JP2007044284A - 骨伝導変調装置及び骨伝導変調方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 医師とのコミュニケーションを妨害する耳栓やヘッドフォンを装着することなく、歯牙切削音等の騒音による患者の不快感を和らげることが可能な骨伝導変調装置及び骨伝導変調方法を提供する。
【解決手段】 骨伝導変調装置1は、空気伝播による気導音の音声データを記憶する記憶手段3と、その音声データに基づいて、気導音を変調せしめる気導音変調データを生成するデータ生成手段4と、その気導音変調データに基づいて、人間の聴覚器官に骨導音を伝達する骨伝導スピーカ5と、を有する。
【選択図】 図1
【解決手段】 骨伝導変調装置1は、空気伝播による気導音の音声データを記憶する記憶手段3と、その音声データに基づいて、気導音を変調せしめる気導音変調データを生成するデータ生成手段4と、その気導音変調データに基づいて、人間の聴覚器官に骨導音を伝達する骨伝導スピーカ5と、を有する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、骨伝導スピーカを用いて気導音の周波数を変調させる骨伝導変調装置及び骨伝導変調方法に関する。
歯科医療においては、周知のように、歯牙の切削等にエアタービン、マイクロエンジン等の歯科用ハンドピースを用いる。エアタービンタイプの歯科用ハンドピースは、ヘッドケース内にタービン羽根を有する回転筒を設け、そのタービン羽根にエアを吹きつけて回転筒を高速に回転させ、回転軸に着脱自在に装着される切削具により歯牙の切削を行うものである(例えば、特許文献1参照)。また、マイクロエンジンタイプの歯科用ハンドピースは、回転筒をモータによって回転させるものである。
このような歯科用ハンドピースでは、タービン羽根が高速で回転駆動するときに振動や騒音が発生する。この騒音は、患者にとって非常に不快な音であり、多くの患者が歯科治療に恐怖を感じる原因でもあるため、その抑制が課題となっている。
騒音を抑制する方法としては、ノイズキャンセル法が一般的に用いられている。ノイズキャンセル法によれば、騒音をマイクロホンで集音して位相を逆にした音声を生成し、騒音と生成した逆位相の音声とを干渉させることにより、2つの音が打ち消し合い、相殺されて騒音を抑制することができる(例えば、特許文献2参照)。
ただし、上述の歯科用ハンドピースは、40万回転という高速で回転しているため、発生する騒音の周波数が高く、ノイズキャンセル法によって騒音を取り去ることは困難である。すなわち、発生する騒音の波長が極めて短いため、これと完全な逆位相の音声を生成することは物理的に困難である。そこで、患者に耳栓をしたり、ヘッドフォンで曲を聞かせたりして、歯牙切削音(騒音)が聞こえないようにすることで、患者の不快感を和らげている。
しかしながら、耳栓やヘッドフォンを装着して歯牙切削音を抑制する方法においては、患者の耳を塞いでしまうことから、歯牙切削音のみならず周りの音まで抑制してしまい、医師とのコミュニケーションがとれない、という問題があった。例えば、患者は、耳栓やヘッドフォンを装着している場合には、医師から治療部位の状態や治療方法などの説明を受けることが困難であった。特に、医師から患者への注意事項(「痛くないか?」等の呼びかけ)が生じた場合などにコミュニケーションがとれないと、危険を伴うこともあった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、医師とのコミュニケーションを妨害する耳栓やヘッドフォンを装着することなく、歯牙切削音等の騒音による患者の不快感を和らげることが可能な骨伝導変調装置及び骨伝導変調方法を提供することを目的とする。
より詳細には、本発明は、以下のものを提供する。
(1) 空気伝播による気導音の音声データを記憶する記憶手段と、前記音声データに基づいて、前記気導音を変調せしめる気導音変調データを生成するデータ生成手段と、前記気導音変調データに基づいて、人間の聴覚器官に骨導音を伝達する骨伝導スピーカと、を有する骨伝導変調装置。
本発明によれば、空気伝播による気導音の音声データを記憶する記憶手段と、その音声データに基づいて、気導音を変調せしめる気導音変調データを生成するデータ生成手段と、その気導音変調データに基づいて、人間の聴覚器官に骨導音を伝達する骨伝導スピーカと、を有する骨伝導変調装置を提供することとしたから、歯牙切削音等の騒音による患者の不快感を和らげることができる。
すなわち、歯牙切削音等の騒音(気導音)の音声データを記憶し、この音声データに基づいて、その騒音(気導音)を異なる周波数の音声(例えば患者にとって不快でない音声)に変調させる気導音変調データを生成し、その気導音変調データを、骨伝導スピーカを用いて骨導音として人間の聴覚器官に伝達することとしたので、聴覚器官において騒音(気導音)と骨導音とが合成され、合成された音声は、周波数の異なる音声(例えば患者にとって不快でない音声)として聴覚神経に伝達されることになる。
従って、患者の耳に入ってくる音が騒音(例えば不快な音声)であったとしても、患者の脳の中で認識される音は、騒音と異なる周波数の音声(例えば不快でない音声)であることから、患者は耳を塞ぐことなく、効果的に不快感を和らげてもらうことができる。また、耳を塞いでいないため、周囲の音声が遮断されることがなく、医師とのコミュニケーションを十分にとることができる。
ここで、「気導音を変調せしめる気導音変調データ」は、患者の頭の中で耳から入った気導音を変調せしめるデータであれば、如何なるものであっても構わない。例えば、骨伝導スピーカにおいて、気導音よりも周波数が格段に低い骨導音を生成するために用いられるデータであってもよいし、逆に、気導音よりも周波数が格段に高い骨導音を生成するために用いられるデータであってもよい。また、気導音と周波数が僅かに異なる骨導音を生成するために用いられるデータであってもよい。この場合、人間の聴覚器官において気導音と骨導音とが合成されると、うなり現象が生じることになる。さらには、歯牙切削音等の騒音には高調波成分が含まれており、本明細書における「気導音を変調せしめる気導音変調データ」には、この高調波成分を弱まらせるものや、この高調波成分をブロード化(周波数拡散化)させるものも含まれる。
また、「記憶手段」は、空気伝播による気導音の音声データを記憶するものであるが、この音声データを記憶するタイミングについては、如何なるタイミングであってもよい。例えば、歯科診療を始める前に予め気導音の音声データを記憶しておいてもよいし(例えば20万回転、30万回転、40万回転時の録音を行っておく)、骨伝導スピーカから骨導音が出力される直前に記憶されてもよい。さらに、「骨伝導変調装置」には、記憶手段とデータ生成手段と骨伝導スピーカを設けることとしたが、これらは1個の筐体に収納されていなければならないわけではない。すなわち、「骨伝導変調装置」は、記憶手段と、データ生成手段と、骨伝導スピーカとがそれぞれの別の筐体に分散して存在し、互いに電気的に接続されるような構成としても構わない。
(2) 前記骨伝導変調装置は、前記気導音を集音する集音手段を有することを特徴とする(1)記載の骨伝導変調装置。
本発明によれば、上述した骨伝導変調装置に、気導音を集音する集音手段を設けることとしたから、騒音(気導音)の周波数変化に追随させて、より効果的に騒音(気導音)を変調させ、患者の不快感を和らげることができる。
すなわち、騒音(気導音)の周波数は、ある程度の範囲内にはあるものの一定ではないために(例えば歯牙切削時の初期には、歯牙との摩擦力が働いて、回転数が低下するので、予測した骨伝導音を作製しておく)、予め一定の信号に固定された気導音変調データを用いると、騒音(気導音)の周波数変化に伴って、その騒音を十分に抑制できない場合がある。従って、上述した骨伝導変調装置に、集音手段を設けることによって、歯牙切削音等の騒音(気導音)を集音し、その気導音の音声データをリアルタイムで生成・記憶することができ、ひいてはより効果的に騒音(気導音)を変調させることができる。
(3) 前記骨伝導スピーカは、磁界の印加によって形状が変化し、負の磁歪定数をもつ負磁歪材料が用いられていることを特徴とする(1)及び(2)記載の骨伝導変調装置。
本発明によれば、上述した骨伝導スピーカには、磁界の印加によって形状が変化し、負の磁歪定数をもつ負磁歪材料が用いられていることとしたから、骨伝導スピーカからの振動を効率よく頭蓋骨に伝達することができ、骨導音をより効果的に聴覚器官に伝達することができる。これにより、より効果的に騒音(気導音)を変調させることができる。
すなわち、骨伝導スピーカは、振動面が頭部の皮膚に接触して振動することで頭蓋骨に骨導音を伝えるものであるため、振動面と頭部の皮膚との接触度合いの高さが要求される。より具体的には、骨伝導スピーカの振動面が頭部の皮膚を押すと、押された皮膚はすぐに陥没する一方で、その後、振動面が元の位置に戻ったとしても、陥没した皮膚はすぐには元の位置に戻らない。これは、皮膚の剛性が低いからである。このため、皮膚を介して、振動面の振動を頭蓋骨に効果的に伝えることができない。そこで、骨伝導スピーカの振動部(振動面を含む)に負磁歪材料を用い、振動面が頭部の皮膚を押した直後に、振動面と略垂直な方向への磁界を印加して、この振動部を凹ませることによって、振動面と頭部の皮膚との間の気圧を下げ、吸引力により頭部の皮膚をすばやく元の位置に戻すことができる。その結果、頭部の皮膚が元の位置に戻るまでの時間が短縮され、骨伝導スピーカの振動面と頭部の皮膚との接触度合いが高まり、骨導音をより効果的に聴覚器官に伝達することができ、ひいてはより効果的に騒音(気導音)を変調させることができる。なお、負磁歪材料とは、SmFe2等を代表とする、負の磁歪を示す希土類合金であり、磁界の印加によって磁化方向に縮む性質を持つ。
(4) 前記気導音は、歯科用の回転切削工具から発生する音声であることを特徴とする(1)から(3)記載の骨伝導変調装置。
本発明によれば、上述した気導音は、歯科用の回転切削工具から発生する音声であることとしたから、多くの患者が不快に感じ、歯科治療に恐怖を感じる原因となっている歯牙切削音を、骨伝導スピーカを用いて異なる周波数の音声に変調させ、不快でない音声とすることによって、医師とのコミュニケーションを妨害する耳栓やヘッドフォンを装着して耳を塞ぐことなく、患者の不快感を和らげることができる。
(5) 空気伝播による気導音の音声データを記憶する記憶工程と、前記音声データに基づいて、前記気導音を変調せしめる気導音変調データを生成するデータ生成工程と、前記気導音変調データに基づいて、人間の聴覚器官に骨導音を伝達する骨伝導工程と、を含む骨伝導変調方法。
本発明によれば、空気伝播による気導音の音声データを記憶する記憶工程と、前記音声データに基づいて、前記気導音を変調せしめる気導音変調データを生成するデータ生成工程と、前記気導音変調データに基づいて、人間の聴覚器官に骨導音を伝達する骨伝導工程と、を含む骨伝導変調方法を提供することとしたので、上述した骨伝導変調装置と同様に、歯牙切削音等の騒音による患者の不快感を和らげることができる。
以上説明したように、本発明は、骨伝導スピーカを用いて気導音の周波数を変調せしめるものなので、医師とのコミュニケーションを妨害する耳栓やヘッドフォンを装着することなく、歯牙切削音等の騒音による患者の不快感を和らげることができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
[骨伝導変調装置及び骨伝導変調方法]
図1は、本発明の実施の形態に係る骨伝導変調装置1を説明するための説明図である。
図1は、本発明の実施の形態に係る骨伝導変調装置1を説明するための説明図である。
図1において、骨伝導変調装置1には、気導音を集音するための集音手段(集音マイク)2と、集音した気導音の音声データを記憶するための記憶手段3と、その音声データに基づいて、気導音を変調させる気導音変調データを生成するデータ生成手段4と、その気導音変調データに基づいて、人間の聴覚器官10に骨導音を伝達する骨伝導スピーカ5と、が備えられ、骨伝導スピーカ5は患者の頭部(乳突洞、下顎底、頬骨、前頭部、側頭部など、皮膚が薄く、皮膚表面から頭蓋骨までの距離が短い部分が望ましく、最も適した設置場所は乳突洞或いは頬骨である)に装着(当接)されている。
集音手段2は、集音マイク,ローパスフィルタ,音声コーデックなどの各種電気的要素から構成され、気導音を音声データに変換しうるものである。本実施形態では、ハンドピース20から直接集音しているが、本発明はこれに限られず、患者の耳の近辺に集音手段2を設置してもよいし、また、患者の口の中に集音手段2を設置してもよい。
記憶手段3としては、例えばDRAM,SDRAM,PDRAM,EPROM,EEPROM,フラッシュメモリなど、音声データを記憶しうるものであれば如何なるものであっても構わない。また、これらは全て内蔵メモリであるが、例えばCD−ROMドライブ,MOドライブ,FDドライブなどの外付けの記憶装置であっても構わない。
なお、これらの記憶手段3に音声データを書き込んだり、記憶された音声データを読み出したり、読み出した音声データをデータ生成手段4に転送したりする制御手段(例えばCPU,MPUなどのプロセッサ)については、図示を省略する。また、この制御手段は、集音手段2やデータ生成手段4も制御するようにしてもよい。
データ生成手段4は、音声データから気導音変調データを生成しうるものであれば如何なるものであってもよく、例えば音声信号を処理するプロセッサ(或いはICチップ)などが挙げられる。
骨伝導スピーカ5は、CPUや超磁歪素子(或いは圧電素子)などの各種電気的要素から構成され、周知のものである。
人間の聴覚器官に伝達される音声には、気導音と骨導音の2つの音声が存在する。気導音は、耳介12で集められて、外耳道13を通り、鼓膜14へと送られて鼓膜14を振動させる。鼓膜14の振動は、耳小骨16に伝えられ、耳小骨16の振動は蝸牛15のリンパ液を振動させ、聴神経(聴覚神経)11によって大脳に伝えられる。一方で、骨導音は、空気を介さず、鼓膜14も関与せずに、人間の頭蓋骨に加えられた振動が直接蝸牛15を含む聴覚器官10に伝達され、聴神経11によって大脳に伝えられる。
以下、骨伝導変調装置1の動作について説明する。まず、エアタービン等のハンドピース20が高速回転することによって発生する騒音(気導音)21は、集音手段2によって集音され、記憶手段3によって音声データとして記憶される。記憶された音声データは、データ生成手段4によって分析され、気導音21を異なる周波数の音声に変調させる気導音変調データ22が生成される。その後、この気導音変調データ22に基づいて、骨伝導スピーカ5の振動面が振動し、患者の頭蓋骨を介して、骨導音が聴覚器官10に伝達される。その一方で、上述したように、ハンドピース20が発生する騒音(気導音)21の一部は、患者の耳から気導音として聴覚器官10に伝達される。
ここで、聴覚器官10において、患者の耳から伝達された騒音(気導音)21は、骨伝導スピーカ5から伝達された骨導音と合成され、周波数の異なる音声に変調されて聴神経11に伝達される。骨導音によって騒音(気導音)21が変調される様子について、図2を用いて詳細に説明する。
図2は、骨導音によって騒音(気導音)21が変調される様子を説明するための説明図である。
図2(a)には、騒音(気導音)21の波形と、骨導音の波形と、両音声を合成した合成音の波形と、が記載されている。骨導音は、騒音(気導音)21と周波数が僅かに異なる音声であって、骨伝導スピーカ5から聴覚器官10に伝達されるものである。聴覚器官10では、この骨導音と騒音(気導音)21とが合成され、騒音(気導音)21が周波数の異なる合成音に変調されて、聴神経11に伝達される。
図2(b)〜図2(d)は、騒音(気導音)21が周波数の異なる合成音に変調されている様子を示している。すなわち、騒音(気導音)21の周波数はf1であり(図2(b)参照)、骨導音の周波数はf1と僅かに異なるf2であり(図2(c)参照)、これらの音声を合成すると、図2(d)に示すように、(f1やf2よりも低い)周波数f3の合成音が発生することになる。また、図2(e)に示すように、騒音(気導音)21のピーク周波数がf1からf3になるとともに、高調波成分がブロードバンド化(周波数拡散化)することになってもよい。さらに、例えば周波数f2からf3まで、単に周波数がブロード化されるのみであってもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る骨伝導変調装置1によれば、患者の耳に入ってくる音が騒音(例えば不快な音声)であったとしても、患者の脳(大脳)の中で認識される合成音(図2(d)や図2(e)参照)は、騒音と異なる周波数の音声(例えば不快でない音声)であることから、患者は耳を塞ぐことなく、効果的に不快感を和らげてもらうことができる。
また、骨伝導変調装置1は、集音手段2を備えたことによって(図1参照)、ハンドピース20が発生する騒音(気導音)21の音声データをリアルタイムで生成・記憶することができ、ひいてはより効果的に騒音(気導音)を変調させることができる。なお、予め記憶された騒音(気導音)21の音声データに基づいて、予め気導音変調データ22を生成しておき、その気導音変調データ22に基づいて骨伝導スピーカ5の振動面を振動させ、骨導音として聴覚器官10に伝達することとしてもよい。これにより、騒音(気導音)21を集音する手間を省くことができ、ひいては骨伝導変調装置1の利便性を向上させることができる。
[骨伝導スピーカ]
図3及び図4は、本発明の実施の形態に係る骨伝導変調装置1において、骨伝導スピーカ5の振動面の動きを説明するための説明図である。特に、図3は、下面に振動面をもち、一般的な超磁歪素子(或いは圧電素子)等よりなる振動部32の動きを示しており、図4は、下面に振動面をもち、負の磁歪定数をもつ負磁歪材料が用いられた振動部30の動きを示している。
図3及び図4は、本発明の実施の形態に係る骨伝導変調装置1において、骨伝導スピーカ5の振動面の動きを説明するための説明図である。特に、図3は、下面に振動面をもち、一般的な超磁歪素子(或いは圧電素子)等よりなる振動部32の動きを示しており、図4は、下面に振動面をもち、負の磁歪定数をもつ負磁歪材料が用いられた振動部30の動きを示している。
まず、一般的な振動部32の動きについて説明する。図3(a)に示すように、振動部32は、頭部の皮膚31と接触している。そして、振動部32が皮膚31を押すと、押された皮膚31が陥没する(図3(b))。その後、振動部32(の振動面)が元の位置に戻ったとしても、陥没した皮膚31はすぐには元の位置には戻らない(図3(c))。しばらくしてから(ここでは時間t1が経過すると)、皮膚31の表面が元の位置に戻る(図3(d))。
次に、負磁歪材料が用いられた振動部30の動きについて説明する。図4(a)に示すように、振動部32は、頭部の皮膚31と接触している。そして、振動部32が皮膚31を押すと、押された皮膚31が陥没する(図3(b))。
ここで、振動部32が皮膚31を押した直後に、振動部30の振動面と略垂直な方向(図4(c)の下向き矢印参照)へ磁界を印加して、その振動面を含む振動部30を図中の上に凹ませる(上下方向に縮ませる)ことによって(図4(c)参照)、振動面と頭部の皮膚31との間の気圧を下げ、吸引力(図4(c)の上向きの力F)により頭部の皮膚31をすばやく元の位置に戻すことができる(図4(d))。その結果、頭部の皮膚31が元の位置に戻るまでの時間t2は、上述した時間t1よりも短縮され、骨伝導スピーカ5の振動面と頭部の皮膚31との接触度合いが高まり、骨導音をより効果的に聴覚器官に伝達することができ、ひいてはより効果的に騒音(気導音)を変調させることができる。
なお、ここでは負磁歪材料が用いられた振動部30を、正の超磁歪材料が用いられた振動部32に代えて採用することとしたが、例えば、振動部32の表面に薄い板状の負磁歪材料を貼り付けて、従来からの正の超磁歪材料と負磁歪材料とを組み合わせることで、骨伝導スピーカ5の振動面と頭部の皮膚31との接触度合いを高めることとしてもよい。
本発明に係る骨伝導変調装置及び骨伝導変調方法は、医師とのコミュニケーションを妨害する耳栓やヘッドフォンを装着することなく、歯牙切削音等の騒音による患者の不快感を和らげることが可能なものとして有用である。
1 骨伝導変調装置
2 集音手段
3 記憶手段
4 データ生成手段
5 骨伝導スピーカ
10 聴覚器官
11 聴神経
12 耳介
13 外耳道
14 鼓膜
15 蝸牛
16 耳小骨
20 ハンドピース
21 気導音
22 気導音変調データ
30 振動部(負磁歪材料)
31 皮膚
32 振動部(正の超磁歪素子)
2 集音手段
3 記憶手段
4 データ生成手段
5 骨伝導スピーカ
10 聴覚器官
11 聴神経
12 耳介
13 外耳道
14 鼓膜
15 蝸牛
16 耳小骨
20 ハンドピース
21 気導音
22 気導音変調データ
30 振動部(負磁歪材料)
31 皮膚
32 振動部(正の超磁歪素子)
Claims (5)
- 空気伝播による気導音の音声データを記憶する記憶手段と、
前記音声データに基づいて、前記気導音を変調せしめる気導音変調データを生成するデータ生成手段と、
前記気導音変調データに基づいて、人間の聴覚器官に骨導音を伝達する骨伝導スピーカと、を有する骨伝導変調装置。 - 前記骨伝導変調装置は、前記気導音を集音する集音手段を有することを特徴とする請求項1記載の骨伝導変調装置。
- 前記骨伝導スピーカは、磁界の印加によって形状が変化し、負の磁歪定数をもつ負磁歪材料が用いられていることを特徴とする請求項1及び2記載の骨伝導変調装置。
- 前記気導音は、歯科用の回転切削工具から発生する音声であることを特徴とする請求項1から3記載の骨伝導変調装置。
- 空気伝播による気導音の音声データを記憶する記憶工程と、
前記音声データに基づいて、前記気導音を変調せしめる気導音変調データを生成するデータ生成工程と、
前記気導音変調データに基づいて、人間の聴覚器官に骨導音を伝達する骨伝導工程と、を含む骨伝導変調方法。
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