以下であることが好ましく、より好ましくは200℃以下、さらに好ましくは180℃以下である。また、未使用の感光材料の保存性を良好に保つために本発明のカプラーは融点が70℃以上であることが好ましく、より好ましくは90℃以上、さらに好ましくは110℃以上である。また、熱現像後の感光材料の長期保存性を改良するためには本発明のカプラーはその融点が100℃以上であることが好ましく、より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは140℃以上である。微粒子固体分散物の安定性を向上させるためには、本発明のカプラーの水に対する溶解度が1000ppm以下であることが好ましく、より好ましくは200ppm以下、さらに好ましくは50ppm以下である。分散剤や界面活性剤が含まれている場合には、これらを含む溶液に対するカプラーの溶解度が上記の値の範囲にあることが好ましい。
固体微粒子状の化合物を熱現像時に効率良く機能させるためには、本発明のカプラーはその融点が220℃以下であることが好ましく、より好ましくは200℃以下、さらに好ましくは180℃以下である。また、未使用の感光材料の保存性を良好に保つために本発明のカプラーは融点が70℃以上であることが好ましく、より好ましくは90℃以上、さらに好ましくは110℃以上である。また、熱現像後の感光材料の長期保存性を改良するためには本発明のカプラーはその融点が100℃以上であることが好ましく、より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは140℃以上である。微粒子固体分散物の安定性を向上させるためには、本発明のカプラーの水に対する溶解度が1000ppm以下であることが好ましく、より好ましくは200ppm以下、さらに好ましくは50ppm以下である。分散剤や界面活性剤が含まれている場合には、これらを含む溶液に対するカプラーの溶解度が上記の値の範囲にあることが好ましい。
本発明のカプラーは0.1mmol/m2〜5.0mmol/m2の範囲で使用でき、好ましくは0.2mmol/m2〜3.0mmol/m2の範囲、さらに好ましくは0.5mmol/m2〜2.0mmol/m2の範囲で使用することである。本発明のカプラーは一般式(C−1)、(C−2)、(C−3)から選ばれる1種、(M−1)、(M−2)、及び(M−3)から選ばれる1種、(Y−1)、(Y−2)、及び(Y−3)から選ばれる1種のうち2種以上を併用することが好ましく、3種併用することがより好ましい。一般式(C−1)、(C−2)、及び(C−3)から選ばれるカプラーの使用量は0.05mmol/m2〜2.0mmol/m2の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.1〜1.0の範囲、さらに好ましくは0.15mmol/m2〜0.6mmol/m2の範囲である。一般式(M−1)、(M−2)、及び(M−3)から選ばれるカプラーの使用量は0.1mmol/m2〜2.0mmol/m2の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.15〜1.5の範囲、さらに好ましくは0.2mmol/m2〜0.8mmol/m2の範囲である。一般式(Y−1)、(Y−2)、及び(Y−3)から選ばれるカプラーの使用量は0.2mmol/m2〜4.0mmol/m2の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.3〜3.0の範囲、さらに好ましくは0.4mmol/m2〜2.0mmol/m2の範囲である。
(他のカプラー)
本発明において、一般式(BC−1)または(BC−2)で表されるカプラーも好ましく用いられる。一般式(BC−1)または(BC−2)で表されるカプラーは、熱現像によって、本発明の還元剤の酸化体とのカップリング反応し、その結果、黒色の色素を生成し得る化合物である。
本発明において、一般式(BC−1)または(BC−2)で表されるカプラーも好ましく用いられる。一般式(BC−1)または(BC−2)で表されるカプラーは、熱現像によって、本発明の還元剤の酸化体とのカップリング反応し、その結果、黒色の色素を生成し得る化合物である。
式中、Lは2価の連結基であり、Blstはカプラー分子を耐拡散性にするバラスト基である。Tは、水素原子またはカップリング反応時に脱離し得る置換基を表す。mは0〜3の整数である。
式中、L、Blstは、前記一般式(BC−1)におけると同義である。T1およびT2は水素原子、またはカップリング反応時に脱離し得る置換基を表す。
T、T1、およびT2は、水素原子または離脱基であり、好ましくは水素原子である。
本発明で言う離脱基とは前記本発明のカプラーでの定義と同義である。
L−Blstで表される基は、好ましくは、−COR1、−SO2R2、−COOR3、−NHCOR4、−CONHR5、−CON(R6)(R7)、−COSO2R8、−NHCONHR9、−NHSO2R10、および−NHR11より選ばれる基であり、R1〜R11は、バラスト基である。バラスト基は、カプラー分子を層中で添加された層より他の層に移動するのを防止するための耐拡散性を付与する基であり、好ましいバラスト基としては、下記に挙げる基を用いることが出来る。
(a)フェニル又はナフチル基で、ヒドロキシ基、ハロゲン原子(塩素、臭素、沃素など)、ハロゲン化スルホニル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1〜20のアルキル基、置換アルキル基(ハロゲン化アルキル基、アリールアルキル基など)、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、および炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基。
(b)炭素数3〜20のアルキル基。
(c)5〜10員環で、酸素原子、窒素原子、または硫黄原子を有するヘテロ環基。例えば、フリル基、キノリル基、チエニル基など。
本発明で言う離脱基とは前記本発明のカプラーでの定義と同義である。
L−Blstで表される基は、好ましくは、−COR1、−SO2R2、−COOR3、−NHCOR4、−CONHR5、−CON(R6)(R7)、−COSO2R8、−NHCONHR9、−NHSO2R10、および−NHR11より選ばれる基であり、R1〜R11は、バラスト基である。バラスト基は、カプラー分子を層中で添加された層より他の層に移動するのを防止するための耐拡散性を付与する基であり、好ましいバラスト基としては、下記に挙げる基を用いることが出来る。
(a)フェニル又はナフチル基で、ヒドロキシ基、ハロゲン原子(塩素、臭素、沃素など)、ハロゲン化スルホニル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1〜20のアルキル基、置換アルキル基(ハロゲン化アルキル基、アリールアルキル基など)、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、および炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基。
(b)炭素数3〜20のアルキル基。
(c)5〜10員環で、酸素原子、窒素原子、または硫黄原子を有するヘテロ環基。例えば、フリル基、キノリル基、チエニル基など。
あるいは、好ましいバラスト基として、ポリマー残基であっても良い。あるいは、バラスト基に対称または非対称にレゾルシノール基が結合したビス体であっても良い。
特に好ましいL−Blstで表される基は、−CONHR5基であって、R5が炭素数3〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルキル基を置換基に有するフェニル基、又は炭素数1〜20のアルキルアリール基またはアルコキシ基を置換基に有するフェニル基である。
一般式(BC−1)または(BC−2)で表されるカプラーを用いた固体微粒子分散物の分散方法、カプラーの好ましい融点、好ましい使用量等は前記一般式(C−1)〜(Y−3)で表されるカプラーにおける記載と同様である。以下に本発明に用いられる一般式(BC−1)または(BC−2)で表されるカプラーの具体例を挙げるが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
本発明におけるカプラーはメタノールなど適当な溶媒に溶解させた溶液として、界面活性剤、補助溶媒および保護コロイドを使ってホモジナイザー等で乳化分散した乳化分散物として、もしくは固体分散物として添加することができる。その中でも固体微粒子状に分散して画像形成層もしくはそれに隣接する非感光性層に添加することが好ましい。
固体微粒子の分散物は粉体粒子を分散剤や界面活性剤を含む水溶液に撹拌化下でなじませた後、ビーズミル、ボールミル、コロイドミル、振動ボールミル、サンドミル、ジェットミル、ローラーミルあるいは超音波によって分散する方法により作製できる。分散剤としてはポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ゼラチン等の水溶性ポリマー、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、スルホコハク酸、オレオイル−N−メチルタウリンスルホン酸等のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩などのアニオン性界面活性剤、アルキルベンゼンポリエトキシレート、アルキルポリエトキシレート、プルロニック類、アルキルグルコキシレート等のノニオン性界面活性剤が用いられる。その中でも水溶性ポリマーとしてはアルキルチオ変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アニオン性界面活性剤界面活性剤としてはドデシルベンゼンスルホン酸塩、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩が好ましい。前記の水溶性ポリマーとアニオン界面活性剤を併用して用いることは特に好ましい。分散液の長期保存のためには防腐剤を添加することが好ましく、イソチアゾリノン系の防腐剤、特にベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩が好ましい。また、分散時の発泡を防止するために消泡剤を使用することが好ましく、消泡効果の点ではアセチレンアルコール類が特に好ましい。
固体微粒子の平均サイズは0.05μmないし5μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.1ないし2μmの範囲、さらに好ましくは0.2ないし1μmの範囲である。粒子サイズが大きすぎると濾過詰まり、塗布面状の悪化等の問題を引き起こし、粒子サイズが小さすぎると分散物の安定性が損なわれる。これらの問題から平均サイズを前記範囲に設定することが好ましく、粒子サイズ分布を低く抑えることが好ましい。
固体微粒子状の化合物を熱現像時に効率良く機能させるためには、本発明におけるカプラーはその融点が220℃以下であることが好ましく、より好ましくは200℃以下、さらに好ましくは180℃以下である。また、未使用の熱現像感光材料の保存性を良好に保つためには、その融点が70℃以上であることが好ましく、より好ましくは90℃以上、さらに好ましくは110℃以上である。また、熱現像後の感光材料の長期保存性を改良するためには本発明におけるカプラーはその融点が100℃以上であることが好ましく、より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは140℃以上である。微粒子固体分散物の安定性を向上させるためには、本発明におけるカプラーの水に対する溶解度が1000ppm以下であることが好ましく、より好ましくは200ppm以下、さらに好ましくは50ppm以下である。分散剤や界面活性剤が含まれている場合には、これらを含む溶液に対する本発明におけるカプラー物の溶解度が上記の値の範囲にあることが好ましい。
固体微粒子状の化合物を熱現像時に効率良く機能させるためには、本発明におけるカプラーはその融点が220℃以下であることが好ましく、より好ましくは200℃以下、さらに好ましくは180℃以下である。また、未使用の熱現像感光材料の保存性を良好に保つためには、その融点が70℃以上であることが好ましく、より好ましくは90℃以上、さらに好ましくは110℃以上である。また、熱現像後の感光材料の長期保存性を改良するためには本発明におけるカプラーはその融点が100℃以上であることが好ましく、より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは140℃以上である。微粒子固体分散物の安定性を向上させるためには、本発明におけるカプラーの水に対する溶解度が1000ppm以下であることが好ましく、より好ましくは200ppm以下、さらに好ましくは50ppm以下である。分散剤や界面活性剤が含まれている場合には、これらを含む溶液に対する本発明におけるカプラー物の溶解度が上記の値の範囲にあることが好ましい。
本発明におけるカプラーの好ましい塗布量はそれぞれ0.01ないし10mmol/m2の範囲で、より好ましくは0.1ないし5mmol/m2の範囲、さらに好ましくは0.5ないし3mmol/m2の範囲である。
本発明におけるカプラーは単独で用いてもよいが、2種以上を組み合わせて使用することが好ましい。
(脂肪酸銀塩)
1)組成
本発明に用いることのできる脂肪酸銀塩は、光に対して比較的安定であるが、露光された感光性ハロゲン化銀及び還元剤の存在下で、80℃或いはそれ以上に加熱された場合に銀イオン供給体として機能し、銀画像を形成せしめる脂肪酸銀塩である。本発明に用いることのできる脂肪酸銀塩としては、好ましくは、炭素数が10〜30、より好ましくは15〜28の長鎖脂肪族カルボン酸の銀塩が好ましい。脂肪酸銀塩の好ましい例としては、リグノセリン酸銀、ベヘン酸銀、アラキジン酸銀、ステアリン酸銀、オレイン酸銀、ラウリン酸銀、カプロン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、エルカ酸銀およびこれらの混合物などを含む。本発明においては、これら脂肪酸銀の中でも、ベヘン酸銀含有率が好ましくは50モル%以上100モル%以下、より好ましくは85モル%以上100モル%以下、さらに好ましくは95モル%以上100モル%以下の脂肪酸銀を用いることが好ましい。更に、エルカ酸銀含有率が2モル%以下、より好ましくは1モル%以下、更に好ましくは0.1モル%以下の脂肪酸銀を用いることが好ましい。
1)組成
本発明に用いることのできる脂肪酸銀塩は、光に対して比較的安定であるが、露光された感光性ハロゲン化銀及び還元剤の存在下で、80℃或いはそれ以上に加熱された場合に銀イオン供給体として機能し、銀画像を形成せしめる脂肪酸銀塩である。本発明に用いることのできる脂肪酸銀塩としては、好ましくは、炭素数が10〜30、より好ましくは15〜28の長鎖脂肪族カルボン酸の銀塩が好ましい。脂肪酸銀塩の好ましい例としては、リグノセリン酸銀、ベヘン酸銀、アラキジン酸銀、ステアリン酸銀、オレイン酸銀、ラウリン酸銀、カプロン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、エルカ酸銀およびこれらの混合物などを含む。本発明においては、これら脂肪酸銀の中でも、ベヘン酸銀含有率が好ましくは50モル%以上100モル%以下、より好ましくは85モル%以上100モル%以下、さらに好ましくは95モル%以上100モル%以下の脂肪酸銀を用いることが好ましい。更に、エルカ酸銀含有率が2モル%以下、より好ましくは1モル%以下、更に好ましくは0.1モル%以下の脂肪酸銀を用いることが好ましい。
また、ステアリン酸銀含有率が1モル%以下であることが好ましい。前記ステアリン酸銀含有率を1モル%以下とすることにより、Dminが低く、高感度で画像保存性に優れた有機酸の銀塩が得られる。前記ステアリン酸銀含有率としては、0.5モル%以下が好ましく、実質的に含まないことが特に好ましい。
さらに、脂肪酸銀塩としてアラキジン酸銀を含む場合は、アラキジン酸銀含有率が6モル%以下であることが、低いDminを得ること及び画像保存性の優れた銀塩を得る点で好ましく、3モル%以下であることが更に好ましい。
2)形状
本発明に用いることができる脂肪酸銀塩の形状としては特に制限はなく、針状、棒状、平板状、りん片状いずれでもよい。
本発明においてはりん片状の脂肪酸銀塩が好ましい。また、長軸と単軸の長さの比が5以下の短針状、直方体、立方体またはジャガイモ状の不定形粒子も好ましく用いられる。これらの脂肪酸銀粒子は長軸と単軸の長さの比が5を越える長針状粒子に比べて熱現像時のかぶりが少ないという特徴を有している。特に、長軸と単軸の比が3以下の粒子は塗布膜の機械的安定性が向上し好ましい。本明細書において、りん片状の脂肪酸銀塩とは、次のようにして定義する。脂肪酸銀塩を電子顕微鏡で観察し、脂肪酸銀塩粒子の形状を直方体と近似し、この直方体の辺を一番短かい方からa、b、cとした(cはbと同じであってもよい。)とき、短い方の数値a、bで計算し、次のようにしてxを求める。
x=b/a
本発明に用いることができる脂肪酸銀塩の形状としては特に制限はなく、針状、棒状、平板状、りん片状いずれでもよい。
本発明においてはりん片状の脂肪酸銀塩が好ましい。また、長軸と単軸の長さの比が5以下の短針状、直方体、立方体またはジャガイモ状の不定形粒子も好ましく用いられる。これらの脂肪酸銀粒子は長軸と単軸の長さの比が5を越える長針状粒子に比べて熱現像時のかぶりが少ないという特徴を有している。特に、長軸と単軸の比が3以下の粒子は塗布膜の機械的安定性が向上し好ましい。本明細書において、りん片状の脂肪酸銀塩とは、次のようにして定義する。脂肪酸銀塩を電子顕微鏡で観察し、脂肪酸銀塩粒子の形状を直方体と近似し、この直方体の辺を一番短かい方からa、b、cとした(cはbと同じであってもよい。)とき、短い方の数値a、bで計算し、次のようにしてxを求める。
x=b/a
このようにして200個程度の粒子についてxを求め、その平均値x(平均)としたとき、x(平均)≧1.5の関係を満たすものをりん片状とする。好ましくは30≧x(平均)≧1.5、より好ましくは15≧x(平均)≧1.5である。因みに針状とは1≦x(平均)<1.5である。
りん片状粒子において、aはbとcを辺とする面を主平面とした平板状粒子の厚さとみることができる。aの平均は0.01μm以上0.3μm以下が好ましく0.1μm以上0.23μm以下がより好ましい。c/bの平均は1以上9以下であることが好ましく、より好ましくは1以上6以下、さらに好ましくは1以上4以下、最も好ましくは1以上3以下である。
前記球相当直径を0.05μm以上1μm以下とすることにより、熱現像感光材料中で凝集を起こしにくく、画像保存性が良好となる。前記球相当直径としては、0.1μm以上1μm以下が好ましい。
本発明において、球相当直径の測定方法は、電子顕微鏡を用いて直接サンプルを撮影し、その後、ネガを画像処理することによって求められる。
前記リン片状粒子において、粒子の球相当直径/aをアスペクト比と定義する。リン片状粒子のアスペクト比としては、熱現像感光材料中で凝集を起こしにくく、画像保存性が良好となる観点から、1.1以上30以下であることが好ましく、1.1以上15以下がより好ましい。
本発明において、球相当直径の測定方法は、電子顕微鏡を用いて直接サンプルを撮影し、その後、ネガを画像処理することによって求められる。
前記リン片状粒子において、粒子の球相当直径/aをアスペクト比と定義する。リン片状粒子のアスペクト比としては、熱現像感光材料中で凝集を起こしにくく、画像保存性が良好となる観点から、1.1以上30以下であることが好ましく、1.1以上15以下がより好ましい。
脂肪酸銀塩の粒子サイズ分布は単分散であることが好ましい。単分散とは短軸、長軸それぞれの長さの標準偏差を短軸、長軸それぞれで割った値の100分率が好ましくは100%以下、より好ましくは80%以下、更に好ましくは50%以下である。脂肪酸銀塩の形状の測定方法としては脂肪酸銀塩分散物の透過型電子顕微鏡像より求めることができる。単分散性を測定する別の方法として、脂肪酸銀塩の体積加重平均直径の標準偏差を求める方法があり、体積加重平均直径で割った値の百分率(変動係数)が好ましくは100%以下、より好ましくは80%以下、更に好ましくは50%以下である。測定方法としては例えば液中に分散した脂肪酸銀塩にレーザー光を照射し、その散乱光のゆらぎの時間変化に対する自己相関関数を求めることにより得られた粒子サイズ(体積加重平均直径)から求めることができる。
3)調製
本発明に用いられる脂肪酸銀の製造及びその分散法は、公知の方法等を適用することができる。例えば上記の特開平10−62899号、欧州特許公開第0803763A1、欧州特許公開第0962812A1号、特開平11−349591号、特開2000−7683号、同2000−72711号、同2001−163889号、同2001−163890号、同2001−163827号、同2001−33907号、同2001−188313号、同2001−83652号、同2002−6442、同2002−49117号、同2002−31870号、同2002−107868号等を参考にすることができる。
本発明に用いられる脂肪酸銀の製造及びその分散法は、公知の方法等を適用することができる。例えば上記の特開平10−62899号、欧州特許公開第0803763A1、欧州特許公開第0962812A1号、特開平11−349591号、特開2000−7683号、同2000−72711号、同2001−163889号、同2001−163890号、同2001−163827号、同2001−33907号、同2001−188313号、同2001−83652号、同2002−6442、同2002−49117号、同2002−31870号、同2002−107868号等を参考にすることができる。
なお、脂肪酸銀塩の分散時に、感光性銀塩を共存させると、かぶりが上昇し、感度が著しく低下するため、分散時には感光性銀塩を実質的に含まないことがより好ましい。本発明では、分散される水分散液中での感光性銀塩量は、その液中の脂肪酸銀塩1モルに対し1モル%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1モル%以下であり、さらに好ましいのは積極的な感光性銀塩の添加を行わないものである。
本発明において脂肪酸銀塩水分散液と感光性銀塩水分散液をそれぞれ独立に調製して後に混合して黒白熱現像感光材料を製造することが可能である。また、2種以上の脂肪酸銀塩水分散液、あるいは2種以上の感光性銀塩水分散液を混して用いることは、写真特性の調節のために好ましく用いられる方法である。
4)添加量
本発明の脂肪酸銀塩は所望の量で使用できるが、ハロゲン化銀も含めた全塗布銀量として0.05g/m2〜3.0g/m2が好ましく、より好ましくは0.1g/m2〜1.8g/m2、さらに好ましくは0.2g/m2〜1.2g/m2である。
本発明の脂肪酸銀塩は所望の量で使用できるが、ハロゲン化銀も含めた全塗布銀量として0.05g/m2〜3.0g/m2が好ましく、より好ましくは0.1g/m2〜1.8g/m2、さらに好ましくは0.2g/m2〜1.2g/m2である。
(補助的還元剤)
本発明の黒白熱現像感光材料には前述の還元剤と共に補助的還元剤を用いることが好ましい。本発明における補助的還元剤としては、銀イオンを金属銀に還元する任意の物質(好ましくは有機物質)であってよい。このような還元剤の例は、特開平11−65021号の段落番号0043〜0045や、欧州特許公開第0803764A1号の第7ページ第34行〜第18ページ第12行に記載されている。
本発明の黒白熱現像感光材料には前述の還元剤と共に補助的還元剤を用いることが好ましい。本発明における補助的還元剤としては、銀イオンを金属銀に還元する任意の物質(好ましくは有機物質)であってよい。このような還元剤の例は、特開平11−65021号の段落番号0043〜0045や、欧州特許公開第0803764A1号の第7ページ第34行〜第18ページ第12行に記載されている。
本発明において、補助的還元剤としてはフェノール性水酸基のオルト位に置換基を有するいわゆるヒンダードフェノール系還元剤あるいはビスフェノール系還元剤が好ましく、下記一般式(R)で表される化合物がより好ましい。
一般式(R)において、R11およびR11’は各々独立に炭素数1〜20のアルキル基を表す。R12およびR12’は各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な置換基を表す。Lは−S−基または−CHR13−基を表す。R13は水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を表す。X1およびX1’は各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な基を表す。
一般式(R)について詳細に説明する。
1)R11およびR11’
R11およびR11’は各々独立に置換または無置換の炭素数1〜20のアルキル基であり、アルキル基の置換基は特に限定されることはないが、好ましくは、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スルホニル基、ホスホリル基、アシル基、カルバモイル基、エステル基、ウレイド基、ウレタン基、およびハロゲン原子等が挙げられる。
1)R11およびR11’
R11およびR11’は各々独立に置換または無置換の炭素数1〜20のアルキル基であり、アルキル基の置換基は特に限定されることはないが、好ましくは、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スルホニル基、ホスホリル基、アシル基、カルバモイル基、エステル基、ウレイド基、ウレタン基、およびハロゲン原子等が挙げられる。
2)R12およびR12’、X1およびX1’
R12およびR12’は各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な置換基であり、X1およびX1’も各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な基を表す。それぞれベンゼン環に置換可能な基としては、好ましくはアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、およびアシルアミノ基が挙げられる。
R12およびR12’は各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な置換基であり、X1およびX1’も各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な基を表す。それぞれベンゼン環に置換可能な基としては、好ましくはアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、およびアシルアミノ基が挙げられる。
3)L
Lは−S−基または−CHR13−基を表す。R13は水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を表し、アルキル基は置換基を有していてもよい。R13の無置換のアルキル基の具体例はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、ウンデシル基、イソプロピル基、1−エチルペンチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、シクロヘキシル基、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基、および3,5−ジメチル−3−シクロヘキセニル基などが挙げられる。アルキル基の置換基の例はR11の置換基と同様で、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スルホニル基、ホスホリル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、およびスルファモイル基などが挙げられる。
Lは−S−基または−CHR13−基を表す。R13は水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を表し、アルキル基は置換基を有していてもよい。R13の無置換のアルキル基の具体例はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、ウンデシル基、イソプロピル基、1−エチルペンチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、シクロヘキシル基、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基、および3,5−ジメチル−3−シクロヘキセニル基などが挙げられる。アルキル基の置換基の例はR11の置換基と同様で、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スルホニル基、ホスホリル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、およびスルファモイル基などが挙げられる。
4)好ましい置換基
R11およびR11’として好ましくは炭素数1〜15の1級、2級または3級のアルキル基であり、具体的にはメチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−アミル基、t−オクチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、および1−メチルシクロプロピル基などが挙げられる。R11およびR11’としてより好ましくは炭素数1〜4のアルキル基で、その中でもメチル基、t−ブチル基、t−アミル基、1−メチルシクロヘキシル基が更に好ましく、メチル基、t−ブチル基が最も好ましい。
R11およびR11’として好ましくは炭素数1〜15の1級、2級または3級のアルキル基であり、具体的にはメチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−アミル基、t−オクチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、および1−メチルシクロプロピル基などが挙げられる。R11およびR11’としてより好ましくは炭素数1〜4のアルキル基で、その中でもメチル基、t−ブチル基、t−アミル基、1−メチルシクロヘキシル基が更に好ましく、メチル基、t−ブチル基が最も好ましい。
R12およびR12’として好ましくは炭素数1〜20のアルキル基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−アミル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、ベンジル基、メトキシメチル基、およびメトキシエチル基などが挙げられる。より好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、またはt−ブチル基であり、特に好ましくはメチル基、エチル基である。
X1およびX1’は、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、またはアルキル基で、より好ましくは水素原子である。
X1およびX1’は、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、またはアルキル基で、より好ましくは水素原子である。
Lは好ましくは−CHR13−基である。
R13として好ましくは水素原子または炭素数1〜15のアルキル基であり、該アルキル基としては鎖状のアルキル基の他、環状のアルキル基も好ましく用いられる。また、これらのアルキル基の中にC=C結合を有しているものも好ましく用いることができる。アルキル基としては例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、シクロヘキシル基、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基、または3,5−ジメチル−3−シクロヘキセニル基等が好ましい。R13として特に好ましいのは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、または2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基である。
R13として好ましくは水素原子または炭素数1〜15のアルキル基であり、該アルキル基としては鎖状のアルキル基の他、環状のアルキル基も好ましく用いられる。また、これらのアルキル基の中にC=C結合を有しているものも好ましく用いることができる。アルキル基としては例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、シクロヘキシル基、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基、または3,5−ジメチル−3−シクロヘキセニル基等が好ましい。R13として特に好ましいのは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、または2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基である。
R11、R11’が3級のアルキル基でR12、R12’がメチル基の場合、R13は炭素数1〜8の1級または2級のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、または2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基等)が好ましい。
R11、R11’が3級のアルキル基でR12、R12’がメチル基以外のアルキル基の場合、R13は水素原子が好ましい。
R11、R11’が3級のアルキル基でない場合、R13は水素原子または2級のアルキル基であることが好ましく、2級のアルキル基であることが特に好ましい。R13の2級アルキル基として好ましい基はイソプロピル基、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基である。
上記還元剤はR11、R11’、R12、R12’およびR13の組み合わせにより、熱現像性、現像銀色調などが異なる。2種以上の還元剤を組み合わせることでこれらを調製することができるため、目的によっては2種以上を組み合わせて使用することが好ましい。
R11、R11’が3級のアルキル基でR12、R12’がメチル基以外のアルキル基の場合、R13は水素原子が好ましい。
R11、R11’が3級のアルキル基でない場合、R13は水素原子または2級のアルキル基であることが好ましく、2級のアルキル基であることが特に好ましい。R13の2級アルキル基として好ましい基はイソプロピル基、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基である。
上記還元剤はR11、R11’、R12、R12’およびR13の組み合わせにより、熱現像性、現像銀色調などが異なる。2種以上の還元剤を組み合わせることでこれらを調製することができるため、目的によっては2種以上を組み合わせて使用することが好ましい。
以下に本発明の一般式(R)で表される化合物をはじめとする補助的還元剤の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明において補助的還元剤の添加量は0.1g/m2〜3.0g/m2であることが好ましく、より好ましくは0.2g/m2〜1.5g/m2で、さらに好ましくは0.3g/m2〜1.0g/m2である。画像形成層を有する面の銀1モルに対しては5モル%〜50モル%含まれることが好ましく、より好ましくは8モル%〜30モル%であり、10モル%〜20モル%で含まれることがさらに好ましい。補助的還元剤は画像形成層に含有させることが好ましい。
補助的還元剤は、固体粒子分散物で添加するのが好ましく、平均粒子サイズ0.01μm〜10μm、好ましくは0.05μm〜5μm、より好ましくは0.1μm〜2μmの微粒子して添加するのが好ましい。
(感光性ハロゲン化銀)
1)ハロゲン組成
本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀は、ハロゲン組成として特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、臭化銀、ヨウ臭化銀、ヨウ塩臭化銀、またはヨウ化銀を用いることができる。
その中でも本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀は高ヨウ化銀含有率の平板状ヨウ化銀が好ましい。ヨウ化銀含有率が40モル%以上が好ましい。より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上であることが処理後の光照射に対する画像保存性の観点で極めて好ましい。
残りは特に制限はなく、塩化銀、臭化銀などのハロゲン化銀、またはチオシアン酸銀や燐酸銀などの有機銀塩から選ぶことができるが、特に臭化銀、塩化銀であることが好ましい。
1)ハロゲン組成
本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀は、ハロゲン組成として特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、臭化銀、ヨウ臭化銀、ヨウ塩臭化銀、またはヨウ化銀を用いることができる。
その中でも本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀は高ヨウ化銀含有率の平板状ヨウ化銀が好ましい。ヨウ化銀含有率が40モル%以上が好ましい。より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上であることが処理後の光照射に対する画像保存性の観点で極めて好ましい。
残りは特に制限はなく、塩化銀、臭化銀などのハロゲン化銀、またはチオシアン酸銀や燐酸銀などの有機銀塩から選ぶことができるが、特に臭化銀、塩化銀であることが好ましい。
粒子内におけるハロゲン組成の分布は均一であってもよく、ハロゲン組成がステップ状に変化したものでもよく、或いは連続的に変化したものでもよい。また、コア/シェル構造を有するハロゲン化銀粒子も好ましく用いることができる。構造として好ましいものは2〜5重構造であり、より好ましくは2〜4重構造のコア/シェル粒子を用いることができる。コア部のヨウ化銀含有率が高いコア高ヨウ化銀構造、またはシェル部のヨウ化銀含有率が高いシェル高ヨウ化銀構造も好ましく用いることができる。また、粒子の表面にエピタキシャル部分とした塩化銀や臭化銀を局在させる技術も好ましく用いることができる。
ハロゲン化銀結晶中のハロゲン組成を調べる方法としては、X線回折法が一般に知られている。X線回折法については基礎分析化学講座24「X線回折」等に詳しく記載されている。標準的には、CuのKβ線を線源として回折角度を粉末法により求める。
回折角度2θが求まるとブラックの式から格子定数aが以下のように求まる。
2dsinθ=λ
d=a/(h2+k2+l2)1/2
ここで、2θは(hkl)面の回折角、λはX線の波長、dは(hkl)面の面間隔である。ハロゲン化銀固溶体のハロゲン組成と格子定数aの関係は既に知られているので(例えば、T.H.James編、「The Theory of Photographic Process.4thEd.」、Macmillian、New Yorkに記載されている)、格子定数が分かるとハロゲン組成が決定できる。
2dsinθ=λ
d=a/(h2+k2+l2)1/2
ここで、2θは(hkl)面の回折角、λはX線の波長、dは(hkl)面の面間隔である。ハロゲン化銀固溶体のハロゲン組成と格子定数aの関係は既に知られているので(例えば、T.H.James編、「The Theory of Photographic Process.4thEd.」、Macmillian、New Yorkに記載されている)、格子定数が分かるとハロゲン組成が決定できる。
本発明中の平板粒子は任意のβ相およびγ相含有率を取ることができる。β相とは六方晶系のウルツアイト構造を有する高ヨウ化銀構造を指し、γ相とは立方晶系のジンクブレンド構造を有する高ヨウ化銀構造を指す。ここでいうγ相含有率とは、C.R.Berry(ベリー)により提案された手法を用いて決定されるものである。この手法は、粉末X線回折法でのヨウ化銀β相(100)、(101)、(002)とγ相(111)によるピーク比を元にして決定するもので、詳細については例えば、Physical Review,Volume 161,No.3,p.848−851(1967)を参考にすることができる。
本発明中の平板粒子において、ホスト平板粒子のハロゲン組成の分布は均一であってもよく、ハロゲン組成がステップ状に変化したものでもよく、或いは連続的に変化したものでもよい。
また、コア/シェル構造を有するハロゲン化銀粒子も好ましく用いることができる。構造として好ましいものは2〜5重構造であり、より好ましくは2〜4重構造のコア/シェル粒子を用いることができる。
コア部のヨウ化銀含有率が高いコア高ヨウ化銀構造、またはシェル部のヨウ化銀含有率が高いシェル高ヨウ化銀構造も好ましく用いることができる。現像処理後の画像保存性、特に光照射によるかぶりの増加が著しく小さい熱現像感光材料を設計する上では、ホスト平板粒子のヨウ化銀含有率はより高いほど好ましく、より好ましくは90モル%以上100モル%以下である。
また、コア/シェル構造を有するハロゲン化銀粒子も好ましく用いることができる。構造として好ましいものは2〜5重構造であり、より好ましくは2〜4重構造のコア/シェル粒子を用いることができる。
コア部のヨウ化銀含有率が高いコア高ヨウ化銀構造、またはシェル部のヨウ化銀含有率が高いシェル高ヨウ化銀構造も好ましく用いることができる。現像処理後の画像保存性、特に光照射によるかぶりの増加が著しく小さい熱現像感光材料を設計する上では、ホスト平板粒子のヨウ化銀含有率はより高いほど好ましく、より好ましくは90モル%以上100モル%以下である。
2)粒子形状
本発明におけるハロゲン化銀粒子の形状としては平板状粒子が好ましい。詳細には、側面の構造により、平板状8面体粒子、平板状14面体粒子、平板状20面体粒子を挙げることができる。好ましくは、平板状8面体粒子、平板状14面体粒子である。ここで言う平板状8面体とは、{0001}、{1(−1)00}面を有する粒子または{0001}、{1(−2)10}、{(−1)2(−1)0}面を有する粒子であり、平板状14面体粒子とは{0001}、{1(−1)00}、{1(−1)01}を有する粒子または{0001}、{1(−2)10}、{(−1)2(−1)0}、{1(−2)11}、{(−1)2(−1)1}面を有する粒子または{0001}、{1(−1)00}、{1(−1)0(−1)}を有する粒子または{0001}、{1(−2)10}、{(−1)2(−1)0}、{1(−2)1(−1)}、{(−1)2(−1)(−1)}面を有する粒子であり、平板状20面体粒子とは{0001}、{1(−1)00}、{1(−1)01}、{1(−1)0(−1)}を有する粒子または{0001}、{1(−2)10}、{(−1)2(−1)0}、{1(−2)11}、{(−1)2(−1)1}、{1(−2)1(−1)}、{(−1)2(−1)(−1)}面を有する粒子である。ここで、{0001}等の表記は、(0001)面と等価な面指数を持つ結晶面群を表す。また上記以外の形状の平板状粒子も好ましく用いられる。
ヨウ化銀の12面体、14面体、8面体に関しては、特開2002−081020号、同2003−287835号、同2003−287836号を参考にして調製することができる。
本発明におけるハロゲン化銀粒子の形状としては平板状粒子が好ましい。詳細には、側面の構造により、平板状8面体粒子、平板状14面体粒子、平板状20面体粒子を挙げることができる。好ましくは、平板状8面体粒子、平板状14面体粒子である。ここで言う平板状8面体とは、{0001}、{1(−1)00}面を有する粒子または{0001}、{1(−2)10}、{(−1)2(−1)0}面を有する粒子であり、平板状14面体粒子とは{0001}、{1(−1)00}、{1(−1)01}を有する粒子または{0001}、{1(−2)10}、{(−1)2(−1)0}、{1(−2)11}、{(−1)2(−1)1}面を有する粒子または{0001}、{1(−1)00}、{1(−1)0(−1)}を有する粒子または{0001}、{1(−2)10}、{(−1)2(−1)0}、{1(−2)1(−1)}、{(−1)2(−1)(−1)}面を有する粒子であり、平板状20面体粒子とは{0001}、{1(−1)00}、{1(−1)01}、{1(−1)0(−1)}を有する粒子または{0001}、{1(−2)10}、{(−1)2(−1)0}、{1(−2)11}、{(−1)2(−1)1}、{1(−2)1(−1)}、{(−1)2(−1)(−1)}面を有する粒子である。ここで、{0001}等の表記は、(0001)面と等価な面指数を持つ結晶面群を表す。また上記以外の形状の平板状粒子も好ましく用いられる。
ヨウ化銀の12面体、14面体、8面体に関しては、特開2002−081020号、同2003−287835号、同2003−287836号を参考にして調製することができる。
本発明のヨウ化銀含有率の高い組成のハロゲン化銀は複雑な形態を取り得るが、好ましい形態は例えば、R.L.JENKINS etal.J of Phot.Sci.Vol.28(1980)のp164−Fig1に示されているような接合粒子が挙げられる。ハロゲン化銀粒子のコーナーが丸まった粒子も好ましく用いることができる。感光性ハロゲン化銀粒子の外表面の面指数(ミラー指数)については特に制限はないが、分光増感色素が吸着した場合の分光増感効率が高い[100]面の占める割合が高いことが好ましい。その割合としては50%以上が好ましく、65%以上がより好ましく、80%以上が更に好ましい。ミラー指数[100]面の比率は増感色素の吸着における[111]面と[100]面との吸着依存性を利用したT.Tani;J.Imaging Sci.,29、165(1985年)に記載の方法により求めることができる。
3)エピタキシャル接合
本発明においては、平板状粒子はエピタキシャル接合を有することが好ましい。
「エピタキシー」及び「エピタキシャル」という用語は、銀塩がホスト平板状粒子により制御される配向(オリエンテーション)をもった結晶形であることを指摘するために、当業界で認められた意味において使用される。
平板状ホスト粒子上に増感部位を作るため、エピタキシャル成長により付着させた銀塩を使用することができる。エピタキシャル成長による付着部位を制御することにより、平板状ホスト粒子の選択的局部増感を行うことができる。したがって、1つ又はそれ以上の規則的な部位に、増感部位を設けることができる。「規則的な」とは、増感部位が、予測可能な秩序ある関係を平板状粒子の主結晶面に対して、好ましくは相互に、保有していることを意味している。平板状粒子の主結晶面に対して、エピタキシャル付着を制御することにより、増感部位の数及び横方向の間隔を制御することが可能である。
本発明においては、平板状粒子はエピタキシャル接合を有することが好ましい。
「エピタキシー」及び「エピタキシャル」という用語は、銀塩がホスト平板状粒子により制御される配向(オリエンテーション)をもった結晶形であることを指摘するために、当業界で認められた意味において使用される。
平板状ホスト粒子上に増感部位を作るため、エピタキシャル成長により付着させた銀塩を使用することができる。エピタキシャル成長による付着部位を制御することにより、平板状ホスト粒子の選択的局部増感を行うことができる。したがって、1つ又はそれ以上の規則的な部位に、増感部位を設けることができる。「規則的な」とは、増感部位が、予測可能な秩序ある関係を平板状粒子の主結晶面に対して、好ましくは相互に、保有していることを意味している。平板状粒子の主結晶面に対して、エピタキシャル付着を制御することにより、増感部位の数及び横方向の間隔を制御することが可能である。
本発明において、エピタキシャル接合部は平板粒子の頂点部、主表面上もしくはエッジ部に形成されることができるが、好ましくは、頂点部である。エピタキシャル接合部は平板状粒子に少なくとも1つ、好ましくは2個以上、より好ましくは4個以上である。
特に、平板状ホスト粒子の主結晶面の少なくとも1部分では、銀塩エピタキシーを制御し、実質的にエピタキシャル付着を排除することが好ましい。平板状ホスト粒子においては、銀塩のエピタキシャル付着が、粒子のエッジ及び/又はコーナーで起こる傾向にある。
エピタキシャル付着を平板状粒子の選定された部位に限定すると、銀塩を平板状粒子の主面上にランダムにエピタキシャル成長により付着させた場合よりも、感度が良化する。主結晶面の少なくとも1部には、実質的に銀塩のエピタキシャル付着が起こらないようにして、選定された部位に、限定した範囲で銀塩を付着させる。当該付着範囲は、本発明から逸脱することなく広範囲に変えることができる。一般に、主結晶面のエピタキシャル被覆量が減少するにつれて、感度の増大が大きくなる。エピタキシャル成長により付着される銀塩を、平板状粒子の主結晶面の面積の2分の1未満、好ましくは25%未満にすることが好ましい。平板状ハロゲン化銀粒子のコーナーに、エピタキシャル成長による銀塩の付着がなされている場合には、平板状粒子の主結晶面の面積の10%未満、さらに5%未満に制限することが好ましい。ある態様では、エピタキシャル付着は平板状粒子のエッジ表面上で始まることが観察された。したがって、条件によっては、選定されたエッジ部位にエピタキシーが限定され、主結晶面におけるエピタキシーが有効に排除される。
エピタキシャル付着を平板状粒子の選定された部位に限定すると、銀塩を平板状粒子の主面上にランダムにエピタキシャル成長により付着させた場合よりも、感度が良化する。主結晶面の少なくとも1部には、実質的に銀塩のエピタキシャル付着が起こらないようにして、選定された部位に、限定した範囲で銀塩を付着させる。当該付着範囲は、本発明から逸脱することなく広範囲に変えることができる。一般に、主結晶面のエピタキシャル被覆量が減少するにつれて、感度の増大が大きくなる。エピタキシャル成長により付着される銀塩を、平板状粒子の主結晶面の面積の2分の1未満、好ましくは25%未満にすることが好ましい。平板状ハロゲン化銀粒子のコーナーに、エピタキシャル成長による銀塩の付着がなされている場合には、平板状粒子の主結晶面の面積の10%未満、さらに5%未満に制限することが好ましい。ある態様では、エピタキシャル付着は平板状粒子のエッジ表面上で始まることが観察された。したがって、条件によっては、選定されたエッジ部位にエピタキシーが限定され、主結晶面におけるエピタキシーが有効に排除される。
潜像中心を有する粒子を完全に現像すると、潜像中心の場所及び数を決定することができない。しかしながら、潜像中心のすぐ近くより現像範囲が広がる前に現像を阻止し、部分現像された粒子を拡大して観察すると、部分現像部位を明確に見ることができる。これらの部位は、一般に潜像中心に対応し、かかる潜像中心は、一般に増感部位に対応する。
エピタキシーにより付着される銀塩は、一般にハロゲン化銀粒子上でエピタキシャル成長が可能で、かつ写真において有効であることが従来知られている任意の銀塩の中から選ぶことができる。特に、銀塩は、コアーシェルハロゲン化銀乳剤のシェル形成に有効であると従来から知られているものの中から、選択することが好適である。公知の写真学的に有用なハロゲン化銀すべての他に、銀塩としてハロゲン化銀粒子上に析出し得ることが知られている他の銀塩、例えばシアン化銀、炭酸銀、フェリシアン化銀、砒酸銀又は亜砒酸銀、及びクロム酸銀が挙げられる。またこれらの混合物であってもよい。中でも、塩化銀、臭化銀、チオシアン酸銀とそれらの混合物が好ましく、特に少なくとも臭化銀を含有するのが好ましい。
4)粒子サイズ
本発明における感光性ハロゲン化銀の粒子サイズには、2つの好ましい領域が存在する。
一つの領域は、微粒子領域であり、好ましくは0.20μm以下、より好ましくは0.01μm以上0.15μm以下、更に好ましくは0.02μm以上0.12μm以下である。ここでいう粒子サイズとは、ハロゲン化銀粒子の投影面積(平板粒子の場合は主平面の投影面積)と同面積の円像に換算したときの直径をいう。
もう一つの領域は、平均アスペクト比2以上の平板状粒子であって、より好ましくは平均アスペクト比5以上の平板状粒子であって、平均球相当直径が、好ましくは、0.3μm〜8μmであり、より好ましくは0.5μm〜5μmである。本発明における平均球相当直径は、平板状ハロゲン化銀粒子の体積と同体積の球に換算したときの直径をいう。
本発明における平板状ハロゲン化銀の平均厚みは、0.3μm以下が好ましく、より好ましくは0.2μm以下、さらに好ましくは0.1μm以下である。
本発明における感光性ハロゲン化銀の粒子サイズには、2つの好ましい領域が存在する。
一つの領域は、微粒子領域であり、好ましくは0.20μm以下、より好ましくは0.01μm以上0.15μm以下、更に好ましくは0.02μm以上0.12μm以下である。ここでいう粒子サイズとは、ハロゲン化銀粒子の投影面積(平板粒子の場合は主平面の投影面積)と同面積の円像に換算したときの直径をいう。
もう一つの領域は、平均アスペクト比2以上の平板状粒子であって、より好ましくは平均アスペクト比5以上の平板状粒子であって、平均球相当直径が、好ましくは、0.3μm〜8μmであり、より好ましくは0.5μm〜5μmである。本発明における平均球相当直径は、平板状ハロゲン化銀粒子の体積と同体積の球に換算したときの直径をいう。
本発明における平板状ハロゲン化銀の平均厚みは、0.3μm以下が好ましく、より好ましくは0.2μm以下、さらに好ましくは0.1μm以下である。
5)塗布量
一般に、熱現像後もハロゲン化銀がそのまま残存する熱現像感光材料の場合は、ハロゲン化銀の塗布量を増やすと膜の透明度が低下し画質上好ましくないため、感度を高くしたい要求にもかかわらず、低く制限されていた。しかしながら、本発明の場合には、熱現像処理によって、ハロゲン化銀による膜のヘイズを減少させることができるので、より多くのハロゲン化銀を塗布することができる。本発明においては、非感光性有機銀塩の銀1モルに対して0.5モル%以上100モル%以下、好ましくは5モル%以上50モル%以下であることがさらに好ましい。
一般に、熱現像後もハロゲン化銀がそのまま残存する熱現像感光材料の場合は、ハロゲン化銀の塗布量を増やすと膜の透明度が低下し画質上好ましくないため、感度を高くしたい要求にもかかわらず、低く制限されていた。しかしながら、本発明の場合には、熱現像処理によって、ハロゲン化銀による膜のヘイズを減少させることができるので、より多くのハロゲン化銀を塗布することができる。本発明においては、非感光性有機銀塩の銀1モルに対して0.5モル%以上100モル%以下、好ましくは5モル%以上50モル%以下であることがさらに好ましい。
6)粒子形成方法
感光性ハロゲン化銀の形成方法は当業界ではよく知られており、例えば、リサーチディスクロージャー1978年6月の第17029号、および米国特許第3,700,458号に記載されている方法を用いることができるが、具体的にはゼラチンあるいは他のポリマー溶液中に銀供給化合物及びハロゲン供給化合物を添加することにより感光性ハロゲン化銀を調製し、その後で有機銀塩と混合する方法を用いる。また、特開平11−119374号公報の段落番号0217〜0224に記載されている方法、特開平11−352627号、特開2000−347335号記載の方法も好ましい。
ヨウ化銀の平板粒子の形成方法に関しては、前述の特開昭59−119350号、同59−119344号に記載の方法が好ましく用いられる。
感光性ハロゲン化銀の形成方法は当業界ではよく知られており、例えば、リサーチディスクロージャー1978年6月の第17029号、および米国特許第3,700,458号に記載されている方法を用いることができるが、具体的にはゼラチンあるいは他のポリマー溶液中に銀供給化合物及びハロゲン供給化合物を添加することにより感光性ハロゲン化銀を調製し、その後で有機銀塩と混合する方法を用いる。また、特開平11−119374号公報の段落番号0217〜0224に記載されている方法、特開平11−352627号、特開2000−347335号記載の方法も好ましい。
ヨウ化銀の平板粒子の形成方法に関しては、前述の特開昭59−119350号、同59−119344号に記載の方法が好ましく用いられる。
7)重金属
本発明の感光性ハロゲン化銀粒子は、周期律表(第1〜18族までを示す)の第6族〜第13族の金属または金属錯体を含有することができる。より好ましくは、第6族〜第10族の金属または金属錯体を含有することができる。周期律表の第6族〜第10族の金属または金属錯体の中心金属として好ましくは、鉄、ロジウム、ルテニウム、およびイリジウムである。これら金属錯体は1種類でもよいし、同種金属及び異種金属の錯体を2種以上併用してもよい。好ましい含有率は銀1モルに対し1×10−9モル〜1×10−3モルの範囲が好ましい。これらの重金属や金属錯体及びそれらの添加法については特開平7−225449号、特開平11−65021号段落番号0018〜0024、特開平11−119374号段落番号0227〜0240に記載されている。
本発明の感光性ハロゲン化銀粒子は、周期律表(第1〜18族までを示す)の第6族〜第13族の金属または金属錯体を含有することができる。より好ましくは、第6族〜第10族の金属または金属錯体を含有することができる。周期律表の第6族〜第10族の金属または金属錯体の中心金属として好ましくは、鉄、ロジウム、ルテニウム、およびイリジウムである。これら金属錯体は1種類でもよいし、同種金属及び異種金属の錯体を2種以上併用してもよい。好ましい含有率は銀1モルに対し1×10−9モル〜1×10−3モルの範囲が好ましい。これらの重金属や金属錯体及びそれらの添加法については特開平7−225449号、特開平11−65021号段落番号0018〜0024、特開平11−119374号段落番号0227〜0240に記載されている。
本発明においては、六シアノ金属錯体を含有するハロゲン化銀粒子が好ましい。六シアノ金属錯体としては、[Fe(CN)6]4−、[Fe(CN)6]3−、[Ru(CN)6]4−、[Os(CN)6]4−、[Co(CN)6]3−、[Rh(CN)6]3−、[Ir(CN)6]3−、[Cr(CN)6]3−、[Re(CN)6]3−などが挙げられる。
六シアノ金属錯体は、水の他に水と混和しうる適当な有機溶媒(例えば、アルコール類、エーテル類、グリコール類、ケトン類、エステル類、アミド類等)との混合溶媒やゼラチンと混和して添加することができる。
さらに本発明に用いられるハロゲン化銀粒子に含有することのできる金属原子(例えば[Fe(CN)6]4−)、ハロゲン化銀乳剤の脱塩法や化学増感法については特開平11−84574号段落番号0046〜0050、特開平11−65021号段落番号0025〜0031、特開平11−119374号段落番号0242〜0250に記載されている。
8)ゼラチン
本発明に用いる感光性ハロゲン化銀乳剤に含有されるゼラチンとしては、種々のゼラチンが使用することができる。感光性ハロゲン化銀乳剤の有機銀塩含有塗布液中での分散状態を良好に維持するために、分子量は、500〜60,000の低分子量ゼラチンを使用することが好ましい。これらの低分子量ゼラチンは粒子形成時あるいは脱塩処理後の分散時に使用してもよいが、脱塩処理後の分散時に使用することが好ましい。
本発明に用いる感光性ハロゲン化銀乳剤に含有されるゼラチンとしては、種々のゼラチンが使用することができる。感光性ハロゲン化銀乳剤の有機銀塩含有塗布液中での分散状態を良好に維持するために、分子量は、500〜60,000の低分子量ゼラチンを使用することが好ましい。これらの低分子量ゼラチンは粒子形成時あるいは脱塩処理後の分散時に使用してもよいが、脱塩処理後の分散時に使用することが好ましい。
9)化学増感
本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀は、未化学増感でもよいが、カルコゲン増感法、金増感法、還元増感法の少なくとも1つの方法で化学増感されるのが好ましい。カルコゲン増感法としては、硫黄増感法、セレン増感法およびテルル増感法が挙げられる。
本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀は、未化学増感でもよいが、カルコゲン増感法、金増感法、還元増感法の少なくとも1つの方法で化学増感されるのが好ましい。カルコゲン増感法としては、硫黄増感法、セレン増感法およびテルル増感法が挙げられる。
硫黄増感においては、不安定硫黄化合物を用い、P.Grafkides著、Chimie et Physique Photographique(Paul Momtel社刊、1987年、第5版)、Research Disclosure誌307巻307105号などに記載されている不安定硫黄化合物を用いる事が出来る。
具体的には、チオ硫酸塩(例えばハイポ)、チオ尿素類(例えば、ジフェニルチオ尿素、トリエチルチオ尿素、NーエチルーN’ー(4ーメチルー2ーチアゾリル)チオ尿素、カルボキシメチルトリメチルチオ尿素)、チオアミド類(例えば、チオアセトアミド)、ローダニン類(例えば、ジエチルローダニン、5ーベンジリデン−N−エチルローダニン)、フォスフィンスルフィド類(例えば、トリメチルフォスフィンスルフィド)、チオヒダントイン類、4ーオキソーオキサゾリジンー2ーチオン類、ジスルフィド類またはポリスルフィド類(例えば、ジモルフォリンジスルフィド、シスチン、レンチオニン(1,2,3,5,6−ペンタチエパン))、ポリチオン酸塩、元素状硫黄などの公知の硫黄化合物および活性ゼラチンなども用いることができる。特にチオ硫酸塩、チオ尿素類とローダニン類が好ましい。
具体的には、チオ硫酸塩(例えばハイポ)、チオ尿素類(例えば、ジフェニルチオ尿素、トリエチルチオ尿素、NーエチルーN’ー(4ーメチルー2ーチアゾリル)チオ尿素、カルボキシメチルトリメチルチオ尿素)、チオアミド類(例えば、チオアセトアミド)、ローダニン類(例えば、ジエチルローダニン、5ーベンジリデン−N−エチルローダニン)、フォスフィンスルフィド類(例えば、トリメチルフォスフィンスルフィド)、チオヒダントイン類、4ーオキソーオキサゾリジンー2ーチオン類、ジスルフィド類またはポリスルフィド類(例えば、ジモルフォリンジスルフィド、シスチン、レンチオニン(1,2,3,5,6−ペンタチエパン))、ポリチオン酸塩、元素状硫黄などの公知の硫黄化合物および活性ゼラチンなども用いることができる。特にチオ硫酸塩、チオ尿素類とローダニン類が好ましい。
セレン増感においては、不安定セレン化合物を用い、特公昭43−13489号、同44−15748号、特開平4−25832号、同4−109340号、同4−271341号、同5−40324号、同5−11385号、特開平6−51415号、同6−175258号、同6−180478号、同6−208186号、同6−208184号、同6−317867号、同7−92599号、同7−98483号、同7−140579号などに記載されているセレン化合物を用いる事が出来る。
具体的には、コロイド状金属セレン、セレノ尿素類(例えば、N,Nージメチルセレノ尿素、トリフルオルメチルカルボニルートリメチルセレノ尿素、アセチルートリメチルセレノ尿素)、セレノアミド類(例えば、セレノアミド,N,Nージエチルフェニルセレノアミド)、フォスフィンセレニド類(例えば、トリフェニルフォスフィンセレニド、ペンタフルオロフェニルートリフェニルフォスフィンセレニド)、セレノフォスフェート類(例えば、トリーp−トリルセレノフォスフェート、トリ−n−ブチルセレノフォスフェート)、セレノケトン類(例えば、セレノベンゾフェノン)、イソセレノシアネート類、セレノカルボン酸類、セレノエステル類、ジアシルセレニド類などを用いればよい。またさらに、特公昭46ー4553号、同52ー34492号などに記載の非不安定セレン化合物、例えば亜セレン酸、セレノシアン酸塩、セレナゾール類、セレニド類なども用いる事が出来る。特に、フォスフィンセレニド類、セレノ尿素類とセレノシアン酸塩が好ましい。
テルル増感においては、不安定テルル化合物を用い、特開平4ー224595号、同4ー271341号、同4ー333043号、同5ー303157号、同6−27573号、同6−175258号、同6−180478号、同6−208186号、同6−208184号、同6−317867号、同7−140579号、同7−301879号、同7−301880号などに記載されている不安定テルル化合物を用いる事が出来る。
具体的には、フォスフィンテルリド類(例えば、ブチルージイソプロピルフォスフィンテルリド、トリブチルフォスフィンテルリド、トリブトキシフォスフィンテルリド、エトキシージフェニルフォスフィンテルリド)、ジアシル(ジ)テルリド類(例えば、ビス(ジフェニルカルバモイル)ジテルリド、ビス(N−フェニルーN−メチルカルバモイル)ジテルリド、ビス(N−フェニルーNーメチルカルバモイル)テルリド、ビス(N−フェニルーNーベンジルカルバモイル)テルリド、ビス(エトキシカルボニル)テルリド)、テルロ尿素類(例えば、N,N’ージメチルエチレンテルロ尿素、N,N’ージフェニルエチレンテルロ尿素)テルロアミド類、テルロエステル類などを用いれば良い。特に、ジアシル(ジ)テルリド類とフォスフィンテルリド類が好ましく、特に特開平11−65021号段落番号0030に記載の文献に記載の化合物、特開平5−313284号中の一般式(II),(III),(IV)で示される化合物がより好ましい。
特に本発明のカルコゲン増感においてはセレン増感とテルル増感が好ましく、特にテルル増感が好ましい。
金増感においては、P.Grafkides著、Chimie et Physique Photographique(Paul Momtel社刊、1987年、第5版)、Research Disclosure誌、307巻、307105号に記載されている金増感剤を用いることができる。具体的には、塩化金酸、カリウムクロロオーレート、カリウムオーリチオシアネート、硫化金、金セレニドなどでありこれらにくわえて、米国特許第2642361号、同5049484号、同5049485号、同5169751号、同5252455号、ベルギー特許第691857などに記載の金化合物も用いることが出来る。またP.Grafkides著、Chimie et Physique Photographique(Paul Momtel社刊、1987年、第5版)、Research Disclosure誌、307巻、307105号に記載されている金以外の、白金、パラジュウム、イリジュウムなどの貴金属塩を用いる事も出来る。
金増感は単独で用いることもできるが、前記のカルコゲン増感と組み合わせて用いることが好ましい。具体的には金硫黄増感、金セレン増感、金テルル増感、金硫黄セレン増感、金硫黄テルル増感、金セレンテルル増感、または金硫黄セレンテルル増感である。
本発明においては、ハロゲン化銀溶剤の存在下で化学増感を行うことができる。
具体的には、チオシアン酸塩(例えば、チオシアン酸カリウム)、チオエーテル化合物(例えば米国特許第3021215号、同3271157号、特公昭58−30571号、特開昭60−136736号に記載の化合物、特に3,6−ジチアー1.8オクタンジオール)、四置換チオ尿素化合物(例えば特公昭59−11892号、米国特許第4221863号等に記載の化合物、特にテトラメチルチオ尿素)、更に特公昭60−11341号に記載のチオン化合物、特公昭63−29727号に記載のメルカプト化合物、特開昭60−163042号に記載のメソイオン化合物、米国特許第4782013号に記載のセレノエーテル化合物、特開平2−118566号に記載のテルロエーテル化合物、亜硫酸塩が挙げられる。これらの中で、チオシアン酸塩、チオエーテル化合物、四置換チオ尿素化合物とチオン化合物は好ましい。これらのなかでも特にチオシアン酸塩は好ましく、水溶性チオシアン酸塩(例えばチオシアン酸カリウム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸アンモニウムなど)を用いることが好ましい。その使用量は任意に選択することができるが、ハロゲン化銀の銀1モル当たり1×10−4モル以上で、さらに1×10−3モル以上で、好ましくは2×10−3モル以上で8×10−1モル以下が、さらに3×10−3モル以上で2×10−1モル以下が、とくに5×10−3モル以上で1×10−1モル以下が好ましい。
また、本発明の黒白熱現像感光材料は、水溶性チオシアン酸塩をハロゲン化銀1モル当たり1×10−3モル以上で、8×10−1モル以下含有することが特に好ましい。
具体的には、チオシアン酸塩(例えば、チオシアン酸カリウム)、チオエーテル化合物(例えば米国特許第3021215号、同3271157号、特公昭58−30571号、特開昭60−136736号に記載の化合物、特に3,6−ジチアー1.8オクタンジオール)、四置換チオ尿素化合物(例えば特公昭59−11892号、米国特許第4221863号等に記載の化合物、特にテトラメチルチオ尿素)、更に特公昭60−11341号に記載のチオン化合物、特公昭63−29727号に記載のメルカプト化合物、特開昭60−163042号に記載のメソイオン化合物、米国特許第4782013号に記載のセレノエーテル化合物、特開平2−118566号に記載のテルロエーテル化合物、亜硫酸塩が挙げられる。これらの中で、チオシアン酸塩、チオエーテル化合物、四置換チオ尿素化合物とチオン化合物は好ましい。これらのなかでも特にチオシアン酸塩は好ましく、水溶性チオシアン酸塩(例えばチオシアン酸カリウム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸アンモニウムなど)を用いることが好ましい。その使用量は任意に選択することができるが、ハロゲン化銀の銀1モル当たり1×10−4モル以上で、さらに1×10−3モル以上で、好ましくは2×10−3モル以上で8×10−1モル以下が、さらに3×10−3モル以上で2×10−1モル以下が、とくに5×10−3モル以上で1×10−1モル以下が好ましい。
また、本発明の黒白熱現像感光材料は、水溶性チオシアン酸塩をハロゲン化銀1モル当たり1×10−3モル以上で、8×10−1モル以下含有することが特に好ましい。
本発明においては、化学増感は粒子形成後で塗布前であればいかなる時期でも可能であり、脱塩後、(1)分光増感前、(2)分光増感と同時、(3)分光増感後(4)塗布直前等があり得る。
本発明で用いられるカルコゲン増感剤の使用量は、使用するハロゲン化銀粒子、化学熟成条件等によって変わるが、ハロゲン化銀1モル当たり10−8モル〜10−1モル、好ましくは10−7モル〜10−2モル程度を用いる。
同様に、本発明で用いられる金増感剤の添加量は種々の条件により異なるが、目安としてはハロゲン化銀1モル当たり10−7モル〜10−2モル、より好ましくは10−6モル〜5×10−3モルである。この乳剤を化学増感する環境条件としてはいかなる条件でも選択可能ではあるが、pAgとしては8以下、好ましくは7.0以下より6.5以下、とくに6.0以下、およびpAgが1.5以上、好ましくは2.0以上、特に好ましくは2.5以上の条件であり、pHとしては3〜10、好ましくは4〜9、温度としては20℃〜95℃、好ましくは25℃〜80℃程度である。
同様に、本発明で用いられる金増感剤の添加量は種々の条件により異なるが、目安としてはハロゲン化銀1モル当たり10−7モル〜10−2モル、より好ましくは10−6モル〜5×10−3モルである。この乳剤を化学増感する環境条件としてはいかなる条件でも選択可能ではあるが、pAgとしては8以下、好ましくは7.0以下より6.5以下、とくに6.0以下、およびpAgが1.5以上、好ましくは2.0以上、特に好ましくは2.5以上の条件であり、pHとしては3〜10、好ましくは4〜9、温度としては20℃〜95℃、好ましくは25℃〜80℃程度である。
本発明においてカルコゲン増感や金増感に加えて、さらに還元増感も併用することができる。とくにカルコゲン増感と併用するのが好ましい。還元増感法の具体的な化合物としてはアスコルビン酸、二酸化チオ尿素、ジメチルアミンボランが好ましく、その他に塩化第一スズ、アミノイミノメタンスルフィン酸、ヒドラジン誘導体、ボラン化合物、シラン化合物、ポリアミン化合物等を用いることが好ましい。還元増感剤の添加は、結晶成長から塗布直前の調製工程までの感光乳剤製造工程のどの過程でもよい。また、乳剤のpHを8以上またはpAgを4以下に保持して熟成することにより還元増感することも好ましく、粒子形成中に銀イオンのシングルアディション部分を導入することにより還元増感することも好ましい。
還元増感剤の添加量としては、同様に種々の条件により異なるが、目安としてはハロゲン化銀1モル当たり10−7モル〜10−1モル、より好ましくは10−6モル〜5×10−2モルである。
還元増感剤の添加量としては、同様に種々の条件により異なるが、目安としてはハロゲン化銀1モル当たり10−7モル〜10−1モル、より好ましくは10−6モル〜5×10−2モルである。
本発明で用いるハロゲン化銀乳剤には、欧州特許公開第293,917号公報に示される方法により、チオスルフォン酸化合物を添加してもよい。
本発明における感光性ハロゲン化銀粒子は、金増感、カルコゲン増感、の少なくとも1つの方法で化学増感されていることが高感度の熱現像感光材料を設計する点から好ましい。
本発明における感光性ハロゲン化銀粒子は、金増感、カルコゲン増感、の少なくとも1つの方法で化学増感されていることが高感度の熱現像感光材料を設計する点から好ましい。
10)1電子酸化されて生成する1電子酸化体が1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物
本発明における黒白熱現像感光材料は、1電子酸化されて生成する1電子酸化体が1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物を含有することが好ましい。該化合物は、単独、あるいは前記の種々の化学増感剤と併用して用いられ、ハロゲン化銀の感度増加をもたらすことができる。
本発明における黒白熱現像感光材料は、1電子酸化されて生成する1電子酸化体が1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物を含有することが好ましい。該化合物は、単独、あるいは前記の種々の化学増感剤と併用して用いられ、ハロゲン化銀の感度増加をもたらすことができる。
本発明の黒白熱現像感光材料に含有される1電子酸化されて生成する1電子酸化体が1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物とは以下のタイプ1、2から選ばれる化合物である。
(タイプ1)
1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合開裂反応を伴って、さらに1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物。
(タイプ2)
1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合形成反応を経た後に、さらに1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物。
(タイプ1)
1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合開裂反応を伴って、さらに1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物。
(タイプ2)
1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合形成反応を経た後に、さらに1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物。
まずタイプ1の化合物について説明する。
タイプ1の化合物で、1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合開裂反応を伴って、さらに1電子を放出し得る化合物としては、特開平9−211769号(具体例:28頁〜32頁の表Eおよび表Fに記載の化合物PMT−1〜S−37)、特開平9−211774号、特開平11−95355号(具体例:化合物INV1〜36)、特表2001−500996号(具体例:化合物1〜74、80〜87、92〜122)、米国特許5,747,235号、米国特許5,747,236号、欧州特許786692A1号(具体例:化合物INV1〜35)、欧州特許893732A1号、米国特許6,054,260号、米国特許5,994,051号などの特許に記載の「1光子2電子増感剤」または「脱プロトン化電子供与増感剤」と称される化合物が挙げられる。これらの化合物の好ましい範囲は、引用されている特許明細書に記載の好ましい範囲と同じである。
タイプ1の化合物で、1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合開裂反応を伴って、さらに1電子を放出し得る化合物としては、特開平9−211769号(具体例:28頁〜32頁の表Eおよび表Fに記載の化合物PMT−1〜S−37)、特開平9−211774号、特開平11−95355号(具体例:化合物INV1〜36)、特表2001−500996号(具体例:化合物1〜74、80〜87、92〜122)、米国特許5,747,235号、米国特許5,747,236号、欧州特許786692A1号(具体例:化合物INV1〜35)、欧州特許893732A1号、米国特許6,054,260号、米国特許5,994,051号などの特許に記載の「1光子2電子増感剤」または「脱プロトン化電子供与増感剤」と称される化合物が挙げられる。これらの化合物の好ましい範囲は、引用されている特許明細書に記載の好ましい範囲と同じである。
またタイプ1の化合物で、1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合開裂反応を伴って、さらに1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物としては、一般式(1)(特開平2003−114487号に記載の一般式(1)と同義)、一般式(2)(特開平2003−114487号に記載の一般式(2)と同義)、一般式(3)(特開平2003−114488号に記載の一般式(1)と同義)、一般式(4)(特開平2003−114488号に記載の一般式(2)と同義)、一般式(5)(特開平2003−114488号に記載の一般式(3)と同義)、一般式(6)(特開平2003−75950号に記載の一般式(1)と同義)、一般式(7)(特開平2003−75950号に記載の一般式(2)と同義)、一般式(8)(特開2004−236643号に記載の一般式(1)と同義)、または化学反応式(1)(特開2004−245929号に記載の化学反応式(1)と同義)で表される反応を起こしうる化合物のうち一般式(9)(特開2004−245929号に記載の一般式(3)と同義)で表される化合物が挙げられる。
またこれらの化合物の好ましい範囲は、引用されている特許明細書に記載の好ましい範囲と同じである。
またこれらの化合物の好ましい範囲は、引用されている特許明細書に記載の好ましい範囲と同じである。
式中RED1、RED2は還元性基を表す。R1は炭素原子(C)とRED1とともに5員もしくは6員の芳香族環(芳香族複素環を含む)のテトラヒドロ体、もしくはオクタヒドロ体に相当する環状構造を形成しうる非金属原子団を表す。R2は水素原子または置換基を表す。同一分子内に複数のR2が存在する場合にはこれらは同じであっても異なっていても良い。L1は脱離基をあらわす。EDは電子供与性基をあらわす。Z1は窒素原子とベンゼン環の2つの炭素原子とともに6員環を形成しうる原子団を表す。X1は置換基を表し、m1は0〜3の整数を表す。Z2はは−CR11R12−、−NR13−、または−O−を表す。R11、R12はそれぞれ独立して水素原子または置換基を表す。R13は水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。X1はアルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、またはヘテロ環アミノ基を表す。L2はカルボキシ基もしくはその塩または水素原子を表す。X2はC=Cとともに5員のヘテロ環を形成する基を表す。Y2はC=Cとともに5員または6員のアリール基またはヘテロ環基を形成する基を表す。Mはラジカル、ラジカルカチオン、またはカチオンを表す。
次にタイプ2の化合物について説明する。
タイプ2の化合物で1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合形成反応を伴って、さらに1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物としては、一般式(10)(特開平2003−140287号に記載の一般式(1)と同義)、化学反応式(1)(特開2004−245929号に記載の化学反応式(1)と同義)で表される反応を起こしうる化合物であって一般式(11)(特開2004−245929号に記載の一般式(2)と同義)で表される化合物が挙げられる。これらの化合物の好ましい範囲は、引用されている特許明細書に記載の好ましい範囲と同じである。
タイプ2の化合物で1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合形成反応を伴って、さらに1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物としては、一般式(10)(特開平2003−140287号に記載の一般式(1)と同義)、化学反応式(1)(特開2004−245929号に記載の化学反応式(1)と同義)で表される反応を起こしうる化合物であって一般式(11)(特開2004−245929号に記載の一般式(2)と同義)で表される化合物が挙げられる。これらの化合物の好ましい範囲は、引用されている特許明細書に記載の好ましい範囲と同じである。
上式中、Xは1電子酸化される還元性基をあらわす。YはXが1電子酸化されて生成する1電子酸化体と反応して、新たな結合を形成しうる炭素−炭素2重結合部位、炭素−炭素3重結合部位、芳香族基部位、またはベンゾ縮環の非芳香族ヘテロ環部位を含む反応性基を表す。L2はXとYを連結する連結基を表す。R2は水素原子または置換基を表す。同一分子内に複数のR2が存在する場合にはこれらは同じであっても異なっていても良い。
X2はC=Cとともに5員のヘテロ環を形成する基を表す。Y2はC=Cとともに5員または6員のアリール基またはヘテロ環基を形成する基を表す。Mはラジカル、ラジカルカチオン、またはカチオンを表す。
X2はC=Cとともに5員のヘテロ環を形成する基を表す。Y2はC=Cとともに5員または6員のアリール基またはヘテロ環基を形成する基を表す。Mはラジカル、ラジカルカチオン、またはカチオンを表す。
タイプ1、2の化合物のうち好ましくは「分子内にハロゲン化銀への吸着性基を有する化合物」であるか、または「分子内に、分光増感色素の部分構造を有する化合物」である。ハロゲン化銀への吸着性基とは特開平2003−156823号明細書の16頁右1行目〜17頁右12行目に記載の基が代表的なものである。分光増感色素の部分構造とは同明細書の17頁右34行目〜18頁左6行目に記載の構造である。
タイプ1、2の化合物として、より好ましくは「分子内にハロゲン化銀への吸着性基を少なくとも1つ有する化合物」である。さらに好ましくは「同じ分子内にハロゲン化銀への吸着性基を2つ以上有する化合物」である。吸着性基が単一分子内に2個以上存在する場合には、それらの吸着性基は同一であっても異なっても良い。
吸着性基として好ましくは、メルカプト置換含窒素ヘテロ環基(例えば2−メルカプトチアジアゾール基、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール基、5−メルカプトテトラゾール基、2−メルカプト−1,3,4−オキサジアゾール基、2−メルカプトベンズオキサゾール基、2−メルカプトベンズチアゾール基、1,5−ジメチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−チオレート基など)、またはイミノ銀(>NAg)を形成しうる−NH−基をヘテロ環の部分構造として有する含窒素ヘテロ環基(例えば、ベンゾトリアゾール基、ベンズイミダゾール基、インダゾール基など)である。特に好ましくは、5−メルカプトテトラゾール基、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール基、およびベンゾトリアゾール基であり、最も好ましいのは、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール基、および5−メルカプトテトラゾール基である。
吸着性基として、分子内に2つ以上のメルカプト基を部分構造として有する場合もまた特に好ましい。ここにメルカプト基(−SH)は、互変異性化できる場合にはチオン基となっていてもよい。2つ以上のメルカプト基を部分構造として有する吸着性基(ジメルカプト置換含窒素ヘテロ環基など)の好ましい例としては、2,4−ジメルカプトピリミジン基、2,4−ジメルカプトトリアジン基、3,5−ジメルカプト−1,2,4−トリアゾール基が挙げられる。
また窒素またはリンの4級塩構造も吸着性基として好ましく用いられる。窒素の4級塩構造としては具体的にはアンモニオ基(トリアルキルアンモニオ基、ジアルキルアリール(またはヘテロアリール)アンモニオ基、アルキルジアリール(またはヘテロアリール)アンモニオ基など)または4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基を含む基である。リンの4級塩構造としては、フォスフォニオ基(トリアルキルフォスフォニオ基、ジアルキルアリール(またはヘテロアリール)フォスフォニオ基、アルキルジアリール(またはヘテロアリール)フォスフォニオ基、トリアリール(またはヘテロアリール)フォスフォニオ基など)が挙げられる。より好ましくは窒素の4級塩構造が用いられ、さらに好ましくは4級化された窒素原子を含む5員環あるいは6員環の含窒素芳香族ヘテロ環基が用いられる。特に好ましくはピリジニオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基が用いられる。
これら4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基は任意の置換基を有していてもよい。
これら4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基は任意の置換基を有していてもよい。
4級塩の対アニオンの例としては、ハロゲンイオン、カルボキシレートイオン、スルホネートイオン、硫酸イオン、過塩素酸イオン、炭酸イオン、硝酸イオン、BF4 −、PF6 −、およびPh4B−等が挙げられる。分子内にカルボキシレート基等に負電荷を有する基が存在する場合には、それとともに分子内塩を形成していても良い。分子内にない対アニオンとしては、塩素イオン、ブロモイオンまたはメタンスルホネートイオンが特に好ましい。
吸着性基として窒素またはリンの4級塩構造有するタイプ1、2で表される化合物の好ましい構造は一般式(X)で表される。
一般式(X)においてP、Rはそれぞれ独立して増感色素の部分構造ではない窒素またはリンの4級塩構造を表す。Q1、Q2はそれぞれ独立して連結基を表し、具体的には単結合、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロ環基、−O−、−S−、−NRN−、−C(=O)−、−SO2−、−SO−、−P(=O)−の各基の単独、またはこれらの基の組み合わせからなる基を表す。ここにRNは水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。Sはタイプ(1)または(2)で表される化合物から原子を一つ取り除いた残基である。iとjは1以上の整数であり、i+jが2〜6になる範囲から選ばれるものである。好ましくはiが1〜3、jが1〜2の場合であり、より好ましくはiが1または2、jが1の場合であり、特に好ましくはiが1、jが1の場合である。一般式(X)で表される化合物はその総炭素数が10〜100の範囲のものが好ましい。より好ましくは10〜70、さらに好ましくは11〜60であり、特に好ましくは12〜50である。
本発明のタイプ1、タイプ2の化合物は感光性ハロゲン化銀乳剤調製時、黒白熱現像感光材料製造工程中のいかなる場合にも使用しても良い。例えば感光性ハロゲン化銀粒子形成時、脱塩工程、化学増感時、塗布前などである。またこれらの工程中の複数回に分けて添加することも出来る。添加位置として好ましくは、感光性ハロゲン化銀粒子形成終了時から脱塩工程の前、化学増感時(化学増感開始直前から終了直後)、塗布前であり、より好ましくは化学増感時から非感光性有機銀塩と混合される前までである。
本発明のタイプ1、タイプ2の化合物は水、メタノール、エタノールなどの水可溶性溶媒またはこれらの混合溶媒に溶解して添加することが好ましい。水に溶解する場合、pHを高くまたは低くした方が溶解度が上がる化合物については、pHを高くまたは低くして溶解し、これを添加しても良い。
本発明のタイプ1、タイプ2の化合物は感光性ハロゲン化銀と非感光性有機銀塩を含有する画像形成層中に使用するのが好ましいが、感光性ハロゲン化銀と非感光性有機銀塩を含有する画像形成層と共に保護層や中間層に添加しておき、塗布時に拡散させてもよい。
本発明の化合物の添加時期は増感色素の前後を問わず、それぞれ好ましくはハロゲン化銀1モル当り、1×10−9モル〜5×10−1モル、更に好ましくは1×10−8モル〜5×10−2モルの割合でハロゲン化銀乳剤層(画像形成層)に含有する。
本発明の化合物の添加時期は増感色素の前後を問わず、それぞれ好ましくはハロゲン化銀1モル当り、1×10−9モル〜5×10−1モル、更に好ましくは1×10−8モル〜5×10−2モルの割合でハロゲン化銀乳剤層(画像形成層)に含有する。
11)吸着基と還元基を有する化合物
本発明においては、分子内にハロゲン化銀への吸着基と還元基を有する吸着性レドックス化合物を含有させることが好ましい。本吸着性レドックス化合物は下記式(Rd)で表される化合物であることが好ましい。
本発明においては、分子内にハロゲン化銀への吸着基と還元基を有する吸着性レドックス化合物を含有させることが好ましい。本吸着性レドックス化合物は下記式(Rd)で表される化合物であることが好ましい。
式(Rd) A−(W)n−B
[式(Rd)中、Aはハロゲン化銀に吸着可能な基(以後、吸着基と呼ぶ)を表し、Wは2価の連結基を表し、nは0または1を表し、Bは還元基を表す。]
[式(Rd)中、Aはハロゲン化銀に吸着可能な基(以後、吸着基と呼ぶ)を表し、Wは2価の連結基を表し、nは0または1を表し、Bは還元基を表す。]
式(Rd)中、Aで表される吸着基とはハロゲン化銀に直接吸着する基、またはハロゲン化銀への吸着を促進する基であり、具体的には、メルカプト基(またはその塩)、チオン基(−C(=S)−)、窒素原子、硫黄原子、セレン原子およびテルル原子から選ばれる少なくとも1つの原子を含むヘテロ環基、スルフィド基、ジスルフィド基、カチオン性基、またはエチニル基等が挙げられる。
吸着基としてメルカプト基(またはその塩)とは、メルカプト基(またはその塩)そのものを意味すると同時に、より好ましくは、少なくとも1つのメルカプト基(またはその塩)の置換したヘテロ環基またはアリール基またはアルキル基を表す。ここにヘテロ環基とは、少なくとも5員〜7員の、単環もしくは縮合環の、芳香族または非芳香族のヘテロ環基、例えばイミダゾール環基、チアゾール環基、オキサゾール環基、ベンゾイミダゾール環基、ベンゾチアゾール環基、ベンゾオキサゾール環基、トリアゾール環基、チアジアゾール環基、オキサジアゾール環基、テトラゾール環基、プリン環基、ピリジン環基、キノリン環基、イソキノリン環基、ピリミジン環基、およびトリアジン環基等が挙げられる。また4級化された窒素原子を含むヘテロ環基でもよく、この場合、置換したメルカプト基が解離してメソイオンとなっていても良い。メルカプト基が塩を形成するとき、対イオンとしてはアルカリ金属、アルカリ土類金属、重金属などのカチオン(Li+、Na+、K+、Mg2+、Ag+、Zn2+等)、アンモニウムイオン、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基、ホスホニウムイオンなどが挙げられる。
吸着基としてのメルカプト基はさらにまた、互変異性化してチオン基となっていても良い。吸着基としてチオン基とは、鎖状もしくは環状のチオアミド基、チオウレイド基、チオウレタン基、またはジチオカルバミン酸エステル基も含まれる。
吸着基として窒素原子、硫黄原子、セレン原子およびテルル原子から選ばれる少なくとも1つの原子を含むヘテロ環基とは、イミノ銀(>NAg)を形成しうる−NH−基をヘテロ環の部分構造として有する含窒素ヘテロ環基、または配位結合で銀イオンに配位し得る、”−S−”基または”−Se−”基または”−Te−”基または”=N−”基をヘテロ環の部分構造として有するヘテロ環基で、前者の例としてはベンゾトリアゾール基、トリアゾール基、インダゾール基、ピラゾール基、テトラゾール基、ベンゾイミダゾール基、イミダゾール基、プリン基などが、後者の例としてはチオフェン基、チアゾール基、オキサゾール基、ベンゾチオフェン基、ベンゾチアゾール基、ベンゾオキサゾール基、チアジアゾール基、オキサジアゾール基、トリアジン基、セレノアゾール基、ベンゾセレノアゾール基、テルルアゾール基、及びベンゾテルルアゾール基などが挙げられる。
吸着基としてスルフィド基またはジスルフィド基とは、”−S−”または”−S−S−”の部分構造を有する基すべてが挙げられる。
吸着基としてカチオン性基とは、4級化された窒素原子を含む基を意味し、具体的にはアンモニオ基または4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基を含む基である。4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基とは、例えばピリジニオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基、及びイミダゾリオ基などが挙げられる。吸着基としてエチニル基とは、−C≡CH基を意味し、該水素原子は置換されていてもよい。
上記の吸着基は任意の置換基を有していてもよい。
上記の吸着基は任意の置換基を有していてもよい。
さらに吸着基の具体例としては、さらに特開平11−95355号の明細書p4〜p7に記載されているものが挙げられる。
式(Rd)中、Aで表される吸着基として好ましいものは、メルカプト置換ヘテロ環基(例えば2−メルカプトチアジアゾール基、2−メルカプト−5−アミノチアジアゾール基、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール基、5−メルカプトテトラゾール基、2−メルカプト−1,3,4−オキサジアゾール基、2−メルカプトベンズイミダゾール基、1,5−ジメチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−チオレート基、2,4−ジメルカプトピリミジン基、2,4−ジメルカプトトリアジン基、3,5−ジメルカプト−1,2,4−トリアゾール基、2,5−ジメルカプト−1,3−チアゾール基など)、またはイミノ銀(>NAg)を形成しうる−NH−基をヘテロ環の部分構造として有する含窒素ヘテロ環基(例えばベンゾトリアゾール基、ベンズイミダゾール基、インダゾール基など)であり、さらに好ましい吸着基は2−メルカプトベンズイミダゾール基、3,5−ジメルカプト−1,2,4−トリアゾール基である。
式(Rd)中、Wは2価の連結基を表す。該連結基は写真性に悪影響を与えないものであればどのようなものでも構わない。例えば炭素原子、水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子から構成される2価の連結基が利用できる。具体的には炭素数1〜20のアルキレン基(例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基等)、炭素数2〜20のアルケニレン基、炭素数2〜20のアルキニレン基、炭素数6〜20のアリーレン基(例えばフェニレン基、ナフチレン基等)、−CO−、−SO2−、−O−、−S−、−NR1−、これらの連結基の組み合わせ等があげられる。ここでR1は水素原子、アルキル基、ヘテロ環基、アリール基を表わす。
Wで表される連結基は任意の置換基を有していてもよい。
Wで表される連結基は任意の置換基を有していてもよい。
式(Rd)中、Bで表される還元基とは銀イオンを還元可能な基を表し、例えばホルミル基、アミノ基、アセチレン基やプロパルギル基などの3重結合基、メルカプト基、ヒドロキシルアミン類、ヒドロキサム酸類、ヒドロキシウレア類、ヒドロキシウレタン類、ヒドロキシセミカルバジド類、レダクトン類(レダクトン誘導体を含む)、アニリン類、フェノール類(クロマン−6−オール類、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−オール類、アミノフェノール類、スルホンアミドフェノール類、およびハイドロキノン類、カテコール類、レゾルシノール類、ベンゼントリオール類、ビスフェノール類のようなポリフェノール類を含む)、アシルヒドラジン類、カルバモイルヒドラジン類、3−ピラゾリドン類等から水素原子を1つ除去した残基が挙げられる。もちろん、これらは任意の置換基を有していても良い。
式(Rd)中、Bで表される還元基はその酸化電位を、藤嶋昭著「電気化学測定法」(150頁−208頁、技報堂出版)や日本化学会編著「実験化学講座」第4版(9巻282頁−344頁、丸善)に記載の測定法を用いて測定することができる。例えば回転ディスクボルタンメトリーの技法で、具体的には試料をメタノール:pH6.5、ブリトン−ロビンソン緩衝液(Britton−Robinson buffer)=10%:90%(容量%)の溶液に溶解し、10分間窒素ガスを通気した後、グラッシーカーボン製の回転ディスク電極(RDE)を作用電極に用い、白金線を対極に用い、飽和カロメル電極を参照電極に用いて、25℃、1000回転/分、20mV/秒のスイープ速度で測定できる。得られたボルタモグラムから半波電位(E1/2)を求めることができる。
本発明のBで表される還元基は上記測定法で測定した場合、その酸化電位が約−0.3V〜約1.0Vの範囲にあることが好ましい。より好ましくは約−0.1V〜約0.8Vの範囲であり、特に好ましくは約0V〜約0.7Vの範囲である。
式(Rd)中、Bで表される還元基は好ましくはヒドロキシルアミン類、ヒドロキサム酸類、ヒドロキシウレア類、ヒドロキシセミカルバジド類、レダクトン類、フェノール類、アシルヒドラジン類、カルバモイルヒドラジン類、3−ピラゾリドン類から水素原子を1つ除去した残基である。
本発明の式(Rd)の化合物は、その中にカプラー等の不動性写真用添加剤において常用されているバラスト基またはポリマー鎖が組み込まれているものでもよい。またポリマーとしては、例えば特開平1−100530号に記載のものが挙げられる。
本発明の式(Rd)の化合物はビス体、トリス体であっても良い。本発明の式(I)の化合物の分子量は好ましくは100〜10000の間であり、より好ましくは120〜1000の間であり、特に好ましくは150〜500の間である。
以下に本発明の式(Rd)の化合物を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
さらに欧州特許1308776A2号明細書p73〜p87に記載の具体的化合物1〜30、1”−1〜1”−77も本発明の吸着基と還元性基を有する化合物の好ましい例として挙げられる。
本発明の化合物は公知の方法にならって容易に合成することが出来る。本発明の式(Rd)の化合物は、一種類の化合物を単独で用いてもよいが、同時に2種以上の化合物を用いることも好ましい。2種類以上の化合物を用いる場合、それらは同一層に添加しても、別層に添加してもよく、またそれぞれ添加方法が異なっていてもよい。
本発明の式(Rd)の化合物は、ハロゲン化銀乳剤層(画像形成層)に添加されることが好ましく、乳剤調製時に添加することがより好ましい。乳剤調製時に添加する場合、その工程中のいかなる場合に添加することも可能であり、その例を挙げると、ハロゲン化銀の粒子形成工程、脱塩工程の開始前、脱塩工程、化学熟成の開始前、化学熟成の工程、完成乳剤調製前の工程などを挙げることができる。またこれらの工程中の複数回にわけて添加することもできる。また画像形成層に使用するのが好ましいが、画像形成層とともに隣接する保護層や中間層に添加しておき、塗布時に拡散させてもよい。
好ましい添加量は、上述した添加法や添加する化合物種に大きく依存するが、一般には感光性ハロゲン化銀1モル当たり、1×10−6モル〜1モル、好ましくは1×10−5モル〜5×10−1モルさらに好ましくは1×10−4モル〜1×10−1モルである。
好ましい添加量は、上述した添加法や添加する化合物種に大きく依存するが、一般には感光性ハロゲン化銀1モル当たり、1×10−6モル〜1モル、好ましくは1×10−5モル〜5×10−1モルさらに好ましくは1×10−4モル〜1×10−1モルである。
本発明の式(Rd)の化合物は、水、メタノール、エタノールなどの水可溶性溶媒またはこれらの混合溶媒に溶解して添加することができる。この際、酸または塩基によってpHを適当に調整してもよく、また界面活性剤を共存させてもよい。さらに乳化分散物として高沸点有機溶媒に溶解させて添加することもできる。また、固体分散物として添加することもできる。
12)増感色素
本発明に適用できる増感色素としてはハロゲン化銀粒子に吸着した際、所望の波長領域でハロゲン化銀粒子を分光増感できるもので、露光光源の分光特性に適した分光感度を有する増感色素を有利に選択することができる。本発明の黒白熱現像感光材料は特に600nm以上900nm以下、または300nm以上500nm以下に分光感度ピークを持つように分光増感されていることが好ましい。増感色素及び添加法については、特開平11−65021号の段落番号0103〜0109、特開平10−186572号一般式(II)で表される化合物、特開平11−119374号の一般式(I)で表される色素及び段落番号0106、米国特許第5,510,236号、同第3,871,887号実施例5に記載の色素、特開平2−96131号、特開昭59−48753号に開示されている色素、欧州特許公開第0803764A1号の第19ページ第38行〜第20ページ第35行、特開2001−272747号、特開2001−290238号、特開2002−23306号等に記載されている。これらの増感色素は単独で用いてもよく、2種以上組合せて用いてもよい。
本発明に適用できる増感色素としてはハロゲン化銀粒子に吸着した際、所望の波長領域でハロゲン化銀粒子を分光増感できるもので、露光光源の分光特性に適した分光感度を有する増感色素を有利に選択することができる。本発明の黒白熱現像感光材料は特に600nm以上900nm以下、または300nm以上500nm以下に分光感度ピークを持つように分光増感されていることが好ましい。増感色素及び添加法については、特開平11−65021号の段落番号0103〜0109、特開平10−186572号一般式(II)で表される化合物、特開平11−119374号の一般式(I)で表される色素及び段落番号0106、米国特許第5,510,236号、同第3,871,887号実施例5に記載の色素、特開平2−96131号、特開昭59−48753号に開示されている色素、欧州特許公開第0803764A1号の第19ページ第38行〜第20ページ第35行、特開2001−272747号、特開2001−290238号、特開2002−23306号等に記載されている。これらの増感色素は単独で用いてもよく、2種以上組合せて用いてもよい。
本発明における増感色素の添加量は、感度やかぶりの性能に合わせて所望の量にすることができるが、画像形成層のハロゲン化銀1モル当たり10−6モル〜1モルが好ましく、さらに好ましくは10−4モル〜10−1モルである。
本発明は分光増感効率を向上させるため、強色増感剤を用いることができる。本発明に用いる強色増感剤としては、欧州特許公開第587,338号、米国特許第3,877,943号、同第4,873,184号、特開平5−341432号、同11−109547号、同10−111543号等に記載の化合物が挙げられる。
13)ハロゲン化銀の併用
本発明に用いられる黒白熱現像感光材料中の感光性ハロゲン化銀乳剤は、一種だけでもよいし、二種以上(例えば、平均粒子サイズの異なるもの、ハロゲン組成の異なるもの、晶癖の異なるもの、化学増感の条件の異なるもの)併用してもよい。感度の異なる感光性ハロゲン化銀を複数種用いることで階調を調節することができる。これらに関する技術としては特開昭57−119341号、同53−106125号、同47−3929号、同48−55730号、同46−5187号、同50−73627号、同57−150841号などが挙げられる。感度差としてはそれぞれの乳剤で0.2logE以上の差を持たせることが好ましい。
本発明に用いられる黒白熱現像感光材料中の感光性ハロゲン化銀乳剤は、一種だけでもよいし、二種以上(例えば、平均粒子サイズの異なるもの、ハロゲン組成の異なるもの、晶癖の異なるもの、化学増感の条件の異なるもの)併用してもよい。感度の異なる感光性ハロゲン化銀を複数種用いることで階調を調節することができる。これらに関する技術としては特開昭57−119341号、同53−106125号、同47−3929号、同48−55730号、同46−5187号、同50−73627号、同57−150841号などが挙げられる。感度差としてはそれぞれの乳剤で0.2logE以上の差を持たせることが好ましい。
14)ハロゲン化銀と有機銀塩の混合
本発明の感光性ハロゲン化銀の粒子は、非感光性有機銀塩の存在しないところで形成され、化学増感されることが特に好ましい。有機銀塩に対してハロゲン化剤を添加することによってハロゲン化銀を形成する方法では十分な感度が達成できない場合があるからである。
ハロゲン化銀と有機銀塩を混合する方法としては、別々に調製した感光性ハロゲン化銀と有機銀塩を高速撹拌機やボールミル、サンドミル、コロイドミル、振動ミル、ホモジナイザー等で混合する方法や、あるいは有機銀塩の調製中のいずれかのタイミングで調製終了した感光性ハロゲン化銀を混合して有機銀塩を調製する方法等があげられる。いずれの方法でも本発明の効果を好ましく得ることができる。
本発明の感光性ハロゲン化銀の粒子は、非感光性有機銀塩の存在しないところで形成され、化学増感されることが特に好ましい。有機銀塩に対してハロゲン化剤を添加することによってハロゲン化銀を形成する方法では十分な感度が達成できない場合があるからである。
ハロゲン化銀と有機銀塩を混合する方法としては、別々に調製した感光性ハロゲン化銀と有機銀塩を高速撹拌機やボールミル、サンドミル、コロイドミル、振動ミル、ホモジナイザー等で混合する方法や、あるいは有機銀塩の調製中のいずれかのタイミングで調製終了した感光性ハロゲン化銀を混合して有機銀塩を調製する方法等があげられる。いずれの方法でも本発明の効果を好ましく得ることができる。
15)ハロゲン化銀の塗布液への混合
本発明のハロゲン化銀の画像形成層塗布液中への好ましい添加時期は、塗布する180分前から直前、好ましくは60分前から10秒前であるが、混合方法及び混合条件については本発明の効果が十分に現れる限りにおいては特に制限はない。具体的な混合方法としては添加流量とコーターへの送液量から計算した平均滞留時間を所望の時間となるようにしたタンクでの混合する方法やN.Harnby、M.F.Edwards、A.W.Nienow著、高橋幸司訳「液体混合技術」(日刊工業新聞社刊、1989年)の第8章等に記載されているスタチックミキサーなどを使用する方法がある。
本発明のハロゲン化銀の画像形成層塗布液中への好ましい添加時期は、塗布する180分前から直前、好ましくは60分前から10秒前であるが、混合方法及び混合条件については本発明の効果が十分に現れる限りにおいては特に制限はない。具体的な混合方法としては添加流量とコーターへの送液量から計算した平均滞留時間を所望の時間となるようにしたタンクでの混合する方法やN.Harnby、M.F.Edwards、A.W.Nienow著、高橋幸司訳「液体混合技術」(日刊工業新聞社刊、1989年)の第8章等に記載されているスタチックミキサーなどを使用する方法がある。
(水素結合性化合物の説明)
本発明における還元剤が芳香族性の水酸基(−OH)またはアミノ基(−NHR、Rは水素原子またはアルキル基)を有する場合、特に前述のビスフェノール類の場合には、これらの基と水素結合を形成することが可能な基を有する非還元性の化合物を併用することが好ましい。
水酸基またはアミノ基と水素結合を形成する基としては、ホスホリル基、スルホキシド基、スルホニル基、カルボニル基、アミド基、エステル基、ウレタン基、ウレイド基、3級アミノ基、および含窒素芳香族基などが挙げられる。その中でも好ましいのはホスホリル基、スルホキシド基、アミド基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)、ウレタン基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)、ウレイド基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)を有する化合物である。
本発明で、特に好ましい水素結合性の化合物は下記一般式(D)で表される化合物である。
本発明における還元剤が芳香族性の水酸基(−OH)またはアミノ基(−NHR、Rは水素原子またはアルキル基)を有する場合、特に前述のビスフェノール類の場合には、これらの基と水素結合を形成することが可能な基を有する非還元性の化合物を併用することが好ましい。
水酸基またはアミノ基と水素結合を形成する基としては、ホスホリル基、スルホキシド基、スルホニル基、カルボニル基、アミド基、エステル基、ウレタン基、ウレイド基、3級アミノ基、および含窒素芳香族基などが挙げられる。その中でも好ましいのはホスホリル基、スルホキシド基、アミド基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)、ウレタン基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)、ウレイド基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)を有する化合物である。
本発明で、特に好ましい水素結合性の化合物は下記一般式(D)で表される化合物である。
一般式(D)においてR21ないしR23は各々独立にアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基またはヘテロ環基を表し、これらの基は無置換であっても置換基を有していてもよい。
R21ないしR23が置換基を有する場合の置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基、アシル基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホンアミド基、アシルオキシ基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、およびホスホリル基などが挙げられ、置換基として好ましいのはアルキル基またはアリール基でたとえばメチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−オクチル基、フェニル基、4−アルコキシフェニル基、および4−アシルオキシフェニル基などが挙げられる。
R21ないしR23が置換基を有する場合の置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基、アシル基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホンアミド基、アシルオキシ基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、およびホスホリル基などが挙げられ、置換基として好ましいのはアルキル基またはアリール基でたとえばメチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−オクチル基、フェニル基、4−アルコキシフェニル基、および4−アシルオキシフェニル基などが挙げられる。
R21ないしR23のアルキル基としては具体的にはメチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基、ドデシル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−アミル基、t−オクチル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、ベンジル基、フェネチル基、および2−フェノキシプロピル基などが挙げられる。
アリール基としてはフェニル基、クレジル基、キシリル基、ナフチル基、4−t−ブチルフェニル基、4−t−オクチルフェニル基、4−アニシジル基、および3,5−ジクロロフェニル基などが挙げられる。
アリール基としてはフェニル基、クレジル基、キシリル基、ナフチル基、4−t−ブチルフェニル基、4−t−オクチルフェニル基、4−アニシジル基、および3,5−ジクロロフェニル基などが挙げられる。
アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、4−メチルシクロヘキシルオキシ基、およびベンジルオキシ基等が挙げられる。
アリールオキシ基としてはフェノキシ基、クレジルオキシ基、イソプロピルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、ナフトキシ基、ビフェニルオキシ基等が挙げられる。
アミノ基としてはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、N−メチル−N−ヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ジフェニルアミノ基、およびN−メチル−N−フェニルアミノ基等が挙げられる。
アリールオキシ基としてはフェノキシ基、クレジルオキシ基、イソプロピルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、ナフトキシ基、ビフェニルオキシ基等が挙げられる。
アミノ基としてはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、N−メチル−N−ヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ジフェニルアミノ基、およびN−メチル−N−フェニルアミノ基等が挙げられる。
R21ないしR23としてはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、またはアリールオキシ基が好ましい。本発明の効果の点ではR21ないしR23のうち少なくとも一つ以上がアルキル基またはアリール基であることが好ましく、二つ以上がアルキル基またはアリール基であることがより好ましい。また、安価に入手する事ができるという点ではR21ないしR23が同一の基である場合が好ましい。
以下に本発明における一般式(D)の化合物をはじめとする水素結合性化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
水素結合性化合物の具体例は上述の他に欧州特許1096310号明細書、特開2002−156727号、特開2002−318431号に記載のものがあげられる。
本発明の一般式(D)の化合物は、還元剤と同様に溶液形態、乳化分散形態、固体分散微粒子分散物形態で塗布液に含有せしめ、黒白熱現像感光材料中で使用することができるが、固体分散物として使用することが好ましい。本発明の化合物は、溶液状態でフェノール性水酸基、アミノ基を有する化合物と水素結合性の錯体を形成しており、還元剤と本発明の一般式(D)の化合物との組み合わせによっては錯体として結晶状態で単離することができる。
本発明の一般式(D)の化合物は、還元剤と同様に溶液形態、乳化分散形態、固体分散微粒子分散物形態で塗布液に含有せしめ、黒白熱現像感光材料中で使用することができるが、固体分散物として使用することが好ましい。本発明の化合物は、溶液状態でフェノール性水酸基、アミノ基を有する化合物と水素結合性の錯体を形成しており、還元剤と本発明の一般式(D)の化合物との組み合わせによっては錯体として結晶状態で単離することができる。
このようにして単離した結晶粉体を固体分散微粒子分散物として使用することは安定した性能を得る上で特に好ましい。また、還元剤と本発明の一般式(D)の化合物を粉体で混合し、適当な分散剤を使って、サンドグラインダーミル等で分散時に錯形成させる方法も好ましく用いることができる。
本発明の一般式(D)の化合物は還元剤に対して、1モル%〜200モル%の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは10モル%〜150モル%の範囲で、さらに好ましくは20モル%〜100モル%の範囲である。
本発明の一般式(D)の化合物は還元剤に対して、1モル%〜200モル%の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは10モル%〜150モル%の範囲で、さらに好ましくは20モル%〜100モル%の範囲である。
(バインダーの説明)
本発明の有機銀塩含有層の疎水性バインダーはいかなる疎水性ポリマーを使用してもよく、好適なバインダーは透明又は半透明で、一般に無色であり、天然樹脂やポリマー及びコポリマー、合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば、ゴム類、セルロースアセテート類、セルロースアセテートブチレート類、ポリ(塩化ビニル)類、ポリ(メタクリル酸)類、スチレン−無水マレイン酸共重合体類、スチレン−アクリロニトリル共重合体類、スチレン−ブタジエン共重合体類、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)類、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(酢酸ビニル)類、ポリ(オレフィン)類、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類がある。バインダーは水又は有機溶媒またはエマルションから被覆形成してもよい。
本発明の有機銀塩含有層の疎水性バインダーはいかなる疎水性ポリマーを使用してもよく、好適なバインダーは透明又は半透明で、一般に無色であり、天然樹脂やポリマー及びコポリマー、合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば、ゴム類、セルロースアセテート類、セルロースアセテートブチレート類、ポリ(塩化ビニル)類、ポリ(メタクリル酸)類、スチレン−無水マレイン酸共重合体類、スチレン−アクリロニトリル共重合体類、スチレン−ブタジエン共重合体類、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)類、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(酢酸ビニル)類、ポリ(オレフィン)類、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類がある。バインダーは水又は有機溶媒またはエマルションから被覆形成してもよい。
本発明では、有機銀塩を含有する層に併用できるバインダーのガラス転移温度は0℃以上80℃以下である(以下、高Tgバインダーということあり)ことが好ましく、10℃〜70℃であることがより好ましく、15℃以上60℃以下であることが更に好ましい。
なお、本明細書においてTgは下記の式で計算した。
1/Tg=Σ(Xi/Tgi)
ここでは、ポリマーはi=1からnまでのn個のモノマー成分が共重合しているとする。Xiはi番目のモノマーの質量分率(ΣXi=1)、Tgiはi番目のモノマーの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度)である。ただしΣはi=1からnまでの和をとる。尚、各モノマーの単独重合体ガラス転移温度の値(Tgi)はPolymer Handbook(3rd Edition)(J.Brandrup,E.H.Immergut著(Wiley−Interscience、1989))の値を採用した。
1/Tg=Σ(Xi/Tgi)
ここでは、ポリマーはi=1からnまでのn個のモノマー成分が共重合しているとする。Xiはi番目のモノマーの質量分率(ΣXi=1)、Tgiはi番目のモノマーの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度)である。ただしΣはi=1からnまでの和をとる。尚、各モノマーの単独重合体ガラス転移温度の値(Tgi)はPolymer Handbook(3rd Edition)(J.Brandrup,E.H.Immergut著(Wiley−Interscience、1989))の値を採用した。
バインダーは必要に応じて2種以上を併用しても良い。また、ガラス転移温度が20℃以上のものとガラス転移温度が20℃未満のものを組み合わせて用いてもよい。Tgの異なるポリマーを2種以上ブレンドして使用する場合には、その質量平均Tgが上記の範囲にはいることが好ましい。
本発明においては、有機銀塩含有層が溶媒の30質量%以上が水である塗布液を用いて塗布、乾燥して被膜を形成させることが好ましい。
本発明においては、有機銀塩含有層が溶媒の30質量%以上が水である塗布液を用いて塗布し、乾燥して形成される場合に、さらに有機銀塩含有層のバインダーが水系溶媒(水溶媒)に可溶または分散可能である場合に、特に25℃60%RHでの平衡含水率が2質量%以下のポリマーのラテックスからなる場合に性能が向上する。最も好ましい形態は、イオン伝導度が2.5mS/cm以下になるように調製されたものであり、このような調製法としてポリマー合成後分離機能膜を用いて精製処理する方法が挙げられる。
本発明においては、有機銀塩含有層が溶媒の30質量%以上が水である塗布液を用いて塗布し、乾燥して形成される場合に、さらに有機銀塩含有層のバインダーが水系溶媒(水溶媒)に可溶または分散可能である場合に、特に25℃60%RHでの平衡含水率が2質量%以下のポリマーのラテックスからなる場合に性能が向上する。最も好ましい形態は、イオン伝導度が2.5mS/cm以下になるように調製されたものであり、このような調製法としてポリマー合成後分離機能膜を用いて精製処理する方法が挙げられる。
ここでいう前記ポリマーが可溶または分散可能である水系溶媒とは、水または水に70質量%以下の水混和性の有機溶媒を混合したものである。水混和性の有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等のアルコール系、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系、酢酸エチル、ジメチルホルムアミドなどを挙げることができる。
なお、ポリマーが熱力学的に溶解しておらず、いわゆる分散状態で存在している系の場合にも、ここでは水系溶媒という言葉を使用する。
また「25℃60%RHにおける平衡含水率」とは、25℃60%RHの雰囲気下で調湿平衡にあるポリマーの質量W1と25℃で絶乾状態にあるポリマーの質量W0を用いて以下のように表すことができる。
25℃60%RHにおける平衡含水率={(W1−W0)/W0}×100(質量%)
25℃60%RHにおける平衡含水率={(W1−W0)/W0}×100(質量%)
含水率の定義と測定法については、例えば高分子工学講座14、高分子材料試験法(高分子学会編、地人書館)を参考にすることができる。
本発明のバインダーポリマーの25℃60%RHにおける平衡含水率は2質量%以下であることが好ましいが、より好ましくは0.01質量%以上1.5質量%以下、さらに好ましくは0.02質量%以上1質量%以下が望ましい。
本発明においては水系溶媒に分散可能なポリマーが特に好ましい。分散状態の例としては、水不溶な疎水性ポリマーの微粒子が分散しているラテックスやポリマー分子が分子状態またはミセルを形成して分散しているものなどいずれでもよいが、ラテックス分散した粒子がより好ましい。分散粒子の平均粒径は1nm〜50000nm、好ましくは5nm〜1000nmの範囲で、より好ましくは10nm〜500nmの範囲、さらに好ましくは50nm〜200nmの範囲である。分散粒子の粒径分布に関しては特に制限は無く、広い粒径分布を持つものでも単分散の粒径分布を持つものでもよい。単分散の粒径分布を持つものを2種以上混合して使用することも塗布液の物性を制御する上で好ましい使用法である。
本発明において水系溶媒に分散可能なポリマーの好ましい態様としては、アクリル系ポリマー、ポリ(エステル)類、ゴム類(例えばSBR樹脂)、ポリ(ウレタン)類、ポリ(塩化ビニル)類、ポリ(酢酸ビニル)類、ポリ(塩化ビニリデン)類、ポリ(オレフィン)類等の疎水性ポリマーを好ましく用いることができる。これらポリマーとしては直鎖のポリマーでも枝分かれしたポリマーでもまた架橋されたポリマーでもよいし、単一のモノマーが重合したいわゆるホモポリマーでもよいし、2種類以上のモノマーが重合したコポリマーでもよい。コポリマーの場合はランダムコポリマーでも、ブロックコポリマーでもよい。これらポリマーの分子量は数平均分子量で5000〜1000000、好ましくは10000〜200000がよい。分子量が小さすぎるものは画像形成層の力学強度が不十分であり、大きすぎるものは成膜性が悪く好ましくない。また、架橋性のポリマーラッテクスは特に好ましく使用される。
好ましくは、前記バインダーの50質量%以上が下記一般式(M)で表されるモノマー成分を有するポリマーラテックスである。
一般式(M)
CH2=CR01−CR02=CH2
式中、R01およびR02は、各々独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、およびシアノ基より選ばれる基である。さらに好ましくは、R01およびR02が共に水素原子または一方が水素原子で他方がメチル基である。
好ましくは、一般式(M)で表されるモノマー成分の含有率が10モル%以上70モル%以下であり、さらに好ましくは、20モル%以上60モル%以下のポリマーラテックスである。
一般式(M)
CH2=CR01−CR02=CH2
式中、R01およびR02は、各々独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、およびシアノ基より選ばれる基である。さらに好ましくは、R01およびR02が共に水素原子または一方が水素原子で他方がメチル基である。
好ましくは、一般式(M)で表されるモノマー成分の含有率が10モル%以上70モル%以下であり、さらに好ましくは、20モル%以上60モル%以下のポリマーラテックスである。
<ラテックスの具体例>
好ましいポリマーラテックスの具体例としては以下のものを挙げることができる。以下では原料モノマーを用いて表し、括弧内の数値は質量%、分子量は数平均分子量である。
多官能モノマーを使用した場合は架橋構造を作るため分子量の概念が適用できないので架橋性と記載し、分子量の記載を省略した。Tgはガラス転移温度を表す。
好ましいポリマーラテックスの具体例としては以下のものを挙げることができる。以下では原料モノマーを用いて表し、括弧内の数値は質量%、分子量は数平均分子量である。
多官能モノマーを使用した場合は架橋構造を作るため分子量の概念が適用できないので架橋性と記載し、分子量の記載を省略した。Tgはガラス転移温度を表す。
・P−1;−MMA(70)−EA(27)−MAA(3)−のラテックス(分子量37000、Tg61℃)
・P−2;−MMA(70)−2EHA(20)−St(5)−AA(5)−のラテックス(分子量40000、Tg59℃)
・P−3;−St(50)−Bu(47)−MAA(3)−のラテックス(架橋性、Tg−17℃)
・P−4;−St(68)−Bu(29)−AA(3)−のラテックス(架橋性、Tg17℃)
・P−5;−St(71)−Bu(26)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg24℃)
・P−6;−St(70)−Bu(27)−IA(3)−のラテックス(架橋性)
・P−7;−St(75)−Bu(24)−AA(1)−のラテックス(架橋性、Tg29℃)
・P−8;−St(60)−Bu(35)−DVB(3)−MAA(2)−のラテックス(架橋性)
・P−9;−St(70)−Bu(25)−DVB(2)−AA(3)−のラテックス(架橋性)
・P−10;−VC(50)−MMA(20)−EA(20)−AN(5)−AA(5)−のラテックス(分子量80000)
・P−11;−VDC(85)−MMA(5)−EA(5)−MAA(5)−のラテックス(分子量67000)
・P−12;−Et(90)−MAA(10)−のラテックス(分子量12000)
・P−13;−St(70)−2EHA(27)−AA(3)のラテックス(分子量130000、Tg43℃)
・P−14;−MMA(63)−EA(35)−AA(2)のラテックス(分子量33000、Tg47℃)
・P−15;−St(70.5)−Bu(26.5)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg23℃)
・P−16;−St(69.5)−Bu(27.5)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg20.5℃)
・P−17;−St(61.3)−イソプレン(35.5)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg17℃)
・P−18;−St(67)−イソプレン(28)−Bu(2)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg27℃)
・P−2;−MMA(70)−2EHA(20)−St(5)−AA(5)−のラテックス(分子量40000、Tg59℃)
・P−3;−St(50)−Bu(47)−MAA(3)−のラテックス(架橋性、Tg−17℃)
・P−4;−St(68)−Bu(29)−AA(3)−のラテックス(架橋性、Tg17℃)
・P−5;−St(71)−Bu(26)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg24℃)
・P−6;−St(70)−Bu(27)−IA(3)−のラテックス(架橋性)
・P−7;−St(75)−Bu(24)−AA(1)−のラテックス(架橋性、Tg29℃)
・P−8;−St(60)−Bu(35)−DVB(3)−MAA(2)−のラテックス(架橋性)
・P−9;−St(70)−Bu(25)−DVB(2)−AA(3)−のラテックス(架橋性)
・P−10;−VC(50)−MMA(20)−EA(20)−AN(5)−AA(5)−のラテックス(分子量80000)
・P−11;−VDC(85)−MMA(5)−EA(5)−MAA(5)−のラテックス(分子量67000)
・P−12;−Et(90)−MAA(10)−のラテックス(分子量12000)
・P−13;−St(70)−2EHA(27)−AA(3)のラテックス(分子量130000、Tg43℃)
・P−14;−MMA(63)−EA(35)−AA(2)のラテックス(分子量33000、Tg47℃)
・P−15;−St(70.5)−Bu(26.5)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg23℃)
・P−16;−St(69.5)−Bu(27.5)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg20.5℃)
・P−17;−St(61.3)−イソプレン(35.5)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg17℃)
・P−18;−St(67)−イソプレン(28)−Bu(2)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg27℃)
上記構造の略号は以下のモノマーを表す。MMA;メチルメタクリレート,EA;エチルアクリレート、MAA;メタクリル酸,2EHA;2−エチルヘキシルアクリレート,St;スチレン,Bu;ブタジエン,AA;アクリル酸,DVB;ジビニルベンゼン,VC;塩化ビニル,AN;アクリロニトリル,VDC;塩化ビニリデン,Et;エチレン,IA;イタコン酸。
以上に記載したポリマーラテックスは市販もされていて、以下のようなポリマーが利用できる。アクリル系ポリマーの例としては、セビアンA−4635,4718,4601(以上ダイセル化学工業(株)製)、Nipol Lx811、814、821、820、857(以上日本ゼオン(株)製)など、ポリ(エステル)類の例としては、FINETEX ES650、611、675、850(以上大日本インキ化学(株)製)、WD−size、WMS(以上イーストマンケミカル製)など、ポリ(ウレタン)類の例としては、HYDRAN AP10、20、30、40(以上大日本インキ化学(株)製)など、ゴム類の例としては、LACSTAR 7310K、3307B、4700H、7132C(以上大日本インキ化学(株)製)、Nipol Lx416、410、438C、2507(以上日本ゼオン(株)製)など、ポリ(塩化ビニル)類の例としては、G351、G576(以上日本ゼオン(株)製)など、ポリ(塩化ビニリデン)類の例としては、L502、L513(以上旭化成工業(株)製)など、ポリ(オレフィン)類の例としては、ケミパールS120、SA100(以上三井石油化学(株)製)などを挙げることができる。
これらのポリマーラテックスは単独で用いてもよいし、必要に応じて2種以上ブレンドしてもよい。
<好ましいラテックス>
本発明に用いられるポリマーラテックスとしては、特に、スチレン−ブタジエン共重合体のラテックスが好ましい。スチレン−ブタジエン共重合体におけるスチレンのモノマー単位とブタジエンのモノマー単位との質量比は40:60〜95:5であることが好ましい。また、スチレンのモノマー単位とブタジエンのモノマー単位との共重合体に占める割合は60質量%〜99質量%であることが好ましい。また、本発明のポリマーラッテクスはアクリル酸またはメタクリル酸をスチレンとブタジエンの和に対して1質量%〜6質量%含有することが好ましく、より好ましくは2質量%〜5質量%含有する。
本発明のポリマーラテックスはアクリル酸を含有することが好ましい。好ましい分子量の範囲は前記と同様である。
本発明に用いられるポリマーラテックスとしては、特に、スチレン−ブタジエン共重合体のラテックスが好ましい。スチレン−ブタジエン共重合体におけるスチレンのモノマー単位とブタジエンのモノマー単位との質量比は40:60〜95:5であることが好ましい。また、スチレンのモノマー単位とブタジエンのモノマー単位との共重合体に占める割合は60質量%〜99質量%であることが好ましい。また、本発明のポリマーラッテクスはアクリル酸またはメタクリル酸をスチレンとブタジエンの和に対して1質量%〜6質量%含有することが好ましく、より好ましくは2質量%〜5質量%含有する。
本発明のポリマーラテックスはアクリル酸を含有することが好ましい。好ましい分子量の範囲は前記と同様である。
本発明に用いることが好ましいスチレン−ブタジエン酸共重合体のラテックスとしては、前記のP−3〜P−8,15、市販品であるLACSTAR−3307B、7132C、Nipol Lx416等が挙げられる。
本発明の黒白熱現像感光材料の有機銀塩含有層には必要に応じてゼラチン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどの親水性ポリマーを添加してもよい。これらの親水性ポリマーの添加量は有機銀塩含有層の全バインダーの30質量%以下、より好ましくは20質量%以下が好ましい。
本発明の有機銀塩含有層(即ち、画像形成層)は、ポリマーラテックスを用いて形成されたものが好ましい。有機銀塩含有層のバインダーの量は、全バインダー/有機銀塩の質量比が1/10〜10/1、より好ましくは1/3〜5/1の範囲、さらに好ましくは1/1〜3/1の範囲である。
また、このような有機銀塩含有層は、通常、感光性銀塩である感光性ハロゲン化銀が含有された感光性層(画像形成層)でもあり、このような場合の、全バインダー/ハロゲン化銀の質量比は400〜5、より好ましくは200〜10の範囲である。
本発明の画像形成層の全バインダー量は好ましくは0.2g/m2〜30g/m2、より好ましくは1g/m2〜15g/m2、さらに好ましくは2g/m2〜10g/m2の範囲である。本発明の画像形成層には架橋のための架橋剤、塗布性改良のための界面活性剤などを添加してもよい。
(かぶり防止剤)
1)有機ポリハロゲン化合物
以下、本発明で用いることができる好ましい有機ポリハロゲン化合物について具体的に説明する。本発明の好ましいポリハロゲン化合物は下記一般式(H)で表される化合物である。
1)有機ポリハロゲン化合物
以下、本発明で用いることができる好ましい有機ポリハロゲン化合物について具体的に説明する。本発明の好ましいポリハロゲン化合物は下記一般式(H)で表される化合物である。
一般式(H)
Q−(Y)n−C(Z1)(Z2)X
Q−(Y)n−C(Z1)(Z2)X
一般式(H)において、Qはアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表し、Yは2価の連結基を表し、nは0〜1を表し、Z1およびZ2はハロゲン原子を表し、Xは水素原子または電子求引性基を表す。
一般式(H)においてQは好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基または窒素原子を少なくとも一つ含むヘテロ環基(ピリジン、キノリン基等)である。
一般式(H)においてQは好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基または窒素原子を少なくとも一つ含むヘテロ環基(ピリジン、キノリン基等)である。
一般式(H)において、Qがアリール基である場合、Qは好ましくはハメットの置換基定数σpが正の値をとる電子求引性基で置換されたフェニル基を表す。ハメットの置換基定数に関しては、Journal of Medicinal Chemistry,1973,Vol.16,No.11,1207−1216等を参考にすることができる。
このような電子求引性基としては、例えばハロゲン原子、電子求引性基で置換されたアルキル基、電子求引性基で置換されたアリール基、ヘテロ環基、アルキルまたはアリールスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、およびスルファモイル基等が挙げられる。電子求引性基として特に好ましいのは、ハロゲン原子、カルバモイル基、アリールスルホニル基であり、特にカルバモイル基が好ましい。
このような電子求引性基としては、例えばハロゲン原子、電子求引性基で置換されたアルキル基、電子求引性基で置換されたアリール基、ヘテロ環基、アルキルまたはアリールスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、およびスルファモイル基等が挙げられる。電子求引性基として特に好ましいのは、ハロゲン原子、カルバモイル基、アリールスルホニル基であり、特にカルバモイル基が好ましい。
Xは好ましくは電子求引性基である。好ましい電子求引性基は、ハロゲン原子、脂肪族・アリールもしくは複素環スルホニル基、脂肪族・アリールもしくは複素環アシル基、脂肪族・アリールもしくは複素環オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基であり、さらに好ましくはハロゲン原子、カルバモイル基であり、特に好ましくは臭素原子である。
Z1およびZ2は好ましくは臭素原子、ヨウ素原子であり、更に好ましくは臭素原子である。
Z1およびZ2は好ましくは臭素原子、ヨウ素原子であり、更に好ましくは臭素原子である。
Yは好ましくは−C(=O)−、−SO−、−SO2−、−C(=O)N(R)−、−SO2N(R)−を表し、より好ましくは−C(=O)−、−SO2−、−C(=O)N(R)−であり、特に好ましくは−SO2−、−C(=O)N(R)−である。ここでいうRとは水素原子、アリール基またはアルキル基を表し、より好ましくは水素原子またはアルキル基であり、特に好ましくは水素原子である。
nは、0または1を表し、好ましくは1である。
nは、0または1を表し、好ましくは1である。
一般式(H)において、Qがアルキル基の場合、好ましいYは−C(=O)N(R)−であり、Qがアリール基またはヘテロ環基の場合、好ましいYは−SO2−である。
一般式(H)において、該化合物から水素原子を取り去った残基が互いに結合した形態(一般にビス型、トリス型、テトラキス型と呼ぶ)も好ましく用いることが出来る。
一般式(H)において、解離性基(例えばCOOH基またはその塩、SO3H基またはその塩、PO3H基またはその塩等)、4級窒素カチオンを含む基(例えばアンモニウム基、ピリジニウム基等)、ポリエチレンオキシ基、水酸基等を置換基に有するものも好ましい形態である。
一般式(H)において、該化合物から水素原子を取り去った残基が互いに結合した形態(一般にビス型、トリス型、テトラキス型と呼ぶ)も好ましく用いることが出来る。
一般式(H)において、解離性基(例えばCOOH基またはその塩、SO3H基またはその塩、PO3H基またはその塩等)、4級窒素カチオンを含む基(例えばアンモニウム基、ピリジニウム基等)、ポリエチレンオキシ基、水酸基等を置換基に有するものも好ましい形態である。
以下に本発明の一般式(H)の化合物の具体例を示す。
上記以外の本発明に用いることが出来るポリハロゲン化合物としては、US3874946号、US4756999号、US5340712号、US5369000号、US5464737号、US6506548号、特開昭50−137126号、同50−89020号、同50−119624号、同59−57234号、特開平7−2781号、同7−5621号、同9−160164号、同9−244177号、同9−244178号、同9−160167号、同9−319022号、同9−258367号、同9−265150号、同9−319022号、同10−197988号、同10−197989号、同11−242304号、特開2000−2963、特開2000−112070、特開2000−284410、特開2000−284412、特開2001−33911、特開2001−31644、特開2001−312027号、特開2003−50441号明細書の中で当該発明の例示化合物として挙げられている化合物が好ましく用いられるが、特に特開平7−2781号、特開2001−33911、特開2001−312027号に具体的に例示されている化合物が好ましい。
本発明の一般式(H)で表される化合物は画像形成層の非感光性銀塩1モルあたり、10−4モル〜1モルの範囲で使用することが好ましく、より好ましくは10−3モル〜0.5モルの範囲で、さらに好ましくは1×10−2モル〜0.2モルの範囲で使用することが好ましい。
本発明において、かぶり防止剤を黒白熱現像感光材料に含有せしめる方法としては、前記還元剤の含有方法に記載の方法が挙げられ、有機ポリハロゲン化合物についても固体微粒子分散物で添加することが好ましい。
本発明において、かぶり防止剤を黒白熱現像感光材料に含有せしめる方法としては、前記還元剤の含有方法に記載の方法が挙げられ、有機ポリハロゲン化合物についても固体微粒子分散物で添加することが好ましい。
2)その他のかぶり防止剤
その他のかぶり防止剤としては特開平11−65021号段落番号0113の水銀(II)塩、同号段落番号0114の安息香酸類、特開2000−206642号のサリチル酸誘導体、特開2000−221634号の式(S)で表されるホルマリンスカベンジャー化合物、特開平11−352624号の請求項9に係るトリアジン化合物、特開平6−11791号の一般式(III)で表される化合物、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン等が挙げられる。
その他のかぶり防止剤としては特開平11−65021号段落番号0113の水銀(II)塩、同号段落番号0114の安息香酸類、特開2000−206642号のサリチル酸誘導体、特開2000−221634号の式(S)で表されるホルマリンスカベンジャー化合物、特開平11−352624号の請求項9に係るトリアジン化合物、特開平6−11791号の一般式(III)で表される化合物、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン等が挙げられる。
本発明における黒白熱現像感光材料はかぶり防止を目的としてアゾリウム塩を含有しても良い。アゾリウム塩としては、特開昭59−193447号記載の一般式(XI)で表される化合物、特公昭55−12581号記載の化合物、特開昭60−153039号記載の一般式(II)で表される化合物が挙げられる。アゾリウム塩は熱現像感光材料のいかなる部位に添加しても良いが、添加層としては画像形成層を有する面の層に添加することが好ましく、有機銀塩含有層に添加することがさらに好ましい。アゾリウム塩の添加時期としては塗布液調製のいかなる工程で行っても良く、有機銀塩含有層に加する場合は有機銀塩調製時から塗布液調製時のいかなる工程でも良いが有機銀塩調製後から塗布直前が好ましい。アゾリウム塩の添加法としては粉末、溶液、微粒子分散物などいかなる方法で行っても良い。また、増感色素、還元剤、色調剤など他の添加物と混合した溶液として添加しても良い。
本発明においてアゾリウム塩の添加量としてはいかなる量でも良いが、銀1モル当たり1×10−6モル以上2モル以下が好ましく、1×10−3モル以上0.5モル以下がさらに好ましい。
本発明においてアゾリウム塩の添加量としてはいかなる量でも良いが、銀1モル当たり1×10−6モル以上2モル以下が好ましく、1×10−3モル以上0.5モル以下がさらに好ましい。
(その他の添加剤)
1)メルカプト、ジスルフィド、およびチオン類
本発明には現像を抑制あるいは促進させ現像を制御するため、分光増感効率を向上させるため、現像前後の保存性を向上させるためなどにメルカプト化合物、ジスルフィド化合物、チオン化合物を含有させることができ、特開平10−62899号の段落番号0067〜0069、特開平10−186572号の一般式(I)で表される化合物及びその具体例として段落番号0033〜0052、欧州特許公開第0803764A1号の第20ページ第36〜56行に記載されている。その中でも特開平9−297367号、特開平9−304875号、特開2001−100358号、特開2002−303954号、特開2002−303951等に記載されているメルカプト置換複素芳香族化合物が好ましい。
1)メルカプト、ジスルフィド、およびチオン類
本発明には現像を抑制あるいは促進させ現像を制御するため、分光増感効率を向上させるため、現像前後の保存性を向上させるためなどにメルカプト化合物、ジスルフィド化合物、チオン化合物を含有させることができ、特開平10−62899号の段落番号0067〜0069、特開平10−186572号の一般式(I)で表される化合物及びその具体例として段落番号0033〜0052、欧州特許公開第0803764A1号の第20ページ第36〜56行に記載されている。その中でも特開平9−297367号、特開平9−304875号、特開2001−100358号、特開2002−303954号、特開2002−303951等に記載されているメルカプト置換複素芳香族化合物が好ましい。
2)色調剤
本発明の黒白熱現像感光材料では色調剤の添加が好ましく、色調剤については、特開平10−62899号の段落番号0054〜0055、欧州特許公開第0803764A1号の第21ページ第23〜48行、特開2000−356317号や特開2000−187298号に記載されており、特に、フタラジノン類(フタラジノン、フタラジノン誘導体もしくは金属塩;例えば4−(1−ナフチル)フタラジノン、6−クロロフタラジノン、5,7−ジメトキシフタラジノンおよび2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン);フタラジノン類とフタル酸類(例えば、フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸、フタル酸二アンモニウム、フタル酸ナトリウム、フタル酸カリウムおよびテトラクロロ無水フタル酸)との組合せ;フタラジン類(フタラジン、フタラジン誘導体もしくは金属塩;例えば4−(1−ナフチル)フタラジン、6−イソプロピルフタラジン、6−t−ブチルフラタジン、6−クロロフタラジン、5,7−ジメトキシフタラジンおよび2,3−ジヒドロフタラジン);フタラジン類とフタル酸類との組合せが好ましく、特にフタラジン類とフタル酸類の組合せが好ましい。そのなかでも特に好ましい組み合わせは6−イソプロピルフタラジンとフタル酸または4メチルフタル酸との組み合わせである。
本発明の黒白熱現像感光材料では色調剤の添加が好ましく、色調剤については、特開平10−62899号の段落番号0054〜0055、欧州特許公開第0803764A1号の第21ページ第23〜48行、特開2000−356317号や特開2000−187298号に記載されており、特に、フタラジノン類(フタラジノン、フタラジノン誘導体もしくは金属塩;例えば4−(1−ナフチル)フタラジノン、6−クロロフタラジノン、5,7−ジメトキシフタラジノンおよび2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン);フタラジノン類とフタル酸類(例えば、フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸、フタル酸二アンモニウム、フタル酸ナトリウム、フタル酸カリウムおよびテトラクロロ無水フタル酸)との組合せ;フタラジン類(フタラジン、フタラジン誘導体もしくは金属塩;例えば4−(1−ナフチル)フタラジン、6−イソプロピルフタラジン、6−t−ブチルフラタジン、6−クロロフタラジン、5,7−ジメトキシフタラジンおよび2,3−ジヒドロフタラジン);フタラジン類とフタル酸類との組合せが好ましく、特にフタラジン類とフタル酸類の組合せが好ましい。そのなかでも特に好ましい組み合わせは6−イソプロピルフタラジンとフタル酸または4メチルフタル酸との組み合わせである。
3)可塑剤、潤滑剤
本発明の画像形成層に用いることのできる可塑剤および潤滑剤については特開平11−65021号段落番号0117に記載されている。滑り剤については特開平11−84573号段落番号0061〜0064や特願平11−106881号段落番号0049〜0062記載されている。
本発明の画像形成層に用いることのできる可塑剤および潤滑剤については特開平11−65021号段落番号0117に記載されている。滑り剤については特開平11−84573号段落番号0061〜0064や特願平11−106881号段落番号0049〜0062記載されている。
4)染料、顔料
本発明の画像形成性層には、前記フタロシアニン化合物とともに、色調改良、レーザー露光時の干渉縞発生防止、イラジエーション防止の観点から各種染料や顔料(例えばC.I.Pigment Blue 60、C.I.Pigment Blue 64、C.I.Pigment Blue 15:6)を用いることができる。これらについてはWO98/36322号、特開平10−268465号、同11−338098号等に詳細に記載されている。
本発明の画像形成性層には、前記フタロシアニン化合物とともに、色調改良、レーザー露光時の干渉縞発生防止、イラジエーション防止の観点から各種染料や顔料(例えばC.I.Pigment Blue 60、C.I.Pigment Blue 64、C.I.Pigment Blue 15:6)を用いることができる。これらについてはWO98/36322号、特開平10−268465号、同11−338098号等に詳細に記載されている。
5)造核剤
本発明の黒白熱現像感光材料は、画像形成層に造核剤を添加することが好ましい。造核剤やその添加方法及び添加量については、特開平11−65021号号公報段落番号0118、特開平11−223898号公報段落番号0136〜0193、特開2000−284399号明細書の式(H)、式(1)〜(3)、式(A)、(B)の化合物、特願平11−91652号明細書記載の一般式(III)〜(V)の化合物(具体的化合物:化21〜化24)、造核促進剤については特開平11−65021号公報段落番号0102、特開平11−223898号公報段落番号0194〜0195に記載されている。
本発明の黒白熱現像感光材料は、画像形成層に造核剤を添加することが好ましい。造核剤やその添加方法及び添加量については、特開平11−65021号号公報段落番号0118、特開平11−223898号公報段落番号0136〜0193、特開2000−284399号明細書の式(H)、式(1)〜(3)、式(A)、(B)の化合物、特願平11−91652号明細書記載の一般式(III)〜(V)の化合物(具体的化合物:化21〜化24)、造核促進剤については特開平11−65021号公報段落番号0102、特開平11−223898号公報段落番号0194〜0195に記載されている。
蟻酸や蟻酸塩を強いかぶらせ物質として用いるには、感光性ハロゲン化銀を含有する画像形成層を有する側に銀1モル当たり5ミリモル以下、さらには1ミリモル以下で含有させることが好ましい。
本発明の黒白熱現像感光材料で造核剤を用いる場合には五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩を併用して用いることが好ましい。五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩としては、メタリン酸(塩)、ピロリン酸(塩)、オルトリン酸(塩)、三リン酸(塩)、四リン酸(塩)、およびヘキサメタリン酸(塩)などを挙げることができる。特に好ましく用いられる五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩としては、オルトリン酸(塩)、ヘキサメタリン酸(塩)を挙げることができる。具体的な塩としてはオルトリン酸ナトリウム、オルトリン酸二水素ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸アンモニウムなどが挙げられる。
五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩の使用量(感光材料1m2あたりの塗布量)は感度やかぶりなどの性能に合わせて所望の量でよいが、0.1mg/m2〜500mg/m2が好ましく、0.5mg/m2〜100mg/m2がより好ましい。
本発明の黒白熱現像感光材料で造核剤を用いる場合には五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩を併用して用いることが好ましい。五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩としては、メタリン酸(塩)、ピロリン酸(塩)、オルトリン酸(塩)、三リン酸(塩)、四リン酸(塩)、およびヘキサメタリン酸(塩)などを挙げることができる。特に好ましく用いられる五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩としては、オルトリン酸(塩)、ヘキサメタリン酸(塩)を挙げることができる。具体的な塩としてはオルトリン酸ナトリウム、オルトリン酸二水素ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸アンモニウムなどが挙げられる。
五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩の使用量(感光材料1m2あたりの塗布量)は感度やかぶりなどの性能に合わせて所望の量でよいが、0.1mg/m2〜500mg/m2が好ましく、0.5mg/m2〜100mg/m2がより好ましい。
(塗布液の調製および塗布)
本発明の画像形成層塗布液の調製温度は30℃以上65℃以下がよく、さらに好ましい温度は35℃以上60℃未満、より好ましい温度は35℃以上55℃以下である。また、ポリマーラテックス添加直後の画像形成層塗布液の温度が30℃以上65℃以下で維持されることが好ましい。
本発明の画像形成層塗布液の調製温度は30℃以上65℃以下がよく、さらに好ましい温度は35℃以上60℃未満、より好ましい温度は35℃以上55℃以下である。また、ポリマーラテックス添加直後の画像形成層塗布液の温度が30℃以上65℃以下で維持されることが好ましい。
(層構成および構成成分)
本発明の画像形成層は、支持体上に一またはそれ以上の層で構成される。一層で構成する場合は有機銀塩、感光性ハロゲン化銀、還元剤およびバインダーよりなり、必要により色調剤、被覆助剤および他の補助剤などの所望による追加の材料を含む。二層以上で構成する場合は、第1画像形成層(通常は支持体に隣接した層)中に有機銀塩および感光性ハロゲン化銀を含み、第2画像形成層または両層中にいくつかの他の成分を含んでも良い。
本発明の画像形成層は、支持体上に一またはそれ以上の層で構成される。一層で構成する場合は有機銀塩、感光性ハロゲン化銀、還元剤およびバインダーよりなり、必要により色調剤、被覆助剤および他の補助剤などの所望による追加の材料を含む。二層以上で構成する場合は、第1画像形成層(通常は支持体に隣接した層)中に有機銀塩および感光性ハロゲン化銀を含み、第2画像形成層または両層中にいくつかの他の成分を含んでも良い。
本発明の黒白熱現像感光材料は、画像形成層に加えて非感光性層を有することができる。非感光性層は、その配置から(a)画像形成層の上(支持体よりも遠い側)に設けられる表面保護層、(b)複数の画像形成層の間や画像形成層と保護層の間に設けられる中間層、(c)画像形成層と支持体との間に設けられる下塗り層、(d)画像形成層の反対側に設けられるバック層に分類できる。
また、光学フィルターとして作用する層を設けることができるが、(a)または(b)の層として設けられる。アンチハレーション層は、(c)または(d)の層として熱現像感光材料に設けられる。
1)表面保護層
本発明における黒白熱現像感光材料は画像形成層の付着防止などの目的で表面保護層を設けることができる。表面保護層は単層でもよいし、複数層であってもよい。
表面保護層については、特開平11−65021号段落番号0119〜0120、特開2000−171936号に記載されている。
本発明の表面保護層のバインダーとしてはゼラチンが好ましいがポリビニルアルコール(PVA)を用いる若しくは併用することも好ましい。ゼラチンとしてはイナートゼラチン(例えば新田ゼラチン750)、フタル化ゼラチン(例えば新田ゼラチン801)など使用することができる。PVAとしては、特開2000−171936号の段落番号0009〜0020に記載のものがあげられ、完全けん化物のPVA−105、部分けん化物のPVA−205,PVA−335、変性ポリビニルアルコールのMP−203(以上、クラレ(株)製の商品名)などが好ましく挙げられる。保護層(1層当たり)のポリビニルアルコール塗布量(支持体1m2当たり)としては0.3g/m2〜4.0g/m2が好ましく、0.3g/m2〜2.0g/m2がより好ましい。
本発明における黒白熱現像感光材料は画像形成層の付着防止などの目的で表面保護層を設けることができる。表面保護層は単層でもよいし、複数層であってもよい。
表面保護層については、特開平11−65021号段落番号0119〜0120、特開2000−171936号に記載されている。
本発明の表面保護層のバインダーとしてはゼラチンが好ましいがポリビニルアルコール(PVA)を用いる若しくは併用することも好ましい。ゼラチンとしてはイナートゼラチン(例えば新田ゼラチン750)、フタル化ゼラチン(例えば新田ゼラチン801)など使用することができる。PVAとしては、特開2000−171936号の段落番号0009〜0020に記載のものがあげられ、完全けん化物のPVA−105、部分けん化物のPVA−205,PVA−335、変性ポリビニルアルコールのMP−203(以上、クラレ(株)製の商品名)などが好ましく挙げられる。保護層(1層当たり)のポリビニルアルコール塗布量(支持体1m2当たり)としては0.3g/m2〜4.0g/m2が好ましく、0.3g/m2〜2.0g/m2がより好ましい。
表面保護層(1層当たり)の全バインダー(水溶性ポリマー及びラテックスポリマーを含む)塗布量(支持体1m2当たり)としては0.3g/m2〜5.0g/m2が好ましく、0.3g/m2〜2.0g/m2がより好ましい。
2)アンチハレーション層
本発明の黒白熱現像感光材料においては、アンチハレーション層を画像形成層に対して光源から遠い側に設けることができる。好ましくは、バック層もしくは画像形成層と支持体との間の層である。
本発明の黒白熱現像感光材料においては、アンチハレーション層を画像形成層に対して光源から遠い側に設けることができる。好ましくは、バック層もしくは画像形成層と支持体との間の層である。
アンチハレーション層については特開平11−65021号段落番号0123〜0124、特開平11−223898号、同9−230531号、同10−36695号、同10−104779号、同11−231457号、同11−352625号、同11−352626号等に記載されている。
アンチハレーション層には、露光波長に吸収を有するアンチハレーション染料を含有する。露光波長が赤外域にある場合には赤外線吸収染料を用いればよく、その場合には可視域に吸収を有しない染料が好ましい。
本発明の黒白熱現像感光材料は、前記の金属フタロシアニン染料をアンチハレーション染料として用いるのが好ましい。
アンチハレーション層には、露光波長に吸収を有するアンチハレーション染料を含有する。露光波長が赤外域にある場合には赤外線吸収染料を用いればよく、その場合には可視域に吸収を有しない染料が好ましい。
本発明の黒白熱現像感光材料は、前記の金属フタロシアニン染料をアンチハレーション染料として用いるのが好ましい。
染料の添加量は、一般には、目的とする波長で測定したときの光学濃度(吸光度)が0.1を越える量で使用する。光学濃度は、0.15〜2であることが好ましく0.2〜1であることがより好ましい。このような光学濃度を得るための染料の使用量は、一般に0.001g/m2〜1g/m2程度である。
3)バック層
本発明に適用することのできるバック層については特開平11−65021号段落番号0128〜0130に記載されている。
本発明の黒白熱現像感光材料は、ハレーション防止層として、前記の金属フタロシアニン化合物を含有する層であることが好ましい。
本発明に適用することのできるバック層については特開平11−65021号段落番号0128〜0130に記載されている。
本発明の黒白熱現像感光材料は、ハレーション防止層として、前記の金属フタロシアニン化合物を含有する層であることが好ましい。
本発明においては、銀色調、画像の経時変化を改良する目的で300nm〜450nmに吸収極大を有する着色剤を添加することができる。このような着色剤は、特開昭62−210458号、同63−104046号、同63−103235号、同63−208846号、同63−306436号、同63−314535号、特開平01−61745号、特開平2001−100363などに記載されている。
このような着色剤は、通常、0.1mg/m2〜1g/m2の範囲で添加され、添加する層としては画像形成層の反対側に設けられるバック層が好ましい。
このような着色剤は、通常、0.1mg/m2〜1g/m2の範囲で添加され、添加する層としては画像形成層の反対側に設けられるバック層が好ましい。
4)マット剤
本発明において、搬送性改良のためにマット剤を添加することが好ましく、マット剤については、特開平11−65021号段落番号0126〜0127に記載されている。マット剤は熱現像感光材料1m2当たりの塗布量で示した場合、好ましくは1mg/m2〜400mg/m2、より好ましくは5mg/m2〜300mg/m2である。
本発明において、搬送性改良のためにマット剤を添加することが好ましく、マット剤については、特開平11−65021号段落番号0126〜0127に記載されている。マット剤は熱現像感光材料1m2当たりの塗布量で示した場合、好ましくは1mg/m2〜400mg/m2、より好ましくは5mg/m2〜300mg/m2である。
本発明においてマット剤の形状は定型、不定形のいずれでもよいが好ましくは定型で、球形が好ましく用いられる。平均粒径は0.5μm〜10μmであることが好ましく、より好ましくは1.0μm〜8.0μm、さらに好ましくは2.0μm〜6.0μmの範囲である。また、サイズ分布の変動係数としては50%以下であることが好ましく、より好ましくは40%以下、さらに好ましくは、30%以下である。ここで変動係数とは(粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100で表される値である。また、変動係数が小さいマット剤で平均粒径の比が3より大きいものを2種併用することも好ましい。
また、画像形成層面のマット度は星屑故障が生じなければいかようでも良いが、ベック平滑度が30秒以上2000秒以下が好ましく、特に40秒以上1500秒以下が好ましい。ベック平滑度は、日本工業規格(JIS)P8119「紙および板紙のベック試験器による平滑度試験方法」およびTAPPI標準法T479により容易に求めることができる。
本発明においてバック層のマット度としてはベック平滑度が1200秒以下10秒以上が好ましく、800秒以下20秒以上が好ましく、さらに好ましくは500秒以下40秒以上である。
本発明において、マット剤は黒白熱現像感光材料の最外表面層もしくは最外表面層として機能する層、あるいは外表面に近い層に含有されるのが好ましく、またいわゆる保護層として作用する層に含有されることが好ましい。
5)ポリマーラテックス
特に寸法変化が問題となる印刷用途に本発明の黒白熱現像感光材料を用いる場合には、表面保護層やバック層にポリマーラテックスを用いることが好ましい。このようなポリマーラテックスについては「合成樹脂エマルジョン(奥田平、稲垣寛編集、高分子刊行会発行(1978))」、「合成ラテックスの応用(杉村孝明、片岡靖男、鈴木聡一、笠原啓司編集、高分子刊行会発行(1993))」、「合成ラテックスの化学(室井宗一著、高分子刊行会発行(1970))」などにも記載され、具体的にはメチルメタクリレート(33.5質量%)/エチルアクリレート(50質量%)/メタクリル酸(16.5質量%)コポリマーのラテックス、メチルメタクリレート(47.5質量%)/ブタジエン(47.5質量%)/イタコン酸(5質量%)コポリマーのラテックス、エチルアクリレート/メタクリル酸のコポリマーのラテックス、メチルメタクリレート(58.9質量%)/2−エチルヘキシルアクリレート(25.4質量%)/スチレン(8.6質量%)/2−ヒドロキシエチルメタクリレート(5.1質量%)/アクリル酸(2.0質量%)コポリマーのラテックス、メチルメタクリレート(64.0質量%)/スチレン(9.0質量%)/ブチルアクリレート(20.0質量%)/2−ヒドロキシエチルメタクリレート(5.0質量%)/アクリル酸(2.0質量%)コポリマーのラテックスなどが挙げられる。
特に寸法変化が問題となる印刷用途に本発明の黒白熱現像感光材料を用いる場合には、表面保護層やバック層にポリマーラテックスを用いることが好ましい。このようなポリマーラテックスについては「合成樹脂エマルジョン(奥田平、稲垣寛編集、高分子刊行会発行(1978))」、「合成ラテックスの応用(杉村孝明、片岡靖男、鈴木聡一、笠原啓司編集、高分子刊行会発行(1993))」、「合成ラテックスの化学(室井宗一著、高分子刊行会発行(1970))」などにも記載され、具体的にはメチルメタクリレート(33.5質量%)/エチルアクリレート(50質量%)/メタクリル酸(16.5質量%)コポリマーのラテックス、メチルメタクリレート(47.5質量%)/ブタジエン(47.5質量%)/イタコン酸(5質量%)コポリマーのラテックス、エチルアクリレート/メタクリル酸のコポリマーのラテックス、メチルメタクリレート(58.9質量%)/2−エチルヘキシルアクリレート(25.4質量%)/スチレン(8.6質量%)/2−ヒドロキシエチルメタクリレート(5.1質量%)/アクリル酸(2.0質量%)コポリマーのラテックス、メチルメタクリレート(64.0質量%)/スチレン(9.0質量%)/ブチルアクリレート(20.0質量%)/2−ヒドロキシエチルメタクリレート(5.0質量%)/アクリル酸(2.0質量%)コポリマーのラテックスなどが挙げられる。
さらに、表面保護層用のバインダーとして、特願平11−6872号明細書のポリマーラテックスの組み合わせ、特開2000−267226号明細書の段落番号0021〜0025に記載の技術、特願平11−6872号明細書の段落番号0027〜0028に記載の技術、特開2000−19678号明細書の段落番号0023〜0041に記載の技術を適用してもよい。表面保護層のポリマーラテックスの比率は全バインダーの10質量%以上90質量%以下が好ましく、特に20質量%以上80質量%以下が好ましい。
6)膜面pH
本発明の黒白熱現像感光材料は、熱現像処理前の膜面pHが7.0以下であることが好ましく、さらに好ましくは6.6以下である。その下限には特に制限はないが、3程度である。最も好ましいpH範囲は4〜6.2の範囲である。膜面pHの調節はフタル酸誘導体などの有機酸や硫酸などの不揮発性の酸、アンモニアなどの揮発性の塩基を用いることが、膜面pHを低減させるという観点から好ましい。特にアンモニアは揮発しやすく、塗布する工程や熱現像される前に除去できることから低膜面pHを達成する上で好ましい。
また、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム、水酸化リチウム等の不揮発性の塩基とアンモニアを併用することも好ましく用いられる。なお、膜面pHの測定方法は、特開2000−284399号明細書の段落番号0123に記載されている。
本発明の黒白熱現像感光材料は、熱現像処理前の膜面pHが7.0以下であることが好ましく、さらに好ましくは6.6以下である。その下限には特に制限はないが、3程度である。最も好ましいpH範囲は4〜6.2の範囲である。膜面pHの調節はフタル酸誘導体などの有機酸や硫酸などの不揮発性の酸、アンモニアなどの揮発性の塩基を用いることが、膜面pHを低減させるという観点から好ましい。特にアンモニアは揮発しやすく、塗布する工程や熱現像される前に除去できることから低膜面pHを達成する上で好ましい。
また、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム、水酸化リチウム等の不揮発性の塩基とアンモニアを併用することも好ましく用いられる。なお、膜面pHの測定方法は、特開2000−284399号明細書の段落番号0123に記載されている。
7)硬膜剤
本発明の画像形成層、保護層、バック層など各層には硬膜剤を用いても良い。硬膜剤の例としてはT.H.James著「THE THEORY OF THE PHOTOGRAPHIC PROCESS FOURTH EDITION」(Macmillan Publishing Co.,Inc.刊、1977年刊)、77頁から87頁に記載の各方法があり、クロムみょうばん、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム塩、N,N−エチレンビス(ビニルスルホンアセトアミド)、N,N−プロピレンビス(ビニルスルホンアセトアミド)の他、同書78頁など記載の多価金属イオン、米国特許4,281,060号、特開平6−208193号などのポリイソシアネート類、米国特許4,791,042号などのエポキシ化合物類、特開昭62−89048号などのビニルスルホン系化合物類が好ましく用いられる。
本発明の画像形成層、保護層、バック層など各層には硬膜剤を用いても良い。硬膜剤の例としてはT.H.James著「THE THEORY OF THE PHOTOGRAPHIC PROCESS FOURTH EDITION」(Macmillan Publishing Co.,Inc.刊、1977年刊)、77頁から87頁に記載の各方法があり、クロムみょうばん、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム塩、N,N−エチレンビス(ビニルスルホンアセトアミド)、N,N−プロピレンビス(ビニルスルホンアセトアミド)の他、同書78頁など記載の多価金属イオン、米国特許4,281,060号、特開平6−208193号などのポリイソシアネート類、米国特許4,791,042号などのエポキシ化合物類、特開昭62−89048号などのビニルスルホン系化合物類が好ましく用いられる。
硬膜剤は溶液として添加され、この溶液の保護層塗布液中への添加時期は、塗布する180分前から直前、好ましくは60分前から10秒前であるが、混合方法及び混合条件については本発明の効果が十分に現れる限りにおいては特に制限はない。具体的な混合方法としては添加流量とコーターへの送液量から計算した平均滞留時間を所望の時間となるようにしたタンクでの混合する方法やN.Harnby、M.F.Edwards、A.W.Nienow著、高橋幸司訳「液体混合技術」(日刊工業新聞社刊、1989年)の第8章等に記載されているスタチックミキサーなどを使用する方法がある。
8)界面活性剤
本発明に適用できる界面活性剤については特開平11−65021号段落番号0132、溶剤については同号段落番号0133、支持体については同号段落番号0134、帯電防止又は導電層については同号段落番号0135、カラー画像を得る方法については同号段落番号0136に、滑り剤については特開平11−84573号段落番号0061〜0064や特願平11−106881号段落番号0049〜0062記載されている。
本発明に適用できる界面活性剤については特開平11−65021号段落番号0132、溶剤については同号段落番号0133、支持体については同号段落番号0134、帯電防止又は導電層については同号段落番号0135、カラー画像を得る方法については同号段落番号0136に、滑り剤については特開平11−84573号段落番号0061〜0064や特願平11−106881号段落番号0049〜0062記載されている。
本発明においてはフッ素系の界面活性剤を使用することが好ましい。フッ素系界面活性剤の具体例は特開平10−197985号、特開2000−19680号、特開2000−214554号等に記載された化合物があげられる。また、特開平9−281636号記載の高分子フッ素系界面活性剤も好ましく用いられる。本発明の黒白熱現像感光材料においては特開2002−82411号、特開2003−57780号および特開2001−264110号記載のフッ素系界面活性剤の使用が好ましい。特に特開2003−57780号および特開2001−264110号記載のフッ素系界面活性剤は水系の塗布液で塗布製造を行う場合、帯電調整能力、塗布面状の安定性、スベリ性の点で好ましく、特開2001−264110号記載のフッ素系界面活性剤は帯電調整能力が高く使用量が少なくてすむという点で最も好ましい。
本発明においてフッ素系界面活性剤は画像形成層面、バック面のいずれにも使用することができ、両方の面に使用することが好ましい。また、前述の金属酸化物を含む導電層と組み合わせて使用することが特に好ましい。この場合には導電層を有する面のフッ素系界面活性剤の使用量を低減もしくは除去しても十分な性能が得られる。
フッ素系界面活性剤の好ましい使用量は画像形成層面、バック面それぞれに0.1mg/m2〜100mg/m2の範囲で、より好ましくは0.3mg/m2〜30mg/m2の範囲、さらに好ましくは1mg/m2〜10mg/m2の範囲である。特に特開2001−264110号記載のフッ素系界面活性剤は効果が大きく、0.01mg/m2〜10mg/m2の範囲が好ましく、0.1mg/m2〜5mg/m2の範囲がより好ましい。
フッ素系界面活性剤の好ましい使用量は画像形成層面、バック面それぞれに0.1mg/m2〜100mg/m2の範囲で、より好ましくは0.3mg/m2〜30mg/m2の範囲、さらに好ましくは1mg/m2〜10mg/m2の範囲である。特に特開2001−264110号記載のフッ素系界面活性剤は効果が大きく、0.01mg/m2〜10mg/m2の範囲が好ましく、0.1mg/m2〜5mg/m2の範囲がより好ましい。
9)帯電防止剤
本発明においては金属酸化物あるいは導電性ポリマーを含む導電層を有することが好ましい。帯電防止層は下塗り層、バック層表面保護層などと兼ねてもよく、また別途設けてもよい。帯電防止層の導電性材料は金属酸化物中に酸素欠陥、異種金属原子を導入して導電性を高めた金属酸化物が好ましく用いられる。金属酸化物の例としてはZnO、TiO2、SnO2が好ましく、ZnOに対してはAl、Inの添加、SnO2に対してはSb、Nb、P、ハロゲン元素等の添加、TiO2に対してはNb、Ta等の添加が好ましい。
特にSbを添加したSnO2が好ましい。異種原子の添加量は0.01モル%〜30モル%の範囲が好ましく、0.1モル%〜10モル%の範囲がより好ましい。金属酸化物の形状は球状、針状、板状いずれでもよいが、導電性付与の効果の点で長軸/単軸比が2.0以上、好ましくは3.0〜50の針状粒子がよい。金属酸化物の使用量は好ましくは1mg/m2〜1000mg/m2の範囲で、より好ましくは10mg/m2〜500mg/m2の範囲、さらに好ましくは20mg/m2〜200mg/m2の範囲である。
本発明においては金属酸化物あるいは導電性ポリマーを含む導電層を有することが好ましい。帯電防止層は下塗り層、バック層表面保護層などと兼ねてもよく、また別途設けてもよい。帯電防止層の導電性材料は金属酸化物中に酸素欠陥、異種金属原子を導入して導電性を高めた金属酸化物が好ましく用いられる。金属酸化物の例としてはZnO、TiO2、SnO2が好ましく、ZnOに対してはAl、Inの添加、SnO2に対してはSb、Nb、P、ハロゲン元素等の添加、TiO2に対してはNb、Ta等の添加が好ましい。
特にSbを添加したSnO2が好ましい。異種原子の添加量は0.01モル%〜30モル%の範囲が好ましく、0.1モル%〜10モル%の範囲がより好ましい。金属酸化物の形状は球状、針状、板状いずれでもよいが、導電性付与の効果の点で長軸/単軸比が2.0以上、好ましくは3.0〜50の針状粒子がよい。金属酸化物の使用量は好ましくは1mg/m2〜1000mg/m2の範囲で、より好ましくは10mg/m2〜500mg/m2の範囲、さらに好ましくは20mg/m2〜200mg/m2の範囲である。
本発明の帯電防止層は画像形成層面側、バック面側のいずれに設置してもよいが、支持体とバック層との間に設置することが好ましい。
本発明の帯電防止層の具体例は特開平11−65021号段落番号0135、特開昭56−143430号、同56−143431号、同58−62646号、同56−120519号、特開平11−84573号の段落番号0040〜0051、米国特許第5,575,957号、特開平11−223898号の段落番号0078〜0084に記載されている。
本発明の帯電防止層の具体例は特開平11−65021号段落番号0135、特開昭56−143430号、同56−143431号、同58−62646号、同56−120519号、特開平11−84573号の段落番号0040〜0051、米国特許第5,575,957号、特開平11−223898号の段落番号0078〜0084に記載されている。
10)支持体
透明支持体は二軸延伸時にフィルム中に残存する内部歪みを緩和させ、熱現像処理中に発生する熱収縮歪みをなくすために、130℃〜185℃の温度範囲で熱処理を施したポリエステル、特にポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。医療用の熱現像感光材料の場合、透明支持体は青色染料(例えば、特開平8−240877号実施例記載の染料−1)で着色されていてもよいし、無着色でもよい。支持体には、特開平11−84574号の水溶性ポリエステル、同10−186565号のスチレンブタジエン共重合体、特開2000−39684号や特願平11−106881号段落番号0063〜0080の塩化ビニリデン共重合体などの下塗り技術を適用することが好ましい。支持体に画像形成層もしくはバック層を塗布するときの、支持体の含水率は0.5質量%以下であることが好ましい。
透明支持体は二軸延伸時にフィルム中に残存する内部歪みを緩和させ、熱現像処理中に発生する熱収縮歪みをなくすために、130℃〜185℃の温度範囲で熱処理を施したポリエステル、特にポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。医療用の熱現像感光材料の場合、透明支持体は青色染料(例えば、特開平8−240877号実施例記載の染料−1)で着色されていてもよいし、無着色でもよい。支持体には、特開平11−84574号の水溶性ポリエステル、同10−186565号のスチレンブタジエン共重合体、特開2000−39684号や特願平11−106881号段落番号0063〜0080の塩化ビニリデン共重合体などの下塗り技術を適用することが好ましい。支持体に画像形成層もしくはバック層を塗布するときの、支持体の含水率は0.5質量%以下であることが好ましい。
11)その他の添加剤
熱現像感光材料には、さらに、酸化防止剤、安定化剤、可塑剤、紫外線吸収剤あるいは被覆助剤を添加してもよい。各種の添加剤は、画像形成層あるいは非感光性層のいずれかに添加する。それらについてWO98/36322号、EP803764A1号、特開平10−186567号、同10−18568号等を参考にすることができる。
熱現像感光材料には、さらに、酸化防止剤、安定化剤、可塑剤、紫外線吸収剤あるいは被覆助剤を添加してもよい。各種の添加剤は、画像形成層あるいは非感光性層のいずれかに添加する。それらについてWO98/36322号、EP803764A1号、特開平10−186567号、同10−18568号等を参考にすることができる。
12)塗布方式
本発明における黒白熱現像感光材料はいかなる方法で塗布されても良い。具体的には、エクストルージョンコーティング、スライドコーティング、カーテンコーティング、浸漬コーティング、ナイフコーティング、フローコーティング、または米国特許第2,681,294号に記載の種類のホッパーを用いる押出コーティングを含む種々のコーティング操作が用いられ、Stephen F.Kistler、Petert M.Schweizer著「LIQUID FILM COATING」(CHAPMAN&HALL社刊、1997年)、399頁から536頁記載のエクストルージョンコーティング、またはスライドコーティング好ましく用いられ、特に好ましくはスライドコーティングが用いられる。スライドコーティングに使用されるスライドコーターの形状の例は同書427頁のFigure 11b.1にある。また、所望により同書399頁から536頁記載の方法、米国特許第2,761,791号および英国特許第837,095号に記載の方法により2層またはそれ以上の層を同時に被覆することができる。本発明において特に好ましい塗布方法は特開2001−194748号、同2002−153808号、同2002−153803号、同2002−182333号に記載された方法である。
本発明における黒白熱現像感光材料はいかなる方法で塗布されても良い。具体的には、エクストルージョンコーティング、スライドコーティング、カーテンコーティング、浸漬コーティング、ナイフコーティング、フローコーティング、または米国特許第2,681,294号に記載の種類のホッパーを用いる押出コーティングを含む種々のコーティング操作が用いられ、Stephen F.Kistler、Petert M.Schweizer著「LIQUID FILM COATING」(CHAPMAN&HALL社刊、1997年)、399頁から536頁記載のエクストルージョンコーティング、またはスライドコーティング好ましく用いられ、特に好ましくはスライドコーティングが用いられる。スライドコーティングに使用されるスライドコーターの形状の例は同書427頁のFigure 11b.1にある。また、所望により同書399頁から536頁記載の方法、米国特許第2,761,791号および英国特許第837,095号に記載の方法により2層またはそれ以上の層を同時に被覆することができる。本発明において特に好ましい塗布方法は特開2001−194748号、同2002−153808号、同2002−153803号、同2002−182333号に記載された方法である。
本発明における有機銀塩含有層塗布液は、いわゆるチキソトロピー流体であることが好ましい。この技術については特開平11−52509号を参考にすることができる。本発明における有機銀塩含有層塗布液は剪断速度0.1S−1における粘度は400mPa・s以上100,000mPa・s以下が好ましく、さらに好ましくは500mPa・s以上20,000mPa・s以下である。また、剪断速度1000S−1においては1mPa・s以上200mPa・s以下が好ましく、さらに好ましくは5mPa・s以上80mPa・s以下である。
本発明の塗布液を調合する場合において2種の液を混合する際は公知のインライン混合機、インプラント混合機が好ましく用いられる。本発明の好ましいインライン混合機は特開2002−85948号に、インプラント混合機は特開2002−90940号に記載されている。
本発明における塗布液は塗布面状を良好に保つため脱泡処理をすることが好ましい。本発明の好ましい脱泡処理方法については特開2002−66431号に記載された方法である。
本発明における塗布液は塗布面状を良好に保つため脱泡処理をすることが好ましい。本発明の好ましい脱泡処理方法については特開2002−66431号に記載された方法である。
本発明の塗布液を塗布する際には支持体の耐電による塵、ほこり等の付着を防止するために除電を行うことが好ましい。本発明において好ましい除電方法の例は特開2002−143747に記載されている。
本発明においては非セット性の画像形成層塗布液を乾燥するため乾燥風、乾燥温度を精密にコントロールすることが重要である。本発明の好ましい乾燥方法は特開2001−194749号、同2002−139814号に詳しく記載されている。
本発明においては非セット性の画像形成層塗布液を乾燥するため乾燥風、乾燥温度を精密にコントロールすることが重要である。本発明の好ましい乾燥方法は特開2001−194749号、同2002−139814号に詳しく記載されている。
本発明の黒白熱現像感光材料は成膜性を向上させるために塗布、乾燥直後に加熱処理をすることが好ましい。加熱処理の温度は膜面温度で60℃〜100℃の範囲が好ましく、加熱時間は1秒〜60秒の範囲が好ましい。より好ましい範囲は膜面温度が70℃〜90℃、加熱時間が2秒〜10秒の範囲である。本発明の好ましい加熱処理の方法は特開2002−107872号に記載されている。
また、本発明の黒白熱現像感光材料を安定して連続製造するためには特開2002−156728号、同2002−182333号に記載の製造方法が好ましく用いられる。
黒白熱現像感光材料は、モノシート型(受像材料のような他のシートを使用せずに、黒白熱現像感光材料上に画像を形成できる型)であることが好ましい。
黒白熱現像感光材料は、モノシート型(受像材料のような他のシートを使用せずに、黒白熱現像感光材料上に画像を形成できる型)であることが好ましい。
13)包装材料
本発明の黒白熱現像感光材料は生保存時の写真性能の変動を押えるため、もしくはカール、巻癖などを改良するために、酸素透過率および/または水分透過率の低い包装材料で包装することが好ましい。酸素透過率は25℃で50mL/atm・m2・day以下であることが好ましく、より好ましくは10mL/atm・m2・day以下、さらに好ましくは1.0mL/atm・m2・day以下である。水分透過率は10g/atm・m2・day以下であることが好ましく、より好ましくは5g/atm・m2・day以下、さらに好ましくは1g/atm・m2・day以下である。
該酸素透過率および/または水分透過率の低い包装材料の具体例としては、たとえば特開平8−254793号。特開2000−206653号明細書に記載されている包装材料である。
本発明の黒白熱現像感光材料は生保存時の写真性能の変動を押えるため、もしくはカール、巻癖などを改良するために、酸素透過率および/または水分透過率の低い包装材料で包装することが好ましい。酸素透過率は25℃で50mL/atm・m2・day以下であることが好ましく、より好ましくは10mL/atm・m2・day以下、さらに好ましくは1.0mL/atm・m2・day以下である。水分透過率は10g/atm・m2・day以下であることが好ましく、より好ましくは5g/atm・m2・day以下、さらに好ましくは1g/atm・m2・day以下である。
該酸素透過率および/または水分透過率の低い包装材料の具体例としては、たとえば特開平8−254793号。特開2000−206653号明細書に記載されている包装材料である。
14)その他の利用できる技術
本発明の黒白熱現像感光材料に用いることのできる技術としては、EP803764A1号、EP883022A1号、WO98/36322号、特開昭56−62648号、同58−62644号、特開平9−43766、同9−281637、同9−297367号、同9−304869号、同9−311405号、同9−329865号、同10−10669号、同10−62899号、同10−69023号、同10−186568号、同10−90823号、同10−171063号、同10−186565号、同10−186567号、同10−186569号〜同10−186572号、同10−197974号、同10−197982号、同10−197983号、同10−197985号〜同10−197987号、同10−207001号、同10−207004号、同10−221807号、同10−282601号、同10−288823号、同10−288824号、同10−307365号、同10−312038号、同10−339934号、同11−7100号、同11−15105号、同11−24200号、同11−24201号、同11−30832号、同11−84574号、同11−65021号、同11−109547号、同11−125880号、同11−129629号、同11−133536号〜同11−133539号、同11−133542号、同11−133543号、同11−223898号、同11−352627号、同11−305377号、同11−305378号、同11−305384号、同11−305380号、同11−316435号、同11−327076号、同11−338096号、同11−338098号、同11−338099号、同11−343420号、特開2000−187298号、同2000−10229号、同2000−47345号、同2000−206642号、同2000−98530号、同2000−98531号、同2000−112059号、同2000−112060号、同2000−112104号、同2000−112064号、同2000−171936号も挙げられる。
本発明の黒白熱現像感光材料に用いることのできる技術としては、EP803764A1号、EP883022A1号、WO98/36322号、特開昭56−62648号、同58−62644号、特開平9−43766、同9−281637、同9−297367号、同9−304869号、同9−311405号、同9−329865号、同10−10669号、同10−62899号、同10−69023号、同10−186568号、同10−90823号、同10−171063号、同10−186565号、同10−186567号、同10−186569号〜同10−186572号、同10−197974号、同10−197982号、同10−197983号、同10−197985号〜同10−197987号、同10−207001号、同10−207004号、同10−221807号、同10−282601号、同10−288823号、同10−288824号、同10−307365号、同10−312038号、同10−339934号、同11−7100号、同11−15105号、同11−24200号、同11−24201号、同11−30832号、同11−84574号、同11−65021号、同11−109547号、同11−125880号、同11−129629号、同11−133536号〜同11−133539号、同11−133542号、同11−133543号、同11−223898号、同11−352627号、同11−305377号、同11−305378号、同11−305384号、同11−305380号、同11−316435号、同11−327076号、同11−338096号、同11−338098号、同11−338099号、同11−343420号、特開2000−187298号、同2000−10229号、同2000−47345号、同2000−206642号、同2000−98530号、同2000−98531号、同2000−112059号、同2000−112060号、同2000−112104号、同2000−112064号、同2000−171936号も挙げられる。
(画像形成方法)
1)画像露光
本発明の黒白熱現像感光材料は、いかなる手段によって画像露光しても良い。
一つの態様は、レーザー光で走査露光される。
本発明で用いることの出来る好ましいレーザーは、赤〜赤外発光のHe−Neレーザー、赤色半導体レーザー、あるいは青〜緑発光のAr+,He−Ne,He−Cdレーザー、青色半導体レーザーである。好ましくは、赤色〜赤外半導体レーザーであり、レーザー光のピーク波長は、600nm〜900nm、好ましくは620nm〜850nmである。
一方、近年、特に、SHG(Second Harmonic Generator)素子と半導体レーザーを一体化したモジュールや青色半導体レーザーが開発されてきて、短波長領域のレーザー出力装置がクローズアップされてきた。青色半導体レーザーは、高精細の画像記録が可能であること、記録密度の増大、かつ長寿命で安定した出力が得られることから、今後需要が拡大していくことが期待されている。青色レーザー光のピーク波長は、300nm〜500nm、特に400nm〜500nmが好ましい。
レーザー光は、高周波重畳などの方法によって縦マルチに発振していることも好ましく用いられる。
もう一つの態様として、本発明の黒白熱現像感光材料は、蛍光増感スクリーンを用いてX線画像を記録する画像形成方法に好ましく用いることができる。
これらの黒白熱現像感光材料を用いて画像形成する工程は以下の工程を有する。
(a)該熱現像感光材料を1対の蛍光増感スクリーンの間に設置することにより像形成用組立体を得る工程、
(b)該組立体とX線源との間に被検体を配置する工程、
(c)該被検体にエネルギーレベルが25kVp〜125kVpの範囲にあるX線を照射する工程、
(d)該熱現像感光材料を該組立体から取り出す工程、
(e)取り出した該熱現像感光材料を90℃〜180℃の範囲の温度で加熱する工程。
1)画像露光
本発明の黒白熱現像感光材料は、いかなる手段によって画像露光しても良い。
一つの態様は、レーザー光で走査露光される。
本発明で用いることの出来る好ましいレーザーは、赤〜赤外発光のHe−Neレーザー、赤色半導体レーザー、あるいは青〜緑発光のAr+,He−Ne,He−Cdレーザー、青色半導体レーザーである。好ましくは、赤色〜赤外半導体レーザーであり、レーザー光のピーク波長は、600nm〜900nm、好ましくは620nm〜850nmである。
一方、近年、特に、SHG(Second Harmonic Generator)素子と半導体レーザーを一体化したモジュールや青色半導体レーザーが開発されてきて、短波長領域のレーザー出力装置がクローズアップされてきた。青色半導体レーザーは、高精細の画像記録が可能であること、記録密度の増大、かつ長寿命で安定した出力が得られることから、今後需要が拡大していくことが期待されている。青色レーザー光のピーク波長は、300nm〜500nm、特に400nm〜500nmが好ましい。
レーザー光は、高周波重畳などの方法によって縦マルチに発振していることも好ましく用いられる。
もう一つの態様として、本発明の黒白熱現像感光材料は、蛍光増感スクリーンを用いてX線画像を記録する画像形成方法に好ましく用いることができる。
これらの黒白熱現像感光材料を用いて画像形成する工程は以下の工程を有する。
(a)該熱現像感光材料を1対の蛍光増感スクリーンの間に設置することにより像形成用組立体を得る工程、
(b)該組立体とX線源との間に被検体を配置する工程、
(c)該被検体にエネルギーレベルが25kVp〜125kVpの範囲にあるX線を照射する工程、
(d)該熱現像感光材料を該組立体から取り出す工程、
(e)取り出した該熱現像感光材料を90℃〜180℃の範囲の温度で加熱する工程。
本発明における組立体において使用する黒白熱現像感光材料は、X線によって階段露光し、熱現像して得られる画像が、光学濃度(D)及び露光量(logE)の座標軸単位長の等しい直交座標上の特性曲線において、最小濃度(Dmin)+濃度0.1の点と最小濃度(Dmin)+濃度0.5の点とで作る平均ガンマ(γ)が0.5〜0.9であり、そして最小濃度(Dmin)+濃度1.2の点と最小濃度(Dmin)+濃度1.6の点とで作る平均ガンマ(γ)が3.2〜4.0である特性曲線を有するように調製されていることが好ましい。本発明のX線撮影系において、このような特性曲線を有する黒白熱現像感光材料を用いると、脚部が非常に延びていて、かつ中濃度部ではガンマの高いといった優れた写真特性のX線画像が得られる。この写真特性により、X線透過量の少ない縦隔部、心陰影等の低濃度域の描写性が良好になり、かつX線透過量の多い肺野部の画像においても視覚し易い濃度となり、またコントラストも良好になるとの利点がある。
上記のような好ましい特性曲線を有する黒白熱現像感光材料は、たとえば、両側の画像形成層のそれぞれを、互いに異なった感度を持つ二層以上のハロゲン化銀乳剤層(画像形成層)から構成するような方法で容易に製造することができる。特に、上層には高感度の乳剤を用い、下層には低感度で硬調な写真特性を有する乳剤を用いて、画像形成層を形成することが好ましい。このような二層からなる画像形成層を用いる場合における各層間のハロゲン化銀乳剤の感度差は1.5倍以上20倍以下、好ましくは2倍以上15倍以下である。なお、それぞれの層の形成に用いられる乳剤の量の比率は、用いられる乳剤の感度差およびカバリングパワーにより異なる。一般には、感度差が大きい程、高感度側の乳剤の使用比率を下げる。たとえば、感度差が2倍であるときの好ましい各乳剤の使用比率は、カバリングパワーがほぼ等しい場合には、銀量換算で、高感度乳剤対低感度乳剤として1:20以上1:50以下の範囲の値となるように調整される。
クロスオーバーカット(両面感光材料)の技術としては、特開平2−68539号公報、第13頁左下欄1行目から同第14頁左下欄9行目に記載の染料もしくは染料と媒染剤を用いることができる。
次に、本発明の蛍光増感スクリーンについて説明する。蛍光増感スクリーンは、基本構造として、支持体と、その片面に形成された蛍光体層とからなる。蛍光体層は、蛍光体が結合剤(バインダ)中に分散されてなる層である。なお、この蛍光体層の支持体とは反対側の表面(支持体に面していない側の表面)には一般に、透明な保護膜が設けられていて、蛍光体層を化学的な変質あるいは物理的な衝撃から保護している。
本発明において、好ましい蛍光体としては、以下に示すものが挙げられる。タングステン酸塩系蛍光体(CaWO4、MgWO4、CaWO4:Pb等)、テルビウム賦活希土類酸硫化物系蛍光体〔Y2O2S:Tb、Gd2O2S:Tb、La2O2S:Tb、(Y,Gd)2O2S:Tb、(Y,Gd)O2S:Tb,Tm等〕、テルビウム賦活希土類燐酸塩系蛍光体(YPO4:Tb、GdPO4:Tb、LaPO4:Tb等)、テルビウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体(LaOBr:Tb、LaOBr:Tb,TmLaOCl:Tb、LaOCl:Tb,TmLaOBr:Tb、GdOBr:Tb、GdOCl:Tb等)、ツリウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体(LaOBr:TmLaOCl:Tm等)、硫酸バリウム系蛍光体〔BaSO4:Pb、BaSO4:Eu2+、(Ba,Sr)SO4:Eu2+等〕、2価のユーロピウム賦活アルカリ土類金属燐酸塩系蛍光体〔(Ba2PO4)2:Eu2+、(Ba2PO4)2:Eu2+等〕、2価のユーロピウム賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体〔BaFCl:Eu2+、BaFBr:Eu2+、BaFCl:Eu2+,Tb、BaFBr:Eu2+,Tb、BaF2・BaCl・KCl:Eu2+、(Ba,Mg)F2・BaCl・KCl:Eu2+等〕、沃化物系蛍光体(CsI:Na、CsI:Tl、NaI、KI:Tl等)、硫化物系蛍光体〔ZnS:Ag(Zn,Cd)S:Ag、(Zn,Cd)S:Cu、(Zn,Cd)S:Cu,Al等〕、燐酸ハフニウム系蛍光体(HfP2O7:Cu等)、YTaO4及びそれに発光中心として各種付活剤を加えたもの。但し本発明に用いられる蛍光体はこれらに限定されるものではなく、放射線の照射によって可視又は近紫外領域の発光を示す蛍光体であれば使用できる。
本発明で用いる蛍光増感スクリーンは、傾斜粒径構造で蛍光体を充填することが好ましい。特に表面保護層側に大粒径の蛍光体粒子を塗布し、支持体側に小粒径の蛍光体粒子を塗布することが好ましく、小粒径のものは0.5μm〜2.0μmで、大粒径のものは10μm〜30μmの範囲が好ましい。
(紫外蛍光スクリーンとの組合せ)
本発明の黒白熱現像感光材料を用いた画像形成方法としては、好ましくは400nm以下に主ピークを持つ蛍光体との組み合わせで画像形成する方法を用いることができる。さらに好ましくは380nm以下に主ピークを持つ蛍光体と組み合わせて画像形成する方法が良い。両面感材、片面感材のいずれでも組立て体として用いることができる。400nm以下に主発光ピークであるスクリーンは特開平6−11804号、WO93/01521号に記載のスクリーンなどが使われるがこれに限られるものではない。紫外線のクロスオーバーカット(両面感光材料)とアンチハレーション(片面感光材料)の技術としては、特開平8−76307号公報に記載の技術を用いることができる。紫外線吸収染料としては、特開2001−144030号に記載の染料は特に好ましい。
本発明の黒白熱現像感光材料を用いた画像形成方法としては、好ましくは400nm以下に主ピークを持つ蛍光体との組み合わせで画像形成する方法を用いることができる。さらに好ましくは380nm以下に主ピークを持つ蛍光体と組み合わせて画像形成する方法が良い。両面感材、片面感材のいずれでも組立て体として用いることができる。400nm以下に主発光ピークであるスクリーンは特開平6−11804号、WO93/01521号に記載のスクリーンなどが使われるがこれに限られるものではない。紫外線のクロスオーバーカット(両面感光材料)とアンチハレーション(片面感光材料)の技術としては、特開平8−76307号公報に記載の技術を用いることができる。紫外線吸収染料としては、特開2001−144030号に記載の染料は特に好ましい。
2)熱現像
本発明の黒白熱現像感光材料はいかなる方法で現像されても良いが、通常イメージワイズに露光した黒白熱現像感光材料を昇温して現像される。好ましい現像温度としては80℃〜250℃であり、好ましくは100℃〜140℃、さらに好ましくは110℃〜130℃である。現像時間としては1秒〜60秒が好ましく、より好ましくは3秒〜30秒、さらに好ましくは5秒〜25秒である。
本発明の黒白熱現像感光材料はいかなる方法で現像されても良いが、通常イメージワイズに露光した黒白熱現像感光材料を昇温して現像される。好ましい現像温度としては80℃〜250℃であり、好ましくは100℃〜140℃、さらに好ましくは110℃〜130℃である。現像時間としては1秒〜60秒が好ましく、より好ましくは3秒〜30秒、さらに好ましくは5秒〜25秒である。
熱現像の方式としてはドラム型ヒーター、プレート型ヒーターのいずれを使用してもよいが、プレート型ヒーター方式がより好ましい。プレート型ヒーター方式による熱現像方式とは特開平11−133572号に記載の方法が好ましく、潜像を形成した黒白熱現像感光材料を熱現像部にて加熱手段に接触させることにより可視像を得る熱現像装置であって、前記加熱手段がプレートヒーターからなり、かつ前記プレートヒーターの一方の面に沿って複数個の押えローラが対向配設され、前記押えローラと前記プレートヒーターとの間に前記熱現像感光材料を通過させて熱現像を行うことを特徴とする熱現像装置である。プレートヒーターを2段〜6段に分けて先端部については1℃〜10℃程度温度を下げることが好ましい。例えば、独立に温度制御できる4組のプレートヒーターを使用し、それぞれ112℃、119℃、121℃、120℃になるように制御する例が挙げられる。このような方法は特開昭54−30032号にも記載されており、黒白熱現像感光材料に含有している水分や有機溶媒を系外に除外させることができ、また、急激に黒白熱現像感光材料が加熱されることでの黒白熱現像感光材料の支持体形状の変化を抑えることもできる。
熱現像機の小型化および熱現像時間の短縮のためには、より安定なヒーター制御ができることが好ましく、また、1枚のシート感材を先頭部から露光開始し、後端部まで露光が終わらないうちに熱現像を開始することが望ましい。
本発明に好ましい迅速処理ができるイメージャーは例えば特開2002−289804号および同−287668号に記載されている。
本発明に好ましい迅速処理ができるイメージャーは例えば特開2002−289804号および同−287668号に記載されている。
(本発明の用途)
本発明の黒白熱現像感光材料は、銀画像による黒白画像を形成し、医療診断用の熱現像感光材料、工業写真用熱現像感光材料、印刷用熱現像感光材料、COM用の熱現像感光材料として使用されることが好ましい。
本発明の黒白熱現像感光材料は、銀画像による黒白画像を形成し、医療診断用の熱現像感光材料、工業写真用熱現像感光材料、印刷用熱現像感光材料、COM用の熱現像感光材料として使用されることが好ましい。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
1.PET支持体の作製、および下塗り
1−1.製膜
テレフタル酸とエチレングリコ−ルを用い、常法に従い固有粘度IV=0.66(フェノ−ル/テトラクロルエタン=6/4(質量比)中25℃で測定)のPETを得た。これをペレット化した後130℃で4時間乾燥した。青色染料(1,4−ビス(2,6−ジエチルアニリノアントラキンノン)で青色着色し、その後T型ダイから押し出して急冷し、未延伸フィルムを作製した。
1.PET支持体の作製、および下塗り
1−1.製膜
テレフタル酸とエチレングリコ−ルを用い、常法に従い固有粘度IV=0.66(フェノ−ル/テトラクロルエタン=6/4(質量比)中25℃で測定)のPETを得た。これをペレット化した後130℃で4時間乾燥した。青色染料(1,4−ビス(2,6−ジエチルアニリノアントラキンノン)で青色着色し、その後T型ダイから押し出して急冷し、未延伸フィルムを作製した。
これを、周速の異なるロ−ルを用い3.3倍に縦延伸、ついでテンタ−で4.5倍に横延伸を実施した。この時の温度はそれぞれ、110℃、130℃であった。この後、240℃で20秒間熱固定後これと同じ温度で横方向に4%緩和した。この後テンタ−のチャック部をスリットした後、両端にナ−ル加工を行い、4kg/cm2で巻き取り、厚み175μmのロ−ルを得た。
1−2.表面コロナ放電処理
ピラー社製ソリッドステートコロナ放電処理機6KVAモデルを用い、支持体の両面を室温下において20m/分で処理した。この時の電流、電圧の読み取り値から、支持体には0.375kV・A・分/m2の処理がなされていることがわかった。この時の処理周波数は9.6kHz、電極と誘電体ロ−ルのギャップクリアランスは1.6mmであった。
ピラー社製ソリッドステートコロナ放電処理機6KVAモデルを用い、支持体の両面を室温下において20m/分で処理した。この時の電流、電圧の読み取り値から、支持体には0.375kV・A・分/m2の処理がなされていることがわかった。この時の処理周波数は9.6kHz、電極と誘電体ロ−ルのギャップクリアランスは1.6mmであった。
1−3.下塗り支持体の作製
1)下塗層塗布液の作製
処方(1)(画像形成層側下塗り層用)
高松油脂(株)製ペスレジンA520(30質量%溶液) 46.8g
東洋紡績(株)製バイロナールMD1200 10.4g
ポリエチレングリコールモノノニルフェニルエーテル
(平均エチレンオキシド数:8.5)1質量%溶液 11.0g
綜研化学(株)製MP1000(PMMAポリマー微粒子、平均粒径0.4μm)
0.91g
蒸留水 931mL
1)下塗層塗布液の作製
処方(1)(画像形成層側下塗り層用)
高松油脂(株)製ペスレジンA520(30質量%溶液) 46.8g
東洋紡績(株)製バイロナールMD1200 10.4g
ポリエチレングリコールモノノニルフェニルエーテル
(平均エチレンオキシド数:8.5)1質量%溶液 11.0g
綜研化学(株)製MP1000(PMMAポリマー微粒子、平均粒径0.4μm)
0.91g
蒸留水 931mL
2)下塗り
上記厚さ175μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート支持体の両面それぞれに、上記コロナ放電処理を施した後、上記下塗り塗布液処方(1)をワイヤーバーでウエット塗布量が6.6mL/m2(片面当たり)になるように塗布して180℃で5分間乾燥し、これを両面に施して、下塗り支持体を作製した。
上記厚さ175μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート支持体の両面それぞれに、上記コロナ放電処理を施した後、上記下塗り塗布液処方(1)をワイヤーバーでウエット塗布量が6.6mL/m2(片面当たり)になるように塗布して180℃で5分間乾燥し、これを両面に施して、下塗り支持体を作製した。
2.塗布用材料の準備
2−1.ハロゲン化銀乳剤
《ハロゲン化銀乳剤Aの調製》
蒸留水1421mLに1質量%ヨウ化カリウム溶液4.3mLを加え、さらに0.5モル/L硫酸を3.5mL、フタル化ゼラチン36.5g、2,2’−(エチレンジチオ)ジエタノールの5質量%メタノ−ル溶液160mLを添加した溶液を、ステンレス製反応壷中で撹拌しながら75℃に液温を保ち、硝酸銀22.22gに蒸留水を加え218mLに希釈した溶液Aとヨウ化カリウム36.6gを蒸留水にて366mLに希釈した溶液Bを、溶液Aは一定流量で16分かけて全量添加し、溶液BはpAgを10.2に維持しながらコントロールダブルジェット法で添加した。その後、3.5質量%の過酸化水素水溶液を10mL添加し、さらにベンゾイミダゾールの10質量%水溶液を10.8mL添加した。さらに、硝酸銀51.86gに蒸留水を加えて508.2mLに希釈した溶液Cとヨウ化カリウム63.9gを蒸留水にて639mLに希釈した溶液Dを、溶液Cは一定流量で80分かけて全量添加し、溶液DはpAgを10.2に維持しながらコントロールダブルジェット法で添加した。銀1モル当たり1×10−4モルになるよう六塩化イリジウム(III)酸カリウム塩を溶液Cおよび溶液Dを添加しはじめてから10分後に全量添加した。また、溶液Cの添加終了の5秒後に六シアン化鉄(II)カリウム水溶液を銀1モル当たり3×10−4モル全量添加した。0.5mol/L濃度の硫酸を用いてpHを3.8に調整し、攪拌を止め、沈降/脱塩/水洗工程をおこなった。1mol/L濃度の水酸化ナトリウムを用いてpH5.9に調整し、pAg11.0のハロゲン化銀分散物を作製した。
2−1.ハロゲン化銀乳剤
《ハロゲン化銀乳剤Aの調製》
蒸留水1421mLに1質量%ヨウ化カリウム溶液4.3mLを加え、さらに0.5モル/L硫酸を3.5mL、フタル化ゼラチン36.5g、2,2’−(エチレンジチオ)ジエタノールの5質量%メタノ−ル溶液160mLを添加した溶液を、ステンレス製反応壷中で撹拌しながら75℃に液温を保ち、硝酸銀22.22gに蒸留水を加え218mLに希釈した溶液Aとヨウ化カリウム36.6gを蒸留水にて366mLに希釈した溶液Bを、溶液Aは一定流量で16分かけて全量添加し、溶液BはpAgを10.2に維持しながらコントロールダブルジェット法で添加した。その後、3.5質量%の過酸化水素水溶液を10mL添加し、さらにベンゾイミダゾールの10質量%水溶液を10.8mL添加した。さらに、硝酸銀51.86gに蒸留水を加えて508.2mLに希釈した溶液Cとヨウ化カリウム63.9gを蒸留水にて639mLに希釈した溶液Dを、溶液Cは一定流量で80分かけて全量添加し、溶液DはpAgを10.2に維持しながらコントロールダブルジェット法で添加した。銀1モル当たり1×10−4モルになるよう六塩化イリジウム(III)酸カリウム塩を溶液Cおよび溶液Dを添加しはじめてから10分後に全量添加した。また、溶液Cの添加終了の5秒後に六シアン化鉄(II)カリウム水溶液を銀1モル当たり3×10−4モル全量添加した。0.5mol/L濃度の硫酸を用いてpHを3.8に調整し、攪拌を止め、沈降/脱塩/水洗工程をおこなった。1mol/L濃度の水酸化ナトリウムを用いてpH5.9に調整し、pAg11.0のハロゲン化銀分散物を作製した。
ハロゲン化銀乳剤Aは、純ヨウ化銀乳剤であり、平均投影面積直径0.93μm、平均投影面積直径の変動係数17.7%、平均厚み0.057μm、平均アスペクト比16.3の平板状粒子が全投影面積の80%以上を占めていた。球相当直径は0.42μmであった。
X線粉末回折分析による解析の結果、ヨウ化銀の30%がγ相で存在していた。
X線粉末回折分析による解析の結果、ヨウ化銀の30%がγ相で存在していた。
《ハロゲン化銀乳剤Bの調製》
ハロゲン化銀乳剤Aで調製した平板状粒子AgI乳剤1モルを反応容器に入れた。pAgは38℃で測定して10.2であった。次いで、ダブルジェット添加により、0.5モル/LのKBr溶液及び0.5モル/LのAgNO3溶液を10mL/分で20分間にわたって添加し、実質的に10モル%臭化銀をAgIホスト乳剤上にエピタキシャル状に沈殿させた。操作中、pAgは10.2に維持した。さらに、0.5mol/L濃度の硫酸を用いてpHを3.8に調製し、撹拌を止め、沈降/脱塩/水洗工程をおこなった。1mol/L濃度の水酸化ナトリウムを用いてpH5.9に調整し、pAg11.0のハロゲン化銀分散物を作製した。
ハロゲン化銀乳剤Aで調製した平板状粒子AgI乳剤1モルを反応容器に入れた。pAgは38℃で測定して10.2であった。次いで、ダブルジェット添加により、0.5モル/LのKBr溶液及び0.5モル/LのAgNO3溶液を10mL/分で20分間にわたって添加し、実質的に10モル%臭化銀をAgIホスト乳剤上にエピタキシャル状に沈殿させた。操作中、pAgは10.2に維持した。さらに、0.5mol/L濃度の硫酸を用いてpHを3.8に調製し、撹拌を止め、沈降/脱塩/水洗工程をおこなった。1mol/L濃度の水酸化ナトリウムを用いてpH5.9に調整し、pAg11.0のハロゲン化銀分散物を作製した。
上記ハロゲン化銀分散物を攪拌しながら38℃に維持して、0.34質量%の1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンのメタノール溶液を5mL加え、40分後に47℃に昇温した。昇温の20分後にベンゼンチオスルホン酸ナトリウムをメタノール溶液で銀1モルに対して7.6×10−5モル加え、さらに5分後にテルル増感剤Cをメタノール溶液で銀1モル当たり2.9×10−5モル加えて91分間熟成した。その後、N,N’−ジヒドロキシ−N”−ジエチルメラミンの0.8質量%メタノール溶液1.3mLを加え、さらに4分後に、5−メチル−2−メルカプトベンゾイミダゾールをメタノール溶液で銀1モル当たり4.8×10−4モル、1−フェニル−2−ヘプチル−5−メルカプト−1,3,4−トリアゾールをメタノール溶液で銀1モルに対して5.0×10−3モルおよび1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを水溶液で銀1モルに対して5.0×10−4モル添加して、ハロゲン化銀乳剤Bを作製した。
《ハロゲン化銀乳剤Cの調製》
ハロゲン化銀乳剤Aと同様にして2,2’−(エチレンジチオ)ジエタノールの5質量%メタノ−ル溶液の添加量、粒子形成時の温度、溶液Aの添加時間を適宜変更してハロゲン化銀乳剤Cを調製した。ハロゲン化銀乳剤Cは純ヨウ化銀乳剤であり、平均投影面積直径1.369μm、平均投影面積直径の変動係数19.7%、平均厚み0.130μm、平均アスペクト比11.1の平板状粒子が全投影面積の80%以上を占めていた。球相当直径は0.71μmであった。
X線粉末回折分析による解析の結果、ヨウ化銀の15%がγ相で存在していた。
ハロゲン化銀乳剤Aと同様にして2,2’−(エチレンジチオ)ジエタノールの5質量%メタノ−ル溶液の添加量、粒子形成時の温度、溶液Aの添加時間を適宜変更してハロゲン化銀乳剤Cを調製した。ハロゲン化銀乳剤Cは純ヨウ化銀乳剤であり、平均投影面積直径1.369μm、平均投影面積直径の変動係数19.7%、平均厚み0.130μm、平均アスペクト比11.1の平板状粒子が全投影面積の80%以上を占めていた。球相当直径は0.71μmであった。
X線粉末回折分析による解析の結果、ヨウ化銀の15%がγ相で存在していた。
《ハロゲン化銀乳剤Dの調製》
ハロゲン化銀乳剤Cを用いたこと以外は、ハロゲン化銀乳剤Bとまったく同様にして、臭化銀エピタキシャル10モル%を含有するハロゲン化銀乳剤Dを調製した。
ハロゲン化銀乳剤Cを用いたこと以外は、ハロゲン化銀乳剤Bとまったく同様にして、臭化銀エピタキシャル10モル%を含有するハロゲン化銀乳剤Dを調製した。
《塗布液用混合乳剤−1の調製》
ハロゲン化銀乳剤Bとハロゲン化銀乳剤Dを銀モル比として5:1になる量を溶解し、ベンゾチアゾリウムヨーダイドを1質量%水溶液にて銀1モル当たり7×10−3モル添加した。さらに1電子酸化されて生成する1電子酸化体が1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物1と2と3をそれぞれハロゲン化銀の銀1モル当たり2×10−3モルになる量を添加した。また吸着基と還元基を有する化合物1と2をそれぞれハロゲン化銀1モルあたり8×10−3モルになる量を添加した。さらに塗布液用混合乳剤1Lあたりハロゲン化銀の含有量が銀として15.6gとなるように加水した。
ハロゲン化銀乳剤Bとハロゲン化銀乳剤Dを銀モル比として5:1になる量を溶解し、ベンゾチアゾリウムヨーダイドを1質量%水溶液にて銀1モル当たり7×10−3モル添加した。さらに1電子酸化されて生成する1電子酸化体が1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物1と2と3をそれぞれハロゲン化銀の銀1モル当たり2×10−3モルになる量を添加した。また吸着基と還元基を有する化合物1と2をそれぞれハロゲン化銀1モルあたり8×10−3モルになる量を添加した。さらに塗布液用混合乳剤1Lあたりハロゲン化銀の含有量が銀として15.6gとなるように加水した。
1)脂肪酸銀分散物の調製
<再結晶ベヘン酸の調製>
ヘンケル社製ベヘン酸(製品名Edenor C22−85R)100Kgを、1200kgのイソプロピルアルコールにまぜ、50℃で溶解し、10μmのフィルターで濾過した後、30℃まで、冷却し、再結晶を行った。再結晶をする際の、冷却スピードは、3℃/時間にコントロールした。得られた結晶を遠心濾過し、100kgのイソプルピルアルコールでかけ洗いを実施した後、乾燥を行った。得られた結晶をエステル化してGC−FID測定をしたところ、ベヘン酸含有率は96モル%、それ以外にリグノセリン酸が2モル%、アラキジン酸が2モル%、エルカ酸0.001モル%含まれていた。
<再結晶ベヘン酸の調製>
ヘンケル社製ベヘン酸(製品名Edenor C22−85R)100Kgを、1200kgのイソプロピルアルコールにまぜ、50℃で溶解し、10μmのフィルターで濾過した後、30℃まで、冷却し、再結晶を行った。再結晶をする際の、冷却スピードは、3℃/時間にコントロールした。得られた結晶を遠心濾過し、100kgのイソプルピルアルコールでかけ洗いを実施した後、乾燥を行った。得られた結晶をエステル化してGC−FID測定をしたところ、ベヘン酸含有率は96モル%、それ以外にリグノセリン酸が2モル%、アラキジン酸が2モル%、エルカ酸0.001モル%含まれていた。
<脂肪酸銀分散物の調製>
再結晶ベヘン酸88kg、蒸留水422L、5mol/L濃度のNaOH水溶液49.2L、t−ブチルアルコール120Lを混合し、75℃にて1時間攪拌し反応させ、ベヘン酸ナトリウム溶液Bを得た。別に、硝酸銀40.4kgの水溶液206.2L(pH4.0)を用意し、10℃にて保温した。635Lの蒸留水と30Lのt−ブチルアルコールを入れた反応容器を30℃に保温し、十分に撹拌しながら先のベヘン酸ナトリウム溶液の全量と硝酸銀水溶液の全量を流量一定でそれぞれ93分15秒と90分かけて添加した。このとき、硝酸銀水溶液添加開始後11分間は硝酸銀水溶液のみが添加されるようにし、そのあとベヘン酸ナトリウム溶液を添加開始し、硝酸銀水溶液の添加終了後14分15秒間はベヘン酸ナトリウム溶液のみが添加されるようにした。このとき、反応容器内の温度は30℃とし、液温度が一定になるように外温コントロールした。また、ベヘン酸ナトリウム溶液の添加系の配管は、2重管の外側に温水を循環させる事により保温し、添加ノズル先端の出口の液温度が75℃になるよう調製した。また、硝酸銀水溶液の添加系の配管は、2重管の外側に冷水を循環させることにより保温した。ベヘン酸ナトリウム溶液の添加位置と硝酸銀水溶液の添加位置は撹拌軸を中心として対称的な配置とし、また反応液に接触しないような高さに調製した。
再結晶ベヘン酸88kg、蒸留水422L、5mol/L濃度のNaOH水溶液49.2L、t−ブチルアルコール120Lを混合し、75℃にて1時間攪拌し反応させ、ベヘン酸ナトリウム溶液Bを得た。別に、硝酸銀40.4kgの水溶液206.2L(pH4.0)を用意し、10℃にて保温した。635Lの蒸留水と30Lのt−ブチルアルコールを入れた反応容器を30℃に保温し、十分に撹拌しながら先のベヘン酸ナトリウム溶液の全量と硝酸銀水溶液の全量を流量一定でそれぞれ93分15秒と90分かけて添加した。このとき、硝酸銀水溶液添加開始後11分間は硝酸銀水溶液のみが添加されるようにし、そのあとベヘン酸ナトリウム溶液を添加開始し、硝酸銀水溶液の添加終了後14分15秒間はベヘン酸ナトリウム溶液のみが添加されるようにした。このとき、反応容器内の温度は30℃とし、液温度が一定になるように外温コントロールした。また、ベヘン酸ナトリウム溶液の添加系の配管は、2重管の外側に温水を循環させる事により保温し、添加ノズル先端の出口の液温度が75℃になるよう調製した。また、硝酸銀水溶液の添加系の配管は、2重管の外側に冷水を循環させることにより保温した。ベヘン酸ナトリウム溶液の添加位置と硝酸銀水溶液の添加位置は撹拌軸を中心として対称的な配置とし、また反応液に接触しないような高さに調製した。
ベヘン酸ナトリウム溶液を添加終了後、そのままの温度で20分間撹拌放置し、30分かけて35℃に昇温し、その後210分熟成を行った。熟成終了後直ちに、遠心濾過で固形分を濾別し、固形分を濾過水の伝導度が30μS/cmになるまで水洗した。こうして脂肪酸銀塩を得た。得られた固形分は、乾燥させないでウエットケーキとして保管した。
得られたベヘン酸銀粒子の形態を電子顕微鏡撮影により評価したところ、平均値でa=0.21μm、b=0.4μm、c=0.4μm、平均アスペクト比2.1、球相当径の変動係数11%の結晶であった(a,b,cは本文の規定)。
乾燥固形分260kg相当のウエットケーキに対し、ポリビニルアルコール(商品名:PVA−217)19.3kgおよび水を添加し、全体量を1000kgとしてからディゾルバー羽根でスラリー化し、更にパイプラインミキサー(みづほ工業製:PM−10型)で予備分散した。
次に予備分散済みの原液を分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−610、マイクロフルイデックス・インターナショナル・コーポレーション製、Z型インタラクションチャンバー使用)の圧力を1150kg/cm2に調節して、三回処理し、ベヘン酸銀分散物を得た。冷却操作は蛇管式熱交換器をインタラクションチャンバーの前後に各々装着し、冷媒の温度を調節することで18℃の分散温度に設定した。
2)還元剤分散物の調製
<補助還元剤−1分散物の調製>
補助還元剤−1(1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,5−トリメチルヘキサン)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液16kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて3時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて還元剤の濃度が25質量%になるように調整した。この分散液を60℃で5時間加熱処理し、還元剤−1分散物を得た。
こうして得た還元剤分散物に含まれる還元剤粒子はメジアン径0.40μm、最大粒子径1.4μm以下であった。得られた還元剤分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
<補助還元剤−1分散物の調製>
補助還元剤−1(1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,5−トリメチルヘキサン)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液16kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて3時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて還元剤の濃度が25質量%になるように調整した。この分散液を60℃で5時間加熱処理し、還元剤−1分散物を得た。
こうして得た還元剤分散物に含まれる還元剤粒子はメジアン径0.40μm、最大粒子径1.4μm以下であった。得られた還元剤分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
<一般式(1)の還元剤分散物の調製>
補助還元剤−1分散物と同様にして、一般式(1)の還元剤DP−1、DP−2の分散物を調製した。得られた還元剤粒子はメジアン径0.30μm〜0.50μm、最大粒子径1.0μm〜2.0μm以下であった。
補助還元剤−1分散物と同様にして、一般式(1)の還元剤DP−1、DP−2の分散物を調製した。得られた還元剤粒子はメジアン径0.30μm〜0.50μm、最大粒子径1.0μm〜2.0μm以下であった。
3)カプラー分散物の調製
補助還元剤−1分散物と同様にして、カプラーCCP−1の分散物を調製した。得られたカプラー粒子はメジアン径0.30μm〜0.50μm、最大粒子径1.0μm〜2.0μm以下であった。
補助還元剤−1分散物と同様にして、カプラーCCP−1の分散物を調製した。得られたカプラー粒子はメジアン径0.30μm〜0.50μm、最大粒子径1.0μm〜2.0μm以下であった。
4)水素結合性化合物分散物の調製
<水素結合性化合物−1分散物の調製>
水素結合性化合物−1(トリ(4−t−ブチルフェニル)ホスフィンオキシド)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバール<P−203)の10質量%水溶液16kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて4時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて水素結合性化合物の濃度が25質量%になるように調整した。この分散液を40℃で1時間加熱した後、引き続いてさらに80℃で1時間加温し、水素結合性化合物−1分散物を得た。こうして得た水素結合性化合物分散物に含まれる水素結合性化合物粒子はメジアン径0.45μm、最大粒子径1.3μm以下であった。得られた水素結合性化合物分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
<水素結合性化合物−1分散物の調製>
水素結合性化合物−1(トリ(4−t−ブチルフェニル)ホスフィンオキシド)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバール<P−203)の10質量%水溶液16kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて4時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて水素結合性化合物の濃度が25質量%になるように調整した。この分散液を40℃で1時間加熱した後、引き続いてさらに80℃で1時間加温し、水素結合性化合物−1分散物を得た。こうして得た水素結合性化合物分散物に含まれる水素結合性化合物粒子はメジアン径0.45μm、最大粒子径1.3μm以下であった。得られた水素結合性化合物分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
5)現像促進剤分散物の調製
<現像促進剤−1分散物の調製>
現像促進剤−1を10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP−203)の10質量%水溶液20kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて3時間30分分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて現像促進剤の濃度が20質量%になるように調整し、現像促進剤−1分散物を得た。こうして得た現像促進剤分散物に含まれる現像促進剤粒子はメジアン径0.48μm、最大粒子径1.4μm以下であった。得られた現像促進剤分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
<現像促進剤−1分散物の調製>
現像促進剤−1を10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP−203)の10質量%水溶液20kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて3時間30分分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて現像促進剤の濃度が20質量%になるように調整し、現像促進剤−1分散物を得た。こうして得た現像促進剤分散物に含まれる現像促進剤粒子はメジアン径0.48μm、最大粒子径1.4μm以下であった。得られた現像促進剤分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
その他の現像促進剤−の固体分散物についても現像促進剤−1と同様の方法により分散し、分散液を得た。
6)ポリハロゲン化合物分散物の調製
<有機ポリハロゲン化合物−1分散物の調製>
有機ポリハロゲン化合物−1(トリブロモメタンスルホニルベンゼン)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製ポバールMP−203)の20質量%水溶液10kgと、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液0.4kgと、水14kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて5時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて有機ポリハロゲン化合物の濃度が30質量%になるように調整し、有機ポリハロゲン化合物−1分散物を得た。こうして得たポリハロゲン化合物分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジアン径0.41μm、最大粒子径2.0μm以下であった。得られた有機ポリハロゲン化合物分散物は孔径10.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
<有機ポリハロゲン化合物−1分散物の調製>
有機ポリハロゲン化合物−1(トリブロモメタンスルホニルベンゼン)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製ポバールMP−203)の20質量%水溶液10kgと、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液0.4kgと、水14kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて5時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて有機ポリハロゲン化合物の濃度が30質量%になるように調整し、有機ポリハロゲン化合物−1分散物を得た。こうして得たポリハロゲン化合物分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジアン径0.41μm、最大粒子径2.0μm以下であった。得られた有機ポリハロゲン化合物分散物は孔径10.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
<有機ポリハロゲン化合物−2分散物の調製>
有機ポリハロゲン化合物−2(N−ブチル−3−トリブロモメタンスルホニルベンゾアミド)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製ポバールMP203)の10質量%水溶液20kgと、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液0.4kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて5時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて有機ポリハロゲン化合物の濃度が30質量%になるように調整した。この分散液を40℃で5時間加温し、有機ポリハロゲン化合物−2分散物を得た。こうして得たポリハロゲン化合物分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジアン径0.40μm、最大粒子径1.3μm以下であった。得られた有機ポリハロゲン化合物分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
有機ポリハロゲン化合物−2(N−ブチル−3−トリブロモメタンスルホニルベンゾアミド)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製ポバールMP203)の10質量%水溶液20kgと、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液0.4kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて5時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて有機ポリハロゲン化合物の濃度が30質量%になるように調整した。この分散液を40℃で5時間加温し、有機ポリハロゲン化合物−2分散物を得た。こうして得たポリハロゲン化合物分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジアン径0.40μm、最大粒子径1.3μm以下であった。得られた有機ポリハロゲン化合物分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
7)ヨウ化銀錯形成剤溶液の調製
8kgのクラレ(株)製変性ポリビニルアルコールMP−203を水174.57kgに溶解し、次いでトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液3.15kgと6−イソプロピルフタラジンの70質量%水溶液14.28kgを添加し、ヨウ化銀錯形成剤の5質量%溶液を調製した。
8kgのクラレ(株)製変性ポリビニルアルコールMP−203を水174.57kgに溶解し、次いでトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液3.15kgと6−イソプロピルフタラジンの70質量%水溶液14.28kgを添加し、ヨウ化銀錯形成剤の5質量%溶液を調製した。
8)添加剤溶液の調製
<メルカプト化合物−1水溶液の調製>
メルカプト化合物−1(1−(3−スルホフェニル)−5−メルカプトテトラゾールナトリウム塩)7gを水993gに溶解し、0.7質量%の水溶液とした。
<メルカプト化合物−2水溶液の調製>
メルカプト化合物−2(1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール)20gを水980gに溶解し、2.0質量%の水溶液とした。
<フタル酸水溶液の調製>
フタル酸二アンモニウム塩の20質量%水溶液を調製した。
<メルカプト化合物−1水溶液の調製>
メルカプト化合物−1(1−(3−スルホフェニル)−5−メルカプトテトラゾールナトリウム塩)7gを水993gに溶解し、0.7質量%の水溶液とした。
<メルカプト化合物−2水溶液の調製>
メルカプト化合物−2(1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール)20gを水980gに溶解し、2.0質量%の水溶液とした。
<フタル酸水溶液の調製>
フタル酸二アンモニウム塩の20質量%水溶液を調製した。
9)ラテックスバインダーの合成
《SBRラテックス液の調製》
SBRラテックス(TP−1)は以下により調製した。
ガスモノマー反応装置(耐圧硝子工業(株)製TAS−2J型)の重合釜に、蒸留水287g、界面活性剤(パイオニンA−43−S(竹本油脂(株)製):固形分48.5質量%)7.73g、1mol/L、NaOH14.06mL、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム塩0.15g、スチレン255g、アクリル酸11.25g、tert−ドデシルメルカプタン3.0gを入れ、反応容器を密閉し撹拌速度200rpmで撹拌した。真空ポンプで脱気し窒素ガス置換を数回繰返した後に、1,3−ブタジエン108.75gを圧入して内温60℃まで昇温した。ここに過硫酸アンモニウム1.875gを水50mLに溶解した液を添加し、そのまま5時間撹拌した。さらに90℃に昇温して3時間撹拌し、反応終了後内温が室温になるまで下げた後、1mol/LのNaOHとNH4OHを用いてNa+イオン:NH4 +イオン=1:5.3(モル比)になるように添加処理し、pH8.4に調整した。その後、孔径1.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納し、SBRラテックスを774.7g得た。イオンクロマトグラフィーによりハロゲンイオンを測定したところ、塩化物イオン濃度3ppmであった。高速液体クロマトグラフィーによりキレート剤の濃度を測定した結果、145ppmであった。
《SBRラテックス液の調製》
SBRラテックス(TP−1)は以下により調製した。
ガスモノマー反応装置(耐圧硝子工業(株)製TAS−2J型)の重合釜に、蒸留水287g、界面活性剤(パイオニンA−43−S(竹本油脂(株)製):固形分48.5質量%)7.73g、1mol/L、NaOH14.06mL、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム塩0.15g、スチレン255g、アクリル酸11.25g、tert−ドデシルメルカプタン3.0gを入れ、反応容器を密閉し撹拌速度200rpmで撹拌した。真空ポンプで脱気し窒素ガス置換を数回繰返した後に、1,3−ブタジエン108.75gを圧入して内温60℃まで昇温した。ここに過硫酸アンモニウム1.875gを水50mLに溶解した液を添加し、そのまま5時間撹拌した。さらに90℃に昇温して3時間撹拌し、反応終了後内温が室温になるまで下げた後、1mol/LのNaOHとNH4OHを用いてNa+イオン:NH4 +イオン=1:5.3(モル比)になるように添加処理し、pH8.4に調整した。その後、孔径1.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納し、SBRラテックスを774.7g得た。イオンクロマトグラフィーによりハロゲンイオンを測定したところ、塩化物イオン濃度3ppmであった。高速液体クロマトグラフィーによりキレート剤の濃度を測定した結果、145ppmであった。
上記ラテックスは平均粒径90nm、Tg=17℃、固形分濃度44質量%、25℃60%RHHにおける平衡含水率0.6質量%、イオン伝導度4.80mS/cm(イオン伝導度の測定は東亜電波工業(株)製伝導度計CM−30Sを使用し、ラテックス原液(44質量%)を25℃にて測定)、pH8.4。
《イソプレンラテックス液の調製》
イソプレンラテックス(TP−2)は以下により調製した。
ガスモノマー反応装置(耐圧硝子工業(株)製TAS−2J型)の重合釜に蒸留水1500g添加し、90℃で3時間加熱し、重合釜のステンレス表面やステンレス製撹拌装置の部材に不動態皮膜を形成させる。この処理を行った重合釜に、窒素ガスを1時間バブリングした蒸留水582.28g、界面活性剤(パイオニンA−43−S(竹本油脂(株)製))9.49g、1mol/LのNaOHを19.56g、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム塩0.20g、スチレン314.99g、イソプレン190.87g、アクリル酸10.43g、tert−ドデシルメルカプタン2.09gを入れ、反応容器を密閉し撹拌速度225rpmで撹拌し、内温65℃まで昇温した。ここに過硫酸アンモニウム2.61gを水40mLに溶解した液を添加し、そのまま6時間撹拌した。この時点でのは重合転化率は固形分測定から90%であった。ここで、アクリル酸5.22gを水46.98gに溶解した液を添加し、続いて水10gを添加し、過硫酸アンモニウム1.30gを水50.7mLに溶解した液をさらに添加した。添加後、90℃に昇温して3時間撹拌し、反応終了後、内温が室温になるまで下げた後、1mol/LのNaOHとNH4OHを用いてNa+イオン:NH4 +イオン=1:5.3(モル比)になるように添加処理し、pH8.3に調整した。その後、孔径1.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納し、イソプレンラテックス(TP−2)を1248g得た。イオンクロマトグラフィーによりハロゲンイオンを測定したところ、塩化物イオン濃度3ppmであった。高速液体クロマトグラフィーによりキレート剤の濃度を測定した結果、142ppmであった。
イソプレンラテックス(TP−2)は以下により調製した。
ガスモノマー反応装置(耐圧硝子工業(株)製TAS−2J型)の重合釜に蒸留水1500g添加し、90℃で3時間加熱し、重合釜のステンレス表面やステンレス製撹拌装置の部材に不動態皮膜を形成させる。この処理を行った重合釜に、窒素ガスを1時間バブリングした蒸留水582.28g、界面活性剤(パイオニンA−43−S(竹本油脂(株)製))9.49g、1mol/LのNaOHを19.56g、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム塩0.20g、スチレン314.99g、イソプレン190.87g、アクリル酸10.43g、tert−ドデシルメルカプタン2.09gを入れ、反応容器を密閉し撹拌速度225rpmで撹拌し、内温65℃まで昇温した。ここに過硫酸アンモニウム2.61gを水40mLに溶解した液を添加し、そのまま6時間撹拌した。この時点でのは重合転化率は固形分測定から90%であった。ここで、アクリル酸5.22gを水46.98gに溶解した液を添加し、続いて水10gを添加し、過硫酸アンモニウム1.30gを水50.7mLに溶解した液をさらに添加した。添加後、90℃に昇温して3時間撹拌し、反応終了後、内温が室温になるまで下げた後、1mol/LのNaOHとNH4OHを用いてNa+イオン:NH4 +イオン=1:5.3(モル比)になるように添加処理し、pH8.3に調整した。その後、孔径1.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納し、イソプレンラテックス(TP−2)を1248g得た。イオンクロマトグラフィーによりハロゲンイオンを測定したところ、塩化物イオン濃度3ppmであった。高速液体クロマトグラフィーによりキレート剤の濃度を測定した結果、142ppmであった。
上記ラテックスは平均粒径113nm、Tg=15℃、固形分濃度41.3質量%、25℃60%RHにおける平衡含水率0.4質量%、イオン伝導度5.23mS/cm(イオン伝導度の測定は東亜電波工業(株)製伝導度計CM−30S使用し25℃にて測定)であった。
2−2.塗布液の調製
1)画像形成層塗布液の調製
上記で得た脂肪酸銀分散物1000gに、水、有機ポリハロゲン化合物分散物、SBRラテックス(TP−1)液、イソプレンラテックス(TP−2)、補助還元剤−1分散物、還元剤分散物(表1に記載)、カプラー分散物(表1に記載)、水素結合性化合物−1分散物、現像促進剤分散物(表1に記載)、メルカプト化合物水溶液、ヨウ化銀錯形成剤溶液を順次添加し、塗布液用混合乳剤−1を塗布直前に添加して画像形成層塗布液とし、そのままコーティングダイへ送液し、塗布した。
1)画像形成層塗布液の調製
上記で得た脂肪酸銀分散物1000gに、水、有機ポリハロゲン化合物分散物、SBRラテックス(TP−1)液、イソプレンラテックス(TP−2)、補助還元剤−1分散物、還元剤分散物(表1に記載)、カプラー分散物(表1に記載)、水素結合性化合物−1分散物、現像促進剤分散物(表1に記載)、メルカプト化合物水溶液、ヨウ化銀錯形成剤溶液を順次添加し、塗布液用混合乳剤−1を塗布直前に添加して画像形成層塗布液とし、そのままコーティングダイへ送液し、塗布した。
2)中間層塗布液の調製
ポリビニルアルコールPVA−205(クラレ(株)製)1000g、顔料−1分散物272g、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合質量比64/9/20/5/2)ラテックス19質量%液4200mLにエアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)の5質量%水溶液を27mL、フタル酸二アンモニウム塩の20質量%水溶液を135mL、総量10000gになるように水を加え、pHが7.5になるようにNaOHで調整して中間層塗布液とし、9.1mL/m2になるようにコーティングダイへ送液した。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター、60rpm)で58[mPa・s]であった。
ポリビニルアルコールPVA−205(クラレ(株)製)1000g、顔料−1分散物272g、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合質量比64/9/20/5/2)ラテックス19質量%液4200mLにエアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)の5質量%水溶液を27mL、フタル酸二アンモニウム塩の20質量%水溶液を135mL、総量10000gになるように水を加え、pHが7.5になるようにNaOHで調整して中間層塗布液とし、9.1mL/m2になるようにコーティングダイへ送液した。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター、60rpm)で58[mPa・s]であった。
3)表面保護層第1層塗布液の調製
イナートゼラチン64gを水に溶解し、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合質量比64/9/20/5/2)ラテックス19.0質量%液112g、フタル酸の15質量%メタノール溶液を30mL、4−メチルフタル酸の10質量%水溶液23mL、0.5mol/L濃度の硫酸を28mL、エアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)の5質量%水溶液を5mL、フェノキシエタノール0.5g、ベンゾイソチアゾリノン0.1gを加え、総量750gになるように水を加えて塗布液とし、4質量%のクロムみょうばん26mLを塗布直前にスタチックミキサーで混合したものを18.6mL/m2になるようにコーティングダイへ送液した。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター、60rpm)で20[mPa・s]であった。
イナートゼラチン64gを水に溶解し、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合質量比64/9/20/5/2)ラテックス19.0質量%液112g、フタル酸の15質量%メタノール溶液を30mL、4−メチルフタル酸の10質量%水溶液23mL、0.5mol/L濃度の硫酸を28mL、エアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)の5質量%水溶液を5mL、フェノキシエタノール0.5g、ベンゾイソチアゾリノン0.1gを加え、総量750gになるように水を加えて塗布液とし、4質量%のクロムみょうばん26mLを塗布直前にスタチックミキサーで混合したものを18.6mL/m2になるようにコーティングダイへ送液した。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター、60rpm)で20[mPa・s]であった。
4)表面保護層第2層塗布液の調製
イナートゼラチン80gを水に溶解し、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合質量比64/9/20/5/2)ラテックス27.5質量%液102g、フッ素系界面活性剤(F−1)の2質量%溶液を5.4mL、フッ素系界面活性剤(F−2)の2質量%水溶液を5.4mL、エアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)の5質量%溶液を23mL、ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径0.7μm、体積加重平均の分布30%)4g、ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径3.6μm、体積加重平均の分布60%)21g、4−メチルフタル酸1.6g、フタル酸4.8g、0.5mol/L濃度の硫酸44mL、ベンゾイソチアゾリノン10mgに総量650gとなるよう水を添加して、4質量%のクロムみょうばんと0.67質量%のフタル酸を含有する水溶液445mLを塗布直前にスタチックミキサーで混合したものを表面保護層塗布液とし、8.3mL/m2になるようにコーティングダイへ送液した。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター,60rpm)で19[mPa・s]であった。
イナートゼラチン80gを水に溶解し、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合質量比64/9/20/5/2)ラテックス27.5質量%液102g、フッ素系界面活性剤(F−1)の2質量%溶液を5.4mL、フッ素系界面活性剤(F−2)の2質量%水溶液を5.4mL、エアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)の5質量%溶液を23mL、ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径0.7μm、体積加重平均の分布30%)4g、ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径3.6μm、体積加重平均の分布60%)21g、4−メチルフタル酸1.6g、フタル酸4.8g、0.5mol/L濃度の硫酸44mL、ベンゾイソチアゾリノン10mgに総量650gとなるよう水を添加して、4質量%のクロムみょうばんと0.67質量%のフタル酸を含有する水溶液445mLを塗布直前にスタチックミキサーで混合したものを表面保護層塗布液とし、8.3mL/m2になるようにコーティングダイへ送液した。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター,60rpm)で19[mPa・s]であった。
2−3.黒白熱現像感光材料の作製
支持体の両面に、下塗り面から画像形成層、中間層、表面保護層第1層、表面保護層第2層の順番でスライドビード塗布方式にて同時重層塗布した。このとき、画像形成層と中間層は31℃に、表面保護層第1層は36℃に、表面保護層第2層は37℃に温度調整した。画像形成層の塗布銀量は脂肪酸銀とハロゲン化銀の合計で片面あたり0.57g/m2であった。これを支持体の両面に塗布した。
支持体の両面に、下塗り面から画像形成層、中間層、表面保護層第1層、表面保護層第2層の順番でスライドビード塗布方式にて同時重層塗布した。このとき、画像形成層と中間層は31℃に、表面保護層第1層は36℃に、表面保護層第2層は37℃に温度調整した。画像形成層の塗布銀量は脂肪酸銀とハロゲン化銀の合計で片面あたり0.57g/m2であった。これを支持体の両面に塗布した。
画像形成層における各化合物の片面あたりの塗布量(g/m2)は以下の通りである。
脂肪酸銀 1.67
ポリハロゲン化合物−1 0.04
ポリハロゲン化合物−1 0.10
ヨウ化銀錯形成剤 0.46
SBRラテックス 2.08
イソプレンラテックス 3.12
還元剤(DP−1,DP−2) (表1に示す)
補助還元剤−1 (表1に示す)
カプラーCCP−1 (表1に示す)
水素結合性化合物−1 0.15
現像促進剤(A−1,A−6,A−7,A−12) (表1に示す)
メルカプト化合物−1 0.001
メルカプト化合物−2 0.003
ハロゲン化銀(Agとして) 0.17
脂肪酸銀 1.67
ポリハロゲン化合物−1 0.04
ポリハロゲン化合物−1 0.10
ヨウ化銀錯形成剤 0.46
SBRラテックス 2.08
イソプレンラテックス 3.12
還元剤(DP−1,DP−2) (表1に示す)
補助還元剤−1 (表1に示す)
カプラーCCP−1 (表1に示す)
水素結合性化合物−1 0.15
現像促進剤(A−1,A−6,A−7,A−12) (表1に示す)
メルカプト化合物−1 0.001
メルカプト化合物−2 0.003
ハロゲン化銀(Agとして) 0.17
塗布乾燥条件は以下のとおりである。
支持体は塗布前にイオン風にて除電し、塗布はスピード160m/minで行った。塗布乾燥条件は各試料に対して以下の範囲で調整し、もっとも安定した面状が得られる条件に設定した。
コーティングダイ先端と支持体との間隙を0.10mm〜0.30mm。
減圧室の圧力を大気圧に対して196Pa〜882Pa低く設定。
引き続くチリングゾーンにて、乾球温度10℃〜20℃の風にて塗布液を冷却。
無接触型搬送して、つるまき式無接触型乾燥装置にて、乾球温度23℃〜45℃、湿球温度15℃〜21℃の乾燥風で乾燥。
乾燥後、25℃で湿度40%RH〜60%RHで調湿。
引き続き、膜面を70℃〜90℃になるように加熱し、加熱後、膜面を25℃まで冷却した。
作製された黒白熱現像感光材料のマット度はベック平滑度で550秒であった。また、膜面のpHを測定したところ6.0であった。
支持体は塗布前にイオン風にて除電し、塗布はスピード160m/minで行った。塗布乾燥条件は各試料に対して以下の範囲で調整し、もっとも安定した面状が得られる条件に設定した。
コーティングダイ先端と支持体との間隙を0.10mm〜0.30mm。
減圧室の圧力を大気圧に対して196Pa〜882Pa低く設定。
引き続くチリングゾーンにて、乾球温度10℃〜20℃の風にて塗布液を冷却。
無接触型搬送して、つるまき式無接触型乾燥装置にて、乾球温度23℃〜45℃、湿球温度15℃〜21℃の乾燥風で乾燥。
乾燥後、25℃で湿度40%RH〜60%RHで調湿。
引き続き、膜面を70℃〜90℃になるように加熱し、加熱後、膜面を25℃まで冷却した。
作製された黒白熱現像感光材料のマット度はベック平滑度で550秒であった。また、膜面のpHを測定したところ6.0であった。
以下に本発明の実施例で用いた化合物の化学構造を示す。
3.性能評価
1)準備
得られた試料は半切サイズに切断し、25℃50%RHの環境下で以下の包装材料に包装し、2週間常温下で保管した。
(包装材料)
PET10μm/PE12μm/アルミ箔9μm/Ny15μm/カーボン3質量%を含むポリエチレン50μmを積層したラミネートフィルム;
酸素透過率:0.02mL/atm・m2・25℃・day、
水分透過率:0.10g/atm・m2・25℃・day。
1)準備
得られた試料は半切サイズに切断し、25℃50%RHの環境下で以下の包装材料に包装し、2週間常温下で保管した。
(包装材料)
PET10μm/PE12μm/アルミ箔9μm/Ny15μm/カーボン3質量%を含むポリエチレン50μmを積層したラミネートフィルム;
酸素透過率:0.02mL/atm・m2・25℃・day、
水分透過率:0.10g/atm・m2・25℃・day。
2)画像露光、および熱現像
富士フイルム(株)製のXレイレギュラースクリーンHI−SCREEN B3(蛍光体としてCaWO4を使用。発光ピーク波長425m)を2枚使用して、その間に試料を挟み、像形成用組立体を作製した。この組立体に、0.05秒のX線露光を与え、X線センシトメトリーを行った。使用したX線装置は、東芝(株)製の商品名DRX−3724HDであり、タングステンターゲットを用いた。三相全波整流方式のパルス発生器で80kVpの電圧をかけ、人体とほぼ等価な吸収を持つ水7cmのフィルタを通したX線を光源とした。距離法にてX線露光量を変化させ、logE=0.15の幅でステップ露光を行なった。露光後に、下記の熱現像処理条件で熱現像処理した。
富士メディカルドライレーザーイメージャーFM−DP Lの熱現像部を改造し、両面から加熱できるようにした熱現像機を製作した。また、熱現像部の搬送ローラーをヒートドラムに変更することによりフィルムシートの搬送が可能になるように改造した。4枚のパネルヒーターを112℃−118℃−120℃−120℃に設定し、ヒートドラムの温度は120℃に設定した。さらに、搬送速度を速めて合計14秒になるように設定した。
富士フイルム(株)製のXレイレギュラースクリーンHI−SCREEN B3(蛍光体としてCaWO4を使用。発光ピーク波長425m)を2枚使用して、その間に試料を挟み、像形成用組立体を作製した。この組立体に、0.05秒のX線露光を与え、X線センシトメトリーを行った。使用したX線装置は、東芝(株)製の商品名DRX−3724HDであり、タングステンターゲットを用いた。三相全波整流方式のパルス発生器で80kVpの電圧をかけ、人体とほぼ等価な吸収を持つ水7cmのフィルタを通したX線を光源とした。距離法にてX線露光量を変化させ、logE=0.15の幅でステップ露光を行なった。露光後に、下記の熱現像処理条件で熱現像処理した。
富士メディカルドライレーザーイメージャーFM−DP Lの熱現像部を改造し、両面から加熱できるようにした熱現像機を製作した。また、熱現像部の搬送ローラーをヒートドラムに変更することによりフィルムシートの搬送が可能になるように改造した。4枚のパネルヒーターを112℃−118℃−120℃−120℃に設定し、ヒートドラムの温度は120℃に設定した。さらに、搬送速度を速めて合計14秒になるように設定した。
3)写真性能の評価
得られた画像の発色ピーク波長での濃度を測定した。
《かぶり(Dmin)》
画像露光されていない部分の濃度をかぶりとした。
《感度》
Dmin+1.0の濃度を得るX線量の逆数を感度とし、基準感材に対しての相対値で表記した。
《最高濃度(Dmax)》
露光量を増やしたときに飽和する最大濃度である。
得られた画像の発色ピーク波長での濃度を測定した。
《かぶり(Dmin)》
画像露光されていない部分の濃度をかぶりとした。
《感度》
Dmin+1.0の濃度を得るX線量の逆数を感度とし、基準感材に対しての相対値で表記した。
《最高濃度(Dmax)》
露光量を増やしたときに飽和する最大濃度である。
4)保存安定性の評価
上記包装形態のまま、45℃で20日間保存した後、開封して写真性能を調べた。
保存前の写真性能との差を求めた。
写真性能の変動が少ないほど保存安定性に優れていることになる。
上記包装形態のまま、45℃で20日間保存した後、開封して写真性能を調べた。
保存前の写真性能との差を求めた。
写真性能の変動が少ないほど保存安定性に優れていることになる。
5)結果
得られた結果を表2に示した。試料101を基準感材とした。
本発明の黒白熱現像感光材料は高感度で、発色濃度が高く、かつ保存安定性に優れることがわかった。
得られた結果を表2に示した。試料101を基準感材とした。
本発明の黒白熱現像感光材料は高感度で、発色濃度が高く、かつ保存安定性に優れることがわかった。
実施例2
1.ハロゲン化銀乳剤の調製
《ハロゲン化銀乳剤1の調製》
蒸留水1421mlに1質量%臭化カリウム溶液3.1mlを加え、さらに0.5mol/L濃度の硫酸を3.5ml、フタル化ゼラチン31.7gを添加した液をステンレス製反応壺中で攪拌しながら、30℃に液温を保ち、硝酸銀22.22gに蒸留水を加え95.4mlに希釈した溶液Aと臭化カリウム15.3gとヨウ化カリウム0.8gを蒸留水にて容量97.4mlに希釈した溶液Bを一定流量で45秒間かけて全量添加した。その後、3.5質量%の過酸化水素水溶液を10ml添加し、さらにベンゾイミダゾールの10質量%水溶液を10.8ml添加した。さらに、硝酸銀51.86gに蒸留水を加えて317.5mlに希釈した溶液Cと臭化カリウム44.2gとヨウ化カリウム2.2gを蒸留水にて容量400mlに希釈した溶液Dを、溶液Cは一定流量で20分間かけて全量添加し、溶液DはpAgを8.1に維持しながらコントロールドダブルジェット法で添加した。銀1モル当たり1×10−4モルになるよう六塩化イリジウム(III)酸カリウム塩を溶液Cおよび溶液Dを添加しはじめてから10分後に全量添加した。また、溶液Cの添加終了の5秒後に六シアン化鉄(II)カリウム水溶液を銀1モル当たり3×10−4モル全量添加した。0.5mol/L濃度の硫酸を用いてpHを3.8に調整し、攪拌を止め、沈降/脱塩/水洗工程をおこなった。1mol/L濃度の水酸化ナトリウムを用いてpH5.9に調整し、pAg8.0のハロゲン化銀分散物を作製した。
1.ハロゲン化銀乳剤の調製
《ハロゲン化銀乳剤1の調製》
蒸留水1421mlに1質量%臭化カリウム溶液3.1mlを加え、さらに0.5mol/L濃度の硫酸を3.5ml、フタル化ゼラチン31.7gを添加した液をステンレス製反応壺中で攪拌しながら、30℃に液温を保ち、硝酸銀22.22gに蒸留水を加え95.4mlに希釈した溶液Aと臭化カリウム15.3gとヨウ化カリウム0.8gを蒸留水にて容量97.4mlに希釈した溶液Bを一定流量で45秒間かけて全量添加した。その後、3.5質量%の過酸化水素水溶液を10ml添加し、さらにベンゾイミダゾールの10質量%水溶液を10.8ml添加した。さらに、硝酸銀51.86gに蒸留水を加えて317.5mlに希釈した溶液Cと臭化カリウム44.2gとヨウ化カリウム2.2gを蒸留水にて容量400mlに希釈した溶液Dを、溶液Cは一定流量で20分間かけて全量添加し、溶液DはpAgを8.1に維持しながらコントロールドダブルジェット法で添加した。銀1モル当たり1×10−4モルになるよう六塩化イリジウム(III)酸カリウム塩を溶液Cおよび溶液Dを添加しはじめてから10分後に全量添加した。また、溶液Cの添加終了の5秒後に六シアン化鉄(II)カリウム水溶液を銀1モル当たり3×10−4モル全量添加した。0.5mol/L濃度の硫酸を用いてpHを3.8に調整し、攪拌を止め、沈降/脱塩/水洗工程をおこなった。1mol/L濃度の水酸化ナトリウムを用いてpH5.9に調整し、pAg8.0のハロゲン化銀分散物を作製した。
上記ハロゲン化銀分散物を攪拌しながら38℃に維持して、0.34質量%の1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンのメタノール溶液を5ml加え、40分後に47℃に昇温した。昇温の20分後にベンゼンチオスルホン酸ナトリウムをメタノール溶液で銀1モルに対して7.6×10−5モル加え、さらに5分後にテルル増感剤Cをメタノール溶液で銀1モル当たり2.9×10−4モル加えて91分間熟成した。その後、分光増感色素Aと増感色素Bのモル比で3:1のメタノール溶液を銀1モル当たり増感色素AとBの合計として1.2×10−3モル加え、1分後にN,N’−ジヒドロキシ−N”−ジエチルメラミンの0.8質量%メタノール溶液1.3mlを加え、さらに4分後に、5−メチル−2−メルカプトベンゾイミダゾールをメタノール溶液で銀1モル当たり4.8×10−3モル、1−フェニル−2−ヘプチル−5−メルカプト−1,3,4−トリアゾールをメタノール溶液で銀1モルに対して5.4×10−3モルおよび1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを水溶液で銀1モルに対して8.5×10−3モル添加して、ハロゲン化銀乳剤1を作製した。
調製できたハロゲン化銀乳剤中の粒子は、平均球相当径0.042μm、球相当径の変動係数20%のヨウドを均一に3.5モル%含むヨウ臭化銀粒子であった。粒子サイズ等は、電子顕微鏡を用い1000個の粒子の平均から求めた。この粒子の{100}面比率は、クベルカムンク法を用いて80%と求められた。
《ハロゲン化銀乳剤2の調製》
ハロゲン化銀乳剤1の調製において、粒子形成時の液温30℃を47℃に変更し、溶液Bは臭化カリウム15.9gを蒸留水にて容量97.4mlに希釈することに変更し、溶液Dは臭化カリウム45.8gを蒸留水にて容量400mlに希釈することに変更し、溶液Cの添加時間を30分にして、六シアノ鉄(II)カリウムを除去した以外は同様にして、ハロゲン化銀乳剤2の調製を行った。ハロゲン化銀乳剤1と同様に沈殿/脱塩/水洗/分散を行った。更に、テルル増感剤Cの添加量を銀1モル当たり1.1×10−4モル、分光増感色素Aと分光増感色素Bのモル比で3:1のメタノール溶液の添加量を銀1モル当たり増感色素Aと増感色素Bの合計として7.0×10−4モル、1−フェニル−2−ヘプチル−5−メルカプト−1,3,4−トリアゾールを銀1モルに対して3.3×10−3モルおよび1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを銀1モルに対して4.7×10−3モル添加に変えた以外は乳剤1と同様にして分光増感、化学増感及び5−メチル−2−メルカプトベンゾイミダゾール、1−フェニル−2−ヘプチル−5−メルカプト−1,3,4−トリアゾールの添加を行い、ハロゲン化銀乳剤2を得た。ハロゲン化銀乳剤2の乳剤粒子は、平均球相当径0.080μm、球相当径の変動係数20%の純臭化銀立方体粒子であった。
ハロゲン化銀乳剤1の調製において、粒子形成時の液温30℃を47℃に変更し、溶液Bは臭化カリウム15.9gを蒸留水にて容量97.4mlに希釈することに変更し、溶液Dは臭化カリウム45.8gを蒸留水にて容量400mlに希釈することに変更し、溶液Cの添加時間を30分にして、六シアノ鉄(II)カリウムを除去した以外は同様にして、ハロゲン化銀乳剤2の調製を行った。ハロゲン化銀乳剤1と同様に沈殿/脱塩/水洗/分散を行った。更に、テルル増感剤Cの添加量を銀1モル当たり1.1×10−4モル、分光増感色素Aと分光増感色素Bのモル比で3:1のメタノール溶液の添加量を銀1モル当たり増感色素Aと増感色素Bの合計として7.0×10−4モル、1−フェニル−2−ヘプチル−5−メルカプト−1,3,4−トリアゾールを銀1モルに対して3.3×10−3モルおよび1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを銀1モルに対して4.7×10−3モル添加に変えた以外は乳剤1と同様にして分光増感、化学増感及び5−メチル−2−メルカプトベンゾイミダゾール、1−フェニル−2−ヘプチル−5−メルカプト−1,3,4−トリアゾールの添加を行い、ハロゲン化銀乳剤2を得た。ハロゲン化銀乳剤2の乳剤粒子は、平均球相当径0.080μm、球相当径の変動係数20%の純臭化銀立方体粒子であった。
《ハロゲン化銀乳剤3の調製》
ハロゲン化銀乳剤1の調製において、粒子形成時の液温30℃を27℃に変更する以外は同様にして、ハロゲン化銀乳剤3の調製を行った。また、ハロゲン化銀乳剤1と同様に沈殿/脱塩/水洗/分散を行った。分光増感色素Aと分光増感色素Bのモル比で1:1を固体分散物(ゼラチン水溶液)として添加量を銀1モル当たり増感色素Aと増感色素Bの合計として6×10−3モル、テルル増感剤Cの添加量を銀1モル当たり5.2×10−4モルに変え、テルル増感剤の添加3分後に臭化金酸を銀1モル当たり5×10−4モルとチオシアン酸カリウムを銀1モルあたり2×10−3モルを添加したこと以外は乳剤1と同様にして、ハロゲン化銀乳剤3を得た。ハロゲン化銀乳剤3の乳剤粒子は、平均球相当径0.034μm、球相当径の変動係数20%のヨウドを均一に3.5モル%含むヨウ臭化銀粒子であった。
《ハロゲン化銀乳剤4の調製》
実施例1の乳剤1の調製において、テルル増感剤Cを加えて熟成する変わりに、56℃に昇温した後、トリエチルチオ尿素をメタノール溶液で銀1モル当り0.1ミリモル加えて80分間熟成したこと、および以後全て56℃で行った以外は乳剤1と同様にして乳剤4を調製した。粒子の形状は乳剤1と同じであった。
《ハロゲン化銀乳剤5の調製》
実施例1の乳剤2の調製において、テルル増感剤Cを加えて熟成する変わりに、56℃に昇温した後、トリエチルチオ尿素をメタノール溶液で銀1モル当り0.2ミリモル加えて80分間熟成したこと、および以後全て56℃で行った以外は乳剤2と同様にして乳剤5を調製した。粒子の形状は乳剤2と同じであった。
《ハロゲン化銀乳剤6の調製》
実施例1の乳剤3の調製において、テルル増感剤Cを加えて熟成する変わりに、56℃に昇温した後、トリエチルチオ尿素をメタノール溶液で銀1モル当り0.085ミリモル加えて80分間熟成したこと、および以後全て56℃で行った以外は乳剤3と同様にして乳剤6を調製した。粒子の形状は乳剤3と同じであった。
ハロゲン化銀乳剤1の調製において、粒子形成時の液温30℃を27℃に変更する以外は同様にして、ハロゲン化銀乳剤3の調製を行った。また、ハロゲン化銀乳剤1と同様に沈殿/脱塩/水洗/分散を行った。分光増感色素Aと分光増感色素Bのモル比で1:1を固体分散物(ゼラチン水溶液)として添加量を銀1モル当たり増感色素Aと増感色素Bの合計として6×10−3モル、テルル増感剤Cの添加量を銀1モル当たり5.2×10−4モルに変え、テルル増感剤の添加3分後に臭化金酸を銀1モル当たり5×10−4モルとチオシアン酸カリウムを銀1モルあたり2×10−3モルを添加したこと以外は乳剤1と同様にして、ハロゲン化銀乳剤3を得た。ハロゲン化銀乳剤3の乳剤粒子は、平均球相当径0.034μm、球相当径の変動係数20%のヨウドを均一に3.5モル%含むヨウ臭化銀粒子であった。
《ハロゲン化銀乳剤4の調製》
実施例1の乳剤1の調製において、テルル増感剤Cを加えて熟成する変わりに、56℃に昇温した後、トリエチルチオ尿素をメタノール溶液で銀1モル当り0.1ミリモル加えて80分間熟成したこと、および以後全て56℃で行った以外は乳剤1と同様にして乳剤4を調製した。粒子の形状は乳剤1と同じであった。
《ハロゲン化銀乳剤5の調製》
実施例1の乳剤2の調製において、テルル増感剤Cを加えて熟成する変わりに、56℃に昇温した後、トリエチルチオ尿素をメタノール溶液で銀1モル当り0.2ミリモル加えて80分間熟成したこと、および以後全て56℃で行った以外は乳剤2と同様にして乳剤5を調製した。粒子の形状は乳剤2と同じであった。
《ハロゲン化銀乳剤6の調製》
実施例1の乳剤3の調製において、テルル増感剤Cを加えて熟成する変わりに、56℃に昇温した後、トリエチルチオ尿素をメタノール溶液で銀1モル当り0.085ミリモル加えて80分間熟成したこと、および以後全て56℃で行った以外は乳剤3と同様にして乳剤6を調製した。粒子の形状は乳剤3と同じであった。
<塗布液用ハロゲン化銀乳剤2の調製>
ハロゲン化銀乳剤4を70質量%、ハロゲン化銀乳剤5を15質量%、ハロゲン化銀乳剤6を15質量%を混合し、加温して溶解し、ベンゾチアゾリウムヨーダイドを1質量%水溶液にて銀1モル当たり7×10−3モル添加した。また、吸着基と還元基を有する化合物1と2をそれぞれハロゲン化銀1モルあたり8×10−4モルになる量を添加した。さらに塗布液用混合乳剤1kgあたりハロゲン化銀の含有量が銀として38.2gとなるように加水し、塗布液用混合乳剤1kgあたり0.34gとなるように1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを添加した。
ハロゲン化銀乳剤4を70質量%、ハロゲン化銀乳剤5を15質量%、ハロゲン化銀乳剤6を15質量%を混合し、加温して溶解し、ベンゾチアゾリウムヨーダイドを1質量%水溶液にて銀1モル当たり7×10−3モル添加した。また、吸着基と還元基を有する化合物1と2をそれぞれハロゲン化銀1モルあたり8×10−4モルになる量を添加した。さらに塗布液用混合乳剤1kgあたりハロゲン化銀の含有量が銀として38.2gとなるように加水し、塗布液用混合乳剤1kgあたり0.34gとなるように1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを添加した。
<塗布液用ハロゲン化銀乳剤3の調製>
《粒子形成》
蒸留水1420mLに1質量%ヨウ化カリウム溶液4.3mLを加え、さらに0.5mol/L濃度の硫酸を3.5mL、フタル化ゼラチン36.7gを添加した液をステンレス製反応壺中で攪拌しながら、42℃に液温を保ち、硝酸銀22.22gに蒸留水を加え195.6mLに希釈した溶液Aとヨウ化カリウム21.8gを蒸留水にて容量218mLに希釈した溶液Bを一定流量で9分間かけて全量添加した。その後、3.5質量%の過酸化水素水溶液を10mL添加し、さらにベンゾイミダゾールの10質量%水溶液を10.8mL添加した。
《粒子形成》
蒸留水1420mLに1質量%ヨウ化カリウム溶液4.3mLを加え、さらに0.5mol/L濃度の硫酸を3.5mL、フタル化ゼラチン36.7gを添加した液をステンレス製反応壺中で攪拌しながら、42℃に液温を保ち、硝酸銀22.22gに蒸留水を加え195.6mLに希釈した溶液Aとヨウ化カリウム21.8gを蒸留水にて容量218mLに希釈した溶液Bを一定流量で9分間かけて全量添加した。その後、3.5質量%の過酸化水素水溶液を10mL添加し、さらにベンゾイミダゾールの10質量%水溶液を10.8mL添加した。
さらに、硝酸銀51.86gに蒸留水を加えて317.5mLに希釈した溶液Cとヨウ化カリウム60gを蒸留水にて容量600mLに希釈した溶液Dを、溶液Cは一定流量で120分間かけて全量添加し、溶液DはpAgを8.1に維持しながらコントロールドダブルジェット法で添加した。銀1モル当たり1×10−4モルになるよう六塩化イリジウム(III)酸カリウム塩を溶液Cおよび溶液Dを添加しはじめてから10分後に全量添加した。また、溶液Cの添加終了の5秒後に六シアン化鉄(II)カリウム水溶液を銀1モル当たり3×10−4モル全量添加した。0.5mol/L濃度の硫酸を用いてpHを3.8に調整し、攪拌を止め、沈降/脱塩/水洗工程をおこなった。1mol/L濃度の水酸化ナトリウムを用いてpH5.9に調整し、pAg8.0のハロゲン化銀分散物を作製した。
《化学増感》
上記ハロゲン化銀分散物を攪拌しながら38℃に維持して、0.34質量%の1、2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンのメタノール溶液を5mL加え、47℃に昇温した。昇温の20分後にベンゼンチオスルフォン酸ナトリウムをメタノール溶液で銀1モルに対して7.6×10−5モル加え、さらに5分後にテルル増感剤Cをメタノール溶液で銀1モル当たり2.9×10−4モル加えて91分間熟成した。
N、N’−ジヒドロキシ−N”、N”−ジエチルメラミンの0.8質量%メタノール溶液1.3mLを加え、さらに4分後に、5−メチル−2−メルカプトベンゾイミダゾールをメタノール溶液で銀1モル当たり8×10−4モル及び1−フェニル−2−ヘプチル−5−メルカプト−1、3、4−トリアゾールをメタノール溶液で銀1モルに対して5.4×10−4モル添加した。
調製できたハロゲン化銀乳剤中の粒子は、平均球相当径0.040μm、球相当径の変動係数18%の純ヨウ化銀粒子であった。また(001)、{100}、{101}面を有する14面体粒子であり、X線粉末回折分析を用いて測定するとそのγ相の比率は30%であった。粒子サイズ等は、電子顕微鏡を用い1000個の粒子の平均から求めた。
また、吸着基と還元基を有する化合物1と2をそれぞれハロゲン化銀1モルあたり8×10−4モルになる量を添加した。
さらに塗布液用混合乳剤1Lあたりハロゲン化銀の含有量が銀として15.6gとなるように加水して、塗布液用ハロゲン化銀乳剤3を調製した。
上記ハロゲン化銀分散物を攪拌しながら38℃に維持して、0.34質量%の1、2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンのメタノール溶液を5mL加え、47℃に昇温した。昇温の20分後にベンゼンチオスルフォン酸ナトリウムをメタノール溶液で銀1モルに対して7.6×10−5モル加え、さらに5分後にテルル増感剤Cをメタノール溶液で銀1モル当たり2.9×10−4モル加えて91分間熟成した。
N、N’−ジヒドロキシ−N”、N”−ジエチルメラミンの0.8質量%メタノール溶液1.3mLを加え、さらに4分後に、5−メチル−2−メルカプトベンゾイミダゾールをメタノール溶液で銀1モル当たり8×10−4モル及び1−フェニル−2−ヘプチル−5−メルカプト−1、3、4−トリアゾールをメタノール溶液で銀1モルに対して5.4×10−4モル添加した。
調製できたハロゲン化銀乳剤中の粒子は、平均球相当径0.040μm、球相当径の変動係数18%の純ヨウ化銀粒子であった。また(001)、{100}、{101}面を有する14面体粒子であり、X線粉末回折分析を用いて測定するとそのγ相の比率は30%であった。粒子サイズ等は、電子顕微鏡を用い1000個の粒子の平均から求めた。
また、吸着基と還元基を有する化合物1と2をそれぞれハロゲン化銀1モルあたり8×10−4モルになる量を添加した。
さらに塗布液用混合乳剤1Lあたりハロゲン化銀の含有量が銀として15.6gとなるように加水して、塗布液用ハロゲン化銀乳剤3を調製した。
3.塗布試料の調製
塗布液用混合乳剤1の代りに、塗布液用ハロゲン化銀乳剤2と3を用いて、実施例1の試料と同様にして表3に示す塗布試料を調製した。
塗布液用混合乳剤1の代りに、塗布液用ハロゲン化銀乳剤2と3を用いて、実施例1の試料と同様にして表3に示す塗布試料を調製した。
4.評価
実施例1と同様にして、写真性および保存安定性の評価を行った結果を表4に示す。
表4の感度は、試料201から206に関しては試料201の感度を100とした相対値で表し、試料207から212に関しては試料207の感度を100とした相対値で表した。また、DmaxとDminは、CCP−1を添加した試料に関しては試料201のDmaxを1.0とした相対値で表し、MCP−1を添加した試料に関しては試料207のDmaxを1.0とした相対値で表した。表4の結果より、本発明の効果(高感度で、発色濃度が高くかつ保存安定性に優れる)は臭化銀乳剤でも発現することがわかったが、高沃化銀乳剤を用いた場合に特に顕著であった。
実施例1と同様にして、写真性および保存安定性の評価を行った結果を表4に示す。
表4の感度は、試料201から206に関しては試料201の感度を100とした相対値で表し、試料207から212に関しては試料207の感度を100とした相対値で表した。また、DmaxとDminは、CCP−1を添加した試料に関しては試料201のDmaxを1.0とした相対値で表し、MCP−1を添加した試料に関しては試料207のDmaxを1.0とした相対値で表した。表4の結果より、本発明の効果(高感度で、発色濃度が高くかつ保存安定性に優れる)は臭化銀乳剤でも発現することがわかったが、高沃化銀乳剤を用いた場合に特に顕著であった。
実施例3
使用したハロゲン化銀乳剤を金硫黄増感した以外は実施例1と同様にして黒白熱現像感光材料を作製した。その内容を表5に示した。
使用したハロゲン化銀乳剤を金硫黄増感した以外は実施例1と同様にして黒白熱現像感光材料を作製した。その内容を表5に示した。
(評価結果)
実施例1と同様に評価した。得られた結果を表6に示した。
表6の感度は実施例1の試料101の感度を100とした相対値で表した。
表6の結果より、本発明の効果は高感度ではあるが、かぶり発生し易くかつ保存安定性に劣る金硫黄増感乳剤を用いた感材で特に有効であることが分かった。
実施例1と同様に評価した。得られた結果を表6に示した。
表6の感度は実施例1の試料101の感度を100とした相対値で表した。
表6の結果より、本発明の効果は高感度ではあるが、かぶり発生し易くかつ保存安定性に劣る金硫黄増感乳剤を用いた感材で特に有効であることが分かった。
実施例4
実施例1において、一般式(1)の還元剤、補助還元剤、現像促進剤、およびカプラーを表7に示すように変更し、その他は実施例1と同様にして黒白熱現像感光材料を作製した。
実施例1において、一般式(1)の還元剤、補助還元剤、現像促進剤、およびカプラーを表7に示すように変更し、その他は実施例1と同様にして黒白熱現像感光材料を作製した。
得られた試料を実施例1と同様に評価し、得られた結果を表8に示した。カプラーを含有しない試料401および402の場合の濃度測定は、波長640nmで行なった。また、感度は試料403の感度を100とした場合の相対値で示した。
表8の結果より、シアンカプラーの場合には一般式(C−1)で表されるカプラーが特に高感度で、発色濃度が高くかつ保存安定性に優れていた。また、マゼンタカプラーの場合には一般式(M−1)あるいは(M−2)で表されるカプラーが特に効果が優れていた。
Claims (21)
- 支持体上に少なくとも感光性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩、下記一般式(1)で表される還元剤、該還元剤の酸化生成物と反応して色素を形成し得るカプラーおよび下記一般式(A−1)もしくは一般式(A−2)で表される現像促進剤の少なくとも1種を含有する黒白熱現像感光材料:
- 前記現像促進剤が前記一般式(A−1)において、Q1が5員〜6員の不飽和環であることを特徴とする請求項1に記載の黒白熱現像感光材料。
- 前記現像促進剤が前記一般式(A−1)において、Q1がピリミジン環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、テトラゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,3,4−オキサジアゾール環、1,2,4−オキサジアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、イソチアゾール環、またはイソオキサゾール環、およびこれらの環がベンゼン環もしくは不飽和ヘテロ環と縮合した環より選ばれることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の黒白熱現像感光材料。
- 前記現像促進剤が前記一般式(A−1)において、Q2がカルバモイル基であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の黒白熱現像感光材料。
- 前記現像促進剤が前記一般式(A−2)において、R11がアシルアミノ基であることを特徴とする請求項1に記載の黒白熱現像感光材料。
- 前記現像促進剤が前記一般式(A−2)において、R13とR14が縮合してナフタレン環を形成していることを特徴とする請求項1または請求項5に記載の黒白熱現像感光材料。
- 前記現像促進剤が前記一般式(A−2)において、R11がカルバモイル基であることを特徴とする請求項6に記載の黒白熱現像感光材料。
- 前記現像促進剤が前記一般式(A−2)において、R12がアルコキシ基またはアリールオキシ基であることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の黒白熱現像感光材料。
- 前記現像促進剤が前記一般式(A−2)において、R11がカルバモイル基であり、R12がアルコキシ基またはアリールオキシ基であることを特徴とする請求項6に記載の黒白熱現像感光材料。
- 前記カプラーが下記一般式(C−1)〜(C−3)、(M−1)〜(M−3)、または(Y−1)〜(Y−3)よりなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とするる請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の黒白熱現像感光材料:
(式中、X3は水素原子または離脱基を表し、R5はカルバモイル基またはスルファモイル基を表し、R6は水素原子または置換基を表す。);
- 前記色素の吸収極大波長における前記カプラーによる光学濃度が現像銀による光学濃度より高いことを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の黒白熱現像感光材料。
- 前記感光性ハロゲン化銀の平均ヨウ化銀含有率が40モル%以上であることを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の黒白熱現像感光材料。
- 前記感光性ハロゲン化銀の平均ヨウ化銀含有率が80モル%以上であることを特徴とする請求項13に記載の黒白熱現像感光材料。
- 前記感光性ハロゲン化銀の平均ヨウ化銀含有率が90モル%以上であることを特徴とする請求項14に記載の黒白熱現像感光材料。
- 前記感光性ハロゲン化銀が平板状粒子であることを特徴とする請求項13〜請求項15のいずれか1項に記載の黒白熱現像感光材料。
- 前記平板状粒子の平均アスペクト比が2以上100以下であることを特徴とする請求項16に記載の黒白熱現像感光材料。
- 前記感光性ハロゲン化銀が金増感されていることを特徴とする請求項13〜請求項17のいずれか1項に記載の黒白熱現像感光材料。
- ヨウ化銀錯形成剤を含有することを特徴とする請求項13〜請求項18のいずれか1項に記載の黒白熱現像感光材料。
- 前記画像形成層を支持体の両面に有することを特徴とする請求項1〜請求項19のいずれか1項に記載の黒白熱現像感光材料。
- 前記請求項1〜請求項20のいずれか1項に記載の黒白熱現像感光材料を用いた画像形成方法であって、
1)前記黒白熱現像感光材料と蛍光増感スクリーンと重ね合わせて放射線画像露光を行い、前記黒白熱現像感光材料に潜像を記録する工程、
2)熱現像により前記潜像を可視画像に変換する熱現像工程、
を有することを特徴とする画像形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006184567A JP2007065626A (ja) | 2005-08-01 | 2006-07-04 | 黒白熱現像感光材料および画像形成方法 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005223244 | 2005-08-01 | ||
JP2006184567A JP2007065626A (ja) | 2005-08-01 | 2006-07-04 | 黒白熱現像感光材料および画像形成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007065626A true JP2007065626A (ja) | 2007-03-15 |
Family
ID=37927847
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006184567A Pending JP2007065626A (ja) | 2005-08-01 | 2006-07-04 | 黒白熱現像感光材料および画像形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007065626A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012150240A (ja) * | 2011-01-18 | 2012-08-09 | Fujifilm Corp | ハロゲン化銀粒子の製造方法、感光性ハロゲン化銀粒子及びそれを用いた熱現像感光材料 |
JP2016502540A (ja) * | 2012-11-30 | 2016-01-28 | ノボメディックス, エルエルシーNovomedix, Llc | 置換ビアリールスルホンアミドおよびその利用 |
-
2006
- 2006-07-04 JP JP2006184567A patent/JP2007065626A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012150240A (ja) * | 2011-01-18 | 2012-08-09 | Fujifilm Corp | ハロゲン化銀粒子の製造方法、感光性ハロゲン化銀粒子及びそれを用いた熱現像感光材料 |
JP2016502540A (ja) * | 2012-11-30 | 2016-01-28 | ノボメディックス, エルエルシーNovomedix, Llc | 置換ビアリールスルホンアミドおよびその利用 |
US10040757B2 (en) | 2012-11-30 | 2018-08-07 | Novomedix, Llc | Substituted biaryl sulfonamides and the use thereof |
US11713293B2 (en) | 2012-11-30 | 2023-08-01 | Novomedix, Llc | Substituted biaryl sulfonamides and the use thereof |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2005084612A (ja) | ハロゲン化銀乳剤、ハロゲン化銀感光材料、および熱現像感光材料 | |
JP2007086217A (ja) | 黒白熱現像感光材料および画像形成方法 | |
JP4359581B2 (ja) | 黒白熱現像感光材料 | |
JP4359577B2 (ja) | 黒白熱現像感光材料 | |
JP2006267512A (ja) | 熱現像感光材料 | |
JP2007065626A (ja) | 黒白熱現像感光材料および画像形成方法 | |
JP2006259605A (ja) | 黒白熱現像感光材料 | |
JP2007086486A (ja) | 黒白熱現像感光材料および画像形成方法 | |
JP2006349902A (ja) | 黒白熱現像感光材料 | |
JP2007078977A (ja) | 黒白熱現像感光材料および画像形成方法 | |
JP2005283935A (ja) | 熱現像感光材料、その製造方法、および画像形成方法 | |
JP2006078901A (ja) | 熱現像感光材料および画像形成方法 | |
JP2006076963A (ja) | ピラゾリドン基を有する化合物、それを用いたハロゲン化銀写真感光材料、熱現像感光材および画像形成方法 | |
JP2007047327A (ja) | 黒白熱現像感光材料および画像形成方法 | |
JP2005309373A (ja) | 熱現像感光材料を用いた画像形成方法 | |
JP2006276047A (ja) | 熱現像感光材料の包装体 | |
JP2007093633A (ja) | 熱現像感光材料 | |
JP2005316341A (ja) | 熱現像感光材料および画像形成方法 | |
JP2006195282A (ja) | 熱現像感光材料およびその製造方法 | |
JP2006018003A (ja) | 写真用ハロゲン化銀乳剤、熱現像感光材料および画像形成方法 | |
JP2005165270A (ja) | 熱現像感光材料を用いた画像形成方法 | |
JP2006251567A (ja) | 黒白熱現像感光材料および画像形成方法 | |
JP2006251236A (ja) | 熱現像感光材料および画像形成方法 | |
JP2006292964A (ja) | 黒白熱現像感光材料 | |
JP2006276298A (ja) | 熱現像感光材料および画像形成方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20070215 |