JP2007060625A - 電子レンジモードノイズ環境下における通信モード - Google Patents

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祐幸 伊藤
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Abstract

【課題】ノイズ環境下にある無線端末装置と正常に通信できるようにする。
【解決手段】アクセスポイントAPから探索対象ステーションに所定期間連続して探索パケットSを送信し、ステーションからの応答パケットACKの受信数が所定数以下の期間をノイズ期間、所定数を超えている期間を通信可能期間として検出する。そして、検出した通信可能期間にそのステーションに対して送信権を与える。周期的にノイズレベルが変化するノイズ環境下にあるステーションに対して通信可能期間に送信権を与える。あるいは、ステーションは探索パケットの受信時間を記録し、通信可能期間を割り出して、自律的にデータ送信を行う。ノイズの影響を回避して無線通信を行うことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、無線装置、無線システムおよび無線通信方法に関する。
ISM(Industrial Scientific And Medical)バンドを使用して通信を行う無線通信
装置では、電子レンジから放射されるノイズにより通信が妨害されることがある。
無線LANシステムにおける電子レンジノイズの影響を、図26および図27を参照して説明する。
図26に示すアクセスポイントAPと複数のステーションSTA1〜STA5からなる無線LANシステムは、ステーションSTA1とステーションSTA2は電子レンジ11のノイズにより通信が妨害されるエリアに存在し、それ以外のステーションSTA3〜STA5は電子レンジ11の妨害を受けないエリアに存在する。
電子レンジ11のノイズは電源周波数の周期に同期したタイミングで発生する。ここでは、ノイズの発生と停止を繰り返す周期をノイズの周期とよぶ。図27に示すように、電子レンジ11のノイズの大きさが通信可能電力閾値より大きい期間は、電子レンジ11のノイズにより通信が妨害され、ステーションSTA1及びSTA2とアクセスポイントAP、あるいは他のステーションSTA3〜STA5との間の通信を正常に行うことができない。ステーションSTA1及びSTA2がデータの送受信ができない期間をノイズ期間と呼ぶ。
電子レンジ11のノイズの大きさが通信可能電力閾値以下の期間は、ステーションSTA1及びSTA2は、アクセスポイントAP及び他のステーションSTA3〜5と正常に通信することができる。この期間をステーションSTA1及びSTA2の通信可能期間と呼ぶ。ステーションSTA1及びSTA2は通信可能期間に他のステーションと通信することができる。
電子レンジのノイズによる通信妨害を防ぐために、特許文献1には、商用電源の交流の半周期の期間を検出する検出器と、マイクロ波の存在を検出する検出器とを有し、マイクロ波の存在しない電源周波数の半周期の期間に無線信号の送信を行う無線LAN装置について記載されている。
しかしながら特許文献1の発明は、無線通信装置と電子レンジが同一の商用電源に接続されていないと無線通信装置側で電子レンジの妨害波の発生周期を検出することができない。例えば、バッテリで駆動される機器では特許文献1の技術を適用することができない。
また、特許文献2には、電子レンジの妨害波の発生周期が電源周波数に依存することに着目し、電子レンジの妨害波のレベルと妨害波の発生期間を検出し、妨害波が発生しない期間に通信を行うことが記載されている。
しかしながら特許文献2の発明は、無線通信装置が妨害波を検出するハードウェアの検出回路を有する必要がある。
また、特許文献1及び2の発明は、無線LANシステムのアクセスポイント側でステーションが妨害波の影響を受けているか否かを直接検出することはできない。
特許文献3の発明は、電子レンジのノイズによる通信妨害を回避して無線通信を行うために、受信パケットのエラーが発生すると、複数の再送パケットからエラー発生周期を測定し、電子レンジ雑音周期を検出することが記載されている。
ところで、ノイズ環境下で送信が延期される方式の無線通信システムが広く使われている。ノイズ環境下で送信が延期される方式には、例えば、ISMバンドを利用する無線LANシステムの方式として広く使われているCSMA/CA方式( Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance ;衝突回避機能付きキャリア感知多重アクセス方式)がある。CSMA/CA方式は、多元アクセスを実現する方法であり、無線端末等が送信をしようとする時に、この無線端末はキャリアの帯域の電波の強さの検出(CCA( Clear Channel Assessment ))を行い、所定の強さの電波が検出されたら、送信を延期するという方法で送信の衝突を回避するという方法である。
特許文献3では、ノイズ環境下で送信が延期される方式の無線LANシステムの場合、再送パケットの送信がノイズ電波が検出されなくなるまで延期されるため電子レンジ雑音周期を検出することができなくなくなるという問題がある。
また、特許文献3の発明では、受信パケットのエラーが発生する毎に電子レンジ雑音周期を検出しているので、処理負荷が大きく、また消費電力が大きい。
特開平9−64827号公報 特開平9−36816号公報 特開2001−102966号公報
本発明の課題は、ノイズ環境下にある無線端末装置と正常に通信できるようにすることである。
上記の課題を解決するために本発明は次の手段を有する。
本発明の無線装置は、無線端末装置かまたは、前記無線端末と無線通信を行う無線通信装置である場合がある。
本発明の無線装置は、複数の探索パケットかまたは前記複数の探索パケットに対する応答パケットを受信する受信手段と、前記受信手段の受信状況から通信可能な期間を割り出す検出手段と、前記検出手段で検出された後は通信可能な期間に無線通信を行う手段とを備える。
この発明によれば、受信されるパケットの受信状況から通信可能な期間を割り出すので、ノイズ環境下で送信が延期されるような無線通信システムにおいて、探索パケットを送信する無線装置がノイズ環境下にあっても通信可能な期間を割り出すことができる。また、ノイズ環境下において、通信可能な期間が割り出された後は、割り出された通信可能な期間に他の無線装置と正常に無線通信を行うことができる。
また、本発明の無線通信装置は、複数の無線端末装置との間で無線通信を行う無線通信装置であって、前記複数の無線端末装置の内の所定の無線端末装置を宛先として探索パケットを所定期間繰り返し送信する探索パケット送信手段と、前記探索パケットに対する前記無線通信端末の応答パケットを受信する受信手段と、前記受信手段により受信される前記応答パケットの数が所定数以下のノイズ期間とその周期を検出する検出手段と、前記検出手段によりノイズ期間とその周期が検出された場合に、前記無線端末装置に対してノイズ期間以外の期間にデータの送信権を与える送信権制御手段とを備える。
この発明によれば、所定期間繰り返し探索パケットを送信し、探索パケットに対する応答パケットの数を計数することでノイズ期間とその周期を検出することができる。そして、そのノイズ期間以外の期間にその無線端末装置に対して送信権を与えることでノイズ環境下にある無線端末装置と正常に通信することができる。
上記の発明の無線通信装置において、前記送信権制御手段は、前記検出手段によりノイズ期間が検出された無線端末装置に対してノイズ期間以外の期間にデータの送信権を優先的に与える。
このように構成することでノイズの影響を受けている無線端末装置とデータの送受信が可能となる。
上記の発明の無線通信装置において、前記送信権制御手段は、前記検出手段によりノイズ期間が検出された無線端末装置に対してノイズ期間以外の期間にデータの送信権を優先的に与え、ノイズ期間が検出されなかった無線端末装置に対しては、ノイズ期間またはノイズ期間を含む全期間にデータの送信権を与える。
このように構成することでノイズの影響を受けている無線端末装置に対してはノイズ期間以外の期間に優先的に送信権が与えられるのでノイズ環境下でも正常に通信できる。また、ノイズの影響を受けていない無線端末装置に対しては、例えば、ノイズ期間に送信権を与えることで通信帯域を有効に利用して全体の通信効率を向上させることができる。
上記の発明の無線通信装置において、前記探索パケット送信手段は、前記検出手段により前記探索パケットの宛先の無線端末装置にノイズ期間が検出された場合に、ノイズ期間に他の全ての無線端末装置を宛先として順に前記探索パケットを所定回数送信し、ノイズ期間に応答パケットを返信してこない無線端末装置をノイズの影響を受けている無線端末装置と推定し、ノイズの影響を受けていると推定した無線端末装置を宛先として所定期間繰り返し前記探索パケットを送信し、前記検出手段は、前記探索パケットの送信先の無線端末装置の応答パケットの数が所定数以下のノイズ期間が存在するか否かを検出する。
このように構成することで、例えば、1台の無線端末装置のノイズ期間を検出して、そのノイズ期間に他の全ての無線端末装置に所定回数探索パケットを送信してノイズの影響を受けている無線端末装置を推定し、ノイズの影響を受けていると推定される無線端末装置に対してのみノイズ期間の探索を行うことができる。これにより、無線端末装置の数が多い場合でも、ノイズ期間の探索を効率的に行うことができる。
上記の発明の無線通信装置において、前記探索パケット送信手段は、通常のパケットの送信に対して応答パケットを返信しない無線端末装置が存在する場合に、応答パケットを返信しない無線端末装置に対して探索パケットの送信を行う。
このように構成することで通常のパケットに対して応答パケットを返信しない無線端末装置に対してのみ探索パケットを送信してノイズ期間の探索を行うことができるので、多数の無線端末装置のノイズ期間の探索を効率的に行うことができる。
上記の発明の無線通信装置において、前記探索パケット送信手段は、配下の全ての無線端末装置に対して順に所定期間繰り返し探索パケットを送信し、前記送信権制御手段は、ノイズ期間が検出された無線端末装置に対して、各無線端末装置の検出されたノイズ期間以外の期間にデータの送信権を与える。
このように構成することで無線通信装置の配下の全ての無線端末装置のノイズ期間を検出してノイズの影響を受けない期間に各無線端末装置と無線通信を行うことができる。
上記の発明の無線通信装置において、前記探索パケット送信手段は、配下の全ての無線通信端末装置に所定期間繰り返し探索パケットをブロードキャストにより送信し、前記送信権制御手段は、各無線端末装置の通信可能な期間を報知するパケットに基づいてそれぞれの無線端末装置が通信可能な期間にデータの送信権を与える。
このように構成することで無線通信装置の配下の全ての無線端末装置にブロードキャストにより探索パケットを送信してそれぞれの無線端末装置のノイズ期間を検出することができる。これにより配下の無線端末装置のノイズ期間の探索に要する時間を短縮できる。
また、上記の発明の無線装置において、複数の探索パケットを受信する手段と、前記複数の探索パケットの受信状況から通信可能な期間を割り出す検出手段と、前記通信可能な期間が割り出された後は前記通信可能な期間にデータを送信する手段とを備える。
この発明によれば、探索パケットの受信状況から通信可能な期間を割り出すので、ノイズ環境下で送信が延期されるような無線通信システムにおいて、探索パケットを送信する無線装置がノイズ環境下にあっても通信可能な期間を割り出すことができる。また、ノイズ環境下において、通信可能な期間が割り出された後は、割り出された通信可能な期間に他の無線装置と正常に無線通信を行うことができる。
上記の発明の無線装置において、前記検出手段は、前記複数の探索パケットが受信されるべき期間を、所定の時間の長さをもつ複数の解析区間に分け、前記解析区間内に前記探索パケットを受信した時または誤り率が所定の割合より低い前記探索パケットを受信した時、前記解析区間を通信可能な期間として記録し、前記解析区間内に前記探索パケットを受信しなかった時または誤り率が所定の割合より高い前記探索パケットを受信した時、前記解析区間をノイズ期間として記録する。
このような構成でも、ノイズ環境下でパケット送信が延期されるような無線通信システムにおいて、探索パケットを送信する無線装置がノイズ環境下にあっても通信可能な期間を割り出すことができる。
上記の発明の無線装置において、前記検出手段は、前記複数の探索パケットが受信されるべき期間を、所定の時間の長さをもつ複数の解析区間に分け、前記解析区間内に受信された前記探索パケットの数が所定の数より多い時、前記解析区間を通信可能な期間として記録し、前記解析区間内に受信された前記探索パケットの数が所定の数より少ない時、前記解析区間をノイズ期間として記録する。
このような構成でも、ノイズ環境下でパケット送信が延期されるような無線通信システムにおいて、探索パケットを送信する無線装置がノイズ環境下にあっても通信可能な期間を割り出すことができる。
上記の発明の無線装置において、前記探索パケットには、前記複数の探索パケットの送信開始時間と送信終了時間が含まれており、前記送信する手段は、前記送信開始時間と前記送信終了時間に基づいて、現在時間から前記周期的にノイズを発生させる装置の電源の周期の任意整数倍前の時間が前記複数の解析区間の内どの解析区間に属するかを割り出し、前記割り出した解析区間が通信可能な期間の場合、現在時間は通信可能な期間であると判断してデータを送信する。
このように構成することで一度、通信可能な期間を割り出せば、以降は探索パケットをつかって通信可能期間の割り出す必要がなくなるため、処理負荷が低減でき、消費電力が少なくなる。
また、探索パケットは、複数の探索パケットの送信終了時間を含んでいるので、無線装置は、現在時間が送信終了時間に達すれば、探索パケットの送信が終了したことがわかる。したがって、探索パケット受信動作から次の動作へ移行することができる。
上記の発明の無線装置において、前記通信可能な期間は、前記探索パケットを受信した時間から算出する。
このような構成でも、ノイズ環境下でパケット送信が延期されるような無線通信システムにおいて、探索パケットを送信する無線装置がノイズ環境下にあっても、探索パケットを受信した時間から通信可能な期間を割り出すことができる。
上記の発明の無線装置において、前記通信可能な期間は、誤り率が所定の割合より低い前記探索パケットを受信した時間から算出する。
このような構成でも、ノイズ環境下でパケット送信が延期されるような無線通信システムにおいて、探索パケットを受信する無線装置がノイズ環境下にあっても、誤り率が所定の割合より低い前記探索パケットを受信した時間から通信可能な期間を割り出すことができる。
上記の発明の無線装置において、前記探索パケットはブロードキャストパケットである。
このように構成することで、他の無線装置の数が多い場合に、ユニキャストに比べると探索パケットを送信し続ける期間を短縮することができる。
上記の発明の無線通信システムにおいて、前記第1の無線装置以外の無線装置は、前記割り出した通信可能な期間を、前記第1の無線装置に通信可能期間データとして送信する手段を備え、前記第1の無線装置は、前記送信された通信可能期間データを受信する手段と、前記通信可能期間データを、前記通信可能期間データの送信元であるそれぞれの前記第1の無線装置以外の無線装置ごとに保持する手段と、前記通信可能期間データの送信元である前記第1の無線装置以外の無線装置に対して、対応する前記通信可能期間データに基づく通信可能な期間に、データ送信を行う。
このように構成することで、無線装置ごとにノイズの影響の程度が異なる場合でも、第1の無線装置は、他の無線装置にデータ送信を行う場合に、送信の宛先となる無線装置の通信可能期間データに基づいたタイミングでデータ送信を行うことができる。
本発明によれば、受信されるパケットの受信状況から通信可能な期間を割り出すので、ノイズ環境下で送信が延期されるような無線通信システムにおいて、探索パケットを送信する無線装置がノイズ環境下にあっても通信可能な期間を割り出すことができる。また、ノイズ環境下において、通信可能な期間が割り出された後は、割り出された通信可能な期間に他の無線装置と正常に無線通信を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態の無線通信方法の説明図であり、図1は、探索対象ステーションの通信可能期間とノイズ期間の説明図である。
第1の実施の形態は、無線通信システムのアクセスポイントAP(無線通信装置に対応する)と複数のステーション(無線端末装置に対応する)とに関するものである。ここで、本発明では、無線通信装置かまたは無線端末装置のいずれかのことを無線装置という。実施の形態の無線通信システムの各ステーションと電子レンジの位置関係を図10に示す。今、図10に示すように複数のステーションの内でステーションSTA1とSTA2が、電子レンジから放射されるノイズにより通信が妨害されるエリアに存在しているものとする。
アクセスポイントAPは、特定のステーションがノイズの影響を受けていると認識(または推定)すると、そのステーションを宛先として連続的に探索パケット、例えば、Nullフレーム(情報が含まれていないフレーム)を送信し、探索パケットに対する応答パケットを受信する。そして、受信した応答パケットの数を計数して記録しておき、応答パケットの数が所定数以下、あるいは探索パケット数に対する応答パケット数の比率が所定値以下の期間が存在するか否かを判定する。
なお、探索パケットを送信してステーションのノイズ期間の探索を開始する契機としては、例えば、以下のようなものがある。無線通信システムの管理者がノイズの影響を受ける可能性のあるステーションを指定する。特定のステーションに対するデータの再送信回数が一定以上となったとき、そのステーションをノイズの影響を受けていると推定する。ステーションからの電子レンジのノイズの影響を受けていることを報知する報知パケットを受信したとき、あるいは電子レンジのスタートボタンが押されたことを電子レンジからアクセスポイントAPに通知されたとき、それらの事象を契機としてノイズ期間の探索を開始する。
図1に示すように、探索パケットをステーションに送信するときには、アクセスポイントAPが全てのステーションのデータの送信権を集中管理するCFP(Contention Free Period)に設定する。図1の下向きの矢印はアクセスポイントAPから探索対象のステーションに送信される探索パケットSを示し、上向きの矢印はステーションからアクセスポイントに送信される応答パケットACKを示す。
探索パケットSのみで応答パケットACKが無い期間は、探索対象のステーションが電子レンジのノイズの影響を受けて探索パケットSを受信できないために応答パケットACKが返信されない期間である。アクセスポイントAPは、探索パケットSに対する応答パケットACKを受信できない期間を、そのステーションが電子レンジのノイズの影響を受けているノイズ期間と判定する。
また、応答パケットACKがある期間は、探索対象のステーションが探索パケットSを正常に受信でき、そのステーションから応答パケットACKが返信された期間であるので、アクセスポイントAPはその期間を通信可能期間と判定する。
なお、アクセスポイントAPが受信した応答パケットACKの数が所定数以下の期間が存在する場合には、アクセスポイントAPは、探索パケットSの宛先のステーションがノイズの影響を受けているものとして、その期間をノイズ期間と判定し、他方、全期間で応答パケットACKの数が所定数を超えている場合には、そのステーションはノイズの影響を受けていないものと判定するようにしてもよい。
アクセスポイントAPは、特定のステーションにデータの送受信が妨害されるノイズ期間が存在することを検出した場合には、そのステーションに対して通信可能期間にのみ送信権を与える通信制御を行う。
探索対象ステーションにノイズ期間が検出された場合には、アクセスポイントAPは、現在自分とアソシエートしている他の全てのステーションに対して、検出されたノイズ期間に検索パケットを所定回数送信し、応答パケットACKが返信されないステーションは電子レンジのノイズの影響を受けているステーションと推定し、そのステーションをノイズ期間の探索対象ステーションとして記録する。応答パケットACKが返信されたステーションはノイズの影響を受けていないステーションとして記録する。
応答パケットACKが返信されないステーションは、アクセスポイントAPが保有するステーション毎の状態テーブル21(後述する図6(A)参照)にステーションのステータスが「電子レンジモード:未解析」として登録され、応答パケットACKが返信されたステーションは、ステータスが「通常(ノイズの影響がない)」として登録される。アクセスポイントAPは、このステーション毎の状態テーブル21の情報から、どのステーションに対してノイズ期間の探索を行えばよいかを判断する。
次に、図2はノイズ期間が検出されたステーションに対して通信可能期間に送信権を与える通信制御方法の説明図である。
アクセスポイントAPは、通信可能期間の最初に、ポーリングに基づく送信権の集中制御を行うことを通知するビーコンを送信してCFPに切り換える。
次に、通信可能期間中に、ノイズ期間が検出されたステーションに対して送信権を与えるポーリングパケットCF(Contention Free)−Pollを送信する。また、そのステーション宛の送信データがある場合にはデータパケットを併せて送信する。
アクセスポイントAPは、ノイズ期間にはノイズの影響を受けているステーションに対してはデータの送信権を与えないように通信制御する。
そして、次の通信可能期間にCFPに切り換えるビーコンを送信し、ポーリングパケットCF−Pollを送信してノイズの影響を受けているステーションに対して送信権を与える。
ノイズ期間に関しては、ノイズの影響を受けないステーションに各ステーションが自立的にデータの送信を行うCP(Contention Period)、あるいはポーリングにより各ステ
ーションの送信権を集中制御するCFPの何れの制御を行っても良い。
次に、ノイズの影響を受けているステーションの通信可能期間とノイズ期間とその周期を検出する電子レンジノイズ解析処理を、図3及び図5のフローチャートを参照して説明する。以下の処理は、アクセスポイントAPの図示しないCPUにより実行される。
無線LANシステムのユーザにより特定のステーションがノイズの影響を受けていると設定されたとき、特定のステーションに対するデータのリトライ回数が基準回数以上となったとき、あるいは、電子レンジのノイズを検出したこと知らせる報知パケットをステーションから受信したとき、それらの事象を契機として、図3の電子レンジノイズ解析処理を開始する。
最初に、システムのタイマーカウンタの値をリセットする(図3,S11)。次に、アクセスポイントAPが各ステーションの送信権を集中制御するCFPをスタートさせるためのビーコンを送信する(S12)。
次に、現在時刻が探索パケットSの送信終了時刻に達したか否かを判別する(S13)。送信終了時刻は、探索パケットSの送信開始時刻と解析周期とその繰り返し回数とから算出する。
現在時刻が探索パケットSの送信終了時刻に達していないときには(S13,NO)、ステップS14に進み、タイマーカウンタの値がサンプリング時間と一致するか否かを判別する。
サンプリング時間とは探索パケットSの送信間隔を示している。図4に示すように、ステーションSTA1を宛先として探索パケットS(DATA To STA1)を送信し、応答パケットACKが返信されたときには、SIFS(Short Inter Frame Space)時間後に次の探索パケットSを送信する。応答パケットACKが返信されないときには、探索パケットSの送信終了後からPIFS(PCF Inter Frame Space)時間後に次の探索パケットSを送信する。
図3に戻り、ステップS14において、タイマーカウンタの値がサンプリング時間と一致すると判別されたときには(S14,YES)、ステップS15に進み、探索パケットSを探索対象ステーションに送信する。その後、ステップS16に進み、タイマーカウンタの値をリセットしてステップS13に戻る。
ステップS14において、タイマーカウンタの値がサンプリング時間と一致しないと判別されたときには(S14,NO)、ステップS17に進み、タイマーカウンタの値をインクリメントしてステップS13に戻る。
上記のステップS13〜S17の処理により、ノイズ期間の探索が開始されると所定のサンプリング時間毎に探索パケットSが探索対象ステーションに送信される。
ここで、上記のステップS15の探索パケット送信処理の内容を、図5のフローチャートを参照して説明する。
タイマーカウンタの値がサンプリング時間と一致したなら、探索対象ステーションに探索パケットSを送信する(図5,S31)。次に、探索パケットSに対する応答パケットACKを受信したか否かを判別する(S32)。応答パケットACKの受信がない場合(S32,NO)は、図5の処理を終了する。応答パケットACKを受信した場合には(S32,YES)、ステップS33に進み、ACK返信履歴が有るか否かを判別する。ACK返信履歴とは、一定期間特定のステーションに対して繰り返し探索パケットSを送信したときの応答パケットACKの返信履歴を示すものである。
ACK返信履歴が無いときには(S33,NO)、ステップS34に進み、ACK返信履歴を有りに更新する。そして、探索パケットSに対して応答パケットACKが返信された期間を解析するための解析周期開始時間として探索パケットSの送信時間をACK返信履歴に記録する(S35)。そして、新たに設定した解析周期開始時刻を基準にして解析周期と周期の繰り返し回数から探索パケット送信終了時間を算出し、算出した時間を新たな探索パケット送信終了時間として更新する(S36)。
ステップS33において、ACK返信履歴が有ると判別されたとき(S33,YES)、またはステップS36の次には、ステップS37に進み、探索パケットSに対する応答パケットACKの返信結果を解析記録としてACK返信履歴に記録する。
上記の探索パケット送信処理により、一定期間連続して探索パケットSを送信したときに、探索パケットSに対する応答パケットACKの有無がACK返信履歴に記録される。
図3に戻り、ステップS13において、現在時刻が探索パケット送信終了時刻に達したと判別された場合には(S13,YES)、ステップS18に進み、ACK返信履歴が有るか否かを判別する。
ステップS18において、ACK返信履歴が無いと判別されたときには(S18,NO)、つまり応答パケットACKを全く受信していないときにはリンク切れと判断し、ステップS19に進み、探索対象ステーションとの論理的な接続関係を解消する(Disassociate)。そして、そのステーションのステータスとして電子レンジのノイズを受けていない
ことを示す「通常モード」を設定する(S20)。
ステップS18でACK返信履歴が有ると判別された場合には(S18,YES)、ステップS21に進み、ACK返信履歴から通信可能期間の周期と期間長を解析する。そして、解析が完了したステーションのステータスを「電子レンジモード:未解析」から「電子レンジモード:解析済み」に切り換える(S22)。なお、上記のステーションの「電子レンジモード:解析済み」等のステータスは、図6(A)に示すアクセスポイントAPが保有するステーション毎の状態テーブル21に記録される。また、ノイズ期間及び通信可能期間の解析を開始する前の探索対象ステーションのステータスとして「電子レンジモード:未解析」が設定されている。
上記の処理により、探索対象ステーションのACK返信履歴が記録され、そのACK返信履歴からそのステーションのノイズ期間及び通信可能期間の長さと周期を求めることができる。
図6(A)は、ステーション毎の状態テーブル21を示す図であり、図6(B)は、各ステータスの説明図である。
ステーション毎の状態テーブル21には、図6(A)に示すようにアクセスポイントAPの配下の各ステーションのステータスが記憶されている。このステーション毎の状態テーブル21から、例えば、ステーションSTA1の現在のステータスが「電子レンジモード:解析済み」であることから、ステーションSTA1はノイズ期間の解析が完了した状態であることが分かる。また、ステーションSTA2の現在のステータスが「電子レンジモード:未解析」であることから、ステーションSTA2はノイズ期間の解析が未完了であることが分かる。さらに、ステーションSTA3,STA4及びSTA5のステータスが「通常」であることから、それらのステーションが電子レンジのノイズの影響を受けない状態であることが分かる。
また、図6(B)に示すように、「電子レンジモード:解析済み」の状態とは、電子レンジのノイズによりそのステーションが影響を受けていて、かつノイズ期間の解析が完了した状態のことである。また、「電子レンジモード:未解析」の状態とは、電子レンジのノイズによりそのステーションが影響を受けていて、かつノイズ期間の解析が未だ行われていない状態のことである。さらに、通常の状態とは、そのステーションが電子レンジのノイズの影響を受けていない状態のことである。
以上のようにして電子レンジノイズ解析処理が終了したなら、アクセスポイントAPはデータの送信権の制御を行う。図7は、データの送信権を制御する処理のフローチャートである。
アクセスポイントAPのステーション毎の状態テーブル21を参照して該当するステーションのステータスが「電子レンジモード:解析済み」か否かを判別する(図7,S41)。
そのステーションのステータスが「電子レンジモード:解析済み」ではないときには(S41,NO)、そこで処理を終了する。
そのステーションのステータスが「電子レンジモード:解析済み」であるときには(S41,YES)、ステップS42に進み、現在時刻がそのステーションの通信可能期間(図1参照)か否かを判別する。
現在時刻が対象となるステーションの通信可能期間ではないときには(S42,NO)、ステップS43に進み、タイマーカウンタをインクリメントする。
他方、現在時刻がノイズ環境下にあるステーションの通信可能期間内にあるときには(S42,YES)、ステップS44に進み、そのステーション宛の送信データが有るか否かを判別する。
現在時刻がノイズの影響を受けているステーションの通信可能期間内で、かつそのステーション宛の送信データが有る場合には、ステップS45に進み、そのステーションに送信権を与えるポーリングパケットCF−Pollと送信データを送信する。
他方、ステーション宛の送信データが無いときには(S44,NO)、ステップS46に進み、そのステーションに送信権を与えるためにポーリングパケットCF−Pollを送信する。
上記のステップS41〜S46の処理により、ノイズの影響を受けているステーションが存在する場合に、そのステーションの通信可能期間(ノイズ期間以外の期間)に送信権を与えることで、電子レンジのノイズの影響を受けずにそのステーションとアクセスポイントAPとの間で無線通信を行うことができる。
次に、それまで電子レンジのノイズの影響を受けていたステーションがノイズの影響を受けなくなった場合の処理を、図8のフローチャートを参照して説明する。
アクセスポイントAPは、ステーションが電子レンジのノイズの影響を受けなくなったことを認識すると、アクセスポイントAP内部のステーション毎の状態テーブル21に記憶されている該当するステーションのステータスを通常モードに切り換える(図8,S51)。
ステーションがノイズの影響を受けなくなったことを認識する方法としては、ユーザがそのステーションが電子レンジの影響を受けなくなったことを設定する、電子レンジのノイズの影響を受けていたステーションが通信可能となったことをアクセスポイントAPに通知する、あるいは電子レンジがオフ状態になったことを検出する等の方法がある。
次に、現在がCFPか否かを判別する(S52)。現在CFPであるときには(S52,YES)、ステップS53に進み、ポーリングにより送信権を集中制御するCFPを終了させるビーコンCF−ENDを送信する。現在がCFPでないときには(S52,NO)、そこで処理を終了する。
ここで、図9(A)、(B)を参照してステーションの通信可能期間及びノイズ期間の解析について説明する。
図9(A)の下向きの矢印は、アクセスポイントAPから特定のステーションに送信した探索パケットSを示し、上向きの矢印はステーションの応答パケットACKを示している。また、図9(A)の0〜7の番号は解析周期を8等分した個々の期間を示しており、複数の探索パケットSが一つのグループとなった群を示している。
図9(B)は、第1の解析周期のACK返信履歴を示すものであり、探索パケット群番号と対応づけて探索パケットSの送信数と、ACK受信数と、ACK受信率と、その期間が通信可能期間か、それともノイズ期間かを示す判定結果が記録される。このACK返信履歴は、アクセスポイントAPのメモリ等に記憶される。
図9(B)に示すように、探索パケット群番号「0」の送信期間の送信パケット数は「4」、ACK受信数は「4」であるのでACK受信率は「100%」となる。従って、探索パケット群番号「0」の送信期間は、探索対象ステーションが通信可能な期間と判定する。
探索パケット群番号「1」の送信期間の送信パケット数は「4」、ACK受信数は「4」であるのでACK受信率は「100%」となる。従って、探索パケット群番号「1」の送信期間は探索対象ステーションが通信可能な期間と判定する。
探索パケット群番号「2」の送信期間の送信パケット数は「4」、ACK受信数は「1」であるのでACK受信率は「25%」となる。この例では、ステーションが通信可能と判断する応答パケットACKの受信率を80%以上に設定している。従って、ACK受信率が25%である探索パケット群番号「2」の送信期間は、電子レンジのノイズの影響により通信できないノイズ期間と判定する。
次の探索パケット群番号「3」の期間の送信パケット数は「4」、ACK受信数は「0」であるのでACK受信率は「0%」となる。従って、探索パケット群番号「3」の送信期間は、電子レンジのノイズの影響により通信できないノイズ期間と判定する。
以上の解析結果から、探索パケット群番号「0」と「1」の送信期間は、探索対象ステーションの通信可能期間であり、探索パケット群番号「2」と「3」の送信期間は、電子レンジのノイズの影響により通信できないノイズ期間である。
従って、図9(B)の通信可能期間に探索対象ステーションに送信権を与えることで、電子レンジのノイズの影響を受けずに通信を行うことができる。
上述した第1の実施の形態によれば、所定期間連続して送信した探索パケットSに対するステーションの応答パケットACKの数に基づいて探索対象ステーションのノイズ期間と通信可能期間とそれらの周期を検出し、通信可能期間(ノイズ期間以外の期間)にそのステーションに対して送信権を与えることで電子レンジのノイズの影響を受けずに確実にデータの送受信を行うことができる。
ノイズの影響を受けているステーションに対して通信可能期間に送信権を与えることで、通信エラーの発生頻度を少なくし、データの再送信により通信効率が低下するのを防止できる。また、ノイズの影響によりアクセスポイントとのリンク切れが発生してスキャンニング等の無駄なパケットが送信される回数を減らすことができるので通信効率を高めることができる。
さらに、ノイズの影響を受けていないステーションに対してノイズ期間に送信権を与えることで通信帯域を有効に活用してシステム全体の通信効率を向上させることができる。
また、各ステーションのノイズ期間及び通信可能期間の検出をソフトウェアにより実現しているので、アクセスポイント及びステーションのハードウェアを追加、あるいは変更する必要が無い。
なお、通信可能期間はノイズの影響を受けているステーションに対して優先して送信権を与え、あるいはノイズの影響を受けているステーションにのみ送信権を与えるようにしても良い。このように構成することで、通信可能期間にノイズの影響を受けていないステーションが通信を行うことでノイズの影響を受けているステーションが通信できる機会が少なくなるという問題を改善できる。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
この第2の実施の形態の無線通信システムのステーションと電子レンジとの位置関係は第1の実施の形態と同様である。第1の実施の形態と異なる点は、電子レンジ11のノイズの影響の度合いが異なる2台のステーションSTA1,STA2に対して、異なるノイズ期間及び通信可能期間を設定して送信権の制御を行う点である。以下、この第2の実施の形態の無線通信方法を図11を参照して説明する。
図11の電子レンジノイズ受信電力と通信可能電力閾値は、ステーションSTA1とSTA2における電子レンジのノイズレベル(電力)と各ステーションがアクセスポイントAPと通信可能となる通信可能ノイズレベルを模式的に示したものである。
電子レンジノイズ受信電力が通信可能電力閾値より大きい期間は、各ステーションでは電子レンジ11のノイズの影響で探索パケットSを受信できない確率が高くなるので、アクセスポイントAPにおける応答パケットACKの受信数も少なくなる。
従って、図11の電子レンジノイズ受信電力が通信可能電力閾値以上となる期間は、アクセスポイントAPが送信した探索パケットSに対する応答パケットACKの受信数の比率(ACK受信率)が所定の基準値未満となる。このACK受信率が基準値(例えば、80%)未満となる期間を、そのステーションが電子レンジ11のノイズの影響を受けているノイズ期間と判定し、ACK受信率が基準値以上の期間を通信可能期間と判定する。
ステーションSTA1はステーションSTA2に比べて電子レンジ11に近い位置にあるので、ステーションSTA2より電子レンジ11のノイズの影響をより大きく受けている。そのため、図11に示すように、ステーションSTA1からのACK受信率が基準値未満となる期間は、ステーションSTA2のACK受信率が基準値未満となる期間より長くなる。
そこで、ステーションSTA1からのACK受信率が基準値以上となる、図11のSTA1通信可能期間を、ステーションSTA1の通信期間として設定し、その通信期間にステーションSTA1に対して送信権を与える。また、ステーションSTA2からのACK受信率が基準値以上となる、図11のSTA2通信可能期間をステーションSTA2の通信期間として設定し、その通信期間にステーションSTA2に対して送信権を与える。
さらに、ステーションSTA2のノイズ期間を、電子レンジ11のノイズの影響を受けないステーションの通信期間として設定し、ノイズの影響のないステーションに送信権を与える。
上述した第2の実施の形態によれば、電子レンジ11のノイズの影響を受けるステーション毎に通信可能期間とノイズ期間を検出し、各ステーションが電子レンジ11のノイズの影響を受けるノイズ期間以外の期間に送信権を与えることでそれぞれのステーションが電子レンジ11のノイズの影響を受けずに無線通信を行うことができる。これにより、電子レンジ11のノイズにより送信エラーが発生してパケットのリトライ回数が増加するのを防止できる。また、各ステーションが通信可能な期間を最大限利用することができるので通信効率を高めることができる。
また、ステーションと電子レンジ11の位置を考慮して、通信可能期間からノイズ期間へ切り換わるタイミングの近傍に電子レンジ11のノイズの影響を最も受けないステーションの送信タイミングを割り当てるようにしても良い。このようにすることで、各ステーションが電子レンジ11のノイズにより妨害を受ける可能性を少なくし、かつ全ての通信期間を有効に活用して全体の通信効率を向上させることができる。
さらに、送信するフレーム長が長い場合には、宛先のステーションの通信可能期間に合わせてフレームを分割して送信するようにしても良い。このようにすることで、フレームの送信期間がそのステーションのノイズ期間にかかり送信エラーとなるのを防止できる。
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。この第3の実施の形態は、アクセスポイントAPの配下の全てのステーションに対して順に探索パケットSを送信して、全てのステーションのノイズ期間と通信可能期間とそれらの周期を検出するものである。
アクセスポイントAPは、配下の任意のステーションに対して一定期間連続して探索パケットSを送信して、ノイズ期間と通信可能期間と周期の検出を行う。このノイズ期間と通信可能期間と周期の検出は、上述した第1の実施の形態の電子レンジノイズ解析処理により行う。
1つのステーションのノイズ期間と通信可能期間と周期の検出が終了したなら、次のステーションに対して同様に一定期間連続して探索パケットSを送信してそのステーションのノイズ期間と通信可能期間と周期の検出を行う。
アクセスポイントAPの配下の全ステーションのノイズ期間と通信可能期間と周期の検出が終了したなら、ノイズ期間が存在するステーションに対しては、それぞれの通信可能期間に送信権を与えるように通信制御を行う。
この第3の実施の形態によれば、予め全てのステーションのノイズ期間及び通信可能期間を検出しておくことで、各ステーションが電子レンジのノイズの影響受けない期間に送信権を与え、その期間に通信を行うことができる。これにより電子レンジ等のノイズの影響によりステーションの通信が妨害される確率を少なくできる。また通信エラーの発生頻度が低くなるのでデータの再送信により通信効率が低下するのを防止できる。
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。この第4の実施の形態は、アクセスポイントAPが配下の全ステーションに対してブロードキャストで所定期間連続して探索パケットSを送信するものである。この探索パケットSには、例えば、探索開始時刻と探索終了時刻を格納しておく。各ステーションは、探索パケットSが受信できる期間と、受信できない期間とその期間の繰り返し周期を検出し、アクセスポイントAPに通信可能な期間を通知する。アクセスポイントAPは、各ステーションから通知された通信可能期間にそれぞれのステーションに対して送信権を与える。
この第4の実施の形態によれば、上述した第1の実施の形態の効果に加え、ブロードキャストにより全ステーションに同時に探索パケットSを送信することで全ステーションのノイズ期間の探索時間を短縮できる。
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。
まず、第4の実施の形態と第5の実施の形態の違いの概要を述べる。前述において、第4の実施の形態では、アクセポイントAPは、通信可能期間にそれぞれのステーションに対して送信権を与える。ところが、第5の実施の形態では、後述するように、ステーションが通信可能期間を検出し、データを送信できるタイミングを自律的に判断できるようにすることができる。この場合、アクセスポイントAPがステーションに送信権を与える必要がなくなり、よりスループットの高い通信ができる。また、後述するように、ノイズ環境下で送信が延期されるような無線通信システムにおいて、アクセスポイントAPがノイズ環境下にあっても通信可能期間を検出することができる。このような第5の実施の形態について、以降、詳細に説明する。
本発明の第5の実施の形態の無線通信システムは、複数の探索パケットを送信する送信手段を備えるアクセスポイントAPと、複数の探索パケットを受信する受信手段と、複数の探索パケットの受信状況から通信可能な期間を割り出す検出手段と、通信可能な期間が割り出された後は後続する通信可能な期間にデータを送信する手段とを備える複数のステーションSTAから構成されている。
本発明の第5の実施の形態の無線通信システムのアクセスポイントAPと各ステーションSTAと周期的にノイズを発生させる装置である電子レンジ11との位置関係を図12に示す。
アクセスポイントAPとステーションSTA1は、ノイズの影響を大きく受けており、ステーションSTA2は中程度のノイズの影響を受けており、ステーションSTA3はノイズの影響をほとんど受けていないものとする。なお、アクセスポイントAPは第1の無線装置に対応し、ステーションSTAは第1の無線装置以外の無線装置に対応する。
また、電子レンジ11とアクセスポイントAPとの間は、別の通信手段12により、データの送受信を行う。ここでは、有線LANケーブルまたは電力線ケーブルを例に説明するが、電子レンジ11とアクセスポイントAPが通信手段12で接続されていなくてもよい。アクセスポイントAPは、データ送受信において、誤り率が高くなった場合や遅延、再送等が所定の頻度より頻繁に発生した場合に、後述する電子レンジモードをONにして、ノイズ探索を開始するようにしてもよい。
次に、本実施の形態の動作の概要を、図13を参照して説明する。
図13の四角形はパケットの送信、受信の発生を示す。
電子レンジ11がONになり、電子レンジがONになったことを知らせる情報(以下、電源ON報知パケット)がアクセスポイントAPに通知されると、アクセスポイントAPはノイズ期間を検出するために複数の探索パケットを各ステーションSTAにブローキャストで送信する。探索パケットを受信した各ステーションSTAは受信結果をメモリに記録し、その受信結果を解析することで、通信可能期間を割り出す。(第1の期間)
各ステーションSTAは、通信可能期間を割り出すと、割り出した送信可能期間に、解析結果をアクセスポイントAPに送信する。(第2の期間)
ステーションSTAと解析結果を受信したアクセスポイントAPは、解析結果に基づいてノイズ期間を回避し、通信可能な期間にデータ通信を行う。(第3の期間)
そして、電子レンジ11がOFFになったことがアクセスポイントAPに通知され、アクセスポイントAPから各ステーションSTAに電子レンジがOFFになったことを知らせる情報(以下、電源OFF報知パケット)が通知されると、アクセスポイントAPとステーションSTAは、通常の無線通信に戻る。(第4の期間)
次に第1の期間から第4の期間について、それぞれの期間の動作を詳細に説明する。
まず、第1の期間の動作について説明する。
第1の期間は、アクセスポイントAPが探索パケットを送信する「探索パケット送信期間」と、アクセスポイントAPが送信した探索パケットを各ステーションSTAが受信する「探索パケット受信期間」と、探索パケットの受信結果を解析することで、通信可能期間を割り出す「通信可能期間割り出し期間」の3つの期間に分けられる。
最初に「探索パケット送信期間」について説明する。
まず、電源ON報知パケットの構成について図15をつかって説明する。
電源ON報知パケットは、MACヘッダ(24バイト)と、LLCヘッダ(6バイト)と、データ部とFCS(4バイト)とから構成されている。データ部は、パケットタイプを識別するフィールド(1バイト)と、パケットの長さを示すフィールド(2バイト)と、NULLデータ(0バイト)とから構成されており、パケットタイプを識別するフィールドには、TYPE0を示すコードが入っている。なお、パケットタイプは、TYPE0は電源ON報知パケット、TYPE1は探索パケット、TYPE2は解析結果通知パケット、TYPE3は電源OFF報知パケットである。
次に、探索パケットを送信する際のアクセスポイントAPの動作について図19をつかって説明する。
電子レンジ11のSTARTボタンが押下されると、電子レンジ11からアクセスポイントAPに電源ON報知パケットが通知される。
アクセスポイントAPは、図19に示すように、電源ON報知パケットを受信すると、受信した電源ON報知パケットの図示しないヘッダ部のVENDERフィールドから電子レンジモードコードであると判定し(S111、YES)、ステップS113(受信パケットのタイプを判定するステップ)において、受信パケットのタイプがTYPE0であることから電源ON報知パケットであると判定(S113、TYPE0)する。そして、電子レンジモード開始処理を行う(S114)。
ステップS114の電子レンジモード開始処理について図20のフローチャートを参照して説明する。
アクセスポイントAPは、まず、電子レンジモードをONにする(S121)。次に、電子レンジモードタイマを開始する(S122)。この電子レンジモードタイマとは、電源OFF報知パケットを待つ時間であり、このタイマーにより十分な時間、例えば30分以上を経過しても電子レンジモードを継続している場合、電子レンジモードを終了することができる。次に、現在時間をノイズ探索期間開始時間としてメモリに記憶し(S123)、ノイズ探索期間開始時間に所定期間を加えた時間をノイズ探索期間終了時間としてメモリに記憶する(S124)。ここで、所定期間とはノイズ探索期間であり、例えば、電子レンジ11の電源の周期の2倍の期間である。
次に、アクセスポイントAPは、現在時間がノイズ探索期間終了時間に達しているか判定する(S125)。現在時間がノイズ探索期間終了時間に達していないと判定すると(S125 YES)、キャリアの帯域の電波の強さが閾値をこえているか判断し(S126)、電波の強さが閾値をこえている場合(S126 YES)は、ステップS128に進む。電波の強さが閾値をこえていない場合(S126 NO)は、探索パケットを各ステーションSTAにブロードキャストで送信し(S127)、ステップS128に進む。
ステップS128では探索パケット送信間隔の期間SLEEPする。SLEEP後、ステップS125に戻り、現在時間がノイズ探索期間終了時間に達する(S125 NO)までステップS125からステップS128の処理を繰り返し、現在時間がノイズ探索期間終了時間に達する(S125 NO)と、電子レンジモード開始処理を終了する。
以上のように本実施形態ではノイズ環境下で送信が延期される無線通信システムであってアクセスポイントAPがノイズ環境下にあるため、図14に示すように、電子レンジノイズによりキャリアの帯域の電波の強さが閾値をこえている期間(区間0、1、2、7、8、9、10、15)は、探索パケットの送信が延期され(※で示す)、電波の強さが閾値をこえていない期間に探索パケットが送信される(◎で示す)。
なお、アクセスポイントAPは、予め、探索パケットの送信間隔、探索パケットの送信を続ける期間(例えば、電子レンジ11の電源の周期の2倍の期間)、探索パケットの送信レートを設定しているものとする。また、電源周波数のリージョンコードも設定しているものとする。リージョンコードは電源周波数が特定できればよいので、周波数(Hz)を指定してもよい。また、電子レンジモードタイムアウト時間を設定する。
また、アクセスポイントAPと、ステーションSTAとは、予めまたは必要に応じて、ビーコンのタイムスタンプ情報などで時刻合わせを行っているものとする。
次に、「探索パケット受信期間」について説明する。
まず、探索パケットの構成について図16をつかって説明する。
探索パケットは、MACヘッダ(24バイト)と、LLCヘッダ(6バイト)と、データ部とFCS(4バイト)とから構成されている。データ部は、パケットタイプを識別するフィールド(1バイト)と、パケットの長さを示すフィールド(2バイト)と、ノイズ探索を開始した時間を示すフィールド(8バイト)と、ノイズ探索を終了する時間を示すフィールド(8バイト)と、探索パケットの送信間隔を示すフィールド(4バイト)から構成されており、パケットタイプを識別するフィールドには、TYPE1を示すコードが入っている。
次に、探索パケットを受信する際のステーションSTAの動作について図22をつかって説明する。
ステーションSTAは、アクセスポイントAPから探索パケットを受信すると、受信した探索パケットの図示しないヘッダ部のVENDERフィールドから電子レンジモードコードであると判定し(S141、YES)、ステップS143(受信パケットのタイプを判定するステップ)において、受信パケットのタイプがTYPE1であることから探索パケットであると判定(S143、TYPE1)する。そして、電子レンジモードをONにし(S146)、ステーションSTAのSTATUSを1(通信可能期間探索中)とし(S147)、探索パケットの受信結果を記録する(S148)。そして電子レンジモードがONになって最初の探索パケットであるか判定する(S149)。受信した探索パケットが最初の探索パケットである場合(S149、YES)、探索パケットに含まれるノイズ探索期間開始時間、ノイズ探索期間終了時間、送信間隔を読み出し、受信結果を解析する各区間の時間範囲、すなわちそれぞれの解析区間の長さを算出しメモリに保存する(S150)。受信した探索パケットが最初の探索パケットでない場合(S149、NO)は、次のステップS151へ進む。
次に、現在時間をもって探索パケットの受信時間とし、受信時間は各解析区間の何番目にあたるかを求め(S151)、各解析区間ごとに次の処理を行う。受信時間が解析区間の区間1に対応すれば、区間1に探索パケットを受信したことをメモリに記録し(S152)、受信時間が解析区間の区間2に対応すれば、区間2に探索パケットを受信したことをメモリに記録し(S153)、他の区間であれば同様に、対応する区間に探索パケットを受信したことをメモリに記録し、パケット受信処理を終了する。
なお、探索パケットの受信は、現在時間がノイズ探索期間終了時間になるまで行われる。
本実施の形態では、図14に示すように、探索パケットの送信が延期(区間0、1等)されたり、探索パケットが送信されても探索パケットの受信に失敗(STA1の区間2等)したりして、探索パケットを受信できなかった場合は、受信できなかったことをメモリに記録(×で示す)し、探索パケットを受信した場合は、受信したことをメモリに記録する(○で示す)。
次に、「通信可能期間割り出し期間」について説明する。
ノイズ探索期間終了時間になると、STAのメモリに記憶された受信結果から電子レンジ11の電源の周期毎のバイナリデータを得る。本実施の形態では、図14に示された受信結果から、ステーションSTA1では、0001110000011100と0001110000011100、ステーションSTA2では、0001111000011100と0001111000011110、ステーションSTA3では0001111000011110と0001111000011110を得る。
次に、バイナリデータから通信できる期間を割り出す。
本実施の形態の場合、2つのバイナリデータを比較して通信可能期間を割り出す。
STA2の場合、2つのバイナリデータを比較すると、区間14の値(15バイト目に対応)が異なることがわかる。この場合、区間14は探索パケットを受信できなかったものとする。したがって、STA1の通信可能期間は、区間3〜区間6(4バイト目〜7バイト目に対応)と区間11〜13(12バイト目〜14バイト目に対応)となる。
STA1の場合、2つのバイナリデータは同じであるため、通信可能期間は、区間3〜区間5(4バイト目〜6バイト目に対応)と区間10〜13(11バイト目〜14バイト目に対応)となる。
STA3の場合、2つのバイナリデータは同じであるため、通信可能期間は、区間2〜区間5(3バイト目〜6バイト目に対応)と区間10〜14(11バイト目〜15バイト目に対応)となる。
ここで、ステーションSTAはすでに、受信結果から通信可能な期間を求めているので、これ以降は、ノイズ期間を回避して送信を行うことができる。
次に第2の期間の動作について詳細に説明する。
第2の期間では、ステーションSTAは、解析結果通知パケットをアクセスポイントAPに送信し、アクセスポイントAPで受信される。以降では、まず、ステーションSTAが解析結果通知パケットを送信する動作を説明し、次に、アクセスポイントAPが解析結果通知パケットを受信する動作を説明する。
まず、解析結果通知パケットの構成の例を図17に示す。
解析結果通知パケットは、MACヘッダ(24バイト)と、LLCヘッダ(6バイト)と、データ部とFCS(4バイト)とから構成されている。データ部は、パケットタイプを識別するフィールド(1バイト)と、パケットの長さを示すフィールド(2バイト)と、通信可能期間解析結果を示すフィールド(0〜1024バイト)とから構成されており、パケットタイプを識別するフィールドには、TYPE2を示すコードが入っている。なお、通信可能期間解析結果を示すフィールドには、例えば、本実施の形態のステーションSTA1の通信可能期間解析結果0001110000011100が入っている。
次に、ステーションSTAが解析結果通知パケットを送信する動作を、図23のフローチャートを参照して説明する。
ステーションSTAは、解析が終了すると、ステーションSTAのステータスを2(通信可能期間探索済み)とし、通信可能期間解析結果を含む解析結果通知パケットをアクセスポイントAPに送信する動作に入る。
まず、ステーションSTAは、電子レンジモードがONであると判定し(S161、YES)、ステップS163(ステータスが2であるか判定するステップ)において、ステータスは2であると判断する(S163、YES)。そして、現在時間が通信可能期間であるか判断する(S165)。現在時間が通信可能期間であるかどうかは、送信開始時間と前記送信終了時間に基づいて、現在時間から電子レンジ11の電源の周期の任意整数倍前の時間が前記複数の解析区間の内何番目の解析区間に属するかを割り出し、当該の解析区間の結果を読み取ることでわかる。
現在時間が通信可能期間でない場合(S165、NO)は、SLEEPして通信可能期間になるまで待ち(S166)、その後ステップS165に戻る。
現在時間が通信可能期間である場合(S165、YES)は、送信レートとデータサイズから送信データの最後のビットまで送信に要する時間、すなわち、送信データ送信所要時間を算出して、現在時間に送信データ送信所要時間を加えた時間が通信可能期間にある場合(S167、NO)、通常のデータ送信を行う(S168)。現在時間に送信データ送信所要時間を加えた時間が通信可能期間にない場合(S167、YES)は、データを分割し、分割したパケットの最後のビットが送信される時間が通信可能期間でない場合(S169、NO)は、SLEEPして通信可能期間になるまで待ち(S166)、その後ステップS165に戻る。分割したパケットの最後のビットが送信される時間が通信可能期間にある場合(S169、YES)は、フラグメントパケットを送信し(S170)、パケット送信処理を終了する。
次に、アクセスポイントAPが解析結果通知パケットを受信する動作について、図19のフローチャートを参照して説明する。アクセスポイントAPは、ステーションSTAから解析結果通知パケットを受信すると、受信した解析結果通知パケットの図示しないヘッダ部のVENDERフィールドから電子レンジモードコードであると判定し(S111、YES)、ステップS112(受信パケットのタイプを判定するステップ)において、受信パケットのタイプがTYPE2であることから解析結果通知パケットであると判定(S113、TYPE2)する。そして、ヘッダに含まれる送信元アドレスから受信した解析結果通知パケットがどのステーションSTAから送られてきたものなのか判断し、送信元のステーションSTAごとに通信可能期間解析結果を保存する(S115)。
次に、第3の期間の動作について説明する。
第3の期間は、電子レンジ11がONである間、電子レンジモードにおけるデータの送受信を行う。すなわち、前述の通信可能期間解析結果に基づいて、ノイズ期間を回避して通信可能期間にデータの送受信を行う。
まず、ステーションSTAのデータパケットの送信動作を、図23のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステーションSTAは、フラグである電子レンジモードがONであると判定し(S161、YES)、ステップS163においてステータスが2(通信可能期間探索済み)であるか判定する。ステータスが2でない場合(S163、NO)は、SLEEPして通信可能期間になるまで待ち(S164)、ステップS161へ戻る。
ステータスが2である場合(S163、YES)は、現在時間が通信可能期間であるかどうか判断し(S165)、現在時間が通信可能期間でない場合(S165、NO)、SLEEPして通信可能期間になるまで待ち(S166)、ステップS165に戻る。
現在時間が通信可能期間である場合(S165、YES)は、送信レートとデータサイズから送信データの最後のビットまで送信に要する時間、すなわち、送信データ送信所要時間を算出して、現在時間に送信データ送信所要時間を加えた時間が通信可能期間にある場合(S167、NO)、通常のデータ送信を行う(S168)。現在時間に送信データ送信所要時間を加えた時間が通信可能期間にない場合(S167、YES)、データを分割し、分割したパケットの最後のビットが送信される時間が通信可能期間でない場合(S169、NO)は、SLEEPして通信可能期間になるまで待ち(S166)、ステップS165に戻る。フラグメントしたパケットの最後のビットが送信される時間が通信可能期間にある場合(S169、YES)は、フラグメントパケットを送信し(S170)、パケット送信処理を終了する。
次に、アクセスポイントAPのデータパケットの受信動作を、図19のフローチャートを参照して説明する。
アクセスポイントAPは、ステーションSTAからデータパケットを受信すると、受信したデータパケットの図示しないヘッダ部のVENDERフィールドから電子レンジモードコードでないと判定し(S111、NO)、通常のデータ受信処理(S112)を行う。
次に、アクセスポイントAPのデータパケットの送信動作を、図24を参照して説明する。まず、送信先のステーションSTAが電子レンジモードかどうか判断する(S181)。電子レンジモードがONでない場合(S181、NO)は、通常のデータ送信を行う(S182)。電子レンジモードがONである場合(S181、YES)は、送信先のステーションSTAから解析結果通知パケットをすでに受信しているかどうか判定し(S183)、まだ受信していない場合(S183、NO)は、データを分割して送信する。解析結果通知パケットをすでに受信している場合(S183、YES)は、解析結果通知パケットに含まれる通信可能期間解析結果から、現在時間が通信可能期間にあるかどうか判定する(S185)。現在時間が通信可能期間でない場合(S185、NO)は、次の通信可能期間までSLEEPし(S186)、ステップS185に戻る。現在時間が送信可能期間にある場合(S185、YES)、データパケットの最終ビットが送信される時間、すなわち、送信データ送信所要時間に現在時間を加えた時間が、通信可能期間にあるかどうか判断し(S187)、通信可能期間にある場合(S187、NO)は、データ送信を行う(S188)。通信可能期間にない場合(S187、YES)はパケットを分割し、フラグメントパケットの最終ビットを送信する時間が通信可能期間にあるかどうか判断する(S189)。そして、通信期間にない場合(S189、NO)は、次の通信可能期間までSLEEPし(S186)、フラグメントパケットの最終ビットが送信される時間が通信可能期間にあれば(S189、YES)、、フラグメントパケットを送信して(S190)、パケット送信処理を終了する。
次に、ステーションSTAのデータパケットの受信の動作を、図22のフローチャートを参照して説明する。
ステーションSTAは、アクセスポイントAPからデータパケットを受信すると、受信したデータパケットの図示しないヘッダ部のVENDERフィールドから電子レンジモードコードでないと判定し(S141、NO)、通常のデータ受信処理(S142)を行う。
次に、第4の期間について動作を説明する。
まず、電源OFF報知パケットの構成について図18をつかって説明する。
電源OFF報知パケットは、MACヘッダ(24バイト)と、LLCヘッダ(6バイト)と、データ部とFCS(4バイト)とから構成されている。データ部は、パケットタイプを識別するフィールド(1バイト)と、パケットの長さを示すフィールド(2バイト)と、NULLデータ(0バイト)とから構成されており、パケットタイプを識別するフィールドには、TYPE3を示すコードが入っている。
次に、電源OFF報知パケットを受信する際のアクセスポイントAPの動作について図19をつかって説明する。
電子レンジ11が停止すると、電子レンジ11からアクセスポイントAPに電源OFF報知パケットが通知される。
アクセスポイントAPは、図19に示すように、電源OFF報知パケットを受信すると、受信した電源OFF報知パケットの図示しないヘッダ部のVENDERフィールドから電子レンジモードコードであると判定し(S111、YES)、ステップS113(受信パケットのタイプを判定するステップ)において、受信パケットのタイプがTYPE3であることから電源OFF報知パケットであると判定(S113、TYPE3)する。そして、電子レンジモード終了処理を行う(S116)。
ここで、ステップS116の電子レンジモード終了処理について、図21を参照して説明する。まず、アクセスポイントAPは電子レンジから電源OFF報知パケットを受信すると、電源OFF報知パケットをブロードキャストで送信する(S131)。ここでは、すでにノイズの影響はないので、通常の送信を行う。次に、電子レンジモードをOFFにし(S132)、電子レンジモードタイマを停止する(S133)。これ以降は通常の送受信を行う。
次に、電源OFF報知パケットを受信する際のステーションSTAの動作を説明する。
ステーションSTAは、図22に示すように、アクセスポイントAPから電源OFF報知パケットを受信すると、受信した電源OFF報知パケットの図示しないヘッダ部のVENDERフィールドから電子レンジモードコードであると判定し(S141、YES)、ステップS143(受信パケットのタイプを判定するステップ)において、受信パケットのタイプがTYPE3であることから電源OFF報知パケットであると判定(S143、TYPE3)する。そして、電子レンジモードをOFFにし(S144)、STATUSを0(初期状態)とする(S145)。
これ以降は、ステーションSTAは、通常のデータ送信を行う。
以上本実施の形態について説明した。
第5の実施の形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)各解析区間内で探索パケットを受信したかどうか判定することで通信可能期間を割り出しているため、ノイズ環境下で送信が延期されるような無線通信システムにおいて、アクセスポイントAPがノイズ環境下であっても通信可能期間を検出することができる。
(2)探索パケットをブロードキャストで送信するので、ステーションが多い場合にユニキャストですべてのステーションSTAに順番に探索パケットを送信する場合に比べて、ノイズ探索の時間を短縮することができ、処理負荷が低減でき、消費電力が小さくなる。
(3)ステーションSTAにおいてノイズ探索期間の開始時間と終了時間がわかるので、ノイズ探索期間内で探索パケットを受信しない期間はノイズ期間であることがわかる。
(4)通信可能期間解析結果を送信元のステーションSTAごとに保存するので、ステーションSTAのノイズの影響の程度がそれぞれ異なり、通信可能期間が異なっていても、アクセスポイントAPは、送信の宛先であるそれぞれのステーションSTAの適切なタイミングで送信することができる。
(5)送信開始時間と前記送信終了時間に基づいて、現在時間から電子レンジ11の電源の周期の任意整数倍前の時間が前記複数の解析区間の内何番目の解析区間に属するかを割り出し、当該の解析区間の結果を読み取ることで現在時間が通信可能期間であるかどうか判断している。したがって、一度通信可能な期間を割り出せば、以降は探索パケットをつかって通信可能期間の割り出す必要がなくなるため、処理負荷が低減でき、消費電力が少なくなる。
(6)探索パケットには、複数の探索パケットの送信終了時間であるノイズ探索期間終了時間が含まれているため、ステーションSTAは現在時間がノイズ探索期間終了時間に達すれば探索パケットの送信が終了したことがわかる。
第5の実施の形態は、上述した実施の形態に限らず、例えば、以下のように構成しても良い。
本実施の形態では、各解析区間内で探索パケットを受信したかどうか判定することで通信可能期間を割り出しているが、これに限られず、各解析区間内に送信されるべき探索パケットの区間内送信数に対する当該の区間内の探索パケット受信数の比(区間内受信数/区間内送信数)を算出し、この比が、予め定めた受信割合閾値より大きいがどうか判定することにより通信可能期間を割り出すようにしてもよい。
上記通信可能期間割り出し方法について図25をつかって説明する。
縦長の四角形は探索パケットの受信を示す。1段目と2段目は例えば電子レンジの電源の周期の1周期めと2周期めに相当する。
図25に示す例は、区間内で探索パケットが送信されるべき数4個に対して探索パケットを3個以上の割合で受信に成功した場合を通信可能期間と見なす場合の例である。また、解析区間の数は16区間である。
例えば、1周期めにおいて、区間内受信数は、区間2では3個受信し、区間5では1個だけ受信し、区間12では2個受信している。
2周期めも区間1から始まる。2周期めにおいて、区間2では3個受信して合計6個である。受信割合閾値による判定は、受信割合閾値以上であり、受信結果は○である。区間5では1個受信して合計2個であるので、受信割合閾値未満であり、受信結果は×である。区間12では、3個受信して合計5個であるので、受信割合閾値以上であり、受信結果は○である。左下の各区間の受信数と合否はこの処理に対応する値と判定をまとめたものであり、ステーションSTAのメモリなどに記憶される。
こうして、区間1〜16までの受信結果を記録すると、バイナリデータとして1111000011110000が得られる。このデータが通信可能期間解析結果である。
なお、値が1であるビットに対応する区間の時間に電子レンジ11の電源の周期の任意整数倍を経た時間が通信可能期間であることがわかる。
通信可能期間割り出し方法は、他に、探索パケットを受信した時間から算出する方法、誤り率が所定の割合より低い探索パケットを受信した時間から算出する方法などがある。具体的には、例えば、受信時間の間隔を記録し、間隔が長い期間をノイズ期間に属すると見なす方法などがある。
送信開始時間と前記送信終了時間に基づいて、現在時間から電子レンジ11の電源の周期の任意整数倍前の時間が前記複数の解析区間の内何番目の解析区間に属するかを割り出しているが、これに限られず、例えば、送信開始時間または前記送信終了時間と探索パケット送信間隔とから、現在時間から電子レンジ11の電源の周期の任意整数倍前の時間が前記複数の解析区間の内何番目の解析区間に属するか割り出してもよい。
誤り率が所定の割合より高い探索パケットを受信した時は、その解析区間をノイズ期間として記録してもよい。
探索パケットは、ノイズ探索期間開始時間と探索パケット送信間隔を含まず、ノイズ探索期間終了時間のみを含む構成であってもよい。また、探索パケット送信間隔を予め定めておくようにすることができる。この構成でもステーションSTAが複数の探索パケットの送信が終了したことがわかるので、、探索パケット受信動作から次の動作へ移行することができる。
探索パケットは、送信順に付与されるパケットシーケンス番号を含む構成にしてもよいし、ノイズ探索期間に送信されるべきパケット数の合計を含む構成にしてもよい。
例えば、ノイズ探索期間開始時間、ノイズ探索期間終了時間に代えて、パケットシーケンス番号とその合計数を含む構成にした場合、ステーションSTAでは、受信した探索パケットのパケットシーケンス番号に対応する受信結果を記録し、この受信結果に基づいて、通信可能期間を検出することができる。また、ステーションSTAでは、送信されるべき合計数がわかるので、所定の期間で通信可能期間を検出することができる。
探索パケットを送信する無線装置をアクセスポイントAPとし、一方、探索パケットを受信する無線装置をステーションSTAとしたが、探索パケットを送信する無線装置は、ステーションSTAでもかまわない。また、探索パケットを受信する無線装置は、アクセスポイントAPでもかまわない。例えば、複数の無線端末装置だけから構成され、無線端末装置どうしで互いに通信する無線通信システムにおいて、特定の無線端末装置が前述のアクセスポイントAPと同様の動作を行えばよい。複数の無線端末装置だけから構成される無線通信システムの例として、無線LANシステムのアドホックモードがある。このような無線通信システムにおいても、通信可能な期間を検出することができる。
通信可能な期間に送信するフラグメントパケット長は固定としてもよいし、あるいは、適宜、適切なパケット長を求め、送信してもよい。現在時刻と、パケット長に対する送信所要時間が通信可能期間であるかどうかは前述と同様に判定する。
電源OFF報知パケットをブロードキャストで送信したが、ユニキャストですべてのステーションSTAに順に送信してもよい。
探索パケットをブロードキャストで送信したが、ユニキャストですべてのステーションSTAに順に探索パケットを送信してもよい。
以上で、本発明の第5の実施の形態と、第5の実施の形態に関連した他の実施の形態について述べた。
さらに、本発明は、上述した実施の形態に限らず、例えば、以下のように構成しても良い。
(1)第1の実施の形態では、1台のステーションのノイズ期間を検出したなら、そのノイズ期間に他のステーションに探索パケットを送信して応答パケットACKを返信しないステーションに対してノイズ期間の探索を行うようにしているが、このような探索方法に限らず、例えば、ノイズの影響を受けていると認識(または推定)されたステーションに対してのみノイズ期間の探索を行うようにしても良い。
(2)本発明は、電子レンジのノイズに限らず、ノイズレベルが周期的に変化するようなノイズであれば他のノイズに対しても適用できる。
(3)本発明は無線LANに限らず、他の無線通信システムにも適用できる。
探索対象ステーションのノイズ期間と通信可能期間の説明図である。 ポーリングによる通信制御方法の説明図である。 電子レンジノイズ解析処理のフローチャートである。 探索パケットSの送信間隔を示す図である。 探索パケットSの送信処理のフローチャートである。 図6(A)はステーション毎の状態テーブルを示す図であり、図6(B)はステータスの説明図である。 データの送信権を制御する処理のフローチャートである。 電子レンジのノイズの影響を受けなくなった場合の処理のフローチャートである。 図9(A)、(B)はノイズ期間と通信可能期間の解析の説明図である。 第2の実施の形態の電子レンジとステーションの位置の説明図である。 第2の実施の形態の無線通信方法の説明図である。 本発明の第5の実施の形態における電子レンジとアクセスポイントとステーションとの位置関係を示す図である。 本発明の第5の実施の形態における動作の概要を示す図である。 本発明の第5の実施の形態におけるアクセスポイントが探索パケットを送信するタイミングとステーションが探索パケットを受信するタイミングを示す図である。 本発明の第5の実施の形態における電源ON報知パケットの構成を示す図である。 本発明の第5の実施の形態における探索パケットの構成を示す図である。 本発明の第5の実施の形態における解析結果通知パケットの構成を示す図である。 本発明の第5の実施の形態における電源OFF報知パケットの構成を示す図である。 本発明の第5の実施の形態におけるアクセスポイントの動作を示す図である。 本発明の第5の実施の形態における電子レンジモード開始処理を示す図である。 本発明の第5の実施の形態における電子レンジモード終了処理を示す図である。 本発明の第5の実施の形態におけるステーションの受信動作を示す図である。 本発明の第5の実施の形態におけるステーションの送信動作を示す図である。 本発明の第5の実施の形態におけるアクセスポイント送信動作を示す図である。 本発明の第5の実施の形態における他の構成を示す図である。 従来技術における無線通信システムの電子レンジノイズの影響の説明図である。 従来技術における電子レンジとアクセスポイントとステーションとの位置関係を示す図である。
符号の説明
11 電子レンジ
12 通信手段
AP アクセスポイント
21 ステーション毎の状態テーブル
STA ステーション
STA1〜STA5 ステーション

Claims (22)

  1. 複数の探索パケットかまたは前記複数の探索パケットに対する応答パケットを受信する受信手段と、
    前記受信手段の受信状況から通信可能な期間を割り出す検出手段と、
    前記検出手段で前記通信可能な期間が割り出された後は、後続する通信可能な期間に無線通信を行う手段とを備える無線装置。
  2. 複数の無線端末装置との間で無線通信を行う無線通信装置であって、
    前記複数の無線端末装置の内の所定の無線端末装置を宛先として探索パケットを所定期間繰り返し送信する探索パケット送信手段と、
    前記探索パケットに対する前記無線端末装置の応答パケットを受信する受信手段と、
    前記受信手段により受信される応答パケットの数が所定数以下のノイズ期間とその周期を検出する検出手段と、
    前記検出手段によりノイズ期間とその周期が検出された場合に、前記無線端末装置に対してノイズ期間以外の期間にデータの送信権を与える送信権制御手段とを備える無線通信装置。
  3. 前記送信権制御手段は、前記検出手段によりノイズ期間が検出された無線端末装置に対してノイズ期間以外の期間にデータの送信権を優先的に与える請求項2記載の無線通信装置。
  4. 前記送信権制御手段は、前記検出手段によりノイズ期間が検出された無線端末装置に対してノイズ期間以外の期間にデータの送信権を優先的に与え、ノイズ期間が検出されなかった無線端末装置に対しては、ノイズ期間またはノイズ期間を含む全期間にデータの送信権を与える請求項2記載の無線通信装置。
  5. 前記探索パケット送信手段は、前記検出手段により前記探索パケットの宛先の無線端末装置にノイズ期間が検出された場合に、ノイズ期間に他の全ての無線端末装置を宛先として順に前記探索パケットを所定回数送信し、ノイズ期間に応答パケットを返信してこない無線端末装置をノイズの影響を受けている無線端末装置と推定し、ノイズの影響を受けていると推定した無線端末装置を宛先として所定期間繰り返し前記探索パケットを送信し、
    前記検出手段は、前記探索パケットの送信先の無線端末装置の応答パケットの数が所定数以下のノイズ期間が存在するか否かを検出する請求項2記載の無線通信装置。
  6. 前記探索パケット送信手段は、通常のパケットの送信に対して応答パケットを返信しない無線端末装置が存在する場合に、応答パケットを返信しない無線端末装置に対して探索パケットの送信を行う請求項2記載の無線通信装置。
  7. 前記探索パケット送信手段は、配下の全ての無線端末装置に対して順に所定期間繰り返し探索パケットを送信し、
    前記送信権制御手段は、ノイズ期間が検出された無線端末装置に対して、各無線端末装置のノイズ期間以外の期間にデータの送信権を与える請求項2記載の無線通信装置。
  8. 前記探索パケット送信手段は、配下の全ての無線通信端末装置に所定期間繰り返し探索パケットをブロードキャストにより送信し、
    前記送信権制御手段は、各無線端末装置の通信可能な期間を報知するパケットに基づいてそれぞれの無線端末装置が通信可能な期間にデータの送信権を与える請求項2記載の無線通信装置。
  9. 無線通信装置と複数の無線端末装置とからなる無線通信システムの無線通信方法であって、
    探索パケットを所定期間繰り返し送信し、
    前記探索パケットに対する前記無線端末装置の応答パケットを受信し、受信した応答パケットの数を記憶手段に記憶し、
    前記記憶手段に記憶された前記応答パケットの数が所定数以下のノイズ期間が存在するか否かを検出し、
    ノイズ期間が検出された無線端末装置に対して前記ノイズ期間以外の期間にデータの送信権を与える無線通信方法。
  10. ノイズ期間が検出された無線端末装置に対してはノイズ期間以外の期間にデータの送信権を優先的に与え、ノイズ期間が検出されなかった無線端末装置に対してはノイズ期間またはノイズ期間を含む全期間にデータの送信権を与える請求項9記載の無線通信方法。
  11. 複数の探索パケットを受信する受信手段と、
    前記複数の探索パケットの受信状況から通信可能な期間を割り出す検出手段と、
    前記通信可能な期間が割り出された後は、後続する通信可能な期間にデータを送信する手段と
    を備えて無線通信を行う無線装置。
  12. 前記検出手段は、前記複数の探索パケットが受信されるべき期間を、複数の解析区間に分け、
    前記解析区間内に前記探索パケットを受信した時または誤り率が所定の割合より低い前記探索パケットを受信した時、前記解析区間を通信可能な期間として記録し、
    前記解析区間内に前記探索パケットを受信しなかった時または誤り率が所定の割合より高い前記探索パケットを受信した時、前記解析区間をノイズ期間として記録することを特徴とする請求項11記載の無線装置。
  13. 前記検出手段は、前記複数の探索パケットが受信されるべき期間を、複数の解析区間に分け、
    前記解析区間内に受信された前記探索パケットの数が所定の数より多い時、前記解析区間を通信可能な期間として記録し、
    前記解析区間内に受信された前記探索パケットの数が所定の数より少ない時、前記解析区間をノイズ期間として記録することを特徴とする請求項11記載の無線装置。
  14. 前記ノイズは周期的にノイズを発生させる装置からのノイズである請求項12または13に記載の無線装置。
  15. 前記探索パケットには、前記複数の探索パケットの送信開始時間と送信終了時間が含まれており、
    前記送信する手段は、前記送信開始時間と前記送信終了時間に基づいて、現在時間から前記周期的にノイズを発生させる装置の電源の周期の任意整数倍前の時間が前記複数の解析区間の内どの解析区間に属するかを割り出し、前記割り出した解析区間が通信可能な期間の場合、現在時間は通信可能な期間であると判断してデータを送信することを特徴とする請求項14に記載の無線装置。
  16. 前記通信可能な期間は、前記探索パケットを受信した時間から算出する請求項11記載の無線装置。
  17. 前記通信可能な期間は、誤り率が所定の割合より低い前記探索パケットを受信した時間から算出する請求項11記載の無線装置。
  18. 前記探索パケットはブロードキャストパケットである請求項11から請求項17の何れか1項に記載の無線装置。
  19. 複数の無線装置からなる無線通信システムであって、
    前記無線装置のうち第1の無線装置は、複数の探索パケットを送信する送信手段を備え、
    前記第1の無線装置以外の無線装置は、
    前記複数の探索パケットを受信する受信手段と、
    前記複数の探索パケットの受信状況から通信可能な期間を割り出す検出手段と、
    前記通信可能な期間が割り出された後は、後続する通信可能な期間にデータを送信する手段と
    を備えることを特徴とする無線通信システム。
  20. 前記第1の無線装置以外の無線装置は、前記通信可能な期間の情報を、前記第1の無線装置に通信可能期間データとして送信する手段を備え、
    前記第1の無線装置は、
    前記送信された通信可能期間データを受信する手段と、
    前記通信可能期間データを、前記通信可能期間データの送信元である前記無線装置ごとに保持する手段と、
    前記通信可能期間データの送信元である前記無線装置に対して、対応する前記通信可能期間データに基づく通信可能な期間にデータを送信する手段と
    を備える請求項19に記載の無線通信システム。
  21. 複数の無線装置からなる無線通信システムの無線通信方法であって、
    前記無線装置のうち第1の無線装置は、複数の探索パケットを送信し、
    前記第1の無線装置以外の無線装置は、
    前記複数の探索パケットを受信し、
    前記複数の探索パケットの受信状況から通信可能な期間を割り出し、
    前記通信可能な期間が割り出された後は前記通信可能な期間にデータを送信することを特徴とする無線通信システムの無線通信方法。
  22. 複数の探索パケットを受信する処理と、
    前記複数の探索パケットの受信状況から通信可能な期間を割り出す処理と、
    前記通信可能な期間が割り出された後は、後続する通信可能な期間にデータを送信する処理とをコンピュータに実行させる命令を含むプログラムを格納したコンピュータに読み取り可能な記録媒体。


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