以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。かかる実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更可能である。
<A:第1実施形態:液晶表示装置>
まず、図1を参照して、本発明をパッシブマトリクス方式の半透過反射型液晶表示装置に適用した第1実施形態について説明する。なお、図1および以下に示す各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材ごとに縮尺を異ならせてある。
図1に示すように、この液晶表示装置は、シール材503を介して貼り合わされた第1基板(上基板)3および第2基板(下基板)2の間に液晶(液晶層)4を挟んだ構成の液晶表示パネル(液晶パネル)500と、当該液晶表示パネル500の第2基板2側に配設された照明装置(いわゆるバックライトユニット)5とを有する。なお、以下では、図1に示すように、液晶表示パネル500に対して照明装置5とは反対側を「観察側」と表記する。つまり、「観察側」とは、当該液晶表示装置によって表示された画像を視認する観察者が位置する側である。
照明装置5は、複数のLED621(図1においては1個だけが図示されている。)と導光板622とを有する。複数のLED621は、導光板622の側端面に対向するように配置され、この側端面に対して光を照射する。導光板622は、この側端面に入射したLED621からの光を、液晶表示パネル500の基板面(第2基板2の表面)に対して一様に導くための板状部材である。また、導光板622のうち液晶表示パネル500と対向する面には、当該導光板622からの出射光を液晶表示パネル500に対して一様に拡散させる拡散板等が貼着される一方、これとは反対側の面には、導光板622から液晶表示パネル500とは反対側に向かう光を液晶表示パネル500側に反射させる反射板が貼着される(いずれも図示略)。
ここで、図2は、この照明装置5から液晶表示パネル500に対して照射される照明光の分光特性(照明光の波長と輝度との関係)を例示するグラフである。すなわち、図2に示すグラフにおいて、横軸には波長が示されており、縦軸には、各波長における照明光の輝度が、所定の輝度を基準値「1.00」とした場合の相対値として示されている。この図に示すように、本実施形態においては、可視光領域内の波長にわたって照明光の輝度にばらつきがある場合、すなわち照明光の分光特性が不均一な場合を想定する。具体的には、本実施形態における照明光は、青色光ないし緑色光に対応する470nm近傍の波長において輝度が最大となる一方、黄色光ないし赤色光に対応する約520nm以上の波長における輝度はこれと比較して弱くなっている。詳細は後述するが、本実施形態に係る液晶表示装置によれば、このように分光特性のばらつきがある照明光を用いて透過型表示を行う場合であっても、液晶表示パネル500から観察側への出射光(つまり、観察者によって視認される光である。以下、「観察光」という。)がかかる分光特性のばらつきの影響を受けるのを抑えて、良好な色再現性を実現することができる。なお、本実施形態においては、液晶表示パネル500の基板面全体にわたって、図2に示した分光特性を有する照明光が照射される場合を想定する。
再び図1において、液晶表示パネル500の第1基板3および第2基板2は、ガラスや石英、プラスティック等の光透過性を有する板状部材である。
第1基板3の内側(液晶4側)表面には複数の透明電極511が形成されている。各透明電極511は、所定の方向(図1における左右方向)に延在する帯状の電極であり、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電材料によって形成される。さらに、これらの透明電極511が形成された第1基板3の表面は、配向膜15によって覆われている。この配向膜15は、ポリイミド等の有機薄膜であり、電圧が印加されていないときの液晶4の配向方向を規定するためのラビング処理が施されている。
また、第1基板3の外面側(外側の表面)には、位相差板17と、上偏光板13とが、この順に第1基板3上に積層されて設けられている。
一方、第2基板2の内側(液晶4側)表面には、複数の開口部521a(詳細は後述する)を有する反射層(半透過反射層)521が、例えばアルミニウムや銀といった光反射性を有する材料によって形成されている。液晶表示パネル500の観察側からの入射光は、この半透過反射層521の表面(より厳密には開口部521aが形成された領域以外の表面)において反射して観察側に出射し、これにより反射型表示が実現される。なお、第2基板2の内側表面は、半透過反射層521の表面に散乱構造(凹凸)を形成するために粗面化されているが、図示は省略されている。
また、第2基板2の外面側(外側の表面)には、1/4波長板18と、下偏光板14とが設けられている。
さらに、この半透過反射層521によって覆われた第2基板2の内側表面には、カラーフィルタ522(522R、522G、522B)および遮光層523と、カラーフィルタ522および遮光層523により形成された凹凸を平坦化するためのオーバーコート層(平坦化膜)524と、複数の透明電極525と、上記配向膜15と同様の配向膜9とが形成されている。
各透明電極525は、透明導電材料によってオーバーコート層524の表面に形成された帯状の電極である。ここで、図3には、上記第1基板3上の透明電極511(一点鎖線で示されている)と、第2基板2上の透明電極525およびカラーフィルタ522との位置関係が模式的に示されている。同図に示すように、透明電極525は、透明電極511と交差する方向(図1における紙面垂直方向)に延在する。そして、第1基板3と第2基板2との間に挟持された液晶4は、透明電極511と透明電極525との間に電圧が印加されることによってその配向方向が変化する。以下では、図3に示すように、透明電極511と透明電極525とが対向する領域を「サブ画素551(551R、551Gおよび551B)」と表記する。つまり、サブ画素551は、液晶の配向方向が電圧の印加に応じて変化する領域の最小単位ということもできる。
遮光層523は、マトリクス状に配列する各サブ画素551の間隙部分(つまり、透明電極511と透明電極525とが対向する領域以外の領域)を覆うように格子状に形成され、各サブ画素551間の隙間を遮光する役割を担う。カラーフィルタ522は、各サブ画素551に対応して樹脂材料等によって形成された層であり、図3に示されるように、染料や顔料によってR(赤色)、G(緑色)およびB(青色)のうちのいずれかに着色されている。以下では、カラーフィルタ522R、522Gおよび522Bに対応するサブ画素551を、それぞれサブ画素551R、551Gおよび551Bと表記する。そして、相互に色が異なる3つのサブ画素551R、551Gおよび551Bにより、表示画像の最小単位である画素(ドット)615が形成される。
ここで、図4は、横軸をカラーフィルタ522への入射光の波長とし、縦軸を透過率(入射光量に対する出射光量の割合)として、カラーフィルタ522R、522Gおよび522Bの各々の透過率特性を表すグラフである。同図に示すように、カラーフィルタ522Rは赤色に対応する波長600nm以上の光に対して高い透過率を示し、カラーフィルタ522Gは緑色に対応する波長500ないし600nmの光に対して高い透過率を示し、カラーフィルタ522Gは青色に対応する波長400ないし500nmの光に対して高い透過率を示すようになっている。
次に、再び図3を参照して、半透過反射層521に形成された開口部521aの態様について説明する。
まず、各開口部521aは、半透過反射層521のうち各サブ画素551の中央部近傍に対応して設けられている。照明装置5からの照明光は、この開口部521aを透過して液晶表示パネル500の観察側に出射し、これにより透過型表示が実現される。以下では、サブ画素551が占める領域のうち、開口部521aに対応する領域、すなわち照明装置5からの照明光が透過する領域を「透光領域(光透過領域)」と表記する。
さらに、半透過反射層521に形成された各開口部521aは、ひとつの画素615を構成する3つのサブ画素551R、551Gおよび551Bの各々において上記透光領域の面積が相互に異なるように、その面積が選定されている。より具体的には、サブ画素551R、551Gおよび551Bの各々に対応する開口部521aの面積が、照明装置5から出射する照明光の分光特性に応じた面積となっている。
本実施形態においては、図2に示したように、照明装置5から出射される照明光のうち、青色光から緑色光にかけての波長における輝度が高く、赤色光に対応する波長における輝度は比較的低くなっている。このため、最も輝度が高い波長に対応する緑色のカラーフィルタ522Gが形成されたサブ画素551Gについては、これに対応する開口部521aの面積が他色に対応するサブ画素551Rおよび551Bと比較して小さくなっている。これに対し、照明光のうち最も輝度が低い波長に対応する赤色のカラーフィルタ522Rが形成されたサブ画素551Rについては、これに対応する開口部521aの面積が他色のサブ画素551Gおよび551Bと比較して大きくなっている。図3においては、サブ画素551R、551Gおよび551Bの各々に対応する開口部521aの面積比を、「サブ画素551R:551G:551B=4:1:2」とした場合が図示されている。
ここで、図5は、以上説明した構成により透過型表示を行った場合に、液晶表示パネル500から観察側に出射する観察光の分光特性を表すグラフである。一方、図6には、図5との対比例として、透光領域をすべてのサブ画素551にわたって同一面積とした構成(以下、「従来の構成」という。)の下で透過型表示を行った場合の観察光の分光特性が示されている。なお、いずれの図においても、図2に示した分光特性を有する照明光を用いて透過型表示を行った場合の観察光の分光特性が示されている。また、図5および図6のいずれにおいても、横軸には波長が示されており、縦軸には各観察光の輝度が、所定の輝度(図5および図6の双方において同一の輝度)を基準値「1.00」とした場合の相対値として示されている。
図6に示すように、従来の構成を採った場合、観察者によって視認される観察光は波長470nm近傍において極めて高い輝度の光となる。したがって、観察者に認識される画像は青緑がかった画像となってしまう。これに対し、サブ画素551R、551Gおよび551Bにおける透光領域の割合を4:1:2とした本実施形態に係る構成を採った場合、図5に示すように、観察光の波長470nm近傍における輝度が図6に示した場合と比較して低くなっている。したがって、青色ないし緑色に対応する波長における輝度が他の波長における輝度よりも強い照明光を用いて透過型表示を行った場合であっても、観察者に視認される画像が青緑がかってしまうという事態を回避することができるのである。
このように、本実施形態に係る構成によれば、照明光のうち輝度が比較的低い波長の光については半透過反射層521を十分に透過させる一方、輝度が比較的高い波長の光については半透過反射層521の透過を制限することにより、照明光における分光特性のばらつきが観察光に与え得る影響を抑えることができる。すなわち、照明光における分光特性の不均一性を補償して良好な色再現性を実現することができるのである。
<B:第2実施形態:液晶表示装置>
次に、本発明をアクティブマトリクス方式の半透過反射型液晶表示装置に適用した第2実施形態について説明する。なお、以下では、スイッチング素子として二端子型スイッチング素子であるTFD(Thin Film Diode)を用いた場合を例示する。また、以下に示す図面中の各要素のうち、前掲図1に示した各要素と共通する要素については、図1中と同一の符号を付してその説明を省略する。
まず、図7は、本実施形態に係る液晶表示装置の構成を模式的に例示する断面図であり、図8は、同液晶表示装置を構成する液晶表示パネルの要部構成を示す斜視図である。図8におけるA−A'からみた断面図が図7に相当する。これらの図に示すように、第1基板3の内側表面には、マトリクス状に配列する複数の画素電極513と、各画素電極513の間隙部分において所定の方向(図7における紙面垂直方向)に延在する複数の走査線514とが形成されている。各画素電極513は、例えばITO等の透明導電材料により形成される。さらに、各画素電極513と、当該画素電極513に隣接する走査線514とは、TFD515を介して接続されている。各TFD515は、非線形な電流−電圧特性を有する二端子型スイッチング素子である。
一方、第2基板2の内側表面には、上記第1実施形態に係る液晶表示装置と同様に、複数の開口部521aを有する半透過反射層521と、カラーフィルタ522および遮光層523と、これらが形成された第2基板2の表面を覆うオーバーコート層524とが形成されている。さらに、オーバーコート層524の表面には、上記走査線514と交差する方向に延在する複数のデータ線527が形成されている。図7および8に例示するように、各データ線527は透明導電材料により形成された帯状の電極である。ここで、図9には、各画素電極513(一点鎖線で示されている)と各データ線527との位置関係が示されている。同図に示すように、各データ線527は、第1基板3上に列をなす複数の画素電極513と対向するようになっている。かかる構成の下、第1基板3上の画素電極513と第2基板2上のデータ線527との間に電圧が印加されることにより、両電極によって挟まれた液晶4の配向状態が変化する。すなわち、本実施形態においては、各画素電極513と各データ線527とが対向する領域がサブ画素551(より具体的には、カラーフィルタ522R、522Gおよび522Bの各々に対応するサブ画素551R、551Gおよび551B)に相当することとなる。
上記第1実施形態と同様、本実施形態においても、図9に示すように、半透過反射層521のうち各サブ画素551の中央部近傍に対応する位置には開口部521aが形成されている。そして、各開口部521aの面積は、各サブ画素551R、551Gおよび551Bの各々に占める透光領域の割合が、照明装置5からの照明光の分光特性に応じた割合となるように決定されている。ここで、本実施形態においても、前掲図2に示した分光特性を有する照明光を用いて透過型表示を行う場合を想定している。したがって、照明光のうち最も輝度が高い波長に対応する緑色のカラーフィルタ522Gが形成されたサブ画素551Gにおいては、これに対応する開口部521aの面積が、他色に対応するサブ画素551Rまたは551Bに対応する開口部521aの面積と比較して小さくなっている。すなわち、サブ画素551Gに占める透光領域の割合は、他色のサブ画素551Rまたは551Bに占める透光領域の割合よりも小さくなっている。これに対し、照明光のうち最も輝度が低い波長に対応するサブ画素551Rについては、開口部521aの面積が大きく、当該サブ画素551Rに占める透光領域の割合が、他色のサブ画素551Gおよび551Bと比較して大きくなっているのである。図9に示した例では、サブ画素551R、551Gおよび551Bの各々に対応する開口部521aの面積比を「4:1:2」とした場合が図示されている。
かかる構成によっても、上記第1実施形態と同様の効果が得られる。
<C:第3実施形態:液晶表示装置>
上記第1および第2実施形態においては、半透過反射層521のうち各サブ画素551に対応する領域の中央部近傍に開口部521aを設け、透光領域が各サブ画素551の中央部に位置する構成を例示した。これに対し、本実施形態においては、透光領域が各サブ画素551の縁辺に沿った領域となっている。
図10は、本実施形態に係る液晶表示装置の構成を示す断面図である。なお、図10に示す要素のうち前掲図1に示した要素と共通するものについては、同一の符号が付されている。同図に示すように、本実施形態に係る液晶パネル500においては、カラーフィルタ522(522R、522Gおよび522B)、遮光層523およびオーバーコート層524が第1基板3上に形成されている点、および透明電極511および配向膜15がオーバーコート層の面上に形成されている点で、上記各実施形態に示した液晶パネル500とは異なっている。さらに、本実施形態におけるカラーフィルタ522の透過率特性は、前掲図4に示した上記各実施形態におけるカラーフィルタ522の透過率特性とは異なっている。
ここで、図11は、本実施形態におけるカラーフィルタ522R、522Gおよび522Bの各々の透過率特性を表すグラフである。この図を前掲図4と比較すれば判るように、本実施形態に係る各カラーフィルタ522の色純度、特に緑色に対応するカラーフィルタ522Gの色純度は、上記実施形態に係るカラーフィルタ522の色純度よりも高くなっている。より具体的には、以下の通りである。
ここで、380nm〜780nmの波長範囲における各カラーフィルタ522の最大透過率をTmaxとし、同波長範囲における最小透過率をTminとして得られる数値Tmax/Tminを、色純度を評価するためのパラメータ(つまり、数値Tmax/Tminが大きいほど色純度が高い)として考える。このとき、前掲図4に示した緑色のカラーフィルタ522Gの数値Tmax/Tminは「1.8」であるのに対し、本実施形態に係るカラーフィルタ522Gの数値Tmax/Tminは「8」であり、本実施形態に係るカラーフィルタ522Gの色純度が、上記実施形態に係るカラーフィルタ522Gの色純度よりも顕著に高いことが判る。
また、本実施形態においては、半透過反射層528の態様が上記第1および第2実施形態とは異なっている。すなわち、上記実施形態においては、各サブ画素551の中央部に位置する領域が透光領域となるように、半透過反射層521の形状(より詳細には半透過反射層521における開口部521aの形状)が選定された構成を例示した。これに対し、本実施形態においては、略矩形状の各サブ画素551を画定する4辺のうち対向する2辺(Y方向に伸びる2辺)に沿った領域が透光領域となるように、半透過反射層528の形状が選定されている。以下、図12を参照して、半透過反射層528の具体的な形状について説明する。
図12に示すように、本実施形態における半透過反射層528は、第2基板2上においてY方向に延在する複数の部分を有する。一方、透明電極525は、上記実施形態に示したものと同様の形状であるが、当該半透過反射層528を覆うように形成される点で異なっている。このように、本実施形態における半透過反射層528は、各透明電極525に対応するようにストライプ状に形成されているのである。換言すると、半透過反射層528には、当該各透明電極525の間隙部分に沿った形状の透光部(照明装置からの照明光を透過させる部分)528aが形成されているということができる。半透過反射層528に対してかかる形状の透光部528aが形成されている結果、図12に示すように、略矩形状の各サブ画素551の周縁を画定する4辺のうち、Y方向に伸びる対辺に沿った領域が透光領域として機能することとなる。
そして、本実施形態においても、上記第1および第2実施形態と同様に、少なくとも一のサブ画素551に占める透光領域の面積と、他のサブ画素551に占める透光領域の面積とが異なるように、半透過反射層528の形状が選定されている。
より具体的には、図12に示すように、サブ画素551Rの列に対応する反射層の幅Wrと、サブ画素551Bの列に対応する反射層の幅Wbとがほぼ等しく、サブ画素551Gの列に対応する反射層の幅Wbは、幅Wrおよび幅Wbよりも広くなっている。したがって、サブ画素551Rに占める透光領域の面積Srと、サブ画素551Bに占める透光領域の面積Sbとがほぼ等しく、サブ画素551Gに占める透光領域の面積Sgは、面積Srまたは面積Sbよりも小さい。ここでは、面積Srと面積Sgと面積Sbとの比が、「Sr:Sg:Sb=1.5:1:1.5」とした場合を想定している。
ところで、図4に示したように、上記実施形態に示した緑色のカラーフィルタ522Gの透過率は、他色のカラーフィルタ522Rまたは522Bの透過率と比較して著しく高い。したがって、図4に示した透過率特性を有するカラーフィルタ522を用いて理想的な白表示を行う(つまり色再現性を補償する)ためには、緑色のサブ画素551Gに占める透光領域の面積を、他色のサブ画素551Rまたは551Bに占める透光領域の面積よりも顕著に小さくする必要がある。これに対し、図11に透過率特性を示したカラーフィルタ522Gは、図4に示したカラーフィルタ522Gよりも透過率が低く抑えられているため、緑色のサブ画素551Gに占める透光領域の面積と、他色のサブ画素551Rまたは551Bに占める透光領域の面積との差異を、図4に示したカラーフィルタ522を用いた場合ほどに大きく確保する必要がない。すなわち、図11に透過率特性を示したカラーフィルタ522Gを用いることによって、緑色のサブ画素551Gに占める透光領域の面積をそれほど小さくする必要がなくなるのである。
ここで、図13は、本実施形態に係る液晶表示装置によって表示される色の色座表を表すCIE色度図である。図13においては、従来の構成の液晶表示装置によって表示される色の色座標が、本実施形態の対比例として示されている。なお、「従来の構成」の液晶表示装置とは、図13に透過率特性を示したカラーフィルタを用い、かつ全てのサブ画素について透光領域の面積を同一とした構成の液晶表示装置である。
CIE色度図において、理想的な白表示を行なった場合の色座標は、概ね(x,y)=(0.310,0.316)であり、図13にはこの点が「×」により示されている。同図からも明らかなように、本実施形態に係る液晶表示装置によって白表示を行なった場合の色座標は、従来の構成の液晶表示装置によって白表示を行なった場合の色座標と比較して、理想的な白表示の色座標に近づいている。すなわち、本実施形態に係る液晶表示装置によれば、良好な色再現性が実現されているということができる。
本実施形態によっても、上記各実施形態と同様に、照明光における分光特性のばらつきが観察光に与え得る影響を抑えて、良好な色再現性が実現されるという効果が得られる。
本実施形態および上記各実施形態に示したように、本発明においては、画素を構成するいずれかのサブ画素に占める透光領域の割合と、当該画素を構成する他のサブ画素に占める透光領域の割合とが異なっていれば、各サブ画素における透光領域の態様、すなわち半透過反射層521における透光部(開口部521aまたは透光部528a)の態様は、いかなるものであってもよい。また、本発明における「透光部」は、「半透過反射層のうち、照明装置からの照明光を透過させる部分」を意味し、半透過反射層に形成された開口部(すなわち孔)に限定されるものではない。
<D:変形例>
以上この発明の一実施形態について説明したが、上記実施形態はあくまでも例示であり、上記実施形態に対しては、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で様々な変形を加えることができる。変形例としては、例えば以下のようなものが考えられる。
<D−1:変形例1>
上記第1および第2実施形態においては、照明装置5からの照明光の分光特性に応じて、各サブ画素551に対応する開口部521aの面積を異ならせるようにしたが、以下のようにしてもよい。すなわち、図14に示すように、半透過反射層521に設けられる各開口部521aの面積を略同一とする一方、各サブ画素551に対応して設けられる開口部521aの個数を、照明光の分光特性に応じた個数とするのである。
例えば、上記各実施形態においては、前掲図2に示した照明光の分光特性に応じて、サブ画素551R、551Gおよび551Bに対応する開口部521aの面積比を「4:1:2」としたが、本変形例においては、図14に示すように、サブ画素551R、551Gおよび551Bに対応する開口部521aの個数の比を「4:1:2」とするのである。かかる構成とした場合にも、上記各実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、上記各実施形態に示したように、各サブ画素551の一部分のみに対応して開口部521aを形成した場合、各サブ画素615において各開口部521aの位置が偏ってしまう結果、観察者によって視認される画像にざらつき感が生じることも考えられるが、本変形例に示した構成によれば、各サブ画素551において開口部521aを散在させることができるから、このような不具合を回避することができるという利点がある。
<D−2:変形例2>
上記各実施形態においては、同一色に対応するサブ画素551ごとに、当該サブ画素551に占める透光領域の割合を異ならせるようにした。照明装置5からの照明光の分光特性が、液晶表示パネル500の基板面の全面において同一であれば、かかる構成を採用した場合にも、照明光の分光特性の不均一性を十分に補償することが可能である。しかしながら、照明装置5からの照明光の分光特性が、基板面内の各箇所において異なる場合もあり得る。例えば、基板面内のある箇所には図2に示した分光特性を有する照明光が照射されるが、他の箇所には図2に示したのと異なる分光特性を有する照明光が照射されるといった具合である。かかる場合には、基板面内における各サブ画素551の位置に応じて透光領域の割合を異ならせる(つまり、開口部521aの面積を異ならせる)ようにしてもよい。例えば、図2に示した分光特性を有する照明光が照射される箇所に位置する画素615においては、各サブ画素551R、551Gおよび551Bにおける透光領域の面積比を「4:1:2」とする一方、この照明光と比較して青色光から緑色光にかけての輝度が若干低い照明光が照射される箇所の画素615においては、各サブ画素551R、551Gおよび551Bにおける透光領域の面積比を「3:1:2」とする、といった具合である。このように、同一色に対応するサブ画素551における透光領域の割合は、必ずしもすべてのサブ画素551にわたって同一である必要はないのである。本変形例によれば、上記各実施形態に示した効果に加え、照明光の分光特性が基板面内において不均一である場合にもこれを補償することができるから、より確実に色再現性を向上させることができるという効果が得られる。
<D−3:変形例3>
上記各実施形態においては、照明装置からの照明光が図2に示す分光特性を示す場合を例示したが、照明光の分光特性がこれに限られるものでないことは言うまでもない。すなわち、図2とは異なる分光特性を示す照明光を透過型表示に際して用いる場合にも、例えば、当該照明光のうち輝度が高い波長に対応する色のサブ画素における透光領域の面積を、輝度が低い波長に対応する色のサブ画素における透光領域の面積よりも小さくするといった具合に、照明光の分光特性に応じた面積とすれば、照明光の分光特性のばらつきを補償して良好な色再現性を実現することができるという効果を得ることができる。
さらには、各サブ画素における透光領域の面積は、必ずしも照明光の分光特性に応じたものでなくてもよい。例えば、照明光の分光特性とは無関係に、緑色に対応するサブ画素551Gまたは青色に対応するサブ画素551Bにおける透光領域の面積(つまり、これらのサブ画素551に対応する開口部521aの面積)を、赤色に対応するサブ画素551Rにおける透光領域の面積よりも広くすれば、表示を意図的に青緑がかったものにすることができる。つまり、本発明においては、一のサブ画素551における透光領域の面積が、他のサブ画素551における透光領域の面積と異なるように、半透過反射層521における開口部521aの面積が選定されていればよいのである。
<D−4:変形例4>
上記第3実施形態においては、各サブ画素を画定する4辺のうち対向する二辺に沿った領域が透光領域となる場合を例示したが、これらの4辺のうち1辺、3辺または全ての辺(4辺)に沿った領域が透光領域となるように、半透過反射層528の形状を選定してもよい。すなわち、透光領域をサブ画素の縁辺に沿った領域とする場合には、各サブ画素を画定する複数の辺のうち少なくとも一辺に沿った領域を透光領域とすればよい。また、上記第3実施形態においては、複数のサブ画素551にわたって連なった形状の半透過反射層528を例示したが、半透過反射層528を各サブ画素551ごとに離間した形状としてもよい。
<D−5:変形例5>
上記各実施形態においては、同一色のカラーフィルタ522が一列をなすストライプ配列を採用した場合を例示したが、カラーフィルタ522の配列の態様としては、この他にもモザイク配列やデルタ配列を採用することもできる。
また、上記各実施形態においては、第2基板2の内側表面に半透過反射層521を形成する場合を例示したが、第2基板2の外側表面に反射層を形成することも考えられる。要は、半透過反射層521が液晶4に対して観察側とは反対側に位置する構成であればよい。
<D−6:変形例6>
上記第2実施形態においては、スイッチング素子としてTFD515を採用したアクティブマトリクス方式の液晶表示装置を例示したが、本発明の適用範囲はこれに限られるものではなく、TFT(Thin Film Transistor)に代表される三端子型スイッチング素子を採用した液晶表示装置にも適用できる。なお、TFTを用いた場合、一方の基板の全面にわたって対向電極が形成され、他方の基板上には複数の走査線と複数のデータ線とが相互に交差する方向に延在して形成されるとともに、これらの双方にTFTを介して接続された画素電極がマトリクス状に配列して形成されることとなる。この場合、各画素電極と対向電極とが対向する領域がサブ画素として機能することとなる。
<D−7:変形例7>
上記各実施形態においては、半透過反射層521と透明電極525(第2実施形態においてはデータ線527)とが別個に形成される場合を例示したが、液晶4に電圧を印加するための電極を光反射性を有する導電材料により形成し、この電極が半透過反射層521としての機能を兼ね備えるようにしてもよい。すなわち、図1に示した半透過反射層521を設けることなく、透明電極525に代えて、これと同様の形状の反射電極を設けるのである。この場合、反射電極のうちの各サブ画素に対応する領域(つまり、第1基板3上の透明電極511と対向する領域)の一部に、上記各実施形態および各変形例に例示した態様の開口部が設けられることとなる。
<E:第4実施形態:液晶表示装置>
図15は、本発明の液晶表示装置の一例を示した図であり、カラーフィルタが下基板の内面側に設けられているパッシブマトリクス方式の半透過反射型カラー液晶表示装置の一例を示した部分断面図である。また、図16は、図15に示した液晶表示装置における半透過反射層とカラーフィルタと遮光膜のみを示した図であり、図16(A)は、半透過反射層とカラーフィルタとの重なり合いを説明するための平面図であり、図16(B)は、図16(A)に示すA−A'線に沿う断面図である。
なお、以下の図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の膜厚や寸法の比率などは適宜異ならせてある。
図15に示した液晶表示装置は、液晶パネル(液晶表示パネル)1と、この液晶パネル1の後面側(下基板2の外面側)に配設されたバックライト(照明装置)5とを備えて概略構成されている。
また、液晶パネル1は、対向配置された下基板2と上基板3とに挟まれた空間に、STN(Super Twisted Nematic)液晶などからなる液晶層4が挟持されて概略構成されている。
下基板2は、ガラスや樹脂などからなるものであり、下基板2の内面側には、半透過反射層6が設けられ、半透過反射層6の上側には、カラーフィルタ10が積層され、カラーフィルタ10を構成する各色素層11R、11G、11B間には、黒色樹脂材料などからなる遮光膜41が設けられている。また、カラーフィルタ10の上には、カラーフィルタ10によって形成された凹凸を平坦化するための透明な平坦化膜12が積層されている。さらに、平坦化膜12上には、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide,以下、「ITO」と略記する。)等の透明導電膜からなるストライプ状の透明電極(セグメント電極)8が紙面垂直方向に延在し、透明電極8の上側には、透明電極8を覆うようにポリイミド等からなる配向膜9が設けられている。
また、下基板2の外面側には、1/4波長板18と、下偏光板14と、反射偏光子19とが設けられている。
一方、上基板3は、ガラスや樹脂などからなるものであり、上基板3の内面側には、ITO等の透明導電膜からなるストライプ状の透明電極(コモン電極)7が、下基板2に設けられている透明電極8と直交する方向(図示横方向)に延在し、透明電極7の下側には、透明電極7を覆うようにポリイミド等からなる配向膜15が設けられている。
また、上基板3の外面側には、前方散乱板16と、位相差板17と、上偏光板13とが、この順に上基板3上に積層されて設けられている。
また、バックライト5の下面側(液晶パネル1と反対側)には、反射板51が設けられている。
次に、図15に示した液晶表示装置における半透過反射層6とカラーフィルタ10との平面的な重なり合いを説明する。
半透過反射層6は、アルミニウム等の反射率の高い金属膜からなるものであり、図16に示すように、金属膜を窓状に開口することにより形成され、バックライト5から出射された光や上基板3側から入射する光を透過する光透過領域6aと、上基板3側から入射する光を反射する光反射領域6bとを各画素毎に有している。
一方、カラーフィルタ10は、表示領域を構成する各画素に対応して設けられ、上述した上基板3に設けられている透明電極7と直交するように、赤色層11Rと緑色層11Gと青色層11Bとが紙面垂直方向に延在し、赤色層11R、緑色層11G、青色層11Bの順番に繰り返し配列された色素層11を有するものである。
各色素層11R、11G、11Bは、図16に示すように、半透過反射層6の光透過領域6aと平面的に重なる領域の全体と、各色素層11R、11G、11Bを窓状に開口することにより、半透過反射層6の光反射領域6bと平面的に重なる領域の一部を除いた領域とに設けられている。このことにより、カラーフィルタ10には、各色素層11R、11G、11Bが設けられている色素層形成領域と、光反射領域6bと平面的に重なる領域の一部であり、各色素層11R、11G、11Bが設けられていない領域である色素層非形成領域11D、11E、11Fとが存在している。また、この液晶表示装置においては、色素層形成領域の面積、すなわち各色素層11R、11G、11Bの面積は、赤色層11R、青色層11B、緑色層11Gの順で小さくなるように設けられている。
このような液晶表示装置では、図15に示すように、反射モード時に上基板3側から液晶表示装置に入射した外光30aは、カラーフィルタ10を透過し、半透過反射層6の光反射領域6bによって反射され、再びカラーフィルタ10を透過して、上基板3側から外部に向かって出射される。反射モード時に上基板3側から液晶表示装置に入射した外光30bは、カラーフィルタ10を通過せずに光反射領域6bによって反射され、上基板3側から外部に向かって出射される。反射モード時に上基板3側から液晶表示装置に入射した外光30cは、光透過領域6aを通過するため、反射光とはならない。
つまり反射光には、各色素層11R、11G、11Bを透過する光30aと色素層非形成領域11D、11E、11Fを透過する光30bとがあり、各色素層11R、11G、11Bを透過した光30aのみが着色され、色素層非形成領域11D、11E、11Fを透過した光30bは着色されない。
したがって、反射モード時に上基板3側から外部に向かって出射される光は、各色素層11R、11G、11Bを透過した着色された光30aと色素層非形成領域11D、11E、11Fを透過した着色されない光30bとを合わせた光となる。
また、透過モード時にバックライト5から液晶表示装置に入射した光50aは、光透過領域6aを透過し、カラーフィルタ10の色素層11を透過して着色される。また、透過モード時にバックライト5から液晶表示装置に入射した光50bは、半透過反射層6により遮光される。
したがって、透過モード時に上基板3側から外部に向かって出射される光は、カラーフィルタ10の色素層11を1回透過した着色された光50aとなる。
このような液晶表示装置は、光反射領域6bと平面的に重なる領域の一部に色素層非形成領域11D、11E、11Fがあるので、上述したように、反射モード時に得られる光は、色素層非形成領域11D、11E、11Fを透過した着色されない光30bと色素層11を透過した着色された光30aとを合わせた光となる。一方、透過モード時に得られる光は、色素層11を透過する着色された光50aのみとなる。
このことにより、反射モード時にカラーフィルタ10を2回透過することによって得られる光と、透過モード時にカラーフィルタ10を1回透過することによって得られる光との色の濃淡差を少なくすることができる。
その結果、反射モード時にも透過モード時にも同様に、明るく、視認性の高い表示ができるカラーの半透過反射型液晶表示装置を実現することが可能となる。しかも、図15に示した液晶表示装置においては、前記色素層11は、赤色層11Rと緑色層11Gと青色層11Bとからなり、各色素層11R、11G、11Bの面積は、赤色層11R、青色層11B、緑色層11Gの順で小さくなるように設けられ、カラーフィルタ10の色特性を、各色素層11R、11G、11Bの面積を変化させて調整することにより、より一層、色再現性を向上させることができ、より優れた表示品質を有する液晶表示装置を実現することができる。
また、図15に示した液晶表示装置においては、各色素層11R、11G、11Bが設けられている領域と色素層非形成領域11D、11E、11Fとの段差を平坦化する透明膜12が設けられているので、各色素層11R、11G、11Bが設けられている領域と色素層非形成領域11D、11E、11Fとの段差に起因する悪影響が発生しないものとすることができ、液晶表示装置の信頼性を向上させることができる。
また、厚みを薄くした金属膜にて作成した半透過反射層は、光の反射、透過以外に、光の吸収を持つのに対し、図15に示した液晶表示装置は、半透過反射層6が窓状に開口されることにより、光透過領域6aが形成されたものであるので、光の吸収を持たず、反射率、透過率を高くすることが出来る。
<F:第5実施形態:液晶表示装置>
第5実施形態において、液晶表示装置の全体構成は、図15に示した第4実施の形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
また、第5実施形態の液晶表示装置が、第4実施形態の液晶表示装置と異なるところは、半透過反射層およびカラーフィルタの形状のみであるので、半透過反射層およびカラーフィルタについて、図17を用いて詳しく説明する。
図17は、第5実施形態の液晶表示装置における半透過反射層とカラーフィルタと下基板の透明電極のみを示した図であり、図17(A)は、半透過反射層とカラーフィルタとの重なり合いを説明するための平面図であり、図17(B)は、図17(A)に示すC−C'線に沿う断面図である。
なお、図17において、第4実施形態と共通の構成要素には同一の符号を付している。
半透過反射層61は、下基板2に設けられている透明電極8と同様に、上基板3に設けられている透明電極7と直交するように紙面垂直方向にストライプ状に延在して設けられ、下基板2に設けられている透明電極8と同様のピッチで形成されている。そして、図17(B)に示すように、半透過反射層61を構成する金属膜のパターンの幅よりも、下基板2に設けられている透明電極8のパターンの幅の方が大きく形成されることにより、半透過反射層61を構成する金属膜と透明電極8とが平面的に重ならない帯状の領域が光透過領域61aとされ、金属膜が設けられている領域の全体が光反射領域61bとされている。
一方、カラーフィルタ101は、第4実施形態と同様に、表示領域を構成する各画素に対応して設けられ、上基板3に設けられている透明電極7と直交するように赤色層111Rと緑色層111Gと青色層111Bとが紙面垂直方向に延在し、赤色層111R、緑色層111G、青色層111Bの順番に繰り返し配列された色素層111を有するものである。
各色素層111R、111G、111Bは、図17に示すように、半透過反射層61の光透過領域61aと平面的に重なる領域の全体と、各色素層111R、111G、111Bをストライプ状に開口することにより、半透過反射層61の光反射領域61bと平面的に重なる領域の一部を除いた領域とに設けられている。
このことにより、カラーフィルタ101には、各色素層111R、111G、111Bが設けられている色素層形成領域と、光反射領域61bと平面的に重なる領域の一部であり、各色素層111R、111G、111Bが設けられていない領域である色素層非形成領域111D、111E、111Fとが存在している。また、この液晶表示装置においては、第4実施形態と同様に、色素形成領域の面積、すなわち各色素層111R、111G、111Bの面積は、赤色層111R、青色層111B、緑色層111Gの順で小さくなるように設けられている。
このような液晶表示装置も、第4実施形態と同様に、半透過反射層61の光反射領域61bと平面的に重なる領域の一部に色素層非形成領域111D、111E、111Fが形成されているので、反射モード時に液晶表示装置に入射した外光のうちの一部は、色素層非形成領域111D、111E、111Fを透過することになり、反射モード時にカラーフィルタ101を2回透過することによって得られる光は、色素層非形成領域111D、111E、111Fを透過する着色されない光と色素層111を透過する着色された光とを合わせた光となる。一方、透過モード時にバックライト5から入射して光透過領域61aを透過した光は、全て色素層111を透過することになり、透過モード時にカラーフィルタ101を1回透過することによって得られる光は、全て着色された光となる。このことにより、反射モード時にカラーフィルタを2回透過することによって得られる光と、透過モード時にカラーフィルタを1回透過することによって得られる光との色の濃淡差を少なくすることができる。
その結果、反射モード時にも透過モード時にも同様に、発色がよく、視認性の高い表示ができるカラーの半透過反射型液晶表示装置を実現することが可能となる。
しかも、本実施形態の液晶表示装置においても、前記色素層111は、赤色層111Rと緑色層111Gと青色層111Bとからなり、各色素層111R、111G、111Bの面積は、赤色層111R、青色層111B、緑色層111Gの順で小さくなるように設けられ、カラーフィルタ101の色特性を、各色素層111R、111G、111Bの面積を変化させて調整することにより、より一層、色再現性を向上させることができ、より優れた表示品質を有する液晶表示装置を実現することができる。
また、このような液晶表示装置では、半透過反射層61が、半透過反射層61を構成する金属膜のパターンの幅よりも、下基板2に設けられている透明電極8のパターンの幅の方が大きく形成されることにより、帯状の光透過領域61aと光反射領域61bとが形成されたものであるので、窓状に開口部を設けた半透過反射層と比較して、開口部の長さ方向のばらつきが無くなるため、製造上安定である。
<G:第6実施形態:液晶表示装置>
図18は、本発明の液晶表示装置の他の例を示した図であり、カラーフィルタが上基板の内面側に設けられているパッシブマトリクス方式の半透過反射型カラー液晶表示装置の一例を示した部分断面図である。また、図19は、図18に示した液晶表示装置における半透過反射層とカラーフィルタのみを示した図であり、図19(A)は、半透過反射層とカラーフィルタとの重なり合いを説明するための平面図であり、図19(B)は、図19(A)に示すB−B'線に沿う断面図である。
なお、図18および図19において、第4実施形態と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図18に示した液晶表示装置は、液晶パネル100と、この液晶パネル100の後面側(下基板2の外面側)に配設されたバックライト(照明装置)5とを備えて概略構成されている。
また、液晶パネル100は、第4実施形態と同様に、対向配置された下基板2と上基板3とに挟まれた空間に、液晶層4が挟持されて概略構成されている。
下基板2の内面側には、半透過反射層6と、絶縁膜23とがこの順に積層され、絶縁膜23の上側には、ITO等の透明導電膜からなるストライプ状の透明電極8(ここではコモン電極)が図示横方向に延在し、透明電極8の上側には、透明電極8を覆うように配向膜9が設けられている。
また、下基板2の外面側には、第4実施形態と同様に、1/4波長板18と、下偏光板14と、反射偏光子19とが設けられている。
一方、上基板3の内面側には、カラーフィルタ20が積層され、カラーフィルタ20を構成する各色素層21R、21G、21B間には、黒色樹脂材料などからなる遮光膜42が設けられている。また、カラーフィルタ20の下側には、カラーフィルタ20によって形成された凹凸を平坦化するための透明な平坦化膜22が積層されている。さらに、平坦化膜22下側には、ITO等の透明導電膜からなるストライプ状の透明電極7(ここではセグメント電極)が、下基板2に設けられている透明電極8と直交する方向(紙面垂直方向)に延在し、透明電極7の下側には、透明電極7を覆うように配向膜15が設けられている。
また、上基板3の外面側には、第4実施形態と同様に、前方散乱板16と、位相差板17と、上偏光板13とが、この順に上基板3上に積層されて設けられている。
また、バックライト5の下面側(液晶パネル1と反対側)には、第4実施形態と同様に、反射板51が設けられている。
次に、図18に示した液晶表示装置における半透過反射層とカラーフィルタとの平面的な重なり合いを説明する。図18に示した液晶表示装置においては、図15に示した第4実施形態の液晶表示装置とカラーフィルタの配置されている位置が異なっているが、半透過反射層とカラーフィルタとの平面的な重なり合いは、第4実施形態と同様となっている。
半透過反射層6は、第4実施形態と同様であり、図19に示すように、金属膜を窓状に開口することにより形成され、光透過領域6aと、光反射領域6bとを各画素毎に有している。
一方、カラーフィルタ20は、下基板2に設けられている透明電極8と直交するように赤色層21Rと緑色層21Gと青色層21Bとが紙面垂直方向に延在し、赤色層21R、緑色層21G、青色層21Bの順番に繰り返し配列された色素層21を有するものである。
各色素層21R、21G、21Bは、図19に示すように、半透過反射層6の光透過領域6aと平面的に重なる領域の全体と、各色素層21R、21G、21Bを窓状に開口することにより、半透過反射層6の光反射領域6bと平面的に重なる領域の一部を除いた領域とに設けられている。このことにより、カラーフィルタ20には、色素層21が設けられている色素層形成領域と、光反射領域6bと平面的に重なる領域の一部であり、各色素層21R、21G、21Bが設けられていない領域である色素層非形成領域21D、21E、21Fとが存在している。また、この液晶表示装置においても、第4実施形態と同様に、色素形成領域の面積、すなわち各色素層21R、21G、21Bの面積は、赤色層21R、青色層21B、緑色層21Gの順で小さくなるように設けられている。
このような液晶表示装置においても、図18に示すように、反射モード時に上基板3側から外部に向かって出射される光は、各色素層21R、21G、21Bを透過する光30aと色素層非形成領域21D、21E、21Fを透過する光30bとがあり、各色素層21R、21G、21Bを透過した光30aのみが着色され、色素層非形成領域21D、21E、21Fを透過した光30bは着色されない。したがって、このような液晶表示装置においても、第4実施形態と同様に、反射モード時に上基板3側から外部に向かって出射される光は、着色されない光30bと着色された光30bとを合わせた光となる。
一方、透過モード時に上基板3側から外部に向かって出射される光も、第4実施形態と同様に、カラーフィルタ20の色素層21を1回透過した着色された光50aとなる。
このことにより、本実施形態の液晶表示装置においても、反射モード時にカラーフィルタ20を2回透過することによって得られる光と、透過モード時にカラーフィルタ20を1回透過することによって得られる光との色の濃淡差を少なくすることができる。
その結果、反射モード時にも透過モード時にも同様に、発色がよく、視認性の高い表示ができるカラーの半透過反射型液晶表示装置を実現することが可能となる。
しかも、図19に示した液晶表示装置においても、前記色素層21は、赤色層21Rと緑色層21Gと青色層21Bとからなり、各色素層21R、21G、21Bの面積は、赤色層21R、青色層21B、緑色層21Gの順で小さくなるように設けられ、カラーフィルタ20の色特性を、各色素層21R、21G、21Bの面積を変化させて調整することにより、より一層、色再現性を向上させることができ、より優れた表示品質を有する液晶表示装置を実現することができる。
<H:第7実施形態:液晶表示装置>
図20は、本発明の液晶表示装置の他の例を示した図であり、半透過反射層上に透明電極が直接設けられているパッシブマトリクス方式の半透過反射型カラー液晶表示装置の一例を示した部分断面図である。また、図21は、図20に示した液晶表示装置における半透過反射層とカラーフィルタと下基板の透明電極のみを示した図であり、図21(A)は、半透過反射層とカラーフィルタとの重なり合いを説明するための平面図であり、図21(B)は、図21(A)に示すD−D'線に沿う断面図である。
なお、図20および図21において、第4実施形態と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図20に示した液晶表示装置は、液晶パネル200と、この液晶パネル200の後面側(下基板2の外面側)に配設されたバックライト(照明装置)5とを備えて概略構成されている。
また、液晶パネル200は、第4実施形態と同様に、対向配置された下基板2と上基板3とに挟まれた空間に、液晶層4が挟持されて概略構成されている。
下基板2の内面側には、アルミニウム等の反射率の高い金属膜からなる半透過反射層62と、ITO等の透明導電膜からなり、半透過反射層62上に直接設けられたストライプ状の透明電極8(ここではセグメント電極)とが紙面垂直方向に延在し、透明電極8の上側には、透明電極8を覆うように配向膜9が設けられている。
また、下基板2の外面側には、第4実施形態と同様に、1/4波長板18と、下偏光板14と、反射偏光子19とが設けられている。
一方、上基板3の内面側には、カラーフィルタ104が積層され、カラーフィルタ104を構成する各色素層114R、114G、114B間には、遮光膜43が設けられている。また、カラーフィルタ104の下側には、カラーフィルタ104によって形成された凹凸を平坦化するための透明な平坦化膜32が積層されている。さらに、平坦化膜32下側には、ITO等の透明導電膜からなるストライプ状の透明電極7(ここではコモン電極)が、下基板2に設けられている透明電極8と直交する方向(図示横方向)に延在し、透明電極7の下側には、透明電極7を覆うように配向膜15が設けられている。
また、上基板3の外面側には、第4実施形態と同様に、前方散乱板16と、位相差板17と、上偏光板13とが、この順に上基板3上に積層されて設けられている。
また、バックライト5の下面側(液晶パネル1と反対側)には、第4実施形態と同様に、反射板51が設けられている。
次に、図20に示した液晶表示装置における半透過反射層とカラーフィルタとの平面的な重なり合いを説明する。
半透過反射層62は、第5実施形態と同様に、下基板2に設けられている透明電極8と同様のピッチで形成され、図21(B)に示すように、半透過反射層62を構成する金属膜のパターンの幅よりも、下基板2に設けられている透明電極8のパターンの幅の方が大きく形成されることにより、半透過反射層62を構成する金属膜と透明電極8とが平面的に重ならない帯状の領域が光透過領域62aとされ、金属膜が設けられている領域の全体が光反射領域62bとされている。
一方、カラーフィルタ104は、第4実施形態と同様に、表示領域を構成する各画素に対応して設けられ、上基板3に設けられている透明電極7と直交するように赤色層114Rと緑色層114Gと青色層114Bとが紙面垂直方向に延在し、赤色層114R、緑色層114G、青色層114Bの順番に繰り返し配列された色素層114を有するものである。
緑色層114Gは、図21に示すように、半透過反射層62の光透過領域62aと平面的に重なる領域の全体と、緑色層114Gをストライプ状に開口することにより、半透過反射層62の光反射領域62bと平面的に重なる領域の一部を除いた領域とに設けられている。このことにより、カラーフィルタ104には、各色素層114R、114G、114Bが設けられている色素層形成領域と、光反射領域62bと平面的に重なる領域の一部であり、緑色層114Gが設けられていない領域である色素層非形成領域114Eとが存在している。また、この液晶表示装置においては、色素形成領域の面積、すなわち各色素層114R、114G、114Bの面積は、赤色層114Rおよび青色層114Bより、緑色層114Gの方が小さくなるように設けられている。
このような液晶表示装置においても、図20に示すように、反射モード時に上基板3側から外部に向かって出射される光は、各色素層114R、114G、114Bを透過する光30aと色素層非形成領域114Eを透過する光30bとがあり、各色素層114R、114G、114Bを透過した光30aのみが着色され、色素層非形成領域114Eを透過した光30bは着色されない。したがって、このような液晶表示装置においても、第4実施形態と同様に、反射モード時に上基板3側から外部に向かって出射される光は、着色されない光30bと着色された光30bとを合わせた光となる。
一方、透過モード時に上基板3側から外部に向かって出射される光も、第4実施形態と同様に、カラーフィルタ104の色素層114を1回透過した着色された光50aとなる。
このことにより、本実施形態の液晶表示装置においても、反射モード時にカラーフィルタ104を2回透過することによって得られる光と、透過モード時にカラーフィルタ104を1回透過することによって得られる光との色の濃淡差を少なくすることができる。
その結果、反射モード時にも透過モード時にも同様に、発色がよく、視認性の高い表示ができるカラーの半透過反射型液晶表示装置を実現することが可能となる。
また、本実施形態の液晶表示装置においては、前記色素層114は、赤色層114Rと緑色層114Gと青色層114Bとからなり、各色素層114R、114G、114Bの面積は、赤色層114Rおよび青色層114Bより、緑色層114Gの方が小さくなるように設けられ、カラーフィルタ104の色特性を、緑色層114Gの面積を変化させて調整することにより、より一層、色再現性を向上させることができ、より優れた表示品質を有する液晶表示装置を実現することができる。
さらに、最も視感度に効く色である緑色の発色に寄与する緑色層114Gにのみ、色素層非形成領域114Eが存在するものとしたので、優れた発色が得られるとともに、色素層非形成領域114Eを設けることによる反射率の低下を少なくすることができる。
さらに、本実施形態の液晶表示装置においては、金属膜からなる半透過反射層62上に透明導電膜からなる透明電極8が直接設けられているので、透明電極8の抵抗値を低くすることができ、表示ムラを少なくすることができる。
<I:第8実施形態:液晶表示装置>
第8実施形態において、液晶表示装置の全体構成は、図15に示した第4実施の形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
また、第8実施形態の液晶表示装置は、上述した第1実施形態と同様に、各サブ画素における光透過領域の面積が異なるものであるとともに、上述した第4実施形態と同様に、各色素層における色素層非形成領域の面積が異なるように形成されているものである。このため、上述した第1実施形態の液晶表示装置または第4実施形態の液晶表示装置と同様の構成についての詳細な説明を省略し、第8実施形態の液晶表示装置の特徴部分である半透過反射層およびカラーフィルタの形状について、図面を用いて詳しく説明する。
なお、第8実施形態においては、照明光として、緑色に対応する波長の輝度が他の波長の輝度よりも強く、青色に対応する波長の輝度が他の波長の輝度よりも弱い照明光を用いる場合の例を説明する。
図32は、第8実施形態の液晶表示装置における半透過反射層とカラーフィルタとを示した図であり、第4実施形態において説明した図16(A)に対応する図である。
図32において、符号703は、半透過反射層を示している。半透過反射層703は、第4実施形態と同様に、金属膜を窓状に開口することにより形成され、バックライト5から出射された光や上基板3側から入射する光を透過する光透過領域701と、上基板3側から入射する光を反射する光反射領域702(図32においては右上がりの斜線で記載)とを各画素毎に有している。
しかし、本実施形態においては、第4実施形態とは異なり、半透過反射層703は、図32に示すように、ひとつの画素751を構成するサブ画素751R、751G、751Bの各々に対応する開口部の面積、すなわち半透過反射層703R、703G、703Bを構成する光透過領域701R、701G、701Bの面積と、光反射領域702R、702G、702Bの面積とが、照明装置5から出射する照明光の分光特性に応じた面積の割合となっている。
一方、カラーフィルタは、第4実施形態と同様に、表示領域を構成する各画素に対応して設けられ、上基板3に設けられている透明電極7と直交するように赤色層711Rと緑色層711Gと青色層711Bとが延在し、赤色層711R、緑色層711G、青色層711Bの順番に繰り返し配列された色素層711を有するものである。
各色素層711R、711G、711Bは、図32に示すように、半透過反射層703R、703G、703Bの光透過領域701R、701G、701Bと平面的に重なる領域の全体と、各色素層711R、711G、711Bを窓状に開口することにより、光反射領域702R、702G、702Bと平面的に重なる領域の一部を除いた領域とに設けられている。このことにより、カラーフィルタには、各色素層711R、711G、711Bが設けられている色素層形成領域と、光反射領域702R、702G、702Bと平面的に重なる領域の一部であり、各色素層711R、711G、711Bが設けられていない領域である色素層非形成領域711D、711E、711Fとが存在している。
本実施形態においては、緑色層(緑色のカラーフィルタ)711Gが形成されたサブ画素751Gについては、これに対応する光透過領域701Gの面積が他色に対応するサブ画素751Rおよび751Bと比較して小さくなっている。これに対し、青色層(青色のカラーフィルタ)711B、が形成されたサブ画素751Bについては、これに対応する光透過領域701Bの面積が他色のサブ画素751Rおよび751Gと比較して大きくなっている。
また、この液晶表示装置においては、色素形成領域の面積、すなわち各色素層711R、711G、711Bの面積は、青色層711B、赤色層711R、緑色層711Gの順で小さくなるように設けられている。
このような液晶表示装置においては、以下に示す第1の調整と第2の調整の両方を行うことによって表示色および明るさが調整される。
「第1の調整」
光透過領域701R、701G、701Bと光反射領域702R、702G、702Bとの割合を変化させることにより、透過モード時に明るい光が得られるだけの透過率が得られるように、明るさが調整される。
また、緑色層711Gが形成されたサブ画素751Gを、他のサブ画素751R、751Bと比較して小さくし、青色層711Bが形成されたサブ画素751Bを、他のサブ画素751R、751Gと比較して大きくすることにより、光透過領域701R、701G、701Bと光反射領域702R、702G、702Bとの割合を変化させる。このことにより、照明光のうち輝度が比較的低い赤色および青色に対応する波長の光については半透過反射層703を十分に透過させる一方、輝度が比較的高い緑色に対応する波長の光については半透過反射層703の透過が制限され、表示色が調整される。
「第2の調整」
各色素層711R、711G、711Bの面積である色素層形成領域の面積と、色素層非形成領域711D、711E、711Fの面積との割合を変化させることにより、反射モード時に明るい光が得られるだけの反射率が得られるように、明るさが調整される。
また、各色素層711R、711G、711Bの面積を、青色層711B、赤色層711R、緑色層711Gの順で小さくなるように設け、各色素層711R、711G、711Bの面積である色素層形成領域の面積と、色素層非形成領域711D、711E、711Fの面積との割合を変化させる。このことにより、カラーフィルタの色特性が調整され、表示色が調整される。
なお、反射モード時の表示色は、第1の調整において、光透過領域701R、701G、701Bと光反射領域702R、702G、702Bとの割合を変化させることに伴う光反射領域702R、702G、702Bの面積の変化によって変化するものであるが、第1の調整による表示色の変化を考慮して第2の調整を行えば、第1の調整によって反射モード時の表示色が変化したとしても、第2の調整において補正することができ、第1の調整に伴う反射モード時の表示色の変化が、実際の反射モード時の表示色に支障をきたすことを防ぐことができる。
本実施形態の液晶表示装置においては、光透過領域701R、701G、701Bと光反射領域702R、702G、702Bとの割合を変化させることによって行われる第1の調整と、色素層形成領域の面積と色素層非形成領域711D、711E、711Fの面積との割合を変化させることによって行われる第2の調整の両方を行うので、第1の調整において透過モード時に明るい表示が得られるように、光透過領域701R、701G、701Bを大きくして透過率を向上させ、光反射領域702R、702G、702Bが小さくなったとしても、第2の調整において色素層非形成領域711D、711E、711Fの面積を小さくすることにより、反射モード時に明るい表示が得られるだけの十分な反射率を得ることができる。したがって、透過モード時に明るい表示が得られるように、光透過領域701R、701G、701Bを大きくしても、反射モード時の表示が暗くなるという不都合は生じない。
よって、上記の液晶表示装置によれば、明るさを効果的に調整することができ、反射モード時にも透過モード時にも明るい表示ができる。
また、本実施形態の液晶表示装置においては、光透過領域701R、701G、701Bと光反射領域702R、702G、702Bとの割合を変化させることによって行われる第1の調整と、色素層形成領域の面積と色素層非形成領域711D、711E、711Fの面積との割合を変化させることによって行われる第2の調整の両方を行うことにより、表示色を効果的に調整することができ、非常に優れた色再現性が得られる。
具体的には、本実施形態の液晶表示装置においては、照明光における分光特性のばらつきが観察光に与え得る影響を抑えることができ、緑色に対応する波長の輝度が他の波長の輝度よりも強く、青色に対応する波長の輝度が他の波長の輝度よりも弱い照明光を用いて透過型表示を行った場合であっても、観察者に視認される画像が着色されてしまうという事態を回避することができる。すなわち、第1実施形態と同様に、照明光における分光特性の不均一性を補償して良好な色再現性を実現することができる。
さらに、第1実施形態が本実施形態における第1の調整に相当する表示色および明るさの調整のみであり、第4実施形態が本実施形態における第2の調整に相当する表示色および明るさの調整のみであったのに対し、本実施形態の液晶表示装置においては、第1の調整と第2の調整の両方を行うので、より一層、色再現性を向上させることができ、より優れた表示品質を有する液晶表示装置を実現することができる。
しかも、この液晶表示装置においては、半透過反射層703R、703G、703Bの光反射領域702R、702G、702Bと平面的に重なる領域の一部に色素層非形成領域711D、711E、711Fが形成されているので、反射モード時に液晶表示装置に入射した外光のうちの一部は、色素層非形成領域711D、711E、711Fを透過することになり、反射モード時にカラーフィルタを2回透過することによって得られる光は、色素層非形成領域711D、711E、711Fを透過する着色されない光と色素層711を透過する着色された光とを合わせた光となる。一方、透過モード時にバックライト5から入射して光透過領域701R、701G、701Bを透過した光は、全て色素層711を透過することになり、透過モード時にカラーフィルタを1回透過することによって得られる光は、全て着色された光となる。このことにより、反射モード時にカラーフィルタを2回透過することによって得られる光と、透過モード時にカラーフィルタを1回透過することによって得られる光との色の濃淡差を少なくすることができる。
その結果、第4実施形態と同様に、反射モード時にも透過モード時にも同様に、発色がよく、視認性の高い表示ができるカラーの半透過反射型液晶表示装置を実現することが可能となる。
<J:第9実施形態:液晶表示装置>
第9実施形態において、液晶表示装置の全体構成は、図17に示した第5実施の形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
また、第9実施形態の液晶表示装置は、上述した第8実施形態と同様に、各サブ画素における光透過領域の面積が異なるものであるとともに、各色素層における色素層非形成領域の面積が異なるように形成されているものであり、第9実施形態の液晶表示装置が、第8実施形態の液晶表示装置と異なるところは、半透過反射層およびカラーフィルタの形状のみである。このため、半透過反射層およびカラーフィルタについて、図面を用いて詳しく説明する。
図33は、第9実施形態の液晶表示装置における半透過反射層とカラーフィルタとを示した図であり、第5実施形態において説明した図17(A)に対応する図である。
図33において、符号803は、半透過反射層を示している。半透過反射層803は、第5実施形態と同様に、上基板3に設けられている透明電極7と直交するように紙面垂直方向にストライプ状に延在して設けられ、下基板2に設けられている透明電極8と同様のピッチで形成されている。そして、図33に示すように、半透過反射層803を構成する金属膜のパターンの幅よりも、下基板2に設けられている透明電極8のパターンの幅の方が大きく形成されることにより、半透過反射層803を構成する金属膜と透明電極8とが平面的に重ならない帯状の領域が光透過領域801とされ、金属膜が設けられている領域の全体が光反射領域802(図33においては右上がりの斜線で記載)とされている。
しかし、本実施形態においては、第5実施形態とは異なり、半透過反射層803は、図33に示すように、ひとつの画素851を構成するサブ画素851R、851G、851Bの縁辺に沿った領域、すなわち半透過反射層803R、803G、803Bを構成する光透過領域801R、801G、801Bの面積と、光反射領域802R、802G、802Bの面積とが、照明装置5から出射する照明光の分光特性に応じた面積の割合となっている。
一方、カラーフィルタは、第5実施形態と同様に、表示領域を構成する各画素に対応して設けられ、上基板3に設けられている透明電極7と直交するように赤色層811Rと緑色層811Gと青色層811Bとが延在し、赤色層811R、緑色層811G、青色層811Bの順番に繰り返し配列された色素層811を有するものである。
各色素層811R、811G、811Bは、図33に示すように、半透過反射層803R、803G、803Bの光透過領域801R、801G、801Bと平面的に重なる領域の全体と、各色素層111R、111G、111Bをストライプ状に開口することにより、半透過反射層803R、803G、803Bの光反射領域802R、802G、802Bと平面的に重なる領域の一部を除いた領域とに設けられている。
このことにより、カラーフィルタには、各色素層811R、811G、811Bが設けられている色素層形成領域と、光反射領域802R、802G、802Bと平面的に重なる領域の一部であり、各色素層811R、811G、811Bが設けられていない領域である色素層非形成領域811D、811E、811Fとが存在している。
また、本実施形態においても、第8実施形態と同様に、緑色層(緑色のカラーフィルタ)811Gが形成されたサブ画素851Gについては、これに対応する光透過領域801Gの面積が他色に対応するサブ画素851Rおよび851Bと比較して小さくなっている。これに対し、青色層(青色のカラーフィルタ)811B、が形成されたサブ画素851Bについては、これに対応する光透過領域801Bの面積が他色のサブ画素851Rおよび851Gと比較して大きくなっている。
また、この液晶表示装置においても、第8実施形態と同様に、色素形成領域の面積、すなわち各色素層811R、811G、811Bの面積は、青色層811B、赤色層811R、緑色層811Gの順で小さくなるように設けられている。
このような液晶表示装置においても、光透過領域801R、801G、801Bと光反射領域802R、802G、802Bとの割合を変化させて、表示色および明るさを調整するとともに、色素層形成領域の面積と色素層非形成領域811D、811E、811Fの面積との割合を変化させることにより、表示色および明るさを調整することができる。よって、表示色および明るさを効果的に調整することができる。
よって、上記の液晶表示装置によれば、第8実施形態と同様に、反射モード時にも透過モード時にも明るい表示ができるとともに、非常に優れた色再現性が得られる。
さらに、この液晶表示装置においても、色素層非形成領域811D、811E、811Fが形成されているので、反射モード時にカラーフィルタを2回透過することによって得られる光と、透過モード時にカラーフィルタを1回透過することによって得られる光との色の濃淡差を少なくすることができ、反射モード時にも透過モード時にも同様に、発色がよく、視認性の高い表示ができるカラーの半透過反射型液晶表示装置を実現することが可能となる。
なお、本発明の液晶表示装置は、上述した実施形態に示した例に限定されるものではなく、例えば、半透過反射層がアルミニウムからなるものであり、色素層が青色層および赤色層を含み、色素層形成領域の面積が、赤色素層と比較して青色層が小さくなるように設けたものとしてもよい。
このような液晶表示装置では、色素層形成領域の面積が、赤色素層と比較して青色層が小さくなるように設けられているので、半透過反射層がアルミニウムからなるものであることにより、半透過反射層によって反射した光が青色に着色されても、カラーフィルタを2回透過することによって補正することができる。
したがって、色再現性に優れ、高い表示品質を有する液晶表示装置を実現することができる。
また、半透過反射層が銀からなるものであり、前記色素層が赤色層と青色層とを含み、前記色素層形成領域の面積が、青色素層と比較して赤色層が小さくなるように設けたものとしてもよい。
このような液晶表示装置では、色素層形成領域の面積が、青色素層と比較して赤色層が小さくなるように設けられているので、半透過反射層が銀からなるものであることにより、半透過反射層によって反射した光が黄色に着色されても、カラーフィルタを2回透過することによって補正することができる。したがって、色再現性に優れ、高い表示品質を有する液晶表示装置を実現することができる。
また、本発明の液晶表示装置において、平坦化膜は、上述した実施形態に示した例のように、カラーフィルタ上を覆うように形成してもよいが、カラーフィルタによって形成された凹凸を平坦化することができればよく、例えば、カラーフィルタの色素層非形成領域にのみ形成してもよい。平坦化膜をカラーフィルタの色素層非形成領域にのみ形成したものでは、平坦化膜の上にオーバーコート層を設ける場合に、平坦化膜を形成せずにオーバーコート層を設ける場合と比較してオーバーコート層の厚さを薄くすることができる。また、例えば、平坦化膜を形成せずにオーバーコート層を形成し、カラーフィルタによって形成された凹凸をオーバーコート層によって平坦化するようにし、オーバーコート層が平坦化膜を兼ねる構成としてもよい。
また、上述した実施形態に示した例のように、平坦化膜を形成することにより、色素層非形成領域に平坦化膜を埋め込んで平坦化してもよいが、平坦化膜と個別に透明層を形成して色素層非形成領域を埋めたのち、前記透明層上および色素層形成領域上に平坦化膜を形成して平坦化してもよい。
また、半透過反射層とは透過部を設けた反射機能を有するものを言い、単なる反射層でなくてもよい。つまり偏光機能も備えた反射偏光子でもよい。反射偏光子には、コレステリック液晶による円偏光板、ブリュースター角を利用したビームスプリッタ直線偏光板、反射層に60nm位のスリットを複数形成したワイヤーグリッド直線偏光子等がある。
また、本発明が適用できる液晶表示装置の形態としては、上述した実施形態に示した例のように、パッシブマトリクス方式の液晶表示装置が挙げられるが、本発明は、その他、薄膜ダイオード(Thin Film Diode, TFD)や、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor, TFT)等をスイッチング素子に用いたアクティブマトリクス方式の液晶表示装置にも適用可能である。
(電子機器)
次に、上記の実施形態の液晶表示装置を備えた電子機器の例について説明する。
まず、上述した液晶表示装置を、携帯電話機の表示部に適用した例について説明する。図22は、この携帯電話機の構成を示す斜視図である。同図に示すように、携帯電話機1032は、複数の操作ボタン1321のほか、受話口1322、送話口1323とともに、本発明に係る液晶表示装置(図22においては第1基板3のみが図示されている。)を用いた表示部1324を備えるものである。
図23は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。
図23において、符号1100は時計本体を示し、符号1101は上記の液晶表示装置を用いた液晶表示部を示している。
図24は、ワープロ、モバイル型のパーソナルコンピュータ(パソコン)などの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。
図24において、符号1200は情報処理装置、符号1202はキーボードなどの入力部、符号1204は情報処理装置本体、符号1206は上記の液晶表示装置を用いた液晶表示部を示している。
なお、電子機器としては、図22に示した携帯電話機や、図23に示した腕時計型電子機器、図24に示したパーソナルコンピュータのほかにも、液晶テレビや、ビューファインダ型・モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。
上述したように、本発明に係る液晶表示装置によれば、照明装置からの照明光における分光特性の不均一さを補償して高い色再現性を実現することができ、反射モード時にも透過モード時にも同様に、発色がよく、優れた視認性を有する液晶表示装置を備えた電子機器とすることができるので、高品質な表示が要求される電子機器に特に好適である。
〔実施例〕
以下、実施例を示して本発明の効果を明らかにするが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。また、試験例1〜試験例4の反射膜は銀合金であり、黄色に色付いている。
「試験例1」
図17に示した第5実施形態の液晶表示装置を作製し、光透過領域と光反射領域の面積比を17:19とし、更に各色素層111R、111G、111Bが設けられていない領域である色素層非形成領域111D、111E、111Fの面積の比を、赤色層111D:緑色層111E:青色層111F=4:14:6とした。
「試験例2」
図25に示すように、光透過領域と光反射領域の面積比を17:19とし、更にカラーフィルタ102における各色素層112R、112G、112Bが設けられていない領域である色素層非形成領域112D、112E、112Fの面積の比を、赤色層112D:緑色層112E:青色層112F=1:1:1としたこと以外は、図17に示した第5実施形態の液晶表示装置と同様にして、液晶表示装置を作製した。
「試験例3」
図26に示すように、光透過領域と光反射領域の面積比を11:25とし、更にカラーフィルタ103の各色素層113R、113G、113Bに色素層非形成領域が設けられていないことと、反射モード時の表示を重視してカラーフィルタの色特性を最適化した(色純度を下げた)こと以外は、図17に示した第5実施形態の液晶表示装置と同様にして、液晶表示装置を作製した。
なお、上記の試験例1〜試験例3において、試験例1は、本発明の実施例であり、試験例2および試験例3は、比較例である。
このようにして作製した試験例1〜試験例3の液晶表示装置について、反射モード時に得られる光と、透過モード時に得られる光とを測定した。
その結果を表1、図27〜図30に示す。
図27は、試験例1の液晶表示装置から出射される光を測定した結果を示した図であり、図27(A)は、反射モード時に得られる光の色度図であり、図27(B)は、透過モード時に得られる光の色度図である。また、図28は、試験例2の液晶表示装置から出射される光を測定した結果を示した図であり、図28(A)は、反射モード時に得られる光の色度図であり、図28(B)は、透過モード時に得られる光の色度図である。また、図29は、試験例3の液晶表示装置から出射される光を測定した結果を示した図であり、図29(A)は、反射モード時に得られる光の色度図であり、図29(B)は、透過モード時に得られる光の色度図である。
ここで、「色域面積」とは、CIE色度図上において、赤、緑、青の各表示色のx,y座標の3点を結んで出来る三角形の面積のことを言う。
比較例である試験例3の液晶表示装置は、表1、図29および図30に示すように、反射モード時に得られる光も透過モード時に得られる光も色域面積が狭くなっている。
また、比較例である試験例2の液晶表示装置は、表1、図28および図29に示すように、試験例3の液晶表示装置と比較して、反射モード時に得られる光も透過モード時に得られる光も色域面積が広くなっている。しかも、十分な白表示反射率を有している。しかし、反射モード時に得られる光は、赤色表示が紫色になっている。
これに対し、本発明の実施例である試験例1の液晶表示装置は、表1、図27および図28に示すように、試験例3の液晶表示装置と比較して、反射モード時に得られる光も透過モード時に得られる光も色域面積が広く、十分な白表示反射率を有している。
さらに、試験例2の液晶表示装置と比較しても、反射モード時に得られる光の色域面積が広くなっている。しかも、試験例2の液晶表示装置のように、反射モード時に得られる光において、赤色表示および青表示の色純度が増している。
よって、本発明の実施例である試験例1の液晶表示装置では、反射モード時に得られる光と、透過モード時に得られる光との色の濃淡差が少なく、色再現性に優れ、十分な白表示反射率を有することが確認できた。
このことにより、本発明の実施例である試験例1の液晶表示装置では、比較例である試験例2および試験例3の液晶表示装置と比較して、反射モード時にも透過モード時にも発色がよく、視認性の高い表示ができることが明らかとなった。
「試験例4」
図20および図21に示した第7実施形態の液晶表示装置を作製し、光透過領域と光反射領域の面積比を17:19とし、更に緑色層114Gが設けられている領域と緑色層114Gが設けられていない領域である色素層非形成領域111Eの面積の比を7:1とし、カラーフィルタとして、図31に示す分光特性を持つカラーフィルタを用いた。すなわち、試験例1の液晶表示装置に対し、緑と赤のカラーフィルタの色純度を増し、代わりに青のカラーフィルタの色純度を落として透過率を上げた。
なお、上記の試験例4は、本発明の実施例である。
このようにして作製した試験例4の液晶表示装置について、上記の試験例1の液晶表示装置と同様にして、反射モード時に得られる光と、透過モード時に得られる光とを測定した。
その結果を表2および図30に示す。
図30は、試験例4の液晶表示装置から出射される光を測定した結果を示した図であり、図30(A)は、反射モード時に得られる光の色度図であり、図30(B)は、透過モード時に得られる光の色度図である。
表2および図30に示すように、試験例4の液晶表示装置では、試験例1の液晶表示装置と比較して、白表示反射率、透過率はあまり変わらなかったものの、緑の色純度が増して、反射モード時に得られる光も透過モード時に得られる光も色域面積がかなり改善された。
このことにより、最も視感度に効く色である緑色の発色に寄与する緑色層114Gにのみ、色素層非形成領域114Eを設けることにより、優れた発色が得られるとともに、色素層非形成領域114Eを設けることによる白表示反射率の低下を少なくすることができる。
また、青のカラーフィルタの色純度を落として透過率を上げたこと、緑色層14Gにのみ色素層非形成領域114Eを設けたことにより、反射モードでの反射層が銀であることによる黄色付きも改善された。
「試験例5〜試験例8」
光透過領域と、各色素層の面積である色素層形成領域と、色素層非形成領域とを表3に示す面積とし、液晶表示装置を作製した。
なお、上記の試験例5〜試験例8のうち、試験例5〜試験例7は、本発明の実施例であり、試験例8は、従来例である。
また、図33に、試験例7の液晶表示装置を作製する際の各部の寸法の一例を記載した。なお、図33に記載した各部の寸法の単位は、μmであり、サブ画素ピッチは、237×79(μm)、サブ画素面積は、14784μm2とした。
このようにして作製した試験例5〜試験例8の液晶表示装置について、反射モード時および透過モード時のCIE色度図上における白表示のx,y座標、反射率、透過率についてそれぞれ測定した。
その結果を表3に示す。
試験例8の液晶表示装置では、反射モード時の白表示および透過モード時の白表示から分かるように、緑色付きとなっている。また、反射率が低く、反射モード時の表示が暗いことが分かる。
これに対し、試験例5では、試験例8における透過率を維持した状態で、半透過反射層を構成する金属膜のパターンの幅を調整して、緑色の光透過領域の面積を小さく、赤色の光透過領域および青色の光透過領域の面積を大きくするとともに、緑色の色素層非形成領域を設けた。
その結果、表3に示すように試験例5では、試験例8と比較して、反射率が向上し、反射モード時および透過モード時の白表示の緑色付きが改善され、CIE色度図上における理想的な白表示の色座標(x=0.310、y=0.316)に近づいた。
また、試験例6では、試験例8における透過率と、試験例5における光透過領域の面積とを維持した状態で、緑色の色素層非形成領域を大きくするとともに、赤色の色素層非形成領域を設けた。
その結果、表3に示すように試験例6では、試験例5と比較して、より一層反射率が向上し、より一層反射モード時の白表示の緑色付きが改善され、より一層理想的な白表示の色座標に近づいた。
また、試験例7では、試験例8における透過率と、試験例5および試験例6における緑色の光透過領域の面積とを維持した状態で、赤色の光透過領域の面積を小さく、青色の光透過領域の面積を大きくするとともに、緑色の色素層非形成領域をより大きく、赤色の色素層非形成領域を大きくし、青色の色素層非形成領域も設けた。
その結果、表3に示すように試験例7では、試験例6と比較して、透過モード時の白表示はあまり変わらなかったものの、より一層反射率が向上し、より一層透過モード時の白表示が理想的な白表示の色座標に近づいた。
試験例5〜試験例8より、透過モード時に明るい表示が得られる透過率を確保しつつ、色素層非形成領域の面積を大きくすることにより、反射モード時に明るい表示が得られるだけの十分な反射率を得ることができ、反射モード時にも透過モード時にも明るい表示ができる液晶表示装置が得られることを確認できた。
また、光透過領域の面積と、色素層非形成領域(色素層形成領域)の面積とを調整することにより、反射モード時にも透過モード時にも色再現性に優れた表示が可能な液晶表示装置が得られることを確認できた。
「試験例9」
光透過領域701R、701G、701Bと、各色素層711R、711G、711Bの面積である色素層形成領域と、色素層非形成領域711D、711E、711Fとを、表3に示した実施例7と同様の面積とし、図32に示した第8実施形態の液晶表示装置を作製した。
なお、試験例9は、本発明の実施例である。
また、図32に、第8実施形態の液晶表示装置において、試験例7の液晶表示装置と同様の各部の面積を有するものを作製する際の各部の寸法の一例を記載した。なお、図32に記載した各部の寸法の単位は、μmであり、サブ画素ピッチは、237×79(μm)、サブ画素面積は、14784μm2とした。
このようにして作製した試験例9の液晶表示装置について、反射率、反射モード時の白表示、透過率、透過モード時の白表示についてそれぞれ測定した。
その結果、表3に示した実施例7と同等の結果が得られた。
表3に示すように、試験例9の液晶表示装置では、試験例8と比較して、反射率が向上し、反射モード時および透過モード時の白表示の緑色付きが改善され、白に近づいた。
よって、第8実施形態の液晶表示装置においても、第9実施形態の液晶表示装置と同様に、反射モード時にも透過モード時にも色再現性に優れた表示が可能な液晶表示装置が得られることが確認でき、光透過領域および色素層非形成領域(色素層形成領域)の形状にかかわらず、光透過領域の面積と色素層非形成領域(色素層形成領域)の面積とを各色毎に 調整することにより、反射モード時にも透過モード時にも色再現性に優れた表示が可能な液晶表示装置が得られることが明らかとなった。
以上説明したように、本発明によれば、各サブ画素のうち透光領域の占める割合が、照明光の分光特性に応じた割合となっているので、透過型表示に用いられる照明光の分光特性が不均一な場合であっても、これに起因した色再現性の低下を抑えることができる。
また、本発明の液晶表示装置は、光透過領域と平面的に重なる領域の全体と、光反射領域と平面的に重なる領域の一部を除く領域とに各色素層が形成されたものであり、各色素層が形成された色素層形成領域と、前記光反射領域と平面的に重なる領域の一部に色素層非形成領域とがあるので、反射モード時にカラーフィルタを2回透過することによって得られる光は、色素層非形成領域を透過する着色されない光と色素層形成領域を透過する着色された光とを合わせた光となる。一方、透過モード時にカラーフィルタを1回透過することによって得られる光は、全て着色された光となる。このことにより、反射モード時にカラーフィルタを2回透過することによって得られる光と、透過モード時にカラーフィルタを1回透過することによって得られる光との色の濃淡差を少なくすることができる。
その結果、反射モード時にも透過モード時にも同様に、発色がよく、視認性の高い表示ができるカラーの半透過反射型液晶表示装置を実現することが可能となる。
しかも、本発明の液晶表示装置では、前記色素層形成領域の面積が、各色素層のうち少なくとも1つの色の色素層と、他の色の色素層とで異なるように形成されているので、カラーフィルタの色特性を、色素層形成領域の面積を変化させることにより調整することができ、色再現性を向上させることができ、優れた表示品質を有する液晶表示装置を実現することができる。
また、本発明の液晶表示装置においては、色素層形成領域と色素層が設けられていない領域との段差を平坦化する透明膜が設けられているものとすることで、色素層形成領域と色素層が設けられていない領域との段差に起因する悪影響が発生しないものとすることができ、液晶表示装置の信頼性を向上させることができる。
1,100,200,500…液晶パネル(液晶表示パネル)、2…下基板、3…上基板、4…液晶層、5…バックライト(照明装置)、6,61,62,521,703,803…半透過反射層(反射層)、6a,61a,62a,701,801…光透過領域、6b,61b,62b,702,802…光反射領域、7,8,511,525…透明電極、9,15…配向膜、10,20,101,104,522…カラーフィルタ、11,21,114,711,811…色素層、11B,21B,111B,114B,711B,811B青色層、11D,11E,11F,21D,21E,21F,111D,111E,111F,114E,711D,711E,711F,811D,811E,811F…色素層非形成領域、11G,21G,111G,114G,711G,811G…緑色層、11R,21R,111R,114R,711R,811R…赤色層、12,22,32…平坦化膜、13…上偏光板、14…下偏光板、16…前方散乱板、17…位相差板、18…1/4波長板、19…反射偏光子、23…絶縁膜、41,42,43…遮光膜、51…反射板、503…シール材、521a…開口部、551,751R,751G,751B,851R,851G,851B…サブ画素、615…画素(ドット)、621…LED、622…導光板。