JP2007032310A - 排気系タービンハウジングおよびその製造方法 - Google Patents

排気系タービンハウジングおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、低熱容量化や高燃焼効率化に有効なスクロール部内壁が表面粗さの小さい滑らかな表面形状を具備する新規な排気系タービンハウジングおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明は、スクロール部内空間に対応する形状を有する表面粗さがRaで1μm以下の中子を中子形成用消失性材料で形成し、中子を金型内に配置してタービンハウジング形成用消失性材料を射出して中子を内包した成形体を得、この成形体から中子を除去して得たタービンハウジング消失性模型を用いて鋳造に供する鋳型を形成する製造方法により、吸気ポートから続く空力学的な渦巻を有するスクロール部とスクロール部の渦巻中心に配置される排気ポートとを具備し、鋳造表面であるスクロール部内壁の表面粗さがRaで5μm以下である排気系タービンハウジングを得る。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関からの排気ガスを利用する空力学的な渦巻状のスクロール部を具備するターボチャージャ等の排気系タービンハウジングおよびその製造方法に関するものである。
大気汚染の原因となる粒子状物質(PM)あるいは窒素酸化物(NOx)の排出や地球温暖化に直結するCOの排出に対する規制は、今後ますます厳しくなると予想されている。このような規制に対処するため、例えば自動車エンジン等の内燃機関においては、排気ガスの清浄化や燃費の向上等に係り、更なる排気系部品の高燃焼効率化や低熱容量化、あるいは軽量化といった格段の技術的改善が望まれている。
自動車等のエンジンに組み込まれる例えばターボチャージャは、排気管から排出された排気ガスをタービン翼に当ててタービン翼を毎分20万回転程度で高速回転させ、これによってエンジンへの吸気圧力を上昇させて、エンジンの燃焼効率や出力を格段に向上させる排気系部品である。そして、ターボチャージャはタービン翼を内包するタービンハウジングを具備し、このタービンハウジングは排気ガスを均一に高速で噴出させるための空力学的な渦巻きを有するスクロール部を有している。このタービンハウジングのスクロール部は、タービンハウジングの吸気ポートから排気ポートへ排気ガスを流すための流路であって、スクロール部の内壁の表面粗さや凸凹等の表面形状は排気ガスの流れに影響を及ぼすこととなる。特にスクロール部の内壁の表面粗さが小さいほど排気ガスの流れ抵抗が低減され、これによりスクロール部を通過する排気ガスの流速低下が抑制され、ターボチャージャの高燃焼効率化が促進される。
また、排気ガスの清浄化には、タービンハウジングの温度を触媒の活性温度である300℃へ素早く到達させること、つまり、タービンハウジングの昇温速度を向上させることが重要となる。昇温速度を向上させるためには低熱容量化が有効であって、そのためにはタービンハウジングを軽量化するのがよい。特に排気ガスの流路であるスクロール部の薄肉化は、スクロール部自体の熱容量が小さくなるとともに排気ガスからの抜熱を抑制することができるので有効である。そして、ターボチャージャ部品の中でも重量物であるタービンハウジングの軽量化は燃費向上にも繋がる。
上述した課題を解決する手段の一つとして、本特許の出願人は、特許文献1に示すロストワックス鋳造法による製造技術を提案し、具体的な好ましい手法としてコロイダルシリカ等を表面に含浸させた特別な耐火性中子を鋳造中子とする提案をしている。特許文献1に記載する通り、この特別な耐火性中子を鋳造中子とする方法は、保型性および鋳造後の除去性に優れるものであり、消失性模型自体に対する製造性に問題があると考えられた水溶性中子を用いる方法、あるいは鋳造後の除去性に問題があるセラミックス中子を鋳造中子とする方法に対して、有利な手段と考えてきた。
特開2003−56354号公報
本発明者は、特許文献1に開示する上述した鋳造中子を使用して、さらなる低熱容量化や高燃焼効率化に有効な排気系タービンハウジングについて検討した。検討過程において、特許文献1で提案する鋳造中子を用いる場合には、排気系タービンハウジングのスクロール部内壁において、表面形状を滑らかな曲面とすること、表面粗さを小さくすることが難しいという問題が発生した。
その原因を追及したところ、特許文献1では、もっとも重要なスクロール部内壁が鋳造中子の含浸表面を転写してしまうためと考えられた。耐火物を表面に含浸するといった鋳造中子では、鋳造中子自体の表面を精度よく平滑化処理することは困難であった。
本発明の目的は、排気系タービンハウジングの鋳造表面であるスクロール部内壁において、表面粗さが小さくかつ滑らかな曲面を有する表面形状を具備させることにより、低熱容量化や高燃焼効率化に有効となる新規な排気系タービンハウジングおよびその製造方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を鑑み、排気系タービンハウジングの製造技術を検討してきた結果、鋳造中子を用いず、製造性に問題があると考えられていた、予め水溶性中子等を用いて精度の高い消失性模型を得るという方法を最適化することで、鋳造表面であるスクロール部内壁の表面粗さを小さくでき、また、その表面形状を滑らかな曲面とすることができることを見出し本発明に想到した。
すなわち本発明の排気系タービンハウジングの製造方法は、吸気ポートから続く空力学的な渦巻を有するスクロール部と、該スクロール部の渦巻中心に配置される排気ポートとを具備し、鋳造表面である前記スクロール部内壁の表面粗さがRaで5μm以下である排気系タービンハウジングの製造方法であって、
(1)前記排気系タービンハウジングと実質的に同一の形状を有するタービンハウジング消失性模型の成形工程、
(2)該タービンハウジング消失性模型を耐火物でコーティング後に前記タービンハウジング消失性模型を消失除去する鋳型の成形工程、
(3)該鋳型へ鋳造する鋳造工程、
を有しており、前記タービンハウジング消失性模型は、スクロール部内空間に対応する形状を有し、表面粗さがRaで1μm以下の中子を中子形成用消失性材料で形成した後、該中子を金型内に配置してタービンハウジング形成用消失性材料を射出し前記中子を内包した成形体を得、次いで該成形体から中子形成用消失性材料を消失除去することにより前記中子を除去して得られることを特徴とする排気系タービンハウジングの製造方法である。
本発明の製造方法においては、スクロール部内壁に相当する面の表面粗さがRaで4μm以下の鋳型を用いることが好ましい。また、鋳型は、積層された複数の耐火物層を平均粒度350μm以下のスラリーと平均粒度1500μm以下のスタッコとをコーティングすることによって形成することができる。
上述の排気系タービンハウジングの製造方法により、吸気ポートから続く空力学的な渦巻を有するスクロール部と、該スクロール部の渦巻中心に配置される排気ポートとを具備し、鋳造表面であるスクロール部内壁の表面粗さがRaで5μm以下となる新規な排気系タービンハウジングを得ることができる。
本発明の排気系タービンハウジングは、スクロール部の最小肉厚を2mm以下とすることが好ましく、さらに好ましいスクロール部の最小肉厚は1.5mm以下である。
本発明の排気系タービンハウジングの製造方法によれば、排気系タービンハウジングの鋳造表面であるスクロール部内壁に、表面粗さが小さく、滑らかな曲面を有する表面形状を具備させることができ、スクロール部を通過する排気ガスの流速低下を抑制することによりターボチャージャの高燃焼効率化を図ることができる。また、スクロール部の薄肉化が可能となって排気系タービンハウジングの軽量化および低熱容量化による排気ガスの清浄化も可能となる。
本発明の排気系タービンハウジングの製造方法における重要な特徴は、排気系タービンハウジングと実質的に同一の形状を有するタービンハウジング消失性模型の成形工程にある。その特徴のひとつは、タービンハウジング消失性模型の形成において、中子形成用消失性材料からなり、スクロール部内空間に対応する形状を有し、表面粗さがRaで1μm以下とした中子を用いたことである。本発明の特徴を言い換えると、鋳造時まで残留して鋳型のキャビティの一部となる鋳造中子という手法ではなく、精度の高いタービンハウジング消失性模型をまず製造するという手法を採用したものである。
そして、精度の高いタービンハウジング消失性模型において重要なスクロール部内壁に相当する面を、中子形成用消失材料で形成した平滑な中子で成形する。具体的には、中子を金型内に配置してタービンハウジング形成用消失性材料を射出し上述の中子を内包した成形体を得ることになり、次いでこの成形体から中子形成用消失性材料を消失除去することにより中子が除去され、タービンハウジング消失性模型のスクロール部内壁に相当する面は、除去された中子の表面が転写された面となる。
このように本発明における中子は、鋳造時の鋳型のキャビティの一部になる物ではないので、表面粗さを制御しにくい耐火物を使用する必要がなく、樹脂の金型成形などによって平滑な面に制御することができ、中子によって転写されるタービンハウジング消失性模型の表面を平滑にすることができる。
本発明における中子形成用消失性材料とは、タービンハウジング消失性模型の形成過程において、上述したように、消失可能な材料であり、例えば70℃程度の加熱で溶解あるいは半溶融して容易に流動させることができる材料、あるいは水等の溶媒で溶解させることができる材料、具体的には樹脂やワックスといった消失性材料が使用できる。
また、本発明における中子は、上述したように、スクロール部内空間に対応する形状を有し、表面粗さがRaで1μm以下とした中子とする。
中子の表面は、上述したように、タービンハウジング消失性模型に転写される。そして、中子の平滑な表面が転写されたタービンハウジング消失性模型の表面は鋳型に転写される。さらに、この鋳型の表面が鋳造形成された排気系タービンハウジングに転写され、スクロール部内壁には、中子の表面を基とする鋳造表面が形成される。
このように中子の表面は、タービンハウジング消失性模型、鋳型、鋳造形成された排気系タービンハウジングへと3度の転写を繰り返すため、転写する基の表面に対し転写された表面の平滑性は劣化する。この転写による表面の平滑性の劣化を考慮し、中子の表面粗さをRaで1μm以下とすることにより、鋳造表面であるスクロール部内壁の表面粗さをRaで5μm以下とすることができる。より好ましくは表面粗さがRaで0.5μm以下の中子を用いることである。
また、中子の形状は、スクロール部内空間に対応する形状とする。この中子を内包して形成されたタービンハウジング消失性模型にはスクロール部に対応する形状が形成され、このタービンハウジング消失性模型を用いて形成された鋳型にはスクロール部内空間に対応する形状が形成される。そして、この鋳型に鋳造して形成された排気系タービンハウジングには、実質的に上述の中子と同じスクロール部内空間の形状を有するスクロール部が形成される。つまり、中子をスクロール部内空間に対応する形状とすることにより、鋳造成形された排気系タービンハウジングには、格別の加工等を施すことなくスクロール部を具備させることができる。
また、本発明における鋳型のスクロール部内壁に対応する面は、上述したように、中子の表面を基とするタービンハウジング消失性模型の表面が転写された面となる。このため、鋳型のスクロール部内壁に対応する面の表面粗さがRaで4μm以下である鋳型を用いることが好ましく、これにより鋳造表面であるスクロール部内壁の表面粗さをRaで5μm以下とすることができる。より好ましくは表面粗さがRaで3μm以下の鋳型を用いることである。
本発明の排気系タービンハウジングの製造方法における重要な特徴を上述したが、タービンハウジングにおいては、スクロール部内壁の平滑化によって通過流体の流速低下抑制が可能であり、また、スクロール部の薄肉化によって低熱容量化や軽量化が可能である。特に排気系タービンハウジングにおいてスクロール部内壁の平滑化やスクロール部の薄肉化を実施することにより、ターボチャージャの高燃焼効率化や排気ガスの清浄化を図ることができ、本発明の排気系タービンハウジングの製造方法は好適である。
また、本発明の製造方法において対象とする排気系タービンハウジングは、吸気ポートから続く空力学的な渦巻を有するスクロール部と、スクロール部の渦巻中心に配置される排気ポートとを具備する。これは、内燃機関からの排気ガスを利用する空力学的な渦巻状のスクロール部を有するターボチャージャ等に広く用いられる排気系タービンハウジングの特徴であるからである。
上述の製造方法によって得られる排気系タービンハウジングは、鋳造表面であるスクロール部内壁の表面粗さを小さく、また表面形状を滑らかな曲面とすることができ、中子成形用消失性材料からなる表面粗さがRaで1μm以下の中子を用いることにより、鋳造表面であるスクロール部内壁の表面粗さがRaで5μm以下である新規な排気系タービンハウジングを得ることができる。
以下、本発明における排気系タービンハウジングおよびその製造方法について、具体例を挙げ、図を用いて詳細に説明する。
排気系タービンハウジング(以降、タービンハウジングという)について、その代表的な形状を図1に示す。図1において、タービンハウジング1は、吸気ポート2から続く空力学的な渦巻を有するスクロール部3と、スクロール部3の渦巻中心に配置される排気ポート4を備えている。そして本例においては、排気ポート4のほぼ反対側にコンプレッサ(図示せず)側に続くハウジング接合部5を有する。
このようなタービンハウジング1においては、スクロール部3の渦巻の内側にタービンインペラ(図示せず)を配置し、このタービンインペラを吸気ポート2からスクロール部3に流れる排気ガスによって回転させ、タービンインペラと同軸に接続されるコンプレッサインペラ(図示せず)の回転を助長することにより、吸気圧力を上昇させることができる。さらに、タービンインペラとスクロール部3との間に可変ノズル(図示せず)を配置することもでき、可変ノズルの開度によって排気ポート4に流入する排気ガス量を可変に制御することができる。
図1に示すタービンハウジング1を製造する本発明の製造方法の一例を、以下、所要の工程に即して詳細に説明する。
(1)消失性模型の成形工程
本発明の排気系タービンハウジングの製造方法においては、上述したように、タービンハウジング消失性模型の成形工程が最も重要な工程となる。一例として、金型内のタービンハウジングのスクロール部に対応する個所に、中子形成用消失性材料からなる中子を配置し、金型の型締め後に金型内にタービンハウジング形成用消失性材料を射出し、得られた成形体を金型から取り出すとともに上述の中子形成用消失性材料からなる中子を除去することにより、タービンハウジングと実質的に同一の形状を有するタービンハウジング消失性模型を得る工程を、以下説明する。
まず、タービンハウジング1と実質的に同一の形状を有するタービンハウジング消失性模型を作製するための金型内の構成例について説明する。
本発明におけるタービンハウジング消失性模型の形状は、タービンハウジングと実質的に同一の形状とする。鋳造されたタービンハウジングの形状は、鋳造に用いた鋳型のキャビティの空間形状によって造形され、鋳型のキャビティの空間形状はタービンハウジング消失性模型によって造形される。つまり、タービンハウジング消失性模型の形状をタービンハウジングと実質的に同一の形状とすることにより、タービンハウジングの形状を造形することができる。
一例として、金型は、図2に示すように、上型11と下型12に対し中型13〜16を組み合せる構成とすることができる。そして、中型13,14は、複数の置き中子13a〜16aを組み合せて構成するか、あるいはスクロール部3の渦巻中心に対し略半径方向に開閉自在で、かつ渦巻中心回りに回転可能に構成する複数のスライドコアを組み合せて構成することが好ましい。このような金型構成とすることにより、タービンハウジング1成形後の金型の型開きを容易に行うことができる。
そして、上述のように構成した金型内に、スクロール部3内空間に対応する形状を有し、表面粗さがRaで1μm以下とした中子10を位置決めして配置する。中子10を配置する場合、スクロール部3の渦巻中心の位置と吸気ポート2に対する渦巻の位相とを精度良く位置決めし、金型内にタービンハウジング形成用消失性材料を射出したときに中子10が動くことのないように配置することが重要である。
中子10を配置する手段としては、例えば図2に示すように、上型11および下型12に対して凹部を有する置き中子17,18を配置し、中子10には置き中子17,18の凹部と嵌合可能な凸部10aを形成する。そして、金型の型締め時に、置き中子17,18の凹部と中子10の凸部10aとを嵌合させて中子10を置き中子17,18で把持させることにより、金型内において中子10を精度良く位置決めして配置することができる。なお、置き中子17,18に対し凸部を、中子10に対し凹部を形成することもできる。また、置き中子17を上型11と、置き中子18を下型12と、各々一体に構成することもできる。
また、中子10を配置する別の手段としては、例えば中子10と同じ中子形成用消失性材料からなる中子支持部材を準備し、この中子支持部材を中子10と金型との間に配置して中子10を支持させることにより、金型内において中子10を精度良く位置決めして配置することもできる。しかしながら、同じ中子形成用消失性材料を用いたとしても中子支持部材との境界線である融着痕が残存してしまい、この融着痕の除去が必要となる点が不利である。また、スクロール部3の内壁3aにおいて融着痕が生じると容易には除去し難く、そのまま微小な凹凸となって表面形状の滑らかさを損ねてしまう場合がある。
上述のように中子10を位置決めして配置させるように上型11、中型13〜16、および下型12を型締めすることにより、タービンハウジング1の吸気ポート2、スクロール部3、排気ポート4、およびハウジング接合部5に対応し、タービンハウジング1と実質的に同一の空間形状を有するタービンハウジング対応キャビティ20を金型内に形成させることができる。
次に、上述の金型内のキャビティに対し溶融もしくは半溶融状態のタービンハウジング形成用消失性材料を射出することにより、中子10を内包した成形体を形成させる。そして、金型を型開きして成形体を取り出し、この成形体から中子形成用消失性材料を消失除去させ、内包する中子10のみを除去する。中子10を除去した成形体は、中子10がスクロール部3内空間に対応する形状を有しているため、中子10を除去した空間には、スクロール部3内空間と実質的に同一の空間形状が造形される。つまり、タービンハウジング1と実質的に同一の空間形状を有する金型内のキャビティに、スクロール部3内空間に対応する形状を有する中子10を配置する構成により、タービンハウジング1と実質的に同一の形状を有するタービンハウジング消失性模型を得ることができる。
本発明の製造方法においては、中子を形成する中子形成用消失性材料として、70℃程度の加熱で溶解または半溶融する樹脂やワックスといった消失性材料を用いて形成することもできるが、溶媒可溶性ワックスを用いて形成することが好ましい。溶媒可溶性ワックスを用いて形成した中子は、格別に加熱することもなく、溶媒に浸漬させるという簡易な手段によってワックスを溶出除去でき、中子を成形体から容易に除去することができる。
また、溶媒には、例えば水や5%塩酸等の酸性水溶液を用いることができるが、成形体を形成するタービンハウジング形成用消失性材料と反応し難い溶媒が好ましい。また、ワックスとしては溶媒である例えば上述の水や酸性水溶液に可溶するワックスを用いればよい。好ましくは取り扱いが容易な水を溶媒とし、水に溶出する水溶性ワックスを用いることである。より好ましくは中子をまず温水中に浸漬させて水溶性ワックスをほぼ溶出除去し、次いで希塩酸中に浸漬させて水溶性ワックスを完全に溶出除去させることである。
また、上述のタービンハウジング形成用消失性材料としては、中子を形成する中子成形用消失性材料よりも高温の、例えば150℃以上で溶解あるいは半溶融して容易に流動させることができる樹脂やワックスといった消失性材料が使用できる。また、中子を溶媒によって溶出除去させる場合には、この溶媒に溶出しない材料であれば、例えば70℃といった中子成形用消失性材料と同等温度で溶解あるいは半溶融する材料も使用できる。このようなタービンハウジング形成用消失性材料は溶出等による除去が容易であり、これを使用してタービンハウジング消失性模型を形成することにより、鋳型内からタービンハウジング消失性模型を容易に除去することができる。また、スチレンやエポキシ系樹脂といった、1000℃程度の高温で炭化するプラスチック等の消失性材料を使用してもよい。
以上説明した手順により、タービンハウジング1のスクロール部3内空間に対応する形状を有し、表面粗さがRaで1μm以下とした中子10を用い、タービンハウジング1と実質的に同一の形状を有するタービンハウジング消失性模型を得ることができる。そして、タービンハウジング消失性模型には、タービンハウジング1のスクロール部3の内壁3aに対応する個所において、表面粗さの小さい、また表面形状の滑らかな面を具備させることができる。
(2)鋳型の成形工程
本発明の排気系タービンハウジングの製造方法における鋳型の成形工程は、一例として、上述のタービンハウジング消失性模型の成形工程によって得られたタービンハウジング消失性模型に対し、このタービンハウジング消失性模型と同様なタービンハウジング形成用消失性材料からなる押湯や湯道等を設け、これを耐火物でコーティングし、コーティング後にタービンハウジング消失性模型等を除去することにより、排気系タービンハウジングと実質的に同一の空間形状のキャビティを有する鋳型を形成させる工程である。
例えば、まず、タービンハウジング消失性模型に対し、これと同様なタービンハウジング形成用消失性材料からなる押湯や湯道等を接着してツリー状とする。ツリー状としたタービンハウジング消失性模型に対し、耐火物をコーティングして所定の鋳型厚みを具備させる。このとき、複数個のタービンハウジング消失性模型をひとつのツリー状に組み立て、複数個の消失性模型に対して同時に耐火物をコーティングすることも、生産効率が向上するので好適である。
本発明の製造方法においては、上述のタービンハウジング消失性模型のタービンハウジング1のスクロール部3内に対応する個所において、適度な鋳型厚みや鋳型強度を具備させ、鋳造時の鋳型割れや溶湯漏れ防止を図ることも重要である。このため、鋳型に所定の鋳型厚みを具備させるとき、タービンハウジング消失性模型に対する耐火物のコーティングを複数回に分け、複数の耐火物層を積層させることが好ましく、例えば、平均粒度350μm以下のスラリーと平均粒度1500μm以下のスタッコとを交互にコーティングすることにより、複数の耐火物層が積層された鋳型をなることが好ましい。このように鋳型に複数の耐火物層を具備させることにより、耐火物層間において強固な結合が得られ、鋳型の強度が向上し、また、鋳造時の鋳型にクラックが生じても耐火物層間で食い止めることができ、溶湯漏れを防止することができる。
耐火物層の形成の一例としては、まず耐火物のスラリーをコーティングし、次いで耐火物のスタッコをコーティングし、十分に乾燥させた後に余分なスタッコを除去し、これを繰り返すことにより耐火物層を積層させて形成させる。そして、コーティングする耐火物としては、鋳造工程において鋳造される溶湯に耐え得る材料であるジルコン、シリカ、アルミナ、ムライト質等が使用できる。例えば、上述のスラリーおよびスタッコの粒状成分としては、ZrO、SiO、Al等を単一あるいは混合して使用できる。
また、耐火物層の形成において、特に初層から4層程度までは耐火性のよいZrOを50%以上配合させることが好ましい。そして、初層においては、タービンハウジング消失性模型の表面に対し微細な耐火物粒を緻密に配置させ、鋳型内のキャビティとなる面を表面粗さが小さくなるように形成することが重要である。このためには、平均粒度の小さい耐火物粒を多く含み、比較的粘度の大きいスラリーを使用するのがよい。具体的には、粒状成分として耐火性のよいZrOに対しSiOやAl等の耐火物粒を配合し、さらに消泡剤や界面活性剤等を添加し、平均粒度を50μm以下、ザーンカップ#4による粘度を30〜50秒程度とした混合物スラリーが使用でき、これにより形成される鋳型内のキャビティとなる面は表面粗さがRaで4μm以下にすることができる。また、初層においてスラリーに次いでコーティングすることにより耐火物層に強度を付与するスタッコとしては、耐火性のよいZrOに対しSiO等を混合し、平均粒度を100〜150μm程度とした耐火物粒が使用できる。
そして、初層に対し積層させる2層目以降に用いるスラリーとしては、前層よりも平均粒度を大きくし、また粘度を小さくすることにより、鋳型厚みおよび強度を具備させていくようにすることが好ましい。例えば、初層と同様の耐火物粒を用い、平均粒度を250〜350μm程度、ザーンカップ#4による粘度を10〜20秒程度として使用できる。そして、鋳型の外層側においては、各層内の充填密度を向上させるために、平均粒径20μm以下の微粒と50〜100μm程度の粗粒とを混合させて使用することも好適である。また、2層目以降に用いるスタッコとしては、平均粒度を100〜150μm程度とし、さらに鋳型の外層側には、例えば平均粒度を500〜1500μm程度とした上述の耐火物粒が使用できる。
次いで、上述のように形成した鋳型を十分に乾燥させた後、タービンハウジング形成用消失性材料を溶出等により除去することにより、鋳型内からタービンハウジング消失性模型を除去する。タービンハウジング形成用消失性材料の除去手段としては、例えば高温水蒸気オートクレーブなどによって加熱溶融させて除去する手段がある。またさらに、得られた鋳型を例えば1000℃以上で高温焼成することも好ましく、鋳型に十分な強度を付与させることができる。
以上説明した手順により、タービンハウジング1と実質的に同一の空間形状を有する鋳型を得ることができる。そして、鋳型内のスクロール部3の内壁3aに対応する面は、表面粗さがRaで1μm以下である中子10の平滑な表面を基とする、表面粗さが小さく、また表面形状の滑らかで、表面粗さがRaで4μm以下の面が得られる。
(3)鋳造工程
本発明の排気系タービンハウジングの製造方法における鋳造工程は、上述の鋳型の成形工程によって得られた鋳型に対し、金属材料を溶解して得た溶湯を鋳型に鋳造し、冷却させた後に鋳型を除去することにより、上述のタービンハウジング消失性模型と実質的に同一形状を有する排気系タービンハウジングを得る工程である。
本発明における排気系タービンハウジングは、内燃機関からの排気ガスを利用する排気系部品として高温強度や耐食性が要求されるため、上述の金属材料としては、オーステナイト系ステンレス鋼、各種の耐熱鋼や耐熱合金、Ni基やCo基の超耐熱合金等が使用できる。また、後工程で機械加工や他部材との溶接接合を施す場合もあり、切削性や溶接性にも優れる例えばFe−0.45C−0.15Si−20Ni−25Cr−3W−2Nb(mass%)やFe−0.45C−0.15Si−10Ni−20Cr−3W−2Nb(mass%)は特に好適である。
そして、上述の金属材料を、その特性に合う大気中や不活性ガス中あるいは真空中で溶解して溶湯とし、この溶湯を鋳型へ供給する。
鋳型への鋳造は、溶湯の特性や鋳型内の湯回り等の諸条件を考慮し、減圧や吸引あるいは真空中において鋳造することができる。好ましくは吸引鋳造を採用して湯回り性を向上させ、薄肉であるスクロール部3に対し確実に溶湯を充填させることである。そして、鋳造後、冷却した後に鋳型を除去し、鋳造品から不要な湯道や押し湯等を除去する。さらに、鋳造品に付着する鋳型屑やスケール等は、ショットブラスト、サンドブラスト、あるいはウォーターブラストなどにより除去できる。
以上説明した手順により、吸気ポート2から続く空力学的な渦巻を有するスクロール部3と、スクロール部3の渦巻中心に配置される排気ポート4とを具備し、鋳造表面であるスクロール部3の内壁3aの表面粗さがRaで5μm以下である排気系タービンハウジングを得ることができる。また、必要に応じ、得られたタービンハウジング1に対してさらに機械加工等を施してもよい。
上述したように、本発明の製造方法においては、中子成形用消失性材料からなる中子の表面を制御することにより、鋳造表面であるスクロール部内壁の表面を制御する。本発明において用いる中子は、切削等の機械加工によっても形成することができるが、スクロール部と実質的に同一の形状のキャビティを有する金型内に中子成形用消失性材料を射出して形成させることが好ましい。これは、金型のキャビティを構成する面の表面粗さを小さく、また表面形状を滑らかな面に形成することが、従来のNC加工機等によれば容易に実施できるからである。
また、中子成形用消失性材料を金型内に射出して中子を形成させる場合、中子成形用消失性材料の射出圧力を十分に高くすると、金型のキャビティの表面は形成される中子の表面に対してそのまま転写される。このため、金型のキャビティを構成する面の表面粗さをRaで1μm以下とすることにより、中子の表面粗さをRaで1μm以下とすることができる。なお、中子の成形時に中子の表面にしわやバリ等が生じたとしても、中子成形用消失性材料からなる中子は比較的柔軟であるので、中子の表面を補修することにより表面粗さをRaで1μm以下とすることは容易である。
また、本発明における、スクロール部内空間に対応する形状を有し、表面粗さがRaで1μm以下の中子を、金型内の寸法精度の良いキャビティに中子成形用消失性材料を射出して形成することにより、寸法精度の良い中子を得ることができる。そして、この中子によって得られるスクロール部内空間に対応する形状を備えたタービンハウジング消失性模型を適用して鋳造形成されたスクロール部は、その寸法精度が良好となり、スクロール部の肉厚を薄く形成させることができ、低熱容量化や軽量化に有効な排気系タービンハウジングを得ることができる。好ましくはスクロール部の最小肉厚は2mm以下であり、より好ましくは最小肉厚は1.5mm以下である。
本発明の実施例となる、図1に示す形状であって、排気ポート4の端面とハウジング接合部5の端面間が80mm、重量1.6kgのタービンハウジング1を、ロストワックス精密鋳造法によって鋳造成形した。
まず、タービンハウジング消失性模型に内包させる中子10に対応する空間形状を画成するための金型を、NC加工機により加工し、さらに研磨し、中子形成用金型を作製した。なお、この中子形成用金型内のキャビティを構成する面の表面粗さはRaで0.317μm(図5に示す)であった。次いで、この中子形成用金型内に、中子形成用消失性材料である水溶性ワックス(ソリブル#70、Precision Metalsmiths,Inc.)を射出し、スクロール部3内空間に対応する形状を有し、タービンハウジング消失性模型に内包させる中子10を得た。なお、この中子10の表面粗さはRaで0.461μm(表1に示す)であった。
(1)タービンハウジング消失性模型の成形工程
次いで、タービンハウジング消失性模型に対応する空間形状を画成するための金型を、NC加工機により加工し、さらに研磨し、タービンハウジング消失性模型形成用金型、つまり、図2に示す上型11、下型12、中型13〜16、および置き中子13a〜16a,17,18を作製した。なお、このタービンハウジング消失性模型形成用金型内のキャビティを構成する面の表面粗さはRaで0.357μmであった(図5に示す)。次いで、図2に示すように、下型12に対して中型15,16および置き中子15a,16a,18を、また、上型11に対して中型13,14および置き中子13a,14a,17を、各々別々に組み立てた。さらに中子10を、置き中子18の凹部に対し中子10の凸部10aを嵌合させた後、型締めし、中子10を置き中子17,18で把持させて位置決め配置し、タービンハウジング1と実質的に同一の空間形状となるタービンハウジング対応キャビティ20を有するタービンハウジング消失性模型形成用金型を構成した。
そして、このタービンハウジング消失性模型形成用金型内に、タービンハウジング形成用消失性材料である水に対し不可溶性のワックス(パターンワックスA7−TCF/RR、株式会社ブライソンジャパン)を射出し、中子10を内包した成形体を得た。次いで、この成形体を水に浸漬させ、さらに5%塩酸水溶液に浸漬させて成形体内から中子10を完全に溶出除去し、タービンハウジング1と実質的に同一の形状を有するタービンハウジング消失性模型を得た。なお、タービンハウジング消失性模型のスクロール部内壁3aに対応する個所の表面粗さはRaで1.399μm(表1に示す)であった。
次いで、上述のタービンハウジング消失性模型と同じワックスからなる押湯や湯道等をタービンハウジング消失性模型に接着してツリー状模型とし、このツリー状模型に対し耐火物のスラリーとスタッコとを繰り返しコーティングし、9層の耐火物層を具備する鋳型を得た。初層には、コロイダルシリカ、ジルコンサンド、シリコン乳濁液、およびスルホコハク酸ジオクチルナトリウム液を配合し、平均粒度45μm、ザーンカップ#4による粘度40秒としたスラリーをコーティングした。次いで、平均粒度100μmと150μmの粒度の異なるジルコンサンドを混合したスタッコをコーティングした。2層から4層には、初層に用いたスラリーのザーンカップ#4による粘度を15秒に調整したスラリーと、平均粒度250μmと350μmの粒度の異なるアルミナを混合したスタッコを用いた。5層から8層には、シリカとジルコンサンドを主とする平均粒度20μmの微粒と50μmおよび75μmの粗粒とを混合してザーンカップ#5による粘度を30秒に調整したスラリーを用いた。また、スタッコは、シリカとアルミナを主とする、平均粒度300μmと、400μm、850μm、1200μmのものを混合して用いた。各層とも、乾燥後、余剰のスタッコはブロー除去し、次いで、鋳型の外層となる9層には、8層に用いたスラリーに浸漬させ、十分に乾燥させた。
次いで、上述のようにタービンハウジング消失性模型を内包した鋳型を十分に乾燥させた後、鋳型内から、高温水蒸気オートクレーブによって上述の水に対し不可溶性のワックスからなるツリー状模型、つまり、タービンハウジング1と実質的に同一の形状を有するタービンハウジング消失性模型と押湯や湯道等を加熱溶融させて完全に溶出除去することにより、鋳造に供する鋳型を得た。なお、鋳型のスクロール部内壁3aに対応する個所の表面粗さは、上述と同じ製造方法によって形成した鋳型を分割して実施した結果、表面粗さはRaで2.195μm(表1に示す)であった。
そして、Fe−0.45C−0.1Si−0.7Mn−10Ni−20Cr−3W−2Nb(mass%)を大気溶解して溶湯とし、鋳型に吸引鋳造し、冷却後に鋳型を解体し、サンドショットにより鋳型屑等を除去した後にブロー清掃し、本発明の実施例となるタービンハウジング1を得た。なお、実施例においては、スクロール部の最小肉厚の目標値を1.5mmとして鋳造し、このとき最小肉厚が1.5mmの鋳造欠陥のないタービンハウジング1が得られた。
また、比較例となるタービンハウジング1は、上述の実施例となるタービンハウジング1と同様な製造方法によって作製したが、タービンハウジング消失性模型の形成に用いる中子10に対し、格別の表面粗さ制御を実施しなかった。
上述のように製作した実施例と比較例となるタービンハウジング1を用い、本発明の排気系タービンハウジングおよびその製造方法における重要な特徴であるスクロール部3内壁の表面粗さに関し、JISB0601:2001に基き、算術平均高さ粗さRa、最大高さ粗さRz、十点平均粗さRZJISを計測した。計測した表面粗さの一例をまとめて表1に示す。そして、図3、図4に、実施例および比較例で用いた(i)中子10、(ii)タービンハウジング消失性模型、(iii)鋳型、および鋳造成形した(iv)タービンハウジング1の表面粗さ曲線の一例を示す。なお、表面粗さの計測個所は、いずれにおいても鋳造表面であるスクロール部内壁3aあるいはスクロール部内壁3aに対応する個所である。また、図5に実施例で用いた(i)中子形成用金型、(ii)タービンハウジング消失性形成用金型のキャビティにおいて計測した表面粗さ曲線の一例を示す。
Figure 2007032310
表1および図3、図4から明らかなように、実施例に示す本発明の排気系タービンハウジング1は、鋳造表面であるスクロール部内壁3aの表面粗さがRaで5μm以下となった。また、実施例に示す中子10および鋳型におけるスクロール部内壁3aに対応する面の表面粗さは、中子10がRaで1μm以下、鋳型がRaで4μm以下であった。一方、比較例に示す従来の排気系タービンハウジング1は、本発明の実施例に比べ、スクロール部内壁3aの表面粗さがRaで7μm程度と大きくなった。また、その他の最大高さ粗さRzおよび十点平均粗さRZJISについても、実施例においてはRzが20μm程度、RZJISが14μm程度、比較例においてはRzが40μm程度、RZJISが30μm程度であった。
上述した表面粗さの計測結果より、同じ中子形成用消失材料からなる中子10を用いて製造したタービンハウジング1であっても、表面粗さをRaで1μm以下に制御した中子10を用いた本発明のタービンハウジング1は、格別の表面粗さ制御を実施しない中子10を用いた従来のタービンハウジング1よりも、鋳造表面であるスクロール部内壁3aの表面粗さが小さく滑らかであるという点で、優れていることが確認できた。
以上より、本発明の排気系タービンハウジングの製造方法によれば、吸気ポート2から続く空力学的な渦巻を有するスクロール部3と、スクロール部3の渦巻中心に配置される排気ポート4とを具備し、鋳造表面であるスクロール部内壁3aの表面粗さがRaで5μm以下である排気系タービンハウジング1が得られることを確認できた。また、スクロール部3の最小肉厚が2mm以下である排気系タービンハウジング1を得ることができた。
本発明の排気系タービンハウジングの具体例を示す一部断面を含む構成図である。 本発明の排気系タービンハウジングの製造方法における金型構成例を示す模式図である。 本発明の実施例において用いた中子、タービンハウジング消失性模型、鋳型のスクロール部内壁に対応する個所、およびスクロール部内壁の表面粗さ曲線の一例である。 比較例において用いた中子、タービンハウジング消失性模型、鋳型のスクロール部内壁に対応する個所、およびスクロール部内壁の表面粗さ曲線の一例である。 本発明の実施例において用いた中子形成用金型、タービンハウジング消失性模型形成用金型のキャビティの表面粗さ曲線の一例である。
符号の説明
1.タービンハウジング、2.吸気ポート、3.スクロール部、3a.内壁、4.排気ポート、5.ハウジング接合部、10.中子、10a.凸部、11.上型、12.下型、13〜16.中型、13a〜16a.置き中子、17,18.置き中子、20.タービンハウジング対応キャビティ

Claims (5)

  1. 吸気ポートから続く空力学的な渦巻を有するスクロール部と、該スクロール部の渦巻中心に配置される排気ポートとを具備し、鋳造表面である前記スクロール部内壁の表面粗さがRaで5μm以下であることを特徴とする排気系タービンハウジング。
  2. スクロール部の最小肉厚が2mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の排気系タービンハウジング。
  3. 吸気ポートから続く空力学的な渦巻を有するスクロール部と、該スクロール部の渦巻中心に配置される排気ポートとを具備し、鋳造表面である前記スクロール部内壁の表面粗さがRaで5μm以下である排気系タービンハウジングの製造方法であって、
    (1)前記排気系タービンハウジングと実質的に同一の形状を有するタービンハウジング消失性模型の成形工程、
    (2)該タービンハウジング消失性模型を耐火物でコーティング後に前記タービンハウジング消失性模型を消失除去する鋳型の成形工程、
    (3)該鋳型へ鋳造する鋳造工程、
    を有しており、前記タービンハウジング消失性模型は、スクロール部内空間に対応する形状を有し、表面粗さがRaで1μm以下の中子を中子形成用消失性材料で形成した後、該中子を金型内に配置してタービンハウジング形成用消失性材料を射出し前記中子を内包した成形体を得、次いで該成形体から中子形成用消失性材料を消失除去することにより前記中子を除去して得られることを特徴とする排気系タービンハウジングの製造方法。
  4. スクロール部内壁に対応する面の表面粗さがRaで4μm以下の鋳型を用いることを特徴とする請求項3に記載の排気系タービンハウジングの製造方法。
  5. 鋳型は、積層された複数の耐火物層を有し、前記耐火物層は平均粒度350μm以下のスラリーと平均粒度1500μm以下のスタッコとを交互にコーティングすることによって形成されていることを特徴とする請求項3または請求項4のいずれかに記載の排気系タービンハウジングの製造方法。
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