JP2007003649A - 液晶表示装置及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】多重マトリクス方式とフィールドシーケンシャル駆動を採用することで、クロストークの発生を抑制する。
【解決手段】 複数の走査線と複数のデータ線との交差に対応して設けられた複数の画素に夫々設けられたスイッチング素子と、1フレームを複数のサブフレームに分割するとともに当該サブフレームの間にオフライン期間を設け、前記複数の走査線をブロック化して共通接続し、前記サブフレーム毎に前記ブロックに対して選択信号を順次供給する走査信号供給手段と、前記サブフレームにおいて所定色画像のデータ信号を前記データ線を介して画素に供給するデータ信号供給手段と、前記オフライン期間において前記所定色画像に対応する光を前記画素に照射する照明装置と、具備したことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、小型化、高解像度化、高輝度化が要求されるものに好適な液晶表示装置及び電子機器に関する。
液晶表示装置は、ガラス基板、石英基板等の2枚の基板間に液晶を封入して構成される。各基板には電極を設け、電極に印加する駆動信号によって、各基板の電極相互間の液晶の光学特性を変化させる。即ち、各基板の電極相互間の液晶に画像信号に基づく電圧を印加することで、各画素の光の透過率を画像信号に応じて変化させて画像表示を行うのである。
アクティブマトリクス駆動方式の液晶表示装置においては、一方の基板の電極にはスイッチング素子を介して駆動信号を供給する。スイッチング素子として、TFT(薄膜トランジスタ)駆動素子を用いたものの他に、MIM駆動素子等の双方向ダイオード特性を有する2端子型非線形素子を用いたものがある。MIM駆動素子等は、急峻なしきい値を持つため、スイッチング素子を用いない単純マトリクス駆動方式と比較すると画素間におけるクロストークの問題が少ない点で有利であり、TFT駆動素子と比較すると、素子構成や製造工程が比較的簡易な点で有利である。
この種のMIM駆動素子等を用いた液晶表示パネルにおける階調表示は、データ側ドライバ回路として2値ドライバ回路を使用し、例えばPWM(パルス幅変調)のように、各駆動素子を選択する期間である1選択期間中のデータ信号の2値(オン又はオフ)を取る時間的な割合を階調レベルに応じて制御することにより行うのが一般的である。
即ち、各走査線(電極)に、選択期間を規定する幅及びMIM駆動素子のしきい値電圧よりも低い所定の電圧値(波高値)を有するパルス状の走査信号VSを供給する。他方で、この選択期間に、走査線に液晶を挟んで対向する画素電極に対して、データ線からMIM駆動素子を介して所定の電圧値(波高値)を有するパルスからなるデータ信号VDを供給する。
選択期間内における、これらの電圧値の差(VS−VD)がMIM駆動素子のしきい値電圧を越えるように設定しておけば、両者が供給された画素においてのみMIM駆動素子がオン状態とされる。この結果、液晶を挟んで走査線(対向電極)及び画素電極間に電圧が充電され、即ち液晶には印加電圧が印加される。
選択期間以外の期間はMIM駆動素子はオフであり、MIM駆動素子及び液晶層の抵抗は十分に高く、液晶層の印加電圧は保持される。従って、各画素の液晶層に電荷を印加するのは一部の期間のみでよい。従って、液晶表示装置では、水平及び垂直方向に夫々延在する走査線及びデータ線の交点に対応してマトリクス状に画素を構成して、走査線及びデータ線を複数の画素について共通化した時分割マルチプレックス駆動が可能となる。
即ち、液晶表示装置では、同一データ線に接続された複数の画素電極のうち、選択された走査線に対向する画素電極のみが選択期間となって書込みが行われ、他の走査線に対向する画素電極は非選択期間となって、書込みまれた電圧を保持する。走査線を順次選択することで、1画面の表示が可能である。
このようなMIM液晶表示装置の駆動方法については、特許文献1等に詳述されている。
特開2002−40978公報
ところで、MIM駆動素子及び液晶は、電気的には、抵抗と容量との並列回路で表される。即ち、走査線とデータ線との間に、抵抗及び容量で表されるMIM駆動素子及び液晶が接続されることになる。このMIM駆動素子及び液晶の容量成分によって、データ信号がオンからオフに切換るときに、走査信号にスパイクノイズによるクロストークが現れるという不具合がある。
この場合でも、1走査線に対向する各画素電極に印加する信号がオフからオンに切換るタイミングが相互に異なる場合には、特には問題は生じない。しかし、例えば、一部の領域に同一輝度のグレー表示が行われる場合のように、複数のデータ線が同時にオフからオンに切換ると、走査信号には比較的大きなスパイクノイズが現れてしまう。そうすると、スパイクノイズの影響によって、電極相互間の液晶に印加される電位差が小さくなってしまい、ノーマリホワイトでは白表示に近い表示が行われてしまう。
次に、スパイクノイズによるクロストークの発生原理を説明する。
いま、ノーマリホワイトモードにおいて、例えば、画面中央に黒窓の領域を表示し、他の部分は同一輝度レベルのグレー表示領域であるものとする。黒窓が表示されていないラインにおいては、データ信号のオフからオンへの切換りが全てのデータ線において同時に発生して、走査線には大きなスパイクノイズが生じる。一方、黒窓が表示されている走査線には、黒窓部分においてはデータ信号がオフのままであり、データ信号のオンからオフへの切換りが黒窓部分以外のデータ線のみにおいて発生するので、走査線に発生するスパイクノイズは比較的小さい。そうすると、黒窓が表示されている走査線においては、黒窓が表示されていない領域よりもスパイクノイズの影響が小さく、電極相互間の印加電圧が比較的大きくなり、ノーマリホワイトでは黒っぽく表示されてしまう。
こうして、黒窓が表示されている走査線においては、黒窓の両側において、他の部分よりも黒っぽい画像が表示されてしまう。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、多重マトリクス方式とシーケンシャル駆動方式とを利用することで、クロストークを抑制することができる液晶表示装置及び電子機器を提供することを目的とする。
本発明に係る液晶表示装置は、複数の走査線と複数のデータ線との交差に対応して設けられた複数の画素に夫々設けられたスイッチング素子と、1フレームを複数のサブフレームに分割するとともに当該サブフレームの間にオフライン期間を設け、前記複数の走査線をブロック化して共通接続し、前記サブフレーム毎に前記ブロックに対して選択信号を順次供給する走査信号供給手段と、前記サブフレームにおいて所定色画像のデータ信号を前記データ線を介して画素に供給するデータ信号供給手段と、前記オフライン期間において前記所定色画像に対応する光を前記画素に照射する照明装置と、具備したことを特徴とする。
このような構成によれば、走査信号供給手段は、複数の走査線をブロック化して共通接続し、サブフレーム毎にブロックに対して選択信号を順次供給する。即ち、走査信号供給手段によって多重マトリクス方式が採用される。また、データ信号供給手段は、サブフレームにおいて所定色画像のデータ信号をデータ線を介して画素に供給する。また、照明装置は、オフライン期間に、所定色画像に対応する光を画素に照射する。これにより、フィールドシーケンシャル駆動が行われる。多重マトリクス方式では走査線を共通接続する配線の低抵抗化が可能であるが、開口率が低くなりやすく輝度が低下しやすい。一方、フィールドシーケンシャル駆動では、開口率を高くして輝度を向上させることができる。これにより、輝度を低下させることなく、配線の低抵抗化によってクロストークを抑制することができる。
また、前記共通接続された配線の線幅を前記走査線における線幅より太くすることを特徴とする。
このような構成によれば、配線を低抵抗化することができるので、例えば走査線に生じたノイズによるレベル変動を比較的短時間に元のレベルに復帰させることができ、クロストークを抑制することができる。
また、前記スイッチング素子は、前記データ線からのデータ信号を前記画素を構成する画素電極に供給することを特徴とする。
また、前記スイッチング素子は、2端子素子であることを特徴とする。
また、本発明に係る電子機器は、上記液晶表示装置を用いて構成したことを特徴とする。
このような構成によれば、サイズを大きくすることなく、輝度を向上させると共にクロストークを抑制することができ、小型に構成できると共に、高画質の表示が可能である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る液晶表示装置を示す説明図である。図1は主に電気的な構成を示すものであるが、機械的な構成についても示している。本実施の形態における液晶表示装置は2端子スイッチング素子であるTFD(Thin Film Diode:薄膜ダイオード)を用いたものである。
<構成>
図1において、液晶パネル10には、奇数走査線(コモン電極)21a及び偶数走査線21b(以下、両者を区別しない場合には走査線21という)が行(X)方向に複数延在して形成される一方、奇数データ線(セグメント電極)31a及び偶数データ線31b(以下、両者を区別しない場合にはデータ線31という)が列(Y)方向に複数延在して形成される。合わせてm本の走査線21と合わせて2n本のデータ線31a,31bとの各交差に対応してm×n個のマトリクス状に画素40が形成されている。
液晶パネル10は、一対の基板11,12を対向配置し、両基板相互間に液晶13を封入した構成である。即ち、観察者側に位置する対向基板12と、その背面側に位置する素子基板11とが、スペーサを兼ねる導電性粒子が混入されたシール材(図示省略)によって一定の間隙を保って貼り合わせられている。両基板11,12の間隙に、例えばTN(Twisted Nematic)型の液晶13が封入された構成となっている。
各基板11,12に、走査線21、データ線31及びTFD41を構成するようになっている。対向基板12の液晶対向面には、行(X)方向に延在して形成されるm本の走査線21のほか、図示しない配向膜が形成されてラビング処理が所定の方向に施されている。対向基板12に形成された走査線21は、シール材に混入された導電性粒子を介して、各走査線21と1対1に対応する配線21cであって、素子基板11に形成された配線21cの一端に接続されている。即ち、対向基板12に形成された走査線21は、導電性粒子および配線21cを介して、素子基板11側に引き出された構成となっている。
また、素子基板11の液晶対向面には、Y(列)方向に延在して形成される2n本のデータ線31に隣接して、各走査線21の幅に対応した矩形状の画素電極43(図3参照)が形成されるほか、配向膜(図示省略)が形成されてラビング処理が所定の方向に施されている。
各データ線31と、各データ線31に隣接する画素電極43との間には、夫々スイッチング素子の一例であるTFD41が形成されている。TFD41がオンとなることで、各データ線31の1列当たりm個の画素電極43は、各データ線31を介してデータ信号が供給される。
なお、TFD41は、タンタル単体やタンタル合金等から形成されて、データ線31に接続された第1の導電体と、この第1の導電体を陽極酸化して形成される絶縁体と、絶縁体上に形成されて画素電極に接続されるクロム等の第2の導電体とによって構成される。このように、TFD41は、導電体/絶縁体/導電体のサンドイッチ構造を有し、電流−電圧特性が正負双方向にわたって非線形となるダイオードスイッチング特性を有する。
素子基板11上の各画素電極43は液晶13を介して対向基板12上の走査線(コモン電極)21と対向する。液晶13は電気的には液晶容量42として表すことができる。図1に示すように、走査線21とデータ線31との間には、液晶容量42、画素電極43(図1では図示省略)及びTFD41が介在することになる。即ち、電気的に見れば、各画素40は、液晶容量42と、TFD41との直列接続によって構成される。
液晶パネル10を構成する素子基板11上には、画素40が構成された表示領域以外の領域において、走査線21及びデータ線31を駆動するための液晶駆動装置51が形成されている。走査信号供給手段及びデータ信号供給手段としての液晶駆動装置51は、COG(Chip On Glass)技術により実装されている。液晶駆動装置51は、走査線21に走査信号を供給すると共に、データ線31にデータ信号を供給する。
また、素子基板11上には、図示しないFPC(Flexible Printed Circuit)基板等が取り付けられて、タイミングコントローラ52からの各種信号が液晶駆動装置51に供給されるようになっている。
なお、図1における液晶駆動装置51の素子基板11上の配置は一例を示したものであり、図1の配置に限定されるものではない。また、液晶駆動装置51を素子基板11にCOG実装するのではなく、例えば、TAB(Tape Automated Bonding)技術を用いて、各ドライバが実装されたTCP(Tape Carrier Package)を、基板の所定位置に設けられる異方性導電膜により電気的及び機械的に接続する構成としてもよい。
対向基板12の外側(観察側)の面には図示しない偏光子が貼り付けられて、その吸収軸は、対向基板12に形成した配向膜へのラビング処理の方向に対応して設定されている。また、素子基板11の外側(観察側の反対側)の面にも図示しない偏光子が貼り付けられて、その吸収軸は、素子基板11に形成した配向膜へのラビング処理の方向に対応して設定されている。
なお、図1では、図面の簡略化のために、走査線21の総数を8本とし、データ線31の総数を10本として、8行×5列のマトリクス型表示装置として説明するが、本発明をこれに限定する趣旨ではない。
本実施の形態は、複数のライン(図1では2ライン)を同時に選択する多重マトリクス方式を採用したものである。図2を参照して多重マトリクス方式について説明する。
図2は8行×9列のマトリクス型表示装置を示している。図2は四角の枠によって赤(斜線部)、緑(縦線部)、青(無地)の各サブ画素の画素電極71R,71G,71Bを示しており、これらの3つのサブ画素によって1画素71を構成するカラー表示装置の例である。赤、緑、青の3色のサブ画素によって、カラーの1画素分の表示を行うようになっている。
素子基板(図2では図示省略)側には画素電極71R,71G,71Bが構成されるのに対し、対向電極(図示省略)側には各行のサブ画素に対向して走査線(コモン電極)81a,81bが形成されている。そして、奇数行と偶数行の2本の走査線81(奇数走査線81a,偶数走査線81b)同士は接続されて、配線81cとして素子基板に配置される。配線81cを介して、これらの2本の走査線81a,81bに同時に走査信号が供給されるようになっている。
即ち、図2の例では、第1,2行目の走査線によって、第1行目と第2行目の各サブ画素が同時に選択され、次いで、第3,4行目の走査線によって第3行目と第4行目の各サブ画素が同時に選択される。以下同様に、2ラインの走査線に接続された奇数行と偶数行の全サブ画素が同時に選択される。
また、2重マトリクス方式では、奇数行のサブ画素に供給するデータ信号と偶数行のサブ画素に供給するデータ信号とは、相互に異なるデータ線91(奇数データ線91a,偶数データ線91b)によって伝送される。従って、隣接する奇数走査線81a及び偶数走査線81bが同時に選択された場合でも、各サブ画素には各サブ画素に対応するデータ信号を供給することができる。
多重マトリクス方式では、多重マトリクス方式を採用しない場合に比べて、各走査線81の選択期間を、多重数倍の時間に設定することができる。
図1においても、奇数走査線21aと偶数走査線21bとを配線21cにて共通接続して、液晶駆動装置51から共通の走査信号を供給しており、2重マトリクス方式を採用していることが分かる。また、図1においても、奇数行の各画素40には奇数データ線31aを介してデータ信号を供給し、偶数行の各画素40には偶数データ線31bを介してデータ信号を供給しており、同時に2ラインの画素に各画素に応じたデータ信号の書込みが可能である。
上述したように、これらの走査線21及びデータ線31には液晶駆動装置51によって走査信号及びデータ信号が供給されるようになっている。即ち、液晶駆動装置51は、図1の例では、走査信号Y1〜Y4を、それぞれ対応する各2本ずつの走査線21に供給する。即ち、本実施の形態においては、液晶駆動装置51は、走査線21を1水平走査期間毎に2本ずつ(奇数走査線21a及び偶数走査線21b)順次選択する。なお、選択期間の走査信号は選択電圧に設定され、非選択期間(保持期間)の走査信号は非選択電圧(保持電圧)に設定される。
また、液晶駆動装置51は、選択された走査線21に位置する画素40(画素電極43)に対し、図1の例では、データ信号X1〜X5を、表示内容に応じてそれぞれ対応するデータ線31を介して供給する。詳細には、本実施の形態においては、選択期間において、奇数行の画素には奇数データ線31aを介してデータ信号を画素電極43に供給し、偶数行の画素には偶数データ線31bを介してデータ信号を画素電極43に供給する。
液晶駆動装置51は、タイミングコントローラ52からの各種制御信号及びクロック信号を用いて、走査信号及びデータ信号を発生するようになっている。
本実施の形態においては、多重マトリクス方式を採用するだけでなく、更に、シーケンシャル駆動方式も採用するようになっている。
図3はこのシーケンシャル駆動方式を説明するためのものであり、図2に対応した説明図である。
図3の四角の枠は素子基板(図示省略)に形成される1画素の画素電極43を示している。図3の例では、シーケンシャル駆動を採用することによって、四角枠の1画素が、図2の赤、緑、青の3色のサブ画素による1画素に相当する。即ち、シーケンシャル駆動においては、全画素電極43に対して、例えば先ず図2の赤サブ画素に相当するデータを書込み、次に図2の緑サブ画素に相当するデータを書込み、最後に図2の青サブ画素に相当するデータを書込む。即ち、各画素のカラー情報を赤データ、緑データ、青データに分け、時分割に全画素に供給し(面順次)、各色毎に駆動する(色順次)ことによりカラー画像を得ている。
従って、シーケンシャル駆動では、図2の駆動方式に比べて、1/3倍の画素によって同一解像度の画像を表示することができる。つまり、1画素当たりの面積を広くとることができ、開口率を向上させて、高輝度化が可能である。
図1における各画素40は、図3の四角枠の画素電極43と同様の画素電極を有する画素である。即ち、図1の液晶駆動装置51は、カラー画像を表示するために、各画素をシーケンシャル駆動するようになっている。シーケンシャル駆動においては、補助光源としてのバックライトを必要とする。
液晶パネル10の背面には、バックライトユニット62が配設されている。バックライトユニット62は、上面が光を透過する材料で構成された略箱形状のケース61を有する。ケース61は、例えば射出成型による樹脂成型品で構成されている。ケース61の一側面には、複数の発光ダイオード(以下、LEDという)部60が配置されている。照明装置としてのLED部60は、赤光、緑光又は青光を夫々発光するLED60R,60G,60Bを有する。各LED60R,60G,60Bは、タイミングコントローラ52に個別に制御されて、ケース61の内側に向けて赤光、緑光又は青光を順次出射することができるようになっている。
ケース61内には、LED出射面に対向して、図示しない導光板が設けられている。即ち、導光板は、略板形状を有し、その一側面(入射面)がLED60R,60G,60Bの出射面に対向するように、ケース61内に配置される。導光板は、例えば、透明なアクリル樹脂で成形されており、LED60R,60G,60Bに面した一側面以外の3つの側面は、高い反射特性又は散乱特性を有する材料、例えば、白色印刷層等の反射層が形成されている。LED60R,60G,60Bに面した導光板の一側面からは、LED60R,60G,60Bからの光が入射して、導光板の内部に導かれるようになっている。
導光板は、底面及び側面の反射層によって、入射光を反射、散乱させ、上面から光を出射するようになっている。導光板の上面には、図示しない拡散シートが配置される。拡散シートは、導光板からの光を拡散して、上方に出射する。拡散シート上に、液晶パネル10が配置されている。この構成により、拡散シートからの光が液晶パネル10の表示領域に入射されるようになっている。
上述したように、表示領域の各画素40は、液晶駆動装置51によって、駆動が制御される。液晶駆動装置51は、タイミングコントローラからの信号に基づいて、表示領域の各画素の制御に同期して、LED60R,60G,60Bを発光させるようになっている。これにより、各画素を色順次で駆動すると共に、対応した色光を各画素に照射するシーケンシャル駆動が可能である。
<作用>
次に、このように構成された実施の形態の動作について図4及び図5を参照して説明する。図4はフィールドシーケンシャル駆動を説明するためのタイミングチャートであり、図4(a)はバックライトの点灯を示し、図4(c)〜(e)は夫々第1,2ライン、第3,4ライン又は第n−1,nラインの画素に対する走査信号及びデータ信号を示している。図5はクロストークを低減することできることを説明するための説明図である。
一般的な駆動方法である4値駆動法((1/2)Hセレクト、1H反転)を行う例について説明する。
各画素40の駆動とバックライトユニット62の照明とは連動して制御される。液晶駆動装置51は、1フレームを赤サブフレーム期間、緑サブフレーム期間及び青サブフレーム期間の3つの期間に分ける。
液晶駆動装置51は先ず赤サブフレーム期間を設定する。即ち、図示しない外部機器からの画像信号のうち赤画像の情報に基づく赤データ信号をデータ線31a,31bに供給する一方、1サブフレーム期間で全走査線を選択するための走査信号を走査線21a,21bに供給する。
即ち、図4(b)に示すように、(1/2)H期間に、配線81cを介して第1,第2ラインの走査線21a,21bに選択電圧の走査信号を供給する。また、液晶駆動装置51は、第1,第2ラインの選択期間((1/2)H期間)に、第1,第2ラインの各画素40に対する赤データ信号をデータ線31a,31bに出力する。奇数行の画素40の画素電極43には、データ線31a及びTFD41を介して赤データ信号が供給され、偶数行の画素40の画素電極43には、データ線31b及びTFD41を介して赤データ信号が供給される。(1/2)H期間の選択期間が終了すると、次のサブフレームの対応する期間まで走査信号は非選択電圧となる。
次に、液晶駆動装置51は、図4(c)に示すように、第3,第4ラインに選択電圧の走査信号を供給する。また、第3,第4ラインの各画素に対応する赤データ信号をデータ線31を介して各画素の画素電極43に与える。以後同様にして、第n−1,nラインの各画素に対応する赤データ信号をデータ線31を介して各画素の画素電極43に与える。なお、図4に示すように、2ライン毎に反転駆動が行われている。
これらの走査信号及びデータ信号は、タイミングコントローラ52からのタイミング信号に同期して液晶駆動装置51から出力される。こうして、全画素40の画素電極43への赤データの書込みが終了すると、全走査線が非選択電圧となっているオフライン期間において、タイミングコントローラ52がLED60Rを発光させる。
走査信号が非選択電圧の場合には、画素40は液晶42の駆動電圧を保持する。即ち、オフライン期間においては、液晶パネル10の表示領域においては、各画素の液晶は、赤画像に基づく光透過率となっている。この状態で、LED60Rから赤光が出射されて、赤光が液晶パネル10の背面から照射されるので、液晶パネル10の前面側からは赤画像が観察されることになる。
同様にして、液晶駆動装置51は、緑サブフレーム期間において、緑データ信号を全画素に書込み、LED60Gを発光させて、緑画像での表示を行う。更に、液晶駆動装置51は、青サブフレーム期間において、青データ信号を全画素に書込み、LED60Bを発光させて、青画像での表示を行う。こうして、本実施の形態においては、色順次で駆動を行うフィールドシーケンシャル駆動が行われる。なお、図4に示すように、液晶駆動装置51は、ライン反転すると共に、サブフレーム毎の反転駆動も行っている。
ところで、4値駆動法((1/2)Hセレクト、1H反転)におけるデータ信号の電圧は、正極性の選択電圧を印加する場合には、画素40をオン表示(例えば、ノーマリーホワイトモードにおいては黒色表示)とするときにはVoffとなり、画素40をオフ表示(ノーマリーホワイトモードにおいては白色表示)とするときにはVonとなる一方、負極性の選択電圧を印加する場合であって、画素40オン表示とするときにはVonとなり、画素40をオフ表示とするときにはVoffとなる。
上述したように、非選択期間においては、TFD41の抵抗は十分に大きく、液晶42の抵抗も十分に大きいので、上述した構成の画素40における1個分は、配線21cを含む走査線21の配線抵抗RCOMと、液晶42の液晶容量CLCP及びTFD41の容量CTFDの直列回路による等価回路で表すことができる。
図5は従来例における4値駆動法と本実施の形態における4値駆動法とを説明するための説明図である。図5(a)は従来例を示し、図5(b)は本実施の形態を示している。
走査信号が選択電圧Vcom(t)である期間は1/2Hである。所定のデータ線のデータ信号が図5(a)に示すように、選択期間の所定のタイミングでVonからVoffに切換ると、この切換りにより、走査線21に拡大部95に示すスパイクノイズが生じる。このスパイクノイズによる走査信号の変化分ΔVは、下記(1)式で与えられる。なお、CLCCは図2の例における液晶容量であり、VSEGは(Von−Voff)である。
ΔV=VSEG・{CTFD/(CTFD+CLCC)} …(1)
上述したように、PWM制御を行う場合に、同一輝度の画素に対するデータ信号は同一タイミングでVonからVoff(又はVoffからVon)に切換る。従って、(1)式のΔVは、同一輝度の画素にデータ信号を供給するデータ線31の数が多いほど大きくなる。
また、データ線の全本数をNallとし、VonからVoffに切換るデータ線の本数をNcとし、VoffからVonに切換るデータ線の本数をNdとすると、選択電圧Vcom(t)は下記(2)式にて表される。
Vcom(t)={(Nc−Nd)/Nall}・(Von−Voff)・Exp(−t/τ) …(2)
なお、τは、選択電圧がΔVだけ低いスパイクノイズのレベルから通常のレベルに復帰するまでの時間である。
また、τは下記(3)式にて表される。なお、USEGはデータ線の本数である。
τ=(CLCC+CTFD)・USEG・RCOM …(3)
ΔV及びτが大きいほど、選択電圧とデータ信号のオンオフ電圧との差が小さくなり、スパイクノイズがない場合の輝度との差が大きくなる。
本実施の形態においては、フィールドシーケンシャル駆動を採用しており、図2及び図3に示すように、解像度を変えなければ、1ライン当たりの画素数を1/3に低減することができる。従って、データ線数も通常の場合の1/3となる。従って、上記(3)式は、本実施の形態の場合には、下記(4)式となる。なお、CLCPは本実施の形態における液晶42の液晶容量である。なお、USEGは従来例のデータ線の本数である。
τ=(CLCC+CTFD)・(USEG/3)・RCOM …(4)
このように本実施の形態においては、τを従来例に比べて1/3に短くすることができ、図5(b)の拡大部96に示すように、スパイクノイズの影響を低減して、クロストークを抑制することができる。
下記表1は本実施の形態における特性をまとめたものである。なお、下記表1においては、容量値は液晶容量とTFDの容量との和である。下記表1においては、従来例における値を1とした場合に、フィールドシーケンシャル方式の値、2重マトリクス方式の値、本実施の形態の値をそれぞれ示すものである。
[表1]
┌─────┬────┬───┬────┬──────┬───┬─────┐
│ │フレーム│RCOM │ 容量値 │クロストーク│ 輝度 │ドライバ数│
├─────┼────┼───┼────┼──────┼───┼─────┤
│従来例 │ 1 │ 1 │ 1 │ 1 │ 1 │ 1 │
├─────┼────┼───┼────┼──────┼───┼─────┤
│フィールド│ │ │ │ │ │ │
│シーケンシ│ 3 │ 1 │ 1 │ 3 │ +α │ 1/3 │
│ャル │ │ │ │ │ │ │
├─────┼────┼───┼────┼──────┼───┼─────┤
│2重マトリ│ │ │ │ │ │ │
│クス │ 1/2 │ 1/2 │ 2 │ 1/2 │ −α │ 2 │
├─────┼────┼───┼────┼──────┼───┼─────┤
│本実施の形│ │ │ │ │ │ │
│態 │ 3/2 │ 1/2 │ 1 │ 3/4 │ 1 │ 2/3 │
└─────┴────┴───┴────┴──────┴───┴─────┘
近年、表示画面は大型化される一方、全体のサイズは小型化されている。このため、配線21cを配置する額縁領域のサイズは小さく、配線21cとして十分な線幅を設定することは困難である。しかし、本実施の形態においては、配線21cの本数が従来例に比べて1/2でよく、配線21cの線幅を2倍にすることができ、配線21cを含む走査線21の抵抗RCOMを従来の1/2にすることができる。上記(4)式から明らかなように、この理由からも本実施の形態においてはクロストークを改善することができる。
なお、2重マトリクスでは、データ線31を列数の2倍の数だけ配線する必要があり、開口率(輝度)が低下する。しかし、本実施の形態においては、1行の画素数を1/3に低減することが可能なフィールドシーケンシャルも採用しているので、結果的に従来と同様の輝度を得ることができる。また、2重マトリクスでは、数が増えたデータ線31を駆動するためにドライバの数が増加するが、フィールドシーケンシャル駆動ではデータ線数を1/3に低減することができるので、結果的に従来に比して2/3のドライバ数で足りる。
このように本実施の形態においては、多重マトリクス方式及びフィールドシーケンシャル駆動を採用していることから、輝度を低下させることなく、また、ドライバ数を増大させることなく、クロストークを低減させることができる。
また、上述の液晶表示装置を用いた電子機器も本発明に含まれる。図6は電子機器の例を示す斜視図であり、携帯電話の外観を示している。図6に示すように、電子機器として携帯電話200の表示部201に、上述した液晶表示装置が用いられる。
他にも、電子機器としては、例えば、光源と該光源から出射された光を変調するライトバルブと、該ライトバルブにより変調された光を投射するための光学系を備えた、投射型表示装置である。さらに、電子機器としては、他にも、テレビジョンや、ビューファインダ型・モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、ディジタルスチルカメラ、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。そして、これらの各種の電子機器に対して、本発明に係る液晶表示装置が適用可能なのは言うまでもない。
本発明の一実施の形態に係る液晶表示装置を示す説明図。 8行×9列のマトリクス型表示装置を示す説明図。 シーケンシャル駆動方式を説明するための説明図。 フィールドシーケンシャル駆動を説明するためのタイミングチャート。 従来例における4値駆動法と本実施の形態における4値駆動法とを説明するための説明図。 電子機器の例を示す斜視図。
符号の説明
10…液晶パネル、11…素子基板、12…対向基板、21a,21b…走査線、31a,31b…データ線、40…画素、41…TFD、42…液晶容量、51…液晶駆動装置、52…タイミングコントローラ、62…バックライトユニット。

Claims (5)

  1. 複数の走査線と複数のデータ線との交差に対応して設けられた複数の画素に夫々設けられたスイッチング素子と、
    1フレームを複数のサブフレームに分割するとともに当該サブフレームの間にオフライン期間を設け、前記複数の走査線をブロック化して共通接続し、前記サブフレーム毎に前記ブロックに対して選択信号を順次供給する走査信号供給手段と、
    前記サブフレームにおいて所定色画像のデータ信号を前記データ線を介して画素に供給するデータ信号供給手段と、
    前記オフライン期間において前記所定色画像に対応する光を前記画素に照射する照明装置と、
    を具備したことを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記共通接続された配線の線幅を前記走査線における線幅より太くすることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記スイッチング素子は、前記データ線からのデータ信号を前記画素を構成する画素電極に供給することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置
  4. 前記スイッチング素子は、2端子素子であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1つに記載の液晶表示装置を用いて構成したことを特徴とする電子機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114706241A (zh) * 2020-09-11 2022-07-05 山东蓝贝思特教装集团股份有限公司 具备书写显示和电驱动显示的液晶书写装置及方法

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