JP2007000610A - 発光ダイオード治療装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】発光ダイオード照射器を人体頚部に装着して、発光ダイオード光を人体頚椎に照射することにより、中枢優先の治療理論に基づき、利用者全身のコリや痛みを治療することが可能な、発光ダイオード治療装置を提供する。
【解決手段】発光ダイオード素子からの光を照射する発光ダイオード照射器2と、発光ダイオード照射器2を人体頚部60に固定する装着バンド3とからなる発光ダイオード治療装置1であって、発光ダイオード光70が人体頚椎61に照射される。発光ダイオードからの出力光は0.5〜50mWの微弱なもので、かつ照射面に偏光板を有する。これにより頚椎動脈の血行を促進して大脳皮質を活性化することにより、利用者の全身のコリや痛みを改善する。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光ダイオード(以降LEDと呼ぶ)素子からの光を利用者の頚部に照射して筋肉を弛緩させ、頚椎部の血液の流れおよび神経の伝達を促進することにより、全身の痛みやコリなどの不定愁訴を改善するLED治療装置に関するものである。
生体が外部からの種々の刺激に対して反応することは古くから知られている。例えば19世紀中期のドイツの学者、Arndt RudolphとSchultz Hugoは、「アーンツ・シュルツの法則」と呼ばれる、下記を提唱している(例えば非特許文献1)。
「あらゆる刺激は、それが非常に弱い場合には生体を刺激することはない。しかし、あるレベルに達すると生体の反応を促進させ、更にある閾値を超えると逆に生体の反応を停止させる」。
渥美和彦、大城俊夫 他編集、「皮膚科・形成外科医のためのレーザー治療」メジカルビュー社、2001年6月10日、p.52
この現象は光についても当てはまり、人体がある量の光を浴びると酵素やホルモンが特定の波長の光によって刺激を受け、体内にダイナミックな反応を引き起こし、生物学的な機能が活性化されることは知られており(例えば非特許文献2)、この光線療法は、現在多種多様な疾患に適用されている。本発明者はこれを単色性、可干渉性、指向性に優れたレーザー光に適用し、生体刺激の強度に対する生体反応の強度の関係を図1の模式図で表した(非特許文献1)。図において、A〜Bの低いレーザー光出力密度では生体反応は認められないが、B〜Cでは光生物学的活性化反応が起こる。更に出力密度を上げてC〜Dになると逆に抑制反応が起こり始め、終にはD〜Eの光生物学的破壊反応に至ると言うものである。古来切断・除去等の外科的な手術に応用されて来たレーザー光はHLLT、即ち光生物学的破壊反応の領域であるが、近年本発明者等は、光生物学的活性化反応領域の低出力レーザー光(LLLT)を内科的に使用する治療法を研究し、そのための装置を開発した(例えば特許文献1)。これにより皮膚表面の創傷回復や、コリや痛みと言った疼痛患部の治療への適用を進めて来たが、その有効性に対する認知は広く医療界に定着するに至った。一方本発明者は、1.5Wの強いアルゴンレーザー光を用いて患者の単純性血管腫を治療していた時、同時に帯状疱疹後の肋間神経痛が解消して患者に非常に喜ばれると言った、当初は予想もしていなかった臨床事例に遭遇した。これは血管腫に照射したレーザー光の一部が人体内で拡散・散乱し、低出力レーザー光として結果的に上記の内科的な治療効果を神経系に及ぼしたものと推測される。このように「光によって誕生した生体が、光からどのようにして影響を受けるか」については、未だ十分に解明されていない面も多い。
ジェイコブ・リバーマン著、飯村大助訳「光の医学」日本教文社、平成12年5月25日、p.8 特許登録第1661695号公報
本発明者は、数万例ものレーザー治療を経験して行く中で、低出力レーザー光を頚部に照射すると、頚部とは遠く離れた全身の種々の部位(例えば腰部)で発生している痛みやコリなどの不快症状を改善できることを見出した。例えばベッドに仰臥している被験者に対し、自分で真上に片足を持ち上げさせたところ60度しか上がらなかったものが、頚部にレーザー光を照射しながら軽い屈伸運動を実施した後では、90度にまで上げることができた。単に同じ屈伸運動をしただけでは殆んど改善が認められなかったことから、レーザー光の照射が何らかの影響をもたらしていると推測される。しかもこの症状改善は照射後に直ぐに被験者及び施術者によって知覚されることから、筋肉、血管やリンパ管を通して何らかの刺激物質が移送されたために起こったのではなく、神経等のような情報伝達系に作用したものと推測される。この現象をサーモグラフィー、スペクトで測定したところ、頚部へのレーザー光照射後僅か数秒で頭部の血行が、次いで全身の血行が改善されることが、認められた(例えば非特許文献3)。
大城俊夫、中枢優先の内科的レーザー治療、日本レーザー治療学会誌、第2巻第2号別冊
本発明者はこれを「中枢優先治療」と名付けたが(非特許文献4)、その機序については下記のような仮説を立てている。
「全身のどの部位で発生した痛みもそれを感知するのは大脳皮質であり、また各部位に指令を出すのも大脳皮質である。そのため、心臓から大脳への血管、及び大脳から全身への全神経束が通る頚椎に光を照射すれば、大脳の活動を活性化し、更に何らかの機序により大脳からの改善指令が全身に伝達され、不具合症状が改善できるのではないか。特に慢性的な痛みやコリなどの不定愁訴を抱えている生体においては、それが普通の状態であると脳が誤認識しているため、元の健康な状態に戻ろうとする働きを忘れている。そのため単に痛みを感じる患部を治療するだけでなく、この脳の作動を正常の状態にリセットすると痛みが解消できるのではないか」。
大城俊夫著「中枢優先治療で慢性の痛みが治る」ごま書房、2002年7月27日、p.63−77
この仮説に基づき、本発明者は首の付け根にレーザー光を照射することによって、肩コリや照射部位から遠く離れた腰痛を解消する装置を考案し、臨床に応用してきた。更に驚くことには、当該治療がギックリ腰や四十肩にも有効なことを見出した。またこの療法を一般家庭でも使用可能な装置として提供した(例えば特許文献2)。これは従来の疼痛患部等に直接レーザー光を照射して被照射部位を治療する治療器の出力が、数十から1,000mWのエネルギーレベルであるのに対し、僅か数mW程度のエネルギーレベルである。即ちレーザー光をエネルギー源として直接的に細胞の活性化に使用するのではなく、レーザー光を情報伝達手段として利用するものである。これはあたかも100Vの電気はエネルギーとして動力源となるが、mVレベルの電気は信号として伝送される現象に類似している。
特願2005−060347号
このように頚部へのレーザー光照射は医療効果が高いものであるが、その一方レーザー光の優れた指向性(集光性)故に、万一光が眼に誤照射されると失明に繋がりかねないと言う潜在危険性を有している。前記の特許文献2の装置はこの点も併せて解決しようとしたものであるが、レーザー光を使用する限りこの装置が家庭にまで広く普及するに伴い、何かの不慮の事故が懸念される。そのためより安全性の高い装置が望まれた。また特許文献2の装置は、頚部深奥部に位置する頚椎に光を確実に照射するために、レーザー光が有する指向性を利用したものであるが、頚部の筋肉は柔らかい。従って後述するように、治療効果をあげるためにレーザー光照射と同時に柔軟体操(例えば首の回転)を実施するとレーザー照射部が移動し、光の照射方向が狙いとする頚椎から外れてしまい、十分な効果が得られない恐れがあった。
一方近年、LEDの性能が向上してきたため、医療分野においても積極的な利用が試みられている。しかしこれら周知のLEDを応用した治療装置は、患部自体に光を照射するものであり、症状的には正常な頚部へLED光を照射して全身の症状を改善しようとする本発明の中枢優先治療を何ら示唆するものではない。また周知の装置は、皮膚表面或いはその近辺の広い領域を照射対象とするために照準合せが容易であり(または肉眼で確認可能であり)、かつ高指向性を必要としない。従って光放射口から離れた生体深部にある頚椎への確実な光伝達に関する技術の開示はない。本発明者は、既に当該治療に適用できるLED治療装置を提案した(特許文献3)が、LEDからの光を照射するのみでは、レーザー光照射並みの効果を得るには不十分であった。
特願2005−182550号
本発明はその後の研究活動に基づく成果であり、レーザー治療装置並みの治療効果を維持しながら、レーザー治療装置では不十分であった安全性や利便性を一層向上させたものである。更には治療中に両手を開放することで頚部、肩やその他の部位のストレッチ体操を同時に可能にし、治療効果を一層向上させた装置に関するものである。
(請求項1の手段)本発明に関わるLED治療装置は、単色光のLED素子からなるLED照射器と、該LED照射器を人体頚部に固定するための装着具から構成され、該LED素子の光照射面に偏光板を設け、かつ該LED素子の照射出力は0.5から50mWであることを特徴として構成される。
(請求項2の手段)また本発明に関わるLED治療装置は、搭載されるLED素子が単一であることを特徴として構成される。
(請求項3の手段)また本発明に関わるLED治療装置は、LED素子の照射光の波長が400から1,300nmであることを特徴として構成される。
(請求項4の手段)また本発明に関わるLED治療装置は、装着具がLED照射器を人体頚部に固定するための装着バンドであり、かつ該装着バンドが該LED照射器に着脱自由なことを特徴として構成される。
(請求項5の手段)また本発明に関わるLED治療装置は、LED照射器が箱状に形成されてLED素子を収納し、かつ1個の電池で駆動されることを特徴として構成される。
本発明によれば、次のような優れた効果を発揮できる。
1.本発明の請求項1の発明によれば、LED光照射面に偏光板を設けているため、単色光のLEDからの光をレーザー並みのコヒーレント光に偏光することができる。偏光光線を生体組織に照射すると、細胞膜の挙動を制御することによって、細胞に生物学的な活性を与え得ることは知られている(例えば特許文献4)。更に本発明ではこの光を動力としてではなく信号として利用するものであり、微弱なエネルギーでの照射で十分である。更にLED照射器を人体頚部に装着して、人体頚椎に向かって光を照射することができるため、利用者本人のみで容易に中枢優先治療を施療できる。
特開昭和58−073375号公報
2.また本発明の請求項2の発明によれば、LED照射器に搭載されるLEDは一つであり、装置を安価かつ小型化できる。
3.また本発明の請求項3の発明によれば、細胞にダメージを与える紫外線領域を避けて、可視から近赤外にまたがる波長スペクトルを発光するLED素子の中から選定することができる。可視レーザー光線は細胞膜を透過し、細胞質内の小器官に吸収され細胞に光化学反応を起こし、一方赤外レーザー光線は細胞膜に吸収され、影響を受けた原子や分子に回転や振動を引き起こす。このように可視光線と赤外線は、光化学的、光物理学的に生体に対して異なった機序で作用するが、生体の生物学的連鎖反応を通して、照射された細胞や組織に同じような効果をもたらすことが知られている(非特許文献1)が、適正に偏光された光もほぼ同一の作用を有する。好ましい波長は、水に吸収されて減衰しない、400〜1,300nmであるが、更に好ましくはヘモグロビンへの吸収も起こらない600〜1,300nmである。
4.また本発明の請求項4の発明によれば、装着バンドによりLED照射器を人体頚部に安定して固定し、頚椎に向かって光を照射することができる。また装着バンドは着脱可能になっているため洗濯又は清掃することが容易であり、繰り返し利用においても清潔に使用できる。更に両手が開放されるため、照射中に疼痛患部のストレッチ体操等が可能となり、一層高い医療安全性と医療効果が得られる。
5.また本発明の請求項5の発明によれば、LED照射器は箱状に形成されるため、頚部に違和感無く密着させることができる。また請求項1に記載のように非常に微小な電力消費量であるため、ボタン電池一個での駆動が可能となる。このことは請求項2と合わさってLED照射器を小型かつ軽量なものとなし、LED照射器内に全ての必要な部品を収納でき、外部からの電力供給を必要としないため、コード等による煩わしさがない。これにより専門医療従事者による低出力レーザー光治療並みの効果を、利用者自身が家庭において安全に施療できる。
以下、本発明の実施形態に基づきより具体的に説明する。もっとも本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態について図面に沿って説明する。図1は本実施形態におけるLED治療装置1と人体頚部60との関係を示した図、図2はLED照射器2の内部構成を示す断面図である。図1に示すように、LED治療装置1は人体頚椎61に向けてLED光70を照射し、椎骨動脈の血行をよくすることにより大脳皮質に作用して、不定愁訴(痛みやコリなど)を改善する指令を出させるものであり、LED照射器2と、LED照射器2を人体頚部60に固定する装着バンド3とから構成される。
LED照射器2は、図2に示すように、箱型の収納筐体5内にLED光を放射するプローブ4を納めた構成とされる。プローブ4は、基板10上に配置された単一のLED素子11と、その出射面(出口)に取付けられた透明偏光板12とを、合成樹脂材などで形成された外被円筒13内に納めている。基板10上には又、LED素子11を点灯するための駆動回路が搭載され、ボタン電池7より電源の供給を受ける。なお基板10と電池7とを結ぶ電気配線との中間にはON/OFFスイッチがあり、収納筐体5の表面に取付けられている(図示せず)。
LED素子11は、材質がGaAlAsであり、出力ピーク波長は人体内への透過性(人体深部までの光の浸透)に優れた850nmの近赤外線である。図3に示すスペクトル分布特性線Aに見られるように、スペクトル半値幅(相対放射強度がピーク値の半値になった波長の幅)Bは45nm以下と、狭いスペクトル特性のものである。また指向半値角(最大放射強度の半値になる放射光の広がり角度)Dは、図4の指向特性線Cに見られるように20度以下の、LEDとしては広がりの小さいものを使用した。このような適度の広がり角度を有するため、後述するような施療中の運動によって若干の照射方向ずれが起こっても、光は確実に頚椎に到達できる(20度の照射角度であれば、5cm先では1.7cmの広がりとなるため、頚椎に届く)。一方レーザー光の場合はその高い指向性のため、少し方向がずれると頚椎から外れてしまう。当然ながらLED光が広がる分だけ頚椎に到達した光のエネルギー密度は低下するが、本発明では高い光出力強度は必要とせず、LEDの光出力強度は5mWとした。またLED光をよりレーザー光並みのコヒーレンシーに近づけるため、偏光板12は直線偏光子とした。偏光された光は細胞内まで透過するため、細胞に生物学的作用を及ぼすことが可能になる。
図2に戻って、収納筐体5は底部を形成する筐体本体20と、この上方開放部分を覆うように形成される蓋部21とから箱状に構成される。更に蓋部21には、その中央部に偏光板12が埋設された先端窓22を有する。偏光板12の外表面と蓋21の外表面とはほぼ同一面を形成している。プローブ4の先端の偏光板12からは光が照射される。なおLEDは、紫外線光を避けて、可視光である波長400nm以上のものから近赤外線光領域ものが利用できる。400nmの青色光は沈静化作用を有するが、本発明の目的には、600nm以上の可視光線或いは近赤外線が好ましい。特に頚部奥の頚椎に確実に到達させるためには、人体内への浸透性がよい640nmの赤色光以上の波長が望ましく、本実施形態では、上述のように850nmの近赤外線を採用した。
次の装着バンドについて説明する。LED光はレーザー光に比べて非干渉性でかつ指向性が低いため、万一眼へ照射された時のダメージは小さい。しかし近赤外線光は肉眼では検知し難くかつ浸透性がよいこと、更に本発明のLEDは偏光されていることから、万一眼に照射された時網膜迄に達する可能性を極小にすることが望ましい。本実施形態では、偏光板12及び蓋部21の表面は利用者の頚部に密着する平板形状をなしているので、装着バンド3により照射器2を人体頚部に装着した状態では、当該表面は確実に人体頚部に圧接された状態となる。そのためプローブ4からのLED光が他に漏れること無い。なお光を照射するプローブの先端部は若干突出していれば、光照射先端は確実に頚部皮膚内に埋設することになるが、この場合突出部は丸められ、頚部への接触時に不快感が無いように配慮することが望ましい。
また本実施形態では、固定板23が筐体本体20の両端部の外側まで張出すように形成され、外部に突出した両端部に装着バンド3を通す幅方向に細長い矩形のバンド通し孔27、27を有しており、この部分に図1の如く装着バンド3を通すことにより、装着バンド3とLED照射器2を一体化する。逆にこの通し孔27から装着バンド3を引き抜けば両者は分離され、各々それに適した洗浄や消毒が可能となる。更に照射器2は、プローブ4の近くで、蓋部21に人体頚部との接触部に接触検知スイッチを有し、この接触検知スイッチが頚部との接触を検知した場合に、LED素子11はLED光を発するようになしてもよい。これにより人体に装着されない時にはLED光が放射されないので、施療時以外のLED光の放射を排除することができる。なおこの接触検知スイッチは、特別な方式のものに限定されるものではない。また設置個数や設置位置も限定されるものではない。
筐体本体20の形状は矩形、円盤形、ドーム状等、特に限定はない。またその内部構造もLED素子11が安定して確実に収納できるものであれば、本実施形態の形状に限定されるものではない。しかしLED光が確実に頚椎に到達しなければならないことは自明である。そのため図1において、LED光70が蓋部21の表面に対して垂直方向に放射するように、装着バンド3との組合せで蓋部21は人体頚部60に対して略接線方向に取付けられ、また固定板23は蓋部21表面と平行に設置される。なおこの接線方向への装着を確実にするため、蓋部21の表面は頚部の形状に合わせて若干凹状に湾曲させ、蓋部21と頚部60が広く接触するような構造としてもよい。
装着バンド3は、例えば布材により帯状に形成されている。LED照射器2と一体化された時、バンド3の略中央が、図1に示すようにLED照射器2の底面に当接される。その上で装着バンド3を頚部60に巻き付けるように両端を引っ張ることにより、LED照射器2を頚部60に密着して固定することができる。更に本実施形態では、装着バンド3の両端部には、重なり合う部分に面連結部31、31が形成される。面連結部31、31の向かい合った面は、いわゆるマジックテープ或いは面ファースナーと呼ばれるものからなり、互いに接離自在である。装着バンド3は、LED照射器2を人体頚部60に当接した状態で、人体頚部60を囲んでリング状を形成する。この時装着バンドの布材を適度に伸縮可能な合成繊維やゴムバンドで形成すれば、プローブ4の先端窓22を人体頚椎61の方向に向けた状態で、少々首が運動してもLED照射器2を安定して装着させることができる。
また図1の本実施例では、装着バンド3の面連結部31,31の係合面に、連結状態を検知できるように、電気接触端子からなる連結検知スイッチ32、32がそれぞれ向かい合って設けられている。そうすれば面連結部31,31を係合させて、連結スイッチ32,32が接触して電気的な導通が得られた時に、自動的にバンド3が装着されたことを検知し、LED素子11は発光するようになし得る。このように形成すれば、一対の係合部材が互いに係止した状態で無いと、プローブ4はLED光を放射できない。そのため照射器2の装着時以外のLED光放射を確実に排除でき、装置使用時の治療安全性は一層向上し、また無駄な電力消費も避けられる。なお、この連結スイッチの別の実施形態としては、装着バンド3は長さ方向に伸縮性のある素材とし、その両端部はバックルなどによるオス・メス構造の連結部として、オス側のプラグをメス側のジャックに差し込むことにより相互を機械的に連結してもよい。この時同時に周知の構造のオス型とメス型の電気コネクターを各々のバンド連結部に埋め込めば、バックルを機械的に結合した時に同時に前記の電気端子も差し込まれて導通が得られる。また更に別の実施形態としては、一方の端部の外側にはメスの凹ボタンを設け、他方の端部には延長バンドを取付けてその先端にオスの凸ボタンを設け、前記面連絡部を覆うようにして両ボタンを留めるようにし、両ボタンが機械的に結合された時、同時に電気的な結合が可能としてもよい。このような構造とすれば、装着バンド3が連結固定されたことを改めて別の手段によって検知する必要はない。
なお、本発明は微弱なLED光を用いるものであり、本質的に安全性が高いものであるから、このような結合確認手段は不可欠なものではない。従ってLED照射器の皮膚接触面の周辺に鍔(フランジ)状の延長板を設け、医療用の接着剤を塗布したプラスターシートの中央をくり貫いてLED照射器を挿入し、接着剤により皮膚に固定するようにしてもよい。また装着バンド3は予め弾力性のある金属やプラスティックの固定形状の帯で一部が開放されたリング状(Ω型)を形成し、それを押し広げて頚部に装着し、装着後はバンド自体の収縮力で頚部に密着固定させることもできる。また金属は形状記憶合金であっても良い。なお本発明の趣旨はLED光が頚椎に向けて照射されればよく、従ってLED照射器2は頚部60の円周廻りのどの位置に配置されてもよい。
本実施形態では、上記から利用者本人のみで治療を行うことができる。そして、施療中は利用者の両手が開放されるので、痛みを発生している部位の治療や、ストレッチ体操などの処置が可能になる。このように患部の運動を併行して実施すると、当然患部の血行が改善されるため治療効果は向上するが、同時に患部の位置を脳に認識させるためか、一層治癒の促進が見られた。装着バンド3は帯状の形態であるため首自体の回転・前後・左右運動が可能となる。これにより頚椎を取り囲む筋肉の硬直が無くなって当該動脈への圧迫を取り除き、脳への血行改善を図ることができる。更に首の運動により頚椎動脈血管を拡張できるため、発痛物質を取り除き易くなる。また椎骨間の広がりが得られることにより神経系統への圧迫も解除できる。当然このような首の運動によりLED照射器2が移動することとなり、LED光70の照射方向が当初装着バンド3を首に巻き付けた状態からずれてくる。しかし本発明のLED素子11は適度な広がり角度を有しているため、依然LED光70は頚椎61を照射領域に留めることができる。
なお上述の実施形態においては、回路基板10上自体で光出力信号を作成し、これをLED素子11に伝送してLED光を放射させることとしたが、LED照射器2から電源及び信号作成部分を分離し、LED光70の放射条件を設定・制御する制御装置は別に設けてもよい。この時LED照射器2と制御装置は電気コードを介して接続され、制御装置からの指令によりLED素子11を発光させ得る。また、LED照射器2或いは上述の制御装置にCPUを搭載し、LED照射器2から放射させるLED光70の出力強度、照射時間等の照射条件をCPU内の演算処理部で設定し、その照射条件に基づきLED光を照射してもよい。これにより症状の種類や程度に合わせて治療方法を選択できる。更に、例えば特許文献5に本発明者によって開示された技術も適用できる。即ち、医療機関等にあって常に利用者の健康状態データを把握している中央コンピュータ装置から、利用者の手元に置かれた携帯電話やパーソナルコンピュータ等の端末へ、最新の診断或いは問診結果に基づく治療処方を伝送し、この端末から無線或いは有線にて、LED照射器2或いは制御装置へ信号を発するようにしてもよい。また施術後に、中央コンピュータ装置に施術結果を伝送するようになしてもよい。
特願2005−241802号
また上記実施形態では、LED素子は一個としたが、複数個設置としても良い。しかし必要なLED出力は、0.5〜50mWの微弱なものであるため、上述の説明内容に沿って的確に設計・使用されれば、一個で十分機能する。更に採用するLEDは、最大定格30mWの汎用品でよい。むしろ電池寿命を考慮して光出力を設定すればよい。偏光板により約40%のエネルギーロスが発生するが、上述したように本発明は光のパワーを利用するものではないため、何ら支障は無い。更に偏光板は、直線偏光のもの以外に右円偏光のものも採用できるが、左円偏光のものは適さない。またこの偏光板もガラス、プラスティック、フィルム形状のものが利用できる。
なお本発明に近いものとして、LED或いは偏光板を使用した光照射器としては、表1の特許文献4、6、7がある。しかしこれらの技術は下記の点で本発明とは技術思想も形態も異なるものである。
(1)従来技術は創傷やコリ、神経痛等の患部皮膚表面或いはその近傍に照射するものであり、本発明に関わる健全な頚部への装着を意図していない。
(2)従来技術は中枢優先治療に関するものではないため、本発明が解決すべき課題としている、運動しても確実に深奥部の頚椎に照射のための照射方向の安定性(指向性)に関する技術の開示はない。また運動するために両手の自由度を確保する等の、装置形態や装着具に関する示唆は無い。
(3)従来技術は専門医療従事者による使用を前提にしており、本発明のように利用者自身が自分の意思で装着して照射し、施療するものではない。
(4)LEDと偏光板を利用することにおいては特許文献6が最も類似しているが、当該明細書中には、「出力が30mWでは創傷治療用光源としては不足であるため、3つの発光ダイオードを同一平面上に配置してある。」(従って出力は 3×30=90mW と推定する)と記載されており、この点においても、本発明の「光を微弱な信号として利用する」ものとは、明確に異なるものである。
Figure 2007000610

特開昭62−047376号公報 特開2000−508193号公報
本実施形態におけるLED治療装置と人体頚部との関係を示した図である。 LED照射器の内部構成を示した断面図である。 LED素子のスペクトル分布特性図である。 LED素子の指向特性図である。 外部からの刺激に対する生体の反応を説明する模式図である。
符号の説明
1 LED治療装置 2 LED照射器
3 装着バンド 4 プローブ
5 収納筐体 7 ボタン電池
10 回路基板 11 LED素子
12 透明偏光板 27 バンド通し部
60 人体頚部 61 人体頚椎
70 LED光

Claims (5)

  1. 単色光の発光ダイオード素子からなる発光ダイオード照射器と、該発光ダイオード照射器を人体頚部に固定するための装着具から構成され、該発光ダイオード素子の光照射面に偏光板を設け、かつ該発光ダイオード素子の照射出力が0.5から50mWであることを特徴とする発光ダイオード治療装置。
  2. 前記発光ダイオード素子が単一であることを特徴とする請求項1記載の発光ダイオード治療装置。
  3. 前記発光ダイオード素子の照射光の波長が400から1,300nmであることを特徴とする請求項1または2記載の発光ダイオード治療装置。
  4. 前記装着具は、前記発光ダイオード照射器を人体頚部に固定するための装着バンドであり、かつ該装着バンドが該発光ダイオード照射器に着脱自由なことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の発光ダイオード治療装置。
  5. 前記発光ダイオード照射器は、箱状に形成されて前記発光ダイオード素子を収納し、かつ1個の電池で駆動されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の発光ダイオード治療装置。
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