JP2007009277A - 耐摩耗性溶射皮膜の形成方法及び溶射機 - Google Patents

耐摩耗性溶射皮膜の形成方法及び溶射機 Download PDF

Info

Publication number
JP2007009277A
JP2007009277A JP2005191670A JP2005191670A JP2007009277A JP 2007009277 A JP2007009277 A JP 2007009277A JP 2005191670 A JP2005191670 A JP 2005191670A JP 2005191670 A JP2005191670 A JP 2005191670A JP 2007009277 A JP2007009277 A JP 2007009277A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
spray
sprayed
wear
thermal
powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005191670A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4174496B2 (ja
Inventor
Takuma Sekiya
琢磨 関矢
Yukio Hosotsubo
幸男 細坪
Shuichi Kamura
修一 加村
Katsumi Takiguchi
勝美 滝口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Riken Corp
Original Assignee
Riken Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Riken Corp filed Critical Riken Corp
Priority to JP2005191670A priority Critical patent/JP4174496B2/ja
Publication of JP2007009277A publication Critical patent/JP2007009277A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4174496B2 publication Critical patent/JP4174496B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Nozzles (AREA)
  • Coating By Spraying Or Casting (AREA)

Abstract

【課題】高速フレーム溶射により成膜する耐摩耗性材料の溶射皮膜の境界密着性を向上し、粒子間結合力を高め、またクラックが入り難くする方法の提供。
【解決手段】摺動部材の少なくとも一摺動面に対向して、高速フレーム溶射ガンノズルを相対的にかつ反復移動させることにより、耐摩耗性材料を多層に成膜して溶射皮膜を形成する方法であって、前記耐摩耗性材料粉末の供給量を連続的もしくは段階的に増加させながら溶射を行う。また耐摩耗性材料粉末の供給量を溶射経過時間信号にもとづき、溶射皮膜形成中に自動的に増加させる機能を有する。
【選択図】図5

Description

本発明は、高速フレーム溶射機による耐摩耗性溶射皮膜の形成方法及びそれに用いる溶射粉末供給装置に関するものである。
従来から粉末溶射材を用いた耐摩耗性皮膜の形成はプラズマ溶射方法により行われており、その中でも金属中にセラミクスの硬質粒子を分散させた所謂サーメット皮膜が耐摩耗性に優れること、比較的容易に形成できること、皮膜形成速度が速く生産性に優れることから、摺動部材には多く用いられてきた。
特許文献1、特開昭63−190154号はプラズマ溶射によりMo、Ni自溶合金及びCo自溶合金の1種又は2種、IV属、V属、VI族元素の硬質炭化物の1種又は2種以上からなる耐摩耗性溶射層を開示するものであり、溶射皮膜形成方法としてはプラズマ溶射法が用いられている。使用ガスは実施例では、アルゴン110ft3/hr、水素10ft3/hrの混合ガスである。
特許文献2、特開昭57−76363号はMo系、Fe−Cr系等の耐摩耗性を有する材料を溶射等により摺動面に接着したピストンリングを開示する。
特許文献3、特開平5−339699号公報は、プラズマトーチから噴出されるフレーム中に混在する溶射材料の液滴の温度を高温化するとともに、その流速を高速化するために、複トーチ型プラズマ溶射装置の陰極と陽極の間に発生するアークに二酸化炭素を供給してプラズマフレームを形成することを提案している。使用ガスは1次ガス、2次ガスともに一定流量となっている。
特許文献4、特開平8−53747号公報は、減圧プラズマ溶射法に関するものであり、アークガス、補助ガス、キャリアガスともに一定圧力とし、粉送りホッパーの送り回転数を0.3又は0.9rpmの一定としている(表1、2参照)。
これらプラズマ溶射法で形成された皮膜はプラズマフレーム温度が高温であり溶射材粒子は十分に溶融した後堆積するので溶射層組織は所謂ラメラ状組織を形成する。そのため、溶射膜厚さと垂直な方向の溶射粒子同士の繋がり(以後、「粒子間結合力」と記述)は良好であるが、溶射粒子の飛行速度が遅いため溶射膜厚さ方向の溶射層間の繋がり(以後、「層間結合力」と記述)や溶射皮膜の母材との密着性(以後、「境界密着性」と記述)が弱いという問題があった。そのため、ピストンリングのような摺動部材の摺動面に用いた場合に、しばしば、皮膜剥離の原因となってきた。尚、溶射粒子の飛行速度が低いため、被溶射面への溶射粒子の突入速度は低く、従って、溶射膜の空孔度も高く、粒子間結合力は高いものの、皮膜の硬さは低い傾向であった。
特許文献5、特開平3−172681号は上記プラズマ溶射膜の欠点を改善するものであり、150torr以下に減圧した雰囲気中でNi−Cr合金20〜40重量%、Cr60〜80重量%からなる溶射材を所謂減圧プラズマ溶射した溶射皮膜を有するピストンリングを開示する。この発明によれば減圧下ではプラズマジェット中のガスフレーム速度が高速になるので、大気中のプラズマ溶射に比べ溶射粒子も高速になり、被溶射面の母材に高速で衝突するので、溶射層の空孔体積率が5%以下と緻密になり、溶射粒子自体や下地母材表面の酸化も押さえられるので、境界密着性が上がり溶射皮膜の剥離が起きにくくなるとしている。
前掲特許文献4の特開平8−53747号は、減圧プラズマ溶射及びレーザ照射を併用したレーザプラズマハイブリッド溶射を用いることで皮膜中の炭化物系硬質粒子量を増大させること及びTiのアンダーコート層を形成することにより耐摩耗性に優れ且つ境界密着性に優れた耐摩耗性皮膜の形成が可能であることを開示する。
しかしながら、これらの減圧溶射法では装置が大がかりになり且つ生産性が悪いことから、このような皮膜を有する製品が高コストになることは否めず、摺動部材ではあまり使われていない。そのためこれに代わる溶射方法が検討されてきた。
特許文献6、特開平11−335805号は高速フレーム溶射法により炭化物および硼化物のセラミクス混合物とNi、Cr及びCoのうちの1種以上の金属成分とからなるサーメット溶射皮膜を被覆した摺動部材が耐摩耗性に優れることを開示する。高速フレーム溶射の条件としては、熱源温度が2000℃、フレーム速度が1500〜1800m/secが挙げられている。
特許文献7、特開2004−307975号は、硬質粒子AとNi−Cr合金又はNiとNi−Cr合金からなる基地中に5μm以下の炭化クロムが析出した複合粉末Bとを混合して高速フレーム溶射した摺動部材が相手材を摩耗させず、自己摩耗に優れていることを開示する。高速フレーム溶射の条件としては、フレーム速度が1200m/sec以上、好ましくは2000m/sec以上が挙げられている。
高速フレーム溶射はフレーム温度が約2000℃と低いことから、溶射粒子の加熱・昇温が十分ではなく、特許文献6の発明では炭化物の酸化が抑止され、特許文献7の発明では複合粒子Bの再溶融が抑止されるので炭化クロム粒子の粗大化が防止される効果があるとしている。また、共に溶射粒子速度が高いことから、境界密着性に優れた溶射皮膜が得られるとしている。
粉末式フレーム溶射機として図4に示す溶射機が市販されている。図中、11は溶射ガン、12は溶射材料粉末供給ガス入口、13は溶射材料粉末入口、14は酸素・燃料ガス入口、15は冷却用空気入口、16はフレームである。
非特許文献1、まてりあ,Vol.40(2001),No.4, p327に記載されているCold Gas Dynamic Spray Method はフレームで粒子を溶融させることなく、高速粒子の衝突エネルギーのみで皮膜を形成する方法であり、上記した高速フレーム溶射よりもフレーム速度は比較にならないほど高い。
上記Cold Gas Dynamic Spray Method以外の従来技術をまとめると、プラズマ溶射及び高速フレーム溶射法において、溶射粉末の供給量について直接触れているのは特許文献4のみである。ここでは、ホッパーを一定速度で作動させながら一定量の粉末を溶射ガンに供給している。特許文献6ではフレーム速度範囲について触れているが、この範囲内でフレーム速度を変化させたとしても、溶射粉末供給量が一定であるならば、基板に衝突する溶融粉末の速度が速くはなるが、基板への衝突量が多くなることはない。
溶射プロセスを学術の面から解説した、非特許文献2、前掲まてりあ、第323頁によると、溶射の分野では単一粒子の溶射中の挙動に関する研究がほとんど行なわれない状態で、接合強度の研究及び溶射プロセス全体の整合性などの研究に研究が移ってきたとの批評がなされている。本発明は、後述のように前段落で述べた観点からフレーム解析を行ない、上述の粒子挙動について若干の解明を行なったものである。
特開昭63−190154号公報 特開昭57−76363号公報 特開平5−339699号公報 特開平3−172680号公報 特開平11−335805号公報 特開2004−307975号公報 まてりあ,Vol.40(2001),No.4, p327 まてりあ,Vol.40(2001),No.4, p323 まてりあ,Vol.40(2001),No.4, p348
本発明者が高速フレーム溶射皮膜の摺動部材への適用について鋭意研究した結果次のような知見を得た。
即ち、高速フレーム溶射は溶射粒子がプラズマ溶射に比べ高速で飛行し母材表面に到達する。そのため、プラズマ溶射よりは、母材との境界密着性に優れると共に層間結合力も良好であり、空孔率も低い。しかしながら、溶射原料に金属基地に炭化物が分散析出したような硬質粒子分散型複合材やメカニカルアロイングにより硬質粒子を金属地に分散させたような複合材を用いた場合には、
(1)溶射粒子の昇温が十分でなく、且つ、溶射粒子の耐熱強度が高いので、被溶射面に衝突した際の溶射粒子の変形は少ない。
(2)溶射粉末が硬質粒子を分散した複合材であり、硬質であると同時に、溶射皮膜も緻密になることから溶射皮膜自体の硬度も高い。
その結果、摺動部材に用いる溶射皮膜の性能は次の問題があることが判明した:(イ)境界密着性が十分でない;(ロ)皮膜は緻密で硬質であり耐摩耗性は向上するが、粒子間結合力が弱い;(ハ)そのため、摺動の摩擦力によって溶射皮膜表面にはクラックが入りやすい。
このように、高速フレーム溶射皮膜はプラズマ溶射皮膜に比べ、密着性に優れると共に緻密な皮膜が得られることから、耐摩耗性皮膜形成技術としてピストンリング等の摺動部材に使われるようになってきたが、より過酷な摺動状況で使用されるようになると、溶射皮膜の剥離や溶射摺動面にクラックが発生し易いという問題があった。特に、摺動性能に優れるアトマイズにより製造した或いはメカニカルアロイングにより製造した硬質粒子分散型複合材を用いた場合では、硬質粒子の融点が高いため、又、耐熱強度が高いため、溶射粒子の被溶射面での変形が少なく、溶射皮膜の剥離や溶射摺動面にクラックが発生し易いことがいっそう顕著になる。こうしたことから、より過酷な摺動面に使用してもクラックの発生しないサーメット溶射皮膜の溶射技術が求められている。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、密着性及び耐摩耗性に優れ、且つ、クラックの入りにくいサーメット溶射皮膜の形成を可能とする高速フレーム溶射方法を提供すことである。また本発明はこの溶射方法に使用される溶射粉末供給装置提供することにある。
上記の目的を達成するために、本願第一発明は、摺動部材の少なくとも一摺動面に対向して、高速フレーム溶射ガンノズルが相対的にかつ反復移動することにより、耐摩耗性材料を多層に成膜して溶射皮膜を形成する方法であって、前記耐摩耗性材料粉末の供給量を連続的もしくは段階的に増加させながら溶射を行うことを特徴とする耐摩耗性溶射皮膜の形成方法を提供する。
本願第二の発明は、第一発明の製造装置に関するものであり、溶射ガンへ供給する溶射粉末供給量を溶射経過時間信号に基づき、増加させる機構を有することを特徴とする溶射粉末供給装置である。
本願第三、第四の発明は、Ni又はCo合金基地中に炭化物粒子が分散した複合材粒子を主な構成粒子とする粉末、又は、Ni、Co又はCrの一種以上の金属又は/及びその合金とセラミクス粒子からなるサーメット粉末を溶射することを特徴とする。

−発明の実施の形態―
高速フレーム溶射法は、高圧の燃料ガス(プロパン、プロピレン、水素、ケロシン等)と酸素又は空気からなるガス炎を熱源とする溶射法で、燃焼室の圧力を高めることにより,連続燃焼的に爆発溶射炎に匹敵する高速火炎を発生させる方法である。
高速フレーム溶射としては、燃焼助燃ガスとして酸素を用いる方式(HVOF法)と酸素に代えて圧縮空気を用いる方式(HVAF法)がある。いずれも、キャリアーガスで高速フレームに運ばれた溶射粉末がフレームにより加熱され、溶融或いは反溶融状態で、400m/s以上の高速度で基材に衝突する。従って、溶射皮膜の緻密さ、硬さ、母材との境界密着性、溶射層間結合力、粒子結合力等は溶射粒子の温度及び飛行速度に大きく影響される。即ち、溶射粉末の組成、密度,粒径等が同じであるならば,溶射条件といわれる、燃焼ガスの燃焼圧(溶射ガンへの酸素圧力・流量、燃料ガス圧力・流量で制御される),溶射ガンノズル形状、被溶射物−溶射ガンノズル間距離(以後、溶射距離)によって変化させることができ、溶射皮膜の使用目的に合った皮膜組成の選定が行われ、前記溶射条件が決定され溶射されている。例えば、非特許文献3、まてりあ,Vol.40(2001),No.4, p348頁左欄では、半溶融微粉を超音速で吹きつけるHVOF法により発電機ボイラーの皮膜を形成することが述べられている。
本第一発明が、特徴とするところは、耐摩耗性高速フレーム溶射皮膜の形成方法であって、被溶射面に突入する溶射粒子の温度及び飛行速度を溶射皮膜形成中に段階的に或いは連続的に人為的に変化させるところにある。以下、この特徴を本発明者達が行なった実験を参照として説明する。
本発明者達はNi及び/又はNi−Cr合金基地中に炭化クロム粒子が分散した複合材粒子を主成分とする耐摩耗性皮膜の溶射条件を決定するために、溶射条件である粉末供給量と燃焼ガスの燃焼圧が溶射粒子温度及び溶射粒子速度に与える影響について、フレーム診断装置(例えばオゼール社製Spray Watch)により調査した結果を表1に示す。

表1から、
(1)溶射皮膜を決定づける粒子速度と粒子温度に対して、燃焼ガス条件は殆ど影響せず、最も大きく影響するのは単位時間あたりの粉末供給量である。
(2)単位時間あたりの粉末供給量を減らすと粒子速度は増加するが粒子温度は低下する。
(3)単位時間あたりの粉末供給量を増やすと粒子速度は低下するが粒子温度は増加する。
等の知見が得られる。
上記知見(1)〜(3)をまとめると、粉末供給量が少ないと、溶射粒子速度が上がること、粉末供給量が多いと、溶射粒子速度が遅くなり、溶射フレーム内の滞留時間が長くなるので溶射粒子温度が高くなるということであるので、一つの摺動部材へ同一組成の粉末を繰返し、多層に溶射する皮膜形成において、これらの現象を利用すると新規プロセスが実現される。これに対して従来から行なわれている方法の幾つかを説明すると、傾斜組成コーティングは組成に傾斜をもたせる多層溶射法であるが、本発明は粉末の供給量を変化させる溶射法である。さらに、生産性の観点から粉末供給量を増減することは従来から行なわれていたが、一つの摺動部材については粉末供給量は一定である。
前記知見(3)を利用して、溶射開始時は溶射粒子の速度を高くすると、基板に衝突する粒子温度が高くなるので、境界密着性や層間強度を向上する。また、前記知見(2)を利用して、摺動部分のコーティング時には溶射粒子速度を落とし溶射粒子の温度を高くすると、粒子間結合力を高め、摺動によってクラックが発生することを防ぐことができる。
表1に示された約100m/sの粒子速度差及び約70℃の温度差は、燃焼ガス流量及び溶射距離を変化させることによっても実現できるが、粉末粒径一定条件で燃焼ガス流量により燃焼圧力を変化させることは、現在入手できる溶射ガンの一型式の範囲では難しく、溶射ガン並びにその操作治具などを一新しなければならない。また、溶射距離によっては、フレームが被溶射材に届きの被溶射物の昇温が激しくなり熱変形を起こしかねないこと、溶射距離を途中で変更することは装置上或いは溶射材の歩留まりから得策ではない。
さらに、本発明に係る溶射機は、図5に実施態様を示すように、スクリューにより粉末をガンに供給するスクリュー内蔵ホッパー、振動式篩により粉末をタンクから切り出し、これを一旦コーンホッパーなどの溶射粉末供給装置20を備えている。この粉末供給量を例えばスクリューの回転速度から検出する粉末供給量検出手段21を付設する。さらに、スクリューの回転速度をモーターにより調節するか、あるいは篩の振動数を粉末供給量調節装置により調節可能とする。溶射粉末供給装置は流動床タイプでもよい。また、溶射開始はリング回転検出器22により、制御装置23にスタート信号に与えることにより検出し、これにより溶射ガンのすべての機能が連動して自動的に進行する。また、リング回転検出器22はピストンリングの回転回数、速度なども検出する。制御装置23は粉末供給制御機能と機械的動作制御機能を有している。先ず、前者について述べると、内蔵のタイマーにより溶射累積時間を算出して信号を発生し、予め定められた粉末供給予定量により、モーターの回転速度を制御するか、あるいは、振動数を制御する。後者の機能に関しては溶射ガンの往復回数、溶射距離、溶射角度、空気冷却の開始時間等を制御する。
上述の溶射ガンにおいて完全自動操作を行う場合は、溶射機ホッパーの切りだしスクリューを、一定の増加速度で回転し、溶射終了後スクリューを停止するように回転速度が制御されたモーターと連結してもよい。また、一部自動操作を行う場合は、リング回転検出器22が所定溶射回数を検出した後、制御装置23から停止信号を発生させ、溶射ガンの全ての機能を停止し、次に粉末供給量を手動で切り替え、その後同様の操作を行う。
上記以外の構成は図4に示された従来のガス溶射ガンと同じであり、これは溶射ガス流量などの制御機構を付設している。
以下、摺動部材としては内燃機関に用いられるピストンリングを例にし、その外周摺動面に耐摩耗性溶射皮膜を形成する溶射方法について具体的に説明する。
本発明の摺動部材は内燃機関に用いられるピストンリングであり、図1に例示するものである。ピストンリング本体1の材質としては鋳鉄或いは鋼を用いることができる。溶射皮膜を被覆するピストンリング外周面2には略逆台形状の溝が全周にわたって掘られ、該溝の中に溶射皮膜3が形成されている。
溶射皮膜外周表面は溶射後砥石研磨、ラッピング研磨により、10点平均粗さで0.8μm以下に仕上げられている。ピストンリング上下方向両端にはピストンリング母材が露出している所謂インレイド溶射リングである、
溶射皮膜3としては、Ni又はCo合金基地中に炭化物粒子が分散した複合材粒子を主な構成粒子とし、場合によっては、他の金属粒子、セラミクス材等を混合させたもの、或いは、Ni、Co又はCrの一種以上の金属又は/及びその合金とセラミクス材からなるサーメット皮膜を用いることができる。溶射皮膜3の硬度はHv500〜1000で、空孔率5%以下、溶射膜厚さは0.05〜0.4mmである。
続いて、溶射皮膜の形成方法を説明する。
1)ピストンリング前処理
外周面2に略逆台形状の溝が全周にわたって掘られているピストンリング数十本外周面をそろえて筒状に束ね、両端を中央に通したシャフトで固定する。中央に通したシャフトはブラストや溶射時にピストンリングを回転させる際の中心軸となる。このとき、ピストンリングの合い口は閉じられている。次に、ブラスト装置により外周面にブラストを掛け、表面を10点平均粗さ15〜20μm程度に粗にした後溶射を行う。尚、被溶射材が軟質材の場合にはブラスト工程を省略することもできる。
2)予熱
まず、溶射に先立って予熱を行う。前記ブラスト掛けの終わったピストンリング集合体を溶射装置にセットし、ピストンリング集合体は外周周速が約100m/sとなるように回転させる。その後、表面から約250mm離れた位置を、ピストンリング集合体の軸心に沿って、一方の端から他端に向かって溶射ガンを約8mm/sの移動速度で動かす。このとき溶射フレームを発生させておき、フレームの熱によりピストンリング外周表面を加熱する。溶射ガンは他端で反転し以後この動作を繰り返す。溶射ガンの往復回数は前もってピストンリングの表面温度を測定することにより決定される。ブラスト同様にこの予熱も境界密着性等に問題がなければ省略することができる。
3)皮膜コーティング
予熱後直ちに溶射を行なう。溶射は燃焼ガスとしてプロピレンガス、燃焼助燃ガスとして酸素を用いるHVOF式の高速フレーム溶射を行うことができる。燃焼ガスとして水素、プロパン又はケロシン等を用い、燃焼助燃ガスとして空気を用いるHVAF法を用いることもできる。
粉末供給量が可変である溶射ガンが所定の回数往復され、ピストンリング表面温度が約100℃程度になったところで、溶射装置付帯の粉末供給装置で粉末供給を開始し溶射皮膜のコーティングを開始する。本溶射方法では粉末供給開始時の粉末供給量を少なく設定しておき、コーティングの途中から粉末供給量を連続的に或いは段階的に増やすことにより、溶射皮膜膜質を母材境界部近傍と外周摺動部に溶射条件の違いを持たせる。粉末供給量の範囲は現在の溶射ガンでは3〜80g/分の範囲が一般的である。この範囲よりも粉末供給量が少ないと安定した粉末供給が困難であり、一方粉末供給量が多いとフレームが広がり材料歩留まりが低くなる。好ましい粉末供給量は45〜50g/分である。この粉末供給量範囲内において、母材境界近傍部は母材との境界密着性や層間密着性が向上する溶射条件でコーティングを行い、途中からは、摺動の摩擦力による剪断力に耐えられるように、粒子間結合力が向上する溶射条件とする。
実際に粉末供給量を決定するに当っては、まず、溶射層外周部コーティング時の粉末供給量を粒子間結合力が十分となる量を溶射皮膜の引っ張り試験等にて決定し、溶射開始時の粉末供給量は該粉末供給量の10〜50%として溶射皮膜の境界密着性を上げるとよい。尚、当然であるが必要とされる境界密着性や粒子間結合力は摺動部材や使われる環境により異なるので、粉末供給量を具体的に画一的に決めることはできない。
粉末供給量を増加させるタイミングは母材との境界部に均一に溶射層が形成された時期が最良である。密着性評価で確認できれば良いが、そのような正確な判断ができない場合には、初期の粉末供給量で所定時間或いは回数の溶射コーティングを行った後表面の溶射膜の付着の状況を走査電子顕微鏡等にて確認することができる。
以下、実施例に基づき詳述する。
実施例1
球状黒鉛鋳鉄からなり外径φ140mm、厚さ4mm、幅5.5mmで、外周摺動面には溝底幅2mm、開口部幅3mm、深さ0.3mmの溝が掘られている内燃機関用1stピストンリング約60本を両側面からクランプして、長さ240mmの筒状にした。
これを、ブラスト装置にセットしピストンリング外周面をブラスト処理し、表面を10点平均粗さ25μmRzにした。ブラスト条件は下記の通りである。
空気圧 :0.5MPa
ブラスト材:カーボランダム#30
回数 :2往復
上記ピストンリングをブラスト装置から取り出し、外周面に付着した研磨粉及びブラスト材をエアーブローにより取り除いた後に溶射装置にセットし、外周周速が100mm/sになるように228rpmで回転させた。次に、スルザーメテコ社高速フレーム溶射装置DJ1100の溶射コントロールボックスにて溶射ガンから高速フレームを発生させた。その燃焼条件は下記のとおりである。尚、溶射ガンはピストンリング外周から約250mmのところをピストンリングの軸心に沿って、速度約8mm/sで往復移動するようにされている。
固定した溶射条件
酸素圧力 :0.98MPa
プロピレン圧力:0.63MPa
使用粉末 :スルザーメテコ社 SM5241
溶射ガンを1往復させピストンリング表面温度が約100℃となったことを確認した後、粉末供給装置を稼働させ、予めセットしておいた5〜20g/分の粉末供給量でコーティングを開始した。溶射ガンが1〜4往復したところで、粉末供給量を40〜75g/分に上げ、その後0.3mm以上の膜厚を得られるよう、往復回数を設定しコーティングを行った。
この実施例では溶射装置は1台使用し、1〜4往復した時点で粉末供給装置の供給量を設定値を変化させ粉末供給量を増加させたが、溶射装置を2台使用して、予め粉末供給量をセットしておき、前段を1機の溶射ガンで行ない、その後直ちに別の1機の溶射ガンで後段の溶射を行なっても良い。
溶射終了後、ピストンリングの外周溶射面を研磨しピストンリング上下端部の母材を露出させ溶射ピストンリングを解体した後、それぞれのピストンリングについて境界密着性、粒子間強度を次の方法で測定した。
初期の粉末供給量、往復回数を変化させたもの
(1)初期の粉末供給量、往復回数を一定とし、途中から増やした量が異なるもの
(2)従来方法の初期から最後まで粉末供給量を変えないもの
の3種類のピストンリングを作成した。溶射条件一覧を表2に記載する。尚、粉末供給量を変化させない従来のものを比較例として記載する。
次に、表2のピストンリングを図2記載の密着性評価方法を用い皮膜の境界密着性を評価した。又、図3記載の測定方法により粒子間結合力を評価した。
1)境界密着性
ピストンリング(1)の合い口部を左右方向に広く治具10の一方10b(固定側)には各種センサ7を取りつけ、可動側10aの一端にはトルクセンサ8を取りつけ、ピストンリングをねじり角度(θ)でねじることにより、溶射皮膜と母材境界面に剥離応力を発生させるツイスト試験により測定した。
2)粒子間結合力
ピストンリング合い口部90°の方向からピストンリングに荷重を加え、合い口部反対側の皮膜内クラック発生をAEセンサー18で把握し、クラック発生したときの荷重をもって粒子間結合力とした。その結果を表3に示す。
上記結果から下記のことが言える。
1. 初期から粉末供給量40g/分と多い比較例6と初期の粉末供給量を5〜20g/分と少なくした実施例1〜6及び比較例7のツイスト試験剥離角度を比較すると、実施例1〜6及び比較例7のツイスト皮膜剥離角度は大きく、皮膜の境界密着性が優れていることが解る。すなわち、初期の粉末供給量を少なく設定することにより、溶射粒子の速度が上がり溶射皮膜の密着性が向上したと判断できる。
2. 初期の粉末供給量を10g/分と少なくし最後まで変化させない比較例7と初期の粉末供給量を同じ10g/分とし、途中から増やし後期の粉末供給量を40〜75g/分と多くした実施例1〜5とを比較すると、後期に粉末供給量を多くした実施例1〜5のクラック発生荷重が高くなっている。これは、粉末の供給量が多くなったことにより、個々の溶射粒子の速度が下がり、燃焼フレーム内に滞留するする時間が長くなり、充分に昇温し、溶融が促進されたか或いは粒子強度が下がったために、溶射の衝突エネルギーにより粒子変形が進み又は粒界での結合が進んだために溶射粒子間結合力が向上した結果、クラック発生荷重が上がったと言える。
3. 尚、実施例1と2の結果からは、初期の粉末供給量を少なくした場合は、往復回数が少ないと密着性の向上は少ないこともわかる。又、実施例4のように、後期の粉末供給量を大きくしすぎると、気孔率が大きくなり硬さも下がるため、耐摩耗性が劣る可能性がある。
以上のことから、初期の粉末供給量を少なくして溶射を開始し、ある程度の溶射膜厚さ確保した後に、適当な粉末供給量に増やすような溶射方法をとることで、実施例1〜5に示すように、皮膜密着性に優れ、且つ、耐クラック性に優れた、耐摩耗性高速フレーム溶射膜を形成できることが解る。
実施例2
溶射材を75W%Cr3C2−25W%Ni-Crでなるスルザーメテコ社Diamalloy3004に代えて、実施例1と同様な実験を行った。粉末供給条件と形成された皮膜の結果を表4に記載する。
上記、表3のピストンリングを実施例1同様に境界密着性・層間結合力及び粒子間結合力を評価した。その結果を表5に記載する。
上記結果から下記のことが言える。
1. 初期から粉末供給量40g/分と多い比較例6と初期の粉末供給量を5〜20g/分と少なくした実施例1〜6及び比較例7のツイスト試験剥離角度を比較すると、実施例1〜6及び比較例7のツイスト皮膜剥離角度は大きく、皮膜の境界密着性が優れていることが解る。すなわち、初期の粉末供給量を少なく設定することにより、溶射粒子の速度が上がり溶射皮膜の密着性が向上したと判断できる。
2. 初期の粉末供給量を10g/分と少なくし最後まで変化させない比較例7と初期の粉末供給量を同じ10g/分とし、途中から増やし後期の粉末供給量を40〜75g/分と多くした実施例1〜5とを比較すると、クラック発生荷重には粉末供給量の影響は少ない。これは、実施例1に用いた溶射材が複合材であるのに対し、実施例2の溶射材が金属粒子とセラミクス粒子のブレンド粉末であるため、粉末供給量を増やし粒子速度を下げて金属粒子の昇温を高くしても、元々金属粒子は耐熱強度が低いので、フレーム内の昇温だけで被溶射面では粒子変形が充分に行われ、粒子間結合力が高くなるので、粉末供給量を落とし粒子の温度を上げて、粒子間結合力を強くするという本発明の効果がはっきりしなかったと思われる。
3. 粉末供給量は成膜速度に大きく影響する。即ち、粉末供給量が多いほど高速に成膜出来る。
以上のことから、溶射材にサーメットのブレンド材を用いる場合でも、初期の粉末供給量を少なくして溶射を開始し、ある程度の溶射膜厚さ確保した後に、適当な粉末供給量に増やすような溶射方法をとることで、耐クラック性に優れた溶射皮膜を密着性高く高速で形成できることが解る。
摺動部材の摺動面に高速フレーム溶射法にて耐摩耗性溶射皮膜を形成する際に、粉末供給量の少ない状態である程度の厚さの溶射層を形成したのち、粉末供給量を増やすという本発明の溶射法をとることで、溶射皮膜の密着性と耐クラック性を向上させることが出来る。また、粉末供給量を少ない状態で溶射するのは、被溶射面が一様に溶射粒子で覆われるまでで良く、その後は、溶射供給量を増やすことが出るので、溶射皮膜形成の生産性が極端に悪くなることもない。尚、本発明の効果が顕著に得られる炭化物晶出型複合材の粉末を用いた高速フレーム溶射膜について実例で示したが、原理的にはどのような溶射材にでも応用できるものであることから、本発明のその工業的利用価値は高い。
本発明法により溶射皮膜を形成することができるピストンリングの断面図である。 ツイスト試験機の説明図である。 皮膜粒子間結合力評価試験機の説明図である。 従来の高速ガス溶射機の説明図である。 本発明に係る溶射機のブロック図である。
符号の説明
1 リング本体
2 外周面
3 溶射皮膜

Claims (4)

  1. 摺動部材の少なくとも一摺動面に対向して、高速フレーム溶射ガンノズルを相対的にかつ反復移動させることにより、耐摩耗性材料を多層に成膜して溶射皮膜を形成する方法であって、前記耐摩耗性材料粉末の供給量を連続的もしくは段階的に増加させながら溶射を行うことを特徴とする耐摩耗性溶射皮膜の形成方法。
  2. Ni又はCo合金基地中に炭化物粒子が分散した複合材粒子を主な構成粒子とする粉末を溶射することを特徴とする請求項1記載の耐摩耗性溶射皮膜の形成方法。
  3. Ni、Co又はCrの一種以上の金属又は/及びその合金とセラミクス粒子からなるサーメットを溶射することを特徴とする請求項1記載の耐摩耗性溶射皮膜の形成方法。
  4. 高速フレーム溶射ガンへ供給する溶射粉末供給量を溶射経過時間信号に基づき、溶射皮膜形成中に自動的に増加させる機構を有することを特徴とする溶射粉末供給装置。
JP2005191670A 2005-06-30 2005-06-30 耐摩耗性溶射皮膜の形成方法及び溶射機 Expired - Fee Related JP4174496B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005191670A JP4174496B2 (ja) 2005-06-30 2005-06-30 耐摩耗性溶射皮膜の形成方法及び溶射機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005191670A JP4174496B2 (ja) 2005-06-30 2005-06-30 耐摩耗性溶射皮膜の形成方法及び溶射機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007009277A true JP2007009277A (ja) 2007-01-18
JP4174496B2 JP4174496B2 (ja) 2008-10-29

Family

ID=37748156

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005191670A Expired - Fee Related JP4174496B2 (ja) 2005-06-30 2005-06-30 耐摩耗性溶射皮膜の形成方法及び溶射機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4174496B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103173713A (zh) * 2013-03-21 2013-06-26 马鞍山市恒意机械有限公司 材质为半钢的型钢轧辊孔型的超音速喷涂工艺
JP2013174014A (ja) * 2012-02-23 2013-09-05 Forschungszentrum Juelich Gmbh 遮熱コーティングの施工方法
JP2015226863A (ja) * 2014-05-30 2015-12-17 東洋製罐グループホールディングス株式会社 樹脂被覆方法とその装置
KR20160036177A (ko) * 2014-09-24 2016-04-04 한국전력공사 석탄화력 보일러 코팅 장치 및 방법

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20130087633A1 (en) * 2011-10-11 2013-04-11 Hirotaka Fukanuma Cold spray gun

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013174014A (ja) * 2012-02-23 2013-09-05 Forschungszentrum Juelich Gmbh 遮熱コーティングの施工方法
CN103173713A (zh) * 2013-03-21 2013-06-26 马鞍山市恒意机械有限公司 材质为半钢的型钢轧辊孔型的超音速喷涂工艺
JP2015226863A (ja) * 2014-05-30 2015-12-17 東洋製罐グループホールディングス株式会社 樹脂被覆方法とその装置
KR20160036177A (ko) * 2014-09-24 2016-04-04 한국전력공사 석탄화력 보일러 코팅 장치 및 방법
KR102231153B1 (ko) 2014-09-24 2021-03-25 한국전력공사 석탄화력 보일러 코팅 장치 및 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP4174496B2 (ja) 2008-10-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7892652B2 (en) Low stress metallic based coating
US7670406B2 (en) Deposition system, method and materials for composite coatings
EP1564309B1 (en) Piston ring and thermal sprayed coating for use therein, and method for manufacture thereof
US3378392A (en) High temperature flame spray powder and process
US9328918B2 (en) Combustion cold spray
DE102014211366A1 (de) Verfahren zur Erzeugung einer Oxidationsschutzschicht für einen Kolben zum Einsatz in Brennkraftmaschinen und Kolben mit einer Oxidationsschutzschicht
Fauchais et al. Thermal and cold spray: Recent developments
JP4174496B2 (ja) 耐摩耗性溶射皮膜の形成方法及び溶射機
JP2005187890A (ja) 溶射用粉末
JP2008144272A (ja) 環境に優しい耐摩耗性の炭化物コーティング
JP2020186165A (ja) 炭化チタンオーバーレイ及びその製造方法
Heimann et al. Recently patented work on thermally sprayed coatings for protection against wear and corrosion of engineered structures
Talib et al. Thermal spray coating technology: A review
JP4051996B2 (ja) 円筒内面への溶射方法及びシリンダブロックの生産方法
JP2002004027A (ja) 混合粉末溶射方法
WO2008117668A1 (ja) 溶射被膜とその形成方法、溶射材料線材およびシリンダブロック
JP3475011B2 (ja) ベルトコンベア用ローラ
Tan Optimisation of the HVOF thermal spray process for coating, forming and repair of components
EP3141628B1 (en) Sliding member and piston ring
Singh et al. Past, present and future-the characterization of surface of topography of plasma transferred arc coating
Boulos et al. Wire Arc Spraying
Dwivedi et al. Surface modification by developing coating and cladding
Batra Thermal spray coating of abradable Ni based composite
Fauchais et al. Combustion Spraying Systems
Smyaglikov et al. Formation Of Antifriction And Wear-Proof Coatings By Heterogeneous Arc Plasma

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080403

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080422

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080616

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080812

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080818

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4174496

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110822

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140822

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees