JP2007048151A - 3次元曲面への物体メッシュモデルの写像方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
競合学習に基づいて任意の3次元曲面へ3次元物体メッシュモデルを写像できるようにした3次元曲面への物体メッシュモデルの写像方法を提供する。
【解決手段】
競合学習に基づいて写像面である対象曲面へ3次元物体メッシュモデルを写像するための写像方法であって、対象曲面は、任意の3次元曲面であり、複数の制御点から構成され、3次元物体メッシュモデルは、形状変形可能な三角メッシュモデル(以下、単にSDMと称する)であり、競合学習の手法を取り入れて、対象曲面の制御点に基づいて、SDMの頂点を移動させることにより、SDMの形状を変形させ、対象曲面の形状復元を行う第1のステップと、対象曲面の形状復元を目的としたエネルギー関数を定義し、定義されたエネルギー関数を最小化することによって、SDMの形状を更に変形させ、対象曲面の形状復元を更に高精度に行う第2のステップとを有する。
【選択図】 図1
競合学習に基づいて任意の3次元曲面へ3次元物体メッシュモデルを写像できるようにした3次元曲面への物体メッシュモデルの写像方法を提供する。
【解決手段】
競合学習に基づいて写像面である対象曲面へ3次元物体メッシュモデルを写像するための写像方法であって、対象曲面は、任意の3次元曲面であり、複数の制御点から構成され、3次元物体メッシュモデルは、形状変形可能な三角メッシュモデル(以下、単にSDMと称する)であり、競合学習の手法を取り入れて、対象曲面の制御点に基づいて、SDMの頂点を移動させることにより、SDMの形状を変形させ、対象曲面の形状復元を行う第1のステップと、対象曲面の形状復元を目的としたエネルギー関数を定義し、定義されたエネルギー関数を最小化することによって、SDMの形状を更に変形させ、対象曲面の形状復元を更に高精度に行う第2のステップとを有する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、競合学習に基づいて、任意の3次元曲面へ3次元物体メッシュモデルを写像するための写像方法に関する。
近年、高性能のグラフィック処理能力を備えた廉価な計算機の普及や、計測装置の精度向上に伴い、対象物である3次元物体(以下、単に、物体とも称する)表面上の点データからなる3次元物体モデルを扱う機会が増えつつある。
点データからなる3次元物体モデル(以下、単に、3次元物体モデルとも称する)の使用目的として、単にコンピュータ・グラフィックス(CG)で対象物を表示するだけでなく、その3次元物体モデルを加工、編集することで、対象物の新たな3次元物体モデルを生成したり、あるいは、その3次元物体モデルに動作データを付与することで、対象物のアニメーションを作成するなど、3次元物体モデルの様々な用途が挙げられる。
しかし、3次元物体モデルは膨大な数の点データを含んでいるため、上記のような処理には多大なコストを要するという問題点がある。
この問題点を解決するために、上述したような膨大な数の点データからなる3次元物体モデルを扱うための要素技術の一つとして、ある3次元曲面(以下、単に、対象曲面とも称する)上の点データの集合(以下、単に、点データ群とも称する)に対し、三角メッシュモデル(以下、単に、メッシュモデルとも称する)を当てはめる処理がある。
三角メッシュモデルの当てはめ処理は、基本的に、単純な形状のプリミティブと、複雑な形状を持つ対象物を関係付けているため、プリミティブを介して対象物の3次元物体モデルを扱うことが可能である。この利点として、テクスチャマッピングなどのメッシュモデルに施す様々な処理を、プリミティブへの適用に置き換えることができる点が挙げられる。
その結果、三角メッシュモデルの当てはめ処理により、膨大な数の点データからなる対象物の3次元物体モデルを直接に扱う必要が無くなり、メッシュ処理に要する計算コストが大幅に削減できる。また、対象物の3次元物体モデルを、同一の構造を持つプリミティブにより統一的に記述することができるため、3次元物体モデル間の対応関係が比較的に求め易い。
三角メッシュモデルの当てはめ処理の具体例として、例えば、3次元物体表面上の点データに対し、平面や球面などの単純な初期形状を持つ形状可変な三角メッシュモデル(以下、単に、可変メッシュモデル、或いは、可変モデルとも称する)を変形させることで、その3次元物体の表面形状を復元する手法がある(非特許文献1を参照)。
つまり、3次元物体表面上の点データからなる形状モデルを写像面と見なし、可変メッシュモデルを変形させることによって、可変メッシュモデルを3次元物体表面上の点データ群へ当てはめる方法である。
また、三角メッシュモデルの当てはめ処理の他の例として、コンピュータ・グラフィックス(CG)で広く利用され、3次元物体の三角メッシュモデルを、平面や球面といった形状を有する写像面へ投影するパラメータ化とも呼ばれる技術がある(非特許文献2を参照)。
上述した可変メッシュモデルによる3次元物体の表面形状復元手法や、メッシュモデルのパラメータ化といった技術は、テクスチャマッピングをはじめとして、多重解像度モデル生成や物体認識、モーフィングなど幅広い分野で応用されている。
エス.ギブソン(S.Gibson)・ビー.ミールティチ(B.Mirtich)共著,「ア サーベイ オフ デフォーマブル モデリング イン コンピュータ グラフィックス(A Survey of Deformable Modelingin Computer Graphics)」,テクニカル レポート No. TR−97−19(Technical Report No. TR-97-19),ミツビシ エレクトリック リサーチ ラボラトリー(Mitsubishi Electric ResearchLaboratory),1997年 (M.S.Floater)・(K.Hormann)共著,「リーセント アドバンズ イン サーフェス パラメタリゼーション(Recent Advances in SurfaceParameterization)」,プロシーディング オン マルチレゾルーション イン ジオメトリック モデリング 2003(Proceeding on Multiresolutionin Geometric Modeling 2003),p.259-284,2003年
エス.ギブソン(S.Gibson)・ビー.ミールティチ(B.Mirtich)共著,「ア サーベイ オフ デフォーマブル モデリング イン コンピュータ グラフィックス(A Survey of Deformable Modelingin Computer Graphics)」,テクニカル レポート No. TR−97−19(Technical Report No. TR-97-19),ミツビシ エレクトリック リサーチ ラボラトリー(Mitsubishi Electric ResearchLaboratory),1997年 (M.S.Floater)・(K.Hormann)共著,「リーセント アドバンズ イン サーフェス パラメタリゼーション(Recent Advances in SurfaceParameterization)」,プロシーディング オン マルチレゾルーション イン ジオメトリック モデリング 2003(Proceeding on Multiresolutionin Geometric Modeling 2003),p.259-284,2003年
しかし、上述した技術には、以下に挙げる問題がある。
まず、メッシュモデルのパラメータ化では、一般に、写像面として主に平面や球面などが用いられるが、従来の手法は、特定の写像面にしか適用できないといった問題がある。また、写像面が適切でない場合に、メッシュモデルが写像面にうまく投影されない可能性もあるといった問題が生じる。
一方、可変メッシュモデルによる3次元物体の表面形状復元手法は、つまり、点データ群への可変メッシュモデルの当てはめ処理は、エネルギー関数の最小化問題として定式化される。
ところが、3次元物体表面上の点データの数や可変メッシュモデルの頂点の数、そして頂点移動の自由度の高さから、探索空間は非常に広く、且つその空間には多くの局所解が存在するので、可変メッシュモデルの変形(頂点移動)に多くの時間を要することになってしまう。
したがって、可変メッシュモデルによる3次元物体の表面形状復元に多くの時間を要するといった問題点がある。また、ユーザが意図する頂点移動(可変メッシュモデルの変形制御)を実装することは非常に困難であって、更に、移動量が不適切な場合、可変メッシュモデルの自己交差が起こる可能性があるといった問題も生じてしまう。
そのため、ユーザは、可変メッシュモデルの頂点の移動方法などの設定を試行錯誤的に行う必要があり、よって、点データ群への可変メッシュモデルの当てはめ処理は、時間的なコストも労力的なコストも要する大変な作業である。
本発明は、上述のような事情よりなされたものであり、本発明の目的は、上述した従来の問題点を解消し、競合学習に基づいて任意の3次元曲面へ3次元物体メッシュモデルを写像できるようにした3次元曲面への物体メッシュモデルの写像方法を提供することにある。
本発明は、競合学習に基づいて、写像面である対象曲面へ3次元物体メッシュモデルを写像するための3次元曲面への物体メッシュモデルの写像方法に関し、本発明の上記目的は、前記対象曲面は、任意の3次元曲面であり、複数の制御点から構成され、前記3次元物体メッシュモデルは、形状変形可能な三角メッシュモデル(以下、単にSDMと称する)であり、前記競合学習の手法を取り入れて、前記対象曲面の制御点に基づいて、前記SDMの頂点を移動させることにより前記SDMの形状を変形させ、前記対象曲面の形状復元を行う第1のステップと、前記対象曲面の形状復元を目的としたエネルギー関数を定義し、定義されたエネルギー関数を最小化することによって、前記SDMの形状を更に変形させ、前記対象曲面の形状復元を更に高精度に行う第2のステップとを有することにより、或いは、前記SDMの初期形状は任意の形状を有し、前記競合学習の手法として自己組織化マップ(以下、単にSOMと称する)を用い、前記対象曲面の制御点を前記SOMにおける入力データとし、前記SDMを前記SOMにおけるネットワークとし、前記SDMの頂点を前記SOMにおけるネットワークのユニットとすることによって効果的に達成される。
また、本発明の上記目的は、前記SOMの学習回数パラメータtをt=0と設定するステップ1と、前記対象曲面から一つの制御点をランダムに選択し、選択された制御点とのユークリッド距離が最短となる前記SDMの頂点を、勝者頂点として選択するステップ2と、前記ステップ2で選択された前記勝者頂点と、その周囲にある頂点の位置を、前記ステップ2で選択された制御点に近づくように更新するステップ3と、前記SDMの全頂点が移動しないか、或いは、t≧Tc(Tcはステップ2からステップ4までの最大繰り返し回数を表す)ならば、ステップ5へ進み、そうでなければ、前記学習回数パラメータtをt+1とし、前記ステップ2へ戻るステップ4と、前記SDMの各頂点について、移動後の頂点位置の候補を選択するステップ5と、全候補のうち、前記エネルギー関数が最小となる候補を、次の頂点位置とし、前記SDMの全頂点が移動しなければ、前記SDMの変形処理を終了し、そうでなければ、前記ステップ5へ戻るステップ6とを有し、前記ステップ1〜前記ステップ6に沿って、前記SDMの変形制御を行うことによってより一層効果的に達成される。
更に、本発明の上記目的は、再帰的な分割によって生成される多面体を前記SDMの初期形状とすることにより、或いは、前記勝者頂点の決定方法と前記対象曲面の制御点の選択方法を変えることによって、前記SDMの変形を制御することにより、或いは、前記対象曲面の制御点の選択確率を制御することで、前記SDMの頂点を所望の位置へ移動させるようにすることによってより一層効果的に達成される。
本発明に係る3次元曲面への物体メッシュモデルの写像方法を用いれば、以下のような優れた効果を奏する。
まず、本発明を用いれば、SDM変形のアルゴリズムのステップ2における、勝者頂点の決定方法や制御点の選択方法を変えるだけで、ユーザがSDMの変形を簡単に制御することができる。
具体的に、例えば、勝者頂点の決定方法については、特定の制御点
に対し、SDMのある頂点iを必ず勝者頂点として選ぶよう設定する。この設定を拘束条件としてSDMの形状変形を行うと、頂点iの位置
に移動させつつ、SDMを制御点群に近づけることができる。
に対し、SDMのある頂点iを必ず勝者頂点として選ぶよう設定する。この設定を拘束条件としてSDMの形状変形を行うと、頂点iの位置
に移動させつつ、SDMを制御点群に近づけることができる。
また、制御点の選択方法について、本発明では各制御点に付与される選択確率に基づくようにしている。通常、全制御点の選択確率は等しく設定する。ここで、もし一部の制御点のみを集中的に選択するような確率を設定した場合、その部分にSDMの頂点を密に集めることができる。
そこで、本発明では、制御点が存在する面の形状の複雑さに応じて制御点の選択確率を設定するといった制御点の選択方法を用いれば、SDMによる3次元物体の表面形状復元の精度をより向上させることが可能となる。
『発明が解決しようとする課題』で述べたように、従来の可変メッシュモデルによる3次元物体の表面形状復元手法では、可変メッシュモデルの変形を制御することが困難であった。それに対し、本発明では、上述のように、勝者頂点の決定方法や制御点の選択方法を変えるだけで、SDMの変形を容易に制御ができる。よって、本発明と従来手法を3次元物体の表面形状復元に適用する際に、本発明の優位性は一目瞭然である。
また、本発明では、競合学習手法である自己組織化マップ(SOM)を取り入れることによって、対象曲面上の制御点のみ与えられると、自己組織的にSDMが変形し、最後に対象曲面を表すSDMが得られる。そのため、対象曲面と初期SDMの位相がある点を除くと、対象曲面に関する制約条件はない。したがって、本発明を用いれば、SDMを同位相の任意の対象曲面に適用することが可能であるという顕著な効果を奏する。
更に、『発明が解決しようとする課題』で述べたように、従来のメッシュモデルのパラメータ化では、特定の写像面のみを対象としているのに対し、本発明では写像面である対象曲面を限定しておらず、つまり、点データからなる任意の3次元曲面を写像面としても、本発明を適用することができる。よって、従来のメッシュモデルのパラメータ化技術より、本発明の汎用性は極めて高いということが言うまでも無い。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
本発明は、競合学習に基づいて、複数の点データからなる任意の3次元曲面へ3次元物体メッシュモデルを写像する3次元曲面への物体メッシュモデルの写像方法に関し、以下では、写像面である任意の3次元曲面へ3次元物体メッシュモデルを写像するために、必要なセルフオーガナイジング・デフォーマブル・モデル(Self-organizing Deformable Model、以下、単にSDMと称する)及びSDMの変形制御方法を開示する。
本発明で言うSDMとは、形状変形可能な三角メッシュモデルである。また、初期SDMの形状は、任意の形状であって、例えば、図1に示されるように、球面のような単純な形状であっても、兎のような複雑な形状であっても良い。
本発明に係る3次元曲面への物体メッシュモデルの写像方法(以下、単に、本発明の写像方法とも称する)の着眼点として、写像面である任意の3次元曲面(対象曲面)上の複数の点データ(以下、その点データを単に制御点とも称する)が与えられると、SDMによるパラメータ化は、以下の(イ)と(ロ)といった2つの問題の結合と考えられる。
(イ)SDMによる、対象曲面の制御点群の分布推定問題
(ロ)SDMの形状変形による、対象曲面の制御点群へのSDMの当てはめ問題
どちらの問題でも、初期SDMの頂点間の連結関係が、変形(或いは、投影)前後でも保たれなければならないという観点から、『初期SDMの頂点間の連結関係が、変形(或いは、投影)前後でも保たれなければならない』という条件を、『位相保存条件』と呼ぶ。
(イ)SDMによる、対象曲面の制御点群の分布推定問題
(ロ)SDMの形状変形による、対象曲面の制御点群へのSDMの当てはめ問題
どちらの問題でも、初期SDMの頂点間の連結関係が、変形(或いは、投影)前後でも保たれなければならないという観点から、『初期SDMの頂点間の連結関係が、変形(或いは、投影)前後でも保たれなければならない』という条件を、『位相保存条件』と呼ぶ。
このような位相保存写像を求める方法に、競合学習の手法である自己組織化マップ(SOM:Self Organizing Map)がある。多次元データ空間に存在する入力データ群が与えられると、SOMは、その入力データ群の分布を表すネットワークを自己組織的に獲得する方法である。ネットワークは、ユニットとそれらを連結するエッジから構成される。各ユニットは、多次元データ空間での座標値を持つ。
SOMは、以下の2段階の処理から成る。
まず、第1段階の処理として、入力データ群からランダムに選ばれた入力データに対し、多次元データ空間で最近傍にあるユニットを、勝者ユニットとして選択する。
そして、第2段階の処理として、選択された勝者ユニットとその近傍ユニットの位置を、第1段階の処理でランダムに選ばれた入力データに近付くように更新する。
これらの処理を、全ユニットが移動しなくなるまで繰り返す。
このように、SOMでは、入力データ空間(つまり、多次元データ空間)において、ユニットの移動によってネットワークを変形させていると言える。
そこで、本発明では、SOMを取り入れて、図2(A)に示すように、写像面である対象曲面上の制御点をSOMにおける『入力データ』とし、また、SDMをSOMにおける『ネットワーク』、SDMの頂点をSOMにおける『ネットワークのユニット』とそれぞれ対応付け、SOMの枠組で位相保存写像を求めるようにする。
しかし、幾何学的観点から考えると、SOMにおける収束状態でのネットワークは、各ユニットを中心としたボロノイ領域において、それに含まれる入力データ点数がほぼ等しくなるような状態を意味する。
つまり、幾何学的観点から、『得られるSDMは、必ずしも対象曲面を完全に復元しているとは限らない』ということが分かる。
そこで、本発明では、物体形状復元(写像面の曲面形状復元)を目的としたエネルギー関数を定義し、定義されたエネルギー関数を最小化することで、SDMの形状を更に変形させ、SDMによる写像面の曲面形状の復元を更に高精度に行うようにする。
図1は、本発明に係る3次元曲面への物体メッシュモデルの写像方法を、対象曲面へのSDMの写像と、SDMによる対象曲面の形状復元に適用する際の手順(処理の流れ)を説明するための模式図である。
図1に示されるように、本発明を適用する際に、まず、対象曲面データベースに格納されている複数の制御点を持つ対象曲面と、初期SDMデータベースに格納されている初期SDM(複数の頂点を持つ形状変形可能な三角メッシュモデル)を1つずつ選択する。そして、本発明を3次元物体の表面形状復元に適用する場合(即ち、SDMによる対象曲面の形状復元の場合)にも、本発明をメッシュモデルのパラメータ化に適用する場合(即ち、SDMを対象曲面に投影する場合、言い換えれば、対象曲面へSDMを写像する場合)にも、競合学習手法を取り入れてSDMの変形を制御することで、目的に合った最終SDMが得られるわけである。
つまり、対象曲面へSDMを写像する場合に、最終SDMは、図1の例では、対象曲面である球面への豚の形状をした初期SDMの写像である。また、SDMによる対象曲面の形状復元の場合に、図1の例では、最終SDMは、球の形状をした初期SDMにより形状を復元した顔(対象曲面)のメッシュモデルである。
より具体的に、本発明では、初期SDMと、写像面である対象曲面の制御点が与えられると、第1の手順として、競合学習の概念を導入した方法によって、SDMの形状を変形させ、写像面の大まかな形状復元を行う。そして、第2の手順として、エネルギー関数最小化に基づいてSDMの形状を更に変形させ、SDMによる対象曲面の形状復元精度をより高める。
ここでは、本発明において競合学習手法である自己組織化マップ(SOM)を取り入れたSDMの変形アルゴリズム(SDMの変形制御方法)を、以下のように説明する。
ステップ1:
まず、自己組織化マップ(SOM)の学習回数パラメータtをt=0と設定する。
ステップ2:
写像面である対象曲面から一つの制御点
をランダムに選択し、選択された制御点
とのユークリッド距離が最短となるSDMの頂点を、勝者頂点として選択する。
ステップ3:
勝者頂点としてステップ2で選択されたSDMの頂点(以下、単に勝者頂点と称する)と、その周囲にある頂点の位置を、ステップ2で選択された制御点
に近づくように更新する。
ステップ4:
SDMの全頂点が移動しないか、或いは、t≧Tc(Tcはステップ2からステップ4までの最大繰り返し回数を表す)ならば、ステップ5へ進む。そうでなければ、t←t+1とし(学習回数パラメータtをt+1とし)、ステップ2へ戻る。
ステップ5:
SDMの各頂点について、移動後の頂点位置の候補を選択する。
ステップ6:
全候補のうち、エネルギー関数が最小となる候補を、次の頂点位置とする。SDMの全頂点が移動しなければ、SDMの変形処理を終了する。そうでなければ、ステップ5へ戻る。
ステップ1:
まず、自己組織化マップ(SOM)の学習回数パラメータtをt=0と設定する。
ステップ2:
写像面である対象曲面から一つの制御点
をランダムに選択し、選択された制御点
とのユークリッド距離が最短となるSDMの頂点を、勝者頂点として選択する。
ステップ3:
勝者頂点としてステップ2で選択されたSDMの頂点(以下、単に勝者頂点と称する)と、その周囲にある頂点の位置を、ステップ2で選択された制御点
に近づくように更新する。
ステップ4:
SDMの全頂点が移動しないか、或いは、t≧Tc(Tcはステップ2からステップ4までの最大繰り返し回数を表す)ならば、ステップ5へ進む。そうでなければ、t←t+1とし(学習回数パラメータtをt+1とし)、ステップ2へ戻る。
ステップ5:
SDMの各頂点について、移動後の頂点位置の候補を選択する。
ステップ6:
全候補のうち、エネルギー関数が最小となる候補を、次の頂点位置とする。SDMの全頂点が移動しなければ、SDMの変形処理を終了する。そうでなければ、ステップ5へ戻る。
本発明では、上記ステップ1〜ステップ6に沿って、SDMの変形制御を行うようにしている。図2は、本発明を適用する際に、SDMの変形過程の具体例を示す図である。図2(A)は、兎の形状をした初期SDMを写像面(対象曲面)である平面へ投影(写像)することを模式的に説明する図である。図2(B)は、図2(A)の兎の形状をした初期SDMが写像面(対象曲面)である平面へ写像される様子を具体的に示す図である。
つまり、図2(A)が示すように、兎のメッシュモデルを初期SDMとし、対象曲面である平面へSDMを写像する。図2(B)は図2(A)の兎の形状をした初期SDMの変形過程を示している。図2において、対象曲面である平面から制御点(SOMの入力データに相当する)を1つ選び、それに対する勝者頂点を選ぶ(上記ステップ2)。そして、勝者頂点とその周囲にある頂点を、制御点(入力データ)に近づくように移動させる。これらの処理を繰り返すことによって、図2(B)が示すように、徐々に写像面である平面へ兎のメッシュモデルが近づき、最終的に写像面である平面へメッシュが投影される。
以下、具体的なSDMを用いて本発明を適用した実施例を説明する。
<実施例1>SDMによる対象曲面の形状復元
まず、本発明の写像方法を用いて、SDMの初期形状を球、対象曲面を人の顔とし、顔の形状を復元する実験を行った。
<実施例1>SDMによる対象曲面の形状復元
まず、本発明の写像方法を用いて、SDMの初期形状を球、対象曲面を人の顔とし、顔の形状を復元する実験を行った。
本実施例では、対象曲面の点データを計測するための計測装置として、コニカミノルタ社製VIVID910を使用し、対象曲面である顔の表面形状を計測した。計測して得られた点データから構成される顔(対象曲面)は図3(A)に示される。図3(A)に示す顔(対象曲面)には、84619点のデータ点が含まれる。これらの顔データを制御点として、本発明の写像方法によってSDMを変形させることで、顔形状を復元した。
本実施例では、初期SDMとして、正二十面体の各三角パッチを再帰的に四分割し、この分割を5回繰り返して得られる近似球面(近似球面メッシュモデル)を使用した。この近似球面メッシュモデルに含まれる頂点及びパッチ数は、それぞれ10242個、20480であるが、実際の形状復元では、約半分の頂点とパッチを使用した。図3(B)は、その近似球面メッシュモデルによる顔の復元結果(つまり、最終SDMである顔のメッシュモデル)である。
図3(B)に示す最終SDMである顔のメッシュモデルを生成するために、要したCPU時間は、130秒であった。なお、CPUとして、2.8G[Hz]のPetium(登録商標)IVを使用した。SDMに含まれるパッチと、その近傍にある制御点の平均距離は0.16[mm]であるため、本発明の写像方法を用いることによって、対象曲面(本例では、顔)が精度良く復元できたと言える。
また、本発明では、再帰的な分割によって生成される多面体(本例では、正二十面体の各三角パッチを再帰的に四分割し、この分割を5回繰り返して得られる近似球面)を、初期SDMとして用いる場合に、そのような初期SDMを用いる本発明の写像方法によれば、モデルの多重解像度表現が容易に得られるという大きなメリットがある。
更に、図2(A)の点データから構成される顔モデルでは、人間の眉毛などの計測データ(点データ)が欠落し、穴部が存在する。これに対し、本発明の写像方法を用いてSDMによって形状復元をすることで、図2(A)に示されるようなデータ欠落部の穴埋めも可能である。
要するに、本発明によれば、対象曲面を精度よく形状復元できただけではなく、対象曲面の点データ欠落部の穴埋めもできるという効果を奏する。また、図3(C)は、球面を初期形状としたSDMより形状を復元した骨のメッシュモデルを示す。
本発明では、対象曲面の制御点の選択確率を制御することで、SDMの頂点をユーザが指定する位置へ移動させることが容易となる。その例として、例えば、図4に示す兎と猫の耳の先端と、鼻の頭を特徴点とし、これらの特徴点と、SDMのある頂点を対応付けてSDMの変形を行った。
つまり、上述したSDMの変形アルゴリズム(SDMの変形制御方法)において、ステップ2で特徴点が選択されたら、その特徴点に対応するSDMの頂点を必ず勝者頂点として選択する。これによって、SDMの頂点をユーザが指定した制御点に近付くようSDMを変形することが可能となる。
この利点として、各モデル間の対応付けが容易になる点が挙げられる。モデル間の対応付けは、コンピュータグラフィックス(CG)の基本的な要素技術の一つである。その応用技術として、例えば、時間経過と共にある物体の形状モデルが、別の形状モデルへ変形するモーフィングが挙げられる。
滑らかで自然なモーフィングを実現するために、モーフィングでのモデル間の対応付けでは、頂点間の連結関係を考慮してモデルの頂点間を対応付けしなければ成らない。本発明の写像方法を用いれば、同一のSDMで各形状モデルを近似することによって、モデル間の対応付けを容易に実現することが可能である。
図4は、本発明の写像方法を適用し、猫と兎のモデル間のモーフィング結果を示す。このように、本発明の写像方法を適用する際に、特徴点を指定することで、ユーザの望むモーフィングを容易に実現することができる。
<実施例2>メッシュモデルの写像面への投影(写像)
次に、本発明の写像方法を用いて、様々なメッシュモデルを写像面に投影する実験を行った。
<実施例2>メッシュモデルの写像面への投影(写像)
次に、本発明の写像方法を用いて、様々なメッシュモデルを写像面に投影する実験を行った。
まず、本発明の写像方法を適用し、図5(A)に示す女性の胴体メッシュモデルを初期SDMとし、写像面として平面と球面を用い、図5(A)の胴体メッシュモデルを平面と球面へそれぞれ投影した。図5(A)の胴体メッシュモデルを平面及び球面への投影結果(写像)を、それぞれ図5(B)と図5(C)に示す。
写像面である対象曲面の制御点の決定方法について、図5(B)の場合は、写像面である平面を格子状に離散化し、各格子にある点を制御点として用いた。一方、図5(C)の場合は、写像面である球面上の点を極座標系で表し、その座標系の2つの角度パラメータを変えることで、球面上の制御点を取得した。
同様に、図6(A)の豚のメッシュモデルを、写像面である球面へ写像した結果を図6(B)に示す。更に、図7(A)の兎のメッシュモデルを、写像面である円柱へ写像した結果を図7(B)に示す。
図5、図6及び図7に示されるように、本発明の写像方法によって、メッシュモデルを様々な写像面へ投影できることが検証された。
Claims (6)
- 競合学習に基づいて、写像面である対象曲面へ3次元物体メッシュモデルを写像するための3次元曲面への物体メッシュモデルの写像方法であって、
前記対象曲面は、任意の3次元曲面であり、複数の制御点から構成され、
前記3次元物体メッシュモデルは、形状変形可能な三角メッシュモデル(以下、単にSDMと称する)であり、
前記競合学習の手法を取り入れて、前記対象曲面の制御点に基づいて、前記SDMの頂点を移動させることにより前記SDMの形状を変形させ、前記対象曲面の形状復元を行う第1のステップと、
前記対象曲面の形状復元を目的としたエネルギー関数を定義し、定義されたエネルギー関数を最小化することによって、前記SDMの形状を更に変形させ、前記対象曲面の形状復元を更に高精度に行う第2のステップと、
を有することを特徴とする3次元曲面への物体メッシュモデルの写像方法。 - 前記SDMの初期形状は、任意の形状を有し、
前記競合学習の手法として、自己組織化マップ(以下、単にSOMと称する)を用い、
前記対象曲面の制御点を前記SOMにおける入力データとし、
前記SDMを前記SOMにおけるネットワークとし、
前記SDMの頂点を前記SOMにおけるネットワークのユニットとする請求項1に記載の3次元曲面への物体メッシュモデルの写像方法。 - 前記SOMの学習回数パラメータtをt=0と設定するステップ1と、
前記対象曲面から一つの制御点をランダムに選択し、選択された制御点とのユークリッド距離が最短となる前記SDMの頂点を、勝者頂点として選択するステップ2と、
前記ステップ2で選択された前記勝者頂点と、その周囲にある頂点の位置を、前記ステップ2で選択された制御点に近づくように更新するステップ3と、
前記SDMの全頂点が移動しないか、或いは、t≧Tc(Tcはステップ2からステップ4までの最大繰り返し回数を表す)ならば、ステップ5へ進み、そうでなければ、前記学習回数パラメータtをt+1とし、前記ステップ2へ戻るステップ4と、
前記SDMの各頂点について、移動後の頂点位置の候補を選択するステップ5と、
全候補のうち、前記エネルギー関数が最小となる候補を、次の頂点位置とし、前記SDMの全頂点が移動しなければ、前記SDMの変形処理を終了し、そうでなければ、前記ステップ5へ戻るステップ6とを有し、
前記ステップ1〜前記ステップ6に沿って、前記SDMの変形制御を行う請求項2に記載の3次元曲面への物体メッシュモデルの写像方法。 - 再帰的な分割によって生成される多面体を前記SDMの初期形状とする請求項3に記載の3次元曲面への物体メッシュモデルの写像方法。
- 前記勝者頂点の決定方法と前記対象曲面の制御点の選択方法を変えることによって、前記SDMの変形を制御する請求項3又は請求項4に記載の3次元曲面への物体メッシュモデルの写像方法。
- 前記対象曲面の制御点の選択確率を制御することで、前記SDMの頂点を所望の位置へ移動させる請求項5に記載の3次元曲面への物体メッシュモデルの写像方法。
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