JP2007020690A - 浮遊体及び給電装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 浮遊体31に主翼動力装置56を設ける。主翼動力装置56により主翼15に取り付けられたひも199を巻き取り、或いは、解き放つことにより、主翼15が羽ばたく。主翼動力装置56は、モータ65と歯車43,46と巻き取り軸196とから構成される。主翼15はトーションバネ583等が接続され、弾力性があり、常に一定の形を保とうとする復元力がある。従って、主翼15は、糸199により引っ張られて羽ばたいた後、モータ65を逆回転させることによって元の形状に戻る。これを繰り返すことにより自ら羽ばたく浮遊体を得ることができる。
【選択図】 図50
Description
図1(a)は、浮遊体の側面図、図1(b)は、上面図である。
ここでは、浮遊体の一例として、胴部と主翼と水平尾翼を持っている浮遊体の場合を示している。ここで、浮遊体とは、「空中に浮かび泳ぐ物体」のことである。即ち、ふわふわと漂う物体をいう。従って、ヘリコプターや通常のプロペラやエンジンで歩行速度よりはるかに高速で飛ぶ飛行機は、浮遊体とはいわない。また、浮遊体とは、一般に、「空気よりも重く、風の方向に対し、ある角度を持って歩行速度より低速で動きながら飛ぶもの」をいう。気球や風船は、空気より軽いので浮遊体ではない。浮遊体は、風に対して迎え角Aがあることにより、揚力とわずかの抗力(無視可能)とが発生し、この揚力を受け空中に浮遊する。また、水平尾翼を主翼の無揚力線より上に反らせることにより、水平尾翼近傍では、ほぼ翼に沿って吹いてくる風に対して負の迎え角iを形成して飛行の安定性を保っている。迎え角Aと水平尾翼のうわぞり角iの角度を調整することで、揚力を変更することができる。この迎え角Aは、浮遊体の重心の位置を変えることによっても変更することができる。
浮遊の飛行速度は、単位翼面積辺りの加重、即ち翼面加重によって決まる。本浮遊体では、近年の高速回転化によって小型軽量化したモータの利用で、電気の力を使いながらも非常に低速で飛べるように工夫されているのである。
まず最もわかりやすい実施形態から説明する。図2は、この形態1の浮遊体の斜視図である。
図3は、側面図である。
図4は、正面図である。
図5は、背面図である。
図2から図4においては、内部構造を示すために、ケースを示していないが、駆動装置との翼の軸との相対位置を一定にするよう、或いは鳥や昆虫や飛行機に似せて体裁を良くするよう、主翼動力装置56をケース内に納められていることが多い。
以下、主翼動力装置56について説明する。
本装置は、通常の回転運動を直線運動に変えるクランク装置と違って、ひも51とクランク44を利用して羽を羽ばたかせて軽量化を図っているものである。
回転機41は、浮遊体の翼の中心軸と一定の間隔を保って設置されているモータで、電池49からの電力を得て電機子が回転する。電池49は支持板54に取り付けられている。支持板54は、浮遊体31に固定されている。また、回転機41も浮遊体31に固定されている。回転機41の回転軸には、歯車43が設けられている。歯車43は、クランク44に固定された歯車46とかみ合っている。歯車43と歯車46によりモータも回転数(通常一秒に数100回)と羽ばたき回数(通常1秒に数回)との比(約100)の高減速比を有する減速機構55を形成している。通常、この程度の減速比になると図示されてはいないが他の歯車を複数加えることにより減速機構55を形成している。クランク44には、ひも止め47が突起状に設けられている。ひも止め47には、2本のひも51の端部が結ばれている。U字状のパイプ48は、支持棒53に固定されている。また、クランク軸45は、支持棒53と支持板54に指示され、回転できるようになっている。クランク44は、回転機41の回転に合わせてひも止め47を円周上に移動させる。このため、ひも51は、ひも止め47の移動に伴い、張力をかけられ引っ張られたり解放されたりする。ひも51は、中心骨と一定の距離を保っているパイプ48の内部を通過して、主翼15に結ばれている。従って、ひも51がパイプ48を通過移動することにより、主翼15が上下に移動する。つまり、主翼15が羽ばたくことになる。
以上のような構成を持つことにより、主翼動力装置56は、主翼15を飛行に適当なサイクルで羽ばたかせることができる。
なお、ひも51は、線材の一例であり、素材は、釣り糸などの、パイプ48との接触によりすり切れないものであればよい。
浮遊体31は、浮遊体31の対称軸となる本体中心骨39を有している。また、主翼15の主要部となる空力中心(モーメントが迎え角の大小にかかわらず一定であるような点)の近傍に配置された主翼主骨33と、主翼補強骨35を主要構成部材としている。また、本体中心骨39と平行に、かつ、板骨34の両端部から本体中心骨39を挟んで対象に主翼中間縦骨11を有している。板骨34は、主翼中間縦骨11と前縁を固定するための発泡剤などを用いた軽量の板骨である。また、主翼15の端部の上方外縁部分の形状保持のために、主翼細骨13を有している。また、これらの骨組みに対して、浮遊体31本体を構成する所用の強度を有する軽量で強靭な合成樹脂シート、或いは、合成樹脂不織布、等からなる烏や蝶等の生物を印刷した浮遊体シート36を有している。浮遊体シート36は、前述した骨組みに接着固定されるものである。また、取付部材17に本体中心骨39が貫通して浮遊体の先頭から水平尾翼まで本体中心骨39が存在している。さらに、補強骨35をシートに接着固定すると主翼主骨33と中心骨39との角度が固定する。更に、補強骨35と中心骨の交点には補強シート部材17(取付部材17)が接着され、この点に水平尾翼骨18が接続されている。板骨34を除く各骨材には、グラスファイバ又はカーボンファイバ強化樹脂、檜、ラミン等の木材等の線材を使用する。或いは、断面形状を適当に設計して、必要な方向の剛性を高めた、プラスチックを使用しても構わない。
このようにして主翼主骨33を主とした主翼15は、軽量でありながら剛性を持ち、主翼15が羽ばたいても、常に主翼15が追随するようになっている。
ここでは説明を簡単にするために、胴体に固定され主翼中心軸との距離が一定に保たれたパイプ48を直線上にしたものを図示している。図6に示すように、クランク44が矢印Hの方に回転し始めるとひも51が引っ張られ、主翼の中心棒とパイプ48およびモータケース76との距離が一定に保たれているので、主翼15は矢印Eの方向に移動する。図7に示すように、ひも止め47が180度回転した時点で、主翼15は最下に到達する。更に、クランク44が回転し続けることにより、主翼15は、翼に作用する揚力と羽ばたき機構に作用する重力によって、矢印Fの方向に戻ることになる。通常、主翼15が矢印Eの方向に戻るように、主翼15が弾性を有しており、その弾性力により戻る力を付加することによって後述する共振周波数や安定飛行に必要な羽ばたき周波数を調整する。
モータの最高回転数。
モータの最大トルク。
モータの最大電流。
減速機構。
翼のスパン方向。
片方の翼の風力中心。
羽ばたきの上下角度。
空気比重。
羽の幅。
迎え角。
空気抵抗。
浮遊体の全質量。
等。
一方、モータの駆動力をひも51により主翼15に加えるとき、前述した1秒間に1.6回の羽ばたきと同じになるようなサイクルでひも51に張力を与える。もし、主翼15の共振周波数がこのサイクルと一致するならば、共振を起こすことができる。ここで共振とは、「ある物体において、外部から与える振動周波数がその物体の固有周波数に等しくなった状態」をいう。ここで固有周波数とは、「物体の自由振動の周波数」をいう。この例では、翼に対して外部からひも51により与えられる振動周波数(1.6回/秒)がその翼の固有周波数に等しい場合に共振という状態が起こることになる。翼の固有周波数も、主翼15の弾力性や慣性能率やその他のパラメータを変化させることにより、所定の値にすることができる。このような共振状態を作ることにより、翼が羽ばたきやすくなるし、また、エネルギーの消費も少なくなるため、モータに対する負荷が少なくて済む。
実施の形態1で示した(及び、各実施の形態で示す)浮遊体の羽ばたき飛行の重要関係式について、図9を用いて説明する。
主翼15の特定の形状(アスペクト比が重要)で1つ飛ぶものを見つける。ここで、アスペクト比とは、一対の主翼15を180度方向に広げた場合の全長と主翼15の前後奥行き(頭部から水平尾翼方向)の長さとの比(主翼縦横比)である。
主翼15の特定の形状(アスペクト比が重要)で1つ飛ぶものが見つかれば、それ(例えば、主翼の縦・横・形状・アスペクト比など)を縮小ないし拡大する場合、比例定数は同一として、この式で比例計算して飛行条件を求める。
なお、比例定数は形状(主としてアスペクト比に依存)による。この比例定数の収集が重要な技術資産になる。
図10(a)には、締結線無しで自由飛行する大型自由飛行模型体と、締結線で拘束された小型有線飛行模型体の各種数値例が示されている。また、図10(b)には、モータ1とモータ2との例が示されている。
なお、図10の数値は、四捨五入等の関係で値が正しくないように見えるものがある。
ここで特徴となる点は、以下のとおりである。
る。小型有線飛行模型体の全質量は、5.5グラムである。
例えば、モータ1を用いた場合、大型自由飛行模型体の全質量は、25グラムである。小型有線飛行模型体の全質量は、5.5グラム〜7.8グラムである。
モータの重量と飛行模型体の全質量との比は、3分の1以下であることが望ましい。
例えば、モータ1の重量と飛行模型体の全質量との比は、大型自由飛行模型体の場合、約10%である。小型有線飛行模型体の場合、約32%である。
また、モータ2の重量と飛行模型体の全質量との比は、小型有線飛行模型体の場合、約31%である。
例えば、図10の例ではいずれも1.7ニュートン/平方メートルである。小型有線飛行模型体の全質量は、((5.5/1000)*9.8)/0,033=1,633≒1.63ニュートン/平方メートルである。翼を小さくして、翼面積を半分にすれば、狭いところでも飛行可能になる。この場合、翼面荷重は2倍になり、例えば、約3.2ニュートン/平方メートルとなるが、翼の強度の点などから、翼面荷重は3.0ニュートン/平方メートル以下にすることが望ましい。
(1)機体の翼面荷重が、120g/m2以下になった。
(2)図10のようにモータが軽量高性能になった。
(3)3.7V120mAhという軽量高容量のリチェウムポリマー二次電池が入手できるようになった。
羽ばたき飛行させるのに必要なモータ出力は、全質量×重力加速度(9.8m/s2)×空力抵抗係数(0.1程度)×可楊飛行速度である。
ここで可楊飛行速度は、(翼面荷重/((1/2)×空気の密度))1/2であり、空気の密度が、1.20〜1.29kg/m3とすると、図10に示す飛行模型体の速度は、約1.6m/秒(歩行速度程度)である。例えば、翼面荷重を1.62N/m2とし、空気密度を気温0℃で1.2kg/m3とすると、浮遊可能な飛行速度は、 (1.62/(1/2)*1.2)1/2=1.64m/s
となる。
また、翼面荷重を1.62N/m2とし、空気密度を気温20℃で1.29kg/m3とすると、可楊飛行速度は、
(1.62/(1/2)*1.29)1/2=1.58m/s
となる。
パーツの交換などを可能とすると、翼面荷重が変化することもあるので、浮遊体の速度も変化するが、浮遊可能な飛行速度は2.0m/秒あれば空中に浮遊するであろう。
従って、図10に示す飛行模型体を空中に浮遊させるのに必要なモータ出力は、次のようになる。
(1)小形の場合約12mW(7.8*9.8*0.1*1.6=12.2)
(2)大型の場合約40mW(25.1*9.8*0.1*1.6=39.4)
モータの定格最大出力は図10(b)に示したとおり、モータ1の場合、37000/60*8.9/100*9.8/4≒137mWであり、モータ2の場合、26000/60*3.6/100*9.8/4≒60mWであるから、オン、オフの間欠運転で倍の出力が必要であるとしても、まだ十分な余裕を持って飛ばすことが可能である。
図10に示す浮遊体体の最低浮遊飛行速度は、1.6m/秒(歩行速度程度)であり、通常の模型飛行機の場合、10m/秒以上の速度が必要なのに比べると、図10に示す飛行模型体は極めて安全な飛行体といえる。また、3.0m/秒以下の低速度で飛行させるようにしてもよい。3.0m/秒は、時速約10km程度(早足歩行、或いは、遅い駆け足程度)の速度であり、安全性を保ちながらある程度のスピードの飛行も楽しむことが可能である。
図11は、共振状態にある浮遊体のモータ電気回路にスイッチ57とコンデンサ61を設けて消費電力の削減を図った場合の動作説明図である。
図12は、そのフローチャートである。
(a),(f),S21,S22
スイッチ57をオンにする。電池49から回転機41に電流が流れると同時に、コンデンサ61に帯電電流が流れ、コンデンサ61が帯電される。
(b),(g),S23,S24
クランク44が170度回転した時点でスイッチ57をオフにする。
(c),(h),S25
スイッチ57がオフにされると、コンデンサ61から放電される。この放電後、回転機41には電源からの電力の供給がなくなる。
(d),(i),S26,S27
主翼15が矢印Fの方向に自力で戻ることにより、クランク44が矢印Hの方向に回転する。この時点で回転機41は発電機となる。このようにして、回転機41からの電流は、コンデンサ61に帯電される。コンデンサ61の容量が充分大きい場合には、回転機41で発電された電力はコンデンサ61に蓄えられる。
(e),(j),S28
クランク44が360度回転した時点で、スイッチ57をオンにする。この時点で、回転機41は、電源から電力が供給され発電機からモータに変わる。(j)の状態は(f)の状態と同じであり、以後、動作が繰り返され、羽ばたきが継続する。
なお、図13に示すように、電池49の代わりに、充電池59を設けるようにしても構わない。この場合の動作は、図11に示したものと同じになる。即ち、回転機41が発電機として機能し、かつ、その電力の電圧が充電池59よりも高い場合には、充電池59に充電されることになり、長時間の動作が可能になる。
図14(a)は、主翼動力装置56の他の例を示す図である。
減速機付き回転機41の回転軸が本体中心骨39と同一軸になるように減速機付き回転機41が取り付けられている。回転機41の回転軸には、クランク44が直接取り付けられている。クランク44のひも止め47には、ひも51が結ばれている。回転機41は、正逆両方向(即ち、矢印H,矢印Iの方向)に回転する。パイプ48は、支持棒53により固定されている。支持棒53は、クランク軸45にベアリングを介して取り付けている。クランク軸45も本体中心骨39と同一軸上にある。
このような構成にするのは、回転機構を支える筐体をなくして軽量化を図るためである。
回路に回転機41への電流を逆転させる極性切り替え用のスイッチ57を設けることにより、回転機41は、正逆両方向に回転することができる。この実施の形態では、回転機41の回転角度q、又は、クランク44の半径rを変えることにより、羽ばたきの大きさを変えることができる。
限られた空間を自由に飛行する浮遊体は、進行方向を制御する必要がある。図15と図16は、水平尾翼を動かして進行方向変える水平尾翼動力装置69を示す図である。
水平尾翼動力装置69は、水平尾翼中心骨19を備えている。飛行物体が安定に飛ぶためには、図15に示すように、水平尾翼16を主翼15、或いは、胴部24の面よりも跳ね上げる必要がある。即ち、水平尾翼16により図1の角iを持たせる必要がある。このi角を確保するため、及び、水平尾翼16の回転機構を取り付けやすくするため、水平尾翼16の浮遊体シート36の裏面にGFRP(ガラス繊維強化プラスチック)の素材で作られた水平尾翼中心骨19を取り付ける。また、浮遊体のシート36には、穴23を設け、水平尾翼中心骨19を浮遊体シート36の穴23に通し、胴部24の表面側に一端部を出す。この表面側に出された水平尾翼中心骨19の端部を減速機付きモータ65(回転機)に取り付ける。従って、モータ65が正逆方向に回転することにより、水平尾翼中心骨19も軸回りに正逆方向に回転することができる。水平尾翼中心骨19の他端部の両側には、水平尾翼板21が取り付けられる。水平尾翼板21は、水平尾翼成形プラスチック板である。水平尾翼板21は、水平尾翼16の形をしっかり形作り、水平尾翼16の制御の再現性を確保するためのものである。水平尾翼板21は、水平尾翼骨18に接続される。従って、水平尾翼中心骨19が正逆両方向(矢印L,矢印M)の方向に回転することにより、水平尾翼板21及び水平尾翼骨18は、矢印J及び矢印Kの方向に回動することになる。
このようにして、水平尾翼16は、風から受ける力を自由に変化させることができる。 取り付け角度Rを変更するということは、図1の角iを変更することに他ならない。
図17は、水平尾翼動力装置69の他の例を示す図である。
図17の場合は、1本の本体中心骨39があり、その両側に磁石板71と電磁石72が設けられている。無線通信部67は、携帯電話機68と無線通信することにより、電磁石72に対して正逆方向に通電させることができる。電磁石72には、2本の水平尾翼骨18が固定されている。図17の(b),(e)は、電磁石72が通電されていない場合を示している。図17の(c),(f)は、電磁石72が通電されて矢印Jの方向に傾いた場合を示している。その結果、水平尾翼も矢印Jの方向に傾く。図16の(d),(g)は、電磁石72が通電した結果、矢印Kの方向に傾いた場合を示している。その結果、水平尾翼16も矢印Kの方向に傾く。
なお、この例においても、本体中心骨39と水平尾翼骨18を結ぶ水平尾翼板21を設けるようにしても構わない。
図18と図19は、実施の形態6の水平尾翼動力装置69の他の例を示す図である。
図18は、水平尾翼動力装置69の正面図である。
図18は、軸受ハウジング181からフタ186をはずした状態の断面図である。
図19は、軸受ハウジング181にフタ186が取り付けられた状態の断面図である。
図19の水平尾翼中心骨19の右方向の構造は図16に示した構造と同じである。
また、モータ184として、例えば、市販のモータを使用することができる。
軸受ハウジング181の素材は、例えば、ポリアセタールがよい。
また、水平尾翼中心骨19の素材は、強度のために、特殊断面形状のプラスチック、ガラス繊維又はカーボン繊維による強化プラスチックがよい。
また、Oリング183のリングの素材は、すべり止めのために、バイトン、フッ素ゴム、ウレタン、シリコンゴム等を用いるのがよい。
モータ184のモータ軸188が正逆方向に回動すると、Oリング183も正逆方向(矢印M,L方向)に回動し、水平尾翼中心骨19も正逆方向(矢印M,L方向)に回動する。
その結果、図16に示すように水平尾翼16は、正逆方向(矢印J,K方向)に回動する。
図20は、羽ばたかないが低速で飛行する浮遊体31の胴部24に空胴25を設けた場合を示している。
そして、空胴25に高速で回転する超小型ファン73と減速機の無い高速回転モータ65を設けている。
このような構成により、空気流が胴部24の空胴25を強制的に通過して、羽ばたきの推力に代替することになる。
図21,図22は、浮遊体31を台75に取り付けた場合を示している。
図21の場合には、台75に電池49を設け、電池49からの電力をリード線(電線)74に供給している。従って、浮遊体31に電池49を設ける必要はない。このため、電力を家庭の電線から供給すれば、永久に浮遊する浮遊体31を得ることができる。
図23は、糸ないし糸の代わりの電線に拘束されて飛行する浮遊体を示している。図で、電線は、軸(進行)方向では重心位置、垂直方向では胴体の最下点に取り付けられている。また翼にエルロンを付けることによって、揚力を翼面に立てた垂線から一定角度だけ傾けている。
この傾いた揚力が回転運動によって生じる遠心力や遠心方向に傾くことによって生じる重力などによるトルクを打ち消し、浮遊体が永久円運動をできるようにしたものである。このときの各種の角度は、図24の式によって求められる。
図25は、糸ないし糸の代わりの電線を胴体下部の横から取り出したものであるが、この方法でも、上と同一の効果が得られることは自明である。
固定ケース81の内部には、モータ84とギアー82とギアー88がある。ギアー88の中心には、回転軸83があり、回転軸83の上端に回転ケース91が取り付けられている。
回転ケース91の内部には、モータ94とギアー92とギアー98がある。ギアー98の回転により、線巻きドラム95の回転軸93が回転する。更に、回転ケース91の内部には、電池49が内蔵されており、電池49は、例えば、回転軸93を経由して、線巻きドラム95に巻かれた電線74に電力を供給する。電線74は、リング99を経由して上空の浮遊体に接続される。
浮遊体を屋内で電線付きで飛ばすときには、浮遊体が回転(旋回)して飛ばなければ飛翔は続かない。この場合、電線74にねじれが生じてしまう。この回転(旋回)に併せて線巻きドラム95の入った回転ケース91も回転しなければならない。回転ケース91を固定ケースのモータ94で強制的に回転させる理由は浮遊体の回転(旋回)と同期させて回転ケース91を回転させ、電線74にねじれを生じさせないためである。或いは、回転ケース91を強制的に回転させるのではなく、自由に回転させるようにしておいてもよい。
なお、電源は、図26のように、回転ケース91の中に電池49として入れるか、スリップリングを付けて外付けとする。制御スイッチ97は、羽ばたきのためにモータ印加電圧の電圧の正負の切り替えをやるボタン96を有し、切り替えた周波数が羽ばたきの周波数を制御する。これによって、浮遊体の飛行速度を制御する。
図27は、地上制御機構80の内部構成図である。
また、図27は、電線74(糸37)を浮遊体31に取り付け旋回浮遊しやすくした場合を示している。
図25で説明したように、浮遊体31が羽ばたくことにより、前進する力が働き、浮遊体31は、円周V上を飛行することになる。
回転機構483には、モータが内蔵され、回転機構483の中心からは、モータの回転軸489が次コア481の中央を通過して上方に立てられている。
回転変圧器484は、一次コア481と二次コア482が有る。一次コア481と二次コア482にはそれぞれ巻線185が巻かれている。一次コア481と二次コア482とは、非接触型トランスを形成している。即ち、一次コア481は、台480に固定され、二次コア482は、回転軸489に固定され、回転軸489を中心にして回転可能になっている。
二次コア482の上面には、伸縮棒486が固定されている。伸縮棒486は、釣竿のように伸縮する円筒形の竿である。この伸縮棒486の高さ調節により、浮遊体31の飛行高度を調節する。
制御箱487には、電源とセンサと演算装置とが取り付けられている。
電源から電線74により回転機構483と一次コア481に電力を供給する。
回転機構483のモータは、自律回転することにより、二次コア482を回転させ、伸縮棒486を回転させる。
また、一次コア481に供給された電力は、回転変圧器484により変圧されて二次コア482から電線74を介して浮遊体31のモータ65に供給される。
センサは、赤外線を上方に発生させ、浮遊体31の回転速度を検出する。演算装置は、浮遊体31の回転速度と一致するように、回転機構483のモータの回転を制御する。このため、浮遊体31のV方向の旋回飛行と同期して二次コア482と伸縮棒486が回転する。その結果、伸縮棒486から浮遊体31への電線74にねじれが生じることがなく、浮遊体31のV方向の旋回飛行を永久に継続することができる。
リモコン488は、制御箱487に対して、オンオフ指令、飛行速度指令などを指令するものである。
止まり本491は、浮遊体31が飛行していないときの平板状の休憩所(置き場)である。
止まり本491の中央には、電線74の長さを調節する長さ調節部492がある。止まり本491から浮遊体31までの電線74の長さを調節することにより、この浮遊体の旋回半径を自由に変更することができる。例えば、室内では短くでき、屋外では延長できる。
回転機構483のモータにより二次コア482と伸縮棒486とを回転させる強制的に回転させるのではなく、回転機構483を設けないで、浮遊体31の旋回に応じて、二次コア482と伸縮棒486とを自由に回転させるようにしておいてもよい。
図28と図29は、クランクの場合より小さい減速比で主翼15を羽ばたかせる構造を示す図である。
図においては、左右対称であるため、右側の主翼15を省略してある。
モータ65は、モータ固定機構195により図示していない胴部の水平尾翼中心骨19に固定されている。胴部の水平尾翼中心骨19は、主翼15の付け根に存在している。巻き取り軸196は、モータ65の回転軸に直結された棒である。減速機付きモータ65の回転により巻き取り軸196も回転する。
図28の場合には、主翼15が最も上にあるため、上糸191は、上糸ストッパー192より上の巻き取り軸196に巻き取られている。
一方、下糸193は、最も伸びた状態になり、下糸ストッパー194から直接伸びた状態になっている。
図30と図31と図32は、主翼15を羽ばたかせる他の構造を示す図である。
図30は、羽ばたきの最上点を示している。
図31は、羽ばたきの最下点を示している。
図32は、平面図を示している。
板ばね103は、図31に示すように、主翼15を水平方向に保つような力を発揮するものである。
図33は、電源の一例を示す図である。
直流モータ141に対して、交流電源109が接続されている。交流電源109は、例えば、1Hzの交流信号を発生する。
また、B区間では、モータが逆転し、糸が解き放たれ翼が下がる。この交流電源109は、周波数の低い交流信号を発生させる。
また、B区間ではマイナスの直流が供給されたものと見なすことができる。従って、直流モータ141は、A区間で正転し、B区間で逆転するのである。
また、交流電源109の代わりに、直流電源を用いる場合に、リチェウムポリマー2次電池を付ければ、長時間の飛行が可能になる。
図34は、主翼15を羽ばたかせる他の構造を示す図である。
図34において、上は浮遊体の背面であり、下は浮遊体の正面(腹面)である。
この実施の形態の浮遊体は、胴部の取り付け台101と、胴部の両側に取り付けられた一対の主翼15と、一対の主翼の間に設けられ、主翼の羽ばたく方向(上下方向)に延在する巻き取り軸196と、一対の主翼と一端がそれぞれ接続され、他端が巻き取り軸196にそれぞれ接続された一対の糸199と、胴部に取り付けられ、巻き取り軸を回転させる主翼動力装置(モータ65)とを有している。
シート136は、浮遊体シート36のことである。通常、シート136は、地表側(下側)に設けられているが、ここでは、骨格を形成している骨を下にしている。
その理由は、主翼15を羽ばたかせることにより、風の抵抗を得、かつ、風の流れを得るためには、シート136が主翼主骨33などの骨よりも上にあった方がよいからである。即ち、主翼15のスムーズな気流形成のために、シート136をモータや骨の上側(天空側)に設けている。
図35と図36は、胴部を檜板299で囲い、その中に、一段の減速機構55を設けた場合を示している。
ただし、ギアーがある場合には、モータに若干の逆転電圧を加えて、ギアー逆転時に生じる摩擦抵抗を打ち消して、ばねによる戻りを容易にする必要がある。
図37は、電池49(電源)を糸目38にぶら下げた場合を示している。
電池49は、図37(b)に示すように、糸目38に対して位置が変更できるように結ばれている。従って、電池49は、糸目38に対してスライドして取り付けられるようになっている。
従って、スペーサ999を取り替えることにより、i角を調節することができる。i角で迎角がかわるので、これによっても浮遊体にきわめて重要な迎角を変えることができる。
浮遊体の形は、烏に限らず、蝶、トンボ、人(顔)、カエル、その他の動物でも構わない。
また、浮遊体は、1本の締結線で結ばれた凧でもよい。凧にすれば、締結線で結ばれているので、飛んでいってしまうことがない。
また、漫画の主人公、アニメキャラクタでも構わない。
図38は、主翼15を羽ばたかせる他の構造を示す図である。
図38(a)は、正面図を示し、図38(b)は、側面図を示している。
図38は、巻き取り軸196を上部(背面方向)に設け、下部(腹面方向)にバルサ棒169を使用したばね材料としてはきわめて軽量なゴム164を取り付けた構造を示す図である。
ゴム164は、バルサ棒169の柱頭部の切り込み161(くぼみ)を経由して、その両端が主翼主骨33の中間部(接続点163)にむすばれている。この接続点163は、モータ65(減速機構付きの場合もある)の巻き取り負荷をなるべく増加させないようにするために、糸199の接続点107よりも胴体側に有る。バルサ棒169は、棒状でも板状でもよく、形や材質を問わない。バルサ棒169の高さは、ゴム164が主翼15を下方に引く張力を発揮できる程度の高さであればよい。ゴム164は、主翼15を常に下方に引く張力を発揮する弾性体の一例である。
バルサ棒169の代わりに、モータ65(減速機構付きの場合もある)の筐体を用い、モータ65の筐体底部をゴム164が経由するようにしても構わない。バルサ棒169の代わりに、図15に示したケース76を用い、ケース76の外周底部をゴム164が経由するようにしても構わない。
ゴム164は、劣化する可能性が有るので、取り替え可能に主翼主骨33にむすばれるようにするのが望ましい。
主翼15が最下点の状態になってから再びモータ65に電源を供給し、糸199を巻き取ることにより、主翼15が再び上昇する。
このように、この実施の形態のバルサ棒169とゴム164は、バネの代わりに、或いは、バネとともに、他の実施の形態と組み合わせて用いることができる。
このように、主翼15の表面と裏面とでゴム164の接続点163を変えることによりに、主翼の羽ばたきのしなりに変化をもたらすことができる。また、図43において、表面と裏面のゴム164のうち、一方を、バネにしてもよい。また、その他の弾性体にしてもよい。
ゴム164と主翼主骨33の接続点163は、ゴム164の張力を変更することができるように、主翼主骨33にスライド可能に取り付けられることが望ましい。
図46と図47は、各実施の形態に示したモータヘの電源回路を示す図である。
図において、T1〜T5はトランジスタ(スイッチ)である。Cはコンデンサ(蓄電池)である。Mはモータである。この回路は、T1がオンのとき、T2,T3がオンになり、T4,T5はオフになる。従って、図25の矢印のように電流が流れ、モータMが回転するとともに、コンデンサCが充電される。T1がオフになると、T2,T3がオフになり、T4,T5はオンになる。従って、コンデンサCから充電され、図47の矢印のように電流が流れ、モータMが逆転する。
T1がオンオフを繰り返すことにより、モータMは正逆転するので翼を羽ばたかせることができる。また、コンデンサCにより電力を無駄なく利用することができる。
図48〜図51は、主翼15を羽ばたかせる他の構造を示す図である。
図48は、浮遊体の背面図である。図48と図5との違いは、板骨34がなく、主翼15を支える主翼副骨581と水平尾翼16を支える水平尾翼補強骨582がある点である。板骨34を取り除くことにより軽量化を図っている。水平尾翼補強骨582は、尾翼の端部が下方に彎曲し尾翼の効きが悪くなるのを防ぐために追加する。
なお、図49では、主翼主骨33がシート136の下側に配置されているが、主翼主骨33がシート136の上側に配置されていてもよい。
尾翼角調整機構として、本体中心骨39と水平尾翼中心骨19を連結する取付部材17をアルミニウム管などの軽くて形状が固定できる材料を使用する。これによって、水平尾翼16の角度の設定、調整を簡便化することができる。
上記取付部材17の材料は、軽くて形状が固定できるものであれば、アルミニウムに限定されることはなく、プラスチック等でもかまわない。
制御方法(1)
1)モータ65を正回転させ、巻き取り軸196を回転させて、主翼主骨33に結ばれた糸199を巻き取ることによって、主翼15を下方へ引きおろす。
2)主翼15が下端に到達した際に、モータ65の正回転を停止させる。
3)本体中心骨39を中心に取り付けられたトーションバネ583の働きとともにモータ65を弱い電圧で逆回転させることによって、主翼15を上方へ引き上げる。
4)主翼15が上端に到達した際、モータ65の逆回転を停止させ、1)に戻り、一連の動作を繰り返す。
つまり、主翼15を引き下ろす際と引き上げる際にモータ65の回転方向を切り替えて主翼15を羽ばたかせる。
上記のように、主翼15を上方へ引き上げる際、モータ65を弱い電圧で逆回転させることによって、トーションバネ583のみで主翼15を上方へ引き上げる場合よりも、主翼15が上端に到達する時間を短縮することができ、推進効率を向上することができる。
1)モータ65を正回転させ、巻き取り軸196を回転させて、主翼主骨33に結ばれた糸199を巻き取ることにより、主翼15を下方へ引きおろす。
2)主翼15が下端に到達した際に、モータ65の正回転を停止させる。
3)本体中心骨39を中心に取り付けられたトーションバネ583の働きとともにモータ65を弱い電圧で逆回転させることによって、主翼15を上昇させ、上端に向かわせる。
4)主翼15が上端に到達した際、モータ65を(通常の電圧で)逆回転させたまま巻き取り軸196を回転させて、主翼主骨33に結ばれた糸199を巻き取ることによって、主翼15を下方へ引きおろす。
5)主翼15が下端に到達した際に、モータ65の逆回転を停止させる。
6)本体中心骨39を中心に取り付けられたトーションバネ583の働きとともにモータ65を弱い電圧で正回転させることによって、主翼15を上昇させ、上端に向かわせる。
7)主翼15が上端に到達した際、1)に戻り、一連の動作を繰り返す。
つまり、主翼15の引き上げから引きおろしまでをモータ65の同一方向の回転により行い、再び主翼15を引き上げる際にモータ65の回転方向を切り替えて主翼15を羽ばたかせる。
上記のように、主翼15を上方へ引き上げる際、モータ65を弱い電圧で回転させることによって、トーションバネ583のみで主翼15を上方へ引き上げる場合よりも、主翼15が上端に到達する時間を短縮することができ、推進効率を向上することができる。また、制御方法(1)の場合よりもモータ65の切り替え回数が半分に減り、モータ65の寿命を延ばすことができる。さらに、主翼15を引き下ろす際の巻き取り動作において糸199のよじれ方向が切り替わるので、糸199の寿命も延ばすことができる。
図52は、糸199を主翼主骨33と巻き取り軸196に取り付ける取り付け構造を示した図である。
巻き取り軸196と主翼主骨33とを連結する糸199の両端にフック585を設置するとともに、主翼主骨33にフック取付具586を設置し、フック585をフック取付具586に取り付けることによって、糸199を主翼主骨33に取り付ける。これによって、糸の主翼主骨33への取り付けを簡便化することができる。
さらに、糸199を巻き取り軸196に数回巻きつけ、上から十分締りの良いチューブなどの糸抑え584で押さえている。これによって、糸199の巻き取り軸196への取付作業を簡略化することができる。
図53は、浮遊体と回転可能な回転ポール587との接続関係を示した図である。
モータ65に動力を供給する電線74は、回転可能な回転ポール587に接続されており、浮遊体は、回転ポール587を中心に回転飛行するよう構成されている。回転ポール587は、図26、図27に示すようなモータを有するものではなく、単に浮遊体に従って、回転するよう構成されているものでもかまわない。
浮遊体と電線74を接続する接続部は、浮遊体の重心位置に設定されており、安定化を図っている。
飛行速度によって、浮遊体に遠心力がはたらき、遠心力が強くなると、矢印Z方向に示すように、浮遊体は円運動の外側に傾いて飛行する。この傾きは、垂直方向の揚力を阻害するため、浮遊体本体の姿勢を一定に保つ機構が必要である。そこで、図24および図25で説明した理論にしたがって、図53と図54に示すように電線74の取り出し部より円運動の中心方向に短い調整フレーム588を設け、電線74を調整フレーム588に固定する。これによって、浮遊体本体の姿勢を一定に保つことができる。調整フレーム588が上のとき、矢印Z方向とは反対の方向に姿勢を修正し、浮遊体は円運動の内側に傾いて飛行するようになる。調整フレーム588が下側のとき、矢印Z方向に姿勢を修正し、浮遊体は円運動の外側に傾いて飛行するようになる。電線のたるみ577は調整フレーム588を移動させるためのたるみである。
また、電線74が調整フレーム588に固定される位置を任意に調整可能(例えば、調整フレーム588をモータ65の矢印X−Y方向に上下移動させる)とすることよって、回転スピードの変化による遠心力の変化に対応することができ、バランスを確保することができる。
なお、調整フレーム588は図53と図54ではモータ65に設置されているが、前後の重心位置によっては、取り付け台101に設置されていてもかまわないし、また主翼動力装置56を覆うカバー等に設置してもかまわない。
以下に、主翼15を構成するシートの材料について説明する。
主翼15を構成するシート136は、PE(ポリエチレン)などの素材を使用すると、はばたき時の騒音が大きく室内での展示品としての使用に耐えない。また、シート136に不織布を使用すると、静粛性を確保できるが、通気性があり、はばたき時の空気の抜けによって推進力が低下する。このため、インクジェット方式の印刷機等により不織布にインクを吹き付けることにより、インクを積層し空気の抜け穴を小さくしたシートをシート136として用いることによって、静粛性を確保するとともに、空気の抜けを防止し、推進効率を向上させることができる。
以下、主翼15と胴部24との接続部について図55から図57を用いて説明する。
図55の(a)と図55の(b)は、浮遊体の正面図である。主翼15の羽ばたきを効率よく推進力に変換するため、主翼15の羽ばたき中心は、本体中心骨39を中心とすることが望ましい。しかしながら、主翼15の振幅中心を本体中心骨39とした場合には、主翼15と羽ばたきの下降時に中心胴体など主翼15の下部の構造物とが干渉するため、振幅を大きく取れないという欠点がある。図55の(a)は本体中心骨39を主翼取付部材27により取り付け台101から離した例である。主翼主骨33は本体中心骨39にくっついたままでよい。このような構造とすることで主翼15と中心胴体などの下部構造物との干渉部分を減少させ、振幅を大きくとることができる。
図56は、主翼の羽ばたき中心を、本体中心からずらした場合の浮遊体の背面図である。
本体中心骨39を板状の本体中心板595とし、主翼主骨33を本体中心板595の両側に上下に回転可能に取り付けている。また、トーションバネ583は2カ所にコイル598をもつものとし、コイル598と、主翼15と本体中心板595の接合部526(胴部と主翼の接合部526の一例)とをあわせるように設置する。主翼主骨33と本体中心板595とを接合するだけでは強度が不足する場合は主翼補強骨35を追加して、主翼補強骨35の両端を本体中心板595と主翼主骨33に接合する。その場合、主翼補強骨35と本体中心板595をヒンジ的に接続する必要がある。ヒンジ的結合は、主翼補強骨35の一方に結合部材596として薄いプラスチック板を取り付け、本体中心板595と結合部材596とを薄い可撓テープ597により接合することにより実現できる。
また、図57は、羽ばたき中心を、本体中心からずらした場合のバネと取り付け台101との関係の一例を示す図である。
バネは主翼主骨33とバネ主骨バンドにより固定されており、取り付け台101と主翼主骨33が接続されている2カ所で折れ曲がるようになっている。
また、トーションバネ583を本体中心板595(胴部)へ取り付ける方法の一例を、図68を用いて説明する。
図68(a)はトーションバネ583を本体中心板595に取り付けたときの背面図、図68(b)はその断面図である。
トーションバネ583は1本の線材からなり、2カ所にコイル598と、2つのコイルの中央部に図68(a)に示すコの字形の折曲がり部分700(バネ支持部又は突起の一例)を備えている。折れ曲がり部分700(バネ支持部又は突起の一例)は2つのコイル間の線材を折り曲げたものである。この折れ曲がり部分700(バネ支持部又は突起の一例)を本体中心板595上から薄板599ではさむようにして接着剤で貼り付けると、トーションバネ583は本体中心板と前後方向に平行に、又確実に位置決めされる。
トーションバネ583の中央部にコの字形の折り曲がり部分700(バネ支持部又は突起の一例)を備えた効果として、浮遊体31の羽が上下に動いたときに、トーションバネ583が前後に回動するのを防ぐことがあげられる。折れ曲がり部分700のコの字形は、形状の一例であり、トーションバネ583を胴部(本体中心板595)に固定できれば、かつ、前後に回動することを防ぐことができれば、図69に示すように、その形状はCの形状でもかまわないし、Vの形状でもかまわない。また、板状にしてもかまわない。
以下、主翼のガル翼構造について図58と図59を用いて説明する。
ガル翼とは主翼を正面から見た時に主翼の形状が、カモメが翼を広げたようになっている主翼のことである。主翼主骨33の途中にポリカーボネート等の弾性を持つ素材でできた折れ曲がり部589が設置されている。シート136は、主翼主骨33と折れ曲がり部589との接合部590までは主翼主骨33と接着されており、接合部590から羽先までは折れ曲がり部589に接着されている。これによって、主翼15が上方に向かうときは、図58に示すように、主翼15の端部が下方に彎曲して引き上げられ、主翼15が下方に向かうときは、主翼15は彎曲せずに引きおろす構造となる。すなわち、うちおろしaのときはA直線となるように動作し、うちあげbのときはB曲がりとなるように動作する。このため、主翼を引き上げる際の空気抵抗が減り、モータ65の負荷が減少し、効率を向上させることができる。
なお、主翼主骨33にヒンジ等の機構を設け、上方に引き上げる際のみ主翼主骨33の端部が下側に折れ曲がる構造としてもよい。
以下、主翼動力装置56を覆う胴体591を浮遊体31に取り付けた場合について図60から図62を用いて説明する。
図60は、実施の形態21から実施の形態26までに示した浮遊体に胴体591をつけたときの側面図である。
胴体591はスチレンペーパーや発泡スチロール等の軽量素材で作成されている。胴体591に主翼動力装置56と主翼15と水平尾翼16を取り付ける。主翼15と巻き取り軸196を結ぶ糸199を妨げないため、胴体591にはU字型の切り込み594を設ける。胴体591は一例として頭部と一体化している。そのため、図61に示すように主翼15と頭部を一体化する必要はなく、頭部のシートは不要となる。頭部と胴体は別々に作成してもかまわないし、実施の形態21等に示すよう、主翼15と一体化して作成してもかまわない。胴体591を用いる場合、本体中心骨39はなくてもかまわない。本体中心骨39は剛性が不足する場合に追加すれば良い。また、胴体の剛性を高めるため、胴体に補強板592を取り付けてもかまわない。胴体の形状は、図では鳥に似せて作成しているが、これ以外に昆虫や飛行機に似せて作成してもよい。
胴体591を取り付けることにより、鳥や昆虫や飛行機に似せて体裁を良くするようにすることが可能となる。
実施の形態28を、図63と図64を用いて説明する。
図63は、この実施の形態における浮遊体に給電しながら、浮遊体に引かれて回る給電装置601の内部構成の一例を示す内部構成図である。図64は、給電装置601の一例を示す斜面図である。給電装置601は、固定部602(固定ケースの一例)、回転部603、電池49、電線74、スリップリング604を備えている。スリップリングとは電力や信号を中継するもので、回転をともなう装置へ連続して通電することを可能とするものである。
実施の形態29を、図65と図66を用いて説明する。
図65は、この実施の形態における浮遊体に給電しながら、浮遊体に引かれて回る給電装置601の内部構成の一例を示す内部構成図である。図66は給電装置601の一例を示す斜面図である。実施の形態28と同様、給電装置601は、固定部602(固定ケースの一例)、回転部603、電池49、電線74、スリップリング604を備えている。
実施の形態30を、図67を用いて説明する。
図67は、浮遊体に給電しながら、浮遊体に引かれて回る給電装置601の内部構成の一例を示す内部構成図である。給電装置601は、固定部602と、回転部603、電池49、電線74、ボール605を備えている。
Claims (15)
- 浮遊する浮遊体において、
胴部と、
胴部の両側に取り付けられた一対の主翼と、
一対の主翼の間に設けられ、主翼の羽ばたく方向に延在する巻き取り軸と、
一対の主翼と一端がそれぞれ接続され、他端が巻き取り軸にそれぞれ接続された一対の糸と、
胴部に取り付けられ、糸を巻き取る軸を回転させる主翼動力装置と、
主翼の羽ばたきを補助するねじりコイルバネと
を備えたことを特徴とする浮遊体。 - 上記主翼は、フックを取り付けるフック取付部を複数備え、
上記一対の糸は、糸の一端にフックを備えたことを特徴とする請求項1記載の浮遊体。 - 上記巻き取り軸は、
上記巻き取り軸の先端に、上記一対の糸の他端を固定する糸抑えを備えたことを特徴とする請求項1記載の浮遊体。 - 上記一対の主翼の各主翼と胴部との接合部を、胴部の異なる部分に設けたことを特徴とする請求項1記載の浮遊体。
- 上記浮遊体は、締結線により締結されて回転飛行するものであり、
浮遊体と回転飛行の中心とを結ぶ締結線と、主翼の羽ばたく方向とのなす角度を調整する調整部を備えたことを特徴とする請求1記載の浮遊体。 - 上記主翼は、
主翼が一方向に羽ばたく際に、主翼を折り曲げる折れ曲がり機構を備えたことを特徴とする請求項1記載の浮遊体。 - 浮遊する浮遊体において、
胴部と、
胴部の両側に取り付けられた一対の主翼と、
一対の主翼の間に設けられ、主翼の羽ばたく方向に延在する巻き取り軸と、
一対の主翼と一端がそれぞれ接続され、他端が巻き取り軸にそれぞれ接続された一対の糸とを備え、
上記主翼は、フックを取り付けるフック取付部を複数備え、
上記一対の糸は、糸の一端にフックを備えたことを特徴とする浮遊体。 - 浮遊する浮遊体において、
胴部と、
胴部の両側に取り付けられた一対の主翼と、
一対の主翼の間に設けられ、主翼の羽ばたく方向に延在する巻き取り軸と、
一対の主翼と一端がそれぞれ接続され、他端が巻き取り軸にそれぞれ接続された一対の糸と、
上記巻き取り軸の先端に、上記一対の糸の他端を固定する糸抑えと
を備えたことを特徴とする浮遊体。 - 浮遊する浮遊体において、
胴部と、
胴部の両側に取り付けられた一対の主翼と、
上記一対の主翼の各主翼と胴部との接合部を、胴部の異なる部分に設けたことを特徴とする浮遊体。 - 浮遊する浮遊体において、
上記浮遊体は、締結線により締結されて回転飛行するものであり、
胴部と、
胴部の両側に取り付けられた一対の主翼と、
浮遊体と回転飛行の中心とを結ぶ締結線と、主翼の羽ばたく方向とのなす角度を調整する調整部と
を備えたことを特徴とする浮遊体。 - 浮遊する浮遊体において、
胴部と、
胴部の両側に取り付けられた一対の主翼を備え、
上記主翼は、主翼が一方向に羽ばたく際に、主翼を折り曲げる折れ曲がり機構と
を備えたことを特徴とする浮遊体。 - 上記ねじりコイルバネは、
複数のコイルと、複数のコイルの中央部に設けられ、胴部に固定される突起とを備えたことを特徴とする請求項1記載の浮遊体。 - 締結線により拘束されて旋回浮遊する浮遊体に給電する給電装置において
固定ケースと、
固定ケースに回転可能に取り付けられた回転部とを備え、
上記締結線は、回転部から浮遊体に締結され、
締結線を介して浮遊体に給電することを特徴とする給電装置。 - 上記給電装置は、
固定ケースと回転部の接合部に電力を中継するスリップリングを備え、
締結線とスリップリングとを接続して電気を浮遊体に給電することを特徴とする請求項13記載の給電装置。 - 締結線により拘束されて旋回浮遊する浮遊体に給電する給電装置において
固定ケースと、
固定ケースに回転可能に取り付けられた回転部と、
固定ケースと回転部との接合部に電力を中継するスリップリングとを備え、
上記締結線は、回転部から浮遊体に締結され、
締結線とスリップリングとを接続して浮遊体に給電することを特徴とする給電装置。
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