JP2007037062A - Ipマルチキャストネットワークにおけるマルチキャストトレースルートシステム - Google Patents

Ipマルチキャストネットワークにおけるマルチキャストトレースルートシステム Download PDF

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Abstract

【課題】マルチキャストデータの伝送経路の到達性を正当に評価するシステムを提供する。
【解決手段】マルチキャストネットワークにおけるトレースルートシステムにおいて、
前記複数の受信ホストの少なくとも一つに、所定の形式の要求パケットを生成して送信ホストを宛先として送出する制御パケット生成手段と、この要求パケットに対する応答パケットの返送状況に基づいて、前記マルチキャストデータの伝送経路に関する到達性を検証する検証手段とを備え、送信ホストに、上述した要求パケットを検出する要求検出手段と、この要求パケットの検出に応じて、所定の形式の応答パケットを生成して受信ホストに返送する返送手段とを備え、複数のルータに、上述した要求パケットおよび応答パケットを検出する検出手段と、要求パケットあるいは前記応答パケットの検出に応じて、マルチキャストルーティングテーブルに基づいて、要求パケットあるいは応答パケットを転送する転送手段とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ルータやレイヤ3スイッチなどで構成されたIPマルチキャストネットワークにおいて、マルチキャストデータの送信元である送信ホストとマルチキャストデータを受信する受信ホストとの間の経路を辿るためのマルチキャストトレースルートシステムに関する。
広い範囲に散在する複数の受信ホストに映像パケットや音声パケットを伝送するための方式としては、PIM−SM(Protocol Independent Multicast - Sparse Mode)方式が一般的である。
このPIM−SM方式では、送信ホストSからのマルチキャストデータをいわゆる最短パスツリー(SPT:Shortest Path Tree)に従って伝送する場合と、図6に示すように、複数の受信ホストに対応して予め設定されたランデブーポイント(図6において、網掛けを付して示す)に送り、このランデブーポイントにおいて、各パケットをコピーさせて複数の受信ホストRa,Rbに配信する場合とがある。
このようなマルチキャストデータの伝送経路は、図6に示した各ルータ(図6において、符号R1〜R6を付して示す)に備えられたマルチキャストルーティングテーブルに、マルチキャストデータを識別するマルチキャストグループアドレスとそのマルチキャストデータを受信しようとする受信ホストに対応するインタフェースを記憶させることによって管理されている。
また、上述したようなランデブーポイントで分岐する伝送経路から最短パスに切り替えるスイッチオーバ機能を備えたルータも提供されており、これにより、ランデブーポイントの負荷が大きくなったときなどに、ネットワーク全体の処理負荷の均等化が図られている。
上述したスイッチオーバ機能によって伝送経路が切り替えられる条件については、特に統一した基準は定められていないことから、各ルータのベンダそれぞれに任されており、例えば、最初のマルチキャストデータを受信したら即座に最短パスに切り替える構成のルータがある一方、最短パスへの切り替えを全く行わない設定が適用される場合もある。
ところで、IPネットワークにおいて、送信ホストから送信されたデータが受信ホストに到達するまでの経路を追跡する技術としては、トレースルート(traceroute)機能を利用して、例えば、ICMP(Internet Control Message Protocol)による制御パケットを受信ホストから送信ホストを宛先として送出し、送信ホストから一定時間内に応答が返されるか否かによって到達性の確認を行う技術がある。上述したICMPは、元々ユニキャスト用のプロトコルであるので、トレースルート機能において受信ホストと送信ホストとの間でやり取りされる制御パケットは、当然ながら、各ルータのユニキャスト用のルーティングテーブルに従ってフォワーディングされ、順次に転送されて送信ホストあるいは受信ホストに到達する。
また、送信ホスト側から同様の制御パケットをマルチキャストすることにより、複数の受信ホストとの間の経路確認を一括して行う場合もある。この場合は、送信ホストによって送出された制御パケットは、各ルータのマルチキャストルーティングテーブルに従って転送されて複数の受信ホストそれぞれに転送される。このようにして転送された制御パケットに対して、受信ホストにより、上述した一般的なトレースルートと同様に、ユニキャストを使って応答パケットが返される。
なお、特許文献1には、コネクションレスのパケットが通過したパスの情報を効率的に収集する技術が記載されている。
特開20002−247100号公報
上述したように、マルチキャストネットワークにおいては、送信ホストから送出されたマルチキャストデータは、ランデブーポイントを経由する経路といわゆる最短パスといずれかを経由して受信ホストに到達する。しかし、上述した2通りの経路の切り替えが起こるタイミングは完全にその経路上のルータに任されているため、マルチキャストデータがとおる経路は、どちらか一方には固定されず、上述した2通りのパスのどちらにもなり得る。
その一方、上述したように、従来のトレースルート技術では、ICMPの制御パケットの転送にユニキャスト用のルーティングテーブルが参照されるために、受信ホストから伝送経路をトレースしようとしても、最短パスを介した制御パケットの到達性を調べることしかできなかった。
例えば、マルチキャストデータがランデブーポイントを経由する経路を介して受信ホストに送達されているときにこの経路に障害が発生しても、ユニキャストルーティングテーブルに基づくトレースルート技術では、最短パスの到達性が調べられてしまうので、実際にマルチキャストデータが伝送される経路の障害を検出することができない。
このように、マルチキャストデータが実際に通る経路とは異なる経路(最短パス)を通ってトレースルートの制御パケットが授受されれば、実際の経路の障害にかかわらず、制御パケットが授受される最短パスの到達性の確認によって、マルチキャストデータの伝送経路の到達性が誤って確認されてしまう可能性がある。
また一方、送信ホスト側から到達性を調べようとした場合でも、受信ホストからユニキャストで返されるICMPの制御パケットがマルチキャストデータとは異なるルートを通る可能性があるため、同様の課題がある。例えば、受信ホストが送出した応答パケットの伝送経路(最短パス)に障害が発生していれば、マルチキャストデータは到達しているにもかかわらず、この最短パスの障害のために応答パケットが送信ホストに到達しない。このような場合に、マルチキャストデータが受信ホストに到達していないと誤って判断される可能性がある。
このように、従来の技術では、送信ホスト側が主体となってトレースルートを行う場合でも、受信ホスト側が主体となってトレースルートを行う場合でも、トレースルートパケットが送信ホストと受信ホストとの間を往復する際の経路が、マルチキャストデータの伝送経路と確実に同一であることが保証されないために、マルチキャストデータの伝送経路の到達性を正しく評価することができなかった。
また一方、送信ホストからICMPの制御パケットをマルチキャストする方法では、ネットワークのトラフィックが増大して各ルータの負荷が大きくなってしまうため、受信ホストが主体となって、マルチキャストデータの伝送経路の到達性を正当に評価することができる技術が必要とされている。
本発明は、マルチキャストデータの伝送経路の到達性を正当に評価可能なマルチキャストトレースルートシステムを提供することを目的とする。
本発明にかかわる第1のマルチキャストトレースルートシステムは、受信ホストに制御パケット生成手段と検証手段とを備え、送信ホストにトレースパケット検出手段と返送手段とを備え、ルータに検出手段と転送手段とを備えて構成される。
本発明にかかわる第1のマルチキャストトレースルートシステムの原理は、以下の通りである。
送信ホストから送出されたマルチキャストデータを複数の受信ホストそれぞれに転送するためのマルチキャストルーティングテーブルを備える複数のルータから構成されるマルチキャストネットワークにおけるトレースルートシステムに備えられる複数の受信ホストの少なくとも一つにおいて、制御パケット生成手段は、マルチキャストデータの伝送経路の追跡を要求する制御パケットである旨を所定の形式で示す識別情報を含む要求パケットを生成し、送信ホストを宛先としてマルチキャストネットワークに送出する。検証手段は、要求パケットに対する送信ホストからの応答パケットの返送状況に基づいて、マルチキャストデータの伝送経路に関する到達性を検証する。送信ホストにおいて、要求検出手段は、マルチキャストネットワークを介して到達した制御パケットから要求パケットを検出する。返送手段は、検出手段による要求パケットの検出に応じて、識別情報を含む応答パケットを受信ホストに返送する。複数のルータにおいて、検出手段は、マルチキャストネットワークを介して到達した制御パケットから要求パケットおよび応答パケットを含むトレースルートパケットを検出する。転送手段は、検出手段によるトレースルートパケットの検出に応じて、マルチキャストルーティングテーブルに基づいて、トレースルートパケットを転送する。
このように構成された第1のマルチキャストトレースルートシステムの動作は、下記の通りである。
受信ホストに備えられた制御パケット生成手段によって生成された要求パケットは、マルチキャストネットワークを構成する各ルータに到達するごとに、そのルータに備えられた検出手段によって検出され、転送手段による転送処理に供される。このとき、転送手段は、一般的なトレースルートで使われるユニキャストルーティングテーブルの代わりに、マルチキャストルーティングテーブルに基づいて転送先を決定し、上述した要求パケットを転送する。このようにして、順次に、各ルータによって要求パケットをマルチキャストルーティングテーブルに基づいて転送することにより、マルチキャストデータの伝送経路と同一の経路を逆にたどって、この要求パケットを送信ホストに到達させることができる。
このようにして送信ホストに到達した要求パケットは、要求検出手段によって検出され、これに応じて、返送手段により、要求パケットに対応する応答パケットが生成され、この要求パケットの送信元である受信ホストを宛先として、マルチキャストネットワークに送出される。この応答パケットは、各ルータに備えられた検出手段により、上述した要求パケットと同様にして検出され、この検出に応じて、転送手段により、マルチキャストルーティングテーブルに基づく転送処理が行われる。したがって、送信ホストからの応答パケットもまた、マルチキャストデータの伝送経路と同一の経路を通って受信ホストに伝達され、この応答パケットの返送の有無に基づいて、検証手段による到達性の検証が行われる。
本発明にかかわる第2のマルチキャストトレースルートシステムは、上述した第1のマルチキャストトレースルートシステムにおいて、制御パケット生成手段および返送手段に置換手段とアドレス挿入手段とを備え、検出手段および要求検出手段に照合手段を備え、転送手段に抽出手段と検索手段とを備えて構成される。
本発明にかかわる第2のマルチキャストトレースルートシステムの原理は、以下の通りである。
上述した第1のマルチキャストトレースルートシステムの受信ホストに備えられた制御パケット生成手段および送信ホストに備えられた返送手段において、置換手段は、ICMPによる制御パケットにおいてプロトコル種別を示す情報フィールドを、マルチキャストデータの経路追跡のための制御パケットである旨を示す特定のビット列で置き換える。アドレス挿入手段は、ICMPによる制御パケットのデータ部に、追跡対象のマルチキャストデータを示すマルチキャストグループアドレスを挿入する。また、各ルータに備えられた検出手段および送信ホストに備えられた要求検出手段において、照合手段は、受信した制御パケットにおいてプロトコル種別を示す情報フィールドの内容が上述した特定のビット列に一致しているときに、トレースルートパケットあるいは応答パケットを検出した旨の検出結果を出力する。また、各ルータに備えられた転送手段において、抽出手段は、検出手段によって検出されたトレースルートパケットのデータ部からマルチキャストグループアドレスを抽出する。検索手段は、抽出されたマルチキャストグループアドレスに対応する経路情報をマルチキャストルーティングテーブルから検索して、トレースルートパケットを転送するための経路設定に供する。
このように構成された第2のマルチキャストトレースルートシステムの動作は、下記の通りである。
受信ホストの制御パケット生成手段および送信ホストの返送手段において、例えば、ICMPによる制御パケットのプロトコルフィールドを、置換手段によって、他のプロトコルを示すビット列のいずれとも異なる特定のビット列で置き換え、アドレス挿入手段により、この制御パケットのデータ部に、適切なマルチキャストグループアドレスを挿入することにより、マルチキャストデータの伝送経路の追跡を要求するための要求パケットおよびこれに対する応答パケットが生成される。
このようにして生成された要求パケットおよび応答パケットは、プロトコルフィールドに特定のビット列が設定されているので、各ルータの検出手段あるいは送信ホストの要求検出手段に備えられた照合手段により、このプロトコルフィールドの内容を上述した特定のビット列と照合することによって確実に検出することができる。
また、上述したようにして生成された要求パケットおよび応答パケットのデータ部に設定されたマルチキャストグループアドレスを、ルータの転送手段に備えられた抽出手段によって抽出し、検索手段によるマルチキャストルーティングテーブルの検索処理に供することにより、追跡対象のマルチキャストデータの伝送経路を確実に辿って、要求パケットおよび応答パケットを転送することができる。
本発明にかかわる第3のマルチキャストトレースルートシステムは、上述した第1のマルチキャストトレースルートシステムにおいて、制御パケット生成手段および返送手段に設定手段とアドレス挿入手段とを備え、検出手段および要求検出手段に判定手段を備え、転送手段に抽出手段と検索手段とを備えて構成される。
本発明にかかわる第3のマルチキャストトレースルートシステムの原理は、以下の通りである。
上述した第1のマルチキャストトレースルートシステムの受信ホストに備えられた制御パケット生成手段および送信ホストに備えられた返送手段において、設定手段は、ICMPによる制御パケットにおいて手順種別を示す情報フィールドに、マルチキャストデータの経路追跡における手順種別を所定の形式で示す手順識別情報を設定する。アドレス挿入手段は、ICMPによる制御パケットのデータ部に、追跡対象のマルチキャストデータを示すマルチキャストグループアドレスを挿入する。また、各ルータに備えられた検出手段および送信ホストに備えられた要求検出手段において、判定手段は、受信した制御パケットにおいて手順種別を示す情報フィールドの内容が手順識別情報であるか否かを判定する。また、各ルータに備えられた転送手段において、抽出手段は、検出手段によって検出されたトレースルートパケットのデータ部からマルチキャストグループアドレスを抽出する。検索手段は、抽出されたマルチキャストグループアドレスに対応する経路情報をマルチキャストルーティングテーブルから検索して、トレースルートパケットを転送するための経路設定に供する。
このように構成された第3のマルチキャストトレースルートシステムの動作は、下記の通りである。
受信ホストの制御パケット生成手段および送信ホストの返送手段において、例えば、ICMPによる制御パケットのタイプ(TYPE)フィールドに、設定手段によって、トレースルート手順における各情報種別を示すビット列のいずれとも異なる特定のビット列でマルチキャストトレースルートにおける各手順を示す手順識別情報が設定される。そして、更に、アドレス挿入手段により、この制御パケットのデータ部に、適切なマルチキャストグループアドレスが挿入される。このようにして、マルチキャストデータの伝送経路の追跡を要求するための要求パケットおよびこれに対する応答パケットが生成される。
このようにして生成された要求パケットおよび応答パケットを含むトレースルートパケットは、タイプフィールドにマルチキャストトレースルートに特有のビット列で表される手順識別情報が設定されているので、各ルータの検出手段あるいは送信ホストの要求検出手段に備えられた判定手段により、このタイプフィールドの内容が上述した手順識別情報であるか否かを判定し、この判定結果に基づいて、手順識別情報を含む制御パケットを判別することにより、要求パケットおよび応答パケットを確実に検出することができる。
また、上述したようにして生成された要求パケットおよび応答パケットのデータ部に設定されたマルチキャストグループアドレスを、ルータの転送手段に備えられた抽出手段によって抽出し、検索手段によるマルチキャストルーティングテーブルの検索処理に供することにより、追跡対象のマルチキャストデータの伝送経路を確実に辿って、要求パケットおよび応答パケットを転送することができる。
本発明にかかわる第4のマルチキャストトレースルートシステムは、上述した第1のマルチキャストトレースルートシステムにおいて、検証手段に、計時手段と障害検出手段とを備えて構成される。
本発明にかかわる第4のマルチキャストトレースルートシステムの原理は、以下の通りである。
上述した第1のマルチキャストトレースルートシステムの受信ホストに備えられた検証手段において、計時手段は、制御パケット生成手段による要求パケットの送出から要求パケットに対する応答パケットの受信までの経過時間を計測する。障害検出手段は、計時手段によって計測された経過時間が所定の閾値を超えたときに、マルチキャストデータの伝送経路の障害を検出する。
このように構成された第4のマルチキャストトレースルートシステムの動作は、下記の通りである。
受信ホスト側から送出された要求パケットがマルチキャストデータの伝送経路を正確に辿って送信ホストに伝送され、この送信ホストからの応答パケットが受信ホストに到達するまでの経過時間が、受信ホストの検証手段に備えられた計時手段によって計測される。上述したように、要求パケットおよびこれに対する応答パケットは、マルチキャストデータの伝送経路を正確にたどって伝送され、また、この伝送経路を往復するために要する時間は、例えば、受信ホストと送信ホストとの間のホップ数などに基づいて、予め想定することができる。したがって、上述したようにして計測された経過時間と適切に決定した所定の閾値とを、障害検出手段によって比較することにより、マルチキャストデータの伝送経路の障害を確実に検出することができる。
本発明にかかわる第5のマルチキャストトレースルートシステムは、上述した第1のマルチキャストトレースルートシステムにおいて、転送手段に異常通知手段を備え、検証手段に通知検出手段を備えて構成される。
本発明にかかわる第5のマルチキャストトレースルートシステムの原理は、以下の通りである。
上述した第1のマルチキャストトレースルートシステムの各ルータに備えられた転送手段において、異常通知手段は、マルチキャストルーティングテーブルから適切な方路を検索できなかったときに、マルチキャストルーティングテーブルの異常を示す制御パケットを生成し、制御パケットを受信ホストに返送する。受信ホストに備えられた検証手段において、通知検出手段は、マルチキャストルーティングテーブルの異常を示す制御パケットの受信に応じて、制御パケットの発信元のルータに関する異常を検出する。
このように構成された第5のマルチキャストトレースルートシステムの動作は、下記の通りである。
マルチキャストルーティングテーブルの異常により、要求パケットを送信ホスト側へ転送できなかった場合に、そのルータに備えられた異常通知手段によってその旨を示す制御パケットが生成されて受信ホスト側に返送され、受信ホストに備えられた通知検出手段により、この制御パケットの受信に応じて、発信元のルータの異常が検出される。例えば、上述した制御パケットにおいて、マルチキャストルーティングテーブルの異常が検出されたルータのIPアドレスを示せば、マルチキャストデータの伝送経路上において障害が発生した個所(ルータ)を示す情報を確実に受信ホストに伝え、異常が発生した個所を確実に特定することができる。
以上に説明したように、本発明にかかわるマルチキャストトレースルートシステムによれば、ランデブーポイントを経由する経路とSPTによる最短経路とのいずれが選択されているかにかかわらず、マルチキャストデータが伝送される伝送経路を確実に辿って専用の制御パケット(トレースルートパケット)をやり取りすることができるので、マルチキャストデータの伝送経路に関する到達性を正当に評価することができる。
また、第2および第3のマルチキャストトレースルートシステムにおいて説明したように、上述したトレースルートパケットは、一般的なICMPによる制御パケットの一部を適切な情報で置き換えることで生成することが可能である。
また、上述した第4のマルチキャストトレースルートシステムでは、上述したトレースルートパケットの授受する過程が正常に完了するか否かに基づいてマルチキャストデータの伝送経路の到達性を確実に判定することができ、一方、第5のマルチキャストトレースルートシステムでは、マルチキャストルーティングテーブルに不具合が発生しているルータを検出することができる。更に、マルチキャストデータの伝送経路の到達性を確認する際に、この伝送経路上にある複数のルータそれぞれとの間でトレースルートパケットを授受し、これらの各ルータまでの経路を順次確認していくことにより、伝送経路上に発生した障害個所を特定することが可能となる。
このようなマルチキャストトレースルートシステムを利用すれば、会員向けの映像配信サービスなどにおいて、サービスに障害が発生したときなどに、サービスの利用者である会員が、上述したようにしてマルチキャストデータの伝送経路の到達性を検証し、サービス提供者に報告してもらうことにより、障害個所を迅速に特定し、サービスの早期復旧を図ることができるので、サービス性を大幅に向上することができる。
もちろん、伝送経路上のルータのIPアドレスが伏せられているケースなどでは、障害個所を厳密に特定するまでには至らないけれども、後の、復旧作業をスムーズに進めるために十分な程度に障害個所が存在する範囲を限定する情報を得ることができる。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1に、本発明にかかわるマルチキャストトレースルートシステムの第1の実施形態を示す。
図1において、2つの受信ホスト210a,210bと送信ホスト230とは、6つのルータ220a〜220fによって構成されるマルチキャストネットワークを介して接続されている。
図1に示したルータ220は、ユニキャストルーティングテーブル224とともにマルチキャストルーティングテーブル223を備えており、転送制御部225は、このユニキャストルーティングテーブル224およびマルチキャストルーティングテーブル223に基づいて、通信処理部221による転送動作を制御することにより、ルータ220に到達したパケットを適切な経路で次のルータ220あるいはそのパケットの宛先に転送する。
なお、図1においては、ルータ220fのみの詳細構成を示し、これと同様に構成される他のルータ220a〜220eについての詳細構成は省略した。
また、図1に示した受信ホスト210aにおいて、到達性評価部214は、例えば、この受信ホスト210aの利用者によって入力される経路追跡要求に応じて、要求パケット形成部212に、後述する所定の形式を持つトレースルートパケットを形成を指示する。
図2に、トレースルートパケットの構成例を示す。
図1に示した要求パケット形成部212は、例えば、まず、図2(a)に示すように、ICMPによる制御パケットのヘッダに設けられたプロトコルフィールド(図2(a)において網掛けを付して示した)に、マルチキャストデータの伝送経路確認のためのトレースルートパケットである旨を示すプロトコル識別子(図2(a)においては、プロトコル識別子をコード“101”として示した)を設定する。更に、要求パケット形成部212は、データ部に設けたタイプフィールド(図2(a)において網掛けを付して示した)に、トレースルートパケットの種別を示す情報として経路追跡要求である旨を示す種別識別子(例えば、タイプコード“0”)を設定するとともに、同じくデータ部に設けた対応するマルチキャストグループアドレスフィールド(図2(a)において網掛けを付して示した)に、受信中のマルチキャストグループを示す適切なマルチキャストグループアドレスを付加する。
このようにして形成された要求パケットは、通信処理部211を介してマルチキャストネットワークに送出され、まず、この受信ホスト210aに隣接するルータ220fに渡される。
図1に示したルータ220fにおいて、制御パケット抽出部222は、このルータ220fと隣接ルータ220c、220eとの間のインタフェース(図1において、丸印を付して示す)を介して渡されたパケットのプロトコルフィールドを参照し、上述した特定のビット列がセットされているトレースルートパケットを検出する。そして、検出したトレースルートパケットに含まれているマルチキャストグループアドレスを抽出して、転送制御部225に渡し、このトレースルートパケットの転送制御処理に供する。
図1に示したマルチキャストルーティングテーブル223には、各マルチキャストグループアドレスに対応して、対応するマルチキャストデータの送信元である送信ホスト230に至る方路に対応するインタフェースを示す情報と送信先である受信ホスト210に至る方路に対応するインタフェースを示す情報とともに、該当する伝送経路が現在使われているか否かを示す情報が格納されている。
ここで、例えば、送信ホスト230からのマルチキャストデータの配信開始に伴って、ルータ220cをランデブーポイントとして、このルータ220cでルータ220d、220fに分岐する伝送経路が設定され、後に、受信ホスト210aへの伝送経路がSPTに基づいて、ルータ220e、220fを経由する最短パスに切り替えられた場合を例にとって、上述したマルチキャストルーティングテーブル223に格納されている情報の内容を説明する。この場合にマルチキャストルーティングテーブル223には、上述したマルチキャストデータを示すマルチキャストグループアドレスに対応して、ランデブーポイントが設定された伝送経路においてこのルータ220fに隣接するルータ230cおよび受信ホスト210aに対応するインタフェースを示す経路情報と最短パスにおいて隣接するルータ220eおよび受信ホスト210aに対応するインタフェースを示す経路情報との2つが格納されている。そして、最短パスを示す経路情報に対応する状態情報として現在使用中である旨の情報(”forwarding”)がセットされ、一方、ランデブーポイントが設定された伝送経路を示す経路情報に対応する状態情報としては、使用されていない旨を示す情報(”prune”)がセットされている。
したがって、上述したようにして制御パケット抽出部222から受け取ったマルチキャストグループアドレスに基づいて、転送制御部225がマルチキャストルーティングテーブル223を参照することにより、現時点において有効となっているマルチキャストデータの伝送経路に関する経路情報を得ることができる。この経路情報に基づいて、転送制御部225が、通信処理部221に受信ホスト210aから到達したトレースルートパケットをどのインタフェースに向けて送出すべきかを判断し、通信処理部221に、適切なインタフェースを介して上述したトレースルートパケットを送出する旨を指示する。
このようにして各ルータ220においてトレースルートパケットの受信に応じて、マルチキャストルーティングテーブル223に基づく転送処理を行って順次に各ルータ220に転送していくことにより、上述した2つの伝送経路のいずれが有効となっているかにかかわらず、受信ホスト210aによって送出されたトレースルートパケットをマルチキャストデータの伝送経路を正確に遡り、送信ホスト230にトレースルートパケットを到達させることができる。
このようにして伝送経路の追跡を要求するトレースルートパケットが図1に示した送信ホスト230に到達し、通信処理部231による受信処理の過程において、上述したプロトコルフィールドに基づいて要求パケット検出部232によって検出されたときに、応答パケット形成部233により、この要求パケットに対する応答を示すトレースルートパケットが形成される。
このとき、応答パケット形成部233は、上述した要求パケット形成部212における要求パケットの形成処理と同様にして、ICMPによる制御パケットのプロトコルフィールドに独自のプロトコル識別子を設定するとともに、データ部に経路追跡応答である旨を示す種別識別子とマルチキャストグループアドレスを付加して加工することによって、トレースルートパケットを形成し、通信処理部231を介してマルチキャストネットワークに送出する。
このようにしてマルチキャストネットワークに送出された応答パケットは、上述した要求パケットの転送と同様の手順に従って、マルチキャストデータと同一の伝送経路上の各ルータ220に備えられた制御パケット抽出部222によって検出され、マルチキャストルーティングテーブル223に従って転送される。つまり、上述した応答パケットは、まず、ルータ220aに備えられたマルチキャストルーティングテーブル223に基づいてルータ220eに転送され、次いで、ルータ220fを介して受信ホスト210aに返される。
したがって、上述した要求パケットの送出を指示してから一定時間以内に、図1に示した受信ホスト210aの通信処理部211に応答パケットが到達し、この応答パケットが応答パケット検出部213によって検出されたときに、到達性評価部214は、マルチキャストデータの伝送経路の到達性が確認されたと判断し、その旨を利用者に通知することができる。一方、制御パケットの往復に要する時間について予想された時間が経過しても応答パケットが返されなかった場合には、到達性評価部214により、マルチキャストデータの伝送経路に何らかの障害が発生したと判断し、利用者に通知することができる。
このように、図1に示したマルチキャストトレースルートシステムによれば、マルチキャストデータが送信ホストから受信ホストに伝送される伝送経路と同一の経路を通って専用のトレースルートパケットがやり取りされ、これに基づいて、マルチキャストデータの伝送経路の到達性が評価されるので、マルチキャストデータの伝送経路の到達性を確実かつ正当に判断することができる。
なお、本発明にかかわるトレースルートパケットをICMPによる制御パケットの拡張形式によって実現することも可能である。
例えば、図2(b)に示すように、要求パケット形成部212および応答パケット形成部233において、ICMPによる制御パケット(Tracert)のタイプフィールド(図2(b)において網掛けを付して示す)に設定するコードを拡張し(図2(c)参照)、マルチキャストデータの伝送経路に関するトレースルートであることを示すとともに、データ部にマルチキャストグループアドレスを設定するフィールドを設けて、トレースルートパケットを形成してもよい。
(第2の実施形態)
図3に、本発明にかかわるマルチキャストトレースルートシステムの第2の実施形態を示す。
なお、図3に示す構成要素のうち、図1に示した各部と同等のものについては、図1に示した符号を付して示し、その説明を省略する。
図3に示した受信ホスト210aは、図1に示した応答パケット検出部213および到達性評価部214に代えて、制御パケット検出部215と追跡制御部216および評価通知部217とを備えて構成されている。一方、図3に示した各ルータ220は、図1に示した各部に加えて、制御パケット形成部226を備えて構成されている。
図3に示した追跡制御部216は、例えば、利用者からの追跡指示およびに制御パケット検出部215による検出結果に基づいて、要求パケット形成部212による要求パケットの形成動作を制御して、伝送経路の追跡処理を制御し、この追跡処理で得られた情報を評価通知部217に渡して、マルチキャストデータの伝送経路に関する到達性の評価処理に供する。
また、図3に示したルータ220fにおいて、制御パケット形成部226は、転送制御部225からの指示に応じて、このルータ220における伝送経路の状態を示す情報を上述した形式のトレースルートパケットのタイプフィールドに設定した返信パケットを形成し、通信処理部221を介して要求パケットの送信元に返信する。
図4に、マルチキャストデータの伝送経路に関する追跡動作を表す流れ図を示す。また、図5に、トレースルートパケットの転送動作を表す流れ図を示す。
利用者からの追跡要求に応じて、図3に示した追跡制御部216により、まず、要求パケット形成部212に生存期間(TTL)が1である要求パケットの形成が指示され(図4のステップ301)、これに応じて、要求パケット形成部212により、上述したような要求パケットが形成されてマルチキャストネットワークに送出される(ステップ302)。
このようにして送出された要求パケットがルータ220に到達し、制御パケット抽出部222によって検出されたときに(図5のステップ311)、転送制御部225は、抽出されたパケットのタイプフィールドに設定されたコードに基づいて、このパケットが要求パケットであると判定し(ステップ312)、次いで、この要求パケットの生存期間を確認する。
上述したステップ311で検出された要求パケットの生存期間が数値「1」である場合に(ステップ313の肯定判定)、転送制御部225は、この要求パケットを破棄し、制御パケット形成部226に、タイプフィールドに自ルータまでの到達を示すコードを設定した返信パケットを形成させる(ステップ314)。このとき、制御パケット形成部226は、例えば、図2(a)に示したようにデータ部に新たに設けたタイプフィールドに、一般的なトレースルート機能において制御情報”Time Exceeded”を示すコードを自ルータまでの到達を示すコードとして設定して、返信パケットを形成することができる。また、図2(c)に示したような制御情報をICMPによる制御パケットのタイプフィールドに設定することで、返信パケットを形成することもできる。
このようにして形成された返信パケットは、通信処理部221によって受信ホストを宛先として送出され(図5のステップ315)、図3に示した受信ホスト210aの制御パケット検出部215によって検出される。
この返信パケットの検出に応じて、追跡制御部216は、図4のステップ303の肯定判定としてステップ305に進み、更に、ステップ306に進んで、返信パケットのタイプフィールドに設定された情報に基づいて、この返信パケットで示される伝送経路の追跡状態を判定する。
上述した返信パケットでは、タイプフィールドに設定された制御情報により、ルータ220fまでの要求パケットの到達が示されるので(ステップ306の肯定判定)、追跡制御部216は、到達が確認されたルータ(ここでは、ルータ220f)の先の伝送経路に関する追跡を行うために生存期間を延長し(ステップ307)、ステップ302に戻って、要求パケット形成部212に要求パケットを形成させ、通信処理部211を介して送出させる。
このようにして生存期間が延長された要求パケットがルータ220fに到達し、制御パケット抽出部222によって抽出されると、転送制御部225は、図5に示したステップ313の否定判定として、この要求パケットの転送処理を行う。このとき、転送制御部225は、生存期間をデクリメントするとともに(ステップ316)、制御パケット抽出部222によって抽出されたマルチキャストグループアドレスに基づいて、マルチキャストルーティングテーブル223から送信ホスト230側に伝送経路を遡るための転送先を検索する(ステップ317)。
例えば、ルータ220fにおいて、上述したマルチキャストグループアドレスに対応するマルチキャストルーティングテーブル223が正常に形成されていれば、上述したステップ317において適切な転送先(例えば、ルータ220eとのインタフェース)が検索されるので、転送制御部225は、ステップ318の肯定判定として、通信処理部221を介して要求パケットを検索した転送先に転送させて(ステップ319)、この要求パケットに関する転送処理を完了する。
このようにして転送された要求パケットに応じて、隣接するルータ220eにおいて、上述したステップ311からステップ315の処理が行われ、この過程で形成された返信パケットが受信ホスト210aに到達することにより、このルータ220eまでの到達が確認され、これに応じて、受信ホスト210aにより、更に生存期間を延長した要求パケットが送出される。
このようにして、順次に生存期間を延長した要求パケットを送出し、各ルータ220からの返信パケットによってトレースルートパケットの到達を確認していくことにより、マルチキャストデータの伝送経路上の各ルータ220までの到達性を順次に確認しつつ、この伝送経路を受信ホスト210a側から送信ホスト230まで遡らせることができる。
そして、このようにして伝送経路を遡って転送した要求パケットに対して、隣接するルータ220から返信パケットが返された場合および送信ホスト230からの応答パケットが返された場合に、転送制御部225は、図5に示したステップ312の否定判定としてステップ321に進み、通信処理部221を介して、この返信パケットあるいは応答パケットを宛先として指定された受信ホスト210側へ転送する。
このようにして送信ホスト230によって送出された応答パケットがマルチキャストネットワークにおいて順次に転送され、要求パケットの送信元である受信ホスト210(たとえば、受信ホスト210a)に到達したときに、図3に示した追跡制御部216は、図4に示したステップ305の肯定判定として、送信ホスト230から自装置までのマルチキャストデータの伝送経路の到達性を確認した旨の評価結果を、評価通知部217を介して利用者に通知して(ステップ306)、追跡処理を終了する。
一方、要求パケットそれぞれが送出されてから所定の時間が経過しても返信パケットあるいは応答パケットが返されない場合に(ステップ303の否定判定)、追跡制御部216は、伝送経路に障害を検出した旨の評価結果を、評価通知部217を介して利用者に通知して(ステップ309)、処理を終了する。ここで、例えば、追跡制御部216が評価通知部217に渡す評価結果に、最後に送出した要求パケットに適用された生存期間を示す情報を含めておけば、利用者に到達性が確認された区間に関する情報を提供することができる。更に、返信パケットを受信した際に、その発信元アドレスを収集しておき、収集した発信元アドレスを評価結果とともに評価通知部217の処理に供することにより、障害が発生した個所をより正確に特定することができる。
このように、図3に示したマルチキャストトレースルートシステムでは、マルチキャストデータの伝送経路を追跡する過程において、例えば、ルータ220fとルータ220cとの間のインタフェースに何らかの障害が発生した場合などに、この障害が発生した個所を的確に限定するために十分な情報を得ることができる。
更に、このマルチキャストトレースルートシステムでは、各ルータ220に備えられたマルチキャストルーティングテーブル223のいずれかに発生した異常によって伝送経路の到達が実現できない場合においても、その原因を的確に突き止めることができる。
例えば、ルータ220eに備えられたマルチキャストルーティングテーブル223において、追跡対象の伝送経路のマルチキャストグループアドレスに対応する経路情報が正常に形成されていなかった場合は、ステップ317において適切な転送先が検索できないため、図5に示したステップ318の否定判定となる。このとき、転送制御部225は、制御パケット形成部226にマルチキャストルーティングテーブルにエラーがあることを示す制御情報を含む返信パケットを形成させ(ステップ320)、通信処理部221を介してこの返信パケットを受信ホスト210a宛てに送出させて(ステップ315)、処理を終了する。
このようにして送出された返信パケットが受信ホスト210aに到達したときに、追跡制御部216は、ステップ306の否定判定としてステップ308に進み、この返信パケットの送信元のルータ(この場合は、ルータ220e)においてマルチキャストルーティングテーブル223のエラーが発生した旨の評価結果を、評価通知部217を介して利用者に通知して処理を終了する。
上述したように、本発明にかかわるマルチキャストトレースルートシステムによれば、マルチキャストデータの伝送経路を受信ホスト側から送信ホストまで正確に遡って到達性を確認することができるので、例えば、ネットワークを利用した映像コンテンツの配信サービスなどの分野において、伝送経路の障害が発生した場合に、障害個所を早期に切り分けて復旧作業の効率化を図ることができる。
もちろん、受信ホスト側からの操作が必要となるので、利用者の協力が不可欠となるが、上述したように、本発明にかかわるマルチキャストトレースルートシステムでは、トレースルートパケットを授受する過程において、障害個所の特定のために有用な様々な情報を収集することができるので、迅速な復旧作業を保証することが可能であるので、利用者の負担に十分に応えることができる。
また、監視カメラに捉えられた映像をマルチキャストネットワークによって複数の監視拠点に配信するようなシステムにおいて、各監視拠点から監視カメラの映像を送出する送信ホストまでの伝送経路の到達性を確認する技術として利用することも可能であり、これにより、このような監視システムの信頼性の向上を図ることが可能となる。
本発明にかかわるマルチキャストトレースルートシステムの第1の実施形態を示す図である。 トレースルートパケットの構成例を示す図である。 本発明にかかわるマルチキャストトレースルートシステムの第2の実施形態を示す図である。 マルチキャストデータの伝送経路に関する追跡動作を表す流れ図である。 トレースルートパケットの転送動作を表す流れ図である。 マルチキャストネットワークの説明図である。
符号の説明
210 受信ホスト
211、221,231 通信処理部
212 要求パケット形成部
213 応答パケット検出部
214 到達性評価部
215 制御パケット検出部
216 追跡制御部
217 評価通知部
220 ルータ
222 制御パケット抽出部
223 マルチキャストルーティングテーブル
224 ユニキャストルーティングテーブル
225 転送制御部
226 制御パケット形成部
230 送信ホスト
232 要求パケット検出部
233 応答パケット形成部

Claims (5)

  1. 送信ホストから送出されたマルチキャストデータを複数の受信ホストそれぞれに転送するためのマルチキャストルーティングテーブルを備える複数のルータから構成されるマルチキャストネットワークにおけるトレースルートシステムにおいて、
    前記複数の受信ホストの少なくとも一つは、
    前記マルチキャストデータの伝送経路の追跡を要求するための制御パケットである旨を所定の形式で示す識別情報を含む要求パケットを生成し、前記送信ホストを宛先として前記マルチキャストネットワークに送出する制御パケット生成手段と、
    前記要求パケットに対して前記送信ホストからの応答パケットの返送状況に基づいて、前記マルチキャストデータの伝送経路に関する到達性を検証する検証手段とを備え、
    前記送信ホストは、
    前記マルチキャストネットワークを介して到達した制御パケットから前記要求パケットを検出する要求検出手段と、
    前記検出手段による前記要求パケットの検出に応じて、前記識別情報を含む応答パケットを前記受信ホストに返送する返送手段とを備え、
    前記複数のルータは、
    前記マルチキャストネットワークを介して到達した制御パケットから前記要求パケットおよび前記応答パケットを含むトレースルートパケットを検出する検出手段と、
    前記検出手段による前記トレースルートパケットの検出に応じて、前記マルチキャストルーティングテーブルに基づいて、前記トレースルートパケットを転送する転送手段とを備えた
    ことを特徴とするマルチキャストトレースルートシステム。
  2. 請求項1に記載のマルチキャストトレースルートシステムにおいて、
    前記受信ホストに備えられた制御パケット生成手段および前記送信ホストに備えられた返送手段は、
    ICMPによる制御パケットにおいてプロトコル種別を示す情報フィールドを、マルチキャストデータの経路追跡のための制御パケットである旨を示す特定のビット列で置き換える置換手段と、
    前記ICMPによる制御パケットのデータ部に、追跡対象のマルチキャストデータを示すマルチキャストグループアドレスを挿入するアドレス挿入手段とを備え、
    前記ルータに備えられた検出手段および前記送信ホストに備えられた要求検出手段は、
    受信した制御パケットにおいてプロトコル種別を示す情報フィールドの内容が上述した特定のビット列に一致しているときに、要求パケットあるいは応答パケットを検出した旨の検出結果を出力する照合手段を備え、
    前記各ルータに備えられた転送手段は、
    検出手段によって検出されたトレースルートパケットのデータ部からマルチキャストグループアドレスを抽出する抽出手段と、
    抽出されたマルチキャストグループアドレスに対応する経路情報を前記マルチキャストルーティングテーブルから検索して、前記トレースルートパケットを転送するための経路設定に供する検索手段とを備えた
    ことを特徴とするマルチキャストトレースルートシステム。
  3. 請求項1に記載のマルチキャストトレースルートシステムにおいて、
    前記受信ホストに備えられた制御パケット生成手段および前記送信ホストに備えられた返送手段は、
    ICMPによる制御パケットにおいて手順種別を示す情報フィールドに、マルチキャストデータの経路追跡における手順種別を所定の形式で示す手順識別情報を設定する設定手段と、
    前記ICMPによる制御パケットのデータ部に、追跡対象のマルチキャストデータを示すマルチキャストグループアドレスを挿入するアドレス挿入手段とを備え、
    前記ルータに備えられた検出手段および前記送信ホストに備えられた要求検出手段は、
    受信した制御パケットにおいて手順種別を示す情報フィールドの内容が前記手順識別情報であるか否かを判定する判定手段を備え、
    前記各ルータに備えられた転送手段は、
    前記検出手段によって検出されたトレースルートパケットのデータ部からマルチキャストグループアドレスを抽出する抽出手段と、
    抽出されたマルチキャストグループアドレスに対応する経路情報を前記マルチキャストルーティングテーブルから検索して、前記トレースルートパケットを転送するための経路設定に供する検索手段とを備えた
    ことを特徴とするマルチキャストトレースルートシステム。
  4. 請求項1に記載のマルチキャストトレースルートシステムにおいて、
    前記受信ホストに備えられた検証手段は、
    前記制御パケット生成手段による要求パケットの送出から前記要求パケットに対する応答パケットの受信までの経過時間を計測する計時手段と、
    前記計時手段によって計測された経過時間が所定の閾値を超えたときに、前記マルチキャストデータの伝送経路の障害を検出する障害検出手段とを備えた
    ことを特徴とするマルチキャストトレースルートシステム。
  5. 請求項1に記載のマルチキャストトレースルートシステムにおいて、
    前記各ルータに備えられた転送手段は、
    前記マルチキャストルーティングテーブルから適切な方路を検索できなかったときに、前記マルチキャストルーティングテーブルの異常を示す制御パケットを生成し、前記制御パケットを受信ホストに返送する異常通知手段を備え、
    前記受信ホストに備えられた検証手段は、
    前記マルチキャストルーティングテーブルの異常を示す制御パケットの受信に応じて、前記制御パケットの発信元のルータに関する異常を検出する通知検出手段を備えた
    ことを特徴とするマルチキャストトレースルートシステム。
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