JP2007060280A - デジタルコンテンツ作成装置およびデジタルコンテンツ改変検出装置およびデジタルコンテンツ改変鑑定システム - Google Patents

デジタルコンテンツ作成装置およびデジタルコンテンツ改変検出装置およびデジタルコンテンツ改変鑑定システム Download PDF

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Abstract

【課題】 JPEG形式のような圧縮形式のデジタルコンテンツであっても改変の有無とともに改変箇所を狭い範囲で特定することができるデジタルコンテンツ改変鑑定システムを提供する。
【解決手段】
原本デジタルコンテンツに秘密情報を埋め込むことにより秘密情報付きデジタルコンテンツを作成するデジタルコンテンツ作成装置と、鑑定対象である秘密情報付きデジタルコンテンツに埋め込まれた秘密情報を参照して当該秘密情報付きデジタルコンテンツに対する改変を検出するデジタルコンテンツ改変検出装置とからなるり、原本デジタルコンテンツをブロック化し、原本デジタルコンテンツの固有情報を、公開鍵暗号方式を利用して符号化するとともに誤り訂正符号化し、誤り訂正符号を断片化して断片化ビットとし、これを各ブロックに秘密情報として埋め込み、改変があったときに、誤り訂正符号の性質を利用して、改変位置を特定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、改変のない本来のデジタルコンテンツ(原本デジタルコンテンツという)に秘密情報を埋め込んで秘密情報付きデジタルコンテンツを作成しておき、秘密情報付きデジタルコンテンツに埋め込んだ秘密情報を参照することにより、秘密情報付きデジタルコンテンツに対する改変の有無を鑑定して、デジタルコンテンツについての原本性(正真性)を確認できるようにしたデジタルコンテンツ改変鑑定システム、および、この改変鑑定システムに用いるデジタルコンテンツ作成装置およびデジタルコンテンツ改変検出装置に関する。
近年、画像、映像、オーディオ等の分野でデジタル機器の普及が進み、画像データ、動画像データ、音楽データ等のデジタルコンテンツが日常的に利用されるようになってきている。
デジタルコンテンツは、複製・編集・配布・保管が容易である半面、改変されてもその痕跡が残らないため、原本性(改変されていないこと)の証明が困難である。
原本証明を行う方法として、デジタルコンテンツのひとつであるデジタル画像データでは、原画像に秘密情報を埋め込んだ電子透かしを利用して改変の有無を確認する方法が提案されている(例えば非特許文献1参照)。
上記文献による電子透かしを用いた手法では、秘密情報を埋め込むときと、改変の検出を行うときに、同じ秘密鍵を用いている。そのため、利用者にとっては原本性の確認作業を、秘密鍵で電子透かしを埋め込んだ者に依頼することが必要になり、利便性が損なわれる。
そのため、公開鍵暗号を利用して、誰でもが原本性の確認を行える方法が提案されている(例えば非特許文献2参照)。
豊川和治、森本典繁、利根川聡子、上條浩一、小出昭夫:"保険クレーム処理グループワークシステムにおけるデジタル写真の改ざん防止と検出機能、"信学技報、IE99-38、pp.1-8(1999-09). 杉村友幸、西垣正勝、中村逸一、曽我正和、田窪昭夫、"公開鍵暗号を用いたアルゴリズム公開型電子透かしによる弱い透かし、"SCIS2003、pp.971-976(2003).
しかしながら、上述したような公開鍵暗号による電子透かし方法は、非圧縮形式であるビットマップ形式(BMP形式)の画像データを対象としたものである。デジタル画像データを作成するデジタルカメラでは、JPEG形式での圧縮画像が標準的に用いられており、実用的にはJPEG圧縮画像を対象とした電子透かし方法が求められている。
また、改変を検出する際に、改変の有無とともに、できるだけ狭い範囲で改変箇所を特定できることが望ましい。一般に、公開鍵暗号を利用する場合には、鍵長は長ければ長いほど安全性が高くなる。よく知られた公開鍵暗号のひとつであるRSA暗号では、1000ビット以上の暗号データ量とするのが安全性の面からは望ましい。その一方で、埋め込む暗号データ量が1000ビット程度まで増大すると、改変箇所の特定範囲を狭くできないという問題がある。
そこで、本発明は、非圧縮形式のデジタルコンテンツだけではなく、JPEG形式のような圧縮形式のデジタルコンテンツであっても適用することが可能な電子透かし方法(秘密情報埋め込み方法)を用いたデジタルコンテンツ作成装置およびデジタルコンテンツ改変検出装置およびデジタルコンテンツ改変鑑定システムを提供することを目的とする。
また、本発明は、改変があった場合に、改変の有無とともに改変箇所を狭い範囲で特定することができ、しかも十分に高い安全性が担保できる程度の公開鍵暗号(例えばRSA暗号で1000ビット以上)を利用することもできる電子透かし方法(秘密情報埋め込み方法)を用いたデジタルコンテンツ作成装置およびデジタルコンテンツ改変検出装置およびデジタルコンテンツ改変鑑定システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明のひとつであるデジタルコンテンツ作成装置は、本来のデジタルデータである原本デジタルコンテンツ(画像、動画像、音楽等のデジタルデータ)に対し、公開鍵暗号化方法を利用するとともに断片化した誤り訂正符号を利用して秘密情報を埋め込むようにしている。
すなわち、本発明のデジタルコンテンツ作成装置は、原本デジタルコンテンツに秘密情報を埋め込むことにより秘密情報付きデジタルコンテンツを作成するデジタルコンテンツ作成装置であって、原本デジタルコンテンツを改変位置検出の単位となるブロックごとに分割する原本デジタルコンテンツブロック化部と、原本デジタルコンテンツの特徴部分から固有情報(m)を抽出する原本デジタルコンテンツ固有情報抽出部と、抽出した固有情報(m)に基づいて符号化固有情報(H(m))を作成する原本デジタルコンテンツ符号化固有情報作成部と、符号化固有情報(H(m))に基づいて秘密鍵により暗号化して暗号化固有情報(C(H(m)))を作成する暗号化固有情報作成部と、暗号化固有情報(C(H(m)))を誤り訂正符号化したビット列データであってビット列中のビットどうしの相互関係からビット列中の誤りビットを検出できるようにした誤り訂正符号化データ(E(C(H(m))))を作成する誤り訂正符号化データ作成部と、誤り訂正符号化データ(E(C(H(m))))のビット列を分割して断片化したビット断片(E(C(H(m))))を形成し、原本デジタルコンテンツのすべてのブロックに対し、原本デジタルコンテンツ固有情報抽出部が固有情報(m)を抽出する際に参照した特徴部分以外の各ブロックの冗長部分に少なくとも1つのビット断片(E(C(H(m))))が含まれるようにしてすべてのビット断片(E(C(H(m))))をいずれかのブロックに埋め込んだ秘密情報付きデジタルコンテンツを作成する誤り訂正符号化データビット断片埋め込み部とを備えるようにしている。
本発明によれば、デジタルコンテンツ作成装置は、原本デジタルコンテンツを改変位置検出の単位となるブロックごとに分割する。このブロックに含まれる画素数を少なくすればそれだけ改変位置検出の特定範囲を狭くすることになる。そして原本デジタルコンテンツの特徴部分から固有情報(m)を抽出する。この固有情報(m)は、秘密情報を作るときに利用する情報であり、秘密情報を原本デジタルコンテンツ自体の特徴部分から抽出することで、秘密情報による原本性の認証精度が高くなるようにしている。
抽出した固有情報(m)に基づいて、符号化固有情報(H(m))を作成する。符号化固有情報(H(m))は、原本デジタルコンテンツの特徴を抽出した固有情報(m)を、比較的短いビット列にして表現したものであり、例えばハッシュ関数(SHA−1、MD5等)を用いて符号化固有情報(H(m))を作成することができる。符号化固有情報(H(m))をハッシュ関数により求める場合は、固有情報(m)自体の情報量の大小に係らず、一定データ量の符号化固有情報(H(m))を算出することができる。
さらに、符号化固有情報(H(m))に基づいて、公開鍵暗号方式の暗号化を行うために秘密鍵により暗号化し、暗号化固有情報(C(H(m)))を作成する。公開鍵方式の暗号化アルゴリズムとしては、例えばRSA暗号化アルゴリズムを用いることができる。
さらに、作成された暗号化固有情報(C(H(m)))に基づいて、誤り訂正符号化したビット列データであってビット列中のビットどうしの相互関係からビット列中の誤りビットを検出できるようにした誤り訂正符号化データ(E(C(H(m))))を作成する。
暗号化固有情報(C(H(m)))から誤り訂正符号化データ(E(C(H(m))))を作成する目的は、誤り訂正符号化データの一部のビットが改変されたときに、改変前の元の誤り訂正符号化データ全体を元通りに復元させたいためではなく(この目的が誤り訂正符号化の本来の目的)、誤り訂正符号化データの一部のビットが改変されたときに、改変されたビットの位置を、誤り訂正符号化データのビットどうしの相互関係から検出できるようにするためである。このような目的で誤り訂正符号化データを用いることから、使用する誤り訂正符号方式は、符号化率は問題とならず、むしろ、符号化率が低くても誤り訂正能力が高い符号方式であることが好ましい。このため、例えば、誤り訂正符号化に、誤り訂正能力が高いLDPC(low density parity check)符号方式を用いることが好適である。
続いて、作成した誤り訂正符号化データ(E(C(H(m))))のビット列を分割して断片化したビット断片(E(C(H(m))))を形成する。このビット断片(E(C(H(m))))を、原本デジタルコンテンツのすべてのブロックに対し、原本デジタルコンテンツの各ブロックの特徴部分以外の各ブロック冗長部分に、少なくとも1つのビット断片(E(C(H(m))))が含まれるようにして、すべてのビット断片(E(C(H(m))))をいずれかのブロックに埋め込む。各ブロックの特徴部分以外の冗長部分に埋め込むのは、埋め込みにより、コンテンツの劣化を防ぐとともに、固有関数(m)に影響が及ぶのを避けるためである。
これにより、各ブロックには、誤り訂正符号化データ(E(C(H(m))))の少なくとも1つのビット断片(E(C(H(m))))が、各ブロックの特徴部分でない冗長部分に含まれることになる。
このようにしてビット断片(E(C(H(m))))を埋め込むことで、いずれかのブロックが改変された場合に、そのブロックに含まれているビット断片(E(C(H(m))))に改変されるようにする。
ビット断片(E(C(H(m))))が、埋め込まれたデジタルコンテンツ(秘密情報付きデジタルコンテンツという)が改変されると、後述するデジタルコンテンツ改変検出装置を用いて、誤り訂正符号化データが復号されたときに、復号された誤り訂正符号化データのビットどうしの相互関係から、改変されたビット断片(E(C(H(m))))が検出され、改変があったブロックが特定できることになる。
また、上記課題を解決するために、上記デジタルコンテンツ作成装置と関連してなされた本発明のデジタルコンテンツ改変検出装置は、秘密情報付きデジタルコンテンツに対して誤り訂正符号化データの復号化により改変箇所を含む改変情報を検出するとともに、他人が別の秘密鍵で情報を上書きする、いわゆる「なりすまし」による改変を、公開鍵を利用して検出するようにしている。
すなわち、本発明のデジタルコンテンツ改変検出装置は、鑑定対象である秘密情報付きデジタルコンテンツに埋め込まれた秘密情報を参照して当該秘密情報付きデジタルコンテンツに対する改変を検出するデジタルコンテンツ改変検出装置であって、秘密情報付きデジタルコンテンツを改変位置検出単位となるブロックに分割する秘密情報付きデジタルコンテンツブロック化部と、各ブロックに埋め込まれている誤り訂正符号化データのビット断片(E(C(H(m)))’)を抽出して再配列することにより誤り訂正符号化データ(E(C(H(m)))’)のビット列を復号する誤り訂正符号化データ復号部と、復号された誤り訂正符号化データ(E(C(H(m)))’)のビット列中のビットどうしの相互関係に基づいて誤りビットの有無及び誤りビットのビット位置を検出することによりブロック単位で改変の有無および改変箇所を特定する改変情報検出部と、誤りビットが検出されない場合に復号された誤り訂正符号化データ(E(C(H(m)))’)に基づいて暗号化固有情報(C(H(m))’)を復号する暗号化固有情報復号部と、復号した暗号化固有情報(C(H(m))’)に基づいて公開鍵により符号化固有情報(H(m)’)を復号する符号化固有情報複号部と、秘密情報付きデジタルコンテンツの特徴部分から新たに固有情報(m’)を抽出する秘密情報付きデジタルコンテンツ固有情報抽出部と、抽出した固有情報(m’)に基づいて符号化固有情報H(m’)を作成する秘密情報付きデジタルコンテンツ符号化固有情報作成部と、公開鍵により復号した符号化固有情報(H(m)’)と新たに抽出した固有情報(m’)に基づいて作成した符号化固有情報H(m’)とを比較して秘密情報付きデジタルコンテンツの正当性を検証する正当性検証部とを備えるようにしている。
本発明によれば、デジタルコンテンツ改変検出装置は、改変検出対象の秘密情報付きデジタルコンテンツを改変位置検出の単位となるブロックごとに分割する。このブロック分割の単位は、上述したデジタルコンテンツ作成装置によるブロック化と同じになるようにする。JPEG形式のように、圧縮工程でコンテンツのブロック化が行われるデータ形式では、改変位置検出の単位とするブロックを、圧縮工程でなされるブロックと同じブロックにしておく。例えば、JPEGの場合、一般に8×8画素ブロック単位で圧縮を行うので、改変検出のブロック単位をこれに合わせておけばよい。
また、非圧縮データ形式のようにブロック化が行われないデータ形式の場合は、デジタルコンテンツ作成装置とデジタルコンテンツ改変検出装置との間で、分割ブロック単位を予め、統一しておくようにしてもよい。
また、デジタルコンテンツにヘッダ部を付加し、ブロックを合わせるために必要な情報を、ヘッダ情報として付加しておくことで、デジタルコンテンツ作成装置とデジタルコンテンツ改変検出装置で情報をやりとりするようにしてもよい。
各ブロックに埋め込まれている誤り訂正符号化データのビット断片(E(C(H(m)))’)を抽出して再配列することにより、誤り訂正符号化データ(E(C(H(m)))’)のビット列を復号する。
復号された誤り訂正符号化データ(E(C(H(m)))’)のビット列中のビットどうしの相互関係に基づいて、誤りビットの有無及び誤りビットのビット位置を検出することにより、ブロック単位で改変の有無および改変箇所を特定することができる。
誤りビットが検出されなかった場合に、なりすましによる改変を検出するために、復号された誤り訂正符号化データに基づいて、公開鍵により暗号化固有情報(C(H(m))’)を復号する。さらに、復号した暗号化固有情報に基づいて、符号化固有情報(H(m)’)を複号する。
その一方で、秘密情報付きデジタルコンテンツの特徴部分から新たに固有情報(m’)を抽出する。抽出した固有情報(m’)に基づいて符号化固有情報H(m’)を作成する。公開鍵により復号した符号化固有情報(H(m)’)と、新たに抽出した固有情報(m’)に基づいて作成した符号化固有情報H(m’)とを比較する。
これにより、たとえ別の秘密鍵により秘密情報が上書きされたとしても、公開鍵により復号した符号化固有情報(H(m)’)と新たに抽出した固有情報(m’)に基づいて作成した符号化固有情報H(m’)との間で不一致になるので、なりすましによる改変を検出することができ、秘密情報付きデジタルコンテンツの正当性を検証することができる。
また、上記課題を解決するためになされた本発明のデジタルコンテンツ改変鑑定システムは、上述したデジタルコンテンツ作成装置と、デジタルコンテンツ改変検出装置とにより、改変鑑定システムを構築したものである。
すなわち、本発明のデジタルコンテンツ改変鑑定システムは、原本としての原本デジタルコンテンツに秘密情報を埋め込むことにより秘密情報付きデジタルコンテンツを作成するデジタルコンテンツ作成装置と、鑑定対象である秘密情報付きデジタルコンテンツに埋め込まれた秘密情報を参照して当該秘密情報付きデジタルコンテンツに対する改変を検出するデジタルコンテンツ改変検出装置とからなるデジタルコンテンツ改変鑑定システムであって、デジタルコンテンツ作成装置は、原本デジタルコンテンツを改変位置検出の単位となるブロックごとに分割する原本デジタルコンテンツブロック化部と、原本デジタルコンテンツの特徴部分から固有情報(m)を抽出する原本デジタルコンテンツ固有情報抽出部と、抽出した固有情報(m)に基づいて符号化固有情報(H(m))を作成する原本デジタルコンテンツ符号化固有情報作成部と、符号化固有情報(H(m))を公開鍵暗号化関数と秘密鍵とにより暗号化して暗号化固有情報(C(H(m)))を作成する暗号化固有情報作成部と、暗号化固有情報(C(H(m)))を誤り訂正符号化したビット列データであってビット列中のビットどうしの相互関係からビット列中の誤りビットを検出できるようにした誤り訂正符号化データ(E(C(H(m))))を作成する誤り訂正符号化データ作成部と、誤り訂正符号化データ(E(C(H(m))))のビット列を分割して断片化したビット断片(E(C(H(m))))を形成し、原本デジタルコンテンツのすべてのブロックに対し、原本デジタルコンテンツ固有情報抽出部が固有情報(m)を抽出する際に参照した特徴部分以外の各ブロックの冗長部分に少なくとも1つのビット断片(E(C(H(m))))が含まれるようにしてすべてのビット断片(E(C(H(m))))をいずれかのブロックに埋め込んだ秘密情報付きデジタルコンテンツを作成する誤り訂正符合化データビット断片埋め込み部とを備え、デジタルコンテンツ改変検出装置は、鑑定対象である秘密情報付きデジタルコンテンツを改変位置検出単位となるブロックに分割する秘密情報付きデジタルコンテンツブロック化部と、各ブロックに埋め込まれている誤り訂正符号化データのビット断片(E(C(H(m)))’)を抽出して再配列することにより誤り訂正符号化データ(E(C(H(m)))’)のビット列を復号する誤り訂正符号化データ復号部と、復号された誤り訂正符号化データ(E(C(H(m)))’)のビット列中のビットどうしの相互関係に基づいて誤りビットの有無及び誤りビットのビット位置を検出することによりブロック単位で改変の有無および改変箇所を特定する改変情報検出部と、誤りビットが検出されない場合に復号された誤り訂正符号化データ(E(C(H(m)))’)に基づいて暗号化固有情報(C(H(m))’)を復号する暗号化固有情報復号部と、復号した暗号化固有情報(C(H(m))’)に基づいて公開鍵により符号化固有情報(H(m)’)を複号する符号化固有情報複号部と、秘密情報付きデジタルコンテンツの特徴部分から新たに固有情報(m’)を抽出する秘密情報付きデジタルコンテンツ固有情報抽出部と、抽出した固有情報(m’)に基づいて固有情報(m’)を符号化した符号化固有情報H(m’)を作成する秘密情報付きデジタルコンテンツ符号化固有情報作成部と、公開鍵により復号した符号化固有情報(H(m)’)と新たに抽出した固有情報(m’)に基づいて符号化した符号化固有情報(H(m’))とを比較して秘密情報付きデジタルコンテンツの正当性を検証する正当性検証部とを備えるようにしている。
本発明によれば、非圧縮形式のデジタルコンテンツだけではなく、JPEG形式のような圧縮形式のデジタルコンテンツであっても電子透かしによる改変検出を行うことが可能となる。
また、本発明によれば、改変があった場合に、改変の有無とともに改変箇所を狭い範囲で特定することができ、しかも十分に高い安全性が担保できる程度の公開鍵暗号(例えばRSA暗号で1000ビット以上)を利用することもできる。
また、本発明によれば、別の秘密鍵で上書きする「なりすまし」の改変がなされても、これを検出することができる。
(その他の課題を解決するための手段および効果)
上記デジタルコンテンツ作成装置において、原本デジタルコンテンツはJPEG形式で圧縮された画像データ、又は、MPEG形式で圧縮された動画像データであり、原本デジタルコンテンツブロック化部は、非圧縮画像をJPEG形式で圧縮する際の、又は非圧縮動画像をMPEG形式で圧縮する際の圧縮単位となる画素ブロックを、改変位置検出におけるブロック単位とするようにしてもよい。
これによれば、JPEG形式の画像データやMPEG形式の動画像データの画素ブロックを改変位置検出のブロック単位とするので、各画素ブロックにおける特徴部分を本発明で固有情報(m)を抽出するときの特徴部分とすることができ、各画素ブロックにおける冗長部分を、本発明でビット断片を埋め込むときの冗長部分とすることができる。
上記デジタルコンテンツ作成装置において、原本デジタルコンテンツ固有情報抽出部は、JPEG形式又はMPEG形式でデータ圧縮するために各画素ブロックに対して周波数変換を行ったときの周波数成分に基づいて、特徴部分と特徴部分以外である冗長部分とを区分けし、特徴部分から固有情報(m)を抽出するようにしてもよい。
一般にJPEG圧縮やMPEG圧縮では、離散DCT変換、ウェーブレット変換等の周波数変換が行われるので、周波数変換を行ったときの周波数成分に基づいて、固有情報を抽出する特徴部分とビット断片を埋め込む冗長部分とを区分けすることにより、これらの圧縮形式に適した区分けを行うことができる。
上記デジタルコンテンツ作成装置において、原本デジタルコンテンツ固有情報抽出部は、原本デジタルコンテンツの特徴部分からとともに、原本デジタルコンテンツに付随する関連付随情報からも固有情報(m)を抽出するようにしてもよい。
ここで、原本デジタルコンテンツに付随する関連付随情報とは、デジタルコンテンツ自体の特徴を表す情報ではなく、そのデジタルコンテンツを作成した日時情報、そのデジタルコンテンツを作成したデジタル機器の識別番号、デジタルコンテンツのID番号等のデジタルコンテンツ自体に関連する付随的な情報をいう。
これによれば、デジタルコンテンツ自体の特徴とともに、付随的な特徴情報も含めるようにしたので、2つのデジタルコンテンツが、一方が本物で他方がコピーの関係である場合のように、同じ内容であっても付随的な特徴部分から異なる固有情報(m)を持たせることができる。
上記デジタルコンテンツ作成装置において、暗号化固有情報作成部が作成する暗号化固有情報(C(H(m)))は、RSA暗号で少なくとも1000ビットの情報量を有するようにしてもよい。
これによれば、十分に高い安全性を担保しつつ、改変箇所の特定を可能にすることができる。
上記デジタルコンテンツ作成装置において、秘密情報付きデジタルコンテンツにヘッダ部を付加するヘッダ形成部をさらに備え、ヘッダ形成部は少なくとも第三者機関が発行する公開鍵証明書付きの公開鍵情報をヘッダ部に添付するようにしてもよい。
これによれば、ヘッダ形成部は少なくとも第三者機関が発行する公開鍵証明書付きの公開鍵情報をヘッダ部に添付するので、使用する公開鍵の正真性を担保することができる。
また、上記デジタルコンテンツ改変検出装置において、原本デジタルコンテンツはJPEG形式で圧縮された画像データ、又は、MPEG形式で圧縮された動画像データであり、
秘密情報付きデジタルコンテンツブロック化部は、非圧縮画像をJPEG形式で圧縮する際の、又は非圧縮動画像をMPEG形式でデータ圧縮する際の圧縮単位となる画素ブロックを、改変位置検出におけるブロック単位とするようにしてもよい。
これによれば、デジタルコンテンツ作成装置と同様に、各画素ブロックにおける特徴部分を本発明で固有情報(m)を抽出するときの特徴部分とすることができ、各画素ブロックにおける冗長部分を、本発明でビット断片を埋め込むときの冗長部分とすることができる。
また、上記デジタルコンテンツ改変検出装置において、秘密情報付きデジタルコンテンツ固有情報抽出部は、特徴部分から新たに固有情報(m’)を抽出する際に、JPEG形式又はMPEG形式でデータ圧縮するために各画素ブロックに対して周波数変換を行ったときの周波数成分に基づいて特徴部分と特徴部分以外である冗長部分とを区分けし、特徴部分から固有情報(m’)を抽出するようにしてもよい。
これによれば、デジタルコンテンツ作成装置と同様に、周波数変換を行ったときの周波数成分に基づいて、固有情報を抽出する特徴部分とビット断片を埋め込む冗長部分とを区分けすることにより、これらの圧縮形式に適した区分けを行うことができる。
また、上記デジタルコンテンツ改変検出装置において、秘密情報付きデジタルコンテンツ固有情報抽出部は、秘密情報付きデジタルコンテンツの特徴部分からとともに、秘密情報付きデジタルコンテンツに付随する関連付随情報からも固有情報(m’)を抽出するようにしてもよい。
これによれば、デジタルコンテンツ作成装置と同様に、デジタルコンテンツ自体の特徴とともに、付随的な特徴情報も含めるようにしたので、2つのデジタルコンテンツが同じ内容であっても付随的な特徴部分から異なる固有情報(m)を持たせることができる。
また、上記デジタルコンテンツ改変鑑定システムにおいて、デジタルコンテンツ作成装置は、秘密情報付きデジタルコンテンツにヘッダ部を付加するヘッダ形成部をさらに備え、ヘッダ形成部は少なくとも第三者機関が発行する公開鍵証明書付きの公開鍵情報をヘッダ部に添付し、デジタルコンテンツ改変検出装置の符号化固有情報複号部は、ヘッダ部に添付された公開鍵を用いて、復号した暗号化固有情報から符号化固有情報(H(m)’)を複号するようにしてもよい。
これによれば、ヘッダ部に添付した第三者機関が発行する公開鍵証明書付きの公開鍵情報を用いて復号するので、使用する公開鍵の正真性を担保することができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を用いて説明する。以下の説明では、デジタルコンテンツのひとつであるJPEG形式のデジタル画像データについて説明するが、MPEG形式の動画像や、MP3形式の音楽データ等のような他の圧縮形式データについても同様に適用することができ、さらには非圧縮形式のデジタルデータに対しても適用することができる。
(デジタル画像改変鑑定システムの構成)
図1は、本発明の一実施形態であるデジタル画像改変鑑定システムの構成を示すブロック構成図である。
このデジタル画像改変鑑定システム10は、本来のデジタル画像データである原画像に、透かし情報である秘密情報を埋め込んで秘密情報付き画像データを作成するデジタル画像作成装置20と、インターネットや記録媒体を介して送られてきた秘密情報付き画像データについて、当該画像データに埋め込んである秘密情報を参照して、当該画像データに対する改変を検出するデジタル画像改変検出装置40とから構成される。
デジタル画像作成装置20と、デジタル画像改変検出装置40とは、それぞれがコンピュータ装置であり、装置全体の制御を行うCPU、内蔵メモリであるROM、RAM、外部メモリであるHDD、入力装置としてのキーボード、マウス、記憶媒体読取装置(FD、CD、DVD等)、出力装置としての表示装置、さらにはインターネット接続回線を備えている。
本発明を実施する上で必要なアプリケーションソフトである原画像に秘密情報を埋め込む画像作成ソフト、および、秘密情報付画像データに埋め込まれた秘密情報から改変を検出する改変検出ソフトは、外部メモリHDDに記憶してあり、これらソフトを内部メモリにロードすることにより、処理が実行されるようにしてある。
なお、デジタルカメラのようなデジタル機器に、デジタル画像作成装置20やデジタル画像改変検出装置40を搭載するようにしてもよい。すなわち、デジタルカメラ等がコンピュータ装置を内蔵しているので、画像作成ソフトや改変検出ソフトを実行させるようにしてもよい。
(デジタル画像作成装置の構成)
デジタル改変鑑定システム10のうち、デジタル画像作成装置20の構成について、機能ブロック図を用いて説明する。
図1に示すように、このデジタル画像作成装置20は、付随情報記憶部21、秘密鍵記憶部22、原本デジタルコンテンツブロック化部31、原本デジタルコンテンツ固有情報抽出部32、原本デジタルコンテンツ符号化固有情報作成部33と、暗号化固有情報作成部34と、誤り訂正符号化データ作成部35と、誤り訂正符号化データビット断片埋め込み部36と、ヘッダ形成部37とにより構成される。
付随情報記憶部21は、画像撮影日時や画像ID番号等の個々の画像に付随する関連付随情報を記憶する。これらの関連付随情報は、後述する固有情報を作成する際に利用されるものである。
秘密鍵記憶部22は、公開鍵暗号方式で用いる秘密鍵Kと公開鍵Kとのペアのうちの秘密鍵Kを記憶する。この秘密鍵Kについては、他の情報とは別に管理して本装置以外に知られないようしてある。
原本デジタルコンテンツブロック化部31は、原画像(原本デジタルコンテンツ)を改変位置検出の単位となるブロックごとに分割する処理を行う。
JPEG形式の画像の圧縮では、一般に8×8画素ごとに画素ブロックを形成し、ブロック単位で離散DCT変換を用いて周波数変換し、低周波成分領域と高周波成分領域とに区分けする。このうち低周波成分領域を特徴部分とし、高周波成分領域を冗長部分とし、冗長部分を圧縮するようにしている。
そのため、本実施形態では改変位置検出の単位となるブロックとして、JPEG形式での圧縮のときの8×8画素ブロックを、そのまま1つの改変位置検出用ブロックとして利用するようにしている。
原本デジタルコンテンツ固有情報抽出部32は、原画像の特徴部分から固有情報(m)を抽出する処理を行う。本実施形態ではJPEG形式のデータのうち、各ブロックにおける低周波成分領域(特徴部分)の特定の量子化DCT係数値を抽出し、さらに付随情報記憶部21から撮影日時や画像ID番号を付随情報として抽出し、これら情報に基づいて、ビット列のデータを作成し、これを固有情報(m)として抽出する処理を行う。
原本デジタルコンテンツ符号化固有情報作成部33は、抽出した固有情報(m)に基づいて符号化固有情報(H(m))を作成する。本実施形態では、ハッシュ関数(SHA−1等)を用いて符号化固有情報を作成する。ハッシュ関数は、入力データである固有情報(m)のビット数に関係なく、一定ビット数のビット列を出力するので、これを符号化固有情報H(m)として抽出する処理を行う。
暗号化固有情報作成部34は、符号化固有情報(H(m))に基づいて、秘密鍵により暗号化して暗号化固有情報(C(H(m)))を作成する処理を行う。本実施形態ではRSA暗号化関数を実行するアルゴリズムにより暗号化処理を行う。
誤り訂正符号化データ作成部35は、暗号化固有情報(C(H(m)))に基づいて、誤り訂正符号化処理により、誤り訂正符号化データ(E(C(H(m))))を作成する。ここで作成される誤り訂正符号化データ(E(C(H(m))))は、ビット列データからなり、ビット列中のビットどうしの相互関係からビット列中の誤りビットを検出できるようにしてある。
誤り訂正符号化データビット断片埋め込み部36は、誤り訂正符号化データ(E(C(H(m))))のビット列を分割して断片化することによりビット断片(E(C(H(m))))を形成し、原画像のすべてのブロックに対し、少なくとも1つのビット断片(E(C(H(m))))が含まれるようにして、すべてのビット断片(E(C(H(m))))を、いずれかのブロックに埋め込んだ秘密情報付き画像を作成する処理を行う。ここで各ブロックにおいてビット断片が埋め込まれる箇所は、各ブロックの冗長部分、すなわち、原本デジタルコンテンツ固有情報抽出部が固有情報(m)を抽出する際に参照した特徴部分以外の部分にする。これにより、ビット断片の埋め込みの影響で各ブロックの特徴に影響が及ばないようにする。
ヘッダ形成部37は、秘密情報付き画像に、ヘッダ部を付加し、このヘッダ部に関連情報を添付して送る処理を行う。本実施形態では、ヘッダ部に、第三者機関が発行する公開鍵証明書付きの公開鍵情報、および、固有情報の一部として用いている画像ID番号を添付するようにしている。
(デジタル画像改変検出装置の構成)
デジタル画像改変鑑定システム10のうち、デジタル画像改変検出装置40の構成について、機能ブロック図を用いて説明する。
図1に示すように、このデジタル画像改変検出装置40は、公開鍵記憶部41、付随情報記憶部42、秘密情報付きデジタルコンテンツブロック化部51、誤り訂正符号化データ復号部52、改変情報検出部53、暗号化固有情報復号部54、符号化固有情報復号部55、秘密情報付きデジタルコンテンツ固有情報抽出部56、秘密情報付きデジタルコンテンツ符号化固有情報作成部57と、正当性検証部58とにより構成される。
公開鍵記憶部41は、公開鍵暗号方式で用いる秘密鍵Kと公開鍵Kとのペアのうちの公開鍵Kを記憶する。本実施形態では、この公開鍵Kは秘密情報付き画像のヘッダ部に第三者機関が発行する公開鍵証明書付きで付加されている公開鍵情報から読み出して記憶するようにしている。なお、公開鍵Kは、予め別途にインターネット回線等を利用してデジタル画像改変検出装置40に送り込んでおいてもよい。
付随情報記憶部42は、関連付随情報として画像ID番号を記憶する。本実施形態では、画像ID番号について、秘密情報付き画像のヘッダ部から読み出して記憶するようにしている。なお、画像ID番号についても、予め別途にインターネット回線等を利用してデジタル画像改変検出装置40に送り込んでおいてもよい。
秘密情報付きデジタルコンテンツブロック化部51は、秘密情報付きデジタルコンテンツを改変位置検出単位となるブロックに分割する。分割方法は、デジタルコンテンツの形式に応じて予め定めてあり、本実施形態のようにJPEG形式の画像を扱うときは8×8画素のブロックに分割するようにしてある。なお、上記デジタル画像作成装置20で作成したブロックの単位に関する情報をヘッダ部に添付しておき、これをデジタル画像改変検出装置40で読み取ることにより分割方法を定めてもよい。
誤り訂正符号化データ復号部52は、分割した各ブロックから、各ブロックに埋め込まれている誤り訂正符号化データのビット断片(E(C(H(m)))’)を抽出して再配列することにより誤り訂正符号化データ(E(C(H(m)))’)のビット列を復号する処理を行う。
改変情報検出部53は、復号された誤り訂正符号化データ(E(C(H(m)))’)のビット列中のビットどうしの相互関係に基づいて、誤りビットの有無及び誤りビットのビット位置を検出することによりブロック単位で改変の有無および改変箇所を特定する処理を行う。
暗号化固有情報復号部54は、誤りビットが検出されない場合に復号された誤り訂正符号化データに基づいて、公開鍵Kを用いて暗号化固有情報(C(H(m))’)を復号する処理を行う。本実施形態では、デジタルコンテンツ作成装置20はRSA暗号を実行するアルゴリズムにより暗号化処理を行っているので、復号時にもRSA暗号の復号アルゴリズムを実行する。
符号化固有情報複号部55は、復号した暗号化固有情報(C(H(m))’)に基づいて、公開鍵Kにより符号化固有情報(H(m)’)を復号する処理を行う。
秘密情報付きデジタルコンテンツ固有情報抽出部56は、秘密情報付きデジタルコンテンツの特徴部分から新たに固有情報(m’)を抽出する処理を行う。
秘密情報付きデジタルコンテンツ符号化固有情報作成部57は、抽出した固有情報(m’)に基づいて符号化固有情報H(m’)を作成する処理を行う。
正当性検証部58は、公開鍵により復号した符号化固有情報(H(m)’)と、新たに抽出した固有情報(m’)に基づいて作成した符号化固有情報H(m’)とを比較して、秘密情報付きデジタルコンテンツの正当性を検証する処理を行う。
次に、上述したデジタル画像作成装置20およびデジタル画像改変検出装置40によるデジタル画像鑑定システム10の動作について説明する。
(デジタル画像作成装置による秘密情報埋め込み動作)
デジタル画像作成装置20による秘密情報の埋め込み動作について説明する。図2は、埋め込み動作手順を説明するフロー図であり、図3は各手順における処理を説明する図である。
デジタルカメラで撮影された非圧縮の画像をJPEG変換し、図3(a)に示すように、480×640画素のJPEG圧縮された原画像を作成する(s101)。この原画像には、固有の画像ID番号が付随情報としてデータのヘッダ部分に添付してある。
作成したJPEG形式の原画像を8×8画素ごとにブロック化し、図3(b)に示すように4800ブロック(60×80)に分割する(S102)。分割された各ブロックは、非圧縮画像をJPEG形式で圧縮する際の圧縮単位となる画素ブロックと同じになるようにしてある。
続いて、原画像の各画素ブロックの特徴部分から固有情報(m)を抽出する(s103)。JPEG圧縮では、各画素ブロックに対して離散DCT変換等の周波数変換を行ったときの周波数成分に基づいて、特徴部分(低周波領域)と特徴部分以外である冗長部分(高周波領域)とを区分けする。そして、区分けしたうちの冗長部分を省略することにより圧縮を行っている。
ここでは、特徴部分から何らかの基準で各ブロックから固有情報(m、m、・・・、m4800)を抽出する。例えば、図3(c)に示すように、特徴部分のうち、特定のDCT係数に基づいて固有情報(m、m、・・・、m4800)を抽出する。これら各ブロックから抽出した固有情報(m、m、・・・、m4800)を一列に並べ、さらに、画像以外の付随的な特徴として、画像ID番号も固有情報(m)として加え、原画像の特徴部分を表現する固有情報(m)を作成する。
続いて、抽出した固有情報(m)に基づいて、ハッシュ関数を用いて固有情報を比較的短いビット列で表現するハッシュ値を求めることにより、例えば160ビットの符号化固有情報(H(m))を作成する(s104)。
続いて、符号化固有情報(H(m))のビット数を調整するため、160ビットの符号化固有情報(H(m))に基づいて、1200ビットの符号化固有情報(H(m))を作成する(s105)。これは、次工程で安全性が十分に高い1200ビットの暗号化固有情報(C(H(m)))を作成するのであるが、そのためには暗号化固有情報(C(H(m)))のビット数と同じ1200ビットの符号化固有情報(H(m))が必要となるからである。具体的には、例えば、図3(e)に示すように、160ビットの符号化固有情報(H(m))を1200ビット以上になるまで8回繰り返し並べて1280ビットにし(160×8)、そのうち前から1200ビットを抽出して、図3(f)に示すように、1200ビットの符号化固有情報(H(m))を作成する。
続いて、公開鍵暗号方式による暗号化処理を行う(s106)。暗号アルゴリズムとしてはよく知られたRSA暗号アルゴリズムを用い、秘密鍵Kを用いて暗号化を行う。これにより図3(g)に示すように、1200ビットの暗号化固有情報(C(H(m)))が作成される。RSA暗号の場合は、1000ビット以上あれば、安全性が確保できると考えられているので1200ビットあれば十分に安全である。
続いて、暗号化固有情報(C(H(m)))のビット数を調整するため、1200ビットの暗号化固有情報(C(H(m)))を繰り返して、図3(h)に示すように2400ビットの暗号化固有情報(C(H(m)))を作成する。このビット数の調整は、次工程で4800ビットの誤り訂正符号化データを作成するため、予め、ビット数をその半分の2400ビットにしておく必要のためである。
続いて、2400ビットの暗号化固有情報C(H(m)))に基づいて、4800ビットの誤り訂正符号化データ(E(C(H(m))))を作成する(s107)。図3(i)に示すように、作成される誤り訂正符号化データ(E(C(H(m))))は、暗号化固有情報(C(H(m)))の2400ビットに、2400ビット分の冗長ビットが加わり、ブロックの全数と同じである4800ビットにしてある。4800ビットの各ビットは、ビット列中の他のビットとの間で相互関係を有しており、いずれかのビットが改変されると、相互関係が崩れることにより、改変された事実とともに、改変されたビット位置自体が検出できるようにしてある。具体的には、このような性質を有する誤り訂正符号として、誤り訂正能力が高いLDPC符号を用いている。
続いて、作成した誤り訂正符号化データ(E(C(H(m))))のビット列を1ビットずつ分割し、4800のビット断片(E(C(H(m))))を形成する(s108)。
続いて、図3(k)に示すように、各ビット断片(E(C(H(m))))を、原画像のすべてのブロックに対し、各ブロックの冗長部分に、少なくとも1つのビット断片(E(C(H(m))))が含まれるようにして、すべてのビット断片(E(C(H(m))))をいずれかのブロックに埋め込む(s109)。埋め込み方法は、透かし技術としてよく知られている偶奇性を利用した方法により行えばよい。なお、各ブロックの特徴部分以外の冗長部分に埋め込むのは、埋め込みにより、コンテンツの劣化を防ぐとともに、固有関数(m)に影響が及ぶのを避けるためである。
これにより、各ブロックには、誤り訂正符号化データ(E(C(H(m))))の少なくとも1つのビット断片(E(C(H(m))))が、各ブロックの特徴部分でない冗長部分に含まれることになり、秘密情報付き画像が完成する。なお、ここでは4800ブロックに4800のビット断片を1つずつ埋め込むようにしているが、冗長部分の埋め込み位置を変えて1ブロックに2つずつあるいはそれ以上ずつ埋め込むようにしてもよい。
このようにしてビット断片(E(C(H(m))))を原画像に埋め込むことで、いずれかのブロックが改変された場合に、そのブロックに含まれているビット断片(E(C(H(m))))も改変されるようにする。
続いて、作成した秘密情報付き画像に、ヘッダ部を付加する(s110)。ヘッダ部には図3(l)および図4に示すように、第三者機関による公開鍵証明書付きの公開鍵Kと、画像ID番号とが含まれるようにしてある。これにより偽の秘密鍵および公開鍵で原画像に秘密情報を上書きする改変ができないようにしておく。
(デジタル画像改変検出装置による改変検出動作)
次に、デジタル画像改変検出装置40による改変検出動作について説明する。図5は、改変検出動作手順を説明するフロー図であり、図6は各手順における処理を説明する図である。
デジタル画像改変検出装置40に秘密情報付き画像(検証画像という)を読み込み、図6(a)に示すように、480×640画素のJPEG圧縮された画像とヘッダ部分から画像ID番号を認識する(s201)。
JPEG形式の検証画像であることを認識すると、8×8画素ごとにブロック化し、図6(b)に示すように4800ブロック(60×80)に分割する(S202)。分割された各ブロックは、秘密情報を埋め込んだときの画素ブロックと同じになるようにしてある。
続いて、図6(c)に示すように、各ブロックに埋め込まれている秘密情報である誤り訂正符号化データの4800ビットのビット断片(E(C(H(m)))’)を抽出して再配列する(s203)ことにより、4800ビットの誤り訂正符号化データ(E(C(H(m)))’)のビット列を復号する。
続いて、図6(d)に示すように、復号された誤り訂正符号化データ(E(C(H(m)))’)のビット列中のビットどうしの相互関係に基づいて、誤りビットの有無を検出する(s204)。
誤りビットが発見された場合は、図6(e)に示すように、その誤りビットが含まれるブロックを特定することにより、改変箇所を検出する(s205)。
誤りビットが検出されなかった場合に、異なる秘密鍵および公開鍵を用いて上書きすることによる「なりすまし」の改変を検出するために、復号された4800ビットの誤り訂正符号化データ(E(C(H(m)))’)に基づいて、図6(f)に示すように、訂正符号化の際に付け加えた冗長部分を削除して、2400ビットの暗号化固有情報(C(H(m))’)を復号し、さらに、繰り返し部分を除去し、図6(g)に示すように、1200ビットの暗号化固有情報(C(H(m))’)を復号する(s206)。
続いて、ヘッダ部から読み取った公開鍵Kにより、1200ビットの暗号化固有情報(C(H(m))’)から1200ビットの符号化固有情報(H(m))’)を復号する。
さらに、復号した符号化固有情報(H(m)’)に基づいて、繰り返し部分を考慮して図6(i)に示すように、160ビットの整数倍になるように符号化固有情報(H(m)’)のビット列を調整し、さらに図6(j)に示すように、繰り返し部分を削除して、160ビットの符号化固有情報(H(m)’)を復号する。
その一方で、デジタル画像作成装置20が各ブロックから特徴を抽出したのと同様の方法で、s202の工程の後に、検証画像から固有情報(m’、m’、・・・、m’4800)を抽出する。図6(k)に示すように、これら各ブロックから抽出した固有情報(m’、m’、・・・、m’4800)を一列に並べ、さらに、画像以外の付随的な特徴として、画像ID番号も固有情報(m)として加え、検証画像の特徴部分を表現する固有情報(m’)を抽出する(s208)。
抽出した固有情報(m’)に基づいて、図6(l)に示すように符号化固有情報H(m’)を算出する(s209)。
そして、公開鍵Kにより復号した符号化固有情報(H(m)’)と、新たに抽出した固有情報(m’)に基づいて作成した符号化固有情報H(m’)とを比較する。
両者が不一致のときは、異なる秘密鍵で暗号化されたこととなり、なりすましによる改変があったと判定される。両者が一致したときは、なりすましによる改変がなかったと判定される。
本実施形態では、480×640画素の原画像を対象としたが、これに限られず、任意のサイズの原画像であってもよい。
また、本実施形態ではRSA暗号方式を用いたが、他の暗号方式を用いてもよい。その場合も、RSA暗号換算で1000ビットの情報量と等価かそれ以上の安全性を有することが望ましい。
また、本実施例は、デジタルカメラで撮影した画像データの改変についてであるが、動画像、音楽データなどのデジタルコンテンツであっても同様に適用することができる。
また、本実施例では、デジタルカメラで撮影し、JPEG圧縮した後の画像データに秘密情報を埋め込むようにしたが、デジタルカメラ自体に本機能を搭載し、撮影後のJPEG圧縮時に同時に埋め込みを行うようにしてもよい。
本発明は、デジタルコンテンツの改変の有無、改変位置の特定を行うことができるデジタルコンテンツの改変鑑定システム、デジタルコンテンツ作成装置、デジタルコンテンツ改変検出装置において、利用することができる。
本発明の一実施形態であるデジタル画像改変鑑定システムおよびそれに用いるデジタル画像作成装置、デジタル画像改変検出装置の構成を示すブロック図。 デジタル画像作成装置による秘密情報埋め込み処理の動作フロー図。 デジタル画像作成装置による各手順を説明する図。 デジタル画像作成装置により作成された秘密情報付き画像のデータ構造を説明する図。 デジタル画像改変検出装置による改変検出処理の動作フロー図。 デジタル画像改変検出装置による各手順を説明する図。
符号の説明
10: デジタル画像改変鑑定システム(デジタルコンテンツ改変鑑定システム)
20: デジタル画像作成装置(デジタルコンテンツ作成装置)
21: 付随情報記憶部
22: 秘密鍵記憶部
31: 原本デジタルコンテンツブロック化部
32: 原本デジタルコンテンツ固有情報抽出部
33: 原本デジタルコンテンツ符号化固有情報作成部
34: 暗号化固有情報作成部
35: 誤り訂正符号化データ作成部
36: 誤り訂正符号化データビット断片埋め込み部
37: ヘッダ形成部
40: デジタル画像改変検出装置(デジタルコンテンツ改変検出装置)
41: 公開鍵記憶部
42: 付随情報記憶部
51: 秘密情報付きデジタルコンテンツブロック化部
52: 誤り訂正符号化データ復号部
53: 改変情報検出部
54: 暗号化固有情報復号部
55: 符号化固有情報復号部
56: 秘密情報付きデジタルコンテンツ固有情報抽出部
57: 秘密情報付きデジタルコンテンツ符号化固有情報作成部
58: 正当性検証部

Claims (12)

  1. 原本デジタルコンテンツに秘密情報を埋め込むことにより秘密情報付きデジタルコンテンツを作成するデジタルコンテンツ作成装置であって、
    原本デジタルコンテンツを改変位置検出の単位となるブロックごとに分割する原本デジタルコンテンツブロック化部と、
    原本デジタルコンテンツの特徴部分から固有情報(m)を抽出する原本デジタルコンテンツ固有情報抽出部と、
    抽出した固有情報(m)に基づいて符号化固有情報(H(m))を作成する原本デジタルコンテンツ符号化固有情報作成部と、
    符号化固有情報(H(m))に基づいて秘密鍵により暗号化して暗号化固有情報(C(H(m)))を作成する暗号化固有情報作成部と、
    暗号化固有情報(C(H(m)))を誤り訂正符号化したビット列データであってビット列中のビットどうしの相互関係からビット列中の誤りビットを検出できるようにした誤り訂正符号化データ(E(C(H(m))))を作成する誤り訂正符号化データ作成部と、
    誤り訂正符号化データ(E(C(H(m))))のビット列を分割して断片化したビット断片(E(C(H(m))))を形成し、原本デジタルコンテンツのすべてのブロックに対し、原本デジタルコンテンツ固有情報抽出部が固有情報(m)を抽出する際に参照した特徴部分以外の各ブロックの冗長部分に少なくとも1つのビット断片(E(C(H(m))))が含まれるようにしてすべてのビット断片(E(C(H(m))))をいずれかのブロックに埋め込んだ秘密情報付きデジタルコンテンツを作成する誤り訂正符号化データビット断片埋め込み部とを備えたことを特徴とするデジタルコンテンツ作成装置。
  2. 請求項1に記載のデジタルコンテンツ作成装置において、原本デジタルコンテンツはJPEG形式で圧縮された画像データ、又は、MPEG形式で圧縮された動画像データであり、
    原本デジタルコンテンツブロック化部は、非圧縮画像をJPEG形式で圧縮する際の、又は、非圧縮動画像をMPEG形式でデータ圧縮する際の圧縮単位となる画素ブロックを、改変位置検出におけるブロック単位とすることを特徴とするデジタルコンテンツ作成装置。
  3. 請求項2に記載のデジタルコンテンツ作成装置において、原本デジタルコンテンツ固有情報抽出部は、JPEG形式又はMPEG形式でデータ圧縮するために各画素ブロックに対して周波数変換を行ったときの周波数成分に基づいて、特徴部分と特徴部分以外である冗長部分とを区分けし、特徴部分から固有情報(m)を抽出することを特徴とするデジタルコンテンツ作成装置。
  4. 請求項1に記載のデジタルコンテンツ作成装置において、原本デジタルコンテンツ固有情報抽出部は、原本デジタルコンテンツの特徴部分からとともに、原本デジタルコンテンツに付随する関連付随情報からも固有情報(m)を抽出することを特徴とするデジタルコンテンツ作成装置。
  5. 請求項1に記載のデジタルコンテンツ作成装置において、暗号化固有情報作成部が作成する暗号化固有情報(C(H(m)))は、RSA暗号で少なくとも1000ビットの情報量を有することを特徴とするデジタルコンテンツ作成装置。
  6. 請求項1に記載のデジタルコンテンツ作成装置において、秘密情報付きデジタルコンテンツにヘッダ部を付加するヘッダ形成部をさらに備え、ヘッダ形成部は少なくとも第三者機関が発行する公開鍵証明書付きの公開鍵情報をヘッダ部に添付することを特徴とするデジタルコンテンツ作成装置。
  7. 鑑定対象である秘密情報付きデジタルコンテンツに埋め込まれた秘密情報を参照して当該秘密情報付きデジタルコンテンツに対する改変を検出するデジタルコンテンツ改変検出装置であって、
    秘密情報付きデジタルコンテンツを改変位置検出単位となるブロックに分割する秘密情報付きデジタルコンテンツブロック化部と、
    各ブロックに埋め込まれている誤り訂正符号化データのビット断片(E(C(H(m)))’)を抽出して再配列することにより誤り訂正符号化データ(E(C(H(m)))’)のビット列を復号する誤り訂正符号化データ復号部と、
    復号された誤り訂正符号化データ(E(C(H(m)))’)のビット列中のビットどうしの相互関係に基づいて誤りビットの有無及び誤りビットのビット位置を検出することによりブロック単位で改変の有無および改変箇所を特定する改変情報検出部と、
    誤りビットが検出されない場合に復号された誤り訂正符号化データ(E(C(H(m)))’)に基づいて暗号化固有情報(C(H(m))’)を復号する暗号化固有情報復号部と、
    復号した暗号化固有情報(C(H(m))’)に基づいて公開鍵により符号化固有情報(H(m)’)を復号する符号化固有情報復号部と、
    秘密情報付きデジタルコンテンツの特徴部分から新たに固有情報(m’)を抽出する秘密情報付きデジタルコンテンツ固有情報抽出部と、
    抽出した固有情報(m’)に基づいて符号化固有情報H(m’)を作成する秘密情報付きデジタルコンテンツ符号化固有情報作成部と、
    公開鍵により復号した符号化固有情報(H(m)’)と新たに抽出した固有情報(m’)に基づいて作成した符号化固有情報(H(m’))とを比較して秘密情報付きデジタルコンテンツの正当性を検証する正当性検証部とを備えたことを特徴とするデジタルコンテンツ改変検出装置。
  8. 請求項7に記載のデジタルコンテンツ改変検出装置において、原本デジタルコンテンツはJPEG形式で圧縮された画像データ、又は、MPEG形式で圧縮された動画像データであり、
    秘密情報付きデジタルコンテンツブロック化部は、非圧縮画像をJPEG形式で圧縮する際の、又は非圧縮動画像をMPEG形式でデータ圧縮する際の圧縮単位となる画素ブロックを、改変位置検出におけるブロック単位とすることを特徴とするデジタルコンテンツ改変検出装置。
  9. 請求項7に記載のデジタルコンテンツ改変検出装置において、秘密情報付きデジタルコンテンツ固有情報抽出部は、特徴部分から新たに固有情報(m’)を抽出する際に、JPEG形式又はMPEG形式でデータ圧縮するために各画素ブロックに対して周波数変換を行ったときの周波数成分に基づいて特徴部分と特徴部分以外である冗長部分とを区分けし、特徴部分から固有情報(m’)を抽出することを特徴とするデジタルコンテンツ改変検出装置。
  10. 請求項7に記載のデジタルコンテンツ改変検出装置において、秘密情報付きデジタルコンテンツ固有情報抽出部は、秘密情報付きデジタルコンテンツの特徴部分からとともに、秘密情報付きデジタルコンテンツに付随する関連付随情報からも固有情報(m’)を抽出することを特徴とするデジタルコンテンツ改変検出装置。
  11. 原本デジタルコンテンツに秘密情報を埋め込むことにより秘密情報付きデジタルコンテンツを作成するデジタルコンテンツ作成装置と、鑑定対象である秘密情報付きデジタルコンテンツに埋め込まれた秘密情報を参照して当該秘密情報付きデジタルコンテンツに対する改変を検出するデジタルコンテンツ改変検出装置とからなるデジタルコンテンツ改変鑑定システムであって、
    デジタルコンテンツ作成装置は、原本デジタルコンテンツを改変位置検出の単位となるブロックごとに分割する原本デジタルコンテンツブロック化部と、
    原本デジタルコンテンツの特徴部分から固有情報(m)を抽出する原本デジタルコンテンツ固有情報抽出部と、
    抽出した固有情報(m)に基づいて符号化固有情報(H(m))を作成する原本デジタルコンテンツ符号化固有情報作成部と、
    符号化固有情報(H(m))に基づいて秘密鍵により暗号化して暗号化固有情報(C(H(m)))を作成する暗号化固有情報作成部と、
    暗号化固有情報(C(H(m)))を誤り訂正符号化したビット列データであってビット列中のビットどうしの相互関係からビット列中の誤りビットを検出できるようにした誤り訂正符号化データ(E(C(H(m))))を作成する誤り訂正符号化データ作成部と、
    誤り訂正符号化データ(E(C(H(m))))のビット列を分割して断片化したビット断片(E(C(H(m))))を形成し、原本デジタルコンテンツのすべてのブロックに対し、原本デジタルコンテンツ固有情報抽出部が固有情報(m)を抽出する際に参照した特徴部分以外の各ブロックの冗長部分に少なくとも1つのビット断片(E(C(H(m))))が含まれるようにしてすべてのビット断片(E(C(H(m))))をいずれかのブロックに埋め込んだ秘密情報付きデジタルコンテンツを作成する誤り訂正符合化データビット断片埋め込み部とを備え、
    デジタルコンテンツ改変検出装置は、鑑定対象である秘密情報付きデジタルコンテンツを改変位置検出単位となるブロックに分割する秘密情報付きデジタルコンテンツブロック化部と、
    各ブロックに埋め込まれている誤り訂正符号化データのビット断片(E(C(H(m)))’)を抽出して再配列することにより誤り訂正符号化データ(E(C(H(m)))’)のビット列を復号する誤り訂正符号化データ復号部と、
    復号された誤り訂正符号化データ(E(C(H(m)))’)のビット列中のビットどうしの相互関係に基づいて誤りビットの有無及び誤りビットのビット位置を検出することによりブロック単位で改変の有無および改変箇所を特定する改変情報検出部と、
    誤りビットが検出されない場合に復号された誤り訂正符号化データ(E(C(H(m)))’)に基づいて暗号化固有情報(C(H(m))’)を復号する暗号化固有情報復号部と、
    復号した暗号化固有情報(C(H(m))’)に基づいて公開鍵により符号化固有情報(H(m)’)を復号する符号化固有情報復号部と、
    秘密情報付きデジタルコンテンツの特徴部分から新たに固有情報(m’)を抽出する秘密情報付きデジタルコンテンツ固有情報抽出部と、
    抽出した固有情報(m’)に基づいて符号化固有情報H(m’)を作成する秘密情報付きデジタルコンテンツ符号化固有情報作成部と、
    公開鍵により復号した符号化固有情報(H(m)’)と新たに抽出した固有情報(m’)に基づいて作成した符号化固有情報(H(m’))とを比較して秘密情報付きデジタルコンテンツの正当性を検証する正当性検証部とを備えたことを特徴とするデジタルコンテンツ改変鑑定システム。
  12. 請求項11に記載のデジタルコンテンツ改変鑑定システムにおいて、デジタルコンテンツ作成装置は、秘密情報付きデジタルコンテンツにヘッダ部を付加するヘッダ形成部をさらに備え、ヘッダ形成部は少なくとも第三者機関が発行する公開鍵証明書付きの公開鍵情報をヘッダ部に添付し、
    デジタルコンテンツ改変検出装置の符号化固有情報複号部は、ヘッダ部に添付された公開鍵を用いて、復号した暗号化固有情報から符号化固有情報(H(m)’)を復号することを特徴とするデジタルコンテンツ改変鑑定システム。
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