JP2007043642A - 映像品質評価装置、方法およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】評価対象映像に加わった劣化量の変動量、例えば時間的または空間的な変動量に基づいて前記評価対象映像の劣化強度を導出する劣化強度導出部(12)と、前記評価対象映像の劣化強度と、予め求められている劣化強度と主観評価値との対応関係とに基づいて前記評価対象映像の主観評価値を推定する主観評価値推定部(13)とを設けた。
【選択図】 図1
Description
また、前記等価劣化強度導出手段は、2つの劣化強度のうち第1の閾値以下の劣化強度に重みを付けて前記複数の劣化強度の和をとるようにしてもよい。このときに前記重みは1未満の値とし、前記2つの劣化強度のうち他の劣化強度が第2の閾値より大きいときは前記重みをゼロとしてもよい。
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態にかかる映像品質評価装置および方法は、符号化や伝送によって劣化した劣化映像を評価対象映像として、その劣化映像のみからその主観評価値を推定するものである。このように劣化映像のみから品質を推定する方法は、一般に「No−reference法(NR法)」と呼ばれる。
以下、説明の便宜のため、評価対象映像を「劣化映像」と呼ぶことにする。
図1に示すように、本実施の形態にかかる映像品質評価装置は、劣化映像の信号、すなわち劣化映像信号ISを入力として、その劣化映像のフレームごとの劣化量IVを導出する劣化量導出部11と、フレームごとの劣化量IVを入力としてその時間的な変動量に基づいて劣化映像の劣化強度GPを導出する劣化強度導出部12と、劣化強度導出部12において導出された劣化強度GPと、後述するシーン補正係数CCとに基づいて、シーン補正係数CCごとに予め求められている劣化強度と主観評価値との対応関係と、劣化映像の主観評価値を推定する主観評価値推定部13と、劣化映像信号ISを入力として、その劣化映像のシーンの特徴を表すシーン特徴量SVを導出するシーン特徴量導出部14と、シーン特徴量SVに基づいて、主観評価値推定部13における劣化強度と主観評価値との対応関係のシーン依存性を補正する補正係数CCを導出するシーン補正係数導出部15とから構成されている。
これらの構成要素は、CPUやメモリ、インターフェースを備えたコンピュータにコンピュータプログラムをインストールすることにより、上記のコンピュータのハードウェア資源とソフトウェアとが協働して実現されるものである。すなわち、CPUは、メモリに格納されたプログラムに従って処理を実行する。
(1)劣化量の導出
まず、劣化量導出部11は、劣化映像に加わったフレームごとの劣化量を求めるものであり、具体的には、劣化映像(評価対象映像)信号ISから、その劣化映像のフレームごとまたはフレーム間の特徴量を用いて劣化映像のフレームごとの劣化量を導出する。
なお、本発明にかかる映像評価方法において、特に評価単位時間に制限はなく、また、評価単位時間ごとにほぼリアルタイムで推定主観評価値を導出してもよいし、または、劣化量若しくは後述するシーン特徴量に関して評価単位時間分をメモリに蓄積し、時間の経過に合わせて分析対象時間を移動させながら推定主観評価値を導出するようにしてもよい。
劣化強度導出部12は、劣化映像の特徴量から導出された劣化量を、1フレーム内において局所的に劣化する「空間局所的な劣化」の度合いや劣化の程度が時間的に変動する「時間局所的な劣化」の度合いを考慮して評価したものを「劣化強度」として導出するものである。このような劣化強度の導出のステップは、より詳しくは、(a)劣化強度導出ステップと(b)複数劣化統合ステップとから構成される。
以下に、図3および図4を参照して、劣化強度導出部12において行われる「劣化強度導出ステップ」と「複数劣化統合ステップ」とについて説明する。
このステップは、局所的に発生した劣化量をその劣化が継続した時間で重み付けする。図3は、評価単位時間内における劣化強度(P1,P2,P3 )の導出を示す図(図3(a))と複数の劣化強度(P1,P2)が統合された様子を示す図(図3(b))である。図3(a)に示すように、本実施の形態においては、劣化量に対して閾値THを設定し、劣化量が閾値THを上回ってから(U点)次にこれを下回る(D点)までを局所的な劣化が発生した区間と考える。そして、その区間のフレーム数を劣化継続時間T、その区間における劣化量の平均値を局所平均劣化量Sとして算出し、劣化継続時間Tと局所平均劣化量Sとを掛け合わせた値を劣化強度Pとして導出する。したがって、図3(a)に示す例においては、閾値THを超えた状態が3回あり(それぞれ「劣化1」、「劣化2」、「劣化3」と表す。))、それぞれの劣化継続時間および局所平均劣化量をT1,T2,T3 およびS1,S2,S3 とすると、1回目の劣化1から劣化強度P1=T1×S1、2回目の劣化1から劣化強度P2=T2×S2、3回目の劣化1から劣化強度P3=T3×S3 が導出されることとなる。
また、閾値THは、例えば、複数映像にフレーム単位の劣化を付加した際に当該劣化を検知することができる最低値(検知限)を導出する実験を行い、その実験結果に基づいて予め求めておくことができる。
評価単位時間内において局所的な劣化が複数回発生した場合には、複数劣化統合ステップを実行し、複数の劣化強度を1つの等価的な劣化強度に統合する。具体的には、2回の局所的な劣化から得られる2つの劣化強度を、主観評価値に与える影響が等しい1回の局所的な劣化から得られる1つの劣化強度にまとめる処理を必要に応じて繰り返す。以下、複数劣化統合ステップによって統合された等価的な劣化強度を「等価劣化強度」と呼ぶことにする。例えば、図3は、図3(a)に示す劣化強度P1 とP2 とを統合し、図3(b)に示す1つの等価劣化強度GPとして表す様子を示している。
P1 :1回目の局所的な劣化(劣化1)から得られた劣化強度
P2 :2回目の局所的な劣化(劣化2)から得られた劣化強度
Pmax :(P1+P2)が一定の下でP1 とP2 の割合を変化させたときに最大となる劣化強度
Pmin :(P1+P2)が一定の下でP1 とP2 の割合を変化させたときに最小となる劣化強度
図4において、横軸を2つの劣化強度(または等価劣化強度)の和、縦軸を2つの劣化強度を統合した場合の等価劣化強度とし、2つの劣化強度の和(P1+P2)が一定であるとしたときにそれぞれ等価劣化強度が最大、最小となる劣化強度Pmax、Pminの特性を示したものである。ここでPmax およびPmin は、動きが一定と主観的に感じられる映像を対象とした実験で取得可能な、P1 とP2 の割合を変動させた場合にそれぞれ最大と最小となる劣化強度である。
ここでPmax とPmin の意味について補足説明すると、次のようになる。
まず、2つの劣化強度の和(P1+P2)が一定という条件でP1 とP2 の割合を変化させ主観評価実験を行うと、その割合に応じて異なる主観評価値が得られる。これは、時間局所的な劣化が主観品質に大きな影響を与えるからであり、例えば、連続してフリーズするフレーム数が同一であるときに(フリーズの場合、フレームごとの劣化量は同じであるため、この場合はP1=P2となる。)、最小の主観評価値が得られ、そこから連続してフリーズするフレーム数が増えるほど(P1<<P2またはP1>>P2)、主観評価値は高くなる。これを等価劣化強度に置き換えれば、図4に示すように、(P1+P2)が一定という条件では、P1=P2の時に最小の主観評価値、すなわち最大の等価劣化強度Pmax となり、P1<<P2(またはP1>>P2)のときに最大の主観評価値、すなわち最小の等価劣化強度Pmin となる。なお、(P1+P2)が増大すれば、主観評価値は下がるので、等価劣化強度は増大することになる。
なお、劣化が存在しない場合であっても、Pmax =Pmin =[定数]の関係を保つものとする。
ところで、劣化の程度が同じであっても、その映像がどのようなシーン特徴量を持つかによって、主観評価値は異なってくる。等価劣化強度を用いて主観評価値を導出する際にも、同じ劣化強度であってもシーンによって体感品質に違いが生じる。そこで、本実施の形態においては、シーン特徴量導出部14において、劣化映像信号ISから劣化映像のシーンの特徴を表すシーン特徴量SVを導出し(シーン特徴量導出ステップ)、シーン補正係数導出部15において、このシーン特徴量SVに基づいて、主観評価値推定部13における劣化強度と主観評価値との対応関係のシーン依存性を補正する補正係数CCを導出する(補正係数導出ステップ)ようにしている。
シーン特徴量導出部14は、劣化映像信号ISを入力として、その劣化映像のシーンの特徴を表すシーン特徴量SVを導出する。ここで「シーン特徴量」は、具体的には、映像の複雑さや動きの大きさなど、その映像そのものの特徴を表すものである。このようなシーン特徴量にも、上述した劣化量を求める際と同様に、「空間的な特徴量」および「時間的な特徴量」があり、これらの特徴量として、上述した「Spatial Information (SI)」および「Temporal Infromation(TI)」や、1つのフレームにおいてブロックごとに得られたSIやTIに対して演算を行って得られた値、例えば最大値、最小値または平均値等を用いても良い。
本実施の形態においては、映像のシーン特徴量を、フレームごとに得られたSIおよびTIに基づいてそれぞれ空間方向の特徴量の「空間シーン特徴量SSV」と時間方向の特徴量の「時間シーン特徴量STV」とに分けて表すこととし、これらをそれぞれ下記の式(3)および式(4)にしたがって算出する。
[STV]=γ1[TI] ・・・・(4)
シーン補正係数導出部15は、シーン特徴量導出部14から受け取ったフレーム単位のシーン特徴量SV(空間シーン特徴量SSVおよび時間シーン特徴量STV)を元にシーン補正係数(または「劣化補正係数」ともいう。)CCを計算し、そのシーン補正係数CCを主観評価値推定部13に渡す。
主観評価値推定部13は、劣化強度導出部12から受け取った等価劣化強度GPとシーン補正係数導出部15から受け取ったシーン補正係数CCとに基づき、先見的に得られている等価劣化強度と主観評価値との関係を表す関係式を用いて推定主観評価値EVを導出する。本実施の形態においては、等価劣化強度と主観評価値との関係を表す関係式として次のような式を用いる。
図5に上記の式(6)による等価劣化強度と推定主観評価値との関係を示す。横軸が等価劣化強度、縦軸が推定主観評価値を表す。シーン依存性として、劣化が検知され易い場合(例えば、動きが大きく鮮明な映像)には係数aで表される関係の傾きが小さく、劣化が検知されにくい場合(例えば、動きが少なくあまり鮮明でない映像)には係数aで表される関係の傾きが大きくなる。その結果、同じ等価劣化強度GP1 に対しても、前者の場合は推定主観評価値EVa 、後者の場合は推定主観評価値EVb となり、前者の方が後者よりも悪い値を示すことになる。
以上のような動作により、推定主観評価値EVを導出することができる。
以下に、本実施の形態にかかる映像品質評価方法により、いわゆる「フリーズ劣化」(劣化量が一定で劣化量が時間にのみ依存する場合)を対象として、主観評価値を推定した例について検討する。
この例においては、図6に示すように、劣化現象をフリーズに限定し、フリーズが発生したときのみ劣化が発生したと判断することによって、劣化量は一定としたものである。したがって、劣化強度は、フリーズしたフレームの数(フリーズフレーム数)にのみ依存する。
この図7によれば、2回の劣化(フリーズ)を統合する場合に、その劣化特性は、劣化強度(ここではフリーズフレーム数)の和に依存することがわかる。さらに2回のフリーズを均等に発生させた場合(実線)と同じフリーズフレーム数のフリーズを1回で発生させた場合の関係(波線)とでは、推定主観評価値に幅があり、その幅は劣化強度の割合に依存していることがわかる。
また、検討1、検討2の決定係数はそれぞれ0.55、0.88、相関係数は、0.74,0,94であり、検討2の結果の方が検討1に比べて推定精度が向上しているということができる。
本発明の第2の実施の形態にかかる映像品質評価装置および方法は、上述した第1の実施の形態と同じく、劣化映像のみから品質を推定するいわゆる「No−reference法(NR法)」に基づくものである。本実施の形態にかかる映像品質評価装置は、上述した第1の実施の形態にかかる映像品質評価装置と同じく、劣化映像信号ISを入力として、その劣化映像のフレームごとの劣化量IVを導出する劣化量導出部11と、フレームごとの劣化量IVを入力としてその時間的な変動量に基づいて劣化映像の劣化強度GPを導出する劣化強度導出部12と、劣化強度導出部12において導出された劣化強度GPと、後述するシーン補正係数CCとに基づいて、シーン補正係数CCごとに予め求められている劣化強度と主観評価値との対応関係と、劣化映像の主観評価値を推定する主観評価値推定部13と、劣化映像信号ISを入力として、その劣化映像のシーンの特徴を表すシーン特徴量SVを導出するシーン特徴量導出部14と、シーン特徴量SVに基づいて、主観評価値推定部13における劣化強度と主観評価値との対応関係のシーン依存性を補正する補正係数CCを導出するシーン補正係数導出部15とから構成されている。これらの基本的構成および動作は、劣化強度導出部12における処理手順が若干異なる点を除き、第1の実施の形態と共通であるので、その詳細な説明は省略する。
本実施の形態における主観値の推定方法は、上述した第1の実施の形態にかかる主観値の推定方法と同様に、大きく分けて
(1)劣化量の推定
(2)劣化強度の導出
(3)シーン補正係数の導出とシーン依存/主観評価値変換
の手順からなる。
まず、劣化量導出部11は、劣化映像に加わったフレームごとの劣化量を求める。具体的には、劣化映像(評価対象映像)信号ISから、その劣化映像のフレームごとまたはフレーム間の特徴量を用いて劣化映像のフレームごとの劣化量を導出する。この劣化量推定部11における劣化量の推定の具体的な手法については、上述した第1の実施の形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
次に劣化強度導出部12は、先に劣化量導出部11において導出された劣化量を、1フレーム内において局所的に劣化する「空間局所的な劣化」の度合いや劣化の程度が時間的に変動する「時間局所的な劣化」の度合いを考慮して評価し、これを「劣化強度」として導出する。
本実施の形態における劣化強度の導出のステップも、第1の実施の形態と同様に、(a)劣化強度導出ステップと、二つの劣化強度P1,P2を一つの等価的な劣化強度GPに統合する(b)複数劣化統合ステップとから構成されるが、複数劣化統合ステップにおいて、第1の実施の形態では、上記(2)式に従って、2つの劣化強度P1,P2の和(P1+P2)が一定であるとしたときにそれぞれ等価劣化強度が最大、最小となる劣化強度Pmax、Pminを、2つの劣化強度P1およびP2の比率に基づいて重み付けしたのに対し、本実施の形態においては、劣化強度に対する人間の感じ方に関する先見的に求められた閾値を用いて劣化強度を重み付けする点において異なる。
以下に、劣化強度導出部12において行われる「劣化強度導出ステップ」と「複数劣化統合ステップ」とについて説明する。
このステップは、局所的に発生した劣化量をその劣化が継続した時間で重み付けするステップである。本実施の形態においても、劣化強度の考え方は、上述した第1の実施の形態と同様である。これを図3を参照して説明すると、次のようになる。
劣化強度は、図3(a)に示すように、劣化量に対して閾値THを設定し、劣化量が閾値THを上回ってから(U点)次にこれを下回る(D点)までを局所的な劣化が発生した区間と考える。そして、その区間のフレーム数を劣化継続時間T、その区間における劣化量の平均値を局所平均劣化量Sとして算出し、劣化継続時間Tと局所平均劣化量Sとを掛け合わせた値を劣化強度Pとして導出する。したがって、図3(a)に示す例においては、閾値THを超えた状態が3回あり(それぞれ「劣化1」、「劣化2」、「劣化3」と表す。))、それぞれの劣化継続時間および局所平均劣化量をT1,T2,T3 およびS1,S2,S3 とすると、1回目の劣化1から劣化強度P1=T1×S1、2回目の劣化1から劣化強度P2=T2×S2、3回目の劣化1から劣化強度P3=T3×S3 が導出されることとなる。
また、閾値THは、例えば、複数映像にフレーム単位の劣化を付加した際に当該劣化を検知することができる最低値(検知限)を導出する実験を行い、その実験結果に基づいて予め求めておくことができる。
評価単位時間において複数回発生した劣化の劣化強度を1回で発生した劣化強度として統合するために、本実施の形態においては、2回発生した劣化をまとめて1回の劣化にする処理を繰り返すことにより等価劣化強度を導出する。
そこで、まず2回の劣化強度を1回の劣化強度にまとめる方法について説明する。本実施の形態においては、2つの劣化強度のうち第1の閾値以下の劣化強度に重みを付けて劣化強度の和をとることを特徴とする。このとき、当該劣化強度に対する重みは1未満の値とし、さらには2つの劣化強度のうち他の劣化強度が第2の閾値より大きいときは当該劣化強度に対する重みをゼロとする。
例えば、図3に示す劣化1の劣化強度P1 と劣化2の劣化強度P2とを用いて、次に示す(7)式を計算することにより等価劣化強度GPを導出する。
P1 :1回目の劣化(劣化1)の劣化強度
P2 :2回目の劣化(劣化2)の劣化強度
coef:劣化強度P2 に掛かる係数(重み)
ε:劣化強度に関する第1の閾値であって、人間が劣化をその劣化強度どおりに感じるまでの値。劣化強度がこの閾値以下であれば、人間が劣化の劣化強度を軽微に感じる。この閾値εは「検知限」とも呼ばれる。この値は、予め主観評価試験により先見的に求めておく。
γ:劣化強度に関する第2の閾値であって、重み付けされた劣化強度と合計される他の劣化強度がこの値より大きくなると、新たに加わった軽微な劣化(すなわち、上記の重み付けされた劣化強度)が無視される値。この閾値γは「許容限」とも呼ばれる。この値も予め主観評価試験により先見的に求められる。
α:0より大きく1より小さい実数であって、P1がγ以下、かつP2がε以下の場合に、P2の等価劣化強度を求める際にその劣化強度を軽微に認識させるための係数。
上記の検知限εと許容限γと、劣化強度P1・P2と係数coefの関係を図9に示す。
なお、上記の説明は、P1、P2のうち、P2が検知限ε以下であることを前提としたものであって、一般的にはP1とP2とを入れ替えることも可能である。
なお、本実施の形態においては、3回以上の劣化が発生した場合は、2回発生した劣化をまとめて1回の劣化にする処理を繰り返すので、上記のcoefの説明において、許容限γと比較される他の劣化強度「P1」は、劣化映像(評価対象映像)信号ISから上記(a)劣化強度導出ステップを経て得られた劣化強度の場合もあれば、(b)複数劣化統合ステップを経て、2つの劣化強度を統合して得られた等価的な劣化強度GP、すなわち「合計された劣化強度」の場合もある。
いずれかの劣化強度が検知限ε以下である場合は、その劣化は人間にとって実際の劣化強度よりも軽微に感じられるので、等価劣化強度GPを求めるにあたっては検知限ε以下の劣化強度(例えばP2)に対して重み係数coefを乗じた上で他の劣化強度との和を求める。このとき、他の劣化強度P1が許容限γを超える場合は、coef=0とすることによって、検知限ε以下の劣化強度(ここではP2)をもつ軽微な劣化が無視されることとなる。
劣化の程度が同じであっても、その映像がどのようなシーン特徴量を持つかによって、主観評価値は異なってくる。そこで、本実施の形態においても、シーン特徴量導出部14において、劣化映像信号ISから劣化映像のシーンの特徴を表すシーン特徴量SVを導出し(シーン特徴量導出ステップ)、シーン補正係数導出部15において、このシーン特徴量SVに基づいて、主観評価値推定部13における劣化強度と主観評価値との対応関係のシーン依存性を補正する補正係数CCを導出する(補正係数導出ステップ)ようにしている。
以上の動作により、推定主観評価値EVを導出することができる。
以下に、本実施の形態にかかる映像品質評価方法により主観評価値を推定した例について具体的に検討する。
この例は、上述した第1の実施の形態における具体例と同様、いわゆる「フリーズ劣化」を対象とし、図6に示すように、劣化現象をフリーズに限定して、フリーズが発生したときのみ劣化と判断し、各フリーズによる劣化量は一定であることを前提とした。したがって、この例においては劣化強度はフリーズフレームの数にのみ依存する。
ここに示す結果のうち、検討1は、等価劣化強度を各フリーズ長の和を用いて計算した例である。これに対し、検討2は、上述した本実施の形態にかかる方法に従い、閾値ε、γに基づく条件によって等価フリーズフレーム数を求め、しかる後に図10に示す等価フリーズフレーム数から主観評価値を計算した例である。図11に示す検討1と検討2とでは、RMSEが0.44から0.23へ、決定係数が0.72から0.96へ、相関係数が0.85から0.98へと、検知限(ε)を考慮した処理を行うことにより推定精度が大幅に改善されていることがわかる。
本発明の第3の実施の形態にかかる映像品質評価装置および方法は、上述した第1の実施の形態と同じく、劣化映像のみから品質を推定するいわゆるNR法に基づくものである。図12は本実施の形態にかかる映像評価装置の構成を示すブロック図であり、図1と同一の構成には同一の符号を付してある。第1、第2の実施の形態と異なる点は、シーン補正係数導出部15aで計算した複数のシーン補正係数CCの一部を劣化強度導出部12aに渡すことである。
本実施の形態における主観値の推定方法は、上述した第1の実施の形態にかかる主観値の推定方法と同様に、大きく分けて
(1)劣化量の推定
(2)劣化強度の導出
(3)シーン補正係数の導出とシーン依存/主観評価値変換
の手順からなる。
まず、劣化量導出部11は、劣化映像に加わったフレームごとの劣化量を求める。具体的には、劣化映像信号ISから、その劣化映像のフレームごとまたはフレーム間の特徴量を用いて劣化映像のフレームごとの劣化量を導出する。この劣化量推定部11における劣化量の推定の具体的な手法については、上述した第1の実施の形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
次に劣化強度導出部12aは、先に劣化量導出部11において導出された劣化量を、1フレーム内において局所的に劣化する「空間局所的な劣化」の度合いや劣化の程度が時間的に変動する「時間局所的な劣化」の度合いを考慮して評価し、これを「劣化強度」として導出する。
本実施の形態における劣化強度の導出のステップも、第1の実施の形態と同様に、(a)劣化強度導出ステップと、二つの劣化強度P1,P2を一つの等価的な劣化強度GPに統合する(b)複数劣化統合ステップとから構成されるが、複数劣化統合ステップにおいて、第1の実施の形態では、上記(2)式に従って、2つの劣化強度P1,P2の和(P1+P2)が一定であるとしたときにそれぞれ等価劣化強度が最大、最小となる劣化強度Pmax、Pminを、2つの劣化強度P1およびP2の比率に基づいて重み付けしたのに対し、本実施の形態においては、劣化強度に対する人間の感じ方に関する先見的に求められた閾値を用いて劣化強度を重み付けする点において異なる。
以下に、劣化強度導出部12aにおいて行われる「劣化強度導出ステップ」と「複数劣化統合ステップ」とについて説明する。
このステップは、局所的に発生した劣化量をその劣化が継続した時間で重み付けするステップである。劣化強度導出部12aによる劣化強度導出ステップの具体的な処理は、上述した第1の実施の形態の劣化強度導出部12の処理と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
評価単位時間において複数回発生した劣化の劣化強度を1回で発生した劣化強度として統合するために、本実施の形態においては、2回発生した劣化をまとめて1回の劣化にする処理を繰り返すことにより等価劣化強度を導出する。
そこで、まず2回の劣化強度を1回の劣化強度にまとめる方法について説明する。本実施の形態においては、2つの劣化強度のうち2回目の劣化強度に重みを付けて、1回目の劣化強度と2回目の劣化強度の和をとることを特徴とする。このとき、重みはシーン特徴量と2つの劣化強度の大きさに基づいて決定する。
例えば、図3に示す劣化1の劣化強度P1 と劣化2の劣化強度P2とを用いて、上記の式(7)を計算することにより等価劣化強度GPを導出する。
劣化の程度が同じであっても、その映像がどのようなシーン特徴量を持つかによって、主観評価値は異なってくる。そこで、本実施の形態においても、シーン特徴量導出部14において、劣化映像信号ISから劣化映像のシーンの特徴を表すシーン特徴量SVを導出し(シーン特徴量導出ステップ)、シーン補正係数導出部15aにおいて、このシーン特徴量SVに基づいて、主観評価値推定部13における劣化強度と主観評価値との対応関係のシーン依存性を補正する補正係数CCを導出する(補正係数導出ステップ)ようにしている。
シーン特徴量導出部14は、劣化映像信号ISを入力として、その劣化映像のシーンの特徴を表すシーン特徴量SVを導出する。シーン特徴量導出部14によるシーン特徴量導出ステップの具体的な処理は、上述した第1の実施の形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
シーン補正係数導出部15aにおいては、シーン特徴量導出部14から受け取ったフレーム単位のシーン特徴量SV(空間シーン特徴量SSVおよび時間シーン特徴量STV)を元にシーン補正係数CCを計算し、そのシーン補正係数CCを劣化強度導出部12aと主観評価値推定部13に渡す。
本実施の形態では、シーン依存性を主観評価値へより良く反映させるため、シーン補正係数CCを2回に分けて主観評価値の導出に反映させることとした。具体的なシーン補正係数CCとしては、単位評価区間ごとに導出するa,b,cがある。シーン補正係数a,bは、第1の実施の形態で述べたように等価劣化強度から主観評価値を推定する場合に用いる。シーン補正係数cは、式(9)に関する説明で述べたように各劣化強度から等価劣化強度を導出する際に用いる。シーン補正係数cを考慮することにより、シーン依存性を主観評価値に反映させることができる。シーン補正係数cの導出式を以下に示す。
シーン補正係数導出部15aは、計算したシーン補正係数CCのうち係数a,bを主観評価値推定部13に渡し、係数cを劣化強度導出部12aに渡す。
以上の動作により、推定主観評価値EVを導出することができる。
以下に、本実施の形態にかかる映像品質評価方法により主観評価値を推定した例について具体的に検討する。
この例は、上述した第1の実施の形態における具体例と同様、いわゆる「フリーズ劣化」を対象とし、図6に示すように、劣化現象をフリーズに限定して、フリーズが発生したときのみ劣化と判断し、各フリーズによる劣化量は一定であることを前提とした。したがって、この例においては劣化強度はフリーズフレームの数にのみ依存する。また、第2の実施の形態の具体例に比べて使用する映像シーンの数を2種類から22種類に増やすと共に、等価フリーズ長を導出する際の各フリーズの重みの付け方を工夫した。
次に本発明の第4の実施の形態について図15を参照して説明する。
本実施の形態にかかる映像品質評価装置および方法は、劣化映像とこの劣化映像に対応する符号化前または伝送前の基準映像の特徴量とを用いて、主観評価値を推定するものである。このような方法は、一般に「Reduced−reference法(RR法)」と呼ばれる。
劣化量導出部21では、基準映像の特徴量情報ASと劣化映像信号ISとを用いて劣化映像のフレームごとの劣化量IVを導出し、その値を劣化強度導出部22に渡す。劣化強度導出部22は、フレームごとの劣化量から劣化強度GPを導出し、その値を主観評価値推定部23に渡す。また、シーン補正係数導出部25では、基準映像の特徴量情報ASを入力とし、主観評価値推定部23にシーン依存性を反映させるための補正係数CCを導出する。主観評価値推定部23は、劣化強度GPおよびシーン補正係数CCに基づいて、推定主観値EVを導出する。
まず、劣化量導出部21は、基準映像の特徴量情報ASと劣化映像信号ISとを用いて劣化量を導出する。ここで、基準映像の特徴量情報ASには、上述した劣化映像の特徴量と同様に、「空間的な特徴量」および「時間的な特徴量」がある。
劣化量導出部21においては、基準映像の特徴量と同様の特徴量を劣化映像信号ISから最初に計算する。このとき、これらの特徴量として、上述した「Spatial Information (SI)」および「Temporal Infromation(TI)」や、1つのフレームにおいてブロックごとに得られたSIやTIに対して演算を行って得られた値、例えば最大値、最小値または平均値等を用いても良い。
1フレームごとの劣化量として、基準映像信号の特徴量と、劣化映像信号から導出された当該フレームまたは複数フレームから導出される1種類または複数の特徴量との差分を用いる。本実施の形態においては、特徴量として当該フレームにおいてブロックごとに導出したSI,TIの最大値に基づき、劣化量IVに対する空間方向の特徴量と時間方向の特徴量の影響を正規化するために予め導出しておいた係数を乗じて1フレームごとの劣化量を計算する。
=α1 [SIout_max−SIin_max]+α2 [TIout_max−TIin_max]
・・・(11)
以上のような構成により、主観評価値EVを推定することができる。
第4の実施の形態では、劣化強度導出部22における劣化強度の導出の手法を、第1の実施の形態と同様に、2つの劣化強度P1,P2の和(P1+P2)が一定であるとしたときに等価劣化強度がそれぞれ最大、最小となる劣化強度Pmax、Pminを、2つの劣化強度P1およびP2の比率に基づいて(すなわち、式(2)に従って)重み付けするものとした。これに代えて、劣化強度導出部22における劣化強度の導出の手法として、第2の実施の形態において説明したように、劣化強度に対する人間の感じ方に関する先見的に求められた閾値(検知限ε、許容限γ)に基づいて重み係数coefを決定し、2つの劣化強度P1、P2を重み付けする手法を用いてもよい。
本発明の第6の実施の形態にかかる映像品質評価装置および方法は、上述した第4の実施の形態と同じく、劣化映像とこの劣化映像に対応する符号化前または伝送前の基準映像の特徴量とを用いて主観評価値を推定するRR法に基づくものである。図16は本実施の形態にかかる映像評価装置の構成を示すブロック図であり、図15と同一の構成には同一の符号を付してある。第4の実施の形態と異なる点は、シーン補正係数導出部25aで計算した複数のシーン補正係数CCの一部を劣化強度導出部22aに渡すことである。
まず、劣化量導出部21の動作は、第4の実施の形態で説明したとおりであるので、その説明を省略する。劣化強度導出部22aは、上述した第3の実施の形態の劣化強度導出部12aと同様の動作を行う。シーン補正係数導出部25aは、基準映像の特徴量情報ASをシーン特徴量SVとして用いる以外は、第3の実施の形態の補正係数導出部15aと同様の動作を行う。また、主観評価値推定部23は、第1の実施の形態の主観評価値推定部13と同様の動作を行うので、その説明を省略する。
以上のような構成により、主観評価値EVを推定することができる。
次に本発明の第7の実施の形態について図17を参照して説明する。
本実施の形態にかかる映像品質評価装置および方法は、劣化映像とこの劣化映像に対応する符号化前または伝送前の基準映像とを用いて、主観評価値を推定するものである。このような方法は、一般に「Full−reference法(FR法)」と呼ばれる。
劣化量導出部21では、基準映像信号RSと劣化映像信号ISとを用いて劣化映像のフレームごとの劣化量IVを導出し、その値を劣化強度導出部32に渡す。劣化強度導出部32は、フレームごとの劣化量から劣化強度GPを導出し、その値を主観評価値推定部33に渡す。
なお、本実施の形態においては、上記の動作のために、各部において必要となるメモリを保有するものとする。
まず、劣化量導出部31においては、基準映像信号RSと劣化映像信号ISの特徴量、すなわち、「空間的な特徴量」および「時間的な特徴量」を用いて劣化映像内に含まれる劣化量を導出する。このとき、これらの特徴量として、上述した「Spatial Information (SI)」および「Temporal Infromation(TI)」や、1つのフレームにおいてブロックごとに得られたSIやTIに対して演算を行って得られた値、例えば最大値、最小値または平均値等を用いても良い。
1フレームごとの劣化量として、基準映像信号と劣化映像信号とから導出された当該フレームまたは複数フレームから導出される1種類または複数の特徴量との差分を用い、PSNRやANSIで規定された「Average Edge Energy」(ANSI T1.8.1.03-1996, "Digital Transport of One-Way Video signals - Parameters for Objective Performance Assessment"参照)などのパラメータを用いても良い。
=α1 [SIout_max−SIin_max]+α2 [TIout_max−TIin_max]
・・・(12)
また、劣化強度導出部32および主観評価値推定部33、ならびにシーン補正係数導出部35は、それぞれ第1の実施の形態における劣化強度導出部12および主観評価値推定部13、ならびにシーン補正係数導出部15と同様の動作を行うので、その説明を省略する。
以上のような構成により、主観評価値EVを推定することができる。
第7の実施の形態では、劣化強度導出部32における劣化強度の導出の手法を、第1の実施の形態と同様に、2つの劣化強度P1,P2の和(P1+P2)が一定であるとしたときに等価劣化強度がそれぞれ最大、最小となる劣化強度Pmax、Pminを、2つの劣化強度P1およびP2の比率に基づいて(すなわち、式(2)に従って)重み付けするものとした。これに代えて、劣化強度導出部32における劣化強度の導出の手法として、第2の実施の形態において説明したように、劣化強度に対する人間の感じ方に関する先見的に求められた閾値(検知限ε、許容限γ)に基づいて重み係数coefを決定し、2つの劣化強度P1、P2を重み付けする手法を用いてもよい。
本発明の第9の実施の形態にかかる映像品質評価装置および方法は、上述した第7の実施の形態と同じく、劣化映像とこの劣化映像に対応する符号化前または伝送前の基準映像とを用いて主観評価値を推定するFR法に基づくものである。図18は本実施の形態にかかる映像評価装置の構成を示すブロック図であり、図17と同一の構成には同一の符号を付してある。第7の実施の形態と異なる点は、シーン補正係数導出部35aで計算した複数のシーン補正係数CCの一部を劣化強度導出部32aに渡すことである。
まず、劣化量導出部31の動作は、第7の実施の形態で説明したとおりであるので、その説明を省略する。劣化強度導出部32aは、上述した第3の実施の形態の劣化強度導出部12aと同様の動作を行う。シーン特徴導出部34の動作は、第7の実施の形態で説明したとおりである。シーン補正係数導出部35aは、第3の実施の形態のシーン補正係数導出部15aと同様の動作を行う。また、主観評価値推定部33は、第1の実施の形態の主観評価値推定部13と同様の動作を行うので、その説明を省略する。
以上のような構成により、主観評価値EVを推定することができる。
Claims (19)
- 評価対象映像に加わった劣化量の変動量に基づいて前記評価対象映像の劣化強度を導出する劣化強度導出手段と、
前記評価対象映像の劣化強度と、予め求められている劣化強度と主観評価値との対応関係とに基づいて前記評価対象映像の主観評価値を推定する主観評価値推定手段と
を備えることを特徴とする映像品質評価装置。 - 請求項1に記載された映像品質評価装置において、
前記劣化強度導出手段は、
所定の閾値を超えた劣化量をその継続時間に応じて重み付けする
ことを特徴とする映像品質評価装置。 - 請求項2に記載された映像品質評価装置において、
前記評価対象映像に対して導出された複数の劣化強度から1の等価的な劣化強度を導出する等価劣化強度導出手段をさらに備え、
前記主観評価値推定手段は、前記1の等価的な劣化強度と前記対応関係とに基づいて前記評価対象映像の主観評価値を推定する
ことを特徴とする映像品質評価装置。 - 請求項3に記載された映像品質評価装置において、
前記等価劣化強度導出手段は、
2つの劣化強度を1の等価的な劣化強度に統合する処理を少なくとも1回は行う
ことを特徴とする映像品質評価装置。 - 請求項3または4に記載された映像品質評価装置において、
前記等価劣化強度導出手段は、
2つの劣化強度のうち第1の閾値以下の劣化強度に重みを付けて前記複数の劣化強度の和をとる
ことを特徴とする映像品質評価装置。 - 請求項5に記載された映像品質評価装置において、
前記等価劣化強度導出手段は、
前記第1の閾値以下の劣化強度に重みを付けて和をとる場合、前記重みは1未満の値とし、前記2つの劣化強度のうち他の劣化強度が第2の閾値より大きいときは前記重みをゼロとする
ことを特徴とする映像品質評価装置。 - 請求項4に記載された映像品質評価装置において、
前記等価劣化強度導出手段は、
2つの劣化強度を1の等価的な劣化強度に統合する処理において、前記2つの劣化強度の和が一定としたときの最大の劣化強度および最小の劣化強度を前記2つの劣化強度の比率に基づいて重み付けする
ことを特徴とする映像品質評価装置。 - 請求項1乃至7のいずれか1つに記載された映像品質評価装置において、
前記評価対象映像のみを用いて、前記評価対象映像の特徴量の映像の劣化に関する劣化特徴量からその評価対象映像のフレーム単位の劣化量を導出する劣化量導出手段を備える
ことを特徴とする映像品質評価装置。 - 請求項8に記載された映像品質評価装置において、
前記劣化量導出手段は、前記評価対象映像のフレームごとまたはフレーム間の空間的な特徴量と時間的な特徴量とを用いる
ことを特徴とする映像品質評価装置。 - 請求項8または9に記載された映像品質評価装置において、
前記評価対象映像のシーンの特徴を表すシーン特徴量を導出するシーン特徴量導出手段をさらに備え、
前記主観評価値推定手段は、
前記シーン特徴量に対する前記相関関係の依存性を考慮して前記評価対象映像の主観評価値を推定する
ことを特徴とする映像品質評価装置。 - 請求項10に記載された映像品質評価装置において、
前記シーン特徴量導出手段は、
前記シーン特徴量として前記評価対象映像のフレームごとまたはフレーム間の空間的な特徴量と時間的な特徴量を用いる
ことを特徴とする映像品質評価装置。 - 請求項1乃至7のいずれか1つに記載された映像品質評価装置において、
前記評価対象映像とこの評価対象映像に対応する符号化前または伝送前の基準映像の特徴量とを用いて、前記評価対象映像の特徴量の映像の劣化に関する劣化特徴量と前記基準映像の特徴量とからその評価対象映像のフレーム単位の劣化量を導出する劣化量導出手段を備える
ことを特徴とする映像品質評価装置。 - 請求項1乃至7のいずれか1つに記載された映像品質評価装置において、
前記評価対象映像とこの評価対象映像に対応する符号化前または伝送前の基準映像とを用いて、前記評価対象映像の特徴量の映像の劣化に関する劣化特徴量と前記基準映像の特徴量とからその評価対象映像のフレーム単位の劣化量を導出する劣化量導出手段を備える
ことを特徴とする映像品質評価装置。 - 請求項12または13に記載された映像品質評価装置において、
前記劣化量導出手段は、前記評価対象映像および前記基準映像のフレームごとまたはフレーム間の空間的な特徴量と時間的な特徴量とを用いる
ことを特徴とする映像品質評価装置。 - 請求項12乃至14のいずれか1つに記載された映像品質評価装置において、
前記基準映像のシーンの特徴を表すシーン特徴量を導出するシーン特徴量導出手段をさらに備え、
前記主観評価値推定手段は、
前記シーン特徴量に対する前記相関関係の依存性を考慮して前記評価対象映像の主観評価値を推定する
ことを特徴とする映像品質評価装置。 - 請求項15に記載された映像品質評価装置において、
前記シーン特徴量導出手段は、
前記シーン特徴量として前記基準映像のフレームごとまたはフレーム間の空間的な特徴量と時間的な特徴量を用いる
ことを特徴とする映像品質評価装置。 - 請求項4に記載された映像品質評価装置において、
前記評価対象映像のシーンの特徴を表すシーン特徴量を導出するシーン特徴量導出手段をさらに備え、
前記等価劣化強度導出手段は、前記シーン特徴量と前記2つの劣化強度の大きさに基づいて前記2つの劣化強度に対する重みを決定し、この重みを付けて前記2つの劣化強度の和をとることを特徴とする映像品質評価装置。 - 評価対象映像の特徴量のうち映像の劣化に関する劣化特徴量からその評価対象映像のフレーム単位の劣化量を導出する劣化量導出ステップと、
その劣化量の変動量に基づいて前記評価対象映像の劣化強度を導出する劣化強度導出ステップと、
前記評価対象映像の劣化強度と、予め求められている劣化強度と主観評価値との対応関係とに基づいて前記評価対象映像の主観評価値を推定する主観評価値推定ステップと
を備えることを特徴とする映像品質評価方法。 - コンピュータに、
評価対象映像の特徴量のうち映像の劣化に関する劣化特徴量からその評価対象映像のフレーム単位の劣化量を導出する劣化量導出ステップと、
その劣化量の変動量に基づいて前記評価対象映像の劣化強度を導出する劣化強度導出ステップと、
前記評価対象映像の劣化強度と、予め求められている劣化強度と主観評価値との対応関係とに基づいて前記評価対象映像の主観評価値を推定する主観評価値推定ステップと
を実行させることを特徴とする映像品質評価プログラム。
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