JP2007049197A - 研磨パッド用組成物及びこれを用いた研磨パッド - Google Patents

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Abstract

【課題】スラリーの保持性に優れ、研磨速度が大きい研磨パッド及びこのような研磨パッドを形成できる研磨パッド用組成物を提供する。
【解決手段】架橋重合体を含有するマトリックス材として1,2−ポリブタジエン100重量部と、水溶性粒子としてポリペプチドをコーティングしたβ−サイクロデキストリン230重量部とを加熱されたニーダーにて混練し、その後、有機過酸化物0.3重量部を添加して更に混練した後、金型内にて190℃で10分間架橋反応させて研磨パッドを得る。得られた研磨パッドを構成するマトリックス材は、JIS K 6251に準じて80℃において行った引張試験において、破断後の標線間合計距離が破断前の標線間距離に等しく弾性回復性を有する。このため研磨パッドはポアを塞ぐことなくドレッシングすることができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、研磨パッド用組成物及びこれを用いた研磨パッドに関し、この研磨パッドは半導体ウエハ等の表面の研磨に好適に利用できる。
高い平坦性を有する表面を形成できる研磨方法としてCMP(Chemical Mechanical Polishing)が近年注目されている。CMPでは研磨パッドと被研磨面とを摺動しながら、研磨パッド表面に砥粒が分散された水系分散体であるスラリーを上方から流下させて研磨が行われる。
このCMPにおいて生産性を大きく左右する因子として研磨速度が挙げられるが、この研磨速度は従来よりもスラリーの保持量を多くすることにより大幅に向上できるとされている。
従来より、CMPでは微細な気泡を含有するポリウレタンフォームを研磨パッドとして用い、この樹脂の表面に開口する穴(以下、「ポア」という)にスラリーを保持させて研磨が行われている。
しかしながらポリウレタンフォームでは発泡を自在に制御することは難しく、発泡気泡の大きさ、発泡密度等をフォームの全域に渡って均一に制御することは極めて困難である。この結果、ポリウレタンフォームからなる研磨パッドの品質がばらつき、研磨速度及び加工状態がばらつく原因となっている。
この発泡に対してよりポアの制御が容易な研磨パッドとして、特表平8−500622号公報、特開2000−34416号公報及び特開2000−33552号公報等に示されるような可溶物を種々の樹脂中に分散させたものが知られている。この内、特表平8−500622号公報及び特開2000−33552号公報においては可溶物を含有する研磨パッドの有効性が示唆されてはいる。しかし、研磨パッドとして実際に使用した場合の母材(マトリックス材)に関する検討は行われていない。
また、特開2000−34416号公報ではその構成材料が検討され、より安定した研磨と研磨速度の向上は認められるが、更なるスラリーの保持性及び研磨速度の向上を必要としている。
特表平8−500622号公報 特開2000−34416号公報 特開2000−33552号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、スラリーの保持性に優れるため研磨速度が大きく、研磨中及びドレッシング後にもその保持性及び研磨速度の低下を効果的防止できる研磨パッド及びこのような研磨パッドを形成できる研磨パッド用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、研磨中にスラリーの保持性及び研磨速度が次第に低下する機構、及びダイヤモンド砥石等により研磨パッド表面のポアを形成(面出し)又は更新(面更新)を行うドレッシングにおける機構を詳細に検討した。その結果、従来の研磨パッド表面に上記研磨及びドレッシング等によりずり応力が働いた場合、主構成材料であるマトリックス材表面は伸びを生じ、その後、塑性変形するためにポアを塞ぐことが分かった。更に、被研磨面だけでなくマトリックス材自身の屑も発生するために、この屑によってもポアを塞いでいることが分かった。即ち、これらの原因により十分に研磨速度の向上が図れないことが分かり、これらを防止する方法としてマトリックス材に弾性回復性を発現する架橋構造を有する材料を用いることが効果的であることを見出し、本発明を完成させた。
本第1発明の研磨パッド用組成物は、架橋重合体を含有する非水溶性マトリックス材と、該非水溶性マトリックス材中に分散された水溶性粒子とを含有することを特徴とする。
上記「非水溶性マトリックス材」(以下、単に「マトリックス材」ともいう)は、その全体に水溶性粒子を分散・含有する。そして、本発明の研磨パッド用組成物から得られる研磨パッドにおいては、水と接触してその最表層に存在する水溶性粒子が溶出することによりポアが形成される。ポアはスラリーを保持し、研磨屑を一時的に滞留させる機能を有する。上記「水溶性粒子」は、研磨パッド中において水系分散体であるスラリーと接触することにより溶解又は膨潤し、マトリックス材から離脱する。尚、マトリックス材は、酸無水物基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基等により変性されていてもよい。この変性により水溶性粒子及びスラリーとの親和性を調節できる。
上記「架橋重合体」は、マトリックス材を構成し、架橋構造を有することによりマトリックス材に弾性回復力を付与する。架橋重合体を含有することにより、研磨時に研磨パッドにかかるずり応力による変位を小さく抑えることができ、研磨時及びドレッシング時にマトリックス材が過度に引き延ばされ塑性変形してポアが埋まること、また、研磨パッド表面が過度に毛羽立つこと等を効果的に抑制できる。従って、ポアが効率よく形成され研磨時のスラリーの保持性の低下が少なく、また、毛羽立ちが少なく研磨平坦性を阻害することもない。
このマトリックス材は第2発明のように、JIS K 6251に準じ、マトリックス材からなる試験片を80℃において破断させた場合に、破断後に残留する伸び(以下、単に「破断残留伸び」という)が100%以下であることが好ましい。即ち、破断した後の標線間合計距離が破断前の標線間距離の2倍以下であることが好ましい。この破断残留伸びは30%以下(更に好ましくは10%以下、とりわけ好ましくは5%以下、通常0%以上)であることがより好ましい。破断残留伸びが100%を超えると、研磨時及び面更新時に研磨パッド表面から掻き取られた又は引き延ばされた微細片がポアを塞ぎ易くなる傾向にあり好ましくない。
尚、上記「破断残留伸び」とは、JIS K 6251「加硫ゴムの引張試験方法」に準じて、試験片形状ダンベル状3号形、引張速度500mm/分、試験温度80℃で引張試験において試験片を破断させた場合に、破断して分割された試験片の各々の標線から破断部までの合計距離から、試験前の標線間距離を差し引いた伸びである。また、実際の研磨においては摺動により発熱するため温度80℃における試験となっている。
このような架橋重合体としては、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等の多官能性モノマーを単量体の一部に用い、熱等の外部エネルギーを加えることで架橋する硬化性樹脂や、ブタジエンゴム、1,2−ポリブタジエン、イソプレンゴム、アクリルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、スチレンーイソプレンゴム等を架橋反応させた架橋ゴムや、ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン等を架橋させた(架橋剤、紫外線又は電子線等の照射による)重合体や、イオノマー等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
これらの中でも、多くのスラリー中に含有される強酸や強アルカリに対して安定であり、且つ吸水による軟化が少ないことから、第3発明のように架橋ゴムを用いることが好ましい。尚、架橋重合体に含有される架橋ゴムの量は適宜選択すればよく、架橋重合体全体が架橋ゴムから構成されてもよく、その他の上記架橋重合体との混合物であってもよい。これら架橋ゴム中でも、とりわけ有機過酸化物を用いて架橋されたものが好ましく、第4発明のように1,2−ポリブタジエンを用いることが好ましい。1,2−ポリブタジエンは他の架橋ゴムと比べると硬度の高いゴムを得易く好ましい。
一方、マトリックス材中に分散されている水溶性粒子は、水との接触により完全に溶解するもののみならず、水等を含有して膨潤し、ゲル状となることによってマトリックス材から遊離するものを含む。更に、この溶解又は膨潤は水によるものばかりでなく、メタノール等のアルコール系溶剤を含有する水系混合媒体との接触においても溶解又は膨潤するものであってもよい。
このような水溶性粒子としては有機系水溶性粒子及び無機系水溶性粒子を挙げることができる。有機系水溶性粒子としては、デキストリン、シクロデキストリン、マンニット、糖類(乳糖等)、セルロース類(ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース等)、でんぷん、蛋白質、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキサイド、水溶性の感光性樹脂、スルフォン化ポリイソプレン、スルフォン化ポリイソプレン共重合体等から形成されたものを挙げることができる。更に、無機系水溶性粒子としては、酢酸カリウム、硝酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、リン酸カリウム、硝酸マグネシウム等から形成されたものを挙げることができる。これらの水溶性粒子は、上記各材料を単独又は2種以上を組み合わせて含有してもよい。更に、所定の材料からなる1種の水溶性粒子であってもよく、異なる材料からなる2種以上の水溶性粒子であってもよい。
また、この水溶性粒子の粒径は0.1〜500μm(より好ましくは0.5〜100μm)とすることが好ましい。粒径が0.1μm未満であると、形成されるポアの大きさが使用する砥粒より小さくなるためスラリーを十分に保持できる研磨パッドが得難くなる傾向にある。一方、500μmを超えると、形成されるポアの大きさが過大となり得られる研磨パッドの機械的強度及び研磨速度が低下する傾向にある。
更に、この水溶性粒子の含有量は、第5発明のように、マトリックス材と水溶性粒子との合計を100体積%とした場合に、水溶性粒子は10〜90体積%(より好ましくは15〜60体積%、更に好ましくは20〜40体積%)であることが好ましい。水溶性粒子の含有量が10体積%未満であると、得られる研磨パッドにおいてポアが十分に形成されず研磨速度が低下する傾向にある。一方、90体積%を超えて水溶性粒子を含有する場合は、得られる研磨パッドにおいて研磨パッド内部に存在する水溶性粒子が膨潤又は溶解することを十分に防止でき難くなる傾向にあり、研磨パッドの硬度及び機械的強度を適正な値に保持し難くなる。
また、水溶性粒子は、研磨パッド内において表層に露出した場合にのみ水溶し、研磨パッド内部では吸湿し、更には膨潤しないことが好ましい。このため、第6発明のように、水溶性粒子は最外部の少なくとも一部に吸湿を抑制する外殻を備えることが好ましい。この外殻は水溶性粒子に物理的に吸着していても、水溶性粒子と化学結合していても、更にはこの両方により水溶性粒子に接していてもよい。このような外殻を形成する材料としては、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリシリケート等を挙げることができる。尚、この外殻は水溶性粒子の一部のみに形成されていても十分に上記効果を得ることができる。
この水溶性粒子は、ポアを形成する機能以外にも、研磨パッド中においては、研磨パッドの押し込み硬さを大きくする機能を有する(例えば、ショアーD硬度35〜100)。この押し込み硬さが大きいことにより研磨パッドにおいて被研磨面に負荷する圧力を大きくすることができる。このため、研磨速度を向上させるばかりでなく、同時に高い研磨平坦性が得られる。従って、この水溶性粒子は、研磨パッドにおいて十分な押し込み硬さを確保できる中実体であることが特に好ましい。
本第1〜6発明においては、マトリックス材に水溶性粒子以外にも、従来よりスラリーに含有されている砥粒、酸化剤、アルカリ金属の水酸化物及び酸、pH調節剤、界面活性剤、スクラッチ防止剤等の少なくとも1種を含有させることができる。これにより、この研磨パッド用組成物から形成された研磨パッドを用いた場合には、研磨時に水のみを供給して研磨を行うことも可能となる。
また、マトリックス材と水溶性粒子との親和性、並びにマトリックス材に対する水溶性粒子の分散性を制御するため、相溶化剤を配合することができる。相溶化剤としては、酸無水物基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、オキサゾリン基及びアミノ基等により変性された重合体、ブロック共重合体、並びにランダム共重合体、更に、種々のノニオン系界面活性剤、カップリング剤等を挙げることができる。
更に、本第1〜6発明の研磨パッド用組成物には必要に応じて、充填剤、軟化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤等の各種の添加剤を添加することができる。更に、硫黄や過酸化物等の反応性添加物を添加して反応させ、架橋させることもできる。特に、充填材としては炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、クレー等の剛性を向上させる材料、及びシリカ、アルミナ、セリア、ジルコニア、酸化チタン、酸化ジルコニウム、二酸化マンガン、三酸化二マンガン、炭酸バリウム等の研磨効果を備える材料等を用いてもよい。
この研磨パッド用組成物の製造方法は特に限定されない。混練工程を有する場合は公知の混練機等により混練を行うことができる。例えば、ロール、ニーダー、バンバリーミキサー、押出機(単軸、多軸)等の混練機を挙げることができる。尚、混練された研磨パッド用組成物は、プレス成形、押出成形、射出成形等を行うことによりシート状、ブロック状又はフィルム状等の所望の形状に加工することができる。また、これを所望の大きさに加工することにより研磨パッドを得ることができる。
また、水溶性粒子をマトリックス材中に分散させる方法は特に限定されないが、通常、マトリックス材、水溶性粒子及びその他の添加剤等を混練して得ることができる。この混練においてマトリックス材は加工し易いように加熱されて混練されるが、この時の温度において水溶性粒子は固体であることが好ましい。固体であることにより、マトリックス材との相溶性の大きさに関わらず水溶性粒子を前記の好ましい平均粒径を呈する状態で分散させ易くなる。従って、使用するマトリックス材の加工温度により、水溶性粒子の種類を選択することが好ましい。
本第7発明の研磨パッドは、少なくとも1部が、請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載の研磨パッド用組成物から構成されていることを特徴とする。
本第7発明の研磨パッドのショアーD硬度は35以上(通常100以下、より好ましくは50〜90、更に好ましくは60〜85)であることが好ましい。このショアーD硬度が35未満であると、研磨時に被研磨体に加えることのできる圧力が低下する傾向にあり、研磨速度が低下し、研磨平坦性が十分でなくなることがある。
また、ポアの大きさは0.1〜500μm(より好ましくは0.5〜100μm)であることが好ましい。このポアの大きさが0.1μm未満であると砥粒の粒径より小さくなることがあるため、砥粒を十分に保持し難くなる傾向にある。一方、ポアの大きさが500μmを超えると十分な強度及び押し込み硬さを得難くなる傾向にある。
本発明の研磨パッドの表面(研磨面)にはスラリーの排出性を向上させる目的等で必要に応じて溝及びドットパターンを所定の形状で形成できる。また、この研磨パッドの裏面(研磨面と反対側)に、例えばより軟質な層を張り合わせた研磨パッドのような多層構造を呈する研磨パッドとすることもできる。更に、この研磨パッドの形状は特に限定されず、円盤状、ベルト状、ローラー状等研磨装置に応じて適宜選択することができる。
本第1発明によると、ポアの形成状態が良好であり、ドレッシングによってもポアが塞がれず、スラリーの保持性がよい研磨パッドを得ることができる研磨パッド用組成物を得る。本第6発明によると、研磨パッド内に含有される水溶性粒子が吸湿及び膨潤せず、高い硬度の研磨パッドを得ることができる研磨パッド用組成物を得る。また、本第7発明によると高い研磨速度で研磨を行うことができる研磨パッドを得る。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
[1]研磨パッド用組成物の調製及び研磨パッドの成形
実施例1
後に架橋されてマトリックス材となる1,2−ポリブタジエン(JSR株式会社製、品名「JSR RB830」)100重量部と、水溶性粒子としてβ−サイクロデキストリン(横浜国際バイオ研究所株式会社製、品名「デキシーパールβ−100」)100重量部とを120℃に加熱されたニーダーにて混練した。その後、有機過酸化物(日本油脂株式会社製、品名「パーヘキシン25B」)0.3重量部を添加してさらに混練した後、金型内にて190℃で10分間架橋反応させ、成形し、直径60cm、厚さ2mmの研磨パッドを得た。尚、研磨パッド全体に対する水溶性粒子の体積分率(マトリックス材と水溶性粒子との合計に対する水溶性粒子の体積分率、架橋重合体と水溶性粒子との合計に対する水溶性粒子の体積分率と同様)は約40%であった。
実施例2
後に架橋されてマトリックス材となる1,2−ポリブタジエン(JSR株式会社製、「JSR RB840」)100重量部と、水溶性粒子としてポリペプチドをコーティングしたβ−サイクロデキストリン(横浜国際バイオ研究所株式会社製、品名「デキシーパールβ−100」)230重量部とを120℃に加熱されたニーダーにて混練した。その後、有機過酸化物(日本油脂株式会社製、品名「パーヘキシン25B」)0.3重量部を添加してさらに混練した後、金型内にて190℃で10分間架橋反応させ、成形し、直径60cm、厚さ2mmの研磨パッドを得た。尚、研磨パッド全体に対する水溶性粒子の体積分率(マトリックス材と水溶性粒子との合計に対する水溶性粒子の体積分率、架橋重合体と水溶性粒子との合計に対する水溶性粒子の体積分率と同様)は約60%であった。
比較例1
未架橋の熱可塑性樹脂であるエチレン−ビニルアルコール共重合樹脂(クラレ株式会社製、品名「エバール EP−F101」)100重量部と、水溶性粒子としてβ−サイクロデキストリン(横浜国際バイオ研究所株式会社製、品名「デキシーパールβ−100」)100重量部とを200℃に加熱されたニーダーにて混練した後、200℃にて熱プレスして成形し、直径60cm、厚さ2mmの研磨パッドを得た。尚、研磨パッド全体に対する水溶性粒子の体積分率(マトリックス材と水溶性粒子との合計に対する水溶性粒子の体積分率、架橋重合体と水溶性粒子との合計に対する水溶性粒子の体積分率と同様)は約44%であった。
比較例2
実施例1と同様な1,2−ポリブタジエンとβ−サイクロデキストリンとを混練した後、架橋反応させることなく120℃でプレス成形し、直径60cm、厚さ2mmの研磨パッドを得た。尚、研磨パッド全体に対する水溶性粒子の体積分率(マトリックス材と水溶性粒子との合計に対する水溶性粒子の体積分率、架橋重合体と水溶性粒子との合計に対する水溶性粒子の体積分率と同様)は約40%であった。
[2]
研磨性能の評価
実施例1、2及び比較例1、2で得られた研磨パッドを各々研磨機(SFT社製、型式「ラップマスター LM−15」)の定盤上に装着し、定盤回転数50rpm、スラリーの流量100cc/分の条件でシリカ膜ウェハを研磨し、各研磨パッドによる研磨性能の違いを評価し、表1に示した。尚、研磨速度は光学式膜厚計による膜厚変化測定により求めた。
更に、研磨パッド表面はドレッシング(#400のダイヤモンド砥石で5分間研削)し、その後、この表面のポアの状態を電子顕微鏡にて観察した。この結果を表1に併記した。表1における「○」は良好なポアが確認できることを表し、「×」は一部ポアが塞がっていることを表す。
Figure 2007049197
[3]マトリックス材の破断残留伸びの測定
実施例1、2及び比較例1、2に使用したマトリックス材の破断残留伸びを測地するために、各実施例1、2及び比較例1、2から水溶性粒子を除いた材料を同様にして混練・成形してシートを作成した。このシートをJIS K 6251に示されたダンベル状3号形試験片形状に打ち抜き、試験片とした。
この各試験片を用いて、JIS K 6251に準じて標線間距離20mm、引張速度500mm/分、試験温度80℃で引っ張り各々破断させて、前記に示すような基準で破断残留伸びを算出した。尚、最大600%まで引っ張っても破断しない試験片においては、この伸び600%において強制的に切断して破断残留伸びを算出した。これらの破断残留伸びを表1に併記した。
表1の結果より、マトリックス材が架橋重合体である実施例1及び2ではポアがドレッシング後にも良好な状態で形成されている。また、この研磨パッドに使用されているマトリックス材の破断残留伸びはいずれも0%であり、破断後の伸びが認められないことが分かる。このような研磨パッドでは研磨速度は190〜250μm/分と高いことが分かる。
これに対して、比較例1ではマトリックス材として未架橋の熱可塑性樹脂を用いた。この未架橋の熱可塑性樹脂は破断残留伸びが510%と非常に大きく延性を有していることが分かる。また、ドレッシングによりポアが一部塞がれていた。従って、研磨速度も60μm/分と実施例1の32%、実施例2の24%に止まっている。一方、比較例2は実施例1及び2に用いたマトリックス材を未架橋のまま使用しているため弾性回復性を有していない。このため、破断残留伸びが220%と大きい。また、ドレッシングによりポアが一部塞がれていた。従って、研磨速度も10μm/分と実施例1の5%、実施例2の4%に止まっている。

Claims (7)

  1. 架橋重合体を含有する非水溶性マトリックス材と、該非水溶性マトリックス材中に分散された水溶性粒子とを含有することを特徴とする研磨パッド用組成物。
  2. JIS K 6251に準じ、上記非水溶性マトリックス材からなる試験片を80℃において破断させた場合に、破断後に残留する伸びが100%以下である請求項1記載の研磨パッド用組成物。
  3. 上記架橋重合体の少なくとも一部は架橋ゴムである請求項1又は2に記載の研磨パッド用組成物。
  4. 上記架橋ゴムの少なくとも一部は架橋された1,2−ポリブタジエンである請求項3記載の研磨パッド用組成物。
  5. 上記非水溶性マトリックス材と上記水溶性粒子との合計を100体積%とした場合に、該水溶性粒子は10〜90体積%である請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の研磨パッド用組成物。
  6. 上記水溶性粒子は、最外部のすくなくとも一部に吸湿を抑制する外殻を備える請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記載の研磨パッド用組成物。
  7. 少なくとも1部が、請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載の研磨パッド用組成物から構成されていることを特徴とする研磨パッド。
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