JP2007011227A - 情報表示用パネルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】パターン電極の形成が容易で、安価にパターン電極を基板上に形成することのできる情報表示用パネルの製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも一方が透明な2枚の基板間に表示媒体を封入し、2枚の基板のそれぞれに設けたパターン電極から表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルの製造方法において、基板1上にパターン電極5を形成するにあたり、基板上の電極を設けない部分に水溶性インクを印刷して除去パターン11を形成し、基板及び除去パターン上に導電膜12を形成し、水溶性インクからなる除去パターンを洗浄して除去することで、基板上にパターン電極を形成する。
【選択図】図3

Description

本発明は、少なくとも一方が透明な2枚の基板間に表示媒体を封入し、2枚の基板のそれぞれに設けたパターン電極から表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルの製造方法に関するものである。
従来より、液晶(LCD)に代わる情報表示装置として、電気泳動方式、エレクトロクロミック方式、サーマル方式、2色粒子回転方式等の技術を用いた情報表示装置が提案されている。
これら従来技術は、LCDと比較すると、通常の印刷物に近い広い視野角が得られる、消費電力が小さい、メモリー機能を有している等のメリットがあることから、次世代の安価な情報表示装置に使用可能な技術として考えられており、携帯端末用情報表示、電子ペーパー等への展開が期待されている。特に最近では、分散粒子と着色溶液から成る分散液をマイクロカプセル化し、これを対向する基板間に配置して成る電気泳動方式が提案され、期待が寄せられている。
しかしながら、電気泳動方式では、液中を粒子が泳動するために液の粘性抵抗により応答速度が遅くなるという問題がある。さらに、低比重の溶液中に酸化チタン等の高比重の粒子を分散させているため沈降しやすくなっており、分散状態の安定性維持が難しく、情報表示の繰り返し安定性に欠けるという問題を抱えている。また、マイクロカプセル化にしても、セルサイズをマイクロカプセルレベルにして、見かけ上、上述した欠点が現れにくくしているだけであって、本質的な問題は何ら解決されていない。
一方、溶液中での挙動を利用する電気泳動方式に対し、溶液を使わず、導電性粒子と電荷輸送層とを基板の一部に組み入れる方式も提案され始めている(例えば、非特許文献1参照)。しかし、電荷輸送層、さらには電荷発生層を配置するために構造が複雑化するとともに、導電性粒子に電荷を一定に注入することは難しいため、表示安定性に欠けるという問題もある。
上述した種々の問題を解決するための一方法として、少なくとも一方が透明である2枚の対向する基板間に、表示媒体を封入した後、あるいは、隔壁により互いに隔離されたセルを形成し、セル内に表示媒体を封入した後、表示媒体に電界を与え、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルが知られている。
趙 国来、外3名、"新しいトナーディスプレイデバイス(I)"、1999年7月21日、日本画像学会年次大会(通算83回)"Japan Hardcopy’99"論文集、p.249-252
上述した構成の情報表示用パネルでは、基板上にパターン電極を形成する際、金属等のの材料をスパッタリング法、真空蒸着法、化学蒸着法(CVD)、塗布法等で薄膜状に形成する方法や、導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合して塗布したりする方法が用いられているが、いずれもパターニング工程に手間がかかり、製造コストが高くなる問題があった。
本発明の目的は上述した問題点を解消して、パターン電極の形成が容易で、安価にパターン電極を基板上に形成することのできる情報表示用パネルの製造方法を提供しようとするものである。
本発明の情報表示用パネルの製造方法は、少なくとも一方が透明な2枚の基板間に表示媒体を封入し、2枚の基板のそれぞれに設けたパターン電極から表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルの製造方法において、基板上にパターン電極を形成するにあたり、基板上の電極を設けない部分に水溶性インクを印刷して除去パターンを形成し、基板及び除去パターン上に導電膜を形成し、水溶性インクからなる除去パターンを洗浄して除去することで、基板上にパターン電極を形成することを特徴とするものである。
なお、本発明の情報表示用パネルの製造方法の好適例としては、基板が樹脂フィルムであること、基板上にアンカーコート層を形成し、形成したアンカーコート層上に水溶性インクを印刷して除去パターンを形成すること、がある。
本発明では、基板上にパターン電極を形成するにあたり、基板上の電極を設けない部分に水溶性インクを印刷して除去パターンを形成し、基板及び除去パターン上に導電膜を形成し、水溶性インクからなる除去パターンを洗浄して除去することで、基板上にパターン電極を形成しているため、パターン電極の形成が容易で、安価にパターン電極を基板上に形成することのできる情報表示用パネルの製造方法を得ることができる。
まず、本発明の製造方法の対象となる情報表示用パネルの基本的な構成について説明する。本発明の情報表示用パネルでは、対向する基板間に封入された表示媒体に電界が付与される。付与された電界方向に沿って、帯電した表示媒体が電界の力やクーロン力などによって引き寄せられ、それら表示媒体が電位の切り替えによる電界方向の変化によって移動方向を変えることにより、画像等の情報表示がなされる。従って、表示媒体が、均一に移動し、かつ、表示情報の書換え安定性あるいは表示情報の継続表示安定性を維持できるように、情報表示用パネルを設計する必要がある。ここで、表示媒体を構成する粒子にかかる力は、粒子同士のクーロン力により引き付けあう力の他に、電極との電気影像力、分子間力、液架橋力、重力などが考えられる。
本発明の製造方法に従って製造した情報表示用パネルの例を、図1(a)、(b)〜図2(a)、(b)に基づき説明する。
図1(a)、(b)に示す例では、少なくとも1種以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電特性の異なる少なくとも2種以上の表示媒体3(ここでは白色表示媒体用粒子3Waの粒子群からなる白色表示媒体3Wと黒色表示媒体用粒子3Baの粒子群からなる黒色表示媒体3Bを示す)を、基板1の内側に設けた電極5と基板2の内側に設けた電極6との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させ、黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色の表示を行うか、あるいは、白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示を行っている。なお、図1(b)に示す例では、図1(a)に示す例に加えて、基板1、2との間に隔壁4を形成して複数の四角形セルを格子状に設けている(図の手前にある隔壁は省略している)。
図2(a)、(b)に示す例では、少なくとも1種以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電特性の異なる少なくとも2種以上の表示媒体3(ここでは白色表示媒体用粒子3Waの粒子群からなる白色表示媒体3Wと黒色表示媒体用粒子3Baの粒子群からなる黒色表示媒体3Bを示す)を、基板1の外側に設けた電極5と基板2の外側に設けた電極6との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させ、黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色の表示を行うか、あるいは、白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示を行っている。なお、図2(b)に示す例では、図2(a)に示す例に加えて、基板1、2との間に隔壁4を形成して複数の四角形セルを格子状に設けている(図の手前にある隔壁は省略している)。
図3(a)、(b)に示す例では、少なくとも1種以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電性を有する1種の表示媒体3(ここでは白色表示媒体用粒子3Waの粒子群からなる白色表示媒体3Wを示す)を、基板1に設けた電極5と電極6との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と平行方向に移動させ、白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示を行うか、あるいは、電極6または基板1の色を観察者に視認させて電極6または基板1の色(白色表示媒体3Wとは異なる光学的反射率により発現される色)の表示を行っている。なお、図3(b)に示す例では、図3(a)に示す例に加えて、基板1、2との間に隔壁4を形成して複数の四角形セルを格子状に設けている(図の手前にある隔壁は省略している)。
以上の説明は、粒子群からなる白色表示媒体3Wを粉流体からなる白色表示媒体に、粒子群からなる黒色表示媒体3Bを粉流体からなる黒色表示媒体に、それぞれ置き換えた場合も同様に適用することが出来る。
本発明の特徴は、上述した構成の表示媒体を利用した情報表示用パネルにおいて、基板1(2)上に電極5(6)を形成する方法、一例として、基板1(2)上に単純マトリックス方式の駆動を行うためのストライプ状の電極ライン5(6)を良好なパターンで形成する方法にある。
図4(a)〜(c)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルの製造方法の一例を説明するための図である。以下、図4(a)〜(c)に従って、本発明の情報表示用パネルの製造方法における特徴部分となる、基板上への電極の形成を順を追って説明する。
まず、図4(a)に示すように、背面基板1上の電極5を設けない部分に水溶性インクを印刷して除去パターン11を形成する。ここで、背面基板1としてはフィルム状の基材が用いられ、環状ポリオレフィン系、ポリスチレン系、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系、ポリエチレンナフタレート系のポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエーテルスルフォン系樹脂等のフィルムが好適に用いられる。背面基板1の厚みは30〜200μmであることが好ましく、低透湿化のために金属膜、金属酸化物膜、有機膜の積層処理がなされていても良い。
また、水溶性インクとしては、水溶性の高分子材料が好ましく、具体的にはポリビニルアルコールなどが好適である。さらに、水溶性インクの印刷方法としては、グラビア印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、電子写真印刷あるいはフォトレジスト法等、目的とするパターンを得ることができればどのような印刷方法でも良いが、この中でもグラビア印刷を用いることが最も望ましい。さらにまた、インクの印刷適正を高めるために、フィラー(有機、無機の微粒子)、増粘剤等を配合することが好ましく、これによりフィルムに転写されたインクがより印刷版に近い形状を保持する。また、印刷形状を確認しやすくするためんい、各種顔料の添加も好適である。この顔料は、上記フィラーと兼ねる事もできる。例えば、硫酸バリウムなどはいわゆる体質顔料で、印刷色は白になる。印刷形状の保持性を高めるということは、インクの粘度、チクソトロピー性などが相互に作用し、その形状を設計通りに印刷するということである。これらを最適化することで、数十ミクロンの細線パターニングを可能にできる。
次に、図4(b)に示すように、背面基板1及び除去パターン11上に導電膜12を形成する。背面基板1上の導電膜12が最終的に電極ライン5となる。導電膜12を構成する材料として、そのシート抵抗が500Ω/□以下であることが望ましい。ここで、導電膜12としては、背面基板1上の電極ライン5は透明性が不必要であるため、金属、金属酸化物、金属窒化物あるいは有機物の導電膜を用いることができる。一方、透明性が必要な前面基板2上の電極ライン6を形成する場合は、導電膜12として、金属、金属酸化物、金属窒化物あるいは有機物の透明導電膜を用いることができ、その中でもITO(indium tin oxide)を用いることが好ましい。また、導電膜12の形成方法としては、スパッタリング、イオンプレーティング、真空蒸着、化学蒸着などの気相メッキ法や、液相メッキ(電界メッキ、無電解メッキ等)、印刷、塗布などが例示されるが、広義の気相メッキ(スパッタリング、イオンプレーティング、真空蒸着、化学蒸着)または液相メッキが好適である。なお、この導電膜12の形成は、基板1及び除去パターン11上に均一に行えば良くパターン化の必要がないため、いずれの方法であってもパターン化が必要な場合と比べて工程を簡略化することができる。
最後に、図4(c)に示すように、水溶性インクからなる除去パターン11を水で洗浄して除去することで、基板1上にパターン化した電極ライン5を形成する。
上述した本発明の情報表示用パネルの製造方法では、パターン化した電極ライン5を簡単な工程で精度良く形成することができるため、製造コストを少なくすることができる。
図5(a)〜(d)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルの製造方法の他の例を説明するための図である。図5(a)〜(d)に示す例において、図4(a)〜(c)に示した例と異なる点は、図5(a)に示すように、基板1上にアンカーコート層21を形成し、形成したアンカーコート層21上に水溶性インクを印刷して除去パターン11を形成した点である。その他の工程(図5(b)〜(d))は上述した図4(a)〜(c)に示した例と同じであり、ここではその説明を省略する。本例では、図4(a)〜(c)に示した例と比べて、基板1に対する導電膜12の密着耐久性を良好にすることができる。
アンカーコート層21の役割としては、基板1上に形成される電極5と基板1との密着性を高めること、印刷インク(水性インク)の形状保持性を高める(適当な表面張力の材料を選択する、配合で調整する)こと、ガスバリア性を付与すること、などがある。なお、アンカーコート層21を形成するためのアンカーコート剤としては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂など1種又は2種以上を主原料とし、イソシアネート基を2つ以上持つ多官能イソシアネート化合物により架橋してなる2液硬化型材料を用いることが好ましい。
基板に隔壁4を設ける場合、隔壁4については、その形状は表示にかかわる表示媒体の種類により適宜最適設定され、一概には限定されないが、隔壁の幅は2〜100μm、好ましくは3〜50μmに、隔壁の高さは10〜500μm、好ましくは10〜200μmに調整される。これらのリブからなる隔壁により形成されるセルは、図5に示すごとく、基板平面方向からみて四角状、三角状、ライン状、円形状、六角状が例示され、配置としては格子状やハニカム状や網目状が例示される。表示面側から見える隔壁断面部分に相当する部分(セルの枠部の面積)はできるだけ小さくした方が良く、表示の鮮明さが増す。
次に、本発明の対象となる情報表示用パネルで表示媒体として例えば用いる粉流体について説明する。なお、本発明の情報表示用パネルで用いる粉流体の名称については、本出願人が「電子粉流体(登録商標):登録番号4636931」の権利を得ている。
本発明における「粉流体」は、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。例えば、液晶は液体と固体の中間的な相と定義され、液体の特徴である流動性と固体の特徴である異方性(光学的性質)を有するものである(平凡社:大百科事典)。一方、粒子の定義は、無視できるほどの大きさであっても有限の質量をもった物体であり、重力の影響を受けるとされている(丸善:物理学事典)。ここで、粒子でも、気固流動層体、液固流動体という特殊状態があり、粒子に底板から気体を流すと、粒子には気体の速度に対応して上向きの力が作用し、この力が重力とつりあう際に、流体のように容易に流動できる状態になるものを気固流動層体と呼び、同じく、流体により流動化させた状態を液固流動体と呼ぶとされている(平凡社:大百科事典)。このように気固流動層体や液固流動体は、気体や液体の流れを利用した状態である。本発明では、このような気体の力も、液体の力も借りずに、自ら流動性を示す状態の物質を、特異的に作り出せることが判明し、これを粉流体と定義した。
すなわち、本発明における粉流体は、液晶(液体と固体の中間相)の定義と同様に、粒子と液体の両特性を兼ね備えた中間的な状態で、先に述べた粒子の特徴である重力の影響を極めて受け難く、高流動性を示す特異な状態を示す物質である。このような物質はエアロゾル状態、すなわち気体中に固体状もしくは液体状の物質が分散質として安定に浮遊する分散系で得ることができ、本発明の情報表示用パネルで固体状物質を分散質とするものである。
本発明の情報表示用パネルは、少なくとも一方が透明な、対向する基板間に、例えば気体中に固体粒子が分散質として安定に浮遊するエアロゾル状態で高流動性を示す粉流体を封入するものであり、このような粉流体は、低電圧の印加でクーロン力などにより容易に安定して移動させることができる。
本発明に表示媒体として例えば用いる粉流体とは、先に述べたように、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。この粉流体は、特にエアロゾル状態とすることができ、本発明の情報表示用パネルでは、気体中に固体状の物質が分散質として比較的安定に浮遊する状態で表示媒体として用いられる。
次に、本発明の情報表示用パネルにおいて表示媒体を構成する表示媒体用粒子(以下、粒子ともいう)について説明する。表示媒体用粒子は、そのまま該表示媒体用粒子だけで構成して表示媒体としたり、その他の粒子と合わせて構成して表示媒体としたり、粉流体となるように調整、構成して表示媒体としたりして用いられる。
粒子には、その主成分となる樹脂に、必要に応じて、従来と同様に、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含ますことができる。以下に、樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
樹脂の例としては、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、アクリルフッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられ、2種以上混合することもできる。特に、基板との付着力を制御する観点から、アクリルウレタン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、アクリルフッ素樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂が好適である。
荷電制御剤としては、特に制限はないが、負荷電制御剤としては例えば、サリチル酸金属錯体、含金属アゾ染料、含金属(金属イオンや金属原子を含む)の油溶性染料、4級アンモニウム塩系化合物、カリックスアレン化合物、含ホウ素化合物(ベンジル酸ホウ素錯体)、ニトロイミダゾール誘導体等が挙げられる。正荷電制御剤としては例えば、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系化合物、4級アンモニウム塩系化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等が挙げられる。その他、超微粒子シリカ、超微粒子酸化チタン、超微粒子アルミナ等の金属酸化物、ピリジン等の含窒素環状化合物及びその誘導体や塩、各種有機顔料、フッ素、塩素、窒素等を含んだ樹脂等も荷電制御剤として用いることもできる。
着色剤としては、以下に例示するような、有機または無機の各種、各色の顔料、染料が使用可能である。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等がある。
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
黄色着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等がある。また、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料として、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等がある。
無機系添加剤の例としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、鉛白、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナホワイト、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、チタンイエロー、紺青、群青、コバルトブルー、コバルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カーボンブラック、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅粉、アルミニウム粉などが挙げられる。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。
また、本発明の表示媒体用粒子は平均粒子径d(0.5)が、0.1〜20μmの範囲であり、均一で揃っていることが好ましい。平均粒子径d(0.5)がこの範囲より大きいと表示上の鮮明さに欠け、この範囲より小さいと粒子同士の凝集力が大きくなりすぎるために粒子の移動に支障をきたすようになる。
更に本発明では、各粒子の粒子径分布に関して、下記式に示される粒子径分布Spanを5未満、好ましくは3未満とする。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、均一な粒子移動が可能となる。
さらにまた、各粒子の相関について、使用した粒子の内、最大径を有する粒子のd(0.5)に対する最小径を有する粒子のd(0.5)の比を50以下、好ましくは10以下とすることが肝要である。たとえ粒子径分布Spanを小さくしたとしても、互いに帯電特性の異なる粒子が互いに反対方向に動くので、互いの粒子サイズが近く、互いの粒子が当量ずつ反対方向に容易に移動できるようにするのが好適であり、それがこの範囲となる。
なお、上記の粒子径分布および粒子径は、レーザー回折/散乱法などから求めることができる。測定対象となる粒子にレーザー光を照射すると空間的に回折/散乱光の光強度分布パターンが生じ、この光強度パターンは粒子径と対応関係があることから、粒子径および粒子径分布が測定できる。
ここで、本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mie理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行なうことができる。
表示媒体用粒子の帯電量は当然その測定条件に依存するが、情報表示用パネルにおける表示媒体用粒子の帯電量はほぼ、初期帯電量、隔壁との接触、基板との接触、経過時間に伴う電荷減衰に依存し、特に表示媒体用粒子の帯電挙動の飽和値が支配因子となっているということが分かった。
本発明者らは鋭意検討の結果、ブローオフ法において同一のキャリア粒子を用いて、表示媒体に用いる粒子の帯電量測定を行うことにより、表示媒体用粒子の適正な帯電特性値の範囲を評価できることを見出した。
更に、表示媒体用粒子で構成する粒子群や粉流体等の表示媒体を乾式の情報表示用パネルに適用する場合には、基板間の表示媒体を取り巻く空隙部分の気体の管理が重要であり、表示安定性向上に寄与する。具体的には、空隙部分の気体の湿度について、25℃における相対湿度を60%RH以下、好ましくは50%RH以下、更に好ましくは35%RH以下とすることが重要である。
この空隙部分とは、図1(a)、(b)〜図3(a)、(b)において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6(電極を基板の内側に設けた場合)、表示媒体3の占有部分、隔壁4の占有部分(隔壁を設けた場合)、情報表示用パネルのシール部分を除いた、いわゆる表示媒体が接する気体部分を指すものとする。
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように情報表示用パネルに封入することが必要であり、例えば、表示媒体の充填、情報表示用パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
本発明の対象となる情報表示用パネルにおける基板と基板との間隔は、表示媒体が移動できて、コントラストを維持できればよいが、通常10〜500μm、好ましくは10〜200μmに調整される。
対向する基板間の空間における表示媒体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。70%を超える場合には表示媒体の移動の支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
以下に示すようにして情報表示用パネルを作製した。
基板1、2を構成する基材フィルムとして帝人製PETフィルム:OLW(100μm)を用い、基板1、2のそれぞれに、図4(a)〜(c)に示した電極の形成方法に従って、ライン幅が300μmでライン間のスペースが50μm(すなわちピッチが0.35mm)のストライプ状の電極ライン5、6を形成した。図7に示すように、単純マトリックス方式のマトリックス表示を行うため、前面基板2の表示エリア31(93mm×62mm)には横ストライプ状の電極ライン6を形成し、背面基板1の表示エリア32(93mm×62mm)には縦ストライプ状の電極ライン5を形成した。
次に、背面基板1の縦ストライプ状の電極ライン5に対して、フォトレジスト法によりパターン電極に非同期で六角形の隔壁4を形成した。図8に示すように、隔壁4で形成されたセル33の開口部(図中a部の距離)が0.2mm、隔壁4の幅(図中b部の距離)が0.02mm、隔壁4の高さが0.05mmであった。次に、予め準備した白色表示媒体3Wと黒色表示媒体3Bとを、それぞれ6g/mの充填量となるように、セル33内に、自由落下法にて封入した。基板1、2の4辺にシール剤34を配置するとともに、隔壁4上に接着剤35を塗布し(味の素ファインテクノ製AE901B、硬化温度60℃)、横ストライプ状の電極ライン6を有する前面基板2を貼り合わせ、熱プレスにより接着剤を硬化して、図9に示す情報表示用パネルを得た。その結果、以上の工程により、安価に情報表示用パネルを作製できることが確認された。
本発明の対象となる情報表示用パネルは、ノートパソコン、PDA、携帯電話、ハンディターミナル等のモバイル機器の表示部、電子ブック、電子新聞等の電子ペーパー、看板、ポスター、黒板等の掲示板、電卓、家電製品、自動車用品等の表示部、ポイントカード、ICカード等のカード表示部、電子広告、電子POP、電子値札、電子棚札、電子楽譜、RF−ID機器の表示部などに好適に用いられる。
(a)、(b)はそれぞれ本発明の対象となる情報表示用パネルの一例を示す図である。 (a)、(b)はそれぞれ本発明の対象となる情報表示用パネルの他の例を示す図である。 (a)、(b)はそれぞれ本発明の対象となる情報表示用パネルのさらに他の例を示す図である。 (a)〜(c)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルの製造方法の一例を説明するための図である。 (a)〜(d)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルの製造方法の他の例を説明するための図である。 本発明の対象となる情報表示用パネルにおける隔壁の形状の一例を示す図である。 本発明の実施例における基板の状態の一例を説明するための図である。 本発明の実施例における隔壁の状態の一例を説明するための図である。 本発明の実施例における情報表示用パネルの一例を説明するための図である。
符号の説明
1、2 基板
3 表示媒体
3W 白色表示媒体
3Wa 白色表示媒体用粒子
3B 黒色表示媒体
3Ba 黒色表示媒体用粒子
4 隔壁
5、6 電極
11 除去パターン
12 導電膜
21 アンカーコート層
31、32 表示セル
33 セル
34 シール剤
35 接着剤

Claims (3)

  1. 少なくとも一方が透明な2枚の基板間に表示媒体を封入し、2枚の基板のそれぞれに設けたパターン電極から表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルの製造方法において、基板上にパターン電極を形成するにあたり、基板上の電極を設けない部分に水溶性インクを印刷して除去パターンを形成し、基板及び除去パターン上に導電膜を形成し、水溶性インクからなる除去パターンを洗浄して除去することで、基板上にパターン電極を形成することを特徴とする情報表示用パネルの製造方法。
  2. 基板が樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1に記載の情報表示用パネルの製造方法。
  3. 基板上にアンカーコート層を形成し、形成したアンカーコート層上に水溶性インクを印刷して除去パターンを形成することを特徴とする請求項1または2に記載の情報表示用パネルの製造方法。
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