JP2007053712A - 光を含む電磁波による音響システム - Google Patents

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Abstract

【課題】音響発生のシステムにおいて、上記従来技術の有する問題を解消し、電気信号の送受信及び電力供給を、同一の、光を含む電磁波を用いてワイヤレスで行うことにより、小型軽量化が可能で、複数の音源及び複数のスピーカーに対しても送信部、受信部を複雑化しなくてよい、光を含む電磁波により駆動する音響システムを提供する。
【解決手段】十分な強度を持つ、光を含む電磁波を、音源である電気信号によって変調する手段と、受光素子またはアンテナによって、変調された光を含む電磁波を復調しつつ、光を含む電磁波のエネルギーを電気エネルギーに変換する手段と、前記電気エネルギーを利用し、直接スピーカー、イヤホン、ヘッドホン等を駆動させることにより、復調された電気信号を音響として発生させる手段と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は光を含む電磁波のエネルギーを音に変換するシステムに係り、特に光エネルギーを用いてワイヤレスで複数の音を選択し音を発生させる音響システムに関する。
従来の音響を発生させるシステムには、音源である電気信号を送信し、前記信号を受信し、送信部、受信部の一方もしくは両方にて前記信号を処理又は加工した上で、増幅器を介して増幅し、スピーカー、イヤホン、ヘッドホン等を駆動させる方法が多く採用されており、音源を再生するまでに少なくとも5回の段階を踏まえなくてはならない。また、電気信号を送信し前記信号を受信する際には、電線、ケーブル、光ファイバー、ワイヤー、コード等の媒体が必要となる。また、多くは受信部に電力を供給するための外部電源を必要とする。
また、それらの媒体を必要としないものとして、FM、AM等の電波もしくは自由空間中の光による通信方法があるが、多くの場合、音響の再生には外部電源が必要である。
上記通信方法の例として、「レーザーポインターで光通信をしょう」
http://www.gijyutu.com/kyouzai/cybernetics/laser.htmに開示された第一の技術、特開平11−308684号公報に開示された第二の技術が挙げられる。
また、上記通信方法において、電気信号を複数の送信部と複数の受信部により伝達する方法がある。それには、特開2000−332690号公報に開示された第三の技術が挙げられる。
また、上記通信方法において、電力供給もワイヤレスで行い、電気信号を送信部と複数の受信部により伝達する方法がある。それには、特開2000−165961号公報に開示された第四の技術が挙げられる。
電気信号の送受信をワイヤレスで行う第一の技術と第二の技術において、第一の技術は、ラジオカセットの電気信号を、レーザーポインターを用いて送信する手段と、信号を太陽電池によって受信する手段と、増幅器を介して増幅する手段と、スピーカーを駆動させる手段とを備えた、音響を発生させるシステムである。
また、第二の技術は、音源よりイヤホンジャック又はヘッドホンジャックに挿入されるプラグと、前記プラグを介して得られる電気信号を、赤外線を主とする光信号に変換して空間に送信する光送信機と、空間から受信される光信号を電気信号に復元してイヤホン又はヘッドホンを駆動する光受信機とを備えた、音響を発生させるシステムである。
電気信号の送受信をワイヤレスで行い、前記電気信号を複数の送信部と複数の受信部により伝達する第三の技術は、電気音声信号を生成する音源部と、前記電気信号を分岐する分岐部と、分岐された電気音声信号に対応してそれぞれ光音声信号を放射する複数の隔離した発光部と、前記光音声信号を受けて受信信号を生成する2つ以上の受光器と、前記2つ以上の受光器からの受信信号により音声を再生する音声再生手段とを有するヘッドホン形式の受信機と、を備えるシステムである。
電気信号の送受信と電力供給をワイヤレスで行い、前記電気信号を送信部と複数の受信部により伝達する第四の技術は、オーディオ信号をデジタル信号に変換する手段と、前記信号をあらかじめ設定した信号フォーマットに変換する手段と、受信部を制御する制御信号を重畳する手段と、光を搬送波として用いて送信する手段とを備えた送信ユニットと、送信された信号を受信する手段を備えた受信ユニットと、前記送信ユニット内に電力を電磁波で送信する手段と、前記受信ユニット内に前記電磁波を受信する手段と、スピーカーを駆動する手段と、を備えるシステムである。
上述の如く、従来の音響を発生させるシステムにおいて、電線、ケーブル、光ファイバー、ワイヤー、コード等の媒体を必要とする方法では、媒体の配線作業が必要であり、電源のためのコンセントの確保が要件であるという欠点を有する。また、媒体の長さには限界があり、その媒体により景観を損ねる等の欠点を有する。よって、配線方法に疎い人にとって音響装置の設置は困難を伴うものである。また、媒体はからまったり、ほこり、ごみ等で汚れたりし、扱い難いものであり、身体等に引っかかることによって転倒する危険もある。また、媒体の断線、絶縁不良、損傷、接触等による漏電が火災の原因となる場合がある。
また、装置に電池、充電池、発電機等を用いる場合は、装置の重量がかさむため軽量化が困難であり、軽量のものを製造したとしても電池の減りが早いという欠点を有している。また、電池等を交換しなければならないため、媒体を含め、定期的な保守が必要であるという欠点を有する。さらに、音響発生のための外部電源として一般的に用いられている乾電池や蓄電池には水銀等の有害物質が含まれており、廃棄した場合、環境を汚染するという欠点を有する。
また、ステレオ化や多言語化の要求があるが、その要求に答えるために受信回路が複雑になるという欠点を有する。また、構成部品が多くなり、装置が安価に製作できないという欠点を有する。
よって、従来ワイヤレスであること、外部電源を必要としないこと、回路が単純であること、を備えたシステムを開発することが目標とされている。
ワイヤレスの音響発生システムである第一の技術では、受信部に電池及び増幅器を使用しているため、装置の軽量化は困難である。また、電気信号を送信するためにレーザーポインターの光を使用しているが、電気信号を、光出力を変化させることによって光に乗せており、単一波長のため乗せられる信号は一つに限られ、ステレオ化することが困難である。仮にステレオ化する場合は、複数の電気信号ごとに受信部が必要となり、受信部同士を接続するのに配線するため、電気信号用に媒体を使用して配線することと結果的に同じである。
また、第二の技術では、受信部に外部電源が必要であり、第一の技術と同様に、装置の軽量化は困難である。また、受信部であるイヤホン又はヘッドホンに電池を内蔵するために、身体に装着すると負担がかかり、長時間使用すると疲労する。また、指向性の高い光通信で電気信号を送信していることにより、受信可能な範囲が限定され、テレビを視聴しながら別のことをすることが困難になるため、ワイヤーの届く範囲しか移動できず、行動範囲が非常に限定されることと結果的に同じである。また、電気信号を、光出力を変化させることによって光に乗せており、乗せられる信号は一つに限られるため、第一の技術と同様に、ステレオ化することが困難である。
また、第三の技術でも、受信部に外部電源が必要であり、第一、第二の技術と同様に、装置の軽量化は困難である。また、同技術は回路が複雑であり、装置製作にかかるコストが高くなる。また、ヘッドホン形状に電池を内蔵するために、身体に装着すると負担がかかり、第二の技術と同様に、長時間使用すると疲労する。また、この技術の目的は受験者に対する平等なリスニングシステムであるが、前記特開2000−332690号公報に記載された図4より、人などの障害物により光の影が発生する場合があるために、送信部と受験者の位置関係によっては聞きづらい場所が存在することとなり、スピーカー相互の干渉があるために、スピーカーと受験者の位置関係によって聞きづらい場所が出来るのと結果的に同じである。また、スピーカーとは別個に同技術を実現する装置を設置するとなると、費用がかかり、同技術を導入できる教育機関等は限られる。また、前記特開2000−332690号公報に開示された技術の出願人は名古屋大学長であるが、例えば平成17年度の名古屋大学の一般選抜試験の全志願者数は7029名である。リスニングテストを要求する英語の試験は必須科目であることが一般的であり、試験内容が学部、学科等によって変わることがほとんどないため、受信部の使いまわしが出来ない。つまり、年に一度の試験のために約7000個ものヘッドホン形状の受信部を保管しておく必要があるが、保管場所に余裕がある教育機関等は限られる。また、約7000個のヘッドホン形状の受信部の電池の残量確認、交換に加えて、スイッチのオン、オフの確認をする必要があり、点検に人手と時間がかかる。また、年ごとに受験者数は変動するものであり、毎年受験者数と同数の受信部を用意できるとは限らない。また、受信部の電池の消耗の程度によって、聞こえ方が受験者によって異なってしまう。また、同技術の出願から6年以上が経過しているが、前記名古屋大学は実際に同技術を採用していない。また、同技術は、同じ電気信号を分岐して送信し、前記電気信号を受信するシステムである。従って、受信部を保持する各人に対し、同じ情報を提供することを目的としており、場所毎に異なる情報を提供するシステムではない。
また、ワイヤレスかつ電源を必要としないシステムである第四の技術では、電気信号を送信する手段と、電力を送信する手段とが分かれており、それぞれに対応した送信部内、受信部内の回路が必要である。また、前記特開2000−165961号公報に記載された図2と図3より、送信部に少なくとも10種類の回路、受信部に少なくとも10種類の回路、計20種類の回路が必要であり、簡便なシステムとは言い難い。また、受信部に二次電源を備えていることにより、第一、第二、第三の技術と同様に、装置の軽量化は困難である。
また、第一、第二、第三、第四の技術に共通することであるが、いずれも光に音響信号を重畳して送信するシステムであり、音響発生装置自体は別のエネルギー源を必要とする。つまり、光エネルギーを情報伝達の目的のみに使用しており、光エネルギー自体を音響の発生に用いているわけではない。
本発明の目的は、音響発生のシステムにおいて、上記従来技術の有する問題を解消し、電気信号の送受信及び電力供給を、同一の、光を含む電磁波を用いてワイヤレスで行うことにより、小型軽量化が可能で、複数の音源及び複数のスピーカーに対しても送信部、受信部を複雑化しなくてよい、光を含む電磁波により駆動する音響システムを提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1記載の光を含む電磁波により駆動する音響システムは、十分な強度を持つ、光を含む電磁波を、音源である電気信号によって変調する手段と、受光素子またはアンテナによって、変調された光を含む電磁波を復調しつつ、光を含む電磁波のエネルギーを電気エネルギーに変換する手段と、前記電気エネルギーを利用し、直接スピーカー、イヤホン、ヘッドホン等を駆動させることにより、復調された電気信号を音響として発生させる手段と、を備えることを特徴とする。
また、請求項2記載の光を音響信号の伝達手段として用いた音響システムは、光源の色と受光素子の前に設置された色フィルタの色とを組み合わせる手段と、単一もしくは同時に伝達された複数の音響信号を任意に選択する手段と、音響を発生させる手段と、を備えることを特徴とする。
また、前記光源を変調して送信する送信部は、室内もしくは野外において構造体に設置され、変調された前記光源を受信する受信部は、身体、被服、装身具等に装着されることを特徴とする。
本発明の請求項1に係る構成によれば、電気信号の送受信及び電力供給を別々の光、または電磁波によって行うのではなく、同一の、光を含む電磁波で行うため、光を含む電磁波を変調する手段と、電気エネルギーに変換する手段と、スピーカー等を駆動する手段の、3回の手段を踏まえるだけで音響を発生させることができる。また、送信部、受信部の回路が簡単である。また、電気信号の送受信及び電力供給をワイヤレスで行うため、配線が不要で、設置の自由度が高まる。また、受信部に外部電源を必要としないため、漏電等の心配がなく、電池、発電器などの交換、装置の保守も不要である。また、装置全体が水等によって使用不可になることが極めて少ない。また、スイッチのオン、オフ等の確認も必要としない。また、電池、発電器等を使用しないことで、装置を小型軽量化することが可能であり、イヤホン、ヘッドホン等を長時間使用していても負担がかからず、疲労しない。また、電池、充電池等を使用していないので、環境を汚染することもない。また、伝送手段として電波を用いた場合は、無線通信や都市雑音が混信し不快であるが、光を用いた場合には電波雑音の影響を受けない。また、光エネルギーを情報伝達の目的のみに使用するのではなく、光エネルギー自体を用いている。従って、光を含む電磁波のエネルギーと音響エネルギーとを関連させることにより、音響発生の活用範囲を広げることが可能である。
また、本発明の請求項2に係る構成によれば、多言語化、ステレオ化の際は、複数の電気信号を一つの送信部より送信し、一つの受信部において色フィルタを交換するだけで、複数の前記電気信号を選択し、受信することが可能である。また、多言語化、ステレオ化するために回路を複雑にする必要がない。また、受信部の構成部品が少なく、安価に製作できるため、多数の人に配布することが可能で、公共の場所での利用価値が高まる。また、光源は普段、照明または電飾として装うことができる。
また、本発明の請求項3に係る構成によれば、場所ごとに異なる情報を伝達することが可能である。また、場所ごとに同じ情報を伝達することも可能である。また、受信部の装着により、特定の人物または物体に対してのみ音響情報を伝達することができる。よって、学校、駅舎、公共施設等で案内、誘導、アナウンス、注意などをする際に有用である。また、指向性の高い光通信を使用することにより、美術館等の特定のブースなどで情報を得たい人にとって、限られた範囲での通信は十分に目的に沿う。また、受信部を装着することは各人の能動的行為であり、情報を伝達したいという側と情報を得たいという側の双方の利害が一致しているため、音響によって迷惑を被ることはない。また、美術館などの公共施設等では、受信部を回収することができるため、使いまわすことが可能で、大量の受信部を保管しておく必要がない。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は本発明の第一の実施の形態に係るシステム構成図である。
同図において、本発明による音響システムは、光を含む電磁波を生成する装置1と、生成されたエネルギーを変調する変調器2と、音源3と、変調器2によって変調されたエネルギーを電気エネルギーに変換する受光素子またはアンテナ4と、その受光素子またはアンテナ4によって発生した電力で駆動されるスピーカー、イヤホン、ヘッドホン等7と、コンデンサ5と、回路フィルタ6と、を備えている。
同図において、音源3は変調器2に接続される。
ここで、光を含む電磁波を生成する装置1、変調器2、および音源3はそれぞれに一体化、もしくは分離独立して構成することが可能である。また、受光素子またはアンテナ4、コンデンサ5、回路フィルタ6、およびスピーカー、イヤホン、ヘッドホン等7はそれぞれに一体化、もしくは分離独立して構成することが可能である。さらに受信部8と受信部9は一体的に構成することが可能だが、好適には分離独立させることにより、遠隔での駆動を可能とする。
コンデンサ5と回路フィルタ6の順番は入れ替えが可能である。また、コンデンサ5および回路フィルタ6は全く使用しなくてもよい。
変調器2での変調方法には数通りあるが、光を含む電磁波を生成する装置1の出力を一定にしておいて、音響光変調器等の変調器を使用する方法や、光を含む電磁波を生成する装置1の励起エネルギーを直接に変調させる方法がある。図1では前者の方法を用いている。
また、伝送手段として光を用いた場合には、鏡、レンズ等を用いて所定の目的を達するように光の届く範囲や強度を調節することも可能である。
なお、光を含む電磁波の生成装置1について、高出力の光源を使用した場合には、設置の際に安全性への配慮が必要である。また、アイセーフレーザーを使用することも一方法である。
受光素子またはアンテナ4は光源に向けて設置する。また、電源供給用と信号受信用に受光素子を分割することも可能である。
ここで受光素子またはアンテナ4としてシリコンによる太陽電池を使用した場合、太陽電池の感度のピークは波長1μm前後に存在する。従って、その波長に近い光源を使用することで、それによって運ばれるエネルギーを効率よく吸収することができる。
また、受光素子またはアンテナ4とスピーカー、イヤホン、ヘッドホン等7のインピーダンスの整合をはかることで、最適な環境での音響の発生が可能である。一例としてスピーカーは8Ω、イヤホンは32Ω、薄膜スピーカーは2kΩの典型的なインピーダンスを持っており、適切な手段で受光素子との整合をとることが可能である。
また、シリコンによる太陽電池は半永久的な寿命を持ち、電池交換などを行う必要がないので、音響システムとしては保守不要で半永久的な使用が可能である。さらに、シリコンは元々酸化物、珪酸塩として地殻中に多量に存在するため、廃棄しても環境を汚染する心配がない。
コンデンサ5は直流分をカットするために、必要に応じて使用する。コンデンサ5には電荷が蓄積されるため、それを利用して別回路を駆動させることも可能である。一例としては、パイロットランプ等を点灯させることができる。
また、自然光は直流であるため、音響の交流信号とは容易に分離が可能であり、太陽電池による受光が日照などに左右される心配はない。
回路フィルタ6に関して、照明、電飾等が特定の周波数で点滅しているような場合は、必要に応じてこれを使用し、雑音を抑制する。
送信部8は移動が可能だが、それを構造体に設置し受信部9を身体、被服、装身具等に装着することにより、対象者もしくはロボット等の対象物に音響を提供することができる。受信部9にはコード等の媒体を除いたヘッドセット状のもの、身体の一部に引っ掛ける形状のもの、又はぶら下げる形状のもの、などが利用可能である。さらに受信部9を装着していない場合には音響の影響はないため、特定の人物または物体に対してのみ音響情報を伝達することができる。また、光源は照明、電飾等として装うことが可能である。
受信部9は電線、ケーブル、光ファイバー、ワイヤー、コード等の媒体を必要としないため、配線等の労力から解放され、空間中の任意の場所に固定することが可能である。また、空間中の任意の場所で移動、遊動、または浮遊させることが可能である。あるいは、構造体へ埋め込んだりはめ込んだり、または吊るしたり引っ掛けたりしてもよい。
また、スピーカー、イヤホン、ヘッドホン等7に小型、薄型、又は軽量のものを使用することにより、空間中を移動、遊動、または浮遊させることが容易になる。一例として、スピーカー、イヤホン、ヘッドホン等7を付属させた物体を空間中で移動させ、その際に音を発生させることが可能である。物体としては、熱気球、風船、バルーン、パラシュート、その他浮遊または飛行するものが含まれる。
図9に本発明の第一及び第二の実施の形態の一例を示す。任意の場所に設置された受信部9に取り付けられた受光素子またはアンテナ4に向けて、送信部8より光を含む電磁波を送信し、音響を発生させる。スピーカーは人物の頭より高い位置に設置され、人体に影響を及ぼさない。
図2は本発明の第二の実施の形態に係るシステム構成図である。
同図において、本発明の第一の実施の形態と重複するものは、説明を省略する。
同図において、音源3は変調器2に接続され、変調器2は光を含む電磁波を生成する装置1に接続される。また、図2では、光を含む電磁波を生成する装置1の励起エネルギーを直接に変調させる方法を用いている。ここで、光を含む電磁波を生成する装置1として、好適にはダイオードレーザーを用いるとよい。変調については、AM変調によるが、スピーカー、イヤホン、ヘッドホン等7の駆動は直流であるため、変調の際バイアスをかけて両極方向に振ることができるようにする必要がある。
図3は本発明の第三の実施の形態に係るシステム構成図である。
同図において、本発明の第一の実施の形態と重複するものは、説明を省略する。
同図において、本発明による音響システムは、複数の受信部8と、光源の色に対応した色フィルタ10aと、変調器2によって変調されたエネルギーを電気エネルギーに変換する受光素子またはアンテナ4と、その受光素子またはアンテナ4によって発生した電力で駆動されるスピーカー、イヤホン、ヘッドホン等7と、コンデンサ5と、回路フィルタ6と、を備えている。
色フィルタ10a、受光素子またはアンテナ4、コンデンサ5、回路フィルタ6、増幅器11、およびスピーカー、イヤホン、ヘッドホン等7はそれぞれに一体化、もしくは分離独立して構成することが可能である。
また、色フィルタ10aは、色の異なる色フィルタ10bと交換可能である。
同図のように、光源を多色配置し、それぞれの光源の色に対応した色フィルタ10aを受光素子の前に設置することで、複数の音響より任意の音響を選択し、発生させることが可能である。これにより、光源の色の違いによりバイリンガル、多言語、ステレオ化等に対応でき、よって学校、駅舎、公共施設等で案内、誘導、アナウンス、注意などをする際に有用である。
図9に、本発明の第三の実施の形態の一例を示す。美術館等において、人物Aがヘッドホンからコード等の媒体を除いたものに赤い色フィルタを取り付けたものを装着し、天井の赤い光の下に移動すると、ヘッドホンから日本語の説明が流れる。一方、人物Bが人物Aと同様のヘッドホンに緑色の色フィルタを取り付けたものを装着し、緑の光の下に移動すると、英語の説明が流れる。赤い光、緑の光は人物A、人物Bにとって情報の発信源であるとの目印になる。また、光源の色を重ねることもでき、二つの色の混色が見えた場合には、日本語と英語の両方でアナウンスされていることが一目瞭然となる。本例では赤と緑を使用しているので、混色は黄色か橙色となる。人物Cは受光装置を装着していないため、音源の音は聞こえず、赤い光、緑の光、あるいはその混色は装飾電気に見える。
図10に、本発明の第三の実施の形態に係る、受信部9の概略図を示す。受信部9は、人物の頭部に装着されるヘッドホン形状をしており、その上部に色フィルタ10aと、色フィルタの上に太陽電池と、を差し込むことが出来るようになっている。また、色フィルタと太陽電池は取り外しができ、特に色フィルタ10aを他の色の色フィルタ10bと交換することで、多言語化に対応できる。また、使用波長や目的に応じて太陽電池を交換することもできる。また、色フィルタと太陽電池の最適な組み合わせで一体化することもできる。また、ヘッドホンの左右の上に、それぞれ異なる色の色フィルタを取り付けることで、ステレオ化に対応することが可能である。
図11に、本発明の第三の実施の形態の一例を示す。視覚障害者の方が電車に乗る際、受信部9を身につけていれば、電車のドアの上部に取り付けられた送信部8からのアナウンスにより、何番目の車両に乗車したかを把握することが可能である。また、この技術は電車に限らず、他の公共移動手段に応用してもよい。
図12に、本発明の第三の実施の形態の一例を示す。視覚障害者の方が教育機関等の教室に入室する際、受信部9を身につけていれば、教室のドアの上部に取り付けられた送信部8からのアナウンスにより、何番教室に入室したか、この教室では次の時間にどの授業が行われるか、などを把握することが可能である。
また、光源に赤色LEDを使用した場合、LED一つで約40mWの光出力が可能であり、他方イヤホンに必要な電力は約20mWであるため、十分に動作する。また、必要に応じてLEDの個数を増やすことも可能である。
なお、光源について赤色、緑色で説明しているが、これは他の色、赤外光でもよい。赤外光を使用した場合、対象者もしくはロボット等の対象物から光源を見えないようにすることが可能である。
なお、本発明の第一、第二、第三の実施の形態において、本発明の利点を損なわない範囲に限り、装置に補助的に電池もしくは充電池を使用することも可能である。
図4〜図6は、本発明の第三の実施の形態に係り、装置に補助的に電力源を用いた場合の構造図である。
図4〜図6において、本発明の第三の実施の形態と重複するものは、説明を省略する。
図4に示すように、増幅器11が回路フィルタ6とスピーカー、イヤホン、ヘッドホン等7との間に配置され、電力源12より増幅器11に電力が供給される。
図5に示すように、増幅器11が回路フィルタ6とスピーカー、イヤホン、ヘッドホン等7との間に配置され、受光素子またはアンテナ4を介して充電された電力源12より増幅器11に電力が供給される。
図6に示すように、増幅器11が回路フィルタ6とスピーカー、イヤホン、ヘッドホン等7との間に配置され、コンデンサ5を介して充電された電力源12より増幅器11に電力が供給される。
図7に、本発明の第一、第二、第三の実施の形態において、光源にLEDを使用し、増幅器11にオペアンプを用いて光源を変調した場合の送信部8の回路図を示す。同図において、信号源から与えられる音響シグナルから、コンデンサC1により交流分を取り出し、可変抵抗によって与えられた適当なバイアス電圧を加算し、それを抵抗Rfによって決定される増幅分だけオペアンプによる反転増幅器で増幅する。また、オペアンプの出力電圧によって、トランジスタを介し、LEDを駆動する。
図8は本発明の第一、第二、第三の実施の形態に係る、受信部の回路図である。
送信部8及び受信部9の回路は単純で、必要とされる各部品が安価であり、電池も必ずしも必要としないため軽量に製作でき、簡便な装置として利用可能である。
図14〜図16は本発明の実施の形態においてNd:YAGレーザー(基本波1064μm)をQスイッチパルス発振で使用した場合に、実際にスピーカーに流れる電流の波形である。14、図15、図16はそれぞれ、Nd:YAGレーザーの周波数が100Hz、1kHz、15kHzの時に流れる電流の波形を表している。つまりこれにより、低い周波数から高い周波数まで実際に音響の発生が可能であることがわかる。
さらに、本発明の実施の形態において、レーザーを使用しているが、光を含む電磁波を生成する装置1はこれに限らない。また、変調方法についてAM変調を使用すると説明しているが、FMおよびその他の変調方法を使用してもよい。また、太陽電池について説明しているが、受光素子またはアンテナ4はこれに限らず、フォトダイオードやアンテナアレイなどを使用してもよい。また、電気エネルギーを変換する方法は受光素子またはアンテナ4を用いた方法に限らず、他の手段によって音響に変換してもよい。また、スピーカー、イヤホン、ヘッドホン等7について電流にて駆動すると説明しているが、それらに電圧駆動のものを使用しても本質的に同等であり、差し支えない。
本発明の第一の実施の形態に係るシステム構成図である。 本発明の第二の実施の形態に係るシステム構成図である。 本発明の第三の実施の形態に係るシステム構成図である。 本発明の第三の実施の形態に係るシステム構成図である。 本発明の第三の実施の形態に係るシステム構成図である。 本発明の第三の実施の形態に係るシステム構成図である。 本発明の第一、第二、第三の実施の形態に係る送信部の回路図である。 本発明の第一、第二、第三の実施の形態に係る受信部の回路図である。 本発明の第一、第二の実施の形態に係る、システム概略図である。 本発明の第三の実施の形態を、美術館等でのアナウンスに応用した場合の概略図である。 本発明の第三の実施の形態に係る、受信部の概略図である。 本発明の第三の実施の形態を、電車のドアでのアナウンスに応用した場合の概略図である。 本発明の第三の実施の形態を、学校教室のドアでのアナウンスに応用した場合の概略図である。 Nd:YAGレーザーの周波数が100Hzの時にスピーカーに流れる電流の波形である。 Nd:YAGレーザーの周波数が1KHzの時のスピーカーに流れる電流の波形である。 Nd:YAGレーザーの周波数が15KHzの時のスピーカーに流れる電流の波形である。
符号の説明
1 光を含む電磁波の生成装置
2 変調器
3 音源
4 受光素子またはアンテナ
5 コンデンサ
6 回路フィルタ
7 スピーカー、イヤホン、ヘッドホン等
8 送信部
9 受信部
10a 色フィルタ
10b 色フィルタ
11 増幅器
12 電力源
本発明は光を含む電磁波のエネルギーを音に変換するシステムに係り、特に光エネルギーを用いてワイヤレスで複数の音を選択し音を発生させる音響システムに関する。
従来の音響を発生させるシステムには、音源である電気信号を送信し、前記信号を受信し、送信部、受信部の一方もしくは両方にて前記信号を処理又は加工した上で、増幅器を介して増幅し、スピーカー、イヤホン、ヘッドホン等を駆動させる方法が多く採用されており、音源を再生するまでに少なくとも5回の段階を踏まえなくてはならない。また、電気信号を送信し前記信号を受信する際には、電線、ケーブル、光ファイバー、ワイヤー、コード等の媒体が必要となる。また、多くは受信部に電力を供給するための外部電源を必要とする。
また、それらの媒体を必要としないものとして、FM、AM等の電波もしくは自由空間中の光による通信方法があるが、多くの場合、音響の再生には外部電源が必要である。
上記通信方法の例として、「レーザーポインターで光通信をしよう」http://www.gijyutu.com/kyouzai/cybernetics/laser.htmに開示された第一の技術、特開平11−308684号公報に開示された第二の技術が挙げられる。
また、上記通信方法において、電気信号を複数の送信部と複数の受信部により伝達する方法がある。それには、特開2000−332690号公報に開示された第三の技術が挙げられる。
また、上記通信方法において、電力供給もワイヤレスで行い、電気信号を送信部と複数の受信部により伝達する方法がある。それには、特開2000−165961号公報に開示された第四の技術が挙げられる。
電気信号の送受信をワイヤレスで行う第一の技術と第二の技術において、第一の技術は、ラジオカセットの電気信号を、レーザーポインターを用いて送信する手段と、信号を太陽電池によって受信する手段と、増幅器を介して増幅する手段と、スピーカーを駆動させる手段とを備えた、音響を発生させるシステムである。
また、第二の技術は、音源よりイヤホンジャック又はヘッドホンジャックに挿入されるプラグと、前記プラグを介して得られる電気信号を、赤外線を主とする光信号に変換して空間に送信する光送信機と、空間から受信される光信号を電気信号に復元してイヤホン又はヘッドホンを駆動する光受信機とを備えた、音響を発生させるシステムである。
電気信号の送受信をワイヤレスで行い、前記電気信号を複数の送信部と複数の受信部により伝達する第三の技術は、電気音声信号を生成する音源部と、前記電気信号を分岐する分岐部と、分岐された電気音声信号に対応してそれぞれ光音声信号を放射する複数の隔離した発光部と、前記光音声信号を受けて受信信号を生成する2つ以上の受光器と、前記2つ以上の受光器からの受信信号により音声を再生する音声再生手段とを有するヘッドホン形式の受信機と、を備えるシステムである。
電気信号の送受信と電力供給をワイヤレスで行い、前記電気信号を送信部と複数の受信部により伝達する第四の技術は、オーディオ信号をデジタル信号に変換する手段と、前記信号をあらかじめ設定した信号フォーマットに変換する手段と、受信部を制御する制御信号を重畳する手段と、光を搬送波として用いて送信する手段とを備えた送信ユニットと、送信された信号を受信する手段を備えた受信ユニットと、前記送信ユニット内に電力を電磁波で送信する手段と、前記受信ユニット内に前記電磁波を受信する手段と、スピーカーを駆動する手段と、を備えるシステムである。
特開平11−308684号公報 特開2000−332690号公報 特開2000−165961号公報 「レーザーポインターで光通信をしよう」http://www.gijyutu.com/kyouzai/cybernetics/laser.htm
上述の如く、従来の音響を発生させるシステムにおいて、電線、ケーブル、光ファイバー、ワイヤー、コード等の媒体を必要とする方法では、媒体の配線作業が必要であり、電源のためのコンセントの確保が要件であるという欠点を有する。また、媒体の長さには限界があり、その媒体により景観を損ねる等の欠点を有する。よって、配線方法に疎い人にとって音響装置の設置は困難を伴うものである。また、媒体はからまったり、ほこり、ごみ等で汚れたりし、扱い難いものであり、身体等に引っかかることによって転倒する危険もある。また、媒体の断線、絶縁不良、損傷、接触等による漏電が火災の原因となる場合がある。
また、装置に電池、充電池、発電機等を用いる場合は、装置の重量がかさむため軽量化が困難であり、軽量のものを製造したとしても電池の減りが早いという欠点を有している。また、電池等を交換しなければならないため、媒体を含め、定期的な保守が必要であるという欠点を有する。さらに、音響発生のための外部電源として一般的に用いられている乾電池や蓄電池には水銀等の有害物質が含まれており、廃棄した場合、環境を汚染するという欠点を有する。
また、ステレオ化や多言語化の要求があるが、その要求に答えるために受信回路が複雑になるという欠点を有する。また、構成部品が多くなり、装置が安価に製作できないという欠点を有する。
よって、従来ワイヤレスであること、外部電源を必要としないこと、回路が単純であること、を備えたシステムを開発することが目標とされている。
ワイヤレスの音響発生システムである第一の技術では、受信部に電池及び増幅器を使用しているため、装置の軽量化は困難である。また、電気信号を送信するためにレーザーポインターの光を使用しているが、電気信号を、光出力を変化させることによって光に乗せており、単一波長のため乗せられる信号は一つに限られ、ステレオ化することが困難である。仮にステレオ化する場合は、複数の電気信号ごとに受信部が必要となり、受信部同士を接続するのに配線するため、電気信号用に媒体を使用して配線することと結果的に同じである。
また、第二の技術では、受信部に外部電源が必要であり、第一の技術と同様に、装置の軽量化は困難である。また、受信部であるイヤホン又はヘッドホンに電池を内蔵するために、身体に装着すると負担がかかり、長時間使用すると疲労する。また、指向性の高い光通信で電気信号を送信していることにより、受信可能な範囲が限定され、テレビを視聴しながら別のことをすることが困難になるため、ワイヤーの届く範囲しか移動できず、行動範囲が非常に限定されることと結果的に同じである。また、電気信号を、光出力を変化させることによって光に乗せており、乗せられる信号は一つに限られるため、第一の技術と同様に、ステレオ化することが困難である。
また、第三の技術でも、受信部に外部電源が必要であり、第一、第二の技術と同様に、装置の軽量化は困難である。また、同技術は回路が複雑であり、装置製作にかかるコストが高くなる。また、ヘッドホン形状に電池を内蔵するために、身体に装着すると負担がかかり、第二の技術と同様に、長時間使用すると疲労する。また、この技術の目的は受験者に対する平等なリスニングシステムであるが、前記特開2000−332690号公報に記載された図4より、人などの障害物により光の影が発生する場合があるために、送信部と受験者の位置関係によっては聞きづらい場所が存在することとなり、スピーカー相互の干渉があるために、スピーカーと受験者の位置関係によって聞きづらい場所が出来るのと結果的に同じである。また、スピーカーとは別個に同技術を実現する装置を設置するとなると、費用がかかり、同技術を導入できる教育機関等は限られる。また、前記特開2000−332690号公報に開示された技術の出願人は名古屋大学長であるが、例えば平成17年度の名古屋大学の一般選抜試験の全志願者数は7029名である。リスニングテストを要求する英語の試験は必須科目であることが一般的であり、試験内容が学部、学科等によって変わることがほとんどないため、受信部の使いまわしが出来ない。つまり、年に一度の試験のために約7000個ものヘッドホン形状の受信部を保管しておく必要があるが、保管場所に余裕がある教育機関等は限られる。また、約7000個のヘッドホン形状の受信部の電池の残量確認、交換に加えて、スイッチのオン、オフの確認をする必要があり、点検に人手と時間がかかる。また、年ごとに受験者数は変動するものであり、毎年受験者数と同数の受信部を用意できるとは限らない。また、受信部の電池の消耗の程度によって、聞こえ方が受験者によって異なってしまう。また、同技術の出願から6年以上が経過しているが、前記名古屋大学は実際に同技術を採用していない。また、同技術は、同じ電気信号を分岐して送信し、前記電気信号を受信するシステムである。従って、受信部を保持する各人に対し、同じ情報を提供することを目的としており、場所毎に異なる情報を提供するシステムではない。
また、ワイヤレスかつ電源を必要としないシステムである第四の技術では、電気信号を送信する手段と、電力を送信する手段とが分かれており、それぞれに対応した送信部内、受信部内の回路が必要である。また、前記特開2000−165961号公報に記載された図2と図3より、送信部に少なくとも10種類の回路、受信部に少なくとも10種類の回路、計20種類の回路が必要であり、簡便なシステムとは言い難い。また、受信部に二次電源を備えていることにより、第一、第二、第三の技術と同様に、装置の軽量化は困難である。
また、第一、第二、第三、第四の技術に共通することであるが、いずれも光に音響信号を重畳して送信するシステムであり、音響発生装置自体は別のエネルギー源を必要とする。つまり、光エネルギーを情報伝達の目的のみに使用しており、光エネルギー自体を音響の発生に用いているわけではない。
本発明の目的は、音響発生のシステムにおいて、上記従来技術の有する問題を解消し、電気信号の送受信及び電力供給を、同一の、光を含む電磁波を用いてワイヤレスで行うことにより、小型軽量化が可能で、複数の音源及び複数のスピーカーに対しても送信部、受信部を複雑化しなくてよい、光を含む電磁波により駆動する音響システムを提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1記載の光を含む電磁波により駆動する音響システムは、十分な強度を持つ、光を含む電磁波を、音源である電気信号によって変調する手段と、受光素子またはアンテナによって、変調された光を含む電磁波を復調しつつ、光を含む電磁波のエネルギーを電気エネルギーに変換する手段と、前記電気エネルギーを利用し、直接スピーカー、イヤホン、ヘッドホン等を駆動させることにより、復調された電気信号を音響として発生させる手段と、を備えることを特徴とする。
また、請求項2記載の光を音響信号の伝達手段として用いた音響システムは、光源の色と受光素子の前に設置された色フィルタの色とを組み合わせる手段と、単一もしくは同時に伝達された複数の音響信号を任意に選択する手段と、音響を発生させる手段と、を備えることを特徴とする。
また、前記光源を変調して送信する送信部、室内もしくは野外において構造体に設置され、変調された前記光源を受信する受信部、身体、被服、装身具等に装着されることを特徴とする。
本発明の請求項1に係る構成によれば、電気信号の送受信及び電力供給を別々の光、または電磁波によって行うのではなく、同一の、光を含む電磁波で行うため、光を含む電磁波を変調する手段と、電気エネルギーに変換する手段と、スピーカー等を駆動する手段の、3回の手段を踏まえるだけで音響を発生させることができる。また、送信部、受信部の回路が簡単である。また、電気信号の送受信及び電力供給をワイヤレスで行うため、配線が不要で、設置の自由度が高まる。また、受信部に外部電源を必要としないため、漏電等の心配がなく、電池、発電器などの交換、装置の保守も不要である。また、装置全体が水等によって使用不可になることが極めて少ない。また、スイッチのオン、オフ等の確認も必要としない。また、電池、発電器等を使用しないことで、装置を小型軽量化することが可能であり、イヤホン、ヘッドホン等を長時間使用していても負担がかからず、疲労しない。また、電池、充電池等を使用していないので、環境を汚染することもない。また、伝送手段として電波を用いた場合は、無線通信や都市雑音が混信し不快であるが、光を用いた場合には電波雑音の影響を受けない。また、光エネルギーを情報伝達の目的のみに使用するのではなく、光エネルギー自体を用いている。従って、光を含む電磁波のエネルギーと音響エネルギーとを関連させることにより、音響発生の活用範囲を広げることが可能である。
また、本発明の請求項2に係る構成によれば、多言語化、ステレオ化の際は、複数の電気信号を一つの送信部より送信し、一つの受信部において色フィルタを交換するだけで、複数の前記電気信号を選択し、受信することが可能である。また、多言語化、ステレオ化するために回路を複雑にする必要がない。また、受信部の構成部品が少なく、安価に製作できるため、多数の人に配布することが可能で、公共の場所での利用価値が高まる。また、光源は普段、照明または電飾として装うことができる。
また、本発明の請求項3に係る構成によれば、場所ごとに異なる情報を伝達することが可能である。また、場所ごとに同じ情報を伝達することも可能である。また、受信部の装着により、特定の人物または物体に対してのみ音響情報を伝達することができる。よって、学校、駅舎、公共施設等で案内、誘導、アナウンス、注意などをする際に有用である。また、指向性の高い光通信を使用することにより、美術館等の特定のブースなどで情報を得たい人にとって、限られた範囲での通信は十分に目的に沿う。また、受信部を装着することは各人の能動的行為であり、情報を伝達したいという側と情報を得たいという側の双方の利害が一致しているため、音響によって迷惑を被ることはない。また、美術館などの公共施設等では、受信部を回収することができるため、使いまわすことが可能で、大量の受信部を保管しておく必要がない。
また、本発明の請求項4に係る構成によれば、一般照明用電球と交換が可能であり、照明の機能を損なうことなしに、音響信号を光により伝達する機能を提供することができる。また、音源と受信部との距離によって音量が変化するため、受信部を持つ対象者もしくは対象物が、音源との距離又は音源に対する位置等を把握することが容易に可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は本発明の第一の実施の形態に係るシステム構成図である。
同図において、本発明による音響システムは、光を含む電磁波を生成する装置1と、生成されたエネルギーを変調する変調器2と、音源3と、変調器2によって変調されたエネルギーを電気エネルギーに変換する受光素子またはアンテナ4と、その受光素子またはアンテナ4によって発生した電力で駆動されるスピーカー、イヤホン、ヘッドホン等7と、コンデンサ5と、回路フィルタ6と、を備えている。
同図において、音源3は変調器2に接続される。
ここで、光を含む電磁波を生成する装置1、変調器2、および音源3はそれぞれに一体化、もしくは分離独立して構成することが可能である。また、受光素子またはアンテナ4、コンデンサ5、回路フィルタ6、およびスピーカー、イヤホン、ヘッドホン等7はそれぞれに一体化、もしくは分離独立して構成することが可能である。さらに受信部8と受信部9は一体的に構成することが可能だが、好適には分離独立させることにより、遠隔での駆動を可能とする。
コンデンサ5と回路フィルタ6の順番は入れ替えが可能である。また、コンデンサ5および回路フィルタ6は全く使用しなくてもよい。
変調器2での変調方法には数通りあるが、光を含む電磁波を生成する装置1の出力を一定にしておいて、音響光変調器等の変調器を使用する方法や、光を含む電磁波を生成する装置1の励起エネルギーを直接に変調させる方法がある。図1では前者の方法を用いている。
また、伝送手段として光を用いた場合には、鏡、レンズ等を用いて所定の目的を達するように光の届く範囲や強度を調節することも可能である。
なお、光を含む電磁波の生成装置1について、高出力の光源を使用した場合には、設置の際に安全性への配慮が必要である。また、アイセーフレーザーを使用することも一方法である。
受光素子またはアンテナ4は光源に向けて設置する。また、電源供給用と信号受信用に受光素子を分割することも可能である。
ここで受光素子またはアンテナ4としてシリコンによる太陽電池を使用した場合、太陽電池の感度のピークは波長1μm前後に存在する。従って、その波長に近い光源を使用することで、それによって運ばれるエネルギーを効率よく吸収することができる。
また、受光素子またはアンテナ4とスピーカー、イヤホン、ヘッドホン等7のインピーダンスの整合をはかることで、最適な環境での音響の発生が可能である。一例としてスピーカーは8Ω、イヤホンは32Ω、薄膜スピーカーは2kΩの典型的なインピーダンスを持っており、適切な手段で受光素子との整合をとることが可能である。
また、シリコンによる太陽電池は半永久的な寿命を持ち、電池交換などを行う必要がないので、音響システムとしては保守不要で半永久的な使用が可能である。さらに、シリコンは元々酸化物、珪酸塩として地殻中に多量に存在するため、廃棄しても環境を汚染する心配がない。
コンデンサ5は直流分をカットするために、必要に応じて使用する。コンデンサ5には電荷が蓄積されるため、それを利用して別回路を駆動させることも可能である。一例としては、パイロットランプ等を点灯させることができる。
また、自然光は直流であるため、音響の交流信号とは容易に分離が可能であり、太陽電池による受光が日照などに左右される心配はない。
回路フィルタ6に関して、照明、電飾等が特定の周波数で点滅しているような場合は、必要に応じてこれを使用し、雑音を抑制する。
送信部8は移動が可能だが、それを構造体に設置し受信部9を身体、被服、装身具等に装着することにより、対象者もしくはロボット等の対象物に音響を提供することができる。受信部9にはコード等の媒体を除いたヘッドセット状のもの、身体の一部に引っ掛ける形状のもの、又はぶら下げる形状のもの、などが利用可能である。さらに受信部9を装着していない場合には音響の影響はないため、特定の人物または物体に対してのみ音響情報を伝達することができる。また、光源は照明、電飾等として装うことが可能である。
受信部9は電線、ケーブル、光ファイバー、ワイヤー、コード等の媒体を必要としないため、配線等の労力から解放され、空間中の任意の場所に固定することが可能である。また、空間中の任意の場所で移動、遊動、または浮遊させることが可能である。あるいは、構造体へ埋め込んだりはめ込んだり、または吊るしたり引っ掛けたりしてもよい。
また、スピーカー、イヤホン、ヘッドホン等7に小型、薄型、又は軽量のものを使用することにより、空間中を移動、遊動、または浮遊させることが容易になる。一例として、スピーカー、イヤホン、ヘッドホン等7を付属させた物体を空間中で移動させ、その際に音を発生させることが可能である。物体としては、熱気球、風船、バルーン、パラシュート、その他浮遊または飛行するものが含まれる。
図9に本発明の第一及び第二の実施の形態の一例を示す。任意の場所に設置された受信部9に取り付けられた受光素子またはアンテナ4に向けて、送信部8より光を含む電磁波を送信し、音響を発生させる。スピーカーは人物の頭より高い位置に設置され、人体に影響を及ぼさない。
図2は本発明の第二の実施の形態に係るシステム構成図である。
同図において、本発明の第一の実施の形態と重複するものは、説明を省略する。
同図において、音源3は変調器2に接続され、変調器2は光を含む電磁波を生成する装置1に接続される。また、図2では、光を含む電磁波を生成する装置1の励起エネルギーを直接に変調させる方法を用いている。ここで、光を含む電磁波を生成する装置1として、好適にはダイオードレーザーを用いるとよい。変調については、AM変調によるが、スピーカー、イヤホン、ヘッドホン等7の駆動は直流であるため、変調の際バイアスをかけて両極方向に振ることができるようにする必要がある。
図3は本発明の第三の実施の形態に係るシステム構成図である。
同図において、本発明の第一の実施の形態と重複するものは、説明を省略する。
同図において、本発明による音響システムは、複数の受信部8と、光源の色に対応した色フィルタ10aと、変調器2によって変調されたエネルギーを電気エネルギーに変換する受光素子またはアンテナ4と、その受光素子またはアンテナ4によって発生した電力で駆動されるスピーカー、イヤホン、ヘッドホン等7と、コンデンサ5と、回路フィルタ6と、を備えている。
色フィルタ10a、受光素子またはアンテナ4、コンデンサ5、回路フィルタ6、増幅器11、およびスピーカー、イヤホン、ヘッドホン等7はそれぞれに一体化、もしくは分離独立して構成することが可能である。
また、色フィルタ10aは、10aと異なる色の色フィルタ10bと交換可能である。
同図のように、光源を多色配置し、それぞれの光源の色に対応した色フィルタ10aを受光素子の前に設置することで、複数の音響より任意の音響を選択し、発生させることが可能である。これにより、光源の色の違いによりバイリンガル、多言語、ステレオ化等に対応でき、よって学校、駅舎、公共施設等で案内、誘導、アナウンス、注意などをする際に有用である。
図9に、本発明の第三の実施の形態の一例を示す。美術館等において、人物Aがヘッドホンからコード等の媒体を除いたものに赤い色フィルタを取り付けたものを装着し、天井の赤い光の下に移動すると、ヘッドホンから日本語の説明が流れる。一方、人物Bが人物Aと同様のヘッドホンに緑色の色フィルタを取り付けたものを装着し、緑の光の下に移動すると、英語の説明が流れる。赤い光、緑の光は人物A、人物Bにとって情報の発信源であるとの目印になる。また、光源の色を重ねることもでき、二つの色の混色が見えた場合には、日本語と英語の両方でアナウンスされていることが一目瞭然となる。本例では赤と緑を使用しているので、混色は黄色か橙色となる。人物Cは受光装置を装着していないため、音源の音は聞こえず、赤い光、緑の光、あるいはその混色は装飾電気に見える。
図10に、本発明の第三の実施の形態に係る、受信部9の概略図を示す。受信部9は、人物の頭部に装着されるヘッドホン形状をしており、その上部に色フィルタ10aと、色フィルタ10aの上に太陽電池と、を差し込むことが出来るようになっている。また、色フィルタ10aと太陽電池は取り外しができ、特に色フィルタ10aを10aと異なる色の色フィルタ10bと交換することで、多言語化に対応できる。また、使用波長や目的に応じて太陽電池を交換することもできる。また、色フィルタと太陽電池の最適な組み合わせで一体化することもできる。また、ヘッドホンの左右の上に、それぞれ異なる色の色フィルタを取り付けることで、ステレオ化に対応することが可能である。
図11に、本発明の第三の実施の形態の一例を示す。視覚障害者の方が電車に乗る際、受信部9を身につけていれば、電車のドアの上部に取り付けられた送信部8からのアナウンスにより、何番目の車両に乗車したかを把握することが可能である。また、この技術は電車に限らず、他の公共移動手段に応用してもよい。
図12に、本発明の第三の実施の形態の一例を示す。視覚障害者の方が教育機関等の教室に入室する際、受信部9を身につけていれば、教室のドアの上部に取り付けられた送信部8からのアナウンスにより、何番教室に入室したか、この教室では次の時間にどの授業が行われるか、などを把握することが可能である。
また、光源に赤色LEDを使用した場合、LED一つで約40mWの光出力が可能であり、他方イヤホンに必要な電力は約20mWであるため、十分に動作する。また、必要に応じてLEDの個数を増やすことも可能である。
なお、光源について赤色、緑色で説明しているが、これは他の色、赤外光でもよい。赤外光を使用した場合、対象者もしくはロボット等の対象物から光源を見えないようにすることが可能である。
なお、本発明の第一、第二、第三の実施の形態において、本発明の利点を損なわない範囲に限り、装置に補助的に電池もしくは充電池を使用することも可能である。
図4〜図6は、本発明の第三の実施の形態に係り、装置に補助的に電力源を用いた場合の構造図である。
図4〜図6において、本発明の第三の実施の形態と重複するものは、説明を省略する。
図4に示すように、増幅器11が回路フィルタ6とスピーカー、イヤホン、ヘッドホン等7との間に配置され、電力源12より増幅器11に電力が供給される。
図5に示すように、増幅器11が回路フィルタ6とスピーカー、イヤホン、ヘッドホン等7との間に配置され、受光素子またはアンテナ4を介して充電された電力源12より増幅器11に電力が供給される。
図6に示すように、増幅器11が回路フィルタ6とスピーカー、イヤホン、ヘッドホン等7との間に配置され、コンデンサ5を介して充電された電力源12より増幅器11に電力が供給される。
図7に本発明の第一、第二、第三の実施の形態において、光源にLEDを使用し、増幅器11にオペアンプを用いて光源を変調した場合の送信部8の回路図を示す。同図において、本回路の入力は音響機器のイヤホン端子に接続され、入力された音響信号はオペアンプIC1により増幅されると同時に、基準電圧をLED駆動に適したレベルに調節される。また、無変調時にLEDに定格の電流が流れ、音響信号が加えられると定格電流を中心に電流が増減することにより、LEDの明るさが変調される。よって、人間の目にはLEDは同じ明るさで連続的に点灯しているようにみえる。また、LEDは三つが接続されているが、接続するLEDの数には制限はない。
図8は本発明の第一、第二、第三の実施の形態に係る、受信部の回路図である。同図において、小型の太陽電池の出力端子は、コンデンサC3を通し汎用のマグネチック型イヤホンに接続される。また、LEDと太陽電池の距離が1cmから10cmまでの間で明瞭に音響信号が再生される。この距離を越えると受光量が減少し音量が小さくなるが、これは太陽電池のサイズとLEDの指向性の問題であり、容易に解決できる。また、太陽電池を傾けると入射角の余弦に従って受光量が減少するが、人間の耳では音量が変化したとは認識されなかった。従って、身体の一部に装着した場合、姿勢の変化などにより受光面の角度が変化するが、実用上、十分に安定して音響信号を伝達できると考えられる。
送信部8及び受信部9の回路は単純で、必要とされる各部品が安価であり、受信部に関しては電池も必ずしも必要としないため軽量に製作でき、簡便な装置として利用可能である。また、本方式はアナログ方式であり、光源からの距離によって音量が変化するため、視覚障害者にとって自分の光源からの位置関係をしるための手がかりとなる。
図9は本発明の第四の実施の形態に係る、システム概略図である。同図において、口金は一般照明用電球と同様の形状をとり、天井に設置されたソケットへの着脱が可能である。また、音源は変調器に接続され、変調器は光源に接続される。
図14〜図16は本発明の実施の形態においてNd:YAGレーザー(基本波1064nm)をQスイッチパルス発振で使用した場合に、実際にスピーカーに流れる電流の波形である。14、図15、図16はそれぞれ、Nd:YAGレーザーの周波数が100Hz、1kHz、15kHzの時に流れる電流の波形を表している。つまりこれにより、低い周波数から高い周波数まで実際に音響の発生が可能であることがわかる。
さらに、本発明の実施の形態において、レーザーを使用しているが、光を含む電磁波を生成する装置1はこれに限らない。また、光の伝達方法は自由空間中と説明しているが、これに限らない。また、変調方法についてAM変調を使用すると説明しているが、FMおよびその他の変調方法を使用してもよい。また、太陽電池について説明しているが、受光素子またはアンテナ4はこれに限らず、フォトダイオードやアンテナアレイなどを使用してもよい。また、電気エネルギーを変換する方法は受光素子またはアンテナ4を用いた方法に限らず、他の手段によって音響に変換してもよい。また、スピーカー、イヤホン、ヘッドホン等7について電流にて駆動すると説明しているが、それらに電圧駆動のものを使用しても本質的に同等であり、差し支えない。
本発明の第一の実施の形態に係るシステム構成図である。 本発明の第二の実施の形態に係るシステム構成図である。 本発明の第三の実施の形態に係るシステム構成図である。 本発明の第三の実施の形態に係るシステム構成図である。 本発明の第三の実施の形態に係るシステム構成図である。 本発明の第三の実施の形態に係るシステム構成図である。 本発明の第一、第二、第三の実施の形態に係る送信部の回路図である。 本発明の第一、第二、第三の実施の形態に係る受信部の回路図である。 本発明の第四の実施の形態に係る、システム概略図である。 本発明の第一、第二の実施の形態に係る、システム概略図である。 本発明の第三の実施の形態を、美術館等でのアナウンスに応用した場合の概略図である。 本発明の第三の実施の形態に係る、受信部の概略図である。 本発明の第三の実施の形態を、電車のドアでのアナウンスに応用した場合の概略図である。 本発明の第三の実施の形態を、学校教室のドアでのアナウンスに応用した場合の概略図である。 Nd:YAGレーザーの周波数が100Hzの時にスピーカーに流れる電流の波形である。 Nd:YAGレーザーの周波数が1KHzの時のスピーカーに流れる電流の波形である。 Nd:YAGレーザーの周波数が15KHzの時のスピーカーに流れる電流の波形である。
符号の説明
1 光を含む電磁波の生成装置
2 変調器
3 音源
4 受光素子またはアンテナ
5 コンデンサ
6 回路フィルタ
7 スピーカー、イヤホン、ヘッドホン等
8 送信部
9 受信部
10a 色フィルタ
10b 10aと異なる色の色フィルタ
11 増幅器
12 電力源
30 音源
31 変調器
32 光源
33 天井
34 ソケット
35 口金
本発明は光を含む電磁波のエネルギーを音に変換するシステムに係り、特に光エネルギーを用いてワイヤレスで複数の音を選択し音を発生させる音響システムに関する。
従来の音響を発生させるシステムには、音源である電気信号を送信し、前記信号を受信し、送信部、受信部の一方もしくは両方にて前記信号を処理又は加工した上で、増幅器を介して増幅し、スピーカー、イヤホン、ヘッドホン等を駆動させる方法が多く採用されており、音源を再生するまでに少なくとも5回の段階を踏まえなくてはならない。また、電気信号を送信し前記信号を受信する際には、電線、ケーブル、光ファイバー、ワイヤー、コード等の媒体が必要となる。また、多くは受信部に電力を供給するための外部電源を必要とする。
また、それらの媒体を必要としないものとして、FM、AM等の電波もしくは自由空間中の光による通信方法があるが、多くの場合、音響の再生には外部電源が必要である。
上記通信方法の例として、「レーザーポインターで光通信をしよう」http://www.gijyutu.com/kyouzai/cybernetics/laser.htmに開示された第一の技術、特開平11−308684号公報に開示された第二の技術が挙げられる。
また、上記通信方法において、電気信号を複数の送信部と複数の受信部により伝達する方法がある。それには、特開2000−332690号公報に開示された第三の技術が挙げられる。
また、上記通信方法において、電力供給もワイヤレスで行い、電気信号を送信部と複数の受信部により伝達する方法がある。それには、特開2000−165961号公報に開示された第四の技術が挙げられる。
電気信号の送受信をワイヤレスで行う第一の技術と第二の技術において、第一の技術は、ラジオカセットの電気信号を、レーザーポインターを用いて送信する手段と、信号を太陽電池によって受信する手段と、増幅器を介して増幅する手段と、スピーカーを駆動させる手段とを備えた、音響を発生させるシステムである。
また、第二の技術は、音源よりイヤホンジャック又はヘッドホンジャックに挿入されるプラグと、前記プラグを介して得られる電気信号を、赤外線を主とする光信号に変換して空間に送信する光送信機と、空間から受信される光信号を電気信号に復元してイヤホン又はヘッドホンを駆動する光受信機とを備えた、音響を発生させるシステムである。
電気信号の送受信をワイヤレスで行い、前記電気信号を複数の送信部と複数の受信部により伝達する第三の技術は、電気音声信号を生成する音源部と、前記電気信号を分岐する分岐部と、分岐された電気音声信号に対応してそれぞれ光音声信号を放射する複数の隔離した発光部と、前記光音声信号を受けて受信信号を生成する2つ以上の受光器と、前記2つ以上の受光器からの受信信号により音声を再生する音声再生手段とを有するヘッドホン形式の受信機と、を備えるシステムである。
電気信号の送受信と電力供給をワイヤレスで行い、前記電気信号を送信部と複数の受信部により伝達する第四の技術は、オーディオ信号をデジタル信号に変換する手段と、前記信号をあらかじめ設定した信号フォーマットに変換する手段と、受信部を制御する制御信号を重畳する手段と、光を搬送波として用いて送信する手段とを備えた送信ユニットと、送信された信号を受信する手段を備えた受信ユニットと、前記送信ユニット内に電力を電磁波で送信する手段と、前記受信ユニット内に前記電磁波を受信する手段と、スピーカーを駆動する手段と、を備えるシステムである。
特開平11−308684号公報 特開2000−332690号公報 特開2000−165961号公報 「レーザーポインターで光通信をしよう」http://www.gijyutu.com/kyouzai/cybernetics/laser.htm
上述の如く、従来の音響を発生させるシステムにおいて、電線、ケーブル、光ファイバー、ワイヤー、コード等の媒体を必要とする方法では、媒体の配線作業が必要であり、電源のためのコンセントの確保が要件であるという欠点を有する。また、媒体の長さには限界があり、その媒体により景観を損ねる等の欠点を有する。よって、配線方法に疎い人にとって音響装置の設置は困難を伴うものである。また、媒体はからまったり、ほこり、ごみ等で汚れたりし、扱い難いものであり、身体等に引っかかることによって転倒する危険もある。また、媒体の断線、絶縁不良、損傷、接触等による漏電が火災の原因となる場合がある。
また、装置に電池、充電池、発電機等を用いる場合は、装置の重量がかさむため軽量化が困難であり、軽量のものを製造したとしても電池の減りが早いという欠点を有している。また、電池等を交換しなければならないため、媒体を含め、定期的な保守が必要であるという欠点を有する。さらに、音響発生のための外部電源として一般的に用いられている乾電池や蓄電池には水銀等の有害物質が含まれており、廃棄した場合、環境を汚染するという欠点を有する。
また、ステレオ化や多言語化の要求があるが、その要求に答えるために受信回路が複雑になるという欠点を有する。また、構成部品が多くなり、装置が安価に製作できないという欠点を有する。
よって、従来ワイヤレスであること、外部電源を必要としないこと、回路が単純であること、を備えたシステムを開発することが目標とされている。
ワイヤレスの音響発生システムである第一の技術では、受信部に電池及び増幅器を使用しているため、装置の軽量化は困難である。また、電気信号を送信するためにレーザーポインターの光を使用しているが、電気信号を、光出力を変化させることによって光に乗せており、単一波長のため乗せられる信号は一つに限られ、ステレオ化することが困難である。仮にステレオ化する場合は、複数の電気信号ごとに受信部が必要となり、受信部同士を接続するのに配線するため、電気信号用に媒体を使用して配線することと結果的に同じである。
また、第二の技術では、受信部に外部電源が必要であり、第一の技術と同様に、装置の軽量化は困難である。また、受信部であるイヤホン又はヘッドホンに電池を内蔵するために、身体に装着すると負担がかかり、長時間使用すると疲労する。また、指向性の高い光通信で電気信号を送信していることにより、受信可能な範囲が限定され、テレビを視聴しながら別のことをすることが困難になるため、ワイヤーの届く範囲しか移動できず、行動範囲が非常に限定されることと結果的に同じである。また、電気信号を、光出力を変化させることによって光に乗せており、乗せられる信号は一つに限られるため、第一の技術と同様に、ステレオ化することが困難である。
また、第三の技術でも、受信部に外部電源が必要であり、第一、第二の技術と同様に、装置の軽量化は困難である。また、同技術は回路が複雑であり、装置製作にかかるコストが高くなる。また、ヘッドホン形状に電池を内蔵するために、身体に装着すると負担がかかり、第二の技術と同様に、長時間使用すると疲労する。また、この技術の目的は受験者に対する平等なリスニングシステムであるが、前記特開2000−332690号公報に記載された図4より、人などの障害物により光の影が発生する場合があるために、送信部と受験者の位置関係によっては聞きづらい場所が存在することとなり、スピーカー相互の干渉があるために、スピーカーと受験者の位置関係によって聞きづらい場所が出来るのと結果的に同じである。また、スピーカーとは別個に同技術を実現する装置を設置するとなると、費用がかかり、同技術を導入できる教育機関等は限られる。また、前記特開2000−332690号公報に開示された技術の出願人は名古屋大学長であるが、例えば平成17年度の名古屋大学の一般選抜試験の全志願者数は7029名である。リスニングテストを要求する英語の試験は必須科目であることが一般的であり、試験内容が学部、学科等によって変わることがほとんどないため、受信部の使いまわしが出来ない。つまり、年に一度の試験のために約7000個ものヘッドホン形状の受信部を保管しておく必要があるが、保管場所に余裕がある教育機関等は限られる。また、約7000個のヘッドホン形状の受信部の電池の残量確認、交換に加えて、スイッチのオン、オフの確認をする必要があり、点検に人手と時間がかかる。また、年ごとに受験者数は変動するものであり、毎年受験者数と同数の受信部を用意できるとは限らない。また、受信部の電池の消耗の程度によって、聞こえ方が受験者によって異なってしまう。また、同技術の出願から6年以上が経過しているが、前記名古屋大学は実際に同技術を採用していない。また、同技術は、同じ電気信号を分岐して送信し、前記電気信号を受信するシステムである。従って、受信部を保持する各人に対し、同じ情報を提供することを目的としており、場所毎に異なる情報を提供するシステムではない。
また、ワイヤレスかつ電源を必要としないシステムである第四の技術では、電気信号を送信する手段と、電力を送信する手段とが分かれており、それぞれに対応した送信部内、受信部内の回路が必要である。また、前記特開2000−165961号公報に記載された図2と図3より、送信部に少なくとも10種類の回路、受信部に少なくとも10種類の回路、計20種類の回路が必要であり、簡便なシステムとは言い難い。また、受信部に二次電源を備えていることにより、第一、第二、第三の技術と同様に、装置の軽量化は困難である。
また、第一、第二、第三、第四の技術に共通することであるが、いずれも光に音響信号を重畳して送信するシステムであり、音響発生装置自体は別のエネルギー源を必要とする。つまり、光エネルギーを情報伝達の目的のみに使用しており、光エネルギー自体を音響の発生に用いているわけではない。
本発明の目的は、音響発生のシステムにおいて、上記従来技術の有する問題を解消し、電気信号の送受信及び電力供給を、同一の、光を含む電磁波を用いてワイヤレスで行うことにより、小型軽量化が可能で、複数の音源及び複数のスピーカーに対しても送信部、受信部を複雑化しなくてよい、光を含む電磁波による音響システムを提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1記載の光を含む電磁波による音響システムは、十分な強度を持つ、光を含む電磁波を、音源である電気信号によって変調する手段と、受光素子またはアンテナによって、変調された光を含む電磁波を復調しつつ、光を含む電磁波のエネルギーを電気エネルギーに変換する手段と、前記電気エネルギーを利用し、直接スピーカー、イヤホン、ヘッドホン等を駆動させることにより、復調された電気信号を音響として発生させる手段と、を備えることを特徴とする。
また、請求項2記載の光を音響信号の伝達手段として用いた音響システムは、光源の色と受光素子の前に設置された色フィルタの色とを組み合わせる手段と、単一もしくは同時に伝達された複数の音響信号を任意に選択する手段と、音響を発生させる手段と、を備えることを特徴とする。
また、前記光源を変調して送信する送信部、室内もしくは野外において構造体に設置され、変調された前記光源を受信する受信部、身体、被服、装身具等に装着されることを特徴とする。
また、前記送信部は、前記光源を変調する手段と、前記音源を組み込む手段と、を備え、照明の接続部と同様の形状を有することで、照明と差し替えることが可能であることを特徴とする。
本発明の請求項1に係る構成によれば、電気信号の送受信及び電力供給を別々の光、または電磁波によって行うのではなく、同一の、光を含む電磁波で行うため、光を含む電磁波を変調する手段と、電気エネルギーに変換する手段と、スピーカー等を駆動する手段の、3回の手段を踏まえるだけで音響を発生させることができる。また、送信部、受信部の回路が簡単である。また、電気信号の送受信及び電力供給をワイヤレスで行うため、配線が不要で、設置の自由度が高まる。また、受信部に外部電源を必要としないため、漏電等の心配がなく、電池、発電器などの交換、装置の保守も不要である。また、装置全体が水等によって使用不可になることが極めて少ない。また、スイッチのオン、オフ等の確認も必要としない。また、電池、発電器等を使用しないことで、装置を小型軽量化することが可能であり、イヤホン、ヘッドホン等を長時間使用していても負担がかからず、疲労しない。また、電池、充電池等を使用していないので、環境を汚染することもない。また、伝送手段として電波を用いた場合は、無線通信や都市雑音が混信し不快であるが、光を用いた場合には電波雑音の影響を受けない。また、光エネルギーを情報伝達の目的のみに使用するのではなく、光エネルギー自体を用いている。従って、光を含む電磁波のエネルギーと音響エネルギーとを関連させることにより、音響発生の活用範囲を広げることが可能である。
また、本発明の請求項2に係る構成によれば、多言語化、ステレオ化の際は、複数の電気信号を一つの送信部より送信し、一つの受信部において色フィルタを交換するだけで、複数の前記電気信号を選択し、受信することが可能である。また、多言語化、ステレオ化するために回路を複雑にする必要がない。また、受信部の構成部品が少なく、安価に製作できるため、多数の人に配布することが可能で、公共の場所での利用価値が高まる。また、光源は普段、照明または電飾として装うことができる。
また、本発明の請求項3に係る構成によれば、場所ごとに異なる情報を伝達することが可能である。また、場所ごとに同じ情報を伝達することも可能である。また、受信部の装着により、特定の人物または物体に対してのみ音響情報を伝達することができる。よって、学校、駅舎、公共施設等で案内、誘導、アナウンス、注意などをする際に有用である。また、指向性の高い光通信を使用することにより、美術館等の特定のブースなどで情報を得たい人にとって、限られた範囲での通信は十分に目的に沿う。また、受信部を装着することは各人の能動的行為であり、情報を伝達したいという側と情報を得たいという側の双方の利害が一致しているため、音響によって迷惑を被ることはない。また、美術館などの公共施設等では、受信部を回収することができるため、使いまわすことが可能で、大量の受信部を保管しておく必要がない。
また、本発明の請求項4に係る構成によれば、従来の照明用電球と交換が可能であり、照明の機能を損なうことなしに、音響信号を光により伝達する機能を提供することができる。また、音源と受信部との距離によって音量が変化するため、受信部を持つ対象者もしくは対象物が、音源との距離又は音源に対する位置等を把握することが容易に可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は本発明の第一の実施の形態に係るシステム構成図である。
同図において、本発明による音響システムは、光を含む電磁波を生成する装置1と、生成されたエネルギーを変調する変調器2と、音源3と、変調器2によって変調されたエネルギーを電気エネルギーに変換する受光素子またはアンテナ4と、その受光素子またはアンテナ4によって発生した電力で駆動されるスピーカー、イヤホン、ヘッドホン等7と、コンデンサ5と、回路フィルタ6と、を備えている。
同図において、音源3は変調器2に接続される。
ここで、光を含む電磁波を生成する装置1、変調器2、および音源3はそれぞれに一体化、もしくは分離独立して構成することが可能である。また、受光素子またはアンテナ4、コンデンサ5、回路フィルタ6、およびスピーカー、イヤホン、ヘッドホン等7はそれぞれに一体化、もしくは分離独立して構成することが可能である。さらに受信部8と受信部9は一体的に構成することが可能だが、好適には分離独立させることにより、遠隔での駆動を可能とする。
コンデンサ5と回路フィルタ6の順番は入れ替えが可能である。また、コンデンサ5および回路フィルタ6は全く使用しなくてもよい。
変調器2での変調方法には数通りあるが、光を含む電磁波を生成する装置1の出力を一定にしておいて、音響光変調器等の変調器を使用する方法や、光を含む電磁波を生成する装置1の励起エネルギーを直接に変調させる方法がある。図1では前者の方法を用いている。
また、伝送手段として光を用いた場合には、鏡、レンズ等を用いて所定の目的を達するように光の届く範囲や強度を調節することも可能である。
なお、光を含む電磁波の生成装置1について、高出力の光源を使用した場合には、設置の際に安全性への配慮が必要である。また、アイセーフレーザーを使用することも一方法である。
受光素子またはアンテナ4は光源に向けて設置する。また、電源供給用と信号受信用に受光素子を分割することも可能である。
ここで受光素子またはアンテナ4としてシリコンによる太陽電池を使用した場合、太陽電池の感度のピークは波長1μm前後に存在する。従って、その波長に近い光源を使用することで、それによって運ばれるエネルギーを効率よく吸収することができる。
また、受光素子またはアンテナ4とスピーカー、イヤホン、ヘッドホン等7のインピーダンスの整合をはかることで、最適な環境での音響の発生が可能である。一例としてスピーカーは8Ω、イヤホンは32Ω、薄膜スピーカーは2kΩの典型的なインピーダンスを持っており、適切な手段で受光素子との整合をとることが可能である。
また、シリコンによる太陽電池は半永久的な寿命を持ち、電池交換などを行う必要がないので、音響システムとしては保守不要で半永久的な使用が可能である。さらに、シリコンは元々酸化物、珪酸塩として地殻中に多量に存在するため、廃棄しても環境を汚染する心配がない。
コンデンサ5は直流分をカットするために、必要に応じて使用する。コンデンサ5には電荷が蓄積されるため、それを利用して別回路を駆動させることも可能である。一例としては、パイロットランプ等を点灯させることができる。
また、自然光は直流であるため、音響の交流信号とは容易に分離が可能であり、太陽電池による受光が日照などに左右される心配はない。
回路フィルタ6に関して、照明、電飾等が特定の周波数で点滅しているような場合は、必要に応じてこれを使用し、雑音を抑制する。
送信部8は移動が可能だが、それを構造体に設置し受信部9を身体、被服、装身具等に装着することにより、対象者もしくはロボット等の対象物に音響を提供することができる。受信部9にはコード等の媒体を除いたヘッドセット状のもの、身体の一部に引っ掛ける形状のもの、又はぶら下げる形状のもの、などが利用可能である。さらに受信部9を装着していない場合には音響の影響はないため、特定の人物または物体に対してのみ音響情報を伝達することができる。また、光源は照明、電飾等として装うことが可能である。
受信部9は電線、ケーブル、光ファイバー、ワイヤー、コード等の媒体を必要としないため、配線等の労力から解放され、空間中の任意の場所に固定することが可能である。また、空間中の任意の場所で移動、遊動、または浮遊させることが可能である。あるいは、構造体へ埋め込んだりはめ込んだり、または吊るしたり引っ掛けたりしてもよい。
また、スピーカー、イヤホン、ヘッドホン等7に小型、薄型、又は軽量のものを使用することにより、空間中を移動、遊動、または浮遊させることが容易になる。一例として、スピーカー、イヤホン、ヘッドホン等7を付属させた物体を空間中で移動させ、その際に音を発生させることが可能である。物体としては、熱気球、風船、バルーン、パラシュート、その他浮遊または飛行するものが含まれる。
図9に本発明の第一及び第二の実施の形態の一例を示す。任意の場所に設置された受信部9に取り付けられた受光素子またはアンテナ4に向けて、送信部8より光を含む電磁波を送信し、音響を発生させる。スピーカーは人物の頭より高い位置に設置され、人体に影響を及ぼさない。
図2は本発明の第二の実施の形態に係るシステム構成図である。
同図において、本発明の第一の実施の形態と重複するものは、説明を省略する。
同図において、音源3は変調器2に接続され、変調器2は光を含む電磁波を生成する装置1に接続される。また、図2では、光を含む電磁波を生成する装置1の励起エネルギーを直接に変調させる方法を用いている。ここで、光を含む電磁波を生成する装置1として、好適にはダイオードレーザーを用いるとよい。変調については、AM変調によるが、スピーカー、イヤホン、ヘッドホン等7の駆動は直流であるため、変調の際バイアスをかけて両極方向に振ることができるようにする必要がある。
図3は本発明の第三の実施の形態に係るシステム構成図である。
同図において、本発明の第一の実施の形態と重複するものは、説明を省略する。
同図において、本発明による音響システムは、複数の受信部8と、光源の色に対応した色フィルタ10aと、変調器2によって変調されたエネルギーを電気エネルギーに変換する受光素子またはアンテナ4と、その受光素子またはアンテナ4によって発生した電力で駆動されるスピーカー、イヤホン、ヘッドホン等7と、コンデンサ5と、回路フィルタ6と、を備えている。
色フィルタ10a、受光素子またはアンテナ4、コンデンサ5、回路フィルタ6、増幅器11、およびスピーカー、イヤホン、ヘッドホン等7はそれぞれに一体化、もしくは分離独立して構成することが可能である。
また、色フィルタ10aは、10aと異なる色の色フィルタ10bと交換可能である。
同図のように、光源を多色配置し、それぞれの光源の色に対応した色フィルタ10aを受光素子の前に設置することで、複数の音響より任意の音響を選択し、発生させることが可能である。これにより、光源の色の違いによりバイリンガル、多言語、ステレオ化等に対応でき、よって学校、駅舎、公共施設等で案内、誘導、アナウンス、注意などをする際に有用である。
図9に、本発明の第三の実施の形態の一例を示す。美術館等において、人物Aがヘッドホンからコード等の媒体を除いたものに赤い色フィルタを取り付けたものを装着し、天井の赤い光の下に移動すると、ヘッドホンから日本語の説明が流れる。一方、人物Bが人物Aと同様のヘッドホンに緑色の色フィルタを取り付けたものを装着し、緑の光の下に移動すると、英語の説明が流れる。赤い光、緑の光は人物A、人物Bにとって情報の発信源であるとの目印になる。また、光源の色を重ねることもでき、二つの色の混色が見えた場合には、日本語と英語の両方でアナウンスされていることが一目瞭然となる。本例では赤と緑を使用しているので、混色は黄色か橙色となる。人物Cは受光装置を装着していないため、音源の音は聞こえず、赤い光、緑の光、あるいはその混色は装飾電気に見える。
図10に、本発明の第三の実施の形態に係る、受信部9の概略図を示す。受信部9は、人物の頭部に装着されるヘッドホン形状をしており、その上部に色フィルタ10aと、色フィルタ10aの上に太陽電池と、を差し込むことが出来るようになっている。また、色フィルタ10aと太陽電池は取り外しができ、特に色フィルタ10aを10aと異なる色の色フィルタ10bと交換することで、多言語化に対応できる。また、使用波長や目的に応じて太陽電池を交換することもできる。また、色フィルタと太陽電池の最適な組み合わせで一体化することもできる。また、ヘッドホンの左右の上に、それぞれ異なる色の色フィルタを取り付けることで、ステレオ化に対応することが可能である。
図11に、本発明の第三の実施の形態の一例を示す。視覚障害者の方が電車に乗る際、受信部9を身につけていれば、電車のドアの上部に取り付けられた送信部8からのアナウンスにより、何番目の車両に乗車したかを把握することが可能である。また、この技術は電車に限らず、他の公共移動手段に応用してもよい。
図12に、本発明の第三の実施の形態の一例を示す。視覚障害者の方が教育機関等の教室に入室する際、受信部9を身につけていれば、教室のドアの上部に取り付けられた送信部8からのアナウンスにより、何番教室に入室したか、この教室では次の時間にどの授業が行われるか、などを把握することが可能である。
また、光源に赤色LEDを使用した場合、LED一つで約40mWの光出力が可能であり、他方イヤホンに必要な電力は約20mWであるため、十分に動作する。また、必要に応じてLEDの個数を増やすことも可能である。
なお、光源について赤色、緑色で説明しているが、これは他の色、赤外光でもよい。赤外光を使用した場合、対象者もしくはロボット等の対象物から光源を見えないようにすることが可能である。
なお、本発明の第一、第二、第三の実施の形態において、本発明の利点を損なわない範囲に限り、装置に補助的に電池もしくは充電池を使用することも可能である。
図4〜図6は、本発明の第三の実施の形態に係り、装置に補助的に電力源を用いた場合の構造図である。
図4〜図6において、本発明の第三の実施の形態と重複するものは、説明を省略する。
図4に示すように、増幅器11が回路フィルタ6とスピーカー、イヤホン、ヘッドホン等7との間に配置され、電力源12より増幅器11に電力が供給される。
図5に示すように、増幅器11が回路フィルタ6とスピーカー、イヤホン、ヘッドホン等7との間に配置され、受光素子またはアンテナ4を介して充電された電力源12より増幅器11に電力が供給される。
図6に示すように、増幅器11が回路フィルタ6とスピーカー、イヤホン、ヘッドホン等7との間に配置され、コンデンサ5を介して充電された電力源12より増幅器11に電力が供給される。
図7に本発明の第一、第二、第三の実施の形態において、光源にLEDを使用し、増幅器11にオペアンプを用いて光源を変調した場合の送信部8の回路図を示す。同図において、本回路の入力は音響機器のイヤホン端子に接続され、入力された音響信号はオペアンプIC1により増幅されると同時に、基準電圧をLED駆動に適したレベルに調節される。また、無変調時にLEDに定格の電流が流れ、音響信号が加えられると定格電流を中心に電流が増減することにより、LEDの明るさが変調される。よって、人間の目にはLEDは同じ明るさで連続的に点灯しているようにみえる。また、LEDは三つが接続されているが、接続するLEDの数には制限はない。
図8は本発明の第一、第二、第三の実施の形態に係る、受信部の回路図である。同図において、小型の太陽電池の出力端子は、コンデンサC3を通し汎用のマグネチック型イヤホンに接続される。また、LEDと太陽電池の距離が1cmから10cmまでの間で明瞭に音響信号が再生される。この距離を越えると受光量が減少し音量が小さくなるが、これは太陽電池のサイズとLEDの指向性の問題であり、容易に解決できる。また、太陽電池を傾けると入射角の余弦に従って受光量が減少するが、人間の耳では音量が変化したとは認識されなかった。従って、身体の一部に装着した場合、姿勢の変化などにより受光面の角度が変化するが、実用上、十分に安定して音響信号を伝達できると考えられる。
送信部8及び受信部9の回路は単純で、必要とされる各部品が安価であり、受信部に関しては電池も必ずしも必要としないため軽量に製作でき、簡便な装置として利用可能である。また、本方式はアナログ方式であり、光源からの距離によって音量が変化するため、各人、特に視覚障害者等にとっては、自分の光源からの位置関係を知るための手がかりとなる。
図9は本発明の第四の実施の形態に係る、システム概略図である。同図において、送信部の接続部33従来の照明用電球と同様の形状をとり、照明器具の接続部34への着脱が可能である。また、音源30は変調器31に接続され、変調器31は光源32に接続される。
ここで、音源30、変調器31、および光源32はそれぞれに一体化、もしくは分離独立して構成することが可能である。また、音源30と光源32を変調器31に接続することも可能である。
また、送信部を車等の移動体に装着しておけば、移動体の接近や動作を伝達する手段として利用可能である。
図14〜図16は本発明の実施の形態においてNd:YAGレーザー(基本波1064nm)をQスイッチパルス発振で使用した場合に、実際にスピーカーに流れる電流の波形である。図14、図15、図16はそれぞれ、Nd:YAGレーザーの周波数が100Hz、1kHz、15kHzの時に流れる電流の波形を表している。つまりこれにより、低い周波数から高い周波数まで実際に音響の発生が可能であることがわかる。
さらに、本発明の実施の形態において、レーザーを使用しているが、光を含む電磁波を生成する装置1はこれに限らない。また、光の伝達方法は自由空間中と説明しているが、これに限らない。また、変調方法についてAM変調を使用すると説明しているが、FMおよびその他の変調方法を使用してもよい。また、太陽電池について説明しているが、受光素子またはアンテナ4はこれに限らず、フォトダイオードやアンテナアレイなどを使用してもよい。また、電気エネルギーを変換する方法は受光素子またはアンテナ4を用いた方法に限らず、他の手段によって音響に変換してもよい。また、スピーカー、イヤホン、ヘッドホン等7について電流にて駆動すると説明しているが、それらに電圧駆動のものを使用しても本質的に同等であり、差し支えない。
本発明の第一の実施の形態に係るシステム構成図である。 本発明の第二の実施の形態に係るシステム構成図である。 本発明の第三の実施の形態に係るシステム構成図である。 本発明の第三の実施の形態に係るシステム構成図である。 本発明の第三の実施の形態に係るシステム構成図である。 本発明の第三の実施の形態に係るシステム構成図である。 本発明の第一、第二、第三の実施の形態に係る送信部の回路図である。 本発明の第一、第二、第三の実施の形態に係る受信部の回路図である。 本発明の第四の実施の形態に係る、システム概略図である。 本発明の第一、第二の実施の形態に係る、システム概略図である。 本発明の第三の実施の形態を、美術館等でのアナウンスに応用した場合の概略図である。 本発明の第三の実施の形態に係る、受信部の概略図である。 本発明の第三の実施の形態を、電車のドアでのアナウンスに応用した場合の概略図である。 本発明の第三の実施の形態を、学校教室のドアでのアナウンスに応用した場合の概略図である。 Nd:YAGレーザーの周波数が100Hzの時にスピーカーに流れる電流の波形である。 Nd:YAGレーザーの周波数が1KHzの時のスピーカーに流れる電流の波形である。 Nd:YAGレーザーの周波数が15KHzの時のスピーカーに流れる電流の波形である。
符号の説明
1 光を含む電磁波の生成装置
2 変調器
3 音源
4 受光素子またはアンテナ
5 コンデンサ
6 回路フィルタ
7 スピーカー、イヤホン、ヘッドホン等
8 送信部
9 受信部
10a 色フィルタ
10b 10aと異なる色の色フィルタ
11 増幅器
12 電力源
30 音源
31 変調器
32 光源
33 送信部の接続部
34 照明器具の接続部
また、請求項2記載の光を音響信号の伝達手段として用いた音響システムは、光源の色と受光素子の前に設置された色フィルタの色を組み合わせる手段と、単一もしくは同時に伝達された複数の音響信号を任意に選択する手段と、音響を発生させる手段と、を備えることを特徴とする。

Claims (3)

  1. 十分な強度を持つ、光を含む電磁波を、音源である電気信号によって変調する手段と、受光素子またはアンテナによって、変調された光を含む電磁波を復調しつつ、光を含む電磁波のエネルギーを電気エネルギーに変換する手段と、前記電気エネルギーを利用し、直接スピーカー、イヤホン、ヘッドホン等を駆動させることにより、復調された電気信号を音響として発生させる手段と、を備えることを特徴とする光を含む電磁波により駆動する音響システム。
  2. 光を音響信号の伝達手段として用いた音響システムであって、光源の色と受光素子の前に設置された色フィルタの色とを組み合わせる手段と、単一もしくは同時に伝達された複数の音響信号を任意に選択する手段と、音響を発生させる手段と、を備えることを特徴とする光を含む電磁波により駆動する音響システム。
  3. 前記光源を変調して送信する送信部は、室内もしくは野外において構造体に設置され、変調された前記光源を受信する受信部は、身体、被服、装身具等に装着されることを特徴とする請求項2記載の光を含む電磁波により駆動する音響システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009049842A (ja) * 2007-08-22 2009-03-05 Hideki Okamura 光を用いた情報伝達システム
JP2009213874A (ja) * 2008-02-13 2009-09-24 Planners Land Co Ltd 音声信号受信型音声玩具及び音声玩具装置
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