JP2007009659A - 壁パネル、そのアンカー及びその取付方法 - Google Patents

壁パネル、そのアンカー及びその取付方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アンカー棒を係止部材に、安定に結合させる。
【解決手段】埋設アンカー20は、挿通孔23を備え壁パネル10の内部に挿入される係止部材21と、挿通孔23に壁パネル10の内部で挿通されるアンカー棒29とを含み構成され、該係止部材21には、弾性部材26が装着されている。この弾性部材26は、弾性的に広がりながらアンカー棒29を挿通させる掴持孔27を備え、該挿通後は少なくても2方向からアンカー棒29を弾性的に掴持するように構成されている。この係止部材21は、内面に雌ネジが形成され且つ挿通孔23が径方向に貫通した筒状の部材であって、弾性部材26は、係止部材21の内部に挿入されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、軽量気泡コンクリートパネル(ALCパネル)等の壁パネルと、該壁パネルの内部に設けられて躯体取付用の外部金具を係合させるアンカーと、該アンカーを壁パネルの内部に取り付ける方法とに関するものである。
壁パネルを躯体に強固に取り付けるために、壁パネルの内部に設けたアンカーに外部金物を係合させることが一般的である。このアンカーの一つとして、アンカー棒と、該アンカー棒を挿通させる係止部材との組み合わせからなるものがある。このアンカーは、係止部材を壁パネルの裏面に開口したパネル厚方向に延びる裏面孔に挿入し、アンカー棒を壁パネルの小口面に開口し且つ裏面孔に連通した、パネル面に沿って延びる小口面孔に挿入すると共にその途中で係止部材の挿通孔に挿通して使用される。
ところが、このアンカーを設けた壁パネルを躯体に取り付ける前の運搬時等に、小口面を下に向けてしまうと、アンカー棒がその自重で小口面孔から抜けてしまい、そうするとアンカー棒の挿通が無くなった係止部材もその自重で裏面孔から抜けてしまうことがあった。
そのため、中には、図10に示す従来例のアンカー90のように、アンカー棒99を固定するビス96が取り付けられたものも提案されている(特許文献1)。このアンカー90は円筒状の長ナット91と丸棒状のアンカー棒99とからなっている。そしてこの長ナット91の先端部近辺には直径方向にアンカー棒99の外径よりもやや大きい直径の挿通孔93が穿設されている。アンカー棒99を固定するビス96は長ナット91に螺合可能で、金具(図示略)をボルト(図示略)で取り付ける際に支障とならない長さになっている。先端部はやや細く、頂部には六角形の窪みがもうけられており、六角レンチで長ナット91に捩じ込まれるようになっている。なお、頂部の窪みは四角形でもよく、プラスまたはマイナスのドライバーで捩じ込むようにしてもよい。このアンカー90をパネル80に埋設するには、裏面孔82に長ナット91を挿入し、一方小口面孔(図示略)にアンカー棒99を挿入すると伴にその途中で長ナット91の挿通孔93に挿通した後、ビス96を六角レンチ(図示略)で長ナット91に捩じ込んでアンカー棒99を固定すればよい。なお、ビス96の代わりにゴム製で外径が長ナット91の内径よりもやや大きな栓(図示略)を使用することも可能で、アンカー棒99を挿通孔93に挿通した後、栓を長ナット91に押し込んでアンカー棒99を固定すればよい。
特開平7−113271公報
ところが、このアンカー90においては、ビス96を捩じ込んでアンカー棒99を固定しているため、該ビス96の捩じ込み加減次第で、アンカー棒99を掴持する掴持力の大きさが変わり、結合が不安定なものとなってしまう。このことは、ビス96の代わりに前記栓を使用した場合にも、該栓の押し込み加減次第で、掴持力の大きさが変わるため同様である。
そこで、アンカー棒を、長ナット等の係止部材に、安定に結合させることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の壁パネルは、裏面に開口した裏面孔に、弾性部材を装着した係止部材が挿入され、小口面に開口し且つ前記裏面孔に連通した小口面孔にアンカー棒が挿入され、内部で、前記係止部材が備える挿通孔、及び前記弾性部材が備える孔又はスリットに前記アンカー棒が挿通され、前記弾性部材に前記アンカー棒が少なくとも2方向から弾性的に掴持されたものとなっている。
また、本発明の埋設アンカーは、挿通孔を備え壁パネルの内部に挿入される係止部材と、前記挿通孔に前記壁パネルの内部で挿通されるアンカー棒とを含む埋設アンカーにおいて、弾性的に広がりながら前記アンカー棒を挿通させる孔又はスリットを備え、該挿通後は少なくても2方向から前記アンカー棒を弾性的に掴持する弾性部材を、前記係止部材に装着したことを特徴とする。
ここで、前記少なくとも2方向からの掴持としては、特に限定されないが、2方向、3方向、4方向或いは5方向以上の多方向からの掴持、及び前記孔の全周にわたる全方向(無数方向)からの掴持を例示する。その具体的形態としては、特に限定されないが、次の(i)(ii)(iii)を例示する。
(i)図1〜図3に示す長方形の断面形状をした掴持孔27を備えた弾性部材26による掴持や、図5(b)に示すスリット43を備えた弾性部材42による掴持等、対向する2方向からの掴持。
(ii)図5(a)に示す円形の断面形状をした掴持孔41を備えた弾性部材40による掴持等、該掴持孔41の全周にわたる全方向からの掴持。
(iii)三角形の断面形状をした掴持孔を備えた弾性部材による3方向からの掴持や、四角形の断面形状をした掴持孔を備えた弾性部材による4方向からの掴持等、多方向からの掴持。
また、前記弾性的な掴持としては、特に限定されないが、図1〜3に示す弾性部材26の場合のような圧縮された前記弾性部材の復元力による掴持、及び撓んだ前記弾性部材の復元力による掴持を例示する。また、更に、前記撓んだ弾性部材の復元力による掴持の形態としては、特に限定されないが、次の(A)(B)を例示する。
(A)図5(i)、図5(j)或いは図7(a)に示す弾性部材56、58、66の場合のように、前記弾性部材を、アンカー棒の長さ方向と直交する方向へ撓ませる形態。
(B)図8に示す弾性部材72のように、前記孔又はスリットの周囲に切り込みを設け、前記弾性部材を、アンカー棒の長さ方向へ撓ませる形態。
前記係止部材の形態は、特に限定されないが、以下の(a)〜(d)のものを例示する。
(a)前記係止部材は、雄ネジを備えた外部部材を装着するための雌ネジを備えたもの。
(b)前記係止部材は、雌ネジを備えた外部部材を装着するための雄ネジを備えたもの。
(c)前記係止部材は、嵌合凸部を備えた外部部材を装着するための嵌合凹部を備えたもの。
(d)前記係止部材は、嵌合凹部を備えた外部部材を装着するための嵌合凸部を備えたもの。
前記係止部材の形状、及び前記弾性部材の装着位置は、特に限定されないが、次の(ア)〜(エ)のものを例示する。
(ア)前記係止部材は、内面に雌ネジが形成され且つ前記挿通孔が径方向に貫通した筒状の部材であって、前記弾性部材は、前記係止部材の内部に挿入されたもの。
(イ)前記係止部材は、内面に雌ネジが形成され且つ前記挿通孔が径方向に貫通した筒状又は有底筒状の部材であって、前記弾性部材は、前記係止部材の外周部に取り付けられたもの。
(ウ)前記係止部材は、雄ネジが形成された棒状の基端部と、前記挿通孔が径方向に貫通し且つ先端側の端面が開口した有底筒状の先端部とからなり、前記弾性部材は、前記先端部の内部に挿入されたもの。
(エ)前記係止部材は、雄ネジが形成された棒状の基端部と、前記挿通孔が枠内に形成された枠状の先端部とからなり、前記弾性部材は前記先端部に取り付けられたもの。
前記弾性部材の材質は、特に限定されないが、各種金属、各種樹脂及び各種ゴムを例示する。また、前記各種樹脂としては、特に限定されないが、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、メタクリル樹脂を例示する。その中でも、前記圧縮された弾性部材の復元力により掴持する場合は、軟質樹脂又は各種ゴムであることが好ましい。
また、本発明の壁パネルへの埋設アンカーの取付方法は、弾性的に広がる孔又はスリットを備えた弾性部材を埋設アンカーの係止部材に装着し、前記係止部材を壁パネルの裏面に開口した裏面孔に挿入し、前記埋設アンカーのアンカー棒を前記壁パネルの小口面に開口し且つ前記裏面孔に連通した小口面孔に挿入し、前記壁パネルの内部で、前記アンカー棒を、前記係止部材が備える挿通孔に挿通させるとともに前記弾性部材の孔又はスリットに挿通させる方法をとっている。
本発明によれば、弾性部材が、弾性的に広がりながらアンカー棒を挿通させる孔又はスリットを備え、該挿通後は少なくても2方向から該アンカー棒を弾性的に掴持するため、その掴持力が、従来例のように捩じ込み加減や押し込み加減によって左右されることはない。そのため、アンカー棒と係止部材とが安定に結合される。
本発明の埋設アンカー20は、挿通孔23を備え壁パネル10の内部に挿入される係止部材21と、挿通孔23に壁パネル10の内部で挿通されるアンカー棒29とを含み構成され、該係止部材21には、弾性部材26が装着されている。この弾性部材26は、弾性的に広がりながらアンカー棒29を挿通させる掴持孔27を備え、該挿通後は少なくても2方向からアンカー棒29を弾性的に掴持するように構成されている。この係止部材21は、内面に雌ネジが形成され且つ挿通孔23が径方向に貫通した筒状の部材であって、弾性部材26は、係止部材21の内部に挿入されている。
本実施例1の図1〜図4に示す壁パネル10は、軽量気泡コンクリートパネル(ALCパネル)であって、内部に設けられた埋設アンカー20に外部金物31が係止されることにより、建物躯体8に(図示略)に取り付けられる。なお、本実施例において以下に挙げる寸法は例示であり、適宜変更できる
壁パネル10を取り付ける建物躯体8は、フランジ9を備えたH型の断面形状をしており、壁パネル10と該建物躯体8とは、フランジ9が壁パネル10の裏面11と外部金物31との間に狭持されることによって結合される。この外部金物31は、ボルト通孔32を備えた板状の金属部材であって、ボルト36が該ボルト通孔32を挿通した状態で埋設アンカー20に螺着されることにより、該埋設アンカー20に取り付けられる
壁パネル10は、起立した長方形板状のパネルであって、埋設アンカー20を埋設するための裏面孔12と小口面孔17とを備えている。裏面孔12は、裏面11に開口したパネル厚方向に延びる断面形状が円の孔であって、小口面孔17は、小口面16に開口したパネル面に沿って延びる断面形状が円の孔である。そして、これら裏面孔12と小口面孔17とは、壁パネル10の内部で連通している。壁パネル10の寸法は、長さ約1800mm、幅約600mm、厚さ約100mmとなっており、その各構成要素の寸法は、裏面孔12の寸法が、断面の直径約18mm、長さ約55mm、小口面孔17の寸法が、断面の直径約9.5mm、長さ約400mmとなっている。
埋設アンカー20は、外部金物31をボルト36で取り付けるためのもので、挿通孔23を備え壁パネル10の内部に挿入される係止部材21と、挿通孔23に壁パネル10の内部で挿通されるアンカー棒29とを含み構成され、係止部材21の内部には、アンカー棒29が係止部材21に対し相対移動するのを防止する弾性部材26が装着されている。
係止部材21は、裏面孔12内に挿入される金属部材であって、挿通孔23の他、ボルト36を螺着するための螺刻孔22と、弾性部材26を装着するため装着孔24とが穿設されている。詳しくは、該係止部材21は、螺刻孔22と装着孔24とからなる筒孔が形成された円筒状の径状をしており、その先端部分はやや楕円形気味に押し潰され、その楕円形気味の部分を挿通孔23が短軸径方向に貫通した形状をしている。該筒孔の構成は、基端側の端面から挿通孔23のやや手前までの部分が螺刻孔22となっており、該挿通孔23のやや手前部分から先端側の端面までの部分が装着孔24となっている。螺刻孔22は断面形状が円の孔であって、その孔の内壁にはボルト36を螺着するための雌ネジが形成されている。挿通孔23は断面形状が円の孔であって、その直径がアンカー棒29の直径より大きく形成されている。装着孔24は、その一部を挿通孔23と共有する断面形状が略楕円形の孔であって、長軸径が挿通孔23の直径より大きく形成されている。係止部材21の寸法は、断面の直径約17.5mm、長さ約55mmとなっており、その各構成要素の寸法は、螺刻孔22の寸法が、断面の直径約12mm、長さ約29mm、挿通孔23の寸法が、断面の直径約12mm、長さ約13mm、装着孔24の寸法が、断面の短軸径約7mm、断面の長軸径約14mm、長さ約26mmとなっている。
弾性部材26は、装着孔24に装着されるポリプロピレン発泡体の部材であって、弾性的に広がりながらアンカー棒29を挿通させる掴持孔27を備え、該挿通後は2方向からアンカー棒29を弾性的に掴持するように構成されている。詳しくは、該弾性部材26は、長方形板状の部材であって、掴持孔27がその面の中央に形成されている。この掴持孔27は、断面形状が長方形の孔であって、該断面の短辺の長さがアンカー棒29の直径よりも小さく形成されている。弾性部材26の寸法は、短辺約13mm、長辺約25mm、厚さ約4mmで、その構成要素である掴持孔27の寸法は、断面の短辺約6mm、断面の長辺約12mm、長さ(深さ)約4mmとなっている。
アンカー棒29は、小口面孔17に挿入される円柱棒状の金属部材であって、係止部材21が裏面孔12から抜け落ちないようにするものである。この該アンカー棒29は、該弾性部材26に掴持されることによって係止部材21に相対移動不能に結合することとなる。アンカー棒29の寸法は、直径約9mm、長さ約330mmとなっている。
以上に示した壁パネル10を、建物躯体8に取り付ける際の手順を以下に説明する。
(1)まず、弾性部材26を装着孔24に押し込み、該弾性部材26を係止部材21の内部に装着する。
(2)次に、該係止部材21を壁パネル10の裏面孔12に挿入する。
(3)その後、小口面孔17にアンカー棒29を挿入し、壁パネル10の内部で、アンカー棒29を係止部材21の挿通孔23に挿通させるとともに弾性部材26の掴持孔27に挿通させ、埋設アンカー20を組み立てる。なお、このとき、所定長さの個所にストッパーのついた押し込み治具(図示略)を使いアンカー棒29を小口面孔17に挿入すれば、簡単に該所定長さ分だけ押し込むことができ、その後は該ストッパーが当るため押し込み過ぎることはない。
(4)その後、該埋設アンカー20に、外部金物31をボルト36で緩く止め仮止めする。
(5)その後、壁パネル10を、建物躯体8と当接する所定の取付位置にまで移動させる。
(6)最後に、外部金物31と裏面11との間にフランジ9を挟み込み、仮止めしていたボルト36をしっかりと締め付け、取付を完了させる。
本実施例1では、係止部材21とアンカー棒29とが弾性部材26を介して相対移動不能に結合されている。そして、この結合は、安定したものとなっている。なぜなら、弾性部材26がアンカー棒29を2方向から弾性的に掴持しているため、その掴持力が、従来例のように捩じ込み加減や押し込み加減によって左右されることはなく、略一定に安定して得られるからである。そのため、壁パネル10を移動させる際や、壁パネル10をフランジ9に取り付ける際に、小口面16を下に向けたとしても、アンカー棒29がその自重でずれたり脱落したりすることがない。
また、本実施例1では、先に弾性部材26を係止部材21に装着してから、該係止部材21を裏面孔12に挿入しているため、後からする従来例のビス96や栓の装着作業に比べ、該弾性部材26の装着作業は簡単である。
図5に示す本実施例2は、実施例1と略同様であるが、壁パネル10を横向きに使用している点で実施例1と相違する。そのため、小口面孔17が垂直方向に延び、アンカー棒29が垂直方向に起立している。この場合、本来ならば、アンカー棒29が脱落し易くなり作業が困難になるところであるが、本実施例2において弾性部材26があるためそのような心配はない。
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもでき、例えば、弾性部材を次の変更例1〜16のようにすることもできる。また、アンカー棒を変更例17のようにすることもできる。
次の変更例1〜変更例10の図5(a)〜図5(j)に示す弾性部材は、実施例1と同様、装着孔24に挿入されるタイプの部材である。
(変更例1)図5(a)に示す弾性部材40は、長方形板状の形状をしており、直径がアンカー棒29の直径より小さい円形の断面形状をした掴持孔41を備えている。この掴持孔41の直径は、アンカー棒29の直径の0.6〜0.8倍となっている。よって、本変更例1では、アンカー棒29は、掴持孔41への挿通後は掴持孔41の全周にわたる全方向から弾性的に掴持される。
(変更例2)図5(b)に示す弾性部材42は、長方形板状の形状をしており、幅がアンカー棒29の直径より小さいスリット43を備えている。
(変更例3)図5(c)に示す弾性部材44は、楕円柱状の形状をしており、直径がアンカー棒29の直径より小さい円形の断面形状をした掴持孔45を備えている。
(変更例4)図5(d)に示す弾性部材46は、楕円柱状の形状をしており、幅がアンカー棒29の直径より小さいスリット47を備えている。
(変更例5)図5(e)に示す弾性部材48は、楕円筒状の形状をしており、直径がアンカー棒29の直径より小さい円形の断面形状をした掴持孔49を備えている。
(変更例6)図5(f)に示す弾性部材50は、楕円筒状の形状をしており、幅がアンカー棒29の直径より小さいスリット51を備えている。
(変更例7)図5(g)に示す弾性部材52は、長方形板状の形状をしており、短辺の長さがアンカー棒29の直径より小さい長方形の断面形状をした掴持孔53と、装着孔24の内壁にあてがわれる突起部52aとを備えている。
(変更例8)図5(h)に示す弾性部材54は、長方形板状の形状をしており、幅がアンカー棒29の直径より小さいスリット55と、装着孔24の内壁にあてがわれる突起部54aとを備えている。
(変更例9)図5(i)に示す弾性部材56は、リング状に形成された、内側にアンカー棒29を掴持するための掴持部56aと、該掴持部56aから突出形成された、装着孔24の内壁を押圧しこれと摩擦で結合するための突起部56bとを含み構成されている。
(変更例10)図5(j)に示す弾性部材58は、U字型に形成された、内側にアンカー棒29を掴持するための掴持部58aと、該掴持部58aから突出形成された、装着孔24の内壁を押圧しこれと摩擦で結合するための突起部58bとを含み構成されている。
次の変更例11〜変更例14の図6(a)〜図6(c)及び図7(a)に示す弾性部材は、係止部材の外周部に装着されるタイプの部材である。図においては、係止部材が、実施例1と同じ係止部材21である場合(右)と、係止部材が先端部分まで円い円筒状のものである場合(左)(中)とを示している。なお、図においては、係止部材は、装着孔24等の装着孔を備えた筒状のものとなっているが、以下では、係止部材は、装着孔を備えない有底筒状のものであってもよい。弾性部材が係止部材の外周面に取り付けられるため、該装着孔を特に必要とはしないからである。
(変更例11)図6(a)に示す弾性部材60は、キャップ状の部材であって、直径がアンカー棒29の直径より小さい円形の断面形状をした掴持孔61を備えている。
(変更例12)図6(b)に示す弾性部材62は、リング状の部材であって、直径がアンカー棒29の直径より小さい円形の断面形状をした掴持孔63を備えている。
(変更例13)図6(c)に示す弾性部材64は、係止部材の側面の彎曲に沿って曲げられ該側面に接着剤で取り付けられる板状の部材であって、短辺の長さがアンカー棒29の直径より小さい長方形の断面形状をした掴持孔65を備えている。
(変更例14)図7(a)に示す弾性部材66は、係止部材の側面に沿うように彎曲した長方形枠状の部材であって、その枠内にアンカー棒29を掴持するように構成されている。
次の変更例15の図7(b)に示す弾性部材は、挿通孔23等の挿通孔に直接挿入されるタイプの部材である。
(変更例15)図7(b)に示す弾性部材70は、一端に係止部材の外周面に引っ掛かるストッパー70aを備えた円筒状の部材であって、その筒孔71は、直径がアンカー棒29の直径より小さい円形の断面形状をしている。
次の変更例16の図8に示す弾性部材72は、実施例1と同様、装着孔24に挿入されるタイプの部材である。
(変更例16)図8(a)に示す弾性部材72は、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、メタクリル樹脂等からなる長方形の薄板状の部材であって、直径がアンカー棒29の直径より小さい円形の断面形状をした掴持孔73を備えている。そして、この掴持孔73の周囲には、切り込み74が、該掴持孔73の中心から弾性部材72の角部に向かって2〜4本設けられている。この掴持孔73の直径は、アンカー棒29の直径の0.7〜0.95倍となっている。また、この弾性部材72の厚さは、0.1mm〜0.8mmとなっており、該切り込み74の長さは2〜4mmとなっている。この弾性部材72の板バネ係数は、0.5〜3.5N/mmであることが好ましく、1.0〜2.1N/mmであることがより好ましい。本変更例16においては、このように切り込み74があるため、アンカー棒29を挿通させ易い他、該挿通後は図8(b)に示すように、切り込み74の周辺部分がアンカー棒29の長さ方向へ撓み曲げられた状態でアンカー棒29に当接するため、接触面積が増しアンカー棒29が更にずれ難くなる。なお、このとき、アンカー棒29は、掴持孔73の全周にわたる全方向から掴持されるといってもよいし、該切り込み74によって分けれた各方向から掴持されるといってもよい。
(変更例17)変更例17の図9(a)及び(b)に示すアンカー棒75は、実施例1と略同様であるが、その形状のみが相違し、先端部76が円錐台状に形成されている。詳しくは、該円錐台状の先端部76の先端76aは、直径が約5mmで、そこから後側へ進むに従い約15度ずつ広がっている。該アンカー棒75は、該先端部76以外での直径が約9mmであって、全体の長さが約400mmとなっている。本変更例17においては、このように先端が円錐台状になっているため、孔又はスリットに挿通させ易い。
本発明の実施例1の壁パネルを示す斜視図である。 同実施例1の壁パネルを示す断面図である。 同実施例1の埋設アンカーを示す分解斜視図である。 実施例2の壁パネルを示す斜視図である。 弾性部材の変更例を示す斜視図である。 弾性部材の変更例を示す斜視図である。 弾性部材の変更例を示す斜視図である。 弾性部材の変更例を示す(a)は斜視図、(b)は断面図である。 アンカー棒の変更例を示す(a)は斜視図、(b)は側面図である。 従来例の壁パネルを示す断面図である。
符号の説明
10 壁パネル
11 裏面
12 裏面孔
16 小口面
17 小口面孔
20 埋設アンカー
21 係止部材
23 挿通孔
26 弾性部材
27 掴持孔(孔又はスリット)
29 アンカー棒

Claims (5)

  1. 裏面に開口した裏面孔に、弾性部材を装着した係止部材が挿入され、小口面に開口し且つ前記裏面孔に連通した小口面孔にアンカー棒が挿入され、内部で、前記係止部材が備える挿通孔、及び前記弾性部材が備える孔又はスリットに前記アンカー棒が挿通され、前記弾性部材に前記アンカー棒が少なくとも2方向から弾性的に掴持された壁パネル。
  2. 挿通孔を備え壁パネルの内部に挿入される係止部材と、前記挿通孔に前記壁パネルの内部で挿通されるアンカー棒とを含む埋設アンカーにおいて、
    弾性的に広がりながら前記アンカー棒を挿通させる孔又はスリットを備え、該挿通後は少なくても2方向から前記アンカー棒を弾性的に掴持する弾性部材を、前記係止部材に装着したことを特徴とする壁パネルの埋設アンカー。
  3. 前記係止部材は、内面に雌ネジが形成され且つ前記挿通孔が径方向に貫通した筒状の部材であって、前記弾性部材は、前記係止部材の内部に挿入された請求項1又は2記載の壁パネル又は壁パネルの埋設アンカー。
  4. 前記係止部材は、内面に雌ネジが形成され且つ前記挿通孔が径方向に貫通した筒状又は有底筒状の部材であって、前記弾性部材は、前記係止部材の外周部に取り付けられた請求項1又は2記載の壁パネル又は壁パネルの埋設アンカー。
  5. 弾性的に広がる孔又はスリットを備えた弾性部材を埋設アンカーの係止部材に装着し、前記係止部材を壁パネルの裏面に開口した裏面孔に挿入し、前記埋設アンカーのアンカー棒を前記壁パネルの小口面に開口し且つ前記裏面孔に連通した小口面孔に挿入し、前記壁パネルの内部で、前記アンカー棒を、前記係止部材が備える挿通孔に挿通させるとともに前記弾性部材の孔又はスリットに挿通させる壁パネルへの埋設アンカーの取付方法。
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