JP2007001908A - 殺菌・消毒剤の添加剤及びこれを用いた殺菌・消毒方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】消毒用エタノールの被消毒物に対する浸透性、拡散性、保持性を改善して、優れた殺菌・消毒効果を発現させ得る消毒剤に改変することを目的とし、実際の消毒現場において、被消毒物に合わせて簡便に消毒剤を調整することができる手段を見出すと共に、消毒作業を簡便に行い得る前記手段を用いた殺菌・消毒方法を提供する。
【解決手段】アルコールを主成分とする殺菌・消毒剤を基剤として、該殺菌・消毒剤に添加して、その浸透性、拡散性、保持性等の性能を改良するための添加剤であって、エチルアルコール、塩化ベンザルコニウム、水の三者を含有して成ることを特徴とする。また、密閉される殺菌・消毒室に寝具等の被消毒物を装入して密閉し、該殺菌・消毒室に爆発限界以下の濃度になるよう炭酸ガスで噴射するアルコールに上記添加剤を添加して殺菌・消毒を行なうようにしたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、被消毒物、特にベッドやマットレス、布団等の寝具の殺菌・消毒にかかる殺菌・消毒剤の添加剤及びこれを用いた殺菌・消毒方法に関する。
従来、病院等の医療機関において、ベッドやマットレス、布団等を消毒する場合、それらの被消毒物に対して消毒用エタノールを噴霧し、所定時間放置して消毒するという方法が採られていた。この手順は次の通りである。先ず、被消毒物を密閉できる部屋に収容して密閉状態にする。次いで、噴霧駆動用気体としての炭酸ガスを用いて所定量の消毒用エタノールを被消毒物に対して噴霧し、所定時間放置する。そして、密閉室内の空気を換気して消毒用エタノールを外部に排出する。最後に、必要に応じて熱風を通して被消毒物を乾燥させるというものである。
しかし、この操作では、消毒用エタノールと被消毒物との相互間の特性によっては、噴霧した消毒用エタノールが被消毒物表面全体を覆うことが出来ない場合もあり、消毒時間や消毒効果にバラツキが生じる上、消毒用エタノールの揮散が速く消毒効果の持続性が低く、消毒効果を十分に発揮できないおそれがあった。
そこで、当発明者等は、被消毒物に対して用いる消毒剤を改善することを検討した。その結果、上述の如くの従来技術の問題点を解決するための消毒剤には、被消毒物に対する消毒剤の浸透性、拡散性、保持性が要求されることを突き止め、これら浸透性、拡散性、保持性を改善して消毒効果を向上させるべく鋭意研究を重ね本発明に至った。
また、従来の殺菌・消毒剤としては、一般的に消毒用として広く使用されているエチルアルコールの他、例えば特開平5−124910号公報に開示されているような技術がある。その技術は、予め不織布に消毒用組成物を含浸させる消毒剤に関するものであり、その消毒剤としての組成物によれば、高度な殺菌・消毒効果が得られることが示され、その組成物を予め不織布に含浸させることで、簡便に手や指等を拭って殺菌・消毒することができるという優れた利便性を提供し得る技術である。しかしながらこの例に見るように、被消毒物に対する消毒剤の浸透性や拡散性、保持性が検討されたものは皆無であった。
また、消毒剤を改善する方法としては、消毒用エタノールに少量の添加剤を加えて新しい消毒剤を製造するという方法があって、従来の食品防腐剤用のアルコール製剤としてこの方法が採られている。しかし、このような添加剤を加えた消毒剤には、新たに次のような問題が生じている。すなわち、元来の消毒剤の製造ラインに比べ、添加剤入消毒剤の製造ラインが複雑になることの他、貯蔵スペースの増大、輸送コストの増大、危険性の増大等によるコスト増の問題、或いは消毒現場における消毒剤の微調整の困難性といった問題が生じるのである。
特開平5−124910号公報
この発明は、従来より病院等の消毒現場で、消毒剤として広く用いられ且つ入手し易く廉価な消毒用エタノールを基剤として使用することができ、この基剤に対して少量添加するだけで該消毒用エタノールを、被消毒物に対する浸透性、拡散性、保持性を改善し、優れた殺菌・消毒効果を発現させ得る消毒剤を得ることが出来、実際の消毒現場において、被消毒物に合わせて簡便に消毒剤を調整することができる手段を見出すと共に、消毒作業を簡便に行い得る前記手段を用いた殺菌・消毒方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するためにこの発明が採った手段は、アルコールを主成分とする殺菌・消毒剤を基剤として、該殺菌・消毒剤に添加して、その浸透性、拡散性、保持性等の性能を改良するための添加剤であって、エチルアルコール、界面活性物質、水の三者を含有して成ることを特徴とする。また、前記界面活性物質が、カチオン系界面活性物質であることを特徴とし、特に界面活性物質が、塩化ベンザルコニウムであることを特徴とする。
また、前記エチルアルコール、界面活性物質、水の三者の配合比が、1:0.2〜1.0:0.5〜1.5であることを特徴とする。
また、前記エチルアルコール、界面活性物質、水の三者以外に、有機酸、香料、潤滑剤のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とし、該有機酸が、乳酸であることを特徴とする。
また、基剤としてのアルコールを主成分とする殺菌・消毒剤に対する添加剤の添加比が、0.002乃至0.1として使用される物であることを特徴とする。
また、殺菌・消毒剤が、エチルアルコールを主成分とするものであることを特徴とする。
また、形態が、10乃至300mLの容器詰めであることを特徴とする。
また、密閉される殺菌・消毒室に寝具等の被消毒物を装入して密閉し、該殺菌・消毒室に爆発限界以下の濃度になるよう炭酸ガスで噴射するアルコールに当該発明の添加剤を添加して殺菌・消毒を行なうようにしたことを特徴とする。
この発明によれば、従来より病院等の消毒現場で、消毒剤として広く用いられ且つ入手し易く廉価な消毒用エタノールを基剤として使用することができ、この基剤に対して少量添加するだけで該消毒用エタノールを、被消毒物に対する浸透性、拡散性、保持性を改善してなる優れた殺菌・消毒効果を発現させ得る消毒剤に改変することができるという効果がある。また、実際の消毒現場において、被消毒物に合わせて、前記基剤に対し当該発明の添加剤を所定量添加混合するだけで、優れた消毒効果を有する消毒剤を安全且つ経済的に調整することができるという効果がある。また、前記基剤と当該発明の添加剤の混合に際しては、消毒現場における混合調整の便を図る目的で、基剤容器に添加し易い量で所要の消毒効果が得られるように添加剤の組成と量を予め検討したことによって、取り扱い易く、混合性に優れ、高度な安全性が得られるという効果がある。
また、当該発明の添加剤を適量添加混合したアルコールと、炭酸ガスとを用いて爆発の危険を惹起することなく寝具等の被消毒物の殺菌・消毒を行なうことができるため、殺菌・消毒の時間を大幅に短縮でき、作業効率を向上させることができる上、殺菌・消毒効果をより持続させることができるという効果がある。
この発明の好ましい実施の形態を、以下に詳細に説明する。この第一の発明は、アルコールを主成分とする殺菌・消毒剤の性能を改良するために該殺菌・消毒剤に添加して使用する殺菌消毒剤の添加剤であって、エチルアルコール、界面活性物質、水の三者を含有することを特徴とする。また、この第二の発明は、当該発明の添加剤を用いた殺菌・消毒方法であって、密閉される殺菌・消毒室に寝具等の被消毒物を装入して密閉し、該殺菌・消毒室に爆発限界以下の濃度になるよう炭酸ガスで噴射するアルコールに当該発明の添加剤を適量添加して殺菌・消毒を行なうようにしたことを特徴とするものである。
基剤として用いるアルコールを主成分とする殺菌・消毒剤は、従来病院等の消毒現場で消毒剤として広く用いられている入手し易く廉価な消毒用エタノールであることが好ましいが、これに限らず、一般のエチルアルコール類、或いはイソプロピルアルコール等の低級アルコールであってもよく、或いはそれらの混合物であってもよい。
基剤の被消毒物に対する浸透性や拡散性を向上させる目的から、基剤に対する添加剤として、カチオン系、アニオン系、ノニオン系のうちから選ばれる界面活性物質を含むことが要求され、更に、基剤の被消毒物に対する保持性を向上させる目的からは、基剤に添加されるべきものとしては、有機酸或いは分子量の大きい界面活性物質等の高沸点物質であることが要求される。また、基剤の消毒性を向上させる目的からは、基剤に添加されるべきものとしては、酸性物質、低級アルコール類、界面活性物質のうちから選ばれるものが挙げられ、これらの観点から、基剤に対する添加剤の構成物質として、前述の事項に共通の物質である界面活性物質を含むことが好ましく、特には消毒効果の顕著なカチオン系界面活性物質を用いることが好適である。更に好ましくは、界面活性物質として、塩化ベンザルコニウムを用いることができる。
添加剤の組成は、浸透性、拡散性、保持性の他に基剤への混合性、更には取扱性や安全性、経済性を考慮する必要がある。勿論添加物は、一種類に限らず複数の物質の組み合わせが考えられ、これらの基剤の機能や性能を改善する目的で適宜選択することができるが、基本的には、水とエチルアルコールをベースに、前述のようにカチオン系界面活性剤としての塩化ベンザルコニウムを用いる。この塩化ベンザルコニウムは、100%ものが固体乃至粘調体であり取り扱いに難点がある上、基剤との混合に時間がかかるので、経済性を考慮し、市販されている10%水溶液または50%水溶液を用いるとよい。この水溶液を直接基剤に加えることが考えられるが、発明者等の検討によれば、その水溶液にしても粘度が高く基剤への均一混合が容易でないため、この水溶液の基剤への混合性を高める研究がなされた。その結果、該水溶液に予めエチルアルコールを適量加えておくことで、基剤との混合が容易になることが見出された。
このエチルアルコールには、消毒用エタノールを用いることができる。すなわち、当該発明の添加剤の基本となる最適な組成は、水+消毒用エタノール+塩化ベンザルコニウム水溶液であって、この基本組成物に対して、有機酸、香料、潤滑剤等の物質を適宜選択して含めることができるが、外観上はなるべく濁りや沈殿物が無いようにするとよい。有機酸としては、乳酸を好適に用いることができる。また、添加剤中のエチルアルコール濃度は消防法危険物に該当しないよう60%未満、望ましくは50%以下になるようにし、且つ混合性を考慮して30%以上とすることが望ましい。以上の観点から、エチルアルコール、界面活性物質、水の三者の配合比を、1:0.2〜1.0:0.5〜1.5とする。
消毒現場において用いられる基剤は、一般的に16乃至18Lポリ容器入りであり、空隙の容積は1L前後である。添加剤を該基剤に添加して十分に混合するためには、容器を揺り動かすことが要求され、そのための空隙が必要となる。このことからも、当該発明の添加剤の基剤への添加混合比は、添加剤の取扱性、安全性、添加後の混合性等を合わせた見地からも検討されるもので、この場合の添加量は、0.1L前後を最大量の目安とすると消毒現場において取り扱い易く、錯誤を抑制できてよい。すなわち、本発明の効果を得るための添加量は、基剤16〜18L当り0.1〜0.2Lが適当であり、添加剤の基剤に対する混合比は、0.005〜0.01とすることが好ましい。更に、消毒現場で用いられている消毒用エチルアルコールの荷姿が16〜18L容器入りであることを考慮して、添加剤の荷姿を200mL瓶詰めにすれば、添加混合の際の便が図られ、錯誤を抑制できて好ましい。
第二の発明は、所定の容積を有する密閉可能な略方形の区画された空間からなる殺菌・消毒空間内に高濃度の当該第一の発明の添加剤を基剤であるアルコールに適量添加してなるアルコール製剤を、炭酸ガスの圧力で超微粒子化し且該アルコール製剤の爆発下限界以下に維持しつつ噴霧して、前記殺菌・消毒空間内に装入された寝具等の被消毒物を該アルコール製剤で殺菌・消毒するようにしたことを特徴とする。
噴射剤である炭酸ガスは、液化炭酸ガスが使用される。液化炭酸ガスは、気化させるとき一度固体、すなわちドライアイスになるため、ヒーターで加温して固体化するのを防止する。又、液化炭酸ガスの圧力は、外気温によって著しく左右されるため、調整器で外気温に即応しながらガス圧を調節して噴射させる。炭酸ガスは、ガスそのものの比重が重いため、その沈降性と共に閉塞空間内で浮遊するアルコール分等の滞空時間を短縮させることが出来る。更にアルコールは炭酸ガスと併用するとき、その消毒作用に相乗効果があることが判明している。
エタノールが空気中で爆発気体を作るときの下限界は、33,000ppmで、上限界は190,000ppmとされている。この発明におけるエタノールと炭酸ガスの噴霧最高濃度は、それぞれ15,000ppm、9,000ppmであり、従って安全性は極めて高く、爆発のおそれは全くないが、エタノール濃度が爆発下限界の25%を検知して警報を出すと共に、噴霧を停止するように構成することが望ましい。エタノールは、通常水溶液で市場から入手することが出来る。前記濃度15,000ppmは、このエタノール水溶液が100%蒸発したときの数値であり、100%蒸発したとしてもその濃度は15,000ppmであるから、爆発気体の下限値33,000ppmより小さな数値であり、爆発のおそれはない。
しかしながら、実際にはエタノール水溶液を噴霧した場合、100%の蒸発とはならず、50%くらいの蒸発となるため、濃度は7,500ppmよりも小さな数値に抑えられている。この数値は、前記爆発下限の25%の警報検知数値より小さいため、通常の使用状態で警報が発せられるおそれは発生しない。しかも、本発明による殺菌・消毒剤は、被消毒物に対する浸透性、拡散性並びに保持性が優れているので、蒸発量が減少することが期待できる。この結果、噴霧したエタノール液の蒸発量は、50%よりも更に小さな値に抑制されると考えられる。
以下、当該発明の添加剤を基剤に混合し、ベッドやマットレスに噴霧して従来の消毒効果よりも優れた効果が得られることを、それぞれ実施例1において浸透性及び拡散性、実施例2において保持性、実施例3乃至5において消毒性に関する結果を示し、実施例6において当該発明の添加剤を用いた殺菌・消毒の方法及び装置について説明する。
消毒用エタノールの浸透性、拡散性を向上させる可能性のある以下の物質について、次のような試験を行なった。
(イ)試験物質
乳酸(関東化学、特級)、アスコルビン酸(以下、VCと表記する)、精製クエン酸(国産化学、結晶)、酒石酸(和光純薬、結晶)、塩化ベンザルコニウム(以下、BACと表記する)10%水溶液(小堺製薬)
(ロ)試験液の調製
消毒用エタノール(健栄製薬、局方)約200mLに試験物質を各々0.5%となるように加えて完全に溶解させた。また、別の消毒用エタノールに着色剤(小倉製薬食用3号)を約0.5%となるように溶解させた。
(ハ)試験方法
試験物質溶解液に、着色剤溶液約0.5%を加えて試験液とする。試験台上に濾紙(東洋濾紙製)を3枚重ねて置く。この濾紙群の1枚目の濾紙のほぼ中心に高さ約5cmから試験液0.08mLをスポイドで約5秒間かけて滴下した。このときの滴数は14〜16滴であった。試験液の拡散の程度を滴下した試験液の濾紙上における広がりの大きさ(着色の程度)で判定し、また浸透の程度を重ねた2枚目、3枚目の濾紙での着色の程度で判定した。
以上のようにしてそれぞれ試験した結果を表1に示す。表1から消毒用エタノールに塩化ベンザルコニウム或いは乳酸を少量加えると消毒用エタノールの浸透性や拡散性が向上することがわかる。
Figure 2007001908
実施例1において用いた各試験液を、それぞれ直径29mm、深さ49mmの上方が開口した容器に、20g入れ静止大気中に放置し、75時間後に減少量(蒸発量)を測定した。但し、比較例の水は24gとし、液深は何れも36mmであった。その結果を以下の表2に示す。表2に示すように、試験液のうち最も蒸発量が少ないのは、塩化ベンザルコニウム液0.5%であることがわかる。
Figure 2007001908
消毒性の評価は、環境常在菌に対する殺菌力によって評価した。その手順は次の通りである。
(i)環境常在菌が浮遊している水を採取、調製する。但し、環境常在菌は、さいたま市鴨川の水に浮遊するもの、またはマグロ切身表面を水道水で洗い、濾過した水に浮遊するものを用いた。
(ii)浮遊水を、煮沸熱湯中において滅菌した大きさ100mm×60mmのステンレス板に綿棒で塗布して乾燥させる。但し、浮遊水とは、川水を濾過して希釈水で100倍に希釈したもの、或いは切身洗浄水を濾過して10倍に希釈したものをいう。ここで、希釈水は、水道水を30分間煮沸滅菌したものをいう。
(iii)該ステンレス板に試験液を約20cmの高さから噴霧して20分間放置乾燥する。
(iv)培養スタンプを該ステンレス板に押し付けて蓋をする。但し、培養スタンプとしては、クリーンスタンプ「ニッスイ」SCD寒天(日水製薬)を用いた。
(v)該スタンプを培養器に入れて72時間培養を行なう。
(vi)培養後、該スタンプ中の菌コロニーの数と状況を観察する。
以上のようにしてそれぞれ試験した結果を表3に示す。
Figure 2007001908
実施例3のステンレス板の代わりに木綿生地を用い、培養時間を48時間とした。但し木綿生地は、煮沸熱湯中にて滅菌したものであり、大きさが92mm×50mmである。その試験結果を表4に示す。
Figure 2007001908
以上の実施例3及び実施例4の結果から塩化ベンザルコニウム含有消毒用エタノールが消毒用エタノール単独よりも消毒効果が高いことがわかる。
実施例3と同様な方法でBAC濃度を変えて試験を行ない、塩化ベンザルコニウム濃度の検討を行なった。その試験結果を表5に示す。表5に示すように、消毒効果を効果的に発現し得る塩化ベンザルコニウムの濃度は、0.05%以上望ましくは、0.2%以上であり、1%を越えると消毒後の外観が好ましくないことがわかる。
Figure 2007001908
図1〜5を参照して、(1)はこの発明にかかるマットレス等の殺菌・消毒装置であり、内部に殺菌・消毒室(2)が区画形成される。殺菌・消毒室(2)は、装置(1)の前面と後面において開口され、扉(3)(4)で密閉自在である。装置(1)の前面には操作パネル(5)及びアルコール製剤容器(6)が配置され、側面には制御盤(7)、炭酸ガスボンベ(8)及びこれらを制御するバルブ類、計器類並びに管路が配置される。(9)は殺菌・消毒室(2)内にマットレス(10)等を出し入れするためのキャリアーであり、複数のマットレス(10)を載置支持することが出来る。殺菌・消毒室(2)内上部には、アルコール製剤と炭酸ガスの混合物を噴射する噴射ノズル(11)(12)が配設されている。また、アルコール製剤容器(6)には、基剤である消毒用エタノールに対して、エタノール及び塩化ベンザルコニウム及び水を1:0.2〜1.0:0.5〜1.5の比率で混合したものを主として構成される添加剤を0.002〜0.1の添加比で添加してなるアルコール製剤を収容する。
殺菌・消毒室(2)の前方には、殺菌・消毒前の汚染したマットレスを収容するための第1の室(13)が扉(3)で区画されつつ設けられており、殺菌・消毒室(2)の後方には、殺菌・消毒を完了した清潔なマットレスを収納するための第2の室(14)が、扉(4)で区画されつつ設けられる。従って、殺菌・消毒前の汚染したマットレスと、殺菌・消毒後の清潔なマットレスとが混在するおそれがなくなる。しかしながら、殺菌・消毒前のマットレスと、殺菌・消毒後のマットレスを同方向から装入し、取り出すようにしてもよいことは勿論である。
殺菌・消毒作業を開始するには、電源を投入し装置をスイッチオンの状態にして、先ず炭酸ガスボンベ(8)より液化炭酸ガスを炭酸ガス気化ヒータータンク(19)に送り加熱気化して、4〜5Kg/cmの圧力に調整しつつ該タンクに貯蔵する。加熱温度は65℃を上限とする。室内にキャリアー(9)でマットレス(10)を装入した後、扉を密閉すると共に、排気ダンパーを閉じて室内を密閉する。
この実施例において、アルコールは数μm〜数10μmの粒子で噴霧されるが、粒子径15μmの粒子が3m沈降する時間は、やや湿潤霧状の雰囲気中で12〜16分必要とされている。アルコール弁、炭酸ガス弁を開いてアルコールを炭酸ガスで30秒間、噴射ノズル(11)(12)から噴霧する。その後、更に炭酸ガスのみを10秒間噴霧して室内のより高い安全を図る。噴霧されたアルコールと炭酸ガスをマットレス(10)に浸漬させ、殺菌・消毒を実施するために20分間放置する。上記炭酸ガス及びアルコールの噴霧時間は、室内容積を5.4立方メートルとした場合についてのものである。アルコールの噴霧時間は、室内容積により調整し、最大でも室内濃度15,000ppm以下を維持させる。又、炭酸ガスの噴霧時間も、最大でも9,000ppm以下とするように調整する。
20分間の殺菌・消毒の終了後、ダンパー、吸気バルブ、排気バルブを開いて室内のアルコール製剤、炭酸ガスをファンで外部に排気した後、殺菌・消毒室(2)に熱風を送給してマットレスを乾燥する。その後、後方の扉(4)を開放して殺菌・消毒、乾燥が完了したマットレスを装置外に取り出す。殺菌・消毒後のマットレスは、汚染したマットレスが存在した空間(13)とは別異の空間(14)に取り出されるため、再汚染するおそれはない。
図5は、装置(1)の前面に配置された操作パネル(5)の詳細を示し、消毒、浸漬、排気、乾燥の各工程を表す表示ランプ(15)と、自動、手動、警報停止、リセット等の操作表示ランプ(16)が設けられており、各工程の作動状況が表されると共に、これらの作動工程の自動若しくは手動制御の選択が可能であり、更に、複数のコース1〜5の表示ランプ(17)により工程の選択が可能とされている。又、アルコール濃度警報器(18)が組み込まれており、室内のエタノール濃度が設定された濃度以上になった場合、警報を出してアルコールの噴射を停止する。エタノール濃度は、前述したように爆発下限界の25%に設定される。
この発明にかかる装置の正面図 同側面図 同平面図 マットレスの装入状態を示す斜視図 操作パネルの正面図
符号の説明
(1)殺菌・消毒装置
(2)殺菌・消毒室
(3)扉
(4)扉
(5)操作パネル
(6)アルコール容器
(7)制御盤
(8)炭酸ガスボンベ
(9)キャリアー
(10)マットレス
(11)(12)噴射ノズル
(13)第1の室
(14)第2の室
(15)工程表示ランプ
(16)操作表示ランプ
(17)コース表示ランプ
(18)アルコール濃度警報機
(19)炭酸ガス気化ヒータータンク

Claims (11)

  1. アルコールを主成分とする殺菌・消毒剤の性能を改良するために該殺菌・消毒剤に添加される添加剤であって、エチルアルコール、界面活性物質、水の三者を含有することを特徴とする殺菌消毒剤の改良用添加剤。
  2. 界面活性物質が、カチオン系界面活性物質であることを特徴とする請求項1記載の添加剤。
  3. 界面活性物質が、塩化ベンザルコニウムであることを特徴とする請求項1又は2記載の添加剤。
  4. エチルアルコール、界面活性物質、水の三者の配合比が、1:0.2〜1.0:0.5〜1.5であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の添加剤。
  5. 有機酸、香料、潤滑剤のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の添加剤。
  6. 有機酸が、乳酸であることを特徴とする請求項5に記載の添加剤。
  7. 基剤としてのアルコールを主成分とする殺菌・消毒剤に対する添加剤の添加比が、0.002乃至0.1であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の添加剤。
  8. 殺菌・消毒剤が、エチルアルコールを主成分とするものであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の添加剤。
  9. 形態が、10乃至300mLの容器詰めであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の添加剤。
  10. 請求項1乃至8の添加剤を、基剤としてのアルコールを主成分とする殺菌・消毒剤に対して0.002乃至0.1の添加比で添加したことを特徴とする被消毒物の殺菌・消毒剤。
  11. 密閉される殺菌・消毒室に寝具等の被消毒物を装入して密閉し、請求項1乃至8の何れかに記載の添加剤をアルコールに添加した殺菌・消毒剤を、該殺菌・消毒室に爆発限界以下の濃度になるよう炭酸ガスで噴射して殺菌・消毒を行なうようにしたことを特徴とする殺菌・消毒方法。

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