JP2007028526A - トラフィック検出装置、通信品質監視装置、方法、及び、プログラム - Google Patents

トラフィック検出装置、通信品質監視装置、方法、及び、プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 暗号化プロトコルを使用するWLAN無線通信においても、音声トラフィックの通信品質の良否を判定できる監視トラフィック通信品質監視装置を提供する。
【解決手段】 到着時刻周波数分布算出部25は、受信部23が受信したパケットの到着時刻情報から到着時刻周波数分布を算出する。到着時刻周波数分布期待値格納部26は、音声トラフィックについて、パケットの到着時刻周波数分布の期待値を格納する。監視トラフィック検出部27は、算出されたパケット到着時刻周波数分布と、格納された期待値とを比較して、音声トラフィックを検出する。通信品質劣化検出部29は、音声トラフィックのパケット到着時刻周波数分布について所定のパラメータを算出し、算出したパラメータと、通信品質しきい値格納部28に格納された通話品質の良否判定のしきい値とを比較して、通話品質の劣化を検出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、トラフィック検出装置、方法、及び、プログラム、並びに、トラフィック検出装置、方法、及び、プログラムに関し、特に、トラフィックのパケット到着時刻情報に基づいてトラフィックを検出し、又は、その寝室を監視する技術に関する。
近年、VoIP(Voice over Internet Protocol)に代表される音声アプリケーションによって音声データをパケットデータ化し、これをIPネットワークを経由して送受信することで通話を行うサービスが注目されており、既に、インターネット電話として普及しつつある。このようなインターネット電話では、IPネットワークにおいて、パケットデータの遅延や消失が起こることにより、通話品質が低下することがある。従来、インターネット電話において、音声通話の通信品質を監視するための技術としては、特許文献1や特許文献2に記載された技術がある。特許文献1や特許文献2では、IPネットワーク上を流れるトラフィックに対して、パケットごとにプロトコル解析を行い、音声トラフィックのスループットやジッタ、パケットロス率などを算出して、通信品質を評価する。
また、VoIPゲートウェイ装置において、音声品質を評価する技術としては、特許文献3に記載された技術がある。この技術では、ネットワークインタフェース回路の各ポートに到着したVoIPパケットについて、通話中のチャネルごとに、VoIPパケットの遅延、ジッタ、損失、及び、順序逆転を含む音声品質劣化要因に関する統計情報を収集し、これを解析することで、音声品質を評価する。
特開2002−232475号公報 特開2004−165818号公報 特開2005−57331号公報
ところで、IEEEE802.11に代表されるWLAN(Wireless Local Area Network)では、WLAN無線データが第三者に傍受されることを防ぐため、WEP(Wired Equivalent Privacy)などの暗号化プロトコルを用い、データリンク層において通信データを暗号化して通信を行っている。また、2002年10月のWPA(Wi-Fi Protected Access)によって発表された無線LANの暗号化方式の規格においては、1つの暗号鍵を静的に使用するWEPの脆弱性を克服するために、暗号鍵を一定時間毎に自動的に更新するTKIP(Temporal Key Integrity Protocol)と呼ばれる暗号化プロトコルが採用されている。
現在、多くの通信がIPを利用したものへと移行しつつあり、同時に通信の安全性への配慮から、暗号化通信によるセキュリティ対策への関心が高まっている。そこで、アプリケーションに依存せず、すべてのIP通信をIPレイヤにて暗号化し、ホストごとにセキュリティを確保することを目的として、IETF(Internet Engineerinng Task Force)によってIPsec(Security Architecture for Internet Protocol)が規定された。IPsecは、インターネットを利用したVPN(Virtual Private Network)を構築する場合などに多く利用されている。
ここで、特許文献1及び特許文献2に記載の技術では、通信品質の評価を行うためには、パケットごとにプロトコル解析を行う必要がある。しかしながら、WLAN無線通信において、TKIPのように暗号鍵が動的に変化する暗号化プロトコルを用いた通信路では、WLAN無線データを複合化することができず、プロトコル解析を行うことができない。従って、特許文献1及び特許文献2に記載の技術では、暗号化されたWLAN無線トラフィックから、音声トラフィックを検出することができず、音声品質を監視することができないという問題がある。この問題は、IPsecなどの暗号化プロトコルを用いて暗号化された通信路においても同様に発生する。
また、特許文献3に記載の技術では、VoIPパケットの統計情報により音声品質を評価しているが、トラフィックが、VoIPパケット以外のパケットを含む場合には、統計情報を作成する際に、音声パケットをあらかじめ分離しておく必要がある。しかし、上記のように、暗号化されたパケットについてはパケット解析が不可能であるため、VoIPパケットを分離することができず、従って、暗号化されたWLAN無線トラフィックや暗号化プロトコルを用いて暗号化された通信路のトラフィックについて、音声品質を監視することができないという問題がある。
本発明は、上記従来技術の問題点を解消し、ネットワーク上を流れる暗号化されたトラフィックから、トラフィックの復号化を必要とせずに、監視対象のトラフィックを検出できるトラフィック検出装置、方法、及び、プログラムを提供することを目的とする。
また、本発明は、ネットワーク上を流れる暗号化されたトラフィックから、トラフィックの復号化を必要とせずに、監視対象のトラフィックを検出し、検出した監視対象トラフィックの通信品質を監視できる通信品質監視装置、方法、及び、プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の監視トラフィック検出装置は、ネットワーク上のトラフィックから、監視対象トラフィックを検出する監視対象トラフィック検出装置において、ネットワークから、トラフィックを構成するパケットを受信する受信部と、前記受信部が受信したパケットの到着時刻情報から到着時刻周波数分布を算出する到着時刻周波数分布算出部と、前記到着時刻周波数分布算出手段が算出した到着時刻周波数分布と、記憶装置に記憶された、監視対象トラフィックを構成するパケットの到着時刻周波数分布の期待値とを比較し、該比較結果に基づいて監視対象トラフィックを検出するトラフィック検出部とを備えることを特徴とする。
本発明の監視トラフィック検出方法は、トラフィック検出装置を用い、ネットワーク上のトラフィックから監視対象のトラフィックを検出する方法であって、前記トラフィック検出装置が、ネットワークから、トラフィックを構成するパケットを受信するステップと、前記トラフィック検出装置が、受信したパケットの到着時刻情報から到着時刻周波数分布を算出するステップと、前記トラフィック検出装置が、監視対象トラフィックを構成するパケットの到着時刻周波数分布の期待値を格納する記憶装置を参照し、前記算出した到着時刻周波数分布と、前記到着時刻周波数分布の期待値とを比較し、該比較結果に基づいて監視対象トラフィックを検出するステップとを有することを特徴とする。
本発明のプログラムは、ネットワーク上のトラフィックから監視対象のトラフィックを検出するコンピュータのためのプログラムであって、前記コンピュータに、ネットワークから、トラフィックを構成するパケットを受信する処理と、受信したパケットの到着時刻情報から到着時刻周波数分布を算出する処理と、監視対象トラフィックを構成するパケットの到着時刻周波数分布の期待値を格納する記憶装置を参照し、前記算出した到着時刻周波数分布と、前記到着時刻周波数分布の期待値とを比較し、該比較結果に基づいて監視対象トラフィックを検出する処理とを実行させることを特徴とする。
本発明の監視トラフィック検出装置、方法、及び、プログラムでは、トラフィックを構成するパケットを受信し、受信パケットの到着時刻情報に基づいてパケットの受信時刻周波数分布を算出し、算出した周波数分布からピークを検出し、例えば検出したピークの周波数位置及びパワーについて監視トラフィックの周波数分布の期待値と比較することで、監視トラフィックを検出する。ピーク検出の演算処理については、例えば平滑化微分法など、公知のアルゴリズムを用いることができる。このように本発明では、受信パケットの到着時刻の周波数分布に基づいて監視トラフィックを検出するため、受信パケットの内容を解析しなくても、ネットワーク上のトラフィックから監視トラフィックを検出することができる。
本発明の監視トラフィック検出装置及び方法では、前記ネットワーク上のトラフィックが、暗号化された通信データを含む構成を採用できる。トラフィックが暗号化されている場合には、トラフィックを構成するパケットの内容を解析することはできない。本発明では、監視トラフィックの検出の際に、パケットの内容の解析をする必要がないため、監視対象のトラフィックが暗号化されている場合でも、監視対象のトラフィックを検出できる。
本発明の監視トラフィック検出装置は、前記受信部が受信したパケットを、該パケットのフレーム長、送信元、及び、送信先の少なくとも1つに従って分離する分離部を更に備え、前記到着時刻周波数分布算出部は、前記分離部が分離したパケットのそれぞれについて到着時刻周波数分布を算出する構成を採用できる。また、本発明の監視トラフィック検出方法は、前記トラフィック検出装置が、受信したパケットを、該パケットのフレーム長、送信元、及び、送信先の少なくとも1つに従って分離するステップを更に備え、前記トラフィック検出装置は、前記到着時刻周波数分布算出ステップを、前記分離ステップで分離したパケットのそれぞれについて実行する構成を採用できる。この場合、例えばパケットのフレーム長と、送信元及び送信先の組とに基づいて分離したトラフィックのそれぞれから、監視トラフィックを検出することができる。
本発明の監視トラフィック検出装置では、前記分離部は、記憶装置に記憶された、監視対象トラフィックを構成するパケットのフレーム長の期待値に合致するフレーム長を有するパケットについて、パケットの分離を行う構成を採用できる。また、本発明の監視トラフィック検出方法では、前記トラフィック検出装置は、監視対象トラフィックを構成するパケットのフレーム長の期待値を記憶する記憶装置を参照し、前記パケット分離ステップを、前記フレーム長の期待値に合致するフレーム長を有するパケットについて実行する構成を採用できる。例えば、音声アプリケーションによるトラフィックは、フレーム長が音声アプリケーションごとに固定値となるという特性がある。このように、監視トラフィックのパケットのフレーム長が、あらかじめ予測できる場合には、その予測値(期待値)を有するフレーム長のパケットを分離することで、監視トラフィックを構成するパケットである可能性があるパケットについてのみ、到着時刻の周波数分布を算出することができる。
本発明の監視トラフィック検出装置及び方法では、MACアドレス、IPアドレス、及び、ポート番号の少なくとも一つを含むフロー識別子を参照して、送信元及び送信先を識別する構成を採用できる。トラフィックの分離に際して、送信元及び送信先の識別には、このような識別子を利用することができる。
本発明の監視トラフィック検出装置及び方法では、前記到着周波数分布期待値が、前記到着時刻周波数分布における周波数ピーク位置の期待値、及び、ピークパワーの期待値の少なくとも一方を含む構成を採用できる。
本発明の監視トラフィック検出装置及び方法では、前記監視対象のトラフィックが、音声トラフィックである構成を採用できる。この場合、ネットワーク上のトラフィックから、音声トラフィックを検出することができる。
本発明の通信品質監視装置は、ネットワーク上のトラフィックの通信品質を監視する通信品質監視装置において、ネットワークから、トラフィックを構成するパケットを受信する受信部と、前記受信部が受信したパケットの到着時刻情報から到着時刻周波数分布を算出する到着時刻周波数分布算出部と、前記到着時刻周波数分布算出手段が算出した到着時刻周波数分布について、所定のパラメータを算出するパラメータ算出部と、前記パラメータ算出部が算出したパラメータと、記憶装置に記憶された、該当するパラメータの良否判定のしきい値とを比較し、該比較結果に基づいて通信品質の良否を判定する通信状態判定部とを備えることを特徴とする。
本発明の通信品質監視方法は、通信品質監視装置を用い、ネットワーク上のトラフィックの通信品質を監視する方法において、前記通信品質監視装置が、ネットワークから、トラフィックを構成するパケットを受信するステップと、前記通信品質監視装置が、パケットの到着時刻情報から到着時刻周波数分布を算出するステップと、前記通信品質監視装置が、算出した到着時刻周波数分布について所定のパラメータを算出するステップと、前記通信品質監視装置が、前記所定のパラメータについて、通信品質の良否判定のしきい値を記憶する記憶装置を参照し、前記算出したパラメータと、該当するパラメータの良否判定のしきい値とを比較し、該比較結果に基づいて通信品質の良否を判定するステップとを備えることを特徴とする。
本発明のプログラムは、ネットワーク上のトラフィックの通信品質を監視するコンピュータのためのプログラムであって、前記コンピュータに、ネットワークから、トラフィックを構成するパケットを受信する処理と、パケットの到着時刻情報から到着時刻周波数分布を算出する処理と、算出した到着時刻周波数分布について所定のパラメータを算出する処理と、前記所定のパラメータについて、通信品質の良否判定のしきい値を記憶する記憶装置を参照し、前記算出したパラメータと、該当するパラメータの良否判定のしきい値とを比較し、該比較結果に基づいて通信品質の良否を判定する処理とを実行させることを特徴とする。
本発明の通信品質監視装置、方法、及び、プログラムでは、ネットワークから、トラフィックを構成するパケットを受信し、受信パケットの到着時刻情報に基づいてパケットの受信時刻周波数分布を算出し、その周波数分布から得られる所定のパラメータを、通信品質の良否判定のしきい値と比較することで、通信品質の良否を判定する。このように本発明では、受信パケットの到着時刻の周波数分布に基づいて通信品質の良否を判定するため、受信パケットの内容を解析しなくても、通信品質が良好であるか、或いは、劣化しているかを判定することができる。
本発明の通信品質監視装置及び方法では、前記ネットワーク上のトラフィックが、暗号化された通信データを含む構成を採用できる。トラフィックが暗号化されている場合には、トラフィックを構成するパケットの内容を解析することはできない。本発明では、通信品質の良否の判定に際して、パケットの内容の解析を必要としないため、トラフィックが暗号化されている場合でも、通信品質の良否判定が可能となる。
本発明の通信品質監視装置及び方法では、前記所定のパラメータが、該到着時刻周波数分布の分散、標準偏差、ピーク半値幅、及び、ピークパワー値のうちの少なくとも1つを含む。
本発明の通信品質監視装置及び方法では、前記到着時刻周波数分布の分散、標準偏差、及び、ピークパワーの半値幅のうちの少なくとも1つが、記憶装置に記憶された、該当する良否判定のしきい値よりも大きいと判断すると、通信品質が劣化したと判断する構成を採用できる。また、本発明の通威信品質監視装置及び方法では、前記到着時刻周波数分布部のピークパワー値が、前記記憶装置に記憶されたピークパワーのしきい値よりも小さいと判断すると、通信品質が劣化したと判断する構成を採用できる。
本発明の通信品質監視装置及び方法では、前記ネットワーク上のトラフィックが、音声トラフィックである構成を採用できる。この場合、受信パケットの到着時刻周波数分布に基づいて、通話品質の良否を判定できる。
本発明の監視トラフィック通信品質監視装置は、ネットワーク上のトラフィックから監視対象トラフィックを検出し、該検出した監視対象トラフィックの通信品質を監視する監視トラフィック通信品質監視装置において、ネットワークから、トラフィックを構成するパケットを受信する受信部と、前記受信部が受信したパケットの到着時刻情報から到着時刻周波数分布を算出する到着時刻周波数分布算出部と、前記到着時刻周波数分布算出手段が算出した到着時刻周波数分布と、記憶装置に記憶された、監視対象トラフィックを構成するパケットの到着時刻周波数分布の期待値とを比較し、該比較結果に基づいて監視対象トラフィックを検出するトラフィック検出部と、前記トラフィック検出部が検出したトラフィックについて、前記到着時刻周波数分布算出手段が算出した到着時刻周波数分布について所定のパラメータを算出するパラメータ算出部と、前記パラメータ算出部が算出したパラメータと、記憶装置に記憶された、該当するパラメータの通信品質の良否判定のしきい値とを比較し、該比較結果に基づいて通信品質の良否を判定する通信状態判定部とを備えることを特徴とする。
本発明の監視トラフィック通信品質監視方法は、通信品質監視装置を用い、ネットワーク上のトラフィックから監視対象トラフィックを検出し、該検出した監視対象トラフィックの通信品質を監視する方法において、前記通信品質監視装置が、ネットワークから、トラフィックを構成するパケットを受信するステップと、前記通信品質監視装置が、受信したパケットの到着時刻情報から到着時刻周波数分布を算出するステップと、前記通信品質監視装置が、監視対象トラフィックを構成するパケットの到着時刻周波数分布の期待値を記憶する記憶装置を参照し、前記算出された到着時刻周波数分布と、前記到着時刻周波数分布の期待値とを比較し、該比較結果に基づいて監視対象トラフィックを検出するステップと、前記通信品質監視装置が、前記監視対象トラフィック検出ステップで検出された監視対象トラフィックについて、前記算出した到着時刻周波数分布の所定のパラメータを算出するステップと、前記通信品質監視装置が、前記所定のパラメータについて通信品質の良否判定のしきい値を記憶する記憶装置を参照し、前記算出したパラメータと、該当するパラメータの良否判定のしきい値とを比較し、該比較結果に基づいて通信品質の良否を判定するステップとを備えることを特徴とする。
ネットワーク上のトラフィックから監視対象トラフィックを検出し、該検出した監視対象トラフィックの通信品質を監視するコンピュータのためのプログラムであって、前記コンピュータに、ネットワークから、トラフィックを構成するパケットを受信する処理と、受信したパケットの到着時刻情報から到着時刻周波数分布を算出する処理と、監視対象トラフィックを構成するパケットの到着時刻周波数分布の期待値を記憶する記憶装置を参照し、前記算出された到着時刻周波数分布と、前記到着時刻周波数分布の期待値とを比較し、該比較結果に基づいて監視対象トラフィックを検出する処理と、前記監視対象トラフィック検出処理で検出された監視対象トラフィックについて、前記算出した到着時刻周波数分布の所定のパラメータを算出する処理と、前記通信品質監視装置が、前記所定のパラメータについて通信品質の良否判定のしきい値を記憶する記憶装置を参照し、前記算出したパラメータと、該当するパラメータの良否判定のしきい値とを比較し、該比較結果に基づいて通信品質の良否を判定する処理とを実行させることを特徴とする。
本発明の監視トラフィック通信品質監視装置、方法、及び、プログラムでは、トラフィックを構成するパケットを受信し、受信パケットの到着時刻情報に基づいてパケットの受信時刻周波数分布を算出し、その周波数分布から得られる所定のパラメータを監視トラフィックの周波数分布の期待値と比較することで、監視トラフィックを検出する。また、検出した監視トラフィックについて、パケットの受信時刻周波数分布と、通信品質の良否判定のしきい値と比較することで、通信品質の良否を判定する。このように本発明では、受信パケットの到着時刻周波数分布に基づいて、監視トラフィックを検出し、その監視トラフィックの通信品質の良否を判定するため、受信パケットの内容を解析しなくても、監視トラフィックについて、通信品質が良好であるか、或いは、劣化しているかを判定することができる。
本発明の監視トラフィック通信品質監視装置及び方法では、前記ネットワーク上のトラフィックが、暗号化された通信データを含む構成を採用することができる。トラフィックが暗号化されている場合には、トラフィックを構成するパケットの内容を解析することはできない。本発明では、監視トラフィックの検出に際して、パケットの内容の解析を必要としないため、監視対象のトラフィックが暗号化されている場合でも、監視対象のトラフィックを検出できる。また、通信品質の良否判定に際して、パケットの内容を解析する必要がないため、監視対象のトラフィックが暗号化されている場合でも、その監視対象のトラフィックの通信品質の良否を判定できる。
本発明の監視トラフィック通信品質監視装置は、前記受信部が受信したパケットを、該パケットのフレーム長、送信元、及び、送信先の少なくとも1つに従って分離する分離部を更に備え、前記到着時刻周波数分布算出部は、前記分離部が分離したパケットのそれぞれについて到着時刻周波数分布を算出する構成を採用できる。また、本発明の監視トラフィック検出方法は、前記通信品質監視装置が、受信したパケットを、該パケットのフレーム長、送信元、及び、送信先の少なくとも1つに従って分離するステップを更に備え、前記通信品質監視装置は、前記到着時刻周波数分布算出ステップを、前記分離ステップで分離したパケットのそれぞれについて実行する構成を採用できる。この場合、例えばパケットのフレーム長と、送信元及び送信先の組とに基づいて分離したトラフィックのそれぞれから、監視トラフィックを検出することができる。
本発明の監視トラフィック通信品質監視装置は、前記分離部は、記憶装置に記憶された、監視対象のトラフィックを構成するパケットのフレーム長の期待値に合致するフレーム長を有するパケットについて、パケットの分離を行う構成を採用できる。また、本発明の監視トラフィック通信品質監視方法では、前記通信品質監視装置は、監視対象トラフィックを構成するパケットのフレーム長の期待値を記憶する記憶装置を参照し、前記パケット分離ステップを、前記フレーム長の期待値に合致するフレーム長を有するパケットについて実行する構成を採用できる。この場合、監視トラフィックを構成するパケットである可能性があるパケットについてのみ、到着時刻の周波数分布を算出することができる。
本発明の監視トラフィック通信品質監視装置及び方法では、前記分離部は、MACアドレス、IPアドレス、及び、ポート番号の少なくとも1つを含むフロー識別子を参照して、送信元及び送信先を識別する構成を採用できる。送信元及び送信先の識別には、このような識別子を利用することができる。
本発明の監視トラフィック通信品質監視装置及び方法では、前記到着周波数分布期待値が、前記到着時刻周波数分布における周波数ピーク位置の期待値、及び、ピークパワーの期待値の少なくとも一方を含む構成を採用できる。
本発明の監視トラフィック通信品質監視装置及び方法では、前記所定のパラメータが、該到着時刻周波数分布の分散、標準偏差、ピーク半減値、及び、ピークパワー値のうちの少なくとも1つを含む構成を採用できる。良否判定に使用する周波数分布のパラメータとしては、周波数分布の分散や標準偏差等の基本統計量、或いは、ピーク半減値やピークパワー値等のピーク形状を採用できる。
本発明の監視トラフィック通信品質監視装置及び方法では、前記通信状態判定部は、前記到着時刻周波数分布の分散、標準偏差、及び、ピークパワーの半値幅のうちの少なくとも1つが、前記記憶装置に記憶された、該当する良否判定のしきい値よりも大きいと判断すると、通信品質が劣化したと判断する構成を採用できる。また前記到着時刻周波数分布部のピークパワー値が、記憶装置に記憶されたピークパワーのしきい値よりも小さいと判断すると、通信品質が劣化したと判断する構成を採用することができる。
本発明の監視トラフィック通信品質監視装置及び方法では、前記監視対象トラフィックが、音声トラフィックである構成を採用できる。この場合、受信パケットの到着時刻周波数分布に基づいて、音声トラフィックを検出し、検出した音声トラフィックについて、通話品質の良否を判定できる。
本発明の監視トラフィック検出装置、方法、及び、プログラムでは、ネットワークから受信したパケットの到着時刻の周波数分布を算出し、パケット到着時刻周波数分布の期待値によって定義される監視トラフィックの特性の期待値を用いて、監視トラフィックを検出する。このように、パケットの内容を解析することなく監視トラフィックを検出できるため、例えばプロトコル解析ができない暗号化されたWLAN無線通信においても、監視トラフィックを検出できる。
また、本発明の通信品質監視装置、方法、及び、プログラムでは、ネットワークから受信したパケットの到着時刻の周波数分布を算出し、パケット到着時刻周波数分布のしきい値によって定義される通信状態の良否判定基準を用いて、通信状態の良否を判定する。このように、パケットの内容を解析することなく通信品質の良否を判定できるため、例えばプロトコル解析ができない暗号化されたWLAN無線通信においても、通信状態の良否を判定できる。
本発明の監視トラフィック通信品質監視装置、方法、及び、プログラムでは、ネットワークから受信したパケットの到着時刻の周波数分布を算出し、パケット到着時刻周波数分布の期待値によって定義される監視トラフィックの特性の期待値を用いて、監視トラフィックを検出する。その後、検出した監視トラフィックについて、パケット到着時刻周波数分布のしきい値によって定義される通信状態の良否判定基準を用いて、通信状態の良否を判定する。このように、パケットの内容を解析することなく監視トラフィックを検出し、その検出した監視トラフィックについて通信品質の良否を判定できるため、例えばプロトコル解析ができない暗号化されたWLAN無線通信においても、監視トラフィックを検出して通信状態の良否を判定できる。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態の通信品質監視装置を含む通信システムの構成を示している。通信システム10は、WLAN基地局11と、1以上の端末12と、通信品質監視装置13とを有する。WLAN基地局11は、暗号化された無線通信により、端末12との間で通信を行う。端末12は、例えばパーソナルコンピュータとして構成される。端末12上では、IP電話ソフトウェア等の音声アプリケーションが動作しており、WLAN基地局11と端末12との間のトラフィックには、音声アプリケーションによるトラフィックが含まれる。
通信品質監視装置13は、WLAN基地局11と端末12との間の通信を受信して、音声通信の通信品質を評価する。WLAN基地局11と端末12との間の通信が暗号化されているため、パケット解析によって音声トラフィックを検出することはできず、従って、パケット解析を利用して音声通信の品質を評価することはできない。そこで、本実施形態では、音声アプリケーションが所定の時間間隔でパケットの送受信を行うことに着目し、パケットの受信時刻の周波数分布を算出することにより、音声トラフィックを検出する。その後、検出した音声トラフィックについて、通信品質を評価する。
通信品質監視装置13は、アンテナ21、データ長期待値格納部22、受信部23、分離部24、到着時刻周波数分布算出部25、到着時刻周波数分布期待値格納部26、監視トラフィック検出部27、通信品質しきい値格納部28、通信品質劣化検出部29、及び、通知部30を有する。通信品質監視装置13は、例えばワークステーション等のコンピュータシステムとして構成され、プログラムを読み込んで動作することにより、各部の機能を実現する。
受信部23は、アンテナ21により、WLAN基地局11と端末12との間でやり取りされるトラフィックを受信する。データ長期待値格納部22は、検出対象の音声トラフィックを構成するパケットのフレーム長期待値リストを保持する。フレーム長期待値は、音声アプリケーションによって使用されるコーデック及びパケット送信間隔などから作成された期待値、或いは、実測に基づいて決定された期待値である。受信部23は、データ長期待値格納部22に格納されたフレーム長期待値に基づいて、受信パケットのうちで、音声アプリケーションのトラフィックを構成する可能性があるパケットのみを、分離部24に転送する。
図2は、データ長期待値格納部22に格納されるフレーム長期待値の具体例を示している。通常、音声アプリケーションによるトラフィックを構成するパケットは、音声アプリケーションごとに固定フレーム長を持つという特性を有する。データ長期待値格納部22には、同図に示すように、Netmeeting Voiceや、SIP softphoneといった音声アプリケーションごとに、その音声アプリケーションによるトラフィックを構成するパケットのフレーム長期待値(最大値及び最小値)が格納される。また、フレーム形態が複数ある場合には、そのそれぞれについて、フレーム長期待値が格納される。受信部23は、データ長期待値格納部を参照して、受信パケットのフレーム長が、フレーム長期待値の最大値と最小値との間となるパケットを、分離部24に転送する。
分離部24は、転送されたパケットを、パケットの送信元及び送信先の組ごとに分離する。このとき、分離部24は、転送されたパケットを、更にフレーム長ごとに分離してもよい。到着時刻周波数分布算出部25は、分離部24によって分離された各パケットを入力し、分離された各パケットについて、パケットの到着時刻に基づく時系列情報から、フーリエ変換などを用いてパケット到着時刻周波数分布を算出する。
図3及び図4は、音声アプリケーションによるトラフィックを構成するパケットの到着時刻周波数分布の具体例を示している。通常、音声アプリケーションは、等間隔でパケットの送受信を行うため、フーリエ変換により周波数分布を求めると、図3及び図4に示すように、特定の周波数位置にピークが観察される。例えば、Netmeeting Voiceでは、図3に示すように33Hz付近に大きなピークが観察され、SIP softphoneでは、図4に示すように、50Hz付近に大きなピークが観察される。一方、音声アプリケーションではないアプリケーション、例えば動画アプリケーションNetmeeting Videoでは、パケット送信間隔は一定でないため、パケット到着時刻の周波数分布を求めると、図5に示すように、特定の周波数位置のパワーが突出して大きくなることはなく、明確なピークは観察されない。
到着時刻周波数分布期待値格納部26は、音声アプリケーションに対応する到着時刻周波数分布期待値リストを格納する。到着時刻周波数分布期待値は、音声アプリケーションに対応するピーク位置の出現範囲(周波数範囲)やピークパワー範囲の何れか、又は、その双方によって定義される期待値であり、音声アプリケーションにおけるパケット送信間隔などから算出され、或いは、実測に基づいて決定される。監視トラフィック検出部27は、到着時刻周波数分布算出部25によって算出されたパケットの到着時刻周波数分布から、例えば公知のアルゴリズムである平滑化微分法を用いてピークを検出する。そして、検出したピークについて、ピーク周波数位置及びピークパワーを算出し、算出したこれらのパラメータと、到着時刻周波数分布期待値格納部26に格納された到着時刻周波数分布期待値とを比較して、音声トラフィックを検出する。
図6は、到着時刻周波数分布期待値格納部26に格納される到着時刻周波数分布期待値の具体例を示している。到着時刻周波数分布期待値格納部26には、同図に示すように、Netmeeting Voiceや、SIP softphoneといった音声アプリケーションごとに、周波数分布においてピークが観察されるべき周波数位置の理論値に基づく期待値(ピーク位置の最大値及び最小値)が格納される。また、ピークパワーについての期待値(最大値及び最小値)が格納される。監視トラフィック検出部27は、到着時刻周波数分布算出部25によって算出された到着時刻周波数分布から検出されたピークが、ピーク位置の期待値の範囲内(最大値と最小値の間)にあり、かつ、ピークパワーが、ピークパワーの期待値の範囲内にあれば、その到着時刻周波数分布の生成元となったパケットを、音声トラフィックとして検出する。
通信品質しきい値格納部28は、音声品質劣化を検出するためのしきい値として、音声トラフィックに対応するピーク成分の分散や標準偏差などの基本統計量、及び、半値幅、ピークパワーといったピーク形状に関係するパラメータのしきい値を格納する。通信品質劣化検出部29は、監視トラフィック検出部27によって検出された音声トラフィックについて、到着時刻周波数分布算出部25によって算出された到着時刻周波数分布におけるピーク形状のパラメータと、通信品質しきい値格納部28に格納されたしきい値とを比較し、比較結果に基づいて、音声品質の劣化の発生の有無を検出する。通信品質劣化検出部29は、音声品質の劣化の発生を検出すると、その旨を通知部30に通知し、通知部30は、ディスプレイ等の表示画面上に、通信品質の劣化の発生を表示する。
図7は、通信品質しきい値格納部28に格納された、通信品質劣化の判断に用いられるしきい値の具体例を示している。この例では、通信品質の劣化を検出するためのパラメータとして、標準偏差、半値幅、及び、ピークパワーの3つを用いている。通信品質しきい値格納部28には、同図に示すように、Netmeeting Voiceや、SIP softphoneといった音声アプリケーションごとに、音声トラフィックのパケット到着時刻周波数分布の標準偏差、ピーク半値幅、及び、ピークパワーについての通信品質劣化のしきい値が格納される。通信品質劣化検出部29は、通信品質しきい値格納部28を参照し、音声トラフィックとして検出されたパケット到着時刻周波数分布の標準偏差や半値幅がしきい値よりも大きい、或いは、ピークパワーがしきい値よりも小さいと判断すると、通信品質の劣化を検出する。
図8は、通信品質監視装置13の動作手順をフローチャートで示している。図9は、通信システム10における通信の様子を示している。以下、通信品質監視装置13の動作手順について、図9に示すように、端末12a(MACアドレスA)が、WLAN基地局11(MACアドレスC)にネットワーク16を介して接続された別の端末15との間で、Netmeeting Voiceを用いて通信を行っている場合を例に挙げつつ、詳細に説明する。なお、説明の簡略化のため、端末12b(MACアドレスB)については、音声通信を行っていないものとする。
受信部23は、WLAN基地局11と端末12との間のトラフィックを構成するパケットを受信する(ステップS1)。このとき受信部23が受信したパケットは、WLAN基地局11と端末12との間の通信プロトコルに従って暗号化されている。図9では、受信部23は、WLAN基地局11と、端末12a及び12bのそれぞれとの間のトラフィックを構成するパケットを受信する。
受信部23は、受信パケットのフレーム長と、データ長期待値格納部22に格納されたフレーム長期待値とを比較し(ステップS2)、受信パケットのフレーム長が、フレーム長期待値の範囲内にあるか否かを判断する(ステップS3)。受信部23は、ステップS3で、受信パケットのフレーム長がフレーム長期待値の範囲内にないと判断すると、受信パケットは音声トラフィックを構成するものではないと判断して、パケットを破棄する(ステップS4)。
受信部23は、ステップS3で、受信パケットのフレーム長がフレーム長期待値の範囲内にあると判断すると、受信パケットが音声アプリケーションによるトラフィックを構成する可能性があるとして、受信パケットを分離部24に転送する。分離部24は、受信パケットのレイヤ2ヘッダに記述された送信元MACアドレス及び送信先MACアドレスを参照し、受信パケットを、それらの組ごとに分離し(ステップS5)、分離した各パケットを、到着時刻周波数分布算出部25に転送する。このとき、分離部24は、更にパケットのフレーム長ごとに、パケットを分離してもよい。フレーム長ごとに分離する場合には、到着時刻周波数分布算出部25によって、通信ごと及び音声アプリケーションごとに、パケットの到着時刻周波数分布を算出することができ、周波数分布における雑音成分を低減させることができる。
図9では、端末12aのNetmeetingによる音声通信トラフィックを構成するパケットは、それらのフレーム長が78バイトでありフレーム長期待値(図2)に一致するため、分離部24へ転送される。また、端末12aが、同時に動画通信を実施していた場合について考えると、一般に動画通信はフレーム長が可変であり、音声トラフィックのフレーム長よりも大きく、フレーム長期待値に一致しないため、その動画トラフィックのパケットの多くは、音声トラフィックの可能性がないとして、ステップS4で破棄される。しかしながら、動画トラフィックを構成するパケットのうちで、フレーム長が、フレーム長期待値と一致する一部のものについては、分離部24へ転送されることとなる。
分離部24は、ステップS5では、受信パケットの送信元及び送信先MACアドレスの組み合わせ(A→C、C→A、B→C、C→B)に従って、受信パケットを分離する。端末12aの音声トラフィックについては、A→C、C→AのMACアドレスの組み合わせとして分離される。フレーム長で分離する場合には、送信元及び送信先の組で分離されたパケットを、更に、78バイトのフレーム長のパケット、98バイトのフレーム長のパケット、214バイトのフレーム長のパケット、・・・、に分離する。
到着時刻周波数分布算出部25は、各送信元及び送信先の組み合わせについて、受信パケットの到着時刻の周波数分布を算出する(ステップS6)。ステップS6では、到着時刻周波数分布算出部25は、送信元及び送信先の組合せごとに、例えば、図10に示すように、各パケットの到着時刻に従って、単位時間Δtごとに到着したパケット数をカウントし、パケット到着個数についての時系列情報(数列)を生成する。その後、一定時間T(T>Δt)ごとに、生成された数列を入力信号としたフーリエ演算を実施し、各組合せについて、到着時刻周波数分布を算出する。
端末12aの通信には音声トラフィックが含まれるため、ステップS6で、送信先MACアドレスの組み合わせ(A→C、C→A)についてパケットの到着時刻周波数分布を求めると、図3に示すように、特定の周波数位置に強いピークが観察される。ここで、端末12aが動画通信を行っている場合には、前述したように、動画トラフィックのうちの一部が到着時刻周波数分布の算出の対象となり、周波数分布において、雑音成分として表れる。しかし、音声トラフィックのフレーク長期待値に一致する動画トラフィックは、一定の周期で受信されることはないため、周波数分布において強いピークとして観察されることはなく、大きな問題とはならない。
監視トラフィック検出部27は、到着時刻周波数分布算出部25によって算出された到着時刻周波数分布から、例えば平滑化微分法を用いてピークを検出し、検出したピークについて、その周波数位置及びパワーを算出し、これらパラメータと、到着時刻周波数分布期待値格納部26に格納された到着時刻周波数分布期待値とを比較する(ステップS7)。監視トラフィック検出部27は、比較の結果、期待値で示される周波数位置に、期待値で示されるピークパワーのピークが存在するか否かを判断する(ステップS8)。
例えば、図3に示す周波数分布では、24Hz付近にピーク1が検出され、33Hz付近にピーク2が検出され、41Hz付近にピーク3が検出される。これらピークについて、Ntemeeting Voiceの到着時刻周波数分布期待値(図6)と比較すると、ピーク1及びピーク3は、ピーク周波数位置が期待値の範囲内に入らない。しかし、ピーク2は、ピーク周波数位置が33.3Hzであり、ピークパワーが2940であるため、ステップS8では、期待値に示される周波数位置に、期待値で示されるパワーのピークが存在すると判断される。
ステップS7及びステップS8は、分離された送信元及び送信先の組合せが複数あるときには、そのそれぞれについて行われる。監視トラフィック検出部27は、ステップS8で、期待値で示されるピーク位置にピークが存在しないと判断すると、当該送信元と送信先の間のトラフィックが、音声トラフィックではないと判断して処理を終了する。
監視トラフィック検出部27は、ステップS8で、期待値で示されるピーク位置にピークが存在すると判断すると、当該送信元と送信先の間のトラフィックが、音声トラフィックであると判断して、音声トラフィックが検出された旨を通信品質劣化検出部29に通知する。通信品質劣化検出部29は、監視トラフィック検出部27によって音声トラフィックであると判断されたトラフィックについて、到着時刻周波数分布におけるピーク成分の分散や標準偏差などの基本統計量、及び、半値幅、ピークパワーなどのピーク形状に関係するパラメータと、通信品質しきい値格納部28に格納されたしきい値とを比較する(ステップS9)。
通信品質劣化検出部29は、ステップS9の比較の結果、通信品質が良好であるか否かを判断する(ステップS10)。ステップS10では、例えば音声トラフィックについての到着時刻周波数分布における周波数ピークの分散、標準偏差、又は、半値幅が、それぞれしきい値よりも大きいときには、通信品質が劣化していると判断する。また、ピークパワーがしきい値よりも小さいときには、通信品質が劣化していると判断する。通信品質劣化検出部29は、ステップS10で、通信品質が良好でないと判断したときには、その旨を通知部30に表示させ、管理者に、通信品質が劣化している旨を通知する(ステップS11)。ステップS10で通信品質が良好であると判断したときには、その旨を通知部30に表示させ、管理者に、通信品質が良好である旨を通知する(ステップS12)。
例えば、図3に示す周波数分布では、まず、通常の統計手法により標準偏差が算出され、算出された標準偏差が、通信品質しきい値格納部28(図7)に格納された、Netmeeting Voiceについての標準偏差しきい値よりも大きいか否かが判断される。図3では、分布が33Hz付近に集中しているため、標準偏差は、しきい値よりも小さい。次いで、音声トラフィックのピークとして検出されたピーク2(ピークパワー2940)について、ピークパワーが1/2になる周波数幅(半値幅)が算出され、算出された半値幅が、Netmeeting Voiceについての半値幅のしきい値よりも大きいか否かが判断される。図3では、ピーク2は急峻なピークとなっており、半値幅は、ほぼ0であり、しきい値よりも小さい。その後、ピーク2のピークパワーが、Netmeeting Voiceについてのピークパワーのしきい値以上であるか否かが判断される。ピーク2のピークパワーは2940であるため、しきい値より大きい。このため、ステップS10では、通信品質が良好であると判断される。
本実施形態では、受信トラフィックのフレーム長及び到着時刻周波数分布を求め、フレーム長期待値、及び、パケット到着時刻周波数分布期待値によって定義される音声トラフィックの特性の期待値を用い、WLAN無線データトラフィックから算出した到着時刻周波数分布の中から音声トラフィックに対応するピーク成分を検出する。このようにすることで、動的に暗号鍵を変更するなどして復号できない暗号化プロトコルを使用することにより、プロトコル解析を行うことができない場合でも、WLAN無線通信から、音声トラフィックを検出することができる。
また、検出した音声トラフィックに対応するピーク成分について、分散や標準偏差及び半値幅、ピークパワー等のピーク形状を表すパラメータを観察することによって音声品質の良否を判定する。このようにすることで、音声トラフィックが暗号化されておりプロトコル解析ができない場合でも、音声トラフィックの通信品質を監視して、音声品質劣化を検出することができる。
特許文献3に記載の技術では、VoIPパケットの到着間隔のゆらぎなどを算出して音声品質を評価しているため、そのゆらぎの算出に当たっては、VoIPパケットの分離が必須であった。本実施形態では、パケットの到着時刻の時系列情報を周波数情報に変換した周波数分布を用いているため、トラフィックから音声パケットのみを分離することは必須ではない。これは、音声トラフィック以外のパケットを含めて到着時刻周波数分布を算出した場合でも、音声トラフィックのパケット到着時刻がほぼ等間隔であることにより、音声トラフィック以外のパケットが多少の雑音成分とはなるものの、周波数分布において、音声トラフィックに特有のピークが観察されるためである。このように、本実施形態では、音声トラフィックを完全に分離しなくても、音声トラフィックを検出することができ、パケット解析が不可能であっても、音声品質の評価が可能となる。
図11は、本発明の第2実施形態の通信品質監視装置を含むネットワークシステムの構成を示している。本実施形態の通信システム10aでは、通信品質監視装置13aのトラフィック受信部分のインタフェースが、第1実施形態の通信品質監視装置13と相違する。端末12は、ネットワーク14に接続されている。ネットワーク14上のトラフィックは、IPsec等の暗号化プロトコルに従って暗号化されたトラフィックを含む。受信部23aは、ネットワーク14からトラフィックを受信する。受信部23aがネットワーク14上のトラフィックを受信した後の動作は、第1実施形態における通信品質監視装置13の動作と同様である。
本実施形態においても、フレーム長期待値及びパケット到着時刻周波数分布期待値によって定義される音声トラフィックの特性の期待値を用いることにより、IPsecなどのプロトコルによって暗号化されたトラフィックから、音声トラフィックを検出することができる。また、検出した音声トラフィックに対応するピーク成分について、分散や標準偏差及び半値幅、ピークパワー等のピーク形状を表すパラメータを観察することにより、第1実施形態と同様に、音声品質の劣化を検出することができる。
なお、上記各実施形態では、受信部23は、フレーム長を用いて音声トラフィックの可能性があるトラフィックを抽出したが、暗号化されていないトラフィックに対しては、パケット長、或いは、ペイロード部の音声データ長を用いて、音声トラフィックを抽出してもよい。また、分離部24は、WLANトラフィックに対して、送信元MACアドレス及び送信先MACアドレスを参照して、それらの組ごとに分離したが、暗号化されていないトラフィックに対しては、MACアドレスだけでなく、IPアドレスやポート番号等の他の識別子を参照して、それらの組ごとにトラフィックを分離してもよい。
上記各実施形態では、監視対象のトラフィックを音声トラフィックとし、その音声通信品質の劣化を検出したが、監視対象のトラフィックはこれには限定されない。例えば、動画トラフィックやファイル転送トラフィックなどの他のアプリケーションによるトラフィックを監視対象トラフィックとすることができる。その場合、データ長期待値格納部22及び到着時刻周波数分布期待値格納部26に、それぞれ監視対象トラフィックに関する期待値を格納しておくことで、監視したいトラフィックを検出できる。また、通信品質しきい値格納部28に、監視トラフィックの通信品質の劣化を検出するためのピーク形状パラメータのしきい値を格納しておくことで、監視トラフィックの通信品質の劣化を検出できる。
上記各実施形態では、受信部23によって受信されたトラフィックのうち、フレーム長がデータ長期待値格納部22に格納されたフレーム長の期待値の範囲内にあるもののみを、すなわち、音声トラフィックの可能性があるパケットのみをパケット到着時刻周波数分布算出の対象としたが、受信された全てのパケットを、パケット到着時刻周波数分布の算出の対象とすることもできる。この場合、例えば、端末12a(図9)が、音声アプリケーションNetmeeting Voiceに加えて、動画アプリケーションNetmeeting Videoを同時に使用していたとすると、これら2つのアプリケーションによるパケットのパケット到着時刻周波数分布は、Netmeeting Voiceによる周波数分布(図3)とNetmeeting Videoによる周波数分布(図5)とを重畳させた分布となる。この場合でも、これら2つのアプリケーションによるピーク周波数位置は、相互に異なっているため、2つの周波数分布が重畳した場合でも、ピークの周波数位置及びピークパワーを調べることにより、この分布から、音声トラフィックを検出でき、音声品質の評価が可能となる。ただし、音声パケットの可能性があるパケットのみを対象として到着時刻周波数分布を算出した方が、周波数分布におけるノイズの影響を低減できるため、検出精度を向上できるというメリットがある。
また、分離部24で、パケットを、送信元及び送信先の組み合わせで分離し、分離した組のそれぞれについて到着時刻周波数分布を算出する例について示したが、これには限定されない。例えば、端末12a(図9)が音声アプリケーションNetmeeting Voiceを使用し、同時に端末12bが別の音声アプリケーションSIP phoneを使用しいる場合には、受信部23は、双方のアプリケーションによるパケットを受信する。これら2つのアプリケーションによるパケットのパケット到着時刻周波数分布は、Netmeeting Voiceによる周波数分布(図3)とSIP softphoneによる周波数分布(図4)とを重畳させた分布となる。この周波数分布では、33Hz付近と、50Hz付近とに明確なピークが観察される。従って、これらピークのそれぞれについて、ピークの周波数位置及びピークパワーを調べることにより、音声トラフィックを検出でき、音声品質の評価が可能となる。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明のトラフィック検出装置、通信品質監視装置、方法、及び、プログラムは、上記実施形態例にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。
本発明の第1実施形態の通信品質監視装置を含む通信システムの構成を示すブロック図。 データ長期待値格納部22に格納されるフレーム長期待値の具体例を示すテーブル。 音声アプリケーションによるトラフィックを構成するパケットの到着時刻周波数分布の具体例を示すグラフ。 別の音声アプリケーションによるトラフィックを構成するパケットの到着時刻周波数分布の具体例を示すグラフ。 非音声アプリケーションによるトラフィックを構成するパケットの到着時刻周波数分布の具体例を示すグラフ。 到着時刻周波数分布期待値格納部26に格納される到着時刻周波数分布期待値の具体例を示すテーブル。 通信品質しきい値格納部28に格納された、通信品質劣化の判断に用いられるしきい値の具体例を示すテーブル。 通信品質監視装置13の動作手順を示すフローチャート。 通信システム10における通信の様子を示すブロック図。 パケット到着時刻周波数分布を算出する際の様子を示すタイミング図。 本発明の第2実施形態の通信品質監視装置を含むネットワークシステムの構成を示すブロック図。
符号の説明
10:通信システム
11:WLAN無線基地局
12:端末
13:通信品質監視装置
14:ネットワーク
21:アンテナ
22:データ長期待値格納部
23:受信部
24:分離部
25:到着時刻周波数分布算出部
26:到着時刻周波数分布期待値格納部
27:監視トラフィック検出部
28:通信品質しきい値格納部
29:通信品質劣化検出部
30:通知部

Claims (49)

  1. ネットワーク上のトラフィックから、監視対象トラフィックを検出する監視対象トラフィック検出装置において、
    ネットワークから、トラフィックを構成するパケットを受信する受信部と、
    前記受信部が受信したパケットの到着時刻情報から到着時刻周波数分布を算出する到着時刻周波数分布算出部と、
    前記到着時刻周波数分布算出手段が算出した到着時刻周波数分布と、記憶装置に記憶された、監視対象トラフィックを構成するパケットの到着時刻周波数分布の期待値とを比較し、該比較結果に基づいて監視対象トラフィックを検出するトラフィック検出部とを備えることを特徴とする監視トラフィック検出装置。
  2. 前記ネットワーク上のトラフィックが、暗号化された通信データを含む、請求項1に記載の監視トラフィック検出装置。
  3. 前記受信部が受信したパケットを、該パケットのフレーム長、送信元、及び、送信先の少なくとも1つに従って分離する分離部を更に備え、
    前記到着時刻周波数分布算出部は、前記分離部が分離したパケットのそれぞれについて到着時刻周波数分布を算出する、請求項1又は2に記載の監視トラフィック検出装置。
  4. 前記分離部は、記憶装置に記憶された、監視対象トラフィックを構成するパケットのフレーム長の期待値に合致するフレーム長を有するパケットについて、パケットの分離を行う、請求項3に記載の監視トラフィック検出装置。
  5. 前記分離部は、MACアドレス、IPアドレス、及び、ポート番号の少なくとも一つを含むフロー識別子を参照して、送信元及び送信先を識別する、請求項3又は4に記載の監視トラフィック検出装置。
  6. 前記到着周波数分布の期待値が、前記到着時刻周波数分布における周波数ピーク位置の期待値、及び、ピークパワーの期待値の少なくとも一方を含む、請求項1〜5の何れか一に記載の監視トラフィック検出装置。
  7. 前記監視対象のトラフィックが、音声トラフィックである、請求項1〜6の何れか一に記載の監視トラフィック検出装置。
  8. トラフィック検出装置を用い、ネットワーク上のトラフィックから監視対象のトラフィックを検出する方法であって、
    前記トラフィック検出装置が、ネットワークから、トラフィックを構成するパケットを受信するステップと、
    前記トラフィック検出装置が、受信したパケットの到着時刻情報から到着時刻周波数分布を算出するステップと、
    前記トラフィック検出装置が、監視対象トラフィックを構成するパケットの到着時刻周波数分布の期待値を格納する記憶装置を参照し、前記算出した到着時刻周波数分布と、前記到着時刻周波数分布の期待値とを比較し、該比較結果に基づいて監視対象トラフィックを検出するステップとを有することを特徴とする監視トラフィック検出方法。
  9. 前記ネットワーク上のトラフィックが、暗号化された通信データを含む、請求項8に記載の監視トラフィック検出方法。
  10. 前記トラフィック検出装置が、受信したパケットを、該パケットのフレーム長、送信元、及び、送信先の少なくとも1つに従って分離するステップを更に備え、
    前記トラフィック検出装置は、前記到着時刻周波数分布算出ステップを、前記分離ステップで分離したパケットのそれぞれについて実行する、請求項8又は9に記載の監視トラフィック検出方法。
  11. 前記トラフィック検出装置は、監視対象トラフィックを構成するパケットのフレーム長の期待値を記憶する記憶装置を参照し、前記パケット分離ステップを、前記フレーム長の期待値に合致するフレーム長を有するパケットについて実行する、請求項10に記載の監視トラフィック検出方法。
  12. 前記分離ステップでは、前記トラフィック検出装置は、MACアドレス、IPアドレス、及び、ポート番号の少なくとも1つを含むフロー識別子を参照して、送信元及び送信先を識別する、請求項10又は11に記載の監視トラフィック検出方法。
  13. 前記到着周波数分布の期待値が、前記到着時刻周波数分布における周波数ピーク位置の期待値、及び、ピークパワーの期待値の少なくとも一方を含む、請求項8〜12の何れか一に記載の監視トラフィック検出方法。
  14. 前記監視対象のトラフィックが、音声トラフィックである、請求項8〜13の何れか一に記載の監視トラフィック検出方法。
  15. ネットワーク上のトラフィックの通信品質を監視する通信品質監視装置において、
    ネットワークから、トラフィックを構成するパケットを受信する受信部と、
    前記受信部が受信したパケットの到着時刻情報から到着時刻周波数分布を算出する到着時刻周波数分布算出部と、
    前記到着時刻周波数分布算出手段が算出した到着時刻周波数分布について、所定のパラメータを算出するパラメータ算出部と、
    前記パラメータ算出部が算出したパラメータと、記憶装置に記憶された、該当するパラメータの良否判定のしきい値とを比較し、該比較結果に基づいて通信品質の良否を判定する通信状態判定部とを備えることを特徴とする通信品質監視装置。
  16. 前記ネットワーク上のトラフィックが、暗号化された通信データを含む、請求項15に記載の通信品質監視装置。
  17. 前記所定のパラメータが、該到着時刻周波数分布の分散、標準偏差、ピーク半値幅、及び、ピークパワー値のうちの少なくとも1つを含む、請求項15又は16に記載の通信品質監視装置。
  18. 前記通信状態判定部は、前記到着時刻周波数分布の分散、標準偏差、及び、ピークパワーの半値幅のうちの少なくとも1つが、記憶装置に記憶された、該当する良否判定のしきい値よりも大きいと判断すると、通信品質が劣化したと判断する、請求項17に記載の通信品質監視装置。
  19. 前記通信状態判定部は、前記到着時刻周波数分布部のピークパワー値が、前記記憶装置に記憶されたピークパワーのしきい値よりも小さいと判断すると、通信品質が劣化したと判断する、請求項17に記載の通信品質監視装置。
  20. 前記ネットワーク上のトラフィックが、音声トラフィックである、請求項15〜19の何れか一に記載の通信品質監視装置。
  21. 通信品質監視装置を用い、ネットワーク上のトラフィックの通信品質を監視する方法において、
    前記通信品質監視装置が、ネットワークから、トラフィックを構成するパケットを受信するステップと、
    前記通信品質監視装置が、パケットの到着時刻情報から到着時刻周波数分布を算出するステップと、
    前記通信品質監視装置が、算出した到着時刻周波数分布について所定のパラメータを算出するステップと、
    前記通信品質監視装置が、前記所定のパラメータについて、通信品質の良否判定のしきい値を記憶する記憶装置を参照し、前記算出したパラメータと、該当するパラメータの良否判定のしきい値とを比較し、該比較結果に基づいて通信品質の良否を判定するステップとを備えることを特徴とする通信品質監視方法。
  22. 前記ネットワーク上のトラフィックが、暗号化された通信データを含む、請求項21に記載の通信品質監視方法。
  23. 前記所定のパラメータが、該到着時刻周波数分布の分散、標準偏差、ピーク半値幅、及び、ピークパワー値のうちの少なくとも1つを含む、請求項21又は22に記載の通信品質監視方法。
  24. 前記通信品質監視装置は、前記到着時刻周波数分布の分散、標準偏差、及び、ピークパワーの半値幅のうちの少なくとも1つが、前記記憶装置に記憶された、該当する良否判定のしきい値よりも大きいと判断すると、通信品質が劣化したと判断する、請求項23に記載の通信品質監視方法。
  25. 前記通信品質監視装置は、前記到着時刻周波数分布部のピークパワー値が、前記記憶装置に記憶されたピークパワーのしきい値よりも小さいと判断すると、通信品質が劣化したと判断する、請求項23に記載の通信品質監視方法。
  26. 前記ネットワーク上のトラフィックが、音声トラフィックである、請求項21〜25の何れか一に記載の通信品質監視方法。
  27. ネットワーク上のトラフィックから監視対象トラフィックを検出し、該検出した監視対象トラフィックの通信品質を監視する監視トラフィック通信品質監視装置において、
    ネットワークから、トラフィックを構成するパケットを受信する受信部と、
    前記受信部が受信したパケットの到着時刻情報から到着時刻周波数分布を算出する到着時刻周波数分布算出部と、
    前記到着時刻周波数分布算出手段が算出した到着時刻周波数分布と、記憶装置に記憶された、監視対象トラフィックを構成するパケットの到着時刻周波数分布の期待値とを比較し、該比較結果に基づいて監視対象トラフィックを検出するトラフィック検出部と、
    前記トラフィック検出部が検出したトラフィックについて、前記到着時刻周波数分布算出手段が算出した到着時刻周波数分布について所定のパラメータを算出するパラメータ算出部と、
    前記パラメータ算出部が算出したパラメータと、記憶装置に記憶された、該当するパラメータの通信品質の良否判定のしきい値とを比較し、該比較結果に基づいて通信品質の良否を判定する通信状態判定部とを備えることを特徴とする監視トラフィック通信品質監視装置。
  28. 前記ネットワーク上のトラフィックが、暗号化された通信データを含む、請求項27に記載の監視トラフィック通信品質監視装置。
  29. 前記受信部が受信したパケットを、該パケットのフレーム長、送信元、及び、送信先の少なくとも1つに従って分離する分離部を更に備え、
    前記到着時刻周波数分布算出部は、前記分離部が分離したパケットのそれぞれについて到着時刻周波数分布を算出する、請求項27又は28に記載の監視トラフィック通信品質監視装置。
  30. 前記分離部は、記憶装置に記憶された、監視対象のトラフィックを構成するパケットのフレーム長の期待値に合致するフレーム長を有するパケットについて、パケットの分離を行う、請求項29に記載の監視トラフィック通信品質監視装置。
  31. 前記分離部は、MACアドレス、IPアドレス、及び、ポート番号の少なくとも1つを含むフロー識別子を参照して、送信元及び送信先を識別する、請求項29又は30に記載の監視トラフィック通信品質監視装置。
  32. 前記到着周波数分布の期待値が、前記到着時刻周波数分布における周波数ピーク位置の期待値、及び、ピークパワーの期待値の少なくとも一方を含む、請求項27〜31の何れか一に記載の監視トラフィック通信品質監視装置。
  33. 前記所定のパラメータが、該到着時刻周波数分布の分散、標準偏差、ピーク半値幅、及び、ピークパワー値のうちの少なくとも1つを含む、請求項27〜32の何れか一に記載の監視トラフィック通信品質監視装置。
  34. 前記通信状態判定部は、前記到着時刻周波数分布の分散、標準偏差、及び、ピークパワーの半値幅のうちの少なくとも1つが、前記記憶装置に記憶された、該当する良否判定のしきい値よりも大きいと判断すると、通信品質が劣化したと判断する、請求項33に記載の監視トラフィック通信品質監視装置。
  35. 前記通信状態判定部は、前記到着時刻周波数分布部のピークパワー値が、記憶装置に記憶されたピークパワーのしきい値よりも小さいと判断すると、通信品質が劣化したと判断する、請求項33に記載の監視トラフィック通信品質監視装置。
  36. 前記監視対象トラフィックが、音声トラフィックである、請求項27〜35の何れか一に記載の通信品質監視装置。
  37. 通信品質監視装置を用い、ネットワーク上のトラフィックから監視対象トラフィックを検出し、該検出した監視対象トラフィックの通信品質を監視する方法において、
    前記通信品質監視装置が、ネットワークから、トラフィックを構成するパケットを受信するステップと、
    前記通信品質監視装置が、受信したパケットの到着時刻情報から到着時刻周波数分布を算出するステップと、
    前記通信品質監視装置が、監視対象トラフィックを構成するパケットの到着時刻周波数分布の期待値を記憶する記憶装置を参照し、前記算出された到着時刻周波数分布と、前記到着時刻周波数分布の期待値とを比較し、該比較結果に基づいて監視対象トラフィックを検出するステップと、
    前記通信品質監視装置が、前記監視対象トラフィック検出ステップで検出された監視対象トラフィックについて、前記算出した到着時刻周波数分布の所定のパラメータを算出するステップと、
    前記通信品質監視装置が、前記所定のパラメータについて通信品質の良否判定のしきい値を記憶する記憶装置を参照し、前記算出したパラメータと、該当するパラメータの良否判定のしきい値とを比較し、該比較結果に基づいて通信品質の良否を判定するステップとを備えることを特徴とする監視対象トラフィック通信品質監視方法。
  38. 前記ネットワーク上のトラフィックが、暗号化された通信データを含む、請求項37に記載の監視トラフィック通信品質監視方法。
  39. 前記通信品質監視装置が、受信したパケットを、該パケットのフレーム長、送信元、及び、送信先の少なくとも1つに従って分離するステップを更に備え、
    前記通信品質監視装置は、前記到着時刻周波数分布算出ステップを、前記分離ステップで分離したパケットのそれぞれについて実行する、請求項37又は38に記載の監視トラフィック通信品質監視方法。
  40. 前記通信品質監視装置は、監視対象トラフィックを構成するパケットのフレーム長の期待値を記憶する記憶装置を参照し、前記パケット分離ステップを、前記フレーム長の期待値に合致するフレーム長を有するパケットについて実行する、請求項39に記載の監視トラフィック通信品質監視方法。
  41. 前記トラフィック検出装置は、前記分離ステップでは、MACアドレス、IPアドレス、及び、ポート番号の少なくとも1つを含むフロー識別子を参照して、送信元及び送信先を識別する、請求項39又は40に記載の監視トラフィック通信品質監視方法。
  42. 前記到着周波数分布の期待値が、前記到着時刻周波数分布における周波数ピーク位置の期待値、及び、ピークパワーの期待値の少なくとも一方を含む、請求項37〜41の何れか一に記載の監視トラフィック通信品質監視方法。
  43. 前記所定のパラメータが、該到着時刻周波数分布の分散、標準偏差、ピーク半値幅、及び、ピークパワー値のうちの少なくとも1つを含む、請求項37〜42の何れか一に記載の監視トラフィック通信品質監視方法。
  44. 前記通信品質監視装置は、前記到着時刻周波数分布の分散、標準偏差、及び、ピークパワーの半値幅のうちの少なくとも1つが、該当する良否判定のしきい値よりも大きいと判断すると、通信品質が劣化したと判断する、請求項43に記載の監視トラフィック通信品質監視方法。
  45. 前記通信品質監視装置は、前記到着時刻周波数分布部のピークパワー値が、前記記憶装置に記憶されたピークパワーのしきい値よりも小さいと判断すると、通信品質が劣化したと判断する、請求項43に記載の監視トラフィック通信品質監視方法。
  46. 前記監視対象のトラフィックが、音声トラフィックである、請求項37〜45の何れか一に記載の監視トラフィック検出方法。
  47. ネットワーク上のトラフィックから監視対象のトラフィックを検出するコンピュータのためのプログラムであって、前記コンピュータに、
    ネットワークから、トラフィックを構成するパケットを受信する処理と、
    受信したパケットの到着時刻情報から到着時刻周波数分布を算出する処理と、
    監視対象トラフィックを構成するパケットの到着時刻周波数分布の期待値を格納する記憶装置を参照し、前記算出した到着時刻周波数分布と、前記到着時刻周波数分布の期待値とを比較し、該比較結果に基づいて監視対象トラフィックを検出する処理とを実行させることを特徴とするプログラム。
  48. ネットワーク上のトラフィックの通信品質を監視するコンピュータのためのプログラムであって、前記コンピュータに、
    ネットワークから、トラフィックを構成するパケットを受信する処理と、
    パケットの到着時刻情報から到着時刻周波数分布を算出する処理と、
    算出した到着時刻周波数分布について所定のパラメータを算出する処理と、
    前記所定のパラメータについて、通信品質の良否判定のしきい値を記憶する記憶装置を参照し、前記算出したパラメータと、該当するパラメータの良否判定のしきい値とを比較し、該比較結果に基づいて通信品質の良否を判定する処理とを実行させることを特徴とするプログラム。
  49. ネットワーク上のトラフィックから監視対象トラフィックを検出し、該検出した監視対象トラフィックの通信品質を監視するコンピュータのためのプログラムであって、前記コンピュータに、
    ネットワークから、トラフィックを構成するパケットを受信する処理と、
    受信したパケットの到着時刻情報から到着時刻周波数分布を算出する処理と、
    監視対象トラフィックを構成するパケットの到着時刻周波数分布の期待値を記憶する記憶装置を参照し、前記算出された到着時刻周波数分布と、前記到着時刻周波数分布の期待値とを比較し、該比較結果に基づいて監視対象トラフィックを検出する処理と、
    前記監視対象トラフィック検出処理で検出された監視対象トラフィックについて、前記算出した到着時刻周波数分布の所定のパラメータを算出する処理と、
    前記通信品質監視装置が、前記所定のパラメータについて通信品質の良否判定のしきい値を記憶する記憶装置を参照し、前記算出したパラメータと、該当するパラメータの良否判定のしきい値とを比較し、該比較結果に基づいて通信品質の良否を判定する処理とを実行させることを特徴とするプログラム。
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