JP2007052149A - プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 1次転写ローラ、中間転写ベルト、高圧電源部よりなる転写プロセス用カートリッジ22が有する転写部品(4色分の1次転写ローラ、中間転写ベルト)の各々にICチップ24とアンテナ25を持つICタグ23を取付ける。ICチップの不揮発メモリには各転写部品固有の抵抗値を予め格納し、これにアクセスする本体側のICタグリーダライタ装置26は、色毎に1次転写部の合成抵抗を求め、本体制御部50へ伝える。本体制御部は用意した制御テーブルを参照して1次転写部の合成抵抗に対応し、適正な転写バイアスを与える1次転写出力電流の制御目標値(PWM DUTY)を高圧電源部30に指示する。先行例で高圧電源部に設けた転写部の抵抗検出回路に代えてICタグ方式とすることで上記課題が解決される。
【選択図】 図5
Description
転写部をプロセスカートリッジとしてユニット化する場合、必要な転写性を得るために、プロセスカートリッジの特性等の違いに対応した転写電流の目標値を設定し、目標の電流を流す制御を行っている。下記特許文献3では、転写ベルトへの印加電流値と実際に印加される電圧値からベルトの抵抗値を求め、実測した抵抗値に基づいて、最適な転写条件を得るための電流を設定している。
この先行例における高圧電源部は、1次転写の抵抗の変動によって起きる1次転写不良や異常放電を防止するために、画像形成装置のプロセスコントロール時に、1次転写の出力電流と出力電圧を検出して1次転写の抵抗検出を行い、また、求めた抵抗値から1次転写の出力電流の目標値を決定するプロセス仕様に従った制御を行う。1次転写の抵抗は、中間転写ベルトと1次転写ローラの2つが関係する。この抵抗に生じる変動は、各々の抵抗値のばらつきによるものが大きな変動要因となり、2つの合成抵抗値の積み上げ抵抗公差が変動を大きくする、という側面を持つ。定電流制御の1次転写バイアスにおいては、抵抗値が小さければ出力電圧がねらいに対して小さくなって転写不良を起こし、又抵抗値が大きければ、出力電圧がねらいに対して大きくなって異常放電といった不具合を起こすことになる。
本発明は、各色成分用の1次転写部、カラー合成画像用の2次転写部に加えて、転写部を駆動するための高圧電源部を一体化した構成を有する、上述のプロセスカートリッジを使用する先行例における問題点に鑑み、これを解決するためになされたもので、その解決課題は、先行例のように、高圧電源部で1次転写の出力電圧を検出し、検出したアナログ信号を装置本体に伝送するというアプローチを行わずに、転写部の抵抗値を得る手段をより簡素でローコストに構成し得、かつプロセスコントロール時間の短縮化が可能な制御方法によって転写を行うことを可能にするプロセスカートリッジを提供し、このプロセスカートリッジを使用した画像形成装置によって適正な画像出力を可能とする機能の実現を図ることにある。
請求項2の発明は、請求項1に記載されたプロセスカートリッジを着脱可能に装着し得るようにし、画像データに対する出力指示に従って、前記プロセスカートリッジを用いた画像形成プロセスの制御を行う制御部を有する画像形成装置であって、前記プロセスカートリッジに取り付けたICタグに対するタグリーダ・ライタ装置を備え、前記制御部は、タグリーダ・ライタ装置を制御下において、ICタグに読み込まれた抵抗値を管理することを特徴とし、このようにすることによって上記課題を解決するものである。
請求項4の発明は、ユーザインタフェースとして機能する操作部を有する請求項3に記載された画像形成装置において、前記制御部は、演算により得られた1次転写部の前記合成抵抗値が予め定められた許容範囲を外れるか、否かを判定するチェック手段と、前記チェック手段により許容範囲を外れたと判定されたときに、前記操作部を通じてその旨の警告を行うことを特徴とし、このようにすることによって上記課題を解決するものである。
また、1次転写部の合成抵抗値をチェックした結果、許容範囲を外れたと判定されたときに、操作部を通じてその旨の警告を行うことにより、転写不良及び異常放電を未然に防止し、各色毎の状態を容易に認識することが可能になる。
図1は、本実施形態に係わるカラー複写機の構成を概略的に示す図である。なお、装置に着脱可能としたプロセスカートリッジを持つ作像エンジン部は、図2により詳細な構成を示す。
図1に示すカラー複写機は、露光された複写原稿からの反射光を光電変換し、読取った原稿画像の信号処理を行うスキャナー部1と、画像データによってPM、PWM変調がかけられ発光が制御されるレーザ光源からのビーム光で感光面を照射する書き込み部2と、書き込み部2からのレーザービームで感光面が照射され、静電潜像を作る感光体ドラム3とを備える。 また、感光体ドラム3まわりには、感光面を一様に帯電させる帯電部4と、潜像を作った感光体ドラム3にトナーを付着させる現像部5と、感光体ドラム3に付着させたトナー画像を転写紙に転写する(中間転写ベルトを介して行う)ための転写部6とを備える。ここではタンデム方式によるので、これら現像,感光体ドラム3回りの作像は、シアン(C)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色成分で独立に行ことができ、また転写の過程で各色成分をカラー合成するような構成をとる。
また、給紙トレイを本体部7(片面機)と給紙バンク8に、手差し給紙台9を本体部に備える。 また、搬送部によって送られてきた作像済みの転写紙に温度と圧を加えて、トナーを用紙上に融着させるベルト定着ユニット11と、定着ローラ12、加圧ローラ13とを備える。
タンデム方式の作像エンジンを構成するので、色成分である4色分の感光体ドラム3C,3Y,3M,3Kに各色のトナー画像を作像する。このために感光体ドラム3C,3Y,3M,3Kまわりには、それぞれ帯電ユニット4C,4Y,4M,4K(光書き込み前の感光面を一様に帯電させる)と、現像ユニット5C,5Y,5M,5K(光書込みにより生成した静電潜像をトナーにより現像する)と、クリーニングユニット15C,15Y,15M,15K(感光体ドラム上の未転写トナーをクリーニングする)等よりなる作像ユニットを備える。なお、各作像ユニットは、用いるトナー以外に基本的な違いはない。
本例では、各感光体ドラムに作像されたトナー画像を中間転写ベルト19に一旦転写(1次転写)した後、中間転写ベルト19上の画像を転写紙にさらに転写(2次転写)する2度の転写により、転写紙に画像を形成する。また、1回の通紙により画像形成を行うので、移動する中間転写ベルト19の上流から下流に所定の間隔を持って配列された感光体ドラム3C,3Y,3M,3Kを経て中間転写ベルト19上に転写される画像は、ベルト上で重ね合わされ、カラー画像として形成され、その後、転写紙に写される。
それぞれ4色分の作像ユニットによって形成された感光体ドラム3C,3Y,3M,3K上のトナー像は、1次転写ローラ16C,16Y,16M,16Kによって、中間転写ベルト19上に順次1次転写される。また、1次転写された中間転写ベルト19上のカラー合成されたトナー像は、2次転写ローラ17とこれに対抗する2次転写対抗ローラ18によって、転写紙上に2次転写される。なお、中間転写ベルト19上に未転写トナーとして残留するトナーは、ベルトクリーニングユニット20により除去される。
高圧電源基板21は、各感光体ドラム上のトナー像を中間転写ベルト19に1次転写するために、各1次転写ローラを介して中間転写ベルト19に転写バイアスを印加し、又中間転写ベルト19上のトナー像を転写紙に2次転写するために、2次転写ローラ17を介して中間転写ベルト19に転写バイアスを印加する高圧電源部を持つ。
ここに、1次転写は、1次転写ローラ16C,16Y,16M,16Kにトナー像(−極性)と反極性である+極性のバイアスを印加することにより、感光体ドラム3C,3Y,3M,3K上に作像されたトナー像を中間転写ベルト19の内側から引き寄せ中間ベルト19上に転写する、というプロセスによる。
また、2次転写は、2次転写ローラ17、2次転写対抗ローラ18及び中間転写ベルト19を用いた押し出しバイアスにより転写が行われる。中間転写ベルト19上に転写された−極性のトナー像を、トナーと同極性である−極性のバイアスを2次転写ローラ17に印加することにより、中間転写ベルト19の内側からトナーを押し出し、押し出されたトナーを転写紙で受取ることにより転写を行う、というプロセスによる。
先行例の高圧電源基板21の高圧電源部は、この1次転写部の抵抗を知るために、電源部内にこの抵抗を検出するための回路を設ける方式によっていた。
図7は、この先行例の抵抗検出方式を用いる高圧電源部により1次転写部の転写バイアスを印加する制御系のハードウェア構成を示す。
図7に示す転写バイアスの制御系は、大別すると高圧電源部30’と本体制御部50’にて構成されている。
高圧電源部30’は、高圧の1次転写出力を行うために、駆動トランス32’による昇圧回路とこの回路を駆動する駆動制御部31’が設けられている。1次転写出力(1次転写ローラへの出力)は、電流基準の定電流制御方式とし、高圧電源部内の検出回路33’で1次転写出力電流を検出し、駆動制御部31’にフィードバックしている。駆動制御部31’においては、本体制御部50’からのPWM信号を制御信号として受信し、受信したこのPWM信号を1次転写出力の目標値として、出力側からフィードバックされた1次転写出力電流検出値と比較演算し、この出力電流制御を行う。
本体制御部50’は、CPU、CPUが実行するプログラムやデータを格納したROM、CPUがワークエリアとして使用するRAM等を備え、ROMに格納された装置全体を制御するための各種プログラムやデータに従って演算・処理等を実行し、メイン制御部としての機能を果たす。
転写部の制御の際、本体制御部50’は、1次転写部に所定の転写バイアスを印加するために、高圧電源部30’から1次転写出力帰還電圧として受取った転写部の状態(抵抗)を示す検出値をもとに、下記に示す方法によって、各転写部に応じた1次転写電流出力の目標値(PWM信号)を制御設定値として出力する。
ここに、1次転写電流出力を指示するPWM信号のDUTYと1次転写出力電流値とは、図8に示す関係になる。なお、図8において、縦軸は1次転写出力電流(μA)、横軸はPWM DUTY(%)にとり、両者の関係を線図で示している。例えば、PWM DUTYがそれぞれ P 1 、P 2 、P 3 、P 4 %のとき、対応する1次転写出力電流値は、 I 1 、I 2 、I 3 、I 4 μAとなって、各点は直線上に並び、リニアな関係になる。
また、1次転写出力電圧と1次転写出力帰還電圧とは、図9に示す関係になる。なお、図9において、縦軸は1次転写出力帰還電圧(V)、横軸は1次転写出力電圧(KV)にとり、両者の関係を線図で示している。例えば、1次転写出力電圧がそれぞれ KV 1 、KV 2 、KV 3 、KV 4 KVのとき、対応する1次転写出力帰還電圧は、V 1 、V 2 、V 3 、V 4 Vとなって、各点は直線上に並び、リニアな関係になる。
図10は、1次転写出力帰還電圧(V)の範囲と、各電圧範囲時に指示するPWM DUTY(%)、1次転写出力電流値(μA)の関係を示す制御用テーブルである。ここでは、I 2 μAといった1次転写出力電流を検出条件の基準として定めた場合で、1次転写出力帰還電圧(V)との関係を表しているが、当然1次転写出力帰還電圧(V)に換えて抵抗値としても良い。同図に例示する制御テーブルでは、1次転写出力帰還電圧VのV 1 〜 V 4 を3領域に分け、
V 1 < V < V 2 の時、PWM DUTYは P 3 、1次転写出力電流は I 3 μA,
V 2 < V < V 3 の時、PWM DUTYは P 2 、1次転写出力電流は I 2 μA,
V 3 < V < V 4 の時、PWM DUTYは P 1 、1次転写出力電流は I 1 μA
といった関係を予め定めておく。
図11に示すように、作像プロセスの開始時に(ステップS101)、同図に示すフローに従って、目標値の決定を行う。このフローでは、先ず、中間転写ベルトを駆動し動作状態とする(ステップS102)。ここで、1次転写出力電流目標値を抵抗検出時の基準値 I 2 μAとして(ステップS103)、所定サンプル周期にて1次転写出力電圧をサンプリングし、検出した1次転写出力電圧の平均値を求め、これを1次転写出力帰還電圧値とする(ステップS104)。
次に、1次転写の出力電流と出力帰還電圧の関係から、制御用テーブル1次転写の抵抗を演算し、得られる抵抗から、抵抗:1次転写出力電流目標値の制御テーブルを基に、所定のタイミングで次の値が決定するまでの1次転写出力電流の目標値を決定する(ステップS105)。なお、上記図11の制御テーブルを用いる場合には、1次転写出力帰還電圧値がどの設定範囲に属するかを判断し、1次転写出力電流の目標値を決定する。
この後,この検出プロセスを終了させるので、印加した1次転写出力を停止し(ステップS106)、中間転写ベルトの駆動を停止し(ステップS107)、このプロセスを終了する。
そこで、この実施形態では、1次転写部の抵抗を検出するための検出回路34に代えて、予め求めておいた1次転写部の抵抗値を、これに関与する1次転写ローラ16C,16Y,16M,16K及び中間転写ベルト19といった部品固有の抵抗値として各部品に保持させておき、プロセスコントロール時に、装着したプロセスカートリッジを構成するこれらの部品から直接、本体制御部に抵抗値を提供し得る方式として、上記先行例の検出回路34を不要とし、簡素な回路構成とローコストを可能とする。
本実施形態では、各1次転写ローラ及び中間転写ベルトといった部品レベルで部品固有の抵抗値を保持し、管理するために、これらにICタグを取り付け、本体制御部の制御下のICタグリーダ・ライタ装置(本体制御部との関係は、後記で詳述)によりICタグに対する読取/書込等のデータ操作を可能とする。
ICタグ23 R ,23 Bの取付け場所は、1次転写ローラ16C,16Y,16M,16Kの場合は、図3(A)に示すようにローラ端部の側面部とし、中間転写ベルト19の場合は、図3(B)に示すようにベルトの内側面とする。この取付け場所は、ICタグ23 R ,23 Bの脱着を行う作業によって損傷が生じることがあっても、転写プロセスに影響を及ぼさないようにすることを考慮して選択される。即ち、中間転写ベルト19の表側面にICタグ23 Bを取付けた場合、表側面はトナー像が形成されるため、損傷すると形成画像にスジ等が生じ、画像品質に悪影響を及ぼすこととなる。また、1次転写ローラ16C,16Y,16M,16Kの表面部にICタグ23 R を取付けた場合、表面部は1次転写バイアスが印加されるため、損傷すると転写不良等が生じ、画像品質に悪影響を及ぼすこととなる。
また、ICタグ23 R ,23 B内のICチップは、不揮発メモリを内蔵しており、1次転写ローラ16C,16Y,16M,16K及び中間転写ベルト19に固有の抵抗値の情報をそれぞれの不揮発メモリに予め格納しておく。抵抗値は、部品の段階で測定した結果を初期値として書込み、その後のメンテナンスの段階で格納されている抵抗値とにずれが発見された場合、正しい値に書き換えるという方法を採ることが可能である。
そこで、非接触式のインタフェースを持つICタグリーダ・ライタ装置を採用する。図4は、プロセスカートリッジに取付けたICタグとICタグリーダ・ライタ装置の概略構成を示す。
図4に示すように、1次転写ローラ16C,16Y,16M,16K及び中間転写ベルト19にそれぞれ取付けたICタグ23 R ,23 Bは、不揮発メモリを内蔵するICチップ24とアンテナ25からなる。また、ICタグリーダ・ライタ装置26は、アンテナ27、リーダ・ライタ部28及びCPU、RAM、ROM等で構成する制御部29からなり、アンテナ27とICタグ23 R ,23 B側のアンテナ25との間で電波の送受信ができる範囲の装置本体における適当な場所に配設される。
また、ICタグリーダ・ライタ装置26の制御部29は、アンテナ27を介してリーダ・ライタ部28で1次転写ローラ16C,16Y,16M,16K及び中間転写ベルト19にそれぞれ取付けたICタグ23 R ,23 Bから受け取った各抵抗値の情報を順次記憶し、さらに記憶した抵抗値をもとに、色ごとに1次転写部に所定の転写バイアスを与えるために必要な合成抵抗値を求め、内部のメモリに保持する。即ち、各色の1次転写ローラの抵抗と中間転写ベルトの抵抗を合成する演算を行う。なお、上記の処理は、CPU、RAM、ROM等で構成する制御部29のCPUが、RAMをワークエリアとして使用して、ROMに格納されたこの処理に必要なプログラムやデータに従って演算機能等を実行することにより実現可能である。
図5は、本実施形態のICタグ方式による1次転写部の転写バイアスを印加する制御系のハードウェア構成を示す。
図5に示す転写バイアスの制御系は、プロセスカートリッジの転写部品(1次転写ローラ16C,16Y,16M,16K及び中間転写ベルト19)に取付けたICタグに無線インタフェースで接続された上記ICタグリーダ・ライタ装置(図4)の制御部29で求めた1次転写部の合成抵抗値を装置の本体制御部50で用いることにより高圧電源部30を制御する。この制御によって、高圧電源部30から1次転写バイアスを最適化する1次転写出力電流を出力する。
この転写バイアス制御を行うために、ICタグリーダ・ライタ装置26の制御部29と本体制御部50とをUART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)で接続する。
本体制御部50によって制御される高圧電源部30は、高圧の1次転写出力を行うために、駆動トランス32による昇圧回路とこの回路を駆動する駆動制御部31が設けられている。1次転写出力(1次転写ローラへの出力)は、電流基準の定電流制御方式とし、高圧電源部内の検出回路33で1次転写出力電流を検出し、駆動制御部31にフィードバックしている。駆動制御部31においては、本体制御部50からのPWM信号を制御信号として受信し、受信したこのPWM信号を1次転写出力の目標値として、出力側からフィードバックされた1次転写出力電流検出値と比較演算し、この出力電流制御を行う。なお、本体制御部50から指示されたPWM信号により1次転写出力電流制御を行うという点では、先行例(図7、参照)と変わりがないが、本実施形態では、ICタグ方式によって1次転写部の合成抵抗値が与えられるので、先行例で必要とした1次転写出力電圧の検出回路は不要である。
転写部の制御の際、ICタグリーダライタ装置26の制御部29は、ICタグ方式でプロセスカートリッジの転写部品から取得した抵抗値をもとに求め、内部のメモリに保持した最新の1次転写部の合成抵抗値を本体制御部50にUARTを介して転送する。本体制御部50は、ICタグリーダライタ装置26の制御部29から受取った1次転写部の合成抵抗値をもとに、1次転写部に所定の転写バイアスを印加するために、下記に示す方法によって、各色の転写部に応じた1次転写電流出力の目標値(PWM信号)を制御設定値として高圧電源部30に出力する。
即ち、制御部50は、1次転写部の持つ合成抵抗値によって、適正な転写バイアスを印加するために1次転写部に流す1次転写電流出力の目標値を求め、この1次転写電流出力目標値に対応する設定PWM DUTYを駆動制御部31に制御信号として指示する。なお、高圧電源部30における1次転写電流出力を指示するPWM信号のDUTYと1次転写出力電流値の関係は、上記先行例で図8を参照して示した関係と変わりがない。
図6に例示する制御テーブルでは、1次転写合成抵抗値(MΩ)の範囲を4領域に分けて、
R 1 < R < R 2 の時、PWM DUTYは P 3 、1次転写出力電流は I 3 μA,
R 2 < R < R 3 の時、PWM DUTYは P 2 、1次転写出力電流は I 2 μA,
R 3 < R < R 4 の時、PWM DUTYは P 1 、1次転写出力電流は I 1 μA,
R < R 1 ,R > R 4 の時、PWM DUTYは 0 %固定とし、1次転写出力電流はOFF
といった関係を予め定めておく。
本体制御部50は、上記のような制御テーブルを予めメモリに保存しておき、1次転写部に印加する転写バイアスを制御すべくICタグリーダライタ装置26から1次転写部の合成抵抗値を取得した際、上記制御テーブルを参照することにより、1次転写部の合成抵抗値に対応する1次転写出力電流目標値を求め、この目標値(本例では、PWM DUTY)を制御信号として高圧電源部30の駆動制御部31に出力する。
このように、本実施形態においては、各色の1次転写出力電流目標値を求めるために、先行例(図7、参照)で必要とした1次転写出力電圧の検出回路が不要であり、先に述べたようにプロセスカートリッジに設けた高圧電源部30の回路構成を簡素化し、メンテナンスの容易さかつローコストが求められるプロセスカートリッジの適性を高めることが可能になる。また、プロセスコントロール時間についても、先行例の抵抗検出方式によって行う目標値決定プロセス(図11、参照)の1次転写出力電圧(転写部抵抗)検出プロセスを不要とし、不要にした4色のプロセスの時間分だけ短縮化が可能になる。
図6に示した制御テーブルの例を引いて、本実施形態を説明すると、この例では、1次転写合成抵抗値(MΩ)の範囲を4領域に分けた中の最小許容値R 1に満たない範囲、及び最大許容値R 4 を超える範囲、即ち、R < R 1 、R > R 4 の範囲に属する場合に異常値と判断し、 R 1 < R < R 4(図6の例では、3つの領域を含む)を正常値と判断する。
したがって、R < R 1 、R > R 4 の範囲に属する場合に、異常処理として、1次転写出力電流をOFFし、UI(User Interface)機能を持つ操作部(図示せず)上にエラー表示を行う。この場合、先に示した制御テーブル(図6)の例では、制御信号として指示するPWM DUTYを0%固定とすることにより、1次転写出力電流出力をOFFし、操作部上にエラー表示を行わせるプログラムを起動する。
2 : 書き込み部
3C : シアン感光体ドラム
3Y : イエロー感光体ドラム
3M : マゼンタ感光体ドラム
3K : ブラック感光体ドラム
5C : シアン現像ユニット
5Y : イエロー現像ユニット
5M : マゼンタ現像ユニット
5K : ブラック現像ユニット
6 : 転写部
7 : 給紙トレイ(本体部)
11: ベルト定着ユニット
16C: シアン転写ローラ
16Y: イエロー転写ローラ
16M: マゼンタ転写ローラ
16K: ブラック転写ローラ
17 : 2次転写ローラ
18 : 2次転写対抗ローラ
19 : 中間転写ベルト
22 : プロセスカートリッジ
23 : ICタグ
24 : ICチップ
25 : アンテナ
26 : ICタグリーダ・ライタ装置
29 : 制御部(ICタグリーダ・ライタ装置内蔵)
30 : 高圧電源部
33 : 1次転写出力電流検出回路
50 : 本体制御部
Claims (4)
- 各色用の第1像担持体それぞれに担時された画像を第2像担持体に転写するために、第1像担持体に対応して設けた各色用の転写ローラを介して第2像担持体に転写バイアスを与える1次転写部と、第2像担持体に担時された画像を第3像担持体に転写し、カラー画像を合成するために転写ローラを介して第2像担持体に転写バイアスを与える2次転写部と、前記1次転写部及び前記2次転写部に転写バイアスを印加する高圧電源部を有する電子写真方式の画像形成プロセスに用いられるプロセスカートリッジであって、前記1次転写部の各色用の転写ローラと前記第2像担持体自身に、それぞれが持つ抵抗値の情報を読み込んだICチップと非接触式通信手段から構成されるICタグを取り付けたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 請求項1に記載されたプロセスカートリッジを着脱可能に装着し得るようにし、画像データに対する出力指示に従って、前記プロセスカートリッジを用いる画像形成プロセスの制御を行う制御部を有する画像形成装置であって、前記プロセスカートリッジに取り付けたICタグに対するタグリーダ・ライタ装置を備え、前記制御部は、タグリーダ・ライタ装置を制御下において、ICタグに読み込まれた抵抗値を管理することを特徴とする画像形成装置。
- 請求項2に記載された画像形成装置において、前記制御部は、前記タグリーダ・ライタ装置を介して前記プロセスカートリッジから取得した前記1次転写部の各色用の転写ローラ、前記第2像担持体それぞれが持つ抵抗値から1次転写部の合成抵抗値を演算し、得た合成抵抗値に対応する転写出力電流の目標値を、制御用の情報として予め保存しておいた1次転写部の抵抗値に対する転写出力電流の目標値との関係を示す情報を検索し、得た値を前記プロセスカートリッジの高圧電源部に設定する転写出力電流目標値として指示することを特徴とする画像形成装置。
- ユーザインタフェースとして機能する操作部を有する請求項3に記載された画像形成装置において、前記制御部は、演算により得られた1次転写部の前記合成抵抗値が予め定められた許容範囲を外れるか、否かを判定するチェック手段と、前記チェック手段により許容範囲を外れたと判定されたときに、前記操作部を通じてその旨の警告を行うことを特徴とする画像形成装置。
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