JP2007037062A - Ipマルチキャストネットワークにおけるマルチキャストトレースルートシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】マルチキャストネットワークにおけるトレースルートシステムにおいて、
前記複数の受信ホストの少なくとも一つに、所定の形式の要求パケットを生成して送信ホストを宛先として送出する制御パケット生成手段と、この要求パケットに対する応答パケットの返送状況に基づいて、前記マルチキャストデータの伝送経路に関する到達性を検証する検証手段とを備え、送信ホストに、上述した要求パケットを検出する要求検出手段と、この要求パケットの検出に応じて、所定の形式の応答パケットを生成して受信ホストに返送する返送手段とを備え、複数のルータに、上述した要求パケットおよび応答パケットを検出する検出手段と、要求パケットあるいは前記応答パケットの検出に応じて、マルチキャストルーティングテーブルに基づいて、要求パケットあるいは応答パケットを転送する転送手段とを備える。
【選択図】 図1
Description
このPIM−SM方式では、送信ホストSからのマルチキャストデータをいわゆる最短パスツリー(SPT:Shortest Path Tree)に従って伝送する場合と、図6に示すように、複数の受信ホストに対応して予め設定されたランデブーポイント(図6において、網掛けを付して示す)に送り、このランデブーポイントにおいて、各パケットをコピーさせて複数の受信ホストRa,Rbに配信する場合とがある。
上述したスイッチオーバ機能によって伝送経路が切り替えられる条件については、特に統一した基準は定められていないことから、各ルータのベンダそれぞれに任されており、例えば、最初のマルチキャストデータを受信したら即座に最短パスに切り替える構成のルータがある一方、最短パスへの切り替えを全く行わない設定が適用される場合もある。
例えば、マルチキャストデータがランデブーポイントを経由する経路を介して受信ホストに送達されているときにこの経路に障害が発生しても、ユニキャストルーティングテーブルに基づくトレースルート技術では、最短パスの到達性が調べられてしまうので、実際にマルチキャストデータが伝送される経路の障害を検出することができない。
また一方、送信ホスト側から到達性を調べようとした場合でも、受信ホストからユニキャストで返されるICMPの制御パケットがマルチキャストデータとは異なるルートを通る可能性があるため、同様の課題がある。例えば、受信ホストが送出した応答パケットの伝送経路(最短パス)に障害が発生していれば、マルチキャストデータは到達しているにもかかわらず、この最短パスの障害のために応答パケットが送信ホストに到達しない。このような場合に、マルチキャストデータが受信ホストに到達していないと誤って判断される可能性がある。
本発明は、マルチキャストデータの伝送経路の到達性を正当に評価可能なマルチキャストトレースルートシステムを提供することを目的とする。
本発明にかかわる第1のマルチキャストトレースルートシステムの原理は、以下の通りである。
受信ホストに備えられた制御パケット生成手段によって生成された要求パケットは、マルチキャストネットワークを構成する各ルータに到達するごとに、そのルータに備えられた検出手段によって検出され、転送手段による転送処理に供される。このとき、転送手段は、一般的なトレースルートで使われるユニキャストルーティングテーブルの代わりに、マルチキャストルーティングテーブルに基づいて転送先を決定し、上述した要求パケットを転送する。このようにして、順次に、各ルータによって要求パケットをマルチキャストルーティングテーブルに基づいて転送することにより、マルチキャストデータの伝送経路と同一の経路を逆にたどって、この要求パケットを送信ホストに到達させることができる。
本発明にかかわる第2のマルチキャストトレースルートシステムの原理は、以下の通りである。
受信ホストの制御パケット生成手段および送信ホストの返送手段において、例えば、ICMPによる制御パケットのプロトコルフィールドを、置換手段によって、他のプロトコルを示すビット列のいずれとも異なる特定のビット列で置き換え、アドレス挿入手段により、この制御パケットのデータ部に、適切なマルチキャストグループアドレスを挿入することにより、マルチキャストデータの伝送経路の追跡を要求するための要求パケットおよびこれに対する応答パケットが生成される。
また、上述したようにして生成された要求パケットおよび応答パケットのデータ部に設定されたマルチキャストグループアドレスを、ルータの転送手段に備えられた抽出手段によって抽出し、検索手段によるマルチキャストルーティングテーブルの検索処理に供することにより、追跡対象のマルチキャストデータの伝送経路を確実に辿って、要求パケットおよび応答パケットを転送することができる。
本発明にかかわる第3のマルチキャストトレースルートシステムの原理は、以下の通りである。
受信ホストの制御パケット生成手段および送信ホストの返送手段において、例えば、ICMPによる制御パケットのタイプ(TYPE)フィールドに、設定手段によって、トレースルート手順における各情報種別を示すビット列のいずれとも異なる特定のビット列でマルチキャストトレースルートにおける各手順を示す手順識別情報が設定される。そして、更に、アドレス挿入手段により、この制御パケットのデータ部に、適切なマルチキャストグループアドレスが挿入される。このようにして、マルチキャストデータの伝送経路の追跡を要求するための要求パケットおよびこれに対する応答パケットが生成される。
本発明にかかわる第4のマルチキャストトレースルートシステムの原理は、以下の通りである。
受信ホスト側から送出された要求パケットがマルチキャストデータの伝送経路を正確に辿って送信ホストに伝送され、この送信ホストからの応答パケットが受信ホストに到達するまでの経過時間が、受信ホストの検証手段に備えられた計時手段によって計測される。上述したように、要求パケットおよびこれに対する応答パケットは、マルチキャストデータの伝送経路を正確にたどって伝送され、また、この伝送経路を往復するために要する時間は、例えば、受信ホストと送信ホストとの間のホップ数などに基づいて、予め想定することができる。したがって、上述したようにして計測された経過時間と適切に決定した所定の閾値とを、障害検出手段によって比較することにより、マルチキャストデータの伝送経路の障害を確実に検出することができる。
本発明にかかわる第5のマルチキャストトレースルートシステムの原理は、以下の通りである。
マルチキャストルーティングテーブルの異常により、要求パケットを送信ホスト側へ転送できなかった場合に、そのルータに備えられた異常通知手段によってその旨を示す制御パケットが生成されて受信ホスト側に返送され、受信ホストに備えられた通知検出手段により、この制御パケットの受信に応じて、発信元のルータの異常が検出される。例えば、上述した制御パケットにおいて、マルチキャストルーティングテーブルの異常が検出されたルータのIPアドレスを示せば、マルチキャストデータの伝送経路上において障害が発生した個所(ルータ)を示す情報を確実に受信ホストに伝え、異常が発生した個所を確実に特定することができる。
また、上述した第4のマルチキャストトレースルートシステムでは、上述したトレースルートパケットの授受する過程が正常に完了するか否かに基づいてマルチキャストデータの伝送経路の到達性を確実に判定することができ、一方、第5のマルチキャストトレースルートシステムでは、マルチキャストルーティングテーブルに不具合が発生しているルータを検出することができる。更に、マルチキャストデータの伝送経路の到達性を確認する際に、この伝送経路上にある複数のルータそれぞれとの間でトレースルートパケットを授受し、これらの各ルータまでの経路を順次確認していくことにより、伝送経路上に発生した障害個所を特定することが可能となる。
(第1の実施形態)
図1に、本発明にかかわるマルチキャストトレースルートシステムの第1の実施形態を示す。
図1において、2つの受信ホスト210a,210bと送信ホスト230とは、6つのルータ220a〜220fによって構成されるマルチキャストネットワークを介して接続されている。
また、図1に示した受信ホスト210aにおいて、到達性評価部214は、例えば、この受信ホスト210aの利用者によって入力される経路追跡要求に応じて、要求パケット形成部212に、後述する所定の形式を持つトレースルートパケットを形成を指示する。
図1に示した要求パケット形成部212は、例えば、まず、図2(a)に示すように、ICMPによる制御パケットのヘッダに設けられたプロトコルフィールド(図2(a)において網掛けを付して示した)に、マルチキャストデータの伝送経路確認のためのトレースルートパケットである旨を示すプロトコル識別子(図2(a)においては、プロトコル識別子をコード“101”として示した)を設定する。更に、要求パケット形成部212は、データ部に設けたタイプフィールド(図2(a)において網掛けを付して示した)に、トレースルートパケットの種別を示す情報として経路追跡要求である旨を示す種別識別子(例えば、タイプコード“0”)を設定するとともに、同じくデータ部に設けた対応するマルチキャストグループアドレスフィールド(図2(a)において網掛けを付して示した)に、受信中のマルチキャストグループを示す適切なマルチキャストグループアドレスを付加する。
図1に示したルータ220fにおいて、制御パケット抽出部222は、このルータ220fと隣接ルータ220c、220eとの間のインタフェース(図1において、丸印を付して示す)を介して渡されたパケットのプロトコルフィールドを参照し、上述した特定のビット列がセットされているトレースルートパケットを検出する。そして、検出したトレースルートパケットに含まれているマルチキャストグループアドレスを抽出して、転送制御部225に渡し、このトレースルートパケットの転送制御処理に供する。
例えば、図2(b)に示すように、要求パケット形成部212および応答パケット形成部233において、ICMPによる制御パケット(Tracert)のタイプフィールド(図2(b)において網掛けを付して示す)に設定するコードを拡張し(図2(c)参照)、マルチキャストデータの伝送経路に関するトレースルートであることを示すとともに、データ部にマルチキャストグループアドレスを設定するフィールドを設けて、トレースルートパケットを形成してもよい。
(第2の実施形態)
図3に、本発明にかかわるマルチキャストトレースルートシステムの第2の実施形態を示す。
図3に示した受信ホスト210aは、図1に示した応答パケット検出部213および到達性評価部214に代えて、制御パケット検出部215と追跡制御部216および評価通知部217とを備えて構成されている。一方、図3に示した各ルータ220は、図1に示した各部に加えて、制御パケット形成部226を備えて構成されている。
図4に、マルチキャストデータの伝送経路に関する追跡動作を表す流れ図を示す。また、図5に、トレースルートパケットの転送動作を表す流れ図を示す。
このようにして送出された要求パケットがルータ220に到達し、制御パケット抽出部222によって検出されたときに(図5のステップ311)、転送制御部225は、抽出されたパケットのタイプフィールドに設定されたコードに基づいて、このパケットが要求パケットであると判定し(ステップ312)、次いで、この要求パケットの生存期間を確認する。
この返信パケットの検出に応じて、追跡制御部216は、図4のステップ303の肯定判定としてステップ305に進み、更に、ステップ306に進んで、返信パケットのタイプフィールドに設定された情報に基づいて、この返信パケットで示される伝送経路の追跡状態を判定する。
そして、このようにして伝送経路を遡って転送した要求パケットに対して、隣接するルータ220から返信パケットが返された場合および送信ホスト230からの応答パケットが返された場合に、転送制御部225は、図5に示したステップ312の否定判定としてステップ321に進み、通信処理部221を介して、この返信パケットあるいは応答パケットを宛先として指定された受信ホスト210側へ転送する。
更に、このマルチキャストトレースルートシステムでは、各ルータ220に備えられたマルチキャストルーティングテーブル223のいずれかに発生した異常によって伝送経路の到達が実現できない場合においても、その原因を的確に突き止めることができる。
211、221,231 通信処理部
212 要求パケット形成部
213 応答パケット検出部
214 到達性評価部
215 制御パケット検出部
216 追跡制御部
217 評価通知部
220 ルータ
222 制御パケット抽出部
223 マルチキャストルーティングテーブル
224 ユニキャストルーティングテーブル
225 転送制御部
226 制御パケット形成部
230 送信ホスト
232 要求パケット検出部
233 応答パケット形成部
Claims (5)
- 送信ホストから送出されたマルチキャストデータを複数の受信ホストそれぞれに転送するためのマルチキャストルーティングテーブルを備える複数のルータから構成されるマルチキャストネットワークにおけるトレースルートシステムにおいて、
前記複数の受信ホストの少なくとも一つは、
前記マルチキャストデータの伝送経路の追跡を要求するための制御パケットである旨を所定の形式で示す識別情報を含む要求パケットを生成し、前記送信ホストを宛先として前記マルチキャストネットワークに送出する制御パケット生成手段と、
前記要求パケットに対して前記送信ホストからの応答パケットの返送状況に基づいて、前記マルチキャストデータの伝送経路に関する到達性を検証する検証手段とを備え、
前記送信ホストは、
前記マルチキャストネットワークを介して到達した制御パケットから前記要求パケットを検出する要求検出手段と、
前記検出手段による前記要求パケットの検出に応じて、前記識別情報を含む応答パケットを前記受信ホストに返送する返送手段とを備え、
前記複数のルータは、
前記マルチキャストネットワークを介して到達した制御パケットから前記要求パケットおよび前記応答パケットを含むトレースルートパケットを検出する検出手段と、
前記検出手段による前記トレースルートパケットの検出に応じて、前記マルチキャストルーティングテーブルに基づいて、前記トレースルートパケットを転送する転送手段とを備えた
ことを特徴とするマルチキャストトレースルートシステム。 - 請求項1に記載のマルチキャストトレースルートシステムにおいて、
前記受信ホストに備えられた制御パケット生成手段および前記送信ホストに備えられた返送手段は、
ICMPによる制御パケットにおいてプロトコル種別を示す情報フィールドを、マルチキャストデータの経路追跡のための制御パケットである旨を示す特定のビット列で置き換える置換手段と、
前記ICMPによる制御パケットのデータ部に、追跡対象のマルチキャストデータを示すマルチキャストグループアドレスを挿入するアドレス挿入手段とを備え、
前記ルータに備えられた検出手段および前記送信ホストに備えられた要求検出手段は、
受信した制御パケットにおいてプロトコル種別を示す情報フィールドの内容が上述した特定のビット列に一致しているときに、要求パケットあるいは応答パケットを検出した旨の検出結果を出力する照合手段を備え、
前記各ルータに備えられた転送手段は、
検出手段によって検出されたトレースルートパケットのデータ部からマルチキャストグループアドレスを抽出する抽出手段と、
抽出されたマルチキャストグループアドレスに対応する経路情報を前記マルチキャストルーティングテーブルから検索して、前記トレースルートパケットを転送するための経路設定に供する検索手段とを備えた
ことを特徴とするマルチキャストトレースルートシステム。 - 請求項1に記載のマルチキャストトレースルートシステムにおいて、
前記受信ホストに備えられた制御パケット生成手段および前記送信ホストに備えられた返送手段は、
ICMPによる制御パケットにおいて手順種別を示す情報フィールドに、マルチキャストデータの経路追跡における手順種別を所定の形式で示す手順識別情報を設定する設定手段と、
前記ICMPによる制御パケットのデータ部に、追跡対象のマルチキャストデータを示すマルチキャストグループアドレスを挿入するアドレス挿入手段とを備え、
前記ルータに備えられた検出手段および前記送信ホストに備えられた要求検出手段は、
受信した制御パケットにおいて手順種別を示す情報フィールドの内容が前記手順識別情報であるか否かを判定する判定手段を備え、
前記各ルータに備えられた転送手段は、
前記検出手段によって検出されたトレースルートパケットのデータ部からマルチキャストグループアドレスを抽出する抽出手段と、
抽出されたマルチキャストグループアドレスに対応する経路情報を前記マルチキャストルーティングテーブルから検索して、前記トレースルートパケットを転送するための経路設定に供する検索手段とを備えた
ことを特徴とするマルチキャストトレースルートシステム。 - 請求項1に記載のマルチキャストトレースルートシステムにおいて、
前記受信ホストに備えられた検証手段は、
前記制御パケット生成手段による要求パケットの送出から前記要求パケットに対する応答パケットの受信までの経過時間を計測する計時手段と、
前記計時手段によって計測された経過時間が所定の閾値を超えたときに、前記マルチキャストデータの伝送経路の障害を検出する障害検出手段とを備えた
ことを特徴とするマルチキャストトレースルートシステム。 - 請求項1に記載のマルチキャストトレースルートシステムにおいて、
前記各ルータに備えられた転送手段は、
前記マルチキャストルーティングテーブルから適切な方路を検索できなかったときに、前記マルチキャストルーティングテーブルの異常を示す制御パケットを生成し、前記制御パケットを受信ホストに返送する異常通知手段を備え、
前記受信ホストに備えられた検証手段は、
前記マルチキャストルーティングテーブルの異常を示す制御パケットの受信に応じて、前記制御パケットの発信元のルータに関する異常を検出する通知検出手段を備えた
ことを特徴とするマルチキャストトレースルートシステム。
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