JP2006508904A - βシート破壊ペプチド - Google Patents

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Abstract

アルツハイマー病、拳闘家痴呆(頭部外傷を含む)、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(オランダ型)(HCHWA−D)、およびアミロイドアンギオパチーを伴う血管性痴呆などの疾患の治療および予防に有用な、βシート破壊活性を有するペプチドが提供される。

Description

本発明は、βシート破壊ペプチドの分野、特に、アルツハイマー病、拳闘家痴呆(頭部外傷を含む)、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(オランダ型)(HCHWA−D)、およびアミロイドアンギオパチーを伴う血管性痴呆などの疾患の治療におけるβシート破壊ペプチドの使用に関する。
アルツハイマー病(AD)は、1907年にバイエルンの精神科医アロイス・アルツハイマー(Alois Alzheimer)によって初めて報告され、短期の記憶喪失から始まり、認知機能および行動の進行性の低下を特徴とする進行性神経疾患である。疾患の進行は、失見当識、判断、推理、注意、および会話の欠陥につながり、最終的に痴呆に至る。通常、疾患が経過すると、発症して4年〜12年後に、ひどく衰弱して動けない状態になり死に至る。ADは、65歳超の人口の5〜11%、85歳超の人口の47%もの多くの人を苦しめていると見積もられている。主に、AD患者に必要とされる大掛かりな介護のために、ADの社会的管理費用は非常に高い。ADの生理病理学の理解を目的とした不断の努力にもかかわらず、疾患の進行を大きく遅らせる治療法は現在ない。
病理学的には、ADは犠牲者の脳に独特の病変が存在することを特徴とし、これは剖検時に明らかになる。これらの脳病変として、神経原線維変化(NTF)と呼ばれる異常な細胞内微細線維および老人斑すなわちアミロイド斑に含まれるアミロイド形成タンパク質の細胞外沈着物が挙げられる。アミロイド沈着物はAD患者の脳血管壁にも存在する。アミロイド斑の主なタンパク質成分は、β−アミロイドペプチド(Aβ)と呼ばれる4.3キロダルトンのペプチドであることが確認されている1。散在性のAβ沈着物は正常な成人脳において頻繁に観察されるが、AD脳組織は、さらに密集した有芯のβアミロイド斑を特徴とする2。これらの観察は、Aβの沈着がADにおいて生じるニューロン破壊より前に起こり、ニューロン破壊の一因となることを示唆している3。Aβが発病に直接役割を果たすさらなる裏づけとして、β−アミロイドが成熟ニューロン(培養およびインビボ)に対して毒性であることが示されている4
大脳皮質および脳血管内の散在性のβ−アミロイド沈着物を特徴とする、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(オランダ型)(HCHWA−D)の患者には、Aβのアミノ酸置換につながる点変異があることが分かっている5
Aβはまた、アミロイドアンギオパチーを伴う血管性痴呆6および拳闘家痴呆7にも関与している。
天然のAβは、アミロイド前駆体タンパク質(APP)と呼ばれる非常に大きなタンパク質からタンパク質分解されることによって生成される8。APP遺伝子は21番染色体に位置する。これは、(21番染色体のトリソミーにより引き起こされる)ダウン症候群の個体において早期に見られるβ−アミロイド沈着の説明となる9
APPのタンパク質分解により生じた天然のAβは、カルボキシル末端の箇所に応じて長さが39〜43個のアミノ酸残基であり、異なる成分が混じっている。AD患者および正常成人の血液および脳脊髄液に含まれる最も優勢なAβ循環形態はAβ1−40である10。しかしながら、Aβ1-42およびAβ1-43もβ−アミロイド斑に見られる11
Aβの病原性はタンパク質コンホメーションの変化に起因するという多くの証拠が蓄積している12。アルツハイマー病、アミロイドアンギオパチーを伴う血管性痴呆、およびHCHWA−Dにおける病態につながる重要な事象は、非病原性天然タンパク質の病原性形態への再折り畳みであると考えられている。再折り畳みは、タンパク質の一次構造を変えることなく二次構造および三次構造を変化させる。
アミロイドは、共通の構造モチーフ:βプリーツシートコンホメーションを有する線維凝集体に用いられる総称である13。これらの凝集体は、コンゴレッド染色後に緑色の複屈折光を発する能力および蛍光色素チオフラビン(Thioflavin)Sに結合する能力を含む特殊な染色性を示す14。これらの染色性は、β−アミロイド沈着物を検出するのに用いられるアッセイの基礎をなしている。
アルツハイマー病の治療および予防の1つのアプローチが、アミロイド形成に関与すると考えられる天然タンパク質配列とある程度の配列相同性を有するが、βプリーツシートコンホメーションの形成に好ましくない、またはβプリーツシートコンホメーションの形成を不安定にする1個以上のアミノ酸も有する短いペプチドを開発することであった15。このようなペプチドはβ−アミロイドの凝集を阻止し、それにより、その細胞傷害作用を阻止する。このアプローチはアルツハイマー病およびプリオン関連疾患において示唆されており16、17、特に、以下に示すβシート破壊ペプチドにつながった。
Figure 2006508904
米国特許第6,319,498号明細書(プリーシス・ファーマシューティカルズ(Praecis Pharmaceuticals))はAβに基づくβシート破壊ペプチドを提案し、アミノ末端ビオチン化ペプチドを例示している。米国特許第6,303,567号明細書(プリーシス・ファーマシューティカルズ)は、βシート破壊ペプチドとして、β−アミロイドペプチドに基づくが全てD−アミノ酸からなるペプチドを提案している。
β鎖会合を阻止するために、β鎖を形成するペプチドのβ鎖形成部分を含み、それ自体で標的β鎖と会合するペプチドも提案されている。ここで、ペプチドのβ鎖形成部分は少なくとも4個の連続したα−L−アミノ酸の配列を含み、これらのアミノ酸の全てが、ペプチドのβ鎖形成部分がβ鎖を形成するのを立体的に許容し、これらの少なくとも1つはNα置換α−L−アミノ酸残基であり、任意の2個の連続したNα置換α−L−アミノ酸残基は、奇数個の連続したNα置換α−L−アミノ酸残基により分けられる18。あるいは、短いβ鎖とN−メチルアミノ酸を交互に含み、N−α−アセチル化アミノ酸を含む、または含まないペプチドも、線維形成を阻害するために開発されている19
既知のβシート破壊ペプチドは価値のある情報を提供し、アルツハイマー病の治療に有用であり得るが、天然ペプチドが消化管、肝臓、および循環内で分解され、急速に代謝されるために、ペプチド薬の開発はかなり限られている。さらに、多くのアミロイド関連疾患の治療に望ましい作用部位は脳であり、他の多くの分子と同様にペプチドは血液脳関門を通り抜けるのが難しいことがある。脳自体もペプチド分子を分解するペプチダーゼで満たされている。
本発明の目的は、薬理学的特性が改善されたβシート破壊ペプチドを提供することである。
第1の態様において、本発明は、
一般式I:
Figure 2006508904
(式中、
1は、Hおよび任意に置換されるC2−C6−アシル(好ましくは、アセチル)から選択され;
2、R3、R4、およびR5は、独立して、Hおよび任意に置換されるC1−C6−アルキルから選択され、R2、R3、R4、およびR5のうち少なくとも1つは、任意に置換されるC1−C6−アルキル(好ましくは、メチル)であり;
6は、OHおよびNR78から選択され、R7およびR8は、独立して、Hおよび任意に置換されるC1−C6−アルキル(好ましくは、NH2)である)の化合物;
ならびにその塩およびトリチウム化された誘導体を提供する。
第2の態様において、本発明は、医薬品として使用するための式Iの化合物を提供する。
第3の態様において、本発明は、式Iの化合物と薬学的に許容可能な賦形剤または担体を含む薬学的組成物を提供する。
第4の態様において、本発明は、アルツハイマー病、拳闘家痴呆(頭部外傷を含む)、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(オランダ型)(HCHWA−D)、およびアミロイドアンギオパチーを伴う血管性痴呆から選択される疾患または状態を治療または予防するための医薬品を調製するための式Iの化合物の使用を提供する。
第5の態様において、本発明は、アルツハイマー病、拳闘家痴呆(頭部外傷を含む)、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(オランダ型)(HCHWA−D)、およびアミロイドアンギオパチーを伴う血管性痴呆から選択される疾患または状態を治療または予防するための式Iの化合物の使用を提供する。
第6の態様において、本発明は、アルツハイマー病、拳闘家痴呆(頭部外傷を含む)、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(オランダ型)(HCHWA−D)、およびアミロイドアンギオパチーを伴う血管性痴呆を治療する方法であって、有効量の式Iの化合物を、治療を必要とする患者に投与することを含む方法を提供する。
第7の態様において、本発明は、アミロイドおよびアミロイド様沈着物への異常なタンパク質の折り畳みに関連した疾患を治療するための医薬品を調製するための式Iの化合物の使用を提供する。
第8の態様において、本発明は、アミロイドおよびアミロイド様沈着物への異常なタンパク質の折り畳みに関連した疾患を治療するための式Iの化合物の使用を提供する。
第9の態様において、本発明は、アミロイドおよびアミロイド様沈着物への異常なタンパク質の折り畳みに関連した疾患を治療する方法であって、有効量の式Iの化合物を、治療を必要とする患者に投与することを含む方法を提供する。
本発明の化合物は、既知のβシート破壊ペプチドより薬理学的特性が改善されたβシート破壊ペプチドである。
βシート破壊活性は、例えば、サトウ(Soto)ら14により述べられたような、試験化合物がアミロイド線維形成を阻止する能力を測定するin vitroアッセイを用いて検出することができる。
アミロイド線維は細胞傷害性であり、アポトーシスにより細胞死を誘導する20。本発明の化合物は、アミロイド線維により誘導される細胞死を阻止する能力について試験することができる。結果を実施例に報告する。
薬理学的特性が改善された化合物はin vitro活性が増大した化合物と考えられる。in vitro活性の増大は、本明細書に記載のin vitroアッセイのいずれか、または両方(既知化合物と比較した、血漿および/もしくは脳ホモジネート中での安定性の増大、またはin vivoでのラット脳におけるアミロイド沈着を阻止する能力の増大)により測定される。「改善された」は、これらのパラメータのいずれか1つの増大、または2つ以上の増大を示す化合物を含む。好ましくは、改善は統計的に有意な改善であり、好ましくは、確率値が<0.05の改善である。結果の統計学的有意性を求める方法は周知であり、当該技術分野の文献および任意の適切な方法を使用することができる。
式Iの化合物の好ましい群において、R1は、ホルミル、アセチル、プロピオノイル、およびブチロイルから選択される。特に好ましくは、R1はアセチルである。
式Iの化合物の別の好ましい群において、R6はNHMeまたはNH2であり、特に好ましくは、NH2である。
本発明の特定の実施態様は、R2、R3、R4、およびR5がH、メチル、およびエチルから選択され、特に好ましくはHおよびメチルであり、R2、R3、R4、およびR5のうち少なくとも1つがメチルおよびエチルから選択され、好ましくはメチルである式Iの化合物を含む。
式Iの化合物の特に好ましい群において、R3はメチルであり、R2はHであり、R4およびR5はH、メチルから選択される。
化合物の別の特に好ましい群において、R3はメチルであり、R2、R4、およびR5はHである。
別の特に好ましい実施態様において、全てのα−炭素原子における立体化学配置はLである。
本発明の化合物は塩として単離および精製されてもよい。このような塩は本発明の範囲内である。患者への投与のために、塩は薬学的に許容可能であることが望ましい。
「C1−C6−アルキル」は、1〜6個の炭素原子を有する一価の分枝鎖または非分枝鎖アルキル基を意味する。この用語の例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどの基である。
「C1−C5−アルキル」は、1〜5個の炭素原子を有する一価の分枝鎖または非分枝鎖アルキル基を意味する。この用語の例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチルなどの基である。
「C2−C6−アシル」は基−C(O)Rを意味する。Rは「C1−C5−アルキル」基を含む。この用語の例は、ホルミル、アセチル、プロピオノイル、およびブチロイルなどの基である。
「薬学的に許容可能な塩」は、望ましい生物学的活性を保持する式Iの化合物の塩を意味する。このような塩の例として、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸など)を用いて形成された酸添加塩、ならびに有機酸(例えば、酢酸、シュウ酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、フマル酸、マレイン酸、アスコルビン酸、安息香酸、タンニン酸、パモ酸(pamoic acid)、アルギン酸、ポリグルタミン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、およびポリガラクツロン酸)を用いて形成された塩が挙げられるが、これに限定されない。このような化合物はまた、当業者に周知の薬学的に許容可能な第4級塩として投与することもできる。第4級塩として、特に、式−NR,R’,R’’+-の第4級アンモニウム塩が挙げられる。式中、R、R’、R’’は、独立して、水素、アルキル、またはベンジルであり、Zは、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、アルコキシド、トルエンスルホン酸イオン、メチルスルホン酸イオン、スルホン酸イオン、リン酸イオン、またはカルボン酸イオン(例えば、安息香酸イオン、コハク酸イオン、酢酸イオン、グリコール酸イオン、マレイン酸イオン、リンゴ酸イオン、フマル酸イオン、クエン酸イオン、酒石酸イオン、アスコルビン酸イオン、桂皮酸イオン、マンデル酸イオン、およびジフェニル酸イオン)を含む対イオンである。
本発明の化合物が医薬品として用いられる場合、一般的に、薬学的組成物の形で投与される。このような組成物は、医薬品分野で周知のやり方で調製することができ、少なくとも1つの活性化合物を含む。一般的に、本発明の化合物は薬学的に有効な量で投与される。一般的に、実際に投与される化合物の量は、治療される状態、選択された投与経路、投与される実際の化合物、個々の患者の年齢、体重、および反応、患者の症状の重篤度などを含む関連する状況を考慮して医師により決定される。
発明の薬学的組成物は、経口経路、直腸経路、経皮経路、くも膜下経路、皮下経路、静脈内経路、筋肉内経路、および鼻腔内経路を含む様々な経路によって投与することができる。好ましくは、本発明の化合物は、皮下、筋肉内、または静脈内の注射または注入によって投与される。
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、血液脳関門(「BBB」)の通過を促進するペプチドまたはタンパク質である担体分子と融合される。CNSが疾患に関与する場合、これは、作用部位への分子の適切な標的化に役立つ。BBBを通過する薬物送達法は、浸透圧手段による、または生化学的にはブラジキニンなどの血管作用物質の使用によるBBBの混乱を必要とする。BBBを通過する他の方法は、受動的拡散の使用および内因性の輸送系(グルコース担体およびアミノ酸担体などの担体を介する輸送体;受容体を介したインシュリンまたはトランスフェリンのトランスサイトーシス;吸着を介したトランスサイトーシスを含む)の使用を伴うことがある。BBBを通過する薬物送達法として、さらに、脳内移植が挙げられる。
目的の送達経路に応じて、化合物は注射用組成物または経口組成物として処方することができる。経口投与用の組成物は原薬液体溶液もしくは懸濁液または原薬粉末の形をとることができる。しかしながら、より一般的には、組成物は、正確な投薬を容易にするために単位剤形の形で提供される。用語「単位剤形」は、ヒト被験者および他の哺乳動物への単位投与に適した物理的に分かれている単位を意味する。それぞれの単位は、適切な薬学的賦形剤と共同して望ましい治療効果を生じるように計算された予め決められた量の活性物質を含む。一般的な単位剤形として、液体組成物の予め充填され予め測定されたアンプルもしくはシリンジ、または固体組成物の場合、丸剤、錠剤、カプセルなどが挙げられる。このような組成物において、本発明の化合物は、少ない方の成分(約0.1〜約50重量%または好ましくは約1〜約40重量%)であり、残りの成分は、望ましい剤形の形成に役立つ様々なビヒクルまたは担体および加工助剤である。
経口投与に適した液体剤形は、緩衝液、懸濁剤および分散剤、着色剤、フレーバーなどを含む適切な水性または非水性ビヒクルを含んでもよい。固体剤形は、例えば、以下の任意の成分:結合剤(例えば、結晶セルロース、トラガカントゴム、もしくはゼラチン);賦形剤(例えば、デンプンもしくはラクトース);崩壊剤(例えば、アルギン酸、プリモゲル(Primogel)、もしくはトウモロコシデンプン);潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム);流動促進剤(glidant)(例えば、コロイド状二酸化ケイ素);甘味剤(例えば、スクロースもしくはサッカリン);または着香剤(例えば、ペパーミント、サリチル酸メチル、もしくはオレンジフレーバー)、あるいは類似の性質の化合物を含んでもよい。
注射用組成物は、一般的に、注射可能な滅菌した生理食塩水もしくはリン酸緩衝食塩水または当該技術分野で周知の他の注射可能な担体に基づいている。経口投与組成物または注射用組成物の前記の成分は単なる例示である。さらなる材料ならびに加工法などは当業者に周知である21。本発明の化合物はまた、徐放性形態で、または徐放性薬物送達システムから投与することもできる。代表的な徐放性材料の説明も当業者に周知である22、23、24
本発明の化合物は、アルツハイマー病、拳闘家痴呆(頭部外傷を含む)、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(オランダ型)(HCHWA−D)、およびアミロイドアンギオパチーを伴う血管性痴呆の発症および進行に関連するAβの凝集を阻止する。化合物の使用の好ましい方法において、化合物の投与は定期的な注射または注入によるものである。本発明の化合物の投与は、好ましくは、患者において任意の症状が検出される前に開始すべきであり、その後に継続すべきである。アルツハイマー病、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(オランダ型)(HCHWA−D)、およびアミロイドアンギオパチーを伴う血管性痴呆を発症するリスクの高い患者として、これらの疾患の家族歴がある患者が挙げられる。
本発明のなおさらなる態様は式Iの化合物を調製するプロセスである。本発明の化合物は、以下の一般的な方法および手順を用いて、容易に入手可能な出発材料から調製することができる。代表的な、または好ましい実験条件(すなわち、反応温度、時間、試薬のモル、溶媒など)が示されている場合、特に指定のない限り、他の実験条件も使用できることが理解されるだろう。最適の反応条件は、使用される特定の反応物または溶媒によって変化することがあるが、当業者は、このような条件を日常的な最適化手順によって決定することができる。
本発明の化合物は、当業者に周知のペプチド合成法を用いて調製することができる25。好ましい実施態様において、本発明の化合物は固相法を用いて合成される。
本発明の化合物に向かう好ましい経路をスキーム1に示し、特定の例を以下の実施例に示す。
略語:
以下の略語を下記の添付の実施例において使用する。
min(分)、hr(時間)、g(グラム)、mg(ミリグラム)、mmol(ミリモル)、eq(当量)、ml(ミリリットル)、μl(マイクロリットル)、mm(ミリメートル)、nm(ナノメートル)、μm(マイクロメートル)、Å(オングストローム)、cpm(カウント毎分)、Ci(キュリー)、i.v.(静脈内)、ACN(アセトニトリル)、BBB(血液脳関門)、BOP(ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ(oxcy)−tris−(ジメチルアミノ)−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート)、BOP−Cl(塩化ビス(2−オキソ−3−オキサゾルジニル(oxazoldinyl))ホスフィン酸)、Boc(ブトキシカルボニル)、BSA(ウシ血清アルブミン)、Cbz(カルボキシベンジル)、DCM(ジクロロメタン)、DIC(ジイソプロピルカルボジイミド)、DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)、DIEA(ジイソプロピルエチルアミン)、DMAP(4−ジメチルアミノ−ピリジン)、DMF(ジメチルホルムアミド)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、EDC(塩酸塩1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル−カルボジイミド)、EtOAc(酢酸エチル)、Et2O(ジエチルエーテル)、Fmoc(9−フルオレニルメトキシカルボニル)、HATU(0−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート)、HEPES(N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸)、HOBt(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール)、rt(室温)、MTT(臭化3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウム)、PBS(リン酸緩衝食塩水)、PyBOP(ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノ−ホスホニウム)、PyBrop(ヘキサフルオロリン酸ブロモ−tris−ピロリジノ−ホスホニウム)、TBTU(テトラフルオロホウ酸O−ベンゾトリアゾールイル−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウム)、TEA(トリエチルアミン)、TFA(トリフルオロ酢酸)、THF(テトラヒドロフラン)、ThT(チオフラビンT)。
ペプチド配列中のN(Me)は、アミノ酸のN原子上で分枝しているメチル基を意味する。
本発明の化合物の合成:
式Iの化合物は容易に入手可能な出発材料から調製することができる。合成経路の例を以下に説明する。
一般的なプロトコール:
一般式I(式中のR2、R3、R4、およびR5は前記で定義されている)のペンタペプチドの調製に好ましい経路をスキーム1に示す。
スキーム1:
Figure 2006508904
好ましい実施態様において、式(I)のペプチドは、例えば、好ましいリンク−アミド(Rink−Amide)樹脂を用いて固体支持体上で合成することができる。
一般的に、樹脂は、DCM、DMF、THF、およびもう一度DCMで3回洗浄される。
a)樹脂脱保護ステップ:
樹脂からFmoc保護基を除去するために、DMFに溶解したピペリジン溶液(20〜50%)を加える。このような溶液中で、樹脂を穏やかに30分間〜1時間振盪する。排水後、樹脂を、DCM、DMF、THF、およびもう一度DCMでそれぞれ3回洗浄する。
b)結合ステップ:
Fmoc−アスパラギン酸(β−O−t−ブチル)の溶液および樹脂を、1.5当量の結合試薬(例えば、PyBOP、TBTU、HATU、BOP−Cl、PyBrop、BOP、EDC、DIC、DCC、好ましくはHATU)および3当量の第3級塩基(例えば、NMP、トリエチルアミン、ジイソプロピル−エチルアミン)または同様のpKaを有する任意の第3級塩基(好ましくは、ジイソプロピルエチルアミン)と共に振盪する。25〜40℃で2〜15時間後、樹脂を排水し、DCM、DMF、THF、およびもう一度DCMで3回洗浄する。
残りの4つのアミノ酸については、式(II)の適切なFmoc保護アミノ酸を用いて、前記と同じやり方で脱保護ステップおよび結合ステップ(スキームI、結合サイクル2〜5)を連続して行って、式(III)の樹脂結合化合物を得る。
5回目のFmoc−アミノ酸結合ステップの後、基R1を以下のように導入する。
c)R1の導入:
脱保護ステップにおいてFmoc部分を前記式(III)の化合物から除去し、基R1を導入する。
1が非置換アシル基である式Iの化合物の場合(スキーム2)、新たに調製した、ピリジンに溶解したR1COCl溶液(20当量)を、樹脂結合化合物(式IIIの化合物)と共に25〜40℃で2〜20時間振盪する(スキーム2)。切断ステップにまわす前に、樹脂をDCM、DMF、THF、およびもう一度DCMで3回、徹底的に洗浄する。R1部分が存在する、結果として生じた化合物を式(IV)と示す。
スキーム2:
Figure 2006508904
d)切断ステップ:
新たに調製した、DCMに溶解した95%TFA溶液を樹脂と共に室温で1〜4時間振盪する。これにより、化合物はC末端アミドとして樹脂から切断され、TFA感受性保護基は除去される。溶液を集め、処理を2回繰り返す。溶液を集め、乾燥するまで蒸発させる。式(I)の粗化合物を、以下の条件を用いた分取HPLCで精製する。
トリチウム化プロトコール:
ステップ4において3,4−デヒドロ−プロリン残基を結合する以下の一般的なプロトコールに従って、式Iの化合物のトリチウム化された誘導体を調製することができる。
トリチウム化容器内で、デヒドロ−Proペプチド(2mg)を10%パラジウム−炭酸カルシウム(10mg)およびDMF(1ml)と混合する。混合物をトリチウムガス(5Ci)の下で3時間攪拌する。溶液を濾過し、エタノールを用いて乾燥するまで蒸発を繰り返すことによって不安定なトリチウムを除去する。
以下のシステム:水:アセトニトリル:TFA勾配系を用いたバイダック(Vydac)C18プロテインアンドペプチド(Protein and Peptide)カラム(250×9.6mm)での高速液体クロマトグラフィーによって、粗反応混合物を精製した。検出は放射能検出器およびUV検出器(220nm)によって行う。生成物を集め、乾燥するまで蒸発させ、調剤用溶離剤(dispensing eluent)に再溶解する。
もう一方の精製は以下のように行う。プレップノバパック(Prep Nova−Pak)(登録商標)HR C18カラム6μm 60Å、40×30mm(100mgまで)または40×300mm(1gまで)を備える分取HPLCウォーターズプレップ(Waters Prep)LC4000システム。精製は全て、MeCN/H2O 0.09% TFAの勾配を用いて行った。
以下の基本要素:Fmoc−L−フェニルアラニン、Fmoc−(β−OtBu)−L−アスパラギン酸、Fmoc−L−ロイシン、Fmoc−L−プロリン、Fmoc−N−Me−L−フェニルアラニン、Fmoc−N−Me−(OtBu)−L−アスパラギン酸、Fmoc−N−Me−L−ロイシンは、スイスのバケム(Bachem)から市販されている。
結合試薬は、スイスのノババイオケム(Novabiochem)から市販されている。
一般的に、一般式(I)のペプチド誘導体は、標準的なペプチド合成法を用いて溶液中で、または固相において合成することができる。両アプローチとも、当業者に周知の一般的な結合試薬が用いられる。
一般的な、または好ましい実験条件(すなわち、反応温度、時間、試薬のモル、溶媒など)が示されている場合、特に指定のない限り、他の実験条件も使用できることが理解されるだろう。最適の反応条件は、使用される特定の反応物または溶媒によって変化することがあるが、当業者はこのような条件を理解するだろう。
実施例1〜7の化合物は本発明の好ましい実施態様である。実施例1〜6の化合物の構造を以下の表1に示す。
実施例1、2、3、4、5、および6の化合物は、スキーム1に示したプロトコールに従って合成することができる。
実施例7の化合物は実施例1のトリチウム化化合物を表している。これは、スキーム1に示したプロトコールに従い、ステップ4においてプロリンの代わりに3,4−デヒドロ−プロリンアミノ酸を使用して合成することができる。次いで、前記のトリチウム化プロトコールに従って、ペプチドをトリチウム化する。実施例7の化合物の比放射能は42Ci/mmolであった。
Figure 2006508904
実施例1〜7の化合物の質量を以下の表2に示す。
Figure 2006508904
比較例8
以下の化合物は国際公開第01/34631号パンフレット(アクソニックス(Axonyx Inc.))に開示されており、参照化合物として含まれる。
実施例8:
Figure 2006508904
実施例9:生物学的アッセイ
ペプチド安定性のin vitroアッセイ
本発明の化合物の安定性を参照化合物(実施例8)と比較してアッセイすることができる。
ペプチドを1μg/μlの水溶液として調製した。ペプチド溶液20μlを、新鮮なヒト血漿または10%ラット脳ホモジネート(PBSに溶解して調製)80μlで希釈した。結果として生じた溶液を37℃で様々な時間インキュベートし、コンプリートプロテアーゼインヒビターカクテルを添加することによって反応を止めた。血漿および脳タンパク質の大部分を冷メタノール中で−20℃で1時間沈殿させた(混合物/MeOH、4/5、v/v)(ペプチドは沈殿しなかった)。沈殿したタンパク質を遠心分離(10000g、10分、4℃)によってペレット化した。ペプチドを含む上清を減圧下で5倍に濃縮し、逆相HPLCによって分離した。インタクトなペプチドに対応するピーク面積を測定し、PBSでインキュベートした同等の試料と比較した。結果を表3に「t1/2ヒト血漿」および「t1/2ラット脳ホモジネート」と示す。この値は、実施例8の参照化合物について得られた値と比べて遜色がない。
Figure 2006508904
活性のin vitroアッセイ
凝集線維形成を阻害する本発明の化合物の活性は、アミロイド線維に対して親和性を有するフルオロフォアの蛍光シグナル変化を追跡することによって試験することができる。
レビン(Levine)26およびサトウ(Soto)ら27により報告されたように、アミロイド線維に結合したチオフラビンT(ThT)の蛍光発光によって、アミロイド形成を定量評価した。0.1M Tris、(pH7.4)に溶解して調製したAβ1−42(アルツハイマー脳のアミロイド斑に沈着するものと同じ配列を有する合成ペプチド)アリコート(濃度0.5mg/ml)を、様々な濃度の化合物の非存在下または存在下で、ロータリーシェーカーで穏やかに回旋しながら、37℃で5日間インキュベートした。インキュベーション期間の終わりに、50mMグリシン(pH9.2)および2μM ThTを最終体積2mlで添加した。蛍光を、パーキンエルマー(Perkin Elmer)モデルLS50B蛍光分光計において励起435nmおよび発光485nmで測定した。この分析法28を用いて、本発明の化合物により引き起こされる線維形成阻害のパーセントを計算することができる。結果を表4に示し、図1に図示する。値はアミロイド形成阻害のパーセントに対応し、実施例8の化合物の活性(100%)と比較して表した。
Figure 2006508904
活性の細胞アッセイ
アミロイド線維は細胞傷害性であり、アポトーシスによる細胞死を誘導する18。アミロイド形成を阻止する本発明の化合物の能力は、細胞アッセイにおいて細胞傷害性の阻害を測定することによって評価することができる。
0.1M Tris(pH7.4)に溶解して調製したAβ1-42アリコート(濃度0.5mg/ml)を単独で、または様々な濃度の化合物の存在下で、ロータリーシェーカーで穏やかに回旋しながら、37℃で36時間インキュベートした。インキュベーション期間の終わりに、Aβの最終濃度が5.5μMになるように、溶液のアリコートをPC12細胞の培地に添加した。細胞を24時間インキュベートし、その後に、MTTキット(ロシュ、マンハイム、ドイツ(Roche,Mannheim,Germany))を用いて製造業者の説明書に従って、細胞生存率を評価した。表5に示した結果は、Aβのみをインキュベートしたものに対するアミロイド細胞傷害性阻害のパーセントであり、実施例8の化合物の活性(100%)と比較して表した。
Figure 2006508904
血液脳関門透過試験
毛細血管枯渇(capillary depletion)実験によって、BBBを通過する本発明の化合物の能力を調べることができ、脳に透過するキネティクスを測定することができる。
a)毛細血管枯渇および血液ウォッシュアウト(blood washout)
本発明の化合物の脳への透過を評価するために、毛細血管枯渇が用いられる。「ウォッシュアウト」ステップによって脳から血液が除去され、その結果、脳実質に存在する本発明の化合物の濃度を測定することができる。
毛細血管枯渇試験27を雄CD−1マウス(28〜36g)において行った。マウスを腹腔内ウレタン(40%)で麻酔し、左頸静脈を暴露する。実施例15のトリチウム標識ペプチドを静脈内注射する。動物を屠殺する前に、血液を頸動脈(群1)または下行大動脈(群2)から集める。血液を集めた後、群1のマウスを屠殺するか、または乳酸リンゲル液(7.19g/l NaCl、0.3g/l KCL、0.28 CaCl2、2.1g/l NaHCO3、0.16+g/l KH2PO4、0.37g/l MgCl2・6H2O、0.99g/l D−グルコース、10g/lウシ血清アルブミン、pH7.4)20mlを心臓の左心室に30秒間注射することによって、血液を除去する(これにより脳血管内容物の95%超が除去される)(血液脳ウォッシュアウト、群2)。
脳/血清比(μl/g)は、以下の式:脳/血清比=(cpm/g脳)/(cpm/μl血清)によって評価される。大脳皮質を秤量し、生理学的緩衝液(10mM HEPES、140mM NaCl、4mM KCl、2.8mM CaCl2、1mM MgSO4、1mM NaH2PO4、および10mM D−グルコース、pH7.4)中でホモジナイズする。次いで、デキストラン溶液(26%溶液1.6ml)をホモジネートに添加する。遠心分離(5,400g、15分、4℃)の後、脳血管系(ペレット)および実質(上清)を分離し、それぞれの画分の放射能を測定する。
実施例1の放射性誘導体(実施例7の化合物)の静脈内注射の10分後、放射能の70%超が実質に回収された。血液ウォッシュアウトが行われた毛細血管画分または血液ウォッシュアウトが行われなかった毛細血管画分に関連した放射能のパーセントは、それぞれ、24%および29%である。これらのデータは、化合物1の大部分がBBBを通過することを示している。さらに、これは、実施例1のペプチドが毛細血管の管腔表面に弱く結合し、内皮細胞に隔離されないことを証明している。
b)血液脳関門透過試験:
本発明の化合物の脳への透過キネティクスは血液脳関門透過実験によって評価することができる。次いで、注射され、脳に見出されたペプチドのパーセントを計算することができる。
マウスを腹腔内ウレタン(40%)で麻酔し、左頸静脈を暴露する。1%BSAおよび実施例7のトリチウム標識ペプチド(「放射性」)(100000cpm/mlのトリチウム放射性ペプチド)を含む乳酸リンゲル液(7.19g/l NaCl、0.3g/l KCL、0.28 CaCl2、2.1g/l NaHCO3、0.16+g/l KH2PO4、0.37g/l MgCl2・6H2O、0.99g/l D−グルコース、10g/lウシ血清アルブミン、pH7.4)0.2mlを注射する。標識ペプチド注射後の様々な時点で、動脈血を右頸動脈から集める。血清を遠心分離(4800g、10分、4℃)によって得る。動脈血を集めた後、マウスを断頭し、松果体および下垂体を除く全脳を採取し、秤量する。TS−2溶液(RPI、マウントプロスペクト(Mount Prospect)、イリノイ州)に40℃で一晩溶解するステップを行った後に、脳および血清に含まれる放射能の量を測定する。総放射能の脳/血清比を注射後1分〜120分まで経時的に求めた。脳/血清比(μl/g)は、以下の式:脳/血清比=(cpm/g脳)/(cpm/μl血清)によって評価される。
脳/血清比対時間を図示することによって、流入速度Ki(傾き)および分布容積(Y切片)Viを得ることができる。流入速度(Ki、μl(血清)/g(組織重量)−分)は、化合物が循環から脳に移動する速度を表す。分布容積(Vi、μl(血清)/g(組織重量))は、時間0分で脳実質に分布している物質の見かけの体積である。結果を表6に示す。
Figure 2006508904
放射性ペプチドのみを用いた流入速度(Ki)は3.54±0.29μl/g−分であり、Y切片は約50μl/gであった(表4)。これは、実施例1の化合物が脳を透過することを示している。
脳1g当たりの、実施例7の化合物の注射量に対する脳に取り込まれた量のパーセントを計算した(図2を参照のこと)。最大値は0.464%であり、注射の1.4分後に、この値の半分に達した。このデータは、実施例7の化合物が脳に急速に取り込まれたことを示唆している。
脳試料のHPLC分析から、インタクトなペプチドの12%が静脈内注射の20分後に回収されたことが分かった。
注射された化合物の0.06%超が、注射後20分以内に脳においてインタクトな状態で回収された。
脳Aβ沈着の動物モデルを用いたin vivo試験
アミロイド沈着物形成を阻害する本発明の化合物の活性は、本発明のペプチドの存在下および非存在下で脳組織切片を抗Aβ1-42抗体で染色することによってin vivoで視覚化することができる。
雄フィッシャー(Fischer)−344ラットは到着時、体重250〜300gであり、3〜4ヶ月齢であった。動物をケージ1個につき2匹入れ、12時間の明暗周期に維持し、試料および水を自由に与え、外科手術の前に新しい環境に2〜3週間慣れさせた。ペントバルビタールナトリウム(50mg/kg、腹腔内)麻酔の下で、外科手術を行った。動物を麻酔したら、硫酸アトロピン(0.4mg/kg)およびアンピシリンナトリウム塩(50mg/kg)を皮下注射した。Aβ1-42をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、次いで、16.7%DMSOの濃度まで水で希釈した。インシザーバー(incisor bar)を両耳間ライン(interaural line)より3.3mm低くなるように設定したコプフ(Kopf)定位固定装置を用いて、動物のそれぞれの扁桃体(amygdale)に5.0nmolのAβ1-42を両側注射した。ブレグマおよび頭蓋表面から測定された注射座標(AP−3.0、ML±4.6、DV−8.8)は、パキシノス(Paxinos)およびワトソン(Watson)のアトラスに基づいて経験的に求めた。体積3.0μlの5.0nmol Aβ1-42溶液を、CMA/100マイクロシリンジポンプを用いて6分間にわたって投与した(流速0.5μl/分)。注射後2分間、カニューレを置いたままにし、次いで、0.2mm引き抜き、3分間そのままの状態にし、5分後、カニューレをゆっくりと引き抜いた。外科手術の後、立直り反射が回復するまで、動物を温熱パッドの上に置いた。動物を実施例1の化合物および実施例8の化合物で処置した。0.9%NaClに4.4mMの濃度で溶解したペプチドを、7.5週間、週に4回、皮下注射(注射1回当たり0.5ml)した。動物を化合物で処置した後、過量のペントバルビタールナトリウム(150mg/kg、腹腔内)を大動脈を通して灌流させて屠殺した。組織学のために、脳の連続冠状切片(40μm)を切り、エチレングリコール凍結防御物質の中に入れ、染色まで−20℃で保存した。説明したように、組織切片を抗Aβ1-42抗体で染色した。アミロイド沈着物の大きさを求めるために、画像解析装置を使用した。これらのデータを、二元配置ANOVA、続いて事後比較のためにニューマン−クール(Newman−Keul)多重検定を行って解析した。
実施例1の化合物とビヒクルおよび比較例8の化合物の結果(写真)を図3Aに示す。アミロイド面積を示す結果(グラフ)を図3Bに示す。実施例1の化合物がアミロイド面積を実質的に小さくすることは明らかである。
1 セルコエ(Selkoe)、サイエンス(Science) 275 1997、630−631;
2 マスターズ(Masters),C.ら Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82 1985、4245-4249;
3 ダビーズ(Davies),L.ら Neurology 38 1988、1688−1693;
4 コウォール(Kowall),N.W.ら Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88 1991、7247−7251;
5 レビー(Levy),E.ら サイエンス(Science) 248 1990、1124−1126;
6 マウリー(Maury),C.P.Lab Invest.72 1995、4−16;
7 ジョーダン(Jordan),B.D.Semin.Neurol.20 2001,79−85;
8 カン(Kang),J.ら ネイチャー(Nature) 325 1987,733−;
9 マン(Mann),D.M;Histopathology 13 1988,125−37;
10 ショウジ(Shoji),M.ら サイエンス(Science) 258 1992,126−;
11 モリ(Mori),H.ら J.Biol.Chem.267 1992,17082−;
12 サトウ(Soto) J.Mol.Med.77 1999,412−418;
13 セルペル(Serpell)ら Cell Mol.Life Sci.53 1997,871−887;
14 サトウ(Soto),C.ら J.Biol.Chem.270 1995,3063−3067;
15 ウィスニエウスキー(Wisniewski)ら Biochemical Society Transactions 30(4)2002,574−578;
16 国際公開第96/39834号パンフレット(ニューヨーク大学);
17 国際公開第01/34631号パンフレット(アクソニックス);
18 国際公開第01/07473号パンフレット(ストット(Stott),K.);
19 国際公開第02/074931号パンフレット シカゴ大学;
20 ヤンクナー(Yankner),B.A.;Neuron 16 1996,921−932;
21 ジェナロ(Gennaro),A.R.,ら,レミントンの薬学(Remington’s Pharmaceutical Sciences),パート8;第18版 Easton:The Mack Publishing Company,1995;
22 経口徐放製剤:設計および評価(Oral Sustained Release Formulations:Design and Evaluation);エイブラハム・ヤコビ(Avraham Yacobi),エバ・ハルペリン−ウァレガ(Eva Halperin−Walega)(編);第1版;Pergamon Press(1988年4月);
23 徐放性注射用製品(Sustained−Release Injectable Products);ジュディー・セニョール(Judy Senior)(編);Interpharm Press(2000年7月);
24 カプセル化および制御放出(Encapsulation and Controlled Release)D.R.カルサ(Karsa),R.A.スティーブンソン(Stephenson)(編)Springer Verlag(1993年12月);
25 ペプチド合成の原理(Principles of Peptide Synthesis)(Springer Laboratory);ミクロス・ボダンスキー(Miklos Bodanszky),ミルコス(Milkos);ボダンスキー(Bodanszky);第2改定版;Springer Verlag;
26 レビン(Levine),H;Protein science,2(3)1993,404−410;
27 トリグエロ(Triguero),D.ら J.Neurochem.6 1990,1882−1888;
線維形成アッセイを用いた本発明の化合物のin vitro活性を示す。合成Aβ1-42のアミロイド線維形成の定量に基づくアッセイを用いて、化合物の活性をスクリーニングした。0.1M Tris(pH7.4)に溶解したAβ1-42(110μM)を単独で、または10倍モル過剰の各化合物の存在下で37℃で5日間インキュベートした。その後に、実施例に記載のように、アミロイド線維の量をチオフラビンT蛍光法を用いて測定した。値は、アミロイド形成の阻害パーセントに対応し、実施例8の比較化合物の活性(100%)と比較して表した。 脳1g当たりの、実施例7の化合物の注射量に対する取り込まれた量の%計算値対時間を表すグラフを示す。マウスに、1%BSAおよび実施例7のトリチウム標識ペプチド(「放射性」)(100000cpm/mlのトリチウム放射性ペプチド)を含む乳酸リンゲル液0.2mlを注射した。 脳アミロイドーシスのラットモデルにおける実施例1の化合物および実施例8の比較化合物のin vivo活性を示す。代表的な画像から、ビヒクルで処置された動物群、実施例8の比較化合物で処置された動物群、および実施例1の化合物で処置された動物群の間で、アミロイドの大きさは異なることが分かる。 免疫組織化学後の画像解析により概算された、異なる動物におけるアミロイド面積を示すグラフを示す。

Claims (19)

  1. 一般式I:
    Figure 2006508904
    (式中、
    1はHおよびC2−C6−アシルから選択され;
    2、R3、R4、およびR5は独立してHおよびC1−C6−アルキルから選択され、R2、R3、R4、およびR5のうち少なくとも1つはC1−C6−アルキルであり;
    6はOHおよびNR78から選択され、R7およびR8は独立してHおよびC1−C6−アルキルから選択される)の化合物;
    ならびにその塩およびトリチウム化された誘導体。
  2. 1がC2−C6−アシルである、請求項1に記載の化合物。
  3. 1がホルミル、アセチル、プロピオノイル、およびブチロイルから選択される、請求項1に記載の化合物。
  4. 1がアセチルである、請求項1に記載の化合物。
  5. 全てのα−炭素原子における立体化学配置がLである、請求項1に記載の化合物。
  6. 6がNR78であり、R7およびR8が独立してHおよびC1−C6−アルキルから選択され、全てのα−炭素原子における立体化学配置がLである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
  7. 6がNH2である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
  8. 2がHであり;R4およびR5が独立してHおよびメチルから選択される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
  9. 3がメチルである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
  10. 2、R4、およびR5がHである、請求項9に記載の化合物。
  11. 4およびR5がメチルであり;R2がHである、請求項9に記載の化合物。
  12. 5がメチルであり;R2およびR4がHである、請求項9に記載の化合物。
  13. 4がメチルであり;R2およびR5がHである、請求項9に記載の化合物。
  14. 以下の群
    Ac−Leu−Pro−N(Me)−Phe−Phe−Asp−NH2
    Ac−Leu−Pro−Phe−N(Me)−Phe−Asp−NH2
    Ac−Leu−Pro−Phe−N(Me)−Phe−N(Me)−Asp−NH2
    Ac−Leu−Pro−N(Me)−Phe−Phe−N(Me)−Asp−NH2
    Ac−Leu−Pro−N(Me)−Phe−N(Me)−Phe−Asp−NH2
    Ac−Leu−Pro−N(Me)−Phe−N(Me)−Phe−N(Me)−Asp−NH2
    Ac−Leu−[3H]Pro−N(Me)−Phe−Phe−Asp−NH2
    から選択される、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物。
  15. 医薬品として使用するための、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物。
  16. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物および薬学的に許容可能な賦形剤、希釈剤、または担体を含む、薬学的組成物。
  17. アルツハイマー病、拳闘家痴呆(頭部外傷を含む)、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(オランダ型)(HCHWA−D)、およびアミロイドアンギオパチーを伴う血管性痴呆から選択される疾患または状態を治療または予防するための医薬品を製造するための、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物の使用。
  18. 疾患がアルツハイマー病である、請求項17に記載の使用。
  19. アミロイドおよびアミロイド様沈着物への異常なタンパク質の折り畳みに関連した疾患を治療するための医薬品を調製するための、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物の使用。
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