JP2007014849A - ナノ粒子製造方法、及びその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】管壁と中間生成物、生成物との相互作用を絶ちながら複数の原料溶液を混合・反応を行わせ、微細流路内の流速分布を生じさせないナノ粒子製造装置を提供する。
【解決手段】
反応溶液で充填した微細流路3を有するマイクロリアクタ1を搬送路12によって搬送し、微細流路3をオイルバス15の中に入れて加熱し反応を行わせる。反応後は、オイルバス15から微細流路3を取り出して、急冷する。微細流路等の微細な反応器を搬送路によって、温度制御された帯域を搬送しながらナノ粒子を連続的に製造することが可能になった。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ナノメータオーダの微細粒子を製造するナノ粒子製造方法及びナノ粒子製造装置に関する。更に詳しくは、化学反応用の微小構造体に関し、微小な空間で化学反応を行うマイクロリアクタを用いてナノメータオーダの微細粒子を製造するためのナノ粒子製造方法及びナノ粒子製造装置に関する。
近年は、マイクロリアクタを用いた化学反応の効率化や、新規化合物の創製等を目的とする研究が注目されている。このマイクロリアクタは、サブマイクロメータからミリメータまでのオーダーの直径を有する狭い流路内で化学反応を起こすものである。流路内の液体の熱容量が小さくなるので、マイクロリアクタを構成する他部から流路への熱交換を速やかに行うことが可能になり、流路内の化学反応の温度制御が容易にできる。
また、マイクロリアクタは、流路内を流れている溶液層間の化学反応を制御することが可能なことから、化学合成、新規化合物の造成、各種の試料の分析や解析等に革新的な変革をもたらすものとして大きく期待されている。特許文献1には、内径1μm〜1mmの微細流路を用いたナノ粒子の製造方法が開示されている。詳しくは、微細流路内に粒子形成用前駆体含有溶液を、連続的に供給しながら反応開始温度までに急速加熱し、反応を行わせた後、急速冷却して加熱温度と反応時間の制御をするものである。
特許文献2には、カオス式ミキサーが開示されている。カオス式ミキサーは、複数溶液の層流を3次元的に折り重ねることにより混合を行う。特許文献3には、試料液と試薬液をマイクロ反応本体部に注入し、ナノ材料攪拌子によって攪拌して混合し、反応を行うマイクロリアクタが開示されている。また、マイクロ反応本体部には加熱部と冷却部を設けて温度制御しながら試料液と試薬液の反応を行っている。
非特許文献1に示されたセラミックマイクロリアクタは、層流で流れている2種類の反応溶液でナノ粒子を生成している。非特許文献2のジグザグ形のチャネルは、2種類の溶液を注入して、ナノ粒子を生成している。
特開2003−225900号公報 特開2004−283791号公報 特開2004−321063号公報 H.Wang et.al., Chem. Comm., pp. 1462-1463 (2002) Paul J.A.Kenis et.al., Science, vol285,p83-85 (1999)
このように、マイクロリアクタの大きな特徴の一つとしてあげられるのは、管内の流れが層流であるために、バックミキシングが起こらず、反応溶液の滞留時間分布が狭く抑えられる点である。しかしながら、管内が層流であっても、壁との摩擦により流れと垂直な方向に流速分布ができるため、加熱時間に若干のばらつきが生じて生成されたナノ粒子の粒度分布が広がるという問題点がある。
また、マイクロリアクタをオイルバス等の中に配置して、反応を行わせてナノ粒子を生成している(特許文献1)。ナノ粒子をこのような方法で生産すると、マイクロリアクタを反応ごとに取り替えなければならない。また、複数の温度で反応を行わせようとするとき、マイクロリアクタを別々の温度に制御されているオイルバス等に移さなければならず、その自動化が望まれる。
特許文献1に記載されたナノ粒子の製造方法は、ナノ粒子を合成する際、予め2液を混合したり、ナノ材料攪拌子によって、試料溶液と、試薬溶液を強制的に攪拌したりし、その後加熱を行って生成物を得ている。この場合は、管の内壁と混合溶液が接触するために、接触により生じた生成物と、容器の壁面との相互作用が起きる場合も多い。
特許文献2に記載されたカオス式ミキサーは、基本的には層流を3次元的に折りたたむということを行うが、複雑な構造であるために、特に流速が高くなると部分的に乱流を起こしやすいという問題がある。特許文献3に記載されたナノ粒子の製造方法においては、ナノ粒子を合成する際、ナノ材料攪拌子によって、試料溶液と試薬溶液を、強制的に攪拌している。ナノ材料攪拌子によって、試料溶液と試薬溶液を、強制的に攪拌し乱流を起こして化学反応を制御している。
本発明は上述のような技術背景のもとになされたものであり、下記の目的を達成する。
本発明の目的は、ナノ粒子を製造するための微細な反応器が温度制御された帯域中を相対移動しながらナノ粒子を製造するナノ粒子製造方法及びナノ粒子製造装置を提供する。
本発明の他の目的は、ナノ粒子を製造するための反応溶液を内蔵又は付着させた微細な反応器が、温度制御された帯域中を相対移動しながら、均一の粒度分布を有するナノ粒子を製造する、ナノ粒子製造方法及びナノ粒子製造装置を提供する。
本発明の他の目的は、微細な反応器が温度制御された帯域中を相対移動しながら、かつ、反応時間を容易に制御して、粒径のばらつきの少ないナノ粒子を製造する、ナノ粒子製造方法及びナノ粒子製造装置を提供する。
本発明の更に他の目的は、微細な反応器が温度制御された帯域中を相対移動しながら、かつ、管壁と中間生成物、管壁と生成物との相互作用を絶ちながら複数の原料溶液の混合・反応を行わせる、ナノ粒子製造方法及びナノ粒子製造装置を提供する。
本発明は、前記目的を達成するため、次の手段を採る。
本発明1のナノ粒子製造方法は、代表長さ1μm〜1mmの反応器に、ナノ粒子の製造に必要な溶液を供給し、前記溶液が前記反応器に導入された後に前記溶液が静止した状態で、前記反応器が温度制御手段で温度制御された帯域中を移動するように、前記反応器と前記帯域とを搬送手段によって相対的に移動しながら、反応を行わせることを特徴とする。
本発明2のナノ粒子製造方法は、本発明1に記載のナノ粒子製造方法において、前記帯域は、前記反応の開始温度までに加熱して温度制御された加熱帯域と、前記加熱帯域で行われた反応を急冷するための冷却帯域とからなり、前記反応器が前記加熱帯域中を搬送されるように、前記反応器と前記加熱帯域とを前記搬送手段によって相対的に移動しながら、前記反応を行わせた後、前記反応器と前記冷却帯域とを前記搬送手段によって相対的に移動しながら前記反応器を急冷することを特徴とする。
本発明3のナノ粒子製造方法は、本発明1又は2に記載のナノ粒子製造方法において、前記反応器は、前記代表長さの内径を持つ管、前記代表長さの直径を持つ線、前記代表長さの厚さを持つ薄膜、及び前記代表長さの細孔の中から選択される1つの微細空間であることを特徴とする。
本発明4のナノ粒子製造方法は、本発明1から3の中から選択される1発明に記載のナノ粒子製造方法において、前記溶液を前記反応器に供給して前記溶液の2以上の層を形成し、前記反応は前記層間の拡散反応によって行われることを特徴とする。
本発明5のナノ粒子製造方法は、本発明1又は2に記載のナノ粒子製造方法において、前記反応器は、前記代表長さの内径を有する微細流路からなり、前記微細流路に接続された複数の試料供給流路から、前記溶液を、前記複数の試料供給路の断面積の和より小さい断面積の前記微細流路に層流で供給し、前記溶液の前記層流を維持した状態で混合し反応させ、前記微細流路で反応を行わせた後、前記反応後の反応生成物を、前記微細流路と接続された試料排出流路から排出させることを特徴とする。
本発明6のナノ粒子製造装置は、代表長さ1μm〜1mmの反応器に、ナノ粒子の製造に必要な溶液を供給するための溶液供給手段と、前記供給を停止させた状態で、前記溶液の反応を行わせるための前記反応器と、前記反応器を加熱又は冷却して温度制御するための温度制御手段と、前記温度制御手段によって温度制御された帯域と、前記反応器とを相対的に移動するための搬送手段とからなることを特徴とする。
本発明7のナノ粒子製造装置は、本発明6に記載のナノ粒子製造装置において、前記帯域は、前記反応の開始温度までに前記反応器を加熱するための加熱帯域と、前記加熱帯域で行われた反応を急冷するための冷却帯域とからなり、
前記搬送手段は、前記加熱帯域中を移動しながら反応を行わせた後、前記冷却帯域中を相対的に移動しながら急冷するように、前記反応器を前記加熱帯域と前記冷却帯域を交互に移動しながら反応を行わせることを特徴とする。
本発明8のナノ粒子製造装置は、本発明6又は7に記載のナノ粒子製造装置において、前記反応器は、前記代表長さの内径を持つ管、前記代表長さの直径を持つ線、前記代表長さの厚さを持つ薄膜、及び前記代表長さの細孔の中から選択される1つの微細空間であることを特徴とするナノ粒子製造装置。
本発明9のナノ粒子製造装置は、本発明6又は7に記載のナノ粒子製造装置において、前記溶液は、前記溶液供給手段から前記反応器に、2以上の層を形成するように供給され、前記反応は前記層間の拡散反応によって行われることを特徴とする。
本発明10のナノ粒子製造装置は、本発明6又は7に記載のナノ粒子製造装置において、前記反応器は、前記代表長さの内径の微細流路からなり、ナノ粒子の製造に必要な3種類以上の前記溶液を層流で供給するため複数の試料供給流路と、前記試料供給流路に接続され、前記複数の試料供給路の断面積の和より小さい断面積を有する前記微細流路と、前記微細流路で反応が行われた後、前記反応後の反応生成物を排出させるために前記微細流路と接続された試料排出流路とからなることを特徴とする。
本発明11のナノ粒子製造装置は、本発明10に記載のナノ粒子製造装置において、前記試料供給流路はキャピラリからなり、前記微細流路に接続されていない前記キャピラリの一端にはシリンジコネクタが接続されていて、前記搬送中において、前記シリンジコネクタから前記溶液を前記キャピラリに供給して、前記微細流路内の反応を2次元的に制御することを特徴とする。
本発明のナノ粒子製造装置は、反応溶液を内蔵又は付着し、その反応を行うためのマイクロリアクタを搬送部により搬送させてナノ粒子を製造するための装置である。本発明のナノ粒子製造装置は、マイクロリアクタを反応最適温度までに加熱し、反応後冷却するための温度制御部を有する。本発明のナノ粒子製造装置は、マイクロリアクタと温度制御部とを相対的に搬送し、温度制御部を通過させながら反応溶液に反応を行わせて、ナノ粒子を製造する。
マイクロリアクタとしては、1μmから1mmの代表長さを持つ反応器が利用される。例えば、1μmから1mmの代表長さの直径を持つ微細流路等を利用する。マイクロリアクタに反応溶液を供給して停止させて、反応溶液を内蔵又は付着したマイクロリアクタを搬送部により搬送させてナノ粒子を製造する。マイクロリアクタ中の反応溶液は、マイクロリアクタに対して移動しないために、マイクロリアクタと反応溶液の相対的な移動速度が0になる。このために、相対的な移動速度が0ではない場合、つまり、管内を反応溶液が流通するような場合に生じる、流れと垂直な方向に生じる流速分布が生じない。
このために、反応溶液の滞留時間分布が生じずにより均一な反応時間分布が得られるので、ナノ粒子の粒度分布をより均一に抑えることができる。マイクロリアクタと温度制御部とを相対的に搬送するとは、マイクロリアクタの一部を温度制御部が加熱しながら、温度制御部を固定してマイクロリアクタを搬送させることである。また、逆にマイクロリアクタを固定して温度制御部を搬送させること、更に、マイクロリアクタと温度制御部をそれぞれ異なる速度で搬送することを示す。
本発明のナノ粒子製造装置は、反応溶液がマイクロリアクタの微細流路内で管壁と反応溶液との摩擦により、流速分布が生じないように、マイクロリアクタごとに搬送して反応を行わせる。又は、マイクロリアクタを停止させて温度制御部を移動させて同様の反応を行わせることもできる。マイクロリアクタを搬送部によって、複数の加熱部又は冷却部からなる温度制御部を巡回しながらマイクロリアクタに複数の溶液を供給しながら反応を行わせる。搬送部は、マイクロリアクタを把持するための把持部を有することも可能である。
本発明によると、次の効果が奏される。
本発明は、微細流路等の微細な反応器と温度制御された帯域とを、相対移動することにより、ナノ粒子を製造することが可能になった。
本発明は、微細流路が加熱されるとき、微細流路への反応溶液の供給を停止するように制御することにより、微細流路内に反応溶液の流速分布が生じないため、粒径のばらつきの少ないナノ粒子を製造することが可能になった。
本発明は、反応溶液が充満された微細流路と温度制御された帯域とを、相対移動させながら、ナノ粒子を製造しているので、管壁と中間生成物、管壁と生成物との相互作用を絶ちながら複数の反応溶液を混合・反応を行わせることが可能になった。
次に、本発明の実施の形態1を添付図面を用いて説明する。図1には、本発明の実施の形態1のナノ粒子製造装置10の概要を図示している。ナノ粒子製造装置10は、マイクロリアクタ1と、マイクロリアクタ1を把持又は吊下するための把持器具11と、マイクロリアクタ1を把持した把持器具11を搬送するための搬送路12、マイクロリアクタ1を加熱又は冷却するための温度制御部13等から構成される。また、後述するように、把持器具11は、搬送路12上を移動して、マイクロリアクタ1を温度制御部13間で移送する。
マイクロリアクタ1は、反応溶液を内蔵し、その反応を行いナノ粒子を生成するためのものである。マイクロリアクタ1は、反応を行わせるための微細流路3(図2参照)と、微細流路3に溶液を供給する供給部と、反応後の液体とナノ粒子を取り出すための排出管4を有するものである。供給部は、本例では、キャピラリ管2とシリンジコネクタ5、シリンジ6、エアーポンプ7等からなる。図2は、実施の形態1のマイクロリアクタ1及び把持器具11を示す概略図である。把持器具11は、マイクロリアクタ1を把持又は固定する把持器具である。
搬送路12は、マイクロリアクタ1を把持した把持器具11を搬送するためのものである。図1は、搬送路12の一部だけを図示したものであり、その搬送路12は環状の閉じた構造である。即ち、搬送路12は、マイクロリアクタ1を搬送して温度制御部13を通過し、ナノ粒子を製造後に元の位置に戻す循環搬送路を構成する。この搬送路12は、マイクロリアクタ1を供給する供給路、及びナノ粒子を生成した後にマイクロリアクタ1を排出する排出路等から構成される(図示せず)。これらの詳細な構造は、本発明の要旨ではないのでその説明は省略する。結局、搬送路12と把持器具11は、マイクロリアクタ1の搬送手段を構成する。
搬送路12は、把持器具11を搬送路12上で搬送するための各種の搬送機構、及びその駆動手段を備えている。搬送機構は、案内レール、ベルト又はチェーン等の搬送機構(図示せず)、及びそれを駆動するためのモータ、油圧機器等の駆動手段(図示せず)、及びこれらを制御する搬送制御装置を備えている。搬送制御装置は、マイクロリアクタ1を所望のオイルバス15の位置に停止させる機能を備えている。
温度制御部13は、マイクロリアクタ1を加熱又は冷却するためのものである。温度制御部13は、マイクロリアクタ1の中に複数の溶液が注入されて反応するために必要な最適温度を有する環境を作るものである。温度制御部13は、図1に図示するようにマイクロリアクタ1の全体、又は一部を加熱若しくは冷却するための複数のオイルバス15や空気等からなる。なお、マイクロリアクタ1の温度制御、その温度分布が適切に制御できれば、本例のようにオイルバス15に限らない。例えば、この温度制御部13は、他に電磁波式の照射器、レーザ照射器、熱風又は冷風を吹き出す温風機、又は冷風機であっても良い。
本例の温度制御部13のオイルバス15は、加熱手段であるが冷却手段であっても良い。温度制御部13の冷却手段としては、自然放冷、空冷、水冷、油冷等により行うことができ、このための装置としては、一般に冷凍機を備えた冷却装置の中から任意に選んでシステムに組み込んで使用する。また、温度制御部13は、小型の発熱素子、ペルチェ素子などを微細流路3の周囲に配置して、局部的に加熱又は冷却するものであっても良い。
本発明の実施の形態1の温度制御部13は、加熱用のオイルが入った複数のオイルバス15と、その温度を測定するための温度測定器16と、オイルバス15内の油温、水位等を制御する制御機構17等から構成されている。温度制御部13は、オイルバス15の中に入れて反応を行わせたマイクロリアクタ1をオイルバス15から取り出して急冷するための急冷部を有する。この急冷部は、オイル、水等の冷却された熱媒体であっても良いが、例えば、室温で温度制御されている大気であっても良い。
〔全体の動作〕
マイクロリアクタ1は、図1及び4に示すように把持器具11に把持されている。把持器具11は、マイクロリアクタ1を把持したままで搬送路12によって搬送されて、温度制御部13に到着する。搬送路12上で搬送される把持器具11の搬送方向は、矢印Aで示される方向である(図1参照)。把持器具11は、その進行方向の最初のオイルバス15の上の位置に移送されて停止する。
そして、把持器具11を駆動することにより、マイクロリアクタ1は下降し、マイクロリアクタ1の全部又は一部をオイルバス15の中に浸漬して反応最適温度まで加熱する。反応最適温度まで加熱されたマイクロリアクタ1においては、マイクロリアクタ1に内蔵又は付着している反応溶液がその反応が加速されてナノ粒子を生成する。把持器具11の下降、上昇については、下述の把持器具11の説明の部分(図2参照)で詳しく説明するため、ここでは省略する。
溶液の反応に必要な所定時間が経過すると、把持器具11は、上昇し、室温で急冷されながら、再び搬送路12によって次のオイルバス15まで搬送される。上述したものと同様にマイクロリアクタ1をオイルバス15の中に入れて加熱する。このようにマイクロリアクタ1の中のナノ粒子の生成に必要なすべての温度制御が終わったら、マイクロリアクタ1を把持した把持器具11は温度制御部13から出る。把持器具11は、生成したナノ粒子を取り出すために次の工程に進む。
オイルバス15に浸漬して加熱するときの加熱速度は、粒子の析出速度と比較して十分に高い必要がある。具体的には、この加熱速度は、0.01秒〜1秒、好ましくは、0.01秒以上0.3秒以下の時間で、マイクロリアクタ1の加熱される部分を全て加熱帯域に置くことが望ましい。
〔マイクロリアクタ1〕
図2には、実施の形態1のマイクロリアクタ1の構造の概要を図示している。マイクロリアクタ1は、複数の溶液を整流して微細流路3に送り込むための供給部、これらの複数の溶液が層流状態で混合されて化学反応が行われる微細流路3、反応後の反応生成物と反応残留溶液を排出するための排出管4等から構成されるマイクロリアクタである。マイクロリアクタ1は、複数の溶液を層流状態で微細流路3内で混合させて化学反応を行わせたり、また、層流状態でそのまま排出管4内に流れながら化学反応を行わせたりすることができる。
供給部は、本例では複数のキャピラリ管2、シリンジコネクタ5、シリンジ6、エアーポンプ7等からなる。キャピラリ管2の一端は微細流路3に接続され、その他端はシリンジコネクタ5に接続されている。シリンジコネクタ5には、溶液を供給するためのシリンジ6が接続されている。溶液は、シリンジ6からキャピラリ管2に供給され、微細流路3に送られて微細流路3内で層状の状態で混合され、化学反応が行われる。本実施の形態1のキャピラリ管2は、その内孔の直径は1μm〜1mmである。
キャピラリ管2と微細流路3の接合は、特に方法を問わないが、反応に影響を与えない接着剤や、高温の反応に耐えうる耐熱接着剤等を用いることができる。マイクロリアクタ1は、溶液の注入量を調整するためのエアーポンプ7を備えている。各エアーポンプ7を動作させてキャピラリ管2へ注入される溶液の注入量、即ち単位時間当たりの注入速度を調整する。微細流路3の一端面には、複数のキャピラリ管2がそれぞれ接続されている。
図2に示す例では、3本のキャピラリ管2を図示している。キャピラリ管2は、反応に必要な溶液の種類、数によって、その本数を変更することが可能である。例えば、反応溶液を全て混合して微細流路3に注入する場合は、1本のキャピラリ管2でも良い。また、反応溶液を別々のキャピラリ管2から注入する場合は、反応溶液の本数だけのキャピラリ管2を備えても良い。
微細流路3の他端には、排出管4の一端が固定されている。微細流路3の内孔の内径は、1μm〜1mmの範囲にすることが好ましい。このように内径を小さくすると、この微細流路3を通る溶液の表面積に対する体積の割合が小さくなり、加熱により外部から与えられる熱を短時間で均一に全体に伝えることができる。よって、反応の加熱制御が容易になる利点を有する。また、微細流路3の内径が1μmよりも小さくなると、製造装置としては取り扱いにくくなる上に、操作時に装置内の圧力損失が大きくなり、生産効率が低下する。
原料溶液の層厚は、原料溶液を流す細管の選択によっても制御可能だが、流量比により変化させることが可能である。ある細管からの流量を、他の細管の流量より遅く流すと、その膜厚は薄くなり、逆に流量を上げると太くなる。排出管4を通って大気中に取り出された反応生成物及び反応残留溶液は、捕集器(図示せず)等に捕集される。微細流路3は、オイルバス等から構成される加熱帯域を通過する際、反応開始温度まで急熱され、反応が行われる。
キャピラリ管2から別々の溶液がそれぞれ供給され、微細流路3内で混合されて層流を維持しながら通過して反応を起こし、排出管4に導かれる。このとき、微細流路3内では、各溶液の流れは層流である。各溶液の流れが層流であるために基本的には隣り合う層流間にしか化学反応が行われない。キャピラリ管2、微細流路3の材料としては、ガラス、金属、合金、プラスチック例えばポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリエステル、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂などを用いることができる。
また、微細流路3としては、断面が円形の内孔を有したチューブ状の形状を持つものや、金属や合金のような耐熱性基板上に、シリカ、アルミナ、チタニアのような金属酸化物、又はフッ素樹脂、ポリイミド樹脂のような耐熱性プラスチックの層を設け、それに幅1μm〜1mmの溝をレーザ加工、腐食等により刻設したものを用いることもできる。
前述した実施の形態では、温度制御部13に加熱、又は冷却手段を配置しているが、移動するマイクロリアクタ1に、反応溶液を最適な反応温度まで加熱するための加熱手段と反応後に冷却するための冷却手段とを設けることもできる。加熱手段としては、オイルのような加熱媒体液を用いるもの、ヒートプレート、電気炉、赤外線、加熱器、高周波加熱器、レーザー光の照射による加熱等通常の加熱に際し慣用されている手段の中から適宜選んで用いることもできる。これらの加熱は、マイクロリアクタ1を移動させる方法、又はこれらの加熱手段をどちら河相対的に移動させるか何れかであっても良い。
〔温度制御部13〕
図1には、温度制御部13の例の概要を図示している。温度制御部13は、オイルバス15と、その中に入っていて反応最適温度までに加熱されたオイルからなる。また、オイルバス15は、オイルを反応最適温度まで加熱するための加熱機構(図示せず)と、オイルの温度を測定するための温度測定器16、加熱機構の動作を制御するための制御機構17を備えている。
制御機構17は、オイルバス15に充分なオイルが入っているかを液体測定機構(図示せず)によって測定し、足りないときはオイル供給機構(図示せず)によって供給する機能を有する。制御機構17は、温度測定器16によってオイルの温度を測定しながら反応最適温度になるように、加熱機構を制御してオイルを加熱する。温度制御部13は、オイルバス15の中に入れて反応を行わせたマイクロリアクタ1をオイルバス15から大気中に取り出して急冷するための急冷部を有する。この急冷部は、例えば、熱媒体として温度制御された大気であっても良い。
〔把持器具11〕
図2は、把持器具11の概要を図示している。把持器具11は、2本の支持軸23、この端部に設けられた車輪、シリンダ機構からなる上下移送機構20、ピストンロッド21、ピストンロッド21に固定された把持部22等から構成されている。車輪は、搬送路12上を転動して走行し、把持器具11の全体を搬送するためのものである。搬送路12上での把持器具11の搬送のための駆動機構は、チェーン、ベルト等の駆動機構である(図示せず)。この駆動機構は、所望の位置に停止させることができる。把持部22は、マイクロリアクタ1を把持して固定するためのものである。把持部22は、マイクロリアクタ1を着脱自在に把持する着脱機構を備えている(図示せず)。ただし、また、把持部22はマイクロリアクタ1をつけたまま交換可能であっても良い。上下移送機構20は、ピストンロッド21によって把持部22と連結され、把持部22を上下に駆動するためのものである。
マイクロリアクタ1は、溶液の注入量を調整するためのエアーポンプ7を備えている。このエアーポンプ7は、マイクロリアクタ1への溶液の注入量を調整できるものであればどのような構造のものでも良い。このエアーポンプ7は公知技術であり、その詳細な説明は省略する。把持器具11は、オイルバス15の上に来ると、上下移送機構20が動作し、マイクロリアクタ1を把持した把持部22を下降させてオイルバス15の中に入れる。
所定時間が経つと、上下移送機構20が再び動作し、マイクロリアクタ1を把持した把持部22を上昇させてオイルバス15の中から取り出す。把持部22が下方に伸びて、マイクロリアクタ1がオイルバス15のオイルの中に挿入されると急速に加熱される。把持部22が上方に上昇され、マイクロリアクタ1はオイルバス15から大気中に出ると急速に冷却される。このように反応溶液を内蔵したマイクロリアクタ1は、急速に加熱され、急速に冷却されて反応温度が制御されることになる。
把持器具11の移送速度、把持部22の下降又は上昇するスピードを制御することで、反応の温度制御は任意にできる。反応溶液を内蔵したマイクロリアクタ1が温度制御部13の中を移動しているので、従来のように反応溶液の乱流を抑制することができ、生成されたナノ粒子の粒度を均一にすることができ、生成ナノ粒子の品質向上が可能である。
マイクロリアクタ1は、次のように巡回動作することができる。エアーポンプ7によって溶液が微細流路3に充満されるまでに溶液を注入して停止する。溶液が注入された微細流路3を、搬送路12と上下移送機構20によって、オイルバス15と大気を交互に移動しながら溶液を反応させナノ粒子を生成する。
微細流路3が温度制御部13から出ると、エアーポンプ7によって微細流路3に新しい溶液を注入して反応後の溶液を排出する。新しく溶液が充満された微細流路3を搬送路12と上下移送機構20によって、オイルバス15と大気を交互に移動させながら溶液を反応させナノ粒子を生成する。この場合は、前述したように搬送路12はオイルバス15を巡回するための環状機構である。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2を説明する。図3には、本発明のナノ粒子製造装置30の概要を図示している。ナノ粒子製造装置30は、反応器31、搬送部、温度制御部から構成される。反応器31は、細長い線状のものである。ナノ粒子製造装置30は、更に、反応器31に反応溶液を供給するための供給機構(図示せず)、反応後、生成されたナノ粒子を含有する反応残留液を排出ための排出機構(図示せず)を備えていることが望ましい。
搬送部は、反応器31を把持し、反応器31を連続的に流すための把持器具32、反応器31を搬送するための複数の滑車33からなる。搬送部は、反応機31を一定時間の間に停止させる制御機構を備えるものが好ましい。搬送部は、供給機構、排出機構を把持して固定するための器具(図示せず)を備えることも可能である。温度制御部は、反応器31を加熱するための加熱部(図示せず)を備えている。反応器31は、把持器具32から矢印Bで示す方向に連続的に搬送されて、複数の滑車33を経て搬送される。この流れの途中は、加熱部によって加熱された加熱帯域34を通過する。
温度制御部は、加熱部で加熱された反応器31を冷却するための冷却部(図示せず)を有する。温度制御部は、反応器31が搬送される環境に、適切な温度分布をもたせることで、反応溶液の加熱・冷却プロファイルを設計・制御できる。冷却部は、例えば、室温で温度制御されている大気であっても良い。温度制御部は、加熱部、冷却部の温度を測定するための温度測定器(図示せず)、加熱部の加熱時間、又は冷却部の冷却時間等を測定し、その制御を行うための時間測定器(図示せず)を備えることが可能である。
搬送部は、反応器31と温度制御部を相対的に搬送する。つまり、温度制御部を停止させた状態で、搬送部は反応器31を搬送し、加熱帯域34を通過するようにすることができる。また、反応器31を停止させた状態で、搬送部は温度制御部を搬送し、加熱帯域34を反応器31が通過するようにすることができる。更に、搬送部は、温度制御部と反応器31とを別々の搬送速度で搬送し、加熱帯域34を反応器31が通過するようにすることができる。
時間測定器は、搬送部と連動して、加熱時間、冷却時間の制御を行うことが可能である。例えば、加熱部が反応器31の一部を所定時間の間に加熱し、溶液に反応を行わせ、加熱を停止する。反応器31の一部で加熱帯域34に配置されている部分が加熱されて、溶液の反応が行われる。加熱部の加熱が停止すると、反応器31は大気によって冷却される。その後、反応器31を搬送部によって送り込み、反応器31の新しい部分を加熱帯域34に配置する。このように、反応器31を順番に送り込みながら、反応溶液に反応を行わせる。
供給機構は、実施の形態1に示した供給部と同様のものを用いることができる。反応器31は、実施の形態1に示した微細流路3と同様で、長い細管を用いる。更に、搬送部は、供給機構、反応器31、把持器具32、及び滑車33を全部搬送するための搬送路35を有することが好ましい。このような搬送路35は、反応器31と供給機構を取替えたりするときに有用である。更に、温度制御部の加熱部は、オイルバス等の場合は、搬送路35によって反応器31と滑車33をオイルバス等に入れたり出したりして制御を行うときに有用である。
反応溶液の排出は、管内の流れが層流となる状態で排出することが望ましい。排出時の流れが層流であると、排出される際に、排出機構の排出口から近いところから順次排出されるため、加熱初期や終了時等、加熱状態が不均一な部分が生じた場合は、排出時に分離することができる。反応器としては、上述の細管の他に、次のものを用いることができる。例えば、反応器としては、反応に関与しない材質からなる細線や、反応に関与しない材質からなる多孔体等を用いることが可能である。また、反応器としては、反応に関与しない材質であり、しかも反応溶液を溶解させても固体状態を保つ高分子等の材料に溶解させたものを用いることが可能である。
反応器として細線を用いる場合は、細線の表面に反応溶液を薄く、例えば1mmまでの厚さで、付着させることで、赤外線イメージ炉等のような適切な方法により加熱することが可能である。反応後は、細線の内の適切な部分を洗い流すことで、生成された微粒子を含む溶液を得ることが可能である。また、反応器として多孔体や高分子等を用いる場合は、その孔内に反応溶液を含浸、又は溶解させたのち、赤外線イメージ炉等のような適切な方法により加熱することが可能である。多孔体の場合は、反応後は、適切な多孔体部分を洗浄、又は多孔体を溶解させることで、生成された微粒子を含む溶液を得ることが可能である。反応器として高分子等に溶解させた場合は、反応後は、その高分子等の固体材料を溶解させることにより、生成された微粒子を含む溶液を得ることが可能である。
[実施の形態3]
本発明のナノ粒子製造装置の実施の形態3を説明する。本発明のナノ粒子製造装置の実施の形態1と基本的には同一の構造で、同じ動作をするものであり、マイクロリアクタ1の代わりに下述のマイクロリアクタ19を用いている。ここでは、前述の本発明のナノ粒子製造装置の実施の形態1と異なる部分の説明を行う。
〔細管型のマイクロリアクタ19〕
図4のマイクロリアクタ19は、複数の溶液を整流して微細流路3に送り込むための複数のキャピラリ管2、これらの複数の溶液が層流状態で混合されて化学反応が行われる微細流路3、反応後の反応生成物と反応残留溶液を排出するための排出管4等から構成される細管型のマイクロリアクタである。微細流路3の一端面には、複数のキャピラリ管2がそれぞれ接続されている。微細流路3の概略の形状は徐後漏斗状の円錐体であり、その底面に複数のキャピラリ管2が接続されている。キャピラリ管2の中心軸線は、互いに平行になるように配置されている。微細流路3の他端である頂部には、排出管4の一端が固定されている。本実施の形態3の微細流路3の底面の直径は3.5mm、高さは1mm、頂部の直径は0.5mmである。
微細流路3の頂部は、その断面は径1μm〜1mmの範囲にすることが好ましい。このように直径を小さくするとこの微細流路3を通る溶液の表面積に対する体積の割合が小さくなり、加熱により外部から与えられる熱を短時間で均一に全体に伝えることができる。よって、反応の加熱制御が容易になる利点を有する。また、室温での反応であれば、基本的にレイノルズ数が2100以下の層流域であればかまわない。しかし、この場合も、拡散混合による混合効率の観点から、微細流路3内に生じる流れの1ユニットの直径が150μm以下であることが望ましい。
一般的には、線状の管内に溶液を注入して比較的に低流速で流すと、溶液が管軸線に平行な線となって流れるものが層流である。管内の流速が大きくなると、溶液の流速は局所的に不規則な流速となり、層流から乱流となる。この乱流は、反応溶液と管内壁との摩擦により生じる反応溶液の流速分布のばらつきであると考えられる。乱流によるバックミキシングは溶液の反応時間のばらつきを起こし、反応生成物の粒度分布を狭くすることが困難になる原因になる。
従って、本実施の形態3の微細流路3内の溶液の流れは層流であり、隣接して層流する各溶液間の拡散によって化学反応が行われてナノ粒子を生成する。そのためには、微細流路3内に乱流を起こさない程度の流速制御が重要である。この流速制御は、微細流路3内を流れる液体の慣性力と粘性力の比によって表されるパラメータであるレイノルズ数で表し、定量的に取り扱うことができる。
このレイノルズ数Reは、微細流路3の管径、それを流れる液体の流速と粘度によって次の式で表される。
Re=VL/ν …(式1)
ただし、V[m/s]は流体の代表速度、L[m]は管径、ν[m/s]は動粘性係数である。
微細流路3内の溶液の注入流速は、微細流路3内のレイノルズ数(Re)が2100以下の層流域であることが望ましい。また、一般に溶液の粘度、流速、温度によって異なるが、微細流路3内のレイノルズ数が2100を超えると、乱流によるバックミキシングが大きくなるため、粒度分布を狭くすることが困難になる。また、管径が1μmよりも小さくなると、製造装置としては取り扱いにくくなる上に、操作時に装置内の圧力損失が大きくなり、生産効率が低下する。
層流下の溶液の拡散による混合速度は、次のペクレ数Peを用いて求めることができる。
Pe=Dt/L …(式2)
ただし、D[m/s]は拡散係数、t[s]は時間、L[m]は拡散のための長さ(管径)である。
完全混合するためには、ペクレ数Peが1になることが条件であり、時間tが
t<L/D …(式3)
の時間で完全に混合する。また、拡散係数Dは、次のストークス−アインシュタインの式で大まかに計算可能である。
D=kT/(6πηα) …(式4)
ただし、k[J/K]はボルツマン定数、T[K]は絶対温度、η[Pa・s]は粘性係数、α[m]は粒子径である。
式4においては、拡散係数Dは粒径αに反比例する。例えば、水中の(粒子径α=)0.3nmの大きさの分子の拡散係数Dは、約10−9/sになる。(粒子径α=)3nmのときは、拡散係数Dは10−10/sになる。これから、2秒で完全混合させるための層幅は、0.3nmの際には30μm、3nmの際には10μmになる。よって、低分子(大きさ0.3nm程度)の場合には、10秒以下で完結する反応に関しては、30μm以下の層厚であることが望ましい。
原料溶液の層厚は、原料溶液を流す細管の選択によっても制御可能だが、流量比により変化させることが可能である。ある細管からの流量を、他の細管の流量より遅く流すと、その膜厚は薄くなり、逆に流量を上げると太くなる。微細流路3内で複数の溶液の反応が行われ、反応生成物及び反応残留溶液は排出管4を通って大気中に取り出され、捕集器(図示せず)等に捕集される。
図5は、微細流路3に流れる複数溶液の断面を示す概念図である。この概念図から明らかなように、複数のキャピラリ管2から微細流路3に流される溶液は、微細流路3の底面に供給された状態のままで、複数のキャピラリ管2と同様に配置された層流となり2次元的な配置となる。図4に示す断面図は、キャピラリ管2を順番に1〜14までに番号を付けて表している。
キャピラリ管2から別々の溶液がそれぞれ供給され、微細流路3内で混合されて層流を維持しながら通過して反応を起こし、排出管4に導かれる。このとき、微細流路3内では、各溶液の流れは層流である。各溶液の流れが層流であるために基本的には隣り合う層流間でしか化学反応は起きない。
微細流路3の断面図にあるパターンを形成するようにキャピラリ管2に溶液を供給して、化学反応を制御することが可能である。例えば、微細流路3の断面図に示す3、13、8、10番のキャピラリ管2に前駆体含有溶液、その他のキャピラリ管2に前駆体を含まない溶液を供給することが可能である。把持器具11は、前述した実施の形態と実質的に同一であり、その説明は省略する。
次に、実施例1により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。本実施例1では、一本のガラスキャピラリーをマイクロリアクタとして用いた。ガラスキャピラリーの内径は、0.2mmである。このガラスキャピラリーにステアリン酸カドミウム70g/kg、トリオクチルリン酸オキシド300g/kg、トリオクチルリン酸セレニド90g/kg及びトリオクチルリン酸280g/kg、ステアリン酸260g/kgを含む溶液を充填した。
この溶液で充填されたガラスキャピラリーから40cmの部分が温度275℃に保ったオイルバスに浸るようにして、ガラスキャピラリーの片方から引きながらオイルバス中を30秒間かけて通過させて、ガラスキャピラリー中の溶液を反応させた。ガラスキャピラリーはオイルバスに浸ると急激に加熱されて、ガラスキャピラリー中の溶液の反応が開始した。
ガラスキャピラリーがオイルバスから出ると急激に冷却されて、ガラスキャピラリー中の溶液の反応が停止した。次いで反応混合液を急冷したのち回収し、トルエンに希釈後にUV−VIS吸収スペクトルを測定して生成したセレン化カドミウムナノ粒子の粒径を求めた。更に、TEM観察により、生成物の粒子径分布を測定した。その結果、平均粒径3.5nm、変動係数6%のCdSeナノ粒子を得ることができた。
[比較例1]
次に、本発明の比較例1を説明する。本比較例1では、シリンジエアーポンプ付きのシリンジが接続されたガラスキャピラリーをマイクロリアクタとして用いた。シリンジには、ステアリン酸カドミウム70g/kg、トリオクチルリン酸オキシド300g/kg、トリオクチルリン酸セレニド90g/kg及びトリオクチルリン酸280g/kg、ステアリン酸260g/kgを含む溶液を充填した。ガラスキャピラリーの内径は、0.2mmである。
ガラスキャピラリーから40cmの部分が温度275℃に保ったオイルバスに浸るようにした。シリンジエアーポンプを利用してシリンジ内の溶液をキャピラリに導入し、30秒間かけてオイルバスによる加熱部分を通過させて、ガラスキャピラリー中の溶液を反応させた。ガラスキャピラリー内の溶液は、オイルバスによる加熱部分にさしかかると急激に加熱されて反応を開始し、加熱部分を出ると、空気により急激に冷却されて反応を停止した。
その後、反応後の溶液を回収し、トルエンに希釈後にUV−VIS吸収スペクトルを測定して生成したセレン化カドミウムナノ粒子の粒径を求めた。更に、TEM観察により、生成物の粒子径分布を測定した。その結果、平均粒径3.5nm、変動係数10%のCdSeナノ粒子が得られた。反応溶液が充填されたガラスキャピラリーをオイルバス中に浸るようにして、オイルバス中を通過させた実施例1と比べ、生成されたCdSeナノ粒子の粒径の変動係数が大きくなった。
本発明は、新材料開発分野、バイオ技術分野、医療分野に利用すると良い。
図1は、実施の形態1のナノ粒子製造装置10の概要を図示した図である。 図2は、実施の形態1のマイクロリアクタ1の概要を図示した図である。 図3は、実施の形態2のナノ粒子製造装置30の概要を図示した図である。 図4は、実施の形態3のマイクロリアクタ19の概要を図示した図である。 図5は、マイクロリアクタ19の微細流路3を流れる溶液の状態を示した断面図である。
符号の説明
1、19…マイクロリアクタ
2…キャピラリ管
3…微細流路
4…排出管
5…シリンジコネクタ
6…シリンジ
7…エアーポンプ
10、30…ナノ粒子製造装置
11、32…把持器具
12…搬送路
13…温度制御部
15…オイルバス
16…温度測定器
17…制御機構
20…上下移送機構
21…ピストンロッド
22、25…把持部
23…支持軸
26…回収曹
31…反応器
33…滑車
34…加熱帯域

Claims (11)

  1. 代表長さ1μm〜1mmの反応器に、ナノ粒子の製造に必要な溶液を供給し、前記溶液が前記反応器に導入された後に前記溶液が静止した状態で、前記反応器が温度制御手段で温度制御された帯域中を移動するように、前記反応器と前記帯域とを搬送手段によって相対的に移動しながら、反応を行わせる
    ことを特徴とするナノ粒子製造方法。
  2. 請求項1に記載のナノ粒子製造方法において、
    前記帯域は、前記反応の開始温度までに加熱して温度制御された加熱帯域と、前記加熱帯域で行われた反応を急冷するための冷却帯域とからなり、
    前記反応器が前記加熱帯域中を搬送されるように、前記反応器と前記加熱帯域とを前記搬送手段によって相対的に移動しながら、前記反応を行わせた後、前記反応器と前記冷却帯域とを前記搬送手段によって相対的に移動しながら前記反応器を急冷する
    ことを特徴とするナノ粒子製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載のナノ粒子製造方法において、
    前記反応器は、前記代表長さの内径を持つ管、前記代表長さの直径を持つ線、前記代表長さの厚さを持つ薄膜、及び前記代表長さの細孔の中から選択される1つの微細空間である
    ことを特徴とするナノ粒子製造方法。
  4. 請求項1から3の中から選択される1項に記載のナノ粒子製造方法において、
    前記溶液を前記反応器に供給して前記溶液の2以上の層を形成し、前記反応は前記層間の拡散反応によって行われる
    ことを特徴とするナノ粒子製造方法。
  5. 請求項1又は2に記載のナノ粒子製造方法において、
    前記反応器は、前記代表長さの内径を有する微細流路からなり、前記微細流路に接続された複数の試料供給流路から、前記溶液を、前記複数の試料供給路の断面積の和より小さい断面積の前記微細流路に層流で供給し、前記溶液の前記層流を維持した状態で混合し反応させ、前記微細流路で反応を行わせた後、前記反応後の反応生成物を、前記微細流路と接続された試料排出流路から排出させる
    ことを特徴とするナノ粒子製造方法。
  6. 代表長さ1μm〜1mmの反応器に、ナノ粒子の製造に必要な溶液を供給するための溶液供給手段と、
    前記供給を停止させた状態で、前記溶液の反応を行わせるための前記反応器と、
    前記反応器を加熱又は冷却して温度制御するための温度制御手段と、
    前記温度制御手段によって温度制御された帯域と、
    前記反応器とを相対的に移動するための搬送手段と
    からなるナノ粒子製造装置。
  7. 請求項6に記載のナノ粒子製造装置において、
    前記帯域は、前記反応の開始温度までに前記反応器を加熱するための加熱帯域と、前記加熱帯域で行われた反応を急冷するための冷却帯域とからなり、
    前記搬送手段は、前記加熱帯域中を移動しながら反応を行わせた後、前記冷却帯域中を相対的に移動しながら急冷するように、前記反応器を前記加熱帯域と前記冷却帯域を交互に移動しながら反応を行わせる
    ことを特徴とするナノ粒子製造装置。
  8. 請求項6又は7に記載のナノ粒子製造装置において、
    前記反応器は、前記代表長さの内径を持つ管、前記代表長さの直径を持つ線、前記代表長さの厚さを持つ薄膜、及び前記代表長さの細孔の中から選択される1つの微細空間である
    ことを特徴とするナノ粒子製造装置。
  9. 請求項6又は7に記載のナノ粒子製造装置において、
    前記溶液は、前記溶液供給手段から前記反応器に、2以上の層を形成するように供給され、前記反応は前記層間の拡散反応によって行われる
    ことを特徴とするナノ粒子製造装置。
  10. 請求項6又は7に記載のナノ粒子製造装置において、
    前記反応器は、前記代表長さの内径の微細流路からなり、ナノ粒子の製造に必要な3種類以上の前記溶液を層流で供給するため複数の試料供給流路と、前記試料供給流路に接続され、前記複数の試料供給路の断面積の和より小さい断面積を有する前記微細流路と、前記微細流路で反応が行われた後、前記反応後の反応生成物を排出させるために前記微細流路と接続された試料排出流路と
    からなることを特徴とするナノ粒子製造装置。
  11. 請求項10に記載のナノ粒子製造装置において、
    前記試料供給流路はキャピラリからなり、
    前記微細流路に接続されていない前記キャピラリの一端にはシリンジコネクタが接続されていて、
    前記搬送中において、前記シリンジコネクタから前記溶液を前記キャピラリに供給して、前記微細流路内の反応を2次元的に制御する
    ことを特徴とするナノ粒子製造装置。
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