JP2006509521A - 5−ヒドロキシトリプタミントランスポーター遺伝子多型 - Google Patents

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Abstract

IBSなどの胃腸疾患に対するヒト患者の感受性を決定する方法を開示する。該方法は、5−ヒドロキシトリプタミントランスポーターをコードしている遺伝子中の多型を検出することを特徴とする。かかる方法を行うためのキットおよびヒト患者の治療法も開示される。

Description

発明の詳細な説明
発明の分野
本発明は、5−ヒドロキシトリプタミントランスポーター(5−HTT)遺伝子中の多型、およびそれに付随または相関する表現型に関する。より詳細には、本発明は、胃腸障害、例えば、過敏性大腸症候群の予後、診断および治療におけるかかる多型の使用、および診断において使用できる薬剤に関する。本発明の他の態様、目的および利益は、下記から明らかであろう。
発明の背景
過敏性大腸症候群(IBS)を含め、未知の病因を有する多くの胃腸障害は、多因性障害であると考えられる。これらの障害の多くにおいて、生物化学的マーカーは見出されておらず、診断は、主として、臨床症状の観察によって行われる。単一遺伝子メンデル型障害とは異なり、糖尿病、偏頭痛および心血管疾患などの複合型障害は、多因性である傾向にあり、1以上の感受性遺伝子と環境因子との相互作用によって引き起こされる。今日までに、IBSに対する個体の感受性遺伝子は、連鎖または関連研究のいずれによっても同定されていない。
過敏性大腸症候群(IBS)は、腹痛および不快ならびに排便習慣の変化によって特徴付けられる一般的な胃腸障害である。IBSは、便秘または下痢のいずれか、あるいは便秘と下痢を交互に起こす排便習慣変化症状によって特徴付けられうる。現在、IBSの単一の病態生理学的または診断的マーカーはない。しかしながら、IBSの種々の診断基準が利用可能である(例えば、Thompsonら、Gastroent. Int., 2:92 (1989); Manning et al., Br. Med. J. 2:653 (1978); Thompson ら、Gut 45:1143 (1999))。
例えば、塩酸アロセトロン(alosetron)による5−ヒドロキシトリプタミン受容体での拮抗は、下痢優勢型過敏性大腸症候群の治療において有用であることが示された。
塩酸アロセトロン(CAS登録番号: CAS-122852-69-1; 米国特許第5,360,800号参照)は、5−HT3受容体アンタゴニストである。動物およびヒトの両方の研究は、5−HT3受容体遮断が過敏性大腸症候群、特に下痢優勢型IBSの治療において治療的価値を有することを示す。(本明細書に引用される米国特許の全ての開示は、全体として、出典明示により本明細書の一部とされる。)
二盲式プラシーボ対照研究において、塩酸アロセトロンは、過敏性大腸症候群(IBS)患者において、痛みを減らし、腸機能を改善することが示された。Bardhanら、Aliment Pharmacol Ther 2000 Jan; 14(1):23-34; Jonesら、Aliment Pharmacol Ther 1999 Nov;13(11):1419-27; Camilleriら、Aliment Pharmacol Ther 1999 Sep;13(9):1149-59; Mangelら、Aliment Pharmacol Ther 1999 May;13 Suppl 2:77-82参照のこと。アロセトロンは、さらに、カルチノイド下痢の症状軽減に対する可能性のある治療として示された。Saslowら、Gut 1998 May;42(5):628-34参照のこと。
5−HT3、5−HT4および5−HT1a受容体を包含する5−ヒドロキシトリプタミン(5−HT)受容体は、胃腸管において同定および特徴付けられ、これらの受容体は、消化管運動性の調節だけでなく、内臓感覚経路にも関与する。種々の5−HT3アンタゴニスト(例えば、アロセトロン、グラニセトロンおよびオンダンセトロン)がIBSの治療のために同定された。該クラスの薬物は、内臓敏感性を減少させ、遠位の腸における運動活性に対して阻害効果を有するようである。全および部分5−HT4アゴニスト(例えば、HTF919、テガセロド(tegaserod))は、便秘優勢型IBSを改善するための可能性のある治療剤である。予備的研究は、これらの薬剤がIBSにおける治療の可能性を有しうることを示唆する。Farthingら、Baillieres Best Pract Res Clin Gastroenterol. 1999 Oct;13(3):461-71参照のこと。5−HT4アンタゴニスト(ピボセロド(piboserod)、SB−207266A)もまた、IBSの治療に対して示唆された。
ヒト5−ヒドロキシトリプタミントランスポーター(5−HTT)は、染色体17q12上に見出された単一遺伝子(SLC6A4)によってコード化される(Ramamoorthyら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:2542 (1993); Gelernterら、Hum. Genet. 95:677 (1995); Leschら、J. Neural Transm. 91:67 (1993))。5HTトランスポーターは、セロトニン作動性応答の規模および持続期間を調節する。5−HTTコーディング配列の5’上流の転写調節領域における44塩基対セグメントからなる挿入/欠失多型が以前に同定された。該多型の欠失(または短い)対立遺伝子は、5−HTT遺伝子プロモーターの転写効率低下、遺伝子発現減少および5−ヒドロキシトリプタミン取込減少に関連する。(Heilsら、J. Neural Transm. 102:247 (1995); Heilsら、J. Neurochem 66:2621 (1996), Leschら、 Science 274:1527 (1996)参照。)種々の生化学的研究は、5HT取込機能がしばしば精神病において減少し、5−HTTプロモーター多型による機能的5−HTT発現における変化が、情動障害に対する可能性のある遺伝学的感受性因子として関係していることを示唆する。(Collierら、Mol Psychiatry 1996 Dec; 1(6):453-60; Leschら、Science 1996 Nov 29;274(5292):1527-31; Furlongら、Am J Med Genet 1998 Feb 7;81(1):58-63; Menzaら、J Geriatr Psychiatry Neurol 1999 Summer; 12(2):49-52; および Rosenthalら、Mol Psychiatry 1998 Mar;3(2):175-7参照。)
本明細書に開示される全ての特許および参考文献は、出典明示により、全体として本明細書の一部とされる。
発明の概要
本発明者らは、5−ヒドロキシトリプタミントランスポーター(5−HTT)遺伝子中の多型が、胃腸疾患、特に、IBSに対する患者の感受性と相関することを決定した。より詳細には、発明者らは、5−HTT遺伝子の5’非コーディング領域中の挿入/欠失多型が(5−HTT遺伝子の同じ部位に別の多型を有する患者と比べて)胃腸疾患に対する患者の感受性の予測因子であることを見出した。したがって、本発明は、個体の5−HTT遺伝子領域をタイピングし、それにより、該個体が胃腸疾患に対して感受性であるかどうかを決定することを特徴とする、個体において胃腸疾患に対する感受性を決定する方法を提供する。
発明の詳細な記載
本発明は、ヒト個体における胃腸疾患に対する感受性の決定、より詳細には、過敏性大腸症候群(IBS)の治療、より詳細には、非便秘優勢型IBS、例えば、下痢優勢型IBSの治療に関する。個体の5−HTT遺伝子領域をタイピングする。かくして、個体における胃腸疾患に対する個体の感受性を決定することができる。該疾患は、典型的にはIBSである。該個体は、典型的には女性であり、さらに典型的には白色人種である。本発明者らは、5−HTT遺伝子における多型の変化が胃腸疾患に対する個体の感受性と相関または関連することを決定した。本発明者らは、5HTトランスポーター(5−HTT)遺伝子の5’非翻訳領域における挿入/欠失多型が胃腸疾患に対する個体の感受性と相関することを明らかにした。
5−HTT遺伝子領域のタイピングは、個体が胃腸疾患に対して感受性であるかどうかを決定するために、該遺伝子領域のいずれかの適当な特徴の測定を含みうる。
典型的には、測定される特徴は、5−HTT遺伝子領域中の5−HTT疾患関連感受性多型(例えば、本明細書中に記載されるようないずれかの多型)によって影響を及ぼされることのできる特徴である。個体は、感受性多型を有する場合も、有さない場合もあるが、該遺伝子領域またはトランスポータータンパク質は、感受性多型の影響に類似する影響を引き起こす他の因子(環境または遺伝学的因子)によって影響を及ぼされる場合がある。かかる影響は、本明細書中で論じられる多型の影響のいずれであってもよい。
典型的には、タイピングは、個体が5−HTT遺伝子領域において、疾患感受性多型またはかかる多型と連鎖不均衡である多型を有するかどうかを同定することからなる。
遺伝学的試料は、IBS治療のためのアロセトロン臨床試験に登録された対象から得られた。さらに、対照は、一般的な集団から収集された。遺伝学的試料は、5−ヒドロキシトリプタミントランスポーター遺伝子(5−HTT遺伝子)の5’非コーディング領域中の挿入/欠失多型について、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術を用いてスクリーンされた。対立遺伝子は、3つの可能な遺伝子型(del/del、del/insまたはins/ins)をもたらす「del(欠失)」または「ins(挿入)」として標識された。挿入多型(対立遺伝子「ins」)は、配列番号2を有した。
Figure 2006509521
「del」対立遺伝子は、5HTT遺伝子の5’非翻訳領域における約44塩基対の欠失を示す。転写調節領域における該欠失は、5HTの再取込量減少に関連し、したがって、5HT基礎レベルの増加に関連する。したがって、del/del遺伝子型は、(del/insまたはins/ins遺伝子型と比べて)より低い転写効率、より低い5HTT産生および減少した基礎5HT再取込量をもたらすと仮定される。del/del、del/insおよびins/ins遺伝子型は、IBS対象のなかでほぼ平等に分布していた。del/delおよびdel/ins遺伝子型の頻度は、正常対象と試験対象との間で統計学的に相違し、試験対象は正常集団と比べてdel/del遺伝子型の頻度が約2倍であった。
胃腸疾患に対する感受性の有用なインジケーターでもある付加的な多型が、5−HTT遺伝子において同定された。これらは、30人の試験個体由来のDNA試料内でSNPsについて検索することによって同定された7つの一塩基多型(SNPs)を包含する。5HTT遺伝子を増幅し、PCR産物を配列決定してSNPsを同定した。>5%という小さい対立遺伝子頻度を有する7つのSNPs(表1参照)(30人の集団内で)をさらに試験した。
Figure 2006509521
SNPsは、表1において、ヌクレオチドにおける変化および多型の位置によって特定され;ヌクレオチドの番号は、対応するGenBank配列のそれである。
5HTT遺伝子において同定およびスクリーンされたさらなる多型は、GenBank受入番号X76754における17塩基対配列の複数の繰り返し(bp843−1012)からなる、5HTT遺伝子のイントロン2において見出されたバリアブル・ナンバー・タンデム・リピート(Variable Number Tandem Repeat(VNTR))多型である。共通の遺伝子型は、10コピーの17bp繰り返し配列からなるが、17bp繰り返しの数は変化し、9未満から、9−12ないし12以上の繰り返しであってもよい。
これらのSNPsおよびVNTR多型の最初の同定後、非便秘優勢型IBS対象集団を包含するIBS治療のためのアロセトロン臨床試験に登録された対象から、ならびに性別および人種が合致する対照(一般集団)から、遺伝学的試料を得た。該遺伝学的試料は、当該分野で既知のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術を用いて、同定された多型についてスクリーンされる。特定の遺伝子型の発生は、胃腸疾患に対する対象の感受性と相関する。
多型
多型は、機能的結果を有していても、有していなくてもよいヒトゲノム内の変種配列である。これらの変種は、遺伝子疾患の分析および診断、法医学的、進化生物学的および人口研究を包含する遺伝学的研究の全ての態様において使用できる。連鎖研究は、遺伝子機能についての事前の知識または仮説なしに、遺伝子地図情報を提供する。典型的には、遺伝子分析の2つの型:連鎖および関連研究が形成される。
連鎖研究において、その染色体位置が疾患対立遺伝子の位置に近いマーカー(多型)に関して対立遺伝子共有頻度が高いであろうという予想で、罹患した親族間で同一の染色体領域を同定するために、DNA多型を用いた。連鎖領域の物理的クローニングは、候補疾患遺伝子を含む可能性のあるDNA配列を限定する。連鎖分析は、疾患遺伝子座を特定の染色体または染色体領域に位置決定するが、一方、該遺伝子について検索すべきDNAの領域は、典型的に大きく、数百万塩基対のオーダーである。
連鎖とは対照的に、関連は、1集団中における多型および表現型の共存を示す。関連研究は、連鎖不均衡に基づき、マーカー多型が機能的多型の極めて近くに位置する場合、マーカーと表現型との間に起こる現象に基づく。マーカーおよび機能的多型は極めて近くにあるので、集団においてそれらを分離するために、多くの組み換えが必要となる。かくして、それらは同じ染色体上で、予測よりも高い頻度で一緒に共存する傾向にある。典型的には、集団中の個体における特定の染色体上で他のものが見出される回数の少なくとも30%、例えば、少なくとも40%、50%、70%または90%の頻度で見出される。かくして、機能的な感受性多型ではないが、機能的多型と連鎖不均衡にある多型は、機能的多型の存在を示すマーカーとして作用しうる。本明細書中に示される多型のいずれかと連鎖不均衡にある多型は、典型的には、500kb内、好ましくは、400kb、200kb、100kb、50kb、10kb、5kbまたは1kb内の多型である。一般に、マーカーが機能的多型部位に近ければ近いほど、その関連は強くなる。
上記のように、タイピングされる多型は、5−HTT受容体遺伝子領域またはタンパク質中にあればよい。該多型は、典型的には、挿入、欠失、または少なくとも1、2、5もしくはそれ以上の長さの塩基対またはアミノ酸による置換である。
遺伝子領域多型の場合、多型は、典型的には、1塩基対の置換、すなわち、1ポリヌクレオチド多型(SNP)である。該多型は、コーディング領域に対して5’側、コーディング領域中、イントロン中、またはコーディング領域に対して3’側にあってもよい。検出される多型は、典型的には、胃腸疾患に寄与する機能的変異であるが、機能的変異と連鎖不均衡である多型であってもよい。
かくして、一般的に、多型は、胃腸疾患と関連するであろう。多型は、本明細書中で論じられる受容体の特徴、例えば、発現、活性、発現変種、細胞局在性または種々の組織における発現パターンのいずれかにおける変化を引き起こしうる。
多型は、これらの特定の多型のいずれかと同じ位置での多型であってもよい(SNPの場合、それは、該位置のいずれかでA、T、CまたはGである)。多型は、これらの特定の多型のいずれかと連鎖不均衡であってもよい。胃腸疾患に対する感受性を決定するためにタイピングされることのできる多型は、5−HTT遺伝子領域または5−HTT受容体タンパク質中の候補多型が(i)胃腸疾患に関連するか、または(ii)胃腸疾患と関連する多型と連鎖不均衡であるかどうかを決定し、それにより、該多型のタイピングが胃腸疾患に対する感受性を決定することができるかどうかを決定することを特徴とする方法によって同定されうる。
多型の検出
多型は、典型的には、当該分野で既知のいずれかの適当な技術を用いて、個体のポリヌクレオチドまたはタンパク質中の多型配列の存在を直接決定することによって検出される。かかるポリヌクレオチドは、典型的には、ゲノムDNAまたはmRNA、または例えば、個体由来のポリヌクレオチドを用いて作製されるライブラリー(例えば、cDNAライブラリー)におけるような、これらのポリヌクレオチドから由来のポリヌクレオチドである。該方法の実施前のポリヌクレオチドまたはタンパク質の処理は、さらに下記で論じる。
典型的には、多型の存在は、個体のポリヌクレオチドまたはタンパク質を、該多型に対する特異的結合剤と接触させ、次いで、該剤が該ポリヌクレオチドまたはタンパク質中の多型と結合するかどうかを決定することを特徴とし、該剤の該多型への結合により、個体が胃腸疾患感受性であることが示される方法において決定される。
一般に、該剤は、多型の片側または両側に位置する分子およびアミノ酸、例えば、全体または各側で、少なくとも2、5、10、15またはそれ以上の側面に位置するヌクレオチドまたはアミノ酸に結合するであろう。一般に、該方法において、該剤の多型への結合の決定は、該剤のポリヌクレオチドまたはタンパク質への結合を決定することによって行うことができる。しかしながら、1の具体例において、該剤は、多型位置の側面に位置するヌクレオチドまたはアミノ酸に結合することによって、対応する野生型配列に結合することができるが、結合方法は、多型を含有するポリヌクレオチドまたはタンパク質の結合とは異なり、該相違は、一般に、該方法において検出可能である(例えば、これは、下記に論じる配列特異的PCRにおいて起こりうる)。
多型の存在がポリヌクレオチドにおいて決定されている場合、それは、2本鎖形態で検出される場合もあるが、典型的には、1本鎖形態で検出される。
該剤は、典型的には少なくとも10ヌクレオチド長、例えば、少なくとも15、20、30またはその以上のヌクレオチド長を有するポリヌクレオチドであってもよい。該剤は、ワトソン−クリック塩基対合に関与することのできる単位(例えば、プリンまたはピリミジン)を含むポリヌクレオチドに構造的に関連した分子であってもよい。該剤は、典型的には少なくとも10アミノ酸長、例えば、少なくとも20、30、50、100またはそれ以上のアミノ酸長を有するタンパク質であってもよい。該剤は、抗体(多型に結合可能なかかる抗体のフラグメントを包含する)であってもよい。
該方法において使用されるポリヌクレオチド剤は、一般に、配列特異的な方法において、個体のポリヌクレオチドの多型およびフランキング配列に結合し(例えば、ワトソン−クリック塩基対合にしたがってハイブリダイズし)、かくして、典型的には、多型およびフランキング領域の配列に完全または部分的に相補的な配列を有する。部分的に相補的な配列は、完全に相補的な配列に対して相同性である。
該方法の1の具体例において、該剤はプローブである。これは、標識されていてもよく、または間接的に標識可能であってもよい。該標識の検出は、個体のポリヌクレオチドまたはタンパク質上のプローブの存在(したがって、該ポリヌクレオチドまたはタンパク質に結合する)を検出するために利用してもよい。該プローブのポリヌクレオチドまたはタンパク質への結合は、プローブまたはポリヌクレオチドもしくはタンパク質のいずれかを固定するために(かくして、それを1の組成物または溶液から分離するために)利用してもよい。
1の具体例において、個体のポリヌクレオチドまたはタンパク質を固形支持体上に固定し、次いで、プローブと接触させる。次いで、該固形支持体上に固定された(多型への結合を介する)プローブの存在を、プローブ上の標識を検出することによって直接、またはプローブをプローブに結合する基と接触させることによって間接的に検出する。ポリヌクレオチド多型を検出する場合、固形支持体は、一般に、ニトロセルロースまたはナイロン製である。タンパク質多型の場合、該方法はELISA系に基づいていてもよい。
該方法は、2つのオリゴヌクレオチドプローブを用いるオリゴヌクレオチド・ライゲーション・アッセイに基づいていてもよい。これらのプローブは、多型を含有するポリヌクレオチド上の隣接領域に結合し、その結果(結合後)、適当なリガーゼ酵素によって2つのプローブが一緒にライゲートされる。しかしながら、2つのプローブは、単に多型を含有するポリヌクレオチドに(ライゲーション可能なように)結合するだけであり、したがって、多型の存在を決定するためには、ライゲート産物の検出を用いればよい。
1の具体例において、プローブは、ポリヌクレオチド多型を検出するために、ヘテロ2本鎖分析に基づく系において用いられる。かかる系において、多型を含有するポリヌクレオチド配列にプローブが結合する場合、それは、多型が起こる部位でヘテロ2本鎖を形成する(すなわち、それは、2本鎖構造を形成しない)。かかるヘテロ2本鎖構造は、1本鎖または2本鎖特異的酵素の使用によって検出できる。典型的には、該プローブは、RNAプローブであり、使用される酵素は、ヘテロ2本鎖領域を切断するRNAse Hであり、かくして、切断産物の検出手段によって、多型が検出可能となる。
該方法は、例えば、PCR Methods and Applications 3, 268-71 (1994) および Proc. Natl. Acad. Sci. 85, 4397-4401 (1998)に記載される蛍光化学的切断ミスマッチ分析に基づいていてもよい。
1の具体例において、ポリヌクレオチド剤は、多型を含有するポリヌクレオチドに結合する場合にだけ、PCR反応のプライマーとして作用することができる(すなわち、配列または対立遺伝子特異的PCR系)。かくして、個体のポリヌクレオチド中に多型が存在する場合にだけ、PCR産物が生産されるであろう。かくして、多型の存在は、PCR産物の検出によって検出されうる。好ましくは、多型に相補的なプライマーの領域は、プライマーの3’末端またはその近辺にある。該系の1の具体例において、ポリヌクレオチド剤は、野生型配列に結合するが、PCR反応のプライマーとして作用しないであろう。
該方法は、RFLPに基づく系であってもよい。これは、ポリヌクレオチド中の多型の存在が、制限酵素によって認識される制限部位を作成または破壊する場合に使用できる。かくして、ポリヌクレオチドのかかる多型での処理は、対応する野生型配列と比べて異なる生産物の生産をもたらすであろう。かくして、特定の制限消化産物の存在の検出を、多型の存在を決定するのに使用できる。
多型の存在は、ゲル電気泳動の間のポリヌクレオチドまたはタンパク質の移動度に対して、多型の存在がもたらした変化に基づいて決定されうる。ポリヌクレオチドの場合、1本鎖コンホメーション多型(SSCP)分析を用いてもよい。これは、対応する野生型ポリヌクレオチドと比べて、1本鎖ポリヌクレオチドの変性ゲル上での移動度を測定し、移動度における差の検出により、多型の存在が示される。変性勾配ゲル電気泳動(DDGE)は、ポリヌクレオチドを変性勾配を用いたゲルにより電気泳動する類似の系であり、対応する野生型ポリヌクレオチドと比較した移動度の差が多型の存在を示す。
多型の存在は、蛍光染料および消光剤に基づくPCRアッセイ、例えば、Taqman PCR検出系を用いて決定されうる。簡単に言えば、該アッセイは、多型の周囲および多型を包含する配列からなる対立遺伝子特異的プライマーを用いる。該特異的プライマーは、その5’末端を蛍光染料で標識し、3’末端を消光剤で標識し、3’リン酸基をヌクレオチドの付加から保護する。通常、染料の蛍光は、同じプライマーに存在する消光剤によって消光される。該対立遺伝子特異的プライマーは、多型のいずれかの対立遺伝子5’にハイブリダイズすることのできる第2のプライマーと共に使用される。
該アッセイにおいて、多型を含む対立遺伝子が存在する場合、Taq DNAポリメラーゼは、特異的プライマーに到達するまで、ヌクレオチドを非特異的プライマーに付加する。次いで、それは、そのエンドヌクレアーゼ活性によって、ポリヌクレオチド、蛍光染料および消光剤を該特異的プライマーから遊離する。したがって、蛍光染料は、もはや消光剤に近接しておらず、蛍光を発する。多型を含まない対立遺伝子の存在下では、特異的プライマーと鋳型との間のミスマッチがTaqのエンドヌクレアーゼ活性を阻害し、蛍光染料は消光剤から遊離しない。したがって、放射された蛍光を測定することにより、多型の存在または不在を決定することができる。
多型を検出する別の方法において、多型領域を含むポリヌクレオチドを、多型を含有する領域にわたって配列決定して、多型の存在を決定する。
したがって、当該分野で知られているように、遺伝子型特定のための該方法において下記の技術のいずれを使用してもよい。
・全般:DNA配列決定、ハイブリダイゼーションによる配列決定;
・スキャン:PTT(タンパク質末端切断技術)、SSCP(1本鎖コンホメーション分析)、DGGE(変性勾配ゲル電気泳動)、TGGE(温度勾配ゲル電気泳動)、切断、ヘテロ2本鎖分析、CMC(化学的ミスマッチ切断)、酵素ミスマッチ切断;
・ハイブリダイゼーションに基づく:固相ハイブリダイゼーション(ドットブロット、MASDA、リバース・ドットブロット、オリゴヌクレオチドアレイ(チップ);溶液相ハイブリダイゼーション(Taqman, Molecular Beacons);
・伸長に基づく:ARMS(Amplification Refractory Mutation System)、ALEX(Amplification Refractory Mutation System Linear Extension)、SBCE(Single Base Chain Extension);
・組み込みに基づく:ミニ−配列決定、APEX(Arrayed Primer Extension);
・制限酵素に基づく:RFLP(制限断片長多型);
・ライゲーションに基づく:(OLA(オリゴヌクレオチド伸長アッセイ);
・その他:インベーダー(Third Wave Technologies)。
別法では、多型の存在は、例えば、多型が引き起こす効果を測定することによって、間接的に決定されうる。該効果は、5−HTTの発現または活性において存在しうる。かくして、多型の存在は、個体における5−HTTの発現の活性またはレベルを測定することによって決定されうる。
5−HTTの発現は、細胞における受容体のレベルを測定することによって直接に、または細胞におけるいずれか他の適当な成分のレベルを測定することによって、例えば、mRNAレベルを測定することによって(例えば、Taqmanに基づく方法によるような、定量的PCR)間接的に、決定されうる。
1の具体例において、該方法は、イン・ビボで行われるが、典型的には、個体由来の試料、典型的には、血液、唾液または毛根試料においてイン・ビトロで行われる。該方法を実施する前に、該試料は典型的に処理される。例えば、DNA抽出を行ってもよい。該試料中のポリヌクレオチドまたはタンパク質は、物理的または化学的に(例えば、適当な酵素を用いて)切断してもよい。1の具体例において、該試料中のポリヌクレオチドの部分を、例えば、クローニングによって、またはPCRに基づく方法を用いて、コピーする(または増幅する)。かかる手法において生産されるポリヌクレオチドは、本明細書中において、「個体のポリヌクレオチド」なる語によって包含されると理解される。
診断キット
本発明は、また、予測(患者管理)試験または試験キットを提供する。かかる試験は、遺伝子型と胃腸疾患感受性との間の予め決定された関連に基づいて、胃腸疾患の疾患管理において助けとなるであろう。かかる試験は、2つの異なる様式をとることができる。
所定の多型の存在についてDNAまたはRNAを分析する分子試験:
適当な試験キットは、1以上の下記の試薬または装置、すなわち、薬剤の多型への結合を検出するための手段、ポリヌクレオチドにおいて作用できる酵素(典型的には、ポリメラーゼまたは制限酵素)、酵素試薬のための適当なバッファー、多型のフランキング領域に結合するPCRプライマー、正または負の対照(または両方)、ゲル電気泳動装置およびDNAを試料から単離するための手段を包含しうる。該製品は、当該分野の現状によって述べられるようなチップ技術の1つを利用しうる。該試験キットは、特異的多型または遺伝子型の存在と、対照が胃腸疾患に感受性である可能性との間の相関を示す印刷された、または機械によって読み取り可能な説明書を含むであろう。
所定の多型の存在を示すタンパク質または代謝産物を包含する対象の体から由来の物質を分析する生化学試験:
適当な試験キットは、所定の多型領域(または多型の特異的フランキング領域)に特異的に結合する分子、アプタマー、ペプチドまたは抗体(抗体フラグメントを包含する)、または本明細書に記載のような結合剤を含むであろう。該製品は、付加的に、1以上の付加的な試薬または装置(当該分野で既知)を含んでいてもよい。該試験キットは、また、特異的多型または遺伝子型の存在と、対照が胃腸疾患に感受性である可能性との間の相関を示す印刷された、または機械によって読み取り可能な説明書を含むであろう。
ポリヌクレオチド、タンパク質および抗体
本発明は、さらに、(i)胃腸疾患に対する感受性を引き起こす多型または(ii)(i)と連鎖不均衡にある天然の多型を含む単離ポリヌクレオチドまたはタンパク質を提供する。かかる多型は、本明細書に記載の多型のいずれであってもよい。感受性を引き起こす多型は、天然に見出されるものであっても、見出されないものであってもよい。
該ポリヌクレオチドまたはタンパク質は、ヒトまたは動物配列を含んでいてもよい(またはかかる配列に対して相同性であってもよい)。かかる動物は、典型的には、哺乳動物、例えば、齧歯類(例えば、マウス、ラットまたはハムスター)または霊長類である。かかるポリヌクレオチドまたはタンパク質は、動物ポリヌクレオチドまたはタンパク質配列中の同等な位置で、本明細書に記載のヒト多型のいずれかを含んでいてもよい。
該ポリヌクレオチドまたはタンパク質は、典型的には、5−HTT遺伝子領域配列または5−HTTタンパク質配列を含み、またはかかる配列に相同性であるか;またはかかる配列の一部(かかる配列のフラグメント)である。かかる配列は、ヒトまたは動物の配列であってもよい。特に、該配列の部分は、本明細書に記載の配列のいずれかまたはかかる配列の一部に相当しうる。該ポリヌクレオチドは、典型的には、少なくとも5、10、15、20、30、50、100、200、500塩基長、例えば、少なくとも1kb、10kb、100kb、1000kbまたはそれ以上の長さである。
該ポリヌクレオチドは、一般に、コーディング配列に対して5’側の配列、コーディング配列、イントロン配列またはコーディング配列に対して3’側の配列を包含するインスリン受容体遺伝子領域配列の全てまたは一部を含むポリヌクレオチドと選択的にハイブリダイズ可能である。
選択的ハイブリダイゼーションとは、一般に、該ポリヌクレオチドがバックグラウンドを越える有意なレベルで、該遺伝子領域配列にハイブリダイズすることができることを意味する。本発明のポリヌクレオチドと該遺伝子領域配列との間の相互作用によって生じるシグナルレベルは、他のポリヌクレオチドと該遺伝子領域配列との間の相互作用と比べて、典型的に少なくとも10倍、好ましくは少なくとも100倍の強度である。相互作用の強度は、例えば、該ポリヌクレオチドを、例えば、32Pで放射能標識することによって測定されうる。選択的ハイブリダイゼーションは、典型的に、高いストリンジェンシー(例えば、約50℃〜約60℃にて、0.03M塩化ナトリウムおよび0.003または0.03Mクエン酸ナトリウム)までの培地条件を用いて達成される。
本発明のポリヌクレオチドは、DNAまたはRNAを含みうる。該ポリヌクレオチドは、その中に合成または修飾ヌクレオチドを含むポリヌクレオチドであってもよい。ポリヌクレオチドに対する多くの異なる型の修飾は、当該分野で既知である。これらは、メチルホスホネートおよびホスホロチオネート骨格、アクリジンまたはポリリジン鎖の分子の3’および/または5’末端への付加を包含する。本発明の目的の場合、本明細書に記載のポリヌクレオチドは、当該分野で利用可能ないずれかの方法によって修飾されうると理解されるべきである。
本発明のタンパク質は、本発明のポリヌクレオチドによってコードされることができる。該タンパク質は、5−HTT受容体の1以上の活性を有しうる。該タンパク質は、典型的には、少なくとも10アミノ酸長、例えば、20、50、100、300または500アミノ酸長である。
該タンパク質は、また、多型、例えば、本明細書に記載のような多型に特異的な抗体を生産するために使用されうる。これは、例えば、哺乳動物(例えば、本明細書に記載のもののうちいずれか)に投与する免疫源として該タンパク質を使用し、B細胞を動物から抽出し、B細胞の上記の抗体生産能に基づいて、抽出した細胞からB細胞を選択し、所望により、該B細胞を不死化し、次いで、選択したB細胞から抗体を得ることによって行ってもよい。
本発明のポリヌクレオチドまたはタンパク質は、提示(revealing)標識を有しうる。標識は、また、本発明の方法に関して上記されている。適当な標識は、放射性同位体、例えば、32Pまたは35S、蛍光標識、酵素標識または他のタンパク質標識、例えば、ビオチンを包含する。
本発明のポリヌクレオチドは、ベクター中に組み込むことができる。典型的には、かかるベクターは、その中に本発明のポリヌクレオチドの配列が存在するポリヌクレオチドである。該ベクターは、組み換え型複製可能ベクターであってもよく、それは、適合性宿主細胞中で核酸を複製するために使用されうる。かくして、さらなる具体例において、本発明は、本発明のポリヌクレオチドを複製可能ベクター中に導入し、該ベクターを適合性宿主細胞中に導入し、宿主細胞を、ベクターの複製をもたらす条件下で培養することによる、本発明のポリヌクレオチドの作成方法を提供する。該ベクターは、宿主細胞から回収してもよい。適当な宿主細胞は、発現ベクターに関して下記される。
該ベクターは、発現ベクターであってもよい。かかるベクターにおいて、ベクター中の本発明のポリヌクレオチドは、典型的に、宿主細胞によるコーディング配列の発現を提供することのできる調節配列に作動可能に連結される。
「作動可能に連結される」なる語は、記載の成分が、意図されるように機能することができる関係にある並列をいう。コーディング配列に「作動可能に連結された」調節配列は、調節配列と適合性の条件下でコーディング配列の発現が達成されるように連結されている。
かかるベクターは、本発明のタンパク質の発現を提供するために、上記の適当な宿主細胞中に形質転換されうる。かくして、さらなる態様において、本発明は、本発明のタンパク質を調製する方法であって、上記の発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞を、該タンパク質の発現を提供するための条件下で培養し、次いで、所望により、発現されたタンパク質を回収することを特徴とする方法を提供する。
該ベクターは、例えば、複製起点を有し、所望により、該ポリヌクレオチドの発現のためのプロモーター、および所望により、該プロモーターのレギュレーターを有するプラスミド、ウイルスまたはファージベクターであってもよい。該ベクターは、1以上の選択可能なマーカー遺伝子を含有しうる。該発現ベクターは宿主細胞のために設計されており、プロモーターおよび他の発現調節シグナルは、その宿主細胞と適合性であるように選択されればよい。
本発明のタンパク質およびポリヌクレオチドは、実質的に単離された形態で存在しうる。それらは、その意図された用途に干渉しない担体または希釈剤と混合してもよく、依然として、実質的に単離されていると見なされうる。それらは、また、実質的に精製された形態にあってもよく、この場合、それは一般に、調製物の乾燥質量の少なくとも90%、例えば、少なくとも95%、98%または99%からなるであろう。
相同物
ポリヌクレオチドまたはタンパク質配列の相同物を本明細書に記載する。かかる相同物は、例えば、少なくとも15、20、30、100個以上の隣接するヌクレオチドまたはアミノ酸の領域にわたって、典型的に、少なくとも70%相同性、好ましくは、少なくとも80%、90%、95%、97%または99%相同性を有する。相同性は、アミノ酸同一性(「ハード・ホモロジー(hard homology)」と称する場合もある)に基づいて算出されうる。
例えば、UWGCGパッケージは、相同性計算に使用できるBESTFITプログラム(例えば、そのデフォルト設定において使用される)を提供する(Devereuxら、(1984) Nucleic Acids Research 12, p387-395)。PILEUPおよびBLASTアルゴリズムは、例えば、Altschul S.F. (1993) J Mol Evol 36:290-300; Altschul, S.F.ら、(1990) J Mol Biol 215:403-10に記載されるように、相同性を計算するために、または配列を並べるために(例えば、等価または対応する配列を(典型的には、そのデフォルト設定において)同定するために)使用できる。
BLAST分析を実行するためのソフトウェアは、National Center for Biotechnology Information (http://ww.ncbi.nlm.nih.gov/)を介して、公的に入手可能である。該アルゴリズムは、まず、データベース配列における同じ長さのワードと共に整列させたときに、何らかの正の値の閾値スコアTに匹敵するか、またはそれを満足する問い合わせ(query)配列中の長さWの短いワードを同定することによって、高スコア配列対(high scoring sequence pair: HSPs)を同定することを含む。Tは、近傍ワードスコア閾値(neighbourhood word score threshold)と称される(Altschulら、前掲)。これらの最初の近傍ワードヒットは、検索を開始するために種として作用して、それらを含有するHSPを見出す。ワードヒットは、累積アラインメントスコアが増加できるかぎり、各配列の両方向において伸長される。各方向における該ワードヒットの伸長は、累積アラインメントスコアがその最大達成値からX量低下するとき;1以上の負のスコアがついた残余アラインメントの蓄積のために、累積スコアが0またはそれ以下になるとき;またはいずれかの配列の末端に達するときに、停止する。
BLASTアルゴリズムパラメーターW、TおよびXは、アラインメントの感受性および速度を決定する。BLASTプログラムは、デフォルトとして、ワード長(W)=11、BLOSUM62スコアリング・マトリックス(HenikoffおよびHenikoff (1992) Proc Natl Acad Sci USA 89: 10915-10919参照)アラインメント(B)=50、期待値(E)=10、M=5、N=4、および両鎖の比較を用いる。
BLASTアルゴリズムは、2つの配列間の類似性の統計分析を行う(例えば、Karlin および Altschul (1993) Proc Natl Acad Sci USA 90: 5873-5787参照)。BLASTアルゴリズムによって提供される類似性の1の測定単位は、最小合計確率(smallest sum probability)(P(N))であり、それは、2つのヌクレオチドまたはアミノ酸配列間の合致が偶然起こる確率を示す。例えば、第1の配列と第2の配列との比較における最小合計確率が約1未満、好ましくは約0.1未満、より好ましくは約0.01未満、最も好ましくは約0.001未満である場合、その配列は他方の配列と類似するとみなされる。
相同配列は、典型的に、少なくとも1、2、5、10、20またはそれ以上の変異(ヌクレオチドまたはアミノ酸の置換、欠失または挿入であってもよい)によって相違する。これらの変異は、相同性計算に関して、上記の領域のいずれかにわたって測定されうる。タンパク質の場合、置換は、好ましくは、保存的置換である。これらは、下記の表にしたがって定義される。第2カラムにおいて、および好ましくは、第3カラムの同じ行において、同じブロック中のアミノ酸は互いに置換されてもよい。
Figure 2006509521
トランスジェニック動物
本発明は、また、上記のような多型に関してトランスジェニックな動物を提供する。該動物は、齧歯類(例えば、マウス、ラットまたはハムスター)または霊長類などのいずれかの適当な哺乳動物であってもよい。典型的には、該動物の細胞の全てまたはいくつかのゲノムが本発明のポリヌクレオチドを含む。一般に、該動物は、本発明のタンパク質を発現する。典型的には、該動物は、胃腸疾患に罹患しており、したがって、胃腸疾患の軽減における薬剤の効力を評価するための方法において使用することができる。
患者の処理
本発明は、本発明の方法によって胃腸疾患に感受性であると診断された患者の治療法であって、有効量の薬剤を該患者に投与することを特徴とする方法を提供する。したがって、該薬剤は、かかる疾患の発症を予防するために、または胃腸疾患の症状発現に抵抗するために、患者に投与してもよい。本発明は、また:
本発明の方法によって胃腸疾患に感受性であると診断された患者の治療において有用な医薬の製造における5HTリガンドの使用;および
5HTリガンドおよび本発明の方法によって診断されたヒトに該リガンドを投与するための指示書を含む医薬パック
を提供する。
本明細書中で使用される場合、「5HTリガンド」なる語は、部分アゴニストおよび5−HTTと相互作用する薬物(例えば、選択的セロトニン再取込阻害剤、SSRI’s)を包含する5HT受容体のアンタゴニストおよびアゴニストを包含する。5HTリガンドは、5HT3および5HT4受容体を包含する5HTのいずれのサブタイプに結合してもよく、該リガンドは、特定の受容体サブタイプに特異的であってもよい。
既知の5HT関連化合物は、5HT3アンタゴニスト(例えば、アロセトロン(alosetron)、オンダンセトロン(ondansetron)、グラニセトロン(granisetron)、トロピセトロン(tropisetron)、ドラセトロン(dolasetron)、ミルタザピン(mirtazapine)、イタセトロン(itasetron)、パンコプリド(pancopride)、ザトセトロン(zatosetron)、アザセトロン(azasetron)、クリアンセトロン(cliansetron)、YM−144(Yamauchi)およびRS17017(Roche))を包含する。
5HT4アゴニストもまた既知であり、テガセロド(tegaserod)、プルカロプリド(prucalopride)、ノルシサプリド(norcisapride)、およびY−34959(Yoshitomi Pharmaceuticals)として知られる4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−(1−置換ピペリジン−4−イル)ベンズアミド、およびブスピロン(buspirone)を包含する。便秘優勢型IBSの治療のための5HT4アゴニストの使用が提唱される。5HT4アンタゴニストは、ピボセロド(piboserod)(SmithKline Beecham plc)を包含する。
5HT3および5HT4二重アゴニストは、レンザプリド(renzapride)(SmithKline Beecham)およびE3620(Eisai)を包含する。5HT1aアゴニストもまた既知である(LY315535(Eli Lilly))。
選択的セロトニン再取込阻害剤は、フルオキセチン(fluoxetine)などを包含する。
好ましい5HTリガンドは、5HT3アンタゴニスト、より好ましくは、アロセトロンである。アロセトロンの適当な投与量範囲および血漿濃度は、米国特許第5360800号(その全開示は、出典明示により、本明細書の一部とされる)に開示される。
かかるリガンドの有効量を、それを必要とするヒト患者に与えればよい。薬剤投与量は、種々のパラメーターにしたがって、特に、使用される物質、治療されるべき患者の年齢、体重および状態、および必要な処方計画にしたがって決定すればよい。しかしながら、適当な投与量は、0.1〜100mg/kg体重、例えば、1〜40mg/kg体重でありうる。また、内科医は、いずれかの特定の患者に必要な投与経路および投与量を決定できるであろう。
該リガンドの処方は、該物質の性質および治療されるべき状態などの因子に依存するであろう。典型的には、該剤は、医薬上許容される担体または希釈剤と共に使用するために処方される。例えば、それは、経口、非経口、静脈内、筋内または皮下投与によって処方されうる。内科医は、各特定の患者に必要な投与経路を決定できるであろう。医薬担体または希釈剤は、例えば、等張溶液であってもよい。
さらなる態様において、本発明は、胃腸疾患に対する個体の素因および/または感受性を評価するために使用できる。多型は、特に、かかる疾患の発現に関連しうる。本発明は、特にこれらの疾患の発現により危険に曝される個体を認識するために使用してもよい。
さらなる態様において、本発明は、さらに、5−HTT遺伝子の1以上の対立遺伝子変種(すなわち、異なる多型を有する)を選択的に標的とする新規な薬物療法の開発に使用されうる。特定の対立遺伝子変種と、疾患発現の素因または薬物療法に対する応答との関連の同定は、新規な薬物の設計に対して有意な影響力を有しうる。薬物は、疾患過程に関与する変種の生物学的活性を調節するが、他の変種に対する影響を最小限にするように設計されうる。
下記の実施例は、本発明を説明するものである。
実施例1:5HTT遺伝子における挿入/欠失多型のアッセイ
遺伝学的試料を、IBS治療のためのアロセトロン臨床試験に登録した423人の女性ヒト対象および一般集団由来の679人の女性ヒト対象から得た。当該分野で既知のPCR技術を用いて、挿入/欠失遺伝子マーカーを5−ヒドロキシトリプタミントランスポーター遺伝子(5HTT遺伝子)においてアッセイした。対立遺伝子は、3つの可能な遺伝子型(del/del;del/insまたはins/ins)をもたらす「del」(欠失)または「ins」(挿入)として標識した。
挿入/欠失マーカーは、5HTT遺伝子の5’非翻訳領域にあった。欠失多型(対立遺伝子「del」)は配列番号1を有し、挿入多型(対立遺伝子「ins」)は配列番号2(太字書体で挿入を示す)を有した。
Figure 2006509521
Figure 2006509521
欠失したセグメントは、配列番号2のヌクレオチド161−204から構成された。PCRプライマー配列に下線を付した書体である。
本発明の5−HTT遺伝子型は、下記のように分布された。5−HTTマーカーについて遺伝子型分類された423人のIBS対象のうち399人の対象において、94人(23.6%)の遺伝子型がdel/del 5−HTTであり、166人(41.6%)がdel/ins 5HTTであり、139人(34.8%)がins/ins 5−HTTであった。5−HTTマーカーについて遺伝子型分類された一般集団由来の679人の対照対象のうち646人において、116人(18.0%)の遺伝子型がdel/del 5−HTTであり、324人(50.1%)がdel/ins 5−HTTであり、206人(31.9%)がins/ins 5−HTTであった。
「del」対立遺伝子は、5HTT遺伝子の5’非翻訳領域における約44塩基対の欠失を示す。del/del遺伝子型は、より低い転写効率、5HTTのより低い産生量、および基礎5HT再取込量の減少をもたらす(del/insまたはins/ins遺伝子型と比べて)。
実施例2:遺伝子型と表現型の相関
対象「IBS」病態を調べ、遺伝子型と相関させた。該集団を人種および地理的位置にしたがって階層分類した。北アメリカIBS対象(n=61(31.4%))は、対照対象(n=77(17.9%))よりも、del/del遺伝子型を有しているようであった(p=3.07x10−5)(表1)。
Figure 2006509521
実施例3:5HTT多型に関する個体の遺伝子型分類
DNA試料を胃腸疾患を有する対象の集団から得、ゲノムDNAを標準的手法を用いて(自動抽出またはキットフォーマットを用いて)抽出する。PCR、PCR−RFLP、Taqman対立遺伝子識別アッセイのいずれか、または当該分野で既知のいずれか他の適当な技術を用いて、該対象、および用いられたいずれかの対照個体の遺伝子型を5HTT遺伝子配列内の多型について決定する。
増幅産物中の特異的多型残基が十分な物理的サイズ(例えば、複数の塩基の挿入/欠失多型)である場合、単純なサイズ識別アッセイを用いて個体の遺伝子型を決定することができる。この場合、2つのプライマーを用いて、多型部位の周囲の領域において目的の遺伝子を特異的に増幅する。PCR増幅を行い、その結果、その遺伝子型(挿入または欠失)に依存して長さの異なる生産物を生じる。ゲル電気泳動に付したとき、異なるサイズの生産物が分離し、視覚化され、特異的遺伝子型が直接、判断される。
多型を検出するために、PCR−RFLP(ポリメラーゼ連鎖反応−制限断片長多型)アッセイもまた、当該分野で知られているように使用してもよい。各多型部位について、PCR−RFLPアッセイは、2つの遺伝子特異的プライマーを用いてアニールし、目的の多型部位の周囲にあるゲノムDNAのセグメントを特異的に増幅する。PCR増幅後、特異的制限エンドヌクレアーゼ酵素を用いて、生産されたPCR産物を消化する。アッセイに用いられる酵素は、多型の存在/不在下でPCR産物に結合して切断し、それにより、多型部位に存在する特異的塩基に特徴的なフラグメントを生じるのに必要なその特異的認識配列によって選択される。制限酵素による切断後、ゲル電気泳動を行って生じたフラグメントを分離し、視覚化する。
Taqmanアッセイもまた、当該分野で知られているように、多型の同定に使用してもよい。各多型部位について、対立遺伝子識別アッセイは、異なる蛍光染料でその5’末端が標識され、3’末端が共通の消光剤で標識された2つの対立遺伝子特異的プローブを用いる。両プローブは、Taqポリメラーゼがヌクレオチドを付加できないように、3’リン酸基を有する。多型部位を含む配列を含む対立遺伝子特異的プローブは、該部位においてのみ配列が異なる(これは必ずしも真実ではないが、対立遺伝子特異的プローブは、長さまたは組成が同一とならないように互いに相対的にシフトすることができる。しかしながら、それらが同じDNA領域をカバーする場合、それらは、目的の多型部位を除いて、同一である)。該対立遺伝子特異的プローブは、単に、適当な部位にミスマッチすることなくハイブリダイズすることができるだけである。
該対立遺伝子特異的プローブは、2つのプライマーと共に使用される。その1つは、2つの特異的プローブの5’側の鋳型にハイブリダイズし、他方は、2つのプローブの3’側の鋳型にハイブリダイズする。該特異的プローブの1つに対応する対立遺伝子が存在する場合、該特異的プローブは該鋳型に完全にハイブリダイズするであろう。次いで、5’プライマーを伸長するTaqポリメラーゼが該特異的プローブ由来のヌクレオチドを除去し、蛍光染料および消光剤の両方を遊離する。これは、もはや消光剤に隣接しない該染料由来の蛍光の増加をもたらす。
該対立遺伝子特異的プローブが他の対立遺伝子にハイブリダイズする場合、多型部位でのミスマッチがTaqの5’ないし3’エンドヌクレアーゼ活性を阻害し、したがって、蛍光染料の遊離を妨害する。
ABI770配列検出系を用いて、サーマル・サイクリングPCRの最後に、PCR反応管中で直接、各特異的染料由来の蛍光の増加を測定する。次いで、該反応由来の情報を分析する。個体が特定の対立遺伝子についてホモ接合体である場合、その特異的プローブ由来の染料に対応する蛍光だけが遊離するが、個体がヘテロ接合体である場合は、両方の染料が蛍光を発するであろう。
次いで、個体の遺伝子型をそのIBS疾患表現型または病状と相関させる。応答は、遺伝学的サブ集団の中で変化する。
該記載および請求の範囲が一部を形成する本出願は、いずれかの後続の出願に関して優先権の基礎として使用される場合がある。かかる後続出願の請求の範囲は、本明細書に記載されるいずれかの新規な特徴または特徴の組み合わせに向けられていてもよい。これは、生産物、組成物、製法または使用の請求項の形態をとってもよく、一例として、制限されることなく、1以上の上記の請求項を包含しうる。

【配列表】
Figure 2006509521
Figure 2006509521

Claims (18)

  1. 個体の5−HTT遺伝子領域または5−HTTタンパク質をタイピングし、それにより、該個体が胃腸疾患に対して感受性であるかどうかを決定することを特徴とする、個体において胃腸疾患に対する感受性を決定する方法。
  2. 該タイピングが、個体が(i)5−HTT遺伝子領域または(ii)5−HTTタンパク質において、胃腸疾患感受性多型またはかかる多型と連鎖不均衡である多型を有するかどうかを同定することからなる請求項1記載の方法。
  3. 該多型が連鎖不均衡から選択されるか、またはそれと連鎖不均衡である請求項2記載の方法。
  4. 個体のポリヌクレオチドまたはタンパク質を該多型に対する特異的結合剤と接触させ、次いで、該剤が該ポリヌクレオチドまたはタンパク質中の該多型に結合するかどうかを決定することを特徴とし、多型に対する結合剤の結合により、個体が胃腸疾患に対して感受性であることが示される上記請求項のいずれか1項記載の方法。
  5. 該剤が、該多型を含有するポリヌクレオチドに結合可能であるが、対応する野生型配列を有するポリヌクレオチドには結合しないポリヌクレオチドである請求項4記載の方法。
  6. 該多型が、個体のポリヌクレオチドまたはタンパク質あるいはタンパク質のゲル電気泳動における移動度において該多型によって引き起こされる変化を測定することによって検出される請求項2または3記載の方法。
  7. タイピングが個体由来の試料において行われる上記請求項のいずれか1項記載の方法。
  8. 胃腸疾患がIBSである上記請求項のいずれか1項記載の方法。
  9. 治療上有効量の5HTリガンドを患者に投与することを特徴とする、上記請求項のいずれか1項記載の方法によって胃腸疾患に対して感受性であると診断された患者の治療法。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項記載の方法によって胃腸疾患に対して感受性であると診断された患者の治療において有用な医薬の製造における5HTリガンドの使用。
  11. 5HTリガンドが5HT3アンタゴニスト、5HT4アンタゴニストおよび5HT4アゴニストから選択される請求項10記載の使用または請求項9記載の方法。
  12. 5HT受容体リガンドがアロセトロン、オンダンセトロンおよびグラニセトロンから選択される請求項11記載の使用または方法。
  13. 請求項2または3に記載の多型を検出することのできるプローブ、プライマーまたは抗体。
  14. 請求項11記載の剤、プローブ、プライマーまたは抗体を含む胃腸疾患に対する感受性を診断するためのキット。
  15. (i)胃腸疾患に対する感受性を引き起こす多型または(ii)(i)と連鎖不均衡にある天然の多型を含む単離ポリヌクレオチドまたはタンパク質。
  16. 請求項15記載のポリヌクレオチドを組み込むベクター。
  17. (i)請求項14記載のベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞をタンパク質の発現を提供するための条件下で培養し、次いで、
    (ii)発現されたタンパク質を回収してもよい
    ことを含む請求項15記載のタンパク質の調製方法。
  18. 5−HTT遺伝子領域または5−HTTタンパク質中の候補多型が(i)胃腸疾患に関連するか、または(ii)胃腸疾患に関連する多型と連鎖不均衡にあるかどうかを決定し、それにより、該多型のタイピングが胃腸疾患に対する感受性を決定することができるかどうかを決定することを特徴とする、胃腸疾患に対する感受性を決定するためにタイピングできる多型の同定方法。

JP2004560484A 2002-12-13 2003-12-10 5−ヒドロキシトリプタミントランスポーター遺伝子多型 Pending JP2006509521A (ja)

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