JP2007041664A - 領域抽出装置および領域抽出プログラム - Google Patents

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    • G06T7/10Segmentation; Edge detection
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Abstract

【課題】撮像対象に対応する対象領域を安定して高精度に抽出できること。
【解決手段】領域抽出装置1は、入力された画像を平滑化した平滑化画像を生成する平滑部7と、平滑化画像内の各画素が有する平滑化画素値に基づいて、平滑化画像の中から少なくとも撮像対象の一部を含む初期領域を検出する初期領域検出部8と、初期領域の輪郭近傍画素が有する平滑化画素値に基づいて、輪郭近傍画素が対象領域を構成する対象領域画素であるか否かを判別し、判別結果に応じて初期領域の大きさおよび形状の少なくとも一方を変形して変形領域を成形する領域変形部9と、各変形領域の中から、隣接する変形領域によって形成された隣接領域群を検出し、隣接領域群内の隣接した変形領域間の特徴を示す特徴量に基づいて、この隣接した変形領域同士を統合して対象領域を成形する領域統合部10と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、入力された画像の中から撮像対象に対応する画像領域を抽出する領域抽出装置および領域抽出プログラムに関するものである。
従来、デジタルカメラや、顕微鏡に備えた撮像装置などによって撮像することで取得した画像から、特定の撮像対象に対応する画像領域を抽出する画像処理技術が、様々な分野で利用され、重要な技術となっている(例えば、特許文献1および2参照)。
特許文献1に開示されている領域の抽出方法では、画像の中から撮像対象である人物の輪郭を抽出する際に、エッジ検出フィルタを用いて複数のエッジ点を求め、隣接するエッジ点を連結することによってエッジ線を形成し、楕円形状を示すエッジ線を人物の輪郭と判断して検出するようにしている。
特許文献2に開示されている輪郭抽出装置では、エネルギー最小化原理を利用した「スネークス」の理論に基づいて所望の対象物の輪郭を抽出するようにしている。すなわち、連続線で形成される輪郭モデルを初期設定するとともに、輪郭モデルの曲率や変化の状態、画像上のエッジや勾配のズレなどを定量的に表現したエネルギー評価関数を定義し、このエネルギー評価関数を最小化するように輪郭モデルの変形を繰り返すことによって対象物の輪郭を抽出するようにしている。
このようなスネークスによる手法では、従来、抽出対象とする対象物の輪郭モデルをオペレータがあらかじめ想定し、この対象物を取り囲むように輪郭モデルを初期設定する必要がある。このため、複数の対象物を抽出する場合や複数の画像から対象物を抽出する場合などには、対象物毎あるいは画像毎に輪郭モデルの初期設定を行わなければならず、かかる作業に多大な時間および負荷がかかるという問題があった。
これに対して特許文献2に開示されている輪郭抽出装置では、画像内のすべての抽出対象を取り囲む輪郭モデルを初期設定し、この輪郭モデルが変形過程で接触または交差した場合に、輪郭モデルを複数に分裂させることによって、対象物毎に輪郭モデルを初期設定することを必要とせずに複数の対象物の輪郭を抽出するようにしている。
特開平9−138471号公報 特開平8−329254号公報
しかしながら、上述した領域の抽出方法では、画像中のノイズ等をエッジ点として誤検出する、あるいはエッジ点の強度が弱い場合にエッジ線が途切れてしまうなどの影響により、所望の輪郭を安定して検出することが困難であるという問題があった。
また、上述した輪郭抽出装置では、対象物の形状が変化する、あるいは種々の対象物が複数存在するなどの場合に、対象物に忠実な輪郭を抽出できない場合があるという問題があった。さらに、この輪郭抽出装置では、輪郭候補点を結ぶ複数の線分の接触または交差を検出した場合に輪郭モデルを分裂させるようにしているため、複数の対象物が隣接し、輪郭候補点が検出できない場合には、隣接した各対象物の輪郭を抽出することができず、したがって、隣接した各対象物を識別することができないという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、取得した画像中のノイズ等に影響されることなく、また変形、隣接等の撮像対象の状態によらず、個々の撮像対象に対応する画像領域を安定して高精度に抽出することができる領域抽出装置および領域抽出プログラムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1にかかる領域抽出装置は、入力された画像の中から撮像対象に対応する画像領域である対象領域を抽出する領域抽出装置において、前記画像を平滑化した平滑化画像を生成する平滑化手段と、前記平滑化画像内の各画素が有する平滑化画素値に基づいて、前記平滑化画像の中から少なくとも前記撮像対象の一部を含む画像領域である初期領域を検出する初期領域検出手段と、前記初期領域の輪郭近傍画素が有する前記平滑化画素値に基づいて、前記輪郭近傍画素が前記対象領域を構成する対象領域画素であるか否かを判別し、判別結果に応じて前記初期領域の大きさおよび形状の少なくとも一方を変形して前記対象領域を成形する領域変形手段と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項2にかかる領域抽出装置は、入力された画像の中から撮像対象に対応する画像領域である対象領域を抽出する領域抽出装置において、前記画像を平滑化した平滑化画像を生成する平滑化手段と、前記平滑化画像内の各画素が有する平滑化画素値に基づいて、前記平滑化画像の中から少なくとも前記撮像対象の一部を含む画像領域である初期領域を検出する初期領域検出手段と、前記平滑化画像に含まれるエッジを検出したエッジ画像を生成するエッジ検出手段と、前記初期領域の輪郭近傍画素に対応する前記エッジ画像内の各画素が有するエッジ画素値に基づいて、前記輪郭近傍画素が前記対象領域を構成する対象領域画素であるか否かを判別し、判別結果に応じて前記初期領域の大きさおよび形状の少なくとも一方を変形して前記対象領域を成形する領域変形手段と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項3にかかる領域抽出装置は、上記の発明において、前記初期領域検出手段は、所定値より大きい前記平滑化画素値を有する各画素を、前記初期領域として検出することを特徴とする。
また、請求項4にかかる領域抽出装置は、上記の発明において、前記初期領域検出手段は、前記平滑化画像内の画素位置に対する前記平滑化画素値の分布形状が所定の条件を満たす画素群を、前記初期領域として検出することを特徴とする。
また、請求項5にかかる領域抽出装置は、上記の発明において、前記初期領域検出手段は、前記分布形状が凸状である画素群を、前記初期領域として検出することを特徴とする。
また、請求項6にかかる領域抽出装置は、上記の発明において、前記領域変形手段は、前記初期領域の外側に隣接する一連の隣接画素のうち、前記初期領域内にあって該初期領域の輪郭を構成する輪郭画素との間で、前記平滑化画素値が所定条件を満たす画素を前記対象領域画素であると判別し、該判別した隣接画素を取り込むように前記初期領域を変形することを特徴とする。
また、請求項7にかかる領域抽出装置は、上記の発明において、前記領域変形手段は、前記隣接画素と前記輪郭画素との間で前記平滑化画素値の画素値差が所定範囲内である前記隣接画素を前記対象領域画素であると判別することを特徴とする。
また、請求項8にかかる領域抽出装置は、上記の発明において、前記領域変形手段は、前記初期領域の外側に隣接する一連の隣接画素のうち、前記初期領域内にあって該初期領域の輪郭を構成する輪郭画素との間で、前記エッジ画素値が所定条件を満たす画素を前記対象領域画素であると判別し、該判別した隣接画素を取り込むように前記初期領域を変形することを特徴とする。
また、請求項9にかかる領域抽出装置は、上記の発明において、前記領域変形手段は、前記隣接画素と前記輪郭画素との間で前記エッジ画素値の画素値差が所定範囲内である前記隣接画素を前記対象領域画素であると判別することを特徴とする。
また、請求項10にかかる領域抽出装置は、上記の発明において、前記領域変形手段は、前記初期領域内にあって該初期領域の輪郭を構成する一連の輪郭画素のうち、前記初期領域の外側に隣接する隣接画素との間で、前記平滑化画素値が所定条件を満たす画素を前記対象領域外の画素であると判別し、該判別した輪郭画素を取り除くように前記初期領域を変形することを特徴とする。
また、請求項11にかかる領域抽出装置は、上記の発明において、前記領域変形手段は、前記隣接画素と前記輪郭画素との間で前記平滑化画素値の画素値差が所定範囲内である前記輪郭画素を前記対象領域外の画素であると判別することを特徴とする。
また、請求項12にかかる領域抽出装置は、上記の発明において、前記領域変形手段は、前記初期領域内にあって該初期領域の輪郭を構成する一連の輪郭画素のうち、前記初期領域の外側に隣接する隣接画素との間で、前記エッジ画素値が所定条件を満たす画素を前記対象領域外の画素であると判別し、該判別した輪郭画素を取り除くように前記初期領域を変形することを特徴とする。
また、請求項13にかかる領域抽出装置は、上記の発明において、前記領域変形手段は、前記隣接画素と前記輪郭画素との間で前記エッジ画素値の画素値差が所定範囲内である前記輪郭画素を前記対象領域外の画素であると判別することを特徴とする。
また、請求項14にかかる領域抽出装置は、上記の発明において、前記領域変形手段は、前記画素値差が前記所定範囲を超えるまで、前記対象領域画素であるか否かの判別および前記初期領域の変形を繰り返すことを特徴とする。
また、請求項15にかかる領域抽出装置は、上記の発明において、前記領域変形手段は、1つの前記初期領域の外側に隣接し、他の前記初期領域の外側に隣接していない画素であって前記所定条件を満たす隣接画素を、前記対象領域画素であると判別することを特徴とする。
また、請求項16にかかる領域抽出装置は、上記の発明において、前記領域変形手段は、前記初期領域の外側に隣接する一連のすべての隣接画素、または前記初期領域の外側に隣接する一連の隣接画素のうち所定割合以上の各隣接画素に対して、前記対象領域画素であるか否かの判別を行うことを特徴とする。
また、請求項17にかかる領域抽出装置は、上記の発明において、前記領域変形手段が変形した結果の画像領域である各変形領域の中から、隣接する該変形領域によって形成された隣接領域群を検出し、該検出した隣接領域群内の隣接した変形領域間の特徴を示す特徴量に基づいて、該隣接した変形領域同士を統合して前記対象領域を成形する領域統合手段を更に備えたことを特徴とする。
また、請求項18にかかる領域抽出装置は、上記の発明において、前記領域統合手段は、前記特徴量を算出し、該算出した特徴量をもとに前記変形領域同士を統合することを特徴とする。
また、請求項19にかかる領域抽出装置は、上記の発明において、前記領域統合手段は、前記各変形領域の輪郭近傍画素の中から処理対象の変形領域と異なる変形領域に含まれる画素を検出することによって前記隣接領域群を検出することを特徴とする。
また、請求項20にかかる領域抽出装置は、上記の発明において、前記領域変形手段が変形した結果の画像領域である各変形領域の中から、隣接する該変形領域によって形成された隣接領域群を検出し、該検出した隣接領域群内の変形領域間の境界線を示す境界画素および該境界線近傍の境界近傍画素が有する前記平滑化画素値に基づいて該変形領域間の特徴を示す特徴量を算出し、該算出した特徴量をもとに、該隣接領域群内の変形領域同士を統合して前記対象領域を成形する領域統合手段を更に備えたことを特徴とする。
また、請求項21にかかる領域抽出装置は、上記の発明において、前記領域統合手段は、前記境界線上の各境界画素と、該各境界画素近傍の境界近傍画素との前記平滑化画素値の差の平均値を前記特徴量として算出することを特徴とする。
また、請求項22にかかる領域抽出装置は、上記の発明において、前記領域変形手段が変形した結果の画像領域である各変形領域の中から、隣接する該変形領域によって形成された隣接領域群を検出し、該検出した隣接領域群内の変形領域間の境界線を示す境界画素および該境界線近傍の境界近傍画素が有する前記エッジ画素値に基づいて該変形領域間の特徴を示す特徴量を算出し、該算出した特徴量をもとに、該隣接領域群内の変形領域同士を統合して前記対象領域を成形する領域統合手段を更に備えたことを特徴とする。
また、請求項23にかかる領域抽出装置は、上記の発明において、前記領域統合手段は、前記境界線上の各境界画素と、該各境界画素近傍の境界近傍画素との前記エッジ画素値の差の平均値を前記特徴量として算出することを特徴とする。
また、請求項24にかかる領域抽出装置は、上記の発明において、前記領域統合手段は、前記検出した隣接領域群内の各変形領域の外側に隣接する一連の隣接画素を走査し、処理対象の変形領域と異なる変形領域の外側に隣接する隣接画素を前記境界画素として検出することを特徴とする。
また、請求項25にかかる領域抽出プログラムは、入力された画像の中から撮像対象に対応する画像領域である対象領域を抽出する領域抽出装置に、前記画像の中から前記対象領域を抽出させるための領域抽出プログラムにおいて、前記領域抽出装置に、前記画像を平滑化した平滑化画像を生成する平滑化手順と、前記平滑化画像内の各画素が有する平滑化画素値に基づいて、前記平滑化画像の中から少なくとも前記撮像対象の一部を含む画像領域である初期領域を検出する初期領域検出手順と、前記初期領域の各輪郭近傍画素が有する前記平滑化画素値に基づいて、前記各輪郭近傍画素が前記対象領域を構成する対象領域画素であるか否かを判別し、判別結果に応じて前記初期領域の大きさおよび形状の少なくとも一方を変形して前記対象領域を成形する領域変形手順と、を実行させることを特徴とする。
また、請求項26にかかる領域抽出プログラムは、入力された画像の中から撮像対象に対応する画像領域である対象領域を抽出する領域抽出装置に、前記画像の中から前記対象領域を抽出させるための領域抽出プログラムにおいて、前記領域抽出装置に、前記画像を平滑化した平滑化画像を生成する平滑化手順と、前記平滑化画像内の各画素が有する平滑化画素値に基づいて、前記平滑化画像の中から少なくとも前記撮像対象の一部を含む画像領域である初期領域を検出する初期領域検出手順と、前記平滑化画像に含まれるエッジを検出したエッジ画像を生成するエッジ検出手順と、前記初期領域の各輪郭近傍画素に対応する前記エッジ画像内の各画素が有するエッジ画素値に基づいて、前記各輪郭近傍画素が前記対象領域を構成する対象領域画素であるか否かを判別し、判別結果に応じて前記初期領域の大きさおよび形状の少なくとも一方を変形して前記対象領域を成形する領域変形手順と、を実行させることを特徴とする。
本発明にかかる領域抽出装置および領域抽出プログラムによれば、取得した画像中のノイズ等に影響されることなく、また変形、隣接等の撮像対象の状態によらず、個々の撮像対象に対応する画像領域を安定して高精度に抽出することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明にかかる領域抽出装置および領域抽出プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1にかかる領域抽出装置および領域抽出プログラムについて説明する。図1は、この実施の形態1にかかる領域抽出装置1の構成を示すブロック図である。図1に示すように、領域抽出装置1は、画像等の各種情報の入力を受け付ける入力部2と、入力された画像を処理する画像処理部3と、画像の表示等、各種情報の出力を行う出力部4と、画像等の各種情報を記憶する記憶部5と、領域抽出装置1の各部の処理および動作を制御する制御部6と、を備える。入力部2、画像処理部3、出力部4および記憶部5は、制御部6に電気的に接続されている。
入力部2は、撮像レンズ、CCD等の撮像素子およびA/D変換器を用いて実現される撮像装置を備え、この撮像装置が撮像して生成した観測画像を取得する。また、入力部2は、入力キー、マウス、タッチパネル、スイッチ等を備え、領域抽出装置1で処理する各種処理情報等の入力を受け付ける。
なお、入力部2が備える撮像装置には、デジタルカメラ、顕微鏡、視覚センサ等、デジタル画像を生成可能な各種形態の撮像装置が適用できる。また、入力部2は、USB、IEEE1394等の通信用インターフェース、あるいはフラッシュメモリ、CD、DVD、ハードディスク等の携帯型記憶媒体に対応するインターフェースを備え、これらのインターフェースを介して外部装置から観測画像を取得するようにしてもよい。
ここで、入力部2から入力される観測画像は、一例として、生体組織中のあらかじめ蛍光色素によって染色された細胞を撮像した画像であるとする。かかる細胞を撮像した観測画像では、色素の作用した細胞の該当部位が明るく観測される。なお、細胞の染色は、細胞全体を染色するものであってもよく、あるいは細胞核、アクチン、細胞膜等の特定部位のみを染色するものであってもよい。また、染色に用いる色素は、蛍光色素に限定されるものではなく、細胞のコントラストを一層鮮明にするものであって、コントラストの他に細胞の特性を変質させないものであれば任意の色素でよい。
なお、入力部2から入力される観測画像は、モノクロ画像、カラー画像、色差画像等、撮像対象としての細胞が識別できる画像であれば任意形態の画像でよい。また、観測画像に撮像される撮像対象は、細胞に限定して解釈する必要はなく、車両等の物体、人物、動物など任意の物体でよい。例えば人物を撮像対象とする場合には、温度分布を示す画像のように、画像上で撮像対象の存在する箇所が高コントラストで撮像されるような画像データを用いることができる。
画像処理部3は、平滑部7、初期領域検出部8、領域変形部9および領域統合部10を備え、入力部2から出力される観測画像を取得して処理する。なお、入力部2から出力される観測画像を記憶部5が取得して記憶することも可能であり、画像処理部3は、記憶部5に記憶された観測画像を取得して処理することもできる。
平滑部7は、入力部2から出力される観測画像を取得し、画像中のエッジ等、大きな画素値変化を示す画素値分布の構造を保存しながら観測画像を平滑化する。この平滑化によって、観測画像中のランダムノイズ等が除去される。また、平滑部7は、観測画像を平滑化した結果としての平滑化画像を生成し、初期領域検出部8、領域変形部9および領域統合部10に出力する。なお、平滑部7は、平滑化画像を、制御部6を介して記憶部5に出力して記憶させることもできる。
初期領域検出部8は、平滑部7から取得した平滑化画像内の各画素が有する画素値である平滑化画素値に基づいて、平滑化画像の中から撮像対象に対応する大まかな画像領域である初期領域を検出する。検出する初期領域は、少なくとも対応する撮像対象の一部を含む領域であればよく、撮像対象の一部のみを含む領域であっても、撮像対象の全体を含む領域であってもよい。ただし、検出する初期領域の輪郭は、撮像対象の輪郭と交差しないものとする。初期領域検出部8は、かかる初期領域を抽出対象としての撮像対象毎に検出する。また、初期領域検出部8は、検出した各初期領域の位置、形状、面積等の各種特徴量を対応付けた初期領域データを生成し、領域変形部9に出力する。なお、初期領域検出部8は、生成した初期領域データを、制御部6を介して記憶部5に出力して記憶させることもできる。
領域変形部9は、平滑部7からの平滑化画像と、初期領域検出部8からの初期領域データとを取得し、各初期領域を、それぞれ対応する撮像対象の輪郭形状に整合させるように変形する。具体的には、領域変形部9は、初期領域の輪郭近傍に位置する輪郭近傍画素の平滑化画素値に基づいて、この輪郭近傍画素が対象領域を構成する画素であるか否かを判別する。そして、この判別結果に応じて初期領域の大きさおよび形状の少なくとも一方を変形し、撮像対象の輪郭形状に整合した画像領域としての対象領域を成形する。
図2は、領域変形部9の詳細構成を示すブロック図である。図2に示すように、領域変形部9は、標識部9a、輪郭検出部9b、変形判定部9cおよび終了判定部9dを備える。標識部9aは、平滑化画像内の各初期領域に固有の領域標識を付与する。輪郭検出部9bは、標識部9aによって付与された領域標識を参照し、輪郭近傍画素として各初期領域の外側に隣接する隣接画素を検出する。変形判定部9cは、平滑化画素値に基づいて各隣接画素が対象領域を構成する対象領域画素であるか否かを判別し、判別結果に応じて初期領域を変形する。この変形判定部9cが変形した結果の画像領域である変形領域は、暫定的に対象領域とみなされる。
終了判定部9dは、変形判定部9cの処理状況に応じて、領域変形部9における処理を終了するか否かを判定する。また、終了判定部9dは、処理終了の判定を行った場合、各変形領域の位置、形状、面積等の各種特徴量を対応付けた変形領域データを生成し、領域統合部10に出力する。なお、終了判定部9dは、変形領域データを、制御部6を介して記憶部5に出力して記憶させることもできる。
領域統合部10は、平滑部7からの平滑化画像と、領域変形部9からの変形領域データとを取得し、隣接する変形領域によって形成された隣接領域群を検出する。そして、検出した隣接領域群内の隣接した変形領域間の特徴を示す特徴量に基づいて、この隣接した変形領域同士を統合して最終的な対象領域を成形する。
図3は、領域統合部10の詳細構成を示すブロック図である。図3に示すように、領域統合部10は、境界検出部10a、特徴量算出部10bおよび統合判定部10cを備える。境界検出部10aは、変形領域の領域標識を参照して、隣接した変形領域間の境界線を示す境界画素を検出する。特徴量算出部10bは、境界画素と境界線近傍の境界近傍画素とが有する平滑化画素値に基づいて、この境界線に対応する隣接した変形領域間の特徴量を算出する。
統合判定部10cは、特徴量算出部10bによって算出された特徴量に基づいて、隣接した変形領域同士を統合するか否かを判定し、判定結果に応じて変形領域を統合して対象領域を成形する。また、統合判定部10cは、変形領域の統合を完了し、領域統合部10における処理を終了する際、処理結果としての各対象領域の位置、形状、面積等の各種特徴量を対応付けた対象領域データを生成し、出力部4に出力する。このとき、統合判定部10cは、統合しなかった独立した変形領域をそのまま最終的な対象領域とみなし、かかる変形領域に対応する変形領域データを対象領域データとして出力する。なお、統合判定部10cは、対象領域データを、制御部6を介して記憶部5に出力して記憶させることもできる。
出力部4は、CRT、液晶ディスプレイ等を有する表示装置を備え、画像処理部3から出力される対象領域データを取得し、画像情報および数値情報として表示する。この表示では、出力部4は、画像情報および数値情報のいずれか一方のみを表示することができる。また、両方を同時もしくは切り換えて表示することができる。なお、画像処理部3から出力される対象領域データを記憶部5が取得して記憶することとして、出力部4は、記憶部5に記憶された対象領域データを取得して表示するようにしてもよい。また、出力部4は、対象領域データ以外にも観測画像、平滑化画像、初期領域データ、変形領域データ等を、画像処理部3もしくは記憶部5から取得して表示することができる。
記憶部5は、各種処理プログラム等があらかじめ記憶されたROMと、各種処理の処理パラメータ、処理データ等を記憶するRAMとを用いて実現される。記憶部5は、特に、画像処理部3に処理を実行させるためのプログラム、すなわち領域抽出装置1に観測画像の中から対象領域を抽出させるための領域抽出プログラムを記憶する。なお、記憶部5は、フラッシュメモリ、CD、DVD、ハードディスク等の携帯型記憶媒体を着脱可能な記憶部として備えるようにしてもよい。
制御部6は、記憶部5に記憶された各種処理プログラムを実行するCPU等を用いて実現される。制御部6は、特に、記憶部5に記憶された領域抽出プログラムを実行し、この領域抽出プログラムにしたがって画像処理部3が備える各構成部位の処理および動作を制御する。また、制御部6は、画像処理部3から出力される対象領域データを画像情報および数値情報として出力部4に表示させる制御を行う。なお、制御部6は、観測画像、平滑化画像、初期領域データ、変形領域データ、対象領域データ等を記憶部5から取得して出力部4に表示させる制御を行うこともできる。
ここで、領域抽出装置1が行う処理手順について説明する。図5は、制御部6が領域抽出プログラムを実行することによって、領域抽出装置1が観測画像を処理して表示する領域抽出処理の処理手順を示すフローチャートである。また、図4−1〜4−4は、図5に示す各処理ステップの処理結果を示す図であって、順に、観測画像、初期領域検出画像、領域変形画像および領域統合画像を示す模式図である。ただし、図4−1は、平滑化処理結果としての平滑化画像の説明にも用いる。また、図4−4に示す領域統合画像は、領域統合処理結果として最終的に確定された対象領域を示す画像であって、領域抽出処理結果としての対象領域画像でもある。
なお、図4−2〜4−4に示す各画像は、それぞれ初期領域データ、変形領域データおよび対象領域データに基づいて制御部6によって画像化されるものであり、領域抽出処理中に必ずしも生成される画像ではないが、ここでは、領域抽出処理の処理経過を説明する図として示している。
図5に示すように、まず、入力部2は、撮像対象としての細胞を撮像して観測画像を取得する(ステップS101)。このステップS101では、入力部2は、例えば図4−1に示すように、複数の細胞を撮像した画像を観測画像として取得する。入力部2は、取得した観測画像を平滑部7に出力する。
つぎに、平滑部7は、入力部2から取得した観測画像を平滑化して平滑化画像を生成する平滑化処理を行う(ステップS103)。このステップS103では、平滑部7は、図4−1に示すように、観測画像中の細胞領域の構造を保存したまま平滑化を行い、観測画像中のノイズ等を除去した平滑化画像を生成する。平滑部7は、生成した平滑化画像を初期領域検出部8、領域変形部9および領域統合部10に出力する。
つづいて、初期領域検出部8は、平滑部7から取得した平滑化画像の中から各細胞に対応する初期領域を検出し、検出した各初期領域の初期領域データを生成する初期領域検出処理を行う(ステップS105)。このステップS105では、初期領域検出部8は、例えば図4−2に示すように、各細胞領域の少なくとも一部を含む初期領域を検出する。初期領域検出部8は、生成した初期領域データを領域変形部9に出力する。
つぎに、領域変形部9は、平滑部7から取得した平滑化画像の平滑化画素値に基づいて、初期領域検出部8から取得した初期領域データで示される各初期領域を、撮像対象の輪郭形状に整合させるように変形し、変形結果としての各変形領域の変形領域データを生成する領域変形処理を行う(ステップS107)。このステップS107では、領域変形部9は、図4−3に示すように、各初期領域を段階的に膨張変形させた結果として、観測画像中の各細胞の輪郭形状に整合する変形領域を形成する。領域変形部9は、生成した変形領域データを領域統合部10に出力する。
つづいて、領域統合部10は、平滑部7から取得した平滑化画像の平滑化画素値に基づいて、隣接領域群を検出するとともに隣接領域群内の隣接した変形領域間の特徴量を算出し、算出した特徴量に基づいて、隣接した変形領域同士を統合し、統合結果としての対象領域データを生成する領域統合処理を行う(ステップS109)。このステップS109では、領域統合部10は、例えば図4−3に示す領域変形画像中で隣接した変形領域TA5,TA6を統合し、図4−4に示すように、対象領域OA5として成形する。また、領域統合部10は、統合しなかった独立した変形領域TA1〜TA4を、それぞれ最終的な対象領域OA1〜OA4とみなし、各対象領域の対象領域データを生成する。領域統合部10は、生成した対象領域データを出力部4に出力する。
つぎに、出力部4は、領域統合部10から出力された対象領域データに基づく画像情報および数値情報の少なくとも一方を、領域抽出処理の抽出結果として表示する(ステップS111)。このステップS111では、出力部4は、抽出結果を画像情報として表示する場合に、図4−4に示すような対象領域画像を表示する。このとき、出力部4は、対象領域に対応付けられた領域標識毎に、例えば対象領域内の各画素値を同一値とする、各画素を同一色とする、あるいは対象領域内を統一した模様とする等によって表示する。
ステップS111の後、制御部6は、一連の領域抽出処理を終了する。ただし、制御部6は、例えば所定の処理終了の指示情報等を受け付けるまでステップS101〜S111の処理を繰り返して行うこともできる。また、ステップS101において入力部2から観測画像を取得する代わりに、記憶部5に記憶された観測画像を取得してステップS103以降の処理を実行することもできる。さらに、ステップS101〜S109を処理する代わりに、記憶部5に記憶された対象領域データに基づいてステップS111を実行することもできる。また、対象領域データ以外にも、観測画像、平滑化画像、初期領域データ、領域変形データ等に基づいて、ステップS111を実行することもできる。
つぎに、図5に示したステップS103〜S109について、より具体的に各処理内容を説明する。まず、ステップS103では、平滑部7は、図6−1に示すように、観測画像中の処理対象の画素である注目画素OPを中心とする近傍の5×5画素パターンPAを参照し、この5×5画素パターンPA内の所定の3×3画素パターン毎に算出される画素値の分散値および平均値に基づいて、注目画素OPの平滑化画素値を設定する。
すなわち、平滑部7は、5×5画素パターンPAを、例えば図6−2に示すように9種の3×3画素パターンPA1〜PA9に分割し、分割した3×3画素パターンPA1〜PA9毎に、斜線で示す複数の選択画素が有する画素値の分散値を算出する。そして、平滑部7は、最も小さい分散値を示す3×3画素パターンを抽出し、抽出した3×3画素パターン内の選択画素が有する画素値の平均値を算出し、この算出した平均値を注目画素OPの平滑化画素値として設定する。
平滑部7は、かかる平滑化画素値の設定を、観測画像を構成する各画素に対して行うことによって、観測画像を平滑化する。なお、注目画素OPに対応して参照する画素パターンを5×5画素に限定する必要はなく、参照する画素数を増減して構わない。また、参照する画素パターン内で分割する各画素パターンを3×3画素に限定する必要はなく、各画素パターン内の画素数を増減してもよい。
さらに、平滑部7による平滑化方法は、上述した方法に限定して解釈する必要はない。例えば、注目画素に対して所定範囲内の各近傍画素の画素値を参照し、中心部に重み付けした平均値を算出して、注目画素の平滑化画素値としてもよい。あるいは、k−最近傍法を利用して平滑化画素値を設定してもよい。すなわち、注目画素に対する所定範囲内の近傍画素の中から、注目画素の画素値に最も近い画素値を有するk個の画素を抽出し、抽出した画素の画素値の平均値を算出して、注目画素の平滑化画素値としてもよい。
また、選択平均法を利用して平滑化画素値を設定してもよい。すなわち、注目画素に対して所定範囲内にあるエッジを検出し、検出したエッジ方向に沿った近傍画素が有する画素値の平均値を算出して、注目画素の平滑化画素値としてもよい。さらに、メディアンフィルタ、バイラテラルフィルタ等の公知のフィルタを用いて平滑化してもよい。
つぎに、ステップS105の初期領域検出処理について説明する。ステップS105では、初期領域検出部8は、平滑化画像を構成する各画素の中から、所定値よりも大きい平滑化画素値を有する各画素を初期領域として検出する。このとき、初期領域検出部8は、画素毎に平滑化画素値が所定値よりも大きいか否かを判定し、大きいと判定した画素に「1」の値、大きくないと判定した画素に「0」の値を設定する。そして、「1」が設定された画素の集合を初期領域として検出する。
なお、判定結果に応じて各画素に設定する値は、「1」、「0」に限定する必要はなく、判定結果が判別できるものであれば、他の数値、アルファベット、記号等を用いてもよい。また、平滑化画素値の判定基準とする所定値は、平滑化画像内のすべての画素に対して固定値としてもよいが、判定対象とする画素の平滑化画像内での位置、平滑化画素値等に応じた変動値としてもよい。あるいは、この所定値は、所定の大きさの画素ブロックにおける平均画素値としてもよく、判別分析法等の公知の方法を利用して求められる値としてもよい。
また、初期領域検出部8による初期領域の検出方法は、上述した方法に限定して解釈する必要はない。例えば図7に示すように、平滑化画素値の分布形状が所定の条件を満たす画素群を初期領域として検出するようにしてもよく、より具体的には、この分布形状が凸状である画素群を初期領域として検出してもよい。ここで、図7は、平滑化画素値の分布形状を示しており、横軸が平滑化画像内の画素位置を示し、縦軸が平滑化画素値を示している。
初期領域検出部8は、例えば図7に示すように、注目画素P1に対して対称に所定間隔Dだけ離隔した画素P2,P3を参照する。そして、画素P2,P3が有する画素値v2,v3の平均画素値v23と比較し、注目画素P1の画素値v1が大きい場合に、注目画素P1を初期領域を構成する画素として検出する。この検出処理を平滑化画像全体に渡って繰り返すことによって、初期領域検出部8は、平滑化画素値の分布形状が凸状である画素群としての初期領域を検出することができる。
また、初期領域検出部8は、平滑化画素値の分布形状が凸状である場合に限らず、例えば分布形状が局所的に極大値を示す画素群を初期領域として検出してもよい。なお、初期領域検出部8による初期領域の検出方法には、上述した方法に限定されず様々な方法が適用可能である。
つぎに、ステップS107の領域変形処理について説明する。図8は、領域変形処理の処理手順を示すフローチャートである。図8に示すように、まず、標識部9aは、初期領域検出部8によって検出された各初期領域に固有の領域標識を付与するラベリング処理を行う(ステップS121)。ここで、標識9aによって付与される領域標識は、固有のものであれば番号、アルファベット、記号等を用いた任意の表記でよい。
つづいて、輪郭検出部9bは、各初期領域の輪郭を示す輪郭画素を検出し、さらに輪郭画素に隣接する画素である隣接画素の検出を行う(ステップS123)。変形判定部9cは、検出された隣接画素毎に、対象領域を構成する画素であるか否かを判別し、判別結果に応じて初期領域を変形する(ステップS125)。その後、終了判定部9dは、ステップS125において初期領域を変形させたか否かを判断する(ステップS127)。
初期領域を変形させた場合(ステップS127:Yes)、制御部6は、ステップS123からの処理を繰り返す。一方、初期領域を変形していない場合(ステップS127:No)、制御部6は、すべての初期領域を処理したか否かを判断し(ステップS129)、すべてを処理していない場合(ステップS129:No)、処理していない初期領域に対してステップS123からの処理を繰り返す。すべてを処理している場合(ステップS129:Yes)、制御部6は、終了判定部9dから変形領域データを出力させた後、ステップS107にリターンする。
ステップS123では、輪郭検出部9bは、標識9aによって付与された領域標識を参照し、各初期領域の外側に隣接する一連の画素を隣接画素として検出する。すなわち、輪郭検出部9bは、領域標識が付与されていない各画素について、縦横および斜め方向に隣接する画素に領域標識が付与されているか否かを検索し、領域標識が付与されている場合、この処理対象の画素を隣接画素と判定して検出する。このようにして、輪郭検出部9bは、例えば図9に示すように、初期領域IA1の外側に隣接する斜線で示された一連の画素を隣接画素として検出する。
ここで、図9は、初期領域検出画像を例示する模式図であり、初期領域の一部を拡大表示した図である。図中、個々の矩形領域は画素を示し、太線で囲まれた領域IA1,IA2は、それぞれ異なる初期領域の一部を示している。
ステップS125では、変形判定部9cは、一連の隣接画素のうち、初期領域内にあって該初期領域の輪郭を構成する輪郭画素との間で、平滑化画素値が所定条件を満たす画素を対象領域画素であると判別し、この判別した隣接画素を取り込むように初期領域を膨張変形する。より具体的には、変形判定部9cは、隣接画素と輪郭画素との間で平滑化画素値の画素値差を算出し、算出した画素値差が所定範囲内である場合に、この隣接画素を対象領域画素であると判別する。そして、この対象領域画素であると判別した隣接画素を初期領域に取り込むように変形を行う。なお、初期領域に取り込まれた隣接画素には、この初期領域と同じ領域標識が新たに付与される。
また、変形判定部9cは、隣接画素と輪郭画素との間で平滑化画素値の画素値差を算出し、算出した画素値差が所定範囲を超えている場合には、この隣接画素を初期領域に取り込む画素としない。さらに、変形判定部9cは、隣接画素が異なる複数の初期領域と隣接している場合には、この隣接画素を初期領域に取り込む画素としない。換言すると、変形判定部9cは、1つの初期領域のみに隣接する画素であって、算出した画素値差が所定範囲内にある隣接画素を対象領域画素であると判別し、初期領域に取り込む画素とする。
このようなステップS125における処理を、変形判定部9cは、輪郭検出部9bによって検出された一連のすべての隣接画素に対して実行する。ただし、変形判定部9cは、一連の隣接画素のうち所定割合以上の隣接画素に対してのみ実行することも可能であり、例えば所定間隔ずつ離隔した各隣接画素に対してのみ実行することが可能である。
例えば図9に示す初期領域IA1に対して、変形判定部9cは、隣接画素としての画素Px0と、輪郭画素としての画素Px1〜Px3との間で画素値差を算出し、算出した画素値差が所定範囲内である場合に、画素Px0を対象領域画素であると判別する。より具体的には、変形判定部9cは、画素Px0と画素Px1、画素Px0と画素Px2、画素Px0と画素Px3のそれぞれの画素間での画素値差がすべて所定範囲内である場合に、画素Px0を対象領域画素であると判別する。
そして、変形判定部9cは、同様の判別処理を斜線で示されるすべての隣接画素に対して行った後、対象領域画素であると判別した各隣接画素を初期領域IA1内に取り込むように、初期領域IA1を膨張変形する。なお、変形判定部9cは、2つの初期領域IA1,IA2に隣接する画素Px4〜Px6を、いずれの初期領域にも取り込む画素としない。
ここで、変形判定部9cは、初期領域IA1の斜線で示される隣接画素のうち、例えば○印を付して示される1画素ずつ離隔した隣接画素に対してのみ判別処理を行うこともできる。この場合、○印を付していない処理対象外の隣接画素が対象領域画素であるか否かの判別は、例えば近傍の○印を付した隣接画素に対する判別結果から推定して行うとよい。このように処理対象とする隣接画素を削減することによって、領域変形処理における処理負荷および処理時間を軽減することができる。
なお、対象領域であるか否かの判別処理では、変形判定部9cは、処理対象の隣接画素に対して算出した複数の画素値差におけるすべての画素値差が所定範囲内である場合以外にも、例えば所定数以上もしくは所定割合以上の画素値差が所定範囲内である場合に、この処理対象の画素を対象領域画素であると判別するようにしてもよい。
ステップS127では、終了判定部9dは、直前のステップS125によって初期領域の変形が行われたか否かによって、処理対象の初期領域に対する領域変形処理の終了または継続を判定する。ここで、直前に初期領域の変形が行われた場合には、さらに初期領域を変形する必要性が高いものとして、領域変形処理の継続を判定する。一方、初期領域の変形が行われなかった場合には、さらに初期領域を変形する必要性が低いものとして、領域変形処理の終了を判定する。
このようにして、領域変形部9では、変形判定部9cによって算出された画素値差が所定範囲を超えるまで、各隣接画素が対象領域画素であるか否かの判別、およびこの判別結果に基づいた初期領域の変形を繰り返すこととしている。
なお、ここでは、領域変形処理を、初期領域の変形が行われなくなるまで、すなわち初期領域に取り込まれる隣接画素がなくなるまで繰り返すこととしたが、これに限定して解釈する必要はなく、例えば、初期領域に取り込まれる隣接画素数が所定数以下となった場合、あるいは領域変形処理を所定回数だけ繰り返した場合などに、領域変形処理を終了することもできる。
また、上述した領域変形処理では、変形判定部9cは、隣接画素を新たに取り込むことによって初期領域を膨張変形することとしたが、これとは逆に、輪郭画素を初期領域から取り除くことによって初期領域を収縮変形させることもできる。この場合、隣接画素と輪郭画素との画素値差が所定範囲内である場合に、この輪郭画素を対象領域外の画素であると判別する。なお、このように初期領域を収縮変形させる場合には、初期領域検出部8は、各撮像対象に対応する領域を個別に包含するように初期領域を検出する。
さらに、上述した領域変形処理では、隣接画素が対象領域を構成する画素であるか否かを判別して初期領域を膨張変形するようにしていたが、隣接画素の替わりに、初期領域の輪郭から所定間隔外側に離隔した画素を検出し、この検出した画素が対象領域を構成する画素であるか否かを判別して初期領域を膨張変形することもできる。また、初期領域を収縮変形させる場合には、輪郭画素の替わりに、初期領域の輪郭から所定間隔内側に離隔した画素を用い、この画素と輪郭画素とを初期領域から取り除くようにして初期領域を収縮変形することもできる。
つぎに、ステップS109の領域統合処理について説明する。図10は、領域統合処理の処理手順を示すフローチャートである。図10に示すように、まず、境界検出部10aは、変形領域データをもとに、隣接領域群を検出し(ステップS141)、隣接領域群内の境界画素を検出する(ステップS143)。つづいて、特徴量算出部10bは、隣接領域群内の隣接した変形領域間の特徴量を算出する(ステップS145)。その後、統合判定部10cは、算出された特徴量が所定値より小さいか否かを判断し(ステップS147)、所定値より小さい場合(ステップS147:Yes)、隣接した変形領域を統合する(ステップS149)。
そして、制御部6は、すべての変形領域を処理したか否かを判断し(ステップS151)、すべてを処理していない場合(ステップS151:No)、処理していない変形領域に対してステップS141からの処理を繰り返す。すべてを処理している場合(ステップS151:Yes)、制御部6は、統合判定部10cから対象領域データを出力させた後、ステップS109にリターンする。なお、ステップS147によって特徴量が所定値より小さくないと判断された場合には(ステップS147:No)、統合判定部10cは、変形領域の統合を行わず、制御部6は、ステップS151の判断を行う。
ステップS141では、境界検出部10aは、変形領域の輪郭近傍画素を参照し、輪郭近傍画素の中から、この変形領域と異なる変形領域に隣接する画素を検出することによって隣接領域群を検出する。より具体的には、境界検出部10aは、変形領域の外側に隣接する一連の隣接画素を走査し、隣接画素の周囲に、この変形領域と異なる変形領域の領域標識を有する画素を検出した場合、この変形領域が他の変形領域と隣接しているものと判定し、これら変形領域の組を隣接領域群として検出する。
ステップS143では、境界検出部10aは、変形領域の外側に隣接する一連の隣接画素を走査し、走査した隣接画素の中から、この変形領域と異なる変形領域に含まれる画素に隣接する隣接画素を、隣接した変形領域間の境界画素として検出する。より具体的には、境界検出部10aは、隣接画素を走査する際、隣接画素毎に縦横および斜め方向に隣接する8つの画素が有する領域標識を参照し、互いに異なる領域標識を有する画素を検出した場合、処理対象の隣接画素を境界画素と判定して検出する。
ステップS145では、特徴量算出部10bは、ステップS143によって検出された各境界線に対して、境界画素と境界近傍画素とが有する平滑化画素値に基づいて、この境界画素を挟んで隣接した変形領域間の特徴量を算出する。より具体的には、特徴量算出部10bは、境界画素と、この境界画素近傍に位置する境界近傍画素との平滑化画素値の差の平均値を、隣接した変形領域間の特徴量として算出する。ここで、境界近傍画素としては、例えば処理対象の境界画素から、境界線の法線方向に所定画素数離れた画素を選択するとよい。
特徴量算出部10bは、例えば図11に示すように、隣接した変形領域AR1,AR2の境界線A−Bの法線方向に、境界線A−Bから互いに反対側に所定画素数離れた曲線A’−B’,A”−B”を設定する。そして、境界線A−B上の境界画素毎に、法線方向に対応する曲線A’−B’上の画素および曲線A”−B”上の画素との間で、平滑化画素値の画素値差をそれぞれ算出する。特徴量算出部10bは、かかる画素値差を、境界線A−B上のすべての境界画素に対して算出し、算出したすべての画素値差の平均値を変形領域AR1,AR2間の特徴量として算出する。
なお、特徴量算出部10bは、平均値に限らず、画素値差の最大値、最小値、標準偏差等の統計量を特徴量として算出することもできる。また、特徴量算出部10bは、平滑化画素値の画素値差に基づいて特徴量を算出するばかりでなく、例えば隣接した各変形領域の輪郭線の交差角等に基づいて特徴量を算出することもできる。
ステップS149では、統合判定部10cは、ステップS147によって特徴量が所定値よりも小さいと判断された場合に、隣接領域群内の隣接した変形領域同士を統合する。このとき、統合判定部10cは、隣接した各変形領域の領域標識のうち、いずれか一方の領域標識によって他方の領域標識を書き換える。なお、ステップS147における判断は、特徴量が小さい場合、隣接した変形領域間の変化が小さく同一の変形領域であるとみなせることに基づいている。
以上説明したように、本実施の形態1にかかる領域抽出装置1および領域抽出プログラムでは、入力された観測画像に対して、まず平滑化処理を行い、平滑化画像に基づいて対象領域を抽出するようにしているため、観測画像中に含まれるノイズ等の影響を受けることなく安定して高精度に対象領域を抽出することができる。
また、本実施の形態1にかかる領域抽出装置1および領域抽出プログラムでは、平滑化画素値の大きさ、分布形状等が所定の条件を満足する画素群を初期領域として検出するようにしているため、例えば複数の対象領域が隣接する場合にも、各対象領域に対応する個別の初期領域を確実に検出することができる。
さらに、本実施の形態1にかかる領域抽出装置1および領域抽出プログラムでは、かかる初期領域の外側に隣接する一連のすべての隣接画素、または一連の隣接画素のうち所定割合以上の各隣接画素に基づいて初期領域を変形し、対象領域を成形するようにしているため、撮像対象の形状が変化する場合でも、撮像対象の状態によらず、撮像対象の輪郭形状に高精度に整合した対象領域を抽出することができる。
また、本実施の形態1にかかる領域抽出装置1および領域抽出プログラムでは、初期領域検出部8によって各撮像対象に対応する初期領域を検出し、領域変形部9によって各初期領域を変形して変形領域を成形し、領域統合部10によって隣接した変形領域を統合して対象領域を成形するようにしているため、撮像対象の数、位置等をあらかじめ指定するなどの初期設定を必要とすることなく、全自動的に対象領域を抽出することができる。
なお、本実施の形態1にかかる領域抽出装置1では、隣接した変形領域を統合する領域統合部10を備えるものとして説明したが、隣接した変形領域を統合する必要がない、隣接した撮像対象を扱わない等の場合には、必ずしも備えなくてもよい。また、領域統合部10を備える場合にも、例えば所定の指示情報に応じて領域統合処理を省略可能としてもよい。このように領域統合処理を行わない場合には、領域変形処理後の各変形領域を対象領域とみなし、変形領域データを対象領域データとして領域抽出結果とすればよい。
また、本実施の形態1にかかる領域抽出装置1および領域抽出プログラムでは、領域統合処理を領域変形処理後に実行するものとして説明したが、領域統合処理を領域変形処理に組み込んで実行するようにしてもよい。この場合、領域変形部9は、各初期領域を順次変形する過程で、隣接する初期領域の検出を随時行い、検出された段階で領域統合処理を行うとよい。
(実施の形態2)
つぎに、本発明の実施の形態2について説明する。上述した実施の形態1では、平滑化画像に基づいて、領域変形処理と領域統合処理とを行うようにしていたが、この実施の形態2では、平滑化画像に含まれるエッジを検出したエッジ検出画像に基づいて、領域変形処理と領域統合処理とを行うようにしている。
図12は、本発明の実施の形態2にかかる領域抽出装置21の構成を示すブロック図である。図12に示すように、領域抽出装置21は、領域抽出装置1の構成をもとに、画像処理部3および制御部6に替えて画像処理部23および制御部26を備える。また、画像処理部23は、画像処理部3の構成をもとに、領域変形部9および領域統合部10に替えて領域変形部29および領域統合部30を備え、新たにエッジ検出部31を備える。
また、図13および図14は、それぞれ領域変形部29および領域統合部30の詳細構成を示すブロック図である。領域変形部29は、図13に示すように、領域変形部9の構成をもとに、変形判定部9cに替えて変形判定部29cを備える。領域統合部30は、図14に示すように、領域統合部10の構成をもとに、特徴量算出部10bに替えて特徴量算出部30bを備える。領域抽出装置21のその他の構成は、実施の形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
エッジ検出部31は、平滑部7から出力される平滑化画像を取得し、取得した平滑化画像に含まれるエッジをフィルタ処理によって検出し、検出したエッジを示すエッジ画像を生成する。エッジ検出部31は、例えばソーベルフィルタ、ラプラシアンフィルタ、プレウィットフィルタを用いてエッジを検出する。また、エッジ検出部31は、生成したエッジ画像を領域変形部29および領域統合部30に出力する。なお、エッジ検出部31は、エッジ画像を、制御部26を介して記憶部5に出力して記憶させることもできる。
領域変形部29は、領域変形部9と同様の処理を実行する。ただし、領域変形部29は、領域変形部9が変形判定部9cによって平滑部7から平滑化画像を取得していた替わりに、領域変形部29cによってエッジ検出部31からエッジ画像を取得する。また、領域変形部9が変形判定部9cによって、平滑化画素値に基づいて対象領域画像であるか否かの判別処理を行っていた替わりに、領域変形部29は、変形判定部29cによって、エッジ画像内の各画素が有するエッジ画素値に基づいて、対象領域画素であるか否かの判別処理を行う。
領域統合部30は、領域統合部10と同様の処理を実行する。ただし、領域統合部30は、領域統合部10が特徴量算出部10bによって平滑部7から平滑化画像を取得していた替わりに、特徴量算出部30bによってエッジ検出部31からエッジ画像を取得する。また、領域統合部10が特徴量算出部10bによって、平滑化画素値に基づいて、隣接した変形領域間の特徴量を算出していた替わりに、領域統合部30は、特徴量算出部30bによって、エッジ画素値に基づいて特徴量を算出する。
ここで、領域抽出装置21が行う処理手順について説明する。図15は、制御部26が領域抽出プログラムを実行することによって、領域抽出装置21が観測画像を処理して表示する領域抽出処理の処理手順を示すフローチャートである。また、図16は、図15に示すエッジ検出処理の処理結果として、エッジ検出部31が生成するエッジ画像を示す模式図である。なお、図16は、図4−1に示した平滑化画像から生成されるエッジ画像を例示している。
図15に示すように、まず、入力部2、平滑部7および初期領域検出部8は、それぞれ順に、図5に示したステップS101〜S105と同様に、観測画像の取得(ステップS161)、平滑化処理(ステップS163)および初期領域検出処理(ステップS165)を行う。
つぎに、エッジ検出部31は、平滑部7から取得した平滑化画像の中からエッジを検出してエッジ画像を生成するエッジ検出処理を行う(ステップS167)。このステップS167では、エッジ検出部31は、例えば図16に示すように、図4−1に示した平滑化画像内の各細胞領域のエッジを検出して画像化する。エッジ検出部31は、生成したエッジ画像を領域変形部29および領域統合部30に出力する。なお、ステップS167とステップS165との処理順序は、交換してもよい。
つづいて、領域変形部29、領域統合部30および出力部4は、それぞれ順に、図5に示したステップS107〜S111と同様に、領域変形処理(ステップS169)、領域統合処理(ステップS171)および抽出結果の表示(ステップS173)を行い、その後、制御部26は、一連の領域抽出処理を終了する。
ただし、ステップS169では、領域変形部29は、ステップ107において平滑化画素値に基づいて対象領域画素であるか否かの判断処理を行った替わりに、エッジ画素値に基づいてこの判断処理を行うようにしている。すなわち、変形判定部29cは、初期領域の外側に隣接する一連の隣接画素のうち、輪郭画素との間でエッジ画素値が所定条件を満たす画素を対象領域画素であると判別し、この判別した隣接画素を取り込むように初期領域を膨張変形する。より具体的には、変形判定部29cは、隣接画素と輪郭画素との間でエッジ画素値の画素値差を算出し、算出した画素値差が所定範囲内である場合に、この隣接画素を対象領域画素であると判別する。
また、変形判定部29cは、隣接画素と輪郭画素との間でエッジ画素値の画素値差を算出し、算出した画素値差が所定範囲を超えている場合には、初期領域に取り込む画素としない。さらに、変形判定部29cは、隣接画素が異なる複数の初期領域と隣接している場合には、この隣接画素を初期領域に取り込む画素としない。換言すると、変形判定部29cは、1つの初期領域のみに隣接する画素であって、算出した画素値差が所定範囲内にある隣接画素を対象領域画素であると判別し、初期領域に取り込む画素とする。
なお、変形判定部29cは、変形判定部9cと同様に、輪郭画素を取り除くことによって初期領域を収縮変形させることもできる。
一方、ステップS171では、領域統合部30は、ステップS109において平滑化画素値に基づいて、隣接した変形領域間の特徴量を算出した替わりに、エッジ画素値に基づいてこの特徴量を算出するようにしている。すなわち、特徴量算出部30bは、境界画素と境界近傍画素とが有するエッジ画素値に基づいて、この境界画素を挟んで隣接した変形領域間の特徴量を算出する。より具体的には、特徴量算出部30bは、境界画素と、この境界画素近傍に位置する境界近傍画素とのエッジ画素値の差の平均値を、隣接した変形領域間の特徴量として算出する。
なお、領域抽出装置21でも、領域抽出装置1と同様に、隣接した変形領域を統合する必要がない場合、隣接した撮像対象を扱わない場合等には、必ずしも領域統合部30を備えなくてもよい。また、領域統合部30を備える場合にも、例えば所定の指示情報に応じて領域統合処理を省略可能としてもよい。
以上説明したように、本実施の形態2にかかる領域抽出装置21および領域抽出プログラムでは、エッジ画素値に基づいて初期領域の変形および変形領域の統合を行うようにしているため、一層厳密に撮像対象の輪郭形状に整合した対象領域を整形して抽出することができる。
なお、上述した実施の形態1および2にかかる領域抽出装置で用いた平滑化画素値、エッジ画素値等の画素値には、輝度値、濃淡値、諧調値、強度値等が含まれる。特に、エッジ画素値には、検出したエッジの強度を示すエッジ強度値が含まれる。実施の形態1および2にかかる領域抽出装置は、入力される観測画像の形態に応じて、画素値としての値をかかる各種の値の中から適宜選択して処理することが可能である。
本発明の実施の形態1にかかる領域抽出装置の構成を示すブロック図である。 図1に示した領域変形部の詳細構成を示すブロック図である。 図1に示した領域統合部の詳細構成を示すブロック図である。 図1に示した領域抽出装置に入力される観測画像の一例を示す図である。 図4−1に示した観測画像をもとに生成される初期領域検出画像を示す図である。 図4−1に示した観測画像をもとに生成される領域変形画像を示す図である。 図4−1に示した観測画像をもとに生成される領域統合画像を示す図である。 図1に示した領域抽出装置が行う処理手順を示すフローチャートである。 図5に示した平滑処理の処理方法を説明する図である。 図5に示した平滑処理の処理方法を説明する図である。 図5に示した初期領域検出処理の処理方法を説明する図である。 図5に示した領域変形処理の処理手順を示すフローチャートである。 図5に示した領域変形処理の処理方法を説明する図である。 図5に示した領域統合処理の処理手順を示すフローチャートである。 図5に示した領域統合処理の処理方法を説明する図である。 本発明の実施の形態2にかかる領域抽出装置の構成を示すブロック図である。 図12に示した領域変形部の詳細構成を示すブロック図である。 図12に示した領域統合部の詳細構成を示すブロック図である。 図12に示した領域抽出装置が行う処理手順を示すフローチャートである。 図15に示したエッジ検出処理によって生成されるエッジ画像を示す図である。
符号の説明
1,21 領域抽出装置
2 入力部
3,23 画像処理部
4 出力部
5 記憶部
6,26 制御部
7 平滑部
8 初期領域検出部
9,29 領域変形部
9a 標識部
9b 輪郭検出部
9c,29c 変形判定部
9d 終了判定部
10,30 領域統合部
10a 境界検出部
10b,30b 特徴量算出部
10c 統合判定部
31 エッジ検出部

Claims (26)

  1. 入力された画像の中から撮像対象に対応する画像領域である対象領域を抽出する領域抽出装置において、
    前記画像を平滑化した平滑化画像を生成する平滑化手段と、
    前記平滑化画像内の各画素が有する平滑化画素値に基づいて、前記平滑化画像の中から少なくとも前記撮像対象の一部を含む画像領域である初期領域を検出する初期領域検出手段と、
    前記初期領域の輪郭近傍画素が有する前記平滑化画素値に基づいて、前記輪郭近傍画素が前記対象領域を構成する対象領域画素であるか否かを判別し、判別結果に応じて前記初期領域の大きさおよび形状の少なくとも一方を変形して前記対象領域を成形する領域変形手段と、
    を備えたことを特徴とする領域抽出装置。
  2. 入力された画像の中から撮像対象に対応する画像領域である対象領域を抽出する領域抽出装置において、
    前記画像を平滑化した平滑化画像を生成する平滑化手段と、
    前記平滑化画像内の各画素が有する平滑化画素値に基づいて、前記平滑化画像の中から少なくとも前記撮像対象の一部を含む画像領域である初期領域を検出する初期領域検出手段と、
    前記平滑化画像に含まれるエッジを検出したエッジ画像を生成するエッジ検出手段と、
    前記初期領域の輪郭近傍画素に対応する前記エッジ画像内の画素が有するエッジ画素値に基づいて、前記輪郭近傍画素が前記対象領域を構成する対象領域画素であるか否かを判別し、判別結果に応じて前記初期領域の大きさおよび形状の少なくとも一方を変形して前記対象領域を成形する領域変形手段と、
    を備えたことを特徴とする領域抽出装置。
  3. 前記初期領域検出手段は、所定値より大きい前記平滑化画素値を有する各画素を、前記初期領域として検出することを特徴とする請求項1または2に記載の領域抽出装置。
  4. 前記初期領域検出手段は、前記平滑化画像内の画素位置に対する前記平滑化画素値の分布形状が所定の条件を満たす画素群を、前記初期領域として検出することを特徴とする請求項1または2に記載の領域抽出装置。
  5. 前記初期領域検出手段は、前記分布形状が凸状である画素群を、前記初期領域として検出することを特徴とする請求項4に記載の領域抽出装置。
  6. 前記領域変形手段は、前記初期領域の外側に隣接する一連の隣接画素のうち、前記初期領域内にあって該初期領域の輪郭を構成する輪郭画素との間で、前記平滑化画素値が所定条件を満たす画素を前記対象領域画素であると判別し、該判別した隣接画素を取り込むように前記初期領域を変形することを特徴とする請求項1に記載の領域抽出装置。
  7. 前記領域変形手段は、前記隣接画素と前記輪郭画素との間で前記平滑化画素値の画素値差が所定範囲内である前記隣接画素を前記対象領域画素であると判別することを特徴とする請求項6に記載の領域抽出装置。
  8. 前記領域変形手段は、前記初期領域の外側に隣接する一連の隣接画素のうち、前記初期領域内にあって該初期領域の輪郭を構成する輪郭画素との間で、前記エッジ画素値が所定条件を満たす画素を前記対象領域画素であると判別し、該判別した隣接画素を取り込むように前記初期領域を変形することを特徴とする請求項2に記載の領域抽出装置。
  9. 前記領域変形手段は、前記隣接画素と前記輪郭画素との間で前記エッジ画素値の画素値差が所定範囲内である前記隣接画素を前記対象領域画素であると判別することを特徴とする請求項8に記載の領域抽出装置。
  10. 前記領域変形手段は、前記初期領域内にあって該初期領域の輪郭を構成する一連の輪郭画素のうち、前記初期領域の外側に隣接する隣接画素との間で、前記平滑化画素値が所定条件を満たす画素を前記対象領域外の画素であると判別し、該判別した輪郭画素を取り除くように前記初期領域を変形することを特徴とする請求項1に記載の領域抽出装置。
  11. 前記領域変形手段は、前記隣接画素と前記輪郭画素との間で前記平滑化画素値の画素値差が所定範囲内である前記輪郭画素を前記対象領域外の画素であると判別することを特徴とする請求項10に記載の領域抽出装置。
  12. 前記領域変形手段は、前記初期領域内にあって該初期領域の輪郭を構成する一連の輪郭画素のうち、前記初期領域の外側に隣接する隣接画素との間で、前記エッジ画素値が所定条件を満たす画素を前記対象領域外の画素であると判別し、該判別した輪郭画素を取り除くように前記初期領域を変形することを特徴とする請求項2に記載の領域抽出装置。
  13. 前記領域変形手段は、前記隣接画素と前記輪郭画素との間で前記エッジ画素値の画素値差が所定範囲内である前記輪郭画素を前記対象領域外の画素であると判別することを特徴とする請求項12に記載の領域抽出装置。
  14. 前記領域変形手段は、前記画素値差が前記所定範囲を超えるまで、前記対象領域画素であるか否かの判別および前記初期領域の変形を繰り返すことを特徴とする請求項7,9,11または13のいずれか一つに記載の領域抽出装置。
  15. 前記領域変形手段は、1つの前記初期領域の外側に隣接し、他の前記初期領域の外側に隣接していない画素であって前記所定条件を満たす隣接画素を、前記対象領域画素であると判別することを特徴とする請求項6〜9のいずれか一つに記載の領域抽出装置。
  16. 前記領域変形手段は、前記初期領域の外側に隣接する一連のすべての隣接画素、または前記初期領域の外側に隣接する一連の隣接画素のうち所定割合以上の各隣接画素に対して、前記対象領域画素であるか否かの判別を行うことを特徴とする請求項6〜9および15のいずれか一つに記載の領域抽出装置。
  17. 前記領域変形手段が変形した結果の画像領域である各変形領域の中から、隣接する該変形領域によって形成された隣接領域群を検出し、該検出した隣接領域群内の隣接した変形領域間の特徴を示す特徴量に基づいて、該隣接した変形領域同士を統合して前記対象領域を成形する領域統合手段を更に備えたことを特徴とする請求項1〜16のいずれか一つに記載の領域抽出装置。
  18. 前記領域統合手段は、前記特徴量を算出し、該算出した特徴量をもとに前記変形領域同士を統合することを特徴とする請求項17に記載の領域抽出装置。
  19. 前記領域統合手段は、前記各変形領域の輪郭近傍画素の中から処理対象の変形領域と異なる変形領域に含まれる画素を検出することによって前記隣接領域群を検出することを特徴とする請求項17または18に記載の領域抽出装置。
  20. 前記領域変形手段が変形した結果の画像領域である各変形領域の中から、隣接する該変形領域によって形成された隣接領域群を検出し、該検出した隣接領域群内の変形領域間の境界線を示す境界画素および該境界線近傍の境界近傍画素が有する前記平滑化画素値に基づいて該変形領域間の特徴を示す特徴量を算出し、該算出した特徴量をもとに、該隣接領域群内の変形領域同士を統合して前記対象領域を成形する領域統合手段を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の領域抽出装置。
  21. 前記領域統合手段は、前記境界線上の各境界画素と、該各境界画素近傍の境界近傍画素との前記平滑化画素値の差の平均値を前記特徴量として算出することを特徴とする請求項20に記載の領域抽出装置。
  22. 前記領域変形手段が変形した結果の画像領域である各変形領域の中から、隣接する該変形領域によって形成された隣接領域群を検出し、該検出した隣接領域群内の変形領域間の境界線を示す境界画素および該境界線近傍の境界近傍画素が有する前記エッジ画素値に基づいて該変形領域間の特徴を示す特徴量を算出し、該算出した特徴量をもとに、該隣接領域群内の変形領域同士を統合して前記対象領域を成形する領域統合手段を更に備えたことを特徴とする請求項2に記載の領域抽出装置。
  23. 前記領域統合手段は、前記境界線上の各境界画素と、該各境界画素近傍の境界近傍画素との前記エッジ画素値の差の平均値を前記特徴量として算出することを特徴とする請求項22に記載の領域抽出装置。
  24. 前記領域統合手段は、前記検出した隣接領域群内の各変形領域の外側に隣接する一連の隣接画素を走査し、処理対象の変形領域と異なる変形領域の外側に隣接する隣接画素を前記境界画素として検出することを特徴とする請求項20〜23のいずれか一つに記載の領域抽出装置。
  25. 入力された画像の中から撮像対象に対応する画像領域である対象領域を抽出する領域抽出装置に、前記画像の中から前記対象領域を抽出させるための領域抽出プログラムにおいて、
    前記領域抽出装置に、
    前記画像を平滑化した平滑化画像を生成する平滑化手順と、
    前記平滑化画像内の各画素が有する平滑化画素値に基づいて、前記平滑化画像の中から少なくとも前記撮像対象の一部を含む画像領域である初期領域を検出する初期領域検出手順と、
    前記初期領域の各輪郭近傍画素が有する前記平滑化画素値に基づいて、前記各輪郭近傍画素が前記対象領域を構成する対象領域画素であるか否かを判別し、判別結果に応じて前記初期領域の大きさおよび形状の少なくとも一方を変形して前記対象領域を成形する領域変形手順と、
    を実行させることを特徴とする領域抽出プログラム。
  26. 入力された画像の中から撮像対象に対応する画像領域である対象領域を抽出する領域抽出装置に、前記画像の中から前記対象領域を抽出させるための領域抽出プログラムにおいて、
    前記領域抽出装置に、
    前記画像を平滑化した平滑化画像を生成する平滑化手順と、
    前記平滑化画像内の各画素が有する平滑化画素値に基づいて、前記平滑化画像の中から少なくとも前記撮像対象の一部を含む画像領域である初期領域を検出する初期領域検出手順と、
    前記平滑化画像に含まれるエッジを検出したエッジ画像を生成するエッジ検出手順と、
    前記初期領域の各輪郭近傍画素に対応する前記エッジ画像内の各画素が有するエッジ画素値に基づいて、前記各輪郭近傍画素が前記対象領域を構成する対象領域画素であるか否かを判別し、判別結果に応じて前記初期領域の大きさおよび形状の少なくとも一方を変形して前記対象領域を成形する領域変形手順と、
    を実行させることを特徴とする領域抽出プログラム。
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