JP2006524033A - 内部基準試料を用いる核酸のメチル化検出方法 - Google Patents

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Abstract

核酸アレイ、好ましくはマイクロアレイを用いてCpG部位でのDNAメチル化を検出する方法を開示する。具体的には、被検試料から基準試料を直接作製して、多数のCpG島部位におけるメチル化を同時に検出する方法を開示する。より具体的には、本発明の方法は、DNA試料を二つの試料に分ける段階(第一の試料および第二の試料);任意のメチルシトシン残基が非メチル化シトシン残基として増幅されるように、核酸増幅工程によって第一のDNA試料を増幅する段階;双方の試料に存在する非メチル化シトシン残基をデオキシウラシル残基に変換するために、増幅された第一の試料および(増幅していない)第二の試料を亜硫酸水素塩で処理する段階;亜硫酸水素塩によって変換された第二の試料を第二の蛍光マーカーによって標識し、亜硫酸水素塩によって変換された第一の試料を第一の蛍光マーカーによって標識する段階であって、第一および第二の蛍光マーカーが重なり合わない蛍光の励起および蛍光の放射スペクトルを有する段階;ならびに第一の試料および第二の試料を、亜硫酸水素塩による変換型および非変換型としてDNA試料のCpG島部位とハイブリダイズするように設計された複数のオリゴヌクレオチド捕獲プローブを有するマイクロアレイ装置とハイブリダイズさせる段階を含む。

Description

本発明は、核酸アレイ、および好ましくはマイクロアレイを用いて、CpG部位でのDNAメチル化を検出するための方法を提供する。特に、本発明は、被検試料から基準試料を直接作製して、多数のCpG島部位でのメチル化を同時に検出する方法を提供する。具体的には、本発明の方法は、DNA試料を二つの試料に分ける段階(第一の試料および第二の試料);任意のメチルシトシン残基が非メチル化シトシン残基として増幅されるように、核酸増幅工程によって第一のDNA試料を増幅する段階;双方の試料に存在する非メチル化シトシン残基をデオキシウラシル残基に変換するために、増幅された第一の試料および(増幅していない)第二の試料を亜硫酸水素塩で処理する段階;亜硫酸水素塩によって変換された第二の試料を第二の蛍光マーカーによって標識し、亜硫酸水素塩によって変換された第一の試料を第一の蛍光マーカーによって標識する段階であって、第一および第二の蛍光マーカーが重なり合わない蛍光の励起および蛍光の放射スペクトルを有する段階;ならびに第一の試料および第二の試料を、亜硫酸水素塩による変換型および非変換型としてDNA試料のCpG島部位とハイブリダイズするように設計された複数のオリゴヌクレオチド捕獲プローブを有するマイクロアレイ装置とハイブリダイズさせる段階を含む。
メチル化アッセイ法
ピリミジン環の5'位におけるシトシン(C)のメチル化は、細胞または組織試料が癌性であれば、重要な後成的決定因子であることが示されている。動物において、メチルシトシンは、主にシトシン-グアニン(CpG)ジヌクレオチドに認められるが、植物ではしばしば、シトシン-何らかの塩基-グアニン(CpNpG)トリヌクレオチド配列において認められる。
ゲノムDNAにおけるC残基のメチル化は、特定の遺伝子のプロモーターに5-メチルシトシンが存在する場合に、DNAと転写因子および他のプロモーターとの結合を変化させることから(コステロ(Costello)&プラス(Plass)、J. Med. Genet. 38:285〜503、2001)、遺伝子発現の調節において重要な役割を果たしている(ウルフェ(Wolffe)ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 96:5894〜5896、1999)。さらに、特定の遺伝子のプロモーターに5-メチルシトシンが存在しても同様に、メチル-DNA結合蛋白質および遺伝子転写部位周辺のクロマチン構造を変化させるヒストン脱アセチル化酵素を誘引する。いずれの作用も、転写の阻害を引き起こし、遺伝子のサイレンシングを引き起こす(バード(Bird)、Nature 321:209〜213、1986)。
一般的に、ゲノムDNAにおけるメチルシスチンの発生レベルは、高速分離技術または酵素/化学的手段を用いる工程を含む、二つの異なる一般的工程を用いて測定されている。酵素/化学的手段は高価で複雑な分析機器を必要としないことから、大規模スクリーニング技術を完成させるためにはこれらの手段が好ましい。しかし、酵素/化学的技術は、高速分離技術ほど感度がよくなく、分解能はしばしば、エンドヌクレアーゼ切断部位によって制限を受ける。
DNAメチル化検出に関して、代替的な二つの方法である亜硫酸水素塩法と非重硫酸塩法が試みられている。非重硫酸塩法は、メチル化感受性制限エンドヌクレアーゼを、サザンブロット分析またはPCR検出と組み合わせて利用されているが、結果はしばしば切断部位に限定される。DNAの亜硫酸水素塩による改変は、対立遺伝子のメチル化状態を定量的に測定することを可能にして、重硫酸塩による改変DNAのPCR増幅を必要とする。メチルシトシンパターンの差は、メチル化感受性制限エンドヌクレアーゼ、ゲノムシークエンシング、または他の方法と組み合わせたメチル化依存的プライマー設計(すなわち、メチル化特異的PCR)によって示される。
DNAを亜硫酸水素塩で処理すると、非メチル化シトシンがウラシルに変換されるが、メチル化シトシンは反応しない(フルイチ(Furuichi)ら、Biochem. Biophys. Res. Commun. 41:1185〜1191、1970)。ゲノムDNAの重硫酸塩による改変は、一本鎖に存在するメチルシトシンのみが攻撃に感受性を示すことから、予めDNAの変性を必要とする(シャピロ(Shapiro)ら、J. Am. Chem. Soc. 96:206〜212、1974)。しかし、例えば部分的にしか変性されないこと(レイン(Rein)ら、J. Biol. Chem. 272:10021〜10029、1997)、高塩濃度での復元に関する問題、および重硫酸塩処理後の脱スルホン化が不完全なこと(トマッシン(Thomassin)ら、Methods 19:465〜475、1999)を含む、亜硫酸水素塩処理に関連した問題がある。その上、シトシンがウラシルに完全に変換されることが分析にとって肝要であり、そのため、DNA材料の完全性を破壊しない温度、時間、およびpH条件が重要である。
亜硫酸水素塩による改変メチル化検出方法において、CpG島でのメチル化を測定する最も単純な方法はシークエンシングである。しかし、シークエンシング技術も同様に非常に困難なものであり(時間がかかり、費用が高い)、ゲノムDNA試料における多数の分散したCpG島部位を多重に決定することができない。一般的に、ゲノムDNA試料の変性と亜硫酸水素塩による改変後、得られたds DNAをプライマー伸張によって得て、対象となる断片をPCR技術によって増幅する(クラーク(Clark)ら、Nucl. Acids Res. 22:2990〜2997、1994)。次に、PCR産物の標準的なDNAシークエンシングによってメチルシトシンを検出する。またはPCR産物をプラスミドベクターにクローニングした後、個々のクローンを遅速方法に関してシークエンシングすることができるが、単一のDNA分子のメチル化マップを提供することも可能である。もう一つの変法において、メチルシトシンで伸張の停止を生じるdGTPを欠損する三つのみのデオキシヌクレオチド(dATP、dCTP、およびdTTP)を用いて、PCR産物の代わりに亜硫酸水素塩処理の産物におけるメチルシトシンの直接位置特定を行うことができる(ラドリンスカ(Radlinska)&スコウロネク(Skowronek)、Acta Microbiol. Pol. 47:327〜334、1998)。
亜硫酸水素塩のクラスにおけるもう一つの方法は、MSPとも呼ばれるメチル化特異的PCRである(エステラー(Esteller)ら、Cancer Res. 61:3225〜3229、2001;およびハーマン(Herman)ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93:9821〜9826、1996)である。正常(非癌性)細胞において、CpG島におけるシトシンは通常メチル化されないが、それらは、癌のような特定の異常な細胞プロセスに関連した遺伝子のプロモーター配列ではメチル化されるようになる(エステラー(Esteller)ら、Cancer Res. 59:793〜797、1999;エステラー(Esteller)ら、Cancer Res. 61:3225〜3229、2001;およびエステラー(Esteller)ら、Hum. Mol. Genet. 10:3001〜3007、2001)。亜硫酸水素塩によって変換されたDNA鎖はもはや相補的ではなく、そのため、MSPにおけるプライマー設計は、異なる反応において決定した全ての配列のそれぞれの鎖およびメチル化パターンに合わせて作製される。MSPには困難なPCR工程および鎖アニーリング温度範囲が狭い厳密なプライマー設計が利用され、PCT産物は80〜175塩基対の間であり、各プライマーは少なくとも二つのCpG対を含まなければならず、センス対は3'末端にCpG対を含まなければならず、且つプライマーは非CpGシトシンを含む。MSP技術はPCRを必要とするが、鋳型濃度に関して反応が比例反応範囲にあることを確認せずに、PCRがあまりにも多くの増幅サイクルを行った場合、配列がメチル化特異的プライマーと非メチル化配列のプライマーの双方によって増幅可能であれば、メチル化の程度の極端な過剰評価が得られることがありうる。
MSP法は、メチル化特異的PCRをインサイチューハイブリダイゼーションと組み合わせて(ヌーボ(Nuovo)ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 96:12754〜12759、1999)、腫瘍および正常細胞の双方を有する複雑な組織試料をモニターするために、特定のDNA配列のメチル化状態を個々の細胞において可視化できるようにすることによって改善された。もう一つの方法では、MSPを変性HPLCと組み合わせて、構造的に正常なまたは異常な染色体の小型細胞モザイクを検出することができる(バウマー(Baumer)ら、Hum. Mutat. 17:423〜430、2001)。具体的には、PCR増幅の後、二つの対立遺伝子は増幅配列内でいくつかの位置が異なるため、それらを変性HPLCによってPCR産物の二つの集団から分離することができる。
もう一つの定量的方法は、メチライト(MethyLight)と呼ばれており、蛍光に基づくリアルタイムPCR(その開示が参照として本明細書に組み入れられる、米国特許第6,331,393号;およびイーズ(Eads)ら、Nucleic Acids Res. 28:E32、2000)を利用している。DNAを亜硫酸水素塩処理によって改変して、5'蛍光レポーター色素および3'消光色素と共にオリゴヌクレオチドプローブに隣接する位置特異的PCRプライマーを用いて、蛍光に基づくリアルタイム定量的PCRにより増幅する。反応の間にレポーターは酵素によって放出され、PCR産物の量に比例し、従ってメチル化の程度に比例する蛍光を、自動ヌクレオチドシーケンサー装置において連続的に検出することができる。蛍光はこの工程の感度を増加させるが、この工程は困難であり、高価な機器と消耗品を必要とし、且つ検出された何百または何千ものCpG島の部位を同時に多重に決定することができない。
もう一つの方法は、メチル感受性エンドヌクレアーゼをPCR増幅と組み合わせて、その後オリゴヌクレオチドマイクロアレイとハイブリダイズさせることである(ヒュアン(Huang)ら、Hum. Mol. Genetics 8:459〜70、1999)。この場合、メチル化状態は、メチル化感受性制限酵素を用いる非メチル化DNAの消化によって決定した。非メチル化DNAは、酵素による消化によって断片化され、PCR後にアンプリコンを生じなかったのに対し、メチル化DNAは消化されずにPCR後にアンプリコンを生成した。アンプリコンの有無は、蛍光タグを用いたオリゴヌクレオチドマイクロアレイにおいて検出された。正常組織からの試料を対照として用い、これらの非癌性試料は主に非メチル化シトシン残基を含むものと仮定した。この技法は、非癌性組織に由来するDNAを外部対照として利用可能であることが必要とされる。さらに、二重ハイブリダイゼーションアッセイ法からの結果を解釈するため、確信を持って使用する前に外部対照の正確なメチル化状態を確認することが必要とされる。
もう一つの方法は、被検試料と、分析される領域においてメチル化されていないことがわかっている外部基準試料とを用いる二重ハイブリダイゼーションアッセイ法を行うことである(バログ(Balog)ら、Anal. Biochem. 309:301〜310、2002)。この場合、190 bpのDNA二本鎖を合成して、これを外部基準試料として用いるか、またはメチル化されていないことがわかっている試料からDNAを得た。二つの試料を異なる蛍光色素によって標識して、混合し、21量体のオリゴヌクレオチドを含むアレイとハイブリダイズさせた。外部基準試料は、チミジン残基とハイブリダイズする捕獲プローブ上の基準蛍光チャネルでシグナルを発生した。被検試料内のCの存在に関してプロービングする捕獲分子上にシグナルが存在することにより、そのC残基がメチル化されていることが示された。
したがって、長所と短所とを有する多様なメチル化検出方法が存在するが、外部基準試料の存在を必要とせずに、多数のCpG島のメチル化状態を決定することは不可能であった。したがって、当技術分野において、外部基準試料を必要とせずに、メチル化パターンを同時に決定するための多重DNAメチル化アッセイ法を可能にする方法を実現することが必要とされる。
DNAマイクロアレイ
マイクロアレイまたはバイオチップ業界において、生体分子(例えば、オリゴヌクレオチド、ポリペプチド、オリゴペプチド等)をヌクレオチド、受容体、または他の分子の標的試料と結合する可能性がある表面上の既定の位置に置く。マイクロアレイは多様なプラットフォームにおいて利用可能な生体分子、または展開される生体分子の微小アレイである。当初、これらのマイクロアレイの焦点の多くはゲノム学に関するものであり、細胞内遺伝子発現、一塩基多型(SNP)、およびゲノムDNA検出/バリデーション、機能ゲノム学、およびプロテオミクスに重点が置かれていた(ウィルゲンブス(Wilgenbus)&リヒター(Lichter)、J. Mol. Med. 77:761、1999;アシュファリ(Ashfari)ら、Cancer Res. 59:4759、1999;クリアン(Kurian)ら、J. Pathol. 187:267、1999;ハシア(Hacia)、Nature Genetics 21 補足:42、1999;ハシア(Hacia)ら、Mol. Psychiatry 3:483、1998;およびジョンソン(Johnson)、Curr. Biol. 26:R171、1998)。
一般的に、オリゴヌクレオチドを内容物に含む三つに分類されるマイクロアレイ(「DNAアレイ」および「遺伝子チップ」とも呼ばれるが、この説明的な名称は登録商標にすることが試みられている)が存在する。ほとんどの場合、オリゴヌクレオチドマイクロアレイは固相表面を有しており、通常はシリコン-ベースであり、ほとんどの場合、顕微鏡用のスライドガラスである。オリゴヌクレオチドマイクロアレイはしばしば、(1)インサイチュー合成のため単一のヌクレオチドを沈着させる、または物理的手段(インクジェットプリント等)によって完成したオリゴヌクレオチドを沈着させることによる「スポッティング」;(2)インサイチューオリゴヌクレオチド合成のためのフォトリソグラフィー技術(例えば、フォドー(Fodor)の米国特許第5,445,934号およびこの優先権文書からの優先権を主張するさらなる特許を参照のこと);(3)ブロックする化学官能基の除去に基づくpHに基づいた電気化学的インサイチュー合成(例えば、その開示が参照として本明細書に組み入れられる、モンゴメリ(Montgomery)の米国特許第6,093,302号、およびサザン(Southern)の米国特許第5,667,667号を参照のこと);および(4)十分に形成されたオリゴヌクレオチドの電場引力/反発力(例えば、ホリス(Hollis)らの米国特許第5,653,939号およびその複写であるヘラー(Heller)の米国特許第5,929,208号を参照のこと)を含む異なる技術によって作製される。最初の三つの基本技術のみが、インサイチューでオリゴヌクレオチドを形成することができ、完全に形成されたオリゴヌクレオチドを置いたり、誘引するのではなく、マイクロアレイ表面に各オリゴヌクレオチドが、ヌクレオチド毎に構築される。
電気化学プラットフォーム(その開示が参照として本明細書に組み入れられる、モンゴメリ(Montgomery)の米国特許第6,093,302号)は、複数の微小電極を有する半導体チッププラットフォームに基づくマイクロアレイを提供する。このチップの設計には、アレイ内の個々の微小電極を選択して制御するために平行に位置決めされた微小電極の高密度アレイを作製するための相補的金属酸化物半導体(CMOS)技術が利用されている。電流によりスイッチが入った電極は、電気化学試薬(特に酸性プロトン)を生成して、小さな既定の「仮想フラスコ」領域、または電極に隣接する容量においてpHを変化させる。反応層材料に関しては、マイクロアレイを多孔性マトリクスでコーティングする。材料の厚みと多孔性を注意深く制御して、多孔性マトリクスの容積内で生体分子を合成するが、多孔性マトリクスのpHは、電気化学的に産生されたプロトンの制御された拡散を通して変化しており、その拡散は拡散係数および溶液の緩衝能によって制限される。
オリゴヌクレオチド捕獲プローブによって作製されたマイクロアレイは一般的にスライドガラス上にスポットされる。しかし、スライドガラスは、標的核酸と捕獲プローブとのハイブリダイゼーション反応が長く且つ制御された条件を含むために、スポットを形成する捕獲プローブとの反応チャンバーを作製するためにはあまり適していない。したがって、当技術分野において、ストリンジェントな条件を含むハイブリダイゼーション条件(例えば、温度、ガス圧、化学環境、およびpH)を制御することが可能なよりよい反応チャンバーを作製することが必要である。
定量的なメチル化測定に関して長所と欠点とを有する多くの方法を考慮すると、メチル化分析を同時且つ平行して行うために、好ましくは既存のDNAマイクロアレイ技術を用いて、多くの異なる部位またはCpG島を多重に決定できることが当技術分野において必要とされる。本発明は、メチル化分析のためにDNAマイクロアレイの多重能を利用してDNAマイクロアレイに適合させたメチル化方法を開発するために実施された。
本発明は、被検試料から得た基準試料を用いて、多数のCpG島部位のメチル化を同時に検出する方法であって、
(a)分析のためのDNA試料を提供する工程と、
(b)DNA試料を第一のDNA試料と第二のDNA試料に分けて、それによって第一の試料を被検試料とし、第二の試料を内部基準試料とする工程と、
(c)メチルシトシン残基が非メチル化シトシン残基として増幅されるように、核酸増幅工程によって第二のDNA試料を増幅する工程と、
(d)双方の試料の非メチル化シトシン残基をデオキシウラシル残基に変換するために、増幅された第一のDNA試料および第二のDNA試料を亜硫酸水素塩によって変換する工程と、
(e)変換された第一のDNA試料および変換された第二のDNA試料を増幅する工程と、
(f)亜硫酸水素塩によって変換された第二のDNA試料を第二の蛍光マーカーによって標識し、亜硫酸水素塩によって変換された第一のDNA試料を第一の蛍光マーカーによって標識する工程であって、第一および第二の蛍光マーカーが重なり合わない蛍光の励起および蛍光の放射スペクトルを有する工程と、
(g)第一のDNA試料および第二のDNA試料を、亜硫酸水素塩による変換型および非変換型としてDNA試料のCpG島部位とハイブリダイズするように設計された複数のオリゴヌクレオチド捕獲プローブを有するマイクロアレイ装置上にハイブリダイズさせる工程
を含む方法を提供するものである。
好ましくは、使用される増幅技術はPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)である。好ましくは、ハイブリダイゼーション条件は高ストリンジェントな条件である。好ましくは重なり合わない蛍光標識は、Cy3(1,1'-ビス(ε-カルボキシペンチル)-1'エチル-3,3,3',3'-テトラメチルインドカルボシアニン-5,5'-ジスルホン酸カリウム塩 ジ-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル)、およびCy5(1,1'-ビス(ε-カルボキシペンチル)-1'エチル-3,3,3',3'-テトラメチルインドジカルボシアニン-5,5'-ジスルホン酸カリウム塩 ジ-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル)である;または重なり合わない蛍光標識はアレキサフルオル594(Alexa Fluor 594)およびアレキサフルオル546(Alexa Fluor 546)である;または重なり合わない蛍光標識は、フルオレセイン(Fluorescene)とテキサスレッド(Texas Red)である。
本発明はまた、亜硫酸水素塩による変換型および非変換型としてDNA試料のCpG島部位とハイブリダイズするように設計された複数のオリゴヌクレオチド捕獲プローブを有する、上記の発明に記載の方法に使用するためのマイクロアレイ装置、および上記の発明に記載の方法のためのキットを提供する。好ましくは、本キットには、マイクロアレイ装置、亜硫酸水素塩変換試薬、およびDNA標識試薬が含まれる。
即ち本発明は、より具体的には、
(1)被検試料から得た基準試料を用いて、多数のCpG島部位のメチル化を同時に検出する方法であって、
第一DNA被検試料と内部基準とする第二DNA試料とに分けられた分析のためのDNA試料を用い、メチルシトシン残基が非メチル化シトシン残基として増幅されるように第二DNA試料を増幅する工程と、
第一DNA試料および第二DNA試料の双方について非メチル化シトシン残基をデオキシウラシル残基に変換する工程と、
互いに重なり合わない蛍光の励起および蛍光の放射スペクトルを有する第一蛍光マーカーと第二蛍光マーカーとを用い、第一DNA試料を第一蛍光マーカーによって標識するとともに、第二DNA試料を第二蛍光マーカーによって標識する工程と、
第一DNA試料および第二DNA試料を、変換型および非変換型としてDNA試料のCpG島部位とハイブリダイズするように設計された複数のオリゴヌクレオチド捕獲プローブを有するマイクロアレイ装置上にハイブリダイズさせる工程
を含む内部基準試料を用いる核酸のメチル化検出方法;
(2)被検試料から得た基準試料を用いて、多数のCpG島部位のメチル化を同時に検出する方法であって、
(a)分析のためのDNA試料を提供する工程と、
(b)DNA試料を第一のDNA試料と第二のDNA試料に分けて、それによって第一の試料を被検試料とし、第二の試料を内部基準試料とする工程と、
(c)メチルシトシン残基が非メチル化シトシン残基として増幅されるように、核酸増幅工程によって第二のDNA試料を増幅する工程と、
(d)増幅された第一のDNA試料および第二のDNA試料双方における非メチル化シトシン残基をデオキシウラシル残基に亜硫酸水素塩によって変換する工程と、
(e)変換された第一のDNA試料および変換された第二のDNA試料を増幅する工程と、
(f)亜硫酸水素塩によって変換された第二のDNA試料を第二の蛍光マーカーによって標識し、亜硫酸水素塩によって変換された第一のDNA試料を第一の蛍光マーカーによって標識する工程であって、該第一および第二の蛍光マーカーが重なり合わない蛍光の励起および蛍光の放射スペクトルを有する工程と、
(g)第一のDNA試料および第二のDNA試料を、亜硫酸水素塩による変換型および非変換型としてDNA試料のCpG島部位とハイブリダイズするように設計された複数のオリゴヌクレオチド捕獲プローブを有するマイクロアレイ装置上にハイブリダイズさせる工程
を含む方法;
(3)使用される増幅技術がPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)である、(1)または(2)に記載の方法;
(4)ハイブリダイゼーション条件が高ストリンジェントな条件である、(1)〜(3)のいずれか一つに記載の方法;
(5)重なり合わない蛍光標識が、Cy3(1,1'-ビス(ε-カルボキシペンチル)-1'エチル-3,3,3',3'-テトラメチルインドカルボシアニン-5,5'-ジスルホン酸カリウム塩 ジ-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル)、およびCy5(1,1'-ビス(ε-カルボキシペンチル)-1'エチル-3,3,3',3'-テトラメチルインドジカルボシアニン-5,5'-ジスルホン酸カリウム塩 ジ-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル)である、(1)〜(4)のいずれかに記載の方法;
(6)被検DNA試料中のCpG島のシトシン部位のメチル化の検出用マイクロアレイ基板であって、
(a)前記DNA試料中の被検シトシン部位を含むDNA断片であって被検シトシン部位以外のシトシン部位がチミンへ置換されたDNA断片と相補的な配列を含むオリゴヌクレオチド、および
(b)前記DNA試料中の被検シトシン部位を含むDNA断片であって全てのシトシン部位がチミンへ置換されたDNA断片と相補的な配列を含むオリゴヌクレオチド
が固定されている、マイクロアレイ基板;
(7)以下を含む、被検DNA試料中のCpG島のシトシン部位のメチル化検出用キット:
(a)(6)に記載のマイクロアレイ基板、
(b)亜硫酸水素塩変換試薬、および/またはDNA標識試薬;
(8)以下を含む、被検DNA試料中のCpG島のシトシン部位のメチル化検出用キット:
(a)前記DNA試料中の被検シトシン部位を含むDNA断片であって、被検シトシン部位以外のシトシン部位がチミンへ置換されたDNA断片と相補的な配列を含むオリゴヌクレオチド、および
(b)前記DNA試料中の被検シトシン部位を含むDNA断片であって、全てのシトシン部位がチミンへ置換されたDNA断片と相補的な配列を含むオリゴヌクレオチド
を提供するものである。
尚、本発明におけるオリゴヌクレオチドには、ポリヌクレオチドも含まれる。
本発明は、本質的には、CpG島内のシトシン残基のメチル化状態を、マイクロアレイ装置上の既定の位置でのシグナル強度を分析することによって決定する方法を提供する。マイクロアレイ装置において、それぞれの位置または部位は、異なる捕獲プローブオリゴヌクレオチド配列を含む。したがって、多数の標的分子を多重形式で捕獲することができ、マイクロアレイ装置上で利用可能な捕獲プローブ部位の数によってのみ制限を受ける。これらのマイクロアレイ装置は、例えば、コンビマトリクスコーポレーション(CombiMatrix Corporation)によって開発され、ロシュダイアグノスティックス社(Roche Diagnostics)によって販売されており(「マトリクスアレイ(matriXarray)」(商標))、13,000個以上のCpG島でのメチル化を同時に評価するために、一つのチップ上に約13,000個までの異なる部位または一回のアッセイ法の実施能を含みうる。
それぞれのシトシン残基のメチル化状態を同定するためには、マイクロアレイ装置上に最小でも二つの位置を必要とする。例えば、メチル化(M)シトシン残基を含む試料は、特定の位置でシトシン残基を含む標的分子を形成するが、非メチル化(U)シトシン残基を含む試料は、特定の位置でウラシル残基を含む標的分子を形成する。例えば、
5'--------------c------------3' メチル化(M)試料からの標的分子、
5'--------------u------------3' 非メチル化(U)試料からの標的分子。
これらの標的分子のそれぞれは、相補配列を有するオリゴヌクレオチド捕獲プローブを用いてマイクロアレイ装置上の異なる位置で捕獲される。ハイブリダイゼーションおよび洗浄段階の際の高ストリンジェントな条件により、特定の捕獲プローブと完全にマッチした分子を特異的に捕獲することが可能となり、標的分子とオリゴヌクレオチド捕獲プローブの間に一塩基ミスマッチを含む分子は捕獲されないか、または捕獲はあっても最小限となる。
例えば、
5'---------------g--------------3' メチル化(M)試料に関するオリゴヌクレオチド捕獲プローブ、
5'---------------a--------------3' 非メチル化(U)試料に関するオリゴヌクレオチド捕獲プローブ。
メチル化(M)試料は、当初のシトシンの位置にシトシン残基を含む標的分子を作製する。マイクロアレイ装置上で、グアノシン残基を含む相補的オリゴヌクレオチド捕獲プローブは、この標的を捕獲する。非メチル化(U)試料は、当初のシトシンの位置でウラシルを含む標的分子を形成する。マイクロアレイ装置上で、対応する部位にアデノシン残基を含む相補的オリゴヌクレオチド捕獲プローブは、この試料を捕獲する。
マイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイ法の好ましい態様において、標的分子/試料は蛍光色素によって標識され、蛍光シグナルを生じ、このシグナルは光学検出機器によって検出される。結合またはハイブリダイゼーションを検出するための他の手段には、結合した標的分子/オリゴヌクレオチド捕獲プローブ複合体が、電極または近傍の電極によって検出可能な電荷を産生する、様々な電気化学的検出スキームが含まれる。このように、未知試料(被検試料)のメチル化状態は、マイクロアレイ装置上の異なる既知の位置でのメチル化位置(M)または非メチル化位置(U)での結合/ハイブリダイゼーション(例えば、蛍光シグナル)を測定することによって決定することができる。
単一のマイクロアレイ装置は、それぞれが異なる捕獲プローブオリゴヌクレオチド配列分子を含む、何十、何百、または何千もの部位を含みうる。何十、何百、または何千ものCpG島のメチル化状態を、単一のマイクロアレイ上で一度に測定することができる。しかし、何百、または何千ものCpG島位置のメチル化状態の決定を一度に行うために、非特異的または人為的事象のために、それぞれの関連する位置でのメチル化状態を確実に決定できない可能性がある。本発明の方法は、擬陽性を得る確率を有意にまたは完全に消失させる。これは、内部基準試料をアッセイ法に組み入れることによって達成される。
対照試料としても知られる基準試料は、メチル化状態が既知である核酸試料である。アレイ上のメチル化状態を多重に決定するための既存のプロトコールでは、異なる試料を対照または基準として利用できることが必要である(ヒュアン(Huang)ら、Hum. Mol. Genetics 8:459〜70、1999;バログ(Balog)ら、Anal. Biochem. 309:301〜310、2002)。基準試料は例えば、腫瘍組織に隣接する正常組織から得られる。基準試料のメチル化部位を個々に決定した後、これを基準または対照として用いることができる。または、基準試料は、調べる領域を示すDNAの化学合成によって産生することができる。メチル化状態を多重に決定するためのもう一つのプロトコールでは、基準または対照試料を用いない(アドルヤン(Adorjan)ら、Nucleic Acid Res. 30(5):e21)。この場合、メチル化プローブ配列からのシグナル強度を非メチル化プローブ配列のシグナル強度と比較する。しかし、非特異的または人為的事象のために、それぞれの関連する位置でメチル化状態の割合を確実に測定できない可能性がある。本発明の好ましい態様において、DNA試料を一つの蛍光チャネルに対して分析し、同一のDNA試料をもう一つの蛍光チャネルの基準試料として用いる。基準試料は、当初の試料のいかなるメチル化をも除去し、内部陰性対照として用いられる基準試料となるように、当初の試料から調製される。この態様にとって必要な唯一の試料は、被検DNA試料である。合成によって産生された基準DNAまたは非癌性組織由来のDNAのようなその他のDNAは必要でない。
例えば、未知試料はCpG島内でメチル化シトシン残基と非メチル化シトシン残基の双方を含んでもよい。未知試料をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の鋳型として用いる場合、得られたアンプリコンは非メチル化シトシンのみを含む。これは、鋳型を増幅するとポリメラーゼ反応に混合される非メチル化dCTPを組み入れるという事実による。この反応産物は、任意のハイブリダイゼーションアッセイ法において陰性内部対照として用いられる。
未知試料(被検試料)と既知試料(基準試料)を共に混合して、マイクロアレイ装置とハイブリダイズさせる。被検試料および基準試料は共にマイクロアレイ装置上の特定の部位で同一の捕獲プローブ配列とハイブリダイズする可能性があるため、用いるハイブリダイゼーション検出手段の選択にかかわらず、どれほど多くのシグナルが被検試料に由来するものであるか、およびどれほど多くのシグナルが基準試料に由来するものであるかを決定することは不可能であると思われる。本発明の方法に従って、それぞれの起源からのシグナルを蛍光の波長特異的検出を用いて個々に測定することができるように、被検試料および基準試料を異なる二つの蛍光色素によって標識する。したがって、異なる二つの蛍光色を二色アッセイ法に用いる。このようにして、被検試料のシグナル強度は、第一の蛍光色素を調べるための読みとりチャネルでの検出によって測定され、基準試料のシグナル強度は、第二の蛍光色素を調べるための読みとりチャネルでの検出によって測定される。ここで、第一および第二の蛍光色素は、重なり合う放射および励起波長を有してはいない。
基準試料は、ハイブリダイゼーションを測定するためにマイクロアレイ装置に提示するために異なる多数の方法で調製することができる。例えば、このメチル化アッセイ法のための出発材料はゲノムDNAである。この材料を、既存の多くの方法を用いて組織または細胞から単離して精製する。精製されたゲノムDNAを図2に示すスキームに従ってマイクロアレイハイブリダイゼーションのために調製する。ほぼ等量のゲノムDNAを異なる2本の試験管に入れる:1本は基準試料調製用であり、もう1本は被検試料調製用である。
基準試料を、調べるCpG島の外側の位置で鋳型DNAとアニーリングしてアンプリコンを形成するように設計されたフォワード(F1)プライマーおよびリバース(R1)プライマーを用いて、初回PCR段階(PCR1)によって調製する。産生されたアンプリコンは、長さが約50塩基対または500塩基対から1000塩基対までとなりうる。アンプリコンは標準的なプロトコールを用いて精製し、亜硫酸水素ナトリウムで処理する。基準試料中のシトシン残基は第一のPCR段階(PCR1)後メチル化されない(U)ために、この処理によってシトシン残基はデオキシウラシル残基に変換される。デオキシウラシル残基は、その後の酵素反応およびアニーリング反応においてチミジン残基のような挙動を示す。メチル化アッセイ法のための亜硫酸水素ナトリウム変換段階の一つの方法は、フロマーら(Frommerら、、PNAS 89、1827〜1831)に記載された技法に従う。一つの方法は、(1)DNA(2μgまで)をdH2Oで50 μlに希釈する(一反応あたりメチル化されるDNAの量を一定に保たなければならない);(2)2M NaOH 5.5 μlを加える;(3)37℃で10分間インキュベートし、DNAを変性させる;(4)10 mMヒドロキノン(55 mgを50 mlのdH2Oに加えることにより調製)30 μlを加える;(5)新しく調製した3M亜硫酸水素ナトリウム(亜硫酸水素ナトリウム1.88 gを5mlのdH2Oに加え、NaOHでpHを5.0に調節することによって調製)520 μlを加える;(6)十分に混合し、約50℃で16時間インキュベートする;および(7)DNAを精製する(例えば、キアゲン(Qiagen)もしくはプロメガ(Promega)キット、または逆相カラム、例えば3M エムポアディスクカートリッジ4240(Empore Disk cartridge 4240))ことである。逆相カラムを用いる場合、(a)10 mMトリエタノールアミン、1mM EDTA、0.1 Mトリス(pH 7.7)450 μlを加える;(b)10 mMトリエタノールアミン、1mM EDTA、0.1 Mトリス(pH 7.7)750 μlで2回洗浄する;(c)50/50 メタノール/水+0.3 M NaOHにより溶出する;および(d)乾燥するまでスピードバック(Speedvac)を行う。さらに、(8)回収したDNAを50 μlのdH2Oに再懸濁し、3M NaOH 5.5 μlを加えて室温で5分間インキュベートする;(9)グリコーゲンのような担体を用いてDNAをエタノール沈殿させる;および(10)DNAをRNAのように保存する(すなわち、低温を維持し、凍結融解を最小限にし、−20℃で保存する)ことによって工程を継続する。
変換されたDNAをPCRによって増幅することができる。変換されたDNAの二本の鎖はもはや相補的でないことに注目することが重要であり、どちらの鎖(センスまたはアンチセンス)を増幅すべきかを決定しなければならない。完全に変換されたDNAを増幅するようにプライマーを設計する(すなわち、全てのC残基が現在Tである)。理論的には、反応あたりメチル化されるDNAの量は一定に保たなければならないことに注意しなければならない。さらに、亜硫酸水素塩変換方法は、しばしば非メチル化Cの変換が60%〜80%として測定されるように効率的ではない。さらに、変換効率を推定するために、sss-1メチラーゼ(NEB)を用いた対照を作製することができる。
変換されたゲノムDNA産物は、フォワード(F2)プライマーおよびリバース(R2)プライマーを用いる第二のPCR段階(PCR2)において鋳型として使用される。亜硫酸水素ナトリウム変換(SBC)段階はあらゆるシトシンの位置でチミジン残基を生じるため、F2プライマーおよびR2プライマーは、あらゆるシトシンの位置でチミジンを含む鋳型にアニーリングするように設計される。フォワードプライマーはまた、T7ポリメラーゼのために5'末端でRNAポリメラーゼプロモーター配列を含む。PCR2からの精製されたアンプリコンをインビトロ転写反応に用いて、マイクロアレイとのハイブリダイゼーションに適した一本鎖RNA分子を作製する。Cy3(1,1'-ビス(ε-カルボキシペンチル)-1'エチル-3,3,3',3'-テトラメチルインドカルボシアニン-5,5'-ジスルホン酸カリウム塩 ジ-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル)、またはCy5(1,1'-ビス(ε-カルボキシペンチル)-1'エチル-3,3,3',3'-テトラメチルインドジカルボシアニン-5,5'-ジスルホン酸カリウム塩 ジ-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル)(アマシャム社(Amersham))のような蛍光色素を、転写の間に産物中に組み入れる。この例において、Cy3 UTP(アマシャム社、カタログ番号PA53026)を用いて基準標的RNAを蛍光標識する。基準試料において、メチル化(M)シトシンおよび非メチル化(U)シトシンを含む全てのシトシン残基は、亜硫酸水素塩変換の際にチミジンに変換する。したがって、Cy3標識基準標的RNAは、当初の出発材料におけるあらゆるシトシンの位置にウラシル残基を含む。
被検試料は、基準試料が行うのと同様には、初回PCR段階を行わない。その代わりに被検試料DNAを亜硫酸水素ナトリウムで直接処理して、非メチル化(U)シトシン残基をチミジンに変換する。メチル化(M)シトシン残基は変換されず、そのシトシン構造を保持する。得られた産物は、フォワード(F2)プライマーおよびリバース(R2)プライマーを用いるPCR段階(PCR2)において鋳型として使用される。プライマーは、調べるCpG島の外側の位置で鋳型DNAとアニーリングするように設計される。産生されるアンプリコンの長さは約50塩基対、500塩基対、または1000塩基対にさえなりうる。
PCR2において基準試料および被検試料に関して同一のPCRプライマーを用いる。好ましい態様において、フォワードプライマーは、T7ポリメラーゼのために5'末端でRNAポリメラーゼプロモーター配列を含む。
調べる各領域を増幅するためには、異なるPCRプライマー対が必要とされる。いくつかのCpG島が非常に近位に存在する場合、PCRプライマーの同じ対を用いてアンプリコンに全てのCpG島を含む。CpG島が近位に存在しない場合、調べるそれぞれのCpG島に関して個々のPCRプライマー対を用いる。多重の部位に関してPCR増幅を行う場合、増幅反応は、多数のPCRプライマーセットを一つの反応混合物に組み合わせて、DNA鋳型の異なる領域から多数のセットのアンプリコンを生じさせることによって多重様式で行うことができる。多重反応のためのPCRプライマーは、プライマーのハイブリダイゼーションを正確に予測すること、鋳型の二次構造を評価すること、マッチするプライマー対を選択すること、および非特異的プライマー結合部位を同定することによって設計される。多くの多重反応からの産物を組み合わせて、何十、何百、または何千ものメチル化部位に関してアンプリコンのプールを作製する。
PCR2からの精製アンプリコンをインビトロ転写反応に用いて、一本鎖のRNA分子を作製する。一本鎖RNA分子は、マイクロアレイとのハイブリダイゼーションに適している。Cy3(1,1'-ビス(ε-カルボキシペンチル)-1'エチル-3,3,3',3'-テトラメチルインドカルボシアニン-5,5'-ジスルホン酸カリウム塩 ジ-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル)、またはCy5(1,1'-ビス(ε-カルボキシペンチル)-1'エチル-3,3,3',3'-テトラメチルインドジカルボシアニン-5,5'-ジスルホン酸カリウム塩 ジ-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル)などの蛍光色素を転写の間に産物中に組み入れる。この例において、Cy5 UTP(アマシャム社、カタログ番号PA55026)を用いて被検標的RNAを蛍光標識する。したがって、被検試料において、全ての非メチル化(U)シトシン残基は、亜硫酸水素塩変換の際にチミジンに変換する。メチル化(M)シトシン残基は変換せず、その構造を保持する。第一の蛍光色素により標識された一本鎖被検標的RNAは、メチル化されたシトシンの位置を除き、当初の出発材料におけるあらゆるシトシンの位置にウラシル残基を含む。その場合、シトシン残基は、当初の出発材料におけるあらゆるシトシンの位置で被検標的RNAに存在する。
5'--------------c------------3' メチル化(M)試料からの標的分子、
5'--------------u------------3' 非メチル化(U)試料からの標的分子。
マイクロアレイ装置上の標的とオリゴヌクレオチド捕獲プローブとの相互作用は、ハイブリダイゼーション条件を制御することによって、完全にマッチしたハイブリッドと一塩基ミスマッチハイブリッドとを区別することができる。例えば、一塩基対ミスマッチを識別するための高ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は以下の通りであると思われる:6×SSPE、5×デンハルト(Denhardt)試薬(シグマ社(Sigma))、0.05%トゥイーン(Tween)20 50 μl中で被検試料を調製し、マイクロアレイ装置と50℃で6時間ハイブリダイズする。マイクロアレイを6×SSCおよび0.05%トゥイーン20 300 μlで50℃にて洗浄した後、300 μlの2×SSCで48℃、300 μlの1×SSCで室温、最後に300 μlの0.5×SSCで室温にて洗浄する。
完全にマッチしたハイブリッドは、蛍光マイクロアレイ光学検出装置(アキソンインストルメンツ(Axon Instruments)、アギレント(Agilent)、アプライドプレシジョン(Applied Precision)およびその他の業者によって製造されている装置)を用いて撮像した場合に蛍光シグナルを生じる。一塩基ミスマッチハイブリッドは熱力学的に不安定であり、安定なハイブリッドを形成しない。したがって、マイクロアレイ装置上のその位置では蛍光シグナルは産生されない。
メチル化試料と非メチル化試料との間の一塩基の違いは、溶液中の各標的分子に対して相補的な配列を含む位置のシグナルの存在下または非存在下によって、マイクロアレイ上で同定される。それぞれの位置での蛍光シグナルの強度は各試料における材料の量を反映し、それぞれのCpG島におけるメチル化状態は、マイクロアレイ上のメチル化(M)または非メチル化(U)位置での蛍光シグナルを測定することによって決定される。
基準試料は、第二の蛍光プローブ検出チャネルにおいてマイクロアレイ上の非メチル化(U)位置でシグナルを生じる。これは、内部陰性対照として役立ち、このアッセイ法から得られた結果の信頼性を増加させる。第一の蛍光プローブ検出チャネルにおけるシグナル(すなわち、被検試料)が第二の蛍光プローブチャネルにおけるシグナル(すなわち、基準試料)のパターンと類似していれば、被検試料は対象となるCpG島内のシトシンの位置ではメチル化されない。逆に、第一の蛍光プローブ検出チャネルにおけるシグナル(すなわち被検試料)が第二の蛍光プローブチャネルにおけるシグナル(すなわち、基準試料)と異なる場合、被検試料は、対象となるCpG島内のシトシンの位置でメチル化される。
マイクロアレイの設計
被検試料において、全てまたはほとんどの非メチル化(U)シトシン残基は、亜硫酸水素塩変換の際にチミジンに変換する。メチル化(M)シトシン残基は変換せず、その構造を保持する。第一の蛍光色素により標識された被検標的RNAは、メチル化されたシトシンの位置を除き、当初の出発材料におけるあらゆるシトシンの位置でウラシル残基を含む。その場合、シトシン残基は、当初の出発材料におけるあらゆるシトシンの位置で被検標的RNAに存在する。
5'--------------c------------3' メチル化(M)試料からの標的分子、
5'--------------u------------3' 非メチル化(U)試料からの標的分子。
マイクロアレイ上の標的と捕獲プローブとの相互作用は、適当な高ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件において、完全にマッチしたハイブリッドと一塩基ミスマッチハイブリッドとを区別することができる。適当な高ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件には、例えば、6×SSPE、5×デンハルト試薬(シグマ社)、0.05%トゥイーン20 50 μl中で50℃で6時間のハイブリダイゼーションの後、6×SSCおよび0.05%トゥイーン20 300 μlで50℃にて洗浄の後、300 μlの2×SSCで48℃、300 μlの1×SSCで室温、最後に300 μlの0.5×SSCで室温にて洗浄することが含まれる。
より好ましい高ストリンジェントな条件では、上記の溶液中、50℃の代わりに55℃でハイブリダイゼーションが実施される。しかし、温度以外に、例えば塩濃度のような幾つかの要素がハイブリダイゼーションのストリンジェンシーに影響しうる。当業者は、同様のストリンジェンシーを達成するために、これらの要素を適切に選択することができる。
マイクロアレイ上で完全にマッチしたハイブリッドは、光学検出装置を用いて撮像した場合に蛍光シグナルを生じる。または、電極を有するマイクロアレイ装置上での電気化学的検出および電気シグナルハイブリダイゼーション検出技術のような他の一般的なマイクロアレイ検出技術を用いることができる。一塩基ミスマッチハイブリッドは熱力学的に不安定であり、安定なハイブリッドを形成しない。したがって、マイクロアレイ装置上のその位置では検出可能なシグナルは産生されない。
マイクロアレイは、メチル化標的(M)に関して少なくとも一つの捕獲プローブを有し、且つ非メチル化標的(U)に関して一つの捕獲プローブを有するように設計される。例としての配列を以下に示す:
メチル化試料捕獲プローブ配列(M)
5'-uauuuuuuuagguagcggguaguaguuguuu-3' 標的配列(配列番号:1)
3'-auaaaaaaauccaucgcccaucaucaacaaa-5' 捕獲プローブ配列(3'-5')(配列番号:2)
5'-aaacaacuacuacccgcuaccuaaaaaaaua-3' 捕獲プローブ配列(5'-3')(配列番号:3);
非メチル化試料捕獲プローブ配列(U)
5'-uauuuuuuuagguaguggguaguaguuguuu-3' 標的配列(配列番号:4)
3'-auaaaaaaauccaucacccaucaucaacaaa-5' 捕獲プローブ配列(3'-5')(配列番号:5)
5'-aaacaacuacuacccacuaccuaaaaaaaua-3' 捕獲プローブ配列(5'-3')(配列番号:6)。
多重メチル化アッセイはマイクロアレイ上で同時に行う。本明細書において、メチル化アッセイ「1〜・・・」は平行して行う。各メチル化アッセイ法は、マイクロアレイ上でメチル化(M)と非メチル化(U)捕獲プローブとの対をそれぞれ有する。
基準試料には初回のPCR段階を行うため、非メチル化シトシンのみが転写前にDNAアンプリコンに存在する。基準試料は、非メチル化起源からのシグナルを表す。被検試料は、初回PCR段階では処理されず、シトシン残基のメチル化状態は、亜硫酸水素ナトリウム変換の前に保持される。第二の蛍光プローブチャネルにおける被検試料のシグナル強度を第一の蛍光プローブチャネルにおける被検試料と比較することによって、メチル化状態を決定する。第一および第二のチャネルの双方におけるシグナル強度が等しい場合、被検試料は、対象となる特定のCpG島でメチル化されていない。シグナル強度が第一の蛍光プローブチャネルに存在して、第二の蛍光プローブチャネルには存在しない場合、被検試料はメチル化されている(図4を参照のこと)。
図5は、マイクロアレイ上で行われる多重二色メチル化検出アッセイ法の結果を示す。多重メチル化部位(CpG島)が、同じマイクロアレイ上で一度に検出される(1〜・・・)。「M」位置は、メチル化試料に関して捕獲プローブ配列を含む。「M」捕獲プローブは、CpG島における当初のシトシンのシトシン位置でグアノシン残基を含み、他の全てのシトシン位置でアデノシン残基を含む。「U」位置は、非メチル化試料に関して捕獲プローブ配列を含む。「U」捕獲プローブは、当初の試料における全てのシトシン位置でアデノシン残基を含む。
図4に示すデータにおいて、基準配列から得た第二の蛍光プローブシグナルは、非メチル化試料によって得られたパターンを表す。メチル化プローブ(M)ではシグナルがほとんどまたは全く検出されず、非メチル化プローブ(U)では大量のシグナルが検出される。このパターンは、非メチル化試料に関する基準シグナルを確立する。第一の蛍光プローブシグナルは、被検試料のメチル化状態を表す。マイクロアレイは、多重様式で何百または何千ものCpG島のメチル化状態を決定する。位置1のシグナルは、1番のCpG島からの結果を示し、位置2のシグナルは、2番のCpG島からの結果を示す等。位置1のシグナルは、非メチル化プローブ(U)では強い蛍光シグナルを示し、メチル化プローブ(M)ではほとんどまたは全く示さない。このパターンは、位置1に関する基準試料におけるシグナルパターンと類似している。1番のCpG島はメチル化されていない(U)と解釈される。
さらに、図4において、位置2のシグナルは、非メチル化プローブ(U)とメチル化プローブ(M)の双方で強い蛍光シグナルを示す。このパターンは、位置2に関する基準試料におけるシグナルパターンとは異なる。メチル化プローブおよび非メチル化プローブの双方が被検試料において蛍光シグナルを生じるため、2番のCpG島は、メチル化および非メチル化対立遺伝子(M/U)の双方を有すると解釈される。位置3のシグナルは、メチル化プローブ(M)で強い蛍光シグナルを示し、非メチル化プローブ(U)でほとんどまたは全く示さない。このパターンは位置3に関する基準試料におけるパターンとは異なる。3番のCpG島はメチル化(M)されていると解釈される。
図4に示すデータに示される解釈論理に従って、何百または何千ものCpG島のメチル化状態を、単一のマイクロアレイ上で一度に決定することができる。蛍光シグナルが得られれば、解釈のプロセスまたはメチル化状態の呼び出しは、適したコンピューターおよびソフトウェアアルゴリズムを用いて行うことができる。これによって、ヒト介入に必要なアッセイ結果を迅速に解釈することができる。
捕獲プローブのライブラリースクリーニング
シトシン残基のメチル化は一般的に、CpGジヌクレオチドの位置で起こる。ゲノムの既知の領域を通してスキャンするコンピューターアルゴリズムは、シトシンのメチル化が起こる可能性がある部位を予測する(http://www.uscnorris.com/cpgislands、タカイ(Takai)&ジョーンズ(Jones)、Proc. Natl. Acad. Sci. 19:99(6):3740〜5、2002)。さらに、コンピューターデータベースにDNAメチル化部位を保存し、これらの部位周辺のDNA配列を探索および検索することが可能となる(http://www.methdb.net/)。
マイクロアレイは、標的分子を特異的に捕獲するために、何百または何千もの異なる配列オリゴヌクレオチド捕獲プローブにより構成される。標的分子は、試料がメチル化される場合には当初のメチル化部位でシトシン残基、または試料がメチル化されない場合はウラシル残基のいずれかを含む。
5'--------------c------------3' メチル化(M)試料からの標的分子、
3'--------------g------------5' メチル化(M)試料からの捕獲プローブ、
5'--------------u------------3' 非メチル化(U)試料からの標的分子、
3'--------------a------------5' 非メチル化(U)試料からの捕獲プローブ。
標的分子とその相補的捕獲プローブとの特異的ハイブリダイゼーションは、確固たるアッセイ性能にとって必要である。ハイブリダイゼーション条件は、捕獲プローブと標的分子との一塩基ミスマッチが安定なハイブリッドを形成しないように設計される。例えば、ハイブリダイゼーションは、被検試料を6×SSPE、5×デンハルト試薬(シグマ社)、0.05%トゥイーン20 50 μl中で、50℃で6時間行う。アレイを6×SSCおよび0.05%トゥイーン20 300 μlで50℃にて洗浄した後、300 μlの2×SSCで48℃、 300 μlの1×SSCで室温、最後に300 μlの0.5×SSCで室温にて洗浄する。
多数の捕獲プローブを一度にスクリーニングすることも非常に望ましい。同じ標的に対して何十または何百もの異なる捕獲プローブのハイスループットスクリーニングを行うことにより、確認されたプローブセットの迅速かつ費用効果の高い開発が可能になる。
捕獲プローブにおいて異なる位置に存在する一塩基ミスマッチは、捕獲プローブの性能、および完全にマッチした標的または一塩基ミスマッチ標的との識別能に有意な影響を及ぼしうる。最も信頼できる配列を同定するために異なる何百または何千もの捕獲プローブのライブラリーを迅速かつ効率よくスクリーニングすることが望ましい。例えば、配列のライブラリーは、ミスマッチ配列の位置(メチル化位置)を捕獲プローブ配列において移動させることによって作製される。
メチル化(M)試料に関する捕獲プローブ:
5'--g------------------------3'
5'----g----------------------3'
5'------g--------------------3'
5'--------g------------------3'
5'-----------g---------------3'
5'-------------g-------------3'
5'---------------g-----------3'
5'-----------------g---------3'
5'-------------------g-------3'
5'---------------------g-----3'
5'-----------------------g---3'
さらに、配列のライブラリーは捕獲プローブ配列の長さを増加させることによって作製される。
メチル化(M)試料のための捕獲プローブ:
5'-----g-----3'
5'------g------3'
5'-------g-------3'
5'--------g--------3'
5'---------g---------3'
5'----------g----------3'
5'-----------g-----------3'
5'------------g------------3'
5'-------------g-------------3'
プローブの長さとミスマッチ位置とを組み合わせることによって、単一のCpG島の位置に関して何百または何千もの異なるプローブを設計する。半導体に基づくマイクロアレイシステムは、全てのプローブを一度に迅速に合成して、スクリーニングアッセイ法により完全なライブラリーを経験的に試験する。所望のパフォーマンスを有するプローブのみを選択して、最終的なアッセイ法に用いる。
本発明においてマイクロアレイ装置とは、基板上にオリゴヌクレオチド等を整列(アレイ)固定化させた装置を言い、通常、ガラス、シリコン等の基板表面にヌクレオチドを載せたものを指す。本発明のマイクロアレイは、所謂「貼り付け型」マイクロアレイに限定されない。基板上へ一度に複数種のポリヌクレオチドを合成させることで作製された高密度アレイは、DNAチップとも呼ばれる。基板上でオリゴヌクレオチドが合成されるような「チップ」もまた本発明のマイクロアレイ装置に含まれる。
本発明において「基板」とは、ヌクレオチドを固定することが可能な板状の材料を意味するが、上記マイクロアレイ装置自体を基板と記載する場合もある。即ち、オリゴヌクレオチドが固定された基板もまた、単に「基板」と呼ぶ場合もある。本発明の基板は、ヌクレオチドを固定することが可能であれば特に制限はないが、一般にマイクロアレイ技術で使用される基板(例えば、ガラス、シリコン製)を好適に用いることができる。
一般にマイクロアレイは、高密度に基板上へスポット(基板へのポリヌクレオチドの固定の工程は、「プリント」とも呼ばれる。)された何千ものポリヌクレオチドを含む。通常これらのヌクレオチドは非透過性(non- porous)の基板の表層にスポット(プリント)される。基板の表層は、一般的にはガラスであるが、透過性(porous)の膜、例えばニトロセルロースメンブレムを使用することも可能である。ポリヌクレオチドのアレイにおいて、ポリヌクレオチドはインサイチュ(in situ)で合成することができる。例えば、フォトリソグラフィー(photolithographic)技術(Affymetrix社)、および化学物質を固定させるためのインクジェット技術(Rosetta Inpharmatics社)等のインサイチュ合成法が既に知られており、いずれの技術も本発明の基板の作製に利用することができる。本発明における基板上への「固定」とは、所謂「合成」の意味も含まれる。当業者においては、通常、高密度スポット(プリント)を可能にした市販の装置を用いて、例えば、スライドグラス上の1万種類以上のスポット(プリント)を含むマイクロアレイを実験室において適宜作製することができる。
本発明においては、ポリヌクレオチドを人工的に合成した後、基板上へ固定することも可能であり、その際、ポリヌクレオチドの合成も、当技術分野においては既知の標準的な方法によって、例えば、市販の自動DNA合成機を使用して実施することが可能である。
本発明の基板の好ましい態様としては、亜硫酸水素塩による変換型および非変換型としてDNA試料のCpG島部位とハイブリダイズするように設計された複数のオリゴヌクレオチド捕獲プローブを有する、本発明の検出方法に使用するためのマイクロアレイ基板(装置)である。
また別の態様としては、本発明の基板は、被検DNA試料中のCpG島のシトシン部位のメチル化の検出用マイクロアレイ基板であって、以下のオリゴヌクレオチドが固定されている基板である。
(a)前記DNA試料中の被検シトシン部位を含むDNA断片であって、被検シトシン部位以外のシトシン部位がチミンへ置換されたDNA断片と相補的な配列を含むオリゴヌクレオチド;および
(b)前記DNA試料中の被検シトシン部位を含むDNA断片であって、全てのシトシン部位がチミンへ置換されたDNA断片と相補的な配列を含むオリゴヌクレオチド。
上記(a)および(b)のオリゴヌクレオチドは、本発明の方法において、メチル化試料のための捕獲プローブとして利用される。
また、本発明の上記基板へ固定されるオリゴヌクレオチドとして、本発明において記載された種々の捕獲プローブを用いることも可能である。
また本発明は、本発明の検出方法に使用するためのキットを提供する。即ち本発明は、被検DNA試料中のCpG島のシトシン部位のメチル化検出用キットを提供する。本発明のキットの好ましい態様として、例えば、以下(a)および(b)の少なくとも一つを含むキットを挙げることができる:
(a)本発明の上記マイクロアレイ基板;
(b)亜硫酸水素塩変換試薬、および/またはDNA標識試薬。
上記DNA標識試薬としては、例えば、前述の蛍光標識物質を挙げることができる。
さらに別の態様としては、本発明のキットは、以下の(a)および(b)の少なくとも一つを含むキットを挙げることができる:
(a)前記DNA試料中の被検シトシン部位を含むDNA断片であって、被検シトシン部位以外のシトシン部位がチミンへ置換されたDNA断片と相補的な配列を含むオリゴヌクレオチド;および
(b)前記DNA試料中の被検シトシン部位を含むDNA断片であって、全てのシトシン部位がチミンへ置換されたDNA断片と相補的な配列を含むオリゴヌクレオチド。
当業者においては、上記のキットに含まれるオリゴヌクレオチドを用いて、本発明のマイクロアレイ用基板を適宜、一般的な方法により作製することが可能である。このようにして作製される基板もまた、本発明に含まれる。
本発明のキットには、本発明の方法に使用されるPCRプライマー、陽性および陰性の標準試料(対照試料)、更にはキットの使用方法を記載した指示書等をパッケージしておくこともできる。
発明を実施するための最良の形態
実施例1
本実施例は、本発明の方法およびコンビマトリクス社(CombiMatrix Corp.)のマイクロアレイ装置(電気化学的方法によるインサイチュー合成を用いる)を用いた多重メチル化アッセイ法を説明する。
試料の回収とDNA精製
ヒトDNAミスマッチ修復遺伝子(Homo sapiens DNA mismatch repair (hMLH1) gene)(GenBankアクセッション番号U83845)、ヒト原発性結腸癌、細胞株SW480 (ATCCから購入; http://www.atcc.org/)および293T (ATCCから購入) を使用した。DNAは以下のように精製した。細胞を培養し、ディッシュから回収した。回収された細胞をPBSで3回洗浄した。洗浄された細胞を遠心分離して、-80℃で保存した。細胞凝集物を反応緩衝液中に懸濁し、プロテイナーゼKで消化した。消化の後、1:1の平衡化されたフェノール/クロロホルムの混合液により、水相を抽出した。70%エタノール沈殿によりDNAを回収し、純水またはTE(1.0 mg/mL)中に懸濁した。
検査される配列:
5'atcacctcagcagaggcacacaagcccggttccggcatctctgctcctattggctggatatttcgtattccccgagctcctaaaaacgaaccaataggaagagcggacagcgatctctaacgcgcaagcgcatatccttctaggtagcgggcagtagccgcttcagggagggacgaagagacccagcaacccacagagttgagaaatttgactggcattcaagctgtccaatcaatagctgccgctgaagggtggggctggatggcgtaagctacagctgaaggaagaacgtgagcacgaggcactgaggtgattggctgaaggcacttccgttgagcatctagacgtttccttggctcttctggcgccaaaatg-3'(配列番号:7)
ゲノムDNA(100 ng)を2本の試験管に分けた:一つは標識基準試料とし、もう一つは標識被検試料とした。
被検試料の調製
基準試料は、以下の二つのプライマーを用いてPCR増幅を行う:
フォワードプライマー1(F1): 5'-atcacctcagcagaggcacac-3' (配列番号:8)
リバースプライマー1(R1): 5'-tttggcgccagaagagccaag-3' (配列番号:9)
PCR増幅は1×PCRゴールド(Gold)(登録商標)緩衝液(アプライドバイオシステムズ(Applied Biosystems)、フォスターシティ、カリフォルニア州)、2mM MgCl2、0.2 mMデオキシヌクレオチド三リン酸混合物(USB)、10 pmolフォワードプライマー(F1、配列番号:8)、10 pmolリバースプライマー(R1、配列番号:9)、2Uアンプリタックゴールド(Amplitaq Gold)DNA(登録商標)ポリメラーゼ(ABI)、および100 ng鋳型DNAを含む全量50 μl中で行った。反応条件は以下の通りであった:95℃で10分、ならびに92℃で30秒、57℃30秒、および70℃で30秒を39サイクル、さらに70℃で7分間の最終的な伸張を行った。PCR産物は、2.5%アガロースゲルを用いてゲル電気泳動によって分析し、エチジウムブロマイドで染色し、デジタルイメージングシステム(ヌクレオテック社(NucleoTech))によってUV照射下で可視化した。アンプリコンは、製造元のプロトコールに従ってキアクイック(QIAquick)(登録商標)PCR精製キット(キアゲン社)を用いて精製した。
亜硫酸水素ナトリウム変換(SBC)
1μgの精製アンプリコンを50 μlの蒸留水中に希釈して、1μlの10 M水酸化ナトリウムを最終濃度0.2 Mとなるように加えることによって変性させ、37℃で10分間インキュベートした。インキュベーション後、30 μlの10 mMヒドロキノン(シグマ社)および520 μlの3M亜硫酸水素ナトリウム(pH 5.0)(シグマ社)を加えた。溶液は53℃で18〜20時間インキュベートした。
DNAは、製造元のプロトコールに従ってキアクイック(登録商標)精製キット(キアゲン社)によって精製した。DNAは0.3 M水酸化ナトリウムによって室温で10分間脱スルホン化し、17 μlの10 M酢酸アンモニウム(アンビオン社(Ambion))で中和し、100%エタノール中で−80℃にて一晩沈殿させた。
基準試料の第二のPCR増幅は、以下のプライマーを用いた:
フォワードプライマー2(F2): 5'-taatacgactcactatagggattattttagtagaggtatat-3' (配列番号:10);
リバースプライマー1(R2): 5'-tttggtgttagaagagttaag-3' (配列番号:11)。
増幅は、1×PCRゴールド(登録商標)緩衝液(アプライドバイオシステムズ、フォスターシティ、カリフォルニア州)、2mM MgCl2、0.2 mMデオキシヌクレオチド三リン酸混合物(USB)、10 pmolフォワードプライマー2(F2、配列番号:10)、10 pmolリバースプライマー(R2、配列番号:11)、2UアンプリタックゴールドDNA(登録商標)ポリメラーゼ(アプライドバイオシステムズ、フォスターシティ、カリフォルニア州)、および100 ng鋳型DNAを含む全量50 μl中で行った。反応条件は以下の通りであった:95℃で10分、ならびに92℃で30秒、57℃30秒、および70℃で30秒を39サイクル、さらに70℃で7分間の最終的な伸張を行った。PCR産物は、2.5%アガロースゲルを用いてゲル電気泳動によって分析し、エチジウムブロマイドで染色し、デジタルイメージングシステム(ヌクレオテック社)によってUV照射下で可視化した。アンプリコンは、製造元のプロトコールに従ってキアクイック(登録商標)PCR精製キット(キアゲン社)を用いて精製した。
転写
T7プロモーター配列を含む精製アンプリコン1μgを、MEGAスクリプト(MEGAscript)(登録商標)キット(アンビオン社)を用いて製造元のプロトコールに従い、10 mM Cy3 UTP(アマシャム社)5μlを加えてインビトロで全量20 μl中で転写した。転写物を、製造元のプロトコールに従って、RNイージー(RNeasy)(登録商標)精製キット(キアゲン社)を用いて精製した。
被検試料の調製
被検試料はまず、亜硫酸水素ナトリウム変換(SBC)段階において変換する。簡単に説明すると、1μgのゲノムDNAを50 μlの蒸留水中に希釈して、1μlの10 M水酸化ナトリウムを最終濃度0.2 Mとなるように加えることによって変性させ、37℃で10分間インキュベートした。インキュベーション後、30 μlの10 mMヒドロキノン(シグマ社)および520 μlの3M亜硫酸水素ナトリウム(pH 5.0)(シグマ社)を加えた。溶液は53℃で18〜20時間インキュベートした。
DNAは0.3 M水酸化ナトリウムによって室温で10分間脱スルホン化し、17 μlの10 M酢酸アンモニウム(アンビオン社)で中和し、100%エタノール中で−80℃にて一晩沈殿させた。
被検試料のゲノムDNAを、以下のプライマーを用いてPCR2増幅により増幅した:
フォワードプライマー2(F2): 5'-taatacgactcactatagggattattttagtagaggtatat-3' (配列番号:12);
リバースプライマー1(R2): 5'-tttggtgttagaagagttaag-3' (配列番号:13)
PCR増幅は、1×PCRゴールド緩衝液(アプライドバイオシステムズ、フォスターシティ、カリフォルニア州)、2mM MgCl2、0.2 mMデオキシヌクレオチド三リン酸混合物(USB)、10 pmolフォワードプライマー2(F2)、10 pmolリバースプライマー(R2)、2UアンプリタックゴールドDNAポリメラーゼ(アプライドバイオシステムズ、フォスターシティ、カリフォルニア州)、および100 ng鋳型DNAを含む全量50 μl中で行った。反応条件は以下の通りであった:95℃で10分、ならびに92℃で30秒、57℃30秒、および70℃で30秒を39サイクル、さらに70℃で7分間の最終的な伸張を行った。PCR産物は、2.5%アガロースゲルを用いてゲル電気泳動によって分析し、エチジウムブロマイドで染色し、デジタルイメージングシステム(ヌクレオテック社)によってUV照射下で可視化した。アンプリコンは、製造元のプロトコールに従ってキアクイックPCR精製キット(キアゲン社)を用いて精製した。
次に、被検試料に転写を行った。簡単に説明すると、T7プロモーター配列を含む精製アンプリコン1μgを、MEGAスクリプトキット(登録商標)(アンビオン社)を用いて製造元のプロトコールに従い、10 mM Cy5 UTP(アマシャム社)5μlを加えて、インビトロで全量20 μl中で転写した。転写物を、製造元のプロトコールに従って、RNイージー(登録商標)精製キット(キアゲン社)を用いて精製した。
ハイブリダイゼーションおよび洗浄
基準転写物(4μg)を第二の蛍光色素、好ましくはCy3によって標識して、第一の蛍光色素、好ましくはCy5によって標識した被検転写物(4μg)と、6×SSPE、5×デンハルト試薬(シグマ社)、0.05%トゥイーン20 50 μl中で混合した。混合液をマイクロアレイ装置と50℃で6時間ハイブリダイゼーションさせた。マイクロアレイを6×SSCおよび0.05%トゥイーン20 300 μlで50℃にて洗浄した後、300 μlの2×SSCで48℃、 300 μlの1×SSCで室温、最後に300 μlの0.5×SSCで室温にて洗浄した。
マイクロアレイ装置
マイクロアレイは、メチル化標的(M)に関して少なくとも一つの捕獲プローブおよび非メチル化標的(U)に関して少なくとも一つの捕獲プローブを有するように設計される。
メチル化試料捕獲プローブ配列(M):
5'-uauuuuuuuagguagcggguaguaguuguuu-3' 標的配列(配列番号:1);
3'-auaaaaaaauccaucgcccaucaucaacaaa-5' 捕獲プローブ配列(3'-5')(配列番号:2);
5'-aaacaacuacuacccgcuaccuaaaaaaaua-3' 捕獲プローブ配列(5'-3')(配列番号:3)。
非メチル化試料捕獲プローブ配列(U):
5'-uauuuuuuuagguaguggguaguaguuguuu-3' 標的配列(配列番号:4);
3'-auaaaaaaauccaucacccaucaucaacaaa-5' 捕獲プローブ配列(3'-5')(配列番号:5);
5'-aaacaacuacuacccacuaccuaaaaaaaua-3' 捕獲プローブ配列(5'-3')(配列番号:6)。
撮像およびデータ分析
最終洗浄段階の後、マイクロアレイを、CCDカメラを備えた光学検出機器(アレイWoRxバイオチップリーダー(arrayWoRx Biochip Reader)、アプライドプレシジョン社)を用いて撮像した。それぞれの蛍光色素の放射波長に対応する二つの画像を各マイクロアレイから取り込んだ。画像をマイクロコンピューターに保存して、製造元の説明書に従って分析した(ソフトWoRxトラッカー(softWoRx Tracker)、アプライドプレシジョン社)。マイクロアレイ上のそれぞれの位置での蛍光強度を定量して、プローブ配列および位置情報と共にそれぞれの色素の蛍光強度を含むスプレッドシートとして保存した。
強度のデータは、例えば、第一の蛍光色素を有する被検試料と第二の蛍光色素を有する基準試料とのシグナル強度の比を計算することによって分析した。このようにして、CpG島内のシトシン残基のメチル化状態を決定する。
プローブシグナルと基準シグナルのデータの比の分析:
Figure 2006524033
実施例2
本実施例では、単一のCpG島メチル化決定に関して実施例1に記載した技法を同時に用いて多重CpG島分析を行う。図4に示すシグナル強度は、被検シグナルチャネルおよび基準シグナルチャネルの双方において各プローブに関する比を計算することによって分析される。例えば、図4に示すマイクロアレイの最初の列は、試料中の領域1のメチル化状態を評価するように設計される。第二の列は、同じ試料の領域2におけるメチル化状態を評価するように設計される等。試料中の各領域は、メチル化(M)であっても、非メチル化(U)であってもよい。試料を、実施例1に記載したように調製する。被検試料は、それ自身の内部基準対照として用いられる。基準試料の調製物は、存在する可能性がある如何なるメチル化も除去する。基準標的を、例えばCy3蛍光色素で標識し、そのシグナルはCy3検出チャネルに出現する。被検試料を、メチル化が調製のあいだ保持されるように処理する。被検試料を、例えばCy5蛍光色素によって標識し、そのシグナルはCy5検出チャネルに出現する。図4は、それぞれのチャネルにおいて黒い部分に出現するシグナル強度を表す。
領域1の結果をマイクロアレイの第一の列に示す。基準試料は、予想されたように、非メチル化プローブ(U)の位置で蛍光シグナルを示す。被検試料も基準試料と同様に、非メチル化プローブ(U)の位置でシグナルを示す。実施例1に提供される式を用いてこれらの結果を計算することによって、試料は領域1においてメチル化されない(U)と解釈される。
領域2の結果をマイクロアレイ上の第二の列に示す。基準試料は、予想されたように、非メチル化プローブ(U)の位置で蛍光シグナルを示す。被検試料は、非メチル化プローブ(U)の位置とメチル化プローブ(M)の位置の双方でシグナルを示す。実施例1に提供した式を用いてこれらの結果を計算すると、試料は領域2においてほぼ等しい割合でメチル化(M)および非メチル化(U)シトシンを含むと解釈される。これは、例えば、試料中の一つの対立遺伝子がメチル化されて、もう一つの対立遺伝子がメチル化されない場合に起こる。これはまた、細胞の約半数が領域1においてメチル化される異種細胞集団においても起こる可能性がある。
領域3における結果をマイクロアレイの第三の列に示す。基準試料は、予想されたように、非メチル化プローブ(U)の位置で蛍光シグナルを示す。被検試料は、メチル化プローブ(M)の位置に限ってシグナルを示す。実施例1に提供した式を用いてこれらの結果を計算すると、試料は領域3において完全にメチル化される(M)と解釈される。
何十、何百、または何千もの位置を含むマイクロアレイを用いて、同一試料内で異なるCpG島領域の何十、何百、または何千ものメチル化状態を同時に決定することができる。
先行技術の様々なメチル化検出方法の略図を示す。そのいくつかは発明の背景の章に記載されている。本発明はまた、亜硫酸水素塩に基づくものとしてこのスキームに加えることができる。 DNA(A)から開始し、二つのアームに分けられる本発明の方法の好ましい態様の略図を示す。左のアームでは、第一のPCRは試料(B)を増幅し、亜硫酸水素塩変換を行い、その後、第二の蛍光プローブ(Cy3)で標識する。右のアームでは、第一の亜硫酸水素塩が試料(C)を変換した後、PCR増幅し、第一の蛍光プローブ(Cy5)で標識し、最後に双方の試料(B+C)を、二色蛍光造影反応において検出するためにDNAマイクロアレイ装置にハイブリダイズする。 大きい組のCpG島メチル化部位を同時に調べるためのマイクロアレイ装置レイアウトパターンを示す。調べる各メチル化部位に関して、マイクロアレイ装置上に少なくとも二つの特徴またはマイクロアレイ部位を必要とする。マイクロアレイ装置の第一の特徴は、メチル化シトシンの有無を調べるプローブであり、マイクロアレイ装置の第二の特徴は、試料中の非メチル化シトシンの有無を調べるプローブである。 マイクロアレイ上で行われる多重二色メチル化検出アッセイ法の結果を示す。多重メチル化部位(CpG島)は同一のマイクロアレイ上で一度に検出される。「M」の位置はメチル化試料に関する捕獲プローブ配列を含む。「M」捕獲プローブはCpG島における当初のシトシンのシトシン位置でグアノシン残基を含み、他の全てのシトシン位置でアデノシン残基を含む。「U」位置は、非メチル化試料に関する捕獲プローブ配列を含む。「U」捕獲プローブは、当初の試料において全てのシトシンの位置でアデノシン残基を含む。 高ストリンジェントな条件でハイブリダイズした完全にマッチした15量体DNA標的と一塩基ミスマッチ15量体DNA標識とのハイブリダイゼーションの識別を示す。捕獲プローブは、一塩基ミスマッチ位置が、捕獲プローブの5位から11位にシフトするように設計した。マッチとミスマッチ試料の間のスポット強度比は、ミスマッチが捕獲プローブの中心に存在した場合に最大の識別が得られたことを示している。 調べる配列領域に関する基準試料の調製を示す。被検試料は、本発明の方法に従ってそれ自身の内部基準対照として使用する。第一のPCR段階によるDNAの増幅は、試料から全てのメチル化情報を除去する。PCR1の間、メチル化および非メチル化シトシン残基は、アンプリコンにおいて非メチル化シトシン残基を生じる。アンプリコンは、亜硫酸水素塩変換を受けて、シトシン残基はデオキシウラシルに変換され、これはさらなる酵素反応およびアニーリング反応においてチミジン残基として挙動する。亜硫酸水素塩変換産物に、上流の転写プロモーターを加えるために、第二のPCR段階を行う。最終的なCy3標識転写物は、マイクロアレイ上での非メチル化シグナルパターンを生成する基準試料として使用される。 調べる領域に関する被検試料の調製を示す。試料を亜硫酸水素ナトリウムで処理して非メチル化シトシン残基をデオキシウラシルに変換し、これはさらなる酵素反応およびアニーリング反応においてチミジン残基として挙動する。メチル化シトシン残基は、変換の間保護され、当初のシトシン構造を保持する。亜硫酸水素塩変換産物に、上流の転写プロモーターを付加するためにPCR段階を行う。最終的なCy5-標識転写物を被検試料として用いて、マイクロアレイ上でメチル化シグナルまたは非メチル化シグナルを生じ、これは被検試料の当初のメチル化状態を反映する。

Claims (8)

  1. 被検試料から得た基準試料を用いて、多数のCpG島部位のメチル化を同時に検出する方法であって、
    第一DNA被検試料と内部基準とする第二DNA試料とに分けられた分析のためのDNA試料を用い、メチルシトシン残基が非メチル化シトシン残基として増幅されるように第二DNA試料を増幅する工程と、
    第一DNA試料および第二DNA試料の双方について非メチル化シトシン残基をデオキシウラシル残基に変換する工程と、
    互いに重なり合わない蛍光の励起および蛍光の放射スペクトルを有する第一蛍光マーカーと第二蛍光マーカーとを用い、第一DNA試料を第一蛍光マーカーによって標識するとともに、第二DNA試料を第二蛍光マーカーによって標識する工程と、
    第一DNA試料および第二DNA試料を、変換型および非変換型としてDNA試料のCpG島部位とハイブリダイズするように設計された複数のオリゴヌクレオチド捕獲プローブを有するマイクロアレイ装置上にハイブリダイズさせる工程
    を含む内部基準試料を用いる核酸のメチル化検出方法。
  2. 被検試料から得た基準試料を用いて、多数のCpG島部位のメチル化を同時に検出する方法であって、
    (a)分析のためのDNA試料を提供する工程と、
    (b)DNA試料を第一のDNA試料と第二のDNA試料に分けて、それによって第一の試料を被検試料とし、第二の試料を内部基準試料とする工程と、
    (c)メチルシトシン残基が非メチル化シトシン残基として増幅されるように、核酸増幅工程によって第二のDNA試料を増幅する工程と、
    (d)増幅された第一のDNA試料および第二のDNA試料双方における非メチル化シトシン残基をデオキシウラシル残基に亜硫酸水素塩によって変換する工程と、
    (e)変換された第一のDNA試料および変換された第二のDNA試料を増幅する工程と、
    (f)亜硫酸水素塩によって変換された第二のDNA試料を第二の蛍光マーカーによって標識し、亜硫酸水素塩によって変換された第一のDNA試料を第一の蛍光マーカーによって標識する工程であって、該第一および第二の蛍光マーカーが重なり合わない蛍光の励起および蛍光の放射スペクトルを有する工程と、
    (g)第一のDNA試料および第二のDNA試料を、亜硫酸水素塩による変換型および非変換型としてDNA試料のCpG島部位とハイブリダイズするように設計された複数のオリゴヌクレオチド捕獲プローブを有するマイクロアレイ装置上にハイブリダイズさせる工程
    を含む方法。
  3. 使用される増幅技術がPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)である、請求項1または2に記載の方法。
  4. ハイブリダイゼーション条件が高ストリンジェントな条件である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 重なり合わない蛍光標識が、Cy3(1,1'-ビス(ε-カルボキシペンチル)-1'エチル-3,3,3',3'-テトラメチルインドカルボシアニン-5,5'-ジスルホン酸カリウム塩 ジ-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル)、およびCy5(1,1'-ビス(ε-カルボキシペンチル)-1'エチル-3,3,3',3'-テトラメチルインドジカルボシアニン-5,5'-ジスルホン酸カリウム塩 ジ-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル)である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 被検DNA試料中のCpG島のシトシン部位のメチル化の検出用マイクロアレイ基板であって、
    (a)前記DNA試料中の被検シトシン部位を含むDNA断片であって被検シトシン部位以外のシトシン部位がチミンへ置換されたDNA断片と相補的な配列を含むオリゴヌクレオチド、および
    (b)前記DNA試料中の被検シトシン部位を含むDNA断片であって全てのシトシン部位がチミンへ置換されたDNA断片と相補的な配列を含むオリゴヌクレオチド
    が固定されている、マイクロアレイ基板。
  7. 以下を含む、被検DNA試料中のCpG島のシトシン部位のメチル化検出用キット:
    (a)請求項6記載のマイクロアレイ基板;
    (b)亜硫酸水素塩変換試薬、および/またはDNA標識試薬。
  8. 以下を含む、被検DNA試料中のCpG島のシトシン部位のメチル化検出用キット:
    (a)前記DNA試料中の被検シトシン部位を含むDNA断片であって、被検シトシン部位以外のシトシン部位がチミンへ置換されたDNA断片と相補的な配列を含むオリゴヌクレオチド;および
    (b)前記DNA試料中の被検シトシン部位を含むDNA断片であって、全てのシトシン部位がチミンへ置換されたDNA断片と相補的な配列を含むオリゴヌクレオチド。
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