JP2007038406A - 移動ロボット - Google Patents

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Abstract

【課題】構造が簡単で低価格化でき、傾斜床でも姿勢維持が容易で長期間使用しても外面が汚れたり傷つくことがない家庭用途に最適な移動ロボットを提供する。
【解決手段】独立して回転駆動可能な3つの車輪ユニット4a,4b,4cを本体ユニット2からその外形を突出して搭載し、その車輪ユニットの回転軸3a,3b,3cを、その回転軸の被移動面8への投影線が互いに略等角度をなすように構成した。また、本体ユニット内に、出力装置15と、外部センサ14と、この外部センサ14の検出情報に対応して所定の処理を実行させるプログラムを格納したメモリ部13aと、この検出情報とこのプログラムとに基づき出力内容と車輪ユニットの回転駆動内容を決定し、出力装置と回転駆動装置10a,10b,10cとに実行を指示する制御部13とを搭載した。
【選択図】図2

Description

本発明は、自律移動する移動ロボットに係り、特に3つ以上の回転軸を有する車輪式の移動ロボットに関する。
現在、ロボットはその大部分が産業用ロボットとして使用されているが、今後は、高い安全性を有して家庭内で人間と共存できる家庭用移動ロボットが期待されている。
そして、その移動ロボットとして、特許文献1乃至特許文献3に記載されたものがある。
具体的には、特許文献1には足歩行型の移動ロボットが記載され、特許文献2及び特許文献3には安全性に優れた移動機構を有する球形移動ロボットが記載されている。
特開2001−322079号公報 特開2000−218578号公報 特開平09−254838号公報
特許文献1に記載された2足歩行型のロボットは、ロボットを転倒させないため、ロボット上体内に傾斜センサ,加速度センサ及び速度センサを、また足部には6軸力センサを備え、それらのセンサの出力情報を基に複雑な運動方程式を計算してロボットの複数の関節を適切に駆動して姿勢制御を行うものである。
また、特許文献2及び特許文献3に記載された球形移動ロボットは、その球形という形状により、姿勢を検出するためのセンサや動作に関する関節が不要であり、球殻内の駆動車輪によって所望の方向への移動を可能にしたものである。
しかしながら、これらのロボットは、以下に示す問題がある。すなわち、
(1)2足歩行型ロボットは、構造が極めて複雑で部品点数も多く、使用される6軸力センサ,加速度センサ,速度センサ等は、非常に高価で大きな部品であり、ロボットの低価格化ができないばかりか小型・軽量化も困難であって、家庭用途には適さない。
(2)2足歩行型ロボットは、その転倒を防ぐための制御系アルゴリズムが非常に複雑になるため、高速で処理する特殊なコンピュータを搭載する必要がある。
そして、制御プログラムの容量が大きいため、必要となるメモリ容量が膨大であり、制御するコンピュータ,メモリ共に極めて高価になる。
(3)2足歩行型ロボットは、偶発的に障害物に当ったり何らかの外乱が加わった時にロボットが転倒する可能性が十分にあり、それによって人に怪我を負わせたり、周辺の器物を破損してしまう危険性がある。
(4)球形移動ロボットでは、その球形という特徴から水平な床面でしか移動を行うことができず、傾斜した床の上での姿勢の維持が困難で傾斜方向に転がり易いという問題がある。
また、意図せず転がしてしまい壁に激突して球殻が破損したり、内部のギア,モータ等の駆動機構が強制的に駆動されて部品が破損してしまう可能性があり、これらを回避する何らかの手段が必要になる分コストアップになってしまう。
(5)球形移動ロボットでは、外部を被う球殻全体が床面との接触部位であり、長時間の使用により球殻外周面が汚れたり傷がついたりして、その品位が保てないという問題があるばかりでなく、その汚れや傷によって装備したセンサが誤動作したり、情報の入出力において支障が発生する可能性もある。
(6)進路変更することなく床面の障害物を避けて移動することができない。
また、穴や窪み等があった場合に進路変更をしないと落ちたりはまり込んでしまい移動ができなくなる場合がある。
(7)複雑な動きや早い動作が困難であり、家庭用途としてのパフォーマンス性が十分ではない。
そこで本発明が解決しようとする課題は、構造が極めて簡単で部品点数も少なく低価格化が可能な家庭用途に最適の移動ロボットであって、転倒を防ぐための特殊なコンピュータを必要とせず、メモリも安価であり、障害物に当たったり外乱により転倒して人にけがを負わせたり、周辺の器物を破損することがなく、傾斜した床でも姿勢維持が容易で転がり難く、障害物、穴又は窪み等があっても進路変更せずに移動可能であり、長期間使用しても外面が汚れたり傷がつくことがない移動ロボットを提供することにある。
上記の課題を解決するために、本願発明は手段として次の構成を有する。
即ち、請求項1は、本体ユニット2に、被移動面8と接触する接地部6a,6b,6cを有する少なくとも3つの車輪ユニット4a,4b,4cを外形が突出するように備え、前記車輪ユニット4a,4b,4cの回転により前記被移動面8上の移動を可能にした移動ロボットであって、
前記本体ユニット2または前記車輪ユニット4a,4b,4cの内部に回転駆動装置10a,10b,10cを搭載し、前記車輪ユニット4a,4b,4cを、前記回転駆動装置10a,10b,10cによりそれぞれ独立して回転駆動可能にし、前記車輪ユニット4a,4b,4cの回転軸3a,3b,3cを、前記回転軸3a,3b,3cの前記被移動面8への投影線が互いに略等角度を成すように構成したことを特徴とする移動ロボットである。
また、請求項2は、前記本体ユニットは、すべての前記回転軸3a,3b,3cが同一平面に含まれない位置に前記車輪ユニット4a,4b,4cを備えたことを特徴とする請求項1記載の移動ロボットである。
また、請求項3は、前記回転軸3a,3b,3cを全て一点で交わるように構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の移動ロボットである。
また、請求項4は、前記本体ユニット20と前記車輪ユニット40a,40b,40cとを前記回転軸3a,3b,3c方向に伸縮自在な脚部9a,9b,9cで連結するとともに、伸縮駆動装置11a,11b,11cを前記本体ユニット20、前記車輪ユニット40a,40b,40cまたは前記脚部9a,9b,9cのいずれかに搭載して、前記伸縮駆動装置11a,11b,11cにより前記脚部9a,9b,9cを伸縮駆動可能にしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の移動ロボットである。
また、請求項5は、前記接地部6a,6b,6cを略球面状に形成したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の移動ロボットである。
また、請求項6は、前記本体ユニット2,20に、外部の情報を検出する外部センサ14と、外部に情報を出力する出力装置15と、前記外部センサ14が検出した情報に対応して所定の処理を実行させるプログラムを格納したメモリ部13aと、前記外部センサ14が検出した情報と前記プログラムとに基づいて、前記出力装置15に出力させる内容と前記車輪ユニット4a,4b,4c,40a,40b,40cの回転駆動内容とを含む動作内容を決定し、前記動作内容をそれぞれ前記出力装置15及び前記回転駆動装置10a,10b,10cに対して実行するように指示する制御部13とを搭載したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の移動ロボットである。
また、請求項7は、前記動作内容は、前記脚部9a,9b,9cの伸縮駆動内容を含み、前記制御部13は、前記伸縮駆動内容を前記伸縮駆動装置10a,10b,10cに対しても実行するように指示する制御部13であることを特徴とする請求項6記載の移動ロボットである。
また、請求項8は、前記外部センサ14は、前記本体ユニット2,20の外部の情報及び前記本体ユニット2,20への外部からの圧力を検出し、その検出結果を前記制御部13に送出する制御系センサ14aと、人間の健康状態を測定し、その測定結果を前記制御部に送出する健康管理系センサ14bと、前記本体ユニット2,20周囲の気象の状況を測定し、その測定結果を前記制御部に送出する気象系センサ14cとのうち、少なくとも前記制御系センサ14aを含んでなることを特徴とする請求項6又は請求項7記載の移動ロボットである。
また、請求項9は、前記本体ユニット2,20に、外部と無線で情報通信を行う通信手段17を搭載したことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の移動ロボットである。
本願発明によれば以下の効果を得る。
本体ユニットまたは車輪ユニットの内部に搭載した回転駆動装置により、車輪ユニットをそれぞれ独立して回転駆動可能にし、その回転軸の被移動面への投影線が互いに略等角度を成すように構成したので、ロボットの駆動構造が簡単であり部品点数が少なく、各車輪ユニットが共用可能になる。従って低価格での提供及び小型軽量化が可能で家庭用途に最適である。
また、通常の動作では転倒することがなく、偶発的に障害物に当たったり、何らかの外乱が加わった時でもロボットが転倒する可能性が極めて少ない。従って、人に怪我を負わせたり、周辺の器物を破損してしまう危険性がほとんどない。
本体を球形としても、傾斜した床の上での姿勢の維持や移動が容易に可能であり、車輪ユニットを停止して維持させることで傾斜方向に転がることを防ぐことができる。従って、意図せずに転がって壁に激突して破損したり、駆動機構が強制的に駆動されて破損することがない。
前後方向への直進移動,蛇行移動及びその場に静止しての自転が自由に行えるので、より複雑な動きが可能でパフォーマンス性に優れる。
また、本体ユニットが、すべての回転軸が同一平面に含まれない位置に車輪ユニットを備えたので、車輪ユニットの外形を大きくすることなく本体を被移動面から離間して配置することが可能となり、床面上の障害物をまたいで進路変更をすることなく移動可能である。
また、すべての回転軸を一点で交わるように構成したので、接地部と床面との接触が各車輪ユニットで同じ状態になり、より安定した接触状態を維持することができる。
また、本体ユニットと車輪ユニットとを転軸方向に伸縮自在な脚部で連結するとともに、伸縮駆動装置を本体ユニット、車輪ユニットまたは脚部のいずれかに搭載して脚部を伸縮駆動可能にしたので、段差がある被移動面も転倒することなく移動可能である。また、移動しながら脚を伸縮させるというような複雑な動きが可能で、より高いエンタテイメント性を発揮することができる。
また、接地部を略球面状に形成したので、床面と接触する部位が車輪ユニットの接地部における特定の部位となり、長時間使用しても本体の外面が汚れたり傷がついたりすることがなく、品位を長期間維持することができる。
また、本体ユニットに、外部の情報を検出する外部センサと、外部に情報を出力する出力装置と、外部センサが検出した情報に対応して所定の処理を実行させるプログラムを格納したメモリ部と、外部センサが検出した情報とプログラムとに基づいて、出力装置に出力させる内容と車輪ユニットの回転駆動内容とを含む動作内容を決定し、動作内容をそれぞれ出力装置及び回転駆動装置に対して実行するように指示する制御部とを搭載したので、自律制御における制御系アルゴリズムが簡単であり、特殊なコンピュータを搭載する必要がなく、制御プログラムの容量も抑制されるので、少ないメモリ容量でもよく安価に提供できる。
また、動作内容には脚部の伸縮駆動内容を含み、制御部は、伸縮駆動内容を伸縮駆動装置に対しても実行するように指示する制御部であるので、制御系アルゴリズムは簡単であり、特殊なコンピュータを搭載する必要がなく、制御プログラムの容量も抑制され、少ないメモリ容量もよく、より安価でありながら脚部を伸縮させる動作を伴った高いエンタテイメント性を発揮することができる。
また、外部センサは、本体ユニットの外部の情報及び本体ユニットへの外部からの圧力を検出し、その検出結果を制御部に送出する制御系センサと、人間の健康状態を測定し、その測定結果を制御部に送出する健康管理系センサと、本体ユニット周囲の気象の状況を測定し、その測定結果を制御部に送出する気象系センサとのうち、少なくとも前記制御系センサを含んでなるように構成したので、周囲の状況に応じた擬似的な感情表現を行うことが可能であり、ユーザーとのコミュニケーションを円滑に行うことができる。
また、本体ユニットに、外部と無線で情報通信を行う通信手段を搭載したので、遠隔地にいる人間と本発明の移動ロボットとの間で情報の双方向通信を行うことが可能であり、人間同士のコミュニケーションを円滑にはかることが可能になる。
以上のように、人間に、楽しみ,喜び及び夢を与えるエンタテイメントロボットとして最適な移動ロボットを提供することができる。
<第1実施例>
第1実施例について図1〜図3を用いて説明する。
第1実施例の移動ロボット(以下ロボットと称する)1は、4つのユニットから構成される。
一つのユニットは略球体状筐体の本体ユニット2であり、他の3つは車輪ユニット4a,4b,4cであり、この3つの車輪ユニット4a,4b,4cは同一の構成からなる。
車輪ユニット4a,4b,4cは、後述する回転軸に対応して本体ユニット2の外周面に開口した開口部5a,5b,5cに、その外形が本体ユニット2から突出するように配設される。
そして、この車輪ユニット4a,4b,4cは、略球面状の接地部6a,6b,6cとこれに連接した円筒状の胴体部7a,7b,7cとで構成され、接地部6a,6b,6cが床面8に接触することで、本体ユニット2を床面8から離間して支持している。
この接触は、接地部6a,6b,6cと、床面8とがそれぞれ剛体であれば点接触であるが、例えば床面8が絨毯のような柔らかい材料の床面8では面接触となる。
胴体部7a,7b,7cは、その中心軸が、それぞれ回転軸3a,3b,3cになるように構成され、回転軸3a,3b,3cの被移動面への投影線が互いに略等角度を成すように構成される。すなわち、図1においてθab=θbc=θcaである。
また、回転軸3a,3b,3cは、本体ユニット2の中心Oで交わるように構成される。
ここで、被移動面8とは、接地部6a,6b,6cが接地する3点により決定される平面を意味している。従って、床面8が剛体の平面であればそれは被移動面である。
本実施例では、各回転軸3a,3b,3cは、互いになす角β(図2,図3参照)を90°に設定され、その場合の各回転軸3a,3b,3cの被移動面8への投影線は互いに等しく120°を成す。従って、3つの回転軸の内2つが同一平面上にあるように構成されている。
そして、車輪ユニット4a,4b,4cは、その内部または本体ユニット2の内部に搭載された回転駆動モータ10a,10b,10c(図10参照)により、それぞれ独立して駆動され、回転軸3a,3b,3cを軸として回転する。本実施例では、回転駆動モータ10a,10b,10cとしてDCモータを使用している。図10は、回転駆動モータ10a,10b,10cを本体ユニット2の内部に搭載した例を示している。
各車輪ユニット4a,4b,4cの回転方向と回転速度とを独立して様々に変えることで、接地部6a,6b,6cと床面8との摩擦力により、ロボット1に種々の動きを与えることができる。
この回転駆動モータ10a,10b,10cの制御、すなわち、車輪ユニット4a,4b,4cの回転制御方法によって、ロボット1を大別して以下の5つの動作モードで動かすことができる(図4,図5参照)。
(1)静止状態での回転(自転)。
(2)直進移動(前進、後進及び側進)。
(3)曲線移動。
(4)蛇行移動。
(5)自転しながらの直線移動及び曲線移動
これらの動作モードについて順次説明する。
(1)静止状態での回転(自転)(図5(a)参照)
最も基本的な動作モードであり、車輪ユニット4a,4b,4cをそれぞれ同一の回転方向に同一の回転数で回転駆動することで、ロボット1はその場に静止しつつ自転する。
例えば、当図に示すように、車輪ユニット4a,4b,4cを外側から見て時計回り方向に回転させると、ロボット1はその位置に静止したまま、上面からみて反時計回り方向に自転する。
また、車輪ユニット4a,4b,4cの回転方向を反時計回りにすれば、ロボット1はその位置に静止したまま、時計回り方向に自転する。
そして、車輪ユニット4a,4b,4cの単位時間あたりの回転数(以下、回転数と記す)を増減することでロボット1の自転速度を増減させることができる。
(2)直進移動(図5(b)〜図5(e)参照)
3つある車輪ユニット4a,4b,4cのうち、任意の一つの車輪ユニット4c(以下、第1の車輪ユニット4cと称す)を回転させずに停止して維持させ、残りの2つの車輪ユニット4a,4bをそれぞれ逆方向に回転駆動することで、ロボット1を第1の車輪ユニット4cの回転軸3cの床面8への投影線に沿った方向に直進移動させることができる。
また、回転方向と回転数の設定によって、回転軸3cと直交する方向に直進移動させることもできる。
停止させた第1の車輪ユニット4cの反対方向に進む場合を前進、第1の車輪ユニット4c側に進む場合を後進、前進または後進方向と直交する方向に進む場合を側進と呼び、それぞれについて以下に説明する。
(2A)前進
図5(b)に示すように、第1の車輪ユニット4cを停止して維持させ、車輪ユニット4aを時計回り方向に、車輪ユニット4bを反時計回り方向にそれぞれ同一の回転数で駆動すると、ロボット1は車輪ユニット4cにおける回転軸3cの床面8への投影線に沿った方向の、第1の車輪ユニット4cの反対方向(図の矢印Cの方向)に直進移動する。
(2B)後進
前進に対して車輪ユニット4a,4bの回転方向を共に逆にした場合は後進し、これを図5(c)に示す。
第1の車輪ユニット4cを停止して維持させ、車輪ユニット4aを反時計回り方向に、車輪ユニット4bを時計回り方向にそれぞれ同一の回転数で駆動すると、ロボット1は、車輪ユニット4cにおける回転軸3cの床面8への投影線に沿った方向の、第1の車輪ユニット4cの方向(図の矢印Dの方向)に直進移動する。
(2C)側進
車輪ユニット4a,4bを同一の回転方向に同一の一定回転数で回転させ、第1の車輪ユニット4cを車輪ユニット4a,4bの回転方向と逆方向に、かつ、車輪ユニット4a,4bの2倍の回転数で回転させることで、ロボット1は上述の前進及び後進の方向に対して直交する方向に移動する(図4(2)参照)。
具体的に説明すると、車輪ユニット4a,4bの回転方向を時計回り方向に一定の回転数Nで回転させ、第1の車輪ユニット4cを反時計回り方向に回転数2Nで回転させると、ロボット1は前進方向に対して直交する左方向(図5(d)の矢印Eの方向)に直線移動する。
一方、これとは逆に、車輪ユニット4a,4bの回転方向を反時計回り方向に一定の回転数Nで回転させ、第1の車輪ユニット4cを時計回り方向に回転数2Nで回転させると、ロボット1は前進方向に対して直交する右方向(図5(e)の矢印Fの方向)に直線移動する。
そして、(2A),(2B),(2C)いずれの場合も、回転数を増減させることで、ロボット1の移動速度を増減させることができる。
(3)曲線移動
ロボット1は、円弧状に移動させることができ、これを曲線移動と称する。
この曲線移動を与える駆動制御方法には2通りの方法があり、以下に説明する。
(3A)第1の方法
第1の方法は、上述の(2)に示した直進移動状態において回転を停止させていた第1の車輪ユニット4cを回転駆動させる方法である。
これにより、ロボット1は円弧状に移動を行う。
この時、第1の車輪ユニット4cの回転速度を可変して移動する円弧の半径を可変することができる。
すなわち、第1の車輪ユニット4cの回転速度が速いほど移動する円弧の半径は小さくなる。
(3B)第2の方法
第2の方法は、前述の直進移動状態において第1の車輪ユニット4cを停止して維持させたまま、他の2つの車輪ユニット4a,4bを異なった一定の回転数で回転駆動させる方法である。
これにより、ロボット1は円弧状に移動を行う。
すなわち、回転数の少ない方の車輪ユニット側に中心を持つ円弧状に曲線移動を行う。
この場合、駆動させている2つの車輪ユニットのそれぞれの回転数の差を可変して円弧の半径を可変することが可能であり、その差が大きい程、移動する円弧の半径は小さくなる。
そして、(3A),(3B)いずれの場合も、第1の車輪ユニット4c以外の駆動車輪ユニット4a,4bの回転数を増減させることで、ロボット1の移動速度を増減させることができる。
特に(3A)の場合は、移動する円弧の半径も可変することが可能であって、駆動車輪ユニット4a,4bの回転数を増やすと移動する円弧の半径も大きくなる。
(4)蛇行移動
(3)で説明した曲線移動において、曲がる方向を順次変えることで、左右に振れながら略直進をする蛇行移動をする。
すなわち(3)の第1の方法においては、第1の車輪ユニット4cの回転方向を正転,逆転と繰り返し切り替えることで、また、第2の方法においては第1の車輪ユニット4c以外の車輪ユニット4a,4bの異なる回転数を、それぞれ交互に切り替えて与えることで蛇行移動をする。
(5)自転しながらの直線移動及び曲線移動
3つの車輪ユニット4a,4b,4cの回転方向を、「正方向回転→逆方向回転→正方向回転→…」のように周期的に反転させ、また、回転数を、正弦波に相当する時間変化で周期的に変化させると共にその周期に一定の時間差を持たせてそれぞれの車輪ユニットを駆動すると、ロボット1は自転しながら直線移動あるいは曲線移動をする。
この回転数と回転方向の時間変化を図6に示す。
図6は、横軸に時間、縦軸に車輪ユニット4a,4b,4cの回転数をとり、縦軸の上半分を正方向回転、下半分を逆方向回転として各車輪ユニット4a,4b,4cの回転駆動の時間変化を示したグラフである。
当図に示すように、それぞれの車輪ユニット4a,4b,4cを位相差Δtだけずらして回転駆動する。
この回転駆動の波形の振幅,周期及び位相を変えることで、自転速度,直進及び回転の移動速度並びに曲線移動半径を自由に制御することができる。
また、当図では正弦波形で制御しているが、この波形は自由に設定することができ、それにより複雑な動きも容易に行わせることができる。
上述した第1実施例においては、車輪ユニット4a,4b,4cのそれぞれの接地部6a,6b,6cにおける回転軸3a,3b,3cと直交する断面の直径が同一直径である場合の回転駆動制御方法を説明しているが、この直径がそれぞれ異なる車輪ユニットとしてもよい。その場合でも、回転駆動制御を直径の比率に応じた回転数の比率に設定することで上述した5つの動作モードでの移動が可能である。
具体的には、接地部6a,6b,6cは、通常床面8に最大直径となる部位で接地するので、各最大直径の比がMa:Mb:Mcの場合、それぞれの回転数の比を1/Ma:1/Mb:1/Mcとして回転制御すればよい。
以上の説明のように、3つの車輪ユニット4a、4b、4cの回転数と回転方向とをそれぞれ独立して制御することで、通常の車輪走行や脚式歩行ロボットでは不可能な多様な移動を実現することができる。
従って、この第1実施例のロボット1は、家具等の様々な障害物がある家庭内においても、それを素早い動きで回避しつつ移動することができ、特に家庭用移動型ロボットとしてのパフォーマンス性に優れている。
また、動きの組み合わせによって、後述するようないわゆる感情表現を擬似的に行うことも可能であり、エンタテイメント性にも優れたものである。
また、車輪ユニット4a、4b、4cを静止状態に維持することで、姿勢が維持されて傾斜面でも容易に転がることがないので安全に使用することができる。
<第2実施例>
次に第2実施例を説明する。
第2実施例は、車輪ユニットを伸縮できる脚部の先端に配置し、脚部を介して本体ユニットと連結したものであって、より多様な動きを可能にした好ましい形態である。
第2実施例のロボット10の車輪ユニット40a,40b,40cは、伸縮可能な脚部9a,9b,9cによって、その回転軸3a,3b,3c方向にそれぞれ独立して位置を可変できるように構成され、脚部9a,9b,9cが最も縮んだ状態(以下、標準状態と称す)を図1,図2,図3に示す。
各図はそれぞれ平面図,正面図,右側面図である。
車輪ユニット40a、40b、40cは、脚部9a,9b,9cを伸ばすことで、この標準状態からそれぞれの回転軸3a,3b,3cの外側方向の任意の位置に配置され、最も伸びた状態を図7,図8,図9に示す。各図はそれぞれ平面図,正面図,右側面図である。
この第2実施例の具体的構成を以下に詳述する。
この第2実施例の移動ロボット10(以下、ロボット10と称する)は、4つのユニットから構成される。(図7,図8,図9参照)
1つのユニットは、略球体状筐体の本体ユニット20であり、他の3つは、それぞれ、伸縮可能な脚部9a,9b,9cと、その先端に装着された車輪ユニット40a,40b,40cとからなる。そして、3つは同一構成のものである。
各車輪ユニット40a,40b,40cは、標準状態において、後述する回転軸3a,3b,3cに対応して本体ユニット20の外周面に開口した開口部5a,5b,5cにその一部が収納されるように配設される。
車輪ユニット40a,40b,40cは、略球面状の接地部6a,6c,6dと、これに連接した円筒状の胴体部7a,7b,7cとで構成され、この胴体部7a,7b,7cから本体ユニット20に向かって、回転軸3a,3b,3cを軸とした円筒状の脚部9a,9b,9cが連接される。
そして、接地部6a,6c,6dが床面8に接触することで、本体ユニット20を床面8から離間して支持している。
この接触は、接地部6a,6b,6cと床面8とがそれぞれ剛体であれば点接触であるが、例えば床面8が絨毯のような柔らかい材料の床面8では面接触となる。
胴体部7a,7b,7cは、その中心軸が、それぞれ回転軸3a,3b,3cとなるように構成され、これらの回転軸3a,3b,3cは、本体ユニット20の筐体の中心Oで交わり、全てが同一平面上にあるということがなく互いに等角度を成すようにして設定される。
本実施例では、各回転軸3a,3b,3cは、互いに成す角β(図7,図8参照)を90°に設定される。
そして車輪ユニット40a,40b,40cは、その内部または本体ユニット20の内部に搭載された図示しない回転駆動モータ10a,10b,10c(図10参照)により、それぞれ独立して駆動され、回転軸3a,3b,3cを軸として回転する。
本実施例では、回転駆動モータ10a,10b,10cとしてDCモータを使用している。
また、脚部9a,9b,9cは、その内部または車輪ユニット40a,40b,40c若しくは本体ユニット20の内部に備えれられた伸縮駆動モータ11a,11b,11c(図10参照)によって回転軸3a,3b,3c上にそれぞれ独立して伸縮自在に構成されており、これが伸びることにより車輪ユニット40a,40b,40cの胴体部7a,7b,7cは本体ユニット20から離れた状態になる。
また、脚部9a,9b,9cの内部または車輪ユニット40a,40b,40c若しくは本体ユニット20の内部には、脚部9a,9b,9cの伸び量を検出するエンコーダ12a,12b,12c(図10参照)が備えられており、このエンコーダ12a,12b,12cで検出した脚部9a,9b,9cの長さ情報を基に、脚部9a,9b,9cを所定の長さに伸張することが可能となっている。
図10は、回転駆動モータ10a,10b,10c,伸縮駆動モータ11a,11b,11c及びエンコーダ12a,12b,12cを本体ユニット20の内部に搭載した場合について示している。
回転駆動モータ10a,10b,10cと、伸縮駆動モータ11a,11b,11cと、伸び量検出エンコーダ12a、12b、12cとは、それぞれの車輪ユニット40a,40b,40cと対になってサブユニット化されており、このサブユニットをアクチュエータ50と称する(図11参照)。
回転駆動モータ10a,10b,10c,伸縮駆動モータ11a,11b,11c及び伸び量検出エンコーダ12a、12b、12cは、それらがすべて同じ部位に搭載されている必要はなく、脚部9a,9b,9c,車輪ユニット40a,40b,40cまたは本体ユニット20のいずれかにそれぞれが搭載された構成でもよい。
脚部9a,9b,9cが伸張した状態でも車輪ユニット40a,40b,4cは回転駆動モータ10a,10b,10cにより回転可能であり、上述の5種類((1)〜(5))の動作モードを実行することができる。
また、脚部9a,9b,9cが伸張することで、床面8と接触する3点が、互いにより遠くに離間するためロボット1の姿勢は更に安定し、段差がある床面でも転倒することなく移動することが可能である。
さらに、床面に障害物,穴または窪み等があっても、脚部を伸張させることでこれらを容易にまたぐことができ、進路変更をすることなくロボット1の移動が可能である。
また、脚部9a,9b,9cを高速で伸張することによりボールを押し転がしたり、2つの脚部の間にボールを納めたまま移動してこれを運ぶことも可能になるため、例えば、ロボットによるサッカー競技会に参加が可能になる等、ロボット1のエンタテイメント性がより向上する。
また、脚部9a,9b,9cは、3つとも同様に伸びている必要はなく、1つが縮んだ状態で2つが伸びた状態、又は、2つが縮んで1つが伸びた状態で車輪ユニット40a,40b,40cを回転駆動して移動を行っても良い。
さらに、移動を行いながら脚部9a,9b,9cを伸縮させてもよい。
この様な様々な組み合わせにより、より一層複雑な動きが可能である。
従って、この第2実施例のロボット10においても、家具等の様々な障害物がある家庭内においても、それを素早い動きで回避しつつ移動することができ、特に家庭用移動型ロボットとしてのパフォーマンス性に優れている。
また、動きの組み合わせによって、後述するようないわゆる感情表現を擬似的に行うことも可能であり、エンタテイメント性にも優れたものである。
また、車輪ユニット4a、4b、4cを静止状態に維持することで、姿勢が維持されて傾斜面でも容易に転がることがないので安全に使用することができる。
上述した第2実施例においては、車輪ユニット40a,40b,40cの接地部6a,6b,6cにおける回転軸3a,3b,3cと直交する断面の最大直径が同一直径である場合の回転駆動制御方法を説明しているが、第1実施例と同様に、この直径がそれぞれ異なる車輪ユニットとしてもよい。その場合でも、回転駆動制御を直径の比率に応じた回転数の比率に設定することで上述した5つの動作モードでの移動が可能である。
具体的には、接地部6a,6b,6cは、通常床面8に最大直径となる部位で接地するので、各最大直径の比がMa:Mb:Mcの場合、それぞれの回転数の比を1/Ma:1/Mb:1/Mcとして回転制御すればよい。
<制御方法>
次に、ロボット全体の制御方法について第2実施例に沿って詳述する。
第1実施例における制御方法は、この第2実施例の制御方法に対して伸縮駆動モータ11a,11b,11cとエンコーダ12a,b,cとを除いたものであり、それ以外は共通である。
図10は、ロボット10の制御システム構成を模式的に示したものであり、図11はその詳細を説明するブロック図である。
本体ユニット20の内部には、前述のアクチュエータ50の他に、ロボット10を統括的に制御する制御部であるコントローラ13、外部の情報を検出測定する外部センサ14、外部に情報等を出力する出力装置15、情報の記録再生を行うハードディスク(以下HDDと称す)等の記録再生装置16、情報を外部と無線で通信するための通信手段(以下通信I/Fと称す)17、ロボット10の電源となるバッテリ18及びバッテリの残量を検出するバッテリセンサ19で構成される制御システムが搭載される。
この制御システムの各構成要素を、図11を用いて以下に説明する。
(イ) 外部センサ14
外部センサ14は大別して3つの系統で構成される。
第1系統は、ロボット10の行動を制御するために必要な、本体ユニット20の外部の情報及び外部からの本体ユニット20への圧力を検出してその検出結果を制御部13に送出する制御系センサ14aであり、第2系統は、ロボット10のユーザーである人間の健康状態を測定してその結果を制御部13に送出する健康管理系センサ14bであり、第3系統は、気温や湿度等の周囲の気象状況を測定し、その測定結果を制御部13に送出する気象系センサ14cである。この気象の測定結果を基に、コントローラ13において天気の予測を行う。
まず、第1系統の制御系センサ14aは、ロボット10の実質的な目として機能するCCDカメラ21A、同じく耳として機能するマイク21B、障害物との距離を検出する測距センサ22、人間に撫でられたり叩かれたりしたのを検出するタッチセンサ23とから構成されている。
CCDカメラ21Aは、周囲の状況を撮像し、得られた画像情報をコントローラ13に送出する。
マイク21Bはユーザーの声などを集音し、得られた音声情報をコントローラ13に送出する。
測距センサ22は、ロボット10と外部の障害物等との距離を測定し、得られた距離情報をコントローラ13に送出する。
タッチセンサ23はユーザーからの撫でる、あるいは叩く等の物理的な働きかけによって受けた圧力を測定し、測定結果を圧力情報としてコントローラ13に送出する。
第2系統の健康管理系センサ14bは、ユーザーがロボット10の所定部位に触れることによってユーザーの健康状態をチェックするもので、血圧計24、心拍計25、体温計26からなる。
血圧計24は、ユーザーの指等から血圧を測定し、その測定結果を血圧情報としてコントローラ13に送出する。
心拍計25は、ユーザーの心拍数を測定し、その測定結果を心拍数情報としてコントローラ13に送出する。
体温計26は、ユーザーの体温を測定し、その測定結果を体温情報としてコントローラ13に送出する。
第3系統の気象系センサ14cは、ロボット10周囲の気温,湿度及び気圧の測定を行う。
気圧計27は、大気圧を測定し、その測定結果を大気圧情報としてコントローラ13に送出する。
湿度計28は、ロボット10周囲の湿度を測定し、その測定結果を湿度情報としてコントローラ13に送出する。
温度計29は、ロボット10周囲の気温を測定し、その測定結果を気温情報としてコントローラ13に送出する。
以上説明したように、外部情報の検出は特殊な検出ではないので、外部センサ14は安価な汎用品を使用することができる。そして、ロボット10の外部の情報,気象の状況及びユーザーの健康状態に関する情報とを測定検出し、それらの検出情報を外部センサ信号S1によりコントローラ13に送出するものである。
(ロ) バッテリセンサ19
バッテリセンサ19は、バッテリ18の残量を検出し、検出結果情報をバッテリ検出結果信号S2によりコントローラ13に送出する。
(ハ) コントローラ13
コントローラ13は、外部センサ信号S1とバッテリ検出信号S2に基づいて、ロボット10の周囲の状況や、内部のバッテリ残量や、ユーザからの指令、ユーザからの働きかけの有無等を判断する。
そして、この判断結果と、予めコントローラ13内部のメモリ部13aに格納された制御プログラムとに基づき、次にとるべき行動を決定し、その決定に基づいて回転駆動モータ10a,10b,10cを駆動させて前述の動作モードやそれらを組み合わせた複雑な動作をロボット1にさせたり、脚部伸縮駆動モータ11a,11b,11cを適宜駆動させて車輪ユニット40a,40b,40cを回転軸3a,3b,3c方向に伸縮させる等の動作を行わせるものである。
また、コントローラ13は、必要に応じて、出力装置に対して所定の情報を出力するように指示する。
これにより、例えば、視覚に訴える出力手段の一つである発光装置のLED30を点灯あるいは点滅させることにより、あるいは、別の出力手段である表示装置のモニタ31やプロジェクタ32に所定の表示をさせることにより擬似的な感情表現を行うことができる。
また、聴覚に訴える出力手段の音声発生装置であるスピーカ33によって各種情報を出力することもできる。
ここでいう各種情報とは、映像情報と音声情報を含むものであり、さらに、外部センサ14で検出した映像情報や、血圧値,心拍数,湿度,気温等や、後述する通信I/Fによって得られた外部から送信されてきた情報や、ロボット10内部の記録再生装置16に記録した情報も含んでいるものである。
このようにして、ロボット10は、内部に搭載したコントローラ13により、その外部情報やユーザからの指令や働きかけの有無に基づいて自律的に行動することができるようになされている。
次に、視覚や聴覚に訴える出力方法について具体的に説明する。
気象系センサ14cが測定した気温や湿度等の情報をモニタ31に表示したり、その気温や湿度環境における快適さ度合いによって感情表現を行うことができる。
例えば、不快な環境状態の場合はLED30を赤く点滅させ、快適な環境状態の場合はそれを緑色に点灯させる。
また、気圧の変化を継続的に測定すること等で天気の予測を行い、その予測結果をLED30の色で表現したり、モニタ31に表示したり、スピーカ33により音声でユーザーに知らせることもできる。
一方、ユーザーがロボット10を撫でた場合、LED30を緑色に点灯させると共にその位置で自転をして喜びの表現をしたり、叩いた場合は、LED30を赤く点滅させると共に、自転の方向を、正転と反転を短い間隔で繰り返すことで体をゆするような動きとして怒りの表現をすることができる。
もちろん、表示装置に表示したり、スピーカで発音することにより視覚や聴覚に訴えることもできる。
この様な出力や表現の親しみやすさを具現化した一例を図9に示している。
この例は、カメラ21A,マイク21B,モニター31及びLED30を擬似
的な目,耳,頬及び口として本体ユニット外面に設けた例である。
口については、LEDを両端が上がった弓状と下がった弓状とに並べて配置しておき、喜びの表現の場合に両端上がりの弓状に点灯させ、悲しみや怒りの表現の場合に両端下がりの弓状に点灯させるものである。
また、頬については、モニター画面を赤くして感情の高ぶりを、また、青くして不安な感情を表現することもできる。
このように、ロボット10が自律的に行動しつつ感情表現も行えるので、ユーザーとのコミュニケーションを密にとることができ、パートナーロボットとして人間に楽しみや喜びを与えることができる。
(ニ) 通信I/F17
通信I/F17を介して、外部センサ信号S1の情報や記録再生装置16内の情報をロボット10から外部に送信することができる。
また、ロボット10を、自律行動ではなく、通信I/F17を介することよってユーザーの指示による遠隔操作で動作させることも可能である。
具体的なロボット10の遠隔操作の方法としては、ロボット10の外部に設けた図示しないリモートコントローラユニットやパーソナルコンピュータを使用し、ロボット10を制御する信号を無線信号としてロボット10に送信することで、通信I/F17を介してコントローラ13を制御する方法である。これにより、ロボット10をユーザーの思うまま自由に動作させることができる。
この方法によれば、ロボット10の外部に設けたパーソナルコンピュータや携帯電話などの情報機器内部に格納された情報を、無線でロボット10に送信し、その情報をロボット10の出力装置15で出力することも遠隔操作で可能である。
また、ロボット10で検出した映像情報や音声情報を通信I/F17を介して遠隔地に送信すれば、監視カメラとしてロボット10を使用することができる。
さらに、通信を双方向とすることで、ロボット10の撮影した画像を見ながら
ロボット10を遠隔操作することができる。
加えて、健康管理系センサ14bによって測定したユーザーの血圧,心拍数,体温等の情報を、定期的に通信I/F17を介して病院や健康管理センタ等に送信することで、そのユーザーの健康状態を遠隔的に管理することも可能である。
身体に異常のある場合は、このロボット10を通して健康管理センタの医師がユーザーに問診することができ、ユーザーが独居老人の場合には特に有効である。
また、あらかじめ正常とする各測定値情報をメモリ部13aに記憶させておき、新たに測定した情報と比較して異常の有無をロボット10に判断させ、病院に連絡する等の行動をとるようにプログラムを設定しておくこともできる。
(ホ) 記録再生装置16
記録再生装置16として、HDDを用いることができるが他の装置でもよい。
この記録再生装置16は、通信I/F17介して受信した情報を記録/再生するためのもので、コントローラ13内のメモリ部13aの容量を補うためのものであり、ロボット10の外部センサ14によって検出した情報も記録/再生することを可能とするものである。
制御するプログラムは簡単に構成できるので、メモリ部13aの容量も膨大にならず、また、この記録再生装置の容量も特別膨大である必要はない。また、使用するセンサも汎用品が使用可能であり、安価に製造することができる。
以上が第2実施例におけるロボット10の制御システム構成である。
さて、本発明の実施例は、上述した構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において例えば下記のように変更が可能である。
3つの回転軸3a,3b、3cは、本体ユニット2,20の略球体状筐体の中心Oで交わるものに限らず、中心Oを通る垂直軸(図2のV軸)上における一点で交わり、互いに略等角度を成す3つの軸としてもよい。
さらに車輪ユニットの数を3つとしたが、回転軸を4軸以上として4つ以上設けてもよい。
また、回転軸数によらず、回転軸が交わらない構成にすることができる。この場合においても、被移動面への投影線が互いになす角度が略等角度に設定されていればよい。
ただし、軸数を増やすことによりコストアップとなりスペース制約も多くなり、回転軸が交わらない構成とすると制御が複雑化する。従って、3つの回転軸とし、回転軸が交わる構成とするのが最も好ましい。
また、3つの回転軸すべてが同一平面上にはないように、または、多くとも2つの回転軸が同一平面上にあるように構成するのがよい。
これにより、車輪ユニットの外径を大きくすることなく本体ユニットを被移動面から離して配置できるので、進路変更することなく床面上の障害物をまたぐようにして移動が可能である。
接地部は、球面状でなくてもよいが、略球面状とするのが最も好ましい。
例えば、接地部を円筒の稜線部とした場合には、ロボットの自重によって被移動面とは線接触となり応力が集中してしまうのに対して、この接地部を球面状にすることで、円状の面接触となって応力が分散緩和される。
別の実施例として、接地部6a,6b,6cの床面8と接地する略円形部に、その円周の接線方向に回転軸を持つ小さなローラー34を並べて配置してもよい。
図13にその構成の部分斜視図を示す。
これによれば、例えば、動作モード(2)の直進移動において、停止させた車輪ユニット4cは、ローラ34が回転することで床を滑り易くなり、回転駆動する車輪ユニット4a,4bにおいては、ローラー34の軸方向に力がかかるためローラ34は回転せず床面8に対して推進力を発揮できてロボット1,10の移動が極めて容易になる。
また、ロボット1,10の本体ユニット2,20は略球体状でなくてもよい。
本体ユニットの形状にはよらず、少なくとも3つの車輪ユニットの回転軸の全てが同一平面上にあるということがなく、それぞれの被移動面8への投影線が互いに略等角度を成すように構成すればよく、本体ユニット2,20の外形形状は自由に設定できる。
例えば、薬剤カプセルのような略円筒形でも、だるま型(図12参照)としでもよく、また、多面体で構成してもよい。
また、外形は対称形状でも非対称形状でもよいが、移動の制御を容易にし、安定した接地状態を維持し、床面への駆動力を均一に伝達するために、各回転軸が交わる点を通る床面に垂直な線上にロボット1,10の重心を設定することが好ましい。
説明した3系統の系センサはすべての系統を搭載する必要はない。
制御系センサ14aは動作制御の為に必ず必要であるが、他の系センサについては、いずれかを搭載して健康管理あるいは天気予報に特化した移動ロボットとしてもよい。
また、各系センサを構成するセンサは、移動ロボットの用途に応じて必要で最適なものを適宜選択して搭載することができる。
本発明の移動ロボットの第1実施例を示す平面図である。 本発明の移動ロボットの第1実施例を示す正面図である。 本発明の移動ロボットの第1実施例を示す右側面図である。 本発明の移動ロボットの第1実施例における動作モードを説明する平面図である。 本発明の移動ロボットの第1実施例における自転と移動について説明する平面図である。 本発明の移動ロボットの第1実施例における車輪の回転制御を説明する図である。 本発明の移動ロボットの第2実施例を示す平面図である。 本発明の移動ロボットの第2実施例を示す正面図である。 本発明の移動ロボットの第2実施例を示す右側面図である。 本発明の移動ロボットの第2実施例の制御システムの構成図である。 本発明の移動ロボットの第2実施例の制御システムのブロック図である。 本発明の移動ロボットのその他の実施例を示す正面図である。 本発明の移動ロボットの別の実施例を示す部分斜視図である。
符号の説明
1,10 移動ロボット(ロボット)
2,20 本体ユニット
3a,3b,3c 回転軸
4a,4b,4c,40a,40b,40c 車輪ユニット
5a,5b,5c 開口部
6a,6b,6c 接地部
7a,7b,7c 胴体部
8 床面(被移動面)
9a,9b,9c 脚部
10a,10b,10c 回転駆動モータ(回転駆動装置)
11a,11b,11c 伸縮駆動モータ(伸縮駆動装置)
12a,12b,12c エンコーダ
13 コントローラ(制御部)
13a メモリ部
14 外部センサ
15 出力装置
16 記録再生装置
17 通信I/F(通信手段)
18 バッテリ
19 バッテリセンサ
34 ローラー
50 アクチュエータ
Δt 位相差
S1 外部センサ信号
S2 バッテリ検出信号
θab,θbc,θca,β 角度

Claims (9)

  1. 本体ユニットに、被移動面と接触する接地部を有する少なくとも3つの車輪ユニットを外形が突出するように備え、前記車輪ユニットの回転により前記被移動面上の移動を可能にした移動ロボットであって、
    前記本体ユニットまたは前記車輪ユニットの内部に回転駆動装置を搭載し、前記車輪ユニットを、前記回転駆動装置によりそれぞれ独立して回転駆動可能にし、前記車輪ユニットの回転軸を、前記回転軸の前記被移動面への投影線が互いに略等角度を成すように構成したことを特徴とする移動ロボット。
  2. 前記本体ユニットは、すべての前記回転軸が同一平面に含まれない位置に前記車輪ユニットを備えたことを特徴とする請求項1記載の移動ロボット。
  3. すべての前記回転軸を一点で交わるように構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の移動ロボット。
  4. 前記本体ユニットと前記車輪ユニットとを前記回転軸方向に伸縮自在な脚部で連結するとともに、伸縮駆動装置を前記本体ユニット、前記車輪ユニットまたは前記脚部のいずれかに搭載して、前記伸縮駆動装置により前記脚部を伸縮駆動可能にしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の移動ロボット。
  5. 前記接地部を略球面状に形成したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の移動ロボット。
  6. 前記本体ユニットに、
    外部の情報を検出する外部センサと、
    外部に情報を出力する出力装置と、
    前記外部センサが検出した情報に対応して所定の処理を実行させるプログラムを格納したメモリ部と、
    前記外部センサが検出した情報と前記プログラムとに基づいて、前記出力装置に出力させる内容と前記車輪ユニットの回転駆動内容とを含む動作内容を決定し、前記動作内容をそれぞれ前記出力装置及び前記回転駆動装置に対して実行するように指示する制御部とを搭載したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の移動ロボット。
  7. 前記動作内容は、前記脚部の伸縮駆動内容を含み、前記制御部は、前記伸縮駆動内容を前記伸縮駆動装置に対しても実行するように指示する制御部であることを特徴とする請求項6記載の移動ロボット。
  8. 前記外部センサは、
    前記本体ユニットの外部の情報及び前記本体ユニットへの外部からの圧力を検出し、その検出結果を前記制御部に送出する制御系センサと、
    人間の健康状態を測定し、その測定結果を前記制御部に送出する健康管理系センサと、
    前記本体ユニット周囲の気象の状況を測定し、その測定結果を前記制御部に送出する気象系センサとのうち、少なくとも前記制御系センサを含んでなることを特徴とする請求項6又は請求項7記載の移動ロボット。
  9. 前記本体ユニットに、外部と無線で情報通信を行う通信手段を搭載したことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の移動ロボット。
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