JP2006517798A - 核酸配列用の方法及び手段 - Google Patents

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Abstract

合成による核酸配列決定。各ステップが合成されたストランド内への取込みのため考えられるヌクレオチド相補性クラスのうちの単数又は複数のものを提供する段階を含み、各ステップセットが4つの考えられるヌクレオチド相補性クラスの全てを提供するステップを含み、反復するステップセット内の鋳型ストランドに相補的な第2のストランドのプライミングを受けた合成。最初に、考えられる4つのヌクレオチド相補性クラスのうちの3つを、次に第4のヌクレオシチド相補性クラスを単独で、個別に合成されたストランド内への取込みのために提供することができる。同様に、ステム部分及び第1及び第2のループ部分から成り、該ステム部分が第1のストランド及び第2のストランドから成り、第1のストランド及び第2のストランドは長さが等しく、相補性で、合わせてアニールされており、第1のループ部分が第2のストランドの5′末端に第1のストランドの3′末端を接合させ、第2のループ部分が第1のストランドの5′末端に第2のストランドの3′末端を接合させ、かくして遊離5′又は3′末端を全くもたなくなっているDNA分子、及び特に配列決定におけるその使用。

Description

本発明は、核酸配列決定に関する。本発明は、特に、遊離3′末端を伴う核酸ストランドが、配列情報が望まれている鋳型を含有する核酸にアニールされ、配列情報を提供するヌクレオチド取込みの決定を伴う第2のストランドの合成をプライムするために使用される、「合成による配列決定」(SBS)に関する。本発明は一部には、既存の配列決定技術に付随するさまざまな問題を克服し標準的な試薬及び器具を用いてたった1日できわめて大量の配列を得ることができるようにする「クロマ配列決定」と呼ばれるものの中で非ブロック化ヌクレオチドを使用できるようにする的確な概念に基づいている。好ましい実施形態は、付加的な利点の達成を可能にする。本発明は同様に、配列分析用のアルゴリズム及び技術及び配列決定のための器具及びシステムにも関する。本発明は、当該技術分野において容易に利用可能な標準的なベンチトップ機器のみを使用して、膨大な配列決定の作業努力を自動化することを可能にする。
本発明には、任意には複数のヌクレオチド相補性クラスを付加する段階を少なくとも1つのステップが含んでいる2つ以上のステップでの、各ステップが合成されたストランド内への取込みのため考えられるヌクレオチド相補性クラスのうちの単数又は複数のもの、ただし任意には全てよりも少ないものを提供する段階を含み、各ステップセットが4つの考えられるヌクレオチド相補性クラスの全てを提供するステップを含む、反復するステップセット内の鋳型ストランドに相補的な第2のストランドのプライミングを受けた合成が関与する。好ましくは、これには、まず第1に合成されたストランド内への取込みのため4つの考えられるヌクレオチド相補性クラスのうちの3つを提供する段階、次に第4のヌクレオチド相補性クラスを単独で個別に提供する段階が関与する。ストランド伸長は、その他のヌクレオチドが存在しないことから、例えば第4のヌクレオチドの提供の時点で最後のヌクレオチド取込みステップと共に停止する。2回の停止の間のヌクレオチドの数及び任意にはその種類の決定は、鋳型の塩基組成及び/又は配列についての情報の急速な決定を可能にする。一度に単一の「停止ヌクレオチド」が使用される場合、伸長を停止させるために4つの異なるヌクレオチドの各々を用いて4回のランを実施することで、きわめて迅速かつ容易に完全な鋳型配列を決定するのに用いることのできる情報が提供される。
ゲノミック研究では、数多くの異なる方法が使用されているものの、直接的配列決定が群を抜いて最も価値の高いものである。実際、配列決定を充分効率良く行える場合には、ゲノミックスにおける主要な科学的問題のうちの3つ(配列の決定、遺伝子型特定及び遺伝子発現分析)全てに対処することが可能であろう。モデル種を配列決定でき、個体を全ゲノム配列決定により遺伝子型特定でき、かつ、cDNAへの転換及び配列決定(各々のmRNAのコピーの数を直接計数する)によりRNA集団を徹底的に分析することが可能であろう。
配列決定により対処できる科学的及び医学的問題のその他の例としては、エピゲノミクス(メチル化されていないシトシンからウリジンへの重亜硫酸塩転換と次に転換されていない鋳型配列に対する結果として得られた配列の比較による、ゲノム内のメチル化シトシンの研究)、(酵母2ハイブリッド実験内で得られた配列決定ヒットによる)タンパク質−タンパク質相互作用、(染色体免疫沈降の後に得られたDNAフラグメントの配列決定による)タンパク質−DNA相互作用そしてその他多数、が含まれる。かくして、DNA 配列決定のための効率の高い方法が望まれている。
しかし、マイクロアレイ及びPCRフラグメント分析といったような補助的方法に置換わるためには、非常に高い配列決定処理能力が必要とされる。例えば、生きた細胞には、各々平均約2000塩基の長さの約300,000個の伝令RNAコピーが含まれる。かくして、たった1個の細胞内でさえRNAを完全に配列決定するためには、6億個のヌクレオチドをプローブする必要がある。沢山の異なる細胞型から成る複雑な組織においては、細胞型特異的写しがさらに希釈されることから、このタスクは一層むずかしくなる。これらの需要を満たすためには、ギガベースの一日処理能力が必要となる。以下の表は、各実験について必要とされる処理能力についてのいくつかの推定値を示す(相反する指示のないかぎり、ヒト):
実験 処理能力
ゲノム配列(新規、10x) 30Gbp
全ゲノム多形性 3Gbp
完全ハプロタイプマップ(200の個体) 600Gbp
遺伝子発現 600Mbp
エピゲノミクス 3Gbp
一千万個のタンパク質相互作用 400Mbp
全生物圏(1属あたり1種) 〜300Tbp
本発明は、上述のこと全てを、適正なコストで手の届く範囲内に置くものである。
DNA配列決定方法
蛍光ジデオキシヌクレオチドを用いたSangerの配列決定(Sanger et al. PNAS74 第12号;5463−5467,1977)は、最も広く使用されている方法であり、96毛管さらには384毛管のシーケンサで自動化に成功している。しかしながら、該方法は、鋳型の各々の塩基位置に対応する多数のフラグメントの物理的分離に依存し、かくして、超ハイスループット配列決定(現行の最高の計器は一日あたり最高200万個の配列ヌクレオチドを生成する)まで容易に拡張可能ではない。
配列は、一連のプローブから選択されたプローブで標的ポリヌクレオチドを探査することにより間接的に得ることもできる。
ハイブリダイゼーションによる配列決定は、或る長さまでの考えられる全ての配列を表わす一連のプローブを使用し(すなわち、kがマイクロアレイ表面上に適合し得るプローブの数により制限されるものとして1組の全k量体;100万個のプローブでは、k=10を用いることができる)、鋳型をハイブリッド形成させる。プローブセットから鋳型配列を再構築するのは、複雑であり、ハイブリダイゼーション反応速度が本来予測不可能なものであることかつより大きい鋳型を配列決定するのに必要とされるプローブの数の組合せ的爆発によってさらに困難になっている。たとえこれらの問題を克服できたとしても、各々の鋳型について何百万ものプローブを担持する1つのマイクロアレイが必要とされアレイは通常再使用不可能であることから、処理能力は必然的に低いものとなる。
ナノ細孔配列決定(US Genomics, 米国特許第6,355,420号明細書)は、長いDNA分子が2つの反応チャンバを分離するナノ細孔を通って強制されるにつれて、結合したプローブをチャンバ間の伝導度の変化として検出できるという事実を利用している。考えられる全てのk量体のサブセットでDNAを装飾することにより、部分配列を演繹することが可能である。これまで、ナノ細孔アプローチにより完全な配列を得るための実現可能な戦略は全く提案されていないが、それが可能であったならば、原則的に驚異的な処理能力(30分以内で約1個のヒトゲノム)が達成可能であると思われる。
合成による配列決定(SBS)のためにさまざまなアプローチが設計されてきた。
配列決定処理能力を増加させるためには、例えばガラス表面又は類似の反応チャンバ上で並行して多数の鋳型上の各塩基の取込みを視覚化させることができることが望ましいと思われる。これは、SBSによって達成される(例えばMalamede et al, 米国特許第4863849号明細書、Kumar 米国特許第5908755号明細書を参照のこと)。SBSに対する2つのアプローチが存在する。つまり各々の取込まれたヌクレオチドから開放された副産物が検出されるか、又は永久的に付着された標識が検出されるかである。
パイロ配列決定(例えば、国際公開第9323564号パンフレット)は、無機二リン酸塩(PPi)の形で各々の取込まれた単量体の副産物を検出することにより鋳型の配列を決定する。全ての鋳型分子の反応を同期化された状態に保つためには、一度に1つずつ単量体が付加され、次の付加の前に取込まれていない単量体が分解される。しかしながら、単独重合体サブ配列(同一単量体のラン)は、多数の取込みを防止できないことから問題を提起する。同期化は(鋳型の小さい画分における取込み欠如又は該取込みが結局は真のシグナルを圧倒することになるため)、最終的に失敗に終り、最高の現行システムは、約200,000塩基/日の組合わされた処理能力で約20〜30塩基しか読みとることができない。
Sanger 配列決定法が各々の鋳型について1つの精巧な器具(すなわち毛管)を必要とする一方で、パイロ配列決定は、単一の反応チャンバ内での並列化に容易に従うことができる。米国特許第6274320号明細書は、そのとき並列に進捗できるパイロ配列決定反応内で分析された光ファイバに付着された縦列反復された線形1本鎖DNA分子を生成するための、ローリングサークル増幅の使用について記述している。原則的に、かかるシステムの処理能力は、表面積(鋳型分子数)、反応速度及びイメージング機器(解像度)によってのみ制限される。しかしながら、PPiが検出可能な信号に変換される前に検出器から遠くへ拡散しないようにする必要性は、すなわち、反応部位の数が実際上制限されなくてはならないということを意味している。米国特許第6274320号明細書中では、各々の反応は、光ファイバの先端部にある小型反応容器内で発生するように制約され、かくしてファイバ1本あたりの配列数を1に制限している。
さらに一層制限的であるのは、パイロ配列決定によって達成される短かい読取り長(<30bp)である。かかる短い配列は、全ゲノム配列決定では直接有用でなく、複雑な平衡化反応セットが読取り長をはるかに拡張するのを困難にしている。最高100bpの読取り長が報告されたことは、極くたまにしかも特定の鋳型についてしかなかった。
放出された標識の検出を伴う類似のスキームが米国特許第6255083号明細書中に記述されている。ヌクレオチドの逐次的付加及びそのときエキソヌクレアーゼで解裂される標識の検出を伴うスキームが国際公開第01/23610号パンフレット中で記述されている。
放出された標識又は副産物を検出することのもつ主要な利点は、鋳型がその後のステップにおいて無標識状態にとどまるという点にある。しかしながら、シグナルは、鋳型から遠くに拡散することから、マイクロアレイといったような固体表面上でこのような配列決定スキームを並行化するのは困難であり得る。
放出された副産物を検出する代りに、成長する重合体に付加されるにつれて各々の取込まれた核酸鋳型Dを検出することができる。原則として、かかるスキームは、パイロ配列決定と同じように進められる(一度に1つの塩基を付加し、4個の天然ヌクレオチドの間で反復させる)が、代りに標識されたヌクレオチド類似体(すなわち蛍光)を使用することになる。一例を挙げると、Polony 配列決定(Mitra RD,Church GM., Nucleic Acids Res 1999.12月15日;27(24);e34「数多くの個々のDNA分子のインサイチュ局在性増幅及び接触複製」)は、蛍光標識されたヌクレオチドの逐次的付加に基づいている。
各々の取込まれたヌクレオチドに付着した標識を検出することは、各ステップで生成されるシグナルを除去し、減算するか又は次のステップの準備として物理的に消光しなければならないという点で、さらに問題を提起する。かかる除去は、例えば光退色することによってか又はヌクレオチドと標識の間に解裂可能なリンカーを用いることによって達成可能である。例えばPolony 配列決定は、ヌクレオチドと蛍光色素の間にジチオールリンカーを担持する特別に設計された蛍光ヌクレオチドを使用する。未公開の観察結果によると、該リンカーは、少なくとも99.8%の純粋なヌクレオチドまでジチオトレイトールといったような還元剤を用いて効率良く解裂され得る。
SBS方法における読取り長は主として各ステップ内に発生する同調性の喪失によって制限されることから、配列決定反応に対し4つのヌクレオチド全てを付加しそれでもなお1つの塩基の各々の取込みの間に反応を中止する能力を保持することができることが望ましいと思われる。このようにして、4つのヌクレオチドは全てつねに利用可能となり(かくして読取込み率を制限する)、なおかつ各々の取込まれた塩基を監視することが可能となる。
多数の研究者が独立して、時に塩基付加配列決定戦略(BASS)と呼ばれる解決法を考案してきている。反応は、3′ブロックされた単量体の使用により、一度に複数のステップに取りかかることがないように防止されているが、ブロックは不安定であり(例えば光解裂可能であるか又は化学分解可能である)従って次の合成ステップの準備として3′−OH基を露呈することが可能である。
BASSには次の段階が含まれる:
1. 1本鎖鋳型及びアニールされた5プライマを提供する段階;
2. 3′−OH−ブロックされた蛍光ヌクレオチドを付加する段階;
3. ポリメラーゼを付加し、単一のヌクレオチドを取込む段階;
4. 蛍光を読取る段階;
5. 例えば光解裂によりブロック基を除去する段階;
6. ステップ2〜5を反復する段階。
この主題についての変形形態は、エキソヌクレアーゼを用いて除去される永久的に3′−OHでブロックされたヌクレオチド(国際公開第1/23610号、国際公開第93/21340号パンフレット)又は官能性3′−OH基に復元され得る不安定な3′−OHブロックされたヌクレオチド(米国特許第5302509号明細書、国際公開第 00/50642号、国際公開第91/06678号、国際公開第93/05183号パンフレット)を使用する。
BASSスキームは全て、以下の共通点を有する。
・ 合成が一度に複数のステップを開始するのを防ぐために、ブロック済み又は終止ヌクレオチドが用いられる。
・ 各ステップで取込まれるヌクレオチドは同様に、通常は蛍光色素を用いて標識される。
・ 各サイクルの終りで、次のサイクルの準備として、ブロック部分(又は全終端ヌクレオチド)は除去される。
これらの必要条件が合わさって、BASSにおいて用いられる酵素に対して厄介な要求が課せられる。すなわち、
・ これらの酵素は、その3′(ここでは通常酵素によって修飾が寛容されていない)で同時にブロックされ蛍光標識されているヌクレオチドを受入れなくてはならない。
・ これらは、全ての鋳型のうちの無視できる画分しか各サイクル内で同調性から外れていないようにするべく効率上充分なこのようなヌクレオチドを取込まなくてはならない。
・ これらは、かかるヌクレオチドの塩基・対合を緊縮的に弁別する能力を有していなくてはならない。
・ これらは、ブロック基又は終結ヌクレオチドを早期に除去してはならない。
これまで誰もBASSを作動させることができなかったという事実は、これらの問題点が克服不可能なものであることを示唆している。例えば(Metzker et al.「新規の3′修飾済みデオキシリボヌクレオシド5′−トリホスフェートによるDNA合成の終結」、Nucleic Acids Res 1994:22(20):4259−67)においては、調査された8個の酵素のうち、いずれも、蛍光標識の付加的な複雑さがない場合でさえ、3′−ブロックされたdUTP及び3′−ブロックされたdCTPの両方を寛容する能力をもたなかった。かくして、4つのヌクレオチド全ての3′ブロックされ蛍光標識されたバージョンを受容できる1つの酵素を発見することは、ほとんど望みがないものと思われる。
結論としては、取込みによる配列決定方法を有効にできたとしたならば、1つの表面に並列に付着された何百万個もの鋳型を恐らく配列決定できることだろう。放出された標識ではなくむしろ取込まれた標識を検出することのもつ主たる魅力は、1つの表面上に反応を並列化させることができるという点にある。例えば、10×10cmの表面上では、かかるシステムは(1鋳型/10μmというポワソン分布を仮定して)1サイクルあたり60秒で例えば3700万個の鋳型上において最高600,000bp/秒で配列決定し、50Gb/24時間を達成する能力をもつことができると思われる。原則的に、このようなシステム上では毎日10個のヒトゲノムを配列決定することができるだろう。該システムのコストは、蛍光スキャナに匹敵するものとなり、ランニングコストは、現行のSangerシーケンサのものに匹敵すると思われる。
そのゴールを達成するための主要な残る障害は、まず第1に、SBS内の読取り長が大きなゲノムを配列決定する上で有用となるには短かすぎること、そして第2に、1つの表面上で充分に高い密度で鋳型を置くための信頼性ある方法が開発されていないことにある。
本発明はさまざまな態様で、先行技術の問題を巧く解決するものである。
本発明は、以前に記述されてきた合成による配列決定方法の問題点の大部分を回避しながら、この方法を改善する新規の配列決定戦略の開発に基づくものである。これは、並列化が容易で、各単量体の取込みを直接視覚化し(すなわちいかなるサイズ分画も必要とされない)、長い読取り長の可能性を提供する戦略である。
本発明は、SBS方法では、これまで仮定されてきたことに反して、(パイロ配列決定又は国際公開第1/23610号パンフレットの場合のように一度に1つずつ塩基を付加することによってか又はBASSの場合のようにブロックされたヌクレオチドを使用することにより)各位置で中止する必要がないということの認識に基づくものである。
その代り、配列決定は、特定の「停止」ヌクレオチドの各々の出現から次の出現まで飛び超えて、ホッピングにより進行し得る。介入するヌクレオチドは標識されていてよい。停止ヌクレオチドは標識されていてよい。こうして、ブロック基が使用されるスキーム(この場合各々のステップは生産性のあるものであるがデブロックには問題がある)及び同期化が1度に1個塩基を付加することによって達成されるスキーム(この場合、デブロックは、大部分のステップを非生産的にし、同調性喪失問題を深刻にするという犠牲を払って回避されている)の間の理想的な妥協案でありうる1つの改良が提供される。同様に、BASSの場合と比較して、本発明はブロック基と同じヌクレオチド上に標識を置く必要性を無くする。
本発明の1つの態様は、1つのステップが潜在的に複数のヌクレオチドの取込みを可能にする、ステップ式のヌクレオチドの取込みを特徴とする、合成による配列決定を提供している。
好ましい実施形態においては、1つのステップは潜在的に、基礎にある鋳型配列に応じて、4つの考えられるヌクレオチドのうちの3つの取込みを可能にする。好ましくは、別の1つのステップが第4の考えられるヌクレオチドすなわち第1のステップにおいて潜在的に取込まれ得た3つ以外の残りの1つのヌクレオチドの取込みを可能にする。
その他の実施形態においては、少なくとも1つのステップが複数の、ただし考えられるヌクレオチド全てよりは少ないヌクレオチドの取込みを可能にする、4つのヌクレオチド全ての取込みを1つのステップセット内で可能にするべく、異なるステップが実施される。以下でさらに詳述するように、先行技術の方法は、共に「1−1−1−1」プロセスとして要約できる、反復され得る1つのセット内の4つの別々の反復されるステップを有し、各ステップが原則として4つ(基礎を成す鋳型配列に応じて取込まれるヌクレオチドの実際の数)のヌクレオチドのうちのわずか1つだけの取込みを可能にするものとしてか、或いは、各ステップ内の4つのヌクレオチドのうちの1つのみの取込みを同じく可能にする4つのブロックされたヌクレオチド全てを含む反復される単一のステップを有するものとして、要約可能である。「4」プロセスとして要約できる、原則として4つのヌクレオチド全ての取込みを可能にする単一のステップは、配列決定されたストランドが直ちに鋳型の端部に重合されることになるため、配列決定のためには有用ではない。異なる実施形態において本発明は、「4」又は「1−1−1−1」以外のパターンに適合するステップ式のヌクレオチドの取込みを特徴とする、合成による配列決定方法の実施を可能にする。かくして、好ましい実施形態においては、すでに言及した通り、「3−1」に適合する1つのステップセットでヌクレオチドが取込まれる。その他の実施形態では、1つのステップセットが「2−2」又は「1−2−1」に適合するか、又はヌクレオチドが1つのステップセット内で反復されうる不規則なパターン(例えば「2−2−3」)に適合する。ステップセットは、望まれる通りに反復される。その上、異なるパターンをもつステップセットの組合せを作ることもできる。
本発明の1つの態様に従うと、1つの核酸について配列及び/又は塩基組成情報を決定する方法において、
(i)核酸鋳型の第1のストランドにアニールされた核酸の遊離3′末端が、鋳型依存性核酸ポリメラーゼにより核酸鋳型に相補的な核酸のストランド内にヌクレオチドを鋳型配列依存的に取込むことによって核酸鋳型に相補的な核酸のストランドの伸張を可能にする、核酸鋳型を含む第1のストランドを含む核酸を提供する段階;
(ii)該核酸の塩基組成又は配列を示す情報を得ることができるようにする核酸鋳型に相補的な核酸のストランドを伸張させるため、所望の回数だけ反復させられるか又はその他の単数又は複数のステップのセットを組合わせて実施される、単数又は複数のステップセットを実施する段階であって、
1つのステップが、
(a)− 1つの核酸鋳型を含む第1のストランドを含む核酸、
− 該核酸鋳型の第1のストランドにアニールされた1つの核酸ストランドの前記遊離3′末端及び
− 鋳型依存性核酸ポリメラーゼ、
の存在下で、核酸鋳型に相補的な核酸のストランド内へのヌクレオチドの核酸ポリメラーゼによる鋳型依存性取込みのための1、2、3又は4個のヌクレオチドから選択されたヌクレオチドを提供する段階であって、ここで各々の前記ヌクレオチドが天然のヌクレオチドであるか又はDNAストランドの遊離3′末端でDNAストランド内への核酸ポリメラーゼによる鋳型依存性取込みの能力をもつヌクレオチド類似体であり、各々の前記ヌクレオチド相補性クラス内でヌクレオチド及びヌクレオチド類似体が、アデノシン(A)、シトシン(C)、チミン(T)及びグアニン(G)のうちの1つに対し相補的である段階、
及び
(b)取込まれていないヌクレオチドを除去するか又は不活性化する段階、
を含み、
1セットのステップ内で、
− 4つのヌクレオチド相補性クラス全てから選択されたヌクレオチドが提供され、鋳型依存性取込みのために利用可能であり、
− 少なくとも1つのステップにおいて、2つ以上、任意には2、3又は4個のヌクレオチド相補性クラスから選択されたヌクレオチドが提供され、鋳型依存性取込みのために利用可能であり、ヌクレオチド相補性クラスのうちの少なくとも1つの中のヌクレオチドは、該核酸鋳型に相補的な核酸のストランド内に取込まれている場合、核酸鋳型に相補的な核酸のストランドのさらなる伸長を可能にし、
− 任意には、2つ以上のステップにおいていかなるヌクレオチド相補性クラスも提供されないか、又は、各々のヌクレオチド相補性クラスが、ステップセットのうちの1つ以下のステップ内で提供されており;かつ
4つの相補性クラス全てから選択されたヌクレオチドが1つのステップで提供された場合には、該ヌクレオチド相補性クラスのうちの1、2又は3個の中のヌクレオチドは、核酸鋳型に相補的な核酸のストランド内に取込まれた場合、核酸鋳型に相補的な核酸のストランド及び多数のコピーが存在するならば存在する全てのコピーのさらなる伸長を防ぐことになる;
実施段階、
(iii)前記ステップの多数のセットを実施し、ステップセットを反復させかつ/又は異なるステップセットと組合せた形でステップセットを実施する段階、
(iv)取込まれたヌクレオチドの性質及び/又は数量がセットとして決定されている各々のセット内の少なくとも1つのステップ内で核酸鋳型に相補的な核酸のストランド内に取込まれたヌクレオチドの性質及び/又は数量を決定することにより、少なくとも1つのステップセット内で核酸鋳型に相補的な核酸のストランド内に取込まれたヌクレオチドの性質及び/又は数量を決定する段階、
を含んで成る方法が提供されている。
指摘した通り、本発明は、サイズ分画の無い配列決定を可能にする。
(配列情報及び/又は塩基情報が望まれている)核酸(例えばDNA)鋳型の第1のストランド5′にアニールされた核酸の遊離3′末端は、第1のストランドにアニールされたプライマ(例えばオリゴヌクレオチドプライマ)により提供されてもよいし、又、第1のストランドにアニールされた第2のストランド内でニックにより提供されてもよいし(この場合、当初核酸鋳型にアニールする第2のストランドの部分は伸長に変位又は分解される)、又はセルフループつまりループバックして、セルフプライミングを可能にする第1のストランドの連続部分により提供されてもよい。
ヌクレオチド又はヌクレオチド類似体を、その塩基対合特性によって定義づけすることができる。かくして天然アデノシンと相補的に取込むことになる全てのヌクレオチド又はヌクレオチド類似体は、かくして、チミンのヌクレオチド相補性クラスに属し、天然グアニンに相補的に取込むものは、シトシンのヌクレオチド相補性クラスに属し、天然チミンに相補的に取込むものは、アデノシンのヌクレオチド相補性クラスに属し、天然シトシンに相補的に取込むものは、グアニンのヌクレオチド相補性クラスに属する。ヌクレオチド相補性クラスはかくして、鋳型特異的重合との関係におけるヌクレオチド又はヌクレオチド類似体の論理的特性を記述し、定義する。
ヌクレオチドは、潜在的に、鋳型依存性ポリメラーゼによる取込みのため、反応培地内に提供されることにより取込みを許される。
核酸鋳型はデオキシリボ核酸(DNA)であり得、核酸ポリメラーゼはDNA依存性DNAポリメラーゼであり得、ヌクレオチドはデオキシリボヌクレオチド又はデオキシリボヌクレオチド類似体であり得る。
核酸鋳型はデオキシリボ核酸(DNA)であり得、核酸ポリメラーゼはDNA依存性リボ核酸(RNA)ポリメラーゼであり得、ヌクレオチドは、リボヌクレオチド又はリボヌクレオチド類似体であり得る。
核酸鋳型はがリボ核酸(RNA)であり得、核酸ポリメラーゼは逆転写酵素であり得、ヌクレオチドはデオキシリボヌクレオチド又はデオキシリボヌクレオチド類似体であり得る。
本発明のさまざまな態様の好ましい実施形態においては、複数の異なるヌクレオチドが潜在的に取込まれる1つのステップ内で用いられるヌクレオチドは、標準ヌクレオチドの中から選択される。
本発明のさまざまな態様のいくつかの好ましい実施形態においては、異なるヌクレオチドのうちの1つだけが潜在的に取込まれる1つのステップで用いられるヌクレオチドは、標準ヌクレオチドの中から選択されたヌクレオチドである。
その他の実施形態においては、本書のその他の場所でさらに論述されているように修飾されたヌクレオチド又は類似体を利用することが可能である。
本発明で利用されるヌクレオチドは、標識されていてよく、標識作業は蛍光標識を含み得る。(A、C、G及びTの相補性クラスの間のような)異なるヌクレオチドを、異なる標識、例えば異なる色であり得る異なる蛍光標識で、標識することができる。
指摘した通り、本発明は、4又は1−1−1−1以外のスキームでのヌクレオチドの取込みを特徴とする合成による配列決定方法を提供する。
かくして好ましくは、取込みスキームはまず最初に、2又は3個のヌクレオチドの潜在的取込みを可能にし、その後一般に、取込まれていないヌクレオチドを除去するための洗浄ステップの後、別のステップで、取込みスキームは2個のヌクレオチド又は1個のヌクレオチドの潜在的取込みを可能にする。ステップセットの組合せを作って全体的反応スキームを提供することができる。
当然のことながら、当該技術分野において利用可能な知識及び技術に従って、DNAストランドの3′末端で鋳型依存性核酸取込みを実施するために、反応培地内に適切な条件が提供される。
1つの実施形態においては、本発明は、その第1ストランド5′にアニールされた核酸ストランドの遊離3′末端(例えばアニールされたプライマ)がDNA鋳型に相補的なDNAストランドの合成を可能にするDNA鋳型を提供する段階、鋳型に相補的な伸長ステップ内へのヌクレオチドの取込みのための条件下でポリメラーゼの存在下で第1ステップにて標識済みヌクレオチド(「介入」ヌクレオチドと呼ばれる)のセットを付加する段階、及びそれに続いて、取込まれなかったヌクレオチドを除去するべく洗浄し、その後伸長ステップD内へのヌクレオチドのプライマベースの取込みのための条件下でポリメラーゼの存在下で第2のステップ内で第2の標識済みヌクレオチド(「停止」ヌクレオチド)セットを付加する段階、それに続いて、取込まれなかったヌクレオチドを除去するべく洗浄し取込まれたヌクレオチドの標識を見極める段階、といったステップ又はステップセットの1サイクルを含む方法を提示している。該ステップセットは、望まれるだけの回数又はサイクル数だけ反復可能である。
かくして、各ステップで、取込まれたヌクレオチドの数(順序ではなく)が決定される。異なるヌクレオチドのための標識が区別可能である場合、各々の取込まれたヌクレオチドの数(順序ではなく)は、決定され終っていることになる。
この要領で、すなわち標識の決定によって得られた取込まれたヌクレオチドについての情報は、クロマと呼ばれる。クロマは、標準的DNA 配列であるが、
・ それはサイン配列としても使用され得、既知のDNA配列に整列させることができる。
・ (通常)4つのこのような配列のセットを(以下で詳しく説明するように)標準DNA配列内に再組立てすることができる。
本発明の実施形態及びクロマの概念は、介入ヌクレオチドとしてdA、dC及びdGを使用し例えば、
dT[lA,2C,1G,lT]−[2A,2C,1G,3T]−[2A,2C,lG,lT]−[0A,lC,0G,lT]
と記される停止ヌクレオチドとしてdTを用いることによって得られる標準的配列を参照して例示することができる。なおここで、カッコ内の数字は、その標識強度によって測定されるようなdTの各々の出現の間の各々の介入するヌクレオチドの存在量、とそれに加えて連続するdTの数を示している。
複数のDNA配列が例えば
ACCGTGCACATTTACAGCTCT
CAGCTCCAAGTTTCACGATCT、等...
といったデータを生成し終えている可能性がある。
原配列を明確に決定するべく(停止ヌクレオチドとして引き続いて4つのヌクレオチドの各々を用いて)4つのこのような配列読取りから得られた情報又はクロマを使用する塩基コール戦略が、以下で提供されている。
1つの態様においては、本発明の好ましい実施形態が、以下の段階を含む方法(スキームI)を提供している:
1. プライマとして作用するべく3′末端をもつアニールされたDNAを伴う1本鎖鋳型を提供する段階。
2. 鋳型に相補的な少なくとも1つのヌクレオチド(「停止ヌクレオチド」と呼ばれる)が標識されたヌクレオチドセットから排除されるような形で選択された単数又は複数の標識されたヌクレオチド(「介入ヌクレオチド」と呼ばれる)のセットを付加する段階。通常、区別可能な標識を担持する3つのヌクレオチドが付加される(第4の天然ヌクレオチドは停止ヌクレオチドである)。
3. 任意には、単数又は複数のブロックヌクレオチド(標識されたヌクレオチドとは異なる)を付加する段階。これらは同様に「停止ヌクレオチド」でもある。例としては、照明を受けた時点で3′−OHを残す光解裂性基を担持し得る3′−0修飾済みヌクレオチド又はその他の修飾、アクリルヌクレオチド及びジデオキシヌクレオチドが含まれる。
4. 任意には、標識された又はブロックヌクレオチドのセット内にいかなる補体ももたない鋳型位置における読込みを防ぐのに役立つ、単数又は複数の取込みしない阻害物質ヌクレオチド(標識されたヌクレオチド及びブロックされたヌクレオチドと異なるもの)を付加する段階。例としては、5′−ジ−及びモノ−リン酸塩ヌクレオチド、5′−(アルファ−ベータ−メチレン)三リン酸塩ヌクレオチドが含まれる。
5. 成長するストランドにヌクレオチドを付加させる条件下で適切なポリメラーゼと共にインキュベートする段階。
6. 取込まれていないヌクレオチドを洗い去る段階。
7. ステップ3で何らかのブロックヌクレオチドが付加された場合には
a. 例えば光解裂、酵素転換又は化学反応により、ブロック部分を除去する段階。
b. 代替的には、ブロックされていないヌクレオチドのエキソヌクレアーゼ処理及びその後の取込みにより全ヌクレオチドを置換する段階(例えば国際公開第1/23610号、93/21340号パンフレット)。
8. 鋳型内に存在する全てのヌクレオチドに確実に補体が確保されるようにするのに必要とされる残留ヌクレオチド(「停止ヌクレオチド」)を付加し、成長するストランドにヌクレオチドを付加させる条件下で(必ずしもステップ5と同じでない)ポリメラーゼと共にインキュベートする段階。停止ヌクレオチドは、任意には、標識され得かつ/又は3′ブロックされ得る(例えばBASSの場合のように)。
9. 取込まれていないヌクレオチドを洗い去る段階。
10. 各々の標識されたヌクレオチドの存在及び/又は数量を検出する段階。
11. 任意には標識及び/又は3′ブロック基を除去するか又は無効化する段階。例えば、蛍光標識を光退色させることができる。
12. 所望の数のサイクルが完了するまでステップ2〜11を反復する段階。
かかる配列決定方法は、その単純さと同時にそれがロバストな同期化方法を提供できることを理由として、固相上の並列化に特に適している。新鮮なプライマでステップ1から再開することにより、スキームを多数回反復することが可能である。
ステップ3及び8内で付加されたヌクレオチドは、それらが(ブロックされるか又は不在であることによって)ステップ5内でその補体を超えて進行するべく重合を防止するため、停止ヌクレオチドと呼ばれている。例えば、ステップ1から4回反応が実施される場合、4つの天然ヌクレオチドの各々を停止ヌクレオチドとして使用することが可能である。
プライマは、鋳型に対する塩基相補性によってアニールし、遊離3′末端を残し、この末端に、鋳型依存性DNAポリメラーゼによって1つずつヌクレオチドを付加することができる。指摘した通り、2本鎖DNA分子の1本のストランドをニックすることによってか又は1本鎖の遊離3′末端がセルフプライミングのためにループバックできるようにすることによって、遊離3′末端を生成することができる。
注:「標識された」分子という語は、純粋な標識された分子ならびに標識された分子とされていない分子の混合物を内含するものとして考えられるものとする。例えば、標識されたdTTPは、フルオレセインで標識されたdTTP又はそれと標識されていない標準のdTTPの混合物であり得る。標識されたものとされないものの最適な比率は、次のような複数の因子によって決定される。
・ 計器のノイズを克服するのに充分なシグナルを得る必要性。例えば、Rerkin Elmer Scan Array, 2.5 蛍光色素/画素は、ノイズレベルの3倍のシグナルを生成する。
・ 蛍光共鳴エネルギー伝達(FRET、この結果として1つの蛍光色素がもう1つの蛍光色素を消光させることになる)を回避するため多数の蛍光色素を至近距離に置くことを避ける必要性。FRETは、距離の6乗で崩壊するが、数個のヌクレオチドの範囲にわたりなお重大であり得る。
・ (かさ高い蛍光色素の立体効果によって阻害され得る)ポリメラーゼによるその後のヌクレオチド取込みの阻害を回避するべく多数の蛍光色素を至近距離に有することを避ける必要性。
・ もう1つのオプションとして、例えば標識されたアクリル又はジデオキシヌクレオチドを用いることによってか又は3′−OH上又はその近くに標識を置くことによって、標識されたヌクレオチド画分に成長する鎖を強制的に終結させることもできる。標識されたヌクレオチドが全てのヌクレオチドのわずかな画分のみを構成しているかぎり、終結によりひき起こされるシグナルの喪失は、有意でないものにとどまり、一方修飾されたヌクレオチドに対する酵素の親和性が低いことによってひき起こされる同調性の喪失は、完全に回避できる。
該発明人らの研究室での作業によって、標識されたヌクレオチドのうちの2.5%以下が巧く作用することがわかった(以下の例を参照のこと)。鋳型が100bpの配列の1000の縦列反復されたコピーであると仮定すると、鋳型1つあたり少なくとも25の蛍光色素が各々の取込まれたヌクレオチドについて得られる(すなわち各々の鋳型が1画素以内である場合、Perkin Elmer ScanArray上でノイズレベルの10倍を上回る)。平均的サイクル1回で4回のヌクレオチドが取込まれると仮定すると、標識は平均1000塩基離して間隔どりされ、消光及びポリメラーゼ阻害の両方を回避する。
本発明のさらなる実施形態においては、スキームI(例えば)は、ポリメラーゼについての制約のいくつかを緩和させるBASSの1つの変形形態を可能にする。停止ヌクレオチドが標識されずにブロックされている一方で、介入ヌクレオチドのセットが標識されているもののブロックされていない場合には、4つのヌクレオチド全てを、単一のステップで混合物として付加し、次に上述の通りに洗浄し走査することができる。ブロックされたヌクレオチド及び標識されたヌクレオチドの両方を受諾するポリメラーゼを使用することもでき、そうでなければ、異なるポリメラーゼを用いて、第1ステップで標識された介入ヌクレオチドを付加し、第2のステップでブロックされた停止ヌクレオチドを付加することもできる。このような修飾されたスキーム用のクロマは、いかなる取込みも伴わない隣接するサイクルとして単独重合体が検出され、それらが各々、単一の停止ヌクレオチドが取込まれている状態で終結し、かくして一回のみのランで単独重合体を満たすのではなくむしろそれを段階的に走査する、という点において、異なっている。
このようなスキームにおいては、光解裂可能な蛍光色素(以下参照)ならびに光解裂可能な3′−ブロック基を使用することが望ましいかもしれない。代替的には、穏やかな化学処理により除去可能なブロック基、例えばKamal et al.(Tetrahedron Letters 1999,第4巻、p371〜372)内に記述されているアリル基を使用することもできる。
特に単純な実施形態においては、本発明の1態様は次の段階を含む1つの方法(スキームII)を提供する:
1. プライマとして機能するため、アニールされたDNAストランド上に遊離に3′末端を伴う1本鎖鋳型を提供する段階;
2. 例えば区別可能な蛍光標識といった区別可能な標識を担持する3つのヌクレオチドを付加する段階、
3. 任意には、(標識されたヌクレオチドとは異なる)単数又は複数の取込みしない阻害物質ヌクレオチドを付加する段階。その例としては、5′−ジ及びモノ−リン酸塩ヌクレオチド、5′−(アルファ−ベーターメチレン)三リン酸塩ヌクレオチドが含まれる。
4. 成長するストランドにヌクレオチドを付加させる条件下で適切なポリメラーゼと共にインキュベートする段階。
5. 取込まれていないヌクレオチドを洗い去る段階。
6. 残りのヌクレオチド(例えば蛍光標識で標識されているもの)を付加し、成長するストランドにヌクレオチドを付加させる条件下で、(必ずしもステップ5と同じでない)ポリメラーゼと共にインキュベートする段階。
7. 取込まれていないヌクレオチドを洗い去る段階。
8. 各々の標識されたヌクレオチドの存在及び数量を検出する段階。
9. 標識を(例えば、必ずしも全てのサイクルにおいてではなく光退色させること又はジスルフィドリンクを解裂させるため例えばジチオトレイトールで化学処理することにより)標識を無効化する段階。
10. 所望のサイクル数が完了するまで、ステップ2−7を反復する段階。
例えば、ステップ2でdA/dG/dC(例えば赤/緑/青で標識される)を使用し、次にステップ6でdT(例えば黄で標識される)を付加することができる。ステップ4では、鋳型内にdAが最初に出現するまで任意の数のdA、dG及びdCを付加し、次に相補性ヌクレオチドが不在であることを理由にして停止することになる。dA/dG/dCについてステップ8において読取られる蛍光(例えば赤/緑/青)は、各々のdTの間のdA、dG及びdCの数に正比例することになり、一方取込まれたdAについての蛍光(例えば黄)は、中断されていないdTsの数に正比例することになり、スペクトル分離の後に、各貢献を定量化することができる。得られた配列は一般に各々のdT間のdA、dG及びdCの数(順序ではなく)を与える4つの数字のシーケンスとして記すことができる。
例えば、配列ACGCTACGCATCAGACTTC(すなわち鋳型TGCGATGCGTAGTCTGAAG)は、[1A,2C,1G,1T]−[2A,2C,1G,1T]−[2A,2C,1G,2T]−[0A,1C,0G,0T]として記すことができる。
4つの可能性の間で停止ヌクレオチドを変動させてスキームIIに従った4つの異なる反応を実施することにより、4つの反応のうちの1つの中で各々の異なる塩基に1つの停止が存在することを保証することができる。
蛍光色素は使用が便利なものであるが、全ての蛍光色素が退色させ易いものではない。上述の手順では、各サイクルについてそれらを除去、不活性化又は減算できるかぎりにおいて、その他の種類の標識を使用することができる。しかしながら、さらなる実施形態においては、標識のより広い選択を可能にするために、除去(例えば蛍光色素の光退色)を、任意には例えば以下の通りの完全再開で置き換えることもできる。
最初に、1つのサイクルを、標識された(例えば蛍光)ヌクレオチドで実施する。新たに合成されたDNAストランドを例えばホルムアミド処理により除去し、プロセスを再開するために新鮮なプライマをアニールする。今度は、標識されていないヌクレオチドで1サイクルを実施し、その後、標識されたヌクレオチドで1サイクルを実施する。該プロセスを、毎回連続してより多くの未標識ヌクレオチドサイクルで反復する。このようにして、各再開における最後のサイクルのみがいつも標識され、かくして(例えば蛍光色素を退色させるため)先行サイクルから標識を除去する必要がなくなる。
これと同じアプローチは、テープレコーダの読取りヘッドを動かすのと幾分か似た要領で、対象でない領域の上を飛び超すためにも使用可能である。
光退色に対する代替案として、ヌクレオチドと蛍光色素の間で解裂可能なリンカーを担持する修飾された蛍光ヌクレオチドを使用することができる。例えば、ジチオトレイトールといったような還元剤によって効率良く解裂され得る、ジスルフィド結合を担持するこのようなヌクレオチドがこれまでに記述されてきた(化学構造を含めた詳細については、例えばhttp;/cbcg.lbl.gov/Genome9/Talks/mitra.pdfといったブラウザを用いてインタネット上で見い出すことのできる、配列決定及び遺伝子型特定のためのpolony技術に関するRob Mitra及びGeorge Churchの研究を参照のこと)。同様にして、Li et al.(PNAS2003、第10巻、No.2 p414−419)も、感光性2−ニトロベンジルリンカーを含む光解裂可能な蛍光ヌクレオチドについて記述している。
スキームIIに従った方法は、次のような多数の利点の達成を可能にする:
・ 4つの反応のうちの1つが各々の鋳型位置で停止する(単独重合体を無視)ことから、n個の塩基を配列決定するのに必要とされるサイクルの数は、(一度に単一の塩基が付加され、その位置で相補的である確率は50%未満であるため)大部分のサイクルが非生産的である現行のSBS方法と比べ、n回である。
・ 合成は4つの反応の各々についてプライマから再開されることから、サイクル数によって決定的に左右される因子が問題となる可能性は4分の1となる。特に、同調性喪失が何回ものサイクルの後に起こるが、全ての鋳型は4つの反応の各々について有効に再同期化されることから、類似の条件(例えば以下参照)下でSBI又はパイロ配列決定に比べ4倍の塩基を読取ることができる。
・ 完全配列を必要としない利用分野(すなわち遺伝子発現用のサイン配列決定、エピゲノミクス用メチルシトシン配列決定ならびに特定のSNP用のSNP分析)では、4つの反応のうちの1つだけから得られた部分配列を使用することができる。得られた配列は、1サイクルにつき1塩基対と等価の情報を含んでいる。以下スキームIIIを参照のこと。別々の反応におけるdA、dC、dG及びdTの各々の組成物について得ることのできるデータの例示に関しては、図1も同様に参照のこと。これらのうちのいずれもが、例えば複数の可能な配列(例えばdA ヌクレオチドの差を伴うもの)のいずれが試験試料内に存在するかを見極めるためといった所望の目的にとって充分なものであるかもしれない。
・ 単独重合体ストレッチがつねに4回測定され、それらはSBI又はパイロ配列決定の場合よりも容易に適正に塩基コールできるものとなる。
塩基コールアルゴリズムI(基本戦略)
本開示のこの節では、開示された通りの停止及び介入ヌクレオチドの使用が関与する方法を用いて得られる情報からの配列の同定に関する本発明の態様の実施例について記述する。
4つの可能性の間で停止ヌクレオチドを変動させてスキームIIに従って4つの異なる反応を実施することにより、4つの反応のうちの1つにおける各々の異なる塩基に1つの停止が存在することを保証することができる。下表は、4つの停止ヌクレオチドの各々を用いて4つのサイクル内で配列ACGCTACGCATCAGACTC(鋳型TGCGATGCGTAGTCTGAG)から得られると思われる結果つまりクロマを示す。
停止 得られる配列(最初の4サイクル):
Figure 2006517798
左から右へ読むと、第1のヌクレオチドはAでなくてはならない(Aについての第1のステップはその他の塩基のいずれについても全く蛍光を与えず、従っていかなる介入ヌクレオチドも無く終結されていなくてはならないため)ということが容易にわかる。対応するエントリを除去し、Aを書き記すと、以下のようになる。
停止 得られる配列:
Figure 2006517798
配列: A
ここで、左側の唯一の一貫したエントリは、それが1つのAだけの存在を表わすことから、Cについてのものである。対応するエントリを除去し、Cを書き記すと、次のものが得られる。
停止 得られる配列:
Figure 2006517798
配列: AC
ここで、左側の唯一の一貫したエントリはGについてのものである。
停止 得られる配列(最初の4サイクル):
Figure 2006517798
配列: ACG
ここで、左側の唯一の一貫したエントリは、それが、それまでのところ存在する配列と一貫性ある先行するCとこれらとの間に1つのGのみを表わしていることから、Cについてのものである。
このようにして続けていくと、最終的に全配列が得られる:
ACGCTACGCATCAGACTC
実際、各々のステップにおいて介入ヌクレオチドから得られる蛍光の合計が各々の停止ヌクレオチド間の合計距離を評価し、一方停止ヌクレオチドからの蛍光は中断されなかった停止ヌクレオチドの数を評価すること、そして、従って4つの反応のセットから配列をつねに決定できることが容易にわかる。この事実は、図1を参照しながらさらに例示される。
図1中の4本のラインを横断する視覚的ランによって配列を「読取る」ことができる。単に(例えば蛍光といった測定された標識の規模による)各サイクル中に取込まれた停止ヌクレオチドの数及び(ここでも測定された標識の規模による)各サイクル中に取込まれた介入ヌクレオチドの数を決定し、停止ヌクレオチドとして4つの異なるヌクレオチドの各々を用いて4回のランの各々についての結果を並べることによって、配列を得ることが可能である。しかしながら好ましくは、例えば以下で論述されるように標識の規模の測定における誤差を許容する、配列の非常に迅速かつ精確な決定を可能にする情報の縮退を提供するべく、各ラン内の介入ヌクレオチドの性質(これは同一性を意味しうる)が見極められる。
塩基コールアルゴリズムII
測定誤差に直面して最適な配列を見い出すため、例えば動的プログラミング、最小二乗最適化及び/又は正規表現などを用いて、より高度な塩基コールアルゴリズムを実装することができる。かかるアルゴリズムは同様に、利用可能な情報の冗長度をよりうまく活用することもできる。換言すると、同じヌクレオチドの各々の出現の間の測定上の長さだけを用いる代りに、かかるアルゴリズムは、3つの介入ヌクレオチドの各々の予想存在量と観察された存在量の間の差を最小にする最適な配列を見い出すことになる。
発明人は、20〜25%のノイズにも関わらずうまく機能する作業動的プログラミングアルゴリズムを提供した。それはまず最初に、各ステップの3つの介入ヌクレオチドの各々の予想存在量と観察された存在量の差を最小にするように、動的プログラミングを用いて4つの測定シリーズの多重アラインメントを実施する。その後、最小二乗最適化を用いて、4つの利用可能な距離測定に基づく各々の単独重合体ストレッチの最も確率の高い長さが見い出される。
用語と定義
単独重合体というのは、1つの特定のヌクレオチドの中断されていない配列である。単独重合体配列は、反復した文字としてではなく数字として単独重合体が記されているDNA 配列である。すなわち、ACCGGTは、ACGTと記され、単独重合体長1.2.2.1を有する。
停止ヌクレオチドとして4つの天然ヌクレオチドの各々を用いて、スキームIといった本発明の方法を4回反復することにより、得られる測定値セットをクロマとする。かくしてこのクロマは、サイクル、停止ヌクレオチド及び測定されたヌクレオチドによりインデキシングされた測定値の三次元アレイである。例えば、各々の停止ヌクレオチドについて10サイクルが実施される場合、クロマは10(サイクル数)×4(停止ヌクレオチド数)×4(測定されたヌクレオチドの数)の数字を含むことになり、場所{4,「A」,「C」}における数は、サイクル番号4で停止ヌクレオチドとしてアデノシンが使用された場合シトシンについての測定された蛍光となる。便宜上、xについてのクロマを停止ヌクレオチドとしてxで得られた測定値を含む完全なクロムのサブセットとする。かくして、Aについてのクロムは、完全クロマの4分の1である。
Nを各々の反復内で実施されたサイクル数とする。従って、クロマは、標識測定値から誘導された4×4×Nの数字である。
コールされた配列がヌクレオチド 配列 S0,S1,…Sk(ここで各々のSは〔A,C,G,T〕のうちの1つである)の配列であるとする。塩基コールの最終目的は、クロマを仮定して最適のコールされた配列を見い出すことにある。便宜上、我々は単独重合体ストレッチを同じ塩基の反復によってではなく1つの数量として表わす。換言すると、我々は、コールされた配列内の各々の位置iに、塩基Siの推定上の反復数を与える数量qiを結びつける。一貫性をもたせるため、我々は、全てのnについて、Sn+1≠Snとなるように配列を制約する。
塩基コール段階I、動的プログラミング
塩基コールの最終目的は、クロマ配列を仮定して最適なコール対象配列を見い出すことにある。しかしながら、かなり小さなkについてさえ非常に大きい数字である長さkの考えられるコール対象配列が4×3k-1個存在する(k=20では、40億以上の考えられるコール対象配列が存在する)。有用な塩基コールアルゴリズムを見い出すために、問題の複雑性は削減される。
コール対象配列は、各ヌクレオチドの出現数によって分類され得る。例えば、塩基計数{1,2,0,4}は、1つのA、2つのCs、Gs無し、4つのTsを含むあらゆるコール対象配列に対応する。かかる配列の1例としてはTCTATCTがある。
本発明に従って提供されたアルゴリズムは、いくつかの単純なケースにおいて最適なコール対象配列を容易に誘導でき、再帰によりさらに単純なものからよりむずかしいケースを誘導できるという事実を活用している。
いくつかの単純なケースは、解決が容易である。塩基計数{0,0,0,0}は、空のコール対象配列に対応する。計数{1,0,0,0}は、コール対象配列「A」にのみ対応し得、C、G及びTについても同様である。
ただし、塩基計数{1,1,1,1}は「ACGT」、「TCGA」そしてその他の多数のものに対し得る。このような場合、最適なコール対象配列を見い出すためにクロマを使用できる。
塩基計数{i,j,k,l}をもつあらゆるコール対象配列が、クロマの特定のサブセットすなわち、Aのためのクロマのi回のサイクル、Cについてのクロマのj回のサイクル、Gについてのクロマのk回のサイクル及びTについてのクロマのl回のサイクルを内含するサブセットに正確に対応しなければならない、という点に留意されたい。従ってコール対象配列のため予測されたクロマを実際の測定されたクロマと比較することができる。{i,j,k,l}のための最適なコール対象配列は、その予測されたクロマが実際に測定されたクロマの関連サブセットに最も類似していたものとなるだろう。類似性は、例えば、差の合計、二乗差の合計、ピアソン補正係数などとして、数多くの方法で測定され得る。類似性は、評点としてすなわち最小にするべき誤差評点又は最大にするべき類似性評点として報告可能である。
一般的なケース{i,j,k,l}は直接解決できない。しかしながら{i,j,k,l}についての最適なコール対象配列は、多くとも4つの異なる方法、すなわち、{i−1,j,k,l}についての最適な配列に対し「A」を付加することによって、{i,j−1,k,1}についての最適な配列に対し「C」を付加することによって、{i,j,k−1,1}についての最適な配列に対し「G」を付加することによって、又は{i,j,k,1−1}についての最適な配列に対して「T」を付加することによって、より短かい配列から生成可能である。
多くとも4つの拡張部分のいずれが最適であるかは、(上述のように予測されたクロマを実際のクロマと比較することによって)評点を計算することによって、及び最小(又は使用される尺度に応じて最大)を選ぶことによって見い出すことができる。以下では、いかにしてこれを行なうことができるかを示しているが、差しあたり、かかる評点が発見されたと仮定する。
新たにコールされた塩基についてのqを、クロマから得た実際の測定値に設定する。例えば「A」での拡張部分(すなわち{i−1,j,k,l}から{i,j,k,l}まで)を考慮する場合、qは場所{i,「A」,「A」}におけるクロマ、すなわち停止ヌクレオチドとしてアデノシンが使用された場合のサイクルi内の標識されたアデノシンの測定数量から得られる。
かくして、{i,j,k,1}のための最適なコール対象配列は、つねに、コール対象塩基より1つ少ないものを含む配列の最適な拡張部分を見い出すことによって見い出すことができる。このとき、手順は{1,0,0,0}といったような自明のケースに到達するまで、より短かいケースの各々について反復可能である。従って、同じ単純な手順を再帰的に適用することにより任意の長さの最適なコール対象配列を見い出すことがつねに可能である。副産物として、クロマ内で測定される通りの単独重合体長qiが得られる。
次のようなわずかな制約があてはまる:
・ 配列は、任意の塩基をゼロより少ない数含むことができない。従って「T」で{i,j,k,−l}を拡張することによって{i,j,k,0}についての最適なコール対象配列を見い出すことはできない。この制約のため、全ての再帰は、究極的に{0,0,0,0}つまり空の配列で終わらなくてはならない。
・ 全てのnについてSn+1≠Snであるというコール対象配列に対する我々の制約は、{i−1,j,k,l}についての最適なコール対象配列が「A」で終わる場合には、「A」で拡張できず、その他の塩基についても同様である、ということを暗に意味している。
・ 一部のケースでは、いかなる拡張部分も不可能であり得る。例えば、{2,0,0,0}は、もう1つの「A」での{1,0,0,0}の拡張部分によって生成され得ない。このようなケースでは、いかなるコール対象配列も存在しない。
類似性評点は、段階的に計算可能である。これらは、1サイクルしか異ならないことから、{i−1,j,k,l}についての評点を、{i,j,k,l}についての評点の計算の際に再使用することができる等々。これは、各々の{i,j,k,l}についての最適なコール対象配列の長さならびに実行評点を追跡することによって達成可能である。例えば{i−1,j,k,1}から{i,j,k,l}までの考えられる拡張部分(すなわち「A」による拡張部分)を検討している場合、「A」についての余分のサイクルに対応する予測されたクロマの一部分を計算することしか必要ではない。これは、最近の「A」まで戻ってコール対象配列中の介入塩基を検討することによって計算できる。{i−1,j,k,l}についての最適なコール対象配列がわかっていることから、それをどのように得たかもわかる。特に、各々の介入ヌクレオチドについて、測定された数量qがわかる。これらを「C」、「G」及び「T」の各々について、最近の「A」に至るまでずっと加算して、予測されたクロマ内の欠如したサイクルについての予測を得る。これらの予測と実際に測定されたクロマの中の対応するサイクルの間の差(すなわち、二乗差など)はこのとき、実行評点に加算される。正規化された評点は、このとき、コール対象配列の長さにより実行評点を除したものを計算することによって得ることができる。
ここで、{3,2,2,2}についての最適なコール対象配列を計算するためには、{2,2,2,2}{1,2,2,2}などについての評点を計算することがなお必要であるという点に留意されたい。しかしながら、全体的な最良の配列を見い出すためには、各々が評点の再計算を{0,0,0,0}まで戻させることになる幾分かの限界(たとえば{N,N,N,N})までの全ての可能性を系統的に検討しなければならず、従って、組合せ的爆発が残る。しかしながら、動的プログラミングがこのような組合せ的爆発を回避する賢明な方法である。
評点が計算された時点でつねにそれが4次元N×N×N×Nマトリクス内での再使用のために保管されるような形で、1つのアルゴリズムを使用することができる。かくして、{3,2,2,2}のための最適なコール対象配列が計算される場合、{2,2,2,2}、{1,2,2,2}などについての評点は、そのマトリクス内に保管されることになる。例えば{2,2,2,2}についての評点が後に再び必要となった時点で、再帰を全て回避することができ、単に予め計算された結果をそのマトリクスから取り戻すことができる。こうして、非常に効率の良い実装が提供される。34N個の考えられるコール対象配列を検討する代りに、N4個の可能性を検討する必要がある。例えばN=20の実用的システム内では、問題は約1038の計算から160,000まで低減され、アルゴリズムは実現不能から高効率へと変わる。
本書で開示されている通りのアルゴリズムにより高い信頼性でコールされ得る最長の配列は、N個の1つの塩基の単独重合体、N個を上回る1つの塩基及びN個未満のその他の塩基を有するものである。このことは、1つの停止塩基においてNを超過している場合、欠如している塩基は、3つのその他のものにより残された穴の中に行かなくてはならないことから、なおもその配列をコールすることができる。しかし、第2の1つの塩基においてNを超過した場合、残りの塩基により残された穴は、明確な形で埋められ得ない。限界は絶対ではなく、全クロマから部分的配列をなおも得ることができる。
利用分野に応じて、(なかんづく)、最高{N,N,N,N}までの任意の{i,j,k,l}のための最適な配列、{N,N,N,N}についての最適な配列又は1つのインデックスがNであるものの中から最適な配列を報告するよう選択することができる。以下の例では、後者が使用された。この選択は、読取り長が精度より選好されるか、及び部分配列を受け入れることができるか否かといったような因子により左右される。
塩基コール段階II、最小二乗(任意)
段階Iの結果は、コール対象配列S0、S1、…Sn及び対応する単独重合体長q0、q1、…qnである。我々は、各qを最も近い整数に四捨五入し、結果としてのDNA配列をスペルアウトすることによって、これを従来の形で完全に書くことができる。しかしながら、qiについてより優れた推定値を見い出すのに使用できるより多くの情報がクロマの中に存在する。結局のところ、各々の停止塩基の測定された単独重合体の長さは、単一の測定値であるが、コール対象配列内の各々の位置は実際には4回(各々の停止塩基について一回)測定された。
1つの例がこのことを明確にしている。
ACGCATCAAAGCCTTACACGGTAAGCATCATC
という配列を考慮されたい。配列中の位置8で発生する「AAA」3重項は、Aについてのクロムの第3のステップ内で直接測定されることになり、3.43、といったような概数となる。測定誤差が大きい場合、測定された数量を1つの整数に四捨五入する方法についてあらゆるケースにおいて確信をもつことは困難であり得る。
しかしながら、「AAA」3重項は、同じくCについてのクロマの第4ステップ、Gについてのクロマの第2ステップ、Tについてのクロマの第2ステップにも同じく貢献する。2つのケース(C及びTについてのクロマ)で、この3重項は、実際には単独で測定され、一方第3のケースでは、それは先行する単一のAと合わせて測定される。例えば、A、C、G及びTのクロムについてそれぞれ、関係する測定値は、3.43、3.1、4.2及び2.9であった。我々は、無作為測定誤差の効果を低減させるためにこれらの付加的な測定値を利用したいと考えている。
再び単独重合体長q0,q1,…qnを考慮されたい。段階Iで得られた単一の数字を受け入れる代りに、我々は、qについての付加的な情報を記述する1組の連立方程式セットを形成することができる。上述の3重項は、それが8番目の単独重合体であることから、q8である。同様にして、先行するAは、q5である。ここで以下のように、先行パラグラフからの情報を記すことができる。
8=3.43(Aについてのクロマより)
8=3.1(Cについてのクロマより)
5+q8=4.2(Gについてのクロマより)
8=2.9(Tについてのクロマより)
コール対象配列内の各々の位置について類似の要領で進めることが可能である。結果として得られる連立方程式系は、例えば最小二乗最適化を用いて解くことができ、この解は、クロマ内の全ての測定値に最も良く整合する単独重合体長q0,q1,…qnのセットを提供する。
誤差許容型塩基コールアルゴリズムの例
下表は、各々の停止ヌクレオチドの10のサイクルについての鋳型のクロマ配列決定のシミュレーション結果を示す(配列決定されたストランドが示されている);
ATGGAGCAGCGTCATTCCTTAGCGGGCAACTGTGACGATGGTGAGAAGTCAGAAAGAGAGGCTCAGGGATTCGAGCATCGGACCTGTATGGACTCTGGGGA
各々のブロックは、指示された停止ヌクレオチドについてのクロマを示し、各々の行は、1塩基の単位での左側に示されたヌクレオチドについて得られた(シミュレートされた)測定値を示し、各列は、最初に3つ、次に1つのヌクレオチドを付加する段階を含むサイクルである。例えば、太字の4つの数字は、停止ヌクレオチドとしてdATPを伴うクロマ内の第1のサイクル内で得られた測定値を示す。鋳型は1つのAで始まることから、Aだけがゼロと著しく異なるシグナルを提供する。
Figure 2006517798
以上で記述された動的プログラミングアルゴリズムを用いた塩基コールは、適正であるATGAGCAGCGTCATCTAGCGCACTGTGACGATGという(単独重合体)を示さない)コール対象配列を同定した。最も近い整数まで四捨五入することにより単独重合体を拡大させることで、これも又適正であり、鋳型の41bpを網羅するATGGAGCAGCGTCATTCCTTAGCGGGCAACTGTGACGATGGが生成される。かくして、クロマ配列決定のわずか10回のサイクル内で、そして有意な測定誤差(この場合10%CV)の存在下で、41塩基対の配列情報を得ることが可能である。
一定の与えられたアルゴリズムの誤差許容度を査定するために、10%のCVに対応する無作為ノイズを伴って100回のシミュレーションから成る1シリーズが、与えられた鋳型上でランされた。100のコール対象配列の全て及び100の拡大された配列の全てが適正であった。それらのうちの59が、長さ41bpであり、一方残りは鋳型からの付加的なTを内含していた。かくして、提示された通りのアルゴリズムは、生産的であると共に、実験的分散にかかわらず、誤差許容度の高いものである。
ヌクレオチド付加スキーム
SBSにおいては、ヌクレオチドは一度に1つずつ取込まれなくてはならず、そうでなければ少なくともBASSの場合のように、一度に1つずつ取込むように強制されなくてはならない。しかしながら、以上で示された通り、1つのDNA配列に到達するべくその他のヌクレオチド付加スキームを使用することが可能であり、いくつかは、SBSの制限(例えば同調性の喪失)を回避するのにより適している。この節では、考えられる全てのヌクレオチド付加スキームを検討し、標準スキームが見方によっては、考えられる最悪のものであることを示す。
ヌクレオチド付加スキームは、SBS反応にヌクレオチドを付加するための1つの規則である。これは単数又は複数のヌクレオチドの付加が関与する一連のステップから成る。この節では、純粋に阻害物質として付加されたあらゆるヌクレオチド又はその他の何らかの理由で取込みされ得ないあらゆるヌクレオチドを無視するものとする。又、アデノシンと塩基対合する能力をもつあらゆるヌクレオチドを「T」と呼ぶ(又は同様にして、シトシン、グアニン、チミジンについてはG、C、A)。特定の利用分野では、天然ヌクレオチドの類似体又は誘導体を使用することができるが、配列決定の目的では、ヌクレオチド付加スキームの論理を決定するのは、その塩基対合能力である。この事実を表示するため、多数の塩基対合能力をもつヌクレオチド類似体又は誘導体を、「AC」、「GCT」などと表わすことが可能である。
反復スキームは、基本的パターンを反復するヌクレオチド付加スキームである。再開を伴う反復スキームは、基本パターンを反復し基本パターンの変形を用いて新鮮なプライマで再開するヌクレオチド付加スキームである。天然のスキームは、4つの塩基全てが付加されてしまうまで反復されるスキームである。
自然反復スキームの間で、4つのヌクレオチド全てが第1のステップで付加されることを表わす「4」は縮退しており、配列決定のために使用することはできない。
スキーム「1−1−1−1」は、先に開示されたSBS方法全てが使用している標準スキームである。4つのヌクレオチド全てが同時に付加され得るものの、これらは解裂可能なブロック基を理由として強制的に1つずつ取込むようになっていることから、BASSでさえもこのカテゴリの中に入る。
スキーム1−1−1−1は、最も非生産的なスキームである。このことは、各々の生産的ステップの後、鋳型上の次のヌクレオチドが可能性ある3つ(すなわち、配列決定されたばかりの塩基とは異なる3つ)のもののうちの1つであり得るが単一の塩基しか付加されない、という事実からもわかる。その結果として、これは同調性の喪失により最も影響されるスキームである。
本発明に従った方法は、本書に開示されている通り、スキーム3−1である。これは完全に生産的なスキームである(ヌクレオチドは、一定の与えられたステップに欠如しているヌクレオチドがその後のステップで付加されることから、全てのステップで取込まれることが保証されている)。A、C、G及びTの間で単一のヌクレオチドを変動させることによって与えられる3−1の4つの変形形態が存在する。以上で示されているように、これら4つの変形形態は、標的配列で再構築するために使用可能である。
スキーム2−2は、もう1つの考えられる完全に生産的なスキームである。このスキームには、AC−GT、AG−CT及びAT−GCに対応する3つの変形形態しかなく、その他全ての組合せは、単なる反転である。
1つのスキームが原配列を(場合により再開によって)つねに再構築できることを保証するための最小限の必要条件とは何か。基本的に、必要なのは、標的配列内の単独重合体がその2つの隣接重合体から分離可能でなくてはならないということである。換言すると、各々の単独重合体は、その左側の隣接重合体を排除する少なくとも1つのヌクレオチド取込みステップ及びその右側隣接重合体を排除するものの一部分でなくてはならない。スキーム1−1−1−1では、全ての単一ステップは、この特性を有し、従って配列はつねに再構築可能である。
スキーム3−1では、4つの可能な変形形態全てで再開することにより、各々の単独重合体が、その他のいかなるヌクレオチドも含まないステップの一部であることが保証される。原則として、4つの変形形態のうち絶対に必要であるのは3つだけである。というのもこの場合、一部のステップで3つの塩基が単独で付加されることになり、こうしてこれらが自動的に第4のものと分離されるからである。かくして、スキーム3−1は、実験的ノイズに直面して(例えば以上に示したような動的プログラミングにより)塩基コールを改善するために使用可能なスキーム1−1−1−1内に存在しない冗長な情報を生成する。かくして、これは、1−1−1−1よりもさらに生産的であるばかりでなく、より誤差許容度が高いものである。
スキーム2−2は、3回の再開を超えて、同じく1つの配列をコールするのに充分な情報を生成する。各々のヌクレオチド対がAC−GT、AG−CT及びAT−GCのうちの少なくとも1つにおいて分離可能であることは容易にわかる。かくして、3−1により生成される追加の情報が努力に値するものである可能性はあるものの、スキーム2−2は、場合によって最もコンパクトでかつ充分に生産性あるものである。幾分かの冗長性はなおも存在し(ヌクレオチドが異なる標識を備えている場合)、かくしてスキーム2−2の誤差許容度は、1−1−1−1と3−1の間の中間である。
特殊な状況では、不規則な(非反復式)スキームも同様に有用であり得る。配列の一部がわかっている場合、その他の場合には可能であると思われるよりも迅速に対象となっていない部分を飛び超えるために不規則なスキームを使用することが可能であり、又そうでなければ、塩基コール誤差をさらに低減するためにさらに一層冗長なデータを生成するのにこれらの部分を使用することもできるだろう。
結論としては、我々が調査したヌクレオチド付加スキームのうち、3−1は最も生産的で誤差許容度が高く、一方(幾分か驚くべきことではあるが)、従来のスキーム1−1−1−1は最も生産的でなく、誤差を発生しやすいものである。
サイン配列決定
サイン配列決定のために有用である本発明の1つの態様のもう1つの実施形態は、以下の段階を含む方法(スキームIII)を含んで成る:
1. アニールされたプライマで1本鎖鋳型を提供する段階。
2. 例えば蛍光標識といった標識を担持するものを1つ含めた3つのヌクレオチドを付加する段階。
3. 任意には、単数又は複数の取込みしない阻害物質ヌクレオチド(標識されたヌクレオチドとは異なる)を付加する段階。例としては、5′−ジ及びモノリン酸塩ヌクレオチド、5′−(アルファ−ベータ−メチレン)三リン酸ヌクレオチドが含まれる。
4. ヌクレオチドを成長するストランドに付加させる条件で適切なポリメラーゼと共にインキュベートする段階。
5. 標識されたヌクレオチドの存在及び数量を検出する段階。
6. 例えば光退色により標識を無効化する段階(必ずしも全サイクルにおいてではない)。
7. 残りのヌクレオチドを付加し、ヌクレオチドを成長するストランドに付加させる条件下でポリメラーゼ(必ずしもステップ5と同じとはかぎらない)と共にインキュベートする段階。
8. 所望の回数のサイクルが完了してしまうまで、ステップ2〜7を反復する段階。
例えば、ステップ2で蛍光dC及び標準のdA/dGを使用し、次にステップ7でdTを付加することができる。ステップ4は、このとき、鋳型内でdAが最初に出現するまで任意の数のdA、dG及びdCを付加し、次にいかなる相補的なdTヌクレオチドも存在しないことを理由として停止することになる。ステップ5で読取られた蛍光は、dTの各対の間のdCの有無を明らかにすることになる。一般に、Tsの各々の連続する対について、間に単数又は複数のCsが存在したか否かを表示する2進数配列として、得られた配列を記すことができる。
例えば、配列ACGCTACGCATCAGACTCは1111と書かれ、配列ACTCAGCTATATTは11000と書かれる。一般にこのような配列は、サイクルあたり1/2塩基対と等価の情報を含む。24サイクルは12bpのサイン配列と等価であり、例えばヒトトランスクリプトーム内でユニークなものとなる。既存の配列データべース及び配列アラインメントアルゴリズムを、分析のため、かかる2進サインに容易に適合させることができる。
スキームIIIは、定性的測定しか必要でないことから、実装が特に容易である。例えば、スキームIIIは、蛍光相関分光法を用いて単一の分子を配列決定するのに特に適している。
PPi検出を用いたクロマ配列決定
もう1つの実施形態においては、本発明の1態様は、(標識されたヌクレオチドを使用する代りに)無機ピロリン酸(PPi)の開放を監視する段階を含む1つの方法(スキームIV)を提供している(例えば国際公開第93/23564号パンフレット参照)。かかる方法は、以下の段階を含み得る。
1. アニールされたプライマで1本鎖鋳型を提供する段階。
2. 介入ヌクレオチドのセット(すなわち、考えられる4つのヌクレオチドのうち2つ以上でかつ全てよりは少ないもの)を付加する段階。
3. 任意には、単数又は複数の取込みしない阻害物質ヌクレオチド(介入ヌクレオチドとは異なる)を付加する段階。例としては、5′−ジ及びモノリン酸塩ヌクレオチド、5′−(アルファ−ベータ−メチレン)三リン酸ヌクレオチドが含まれる。
4. (例えば国際公開第93/23564号パンフレットに記述されているように)、取込みを監視する一方で、ヌクレオチドを成長するストランドに付加させる条件で、適切なポリメラーゼと共にインキュベートする段階。
5. 停止ヌクレオチドのセットを付加し、(例えば国際公開第93/23564号パンフレットに記述されているように)、取込みを監視する一方で、ヌクレオチドを成長するストランドに付加させる条件下で、ポリメラーゼ(必ずしもステップ5と同じではない)と共にインキュベートする段階。
6. 所望の回数のサイクルが完了してしまうまで、ステップ2〜5を反復する段階。
ここでも又、停止ヌクレオチドとして4つの天然ヌクレオチドの各々を用いてスキームを反復することができる。標準的パイロ配列決定と比べて、このプロトコルは、(ヌクレオチド付加の順序の変更及び塩基コールに対する必要な変更を除いて)標準プロトコルに対するいかなる修正もなく、読取り長の4倍の増大を提供する。
以下の例は、同調性の喪失の意義及びクロマ配列決定スキームを用いることのもつ影響を示している。それは、パイロ配列決定法及びクロマ配列決定法の両方で配列決定された標的DNAの結果を示す。全ての鋳型の一定の画分が、各々の取込むステップにおいて同調性を喪失することが仮定されている。SBIにおいては、ステップは単一の塩基の付加である。飛越し配列決定においては、ステップは交互に3つ又は1つの塩基の付加である。付加的には、クロマ配列決定は、停止ヌクレオチドとして4つの天然ヌクレオチドの各々を用い、新鮮なプライマで3回再開する。
標的配列(クロマ配列決定により達成される最終ヌクレオチド(単複))は、各々のステップNについて大字で示されている。
Figure 2006517798
パイロ配列決定
同調性喪失までの停止40回
反応ステップ 40
反 応 結果
Figure 2006517798
合計配列 :20bp
クロマ配列決定
同調性喪失までの停止40回
反応ステップ160(すなわち各停止塩基40)
反応 結果
Figure 2006517798
再開し、〔gta c〕、〔tac g〕及び〔acq t〕で反復する。
合計配列: 88bp+27bp部分配列
結論としては、クロマ配列決定は、同調性の喪失の問題を回避し、4倍以上長い読取り長を達成する。
固相クロマ配列決定
該方法を自動化し及び並列化するために、本発明の実施形態に従って2つの主要なアプローチが提供されている。
第1のアプローチは、アレイ化された又はその他の形で配置された鋳型を使用し、数多くの鋳型を同一性が保たれた状態で配列決定しなければならない場合に適している。
第2のアプローチは、固体支持体に対する無作為付着を使用し、多数の配列を1つのライブラリから無作為に得なくてはならない場合に有用である。
アレイ化された鋳型を配列決定するための本発明の1態様の実施形態に従った方法は、以下の段階を含む方法(スキームV)を提供している:
1. 各々鋳型分子を、
a. 直接的に又は、
b. その鋳型とハイブリッド形成するか又はその他の形で鋳型との親和力を有するプライマ又はリンカーを結合することにより間接的に、
結合する能力をもつ、一定数の活性領域又は活性表面を提供する固体支持体を提供する段階、
2. 各位置にどの鋳型が置かれたかを追跡しながら、1本鎖鋳型を各々の活性領域又は活性表面に付加する段階。このとき、各々の領域は、スポットのあるマイクロアレイの場合のように、数多くの同一のssDNA 鋳型で構成されることになる。
3. 任意にはプライマを付加する(或いは、固体支持体からリンカーを使用する)段階。
4. 例えば、スキームI−IVのいずれかに従って、本発明に従って並行して全ての鋳型を配列決定する段階。
5. 各々の同定された鋳型について1つの配列を得る段階。
リンカー(ステップ1b)は、全ての活性領域において同じである必要はない。複合混合物から特定の鋳型を探し出して、1つのライブラリのサブセットを配列決定する可能性を提供するために、異なるリンカーを使用することができる。
スキームVの処理能力は、鋳型を付加するのに用いられる器具の解像度によって制限される。標準的なマイクロアレイ化機器を用いて、1平方センチメートルあたり数千の鋳型密度が可能である。
より高い処理能力が必要とされ鋳型同一性が重要である場合、もう1つのアプローチを使用することができる。
本発明の1態様のさらなる実施形態は、以下の段階を含む方法(スキームIV)として提供される:
1. (好ましくは検出機器に適した密度で)無作為の位置において付着された少なくとも部分的に1本鎖である鋳型分子を担持する固体支持体を提供する段階。ここで各々の鋳型は、任意には、もとの鋳型に付着された又はこの鋳型に近接した(少なくともその他のいずれかの鋳型分子よりも近い)標的配列の多数のコピーを含むように増幅されている。
2. 本発明(例えばスキームI−IVのいずれか)を用いて、鋳型を並行して配列決定し、標識されたヌクレオチドを並行して検出する段階。
高密度で増幅された鋳型を提供するためのアプローチが数多く存在する。例えば、ローリングサークル増幅を以下のように使用することが可能である:
a. 好ましくは共有結合を介して付着された、付着済みプライマを伴う表面(例えばガラス)を提供する。或いは又、共有結合の代りに、非常に強い非共有結合(例えばビオチン/ストレプトアビジン)を使用することもできる。
b. 好ましくは検出機器に適した密度で円形鋳型を付加する。
c. プライマに対し鋳型をアニールする。
d. 各位置で表面に付着された長い1本鎖縦列反復鋳型を生成するようにローリングサークル増幅を用いて増幅する。
Lizardi et al.は、「等温ローリングサークル増幅を用いた突然変異検出及び単一分子計数」(Nature Genetics 第19巻、p225)について記述している。
この手順に対する修正には、付加的な複製フォークを生成し生成物収量を増大させるべく逆プライマを提供する段階が含まれる。RCAに対する代替的方法には、固相PCR(Adessi et al.「固相DNA増幅:プライマ付着及び増幅メカニズムの特徴づけ」Nucleic Acids Research 2000;28(20);87e)及びゲル内PCR(「Polonies」、米国特許第6485944号明細書及びMitra R.D、Church GM、「数多くの個々のDNA分子のインサイチュ局在化増幅及び接触複製」Nucleic Acids Research 1999;27(24);e34)が含まれる。
「適切な密度」は好ましくは、処理能力を最大にするもの、例えば、可能なかぎり多くの検出器(又は1つの検出器内の画素)が単一の鋳型分子を検出することを保証する限界希釈である。任意の標準アレイ上では、完全な限界希釈は、全ての位置のうちの37%に、単一の鋳型を保持させ、(ポワソン分布の形状を理由として)、残りは、全く保持しないか又は2つ以上を保持することになる。
例えば、25μmの画素サイズを伴うTyphoon9200上では、35×43cmの反応チャンバは2億4000万画素を保持する。限界希釈(ポワソン分布)では、これらのうちの37%が単一の鋳型を保持する、すなわち8900万の鋳型を保持することであろう。各鋳型上で50塩基を配列決定することにより、50サイクル内で、1.7Gbの配列が生成される。走査時間を45分として、一日の処理能力は約3Gbpであり、これはヒトゲノムの全配列に相当する。
固相ローリングサークル増幅に適した鋳型は、下流側アプリケーションに適した配列を提供しながら、(鋳型配列のコピー数に関して)収量を最適化すべきである。一般に、小さな鋳型が好ましい。特に、鋳型は、20〜25bpのプライマ結合配列及び40〜150bpのインサートで構成され得る。プライマ結合配列は、RCAを開始するためと同時に配列決定反応をプライムするための両方に使用できると思われ、そうでなければ、鋳型は、別々の配列決定プライマ結合部位を含むことができると思われる。インサートは、所望の配列を含有するのに充分長いものにとどまりながら、できるかぎり小さいものであるべきである。例えば単一の停止ヌクレオチドを用いて10サイクルの配列を実施する場合、平均して40個の塩基がプローブされ、かくして、鋳型は、プライマ結合配列の配列決定を防ぐため少なくとも充分な余裕分だけ、40個の塩基を超える長さを有していなくてはならない。
ローリングサークル増幅された鋳型から生成されたシグナルを増大させるためには、それらを凝縮する必要があるかもしれない。RCA生成物は基本的にもとの円形鋳型の1000個さらには10000個もの縦列レプリカから成る1本鎖DNA分子であることから、分子は非常に長いものとなる。例えば、ローリングサークル増幅を用いて1000倍増幅された100bpの鋳型は、約30μmとなり、かくして(5μmの画素解像度を仮定すると)数個の異なる画素を横断してそのシグナルを広げることになる。さらに低い解像度の計器を用いることは、薄いssDNA生成物が、30μm画素の部域のきわめてわずかな部分しか占有せず従って検出不可能であり得ることから、有用ではないかもしれない。かくして、より小さな部域へとシグナルを凝縮することができるということが望ましい。
(上述のLizardi et al)においては、ローリングサークル増幅生成物は、エピトープ標識されたヌクレオチド及び多価の抗体を架橋剤として用いることによって凝縮される。さらにもう1つの態様においては、本発明は、もともと2本鎖のDNAを配列決定する場合特に便利である単純な一変形形態を提供する。
発明のさらなる一態様として、本発明に従った方法において使用するための鋳型調製のためには、例えば80bpという短かいものであり得るdsDNA鋳型を、ヘヤピンループを担持するリンカーオリゴヌクレオチドにライゲートさせて、擬似2本鎖ループ構造又はダンベル形状を形成する。このような構造においては、RCA及びその後の配列決定反応の両方のためのプライマ結合部位をヘヤピンループ内に置くことが可能である。両方のストランドを同時に配列決定するのを避けるために、RCAによる増幅のため及び配列決定のために異なるプライマを用いることにより、両端部に異なるヘヤピンループを有する鋳型のみを配列決定することになるよう保証することができる。かくして、少なくとも1つのRCAプライマ結合部位を有する鋳型のみが増幅されることになり、少なくとも1つの配列決定プライマ結合部位を有する鋳型のみが配列決定されることになる。
かかる鋳型のPCA生成物はどこでも部分的に2本鎖となることから、それは、より小さな部域へと凝縮するジグザグ構造へと折畳みし戻されることになる。しかしながら、プライマ結合部位はどこでも1本鎖DNAとして露呈されていることから、プライマアクセスに問題はない。以下の例は、かかる鋳型が5−10cmまでの産物をRCA後に形成することを示している。
オリゴヌクレオチドを1つの表面に固定化させるためには、数多くの異なるアプローチが記述されてきた(例えば、Lindroos et al.「オリゴヌクレオチドアレイ上のミニ配列決定;固定化化学の比較」、Nucleic Acids Rresearch 2001;29(13)e.69を参照のこと)。例えば、ビオチニル化されたオリゴをストレプトアビジンでコーティングされたアレイに付着させることができ、NH2修飾されたオリゴをエポキシシラン誘導体化された又はイソチオシアネートコーティングされたスライドガラスに共有結合によって付着させることができ、又、スクシニル化されたオリゴをペプチド結合によりアミノフェニル又はアミノプロピル由来のガラスにカップリングさせることができ、又チオール/ジスルフィド交換反応によりメルカプトシラン化されたガラス上に固定化させることができる。文献中にはさらに多くのことが記述されてきた。
自動化されたハイスループット配列決定用の器具
本発明に従った方法は、任意には熱制御を伴う検出器上又は検出器内に設置された反応チャンバを通して一定数の試薬溶液を反復させることにより簡単に実施することができるため、自動化に特に適している。
一つの例においては、検出器は、例えばレーザー励起、帯域通過濾波及び光電子増倍管検出により作用することのできる蛍光スキャナである。例えば、Scan Array Express(Perkin Elmer)がこのような計器である。それは、5μm/画素の解像度で顕微鏡スライドを走査し、1画素あたりわずか2蛍光色素の検出能力をもち、最高20分(4色で)の走査時間を有する。かかる計器上の日々の配列決定処理能力は最高1.7Gbpとなる。
反応チャンバは、次のものを提供する:
・ 走査ヘッドのための容易なアクセス。
・ 閉鎖された反応チャンバ。
・ 反応チャンバから試薬を射出し除去するための入口。
・ チャンバに空気が出入りできるようにするための出口。
Scan Array Expressといったような標準マイクロアレイスキャナ内に挿入するのに適した、図3に示されている通りの標準のマイクロアレイスライドフォーマットで反応チャンバを構築することが可能である。該反応チャンバはスキャナ内部に挿入され得、全配列決定反応中、そこにとどまることができる。ポンプ及び試薬フラスコ(例えば図4に示されているようなもの)が、一定のプロトコルに従って試薬を供給し、コンピュータがポンプ及びスキャナの両方を制御し、反応と走査の間で交替する。任意には、反応チャンバは温度制御されてもよい。
試薬の流れを導くため電動通気孔にディスペンサユニットが連結され得、システム全体は、コンピュータの制御下で作動させられている。統合されたシステムは、スキャナ、ディスペンサ、通気孔、及びタンクならびに制御用コンピュータで構成されることになる。
本発明のさらなる態様に従うと、
− 取込まれた又は放出された標識を検出することのできるイメージングコンポーネント、
− 1ステップセットあたり少なくとも1回、イメージングコンポーネントにとってアクセス可能であるような形で単数又は複数の付着された鋳型を保持するための反応チャンバ、
− 反応チャンバに対し試薬を提供するための試薬分配システム、
を含んで成る、本発明の方法を実施するための計器が提供されている。
反応チャンバは付着された鋳型を提供し、イメージングコンポーネントは、少なくとも100/cm2、任意には少なくとも1000/cm2、少なくとも10,000/cm2又は少なくとも100,000/cm2の密度でこの鋳型を解像することができる。
イメージングコンポーネントは、光電子増倍管、フォトダイオード、電荷結合素子、CMOSイメージングチップ、近視野走査顕微鏡、透視野共焦点顕微鏡、広視野落射照明顕微鏡及び全反射顕微鏡から成るグループの中から選択されたシステム又はデバイスを利用することができる。
イメージングコンポーネントは蛍光標識を検出することができる。
イメージングコンポーネントは、レーザー誘導された蛍光を検出することができる。
本発明に従った計器の1実施形態においては、反応チャンバは、透明な表面、フタ及び試薬分配システムに該反応チャンバを付着させるためのポートを含む閉鎖された構造であり、ここで透明な表面は内部表面上に鋳型分子を保持し、イメージングコンポーネントは該透明な表面を通してイメージングすることができる。
例I−インサイチュ鋳型増幅
4μl中100pmol/μlで2つの5′−リン酸化オリゴヌクレオチド(TGGTCATCAGCCTTCATGCAACCAAAGTATGAAATAACCAGCGTAATACGACTCACTATAGGGCGTGGTTATTTCATACT及びTTGGTTGCATGAAGGCTGATGACCATCCTTTTCCTTACTAGCGTAATACGACTCACTATAGGGCGTAGTAAGGAAAAGGA)をアニールし、2μlのT4ライゲーション緩衝液、0.3μlのT4DNAリガーゼ(1.5Weiss ユニット;Fermentas)及び7μlの水を付加し、1時間37度でインキュベートすることにより、円形1本鎖鋳型を調製した。次にリガーゼを10分間65度でインキュベートして不活性化させた。
100μlのMOPS(Sambrook et al,「分子クローニング」第3版、Cold Spring Harbor Laboratory Press 2001)中で5分間10μMのプライマをインキュベートすることによって、5′末端アミノ(−NH)部分を担持するプライマA50T,7RC
AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAACGCCCTATAGTGAGTCGTATTACGC)を、Greinerシリル化マイクロアレイスライドに付着させ、2.5mgのNaBH4で1mlのPBS/エタノール中で5分間還元させ、まずは0.2%のドデシル硫酸ナトリウム中で、次に精製水で洗い流した。
その後、乾燥させたスライドを、2μlのdUTP−Cy3(最終100μM,Perkin Elmer)、各々2μlのdTTP、dATP、dCTP及びdGTP(全て最終1mM、NEB)、4μlのシーケナーゼ緩衝液、1μlのシーケナーゼ(13μ、Amersham Biosciences)、4μlの水及び1μlの鋳型と共にローリングサークル増幅のためにインキュベートした。かくして、標識されたヌクレオチドは全ヌクレオチドの約2.5%であった。2時間37°でのインキュベーションの後、スライドを水中で洗い流し、Perkin Elmer Scan Array Express上で走査した。結果は、各々増幅した鋳型を表わす多数の明るいスポットであった。同様に、結果は、2.5%の標識頻度がこのフォーマットで容易に検知できることをも示している(実際、数多くのスポットが検出器を飽和している)。
スライドの一部分の拡大によって、5μmの画像中の画素サイズでは、大部分の増幅された鋳型が1つ又は少数の画素を占有していることが示された。このサイズでは、異なる鋳型分子についてスキャナ上の画素のきわめて大きな割合を使用し、かくして最大の処理能力を確保することができた。白色画素が検出器を完全に飽和させ、2.5%未満で標識作業が検出可能となるのに充分以上のものであることを示している。鋳型は160bpであったことを考えると、2.5%の標識作業は、クロマ配列決定反応のために予想される範囲内で鋳型コピー1つあたり約4つの取込み済みヌクレオチドを表わす。
例II−単一ステップ配列決定反応
10pmol/μlでDynal結合/洗浄緩衝液(Dynal, Norway)中でインキュベートすることにより、Greiner ストレプトアビジン−コーティングされたマイクロアレイスライドに、ビオチニル化されたT7プライマ(GCGTAATACGACTCACTATAGGGCG)を付着させた。5mmの広い穴のアレイを含むゴムフィルム上に接着することにより、スライド上にウェルを作り上げた。TOP2.1プラスミド(Clontech)を沸とうさせ、氷上で冷却し、次に20fmol/μlで各ウェルに付加した。15分間室温でインキュベートした後、スライドを15分間結合/洗浄中で洗浄した。
4μlのEcoPol緩衝液、各々0.4μlずつのdATP、dTTP及びdGTP(最終100μM)、0.4μlのdUTP−Cy3(最終10μM、Perkin Elmer)、2μlのクレノウエキソ−DNAポリメラーゼ(NEB)及び40μlまでの水を2つのウェルに付加し、水とクレノウを置換する同一の混合物をさらに2つのウェルに付加した。10分間インキュベートし、結合/洗浄中で15分間2回洗浄した後、スライドをTyphoon9200上で走査した。
鋳型(Clontech TOPO02.1)を考えると、予想された成果は、取込み済みの2dTTPである。図2は、標識されたdTTPが取込まれたこと及び(クレノウを省略する反応中で蛍光により与えられるように)得られたシグナルがバックグラウンドを著しく超えるものであったということを明らかに表わす結果を示している。
停止ヌクレオチドとして(左側に示されている)天然のヌクレオチドの各々を用いたクロマ配列決定法で配列決定された鋳型(最上行、配列決定されたストランドを示す)を例示している。各々のクロマ配列は、(介入する塩基の数を測定する)一連のダッシュ及び(中断されていない停止ヌクレオチドの数を測定する)文字として示されている。図面から、読取りを並べることにより、配列を読取ってもとの配列を回復させることができるということは明白である。
例IIのヌクレオチド取込み検定において、この図は、DNAポリメラーゼ(クレノウ)を伴う及び伴わないdTTP(Cy3内で標識されたもの)、dATP及びdGTPの取込みの試みの後の(任意単位内の)蛍光を示している。予測される成果は、2つの取込まれたdTTPであり、図は明らかに、バックグラウンドノイズを超える取込みを高い信頼性で検出するのに充分な信号がかかる取込み事象から生成されるということを実証している。
標準のマイクロアレイスキャナ内での固相クロマ配列決定に適した反応チャンバの1実施形態を例示している。この図は、鋳型をスポットするか又は無作為に付着することのできる25×75mmの標準スライドガラス(1)を用いたチャンバアセンブリを示している。ゴムガスケット(2)が反応中チャンバに対してガラスを密封している。入口(3)及び出口(4)ポートはコネクタ(5)を介して、図4に例示されている通りの試薬分配システムに連結されている。
図3の反応チャンバ内でクロマ配列決定を実施するのに適した試薬分配システムの1実施形態を例示する。10方バルブ(1)がチャンバ(2)内外への試薬の分配及び廃棄(6)を可能にし、任意の与えられたクロマ配列決定スキームによって必要とされる通りの異なる試薬及び洗浄緩衝液を最高8個の試薬容器(3)が収納し得る。シリンジポンプ(4)及びバルブ(1)は、完全に自動化したシステムを得るべく、スキャナ(5、スライドホルダーの部分図も示されている)と合わせて、容易に電動式かつコンピュータ制御式にすることができる。

Claims (52)

  1. 1つの核酸について配列及び/又は塩基組成情報を決定する方法において、
    (i)第1のストランドにアニールされた核酸の遊離3′末端が、鋳型依存性核酸ポリメラーゼにより核酸鋳型に相補的な核酸のストランド内にヌクレオチドを鋳型配列依存的に取込むことによって核酸鋳型に相補的な核酸のストランドの伸張を可能にする、核酸鋳型を含む第1のストランドを含む核酸を提供する段階;
    (ii)該核酸の塩基組成又は配列を示す情報を得ることができるようにする核酸鋳型に相補的な核酸のストランドを伸張させるため、所望の回数だけ反復させられるか又はその他の単数又は複数のステップのセットを組合わせて実施される、単数又は複数のステップセットを実施する段階であって、
    1つのステップが、
    (a)− 1つの核酸鋳型を含む第1のストランドを含む核酸、
    − 該核酸鋳型の第1のストランドにアニールされた1つの核酸ストランドの前記遊離3′末端及び
    − 鋳型依存性核酸ポリメラーゼ、の存在下で、核酸鋳型に相補的な核酸のストランド内へのヌクレオチドの核酸ポリメラーゼによる鋳型依存性取込みのための1、2、3又は4個のヌクレオチドから選択されたヌクレオチドを提供する段階であって、ここで各々の前記ヌクレオチドが天然のヌクレオチドであるか又は核酸ストランドの遊離3′末端で核酸ストランド内への核酸ポリメラーゼによる鋳型依存性取込みの能力をもつヌクレオチド類似体であり、各々の前記ヌクレオチド相補性クラス内でヌクレオチド及びヌクレオチド類似体が、アデノシン(A)、シトシン(C)、チミン(T)及びグアニン(G)のうちの1つに対し相補的である段階、
    及び
    (b)取込まれていないヌクレオチドを除去するか又は不活性化する段階、
    を含み、
    1セットのステップ内で、
    − 4つのヌクレオチド相補性クラス全てから選択されたヌクレオチドが提供され、鋳型依存性取込みのために利用可能であり、
    − 少なくとも1つのステップにおいて、2つ以上、任意には2、3又は4個のヌクレオチド相補性クラスから選択されたヌクレオチドが提供され、鋳型依存性取込みのために利用可能であり、ヌクレオチド相補性クラスのうちの少なくとも1つの中のヌクレオチドは、該核酸鋳型に相補的な核酸のストランド内に取込まれている場合、核酸鋳型に相補的な核酸のストランドのさらなる伸長を可能にし、
    − 任意には、2つ以上のステップにおいていかなるヌクレオチド相補性クラスも提供されず;かつ
    4つの相補性クラス全てから選択されたヌクレオチドが1つのステップで提供された場合には、該ヌクレオチド相補性クラスのうちの1、2又は3個の中のヌクレオチドは、核酸鋳型に相補的な核酸のストランド内に取込まれた場合、核酸鋳型に相補的な核酸のストランド及び多数のコピーが存在するならば存在する全てのコピーのさらなる伸長を防ぐことになる;
    実施段階、
    (iii)前記ステップの多数のセットを実施し、ステップセットを反復させかつ/又は異なるステップセットと組合せた形でステップセットを実施する段階、
    (iv)取込まれたヌクレオチドの性質及び/又は数量がセットとして決定されている各々のセット内の少なくとも1つのステップ内で核酸鋳型に相補的な核酸のストランド内に取込まれたヌクレオチドの性質及び/又は数量を決定することにより、少なくとも1つのステップセット内で核酸鋳型に相補的な核酸のストランド内に取込まれたヌクレオチドの性質及び/又は数量を決定する段階、
    を含んで成る方法。
  2. 1つのステップセット内で、第1ステップにてヌクレオチド相補性クラスのうちの3つ又は2つから選択されたヌクレオチドが提供され、第2のステップにて残りの1つ又は2つのヌクレオチド相補性クラスから取られたヌクレオチドが提供される、請求項1に記載の方法。
  3. 取込まれたヌクレオチドの性質及び/又は数量が決定されている複数のステップセット内の第1及び第2のステップ内で取込まれた1又は複数のヌクレオチドの数量を決定する段階を含んで成る、請求項2に記載の方法。
  4. 取込まれたヌクレオチドの数量が決定されている複数のセット内の各ステップ内で取込まれたヌクレオチドの数量を決定する段階を含んで成る、請求項3に記載の方法。
  5. 1つのステップセット内で、第1のステップで3つのヌクレオチドが提供され、第2のステップで1つのヌクレオチドが提供される、請求項4に記載の方法。
  6. 第1のステップで取込まれたヌクレオチドの性質及び数量を決定する段階を含んで成る、請求項5に記載の方法。
  7. 第1のステップで提供されたヌクレオチドが各々異なる形で標識される、請求項2〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 第2のステップで提供されたヌクレオチドが標識される、請求項2〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. A、C、T及びGに相補的な4つのヌクレオチドが各々異なる形で標識される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. ヌクレオチドが蛍光標識されている、請求項7、8又は9に記載の方法。
  11. ヌクレオチドの標識は、ヌクレオチドが核酸鋳型に相補的な核酸のストランド内に取込まれた時点で無効化される、請求項7、8、9又は10に記載の方法。
  12. ヌクレオチドの標識は、該ヌクレオチドが核酸鋳型に相補的な核酸のストランド内に取込まれた時点で該ヌクレオチドから解裂又は放出される、請求項7、8、9又は10に記載の方法。
  13. 核酸鋳型に相補的な核酸のストランド内に取込まれた単数又は複数のヌクレオチドから解裂又は放出された標識の性質及び/又は数量を決定する段階を含んで成る、請求項12に記載の方法。
  14. ステップセットのサイクル中の各々のステップセット内で、第1のステップで3つのヌクレオチドが提供され、第2のステップで1つのヌクレオチドが提供される、該ステップセットサイクルを実施する段階を含んで成る、請求項5〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 複数のサイクルの各々の内部で、全てのステップセットの全ての第2のステップで提供された1つのヌクレオチドが同じであり、各サイクル内の全てのステップセットの全ての第2ステップ内で提供される1つのヌクレオチドがその他の3サイクル内の全てのステップセットの全ての第2のステップ内で提供される1つのヌクレオチドと異なっている、前記核酸のためのステップセットの4つのサイクルを実施する段階を含んで成る請求項14に記載の方法。
  16. 1つのステップセットがさらに、核酸鋳型に相補的な核酸のストランド内へのヌクレオチドの取込みを停止する単数又は複数のブロックされたヌクレオチドを提供する段階を含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 1つのステップセットが付加的に、核酸鋳型に相補的な核酸のストランド内へのヌクレオチドの誤取込みを阻害する単数又は複数の非取込み性阻害物質ヌクレオチドを提供する段階を含んで成る、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 核酸鋳型がデオキシリボ核酸(DNA)であり、核酸ポリメラーゼがDNA依存性DNAポリメラーゼであり、ヌクレオチドがデオキシリボヌクレオチド又はデオキシリボヌクレオチド類似体である、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 核酸鋳型がデオキシリボ核酸(DNA)であり、核酸ポリメラーゼがDNA依存性リボ核酸(RNA)ポリメラーゼであり、ヌクレオチドがリボヌクレオチド又はリボヌクレオチド類似体である、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
  20. 核酸鋳型がリボ核酸(RNA)であり、核酸ポリメラーゼが逆転写酵素であり、ヌクレオチドがデオキシリボヌクレオチド又はデオキシリボヌクレオチド類似体である、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
  21. 核酸鋳型が多数のコピーの形で提供されている、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
  22. 核酸増幅反応により核酸鋳型の多数のコピーを提供する段階を含んで成る、請求項21に記載の方法。
  23. 核酸増幅反応が、ローリングサークル増幅を含んで成る、請求項22に記載の方法。
  24. − ステム部分並びに第1及び第2のループ部分から成るDNA分子を提供する段階であって、該ステム部分は第1のストランド及び第2のストランドから成り、該第1のストランド及び第2のストランドは長さが等しく、互いに相補的であり、かつアニールされており、配列及び/又は塩基組成情報が所望されている領域を含んでおり、第1のループ部分は、第1のストランドの3′末端を第2のストランドの5′末端に接合させ、第2のループ部分は第1のストランドの5′末端に第2のストランドの3′末端を接合させ、かくしてDNA分子は、遊離5′又は3′末端を全く持たないようになっており、ループ部分がローリングサークル増幅のためのプライマ結合部位を含み、ループ部分が配列決定のためのプライマ結合部位を含む、段階;
    − 前記核酸鋳型として役立つように核酸の多数のコピーを提供するべくローリングサークル増幅を実施する段階;
    を含んで成る、請求項23に記載の方法。
  25. 核酸鋳型が固体支持体に付着させられる、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 1つのアレイ内で固体支持体に対し多数の異なる核酸鋳型が付着されている、請求項25に記載の方法。
  27. 核酸鋳型がアニーリングを介して、固体支持体に付着されているプライマに対し付着されている、請求項25又は26に記載の方法。
  28. 核酸鋳型に相補的な核酸のストランド内に取込まれたヌクレオチドの性質及び/又は数量の決定分析により1つの核酸の配列を決定する段階を含む、請求項1〜27のいずれか1項に記載の方法。
  29. 1つのステップが複数の異なるヌクレオチドの鋳型依存性取込みを可能にする、ステップ式のヌクレオチドの取込みを特徴とする、合成による核酸配列決定方法。
  30. ステップが、アデノシン(A)、シトシン(C)、チミン(T)及びグアニン(G)に相補的なヌクレオチドから成るグループの中から選択された3つの異なるヌクレオチドの鋳型依存性取込みを可能にし、別のステップが、該グループの残りの核酸の鋳型依存性取込みを可能にする、請求項29に記載の方法。
  31. 請求項1〜30のいずれか1項に記載の方法を制御するようにプログラミングされたコンピュータプロセッサ。
  32. 請求項31に記載のコンピュータプロセッサ用のプログラムを担持するコンピュータ読取り可能なデバイス。
  33. 請求項1〜30のいずれか1項に記載の方法の実施から1つの核酸についての配列及び/又は塩基組成情報を提供するようにプログラミングされたコンピュータプロセッサ。
  34. 請求項33に記載のコンピュータプロセッサのためのプログラムを担持するコンピュータ読み取り可能デバイス。
  35. 単数又は複数の試薬容器に入った予め混合された試薬の単数又は複数のセットを内含する、請求項1〜30のいずれか1項に記載の方法を実施するのに適した試薬キットにおいて、
    − 各々の予め混合された試薬のセットが、
    ・ 4つの相補的クラスから取られたヌクレオチド、
    ・ 複数の、任意には2、3又は4個の相補性クラスから取られたヌクレオチドを収納する容器、
    を含み、相補性クラスのうちの少なくとも1つのクラスの中のヌクレオチドが、核酸鋳型に相補的な核酸のストランドに取込まれた場合に、該核酸鋳型に相補的な核酸のストランドのさらなる伸長を可能にし、
    − 4つの相補性クラス全てから取られたヌクレオチドが単一の容器に入って提供される場合には、相補性クラスのうちの1、2又は3個のものの中のヌクレオチドは、核酸鋳型に相補的な核酸のストランド内に取込まれた場合、核酸鋳型に相補的な核酸のストランドのさらなる伸長を防止する、
    試薬キット。
  36. − 取込まれた又は放出された標識を検出することのできるイメージングコンポーネント、
    − 1ステップセットあたり少なくとも1回、イメージングコンポーネントにとってアクセス可能であるような形で単数又は複数の付着された鋳型を保持するための反応チャンバ、
    − 反応チャンバに対し試薬を提供するための試薬分配システム、
    を含んで成る、請求項1〜30のいずれか1項に記載の方法を実施するための計器。
  37. 反応チャンバが付着された鋳型を提供し、イメージングコンポーネントは、少なくとも100/cm2、任意には少なくとも1,000/cm2、少なくとも10,000/cm2又は少なくとも100,000/cm2の密度でこの鋳型を解像できる、請求項36に記載の計器。
  38. イメージングコンポーネントが、光電子増倍管、フォトダイオード、電荷結合素子、CMOSイメージングチップ、近視野走査顕微鏡、透視野共焦点顕微鏡、広視野落射照明顕微鏡及び全反射顕微鏡から成るグループの中から選択されたシステム又はデバイスを利用する、請求項35又は36に記載の計器。
  39. イメージングコンポーネントが蛍光標識を検出する、請求項35又は36に記載の計器。
  40. イメージングコンポーネントが、レーザー誘導された蛍光を検出する、請求項39に記載の計器。
  41. 反応チャンバが、透明な表面、フタ及び試薬分配システムに該反応チャンバを付着させるためのポートを含む閉鎖された構造であり、透明な表面が内部表面上に鋳型分子を保持し、イメージングコンポーネントが該透明な表面を通してイメージングできる、請求項35〜40のいずれか1項に記載の計器。
  42. ステム部分並びに第1及び第2のループ部分から成るDNA分子において、該ステム部分は第1のストランド及び第2のストランドから成り、該第1のストランド及び第2のストランドは長さが等しく、互いに相補的であり、かつアニールされており、第1のループ部分は、第1のストランドの3′末端を第2のストランドの5′末端に接合され、第2のループ部分は第1のストランドの5′末端に第2のストランドの3′末端を接合され、かくして遊離5′又は3′末端を全く持たないようになっているDNA分子。
  43. ループ部分がローリング−サークル増幅のためのプライマ結合部位を含む、請求項42に記載のDNA分子。
  44. ループ部分が配列決定のためのプライマ結合を含む、請求項42又は43に記載のDNA分子。
  45. 任意には固体支持体に付着されたプライマに対するアニーリングを介して、固体支持体に付着された、請求項42、43又は44に記載の多数の異なるDNA分子のアレイ。
  46. − 5′末端及び3′末端を有する第1のストランド及び5′末端及び3′末端を有する第2のストランドから成る2本鎖DNA分子を提供する段階、及び
    − 第2のストランドの5′末端に対し第1のストランドの3′末端を接合させるべく第1のリンカーをライゲートし、第1のストランドの5′末端に第2のストランドの3′末端を接合するべく第2のリンカーをライゲートする段階であって、リンカーがヘヤピン構造である段階、
    を含んで成る、請求項42、43又は44に記載のDNA分子の作製方法。
  47. DNA鋳型の多数のコピーを含む伸長されたDNA分子を生成するべく、請求項43又は44に記載のDNA分子上でローリングサークル増幅を実施する段階を含んで成る、DNA鋳型の多数のコピーを生成する方法。
  48. DNA鋳型の多数のコピーを含む多数の伸長されたDNA分子を生成するべく、請求項43又は44に記載の多数のDNA分子上でローリングサークル増幅を実施する段階を含んで成る、多数のDNA鋳型の多数のコピーを生成する方法。
  49. ローリングサークル増幅プライマ又はDNA分子が固体支持体に付着されている、請求項47又は48に記載の方法。
  50. 伸長されたDNA分子内部のDNA鋳型の多数のコピー内の相補的ストランド間のアニーリングにより、伸長されたDNA分子を縮合させる段階をさらに含む、請求項47又は48に記載の方法。
  51. 伸長されたDNA分子が固体支持体上で縮合される、請求項50に記載の方法。
  52. 伸長されたDNA分子内部の単数又は複数のDNA鋳型の多数のコピーを配列決定する段階をさらに含む、請求項47〜51のいずれか1項に記載の方法。
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