JP2006524490A - てんかんを診断および処置するための方法 - Google Patents

てんかんを診断および処置するための方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006524490A
JP2006524490A JP2006503959A JP2006503959A JP2006524490A JP 2006524490 A JP2006524490 A JP 2006524490A JP 2006503959 A JP2006503959 A JP 2006503959A JP 2006503959 A JP2006503959 A JP 2006503959A JP 2006524490 A JP2006524490 A JP 2006524490A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
smei
scn1a
change
seq
polypeptide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006503959A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006524490A5 (ja
Inventor
スティーブン ペトロウ,
サミュエル, フランク ベルコヴィック,
イングリッド, アイリーン シェッファー,
Original Assignee
バイオノミックス リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by バイオノミックス リミテッド filed Critical バイオノミックス リミテッド
Publication of JP2006524490A publication Critical patent/JP2006524490A/ja
Publication of JP2006524490A5 publication Critical patent/JP2006524490A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/705Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/08Antiepileptics; Anticonvulsants
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6876Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes
    • C12Q1/6883Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes for diseases caused by alterations of genetic material
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q2600/00Oligonucleotides characterized by their use
    • C12Q2600/156Polymorphic or mutational markers

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Neurology (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Neurosurgery (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Pain & Pain Management (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Abstract

患者におけるSMEIを診断するための方法であって、患者のサンプルにおける遺伝子の調節領域内を含むSCN1A遺伝子における変化を検出すること、および、その変化が、SMEI関連またはSMEI非関連であることが知られているかどうかを確認すること、あるいは、そのいずれかであることが知られていない場合には、その変化がSMEI関連の変化であるという可能性を決定することを含む方法。

Description

本発明は、てんかん(特に、乳児重症ミオクロニーてんかん(SMEI))の診断および処置に関する。
てんかんは、人口の約3%がその生涯においていつか冒される脳障害の多様な集まりを構成する(Annegers、1996)。てんかん発作は、中枢神経系における様々なニューロン集団の乱れた発火によって引き起こされる行動での一時的な変化として定義することができる。これにより、様々な程度の不随意筋の収縮がもたらされ、そして、多くの場合には意識消失がもたらされる。てんかん症候群は、特徴的な症状、発作のタイプ、原因、発症年齢およびEEGパターンに基づいて40以上の異なったタイプに分類されている(国際抗てんかん連盟分類・用語委員会、1989)。しかしながら、すべての症候群に共通するただ1つの特徴は、発作として時々および予測不能の両方で表されるニューロン興奮性における持続した増大である。
てんかんの病因に対する遺伝的寄与が罹患者の約40%に存在することが推定されている(Gardiner、2000)。てんかん性発作は、ニューロンの同期性を最終的には乱す数多くの分子的異常の終点であり得るため、てんかんに対する遺伝的基礎は一様でない可能性がある。てんかんを表現型の一部として含む、200を越えるメンデル疾患が存在する。これらの疾患において、発作は、脳の構造または機能における乱れなどの根本的な神経学的関与の徴候を示す。対照的に、数多くの「純粋な」てんかん症候群もまた存在し、この場合、てんかんは罹患者における唯一の症状発現である。これらは特発性と呼ばれ、全てんかん症例の60%以上を占める。
特発性てんかんは部分性サブタイプおよび全身性サブタイプにさらに分けられている。部分性(焦点性または局所性)のてんかん性ひきつけが限局的な皮質放電から生じ、その結果、特定の筋肉群のみが関与し、意識は保持され得る(Sutton、1990)。しかしながら、全身性てんかんでは、EEG放電は、脳のすべての皮質下領域が関与するように、病巣を何ら示さない。全身性てんかんは高頻度に遺伝するという観測結果は理解できるが、遺伝的欠陥(おそらくは脳において構成的に発現していると考えられる)が部分性発作を生じさせる機構はあまり明らかではない。
特発性全身性てんかん(IGE)は、遺伝するヒトてんかんの最も一般的な一群であるが、単純な遺伝ではない。現在、IGEの2つの幅広い群が知られている:古典的な特発性全身性てんかん(国際抗てんかん連盟分類・用語委員会、1989)、および、新しく認められた、熱性発作プラスを伴う全身性てんかん(GEFS)の遺伝的症候群(SchefferおよびBerkovic、1997;Singh他、1999)。
古典的IGEは、臨床的に認識され得るが、重なる数多くの亜症候群に分けられ、これらには、小児期欠神てんかん、若年性欠神てんかん、若年性ミオクロニーてんかんなどが含まれる(国際抗てんかん連盟分類・用語委員会、1989;Roger他、1992)。これらの亜症候群は発症年齢および発作タイプのパターン(欠神、ミオクローヌスおよび強直間代性)によって特定される。一部の患者(特に、強直間代性発作だけを有する患者)は、具体的に認識されている亜症候群に合わない。これらを別個の症候群(神経生物学的連続の一部であるとはまだ認められていない)と見なすための議論が以前から提示されている(Berkovic他、1987;1994;ReutensおよびBerkovic、1995)。
GEFSは、最初は大きな多世代家系を通して認識されていたものであり、様々な亜症候群を含む。熱性発作プラス(FS)は、子供が、3ヶ月〜6歳の年齢範囲から外れた年齢で発生する熱性発作を有するか、または、関連した熱性の強直間代性発作を有する亜症候群である。多くの家族メンバーが、古典的な熱性痙攣症候群から区別できない表現型を有し、一部は、さらなる欠神発作、筋間代性発作、無緊張性発作または複雑部分発作を伴うFSを有する。GEFSスペクトルの重篤な結末には、ミオクロニー失立てんかんが含まれる。
GEFS家系において、主要な常染色体優性遺伝子の臨床的証拠を有する希な多世代の大きな家系についての連鎖分析により、染色体19qおよび染色体2qにおける遺伝子座が明らかにされている。19qおよび2qのGEFS遺伝子座の両方が、独立して突き止められた大きな家系において確認されており、また、遺伝的欠陥が同定されている。19qに関連づけられる家系が知られており、ニューロンナトリウムチャネルのβ1サブユニット(SCN1B)に対する遺伝子における変異が同定されている(Wallace他、1998)。この変異はこの調節サブユニットの非常に重要なジスルフィド架橋の喪失をもたらし、インビトロでの機能の喪失を引き起こしている。2qに関連づけられる家系もまた知られており、ニューロンナトリウムチャネルの細孔形成αサブユニット(SCN1A)における変異が同定されている(PCT/AU01/01648;Escayg他、2000)。
乳児重症ミオクロニーてんかん(SMEI)は、全身性発作および焦点性(部分性)発作の両方として発現するてんかん性症候群として分類される(国際抗てんかん連盟分類・用語委員会、1989)。SMEIは、生後1年のうちに、長期にわたる熱性および無熱性の半間代性(hemiclonic)発作および全身性発作を伴って始まる。1歳〜4歳の間で、筋間代性発作、欠神発作および無緊張性発作を含む他の発作タイプを発症する。神経学的発達は、乳児期は正常であるが、2年後以降、徐々に遅くなる。てんかんおよび/または熱性発作の家族歴がSMEI患者に見出されることが多く、最近の研究では、家族メンバーが、GEFS+スペクトルと一致するてんかん表現型を有することが示されている(Singh他、2001;Veggiotti、2001)。臨床的観点から、GEFS+およびSMEIは、発熱に関連する発作を伴うため、ナトリウムチャネル遺伝子が、SMEI罹患者における変異に対する標的であり得ると考えられていた。この事実は後に、SMEI患者におけるSCN1A遺伝子での変異が同定されたときに確認された(Claes他、2001;Ohmori他、2002)。これらの変異のそれぞれがデノボであったことは興味深いことであり、これは、著しい数のSMEI症例がGEFS+の家族歴を有するという臨床的経験に基づいて両立させることが難しい事実である。
SMEIの早期診断を助けるための分子的診断検査の開発は重要である。そのような検査は、SMEIに罹患する可能性がある患者に対する妥当な処置法を導き、また、ワクチン接種または他の原因により誘導される発熱などの要因の結果としての発作の悪化に対する危険性を予測する。SMEIの分子的基礎を明らかにするための臨床的研究は、その結果がこれまで一定しておらず、SMEIに対するただ1つの分子的基礎に関しても結論に達していない。これは、特に、SCN1A遺伝子における変化は他のてんかんサブタイプにも関与しているためである。本発明者らは、SMEIにおけるそのような予測可能な診断検査の必要性を認識しており、従って、以前の臨床的研究において認められた制限を克服し、かつ、てんかん患者がSMEIを有する可能性をSCN1A遺伝子の分子的分析に基づいて決定する方法を確立した。
本発明の第1の局面において、患者におけるSMEIを診断するための方法が提供され、この方法は、患者のサンプルにおける遺伝子の調節領域内を含むSCN1A遺伝子における変化を検出すること、および、その変化が、SMEI関連またはSMEI非関連であることが知られているかどうかを確認すること、あるいは、そのいずれかであることが知られていない場合には、その変化がSMEI関連の変化であるという可能性を決定することを含む。
この情報は、患者に対する妥当な処置治療法を開始するために重要である。現在の抗てんかん薬(AED)処置は一部のてんかん患者において発作を悪化させることがある。これは、増大した発作頻度、増大した発作重篤度、または新しい発作タイプの出現という形を取ることがある。SMEIに関して、カルバマゼピン、ガバペンチン、ラモトリギンおよびビガバトリンが発作を悪化させ得ることが知られており(Bourgeois、2003)、これに対して、バルプロアートはSMEI患者にとって有益であることが示されている(SchefferおよびBerkovic、2003)。従って、本発明の診断方法は、SMEIを有することが疑われる患者における適切な第一次AED選択を導くことに対する重要な情報を提供する。
SCN1A遺伝子における変化の種類には、コード領域および非コード領域(例えば、プロモーター、イントロンまたは非翻訳領域など)における欠失、挿入、再配置および点変異を含む、遺伝子変異のすべての形態が包含される。欠失は遺伝子全体または遺伝子の一部のみである場合があり、これに対して、点変異は、停止コドン、フレームシフトまたはアミノ酸置換をもたらす場合がある。SCN1Aの調節領域(例えば、プロモーターなど)において生じる点変異はmRNAの発現の喪失または低下をもたらすことがあり、あるいは、適切なmRNAプロセシングを停止させ、これにより、mRNAの安定性または翻訳効率の低下をもたらすことがある。
SCN1Aタンパク質に対するより深刻な変化(例えば、短縮タンパク質を生じさせるフレームシフト変異およびナンセンス変異など)を生じさせる患者におけるSCN1A変化の同定は、その患者がSMEIを有するという可能性を増大させる。この可能性は、その変化が、患者の親または親類から受け継いでいる変化ではなく、デノボ変化であることが示され得るならば、あるいは、SCN1A遺伝子におけるその変化が、SMEIと以前から関連している変化であることが示され得るならば、さらに一層増大する。図1におけるフローチャートは本発明の1つの局面を図示する。
1つの実施形態において、患者におけるSMEIを診断するための方法が提供され、この方法は、SCN1Aの変化の存在について検査し、かつ、その変化の種類を特定するために1つまたは複数のアッセイを行うことを含む。
さらなる実施形態において、下記の工程を含む、患者におけるSMEIを診断するための方法が提供される:
(1)患者のSCN1A遺伝子における変化の存在について検査するために1つまたは複数のアッセイを行う工程;および、結果がSCN1A遺伝子における変化の存在を示すならば、
(2)そのSCN1A変化の種類を特定するために1つまたは複数のアッセイを行う工程。
SCN1Aの変化の存在について検査するために使用することができる数多くのアッセイシステムが存在し、従って、本発明は、下記に示される実施例によって限定されない。
1つの実施形態において、用いられるアッセイシステムは、野生型のSCN1A DNAとの比較における、患者サンプルから得られるSCN1A DNAの分析であり得る。ゲノムDNAを診断分析のために使用することができ、これは身体の細胞(例えば、血液もしくはほおに存在する細胞など)、組織生検、手術標本または剖検材料(これらに限定されない)を含む数多くの供給源から得ることができる。DNAは、診断アッセイのために単離し、そのまま使用することができ、または、分析前にポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって増幅することができる。同様に、RNAまたはcDNAもまた、PCR増幅とともに、またはPCR増幅を伴うことなく使用することができる。また、出生前診断を、胎児細胞、胎盤細胞または羊水を検査することによって行うことができる。
特定の実施形態において、DNAハイブリダイゼーションアッセイを用いることができる。これらは、SCN1A遺伝子について特異的な、プローブに基づくアッセイからなり得る。1つのそのようなアッセイでは、1つまたは複数の制限酵素で消化されたDNAの一連のサザンブロットを観察することができる。各ブロットは一連の正常者および一連の患者サンプルを含有し得る。SCN1A遺伝子に近い配列またはSCN1A遺伝子を含む配列(SCN1A遺伝子プローブ)でプローブされたとき、正常なDNAとは長さが異なるハイブリダイゼーションフラグメントを示すサンプルはSCN1A変化の可能性を示している。非常に大きい制限フラグメントを生じさせる制限酵素が使用されるならば、パルスフィールド電気泳動(PFGE)を用いることができる。
SCN1Aエキソン特異的ハイブリダイゼーションアッセイもまた用いることができる。プローブに基づくこのタイプのアッセイでは、SCN1A遺伝子のエキソンに対してその野生型形態で特異的かつ選択的にハイブリダイゼーションする少なくとも1つのプローブが利用される。従って、核酸プローブを含有する二重鎖核酸ハイブリッドの形成がないことは、SCN1A遺伝子における変化の存在を示している。プローブに基づく検査は特異性が高いため、何らかの陰性の結果はSCN1A変化の存在を非常に示している。しかしながら、さらなる調査アッセイを用いて、変化の種類を特定して、その変化がSMEI関連の変化である可能性を決定しなければならない。
SCN1Aエキソン特異的アッセイ法はまた、SMEIの原因である以前に明らかにされたSCN1A変化を同定するために適合化することができる。この局面では、その変化した形態でのSCN1A遺伝子と特異的かつ選択的にハイブリダイゼーションするプローブが使用される(対立遺伝子特異的プローブ)。この場合、核酸プローブを含有する二重鎖核酸ハイブリッドの形成はSCN1A遺伝子における変化の存在を示している。エキソン特異的アッセイ法の各変法では、SMEIとの関連がないSCN1A遺伝子における既知の多型を考慮に入れることは重要である。二次アッセイ(例えば、DNA配列決定など)を、何らかの疑われる変化が既知の多型でないことを確実にするために続いて用いなければならない。
上記アッセイのそれぞれのために使用されるSCN1Aエキソン特異的プローブは、(1)各エキソンに隣接するイントロン特異的プライマーを使用するSCN1A遺伝子の各エキソンのPCR増幅、(2)各エキソンについて特異的なcDNAプローブ、または(3)任意のSCN1Aエキソンをまとめて表す一連のオリゴヌクレオチドに由来し得る。
さらなる実施形態においては、ヘテロ二重鎖の形成を分析するためのアッセイを用いることができる。変性させた野生型SCN1A DNAを患者由来のDNAサンプルと混合することによって、これら2つのサンプルの間でのSCN1A配列における何らかの配列変化は、ヘテロ二重鎖およびホモ二重鎖の混合集団の形成をDNAの再アニーリングのときにもたらす。この混合集団の分析は、部分的変性温度のもとで行われる高速液体クロマトグラフィー(HPLC)のような技術の使用によって達成することができる。この様式では、ヘテロ二重鎖が、その低下した融解温度のために、ホモ二重鎖よりも早くHPLCカラムから溶出する。
さらなる実施形態において、患者サンプルは電気泳動に基づくアッセイに供することができる。例えば、SCN1Aフラグメントの長さの違いを決定する電気泳動アッセイを用いることができる。各患者のゲノムDNAのフラグメントが、SCN1A遺伝子のイントロン特異的プライマーを用いて増幅される。従って、SCN1A遺伝子の増幅された領域は、目的のエキソン、エキソン/イントロンの境界におけるスプライス部位接合、および増幅産物のいずれかの末端におけるイントロンの短い一部分を含む。増幅産物は電気泳動のサイズ分離ゲルにおいて泳動することができ、増幅フラグメントの長さが、挿入変異または欠失変異が患者サンプルにおいて見出されるかどうかを明らかにするために、野生型遺伝子に由来する既知および予測される標準長さと比較される。この手順は「多重化」形式において都合よく使用することができ、この場合、複数のエキソン(一般には2個〜8個)に対するプライマーが同時に増幅され、1つの電気泳動ゲルにおいて同時に評価される。これは、各エキソンに対するプライマーを慎重に選択することによって可能になる。各エキソンに広がる増幅フラグメントは、異なるサイズであるように設計され、従って、電気泳動/サイズ分離ゲルにおいて識別可能である。この技術の使用は、正常型および変異型の両方の対立遺伝子をヘテロ接合個体において検出するという利点を有する。また、多重化の使用により、この技術は非常に費用効果的であり得る。
さらなる方法において、SMEIの原因である以前に同定されたSCN1A変化を検出するための診断的電気泳動アッセイでは、SCN1A遺伝子の変化したエキソンに特異的に結合するPCRプライマーを利用することができる。この場合、プライマーのハイブリダイゼーションが生じたならば、生成物が電気泳動ゲルにおいて観測されるだけである。従って、増幅産物の出現は、変化が存在することを示すものであり、これに対して、増幅産物の長さは、さらなる変化が存在することを示し得る。
さらなる電気泳動アッセイを用いることができる。これらには、一本鎖高次構造多型(SSCP)法(Orita他、1989)が含まれ得る。上記で述べられたように、各患者のゲノムDNAのフラグメントが、SCN1A遺伝子のイントロン特異的プライマーを用いてPCR増幅され、その結果、SCN1A遺伝子の個々のエキソンが増幅され、かつ個々に分析され得るようになる。その後、エキソン特異的なPCR産物は非変性ポリアクリルアミドゲルでの電気泳動に供され、その結果、DNAフラグメントが、その配列組成により決定されるようなその立体配座に基づいてゲル中を移動するようになる。野生型のSCN1A配列とは配列が異なるSCN1Aエキソン特異的フラグメントは、異なる二次構造立体配座を有し、従って、ゲル中を異なるように移動する。患者サンプルにおける異常に移動するPCR産物は、SCN1Aエキソンにおける変化の存在を示しており、変化の種類を特定するために、さらには、DNA配列決定などの二次アッセイで分析しなければならない。
用いることができるさらなる電気泳動アッセイには、RNase保護アッセイ(Finkelstein他、1990;Kinszler他、1991)および変性勾配ゲル電気泳動(DGGE)(Wartell他、1990;Sheffield他、1989)が含まれる。RNase保護では、変異型ポリヌクレオチドを2つ以上のより小さいフラグメントに切断することが伴い、これに対して、DGGEでは、野生型配列と比較される変異型配列の移動速度の違いが、変性勾配ゲルを使用して検出される。
RNase保護アッセイにおいては、ヒト野生型SCN1A遺伝子をコードする配列に対して相補的である標識されたリボプローブが、患者から単離されたmRNAまたはDNAのいずれかとハイブリダイゼーションさせられ、続いて、二重鎖RNA構造におけるいくつかのミスマッチを検出することができる酵素RNaseAで消化される。ミスマッチがRNaseAによって検出される場合、RNaseAはミスマッチの部位において切断する。従って、アニーリングされたRNA調製物が電気泳動ゲルマトリックスで分離されるとき、ミスマッチがRNaseAによって検出され、切断されたならば、リボプローブおよびmRNAまたはDNAについて全長の二重鎖RNAよりも小さいRNA産物が認められる。リボプローブはSCN1AのmRNAまたは遺伝子の全長である必要はなく、いずれかのセグメントであり得る。リボプローブがSCN1AのmRNAまたは遺伝子のセグメントのみを含む場合、数多くのこれらのプローブを使用して、mRNA配列全体をミスマッチについてスクリーニングすることが望ましい。
さらなる実施形態において、酵素に基づくアッセイ(TaylorおよびDeeble、1999)を診断適用において使用することができる。そのようなアッセイでは、S1ヌクレアーゼ、リボヌクレアーゼ、T4エンドヌクレアーゼVII、MutS(Modrich、1991)、CleavaseおよびMutYの使用が含まれる。MutSアッセイにおいて、タンパク質は、変異型配列と野生型配列との間におけるヘテロ二重鎖においてヌクレオチドミスマッチを含有する配列に対してのみ結合する。
アッセイが、SCN1Aタンパク質に基づくことになる場合、様々な方法が可能である。例えば、診断を、正常なSCN1Aタンパク質および患者サンプルから単離されたSCN1Aタンパク質の電気泳動移動度の差をモニターすることによって達成することができる。そのような方法は、電荷置換が存在する変化、または、挿入、欠失もしくは置換が、生じたタンパク質の電気泳動移動における著しい変化をもたらしている変化を特定する際には特に有用である。あるいは、診断は、正常なタンパク質および変化したタンパク質のタンパク質分解的切断パターンにおける差、または様々なアミノ酸残基のモル比における差に基づくことができ、あるいは、遺伝子産物の変化した機能を明らかにする機能的アッセイによって行うことができる。
SCN1Aタンパク質に基づくさらなるアッセイには免疫アッセイが含まれる。SCN1A遺伝子産物に対する免疫アッセイは現在知られていない。しかしながら、免疫アッセイは、特定の遺伝子産物に対する抗体を惹起させるための様々な手順が文献(例えば、米国特許第4172124号および同第4474893号;これらは参考として本明細書中に組み込まれる)に詳しく記載されるため、アッセイの選択に含められる。共通する変異部位から離れている遺伝子産物の一部分に結合し、その結果、同じ抗体が変異型タンパク質および正常なタンパク質の両方に結合するような抗体が通常、惹起される。本発明において使用される好ましい抗体は、その改善された予測性および特異性のためにモノクローナル抗体である。しかしながら、所望する高レベルの特異性を有する本質的には任意の抗体を使用することができること、および、高い感度を達成するための最適化が必要でないことが理解される。
SMEIに関与するSCN1Aにおける新規な変化の診断的検出のためには、タンパク質のカルボキシ末端に対して惹起された抗体が好ましい。SMEIに関与することが以前に同定されているSCN1A変化の診断的検出のためには、欠陥遺伝子産物に対して惹起された抗体が好ましい。抗体は、免疫学的反応が生じ得る条件のもとで患者サンプルの一部に加えられ、その後、サンプルは、そのような反応が生じたかどうかを見るために評価される。この評価を行うための特定の方法は重要ではなく、そのような方法には、米国特許第4016043号(これは参考として本明細書中に組み込まれる)に記載される酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);蛍光生成性の酵素基質(例えば、4−メチルウンベリフェリル−β−ガラクトシドなど)が発色性基質の代わりに使用されることを除いて、ELISAに類似する蛍光酵素免疫アッセイ(FEIAまたはELFA);および放射免疫アッセイ(RIA)が含まれる。
用いることができる最も確定的な診断アッセイはDNA配列決定であり、究極的には、行われることが必要とされる唯一のアッセイであり得る。SCN1A DNAの野生型配列と検査患者のSCN1A配列との比較は高い特異性および高い感度の両方をもたらす。用いられる一般的な方法論では、目的とするDNAフラグメントを患者のDNAから(例えば、PCRを用いて)増幅すること;増幅されたDNAを、増幅プライマーと同じまたは異なり得る配列決定用プライマーと混合すること;通常のヌクレオチド(A、C、GおよびT)、および、取り込まれると、プライマーのさらなる伸長を妨げる鎖停止用ヌクレオチド(例えば、ジデオキシヌクレオチドなど)の存在下で配列決定用プライマーを伸長すること;および、得られた伸長フラグメントの長さについて生成物を分析することを伴う。そのような方法は、Sanger他(1977)によって開示された最初のジデオキシ配列決定法に基づいており、本発明において有用である一方で、最終アッセイはそのような方法に限定されない。例えば、目的とする遺伝子の配列またはその一部分を決定するための他の方法もまた用いることができる。代わりの方法には、MaxamおよびGilbert(1977)によって記載される方法、ならびにジデオキシ法の変法、および鎖停止用ヌクレオチドに全く依らない方法(例えば、米国特許第4971903号(これは参考として本明細書中に組み込まれる)に開示される方法など)が含まれる。野生型SCN1A配列と比較されたとき、検査患者のSCN1Aエキソンにおける(良性の多型とは異なる)何らかの配列の違いは、SMEIを引き起こす潜在的原因を示している。
本発明のさらなる局面において、患者におけるSMEIを診断する方法が提供され、この方法は、SCN1A変化の存在についての検査を提供するための1つまたは複数のアッセイと、その変化の種類を特定するための検査を提供するための1つまたは複数のアッセイとを含み、その結果、その変化がSMEI関連の変化であるという可能性を決定するようにするアッセイ系を選択する工程を含む。
本発明の適用は、SMEIと最初に診断された個体においてSCN1A遺伝子における数多くの変異の同定をもたらしている。このことは、個体がSMEIに罹患しているかもしれないという可能性を提供することにおける診断アッセイの有用性を明らかにしている。
本発明のさらなる局面によれば、哺乳動物の電位依存性ナトリウムチャネルの変化したSCN1Aサブユニットをコードする単離された核酸分子が提供され、この場合、前記変化はSMEI表現型を生じさせ、配列番号1〜配列番号25のいずれかに示される配列を有する。
本発明のさらなる局面において、哺乳動物の電位依存性ナトリウムチャネルの変化したSCN1Aサブユニットである単離されたポリペプチドが提供され、この場合、前記ポリペプチドは、配列番号26〜配列番号48のいずれかに示されるアミノ酸配列を有し、かつ、前記変化はSMEI表現型を生じさせる。
SCN1A遺伝子におけるさらなる変化が本研究の期間中に同定された。これらの変化は、臨床的診断に基づいてSMEIに罹患していることが疑われていない個体において同定された。
従って、本発明のさらなる局面において、哺乳動物の電位依存性ナトリウムチャネルの変化したSCN1Aサブユニットをコードする単離された核酸分子が提供され、この場合、前記変化は非SMEIてんかん表現型を生じさせ、配列番号49〜配列番号53のいずれかに示される配列を有する。
本発明のさらにさらなる局面において、哺乳動物の電位依存性ナトリウムチャネルの変化したSCN1Aサブユニットである単離されたポリペプチドが提供され、この場合、前記ポリペプチドは、配列番号54〜配列番号58のいずれかに示されるアミノ酸配列を有し、かつ、前記変化は非SMEIてんかん表現型を生じさせる。
本発明の別の局面において、配列番号1〜配列番号25および配列番号49〜配列番号53のいずれか1つに示されるヌクレオチド配列を含む単離された核酸分子が提供される。
本発明の別の局面において、配列番号1〜配列番号25および配列番号49〜配列番号53のいずれか1つに示されるヌクレオチド配列からなる単離された核酸分子が提供される。
本発明のヌクレオチド配列は、様々な目的のために、この分野で受け入れられている方法を使用して操作することができる。これらには、遺伝子産物のクローニング、プロセシングおよび/または発現の改変が含まれるが、これらに限定されない。遺伝子フラグメントのPCR再組み立ておよび合成オリゴヌクレオチドの使用は本発明のヌクレオチド配列の操作を可能にする。例えば、オリゴヌクレオチド媒介による部位特異的変異誘発は、新しい制限部位を生じさせるさらなる変異、発現パターンを変化させるさらなる変異、およびスプライス変化体を産生させるさらなる変異などを導入することができる。
遺伝暗号の縮重性の結果として、数多くのポリヌクレオチド配列(いくつかが、何らかの知られている天然に存在する遺伝子のポリヌクレオチド配列との最小の類似性を有し得る)がもたらされ得る。従って、本発明は、可能なコドン選択に基づいて組合せを選択することによって作製され得るポリヌクレオチド配列の可能なあらゆる変化体を包含する。これらの組合せは、本発明のポリヌクレオチド配列に適用されるような標準的なトリプレット遺伝暗号に従って作製され、すべてのそのような変化が、具体的に開示されていると見なされなければならない。
本発明の核酸分子は、典型的にはDNA分子であり、センス鎖およびアンチセンス鎖の両方で、cDNA、ゲノムDNA、合成された形態、および混合ポリマーを包含し、そして、当業者によって理解されるように、化学的または生化学的に修飾することができ、あるいは、非天然または誘導体化されたヌクレオチド塩基を含有することができる。そのような修飾には、標識、メチル化、インターカレーター、アルキル化体、および修飾された連結が含まれる。場合により、本発明のポリヌクレオチド配列のコドン使用とは実質的に異なるコドン使用を有するヌクレオチド配列を作製することが好都合であり得る。例えば、コドンは、特定のコドンがその宿主によって利用される頻度と一致する特定の原核生物宿主または真核生物宿主におけるペプチドの発現速度を増大させるために選択することができる。ヌクレオチド配列を、コードされるアミノ酸配列を変化させることなく変化させる他の理由には、天然に存在する変異した配列から産生される転写物よりも望ましい性質(例えば、そのような転写物よりも大きい半減期など)を有するRNA転写物を産生させることが含まれる。
本発明はまた、全体が合成化学による本発明の核酸配列の作製を包含する。合成配列は、挿入されたコード配列の好適な宿主における転写制御および翻訳制御のための必要なエレメントを含有する発現ベクターおよび細胞システムに挿入することができる。これらのエレメントには、本発明のポリペプチドをコードする配列のより効率的な翻訳を可能にする調節配列、プロモーター、5’および3’の非翻訳領域、ならびに特異的な開始シグナル(例えば、ATG開始コドンおよびKozakコンセンサス配列など)が含まれ得る。完全なコード配列(これは開始コドンおよび上流の調節領域を含む)が適切な発現ベクターに挿入される場合、さらなる制御シグナルを必要としないことがある。しかしながら、コード配列のみ、またはそのフラグメントが挿入される場合、上記に記載されるような外因性の翻訳制御シグナルがベクターによって提供されなければならない。そのようなシグナルは、天然および合成の両方で、様々な起源に由来し得る。発現効率は、使用される特定の宿主細胞システムについて適切なエンハンサーを含めることによって高めることができる(Scharf他、1994)。
本発明はまた、本明細書中に記載される配列の相補体である核酸分子を包含する。
本発明は、本発明のポリヌクレオチドまたはその変化体に由来する精製されたポリペプチドまたはタンパク質の調製を可能にする。これを行うために、宿主細胞を、上記に記載されるような新規な核酸分子で形質転換することができる。典型的には、前記宿主細胞は、本発明によるDNA分子を含む発現ベクターでトランスフェクションされる。様々な発現ベクター/宿主システムを、本発明のポリペプチドをコードする配列を含有および発現するために利用することができる。これらには、微生物、例えば、プラスミドもしくはコスミドのDNA発現ベクターで形質転換された細菌など;酵母発現ベクターで形質転換された酵母;ウイルス発現ベクター(例えば、バキュロウイルス)を感染させた昆虫細胞システム;または、マウスもしくは他の動物もしくはヒトの組織細胞システムが含まれるが、これらに限定されない。哺乳動物細胞もまた、ワクシニアウイルス発現システムを使用してタンパク質を発現させるために使用することができる。本発明は、用いられる宿主細胞またはベクターによって限定されない。
本発明のポリヌクレオチド配列またはその変化体は、哺乳動物システムにおける組換えタンパク質の長期間にわたる産生を可能にするための細胞株において安定的に発現させることができる。本発明のポリペプチドをコードする配列は、ウイルスの複製起点および/または内因性の発現エレメント、および、同じベクターもしくは別個のベクターにおける選択マーカー遺伝子を含有し得る発現ベクターを使用して細胞株に形質転換することができる。選択マーカーは選択因子に対する抵抗性を付与し、従って、その存在は、導入された配列を首尾良く発現する細胞の成長および回収を可能にする。安定的に形質転換された細胞の抵抗性クローンは、細胞タイプに対して適切な組織培養技術を使用して拡大培養することができる。
形質転換された細胞により産生されるタンパク質は、使用される配列および/またはベクターに依存して、分泌され得るか、または細胞内に保持され得る。当業者によって理解されるように、タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含有する発現ベクターは、原核生物または真核生物の細胞膜を通過するタンパク質の分泌を行わせるシグナル配列を含有するように設計することができる。
加えて、宿主細胞系統は、挿入された配列の発現を調節するその能力、または、所望される様式で発現タンパク質をプロセシングするその能力のために選ぶことができる。ポリペプチドのそのような修飾には、アセチル化、グリコシル化、リン酸化およびアシル化が含まれるが、これらに限定されない。タンパク質の「プレプロ」形態の翻訳後切断もまた、タンパク質の標的化、折り畳みおよび/または活性を規定するために使用することができる。翻訳後活性のための特定の細胞装置および特徴的な機構を有する異なる宿主細胞(例えば、CHO細胞またはHeLa細胞)を、American Type Culture Collection(ATCC)から入手することができ、また、外来タンパク質の正しい修飾およびプロセシングを確実にするために選ぶことができる。
遺伝子の多量のタンパク質産物が、例えば、抗体製造などのために必要とされる場合、このタンパク質の高レベルの発現を行わせるベクターを使用することができる(例えば、T5またはT7の誘導可能なバクテリオファージプロモーターを含有するベクターなど)。本発明はまた、タンパク質の重要な機能的ドメインを含有する融合タンパク質を作製および単離することにおける、上記に記載される発現システムの使用を包含する。これらの融合タンパク質は、適切な抗体の作製のためだけでなく、結合研究、構造的および機能的な研究のために使用される。
タンパク質を融合タンパク質として発現および精製するために、適切なcDNA配列が、別のペプチド(例えば、グルタチオンスクシニルトランスフェラーゼ)をコードするヌクレオチド配列を含有するベクターに挿入される。融合タンパク質は原核生物細胞または真核生物細胞から発現および回収される。その後、融合タンパク質を、融合ベクター配列に基づくアフィニティークロマトグラフィーによって精製することができる。その後、所望するタンパク質が融合タンパク質の酵素切断によって得られる。
本発明のポリペプチドのフラグメントはまた、固相技術を使用する直接的なペプチド合成によって製造することができる。自動化された合成を、ABI431Aペプチド合成機(Perkin−Elmer)を使用することによって達成することができる。このタンパク質の様々なフラグメントを別々に合成し、その後、全長の分子を製造するために組み合わせることができる。
本発明の別の局面において、配列番号26〜配列番号48および配列番号54〜配列番号58のいずれか1つに示されるアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチドが提供される。
本発明の別の局面において、配列番号26〜配列番号48および配列番号54〜配列番号58のいずれか1つに示されるアミノ酸配列からなる単離されたポリペプチドが提供される。
本発明のさらに別の局面によれば、上記で記載されるような変化したSCN1Aタンパク質を取り込む哺乳動物の電位依存性ナトリウムチャネルが提供される。
本発明のさらに別の局面によれば、上記で記載されるような核酸分子を含む発現ベクターが提供される。
本発明のさらに別の局面によれば、上記で記載されるような核酸分子を含む細胞が提供される。
本発明のさらに別の局面によれば、哺乳動物の電位依存性ナトリウムチャネルの変化したSCN1Aタンパク質であるポリペプチドを調製する方法が提供され、この方法は、
(1)上記で記載されるような細胞を、ポリペプチド産生のために効果的な条件のもとで培養する工程、および
(2)ポリペプチドを集める工程
を含む。
変異型SCN1Aタンパク質は、細胞によって同時発現されるナトリウムチャンネルの他のサブユニット(例えば、SCN1Bタンパク質など)とともに組み立てることができ、それにより、組み立てられた変化したナトリウムチャネルが集められる。
本発明のさらに別の局面によれば、上記で記載されたプロセスの生成物であるポリペプチドが提供される。
実質的に精製されたタンパク質またはそのフラグメントは、その後、二次構造および三次構造を明らかにするためのさらなる生化学的分析において使用することができる。そのような方法論はこの分野では知られており、これには、本タンパク質、または本タンパク質を取り込む組み立てられたイオンチャネルの結晶のX線結晶学、核磁気共鳴(NMR)による方法が含まれるが、これらに限定されない。構造の決定は、変化したナトリウムチャネルと、全体として、またはチャネルの変化したSCN1Aタンパク質との相互作用を介して相互作用するか(下記の薬物スクリーニングを参照のこと)、あるいは、ナトリウムチャネルタンパク質の全体的な荷電配置または他のタンパク質との電荷相互作用を変化させるか、あるいは、細胞におけるその機能を変化させるための医薬品の合理的設計を可能にする。
てんかんの原因であるSCN1A遺伝子における新規な変化を同定することにより、変化したSCN1Aタンパク質は、SMEIを含むてんかんを処置するための治療的方法を可能にすることが理解される。
(治療的適用)
本発明のさらに別の局面によれば、SMEIを含むてんかんを処置する方法が提供され、この方法は、上記に記載されるようなSCN1Aポリペプチドの選択的なアンタゴニストまたはアゴニストまたは調節剤を、そのような処置を必要としている対象に投与することを含む。
本発明のさらに別の局面によれば、SMEIを含むてんかんを処置するための医薬品を製造する際の、上記に記載されるようなSCN1Aポリペプチドの選択的なアンタゴニストまたはアゴニストまたは調節剤の使用が提供される。
1つの局面において、好適なアンタゴニストまたはアゴニストまたは調節剤は、本発明の一部を形成するSCN1A変化を含有するナトリウムチャネルに野生型の機能を回復させるか、または、変化した受容体が細胞機能に対して有する影響を無効にする。
この分野で広く知られている様々な方法を使用して、SMEIを含むてんかんの原因となっている変化したナトリウムチャネルまたはチャネルのSCN1Aタンパク質は、変化したチャネルまたはチャネルのSCN1Aタンパク質に対して特異的な抗体を作製するために、あるいは、薬学的薬剤のライブラリーをスクリーニングして、変化したチャネルまたはチャネルのSCN1Aタンパク質と結合する薬剤を同定するために使用することができる。
1つの局面において、本発明の変化したナトリウムチャネルまたは変化したSCN1Aタンパク質に特異的に結合する抗体は、アゴニストまたはアンタゴニストまたは調節剤として直接、使用することができ、あるいは、変化したチャネルを発現する細胞または組織に薬学的薬剤を運ぶための標的化機構または送達機構として間接的に使用することができる。
本発明のさらにさらなる局面において、上記に記載されるようなポリペプチドとの免疫学的反応性を有するが、野生型のSCN1AチャネルまたはそのSCN1Aタンパク質との免疫学的反応性を有しない抗体が提供される。
具体的には、SMEIを含むてんかんの原因となっている、チャネルの一部を形成するSCN1Aタンパク質に変化を含有する組み立てられたナトリウムチャネルに対する抗体が提供される。そのような抗体には、当業者によって理解されるように、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体および単鎖抗体が含まれ得るが、これらに限定されない。
抗体を作製するために、ウサギ、ラット、ヤギ、マウスおよびヒトなど含む様々な宿主を、上記に記載されるようなポリペプチドによる注射によって、あるいは、免疫原的性質を有するその任意のフラグメントまたはオリゴペプチドによる注射によって免疫化することができる。様々なアジュバントを、免疫学的応答を増大させるために使用することができ、これには、フロイントの鉱物ゲル(例えば、水酸化アルミニウムなど)および界面活性物質(例えば、リゾレシチンなど)が含まれるが、これらに限定されない。ヒトにおいて使用されるアジュバントには、BCG(カルメット・ゲラン菌)およびコリネバクテリウム・パルブムが含まれる。
変化したナトリウムチャネルまたはその変化したSCN1Aタンパク質に対する抗体を誘導するために使用されるオリゴペプチド、ペプチドまたはフラグメントは、少なくとも5個のアミノ酸(より好ましくは少なくとも10個のアミノ酸)からなるアミノ酸配列を有することが好ましい。これらのオリゴペプチド、ペプチドまたはフラグメントは、天然タンパク質のアミノ酸配列の一部と同一であり、かつ、天然に存在する小分子のアミノ酸配列全体を含有することもまた好ましい。SCN1Aアミノ酸の短い領域を別のタンパク質(例えば、KLHなど)の領域と融合することができ、そのようなキメラ分子に対する抗体を作製することができる。
変化したナトリウムチャネルまたはその変化したSCN1Aタンパク質に対するモノクローナル抗体を、培養での連続した細胞株による抗体分子の製造を規定する任意の技術を使用して調製することができる。これらには、ハイブリドーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術およびEBVハイブリドーマ技術が含まれるが、これらに限定されない(例えば、Kohler他(1975);Kozbor他(1985);Cote他(1983);Cole他(1984)を参照のこと)。
作製されたモノクローナル抗体には、マウス由来の抗体、ヒト化抗体、および完全なヒト抗体が含まれ得るが、これらに限定されない。
抗体はまた、リンパ球集団におけるインビボ産生を誘導することによって、または、免疫グロブリンライブラリー、もしくは、文献に開示されるような非常に特異的な結合性試薬のパネルをスクリーニングすることによって作製することができる(例えば、Orlandi他(1989);WinterおよびMilstein(1991)を参照のこと)。
変化したナトリウムチャネルまたはその変化したSCN1Aタンパク質に対する特異的な結合部位を含有する抗体フラグメントもまた作製することができる。例えば、そのようなフラグメントには、抗体分子のペプシン消化によって作製されるF(ab’)2フラグメント、および、F(ab’)2フラグメントのジスルフィド架橋を還元することによって作製されるFabフラグメントが含まれる。あるいは、Fab発現ライブラリーを、所望する特異性を有するモノクローナルFabフラグメントの迅速かつ容易な同定を可能にするために構築することができる(例えば、Huse他(1989)を参照のこと)。
様々な免疫アッセイを、所望する特異性を有する抗体を同定するためのスクリーニングのために使用することができる。明らかにされた特異性を有するポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体のいずれかを使用する競合的結合アッセイまたは免疫放射アッセイのための無数のプロトコルがこの分野では広く知られている。そのような免疫アッセイは、典型的には、イオンチャネルとその特異的な抗体との間での複合体形成の測定を伴う。妨害しない2つのナトリウムチャネルエピトープに対して反応し得る抗体を利用する二部位モノクローナル型免疫アッセイが好ましく、しかし、競合的結合アッセイもまた用いることができる。
本発明のさらなる局面において、SMEIを含むてんかんを処置する方法が提供され、この方法は、上記に記載される核酸分子のいずれか1つの相補体(アンチセンス)であり、かつ、本発明の変化したSCN1AをコードするmRNAとハイブリダイゼーションするRNA分子をコードする単離された核酸分子を、そのような処置を必要としている対象に投与することを含む。
本発明のさらにさらなる局面において、本発明の核酸分子の相補体(アンチセンス)であり、かつ、本発明の変化したSCN1AをコードするmRNAとハイブリダイゼーションするRNA分子をコードする単離された核酸分子の使用であって、SMEIを含むてんかんを処置するための医薬品の製造における使用が提供される。
典型的には、本発明のポリヌクレオチドの相補体(アンチセンス)を発現するベクターを、そのような処置を必要としている対象に投与することができる。ベクターを細胞または組織に導入するための多くの方法を利用することができ、これらは、インビボ、インビトロおよびエクスビボでの使用のために等しく適している。エクスビボ治療の場合、ベクターを、患者から採取された幹細胞に導入し、自家移植のためにクローン拡大し、その同じ患者に戻すことができる。トランスフェクションによる送達、リポソーム注入による送達、またはポリカチオン性アミノポリマーによる送達を、この分野で広く知られている方法を使用して達成することができる(例えば、Goldman他(1997)を参照のこと)。
さらなるアンチセンス法または遺伝子標的化サイレンシング法は、アンチセンスオリゴヌクレオチドの使用、アンチセンスRNAの注入、アンチセンスRNA発現ベクターのトランスフェクション、および、RNA干渉(RNAi)または短い干渉RNA(siRNA)の使用(これらに限定されない)を含むことができる。なおさらには、触媒作用を有する核酸分子(例えば、DNAザイムおよびリボザイムなど)を遺伝子サイレンシングのために使用することができる(BreakerおよびJoyce、1994;HaseloffおよびGerlach、1988)。これらの分子は、従来のアンチセンス法の場合のようにそれらの標的mRNA分子に単に結合するのではなく、それらの標的mRNA分子を切断することによって機能する。
さらなる局面において、好適なアゴニストまたはアンタゴニストまたは調節剤には、上記に記載されるような受容体のSCN1Aタンパク質における変化を含有するナトリウムチャネルの野生型活性を回復させることができるペプチド、リン酸化ペプチド、または小さい有機化合物もしくは無機化合物が含まれ得る。
治療的適用のために好適なペプチド、リン酸化ペプチド、または小さい有機化合物もしくは無機化合物は、下記に記載されるような薬物スクリーニング適用において本発明の核酸およびペプチドを使用して同定することができる。これらのスクリーニングから同定された分子はまた、その分子が、これらの変化および本発明の変化により負わされる共通する根本的な機能的欠陥を修正することができるならば、他のナトリウムチャネル変化を有する罹患者、または、ナトリウムチャネルを含む遺伝子とは異なる遺伝子に変化を有する罹患者における治療的適用が可能である。
従って、SMEIを含むてんかんを処置する方法が提供され、この方法は、ナトリウムチャネルの好適なアゴニストまたはアンタゴニストまたは調節剤であり、かつ、本発明の変化したSCN1Aを使用して同定された化合物を投与することを含む。
場合により、適切な処置法は混合治療であり得る。これは、その機能的効果を阻害するための、本発明の変化したナトリウムチャネルまたはその変化したSCN1Aタンパク質に対する抗体、アゴニスト、アンタゴニストもしくは調節剤、または相補体(アンチセンス)を、野生型ナトリウムチャネルの形成レベルを正常なレベルに回復することができる野生型SCN1Aの投与との組合せで投与することを伴うことができる。野生型SCN1Aは、相補体の投与について上記で記載されたように、遺伝子治療法を使用して投与することができる。
従って、本発明の変化したナトリウムチャネルまたはその変化したSCN1Aタンパク質に対する抗体、アゴニストもしくはアンタゴニストもしくは調節剤、または相補体を、野生型SCN1Aの投与との組合せで投与することを含む、SMEIを含むてんかんを処置する方法が提供される。
本発明のさらに別の局面において、本発明の変化したナトリウムチャネルまたはその変化したSCN1Aタンパク質に対する抗体、アゴニストもしくはアンタゴニストもしくは調節剤、または相補体の、野生型SCN1Aの使用との組合せでの使用であって、SMEIを含むてんかんを処置するための医薬品の製造における使用が提供される。
さらなる実施形態において、本発明のアゴニスト、アンタゴニスト、調節剤、抗体、相補的配列またはベクターはどれも、単独で投与することができ、または、他の適切な治療剤との組合せで投与することができる。適切な薬剤の選択は従来の薬学的原理に従って当業者によって行うことができる。治療剤の組合せは、上記に記載される様々な障害の処置または防止を達成するために相乗的に作用し得る。この方法を使用した場合、それぞれの薬剤のより低い投薬量による治療効力が可能となる場合があり、従って、有害な副作用に対する潜在的可能性を低下させることができる。
上記の治療的方法はどれも、例えば、哺乳動物(例えば、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ウサギ、サル、および、最も好ましくは、ヒト)を含む、そのような治療を必要としている任意の対象に適用することができる。
(薬物スクリーニング)
本発明のさらに別の局面によれば、本発明の核酸分子、同様に本発明のペプチド(特に、精製された変化したSCN1Aタンパク質)、およびこれらを発現する細胞は、SMEIを含むてんかんを処置するための候補医薬品化合物をスクリーニングするために有用である。
なおさらに、本発明は、候補医薬品化合物をスクリーニングするための、変化したナトリウムチャネルポリペプチドの複合体の使用を提供する。
なおさらに、本発明は、ハイスループットスクリーニング技術が用いられる使用を提供する。
本発明に従ってスクリーニングすることができる化合物には、ペプチド(例えば、可溶性ペプチドなど)、リン酸化ペプチド、および小さい有機分子または無機分子(例えば、天然物または合成された化学ライブラリーおよびペプチド模倣体など)が含まれるが、これらに限定されない。
1つの実施形態において、スクリーニングアッセイは、本発明のポリペプチドまたはフラグメントを発現する組換え分子で安定的に形質転換されている真核生物宿主細胞または原核生物宿主細胞を競合的結合アッセイにおいて利用する細胞に基づくアッセイを含むことができる。結合アッセイでは、変化したナトリウムチャネルまたはその変化したSCN1Aタンパク質と、試験されている化合物との間における複合体の形成が測定されるか、あるいは、試験されている化合物が、変化したナトリウムチャネルまたはその変化したSCN1Aタンパク質とその相互作用因子またはリガンドとの間における複合体の形成を阻害または回復する程度が測定される。
本発明は、形質転換された細胞、トランスフェクションもしくは注入された卵母細胞、または変化したSCN1Aを有する動物モデル(例えば、遺伝子組換え動物または遺伝子標的化(ノックイン)動物(形質転換された宿主を参照のこと)など)において本発明のポリペプチドを使用することによって化合物をスクリーニングするために特に有用である。薬物候補を、変化したSCN1Aタンパク質を発現する培養された細胞(適切な野生型ナトリウムチャネルサブユニット(例えば、SCN1Bなど)もまた受容体組立てのために発現させなければならない)に加えることができ、あるいは、変化したSCN1Aタンパク質によるトランスフェクションまたは注入が行われた卵母細胞(適切な野生型ナトリウムチャネルサブユニット(例えば、SCN1Bなど)もまた受容体組立てのために注入されなければならない)に加えることができ、あるいは、変化したSCN1Aタンパク質を発現する動物モデルに投与することができる。変化したナトリウムチャネルの活性を調節する試験化合物の能力を測定することは、この分野で知られている数多くの技術によって達成することができる。これらには、例えば、野生型のナトリウムチャネルを含有する細胞または動物の電流と比較されるようなチャネルの電流に対する影響を測定することが含まれる。
細胞における電流は、パッチクランプ技術(Hamill他(1981)に記載される方法)を含む数多くの方法によって、または、この分野で知られているような蛍光に基づくアッセイ(Gonzalez他(1999)を参照のこと)を使用することによって測定することができる。電流をより正常なレベルに変化させる薬物候補は、SMEIを含むてんかんを処置または防止するために有用である。
細胞に基づかないアッセイもまた、本発明の変化したナトリウムチャネルまたはその変化したSCN1Aタンパク質とその相互作用因子との間での結合を阻害または回復することができる化合物を同定するために使用することができる。様々なそのようなアッセイがこの分野では知られており、これらには、例えば、AlphaScreen技術(PerkinElmer Life Sciences、MA、米国)が含まれる。この適用は、それぞれの相互作用パートナーが抗体を介して別個のビーズに結合するようにビーズを使用することに依拠する。各パートナーの相互作用はビーズを近寄らせ、その結果、レーザー励起により、多数の化学反応が開始され、最終的には、光シグナルを放射する蛍光団がもたらされる。変化したナトリウムチャネルまたはその変化したSCN1Aタンパク質とその相互作用因子との結合を阻害する候補化合物は光放射の喪失をもたらし、一方、変化したナトリウムチャネルまたはその変化したSCN1Aタンパク質とその相互作用因子との結合を回復する候補化合物は正の光放射をもたらす。これらのアッセイは、最終的には候補化合物の同定および単離を可能にする。
ハイスループット薬物スクリーニング技術ではまた、国際特許出願公開WO84/03564に記載されるような方法を用いることができる。固体基板上で合成された小さいペプチド試験化合物を、変化したSCN1Aタンパク質または変化したナトリウムチャネルの結合についてアッセイすることができる。その場合、結合した変化したナトリウムチャネルまたは変化したSCN1Aポリペプチドが、この分野で広く知られている方法によって検出される。この技術の変法において、本発明の精製されたポリペプチドを、相互作用する試験化合物を同定するために、プレートに直接コーティングすることができる。
本発明ではまた、変化したナトリウムチャネルと特異的に結合することができる中和抗体がそれに対する結合について試験化合物と競合する競合薬物スクリーニングアッセイの使用が意図される。この様式では、抗体を、変化した受容体の1つまたは複数の抗原決定基を共に有する何らかのペプチドの存在を検出するために使用することができる。
本発明のポリペプチドはまた、コンビナトリアルライブラリー技術の結果として開発された化合物をスクリーニングするために使用することができる。これは、ポリペプチドの活性を調節するそれらの能力について非常に多数の異なる物質を試験するための方法を提供する。ポリペプチド機能の調節剤として同定された物質は、現実には、ペプチドまたは非ペプチドであり得る。非ペプチドの「小分子」が、多くの場合、多くのインビボ医薬適用のためには好ましい。また、そのような物質の模擬体または模倣体を薬学的使用のために設計することができる。既知の薬学的に活性な化合物(「リード」化合物)に基づく模倣体の設計は、新規な医薬品を開発するための一般的な方法である。これは、その最初の活性な化合物が合成困難であるか、または合成に費用がかかる場合、あるいは、その最初の活性な化合物が不適当な投与方法を提供する場合、望ましいことが多い。模倣体の設計では、標的の性質を決定することにおいて重要であるその最初の活性な化合物の特定の部分が特定される。化合物の活性な領域を構成するこれらの部分または残基はそのファーマコフォアとして知られている。ファーマコフォアが見出されると、ファーマコフォアの構造が、X線回折データおよびNMRを含む様々な供給源からのデータを使用して、その物理的性質に従ってモデル化される。その場合、ファーマコフォアを模擬する化学基が付加され得るテンプレート分子が選択される。その選択は、模倣体が容易に合成され、薬理学的に許容され得ることが考えられ、インビボで分解せず、かつ、リード化合物の生物学的活性を保持するように行うことができる。さらなる最適化または修飾を、インビボまたは臨床検査のために有用である1つまたは複数の最終的な模倣体を選択する行うことができる。
標的特異的な抗体を単離し、その後、その結晶構造を解明することもまた可能である。原理的には、この方法は、その後の薬物設計が上記のように基づき得るファーマコフォアをもたらす。機能的かつ薬理学的に活性な抗体に対する抗イディオタイプ抗体(抗id)を作製することによってタンパク質の結晶学を完全に回避することが可能となる場合がある。鏡像の鏡像として、抗idの結合部位は元の受容体のアナログであることが予想される。その後、抗idは、化学的または生物学的に作製されたペプチドバンクからペプチドを単離するために使用することができる。
薬物スクリーニングのための別の代わりの方法は、構造に基づく合理的薬物設計に依拠する。本発明のポリペプチドの三次元構造の決定、または、これらのポリペプチドを取り込むGABA−B受容体の三次元構造の決定は、生物学的に活性なリード化合物を同定するための、構造に基づく薬物設計を可能にする。
三次元構造モデルは、数多くの適用(それらのいくつかはX線結晶学およびNMRなどの実験的モデルを含む)によって、かつ/または、構造データベース(例えば、Protein Databank(PDB)など)のインシリコ研究から作製することができる。また、三次元構造モデルは、ポリペプチドの一次配列に基づく数多くの知られているタンパク質構造予測技術(例えば、SYBYL−Tripos Associated、St.Louis、MO)、デノボタンパク質構造設計プログラム(例えば、MODELER−MSI Inc.(San Diego、CA)、またはMOE−Chemical Computing Group(Montreal、カナダ))、またはアブイニシオ法(これは、例えば、米国特許第5331573号および同第5579250号(これらの内容は参考として本明細書中に組み込まれる)に記載される)を使用して決定することができる。
ポリペプチドまたはポリペプチド複合体の三次元構造が決定されると、構造に基づく薬物発見技術を、これらの三次元構造に基づく生物学的に活性な化合物を設計するために用いることができる。様々なそのような技術がこの分野では知られており、これらには、DOCK(カリフォルニア大学、San Francisco)またはAUTODOCK(Scripps Research Institutes、La Jolla、California)などの例が含まれる。コンピュータ計算によるドッキングプロトコルでは、予測されたタンパク質モデルに基づいてタンパク質活性のために重要であると考えられる1つまたは複数の活性な部位が特定される。その後、分子データベース(例えば、Available Chemicals Directory(ACD)など)が、タンパク質モデルを補足する分子についてスクリーニングされる。
これらの方法などの方法を使用して、潜在的な臨床的薬物候補を同定することができ、かつ、典型的な「ウェットラボ」薬物スクリーニング方法論に関連する時間および費用を削減するために、コンピュータ計算によりランク付けすることができる。
上記に記載され、かつ、本発明の変化した核酸およびポリペプチドの使用に基づくスクリーニング手法によって同定された化合物はまた、他のSCN1A変化を含む罹患者における他の遺伝子変化によって負わされた機能的欠陥を修正することに対するその効果について試験することができる。
そのような化合物は、これらおよび薬学的に受容可能なキャリアを含有する医薬組成物がそうであるように本発明の一部を形成する。
(医薬調製物)
スクリーニングアッセイから同定され、かつ、ナトリウムチャネルの野生型活性を回復することが示される化合物を、上記に記載されるように、SMEIを含むてんかんを処置または改善するために治療効果的な用量で患者に投与することができる。治療効果的な用量は、障害の症状の改善を生じさせるために十分な化合物のそのような量を示す。
そのような化合物の毒性および治療効力を細胞培養または実験動物における標準的な薬学的手法によって明らかにすることができる。これらの研究から得られたデータは、その後、ヒトにおける使用のための投薬量範囲の制定において使用することができる。
本発明に従って使用される医薬組成物は、広く知られている1つまたは複数の生理学的に受容可能なキャリア、賦形剤または安定化剤を使用して従来の様式で配合することができる。受容可能なキャリア、賦形剤または安定化剤は、用いられる投薬量および濃度において非毒性であり、これらには、緩衝剤、例えば、リン酸塩、クエン酸塩および他の有機酸など;アスコルビン酸を含む抗酸化剤;低分子量(約10残基未満)のポリペプチド;タンパク質、例えば、血清アルブミン、ゼラチンまたは免疫グロブリンなど;結合性薬剤、これには、親水性ポリマー(例えば、ポリビニルピロリドンなど)が含まれる;アミノ酸、例えば、グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニンまたはリシンなど;単糖、二糖および他の炭水化物、これにはグルコース、マンノースまたはデキストリンが含まれる;キレート化剤、例えば、EDTAなど;糖アルコール、例えば、マンニトールまたはソルビトールなど;塩形成対イオン、例えば、ナトリウムなど;および/または非イオン性界面活性剤、例えば、Tween、Pluronicsまたはポリエチレングリコール(PEG)などが含まれる。
本発明に従って使用される医薬組成物の配合は、提案された投与経路に基づく。投与経路には、吸入投与、吹き込み投与(口または鼻のいずれかを介して)、経口投与、口内投与、直腸投与または非経口投与が含まれ得るが、これらに限定されない。
(マイクロアレイ)
さらなる実施形態において、本明細書中に記載されるSCN1Aポリヌクレオチドのいずれかに由来する完全なcDNAオリゴヌクレオチドまたはより長いフラグメントはマイクロアレイにおけるプローブとして使用することができる。マイクロアレイは、本発明のSCN1A変化の同定により、SMEIを含むてんかんを診断するために、または、てんかんの遺伝的基礎を理解するために使用することができ、あるいは、治療剤を開発し、その活性をモニターするために使用することができる。
本発明のさらなる局面によれば、本発明の特定のSCN1Aヒト変化の同定の結果として作製された動物モデル(下記参照)から得られた組織材料をマイクロアレイ実験において使用することができる。これらの実験は、正常なコントロール組織と比較されるような疾患組織において、SCN1Aの発現レベル、または、全組織ライブラリーに由来する任意のcDNAクローンの発現レベルを同定するために行うことができる。これら2つの組織の間での、SCN1Aを含む遺伝子の発現レベルの変化は、動物モデルに存在する元のSCN1A変化の原因または結果としての疾患プロセスにおけるそれらの可能な関与を示している。これらの実験はまた、遺伝子機能を決定するために、てんかんの遺伝的基礎を理解するために、てんかんを診断するために、また、治療剤を開発し、その活性をモニターするために使用することができる。マイクロアレイは、この分野で知られている方法を使用して調製し、使用し、かつ分析することができる(例えば、Schena他(1996);Heller他(1997)を参照のこと)。
(形質転換された宿主)
本発明はまた、本発明の核酸分子を含む遺伝子改変(ノックアウト、ノックインおよび遺伝子組換え)された非ヒト動物モデルを提供する。これらの動物は、ナトリウムチャネルの機能の研究のために、ナトリウムチャネルに関連づけられるようなてんかんの機構を研究するために、候補医薬化合物をスクリーニングするために、変化したナトリウムチャネルを発現する外植された哺乳動物細胞培養物を作製するために、また、潜在的な治療的介入を評価するために有用である。
本発明の動物モデルにおける使用のために好適である動物種には、ラット、マウス、ハムスター、モルモット、ウサギ、イヌ、ネコ、ヤギ、ヒツジ、ブタおよび非ヒト霊長類(例えば、サルおよびチンパンジーなど)が含まれるが、これらに限定されない。最初の研究のためには、遺伝子改変されたマウスおよびラットが、これらの動物のノックイン、ノックアウトまたは遺伝子組換え体を作製することが比較的容易であること、それらの管理の容易さ、およびそれらのより短い寿命のために、非常に望ましい。特定の研究のためには、遺伝子組換えされた酵母または無脊椎動物が、それらは迅速なスクリーニングを可能にし、かつ、はるかにより容易な取り扱いを提供するため、好適かつ好ましい場合がある。より長い期間の研究のためには、非ヒト霊長類が、ヒトとのそれらの類似性のために所望されることがある。
本発明の変化したナトリウムチャネルについての動物モデルを作製するために、いくつかの方法を用いることができる。これらには、相同的な動物遺伝子における特定の変化の作製、相同組換えによる野生型ヒト遺伝子および/またはヒト化動物遺伝子の挿入、野生型または変化型または人工的なプロモーターエレメントを使用するゲノムまたはミニ遺伝子のcDNA構築物としての変化したヒト遺伝子の挿入、あるいは、相同組換えによる内因性遺伝子の人為的に改変されたフラグメントの挿入が含まれるが、これらに限定されない。これらの改変には、変異型停止コドンの挿入、DNA配列の欠失、または、Creリコンビナーゼなどの酵素によって認識される組換えエレメント(lox p部位)を含むことが含まれる。
遺伝子機能の獲得をインビボで研究するための遺伝子組換えマウスを作製するために、本発明のSCN1A変化を、卵母細胞顕微注入などの標準的な技術を使用してマウスの生殖系列に挿入することができる。遺伝子機能の獲得は、遺伝子およびそのタンパク質産物の過剰発現、または、調べられている遺伝子の変異の遺伝的相補を意味することができる。卵母細胞注入のために、1コピーまたは数コピーの変異型遺伝子を受精直後のマウス卵母細胞の前核に挿入することができる。その後、この卵母細胞は偽妊娠里親に再移植される。生きて生まれたマウスは、その後、関連するヒトSCN1A遺伝子配列の存在についての尾DNAの分析を使用して、組み込み体についてスクリーニングすることができる。導入遺伝子は、YAC、BAC、PACまたは他の染色体DNAフラグメントとして注入された完全なゲノム配列、あるいは、天然のプロモーターまたは異種のプロモーターのいずれかを有するcDNA、あるいは、コード領域と、最適な発現のために必要であることが見出されている他のエレメントのすべてとを含有するミニ遺伝子のいずれかであり得る。
ノックアウトマウスまたはノックインマウスを作製するために、マウスの胚性幹細胞(ES細胞)における相同組換えによる遺伝子標的化を適用することができる。ノックアウトマウスは、遺伝子機能の喪失をインビボで研究するために作製され、一方、ノックインマウス(この方が好まれる)は機能の獲得の研究を可能にするか、または、特定の遺伝子変異の影響を研究することを可能にする。ノックインマウスは遺伝子組換えマウスに類似しており、しかしながら、組み込み部位およびコピー数が前者では規定される。
ノックアウトマウスの作製のために、遺伝子標的化ベクターを、マウスゲノムにおけるSCN1A遺伝子のタンパク質コード領域が欠失(ノックアウト)されるように設計することができる。対照的に、ノックインマウスは、関連する変化したSCN1A遺伝子を含有する遺伝子標的化ベクターがマウスゲノムにおける規定された遺伝的遺伝子座に組み込まれ得ることによって作製することができる。両方の適用のために、相同組換えが、相同的なDNA配列を認識し、それらを二重交差により交換する特異的なDNA修復酵素によって触媒される。
遺伝子標的化ベクターは通常、エレクトロポレーションを使用してES細胞に導入される。その後、ES細胞の組み込み体が、標的化ベクター上に存在する抗生物質耐性遺伝子によって単離され、続いて、検討中の遺伝子が目的の遺伝子座に組み込まれているそのようなES細胞クローンを同定するために遺伝子型決定される。その後、適切なES細胞が、新規なマウス系統を作製するために生殖系列を介して伝達される。
遺伝子除去が早期の胚致死性をもたらす場合、条件的遺伝子標的化を用いることができる。これは、遺伝子を時間的および空間的に制御された様式で欠失することを可能にする。上記のように、適切なES細胞が、新規なマウス系統を作製するために生殖系列を介して伝達され、しかしながら、遺伝子の実際の欠失は、組織特異的な様式または時間制御された様式で成体マウスにおいて行われる。条件的遺伝子標的化は、最も一般的には、cre/lox系の使用によって達成される。酵素creは34塩基対のloxP配列を認識することができ、その結果、loxP隣接(またはフロクス(floxed))DNAがcreによって認識および切り出されるようになる。遺伝子組換えマウスにおける組織特異的なcre発現は、遺伝子標的化されたフロクスマウスをcre遺伝子組換えマウスと交配することによって組織特異的なノックアウトマウスの作製を可能にする。ノックアウトを、「欠失体」マウスを使用して、または、誘導可能なcre遺伝子を有する遺伝子組換えマウス(例えば、テトラサイクリン誘導可能なcre遺伝子を有する遺伝子組換えマウスなど)を使用してどの組織でも行うことができる(Schwenk他、1995)。あるいは、ノックアウトを、例えば、CD19−creマウスの使用によって組織特異的にすることができる(Rickert他、1997)。
本発明のさらに別の局面によれば、候補医薬化合物のスクリーニング(上記の薬物スクリーニングを参照のこと)のための、上記に記載されるような遺伝子改変された非ヒト動物が提供される。これらの動物はまた、SMEIを含むてんかんの処置のための、上記に記載されるような本発明から同定される化合物を含む候補医薬化合物の評価(例えば、治療効力、毒性、代謝)のために有用である。
本明細書および請求項の全体を通して、単語「含む」(「comprise」、「comprises」および「comprising」)は、文脈が別途要求する場合を除いて、非排他的意味で使用される。
本発明は、明快性および理解のためにある程度詳しく記載されている一方で、本明細書中に記載される実施形態および方法に対する様々な改変および変化が、本明細書中に開示される発明概念の範囲から逸脱することなく行われ得ることが当業者には明らかである。
上記に記載されるアッセイシステムの任意の組合せを、SMEIの潜在的な原因となっているSCN1A変異の同定のために用いることができる。下記には、用いることができるアッセイの例が示される。
実施例1:患者DNAの収集
図1におけるフローチャートは、SCN1A遺伝子における変化がSMEIの原因であるという可能性を明らかにするために使用することができる本発明に基づく方針を図示する。選ばれたアッセイ組合せは、試験される患者集団を選択し、サンプル集団からDNAを得ることによって進められる。サンプル集団は、てんかんを有する任意の個体を包含し得るが、おそらくは、熱性発作を有する子供、ならびに、筋間代性てんかんを有することが疑われる他の患者に集中すると考えられる。本研究の場合、選ばれた患者集団は、臨床的分析からSMEIと診断されていたか、または、重篤な脳障害が生後12ヶ月の期間中に生じていた個体を含んだ。
検査患者由来のDNAを数多くの方法で得ることができる。最も一般的な方法は、患者から採取された血液サンプルからDNAを得ることである。しかしながら、DNAはまた、あまり浸襲的でない方法を使用して、例えば、ほお細胞スワブ採取物などから得ることができる。
本研究の場合、DNAを、QIAamp DNA Blood Maxiキット(Qiagen)を製造者の説明書に従って使用して、または、WymanおよびWhite(1980)から改造された手法によって、集められた血液から抽出した。QIAampキットを使用して得られたDNAサンプルについては、最後のエタノール沈殿工程を用い、DNAペレットを滅菌水に再懸濁した。ストックDNAサンプルを200ng/uLの濃度で保存し、100ng/uLの希釈物をその後のPCR反応のために調製した。
実施例2:dHPLCアッセイ
DNAが患者から得られると、SCN1A遺伝子の個々のエキソンのPCR増幅を高速液体クロマトグラフィー(dHPLC)による分析の前に用いた。SCN1A遺伝子は26個のエキソンを有しており、それらに対するプライマーを設計して、33個のアンプリコンを増幅した。各エキソンは、2つのアンプリコンでそれぞれ増幅されるエキソン11、エキソン15およびエキソン16、そして、5個のアンプリコンが、エキソン全体を増幅するために使用されたエキソン26を除き、1つのアンプリコンによって増幅された。表1には、SCN1A遺伝子の各エキソンを分析するために設計されたプライマーのリストが示される。
PCR増幅反応を20uLの体積で行い、96ウエルプレートにおいて調製した。大部分のアンプリコンについて、PCR反応液は、1X PCR緩衝液(Invitrogen)、200uMの各dNTP、300ngの各プライマー、1.5mMのMgCl、100ngのDNA、および0.5ユニットのTaq DNAポリメラーゼ(Invitrogen)からなった。上記条件を、1ユニットのTaq DNAポリメラーゼが使用されたエキソン5およびエキソン26(1)を除くすべてのアンプリコンについて使用した。
PCR増幅のために用いられた熱サイクル処理条件は各エキソンに従って変化した。エキソン1〜4、エキソン6〜9、エキソン11(1)、エキソン11(2)、エキソン12、エキソン14、エキソン15(1)、エキソン15(2)、エキソン16(2)、エキソン19およびエキソン22〜24については、PCR反応を、94℃で2分間の1サイクル、その後、60℃で30秒間、72℃で30秒間および94℃で30秒間の10サイクル、その後、55℃で30秒間、72℃で30秒間および94℃で30秒間の25サイクルを使用して行った。55℃で30秒間の最後のアニーリング反応、それに続く72℃で10分間の伸長反応により、これらのアンプリコンに対するサイクル処理条件を完了した。
エキソン5については、アニーリング温度が10サイクルについては62℃であり、次いで25サイクルについては58℃であったことを除いて、上記と同じ条件を用いた。
エキソン10、エキソン16(1)、エキソン21、エキソン25、エキソン26(1)、エキソン26(2)、エキソン26(3)、エキソン26(4)およびエキソン26(5)については、PCR反応を、94℃で2分間の1サイクル、その後、60℃で1.5分間、72℃で1.5分間および94℃で1.5分間の10サイクル、その後、55℃で1.5分間、72℃で1.5分間および94℃で1.5分間の25サイクルを使用して行った。55℃で1.5分間の最後のアニーリング反応、それに続く72℃で10分間の伸長反応により、これらのアンプリコンに対するサイクル処理条件を完了した。
エキソン17、エキソン18およびエキソン20については、PCR反応を、94℃で2分間の1サイクル、その後、50℃で30秒間、72℃で30秒間および94℃で30秒間の35サイクルを使用して行った。50℃で30秒間の最後のアニーリング反応、それに続く72℃で10分間の伸長反応により、これらのアンプリコンに対するサイクル処理条件を完了した。
エキソン13については、PCR反応を、94℃で2分間の1サイクル、その後、94℃で1分間、64℃で1.5分間および72℃で1.5分間の10サイクル、その後、94℃で1分間、60℃で1.5分間および72℃で1.5分間の25サイクルを使用して行った。この後、72℃で10分間の最後の伸長反応を行って、このアンプリコンに対するサイクル処理条件を完了した。
dHPLC分析の前に、PCR産物を95℃に5分間加熱し、その後、(25℃に到達するまで)1.5分について−3℃の増分でゆっくり冷却した。これにより、PCR産物のヌクレオチド構成に依存するヘテロ二重鎖およびホモ二重鎖の形成が可能になるはずである。
様々なdHPLCシステムをヘテロ二重鎖分析および変異検出のために使用することができる。本研究では、Transgenomic WAVE(登録商標)システムおよびそのシステムとともに提供された方法論を使用した。変異をdHPLCで検出するために、それぞれの生成物は部分的変性条件のもとで処理される必要があった。SCN1A遺伝子の各アンプリコンは異なる配列を有するため、それぞれの生成物が部分的に変性する温度を計算する必要があった。dHPLCシステムとともに提供されるTransgenomicソフトウエアを使用して、アンプリコンのそれぞれに対する要求される温度を求めた。その温度が表2に示される。
アンプリコンを製造者の条件に従ってdHPLCカラムに供給し、コンピュータにより作成されたクロマトグラムを患者サンプルと野生型サンプルとの間で比較する。分析は、クロマトグラムを視覚的に調べることによって、そして同様に、HPLCとともに提供される変異検出のTransgenomicソフトウエアを使用して行われる。野生型に対して異なるピークパターンを示す患者サンプルは、検討中のSCN1Aアンプリコンにおける変化を含有すると見なされる。そのような個体に由来するDNAは、SCN1A変化の種類を明らかにするために、また、その変化がSMEIの原因である可能性を予測するために、さらなるアッセイ(すなわち、DNA配列決定)に供された(下記の実施例3を参照のこと)。
実施例3:DNA配列決定アッセイ
野生型に対して異なるピークパターンを示したdHPLC分析からのPCR産物を、変化の種類を特定するために、DNA配列決定などの二次アッセイに供することができる。本研究ではDNA配列決定を用いた。これは最初に、関連する個体に由来する変化したdHPLCクロマトグラムを示すアンプリコンの再増幅、その後、QiaQuick PCRプレップ(Qiagen)を製造者の手法に基づいて使用する、配列決定のためのPCR増幅されたテンプレートの精製を伴った。精製されたアンプリコンを配列決定するために使用されたプライマーは、最初の増幅工程のために使用されたプライマーと同一であった。それぞれの配列決定反応のために、25ngのプライマーおよび100ngの精製されたPCRテンプレートを使用した。BigDye配列決定キット(ABI)を製造者の説明書に従ってすべての配列決定反応のために使用した。生成物をABI377シーケンサーで処理し、EditViewプログラムを使用して分析した。
その後、患者サンプルから得られたDNA配列の比較を、HPLCにより検出された変化を生じさせたDNA変化の種類を特定するために、野生型SCN1A配列のDNA配列に対して直接行った。
SCN1A遺伝子の33個のアンプリコンのうちの26個のスクリーニングの結果が表3に示される。合計で96人の患者を分析したが、それらの臨床的てんかん表現型は分析時には隠されていた。合計で34サンプルがSCN1A遺伝子において変化を有することが示され、これらのうち、28サンプルが、臨床的分析に基づく明らかなSMEI表現型を有していた。特定されたSCN1A変化のうちの4つ(M1780T、R222X、R1407X、R1892X)は、以前からSMEIと関連していた(Nabbout他、2003;Claes他、2001;Sugawara他、2002)ので、表3には示されていない。従って、SCN1A変化が患者に見出されるならば、その患者は、SMEIを有する可能性が82%(28/34)であると決定することができる。
この可能性は、特定された変化が以前にSMEIと関連している変化であったならば増大する。また、現在の見解(Mulley他、2003)に基づけば、可能性は、その変化が罹患者の親または親類に見られないならば(すなわち、デノボ変化であるならば)、さらに増大し、また、その変化がタンパク質に対する大きな中断(例えば、短縮化変化)を生じさせることが見出されるならば、さらに一層増大する。SMEIの診断に関してこの確実性レベルを提供することができることは、患者のための治療法、ならびに、ワクチン接種および他の原因に関連する発熱のような要因により誘導される発作悪化を回避するための治療法を検討するときに有益である。
実施例4:さらなるアッセイ−SSCPアッセイ
上記のアッセイに加えて、他のアッセイを、SMEIに関連するSCN1A遺伝子における変化の存在について検査するために用いることができる。1つのそのようなアッセイが一本鎖高次構造多型(SSCP)分析である。この技術では、患者から得られたDNAが最初に、SCN1A遺伝子の個々のエキソンについてPCR増幅される。dHPLC分析のために用いられるプライマー(表1を参照のこと)はまた、SSCP分析のために使用することができる。
場合により、SSCP分析のために使用されるプライマーは、例えば、GelScan2000システム(Corbett Research、オーストラリア)において使用されるような蛍光に基づく検出法のためにその5’末端がHEXで標識される。SSCPのPCR反応およびサイクル処理条件を、dHPLC分析について上記に記載されるように行うことができる。しかしながら、増幅が検討中のアンプリコンに対して特異的な異なる生成物のみをもたらすならば、任意のPCR反応およびサイクル処理条件を用いることができる。
代わりのPCR反応条件の一例が、67mMのTris−HCl(pH8.8);16.5mMの(NHSO;6.5μMのEDTA;1.5mMのMgCl;200μMの各dNTP;10%のDMSO;0.17mg/mLのBSA;10mMのβ−メルカプトエタノール;5μg/mLの各プライマーおよび100U/mLのTaq DNAポリメラーゼを含有する10μLの総体積において反応が行われる場合である。PCRサイクル処理条件は、94℃で30秒間、60℃で30秒間および72℃で30秒間の10サイクル、その後、94℃で30秒間、55℃で30秒間および72℃で30秒間の25サイクルを使用することができる。72℃で10分間の最後の伸長反応をその後に行わなければならない。
その後、50%(v/v)のホルムアミド、12.5mMのEDTAおよび0.02%(w/v)のブロモフェノールブルーを含む20μLの負荷用色素を完了した反応液に加え、続いて、反応液を、35:1(アクリルアミド:ビスアクリルアミド)の架橋比を有し、2%のグリセロールを含有する非変性の4%ポリアクリルアミドゲルで泳動する。GelScan2000システムを使用してPCRアンプリコンを分析する場合、典型的に用いられるゲル厚さは100μmであり、幅が168mmで、長さが160mmである。ゲルは、通常、1200ボルトおよび約20mAにおいて22℃で泳動され、GelScan2000システムを製造者の説明書に従って使用して分析される。SCN1A配列における変化を含有するそのようなアンプリコンは、その変化した一本鎖立体配座のために野生型アンプリコンとは異なるようにゲル中を移動する。その後、さらなるアッセイ(例えば、DNA配列決定など)を、アンプリコンにおけるSCN1A変化の種類を明らかにするために用いることができる(上記の実施例3を参照のこと)。
Figure 2006524490
Figure 2006524490
Figure 2006524490
Figure 2006524490
Figure 2006524490
Figure 2006524490
配列番号59〜124はSCN1AのdHPLCアッセイ分析のために用いられたプライマーの配列である。
図1におけるフローチャートは、SCN1A遺伝子における変化がSMEIの原因であるという可能性を明らかにするために使用することができる本発明に基づく方針を図示する。

Claims (58)

  1. 患者におけるSMEIを診断するための方法であって、患者のサンプルにおける遺伝子の調節領域内を含むSCN1A遺伝子における変化を検出すること、および、その変化が、SMEI関連またはSMEI非関連であることが知られているかどうかを確認すること、あるいは、そのいずれかであることが知られていない場合には、その変化がSMEI関連の変化であるという可能性を決定することを含む方法。
  2. 変化がSMEI関連であることが知られている場合にはSMEIの蓋然性が高いとする診断を確立することをさらに含む請求項1に記載の方法。
  3. 変化がSMEI関連であるとして表3で特定される変化の一つである請求項2に記載の方法。
  4. 変化がSMEI非関連である場合にはSMEIの蓋然性が低いとする診断を確立することを含む請求項1に記載の方法。
  5. 変化がSMEI非関連であるとして表3で特定される変化の一つである請求項4に記載の方法。
  6. 変化がSMEI関連の変化である可能性が以下のことによって確立される請求項1に記載の方法:
    親および/または親類についての遺伝的データを考慮し;そして
    変化がデノボ変化であるかまたは遺伝性のものかどうかを確立する。
  7. 変化がタンパク質に対する大きな中断を生ずるかどうかを確立することをさらに含む請求項6に記載の方法。
  8. 変化が短縮突然変異である請求項7に記載の方法。
  9. 遺伝的突然変異の場合にはSMEIの蓋然性が低いとし、デノボ突然変異の場合にはSMEIの蓋然性が高いとし、デノボ突然変異がタンパク質に対する大きな中断を生ずる場合にはSMEIの蓋然性が極めて高いとする診断を確立することを含む請求項6〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. SCN1Aの変化の存在について検査し、かつ、その変化の種類を特定するために1つまたは複数のアッセイを行うことを含む請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 以下の工程を含む請求項10に記載の方法:
    (1)患者のSCN1A遺伝子における変化の存在について検査するために1つまたは複数のアッセイを行う工程;および、結果がSCN1A遺伝子における変化の存在を示すならば、
    (2)そのSCN1A変化の種類を特定するために1つまたは複数のアッセイを行う工程。
  12. アッセイの一つがDNAハイブリダイゼーションアッセイである請求項10または11に記載の方法。
  13. SCN1A遺伝子プローブ、SCN1Aエキソン特異的プローブまたはSCN1A対立遺伝子特異的プローブが前記患者から単離されたゲノムDNAにハイブリダイズされる請求項12に記載の方法。
  14. アッセイの一つが高性能液体クロマトグラフィーである請求項10または11に記載の方法。
  15. アッセイの一つが電気泳動アッセイである請求項10または11に記載の方法。
  16. 検査されるべきサンプルDNAがSCN1A遺伝子の少なくとも一つのエキソンについて定量的に増幅されて増幅されたフラグメントを生じ、各増幅されたエキソンについての増幅生成物の長さが、野生型SCN1A遺伝子が同一のプライマーを用いて増幅された場合に得られる増幅生成物の長さと比較され、それにより増幅されたサンプルエキソンと対応する増幅された野生型エキソンとの間の長さの相違がサンプルSCN1A遺伝子中の短縮変化の発生を反映する請求項10または11に記載の方法。
  17. アッセイの一つがSCN1A対立遺伝子特異的なオリゴヌクレオチドを用いたDNA増幅を組み入れる請求項10または11に記載の方法。
  18. アッセイの一つがSSCP分析である請求項10または11に記載の方法。
  19. アッセイの一つがRNase保護である請求項10または11に記載の方法。
  20. アッセイの一つがDGGEである請求項10または11に記載の方法。
  21. アッセイの一つが酵素アッセイである請求項10または11に記載の方法。
  22. 前記アッセイがMutSの使用を組み入れる請求項21に記載の方法。
  23. アッセイの一つが患者のSCN1Aタンパク質の電気泳動移動度を試験する請求項10または11に記載の方法。
  24. アッセイの一つが免疫アッセイである請求項10または11に記載の方法。
  25. アッセイの一つがDNA配列決定である請求項10または11に記載の方法。
  26. 以下の工程を含む患者におけるSMEIを診断するための方法:
    患者のサンプルにおける遺伝子の調節領域内を含むSCN1A遺伝子における変化を検出すること;および
    表3に記載されるようなSMEI関連の変化が特定されるならSMEIの蓋然性が高いとする診断を確立するか、または代わりに表3に記載されるようなSMEI非関連の変化が特定されるならSMEIの蓋然性が低いとする診断を確立する。
  27. 請求項1〜26のいずれか一項に記載の方法の一以上を行い、達成された診断をSMEI患者についての既知の徴候および逆の徴候と相関させることを含むSMEI患者のための適切な処置を決定する方法。
  28. 請求項1〜26のいずれか一項に記載の方法の一以上を行い、達成された診断をSMEI患者についての既知の徴候および逆の徴候と相関させることを含む、薬物処置およびワクチン接種を含むSMEI患者の処置から逆の結果が生ずる可能性を決定する方法。
  29. 哺乳動物の電位依存性ナトリウムチャネルの変化したSCN1Aサブユニットをコードする単離された核酸分子であって、前記変化はSMEI表現型を生じさせ、配列番号1〜配列番号25のいずれかに示される配列を有する核酸分子。
  30. 哺乳動物の電位依存性ナトリウムチャネルの変化したSCN1Aサブユニットをコードする単離された核酸分子であって、前記変化は非SMEIてんかん表現型を生じさせ、配列番号49〜配列番号53のいずれかに示される配列を有する核酸分子。
  31. 配列番号1〜配列番号25および配列番号49〜配列番号53のいずれか1つに示されるヌクレオチド配列を含む単離された核酸分子。
  32. 配列番号1〜配列番号25および配列番号49〜配列番号53のいずれか1つに示されるヌクレオチド配列からなる単離された核酸分子。
  33. 請求項29〜32のいずれか一項に記載の核酸分子を含む発現ベクター。
  34. 請求項29〜32のいずれか一項に記載の核酸分子を含む細胞。
  35. 請求項29〜32のいずれか一項に記載の核酸分子を含む遺伝的に改変された非ヒト動物。
  36. 動物がラット、マウス、ハムスター、モルモット、ウサギ、イヌ、ネコ、ヤギ、ヒツジ、ブタ並びにサルおよびチンパンジーの如き非ヒト霊長類からなる群から選択される請求項35に記載の遺伝的に改変された非ヒト動物。
  37. 哺乳動物の電位依存性ナトリウムチャネルの変化したSCN1Aサブユニットである単離されたポリペプチドであって、前記ポリペプチドは、配列番号26〜配列番号48のいずれかに示されるアミノ酸配列を有し、かつ、前記変化はSMEI表現型を生じさせるポリペプチド。
  38. 哺乳動物の電位依存性ナトリウムチャネルの変化したSCN1Aサブユニットである単離されたポリペプチドであって、前記ポリペプチドは、配列番号54〜配列番号58のいずれかに示されるアミノ酸配列を有し、かつ、前記変化は非SMEIてんかん表現型を生じさせるポリペプチド。
  39. 配列番号26〜配列番号48および配列番号54〜配列番号58のいずれか1つに示されるアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド。
  40. 配列番号26〜配列番号48および配列番号54〜配列番号58のいずれか1つに示されるアミノ酸配列からなる単離されたポリペプチド。
  41. 請求項37〜40のいずれか一項に記載のSCN1Aサブユニットを組み入れるナトリウムチャネル。
  42. 以下の工程を含むポリペプチドの調製方法:
    (1)請求項34に記載の細胞をポリペプチド産生のために効果的な条件下で培養し;そして
    (2)ポリペプチドを集める。
  43. 請求項42の方法によって調製されるポリペプチド。
  44. 請求項37〜40または43のいずれか一項に記載の変化されたポリペプチドと、または請求項41に記載のナトリウムチャネルと免疫学的に反応するが、野生型ナトリウムチャネルとは免疫学的に反応しない抗体。
  45. モノクローナル抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体またはFabフラグメント、(Fab′)2フラグメント、Fvフラグメント、単鎖抗体及び単一ドメイン抗体を含む抗体フラグメントからなる群から選択される請求項44に記載の抗体。
  46. 候補医薬品化合物をスクリーニングするための請求項29〜32のいずれか一項に記載の核酸分子の使用。
  47. 候補医薬品化合物をスクリーニングするための請求項37〜40または43のいずれか一項に記載のポリペプチド、請求項41に記載のナトリウムチャネル、または請求項44または45に記載の抗体の使用。
  48. 候補医薬品化合物をスクリーニングするための請求項35または36に記載の遺伝的に改変された非ヒト動物または請求項34に記載の細胞の使用。
  49. 請求項46〜48のいずれか一項に記載の使用によって特定された化合物。
  50. 請求項49に記載の化合物および医薬的に受容可能なキャリアを含む医薬組成物。
  51. SMEIを含むてんかんを処置する方法であって、請求項37〜40のいずれか一項に記載のポリペプチドの選択的なアンタゴニスト、アゴニストまたは調節剤、または請求項41に記載のナトリウムチャネルをかかる処置を必要とする患者に投与することを含む方法。
  52. SMEIを含むてんかんの処置のための医薬の製造における請求項37〜40のいずれか一項に記載のポリペプチドの選択的なアンタゴニスト、アゴニストまたは調節剤、または請求項41に記載のナトリウムチャネルの使用。
  53. SMEIを含むてんかんを処置する方法であって、請求項29〜32のいずれか一項に記載された核酸分子の相補体(アンチセンス)であってかつ変化されたSCN1Aタンパク質をコードするmRNAとハイブリダイズするRNA分子をコードする単離された核酸分子をかかる処置を必要とする患者に投与することを含む方法。
  54. SMEIを含むてんかんの処置のための医薬の製造における請求項29〜32のいずれか一項に記載された核酸分子の相補体(アンチセンス)であってかつ変化されたSCN1Aタンパク質をコードするmRNAとハイブリダイズするRNA分子をコードする単離された核酸分子の使用。
  55. 請求項44または45に記載の抗体を投与することを含む、SMEIを含むてんかんを処置する方法。
  56. SMEIを含むてんかんの処置のための医薬の製造における請求項44または45に記載の抗体の使用。
  57. SMEIを含むてんかんを処置する方法であって、請求項44または45に記載の抗体を投与すること、請求項37〜40のいずれか一項に記載のポリペプチドのアゴニスト、アンダゴニストまたは調節剤、または請求項41に記載のナトリウムチャネルを投与すること、または請求項29〜32のいずれか一項に記載の核酸分子の相補体であってかつ変化されたSCN1Aタンパク質をコードするmRNAとハイブリダイズするRNA分子をコードするDNA分子を投与することを、野生型SCN1Aの投与と組み合わせて、かかる処置を必要とする患者に対して行なうことを含む方法。
  58. SMEIを含むてんかんの処置のための医薬の製造における請求項44または45に記載の抗体、請求項37〜40のいずれか一項に記載のポリペプチドのアゴニスト、アンダゴニストまたは調節剤、または請求項41に記載のナトリウムチャネル、または請求項29〜32のいずれか一項に記載の核酸分子の相補体であってかつ変化されたSCN1Aタンパク質をコードするmRNAとハイブリダイズするRNA分子をコードするDNA分子の、野生型SCN1Aの使用と組み合わせた使用。
JP2006503959A 2003-03-27 2004-03-10 てんかんを診断および処置するための方法 Pending JP2006524490A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
AU2003901425A AU2003901425A0 (en) 2003-03-27 2003-03-27 A diagnostic method for epilepsy
PCT/AU2004/000295 WO2004085674A1 (en) 2003-03-27 2004-03-10 Methods for the diagnosis and treatment of epilepsy

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006524490A true JP2006524490A (ja) 2006-11-02
JP2006524490A5 JP2006524490A5 (ja) 2007-03-29

Family

ID=31500468

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006503959A Pending JP2006524490A (ja) 2003-03-27 2004-03-10 てんかんを診断および処置するための方法

Country Status (9)

Country Link
US (2) US7723027B2 (ja)
EP (1) EP1606418B1 (ja)
JP (1) JP2006524490A (ja)
AU (1) AU2003901425A0 (ja)
CA (1) CA2520271C (ja)
DK (1) DK1606418T3 (ja)
ES (1) ES2478624T3 (ja)
NZ (1) NZ542202A (ja)
WO (1) WO2004085674A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8916743B2 (en) 2010-01-29 2014-12-23 National University Corporation Okayama University Method for assessment of potential for development of dravet syndrome and use thereof
WO2019224864A1 (ja) * 2018-05-21 2019-11-28 国立研究開発法人理化学研究所 Scn1a遺伝子の発現増強法とそれによるドラベ症候群の治療法

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AUPR220300A0 (en) 2000-12-20 2001-01-25 Bionomics Limited New epilepsy gene
US7709225B2 (en) * 2001-07-18 2010-05-04 Bionomics Limited Nucleic acids encoding mutations in sodium channels related to epilepsy
EP1407013B1 (en) 2001-07-18 2007-09-12 Bionomics Limited Mutations in ion channels
AU2003904154A0 (en) * 2003-08-07 2003-08-21 Bionomics Limited Mutations in ion channels
AU2003901425A0 (en) 2003-03-27 2003-04-10 Bionomics Limited A diagnostic method for epilepsy
NZ564892A (en) * 2005-06-16 2011-10-28 Bionomics Ltd Methods of treatment, and diagnosis of epilepsy by detecting a D674G mutation in the SCN1A gene
US20090304747A1 (en) * 2006-05-16 2009-12-10 Mayo Foundation For Medical Education And Research Use of dmso and botulinum toxin therapy for urinary incontinence and related disorders
CN103025873B (zh) 2010-06-23 2018-05-08 库尔纳公司 通过抑制电压门控钠通道α亚基(SCNA)的天然反义转录物而治疗SCNA相关疾病
WO2017075312A1 (en) * 2015-10-30 2017-05-04 Ptc Therapeutics, Inc. Methods for treating epilepsy
CN113197585B (zh) * 2021-04-01 2022-02-18 燕山大学 一种神经肌肉信息交互模型构建及参数辨识优化方法

Family Cites Families (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4016043A (en) 1975-09-04 1977-04-05 Akzona Incorporated Enzymatic immunological method for the determination of antigens and antibodies
US4172124A (en) 1978-04-28 1979-10-23 The Wistar Institute Method of producing tumor antibodies
US4474893A (en) 1981-07-01 1984-10-02 The University of Texas System Cancer Center Recombinant monoclonal antibodies
NZ207394A (en) 1983-03-08 1987-03-06 Commw Serum Lab Commission Detecting or determining sequence of amino acids
US4971903A (en) 1988-03-25 1990-11-20 Edward Hyman Pyrophosphate-based method and apparatus for sequencing nucleic acids
US5331573A (en) 1990-12-14 1994-07-19 Balaji Vitukudi N Method of design of compounds that mimic conformational features of selected peptides
NO175199C (no) 1991-12-05 1994-09-14 Kvaerner Fjellstrand As Flerskrogfartöy
US5646040A (en) 1995-06-30 1997-07-08 Millennium Pharmaceutical, Inc. Mammalian tub gene
US6331614B1 (en) * 1998-12-23 2001-12-18 Myriad Genetics, Inc. Human CDC14A gene
WO2001038564A2 (en) 1999-11-26 2001-05-31 Mcgill University Loci for idiopathic generalized epilepsy, mutations thereof and method using same to assess, diagnose, prognose or treat epilepsy
US6331573B1 (en) * 2000-02-29 2001-12-18 Chevron U.S.A. Inc. Increased liquid sensitivity during fischer-tropsch synthesis by olefin incorporation
AUPQ749100A0 (en) 2000-05-12 2000-06-08 Bionomics Limited New epilespy gene
EP1767637A1 (en) 2000-06-20 2007-03-28 Bionomics Limited Mutation associated with epilepsy
AUPQ882600A0 (en) 2000-07-18 2000-08-10 Bionomics Limited Mutations in ion channels
AUPR220300A0 (en) * 2000-12-20 2001-01-25 Bionomics Limited New epilepsy gene
US7282336B2 (en) * 2001-07-18 2007-10-16 Bionomics Limited Method of diagnosing epilepsy
EP1407013B1 (en) 2001-07-18 2007-09-12 Bionomics Limited Mutations in ion channels
AU2003904154A0 (en) 2003-08-07 2003-08-21 Bionomics Limited Mutations in ion channels
US7709225B2 (en) 2001-07-18 2010-05-04 Bionomics Limited Nucleic acids encoding mutations in sodium channels related to epilepsy
AU2002351175A1 (en) 2001-11-26 2003-06-10 Bristol-Myers Squibb Company Novel human g-protein coupled receptor, hgprbmy31, and variants and methods of use thereof
AU2003901425A0 (en) 2003-03-27 2003-04-10 Bionomics Limited A diagnostic method for epilepsy
NZ564892A (en) 2005-06-16 2011-10-28 Bionomics Ltd Methods of treatment, and diagnosis of epilepsy by detecting a D674G mutation in the SCN1A gene

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8916743B2 (en) 2010-01-29 2014-12-23 National University Corporation Okayama University Method for assessment of potential for development of dravet syndrome and use thereof
WO2019224864A1 (ja) * 2018-05-21 2019-11-28 国立研究開発法人理化学研究所 Scn1a遺伝子の発現増強法とそれによるドラベ症候群の治療法

Also Published As

Publication number Publication date
US7723027B2 (en) 2010-05-25
EP1606418A4 (en) 2006-11-22
CA2520271A1 (en) 2004-10-07
US8288096B2 (en) 2012-10-16
AU2003901425A0 (en) 2003-04-10
US20040229257A1 (en) 2004-11-18
US20100203548A1 (en) 2010-08-12
EP1606418B1 (en) 2014-05-07
ES2478624T3 (es) 2014-07-22
EP1606418A1 (en) 2005-12-21
DK1606418T3 (da) 2014-07-14
NZ542202A (en) 2009-07-31
WO2004085674A1 (en) 2004-10-07
CA2520271C (en) 2014-09-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008546376A (ja) Scn1a遺伝子における変異を検出することによっててんかんを診断および処置するための方法
US8288096B2 (en) Diagnostic method for epilepsy
US7989182B2 (en) Nucleic acid encoding SCN1A variant
JP4204317B2 (ja) 熱性痙攣プラスを伴う全般てんかんのニューロン遺伝子のナトリウムチャネルα1サブユニットおよびそのポリペプチドの変異およびその治療
EP1767638A2 (en) Mutation associated with epilepsy
JP2007501601A (ja) イオンチャネルにおける変異
AU2004200978B2 (en) A diagnostic method for epilepsy
JP2004535178A (ja) 新規変異
AU3843299A (en) Novel mutations in the (FREAC3) gene for diagnosis and prognosis of glaucoma and anterior segment dysgenesis
WO2005024024A1 (en) Mutations in the nedd4 gene family in epilepsy and other cns disorders
AU2006257716B2 (en) Methods of treatment, and diagnosis of epilepsy by detecting mutations in the SCN1A gene
AU2007202499B2 (en) Mutations in ion channels
AU2002252833A1 (en) Novel mutation
WO2004053128A1 (en) Mutations in gaba-b receptor 1 associated with epilepsy

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070208

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070208

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100122

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20100412

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100419

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100708

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110208