JP2007005307A - 直交パルスイオンを検出する飛行時間質量分析計 - Google Patents

直交パルスイオンを検出する飛行時間質量分析計 Download PDF

Info

Publication number
JP2007005307A
JP2007005307A JP2006172082A JP2006172082A JP2007005307A JP 2007005307 A JP2007005307 A JP 2007005307A JP 2006172082 A JP2006172082 A JP 2006172082A JP 2006172082 A JP2006172082 A JP 2006172082A JP 2007005307 A JP2007005307 A JP 2007005307A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ions
flight
electrode
detector
ion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006172082A
Other languages
English (en)
Inventor
Gangqiang Li
ギャンキアン・リ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Agilent Technologies Inc
Original Assignee
Agilent Technologies Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Agilent Technologies Inc filed Critical Agilent Technologies Inc
Publication of JP2007005307A publication Critical patent/JP2007005307A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/02Details
    • H01J49/025Detectors specially adapted to particle spectrometers
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/02Details
    • H01J49/06Electron- or ion-optical arrangements
    • H01J49/061Ion deflecting means, e.g. ion gates
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/26Mass spectrometers or separator tubes
    • H01J49/34Dynamic spectrometers
    • H01J49/40Time-of-flight spectrometers

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)
  • Electron Tubes For Measurement (AREA)

Abstract

【課題】 飛行時間質量分析計の飛行管内でイオンを検出するための装置を改善することを課題とする。
【解決手段】 本発明の装置は、主軸(27)を有する飛行管(26)と、飛行管内のイオンを、実質上前記主軸に沿った飛翔経路から、主軸に対して実質上直交する飛翔経路に偏向する少なくとも1つの状態を有する制御可能な電極(30)と、飛行管内で主軸に対して直交する飛翔経路に偏向されたイオンを受容するように配置されているイオン検出器(40)とからなることを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、概してイオン分析に関し、より詳細には、飛行時間質量分析によるイオン分析に関する。
飛行時間質量分析計は、初期運動エネルギーは同じであるが、質量の異なるイオンが、電界の存在しない領域、例えば従来の飛行時間質量分析計内の飛行管の長手に沿って移動される際に分離されるという基本原理に基づく。それらのイオンは、そのイオンの電荷に対する質量の比(質量対電荷比)によって異なる速度を獲得する。したがって、より小さな質量のイオンは、より大きな質量のイオンよりも早く、飛行管の端部に配置されている検出器に到着する。検出器はイオンを検出し、試料に関する質量スペクトルを生成するデータを収集する。従来、検出システムは、イオンが生成される飛行管の端部の反対側にある線形飛行時間質量分析計の飛行管の端部に配置されている。
質量対電荷比が異なるイオンは、異なる時刻に検出器に到着するため、先に放出されているが、遅く移動しているより大きな質量のイオンを、より小さな質量のイオンが追い越す可能性があるので、イオン源から飛行管の中にイオンを連続して放出することには問題がある。したがって、従来の飛行時間質量分析計では、分析のためにさらに別のイオンを放出する前に、所与の時間に放出された全てのイオンが検出器に到着できるようにする必要がある。
従来、飛行管の中を通過する試料は連続したイオンビームではない。通常、イオンビームは、イオン源において、一括りのイオン、イオンのパケットに分割される。イオンのパケットは、パルス/ウェイト手法を利用して、飛行管の一端にあるイオン源から飛行管の中に発射される。従来のパルス/ウェイト手法を利用する場合、後方のパケットの中の質量が小さく、速度の速いイオンが、前方のパケットの中の質量が大きく、速度の遅いイオンを追い越さないようにするために、かつ如何なる重なりをも生じることなく、先行するパケットのイオンが検出器に到着できることを保証するために、イオン源からのイオンのパケットの放出の時機、タイミングが調整される。したがって、パケットの放出間の時間は、放出にかかる時間に比べて相対的に長くなる。これにより、デューティサイクルが小さくなる。イオン源は、通常、イオン源内の試料から連続してイオンを生成するので、イオン源において生成されるイオンのうちのわずかな部分だけがイオンパケットとしてイオン源から放出され、検出される。したがって、試料物質の相当の量が無駄にされ、通常、感度が低下する。さらに、従来の飛行時間質量分析計では、所与のパケットのイオンが次々に検出器に衝突する。衝突と衝突の間で検出器を回復させるために、わずかではあるが、少なくとも一定の時間が必要とされる。検出器が回復する前に、イオンが検出器に衝突すると、同位体分解能の劣化に繋がる。
イオンのパケットを電界が存在しない領域に送出する前に、イオンのパケットを発射するための符号化されたシーケンスを生成することにより、デューティサイクルが小さいという問題に対処する方法が開示されている(例えば特許文献1参照)。検出器に到着すると、イオン信号が復号化され、スペクトルが再構成される。この方法は、かなり複雑なハードウエア及びソフトウエアアルゴリズムを必要とする。
飛行管の端部にある位置敏感型検出器を、イオンビームをラスター化するためのシステムとともに利用して、イオン検出の効率を高めることが開示されている(例えば特許文献2参照)。
米国特許第5,396,065号 米国特許第6,521,887号
しかしながら、飛行時間質量分析計のための改善された装置及び方法が依然として必要とされている。
本発明は、長手方向の主軸(例えば飛行管の主軸)を有する飛行管と、飛行管の主軸に沿った飛翔経路を有するイオンを生成するための手段と、静電偏向のための手段と、少なくとも1つのイオン検出器とを備えているイオンを分析するための装置を含む。静電偏向のための手段は、飛行管の主軸に対して平行に配置されている。さらに、静電偏向のための手段は制御可能であり、少なくとも1つの第1の無偏向状態と、少なくとも1つの第2の偏向状態とを有する。少なくとも1つの第2の偏向状態では、イオンの少なくとも一部が、飛行管の主軸に対して実質上直交する飛翔経路に偏向される。主軸に対して実質上直交する飛翔経路内に偏向されるイオンの少なくとも一部が検出器に衝突、作用するように、少なくとも1つのイオン検出器が、主軸に対して実質上平行な飛行管内に配置されている。
静電偏向のための手段には、飛行管の長手方向の軸に対して実質上平行な、飛行管内の位置に配置されているイオン検出器パルサ電極が含まれる。いくつかの実施形態では、飛行管の主軸に沿って進行するイオンが、実質上2つの電極間を通過するように、イオン検出器パルサ電極は、飛行管内に配置されている第2のグリッド電極と対をなす。
イオン検出器を位置敏感型検出器とすることができる。さらに、イオン検出器を、単一の検出器又は複数の検出器とすることができる。
本発明の装置を利用するイオンの分析方法も提供する。
本発明は、ある範囲の質量対電荷比を有する選択されたイオン又は一群のイオンに対するイオンを容易に検出する装置及び方法を提供する。その装置は、従来の飛行時間質量分析計と比較して、イオンのパケットの発射間の「待機時間」を短縮できるようにする飛行時間質量分析計である。これは、イオン源において形成されるイオンをより効率的に使用することによって感度を高めることができ、分析の速度を速めることができる。さらに、イオンのパケットに対して連続してイオン検出する従来の飛行時間質量分析計とは異なり、本発明の飛行時間質量分析計は、イオンのパケットの中のイオンを同時に検出できるようにして、同位体分布に対する精度を高めるのを容易にし、かつ正確に質量を測定することができる。また、本発明の質量分析計を利用して、複雑なスペクトル復号化を使用することなく、質量スペクトルを獲得することができる。
一実施形態では、検出器の配置が変更可能である。検出器の配置を変更可能にすることによって、飛行時間質量分析計の構成の自由度を大きくすることができ、分解能及び速度パラメータを調整して、飛行時間質量分析計における特定の分析のための速度と分解能との間のバランスを最適化することができる。これらの調整は、ハードウエア及びソフトウエアを大幅に変更することなく達成することができる。
図1は、従来技術による従来の飛行時間質量分析計10を示す。飛行管26の第1の端部23に位置するイオン源20がイオン12、14、16を生成する。イオン12、14、16は加速電界22内に送出される。通常、加速電界22は、平面電極及び網状格子から構成されている。加速電界22に電気パルスが印加されるとき、全ての質量対電荷比を含むイオンのパケットが形成され、そのパケットが加速されて飛行管26の電界が存在しない領域24に入る。イオンパケットの加速の方向は、飛行管の主軸27に対して実質上平行な経路において、飛行管26の第2の端部28に向かっている。従来の飛行時間質量分析計10用の飛行管26は、通常、導電性の円筒であり、長さが直径よりも相当に長い。
従来の飛行時間質量分析計では、イオン検出器25が、電界が存在しない領域の端部である、飛行管26の第2の端部28に配置されている。同じ電気パルスによって加速される例示的なイオン12、14、16の場合、同じ運動エネルギーにおいて、質量対電荷比の低いイオンは、質量対電荷比の高いイオンよりも速く、電界が存在しない領域24を介して移動する。図1に示すように、イオン16はイオン12及び14よりも低い質量対電荷比(例えばm/z比)を有し、イオン14はイオン12よりも低いm/z比を有する。イオン12、14、16は、イオン検出器25に衝突し、順に検出される。
図2は、飛行時間質量分析計100の1つの例示的な実施形態を示す。イオン源20がイオンを生成し、そのイオンは加速電界22の中に送出される。加速電界22を、例えば、平面電極及び網状格子から構成することができる。加速電界22に電気パルスが印加され、試料によって生成された全ての質量対電荷比を含むイオンのパケットが形成され、そのパケットは加速されて、飛行管26の内部領域124に入る。内部領域124には、イオンが内部領域124に入る時点で、電界が存在しない。加速電界22を出るイオン(この例では、例示的なイオン12、14、16)は、最初、飛行管の主軸27に対して実質上平行な飛翔経路に従う(例えば、最初に、それらのイオンは従来の飛行時間質量分析計と同じ飛翔経路に従う)。イオン源の構成及び加速電界の構成は、イオンのパケットを生成するための装置及び方法の例示である。当業者にとって既知である他の装置及び方法が、本発明を実施する際に利用するのに適している場合もある。
図2に示す例示的な実施形態では、飛行管26が構成され、飛行管26に沿って1組の電極30、32が配置されている。それらの電極は、互いに対して平行に、かつ飛行管の主軸27に対して実質上平行に配置されている。第1の電極30はイオン検出パルサ電極である。第2の電極32は格子電極である。1つの例示的な実施形態では、イオン検出パルサ電極30は平面電極であり、格子電極32は1つ又は複数の網状格子で構成されている。飛行管の第1の端部23にある加速電界22から、飛行管の主軸27に対して実質上平行な飛翔経路で、飛行管の第2の端部28に向かって進行するイオンが、イオン検出パルサ電極30と格子電極32との間を通過するように、それらの電極は離隔して配置されている。
イオン検出パルサ電極30及び網状格子電極32は、第1の状態と、少なくとも1つの第2の状態とを有する。第1の状態では、イオン検出パルサ電極30及び格子電極32は、どちらも飛行管26と同じ電位にある。この第1の状態では、飛行管26内の第1の電極30と第2の電極32との間の領域は、電界が存在しない領域である。異なる質量対電荷比(この例では、例示的なイオン12、14、16)のイオンが、従来の飛行時間質量分析計の場合と同様に、その質量対電荷比に従って、飛行管に沿って、空間内で互いに間隔をもって進行する。ある時点tにおいて、例示的なイオン12は点Aに到着し、例示的なイオン14及び16はそれぞれ、点B及び点Cに到着する。時刻tにおいて、イオン検出パルサ電極30に電気パルスが印加される。これにより第2の状態が生み出され、イオン検出パルサ電極30と格子電極32との間の内部領域124にはもはや電界の存在しない状態ではなく、例えば、イオン検出パルサ電極30と格子電極32との間に横断加速電界が確立される。第2の状態では、図2に示すように、イオン(例えば、この図では、例示的なイオン12、14、16)は、飛行管の主軸27に対して実質上直交する飛翔経路で、格子電極32に向かって加速される。主軸27に対して実質上平行な位置敏感型イオン検出器40が、格子電極32と、飛行管26の壁部29との間に配置される。位置敏感型検出器40は、偏向したイオンを検出し、質量スペクトルを生成するデータを収集する。代替的に、検出器40は、壁部29に、又は壁部29の中に配置することができる。
通常、イオン検出パルサ電極30に電気パルス(例えば、イオン検出パルス)を印加することは、加速電界22に電気パルス(例えば、イオン加速パルス)を適用すること、及びイオンのパケットを形成することと同期して行われる。イオン検出パルサ電極30を、単一の電極として示す。イオンを飛行管26に沿って1つ又はそれ以上の特定の場所において直交する方向に偏向できるように、多数のイオン検出パルサ電極を用いることができ、及び/又はイオン検出パルサ電極を分割化又はセグメント化することができる。同様に、実施形態によっては、格子電極32として、多数の電極を用いることができ、及び/又は格子電極32を分割化することができる。
検出器に衝突するイオンの質量対電荷比は以下の式によって求められる。
m/q=2U(t/L)2
ただし、Uはイオン加速電界に印加される加速電圧であり、tはイオン加速パルスとイオン検出パルスとの間の遅延時間であり、Lは本発明の装置のための位置敏感型検出器で測定される位置であり(検出器が、イオン源を支持する端部とは反対側の飛行管の端部に配置される従来の飛行時間装置の場合、Lは飛行管の長さである)、mは質量であり、qは電荷である。
イオン検出パルスと、検出器40へのイオンの到着との間には、短い付加的な遅延時間があるので、全遅延時間は未知である。その装置は、既知の質量対電荷比(m0/q0)を有する試料で較正され、係数cが求められる。
c=2Ut2=L2(m0/q0)
したがって、例えば、その装置において分析されるとき、未知のイオンの質量対電荷比は以下の式によって求められる。
m/q=c(1/L2)
いくつかの実施形態では、上記のイオン検出のための装置及び方法は、従来の飛行時間質量分析計10と比べて、より迅速な検出、例えばより迅速な分析をもたらす。例えば、従来の飛行時間質量分析計10では、全ての質量対電荷比を検出するのに必要な時間は、対象となる最大質量対電荷比によって割り出される。例えば、飛行管が1メートルで、イオン加速電圧が1000ボルトの従来の飛行時間質量分析計10では、質量対電荷比が500のイオンのための検出時間はマイクロ秒(μs)単位で、以下の計算のように約49マイクロ秒(μs)である。
t=70(m/U)1/2L[μs]
=70×(500/1000)1/2×1
=49[μs]
対照的に、飛行時間質量分析計100における質量分析に必要とされる時間は、対象となる最小質量対電荷比によって割り出される。例えば、対象とする最小質量対電荷比が5である場合には、全ての質量対電荷比のイオンを検出するのにかかる時間は、以下で計算されるように約4.9マイクロ秒(μs)である。
t=70(m/U)1/2L[μs]
=70×(5/1000)1/2×1
=4.9[μs]
この例示の場合、質量対電荷分析は、従来の装置の場合よりも、ここに開示する装置及び方法において約10倍速く達成される。したがって、その例示のためのデューティサイクルは約10倍大きくなる。この例は、従来の装置10及び本発明の装置100において分析時間がいかに計算されるかを例示しており、それらの値は、例えば、上記のように、飛行管の長さ及びその計算を左右する質量対電荷比のようなパラメータに応じて変化する。
上記の装置において、市販の位置敏感型検出器を利用することができる。しかしながら、特別に設計又は構成された検出器を好適に利用することができる。本発明の飛行時間装置の質量分解能は、位置敏感型検出器の分解能によって概ね決定される。検出時刻において、質量対電荷比 m及びm+Δmの分離は、μs単位のtを使用して、以下の式によって与えられる。
ΔL=-(1/2)(Δm/m)L
=-(1/2)(Δm/m)(0.014(U/m)1/2t)
m=500及びm+Δm=501の質量対電荷比を分離する場合、
ΔL=-(1/2)(Δm/m)L
=-(1/2)(Δm/m)(0.014(U/m)1/2t)
=-(1/2)×(1/500)×0.014×(1000/500)1/2×4.9
=1×10-4[m]
=100[μm]
こうして、この代表的な例では、m=500及びm+Δm=501を検出するために、100マイクロメートル(μm)の分解能を有する位置敏感型検出器が必要とされる。そのような検出器は、例えば、Del Mar Ventures(4119 Twilight Dr., San Diego, CA92103, USA)によって市販されている。
本発明の飛行時間質量分析計100の1つの例示的な実施形態では、位置敏感型検出器は必ずしも必要とされない。図3に示すように、検出器42は分割化されている。分割化された検出器42は、対象となる特定の質量対電荷比のイオンを検出するために選択された位置において、飛行管26に沿って配置される線形形式の複数の短い検出器部分142、143、144を含む。実施形態によっては、いくつかの位置敏感型検出器、又は物理的にセグメントに分割されている単一の位置敏感型検出器が、検出器部分142、143、144を形成する。代替的に、用途によっては、小型の従来の検出器が、検出器部分142、143、144を形成するのに適している場合もある。図3に示すような、3つの検出器部分142、143、144は例示である。分割化されている検出器42は、少なくとも2つの検出器部分を有することになるが、さらに多くの検出器を有することもできる。本明細書において用語「分割(セグメント)化されている検出器」を使用するとき、複数の従来の検出器、複数の位置敏感型検出器、又はそれらの組み合わせを含む複数の検出器部分を含むものと解釈されるべきである。さらに、複数の検出器部分を、個別の検出器とすることができ、又は単一の検出器を複数の区域に物理的に分割することによって得ることもできる。従来の位置敏感型検出器又は小型の位置敏感型検出器のいずれを利用する場合でも、装置コストを削減することができるという利点がもたらされる。検出器42を分割化する実施形態では、検出器部分142、143、144が、同じ分解能を有していても、異なる分解能を有していてもよい。例えば、低い質量対電荷比のイオンを検出する場合、高い質量対電荷比のイオンを検出する場合よりも、分解能が低い検出器を使用することができる。
図4は、本発明の別の例示的な実施形態を示す。図4の実施形態では、位置敏感型検出器44は、飛行管26の長さよりも著しく短い長さを有する。位置敏感型検出器44は、飛行管26の主軸27に対して平行な方向で移動可能である。この実施形態の例示的な用途は、対象となる成分をほとんど、又はわずかしか含まない試料の場合である。検出器は、特定の成分を検出するために、特定の位置に移動される。これは、例えば、分析の焦点を1つの特定のイオンに合わせるような分析を容易にする。
図5及び図6は、飛行時間質量分析計100の2つの例示的な実施形態の概略的な断面図を示す。図5では、イオン検出器パルサ電極30及び格子電極32が飛行管26の内側に配置されている。この図に示すように、検出器40を、格子電極32と飛行管壁29との間の、飛行管壁29の内側に配置することができる。代替的には、検出器40を、飛行管壁29と一体化されている構成要素とすることもできる。
図6は、飛行時間質量分析計100の一実施形態の断面図を示す。図6に示す実施形態では、イオン検出パルサ電極30及び格子電極32は、飛行管壁29と一体化されている構成要素である。図6に示す実施形態では、イオン検出パルサ電極30に印加される電圧は、イオンが飛行管26の主軸27に対して実質上平行な飛翔経路に従うときの第1の状態では、飛行管26の電圧と同じであり、第2の状態を作り出し、第1の状態の飛翔経路に対して直交する飛翔経路にイオンを偏向するために、イオン検出パルサ電極30に異なる電圧が印加される。第2の状態では、イオンは、格子電極32及び検出器40に向かって偏向される。図6に示す実施形態では、イオン検出パルサ電極30を、飛行管壁構造と一体化されている構成要素として示しているが、イオン検出パルサ電極30が飛行管26から電気的に絶縁されるべきであることに留意されたい。
図に示さない本発明の別の実施形態では、格子電極が存在しない。この実施形態では、他の実施形態の場合に記述されるようなイオン検出パルサ電極30を利用することができる(例えば、イオン検出器パルサ電極30は、飛行管26の主軸27に対して実質上平行に配置され、かつ飛行管壁から電気的に絶縁されている)。イオン検出パルサ30を、飛行管壁29と一体化されている構成要素とすることができ、又は、飛行管壁29と、イオンがイオン加速電界22から放出されるときのイオンの飛翔経路との間に配置することができる。加速電界22から放出されるイオンの飛翔経路が、イオン検出パルサ電極30と検出器40の間を通り抜けるように、少なくとも1つの検出器40は、イオン検出パルサ電極30と反対側にある飛行管壁29の近くの位置、又はその中の位置に配置されている。
イオンが飛行管26の主軸27に対して実質上平行な、飛行管26内の飛翔経路に従う第1の状態では、イオン検出パルサ電極30に対して印加される電圧は、飛行管26に印加される電圧と同じである。検出において、イオンの少なくとも一部が主軸27に対して実質上直交する飛翔経路に偏向される第2の状態を作り出すために、イオン検出パルサ電極30に異なる電圧が印加される。その後、偏向されたイオンの少なくとも一部が、飛行管壁29の近く、又はその中に配置されている検出器40に衝突、作用する。
上記の説明は、本発明の数多くの例示的な方法及び実施形態を開示し、記述するものである。本発明が、本発明の精神又は本質的な特徴から逸脱することなく、他の具体的な形態において具現できることは当業者には理解されよう。したがって、本発明の開示は、添付の特許請求の範囲の記載において画定される本発明の範囲を例示することを意図しており、限定することを意図していない。
従来技術による従来の飛行時間質量分析計の概略図である。 イオン検出パルサ電極に電気パルスを印加するときの、本発明の飛行時間質量分析計の一実施形態の概略図である。 イオン検出パルサ電極に電気パルスを印加するときの、複数の検出器を有する本発明の飛行時間質量分析計の一実施形態の概略図である。 イオン検出パルサ電極に電気パルスを印加するときの、可動検出器を有する本発明の飛行時間質量分析計の一実施形態の概略図である。 イオン検出パルサ電極に電気パルスを印加するときの、本発明の飛行時間質量分析計の一実施形態の概略的な断面図である。 イオン検出パルサ電極に電気パルスを印加するときの、本発明の飛行時間質量分析計の一実施形態の概略的な断面図である。
符号の説明
12、14、16 イオン
20 イオン源
22 加速電界
23 第1の端部
26 飛行管
27 主軸
28 第2の端部
29 壁部
30、32 電極
40 イオン検出器
100 飛行時間質量分析計
124 内部領域

Claims (10)

  1. 飛行時間質量分析計の飛行管内でイオンを検出するための装置(100)であって、
    主軸(27)を有する飛行管(26)と、
    前記飛行管内のイオンを、実質上前記主軸に沿った飛翔経路から、前記主軸に対して実質上直交する飛翔経路に偏向する少なくとも1つの状態を有する制御可能な電極(30)と、
    前記飛行管内で前記主軸に対して直交する前記飛翔経路に偏向されたイオンを受容するように配置されているイオン検出器(40)と
    を備えている装置。
  2. 前記制御可能な電極の前記状態を、イオンを生成する手段と同期させるための手段をさらに備えている請求項1記載の装置。
  3. 前記イオン検出器が位置敏感型検出器である請求項1又は2記載の装置。
  4. 前記イオン検出器が、前記主軸に対して平行な方向で移動可能である請求項1〜3のいずれか一項記載の装置。
  5. 前記イオン検出器が分割化された検出器である請求項1〜3のいずれか一項記載の装置。
  6. 前記制御可能な電極がイオン検出パルサ電極である請求項1〜5のいずれか一項記載の装置。
  7. 前記主軸に対して平行に配置されている第2の電極(32)をさらに備え、前記制御可能な電極がイオン検出パルサ電極であり、前記第2の電極が格子電極である請求項1〜6のいずれか一項記載の装置。
  8. イオン源領域(20)から検出領域までのイオンの飛行時間を利用することによってイオンを分析する方法であって、
    飛行管の主軸に沿った飛翔経路を有するイオンを生成し、
    前記イオンの少なくとも一部を偏向して、偏向されたイオンを生成し、該偏向されたイオンが前記飛行管の前記主軸に対して実質上直交する飛翔経路に沿って、前記飛行管内の前記検出領域まで進行し、該検出領域が前記主軸に対して実質上平行であり、及び
    前記偏向されたイオンの前記検出領域への到着を検出することからなる方法。
  9. 前記検出領域において前記偏向されたイオンが到着する位置を検出することをさらに含む請求項9記載の方法。
  10. 前記偏向することが、前記イオンを生成することと同期してパルス動作で行われる請求項8又は9記載の方法。
JP2006172082A 2005-06-22 2006-06-22 直交パルスイオンを検出する飛行時間質量分析計 Pending JP2007005307A (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US11/157,907 US7388193B2 (en) 2005-06-22 2005-06-22 Time-of-flight spectrometer with orthogonal pulsed ion detection

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007005307A true JP2007005307A (ja) 2007-01-11

Family

ID=37075857

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006172082A Pending JP2007005307A (ja) 2005-06-22 2006-06-22 直交パルスイオンを検出する飛行時間質量分析計

Country Status (3)

Country Link
US (1) US7388193B2 (ja)
EP (1) EP1737018A3 (ja)
JP (1) JP2007005307A (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2480660B (en) * 2010-05-27 2012-07-11 Thermo Fisher Scient Bremen Mass spectrometry detector system and method of detection
DE102011004725A1 (de) 2011-02-25 2012-08-30 Helmholtz-Zentrum Potsdam Deutsches GeoForschungsZentrum - GFZ Stiftung des Öffentlichen Rechts des Landes Brandenburg Verfahren und Vorrichtung zur Erhöhung des Durchsatzes bei Flugzeitmassenspektrometern
GB201104220D0 (en) * 2011-03-14 2011-04-27 Micromass Ltd Ion guide with orthogonal sampling
US10354137B2 (en) * 2016-09-30 2019-07-16 Intel Corporation Robust monitoring gauges
CN116660358B (zh) * 2023-08-01 2023-11-24 浙江迪谱诊断技术有限公司 一种高分辨飞行时间质谱检测方法

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2642535A (en) * 1946-10-18 1953-06-16 Rca Corp Mass spectrometer
US5396065A (en) * 1993-12-21 1995-03-07 Hewlett-Packard Company Sequencing ion packets for ion time-of-flight mass spectrometry
US5689111A (en) * 1995-08-10 1997-11-18 Analytica Of Branford, Inc. Ion storage time-of-flight mass spectrometer
DE19541089A1 (de) * 1995-11-03 1997-05-07 Max Planck Gesellschaft Flugzeit-Massenspektrometer mit positionssensitiver Detektion
US6646252B1 (en) * 1998-06-22 2003-11-11 Marc Gonin Multi-anode detector with increased dynamic range for time-of-flight mass spectrometers with counting data acquisition
US6521887B1 (en) * 1999-05-12 2003-02-18 The Regents Of The University Of California Time-of-flight ion mass spectrograph
US6815669B1 (en) * 1999-07-21 2004-11-09 The Charles Stark Draper Laboratory, Inc. Longitudinal field driven ion mobility filter and detection system
CA2448990C (en) * 2001-05-25 2011-04-26 Ionwerks, Inc. A time-of-flight mass spectrometer for monitoring of fast processes
US7041968B2 (en) 2003-03-20 2006-05-09 Science & Technology Corporation @ Unm Distance of flight spectrometer for MS and simultaneous scanless MS/MS
US6983213B2 (en) * 2003-10-20 2006-01-03 Cerno Bioscience Llc Methods for operating mass spectrometry (MS) instrument systems

Also Published As

Publication number Publication date
US20070023636A1 (en) 2007-02-01
US7388193B2 (en) 2008-06-17
EP1737018A2 (en) 2006-12-27
EP1737018A3 (en) 2008-05-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10923339B2 (en) Orthogonal acceleration time-of-flight mass spectrometry
US8847155B2 (en) Tandem time-of-flight mass spectrometry with simultaneous space and velocity focusing
JP4796566B2 (ja) タンデム型イオントラップ飛行時間質量分析器
JP4649234B2 (ja) 垂直加速型飛行時間型質量分析計
JP4033133B2 (ja) 質量分析装置
US8648295B2 (en) Combined distance-of-flight and time-of-flight mass spectrometer
JP2007526458A (ja) 試料を質量分析するための方法およびシステム
WO2016027833A1 (ja) 飛行時間型質量分析装置
US5654543A (en) Mass spectrometer and related method
JP2011210698A (ja) タンデム型飛行時間型質量分析装置
US20030183758A1 (en) Time of flight mass spectrometry apparatus
JP2007005307A (ja) 直交パルスイオンを検出する飛行時間質量分析計
US8354635B2 (en) Mass spectrometer
JP6202214B2 (ja) 飛行時間型質量分析装置
JPH11297267A (ja) 飛行時間型質量分析装置
US6469296B1 (en) Ion acceleration apparatus and method
US8314381B2 (en) Reflector for a time-of-flight mass spectrometer
JP3761752B2 (ja) 周回軌道を有する飛行時間型質量分析装置
JP2011529247A (ja) イオン軸方向空間分布の収束方法と装置
US7755035B2 (en) Ion trap time-of-flight mass spectrometer
JP5243977B2 (ja) 垂直加速型飛行時間型質量分析計
US6791079B2 (en) Mass spectrometer based on the use of quadrupole lenses with angular gradient of the electrostatic field
JP2006294428A (ja) 飛行時間型質量分析装置
Bodzon‐Kulakowska et al. 4.2 Analyzers
GB2361806A (en) Time of flight mass spectrometry apparatus