JP2007043103A - レーザ共振器装置及びその製造方法 - Google Patents

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一博 羽根
Yoshiaki Kanamori
義明 金森
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Abstract

【課題】少ない光学部品で、廉価に製造可能な面発光で任意形状のレーザ発光パターンを発生するレーザ共振器を提供する。
【解決手段】レーザ共振器は、基板と、ゲイン材質を一部に含む導波モード共鳴格子を有し、導波モード共鳴格子は任意パターンに形成されており、レーザ発光面が任意パターンであることを特徴とし、面方向にレーザ光が出力されることを特徴とする。半導体微細加工技術を利用して製造するため、廉価であり、共振器部が任意パターンで形成されているためレーザ光パターン形成のための外部光学部品が少なくてすむ。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ共振器装置及びその製造方法に関する。
従来技術、競合技術として、分布帰還型半導体レーザのような半導体微細加工技術を用いて製作し、一定のピッチが形成された共振器、面発光レーザのような多層膜から成る共振器(非特許文献1)、色素レーザのような格子状に形成された溝に溶媒に溶かした色素を流す共振器(非特許文献2)がある。
分布帰還型半導体レーザは格子が光導波路のコアに形成されており、類似の断面形状を有するが、レーザ光は基板端面より放出されるよう格子周期が設計される。また、矩形以外の発光パターンを形成するのが困難である。東京工業大学の伊賀名誉教授が発明した面発光レーザ(VCSEL)は多層膜の周期層が共振器として機能し、発光面をエッチングにより任意パターンに形成することができるが周期層の形成方向が本発明と異なるため違う構造と言える。格子状に形成された溝に溶媒に溶かした色素を流す色素レーザがある。これは端面発光レーザである。また格子の周期が本発明のそれと比較して長く、原理が異なる。
伊賀健一、小山二三男、「面発光レーザの基礎と応用」、共立出版株式会社、1999年 D.Nilsson, S.Balslev, and A.Kristensen,J. Micromech. Microeng., Vol. 15, (2005) pp.296-300.
上記のように従来の技術では、分布帰還型半導体レーザは端面発光レーザであるため発光パターンが矩形に限られるため、任意レーザパターンを得るためには別途、光学部品を組み合わせる必要があった。また、面発光レーザは何十〜何百の薄膜を精度良く堆積する必要があるため、製作において非常に高い技術が要求されるという問題点があった。格子状に形成された溝に溶媒に溶かした色素を流す色素レーザも端面発光となり任意レーザパターンを得るためには別途、光学部品を組み合わせる必要があった。本発明は、共振器となる導波モード共鳴格子の形状をパターン化し、レーザ放出方向を面方向になるように格子周期を有することで、任意パターンを有するレーザ光を廉価に形成できるように構成されたレーザ共振器を提供することを目的としている。
本発明の請求項1に記載のレーザ共振器装置は、
基板と、ゲイン材質を一部に含む導波モード共鳴格子からなることを特徴としている。
本発明の請求項2に記載のレーザ共振器装置は、請求項1に記載のレーザ共振器装置であって、
面方向にレーザ光が出力されることを特徴としている。
本発明の請求項3に記載のレーザ共振器装置は、請求項1または2に記載のレーザ共振器装置であって、
導波モード共鳴格子は任意パターンに形成されており、レーザ発光面が任意パターンであることを特徴としている。
本発明の請求項4に記載のレーザ共振器装置の製造方法は、
基板の任意パターン内を一定のピッチでエッチ除去して形成された溝にゲイン材質を充填することを特徴としている。
本発明の請求項5に記載のレーザ共振器装置の製造方法は、
基板上に成膜したゲイン材質の任意パターン内を一定のピッチでエッチ除去して形成することを特徴としている。
本発明の請求項6に記載のレーザ共振器装置の製造方法は、
基板上に成膜した非ゲイン材質の任意パターン内を一定のピッチでエッチ除去して形成された溝にゲイン材質を充填することを特徴としている。
本発明の請求項7に記載のレーザ共振器装置の製造方法は、
基板上に成膜したゲイン材質の任意パターン内を一定のピッチでエッチ除去して形成された溝に非ゲイン材質を充填することを特徴としている。
本発明の請求項8に記載のレーザ共振器装置の製造方法は、請求項4ないし7のいずれかに記載のレーザ共振器装置の製造方法であって、
一定のピッチを有する構造は、フォトリソグラフィによりパターニングされた後、それをマスクとしてエッチ除去されることを特徴としている。
本発明の請求項9に記載のレーザ共振器装置の製造方法は、請求項4ないし7のいずれかに記載のレーザ共振器装置の製造方法であって、
一定のピッチを有する構造は、電子線リソグラフィによりパターニングされた後、それをマスクとしてエッチ除去されることを特徴としている。
本発明の請求項10に記載のレーザ共振器装置の製造方法は、請求項4ないし7のいずれかに記載のレーザ共振器装置の製造方法であって、
一定のピッチを有する構造は、レーザ干渉リソグラフィによりパターニングされた後、それをマスクとしてエッチ除去されることを特徴としている。
本発明の請求項11に記載のレーザ共振器装置の製造方法は、請求項4ないし10のいずれかに記載のレーザ共振器装置の製造方法であって、
ゲイン材質、非ゲイン材質は、基板そのもので形成されることを特徴としている。
本発明の請求項12に記載のレーザ共振器装置の製造方法は、請求項4ないし10のいずれかに記載のレーザ共振器装置の製造方法であって、
ゲイン材質、非ゲイン材質は、スピンコート法により形成されることを特徴としている。
本発明の請求項13に記載のレーザ共振器装置の製造方法は、請求項4ないし10のいずれかに記載のレーザ共振器装置の製造方法であって、
ゲイン材質、非ゲイン材質は、エピタキシャル成長法により形成されることを特徴としている。
本発明の請求項14に記載のレーザ共振器装置の製造方法は、請求項4ないし10のいずれかに記載のレーザ共振器装置の製造方法であって、
ゲイン材質、非ゲイン材質は、スパッタ法により形成されることを特徴としている。
本発明の請求項15に記載のレーザ共振器装置の製造方法は、請求項4ないし10のいずれかに記載のレーザ共振器装置の製造方法であって、
ゲイン材質、非ゲイン材質は、蒸着法により形成されることを特徴としている。
本発明の請求項16に記載のレーザ共振器装置の製造方法は、請求項4ないし10のいずれかに記載のレーザ共振器装置の製造方法であって、
ゲイン材質、非ゲイン材質は、堆積法により形成されることを特徴としている。
本発明によれば、半導体微細加工技術を用いて基板上にゲイン材質を一部に含む導波モード共鳴格子をパターン化し、レーザ放出方向を面方向になるような格子周期を有することで、任意パターンを有する面発光レーザ光を廉価に形成できるという効果が得られる。
本発明に係るレーザ共振器装置及びその製造方法を実施するための最良の形態を実施例に基づいて以下に説明する。
固体の色素レーザに関する研究はいくつか研究報告がなされているが、共鳴格子をレーザ共振器に利用する取り組みはこれまでに例が無い。
本例で製作するレーザ共振器用の共鳴格子は格子層と導波層の2層からなる。この格子層と導波層でゲインが得られれば、光が導波層で多重反射する際にレーザ発振することが可能となる。2層共鳴格子は基板上に導波層があり、その上に格子層があるのが一般的である。この導波層と格子層を、色素を溶かしたメタクリル酸メチル樹脂( Polymethylmethacrylate: PMMA)で形成できれば、共鳴格子内を多重反射する共鳴波長の光を増幅させることができる。そこで図3に示すような共鳴格子を考えた。通常の共鳴格子を反転させた形となっており、基板上に格子層があり、その上が導波層となる。このような構造を取ることでプロセスの簡単化を狙った。製作はガラス基板に共鳴格子となる周期パターンを形成しておき、その後色素を溶かしたPMMAを塗布するだけでよい。色素レーザの欠点に色素の経年劣化があるが、この構造では一度格子を加工した基板を作製してしまえば、劣化した色素は薬品等で剥離し、新しい色素を塗布し直すだけで共振器の再形成ができる。色素を溶かしたPMMA表面に格子を加工する方法では、色素劣化時の再形成を考えると効率的ではない。また、今回提案するレーザの構造はDistributed-Feedback
(DFB)レーザと似た構造をしているが、DFBレーザと異なる点として、格子面に対しておもに垂直方向に光が射出される面発光型のレーザとなる。
共鳴格子を形成する上で重要となるのが材質の屈折率である。今回は色素を溶かしたPMMAを格子層と導波層に用いている。PMMAの屈折率はおよそ1.49である。2層共鳴格子では、通常入ってきた光は格子部分で回折されて導波層へと導かれる。そして、光は導波層を多重反射する過程で再び格子部分で回折されて返ってくる形になる。この導波層を多重反射させるためには、導波層を形成するPMMAよりも周囲の屈折率が低くなければならない。上面は空気(屈折率:1)であるので問題ないが、基板の屈折率もPMMAより小さい必要がある。そこで、屈折率が1.45というガラス(石英ガラス)基板を用いることで条件を満たせるようにした。
続いて提案した共鳴格子の反射率の計算を行った。計算モデルを図4に計算結果を図5に示す。計算モデルでは格子層200nm、導波層700nmとした。図5は格子周期が400nm時の反射率を求めたものである。単一波長(588.2nm)で鋭い反射ピークが得られるのが確認できる。共鳴格子は狭帯域の高反射鏡として働き、鋭い反射ピークが得られる共鳴波長において従来の二枚の高反射鏡で構成されるレーザ共振器と同様に光を閉じ込め、レーザ発振に至る。また格子周期を変化させて計算を行った所、図6の様に共鳴波長は格子周期と比例関係にあることが分かった。また、計算を繰り返した結果、導波層の厚さを厚くするとピーク波長は長波長側へシフトする傾向があり、また、反射ピーク数も増える傾向にあることが分かった。これは厚みが増すにつれて許容される反射ピークのモードが増える為であると思われる。単一モードのレーザ発振を試みるのであれば導波層は薄い方が好ましいということが言える。ただ、薄すぎても光がゲインを得られる領域が減ってしまうので適当な厚さは必要だと思われる。
この計算で求めたピーク波長でレーザ発振すると予想されるので、今回使用する色素Rhodamine6Gの蛍光帯域(およそ560nm〜650nm)内に反射率のピークが来るよう格子周期を設定した。具体的には360、380、390、400、410、420、440、460nmである。格子の面積は200μm角とした。また、試しにアルファベットの文字「T」「K」を周期410nmの格子で描いたパターンも用意した。格子部分がレーザ発振するならば発振時にはこの文字が光り、浮かび上がる事が予想される。
製作プロセスを図7に示す。初めに石英ガラス基板に回折格子を形成し、その後、色素を溶かしたPMMAをスピンコート、ベークして完成となる。
はじめに石英ガラスへのElectron Beam (EB)描画である。ガラスとレジストの密着性を上げる為に、レジスト塗布前にHexamethyldisilazane (HMDS)を塗布した。また、ガラスは非伝導体であるのでチャージアップなどの現象が起き、基本的にEB描画をしてもきれいにパターニングできない。そこで今回はレジストの上に導電性ポリマー(エスペイサー100:昭和電工)を塗布した。これにより非伝導体材料にもEB描画が可能となる。EBパターニングの条件を下記に示す。
1.HMDS処理
Spin coating:500rpm (3sec) → 2000rpm(60sec)
2.ポジレジストZEP520 ( ZEON Corporation)コーティング
Spin coating:500rpm (3sec) → 4000rpm(60sec)
Bake:180℃(3min)
3.導電性ポリマー(エスペイサー100)コーティング
Spin coating:500rpm (3sec) → 2000rpm(60sec)
Bake:100℃(3min)
4.EB描画
Acceleration Voltage:30kV
Current:10pA
Dose time:33μsec
Chip size:0.5mm×0.5mm
Number of pixels:20000 dot×20000 dot
5.エスペイサー100剥離
DI water 1min
6.現像
Developer:ZED-N50 23℃ 5min
Lins: MIBK 30sec
次に、高速原子線( Fast Atom Beam: FAB)によるシリコンのエッチング条件を示す。
使用ガス:SF6
ガス流量:24×0.28 sccm
加速電圧 :2.0 kV
ビーム電流:20mA
エッチング時間:20min
エッチングレート:10nm/min
FABエッチング後の格子のSEM写真を図810に示す。格子が精度よく形成されているのが分かる。
次にRhodamine6G-PMMA溶液を基板に滴下し、スピンコートにより均一に広げる。およそ2000rpm 20secで計算に用いた厚さ700nm程度になった。スピンコート後、はじめに50℃で1時間、続いて80℃で3時間ベークして有機溶剤を揮発させて固化する。はじめに1時間ベークするのは急な温度上昇により内部に気泡が発生するのを防ぐためである。
Rhodamine6G-PMMA溶液の塗布条件は下記である。
スピンコーティング:500rpm (3sec) → 2000rpm(20sec)
ベーク:50℃(1h) → 80℃(3h)
本研究ではレーザ色素としてキサンチン系の色素であるRhodamine6G・Perchlorateを使用した。Rhodamine6Gの吸収波長域はおよそ450nm〜550nmであり、蛍光帯域は550nm〜650nmである。
レーザ色素を固体化するための高分子としてPMMAを使用した。PMMAは可視領域において透過率90%と非常に透明な物質であり、低複屈折率であるためにプラスチック光学部品として広く使われている材料である。キサンチン系の色素は周囲の環境によって蛍光強度が変化する。一般的な性質として、極性溶液中では分子レベルで溶解し量子効率が高いが、無極性溶液中では溶解せずに沈殿し消光状態となる。よってPMMA溶液にRhodamine6Gを溶かすには極性を持ちPMMAに可溶な溶剤が必要となる。
本研究で使用したRhodamine6G-PMMA溶液の組成は表1の通りである。まず、エタノール(Ethanol)にRhodamine6Gを溶かしよく攪拌する。攪拌はホットスターラ(45℃程度)上で丸1日程行った。その後、メチルイソブチルケトン(Methyl Isobutyl Ketone)を加えて再び同条件で攪拌する。また、別の容器で、クロロベンゼン(Chlorobenzene)にPMMAをよく溶かす(攪拌条件は上記に同じ)。最後にこれら2種類の溶液を混合、再び(同条件で)十分攪拌することでRhodamine6G-PMMA溶液の完成となる。
製作した共振器に励起光を当ててスペクトル測定を行った。実験装置の概略図を図11に示す。励起光にはNd:YAGレーザの第二高調波(532nm)パルス光(パルス幅〜10nsec)を使用した。励起光のサンプルへの入射角度はおよそ45°である。Rhodamine6Gの吸収ピークがほぼこの波長である。製作した共振器からの発光は、顕微鏡を介してCCDカメラと分解能0.3nmの分光器に接続されている。
発振スペクトルの測定について説明する。各周期の回折格子に顕微鏡の焦点を合わして、それぞれのスペクトル測定を行った。励起光強度19.1mJ/cm2時のスペクトルを図12に示す。グラフから分かるように周期390、400、410、420nmの各格子からのスペクトルに強いレーザ発振のピークを観察する事ができた。ピーク数が一つであることから単一モード発振していることが伺える。発振波長は格子周期と対応しており、それぞれ577.5、591.3、605.2、619.2nmでピークが観察された。また、周期440nmの格子からは三つのピークが観察され、マルチモード発振しているのが分かる。この時の周期とピーク波長の関係を計算値と共に図13に示す。各格子周期と発振波長には比例関係があるのが分かる。ここでの計算値は、R6G-PMMAの屈折率を1.5とした(PMMAにRhodamine6Gを溶かすと屈折率が上昇するという報告がある)。この時、計算値と測定値のピーク波長がよく一致しているのが確認できる。測定したピークの半値幅(Full Width Half Maximum : FWHM)はいずれも似た値を取っており、およそ〜0.6nm程度であった。
共振器の発光の様子を図14に示す。導波モード共鳴格子がある領域のみが発光しており、その発光色は格子周期(発振波長)ごとに異なっている事が分かる。また、この写真では溝は横方向に伸びており、光は格子の溝と垂直(格子面内縦方向)に走っている(強く光っている)のが確認できる。
励起光強度を変化させてピーク強度の変化を測定した。波長577.5 nm (格子周期:390nm)、619.3 nm (格子周期:420nm)の二つについて、測定した励起光強度に対するレーザ光強度の関係を図15に示す。グラフより発振閾値はおよそ3mJ/cm2であることが分かる。
製作した共振器からのレーザの射出角度を調べるために、ウェハを傾けてそのレーザの強度変化を測定した。強度変化の測定結果を図16に示す。傾ける角度は図のように格子の溝に軸を合わせた場合と、溝と垂直な方向に軸を合わせた場合の2通りについて測定した。測定に用いたサンプルは周期410nmである。グラフより、正面を向いている時に一番レーザ強度が強く、角度が傾くにつれてその強度が減少していくのが確認できる。図のθ方向ではおよそ7度傾けた時点で強度が半分になっている。またφ方向ではおよそ12度傾けた時点で強度が半分となった。
共振器と分光器の間に偏光板を入れることで、レーザ光の偏光特性について調べた。格子の溝を偏光版に対して0°の時と90°回転させた時の反射スペクトルを図17に示す。測定したサンプルは周期410nmの格子である。90°回転させた時には全くピークが観察されなかった。これより発振しているレーザ光には偏光性がある事が言える。
また、試作した文字型の周期410nmの格子からも波長605nm付近にレーザ発振のピークを得る事ができた。発振時の様子を図18に示す。文字が光り、浮かび上がっている様子が分かる。格子形状をパターン化してもレーザ発振している事から、ある程度の格子領域があればレーザ発振することが伺える。
今回共鳴格子を共振器に用いて、格子面に垂直にレーザ光を得ることができた。発振スペクトルのピーク波長は計算値とほぼ同じ位置に観察され、周期390〜420nmのデバイスでは期待通りのシングルモードの発振を得ることができた。発振時の格子の様子は、格子面内において溝に対して垂直方向に強い光が走っている事からも、光はこの方向に導波層を多重反射して共鳴していることが伺える。また、測定したFWHMの値はおよそ0.6nmであった。
表2に今回製作した各格子の周期、ピーク波長、半値幅、Q値を示す。レーザ共振器の性能を評価する重要な要素としてQ値がある。これは共振器の光を閉じ込める度合いを数字で示した物である。共振器内で効率良くレーザ発振が起こるためには、共振器内により多くの光子が長い時間閉じ込められることが望ましい。Q値が高いほどその共振器は閉じ込め効率が高く、性能的に優れていることになる。Q値は共振器の発光スペクトルにおいてピークが発生した波長をそのピークの半値幅で除することで求められる。本研究で製作した、共鳴格子を利用した共振器のQ値はおよそ1000である。この値は、図19のように格子のある領域では、回折により導波層を多重反射しつつ格子面と垂直な方向へと出力される。しかし格子の無い領域では、全反射を繰り返してそのまま導波層を通ってウェハ端面へと進んでいく。実際にウェハ端面に分光器の光ファイバを当ててスペクトルを測定したところ、各格子からのレーザ光と思われるスペクトルが観察された。端面へと抜けていく光がある為に閉じ込める度合いが小さいのではないかと思われる。Q値を上昇させるためには、格子の面積を拡大する、ガラス基板の裏側(格子層が無い側)に金属を蒸着するなどして光が再び格子の方へと反射していくような構造にすれば良い。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
また、本発明に用いるゲイン材質としては、実施例に記載したローダミン6Gに限らず、その他の色素、蛍光体、発光ダイオードや半導体レーザに使われるゲイン材質であってもよい。またはゲイン材質であるならば、特に、限定されるものではない。
また、本発明に用いる励起方法としては、実施例に記載した光励起に限らず、電流励起であってもよい。
また、本発明に用いる製造方法としては、実施例に記載した基板をエッチ除去によりパターン溝を形成後、スピンコート法によりゲイン材質を形成する製造方法に限らず、ゲイン材質を一定のピッチで形成できる製造方法であるならば、特に、限定されるものではない。
本発明に係るレーザ共振器装置は、バイオやIT等の様々な分野に適用できる。また本発明によって製造されたレーザ共振器は、バイオチップに一体化して任意微小部に任意パターンのレーザ光を照射する細胞、DNA分析ツールとして広く用いることが出来る。
本発明の実施の形態によるレーザ共振器装置の断面および上面図である。 面発光と端面発光のレーザ光の放射方向の違い。 提案する共鳴格子を利用したレーザ 共鳴格子の計算モデル 反射スペクトル(格子周期Λ:400nm) 格子周期と共鳴波長の関係 製作プロセス 200μm角の格子領域 (周期=410nm) パターン化した格子 (周期=410nm) 傾斜図 (周期=410nm) 実験装置概略図 各格子周期に対する発振スペクトル 格子周期とピーク波長の関係 各格子の発振時の様子 励起強度に対するレーザ出力の関係 傾きに対する発振出力 偏光特性 パターン化した共鳴格子からの発光の様子 レーザ光の出力先
符号の説明
図1の符号1 基板
図1の符号2 格子
図1の符号3 ゲイン材質
図1の符号4 媒質
図2の符号1 面発光
図2の符号2 端面発光

Claims (15)

  1. 基板上に、ゲイン材質を一部に含む導波モード共鳴格子が形成されている事を特徴とするレーザ共振器装置。
  2. 面方向にレーザ光が出力されることを特徴とする請求項1に記載のレーザ共振器装置。
  3. 基板の任意パターン内を一定のピッチでエッチ除去して形成された溝にゲイン材質を充填することを特徴とするレーザ共振器装置の製造方法。
  4. 基板上に成膜したゲイン材質の任意パターン内を一定のピッチでエッチ除去して形成することを特徴とするレーザ共振器装置の製造方法。
  5. 基板上に成膜した非ゲイン材質の任意パターン内を一定のピッチでエッチ除去して形成された溝にゲイン材質を充填することを特徴とするレーザ共振器装置の製造方法。
  6. 基板上に成膜したゲイン材質の任意パターン内を一定のピッチでエッチ除去して形成された溝に非ゲイン材質を充填することを特徴とするレーザ共振器装置の製造方法。
  7. 一定のピッチを有する構造は、フォトリソグラフィによりパターニングされた後、それをマスクとしてエッチ除去されることを特徴とする請求項3ないし6のいずれかに記載のレーザ共振器装置の製造方法。
  8. 一定のピッチを有する構造は、電子線リソグラフィによりパターニングされた後、それをマスクとしてエッチ除去されることを特徴とする請求項3ないし6のいずれかに記載のレーザ共振器装置の製造方法。
  9. 一定のピッチを有する構造は、レーザ干渉リソグラフィによりパターニングされた後、それをマスクとしてエッチ除去されることを特徴とする請求項3ないし6のいずれかに記載のレーザ共振器装置の製造方法。
  10. ゲイン材質、非ゲイン材質は、基板そのもので形成されることを特徴とする請求項3ないし9のいずれかに記載のレーザ共振器装置の製造方法。
  11. ゲイン材質、非ゲイン材質は、スピンコート法により形成されることを特徴とする請求項3ないし9のいずれかに記載のレーザ共振器装置の製造方法。
  12. ゲイン材質、非ゲイン材質は、エピタキシャル成長法により形成されることを特徴とする請求項3ないし9のいずれかに記載のレーザ共振器装置の製造方法。
  13. ゲイン材質、非ゲイン材質は、スパッタ法により形成されることを特徴とする請求項3ないし9のいずれかに記載のレーザ共振器装置の製造方法。
  14. ゲイン材質、非ゲイン材質は、蒸着法により形成されることを特徴とする請求項3ないし9のいずれかに記載のレーザ共振器装置の製造方法。
  15. ゲイン材質、非ゲイン材質は、堆積法により形成されることを特徴とする請求項3ないし9のいずれかに記載のレーザ共振器装置の製造方法。
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WO2024004650A1 (ja) * 2022-06-29 2024-01-04 国立大学法人東北大学 導波モード共鳴格子、光学部材、光学製品、及び導波モード共鳴格子の製造方法

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